JP7356374B2 - デファレンシャル - Google Patents

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Description

本発明は、デファレンシャルに関し、特に、車両用動力装置である変速機や減速機等の内部に配置されるデファレンシャルに関する。
一般的に、エンジンや電動モータで発生した駆動力は変速機(トランスミッション)や減速機(モータ減速機)によって変換された後、終減速装置とデファレンシャルを介して車両の駆動輪に伝達される。終減速装置は、駆動軸の回転数を減速するとともにデファレンシャルへ動力を伝達し、デファレンシャルは、車両旋回時に、内側の車輪(旋回内輪)と外側の車輪(旋回外輪)との速度差(回転差)を許容しつつ内外輪に駆動力を振り分けることにより、車両の操縦性を向上させる。
変速機や減速機等において、変速機ケースや減速機ケースは、質量(軽量化)やコスト等の観点から、例えばアルミニウム(又はアルミニウム系合金)製のものが主として採用されている。一方、デファレンシャルのデファレンシャルケースは、強度等の面から、例えば鋳鉄製のものが主として採用されている。
ところで、変速機ケースや減速機ケース等との間に配設され、デファレンシャルケースを支持するベアリングは、かかる荷重が大きいことから、テーパベアリングが主として採用されている(例えば、特許文献1参照)。また、テーパベアリングは、信頼性等の観点から、内部に隙間が生じない様に、アルミニウムケースで挟み込み、予圧をかけて使用される。
特開2011-153640号公報
しかしながら、例えば車両の走行中に、変速機や減速機の温度が上昇すると、アルミニウム(変速機ケースや減速機ケース)と鋳鉄(デファレンシャルケース)との熱膨張率の差に起因して、テーパベアリングの予圧が低下することがある。そのため、高温時でもテーパベアリングの内部に隙間が生じないよう、低温時の予圧をより大きくする必要が有り、テーパベアリングのフリクションが大きくなってしまう(ひいては燃費の悪化を招く)という問題がある。
一方、高温時におけるテーパベアリングの予圧低下を防止するため、変速機ケースや減速機ケースに鉄系の素材を用いると、質量やコスト等が大幅に増加する。そのため、変速機や減速機の内部に配置されるデファレンシャルにおいて、該デファレンシャルが、変速機ケースや減速機ケースと熱膨張率の異なる(小さい)素材から形成されている場合であっても、質量やコスト等の増加を抑制しつつ(すなわち、質量やコスト等の大幅な増加を伴うことなく)、温度変化に伴うテーパベアリングの予圧変化(高温時におけるテーパベアリングの予圧低下)を抑制できる技術が望まれていた。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、変速機や減速機の内部に配置されるデファレンシャルにおいて、該デファレンシャルが、変速機ケースや減速機ケースよりも熱膨張率の小さい素材から形成されている場合であっても、質量やコスト等の増加を抑制しつつ(すなわち、質量やコスト等の大幅な増加を伴うことなく)、温度変化に伴うテーパベアリングの予圧変化(高温時におけるテーパベアリングの予圧低下)を抑制することが可能なデファレンシャルを提供することを目的とする。
本発明に係るデファレンシャルは、変速機又は減速機の内部に配置されるデファレンシャルにおいて、変速機ケース又は減速機ケースよりも熱膨張率が小さい金属系素材から形成されるデファレンシャルケースと、デファレンシャルケースを回転可能に支持するテーパベアリングと、デファレンシャルケースと熱膨張率が同一又は略同一の金属系素材から形成され、デファレンシャルケース及びテーパベアリングを覆うように取り付けられるベアリングリテーナとを備えることを特徴とする。
本発明に係るデファレンシャルによれば、デファレンシャルケースと熱膨張率が同一又は略同一の金属系素材から形成され、デファレンシャルケース及びテーパベアリングを覆うように取り付けられるベアリングリテーナを備えている。そのため、例えば、車両の走行中に、変速機又は減速機の温度が上昇したとしても、ベアリングリテーナとデファレンシャルケースとの熱膨張率の差が小さいことから、テーパベアリングの予圧低下が抑制される。よって、例えば常温時の最低必要予圧を低減することができ、テーパベアリングのフリクションを低減することができる。また、変速機ケース又は減速機ケースを鉄系材質化することによりテーパベアリングの予圧変化を抑えるよりも、大幅に質量やコストを低減できる。その結果、変速機や減速機の内部に配置されるデファレンシャルにおいて、該デファレンシャルが、変速機ケースや減速機ケースよりも熱膨張率の小さい素材から形成されている場合であっても、質量やコスト等の増加を抑制しつつ(すなわち、質量やコスト等の大幅な増加を伴うことなく)、温度変化に伴うテーパベアリングの予圧変化(高温時におけるテーパベアリングの予圧低下)を抑制することが可能となる。
本発明に係るデファレンシャルでは、上記ベアリングリテーナが、周囲にフランジが形成された複数のパーツから構成され、該複数のパーツが、デファレンシャルケースを挟み込むように配設され、フランジにおいてボルトにより締結されていることが好ましい。このようにすれば、ベアリングリテーナの組み付けを容易にすることができる。
本発明に係るデファレンシャルでは、上記テーパベアリングが、デファレンシャルケースの一方の端部と、他方の端部とに配設されるとともに、一方の端部の内側が、一方側のテーパベアリングの外輪の外周面から側面に回り込んで当接し、他方の端部が変速機ケース又は減速機ケースに固定されるようにベアリングリテーナが取り付けられていることが好ましい。このようにすれば、変速機ケース又は減速機ケースが熱膨張(特に、車幅方向/アクスルシャフトのスラスト方向に熱膨張)したとしても、テーパベアリングの予圧低下を抑制するようにベアリングリテーナを固定することができる。
本発明に係るデファレンシャルは、変速機ケース又は減速機ケースと同一又は略同一の熱膨張率を有する金属系素材を用いて形成され、一方側のテーパベアリングと当接するベアリングリテーナの一方の端部の外周部において、該ベアリングリテーナをラジアル方向に支持する第2ベアリングリテーナを有することが好ましい。このようにすれば、ベアリングリテーナの一方の端部(すなわち、変速機ケース又は減速機ケースに直接固定されていない端部)をラジアル方向に対して支持することができる。
また、本発明に係るデファレンシャルでは、一方の端部が、スラスト方向において、上記第2ベアリングリテーナとの間にクリアランスを有するようにベアリングリテーナが取り付けられていることが好ましい。このようにすれば、スラスト方向に設けられたクリアランスによって、ベアリングリテーナと第2ベアリングリテーナとのスラスト方向の熱膨張差を吸収することができる。
本発明に係るデファレンシャルでは、上記ベアリングリテーナに、ファイナルギヤの噛合い箇所に開口部が形成されていることが好ましい。このようにすれば、ベアリングリテーナが、ファイナルギヤの噛合い部と当たることを避けることができる。
本発明に係るデファレンシャルでは、上記ベアリングリテーナに、車両走行中の変速機又は減速機内の油面高さよりも高い位置に複数のオイル排出孔が形成されていることが好ましい。このようにすれば、ベアリングリテーナにバッフル機能を持たせることができる。よって、ベアリングリテーナのバッフル効果により、オイル排出孔からオイルを排出し、走行中のファイナルギヤ部の油面を、変速機又は減速機内の油面よりも下げることができ、オイルの撹拌ロスを低減することができる。
本発明に係るデファレンシャルでは、上記ベアリングリテーナの外面に、該ベアリングリテーナの変形を抑制するリブが設けられていることが好ましい。このようにすれば、ベアリングリテーナの剛性をアップすることができ、車両走行時に、デファレンシャルに大きな荷重がかかった場合であっても、ベアリングリテーナの変形を抑制することができる。
本発明によれば、変速機や減速機の内部に配置されるデファレンシャルにおいて、該デファレンシャルが、変速機ケースや減速機ケースよりも熱膨張率の小さい素材から形成されている場合であっても、質量やコスト等の増加を抑制しつつ(すなわち、質量やコスト等の大幅な増加を伴うことなく)、温度変化に伴うテーパベアリングの予圧変化(高温時におけるテーパベアリングの予圧低下)を抑制することが可能となる。
実施形態に係るデファレンシャルを備えた車両用動力装置の構成を示す車幅方向(左右方向)に沿った断面図である。 図1のII-II線に沿った断面図である。 図1の中の破線で囲まれた部分を拡大した図である。 温度とテーパベアリングの予圧との関係を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1~図3を併せて用いて、実施形態に係るデファレンシャルを備えた車両用動力装置の構成について説明する。図1は、デファレンシャルを備えた車両用動力装置の構成を示す車幅方向(左右方向)に沿った断面図である。図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。また、図3は、図1の中の破線で囲まれた部分を拡大して示した図である。なお、本実施形態では、デファレンシャルとして、車両に搭載されるモータ減速機に適用した場合を例にして説明する。
モータ減速機10は、例えば、電動モータにより駆動輪を駆動する電気自動車(EV)、又は、エンジンと電動モータとにより駆動輪を駆動するハイブリット車両(HEV)に搭載され、電動モータ等の回転数を減速して(すなわち、駆動トルクを増大して)出力する。
モータ減速機10は、減速機ケース11を有している。減速機ケース11内には、デファレンシャル(差動機構)12が回転自在に組み込まれている。デファレンシャル12は、終減速大歯車13が設けられたデファレンシャルケース14を有している。デファレンシャルケース14は、減速機ケース11との間に組み付けられるテーパベアリング(円すいころ軸受)15と、テーパベアリング(円すいころ軸受)16とにより回転自在に支持されている。
デファレンシャルケース14には、左右一方の駆動輪にドライブシャフト(図示省略)を介して接続されるアクスルシャフト17aに固定されたサイドギヤ18aと、他方の駆動輪にドライブシャフト(図示省略)を介して接続されるアクスルシャフト17bに固定されたサイドギヤ18bとが回転自在に組み込まれている。これらのサイドギヤ18a,18bは互いに対向して配設されている。
デファレンシャルケース14には、それぞれのアクスルシャフト17a,17bの回転中心軸に対して直角方向にピニオンシャフト19が取り付けられている。ピニオンシャフト19には、相互に対向してそれぞれ両方のサイドギヤ18a,18bに噛合うピニオンギヤ20a,20bが回転自在に装着されている。
一方のアクスルシャフト17bの外側には、同軸状にロータシャフト21が回転自在に組み込まれている。減速機ケース11には、ロータシャフト21を支持するボールベアリング23,24が組み付けられている。
ロータシャフト21の外側には電動モータ25が配置されている。電動モータ25は、極数に対応する複数の永久磁石が設けられてロータシャフト21に取り付けられるロータ26と、ロータ26の外周を取り巻くコアのスロットにコイル部が組み付けられたステータ27とを備えた永久磁石式同期モータである。ステータ27は、減速機ケース11に固定されている。
減速機ケース11内には減速シャフト31が回転自在に設けられている。減速シャフト31の一端部はボールベアリング32により減速機ケース11に支持され、他端部はボールベアリング33により減速機ケース11に支持されている。減速シャフト31には、ロータシャフト21に設けられた駆動歯車34に噛合う被駆動歯車35が設けられている。被駆動歯車35の直径は、駆動歯車34の直径よりも大きく設定されており、これらの歯車34,35によって第1段目の減速歯車列が形成されている。
さらに、減速シャフト31にはデファレンシャル12の終減速大歯車13に噛合う終減速小歯車36が設けられており、これらの終減速歯車13,36により第2段目の減速歯車列が形成されている。なお、減速機ケース11内には、終減速大歯車13の下部が静止油面下に没するようにオイル(潤滑油)が貯留されている。
ここで、上述した減速機ケース11は、質量(軽量化)やコスト等の観点から、例えばアルミニウム(又はアルミニウム系合金)製のものが採用されている。一方、デファレンシャル12(デファレンシャルケース14)は、強度等の面から、例えば鋳鉄製のものが採用されている。すなわち、デファレンシャル12(デファレンシャルケース14)は、減速機ケース11よりも熱膨張率が小さい金属系素材から形成されている。
デファレンシャル12は、減速機ケース11と熱膨張率の異なる(小さい)素材から形成されている場合であっても、質量やコスト等の増加を抑制しつつ(すなわち、質量やコスト等の大幅な増加を伴うことなく)、温度変化に伴うテーパベアリング15,16の予圧変化(高温時におけるテーパベアリング15,16の予圧低下)を抑制する機能を有している。
そのため、デファレンシャル12は、デファレンシャルケース14と熱膨張率が同一又は略同一の板状の金属系素材(例えば鉄など)から形成され、デファレンシャルケース14及びテーパベアリング16を覆うように取り付けられるベアリングリテーナ(デフサイドベアリングリテーナ)121を備えている。なお、ベアリングリテーナ121を形成する鉄板金材の板厚(厚み)は、減速機ケース11の厚みの1/3程度とすることが好ましい。
ベアリングリテーナ121は、周囲にフランジ1211a,1212aが形成された複数(本実施形態では2つ)のパーツ、すなわち、アッパ・ベアリングリテーナ1211とロワ・ベアリングリテーナ1212とから構成されている。アッパ・ベアリングリテーナ1211とロワ・ベアリングリテーナ1212とは、デファレンシャル12(デファレンシャルケース14)を挟み込むように配設され、フランジ1211a,1212aにおいてボルト1251により締結されている。
一方のテーパベアリング16は、デファレンシャルケース14の一方の端部に配設され、他方のテーパベアリング15は、デファレンシャルケース14の他方の端部に配設されている。図3に拡大して示されるように、ベアリングリテーナ121は、一方の端部の内側が、一方側(図1右側)のテーパベアリング16の外輪の外周面から側面に回り込んで当接し、他方の端部が減速機ケース11にボルト1252によって固定されるように取り付けられている。
ここで、デファレンシャル12は、減速機ケース11と同一又は略同一の熱膨張率の金属系(すなわちアルミニウム系)素材を用いて形成され、一方側のテーパベアリング16と当接するベアリングリテーナ121の一方の端部の外周部において、ベアリングリテーナ121をラジアル方向に支持する第2ベアリングリテーナ129を有している。
図3に示されるように、ベアリングリテーナ121は、一方の端部(端面)が、スラスト方向において、第2ベアリングリテーナ129との間にクリアランスを有するように取り付けられている。
図1及び図2に示されるように、ベアリングリテーナ121(アッパ・ベアリングリテーナ1211)には、終減速小歯車36と終減速大歯車13の噛合い部に開口部122が形成されている。
また、ベアリングリテーナ121(アッパ・ベアリングリテーナ1211及びロワ・ベアリングリテーナ1212)には、車両走行中の減速機内の油面高さよりも高い位置に複数(本実施形態では2つ)のオイル排出孔123が形成されている。
なお、ベアリングリテーナ121の外面には、ベアリングリテーナ121の変形を抑制するためのリブが設けられていることが好ましい。ただし、フランジ1211a,1212aをリブとして機能させることもできる。
上述したように構成されることにより、例えば、車両の走行中に、モータ減速機10の温度が上昇したとしても、ベアリングリテーナ121とデファレンシャル12(デファレンシャルケース14)との熱膨張率の差が小さいことから、テーパベアリング15,16の予圧低下が抑制される。よって、より低温時の最低必要予圧を低減することができ、テーパベアリング15,16のフリクションを低減することができる。
ここで、温度とテーパベアリング15,16の予圧との関係を図4に示す。図4の横軸は温度であり、縦軸は予圧である。また、図4では、本実施形態に係るデファレンシャル12のグラフを実線で示し、ベアリングリテーナ121を有しない従来のデファレンシャル(比較例)のグラフを破線で示した。
鉄(デファレンシャル12)よりもアルミニウム(減速機ケース11)の方が熱膨張が大きいため、図4に示されるように、温度が上昇するにしたがってテーパベアリング15,16の予圧が低下する。ただし、本実施形態に係るデファレンシャル12では、ベアリングリテーナ121とデファレンシャル12との熱膨張率の差が小さいことから、温度上昇に伴うテーパベアリング15,16の予圧低下が抑制され、グラフの傾きが、ベアリングリテーナ121を有しない従来のデファレンシャル(比較例)に対して緩やかになる。その結果、例えば、通常使用する範囲で80℃を最大とすると、本実施形態に係るデファレンシャル12では、80℃まで要件を満足するように予圧を維持しつつ、常温時(例えば20℃)の最低必要予圧を下げることができる(すなわち、常温の予圧を小さく設定できる)。よって、テーパベアリング15,16のフリクションを低減することができる。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、デファレンシャルケース14と熱膨張率が同一又は略同一の板状の金属系素材(例えば鉄)から形成され、デファレンシャルケース14及びテーパベアリング16を覆うように取り付けられるベアリングリテーナ121を備える構成としたため、例えば、車両の走行中に、モータ減速機10の温度が上昇したとしても、テーパベアリング15,16の予圧低下が抑制される。よって、例えば常温時の最低必要予圧を低減することができ、テーパベアリング15,16のフリクションを低減することができる。また、減速機ケース11を鉄系材質化することによりテーパベアリング15,16の予圧変化を抑えるよりも、大幅に質量やコストを低減できる。その結果、モータ減速機10の内部に配置されるデファレンシャル12において、該デファレンシャル12が、減速機ケース11よりも熱膨張率の小さい素材から形成されている場合であっても、質量やコスト等の増加を抑制しつつ(すなわち、質量やコスト等の大幅な増加を伴うことなく)、温度変化に伴うテーパベアリング15,16の予圧変化(高温時におけるテーパベアリング15,16の予圧低下)を抑制することが可能となる。
本実施形態によれば、ベアリングリテーナ121が、周囲にフランジ1211a,1212aが形成された複数のパーツ(アッパ・ベアリングリテーナ1211及びロワ・ベアリングリテーナ1212)から構成され、アッパ・ベアリングリテーナ1211及びロワ・ベアリングリテーナ1212が、デファレンシャルケース14を挟み込むように配設され、フランジ1211a,1212aにおいてボルト1251により締結されているため、ベアリングリテーナ121の組み付けを容易にすることができる。
本実施形態によれば、テーパベアリング15,16が、デファレンシャルケース14の一方の端部と、他方の端部とに配設されるとともに、一方の端部の内側が、一方側のテーパベアリング16の外輪の外周面から側面に回り込んで当接し、他方の端部が減速機ケース11に固定されるようにベアリングリテーナ121が取り付けられているため、減速機ケース11が熱膨張(特に、車幅方向/アクスルシャフト17a,17bのスラスト方向に熱膨張)したとしても、テーパベアリング15,16の予圧低下を抑制するようにベアリングリテーナ121を固定することができる。
本実施形態によれば、減速機ケース11と同一又は略同一の熱膨張率を有する金属系素材(例えばアルミニウム)を用いて形成され、一方側のテーパベアリング16と当接するベアリングリテーナ121の一方の端部の外周部において、該ベアリングリテーナ121をラジアル方向に支持する第2ベアリングリテーナ129を有するため、ベアリングリテーナ121の一方の端部(すなわち、減速機ケース11に直接固定されていない端部)をラジアル方向に対して支持することができる。
また、本実施形態によれば、一方の端部が、スラスト方向において、第2ベアリングリテーナ129との間にクリアランスを有するようにベアリングリテーナ121が取り付けられているため、スラスト方向に設けられたクリアランスによって、ベアリングリテーナ121と第2ベアリングリテーナ129とのスラスト方向の熱膨張差を吸収することができる。
本実施形態によれば、ベアリングリテーナ121に、終減速小歯車36と終減速大歯車13の噛合い箇所に開口部122が形成されているため、ベアリングリテーナ121が、終減速小歯車36と終減速大歯車13の噛合い部と当たることを避けることができる。
本実施形態によれば、ベアリングリテーナ121に、車両走行中のモータ減速機10内の油面高さよりも高い位置に複数(本実施形態では2つ)のオイル排出孔123が形成されているため、ベアリングリテーナ121にバッフル機能を持たせることができる。よって、ベアリングリテーナ121のバッフル効果により、オイル排出孔123からオイルを排出し、走行中のファイナルギヤ部の油面(図1,2の走行中バッフル内油面(実線)参照)を、モータ減速機10内の油面(図1の走行中減速機内油面(破線)参照)よりも下げることができ、オイルの撹拌ロスを低減することができる。
本実施形態によれば、ベアリングリテーナ121の外面に、該ベアリングリテーナ121の変形を抑制するリブが設けられているため、ベアリングリテーナ121の剛性をアップすることができ、車両走行時に、デファレンシャル12に大きな荷重がかかった場合であっても、ベアリングリテーナ121の変形を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明をモータ減速機10に適用した場合を例にして説明したが、本発明は、変速機(トランスミッション)等にも適用することができる。
また、ベアリングリテーナ121の分割の仕方は上記実施形態には限られない。さらに、テーパベアリング16に加えて、テーパベアリング15の外周面をベアリングリテーナ121で覆うように構成してもよい。
また、オイル排出孔123の数や大きさ、配置等は、要件等に応じて任意に設定することができる。
10 モータ減速機
11 減速機ケース
12 デファレンシャル
13 終減速大歯車
14 デファレンシャルケース
15,16 テーパベアリング(デフサイドベアリング)
17a,17b アクスルシャフト
18a,18b サイドギヤ
19 ピニオンシャフト
20a,20b ピニオンギヤ
36 終減速小歯車
121 ベアリングリテーナ(デフサイドベアリングリテーナ)
1211 アッパ・ベアリングリテーナ
1212 ロワ・ベアリングリテーナ
1211a,1212a フランジ
122 開口部
123 オイル排出孔
1251,1252 ボルト
129 第2ベアリングリテーナ

Claims (8)

  1. 変速機又は減速機の内部に配置されるデファレンシャルにおいて、
    変速機ケース又は減速機ケースよりも熱膨張率が小さい金属系素材から形成されるデファレンシャルケースと、
    前記デファレンシャルケースを回転可能に支持するテーパベアリングと、
    前記デファレンシャルケースと熱膨張率が同一又は略同一の金属系素材から形成され、前記デファレンシャルケース及び前記テーパベアリングを覆うように取り付けられるベアリングリテーナと、を備えることを特徴とするデファレンシャル。
  2. 前記ベアリングリテーナは、周囲にフランジが形成された複数のパーツから構成され、
    前記複数のパーツは、前記デファレンシャルケースを挟み込むように配設され、前記フランジにおいてボルトにより締結されていることを特徴とする請求項1に記載のデファレンシャル。
  3. 前記テーパベアリングは、前記デファレンシャルケースの一方の端部と、他方の端部とに配設され、
    前記ベアリングリテーナは、一方の端部の内側が、一方側の前記テーパベアリングの外輪の外周面から側面に回り込んで当接し、他方の端部が前記変速機ケース又は減速機ケースに固定されるように取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のデファレンシャル。
  4. 前記変速機ケース又は減速機ケースと同一又は略同一の熱膨張率を有する金属系素材を用いて形成され、一方側の前記テーパベアリングと当接する前記ベアリングリテーナの一方の端部の外周部において、該ベアリングリテーナをラジアル方向に支持する第2ベアリングリテーナを有することを特徴とする請求項3に記載のデファレンシャル。
  5. 前記ベアリングリテーナは、一方の端部が、スラスト方向において、前記第2ベアリングリテーナとの間にクリアランスを有するように取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のデファレンシャル。
  6. 前記ベアリングリテーナには、ファイナルギヤの噛合い箇所に開口部が形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のデファレンシャル。
  7. 前記ベアリングリテーナには、車両走行中の変速機又は減速機内の油面高さよりも高い位置に複数のオイル排出孔が形成されていることを特徴とする請求項6に記載のデファレンシャル。
  8. 前記ベアリングリテーナの外面には、該ベアリングリテーナの変形を抑制するリブが設けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のデファレンシャル。
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