本発明者らは驚くべきことに、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)による感染症を処置する、寛解させる、その危険性を低減させる、および/または感染症を予防するために使用され得る、高度に免疫原性で十分に耐容される組成物および方法を発見した。より具体的には、例えば、本発明者らは、とりわけ、37日目(用量3の7日後)においてクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルによって測定した場合、65~85歳の健康な成人への3用量レジメン(1、8および30日目)として投与される場合のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの2つの抗原用量レベル(100μgおよび200μgの総トキソイド)の免疫原性を発見した。本発明者らは、とりわけ、7カ月目(用量3の1カ月後)においてクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルによって測定した場合、65~85歳の健康な成人への3用量レジメン(0、1および6カ月目)として投与される場合のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの2つの抗原用量レベル(100μgおよび200μgの総トキソイド)の免疫原性もまた発見した。本発明者らは、とりわけ、ワクチン接種後の複数の時点においてクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルによって測定した場合、65~85歳の健康な成人への3用量レジメン(1、8および30日目または0、1および6カ月目のいずれか)で投与される場合のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの2つの抗原用量レベル(100μgおよび200μgの総トキソイド)の免疫原性;3用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの投与の後少なくとも最大で12カ月間にわたる、65~85歳の健康な成人における免疫応答の動態学;ワクチン接種後の複数の時点においてクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルによって測定した場合、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの第4の用量の免疫原性;ならびにクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの第4の用量の投与の後少なくとも最大で36カ月間にわたる、65~85歳の健康な成人における免疫応答の動態学、をさらに発見した。
例示的な組成物が提供される。例えば、任意の適切な経路(例えば、筋肉内)による1または複数回の投与(例えば、少なくとも2回、3回の投与または用量)を使用して、有効なトキソイドA:B比(例えば、重量で約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、3:1、3:2または1:1のいずれかのトキソイドA対トキソイドB)で、十分な純度(例えば、少なくとも約80~約100%、例えば、約80、85、90、95または90~100%(w/w)のいずれか)で有効量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよびトキソイドB(例えば、約40~約500μg/用量、例えば、約40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490または500μg/用量のいずれか、例えば、約50~約100μg/用量(w/w、組成物中のトキソイドAおよびBの総量))を含む組成物が提供され、多重用量投与レジメンの各用量は、互いに適切に(例えば、少なくとも約1~約10日間、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10日間のいずれか、例えば約7日間)分離される。用量間の時間の長さ(時間間隔)は、個体に依存して変動することが当業者に理解され、その間隔は、以前の用量からの免疫応答が、発達する(例えば、プライミングされる)ための時間を有すると共に、引き続く用量(例えば、ブースト用量(単数または複数))によって決して阻害されないように、十分に長くあるべきである(例えば、日で測定して)。
一実施形態では、本発明のワクチン接種レジメンにおいて使用される組成物は、約40~約500μg/用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAを含む。ある実施形態では、組成物は、約50~約400μg/用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAを含む。一実施形態では、組成物は、約50~約200μg/用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAを含む。一実施形態では、組成物は、約50~約150μg/用量を含む。一実施形態では、組成物は、約40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490または500μg/用量のいずれかのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAを含む。一実施形態では、組成物は、約50μg/用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAを含む。別の実施形態では、組成物は、約100μg/用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAを含む。
一実施形態では、本発明のワクチン接種レジメンにおいて使用される組成物は、約40~約500μg/用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBを含む。一実施形態では、組成物は、約50~約400μg/用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBを含む。一実施形態では、組成物は、約50~約200μg/用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBを含む。一実施形態では、組成物は、約50~約150μg/用量を含む。一実施形態では、組成物は、約40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490または500μg/用量のいずれかのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBを含む。一実施形態では、組成物は、約50μg/用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBを含む。別の実施形態では、組成物は、約100μg/用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBを含む。
一実施形態では、本発明のワクチン接種レジメンにおいて使用される組成物は、本明細書に開示される用量で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよびBを含む。一実施形態では、トキソイドA対B比は、重量で3:1、3:2または1:1のトキソイドA対トキソイドBである。一実施形態では、トキソイドA対B比は、重量で1:3、2:3または1:1のトキソイドA対トキソイドBである。一実施形態では、トキソイドA対B比は、重量で1:1のトキソイドA対トキソイドBである。
一実施形態では、本発明のワクチン接種レジメンにおいて使用される組成物は、少なくとも約80~約100%の純度を有するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよびBを含む。一実施形態では、本発明のワクチン接種レジメンにおいて使用される組成物は、少なくとも約90~約100%の純度を有するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよびBを含む。一実施形態では、本発明のワクチン接種レジメンにおいて使用される組成物は、約80、85、90、95または100%(w/w)の純度を有するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよびBを含む。
一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、1回投与される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、2回投与される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、3回投与される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、4回投与される。
一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、同じ用量で2回投与される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、同じ用量で3回投与される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、同じ用量で4回投与される。
一実施形態では、本発明の組成物は、任意の適切な経路によって投与される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、筋肉内、腹腔内、真皮内または皮下経路によって投与される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、皮下または筋肉内投与される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、筋肉内投与される。
本発明の一実施形態では、多重用量投与レジメンの各用量は、互いに適切に分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、2回投与され、各用量は、約1~約10日間互いに分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、2回投与され、各用量は、約2~9日間互いに分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、2回投与され、各用量は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10日間互いに分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、2回投与され、各用量は、約6日間互いに分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、2回投与され、各用量は、約7日間互いに分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、2回投与され、各用量は、約8日間互いに分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、2回投与され、各用量は、約1~約4カ月間互いに分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、2回投与され、各用量は、約1、2、3または4カ月間互いに分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、2回投与され、各用量は、約1カ月間互いに分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、2回投与され、各用量は、約2カ月間互いに分離される。
一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、3回投与され、第1および第2の用量は、約1~約10日間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約15~45日間分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、3回投与され、第1および第2の用量は、約5~約8日間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約20~35日間分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、3回投与され、第1および第2の用量は、約6~約7日間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約25~35日間分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、3回投与され、第1および第2の用量は、約7日間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約30日間分離される。
一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、3回投与され、第1および第2の用量は、約1~約4カ月間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約5~10カ月間分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、3回投与され、第1および第2の用量は、約1~2カ月間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約5~8カ月間分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、3回投与され、第1および第2の用量は、約1カ月間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約6カ月間分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、3回投与され、第1および第2の用量は、約1カ月間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約5カ月間分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、3回投与され、第1および第2の用量は、約1カ月間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約7カ月間分離される。
一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、4回投与され、第1および第2の用量は、約1~約10日間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約15~45日間分離され、第4および第3の用量は、約6カ月間~約2年間互いに分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、4回投与され、第1および第2の用量は、約5~約8日間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約20~35日間分離され、第4および第3の用量は、約10カ月間~約1.5年間互いに分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、4回投与され、第1および第2の用量は、約6~約7日間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約25~35日間分離され、第4および第3の用量は、約11カ月間~約13カ月間互いに分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、4回投与され、第1および第2の用量は、約7日間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約30日間分離され、第4および第3の用量は、1年間互いに分離される。
一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、4回投与され、第1および第2の用量は、約1~約4カ月間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約5~10カ月間分離され、第4の用量は、第3の用量から約6カ月間~2年間分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、4回投与され、第1および第2の用量は、約1~2カ月間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約5~8カ月間分離され、第4の用量は、第3の用量から約10カ月間~1.5年間分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、4回投与され、第1および第2の用量は、約1カ月間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約6カ月間分離され、第4の用量は、第3の用量から約11カ月間~13カ月間分離される。一実施形態では、本明細書に開示される組成物は、4回投与され、第1および第2の用量は、約1カ月間互いに分離され、第3の用量は、第1の用量から約6カ月間分離され、第4の用量は、第3の用量から約12カ月間分離される。
一実施形態では、本明細書に開示される多用量レジメンのいずれかで与えられる組成物は、同じ用量(即ち、同じ量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよび/またはB)で与えられる。一実施形態では、本明細書に開示される多用量レジメンのいずれかで与えられる組成物は、同じ(即ち、同じ用量および同じ成分)で与えられる。
一実施形態では、本明細書に開示される多用量レジメンのいずれかで与えられる組成物は、異なる用量で与えられる。一実施形態では、本明細書に開示される多用量レジメンのいずれかで与えられる組成物は、同じ用量の抗原(即ち、同じ量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよび/またはB)で与えられるが、異なる成分(例えば、異なるアジュバント)を含み得る。
一部の実施形態では、2回目の投与は、1回目の投与(例えば、0日目)の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10日後であり、3回目の投与は、1回目の投与の少なくとも約20~200日(例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200、例えば、約30または約180日)後である。例えば、この方法は、1回目、2回目および/または3回目の投与を含み得、2回目の投与は、1回目の投与の少なくとも7日後であり、3回目の投与は、1回目または2回目の投与の少なくとも約30日および/または少なくとも約180日後である。一部の実施形態では、2回目の投与は、1回目の投与の約7日後であり、3回目の投与は、1回目の投与の約30日後である。
かかる方法を使用した宿主/対象へのかかる組成物の投与の際に、免疫応答が典型的には観察され、これは、典型的には体液性免疫応答を含み、細胞性免疫応答を含み得る。
ある特定の実施形態では、この方法は、感染症の危険性があるヒト対象に免疫原性組成物を投与するステップを含み得る。一部の実施形態では、ヒト対象は、少なくとも約40、50、65歳またはそれ以上のいずれかであり得る。一部の実施形態では、ヒト対象は、約40~約65歳であり得る。一部の実施形態では、ヒト対象は、65~75歳であり得る。したがって、組成物を投与するための方法もまた提供される。組成物を作製するための方法は、本明細書に記載され、当業者に利用可能である。
一態様では、本発明は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の1つまたは複数の抗原を含む組成物を対象(例えば、ヒト)に投与することによって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に対してそれを免疫化するための方法に関する。一態様では、本発明は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に対して対象を免疫化するための方法における使用のための、本明細書に開示される組成物に関する。一態様では、本発明は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に対してヒト対象を免疫化するための方法における使用のための、本明細書に開示される組成物に関する。一実施形態では、ヒト対象は、40~90歳である。一実施形態では、ヒト対象は、50~85歳である。一実施形態では、ヒト対象は、60~85歳である。ある実施形態では、ヒト対象は、65~85歳である。一実施形態では、ヒト対象は、65~69歳である。ある実施形態では、ヒト対象は、70~79歳である。一実施形態では、ヒト対象は、75~79歳である。一実施形態では、ヒト対象は、少なくとも60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89または90歳である。一実施形態では、ヒト対象は、少なくとも65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84または85歳である。
例えば、適切な組成物は、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)ありまたはなしで、約3:2のおよそのトキソイドA対トキソイドB比で、合計で約50または約100μg(または約50~100μg)のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイド(トキソイドAおよびトキソイドB)を含み得る。比較目的のために、抗原含有組成物が対象の一方の群に投与され得、プラセボ組成物(例えば、0.9%の通常の食塩水)が他方の群に(例えば、同じスケジュールで)投与され得る。免疫学的データおよび安全性データは、特定の日(例えば、1回目の投与の0、14、30、60、180および/もしくは210日後、ならびに/または最大で1000日後)に、対象から取得され得る。組成物の投与は、例えば、0日目(1回目の投与)、約7日目(2回目の投与)、約30日目(3回目の投与)および/または約180日目(代替的な3回目の投与または4回目の投与)に行われ得る。
組成物は、十分な純度(例えば、約90%以上の純度(w/w))で、有効なトキソイドA:B比(例えば、重量で約3:1、3:2または1:1のいずれかのトキソイドA対トキソイドB)で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよびトキソイドBを含み得る。例えば、組成物は、約3:2のおよそのトキソイドA対トキソイドB比で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよびBの高度に精製された(例えば、>90%(w/w))調製物を含み得る。かかる組成物は、例えば、そのそれぞれの全体が参照によって本明細書に各々組み込まれる、WIPO特許出願WO/2012/143902号、米国特許第9187536号およびWIPO特許出願WO/2014/060898号に記載されるような、利用可能な調製方法のいずれかを使用して調製され得る。
用語「クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイド」は、部分的にまたは完全に不活性化されたクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素(毒素Aまたは毒素B)を指すために本明細書で使用される。毒素は、例えば、in vitro細胞毒性アッセイによってまたは動物毒性によって測定した場合、未処理の毒素よりも低い毒性(例えば、100%、99%、98%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%もしくはそれ未満の毒性またはそれらの間の任意の値)を有する場合、不活性化されている。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)培養物からの毒素の精製、および化学物質(例えば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、過酸化物または酸素処理)による毒素の不活性化によって産生され得る。あるいは、野生型、または毒性を欠くもしくは低減された毒性を有する変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素は、組換え方法および/または代替的な化学的架橋剤を使用して産生され得る。例えば、低減された毒性を生じる遺伝子変異が作成され得る。野生型、または毒性を低減させるために特定の領域を欠く変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素もまた作製され得る。
クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドまたは変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素とは、例えば、対応する野生型構造と比較して架橋を有することによって、および/またはデフォルトギャップ重みを使用してプログラムGAPもしくはBESTFITなどによって最適にアラインされた場合に対応する野生型配列と比較して少なくとも1つの変異を有することによって、対応する野生型構造または配列とは異なる構造または配列を示す分子を指す。用語トキソイドまたは変異体毒素は、本明細書で使用する場合、対応する野生型分子とは異なる機能的特性(例えば、抑止されたグルコシルトランスフェラーゼおよび/または抑止されたシステインプロテアーゼ活性)をさらに示す。
トキソイドは、本明細書で使用する場合、そのそれぞれの全体が参照によって本明細書に各々組み込まれる、WIPO特許出願WO/2012/143902号、米国特許第9187536号およびWIPO特許出願WO/2014/060898号に記載されるようなトキソイドまたは変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素のいずれかであり得る。即ち、トキソイドは、本明細書で使用する場合、そのそれぞれの全体が参照によって本明細書に各々組み込まれる、WIPO特許出願WO/2012/143902号、米国特許第9187536号およびWIPO特許出願WO/2014/060898号に記載されるようなポリペプチドのいずれかであり得る。上記野生型株のいずれか由来のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素は、トキソイドまたは変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素が産生される供給源として使用され得る。好ましくは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)630が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドが産生される供給源である。
一実施形態では、トキソイドとは、最初のメチオニンが存在しない、配列番号1~配列番号761から選択されるいずれか1つの配列を有するポリペプチドを指し、このポリペプチドは、本明細書に記載される化学的クロスリンカー、例えば、ホルムアルデヒドもしくはEDCなどと接触しており、および/または遺伝子変異している。より具体的には、一実施形態では、トキソイドは、配列番号1~8、15、17、19、21、23、25、28~35、82~761のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
変異は、通常その位置に位置する野生型アミノ酸残基の置換、欠失、トランケーションまたは改変を含み得る。好ましくは、変異は、非保存的アミノ酸置換である。本発明の変異体毒素は、例えば、部位特異的変異誘発、変異原(例えば、UV光)を使用する変異誘発などの、変異を調製するための当該分野で公知の技術によって調製され得る。好ましくは、部位特異的変異誘発が使用される。あるいは、目的の配列を有する核酸分子は、直接合成され得る。かかる化学的合成方法は、当該分野で公知である。
本発明では、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素は、対応する野生型クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素と比較して、グルコシルトランスフェラーゼドメイン中に少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、グルコシルトランスフェラーゼドメインは、少なくとも2つの変異を含む。好ましくは、変異は、対応する野生型クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素のグルコシルトランスフェラーゼ酵素活性と比較して、毒素のグルコシルトランスフェラーゼ酵素活性を減少させるまたは抑止する。
例示的なクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAは、対応する野生型クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aと比較して、285および287位にアミノ酸置換を有する配列番号29を含むグルコシルトランスフェラーゼドメイン、ならびに158位にアミノ酸置換を有する配列番号32を含むシステインプロテアーゼドメインを含む。例えば、かかる変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)TcdAは、最初のメチオニンが存在しない、配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aは、配列番号84に示されるアミノ酸配列を含む。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAのさらなる例には、最初のメチオニンが場合により存在しない、配列番号1と比較してD269A、R272A、D285A、D287A、E460A、R462AおよびC700A変異を有する、配列番号7に示されるアミノ酸配列が含まれる。別の実施形態では、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む。
例示的なクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBは、最初のメチオニンが存在しない、配列番号6に示されるアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aは、配列番号86に示されるアミノ酸配列を含む。変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)TcdBのさらなる例には、配列番号8の最初のメチオニンが場合により存在しない、配列番号2と比較してD270A、R273A、D286A、D288A、D461A、K463AおよびC698A変異を有する、配列番号8に示されるアミノ酸配列が含まれる。別の実施形態では、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Bは、配列番号85に示されるアミノ酸配列を含む。
哺乳動物において免疫応答を生じさせることに加えて、本明細書に記載されるトキソイドはまた、対応する野生型クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素と比較して、低減された細胞毒性を有する。好ましくは、免疫原性組成物は、安全であり、哺乳動物における投与について、それぞれの野生型毒素の細胞毒性と比較して、最小限(例えば、約6~8 log10の低減)の細胞毒性を有する~細胞毒性を有さない。
本明細書で使用する場合、用語細胞毒性は、当該分野で理解される用語であり、アポトーシス細胞死、および/または細胞の1つもしくは複数の通常の生化学的もしくは生物学的機能が、細胞毒性剤の非存在下であるが同一の条件下の同一の細胞と比較して異常に損なわれた状態を指す。毒性は、例えば、細胞もしくは哺乳動物において、50%の細胞死を誘導するのに必要な薬剤の量(即ち、それぞれEC50またはED50)として、または当該分野で公知の他の方法によって、定量化され得る。
細胞球状化(rounding)アッセイなどの細胞毒性を示すためのアッセイが、当該分野で公知である。当該分野で公知のさらなる例示的な細胞毒性アッセイには、[14C]グルコースアッセイを用いる標識されたRasのホスホイメージング(phosphorimaging)に関するグルコシル化アッセイ、ならびに好ましくは、そのそれぞれの全体が参照によって本明細書に各々組み込まれる、WIPO特許出願WO/2012/143902号、米国特許第9187536号およびWIPO特許出願WO/2014/060898号に記載されるin vitro細胞毒性アッセイが含まれ、ここで、EC50とは、毒素の非存在下の同一の条件下の同一の細胞と比較して、細胞、好ましくは、ヒト二倍体線維芽細胞(例えば、IMR90細胞(ATCC CCL-186(商標))において少なくとも約50%の細胞変性効果(CPE)を示す免疫原性組成物の濃度を指し得る。in vitro細胞毒性アッセイは、毒素の非存在下の同一の条件下の同一の細胞と比較して、細胞、好ましくは、ヒト二倍体線維芽細胞(例えば、IMR90細胞(ATCC CCL-186(商標))において野生型クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素誘導された細胞変性効果(CPE)の少なくとも約50%を阻害する組成物の濃度を評価するためにも使用され得る。
一実施形態では、免疫原性組成物の細胞毒性は、対応する野生型クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素と比較して、少なくとも約1000倍、2000倍、3000倍、4000倍、5000倍、6000倍、7000倍、8000倍、9000倍、10000倍、11000倍、12000倍、13000倍、14000倍、15000倍またはそれよりも大きく低減される。
別の実施形態では、免疫原性組成物の細胞毒性は、同一の条件下の対応する野生型毒素と比較して、少なくとも約2-log10、より好ましくは約3-log10、最も好ましくは約4-log10またはそれよりも大きく低減される。例えば、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)TcdBは、少なくとも約10-12g/mlのEC50値を有し得る例示的な野生型クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)TcdBと比較して、標準的な細胞変性効果(cytopathic effect)アッセイ(CPE)において測定した場合、約10-9g/mlのEC50値を有し得る。
なお別の実施形態では、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素の細胞毒性は、例えば、in vitro細胞毒性アッセイによって測定した場合、少なくとも約50μg/ml、100μg/ml、200μg/ml、300μg/ml、400μg/ml、500μg/ml、600μg/ml、700μg/ml、800μg/ml、900μg/ml、1000μg/mlまたはそれよりも大きいEC50を有する。したがって、好ましい実施形態では、免疫原性組成物および変異体毒素は、哺乳動物への投与にとって生物学的に安全である。
一実施形態では、トキソイドは、配列番号1~配列番号761から選択されるいずれか1つの配列を有するポリペプチドであり、より具体的には、トキソイドは、最初のメチオニンが存在しない、配列番号1~8、15、17、19、21、23、25、28~35、82~761のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドであり、このポリペプチドは、本明細書に記載されるように、化学的クロスリンカー、例えば、ホルムアルデヒドまたはEDCなどと接触されている。架橋(本明細書で「化学的不活性化」または「不活性化」とも呼ぶ)は、共有結合によって2つ以上の分子を化学的に連結するプロセスである。用語「架橋試薬」、「架橋剤」および「クロスリンカー」とは、ペプチド、ポリペプチドおよび/またはタンパク質上の特定の官能基(一級アミン、スルフヒドリル、カルボキシル、カルボニルなど)と反応することが可能なおよび/またはそれに化学的に結合することが可能な分子を指す。一実施形態では、分子は、ペプチド、ポリペプチドおよび/またはタンパク質上の特定の官能基(一級アミン、スルフヒドリル、カルボキシル、カルボニルなど)と反応することが可能なおよび/またはそれに化学的に結合することが可能な2つ以上の反応性末端を含み得る。好ましくは、化学的架橋剤は、水溶性である。別の好ましい実施形態では、化学的架橋剤は、ヘテロ二官能性クロスリンカーである。別の実施形態では、化学的架橋剤は、二官能性クロスリンカーではない。化学的架橋剤は、当該分野で公知である。
例示的な適切な化学的架橋剤には、ホルムアルデヒド;ホルマリン;アセトアルデヒド;プロピオンアルデヒド;1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド(EDC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩、1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリニル-(4-エチル)カルボジイミドメト-p-トルエンスルホナート(CMC)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、およびN,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ならびにそれらの誘導体が含まれる水溶性カルボジイミド(RN=C=NR’);およびN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS);フェニルグリオキサール;ならびに/またはUDP-ジアルデヒドが含まれる。
好ましくは、架橋剤はEDCである。変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドが、EDCによって(例えば、ポリペプチドをEDCと接触させることによって)化学的に改変される場合、一実施形態では、ポリペプチドは、(a)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、(b)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、(c)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基とポリペプチドのN末端のアミノ基との間の少なくとも1つの架橋を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、(d)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基とポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、(e)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖と第2の単離されたポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、(f)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖と第2の単離されたポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、(g)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基と第2の単離されたポリペプチドのN末端のアミノ基との間の少なくとも1つの架橋を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、(h)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基と第2の単離されたポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋を含む。
「第2の単離されたポリペプチド」とは、EDCとの反応の間に存在する任意の単離されたポリペプチドを指す。一実施形態では、第2の単離されたポリペプチドは、第1の単離されたポリペプチドと同一の配列を有する変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドである。別の実施形態では、第2の単離されたポリペプチドは、第1の単離されたポリペプチドとは異なる配列を有する変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドである。
一実施形態では、ポリペプチドは、(a)~(d)の改変から選択される少なくとも2つの改変を含む。例示的な実施形態では、ポリペプチドは、(a)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋、および(b)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋を含む。さらなる実施形態では、ポリペプチドは、(a)~(d)の改変から選択される少なくとも3つの改変を含む。なおさらなる実施形態では、ポリペプチドは、(a)、(b)、(c)および(d)の改変を含む。
1つよりも多い変異体ポリペプチドが、EDCによる化学的改変の間に存在する場合、一実施形態では、得られた組成物は、(a)~(h)の改変のいずれかのうち少なくとも1つを含む。一実施形態では、組成物は、(a)~(h)の改変から選択される少なくとも2つの改変を含む。さらなる実施形態では、組成物は、(a)~(h)の改変から選択される少なくとも3つの改変を含む。なおさらなる実施形態では、組成物は、(a)~(h)の改変から選択される少なくとも4つの改変を含む。別の実施形態では、組成物は、(a)~(h)の改変の各々のうち少なくとも1つを含む。
例示的な実施形態では、得られた組成物は、(a)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋;および(b)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋を含む。一実施形態では、組成物は、(c)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基とポリペプチドのN末端のアミノ基との間の少なくとも1つの架橋;および(d)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基とポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋をさらに含む。
別の例示的な実施形態では、得られた組成物は、(e)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖と第2の単離されたポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋;(f)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖と第2の単離されたポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋;(g)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基と第2の単離されたポリペプチドのN末端のアミノ基との間の少なくとも1つの架橋;および(h)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基と第2の単離されたポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋を含む。
さらなる例示的な実施形態では、得られた組成物は、(a)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋;(b)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋;(e)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖と第2の単離されたポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋;および(f)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖と第2の単離されたポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋を含む。
好ましい実施形態では、化学的架橋剤には、ホルムアルデヒド、より好ましくは、リジンの非存在下のホルムアルデヒドを含む薬剤が含まれる。グリシン、または一級アミンを有する他の適切な化合物が、架橋反応においてクエンチャーとして使用され得る。したがって、別の好ましい実施形態では、化学的薬剤には、ホルムアルデヒド、およびグリシンの使用が含まれる。
なお別の好ましい実施形態では、化学的架橋剤には、EDCおよびNHSが含まれる。当該分野で公知のように、NHSは、EDCカップリングプロトコール中に含まれ得る。しかし、本発明者らは、驚くべきことに、NHSが、対応する野生型毒素と比較して、遺伝子変異した毒素と比較して、EDCによって化学的に架橋された遺伝子変異した毒素と比較して、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素の細胞毒性をさらに減少させることを促進し得ることを発見した。例えば、そのそれぞれの全体が参照によって本明細書に各々組み込まれる、WIPO特許出願WO/2012/143902号、米国特許第9187536号およびWIPO特許出願WO/2014/060898号に記載される実施例22を参照のこと。したがって、機構にも理論にも束縛されないが、ポリペプチドの少なくとも1つのリジン残基の側鎖に連結されたベータ-アラニン部分を有する変異体毒素ポリペプチド(例えば、変異体毒素ポリペプチド、EDCおよびNHSの反応から生じる)は、例えば、ベータ-アラニン部分が存在しないクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素(野生型または変異体)と比較して、変異体毒素の細胞毒性をさらに減少させることを促進し得る。
EDCおよび/またはNHSの使用は、クエンチャーとしての、グリシンまたは一級アミンを有する他の適切な化合物の使用もまた含み得る。例えば、グリシンメチルエステルおよびアラニンなどの、一級アミンを有する任意の化合物が、クエンチャーとして使用され得る。好ましい実施形態では、クエンチャー化合物は、非ポリマー性親水性一級アミンである。非ポリマー性親水性一級アミンの例には、例えば、アミノ糖、アミノアルコールおよびアミノポリオールが含まれる。非ポリマー性親水性一級アミンの具体例には、グリシン、エタノールアミン、グルカミン、アミン官能化ポリエチレングリコールおよびアミン官能化エチレングリコールオリゴマーが含まれる。一実施形態では、化学的架橋剤は、ホルムアルデヒドを含まない。一実施形態では、化学的架橋剤は、ホルマリンを含まない。
一態様では、本発明は、EDCおよび非ポリマー性親水性一級アミン、好ましくはグリシンによって化学的に改変された少なくとも1つのアミノ酸側鎖を有する変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素、即ちポリペプチドに関する。得られたグリシン付加物(例えば、EDC、NHSで処理し、グリシンでクエンチした三重変異体毒素の反応からの)は、対応する野生型毒素と比較して、変異体毒素の細胞毒性を減少させることを促進し得る。
一実施形態では、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素、即ちポリペプチドが、EDCおよびグリシンによって化学的に改変される場合、このポリペプチドは、ポリペプチドがEDCによって改変される場合の少なくとも1つの改変(例えば、上記(a)~(h)の改変のいずれかのうち少なくとも1つ)を含み、以下の例示的な改変のうち少なくとも1つを含む:(i)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基に連結されたグリシン部分;(j)ポリペプチドの少なくとも1つのアスパラギン酸残基の側鎖に連結されたグリシン部分;および(k)ポリペプチドの少なくとも1つのグルタミン酸残基の側鎖に連結されたグリシン部分。
一実施形態では、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)TcdA、即ちポリペプチドの少なくとも1つのアミノ酸は、化学的に架橋され、および/または変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)TcdB、即ちポリペプチドの少なくとも1つのアミノ酸は、化学的に架橋される。本明細書に記載される変異体毒素、即ちポリペプチドのいずれかは、化学的に架橋され得る。別の実施形態では、配列番号4、配列番号6、配列番号7および/または配列番号8を有するポリペプチドの少なくとも1つのアミノ酸は、化学的に架橋される。一実施形態では、配列番号1~配列番号761のいずれかのアミノ酸配列を有するポリペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基は、架橋される。例えば、一実施形態では、配列番号1~8、15、17、19、21、23、25、28~35、82~761のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基は、架橋される。別の実施形態では、配列番号183~配列番号761のいずれかのアミノ酸配列を有するポリペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基は、上記の改変、例えば、(a)~(k)の改変のうちいずれか、例えば、(a)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とポリペプチドのリジン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋を含む。
例えば、少なくとも1つのアミノ酸は、EDCなどのカルボジイミドを含む薬剤によって化学的に架橋され得る。カルボジイミドは、遊離カルボキシル基(例えば、アスパラギン酸および/またはグルタミン酸の側鎖由来)とアミノ基(例えば、リジン残基の側鎖中)との間に共有結合を形成して、安定なアミド結合を形成し得る。
別の例として、少なくとも1つのアミノ酸は、NHSを含む薬剤によって化学的に架橋され得る。NHSエステルで活性化されたクロスリンカーは、一級アミン(例えば、各ポリペプチド鎖のN末端および/またはリジン残基の側鎖中)と反応して、アミド結合を生じ得る。
別の実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸は、EDCおよびNHSを含む薬剤によって化学的に架橋され得る。例えば、一実施形態では、本発明は、1位のメチオニン残基が場合により存在しない、配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する単離されたポリペプチドに関し、このポリペプチドは、EDCおよびNHSによって化学的に改変された少なくとも1つのアミノ酸側鎖を含む。別の実施形態では、本発明は、1位のメチオニン残基が場合により存在しない、配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する単離されたポリペプチドに関し、このポリペプチドは、EDCおよびNHSによって化学的に改変された少なくとも1つのアミノ酸側鎖を含む。なお別の実施形態では、本発明は、配列番号84、配列番号86、配列番号83、配列番号85、配列番号7または配列番号8に示されるアミノ酸配列を有する単離されたポリペプチドに関する。ポリペプチドは、ポリペプチドをEDCおよびNHSと接触させることによって改変される。
変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素、即ちポリペプチドが、EDCおよびNHSによって(例えば、これらを接触させることによって)化学的に改変される場合、一実施形態では、このポリペプチドは、ポリペプチドがEDCによって改変される場合の少なくとも1つの改変(例えば、上記(a)~(h)の改変のいずれかのうち少なくとも1つ)、および(l)ポリペプチドの少なくとも1つのリジン残基の側鎖に連結されたベータ-アラニン部分を含む。
別の態様では、本発明は、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素、即ちポリペプチドに関し、このポリペプチドは、EDC、NHSおよび非ポリマー性親水性一級アミン、好ましくはグリシンによって化学的に改変された少なくとも1つのアミノ酸側鎖を含む。一実施形態では、このポリペプチドは、ポリペプチドがEDCによって改変される場合の少なくとも1つの改変(例えば、上記(a)~(h)の改変のいずれかのうち少なくとも1つ)、ポリペプチドがグリシンによって改変される場合の少なくとも1つの改変(例えば、上記(i)~(k)の改変のいずれかのうち少なくとも1つ)、および(l)ポリペプチドの少なくとも1つのリジン残基の側鎖に連結されたベータ-アラニン部分を含む。
一態様では、本発明は、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素、即ちポリペプチドに関し、このポリペプチドの少なくとも1つのリジン残基の側鎖は、ベータ-アラニン部分に連結される。一実施形態では、ポリペプチドの第2のリジン残基の側鎖は、アスパラギン酸残基の側鎖および/またはグルタミン酸残基の側鎖に連結される。ポリペプチドの「第2の」リジン残基は、ベータ-アラニン部分に連結されない、ポリペプチドのリジン残基を含む。第2のリジン残基が連結されるアスパラギン酸の側鎖および/またはグルタミン酸の側鎖は、分子内架橋を形成するためのポリペプチドの側鎖、または分子間架橋を形成するための第2のポリペプチドの側鎖であり得る。別の実施形態では、ポリペプチドの少なくとも1つのアスパラギン酸残基の側鎖および/または少なくとも1つのグルタミン酸残基の側鎖は、グリシン部分に連結される。グリシン部分に連結されるアスパラギン酸残基および/またはグルタミン酸残基はまた、リジン残基には連結されない。
別の態様では、本発明は、野生型クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素の少なくとも1つのアミノ酸側鎖が化学的に改変される、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素、即ちポリペプチドに関する。一実施形態では、野生型クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aの少なくとも1つのアミノ酸側鎖および/または野生型クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Bの少なくとも1つのアミノ酸側鎖は、EDCによって化学的に改変される。例えば、一実施形態では、TcdA(配列番号1)および/またはTcdb(配列番号2)は、EDCによって化学的に改変される。別の実施形態では、野生型毒素は、EDCおよびNHSによって化学的に改変される。一実施形態では、変異体毒素、即ちポリペプチドは、化学的に改変された野生型毒素Aを含み、この野生型毒素Aは、表1に記載されるいずれか1つである。別の実施形態では、変異体毒素、即ちポリペプチドは、化学的に改変された野生型毒素Bを含み、この野生型毒素Bは、表2に記載されるいずれか1つである。
化学的に架橋された変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素、即ちポリペプチドのなお別の例として、少なくとも1つのアミノ酸は、ホルムアルデヒドを含む薬剤によって化学的に架橋され得る。ホルムアルデヒドは、N末端アミノ酸残基のアミノ基、ならびにアルギニン、システイン、ヒスチジンおよびリジンの側鎖と反応し得る。ホルムアルデヒドおよびグリシンは、一級N末端アミノ基、アルギニンおよびチロシン残基に、ならびにより低い程度までアスパラギン、グルタミン、ヒスチジンおよびトリプトファン残基に結合し得るシッフ塩基付加物を形成し得る。
化学的架橋剤は、処理された毒素が、例えば、in vitro細胞毒性アッセイによってまたは動物毒性によって測定した場合、同一の条件下の未処理の毒素よりも低い毒性(例えば、約100%、99%、95%、90%、80%、75%、60%、50%、25%または10%低い毒性)を有する場合、毒素の細胞毒性を低減させると言われる。
好ましくは、化学的架橋剤は、化学的架橋剤の非存在下であるが同一の条件下の変異体毒素と比較して、少なくとも約2-log10の低減、より好ましくは約3-log10の低減、最も好ましくは約4-log10またはそれよりも大きく、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素の細胞毒性を低減させる。野生型毒素と比較して、化学的架橋剤は、好ましくは、少なくとも約5-log10の低減、約6-log10の低減、約7-log10の低減、約8-log10の低減またはそれよりも大きく、変異体毒素の細胞毒性を低減させる。
別の好ましい実施形態では、化学的に不活性化された変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素、即ちポリペプチドは、例えば、本明細書に記載されるものなどのin vitro細胞毒性アッセイによって測定した場合、約50μg/ml、100μg/ml、200μg/ml、300μg/ml、400μg/ml、500μg/ml、600μg/ml、700μg/ml、800μg/ml、900μg/ml、1000μg/mlもしくはそれよりも大きい、または少なくとも約50μg/ml、100μg/ml、200μg/ml、300μg/ml、400μg/ml、500μg/ml、600μg/ml、700μg/ml、800μg/ml、900μg/ml、1000μg/mlもしくはそれよりも大きいEC50値を示す。
変異体毒素を化学的架橋剤と接触させるための反応条件は、当業者の経験の範囲内であり、これらの条件は、使用される薬剤に依存して変動し得る。しかし、本発明者らは、驚くべきことに、機能的エピトープを保持し、対応する野生型毒素と比較して変異体毒素の細胞毒性を減少させつつ、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素、即ちポリペプチドを化学的架橋剤と接触させるための最適な反応条件を発見した。
好ましくは、反応条件は、変異体毒素を架橋剤と接触させるために選択され、この変異体毒素は、約0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0mg/mlの最小濃度~約3.0、2.5、2.0、1.5または1.25mg/mlの最大を有する。任意の最小値は、反応のための変異体毒素の適切な濃度の範囲を規定するために、任意の最大値と組み合わされ得る。最も好ましくは、変異体毒素は、反応のために約1.0~1.25mg/mlの濃度を有する。
一実施形態では、反応で使用される薬剤は、約1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、10mM、15mM、20mM、30mM、40mMまたは50mMの最小濃度および約100mM、90mM、80mM、70mM、60mMまたは50mMの最大濃度を有する。任意の最小値は、反応のための化学的薬剤の適切な濃度の範囲を規定するために、任意の最大値と組み合わされ得る。
薬剤がホルムアルデヒドを含む好ましい実施形態では、使用される濃度は、好ましくは約2mM~80mMの間の任意の濃度、最も好ましくは約40mMである。薬剤がEDCを含む別の好ましい実施形態では、使用される濃度は、好ましくは、約1.3mM~約13mM、より好ましくは約2mM~3mMの間の任意の濃度、最も好ましくは約2.6mMである。一実施形態では、EDCの濃度は、総反応体積に基づいて多くても5g/L、4g/L、3g/L、2.5g/L、2g/L、1.5g/L、1.0g/L、0.5g/L、好ましくは多くても1g/L、より好ましくは多くても0.5g/Lである。
変異体毒素が化学的架橋剤と接触される例示的な反応時間は、約0.5、1、2、3、4、5、6、12、24、36、48または60時間の最小、および約14日間、12日間、10日間、7日間、5日間、3日間、2日間、1日間、または12時間、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2もしくは1時間の最大を含む。任意の最小値は、適切な反応時間の範囲を規定するために、任意の最大値と組み合わされ得る。
好ましい実施形態では、変異体毒素を化学的架橋剤と接触させるステップは、架橋剤の非存在下の同一の変異体毒素と比較して、標準的なin vitro細胞毒性アッセイにおいて、適切なヒト細胞、例えばIMR-90細胞において、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素の細胞毒性を少なくとも約1000μg/mlのEC50値まで低減させるのに十分な期間にわたって行われる。より好ましくは、反応ステップは、適切なヒト細胞において変異体毒素の細胞毒性を少なくとも約1000μg/mlのEC50値まで低減させるのに十分な期間の少なくとも2倍長い、最も好ましくは少なくとも3倍またはそれよりも長い時間にわたって実施される。一実施形態では、反応時間は、約168時間(即ち、7日間)を超えない。
例えば、薬剤がホルムアルデヒドを含む一実施形態では、変異体毒素は、好ましくは、約12時間にわたって薬剤と接触され、これは、架橋剤の非存在下の同一の変異体毒素と比較して、標準的なin vitro細胞毒性アッセイにおいて、適切なヒト細胞、例えばIMR-90細胞において、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素の細胞毒性を少なくとも約1000μg/mlのEC50値まで低減させるのに十分な、例示的な期間であることが示された。より好ましい実施形態では、反応は、約48時間にわたって実施され、これは、反応に十分な期間の少なくとも約3倍の長さである。かかる実施形態では、反応時間は、好ましくは、約72時間よりも長くはない。
薬剤がEDCを含む別の実施形態では、変異体毒素は、好ましくは約0.5時間、より好ましくは少なくとも約1時間、または最も好ましくは約2時間にわたって薬剤と接触される。一実施形態では、変異体毒素は、多くても約5時間、好ましくは多くても約3時間、より好ましくは多くても約2時間にわたってEDCと接触される。かかる実施形態では、反応時間は、好ましくは、約6時間よりも長くはない。
変異体毒素が化学的架橋剤と接触される例示的なpHは、約pH5.5、6.0、6.5、7.0または7.5の最小および約pH8.5、8.0、7.5、7.0または6.5の最大を含む。任意の最小値は、適切なpHの範囲を規定するために、任意の最大値と組み合わされ得る。好ましくは、反応は、pH6.5~7.5、好ましくはpH7.0で行われる。
変異体毒素が化学的架橋剤と接触される例示的な温度は、約2℃、4℃、10℃、20℃、25℃または37℃の最小、および約40℃、37℃、30℃、27℃、25℃または20℃の最大温度を含む。任意の最小値は、適切な反応温度の範囲を規定するために、任意の最大値と組み合わされ得る。好ましくは、反応は、約20℃~30℃、最も好ましくは約25℃で行われる。
上記免疫原性組成物は、1つの変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素(AまたはB)、即ちポリペプチドを含み得る。したがって、免疫原性組成物は、調製物またはキット中の、別々のバイアル(例えば、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aを含む組成物のための別のバイアル、および変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素B含む組成物のための別のバイアル)を占有し得る。これらの免疫原性組成物は、同時、逐次または別々の使用のために意図され得る。
別の実施形態では、上記免疫原性組成物は、両方の変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素(AおよびB)、即ちポリペプチドを含み得る。記載される変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Bの任意の組合せが、免疫原性組成物のために組み合わされ得る。したがって、免疫原性組成物は、単一のバイアル(例えば、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)TcdAを含む組成物および変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)TcdBを含む組成物の両方を含む単一のバイアル)と組み合わされ得る。好ましくは、免疫原性組成物は、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)TcdAおよび変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)TcdB、即ちポリペプチドを含む。
例えば、一実施形態では、免疫原性組成物は、配列番号4および配列番号6を含み、配列番号4および配列番号6の各々の少なくとも1つのアミノ酸は、化学的に架橋される。別の実施形態では、免疫原性組成物は、配列番号4または配列番号7を含む変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素A、および配列番号6または配列番号8を含む変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Bを含み、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素の各々の少なくとも1つのアミノ酸は、化学的に架橋される。
別の実施形態では、免疫原性組成物は、配列番号4、配列番号84および配列番号83から選択される任意の配列、ならびに配列番号6、配列番号86および配列番号85から選択される任意の配列を含む。別の実施形態では、この免疫原性組成物は、配列番号84を含み、ある免疫原性組成物は、配列番号86を含む。別の実施形態では、この免疫原性組成物は、配列番号83を含み、ある免疫原性組成物は、配列番号85を含む。別の実施形態では、免疫原性組成物は、配列番号84、配列番号83、配列番号86および配列番号85を含む。
別の実施形態では、免疫原性組成物は、配列番号1~配列番号761から選択されるいずれか1つの配列を有するポリペプチド、および配列番号1~配列番号761から選択されるいずれか1つの配列を有する第2のポリペプチドを含み、ポリペプチドは、本明細書に記載されるような化学的クロスリンカー、例えば、ホルムアルデヒドまたはEDCなどと接触されている。例えば、一実施形態では、免疫原性組成物は、配列番号1~8、15、17、19、21、23、25、28~35、82~761のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する第1のポリペプチド、および配列番号1~8、15、17、19、21、23、25、28~35、82~761のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する第2のポリペプチドを含み、この第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、本明細書に記載されるような化学的クロスリンカー、例えば、ホルムアルデヒドまたはEDCなどと接触されている。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、対象への適切な投与後に、免疫原性特性(例えば、検出可能なおよび/または中和および/または保護的免疫応答を誘導する)を示すことが好ましい。中和および/または保護的免疫応答の存在は、上記のように、および/または材料が投与されていない個体と比較して、本明細書に記載される材料が投与された個体(例えば、ヒトまたは他の動物)において、病原体(例えば、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile))による感染症が影響を受ける(例えば、減少される)ことを示すことによって、実証され得る。例えば、1つまたは複数の試験対象(例えば、ヒトまたは非ヒト)には、本明細書に記載される組成物が、任意の適切な経路およびスケジュールによって投与され得、次いで、適切な量の時間(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10週間)後に、病原性生物によってチャレンジされ得る。動物(複数可)は、投与および/またはチャレンジ後に、免疫機能(例えば、抗体産生、T細胞活性)についてモニタリングされ得る。血清は、例えば、抗体ELISAおよび/または病原体中和アッセイを使用して、総抗体応答について、または特定のサブタイプの発現について分析され得る。T細胞活性は、例えば、抗原による再刺激後のIFN-γ産生を測定することによって測定され得る。次いで、統計分析(例えば、フィッシャーの正確確率検定、ウィルコクソン検定、マン・ホイットニー検定)が、免疫応答に影響を与えることにおける材料の有効性のいかんを決定するために、データに対して実施され得る。
本明細書に記載されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよび/またはBは、宿主への投与の前に、組成物を提供するために1つまたは複数の薬学的に許容できる担体と組み合わされ得る。薬学的に許容できる担体は、生物学的にも他の点でも望ましくないことのない材料である、例えば、この材料は、いずれの望ましくない生物学的影響を引き起こすことも、それが含まれる医薬組成物の他の構成成分のいずれとも有害な様式で相互作用することなく、対象に投与され得る。担体は、当業者に周知のように、活性成分のいずれの分解も最小化するため、および対象におけるいずれの有害な副作用も最小化するために、必然的に選択される。適切な医薬担体およびそれらの製剤化は、例えば、Remington’s:The Science and Practice of Pharmacy、第274’版、David B.Troy編、Lippicott Williams & Wilkins(2005)に記載されており、適切であり得る。典型的には、適切な量の薬学的に許容できる塩が、製剤を等張にするために、製剤中で使用される。薬学的に許容できる担体の例には、無菌の水、食塩水、緩衝溶液、例えばリンゲル溶液、およびデキストロース溶液が含まれるがこれらに限定されない。溶液のpHは、一般に、約5~約8または約7~約7.5である。他の担体には、ポリペプチドまたはその断片を含む固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスなどの徐放性調製物が含まれる。マトリックスは、成形物品、例えばフィルム、リポソームまたは微粒子の形態であり得る。ある特定の担体が、例えば、投与経路および投与される組成物の濃度に依存してより好ましい場合があることが、当業者に明らかである。担体は、ヒトまたは他の対象への投与に適切な担体である。
上述のように、免疫学的組成物は、典型的には、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原(複数可)を含み、宿主(例えば、動物)への投与の際に、抗原(例えば、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile))に対する免疫応答を誘導または増強する組成物である。かかる応答は、保護的および/または中和であり得る、上記のような抗体の生成(例えば、B細胞の刺激を介する)またはT細胞ベースの応答(例えば、細胞溶解応答)を含み得る。保護的または中和免疫応答は、抗原に対応する感染性生物(例えば、抗原が由来した生物)にとって有害であり、宿主にとって(例えば、感染症を低減または予防することによって)有益である免疫応答であり得る。本明細書で使用する場合、保護的もしくは中和抗体および/または細胞性応答は、特に、有効な量および/またはスケジュールで投与した場合、本明細書に記載されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原(複数可)と反応性であり得る。これらの抗体および/または細胞性応答は、動物において試験した場合、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の重症度、時間および/または致死性を低減または阻害し得る。実施例に示すように、本明細書に記載される組成物は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に対する免疫応答を誘導するために使用され得る。宿主への投与の際に治療的(例えば、典型的には、活動性感染症の間に投与される)および/または保護的(例えば、典型的には、活動性感染症の前または後に投与される)および/または中和免疫応答を生じる免疫学的組成物は、ワクチンとみなされ得る。
一実施形態では、組成物は、免疫応答を誘導する。好ましい実施形態では、組成物の使用は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の最初の一次エピソードの発生率を低減させる。発生率は、組成物の1回目の投与前の発生率と比較して、組成物の1回目の投与後、組成物の2回目の投与後、および/または組成物の3回目の投与後に低減され得る。別の実施形態では、組成物の使用は、反復性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の発生率を低減させる。反復性感染症の発生率は、組成物の1回目の投与後、組成物の2回目の投与後、および/または組成物の3回目の投与後に低減され得る。
別の実施形態では、組成物の使用は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の重症度を低減させる。例えば、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症のエピソードの持続時間は、組成物の1回目の投与前の発生率と比較して、組成物の1回目の投与後、組成物の2回目の投与後、および/または組成物の3回目の投与後に低減され得る。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症のエピソードには、例えば、少なくとも3回の形を成さない便(unformed stool)を少なくとも2日間経験すること、および/またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症に対する抗生物質処置の必要性が含まれ得る。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症のエピソードの持続時間は、患者が、少なくとも3回以上の形を成さない便の経験なしの少なくとも2日間を有した場合、および/またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症に対する抗生物質処置のさらなる必要性が存在しない場合、低減されたとみなされ得る。
一部の実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)による感染症を予防する、寛解させるもしくはその危険性を低減させる、および/またはかかる感染症を処置する(例えば、影響を与える)ための方法もまた提供される。対象においてクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)によって引き起こされるまたはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)が関与する1つまたは複数の疾患状態を処置するための方法は、対象に、本明細書に記載される組成物(例えば、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原、例えば、トキソイドA、トキソイドBを含む)の少なくとも1つまたは複数の有効用量を投与するステップを含む。抗原は、約1~約300μg(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、・30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290および/または300μgのいずれか)の投薬量で投与され得る。抗原は、同じまたは異なる投薬量で1回よりも多く投与され得る。ある特定の実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原は、同じまたは異なる適切な経路(複数可)によって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くの回数、対象に投与され得る。複数の用量が投与される場合、これらの用量は、各用量中に、約同じまたは異なる型および/または量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原を含み得る。これらの用量はまた、同じまたは異なる間隔で、互いに時間的に分離され得る。例えば、これらの用量は、約6、12、24、36、48、60、72、84もしくは96時間、7日間、14日間、21日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間、100日間、110日間、120日間、130日間、140日間、150日間、160日間、170日間、180日間、190日間、200日間、1週間、2週間、3週間、1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、12カ月間、1.5年間、2年間、3年間、4年間、5年間のいずれか、またはこれらの期間のいずれかの前、その後および/もしくはそれらの間の任意の期間、分離され得る。一部の実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原は、単独で、または他の薬剤(例えば、抗生物質)と併せて投与され得る。かかる他の薬剤は、同じもしくは異なるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原と同時に(または約同時に)、または異なる時間および/もしくは頻度で投与され得る。かかる方法の他の実施形態もまた、当業者に容易に決定され得るように、適切であり得る。
任意のかかる組成物を対象(例えば、ヒト)に投与することによってそれを免疫化するための方法もまた提供される。一部の実施形態では、これらの方法は、1または複数回の投与(例えば、少なくとも3回、各用量は、互いに適切に(例えば、少なくとも約7日)分離される)を使用して、有効なトキソイドA:B比(例えば、重量(w/w)で3:1、3:2、1:1)で、十分な純度(例えば、少なくとも90%(w/w))で、有効量(例えば、少なくとも約40~約500、例えば、約50~約100μg)のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよびトキソイドB(組み合わされたw/w)を含む免疫原性組成物(例えば、ワクチン)を対象に投与するステップを含み得る。有効なトキソイドA:B比は、組成物中に含まれ得、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する有効な免疫応答を誘導し得る、任意の比である。
一実施形態では、この方法は、1回目、2回目および3回目の投与を含み得、2回目の投与は、1回目の投与の少なくとも7日後であり、3回目の投与は、1回目および/または2回目の投与の少なくとも約30日および/または少なくとも約180日後である。
一部の実施形態では、これらの方法は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に以前に曝露されたヒトにおける既存の免疫応答を増強および/または誘導し得る(例えば、血清陽性ヒト、既往免疫応答)。
一実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内の予定外の入院を有している。別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内の高度看護施設(通常は病院からの退院後の、専門的看護およびリハビリテーション・サービスを提供する居住型施設)滞在を有している。別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内の介護施設(例えば、通常は病院からの退院後の、専門的看護およびリハビリテーション・サービスを提供する居住型施設)滞在を有している。別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内の、2回以上の救急治療室受診を有している。別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内の、10回以上の外来患者受診(一次および/または二次医療受診であるが、薬局およびメンタルヘルス受診は除く)を有している。
別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12週間以内に、全身的抗生物質使用を投与されている。別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内に、顕著な併存症または医療制度との接触を有する。別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内の≧2晩の1回の入院患者入院を有している。別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内の≧2回の救急治療室受診を有している。別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内の≧10回の外来患者受診を有している。別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内の高度看護施設における居住を有する。別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内の介護施設における居住を有する。別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内の、無作為化の≧37日後に計画された≧2晩の入院患者入院を有する。別の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前の以前の12週間以内の任意の時点において、全身的抗生物質を受けている。
ある特定の実施形態では、ヒトは、組成物の1回目の投与の前12カ月以内に、以下の施設のうちいずれか1つにおいて働いている、またはそれと接触している:病院、高度看護施設(通常は病院からの退院後の、専門的看護およびリハビリテーション・サービスを提供する居住型施設)、介護施設(例えば、通常は病院からの退院後の、専門的看護およびリハビリテーション・サービスを提供する居住型施設)、救急治療室、および外来患者施設(一次および/または二次医療受診であるが、薬局およびメンタルヘルス受診は除く)。
ある特定の実施形態では、ヒト(複数可)は、1回目の投与前の12カ月間の期間に、各々が少なくとも約24、48もしくは72時間またはそれよりも長く持続する少なくとも1回または2回の病院滞在を有していてもよい、および/あるいは全身的(外用ではなく)抗生物質を受けている;ならびに/あるいは1回目の投与の約60日以内に、予定された外科的手順のために入院患者入院を有すると見込まれる。一部の実施形態では、見込まれた/切迫した病院滞在/入院は、約24、48~72時間またはそれよりも長い時間にわたるように計画され得、腎臓/膀胱/泌尿器系、筋骨格系、呼吸器系、循環器系および中枢神経系のうち少なくとも1つが関与する手術のためであり得る。
これらの方法によって惹起される免疫応答は、症候性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症を予防するおよび/もしくは寛解させるならびに/またはその危険性を低減させるのに十分であることが好ましい。ある特定の実施形態では、この方法は、少なくとも約40、50または65、70、75、80または85歳である、症候性感染症の危険性があるヒト対象に、免疫原性組成物を投与するステップを含み得る。一部の実施形態では、この方法は、約40歳と約65歳との間および/または約65歳と約75歳との間の年齢の群の各個体に、組成物を投与するステップを含み得る。一部の実施形態では、この方法は、例えば、ELISAおよび/またはTNAによって測定した場合、1回目の投与前に血清陽性とみなされた個体の集団の約80、85、90、95または100%のいずれかにおいて、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する抗体ベースの免疫応答の、約2倍~4倍の増強を誘導し得る。一部の実施形態では、この方法は、1回目の投与の14日後(例えば、0、7および30日目における投与後)に、例えば、ELISAおよび/またはTNAによって測定した場合、組成物の投与前に血清陰性とみなされた個体の集団の約20、25、30、35、40、45または50%のいずれかにおいて、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する抗体ベースの免疫応答の、約2倍~4倍の増強を誘導し得る。一部の実施形態では、この方法は、1回目の投与の60日後(例えば、0、7および30日目における投与後)に、例えば、ELISAおよび/またはTNAによって測定した場合、組成物の投与前に血清陰性とみなされた個体の集団の約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75または80%のいずれかにおいて、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する抗体ベースの免疫応答の、約2倍~4倍の増強を誘導し得る。一部の実施形態では、かかる集団中の個体は、約40~約65歳である。一部の実施形態では、かかる集団中の個体は、約50~75歳または約50歳~約65歳である。一部の実施形態では、この増強は、1回目の投与(0日目)の約30日後に観察され、典型的には、約7日目における2回目の投与の後に続き、典型的には、3回目の投与(例えば、約30日目または180日目における)の前に観察される。一部の実施形態では、毒素Aおよび/または毒素Bに対する免疫応答は、多重レジメン投与プロトコール中の1回目、2回目および/または3回目の投与後に、最大で約30カ月間(例えば、約1000日間)にわたって検出可能であり得る。一部の実施形態では、0日目(1回目の投与)、約7日目(2回目の投与)および約30日目(3回目の投与)における、ヒト対象への本明細書に記載される組成物の投与は、例えば、ELISAおよび/またはTNAによって、好ましくは細胞毒性アッセイによって測定した場合、最大で約30カ月間または約1000日間にわたって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する免疫応答を増強または誘導する。一部の実施形態では、免疫応答のレベルは、例えば、ELISAおよび/またはTNAによって、好ましくは細胞毒性アッセイによって測定した場合、3用量投与レジメンの1回目の投与後約1000日目に、1回目の投与後約14日目と約少なくとも同様の高さであり得る。一部の実施形態では、免疫応答のレベルは、例えば、ELISAおよび/またはTNAによって、好ましくは細胞毒性アッセイによって測定した場合、1回目の投与後約100、200、300、400、500、600、700、800、900および1000日目のいずれかに、1回目の投与後約14日目と約少なくとも同様の高さであり得る。一部の実施形態では、免疫応答は、例えば、ELISAおよび/またはTNAによって測定した場合、1回目の投与前のベースライン(例えば、0日目の抗毒素Aおよび/または毒素B抗体レベル)を約2倍~8倍上回り得る。一部の実施形態では、免疫応答は、例えば、ELISAおよび/またはTNAによって、好ましくは細胞毒性アッセイによって測定した場合、ベースラインを約2.5~約6.8倍上回り得る。一部の実施形態では、血清陽性個体(例えば、非ナイーブ)における免疫応答は、毒素Aおよび/またはBについてELISAによって測定した場合(例えば、0、7および30日目における投与後)、約7日目に約3倍;約14日目に約10~約70倍;約30日目に約30~約200倍;および約60日目に約100~約200倍、ベースラインから増加する。一部の実施形態では、血清陽性個体(例えば、非ナイーブ)における免疫応答は、毒素Aおよび/またはBについてTNAによって測定した場合(例えば、0、7および30日目における投与後)、約7日目に約3倍;約14日目に約10~約100倍;約30日目に約15~約130倍;および約60日目に約100~約130倍、ベースラインから増加する。一部の実施形態では、血清陰性個体(例えば、ナイーブ)における免疫応答は、毒素Aおよび/またはBについてELISAによって測定した場合(例えば、0、7および30日目における投与後)、約14日目に約2倍;約30日目に約5~約10倍;および約60日目に約25~約60倍、ベースラインから増加する。一部の実施形態では、血清陰性個体(例えば、ナイーブ)における免疫応答は、毒素Aおよび/またはBについてTNAによって測定した場合(例えば、0、7および30日目における投与後)、約14日目に約2~約3倍;約30日目に約2~約5倍;および約60日目に約5~約40倍、ベースラインから増加する。一部の実施形態では、本明細書に記載される免疫応答は、0日目(例えば、1回目の投与前)に血清陽性または血清陰性のいずれかとみなされた個体において検出される。一部の実施形態では、かかる免疫応答は、例えば、ELISAおよび/またはTNAによって、好ましくは細胞毒性アッセイによって測定した場合、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび毒素Bの両方について検出される。かかるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原(例えば、トキソイドAおよび/またはB)およびそれを含む組成物を産生するための方法(例えば、in vitroまたはin vivo)もまた提供される。かかる方法には、例えば、当業者に利用可能なおよび/もしくは当業者に公知の方法のいずれか、ならびに/またはそのそれぞれの全体が参照によって本明細書に各々組み込まれる、WIPO特許出願WO/2012/143902号、米国特許第9187536号およびWIPO特許出願WO/2014/060898号に記載される方法が含まれ得る。
本明細書で使用する場合、対象または宿主とは、個体を意味する。対象には、家畜化動物、例えば、ネコおよびイヌ、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジおよびヤギ)、実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット)および鳥類が含まれ得る。一態様では、対象は、哺乳動物、例えば、霊長類またはヒトである。
組成物およびワクチン
一実施形態では、組成物は免疫原性組成物である。一実施形態では、組成物は、ヒトのための免疫原性組成物である。別の実施形態では、組成物はワクチンである。「ワクチン」とは、その抗原に特異的な免疫応答を誘導する少なくとも1つのエピトープを含む抗原を含む組成物を指す。ワクチンは、皮下、経口、口腔鼻または鼻腔内の投与経路によって、対象中に直接投与され得る。好ましくは、ワクチンは、筋肉内投与される。一実施形態では、組成物は、ヒトワクチンである。一実施形態では、組成物は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に対する免疫原性組成物である。
ある特定の実施形態では、組成物は、1つもしくは複数のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原、1つもしくは複数の薬学的に許容できる担体および/または1つもしくは複数のアジュバント(例えば、アルミニウム塩、エマルジョン、カチオン性リポソーム、アニオン性ポリマー、Toll様受容体アゴニスト、およびそれらの組合せ)をさらに含み得る。
一実施形態では、ワクチンであり得る組成物は、臨床現場において希釈剤で再構成され得、特定の場合には、いずれかのアジュバント(例えば、アルミニウムアジュバント、例えば、リン酸アルミニウムもしくは水酸化アルミニウム、または注射用水(WFI)と混合され得る、凍結乾燥された製剤として提供され得る。
一実施形態では、組成物は、生理学的に適切な任意の溶媒、分散媒、安定剤、希釈剤および/または緩衝液を指す、薬学的に許容できる担体を含む。例示的な安定剤には、炭水化物、例えば、ソルビトール、マンニトール、デンプン、デキストラン、スクロース、トレハロース、ラクトースおよび/もしくはグルコース;不活性タンパク質、例えば、アルブミンおよび/もしくはカゼイン;ならびに/または他の大きい緩徐に代謝される高分子、例えば、多糖、例えばキトサン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびコポリマー(例えば、ラテックス官能化SEPHAROSE(商標)アガロース、アガロース、セルロースなど)、アミノ酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ酸コポリマーおよび脂質凝集体(例えば、油滴またはリポソーム)が含まれる。さらに、これらの担体は、免疫賦活剤(即ち、アジュバント)として機能し得る。
好ましくは、組成物は、トレハロースを含む。トレハロースの好ましい量(重量%)には、約1%、2%、3%または4%の最小~約10%、9%、8%、7%、6%または5%の最大が含まれる。任意の最小値は、適切な範囲を規定するために、任意の最大値と組み合わされ得る。一実施形態では、組成物は、例えば、0.5mL用量当たり、約3%~6%のトレハロース、最も好ましくは、4.5%のトレハロースを含む。
適切な希釈剤の例には、蒸留水、食塩水、生理的リン酸緩衝溶液、グリセロール、アルコール(例えば、エタノール)、リンゲル溶液、デキストロース溶液、ハンクス平衡塩溶液および/または凍結乾燥賦形剤が含まれる。希釈剤は、例えば、任意の薬学的に許容できる希釈剤(例えば、20mMのクエン酸ナトリウム、5%のスクロースおよび0.016%のホルムアルデヒド;10mMのクエン酸塩、4%のスクロース、0.008%のホルムアルデヒド、0.57%の塩化ナトリウム)であり得る。好ましい実施形態では、組成物は、10mMのトリス、4.5%のトレハロース、0.01%のポリソルベート80(PS80)、pH7.4を含む。
例示的な緩衝液には、リン酸塩(例えば、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム);酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウム);コハク酸塩(例えば、コハク酸ナトリウム);グリシン;ヒスチジン;炭酸塩、トリス(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)および/または重炭酸塩(例えば、重炭酸アンモニウム)緩衝液が含まれる。好ましくは、組成物は、トリス緩衝液を含む。トリス緩衝液の好ましい量には、約1mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mMの最小~約100mM、50mM、20mM、19mM、18mM、17mM、16mM、15mM、14mM、13mM、12mMまたは11mMの最大が含まれる。任意の最小値は、適切な範囲を規定するために、任意の最大値と組み合わされ得る。一実施形態では、組成物は、例えば、0.5mL用量当たり、約8mM~12mMのトリス緩衝液、最も好ましくは、10mMのトリス緩衝液を含む。
別の好ましい実施形態では、組成物は、ヒスチジン緩衝液を含む。ヒスチジン緩衝液の好ましい量には、約1mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mMの最小~約100mM、50mM、20mM、19mM、18mM、17mM、16mM、15mM、14mM、13mM、12mMまたは11mMの最大が含まれる。任意の最小値は、適切な範囲を規定するために、任意の最大値と組み合わされ得る。一実施形態では、組成物は、例えば、0.5mL用量当たり、約8mM~12mMのヒスチジン緩衝液、最も好ましくは、10mMのヒスチジン緩衝液を含む。
なお別の好ましい実施形態では、組成物は、リン酸緩衝液を含む。リン酸緩衝液の好ましい量には、約1mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mMの最小~約100mM、50mM、20mM、19mM、18mM、17mM、16mM、15mM、14mM、13mM、12mMまたは11mMの最大が含まれる。任意の最小値は、適切な範囲を規定するために、任意の最大値と組み合わされ得る。一実施形態では、組成物は、例えば、0.5mL用量当たり、約8mM~12mMのリン酸緩衝液、最も好ましくは、10mMのリン酸緩衝液を含む。
緩衝液のpHは一般に、最適な活性材料を安定化するために選択され、公知の方法によって当業者によって確認可能であり得る。好ましくは、緩衝液のpHは、生理的pHの範囲内である。したがって、好ましいpH範囲は、約3~約8;より好ましくは、約6.0~約8.0;なおより好ましくは、約6.5~約7.5;最も好ましくは、約7.0~約7.2である。
別の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、以下に記載されるアジュバントを含み得る。好ましいアジュバントは、免疫応答の質的形態に影響を与え得る、免疫原におけるコンフォメーション変化を引き起こすことなく、免疫原に対する固有の免疫応答を増大させる。例示的なアジュバントには、3デ-O-アシル化モノホスホリルリピドA(MPL(商標))(GB 2220211号(GSK)を参照のこと);水酸化アルミニウムゲル、例えば、ALHYDROGEL(商標)(Brenntag Biosector、Denmark);免疫賦活剤、例えば、MPLまたは3-DMP、QS-21、ポリマー性またはモノマー性アミノ酸、例えば、ポリグルタミン酸またはポリリジンありまたはなしで使用され得る、アルミニウム塩(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム)が含まれる。なお別の例示的なアジュバントは、免疫賦活性オリゴヌクレオチド、例えば、CpGオリゴヌクレオチド(例えば、WO1998/040100号、WO2010/067262号を参照のこと)、またはサポニンおよび免疫賦活性オリゴヌクレオチド、例えばCpGオリゴヌクレオチド(例えば、WO00/062800号を参照のこと)である。好ましい実施形態では、アジュバントは、CpGオリゴヌクレオチド、最も好ましくはCpGオリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)である。好ましいCpG ODNは、B細胞を優先的に活性化するBクラスのものである。本発明の態様では、CpG ODNは、核酸配列5’ T*C*G*T*C*G*T*T*T*T*T*C*G*G*T*G*C*T*T*T*T 3’(配列番号48)を有し、*は、ホスホロチオエート連結を示す。この配列のCpG ODNは、CpG 24555として公知であり、WO2010/067262号に記載されている。好ましい実施形態では、CpG 24555は、水酸化アルミニウム塩、例えばALHYDROGELと一緒に使用される。例示的なアジュバントのさらなるクラスには、サポニンアジュバント、例えば、STIMULON(商標)(トリテルペン配糖体、即ちサポニンであるQS-21、Aquila、Framingham、Mass.)またはそれから生成される粒子、例えば、ISCOM(免疫刺激複合体)およびISCOMATRIX(登録商標)アジュバントが含まれる。したがって、本発明の組成物は、吸着に適したサイズのミクロスフェアを形成するために、ISCOM、CTBを含むISCOM、リポソームの形態で、またはアクリレートもしくはポリ(DL-ラクチド-コ-グリコシド)などの化合物中にカプセル化されて、送達され得る。典型的には、用語「ISCOM」とは、トリテルペノイドサポニン(特にQuil A)などの配糖体と疎水性領域を含む抗原との間で形成される免疫原性複合体を指す。好ましい実施形態では、アジュバントはISCOMATRIXアジュバントである。他の例示的なアジュバントには、RC-529、GM-CSFならびにフロイント完全アジュバント(CFA)およびフロイント不完全アジュバント(IFA)が含まれる。例示的なアジュバントのなお別のクラスは、その各々が糖残基においてアミノ酸によって置換される、N-グリコシルアミド、N-グリコシルウレアおよびN-グリコシルカルバメートを含む糖脂質アナログである。任意選択により、医薬組成物は、2つ以上の異なるアジュバントを含む。アジュバントの好ましい組合せには、例えば、以下のアジュバントのうち少なくとも2つを含む、アジュバントの任意の組合せが含まれる:ミョウバン、MPL、QS-21、ISCOMATRIX、CpGおよびALHYDROGEL。アジュバントの例示的な組合せには、CpGおよびALHYDROGELの組合せが含まれる。
アジュバントは、WFI中に、例えば、適切な濃度(例えば、約800~1600μg/mLのいずれか)のアジュバント、例えば、アルミニウムを含むアジュバント(例えば、水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウム)を含み得る。例えば、アジュバント(例えば、0.57%の塩化ナトリウム中800~1600g/mLの水酸化アルミニウム)は、凍結乾燥された製剤を再構成するための希釈剤として使用され得る。WFIは、アジュバントなしの(unadjuvanted)製剤のために、凍結乾燥されたワクチンを希釈するために使用され得る。最終投薬溶液は、例えば、組成物/ワクチン、希釈剤およびアジュバントを含み得る。
あるいは、一実施形態では、組成物は、アジュバントの非存在下で哺乳動物に投与される。即ち、組成物は、アジュバントを含まない。
一部の実施形態では、組成物は、界面活性剤を含む。それが両性、非イオン性、カチオン性またはアニオン性であれ、任意の界面活性剤が適切である。例示的な界面活性剤には、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(例えば、TWEEN(登録商標))、例えば、ポリソルベート20および/またはポリソルベート80;ラウリル、セチル、ステアリルおよびオレイルアルコールに由来するポリオキシエチレン脂肪エーテル(polyoxyethylene fatty ether)(BRIJ界面活性剤として公知)、例えば、トリエチレングリコールモノラウリルエーテル(BRIJ 30);TRITON X 100、またはt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール;およびソルビタンエステル(SPANとして一般に公知)、例えば、ソルビタントリオレエート(SPAN 85)およびソルビタンモノラウレート、ならびにそれらの組合せが含まれる。好ましい界面活性剤には、ポリソルベート80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)が含まれる。
ポリソルベート80(PS-80)は、非イオン性界面活性剤である。一実施形態では、組成物は、0.0005%~1%の範囲のPS-80濃度を含む。例えば、組成物中のPS-80濃度は、少なくとも0.0005%、0.005%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%または1.1%のPS-80であり得る。一実施形態では、組成物中のPS-80濃度は、多くても2.0%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1.0%、0.9%、0.8%または0.7%のPS-80であり得る。任意の最小値は、範囲を規定するために、本明細書に記載される任意の最大値と組み合わされ得る。好ましくは、組成物は、0.01%のPS-80を含む。
例示的な実施形態では、免疫原性組成物は、トレハロースおよびポリソルベート80を含む。別の例示的な実施形態では、免疫原性組成物は、トリス緩衝液およびポリソルベート80を含む。別の例示的な実施形態では、免疫原性組成物は、ヒスチジン緩衝液およびポリソルベート80を含む。なお別の例示的な実施形態では、免疫原性組成物は、リン酸緩衝液およびポリソルベート80を含む。
例示的な一実施形態では、免疫原性組成物は、トレハロース、トリス緩衝液およびポリソルベート80を含む。別の例示的な実施形態では、免疫原性組成物は、トレハロース、ヒスチジン緩衝液およびポリソルベート80を含む。なお別の例示的な実施形態では、免疫原性組成物は、トレハロース、リン酸緩衝液およびポリソルベート80を含む。
一部の実施形態では、医薬組成物は、ホルムアルデヒドをさらに含む。例えば、好ましい実施形態では、ホルムアルデヒドをさらに含む医薬組成物は、免疫原性組成物を有し、この免疫原性組成物の変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素は、ホルムアルデヒドを含む化学的架橋剤と接触されている。医薬組成物中に存在するホルムアルデヒドの量は、約0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.010%、0.013%または0.015%の最小から約0.020%、0.019%、0.018%、0.017%0.016%、0.015%、0.014%、0.013%、0.012% 0.011%または0.010%の最大まで変動し得る。任意の最小値は、適切な範囲を規定するために、任意の最大値と組み合わされ得る。一実施形態では、医薬組成物は、約0.010%のホルムアルデヒドを含む。
一部の代替的な実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、ホルムアルデヒドを含まない。例えば、好ましい実施形態では、ホルムアルデヒドを含まない医薬組成物は、免疫原性組成物を有し、ここで、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素の少なくとも1つのアミノ酸は、EDCを含む薬剤によって化学的に架橋される。より好ましくは、かかる実施形態では、変異体クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素は、ホルムアルデヒドを含む化学的架橋剤と接触されていない。別の例示的な実施形態として、凍結乾燥された形態にある医薬組成物は、ホルムアルデヒドを含まない。
クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原を投与するためのキットもまた、本明細書で提供される。一実施形態では、1つまたは複数のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原は、対象への投与のためのキットの一部を形成し得る、および/またはかかるキットとして提供され得る。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原を投与するための指示書もまた、キットによって提供され得る。本明細書に記載されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原を含む組成物は、キット(例えば、ワクチンキット)中に含まれ得る。例えば、キットは、乾燥または凍結乾燥された形態で本明細書に記載される組成物を含む第1の容器、および組成物を再構成するための水溶液を含む第2の容器を含み得る。キットは、再構成された液体形態の組成物の投与のためのデバイス(例えば、皮下シリンジ、マイクロニードルアレイ)および/または使用のための指示書を任意選択により含み得る。投与のためのデバイスは、組成物を再構成するための水溶液で予め充填されて供給され得る。
研究薬物(ワクチンまたはプラセボ)の各送達される用量の体積は、約0.5mLであり得る。本明細書に開示される組成物の各送達される用量の体積は、約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7;0.8、0.9または1mLであり得る。本明細書に開示される組成物の各送達される用量の体積は、約0.4、0.5、0.6mlであり得る。本明細書に開示される組成物の各送達される用量の体積は、約0.5mLであり得る。本明細書に開示される組成物の各送達される用量の体積は、約1mLであり得る。製剤は、任意の適切な経路(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、真皮内、リンパ節内(intranodally)、鼻腔内、経口)によって投与され得る。
毒素中和活性
組成物をヒトに投与することによって誘導される免疫応答は、毒素中和アッセイ(TNA)、ELISA、またはより好ましくは細胞毒性アッセイ、例えば、そのそれぞれの全体が参照によって本明細書に各々組み込まれる、WIPO特許出願WO/2012/143902号、米国特許第9187536号およびWIPO特許出願WO/2014/060898号に記載されるアッセイを使用して決定され得る。
in vitro細胞毒性アッセイは、薬物物質材料における任意の潜在的な残留細胞毒性の試験のために開発された重要な安全性アッセイである。トキソイドAにおける任意の潜在的な残留細胞毒性の測定は、IMR-90細胞ベースのアッセイを使用して達成される。野生型クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aは、強力なin vitro細胞毒性を示し、少量の毒素が、哺乳動物細胞に対する種々の効果、例えば、細胞球状化(細胞変性効果(cytopathic effect)即ちCPE)、および代謝活性の欠如(ATPレベルによって測定される)を引き起こすのに十分である。CPEアッセイは、37℃で500mcg/mLで、トキソイド材料を培養物中のIMR90細胞と共にインキュベートし、24時間後に細胞球状化について評価することによって実施される。CPEアッセイは、熟練した分析者によるCPEの主観的な視覚的評価を必要とし、したがって、容易には検証できない。細胞毒性放出アッセイは、トキソイドAまたは野生型毒素のいずれかによる処理後の代謝的に活性な細胞の数と比例する、ATPから生成された発光シグナルの量の測定に基づいて開発されている。これらの結果は、相対発光量で測定されるATPレベルにおける50%の低減を引き起こす毒素またはトキソイドの量として定義されるEC50として表される。トキソイドは、100mcg/mLの濃度で試験される。この方法は、代替的な細胞変性効果(CPE)アッセイよりも、ロバストで客観的であり、GMP試験に適切であるので、放出および安定性(限定された時点)試験のために選択された。細胞毒性アッセイは、トキソイドに対してのみ実行されるが、それは、これが、マトリックス干渉なしに、薬物産物材料と比較してより高い濃度で試験できるからである。これは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチン産生サイクルの間の最も濃縮された段階において測定がなされることを確実にする。さらに、安定性についての細胞毒性アッセイが、毒性への任意の潜在的な復帰をモニタリングするために実施される。
in vitro細胞毒性アッセイは、薬物物質材料における任意の潜在的な残留細胞毒性の試験のために開発された重要な安全性アッセイである。トキソイドBにおける任意の潜在的な残留細胞毒性の測定は、IMR-90細胞ベースのアッセイを使用して達成される。野生型クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Bは、強力なin vitro細胞毒性を示し、少量の毒素が、哺乳動物細胞に対する種々の効果、例えば、細胞球状化(細胞変性効果(cytopathic effect)即ちCPE)、および代謝活性の欠如(ATPレベルによって測定される)を引き起こすのに十分である。CPEアッセイは、37℃で500mcg/mLで、DS材料を培養物中のIMR90細胞と共にインキュベートし、24時間後に細胞球状化について評価することによって実施される。CPEアッセイは、熟練した分析者によるCPEの主観的な視覚的評価を必要とし、したがって、容易には検証できない。細胞毒性放出アッセイは、トキソイドBまたは野生型毒素Bのいずれかによる処理後の代謝的に活性な細胞の数と比例する、ATPから生成された発光シグナルの量の測定に基づいて開発されている。これらの結果は、相対発光量で測定されるATPレベルにおける50%の低減を引き起こす毒素またはトキソイドの量として定義されるEC50として表される。このアッセイにおいて元々試験されたトキソイドの最大濃度は、200mcg/mLであった。しかし、経時的なこの方法の性能は、わずか100mcg/mLの上の濃度が一貫して支持され得ることを示唆した。この方法は、代替的なCPEアッセイよりも、ロバストで客観的であり、GMP試験に適切であるので、放出および安定性(限定された時点)試験のために選択された。細胞毒性アッセイは、トキソイドB薬物物質材料に対してのみ実行されるが、それは、これが、マトリックス干渉なしに、薬物産物材料と比較してより高い濃度で試験できるからである。これは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチン産生サイクルの間の最も濃縮された段階において測定がなされることを確実にする。さらに、安定性についての細胞毒性アッセイが、毒性への任意の潜在的な復帰をモニタリングするために実施される。
臨床的使用のための50%中和力価アッセイに資格を与え、アッセイにさらなるロバスト性を提供し、臨床開発における一貫した長期性能を保証するために、参照標準および適切な対照をアッセイに追加し、それによって、参照標準によって規定される中和単位/mLとしての中和力価の読み出しを可能にした。本研究の分析の前に、ワクチン接種したヒト由来の血清サンプルを使用して、中和アッセイを実施した場合の50%中和力価と中和単位/mLとの間の直線関係を実証した。これらの相関研究に基づいて、「保護的」中和閾値値を計算し、この研究において臨床データを分析するために使用した。
一実施形態では、TNAは、発光読み出しに基づく、自動化された高感度アッセイである。試験サンプルの中和力価は、参照標準に基づいて計算される。一実施形態では、TxdAについてのアッセイLLOQは、158.0U/mlであり、Txd B=249.5U/mlである。好ましくは、TNA。
免疫原性分析のために、抗毒素A中和抗体応答および抗毒素B中和抗体応答についての「保護的」閾値は、それぞれ、219および2586中和単位/mLであった。研究B5091009のための免疫原性エンドポイントのいくつかを、これらの「保護的」閾値に基づいて評価した。
本明細書で使用する場合、明示的に特記しない限り、「特定された閾値」値は、毒素Aについて219中和単位/mLおよび毒素Bについて2586中和単位/mLとして規定される。
一実施形態では、ヒトにおいて誘導される免疫応答は、組成物のトキソイドAに対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有する毒素Aを発現するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)株に対して中和性である。
別の実施形態では、ヒトにおいて誘導される免疫応答は、組成物のトキソイドBに対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む毒素Bを発現するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)株に対して中和性である。
本明細書に記載される材料(例えば、組成物)および/または方法のいずれかの有用性(例えば、免疫原性)は、当業者に公知の種々の方法のいずれかによってアッセイされ得る。本明細書に記載されるアッセイのうちいずれか1つもしくは複数、または任意の他の1つもしくは複数の適切なアッセイが、意図した目的のために、本明細書に記載される材料のいずれかの適合性を決定するために使用され得る。これらの方法は、例示的かつ非限定的であることを理解すべきである。他のアッセイもまた適切であり得る。例えば、本明細書に記載される組成物は、典型的には、対象への投与の際に、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に対する抗体の産生を誘導および/または増強する。かかる抗体は、当業者に利用可能な方法のいずれかを使用して、対象において検出され得る。例えば、実施例のセクションに記載されるように、血清は、対象から取得され得、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する免疫グロブリンG型(IgG)抗体を検出するためにELISAによって試験され得る(例えば、「一次免疫原性データ」)。試験血清中に存在する抗体は、マイクロタイタープレートの個々のウェルに吸着された毒素AまたはB抗原と反応し得る。抗原コーティングしたウェルに結合した抗体の量は、二次抗IgG(例えば、抗ヒトIgG)抗体-酵素コンジュゲートの結合後に比色基質反応を使用して決定され得る。次いで、抗原に結合した抗体に正比例した比色変化を引き起こす酵素の基質が、典型的には添加される。血清中の抗体の濃度は、規定されたIgG単位(ELISA単位(EU)/mL))で、参照標準血清の複数の希釈から生成された検量線からの外挿によって導出され得る。毒素中和アッセイ(TNA)は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素に対する中和抗体を定量化するためにも使用され得る。このアッセイでは、段階希釈された血清は、固定量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素AまたはBと共にインキュベートされ得る。次いで、試験細胞(例えば、Vero細胞)が添加され得、血清-毒素-細胞混合物が、適切な条件下でインキュベートされ得る(例えば、37℃で6日間)。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素の細胞毒性効果を中和する血清の能力は、細胞の生存度によって決定され得、それと相関し得る。アッセイは、正常細胞の呼吸の指標として、密封培養ウェル中の酸代謝物の蓄積を利用する。毒素に曝露された細胞では、代謝およびCO2産生が低減され、結果として、細胞培養培地中のフェノールレッドpH指示薬によって示されるように、pHが上昇する(例えば、7.4以上まで)。このpHでは、培地は赤色に見える。しかし、細胞対照、または抗体によって中和された毒素に曝露された細胞は、正常な量でCO2を代謝および産生し、結果として、pHは維持され(例えば、7.0以下で)、このpHで、培地は黄色に見える。したがって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素中和抗体は、ある特定のpH(例えば、7.0以下の)を維持するそれらの能力によって明らかなように、細胞に対するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素の代謝効果を中和する血清の能力と相関する。培地の色変化は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素媒介性細胞毒性の50%阻害において抗毒素中和抗体力価をさらに計算するために、プレートリーダーを使用して(例えば、562nm~630nm)で測定され得る。一実施形態では、組成物は、毒素中和アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、ある用量を受ける前のヒトにおける毒素中和抗体力価よりも、その用量の組成物を受けた後のヒトにおいて、少なくとも1倍よりも高い、例えば、少なくとも1.01倍、1.1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、32倍またはそれよりも高いなどの毒素中和抗体力価を誘導する。
力価
一実施形態では、組成物は、例えば、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、ある用量の組成物の投与前のヒトにおける毒素中和抗体力価と比較して、ヒトにおいて毒素中和抗体力価における増加を誘導する。一実施形態では、毒素中和力価における増加は、例えば、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、組成物の第1の用量の投与前のヒトにおける毒素中和力価と比較されるように、組成物の第1の用量の投与前のヒトにおける毒素中和力価と比較される。別の実施形態では、力価における増加は、例えば、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、組成物の第1の用量の投与前のヒトにおける毒素中和力価と比較して、組成物の第2の用量の後に観察される。別の実施形態では、毒素中和力価における増加は、例えば、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、組成物の第1の用量の投与前のヒトにおける毒素中和力価と比較して、組成物の第3の用量の後に観察される。別の実施形態では、力価における増加は、例えば、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、組成物の第2の用量の投与前のヒトにおける毒素中和力価と比較して、組成物の第2の用量の後に観察される。別の実施形態では、毒素中和力価における増加は、例えば、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、組成物の第3の用量の投与前のヒトにおける毒素中和力価と比較して、組成物の第3の用量の後に観察される。
一実施形態では、組成物は、ある用量の投与後にヒトにおいて毒素中和力価を誘導し、この毒素中和力価は、例えば、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、その用量の投与前のヒトにおける毒素中和力価よりも、少なくとも1倍よりも大きく高い。例えば、毒素中和力価は、例えば、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、ある用量の投与前のヒトにおける毒素中和力価と比較して、その用量の組成物を受けた後のヒトにおいて、少なくとも1.01倍、1.1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、32倍または64倍高くてもよい。
一実施形態では、「応答者」とは、組成物がある用量の投与後にヒトにおいて毒素中和力価を誘導するヒトを指し、この毒素中和力価は、その用量の投与前のヒトにおける毒素中和力価よりも、少なくとも1倍よりも大きく高い。好ましい実施形態では、応答者は、その用量の投与前のヒトにおける毒素中和力価と比較して、毒素中和力価における少なくとも≧4倍の上昇を達成する。かかる応答者は、保護的力価を有すると言われ得る。
一実施形態では、組成物は、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素中和力価よりも少なくとも2倍高い(例えば、第1の用量の非存在下のヒトにおける毒素中和力価よりも高い)毒素中和力価を、第1の用量を受けた後のヒトにおいて誘導する。一実施形態では、組成物は、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素中和力価よりも少なくとも4倍高い毒素中和力価を、ヒトにおいて誘導する。一実施形態では、組成物は、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素中和力価よりも少なくとも8倍高い毒素中和力価を、ヒトにおいて誘導する。
一実施形態では、ヒトは、例えば、組成物の第1の用量の投与後に、細胞毒性アッセイの定量下限(LLOQ)と等しいまたはそれよりも高い毒素中和力価を有する。別の実施形態では、ヒトは、例えば、組成物の第2の用量の投与後に、細胞毒性アッセイのLLOQと等しいまたはそれよりも高い細胞毒性アッセイ力価を有する。別の実施形態では、ヒトは、例えば、組成物の第3の用量の投与後に、細胞毒性アッセイのLLOQと等しいまたはそれよりも高い毒素中和力価を有する。
方法および投与
一態様では、本発明は、ヒトにおいてクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に対する免疫応答を誘導する方法に関する。別の態様では、本発明は、ヒトをワクチン接種する方法に関する。一実施形態では、この方法は、上記組成物の少なくとも1つの用量をヒトに投与するステップを含む。好ましい実施形態では、この方法は、上記組成物の多くても1つの用量をヒトに投与するステップを含む。別の実施形態では、この方法は、上記組成物の少なくとも第1の用量および第2の用量をヒトに投与するステップを含む。
一実施形態では、第2の用量は、第1の用量の少なくとも20、30、50、60、100、120、160、170または180日後、および第1の用量の多くても250、210、200または190日後に投与される。任意の最小値は、範囲を規定するために、本明細書に記載される任意の最大値と組み合わされ得る。
別の実施形態では、第2の用量は、第1の用量の約30日後に投与される。別の実施形態では、第2の用量は、第1の用量の約60日後に、例えば、0、2カ月の免疫化スケジュールなどで投与される。別の実施形態では、第2の用量は、第1の用量の約180日後に、例えば、0、6カ月の免疫化スケジュールなどで投与される。なお別の実施形態では、第2の用量は、第1の用量の約120日後に、例えば、2、6カ月の免疫化スケジュールなどで投与される。
一実施形態では、この方法は、組成物の2つの用量、多くても2つの用量をヒトに投与するステップを含む。一実施形態では、これら2つの用量は、第1の用量の後約6カ月間の期間内に投与される。一実施形態では、この方法は、ヒトへのブースターのさらなる投与を含まない。「ブースター」とは、本明細書で使用する場合、ヒトへの組成物のさらなる投与を指す。組成物の多くても2つの用量をヒトに投与することは、有益であり得る。かかる利点には、例えば、ヒトが完全な投与スケジュールに従うのを促進すること、およびスケジュールの費用対効果を促進することが含まれる。
一実施形態では、第1の用量および第2の用量は、第1の用量の後、約5日間、7日間、14日間、21、25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200日間、および多くても400、390、380、370、365、350、340、330、320、310、300、290、280、270、260、250、240、230、220、210または200日間の期間にわたって、ヒトに投与される。一実施形態では、第2の用量は、第1の用量の投与の少なくとも8、14、21、25または30日後、および多くても100、90、80、70、60、50、45、40、35または30日後に、ヒトに投与される。例えば、一実施形態では、第2の用量は、第1の用量の投与の少なくとも21日後、および多くても40日後に、ヒトに投与される。任意の最小値は、範囲を規定するために、本明細書に記載される任意の最大値と組み合わされ得る。好ましくは、第1の用量および第2の用量は、約8日間の期間にわたってヒトに投与される。より好ましくは、第1の用量および第2の用量は、約30日間の期間にわたってヒトに投与される。最も好ましくは、第1の用量および第2の用量は、少なくとも約30日間の期間にわたってヒトに投与される。
一実施形態では、第1の用量および第2の用量は、約30日間の期間にわたってヒトに投与される。別の実施形態では、第1の用量および第2の用量は、約60日間の期間にわたってヒトに投与される。別の実施形態では、第1の用量および第2の用量は、約180日間の期間にわたってヒトに投与される。
一実施形態では、第1の用量および第2の用量は、多くても30日間の期間にわたってヒトに投与される。別の実施形態では、第1の用量および第2の用量は、多くても60日間の期間にわたってヒトに投与される。別の実施形態では、第1の用量および第2の用量は、多くても180日間の期間にわたってヒトに投与される。
用量
一実施形態では、この方法は、組成物の3つの用量をヒトに投与するステップを含む。別の実施形態では、この方法は、組成物の多くても3つの用量を投与するステップを含む。一実施形態では、これら3つの用量は、第1の用量の後約6カ月間の期間内に投与される。一実施形態では、この方法は、第3の用量の後のヒトへのブースター用量の投与を含む。別の実施形態では、この方法は、第3の用量の後のヒトへのブースター用量の投与を含まない。別の実施形態では、この方法は、組成物の第4のまたはブースター用量をヒトに投与するステップをさらには含まない。さらなる実施形態では、約6カ月間の期間内に多くても3つの用量がヒトに投与される。
例示的な実施形態では、第2の用量は、第1の用量の約30日後に投与され、第3の用量は、第2の用量の約150~180日後に、例えば、0、1、6カ月の免疫化スケジュールなどで投与される。別の例示的な実施形態では、第2の用量は、第1の用量の約60日後に投与され、第3の用量は、第2の用量の約120日後に、例えば、0、2、6カ月の免疫化スケジュールなどで投与される。
一実施形態では、第1の用量、第2の用量および第3の用量は、約150、160、170または180日間、および多くても240、210、200または190日間の期間にわたってヒトに投与される。任意の最小値は、範囲を規定するために、本明細書に記載される任意の最大値と組み合わされ得る。好ましくは、第1の用量、第2の用量および第3の用量は、約180日、即ち6カ月間の期間にわたってヒトに投与される。例えば、第2の用量は、第1の用量の約60日後にヒトに投与され得、第3の用量は、第2の用量の約120日後にヒトに投与され得る。したがって、投与の例示的なスケジュールは、約0、2および6カ月目に、ヒトにある用量を投与することを含む。
上記のように、免疫原性組成物の複数の用量がヒトに投与され得、各用量間の日数は変動し得る。この方法の利点は、例えば、ヒトが投与スケジュールに従う柔軟性を含む。
一実施形態では、この方法は、同一の免疫原性組成物の多くても3つの用量をヒトに投与するステップを含む。例えば、好ましい実施形態では、この方法は、第1の組成物の第1の用量をヒトに投与するステップ、第2の組成物の第2の用量をヒトに投与するステップ、および第3の組成物の第3の用量をヒトに投与するステップを含まず、この第1、第2および第3の組成物は同一ではない。別の実施形態では、この方法は、同一の免疫原性組成物の多くても4つの用量をヒトに投与するステップを含む。
以下の実施例は、本発明の実施形態を例示する。本明細書で特記しない限り、そのそれぞれの全体が参照によって本明細書に各々組み込まれる、WIPO特許出願WO/2012/143902号、米国特許第9187536号およびWIPO特許出願WO/2014/060898号の実施例21に記載されるように、残留細胞毒性を排除するために1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)(EDC)およびN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)によってさらに化学的に不活性化されているが、天然の抗原性構造を保持し、中和抗体応答を生成する、遺伝子改変されたクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA、即ちポリペプチド(最初のメチオニンが存在しない配列番号4を含む)および遺伝子改変されたクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドB、即ちポリペプチド(最初のメチオニンが存在しない配列番号6を含む)の混合物を含むワクチン候補または免疫原性組成物に対する言及が、以下の実施例においてなされる。簡潔に述べると、精製後、遺伝子変異体毒素(配列番号4および配列番号6)を、1mgの精製された遺伝子変異体毒素AおよびB当たり、0.5mgのEDCおよび0.5mgのNHS(それぞれ、およそ2.6mMおよび4.4mM)を使用して25℃で2時間にわたって不活性化する。反応を、100mMの最終濃度までグリシンを添加することによってクエンチし、反応を、25℃でさらに2時間インキュベートする。不活性化を、10mMリン酸、150mM塩化ナトリウム緩衝液中でpH7.0±0.5で実施する。不活性化期間を、IMR90細胞におけるEC50の、1000ug/mLよりも大きい値までの低減に必要な期間の3倍を超えるように設定する。2時間後、生物学的活性は、天然の毒素と比較して、7~8 log10低減される。4時間のインキュベーション後、不活性化された変異体毒素を、ダイアフィルトレーションによって最終薬物物質緩衝液に交換する。例えば、100kDの再生酢酸セルロース限外濾過カセットを使用して、不活性化された毒素を、1~2mg/mLまで濃縮し、緩衝液交換する。より具体的には、ワクチン組成物は、(a)配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、配列番号4の1位のメチオニン残基が存在せず、第1のポリペプチドのリジン残基の側鎖がベータ-アラニン部分に架橋され、第1のポリペプチドが、第1のポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とグリシン部分との間の架橋、および第1のポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とグリシン部分との間の架橋をさらに含む、第1のポリペプチド;および(b)配列番号6に示されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドであって、配列番号6の1位のメチオニン残基が存在せず、第2のポリペプチドのリジン残基の側鎖がベータ-アラニン部分に架橋され、第2のポリペプチドが、第2のポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とグリシン部分との間の架橋、および第2のポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とグリシン部分との間の架橋をさらに含む、第2のポリペプチド、を含む。
調査クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンは、等量の2つのトキソイド(AおよびB)から構成される。ワクチンを、1用量当たり組み合わせたトキソイドAおよびBの100μgおよび200μgの投薬強度で、無菌の凍結乾燥された粉末として提供した。ワクチンを、凍結乾燥されたワクチンを使用の直前に水酸化アルミニウム希釈剤で再懸濁することによって、注射のために調製した。水酸化アルミニウム希釈剤を、1mgアルミニウム/mL(水酸化アルミニウムとして)液体懸濁物として供給した。
前臨床実験では、ワクチン候補を、単独で、またはアジュバントと組み合わせてのいずれかで研究した。ハムスターモデルでは、全てのワクチン製剤が、免疫化されたハムスターにおいて、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)芽胞による致死チャレンジからの少なくとも90%の保護を提供する延命効果を実証した。非ヒト霊長類では、試験した全てのトキソイドワクチン製剤が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよびクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Bの両方に対するロバストな中和抗毒素抗体応答を誘導した。
(実施例1)
第1相、ファースト・イン・ヒューマン研究、0、1および6カ月目における3用量レジメン(B5091001)
例示的なクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチン候補を、50~85歳の192人の健康な成人が登録された、米国で実施したファースト・イン・ヒューマン(FIH)B5091001第1相研究において評価した。これは、0、1および6カ月目における3用量レジメンとして投与されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの安全性、忍容性および免疫原性を評価するための用量漸増、プラセボ対照、無作為化、観察者盲検研究であった。3つの抗原用量レベル(50、100および200μg)のワクチン候補を、単独で、または水酸化アルミニウムと組み合わせてのいずれかで評価した。
安全性の分析により、両方の製剤および3つ全ての用量レベルが、一般に十分に耐容されたことが実証された。局所的反応は、優勢に軽度または中程度であり、ほとんどが注射部位疼痛から構成された。実際の重症のまたはグレード4の局所的反応は、報告されなかった。65~85歳コホートでは、200μgの用量レベルにおいて、局所的反応は、水酸化アルミニウム含有用量群と比較して、トキソイド単独においてより頻繁に生じる傾向があった。3つ全ての用量の後、局所的反応の頻度および重症度は、用量群のいずれについても、用量レベルまたは用量の数の増加に伴って増加しなかった。全身的事象は、優勢に軽度~中程度であり、ほとんどが頭痛および疲労を含んだ。用量群のいずれについても、用量レベルまたは用量の数の増加に伴う、全身的事象の頻度の増加の証拠は存在しなかった。
免疫原性の分析により、用量1の後に限定的な抗体応答が実証されたが、用量2の後には、毒素Aおよび毒素Bの両方に対する抗体力価における顕著な増加が存在し、これは一般に、用量2の7日後に最大であり、用量2の1カ月後に安定であった。用量3の7日後、実質的なブースター応答が明らかであり、これは、用量3の1カ月後に再び、僅かにより顕著であった。全体として、ロバストな抗毒素中和応答は、両方の製剤によって惹起されたが、トキソイド単独製剤のレシピエントにおいてより高い応答の傾向があった。例えば、65~85歳コホートにおける用量3の1カ月後、毒素A特異的中和抗体力価におけるベースライン(用量1の前)からの幾何平均上昇倍率(GMFR)は、トキソイド単独用量群において131~254の範囲であり、水酸化アルミニウム含有用量群において42~80の範囲であった。毒素B特異的中和抗体力価についての対応する範囲は、それぞれ、2953~4922および136~484であった。
アカゲザルにおいて生成された前臨床データは、0、2および4週目において水酸化アルミニウムありまたはなしで投与されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの3用量レジメンの使用を支持している。さらに、ウサギ毒性学研究では、1、8、22および36日目に与えられる4用量レジメンのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチン(最大で400μgの用量レベル)は、有害な毒性学的知見を実証せず、抗毒素A中和抗体力価および抗毒素B中和抗体力価における増加を生じ、これは、動物による、投与された免疫原に対する予測された免疫性応答を確認する。
これらの前臨床および毒性学データ、ならびにB5091001第1相研究において3つの用量の後に観察された有望な免疫応答は、第2相研究B5091003を支持した。
(実施例2)
第2相研究、1、8および30日目における3用量レジメン(B5091003)
第2相研究B5091003を、50~85歳の健康な成人において1、8および30日目に投与される3用量レジメンにおける100および200μgの抗原用量レベル(トキソイドAおよびBについての合計)のトキソイド単独クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの安全性、忍容性および免疫原性を評価するために設計した。
研究B5091003におけるワクチン接種は、注射部位の紅斑の発生後に停止させた。これらの対象では、付随する重症の全身的症状は存在せず、発赤が彼らの毎日の活動に影響を与えたという報告は存在せず、全ての局所的反応は完全に解決された。トキソイド単独製剤で観察された局所的反応源性は、惹起された免疫応答と相互作用する遊離トキソイドに起因していた可能性がある。
(実施例3)
第2相研究、1、8および30日目(日レジメン)または0、1および6カ月目(月レジメン)における3用量レジメン(B5091009)
アルミニウム上への吸着は、ワクチン成分を結合し、注射部位からワクチン成分を緩徐に放出することが示されている。さらに、CDIに対する免疫応答の迅速な誘導およびCDIに対する保護の延長された持続時間が、潜在的に必要とされる。したがって、研究B5091009は、2つの異なる投薬レジメン:1、8および30日目または0、1および6カ月目での、FIH B5091001研究から選択される水酸化アルミニウム含有ワクチンの2つの抗原用量レベル(即ち、100μgおよび200μgの総トキソイド)の安全性、忍容性および免疫原性を評価した。
一次免疫原性エンドポイントを、各クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチントキソイドについて、特定された閾値推定よりも高いまたはそれと等しい毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルを誘導するワクチンの能力に基づいて評価した。これらの特定された閾値は、毒素Aおよび毒素Bに対する2つのmAbの受動的投与がCDIに対する保護と関連したことを実証する第2相有効性研究から導出した。反復性CDIに対する抗毒素mAbの有効性を示すことに加えて、第2相有効性研究は、10μg/mLの閾値(「保護的」閾値レベル)を上回る抗毒素A中和mAbレベルおよび抗毒素B中和mAbレベルが、CDI再発に対する保護と関連したこともまた示唆した。
第2相有効性研究からの毒素Aおよび毒素Bの「保護的」閾値を、ワクチン候補によって惹起される50%中和力価に変換するために、(1)同じ細胞毒性アッセイを使用して毒素中和を測定した、および(2)毒素の50%を中和する阻害mAb濃度(IC50[50%阻害濃度])が公開されていること(毒素A mAbおよび毒素B mAbについてのIC50値は、それぞれ、100ng/mLおよび15ng/mLである)、という見解を利用した。したがって、各抗毒素抗体についての「保護的」50%中和力価は、それぞれのmAb IC50によって除算した、10μg/mLの保護的閾値における抗体濃度であると計算される。
臨床的使用のための50%中和力価アッセイに資格を与え、アッセイにさらなるロバスト性を提供し、臨床開発における一貫した長期性能を保証するために、参照標準および適切な対照をアッセイに追加し、それによって、参照標準によって規定される中和単位/mLとしての中和力価の読み出しを可能にした。本研究の分析の前に、ワクチン接種したヒト由来の血清サンプルを使用して、中和アッセイを実施した場合の50%中和力価と中和単位/mLとの間の直線関係を実証した。これらの相関研究に基づいて、「保護的」中和閾値値を計算し、この研究において臨床データを分析するために使用した。
免疫原性分析のために、抗毒素A中和抗体応答および抗毒素B中和抗体応答についての「保護的」閾値は、それぞれ、219および2586中和単位/mLであった。研究B5091009のための免疫原性エンドポイントのいくつかを、これらの「保護的」閾値に基づいて評価した。
本明細書で使用する場合、明示的に特記しない限り、「特定された閾値」値は、毒素Aについて219中和単位/mLおよび毒素Bについて2586中和単位/mLとして規定される。
ワクチン接種した対象にCDIに対する延長された保護を提供することは重要であり、ワクチン接種のために標的化される個体は、免疫応答を開始および維持する能力が衰えている可能性があるので、本研究中の対象を、3回目のワクチン接種の後にモニタリングして、4回目のワクチン接種に対する抗体持続および応答を評価した。したがって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチン(100μgまたは200μg)の最初の3用量を受けた両方の投薬レジメン中の対象に拡張段階(extension stage)に参加するように求め、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンまたはプラセボを受けるように1:1の比で再無作為化した。これらの対象は、第3の用量のおよそ1年後に、以前に受けたのと同じ抗原用量レベル(100μgまたは200μg)のいずれかのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンまたはプラセボの第4の用量を受ける。これらの対象を追跡して、抗体持続を評価する。いずれかの投薬レジメンにおいて元々プラセボへと無作為化された対象は、拡張段階へは継続させない。
この臨床研究についての分析を、全ての対象が受診9を完了したとき(1、8および30日目レジメン[日レジメン]にある対象については13カ月目、および0、1および6カ月レジメン[月レジメン]にある対象については18カ月目)に実施し、最大で受診9および受診9を含む全ての免疫原性および安全性データが入手可能であった。
分析の方法。定量下限(LLOQ)を下回る任意のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素A特異的中和抗体レベルまたは毒素B特異的中和抗体レベルについて、0.5×LLOQとして定義されるLODを割り当てた。毒素A特異的中和アッセイおよび毒素B特異的中和アッセイについてのLLOQは、それぞれ、158.0中和単位/mLおよび249.5中和単位/mLであった。他の失われたアッセイデータは、分析において帰属させなかった。全ての免疫原性分析を、LLOQを下回った抗体レベルの補完後に実施した。毒素A特異的中和抗体レベルが毒素Aについて≧LLOQであった場合、その対象を毒素Aについて血清陽性とみなした。毒素B特異的中和抗体レベルが毒素Bについて≧LLOQであった場合、その対象を毒素Bについて血清陽性とみなした。逆に、抗体レベルが<LLOQであった場合、その対象は血清陰性とみなした。免疫原性データを、無作為化したワクチン用量に従って要約した。元々の計画した段階について、全ての免疫原性データを、各割り当てられた投薬レジメン(1、8および30日目および0、1および6カ月目)について別々に要約した。各割り当てられた投薬レジメン内には、3つのワクチン群(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)およびプラセボ)が存在した。
(実施例4)
第2相研究、1、8および30日目(日レジメン)または0、1および6カ月目(月レジメン)における3用量レジメン(B5091009)-全体的な研究設計および計画
65~85歳のおよそ854人の健康な成人を、米国のおよそ15の場所で登録するように計画した。対象を、2つの投薬レジメンのうち1つに割り当て、次いで、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチン(100μgまたは200μg)またはプラセボ(食塩水)を受けるように、3:3:1の比で並行して無作為に割り当てた(表3)。
これは、65~85歳の健康な成人における1、8および30日目または0、1および6カ月目のいずれかの3用量レジメンとして投与された水酸化アルミニウム含有クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの2つの抗原用量レベル(100μgおよび200μgの総トキソイド)の安全性、忍容性および免疫原性を評価するための第2相、プラセボ対照、無作為化、観察者盲検研究であった。100μgの抗原用量レベル(トキソイドAおよびBについての合計)および200μgの抗原用量レベル(トキソイドAおよびBについての合計)をこの研究のために選択したが、それは、FIH研究(B5091001)からの免疫原性および安全性結果が、100および200μgの抗原用量レベルが同様の免疫応答を誘導したことを示したからである。対照群について、プラセボは、0.5mL用量中の注射用の無菌の通常の食塩水溶液(0.9%塩化ナトリウム)からなった。アルミニウム上への吸着がワクチン成分を結合し注射部位からワクチン成分を緩徐に放出することが示されたので、水酸化アルミニウムを希釈剤として選択した。
研究をプラセボ対照して(元々の計画した段階での無作為化は、活性製剤に偏っていたが)、調査ワクチン製剤の安全性および忍容性の比較評価を提供し、ならびにクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素AおよびBに対する抗体の天然の背景力価における経時的な任意の潜在的な変化について照合した。
日レジメンにある対象は、受診1(1日目)、2(8日目)および4(30日目)の時点で、1用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチン/プラセボを受けた。月レジメンにある対象は、受診1(1日目)、2(30日目)および5(6カ月目)の時点で、1用量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチン/プラセボを受けた。
一次免疫原性エンドポイント-37日目(日レジメンにある対象については用量3の7日後)および7カ月目(月レジメンにある対象については用量3の1カ月後)の、毒素A特異的中和抗体レベル(中和単位/mL)≧毒素Aについての特定された閾値;毒素B特異的中和抗体レベル(中和単位/mL)≧毒素Bについての特定された閾値;ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方(中和単位/mL)≧それぞれ、毒素Aについての特定された閾値および毒素Bについての特定された閾値、を有する各ワクチン群中の対象の割合。これらの閾値を、毒素Aについて219中和単位/mLおよび毒素Bについて2586中和単位/mLと規定した。
二次免疫原性エンドポイント-37日目(日レジメンにある対象については用量3の7日後)および7カ月目(月レジメンにある対象については用量3の1カ月後):幾何平均濃度(GMC)(中和単位/mL)として表される、毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベル。毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベル(中和単位/mL)におけるベースライン(用量1の前)からのGMFR。毒素A特異的、毒素B特異的、ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方(中和単位/mL)におけるベースラインからの≧4倍、≧8倍、≧16倍および≧32倍の上昇を有する各ワクチン群中の対象の割合。日レジメンにある対象について、1日目(用量1の直前)、8日目(用量2の直前)、15日目(用量2の7日後)、30日目(用量3の直前)、2カ月目(用量3の1カ月後)、4カ月目(用量3の3カ月後)、7カ月目(用量3の6カ月後)および13カ月目(用量3の12カ月後);または月レジメンにある対象について、1日目(用量1の直前)、30日目(用量2の直前)、37日目(用量2の7日後)、2カ月目(用量2の1カ月後)、6カ月目(用量3の直前)、187日目(用量3の7日後)、12カ月目(用量3の6カ月後)および18カ月目(用量3の12カ月後):毒素A特異的中和抗体レベル(中和単位/mL)≧毒素Aについての特定された閾値;毒素B特異的中和抗体レベル(中和単位/mL)≧毒素Bについての特定された閾値;ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方(中和単位/mL)≧それぞれ、毒素Aについての特定された閾値および毒素Bについての特定された閾値、を有する各ワクチン群中の対象の割合(これらのパラメーターは、ベースラインにおいても評価する)。これらの閾値を、毒素Aについて219中和単位/mLおよび毒素Bについて2586中和単位/mLと規定した。GMC(中和単位/mL)として表される、毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベル。毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベル(中和単位/mL)におけるベースラインからのGMFR。毒素A特異的、毒素B特異的、ならびに毒素Aおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方(中和単位/mL)におけるベースラインからの≧4倍、≧8倍、≧16倍および≧32倍の上昇を有する各ワクチン群中の対象の割合。上記エンドポイントにおけるベースラインは、1日目の1回目のワクチン接種前の関連する最後の測定値であった。
免疫原性分析。本明細書の分析を、全ての対象が受診9を完了したとき(日レジメンにある対象については13カ月目および月レジメンにある対象にある対象については18カ月目)に実施し、最大で受診9および受診9を含む全ての免疫原性および安全性データが入手可能であった。このセクションでは、免疫原性結果を、月レジメンおよび日レジメンについて別々に提示する。
一次免疫原性エンドポイントは、37日目(日レジメンにある対象については用量3の7日後)および7カ月目(月レジメンにある対象については用量3の1カ月後)における、毒素A特異的中和抗体力価、毒素B特異的中和抗体力価、ならびに毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値(毒素A特異的抗体について219中和単位/mLおよび毒素B特異的抗体について2586中和単位/mL)を有する各ワクチン群中の対象の割合であった。二次免疫原性エンドポイントは以下のとおりであった:GMCとして表される、全てのサンプリング時点における毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベル。GMFRとして表される、全てのサンプリング時点における毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベル。全てのサンプリング時点における、毒素A特異的中和抗体レベル、毒素B特異的中和抗体レベル、ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方における、ベースラインからの規定された上昇倍率を達成する各ワクチン群中の対象の割合。
免疫原性の結論。日レジメンと比較して、月レジメンは、毒素Aおよび毒素Bの両方について、187日目および7カ月目により高い免疫応答を達成した。月レジメンと比較して、日レジメンは、毒素Aについて、37日目および2カ月目により高い早期免疫応答を達成したが、応答は、毒素Bについてはこれらの時点において同様であった。200μgの用量レベルは、両方のレジメンにおいて、100μgの用量レベルよりも免疫原性であった。毒素Aについて、ベースライン血清陽性は、用量1の直後に免疫応答の大きさを増強していた可能性があるが(特に、100μgの用量レベルについて)、両方のレジメンにおいて、ベースラインにおいて毒素Aについて血清陰性であった対象についての応答と比較して、用量3後の免疫応答には、差異がほとんど存在しなかった。毒素Bについて、ベースライン血清陽性は、両方のレジメンにおいて免疫応答の大きさを増強した。月レジメンの7カ月目または日レジメンの37日目に毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方≧閾値を達成する対象の割合は、65~85歳の年齢五分位値によって階層化した場合、同様であった(80~85歳の対象の数は少なかったが)。
これは、1、8および30日目(日レジメン)または0、1および6カ月目(月レジメン)のいずれかの3用量レジメンとして投与された水酸化アルミニウム含有クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの2つの抗原用量レベル(100μgおよび200μgの総トキソイド)の安全性、忍容性および免疫原性を評価するための第2相、プラセボ対照、無作為化、観察者盲検研究であった。全体として、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンは、高度に免疫原性で、十分に耐容され、許容できる安全性プロファイルを示した。
免疫原性の考察。この研究の主要な免疫原性の目的は、日レジメンについては37日目(用量3の7日後)にクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルによって測定し、月レジメンについては7カ月目(用量3の1カ月後)にクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルによって測定した、65~85歳の健康な成人に3用量レジメン(1、8および30日目または0、1および6カ月目のいずれか)として投与された場合のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの2つの抗原用量レベル(100μgおよび200μgの総トキソイド)の免疫原性を記述することであった。免疫原性を、研究の過程を通じて、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の測定を介して評価した。結果を、GMC、種々の上昇倍率を達成する対象の割合、および各毒素について特定された閾値レベルを上回る力価を達成する対象の割合として表した。
月レジメンおよび日レジメンの両方において、100μgおよび200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群は、プラセボと比較した場合に免疫原性であった。200μgの用量レベルは、応答の大きさおよび永続性に基づいて、100μgの用量レベルよりも免疫原性であった。
各毒素について特定された閾値レベルを上回る力価を達成する月レジメン中の対象の割合は、毒素Aおよび毒素Bの両方について、187日目(用量3の1週間後)および7カ月目(用量3の1カ月後)に最も高かった。
毒素Aについて特定された閾値レベルを上回る力価を達成する日レジメン中の対象の割合は、毒素Aについて、37日目および2カ月目においてより高かったが、割合は、毒素Bについてはこれらの時点において同様であった。
ワクチン接種の前に、両方の投薬レジメン中の対象の大部分は、毒素Aおよび毒素Bについて血清陰性であった。月レジメンでは、対象の69.8%は血清陰性であり、対象の8.7%は、毒素Aについてのみ血清陽性であり、対象の19.0%は、毒素Bについてのみ血清陽性であり、対象の2.6%は、毒素Aおよび毒素Bの両方について血清陽性であった。日レジメンでは、対象の75.4%は血清陰性であり、対象の4.9%は、毒素Aについてのみ血清陽性であり、対象の16.4%は、毒素Bについてのみ血清陽性であり、対象の3.0%は、毒素Aおよび毒素Bの両方について血清陽性であった。
毒素Aについて、ベースライン血清陽性は、用量1の直後に免疫応答の大きさを増強していた可能性があるが(特に、100μgの用量レベルについて)、両方のレジメンにおいて、ベースラインにおいて毒素Aについて血清陰性であった対象についての応答と比較して、用量3後の免疫応答には、差異がほとんど存在しなかった。
毒素Bについて、ベースライン血清陽性は、両方のレジメンにおいて免疫応答の大きさを増強した。ベースラインにおいて毒素Bについて血清陰性であった対象について、6カ月目に与えた第3の用量だけが、特定された閾値を達成する対象の実質的な割合を生じた。
月レジメンの7カ月目または日レジメンの37日目に毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方≧閾値を達成する対象の割合は、65~85歳の年齢五分位値によって階層化した場合、同様であった(80~85歳の対象の数は少なかったが)。
200μgの用量レベルは、両方の投薬レジメンにおいて、100μgの用量レベルよりも数値的により免疫原性であった。
月レジメンは、ベースラインにおいて血清陰性であった対象において、特に毒素Bについて、100μgおよび200μgの両方の用量レベルについて、より高い用量3後の応答を生じた。
毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方≧閾値を達成する対象の割合は、65~85歳の年齢五分位値によって階層化した場合、同様であった(80~85歳の対象の数は少なかったが)。
(実施例5)
第2相研究、1、8および30日目(日レジメン)または0、1および6カ月目(月レジメン)における3用量レジメン(B5091009)-免疫原性評価、月レジメン
月レジメン。対象のベースライン血清状態による、毒素A特異的中和抗体力価、毒素B特異的中和抗体力価、ならびに毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値を達成する対象の割合を、月レジメンについて評価した。全ての(100.0%)無作為化対象を、ベースライン血清状態について評価した。大部分は、毒素Aおよび毒素Bの両方についてベースライン血清陰性であった。ベースライン血清陰性対象のうち、毒素A特異的中和抗体力価≧特定された閾値を達成する割合は、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において7カ月目に98.0%に達し、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において7カ月目に95.0%に達した。毒素B特異的中和抗体力価≧特定された閾値を達成する割合は、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において7カ月目に69.4%に達し、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において7カ月目に85.0%に達した。ベースライン血清陽性対象について、毒素A特異的中和抗体力価≧特定された閾値を達成する割合は、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において7カ月目に100.0%に達し、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において7カ月目に100.0%に達した。毒素B特異的中和抗体力価≧特定された閾値を達成する割合は、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において187日目および7カ月目に100.0%に達し、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において37日目、2カ月目および7カ月目に96.8%に達した。
毒素Aについて、月レジメンの7カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の160人の対象(95%CI:94.7%;99.6%)および200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の151人の対象(95%CI:91.1%;98.2%)が、プラセボ群中の1人の対象(95%CI:0.0%;10.1%)と比較して、特定された閾値を達成した。
毒素Bについて、月レジメンの7カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の122人(74.8%)の対象(95%CI:67.5%;81.3%)および200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の138人(87.3%)の対象(95%CI:81.1%;92.1%)が、プラセボ群中の4人(7.5%)の対象(95%CI:2.1%;18.2%)と比較して、特定された閾値を達成した。
毒素Aおよび毒素Bの両方について、月レジメンの7カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の121人(74.2%)の対象(95%CI:66.8%;80.8%)および200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の136人(86.1%)の対象(95%CI:79.7%;91.1%)が、プラセボ群中の対象なし(95%CI:0.0%;6.7%)と比較して、特定された閾値を達成した。
月レジメンでは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の1人の対象、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の2人(1.3%)の対象、およびプラセボ群中の1人の対象が、ベースラインにおいて毒素A特異的中和抗体レベル≧特定された閾値を有した。用量1および2の後であるが用量3の前に、毒素A特異的閾値値を達成する対象の割合は限定的であり、37日目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中では71人(43.6%)の対象(95%CI:35.8%;51.5%)、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中では89人(56.7%)の対象(95%CI:48.6%;64.6%)であった。用量3の後、この閾値値を達成する対象の割合は、187日目に増加した。7カ月目の100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、160人(98.2%)の対象が毒素A特異的閾値値を達成し、閾値値を達成する対象の割合は、18カ月目に75人(48.7%)の対象まで減少した。7カ月目の200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、151人(95.6%)の対象が毒素A特異的閾値値を達成し、この閾値値を達成する対象の割合は、18カ月目に81人(53.3%)の対象まで減少した。
月レジメンでは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の4人(2.5%)の対象、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の7人(4.4%)の対象、およびプラセボ群中の2人(3.8%)の対象が、ベースラインにおいて毒素B特異的中和抗体レベル≧特定された閾値を有した。用量1および2の後であるが用量3の前に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の47人(28.8%)の対象(95%CI:22.0%;36.4%)は、37日目および2カ月目に閾値値を達成し、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の60人(38.2%)の対象(95%CI:30.6%;46.3%)は、37日目に閾値値を達成した。用量3の後、この閾値値を達成する対象の割合は、187日目に増加した。7カ月目の100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、122人(74.8%)の対象が毒素B特異的閾値値を達成し、閾値値を達成する対象の割合は、18カ月目に53人(34.4%)の対象まで減少した。7カ月目の200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、138人(87.3%)の対象が毒素B特異的閾値値を達成し、この閾値値を達成する対象の割合は、18カ月目に72人(47.4%)の対象まで減少した。
全体として、毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方≧特定された閾値を達成する対象の割合についての結果は、毒素Bのものと同様であった。
各時点についての毒素A特異的中和抗体幾何平均濃度(GMC)および毒素B特異的中和抗体幾何平均濃度(GMC)を評価した。月レジメンについて、ベースラインにおいて、毒素A特異的中和抗体GMCは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)およびプラセボ群中の対象について、LLOQ(158.0中和単位/mL)を下回った。ベースラインと比較して、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象について、GMCにおける増加が、30日目に観察され(137中和単位/mL)、7カ月目に最大であり(1245中和単位/mL)、18カ月目に214中和単位/mLまで減少した。ベースラインと比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象について、GMCにおける増加が、30日目に観察され(149中和単位/mL)、7カ月目に最大であり(1380中和単位/mL)、18カ月目に257中和単位/mLまで減少した。プラセボ群についての毒素A特異的中和抗体GMCは、全ての時点において≦93中和単位/mLであった。
月レジメンについて、ベースラインにおいて、毒素B特異的中和抗体GMCは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)およびプラセボ群中の対象について、LLOQ(249.5中和単位/mL)を下回った。ベースラインと比較して、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象について、GMCにおける増加が、30日目に観察され(570中和単位/mL)、7カ月目に最大であり(6255中和単位/mL)、18カ月目に1248中和単位/mLまで減少した。ベースラインと比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象について、GMCにおける増加が、30日目に観察され(909中和単位/mL)、7カ月目に最大であり(9549中和単位/mL)、18カ月目に2178中和単位/mLまで減少した。プラセボ群についての毒素A特異的中和抗体GMCは、全ての時点において≦263中和単位/mLであった。
月レジメンについて、ベースライン後受診の全ての時点において、毒素A特異的中和抗体GMCは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群においてより高かった。100μgおよび200μgの両方のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群は、プラセボ群よりも高いベースライン後GMCを有した。しかし、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群との間で、明確な用量応答は明らかでなかった。月レジメンについて、ベースライン後受診の全ての時点において、毒素B特異的中和抗体GMCは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群においてより高かった。100μgおよび200μgの両方のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群は、プラセボ群よりも高いベースライン後GMCを有した。明確な用量応答が、用量3の後(12カ月目および18カ月目)に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群との間で明らかであった。対象のベースライン血清状態による毒素A特異的中和抗体GMCおよび毒素B特異的中和抗体GMCを、月レジメンについて要約した。対象の年齢およびベースライン血清状態による毒素A特異的中和抗体GMCおよび毒素B特異的中和抗体GMCを、日レジメンについて要約した。
月レジメンについて、ベースラインからの毒素A特異的中和抗体幾何平均上昇倍率(GMFR)および毒素B特異的中和抗体幾何平均上昇倍率(GMFR)を、30日目、37日目、2カ月目、6カ月目、187日目、7カ月目、12カ月目および18カ月目に計算した。
用量2の後、毒素A特異的中和抗体GMFRにおける増加が、37日目に観察された(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、2.70;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、3.78)。用量3の後、ブースター応答が、187日目に明らかであった(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、5.85;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、8.54)。このブースター応答は、7カ月目(用量3の1カ月後)に最大であり、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について14.58のGMFR、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について15.85のGMFRであった。GMFRは、18カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について2.51まで、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について2.95まで減少した。
用量2の後、毒素B特異的中和抗体GMFRにおける増加が、37日目に観察された(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、3.75;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、5.59)。用量3の後、実質的なブースター応答が、187日目に明らかであった(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、15.85;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、24.44)。このブースター応答は、7カ月目(用量3の1カ月後)に最大であり、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について35.43のGMFR、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について49.98のGMFRであった。GMFRは、18カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について7.07まで、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について11.21まで減少した。
30日目と18カ月目との間では、毒素A特異的中和抗体GMFRおよび毒素B特異的中和抗体GMFRは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群についてより高かった。
各時点についての対象のベースライン血清状態による毒素A特異的中和抗体GMFRおよび毒素B特異的中和抗体GMFRを、月レジメンについて評価した。ベースライン血清陰性対象において、毒素A特異的中和抗体GMFRにおける増加が、37日目に観察された(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、2.74;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、4.07)。用量3の後、ブースター応答が、187日目に明らかであった(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、6.29;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、9.37)。このブースター応答は、7カ月目に最大であり、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について15.88のGMFR、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について17.32のGMFRであった。GMFRは、18カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について2.59まで、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について3.12まで減少した。用量2の後、毒素B特異的中和抗体GMFRは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群(30日目:2.45;37日目:2.67;2カ月目:2.79)および200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群(30日目:3.40;37日目:3.95;2カ月目:3.94)について横ばいになった。用量3の後、実質的なブースター応答が、187日目に明らかであった(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、16.00;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、26.67)。このブースター応答は、7カ月目に最大であり、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について39.29のGMFR、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について61.04のGMFRであった。GMFRは、18カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について6.95まで、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について11.57まで減少した。
ベースライン血清陽性対象において、毒素A特異的中和抗体GMFRにおける増加が、37日目に観察された(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、2.37;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、2.13)。用量3の後、ブースター応答が、187日目に明らかであった(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、3.03;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、4.18)。このブースター応答は、7カ月目に最大であり、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について6.65のGMFR、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について7.96のGMFRであった。GMFRは、18カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について1.87まで、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について1.91まで減少した。用量2の後、毒素B特異的中和抗体GMFRにおける増加が、37日目に観察された(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、17.97;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、23.01)。用量3の後、実質的なブースター応答が、7カ月目に明らかであった(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、21.96;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、21.99)。このブースター応答は、7カ月目に最大であった。GMFRは、18カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について7.68まで、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について9.91まで減少した。
30日目と18カ月目との間では、毒素A特異的中和抗体GMFRは、ベースライン血清陽性対象についての30日目および37日目を除いて、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群についてより高かった。187日目の後、毒素A特異的中和抗体GMFRは、ベースライン血清陽性対象と比較して、両方の用量群においてベースライン血清陰性対象についてより高かった。30日目と18カ月目との間では、ベースライン血清陰性および血清陽性対象についての毒素B特異的中和抗体GMFRは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群についてより高かった。30日目と6カ月目との間では、毒素B特異的中和抗体GMFRは、ベースライン血清陰性対象と比較して、ベースライン血清陽性対象についてより高かったが、187日目~18カ月目には、毒素B特異的中和抗体GMFRは、ベースライン血清陽性対象と比較して、ベースライン血清陰性対象についてより高かった。
37日目および他の血液サンプリング時点において、毒素A特異的中和抗体レベル、毒素B特異的中和抗体レベル、ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方におけるベースラインからの規定された上昇倍率を達成する対象の割合を要約した。
全体として、ベースライン毒素A特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する対象のより高い割合が、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について観察された。100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、≧4倍の上昇に達する対象の割合における増加が、37日目から観察され、125人(76.7%)の対象が、7カ月目に≧8倍の上昇に達した。100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、7カ月目に、毒素A特異的中和抗体レベルにおいて、77人(47.2%)の対象が≧16倍の上昇に達し、33人(20.2%)の対象が≧32倍の上昇に達した。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、≧4倍の上昇に達する対象の割合における増加が、37日目から観察され、≧8倍の上昇に達する対象の割合における顕著な増加が、187日目に観察された。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、7カ月目に、毒素A特異的中和抗体レベルにおいて、89人(56.3%)の対象が≧16倍の上昇に達し、34人(21.5%)の対象が≧32倍の上昇に達した。
全体として、ベースライン毒素B特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する対象のより高い割合が、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について観察された。100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、≧4倍の上昇に達する対象の割合における増加が、37日目から観察され、138人(84.7%)の対象が7カ月目に≧8倍の上昇に達した。100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、187日目に、毒素B特異的中和抗体レベルにおいて、85人(52.5%)の対象が≧16倍に達し、52人(32.1%)の対象が≧32倍の上昇に達した。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、≧4倍の上昇に達する対象の割合における増加が、187日目から観察され、≧8倍の上昇に達する対象の割合における顕著な増加が、187日目に観察された。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の105人(66.5%)の対象が、7カ月目に、毒素B特異的中和抗体レベルにおいて≧32倍の上昇に達した。
全体として、毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方について、ベースラインからの規定された上昇倍率を達成する対象の割合についての結果は、毒素Aのものと同様であった。
ワクチン群による、1日目、30日目、37日目、2カ月目、6カ月目、187日目、7カ月目、12カ月目および18カ月目に測定した毒素A特異的中和抗体レベルについてのデータを示す逆累積分布曲線(RCDC)を、月レジメンについて評価した。ワクチン群による、1日目、30日目、37日目、2カ月目、6カ月目、187日目、7カ月目、12カ月目および18カ月目に測定した毒素B特異的中和抗体レベルについてのデータを示すRCDCを、月レジメンについて評価した。全体として、観察された曲線は、ワクチン接種した群について右にシフトし、これは、トキソイドワクチンを用いた免疫化が、プラセボで見られたものを超えて力価レベルを増加させたことを示している。これは、GMCにおいて示されたパターンおよび≧特定された閾値を達成する対象の割合と一致している。
(実施例6)
第2相研究、1、8および30日目(日レジメン)または0、1および6カ月目(月レジメン)における3用量レジメン(B5091009)-免疫原性評価、日レジメン
日レジメン。対象のベースライン血清状態による、毒素A特異的中和抗体力価、毒素B特異的中和抗体力価、ならびに毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値を達成する対象の割合を、日レジメンについて評価した。大部分は、毒素Aおよび毒素Bの両方についてベースライン血清陰性であった。ベースライン血清陰性対象のうち、毒素A特異的中和抗体力価≧特定された閾値を達成する割合は、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において37日目に67.7%に達し、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において37日目および2カ月目に85.2%に達した。毒素B特異的中和抗体力価≧特定された閾値を達成する割合は、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において15日目および37日目に14.0%に達し、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において37日目に25.2%に達した。ベースライン血清陽性対象について、毒素A特異的中和抗体力価≧特定された閾値を達成する割合は、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において37日目に80.0%に達し、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において37日目および2カ月目に86.7%に達した。毒素B特異的中和抗体力価≧特定された閾値を達成する割合は、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において30日目に97.1%に達し、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群において37日目および2カ月目に93.9%に達した。
毒素Aについて、日レジメンの37日目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の117人(68.4%)の対象(95%CI:60.9%;75.3%)および200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の141人(85.5%)の対象(95%CI:79.1%;90.5%)が、プラセボ群中の7人(12.5%)の対象(95%CI:5.2%;24.1%)と比較して、特定された閾値を達成した。
毒素Bについて、日レジメンの37日目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の51人(29.8%)の対象(95%CI:23.1%;37.3%)および200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の64人(38.8%)の対象(95%CI:31.3%;46.7%)が、プラセボ群中の1人の対象(95%CI:0.0%;9.6%)と比較して、特定された閾値を達成した。
毒素Aおよび毒素Bの両方について、日レジメンの37日目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の45人(26.3%)の対象(95%CI:19.9%;33.6%)および200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の64人(38.8%)の対象(95%CI:31.3%;46.7%)が、プラセボ群中の対象なし(95%CI:0.0%;6.4%)と比較して、特定された閾値を達成した。
日レジメンでは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の2人(1.2%)の対象および200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の1人の対象が、ベースラインにおいて毒素A特異的中和抗体レベル≧特定された閾値を有した。用量1および2の後であるが用量3の前に、毒素A特異的閾値値を達成する対象の割合は限定的であり、15日目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中では29人(17.0%)の対象(95%CI:11.7%;23.4%)であり、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中では41人(25.0%)の対象(95%CI:18.6%;32.3%)であった。用量3の後、この閾値値を達成する対象の割合は、37日目に増加した。37日目の100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、117人(68.4%)の対象が毒素A特異的閾値値を達成し、閾値値を達成する対象の割合は、13カ月目に16人(10.1%)の対象まで減少した。37日目および2カ月目の200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、141人(85.5%)の対象が毒素A特異的閾値値を達成し、この閾値値を達成する対象の割合は、13カ月目に40人(25.8%)の対象まで減少した。
日レジメンでは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の8人(4.7%)の対象、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の6人(3.7%)の対象、およびプラセボ群中の3人(5.4%)の対象が、ベースラインにおいて毒素B特異的中和抗体レベル≧特定された閾値を有した。用量1および2の後であるが用量3の前に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の52人(30.4%)の対象(95%CI:23.6%;37.9%)および200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の61人(37.2%)の対象(95%CI:29.8%;45.1%)が、15日目に閾値値を達成した。用量3の後、この閾値値を達成する対象の割合は、37日目まで安定なままであった。30日目および37日目の100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、51人(29.8%)の対象が毒素B特異的閾値値を達成し、この閾値値を達成する対象の割合は、13カ月目に31人(19.6%)の対象まで減少した。37日目の200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、64人(38.8%)の対象が毒素B特異的閾値値を達成し、この閾値値を達成する対象の割合は、13カ月目に48人(31.0%)の対象まで減少した。
全体として、毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方≧特定された閾値を達成する対象の割合についての結果は、毒素Bのものと同様であった。
各時点についての毒素A特異的中和抗体GMCおよび毒素B特異的中和抗体GMCを評価した。日レジメンについて、ベースラインにおいて、毒素A特異的中和抗体GMCは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)およびプラセボ群中の対象について、LLOQ(158.0中和単位/mL)を下回った。ベースラインと比較して、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象について、GMCにおける増加が、15日目に観察され(143中和単位/mL)、37日目に最大であり(368中和単位/mL)、13カ月目に105中和単位/mLまで減少した。ベースラインと比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象について、GMCにおける増加が、15日目に観察され(192中和単位/mL)、37日目に最大であり(556中和単位/mL)、13カ月目に138中和単位/mLまで減少した。プラセボ群についての毒素A特異的中和抗体GMCは、全ての時点において≦102中和単位/mLであった。
日レジメンについて、ベースラインにおいて、毒素B特異的中和抗体GMCは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)およびプラセボ群中の対象について、LLOQ(249.5中和単位/mL)を下回った。ベースラインと比較して、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象について、GMCにおける増加が、8日目に観察され(273中和単位/mL)、15日目に最大であり(807中和単位/mL)、13カ月目に447中和単位/mLまで減少した。ベースラインと比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象について、GMCにおける増加が、8日目に観察され(290中和単位/mL)、37日目に最大であり(1219中和単位/mL)、13カ月目に828中和単位/mLまで減少した。プラセボ群についての毒素A特異的中和抗体GMCは、全ての時点において≦211中和単位/mLであった。
日レジメンについて、ベースライン後受診の全ての時点において、毒素A特異的中和抗体GMCは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群においてより高かった。100μgおよび200μgの両方のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群は、プラセボ群よりも高いベースライン後GMCを有し、明確な用量応答が、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群との間で明らかであった。
日レジメンについて、ベースライン後受診の全ての時点において、毒素B特異的中和抗体GMCは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群においてより高かった。100μgおよび200μgの両方のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群は、プラセボ群よりも高いベースライン後GMCを有した。しかし、明確な用量応答は、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群との間で明らかでなかった。
対象のベースライン血清状態による毒素A特異的中和抗体GMCおよび毒素B特異的中和抗体GMCを、日レジメンについて要約した。対象の年齢およびベースライン血清状態による毒素A特異的中和抗体GMCおよび毒素B特異的中和抗体GMCを、日レジメンについて要約した。
日レジメンについて、ベースラインからの毒素A特異的中和抗体幾何平均上昇倍率(GMFR)および毒素B特異的中和抗体幾何平均上昇倍率(GMFR)を、8日目、15日目、30日目、37日目、2カ月目、4カ月目、7カ月目および13カ月目に計算した。用量2の後、毒素A特異的中和抗体GMFRにおける増加が、15日目に観察され(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、1.73;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、2.27)。用量3の後、ブースター応答が、37日目に明らかであった(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、4.45;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、6.56)。このブースター応答は、37日目(用量3の7日後)に最大であり、2カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について3.56、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について5.71であった。GMFRは、13カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について1.26まで、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について1.64まで減少した。
用量2の後、毒素B特異的中和抗体GMFRにおける顕著な増加が、15日目に観察された(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、4.31;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、5.86)。用量3の後、ブースター応答が、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について37日目に明らかであった(6.57のGMFR)が、GMFRは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群については横ばいになった(30日目:3.76;37日目:3.89;2カ月目:3.61)。このブースター応答は、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について37日目(用量3の7日後)に最大であった。GMFRは、13カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について2.40まで、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について4.44まで減少した。
8日目と13カ月目との間では、毒素A特異的中和抗体GMFRおよび毒素B特異的中和抗体GMFRは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群についてより高かった。
各時点についての対象のベースライン血清状態による毒素A特異的中和抗体GMFRおよび毒素B特異的中和抗体GMFRを、日レジメンについて評価した。ベースライン血清陰性対象において、毒素A特異的中和抗体GMFRにおける増加が、30日目に観察された(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、2.01;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、2.95)。用量3の後、ブースター応答が、37日目に明らかであった(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、4.48;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、6.95)。このブースター応答は、37日目に最大であった。GMFRは、13カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について1.28まで、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について1.75まで減少した。用量2の後、毒素B特異的中和抗体GMFRにおける増加が、15日目に観察された(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、2.57;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、3.81)。用量3の後、GMFRは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群(30日目:2.37;37日目:2.56;2カ月目:2.42)および200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群(30日目:3.68;37日目:4.55;2カ月目:4.22)について横ばいになった。GMFRは、13カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について2.01まで、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について4.00まで減少した。
ベースライン血清陽性対象において、毒素A特異的中和抗体GMFRにおける増加が、30日目に観察された(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、2.47;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、1.20)。用量3の後、ブースター応答が、37日目に明らかであった(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、3.97;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、3.68)。このブースター応答は、37日目に最大であった。GMFRは、13カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について0.99まで、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について0.81まで減少した。用量2の後、毒素B特異的中和抗体GMFRにおける顕著な増加が、15日目に観察された(100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、32.18;200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群、32.14)。GMFRは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群(30日目:22.86;37日目:19.74;2カ月目:17.23)および200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群(30日目:27.50;37日目:28.23;2カ月目:25.54)について横ばいになったので、ブースター応答は用量3の後に明らかでなかった。GMFRは、13カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について4.72まで、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について6.70まで減少した。
8日目と13カ月目との間では、ベースライン血清陰性対象についての毒素A特異的中和抗体GMFRは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群についてより高かった。8日目と13カ月目との間では、ベースライン血清陽性対象についての毒素A特異的中和抗体GMFRは、4カ月目を除いて、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群についてより低かった。毒素A特異的中和抗体GMFRは、ベースライン血清陽性対象と比較して、両方の用量群においてベースライン血清陰性対象についてより高かった。8日目と13カ月目との間では、ベースライン血清陽性対象についての15日目を除いて、ベースライン血清陰性および血清陽性対象についての毒素B特異的中和抗体GMFRは、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群についてより高かった。8日目と13カ月目との間では、毒素B特異的中和抗体GMFRは、ベースライン血清陰性対象と比較して、ベースライン血清陽性対象についてより高かった。
37日目および他の血液サンプリング時点において、毒素A特異的中和抗体レベル、毒素B特異的中和抗体レベル、ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方におけるベースラインからの規定された上昇倍率を達成する対象の割合を要約した。
全体として、ベースライン毒素A特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する対象のより高い割合が、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について観察された。100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、≧4倍の上昇に達する対象の割合における増加が、15日目から観察され、43人(25.1%)の対象が、37日目に≧8倍の上昇に達した。100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、37日目に、毒素A特異的中和抗体レベルにおいて、15人(8.8%)の対象が≧16倍の上昇に達し、6人(3.5%)の対象が≧32倍の上昇に達した。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、≧4倍の上昇に達する対象の割合における増加が、15日目から観察され、対象の割合における顕著な増加(67人[40.0%])は、37日目に≧8倍の上昇に達した。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、15日目に、毒素A特異的中和抗体レベルにおいて、23人(14.1%)の対象が≧16倍の上昇に達し、15人(9.2%)の対象が≧32倍の上昇に達した。
全体として、ベースライン毒素B特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する対象の同様の割合が、最大で4カ月目まで、100μgおよび200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について観察された。7カ月目および13カ月目に、ベースライン毒素A特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する対象のより高い割合が、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群と比較して、200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について観察された。100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、≧4倍の上昇に達する対象の割合における増加が、15日目から観察され、15日目および30日目に、57人(33.3%)の対象が≧8倍の上昇に達した。100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、15日目に、毒素A特異的中和抗体レベルにおいて、45人(26.3%)の対象が≧16倍の上昇に達し、35人(20.5%)の対象が≧32倍の上昇に達した。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、≧4倍の上昇に達する対象の割合における増加が、15日目から観察され、対象の割合における顕著な増加(66人[40.2%])は、37日目に≧8倍の上昇に達した。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群について、30日目および37日目に、毒素A特異的中和抗体レベルにおいて、61人(37.4%)の対象が≧16倍の上昇に達し、45人(27.4%)の対象が≧32倍の上昇に達した。
全体として、毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方について、ベースラインからの規定された上昇倍率を達成する対象の割合についての結果は、毒素Aのものと同様であった。
ワクチン群による、1日目、8日目、15日目、30日目、37日目、2カ月目、4カ月目、7カ月目および13カ月目に測定した毒素A特異的中和抗体レベルについてのデータを示す逆累積分布曲線(RCDC)を、日レジメンについて評価した。ワクチン群による、1日目、8日目、15日目、30日目、37日目、2カ月目、4カ月目、7カ月目および13カ月目に測定した毒素B特異的中和抗体レベルについてのデータを示すRCDCを、日レジメンについて評価した。全体として、観察された曲線は、ワクチン接種した群について右にシフトし、これは、トキソイドワクチンを用いた免疫化が、プラセボで見られたものを超えて力価レベルを増加させたことを示している。これは、GMCにおいて示されたパターンおよび≧特定された閾値を達成する対象の割合と一致している。
(実施例7)
第2相研究、1、8および30日目(日レジメン)または0、1および6カ月目(月レジメン)における3用量レジメン(B5091009)-免疫原性評価、年齢群による結果
年齢群(65~69歳、70~74歳、75~79歳および80~85歳)による免疫応答もまた評価した。
月レジメンでは、7カ月目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の割合は、65~69歳の対象70人のうち80.0%、70~74歳の対象48人のうち68.8%、75~79歳の対象34人のうち73.5%、80~85歳の対象11人のうち63.6%であった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象64人のうち90.6%、70~74歳の対象56人のうち83.9%、75~79歳の対象29人のうち89.7%、80~85歳の対象9人のうち55.6%であった。
月レジメンでは、7カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象についての毒素A特異的中和抗体GMCは、65~69歳の対象について1304中和単位/mL、70~74歳の対象について1182中和単位/mL、75~79歳の対象について1254中和単位/mL、80~85歳の対象について1132中和単位/mLであった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象についての対応するGMCは、65~69歳の対象について1690中和単位/mL、70~74歳の対象について1073中和単位/mL、75~79歳の対象について1627中和単位/mL、80~85歳の対象について925中和単位/mLであった。
月レジメンでは、7カ月目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象についての毒素B特異的中和抗体GMCは、65~69歳の対象について7608中和単位/mL、70~74歳の対象について5688中和単位/mL、75~79歳の対象について5446中和単位/mL、80~85歳の対象について4178中和単位/mLであった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象についての対応するGMCは、65~69歳の対象について11835中和単位/mL、70~74歳の対象について8750中和単位/mL、75~79歳の対象について10533中和単位/mL、80~85歳の対象について2608中和単位/mLであった。
月レジメンでは、7カ月目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中のベースライン血清陰性対象の割合は、65~69歳の対象46人のうち73.9%、70~74歳の対象39人のうち64.1%、75~79歳の対象28人のうち67.9%、80~85歳の対象8人のうち62.5%であった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象46人のうち91.3%、70~74歳の対象37人のうち81.1%、75~79歳の対象22人のうち86.4%、80~85歳の対象9人のうち55.6%であった。
月レジメンでは、7カ月目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中のベースライン血清陽性対象の割合は、65~69歳の対象2人のうち100.0%、70~74歳の対象1人のうち100.0%であり、75~79歳の対象については推定可能でなく、80~85歳の対象については推定可能でなかった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象3人のうち66.7%、70~74歳の対象2人のうち100.0%であり、75~79歳の対象については推定可能でなく、80~85歳の対象については推定可能でなかった。
月レジメンでは、7カ月目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中のベースライン血清陰性対象の割合は、65~69歳の対象46人のうち73.9%、70~74歳の対象39人のうち64.1%、75~79歳の対象28人のうち67.9%、80~85歳の対象8人のうち62.5%であった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象46人のうち91.3%、70~74歳の対象37人のうち81.1%、75~79歳の対象22人のうち86.4%、80~85歳の対象9人のうち55.6%であった。
月レジメンでは、7カ月目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中のベースライン血清陽性対象の割合は、65~69歳の対象2人のうち100.0%、70~74歳の対象1人のうち100.0%であり、75~79歳の対象については推定可能でなく、80~85歳の対象については推定可能でなかった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象3人のうち66.7%、70~74歳の対象2人のうち100.0%であり、75~79歳の対象については推定可能でなく、80~85歳の対象については推定可能でなかった。
月レジメンでは、7カ月目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値におけるベースラインからの≧4倍の上昇を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中のベースライン血清陰性対象の割合は、65~69歳の対象46人のうち84.8%、70~74歳の対象39人のうち87.2%、75~79歳の対象28人のうち78.6%、80~85歳の対象8人のうち100.0%であった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象46人のうち91.3%、70~74歳の対象37人のうち81.1%、75~79歳の対象22人のうち100.0%、80~85歳の対象9人のうち77.8%であった。
月レジメンでは、7カ月目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値におけるベースラインからの≧4倍の上昇を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中のベースライン血清陽性対象の割合は、65~69歳の対象2人のうち100.0%、70~74歳の対象1人のうち100%であり、75~79歳の対象については推定可能でなく、80~85歳の対象については推定可能でなかった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象3人のうち66.7%、70~74歳の対象2人のうち50.0%であり、75~79歳の対象については推定可能でなく、80~85歳の対象については推定可能でなかった。
日レジメンでは、37日目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の割合は、65~69歳の対象74人のうち23.0%、70~74歳の対象53人のうち30.2%、75~79歳の対象28人のうち28.6%、80~85歳の対象16人のうち25.0%であった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象71人のうち38.0%、70~74歳の対象50人のうち30.0%、75~79歳の対象29人のうち48.3%、80~85歳の対象15人のうち53.3%であった。
日レジメンでは、37日目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象についての毒素A特異的中和抗体GMCは、65~69歳の対象について422中和単位/mL、70~74歳の対象について389中和単位/mL、75~79歳の対象について282中和単位/mL、80~85歳の対象について262中和単位/mLであった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象についての対応するGMCは、65~69歳の対象について569中和単位/mL、70~74歳の対象について558中和単位/mL、75~79歳の対象について496中和単位/mL、80~85歳の対象について616中和単位/mLであった。
日レジメンでは、37日目に、100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象についての毒素B特異的中和抗体GMCは、65~69歳の対象について653中和単位/mL、70~74歳の対象について809中和単位/mL、75~79歳の対象について566中和単位/mL、80~85歳の対象について1309中和単位/mLであった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象についての対応するGMCは、65~69歳の対象について1192中和単位/mL、70~74歳の対象について805中和単位/mL、75~79歳の対象について2404中和単位/mL、80~85歳の対象について1449中和単位/mLであった。
日レジメンでは、37日目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中のベースライン血清陰性対象の割合は、65~69歳の対象59人のうち11.9%、70~74歳の対象38人のうち13.2%、75~79歳の対象22人のうち9.1%、80~85歳の対象11人のうち9.1%であった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象49人のうち22.4%、70~74歳の対象38人のうち21.1%、75~79歳の対象22人のうち36.4%、80~85歳の対象13人のうち46.2%であった。
日レジメンでは、37日目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中のベースライン血清陽性対象の割合は、65~69歳の対象2人のうち100.0%、70~74歳の対象2人のうち50.0%であり、75~79歳の対象については推定可能でなく、80~85歳の対象については推定可能でなかった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象3人のうち100.0%、70~74歳の対象3人のうち100.0%であり、75~79歳の対象については推定可能でなく、80~85歳の対象については推定可能でなかった。
日レジメンでは、37日目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中のベースライン血清陰性対象の割合は、65~69歳の対象59人のうち11.9%、70~74歳の対象38人のうち13.2%、75~79歳の対象22人のうち9.1%、80~85歳の対象11人のうち9.1%であった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象49人のうち22.4%、70~74歳の対象38人のうち21.1%、75~79歳の対象22人のうち36.4%、80~85歳の対象13人のうち46.2%であった。
日レジメンでは、37日目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中のベースライン血清陽性対象の割合は、65~69歳の対象2人のうち100.0%、70~74歳の対象2人のうち50.0%であり、75~79歳の対象については推定可能でなく、80~85歳の対象については推定可能でなかった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象3人のうち100.0%、70~74歳の対象3人のうち100.0%であり、75~79歳の対象については推定可能でなく、80~85歳の対象については推定可能でなかった。
日レジメンでは、37日目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値におけるベースラインからの≧4倍の上昇を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中のベースライン血清陰性対象の割合は、65~69歳の対象59人のうち15.3%、70~74歳の対象38人のうち18.4%、75~79歳の対象22人のうち18.2%、80~85歳の対象11人のうち18.2%であった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象49人のうち24.5%、70~74歳の対象38人のうち26.3%、75~79歳の対象22人のうち36.4%、80~85歳の対象13人のうち46.2%であった。
日レジメンでは、37日目に、毒素A特異的中和抗体力価および毒素B特異的中和抗体力価の両方≧特定された閾値におけるベースラインからの≧4倍の上昇を達成する100μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中のベースライン血清陽性対象の割合は、65~69歳の対象2人のうち100.0%、70~74歳の対象2人のうち50.0%であり、75~79歳の対象については推定可能でなく、80~85歳の対象については推定可能でなかった。200μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)群中の対象の対応する割合は、65~69歳の対象3人のうち33.3%、70~74歳の対象3人のうち0.0%であり、75~79歳の対象については推定可能でなく、80~85歳の対象については推定可能でなかった。
(実施例8)
用量3の後12カ月間にわたる、65~85歳の健康な成人においてクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)ワクチンの2つの3用量レジメンの安全性、忍容性および免疫原性を評価するための、第2相、プラセボ対照、無作為化、観察者盲検研究。
クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile(C.difficile))は、抗生物質関連院内下痢の一般的な原因である。今日まで、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症(CDI)を予防するために利用可能なワクチンは存在しない。この第2相研究において、本発明者らは、米国において65~85歳の855人の健康な免疫適格性成人において、トキソイドベースのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの安全性、忍容性および免疫原性を探求した。
方法。この試験の元々計画した段階を、2015年7月16日から2017年3月7日まで実施した。対象を登録し、2つの抗原用量レベル(100μgまたは200μg)またはプラセボのうち1つ、および2つの3用量レジメン:1、8および30日目(日レジメン)または0、1および6カ月目(月レジメン)、のうち1つを受けるように無作為化した。免疫原性試験を、9回の研究受診の各々において取得した血液サンプルに対して実施した。局所的および全身的反応源性を、各ワクチン接種の後に収集した。非重篤な有害事象(AE)報告が、用量3の後1カ月間にわたって行われた。重篤な有害事象(SAE)報告は、用量3の後6カ月間にわたって行われた。855人の健康な免疫適格性対象を研究に登録し、2つの投薬レジメン:1、8および30日目(日レジメン)または0、1および6カ月目(月レジメン)、のうち1つで3用量のクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)ワクチン(100μgまたは200μgの総トキソイド)またはプラセボ(食塩水)を受けるように3:3:1の比で並行して無作為に割り当てた。免疫原性試験を、9回の研究受診:日レジメンについて1、8、15、30、37日目、2、4、7および13カ月目、ならびに月レジメンについて1、30、37、187日目、2、6、7、12および18カ月目の各々において取得した血液サンプルに対して実施した。毒素Aおよび毒素B特異的中和免疫グロブリンG(IgG)濃度(中和単位/mL)を、各予定した研究受診において測定した。幾何平均濃度(GMC)を計算し、中和閾値を、毒素Aおよび毒素Bについて確立した-(図2A、図2B、図2Cおよび図2D)。局所的反応および全身的事象を、各ワクチン接種の後14日間(日レジメンについては用量1の後7日間)にわたって、e-diaryによって収集した。有害事象報告は、インフォームドコンセントのサイン時から、用量3の後1カ月間にわたって行われた。重篤な有害事象(SAE)報告は、用量3の後6カ月間にわたって行われた。安全性、反応源性および免疫原性を、用量(100μgおよび200μg)およびプラセボによる各ワクチン接種レジメン内で記述的に分析した。
結果。全体的な免疫原性は、3用量の後に、200μgの月レジメンにおいてより高かった。局所的反応源性は、日レジメンにおいて用量#2の後に増加を実証した。月レジメンにおける有害事象率は、日レジメンと比較して、さらなる5カ月間の追跡に起因して、数値的により高かった。
ワクチン接種に対するピーク抗体免疫応答は、月および日レジメンについて、それぞれ、用量3の7カ月および37日後に観察された-(図2A、図2B、図2Cおよび図2D)。
用量3の12カ月後、月レジメンは、用量群にかかわらず、日レジメンと比較して、予め規定された中和閾値を上回る対象のより高い割合を実証している-(図1A、図1B、図1Cおよび図1D)。
用量3の12カ月後に、月レジメンについての幾何平均濃度(GMC)は、日レジメンのGMCと比較して、毒素B(4倍高い)および毒素A(2倍高い)についてより高い-(図2A、図2B、図2Cおよび図2D)。
用量3の12カ月後に、毒素A GMCは、200μgの月レジメンにおいて、中和閾値を上回ったままである-(図2Aおよび図2B)。
毒素B GMCは、用量3のおよそ9カ月後まで、200μgの月レジメンにおいて、中和閾値を上回る-(図2Aおよび図2B)。
疼痛は、報告される最も一般的な局所的反応である。任意の発赤および腫脹の発生率は、両方のレジメンにおいて各用量の後に<10%であった。
グレード4の局所的または全身的反応源性は、研究の間に報告されなかった。
月レジメンでは、用量群とプラセボとの間で、集計された有害事象の間で有意な数的差異は観察されなかった-(図3Aおよび図3B)。
任意のレジメンまたは用量群の間で、クロストリジウム・ディフィシル(C difficile)ワクチン接種と関連する重篤な有害事象(SAE)は、試験の間に報告されなかった-(図3Aおよび図3B)。
結論。月レジメンは、3用量のクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)ワクチン接種後に、日レジメンよりも免疫原性である。増加した局所的反応源性は、特に200μgの用量レベルで、8日目に与えられた用量2の後に観察された。関連する有害事象、重篤な有害事象、および有害事象に起因する離脱は、活性ワクチン群において数値的により高かったが、安全性の懸念を示唆する識別可能なパターンは存在しなかった。全体的な有害事象の頻度および型は、一般的な集団中のこの年齢コホートに特徴的であった。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチン接種は、免疫原性であり、十分に耐容された。クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)ワクチン候補は、高度に免疫原性で十分に耐容され、許容できる安全性プロファイルを実証する。200μgの月レジメンは、より高い全体的な免疫原性を実証し、第3相の開発のためにこれを選択した。
200μgの用量レベルは、一貫して、100μgの用量レベルよりも免疫原性であった。
日レジメンは、毒素Aについて37日目/2カ月目に優れた早期免疫応答を駆動するが、毒素Bについては駆動しない。例えば、図4A、図4B、図5Aおよび図5Bを参照のこと。毒素Aについて、ベースライン血清陽性は、早期免疫応答の大きさ(特に、100μgの用量レベルについて)に寄与するが、両方のレジメンにおいて、用量3の後には差異がほとんど存在しない。毒素Bベースライン血清陰性対象(全体の約80%)について、閾値を達成する有意な割合を生じるのは、6カ月目に与えた第3の用量だけである。例えば、図6A、図6B、図7Aおよび図7Bを参照のこと。全ての全身的事象について、プラセボとクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンとの間、または100μgの用量レベルと200μgの用量レベルとの間で、有意な差異は観察されなかった。関連する有害事象、重篤な有害事象、および有害事象に起因する離脱は、活性ワクチン群において数値的により高かったが、安全性の懸念を示唆する識別可能なパターンは存在しなかった。0、1および6カ月目に投与された200μgの用量レベルを、第3相のために選択した。
用量3の12カ月後の結果に関して、用量#3の12カ月後に、対象のおよそ50%は、毒素Aに対する中和について、両方の用量群において予め規定された閾値を上回る。月レジメン、200μg用量群の幾何平均濃度(GMC)は、用量#3の12カ月後に、毒素Aに対する中和閾値を上回る。用量#3の12カ月後に、対象の47%は、毒素Bに対する中和について、月レジメンの200μg用量群において予め規定された閾値を上回る。血清陽性のGMC(複数可)は、毒素Bに対する中和について、両方のレジメンにおいて中和閾値を上回る。月レジメンに関して、毒素B GMCは、用量#3の6カ月後に中和閾値(2993中和単位/mL)を上回り、用量#3の12カ月後に同様のままである(2178中和単位/mL)。例えば、図1A~D、図2A~D、図8A、図8Bならびに図9Aおよび図9Bを参照のこと。
(実施例9)
65~85歳の健康な日本人成人において、投与された2つの3用量レジメンのクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)ワクチンの安全性、忍容性および免疫原性を評価するための、第1相、プラセボ対照、無作為化、観察者盲検研究(B5091010)
これは、65~85歳の健康な日本人成人において、2つの異なる投薬レジメン(0、1および6カ月目[月レジメン]または1、8および30日目[日レジメン])での、水酸化アルミニウム含有ワクチンの2つの抗原用量レベル(即ち、100μgおよび200μg)の安全性、忍容性および免疫原性を評価するための、第1相、プラセボ対照、無作為化、観察者盲検研究であった。
合計で128人の、65~85歳の健康な日本人成人を登録した。対象を、各投薬レジメンでクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)ワクチン(100μgまたは200μgの総トキソイド)またはプラセボ(食塩水)を受けるように、3:3:2の比で無作為に割り当てた。
対象を、最後のワクチン接種を受けた後、6カ月間にわたって追跡した。したがって、月レジメンに割り当てられた対象は、およそ12カ月間にわたって参加し、日レジメンに割り当てられ、それを完了する対象は、およそ7カ月間にわたって参加した。この研究は、およそ14カ月間で完了するように計画した。研究の終了は、最後の対象の最後の受診であった。
クロストリジウム・ディフィシル(C difficile)ワクチンは、日本人対象において以前には評価されていなかった。したがって、本発明のファースト・イン・ジャパニーズ研究B5091010は、65~85歳の健康な日本人成人に2つの3用量レジメン(1、8および30日目または0、1および6カ月目のいずれか)として投与された場合の、水酸化アルミニウム含有クロストリジウム・ディフィシル(C difficile)ワクチンの2つの抗原用量レベル(100μgおよび200μgの総トキソイド)の安全性、忍容性および免疫原性を評価するために、研究B5091009と同様に設計した。
研究B5091010が進行中であった期間の間に、第2相研究B5091009を分析したところ、投与された両方のレジメンおよび両方の用量レベルが一般に、十分に耐容されたことが実証された。局所的反応は、優勢に軽度~中程度であり、注射部位疼痛が最も頻繁な症状であった。用量2の後、局所的反応源性は、特に200μgの用量レベルについて、1カ月目と比較して、8日目にワクチンが投与された場合に、より高かった。全身的事象もまた、優勢に軽度~中程度であり、個々の事象の発生率は、プラセボ群、100μg用量群および200μg用量群の間で同様であった。各レジメン内で、全体的な有害事象(AE)発生率もまた、プラセボ、100μgおよび200μg用量群の間で同様であった。両方のレジメンについて、重篤な有害事象(SAE)は、プラセボ群よりも、100μgおよび200μg用量群において数値的により高かった。しかし、これらの事象に関するパターンは存在せず、安全性の懸念は確認されなかった。研究した両方の用量レベルは、実質的な中和抗毒素AおよびB力価を生じ、0、1および6カ月目に投与した3用量の後の免疫原性プロファイルが好ましかった。さらに、200μgの用量レベルは、100μgの用量レベルよりも免疫原性であった。これに基づいて、0、1および6カ月目に投与した200μgの用量レベルを第3相の開発に進めることを決定した。
各投薬レジメンについて、対象を、表4に列挙した3つの研究群のうち1つに無作為化した。およそ24人の対象が、100または200μgの総トキソイド用量レベルのいずれかでクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)ワクチンを受けるように計画し、およそ16人の対象は、プラセボ(食塩水)を受けるように計画した。
血清サンプルを、免疫原性試験のために取得した。月レジメンについては、1日目(ワクチンの投与前)、15日目(用量1の14日後)、30日目(用量2の直前)、37日目(用量2の7日後)、2カ月目(用量2の1カ月後)、6カ月目(用量3の直前)、187日目(用量3の7日後)、7カ月目(用量3の1カ月後)および12カ月目(用量3の6カ月後)に。
日レジメンについては、1日目(ワクチンの投与前)、8日目(用量2の直前)、15日目(用量2の7日後)、30日目(用量3の直前)、37日目(用量3の7日後)、2カ月目(用量3の1カ月後)、4カ月目(用量3の3カ月後)および7カ月目(用量3の6カ月後)に。
毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方を測定した。
毒素A特異的中和抗体幾何平均濃度および毒素B特異的中和抗体幾何平均濃度-月レジメンについて、7カ月目(用量3の1カ月後)は、第3の用量のワクチン後の免疫応答を反映したので、これを一次時点として特定した。全体として、毒素A特異的中和抗体GMCおよび毒素B特異的中和抗体GMCは、用量2の後に増加したが、100μg用量群および200μg用量群の両方について、用量3の後(7カ月目)に最も高かった。毒素A特異的中和抗体GMCおよび毒素B特異的中和抗体GMCは、7カ月目に、100μg用量群と比較して、200μg用量群においてより高かった。毒素A特異的中和抗体GMCおよび毒素B特異的中和抗体GMCは、両方の用量レベルについて、7カ月目から12カ月目まで減少した。12カ月目に、GMCは、200μg用量群については毒素A特異的中和抗体および毒素B特異的中和抗体の両方について、ならびにまた、100μg用量群については毒素A特異的中和抗体について、閾値を上回ったままであった。200μg用量群における毒素A特異的中和抗体GMCは、用量2の後(37日目)に347.17中和単位/mLまで増加し、37日目に100μg用量群において125.46中和単位/mLまで増加した。100μg用量群および200μg用量群の両方における毒素A特異的中和抗体GMCは、6カ月目(用量3の前)までに、それぞれ、88.89中和単位/mLおよび148.44中和単位/mLまで減少した。用量3の後、毒素A特異的中和抗体GMCは再び、100μg用量群および200μg用量群の両方について増加し、7カ月目に、100μg用量群(1137.50中和単位/mL)と比較した場合、200μg用量群において数値的により高かった(1692.38中和単位/mL)。次いで、毒素A特異的中和抗体GMCは、12カ月目(用量3の6カ月後)まで減少したが、100μg用量群および200μg用量群は共に、6カ月目のGMCと比較して、一般に高いままであった(それぞれ、248.97中和単位/mLおよび587.46中和単位/mL)。100μg用量群および200μg用量群の両方における毒素B特異的中和抗体GMCは、用量2の後(37日目)に、それぞれ、337.54中和単位/mLおよび901.16中和単位/mLまで増加した。毒素B特異的中和抗体GMCは、6カ月目(用量3の前)までに、それぞれ、274.13中和単位/mLおよび689.74中和単位/mLまで減少した。用量3の後(187日目)、毒素B特異的中和抗体GMCは再び、100μg用量群および200μg用量群の両方について増加し、7カ月目に、毒素B特異的中和抗体GMCは、100μg用量群(7903.68中和単位/mL)と比較した場合、200μg用量群において数値的により高かった(13756.54中和単位/mL)。12カ月目に、毒素B特異的中和抗体GMCは減少したが、6カ月目のGMCと比較して、200μg用量群については一般に高いままであったが(6298.18中和単位/mL)、100μg用量群についてはそうならなかった(1887.24中和単位/mL)。毒素A特異的中和抗体GMCおよび毒素B特異的中和抗体GMCは、プラセボ群では、ベースラインから12カ月目まで未変化のままであった。月レジメンについて、毒素A特異的中和抗体GMCおよび毒素B特異的中和抗体GMCは、評価可能免疫原性集団において、65~69歳および70~74歳の対象の間で基本的に同様であった。
月レジメンでは、ベースラインからの毒素A特異的中和抗体幾何平均上昇倍率(GMFR)および毒素B特異的中和抗体幾何平均上昇倍率(GMFR)を、各利用可能なベースライン後時点において計算した:15日目(用量1の14日後)、30日目(用量2の直前)、37日目(用量2の7日後)、2カ月目(用量2の1カ月後)、6カ月目(用量3の直前)、187日目(用量3の7日後)、7カ月目(用量3の1カ月後、一次時点)および12カ月目(用量3の6カ月後)。
毒素A特異的中和抗体GMFRの増加は、200μg用量群において用量2の後(37日目;4.26)に観察されたが、6カ月目までに1.82まで減少した。用量3の後、187日目(それぞれ、7.42および16.07)に100μg用量群および200μg用量群の両方について毒素A特異的中和抗体GMFRにおけるさらなる増加が存在し、7カ月目にさらなる増加が存在した(それぞれ、12.58および20.77)。12カ月目までに、毒素A特異的中和抗体GMFRは、100μg用量群および200μg用量群において、それぞれ、2.70および7.20まで減少した。200μg用量群における毒素A特異的中和抗体GMFRは、各血液サンプリング時点において、100μg用量群のものよりも一貫してより高かった。毒素A特異的中和抗体GMFRは、プラセボ群では、研究を通じて未変化のままであった。
毒素B特異的中和抗体GMFRにおける増加が、用量1の後(15日目;それぞれ、2.81および5.21)および用量2の後(37日目;それぞれ、2.53および5.35)に100μg用量群および200μg用量群について観察され、6カ月目までに僅かな減少が観察された(それぞれ、2.06および4.10)。毒素B特異的中和抗体GMFRにおけるさらなる増加が、用量3の後、100μg用量群および200μg用量群の両方について187日目に観察され(それぞれ、32.00および54.81)、さらなる増加が7カ月目に観察された(それぞれ、59.28および81.71)。12カ月目までに、毒素B特異的中和抗体GMFRは、100μg用量群および200μg用量群について、それぞれ、14.01および36.90まで減少した。200μg用量群における毒素B特異的中和抗体GMFRは、各血液サンプリング時点において、100μg用量群のものよりも一貫してより高かった。毒素B特異的中和抗体GMFRは、プラセボ群では、研究を通じて未変化のままであった。
特定された閾値値(219中和単位/mL[毒素A]および2586中和単位/mL[毒素B])を上回る毒素A特異的中和抗体レベル、毒素B特異的中和抗体レベル、ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方を達成した月レジメン中の対象の割合を、評価可能免疫原性集団について評価した。
全体として、閾値を上回る毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルを達成した対象の割合は、全ての血液サンプリング時点にわたって、100μg用量群と比較した場合、200μg用量群においてより高かった。両方の用量群について、閾値を上回る毒素A特異的中和抗体レベル、毒素B特異的中和抗体レベル、ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方を有する対象の割合は、用量2の後に増加し、用量3の後(7カ月目)に最も高かった。
毒素A特異的中和抗体について、用量3の後(187日目)、100μg用量群中の対象の78.3%(18/23、95%CI:56.3、92.5)および200μg用量群中の対象の95.7%(22/23、95%CI:78.1、99.9)が、プラセボ群中の対象なしと比較して、閾値を上回る毒素A特異的中和抗体レベルを達成した。7カ月目に、100μg用量群中の対象の91.3%(21/23、95%CI:72.0、98.9)および200μg用量群中の対象の100.0%(23/23、95%CI:85.2、100.0)が、プラセボ群中の対象なしと比較して、閾値を上回る毒素A特異的中和抗体レベルを達成した。毒素A特異的中和抗体レベルについて閾値を上回る対象の割合は、200μg用量群について12カ月目に高いままであったが(対象の95.5%[21/22]、95%CI:77.2、99.9)、100μg用量群においては減退した(対象の55.0%[9/20]、95%CI:31.5、76.9)。プラセボ群中には、12カ月目に閾値を上回る毒素A特異的中和抗体レベルを有した対象は存在しなかった。
毒素B特異的中和抗体について、用量3の後(187日目)、100μg用量群中の対象の52.2%(12/23、95%CI:30.6、73.2)および200μg用量群中の91.3%(21/23、95%CI:72.0、98.9)の対象が、プラセボ群中の対象なしと比較して、閾値を上回る毒素B特異的中和抗体レベルを達成した。7カ月目に、100μg用量群中の対象の91.3%(21/23、95%CI:72.0、98.9)および200μg用量群中の対象の100.0%(23/23、95%CI:85.2、100.0)が、プラセボ群中の対象なしと比較して、閾値を上回る毒素B特異的中和抗体レベルを達成した。毒素B特異的中和抗体レベルについて閾値を上回る対象の割合は、200μg用量群について12カ月目に高いままであったが(対象の81.8%[18/22]、95%CI:59.7、94.8)、100用量群においては減退した(対象の45.0%[11/20]、95%CI:23.1、68.5)。プラセボ群中には、12カ月目に閾値を上回る毒素B特異的中和抗体レベルを有した対象は存在しなかった。
月レジメンについて、毒素A特異的中和抗体レベル、毒素B特異的中和抗体レベル、ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方においてベースラインからの規定された上昇倍率(≧4倍、≧8倍、≧16倍および≧32倍)を達成する対象の割合を、評価可能免疫原性集団について評価した。全体として、ベースライン毒素A特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する対象のより高い割合が、100μg用量群と比較して、200μg用量群において観察された。100μg用量群および200μg用量群の両方においてベースラインからの≧32倍の上昇を達成する対象の割合における増加が、用量3の後(187日目)に観察された。7カ月目までに、100μg用量群中の対象の69.6%(16/23)および200μg用量群中の対象の91.3%(21/23)が、ベースラインからの≧8倍の上昇を達成した。さらに7カ月目に、200μg用量群中の対象の69.6%(16/23)は、ベースラインからの≧16倍の上昇もまた達成した。プラセボ群におけるベースラインからの毒素A特異的中和抗体上昇倍率は、各時点において未変化のままであった。ベースライン毒素A特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する対象の割合は、7カ月目と比較して12カ月目において減退し、100μg用量群中の対象の5.0%(1/20)および200μg用量群中の対象の13.6%(3/22)が、ベースラインからの≧16倍の上昇を達成した。
全体として、ベースライン毒素B特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する対象のより高い割合が、100μg用量群と比較して、200μg用量群において観察された。100μg用量群および200μg用量群の両方において、ベースラインからの≧32倍の上昇を達成する対象の割合における増加が、用量3の後(187日目)に観察された。7カ月目までに、100μg用量群中の対象の73.9%(17/23)および200μg用量群中の対象の82.6%(19/23)が、ベースラインからの≧32倍の上昇を達成した。プラセボ群におけるベースラインからの毒素B特異的中和抗体上昇倍率は、各時点において未変化のままであった。ベースライン毒素B特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する対象の割合は、7カ月目と比較して12カ月目において減退し、100μg用量群中の対象の25.0%(5/20)および200μg用量群中の対象の45.5%(10/22)が、ベースラインからの≧32倍の上昇を達成した。
100μg用量群および200μg用量群の両方における毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方についてベースラインからの≧8倍の上昇を達成する対象の割合における増加が、用量3の後(187日目)に観察された。7カ月目までに、100μg用量群中の対象の69.6%(16/23)および200μg用量群中の対象の87.0%(20/23)が、ベースラインからの≧8倍の上昇を達成した。さらに7カ月目に、200μg用量群中の対象の65.2%(15/23)が、ベースラインからの≧16倍の上昇を達成した。プラセボ群におけるベースラインからの毒素A特異的中和抗体上昇倍率およびB特異的中和抗体上昇倍率は共に、各時点において未変化のままであった。
月レジメンについて毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベル≦LLOQを有する対象の割合を評価した。全体として、100μg用量群および200μg用量群の両方中の対象の低い割合が、7カ月目および12カ月目に、毒素A特異的中和抗体レベルまたは毒素B特異的中和抗体レベルのいずれか<LLOQを有した。プラセボ群中の対象の大部分は、全ての時点において、毒素A特異的中和抗体レベル、毒素B特異的中和抗体レベル、ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベル<LLOQを有した。
日レジメンについて、37日目(用量3の7日後)は、第3の用量のワクチン後の免疫応答を反映したので、これを一次時点として特定した。しかし、停止規則に従って引き続く投薬を中断するという決定から生じる、登録された対象の限定的な数に起因して、30日目およびそれを越える時点では、推測を行うことはできなかった。100μg用量群および200μg用量群についての毒素A特異的中和抗体GMCは、用量1および用量2の後に増加したが、100μg用量群(15日目に79.00中和単位/mLおよび30日目に116.21中和単位/mL)と比較した場合、15日目(515.67中和単位/mL)および30日目(673.00中和単位/mL)に、200μg用量群においてより高い程度まで増加した。毒素A特異的中和抗体GMCは、プラセボ群では、研究を通じて未変化のままであった。毒素Aと同様に、100μg用量群および200μg用量群についての毒素B特異的中和抗体GMCは、用量1および用量2の後に増加したが、100μg用量群(692.98中和単位/mLおよび682.09中和単位/mL)と比較した場合、15日目(3531.69中和単位/mL)および30日目(4666.51中和単位/mL)に、200μg用量群においてより高い程度まで増加した。毒素B特異的中和抗体GMCは、プラセボ群では、研究を通じて未変化のままであった。
日レジメンでは、ベースラインからの毒素A特異的中和抗体GMFRおよび毒素B特異的中和抗体GMFRを、各利用可能なベースライン後時点において計算した:8日目(用量2の直前)、15日目(用量2の7日後)、30日目(用量3の直前)、37日目(用量3の7日後、一次時点)、2カ月目(用量3の1カ月後)、4カ月目(用量3の3カ月後)および7カ月目(用量3の6カ月後)。停止規則に従って引き続く投薬を中断するという決定によって引き起こされる、対象の限定的な数に起因して、30日目およびそれを越える時点では、推測を行うことはできなかった。毒素A特異的中和抗体GMFRの増加が、用量2の後、15日目に200μg用量群において観察され(6.11)、30日目にさらなる増加が観察された(7.79)。毒素A特異的中和抗体GMFRにおける増加が、用量2の後、100μg用量群において30日目に観察されたが(1.47)、これは全体的に、全ての時点において、200μg用量群において観察されたGMFRよりも低かった。毒素A特異的中和抗体GMFRは、プラセボ群では、全ての時点において未変化のままであった。
毒素B特異的中和抗体GMFRにおける増加が、用量1の後に100μg用量群および200μg用量群の両方において観察され(8日目:それぞれ、1.41および1.78)、さらなる増加が、15日目(それぞれ、4.37および9.01)および30日目(それぞれ、4.59および10.63)に、両方の用量群において観察された。毒素B特異的中和抗体GMFRは、100μg用量群におけるものと比較した場合、200μg用量群において一貫してより高かった。毒素B特異的中和抗体GMFRは、プラセボ群では、全ての時点において未変化のままであった。
日レジメンでは、特定された閾値値(219中和単位/mL[毒素A]および2586中和単位/mL[毒素B])を上回る毒素A特異的中和抗体レベル、毒素B特異的中和抗体レベル、ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方を達成したmITT集団中の対象の割合を評価した。30日目までに、日レジメンでは、100μg用量群(対象の20.0%[1/5]、95%CI:0.5、71.6)と比較して、200μg用量群中の対象のより高い百分率(対象の62.5%[5/8]、95%CI:24.5、91.5)が、閾値を上回る毒素A特異的中和抗体レベルを達成した。
同様に、毒素B特異的中和抗体について、30日目に、100μg用量群(対象の20.0%[1/5]、95%CI:0.5、71.6)と比較して、200μg用量群中の対象のより高い百分率(対象の62.5%[5/8]、95%CI:24.5、91.5)が、閾値を上回る毒素B特異的中和抗体レベルを達成した。
毒素A特異的中和抗体および毒素B特異的中和抗体の両方について、200μg用量群中の対象の半分が、30日目までに閾値を上回るレベルを達成したが(対象の50.0%[4/8]、95%CI:15.7、84.3)、100μg用量群中の対象はいずれも、毒素Aおよび毒素Bの両方について閾値を上回るレベルを達成しなかった(対象の0.0%[0/5])。
日レジメンでは、毒素A特異的中和抗体レベル、毒素B特異的中和抗体レベル、ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方においてベースラインからの規定された上昇倍率(≧4倍、≧8倍、≧16倍および≧32倍)を達成する対象の割合を評価した。全体として、ベースライン毒素A特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する日レジメン中の対象のより高い割合が、100μg用量群と比較して、200μg用量群において観察された。30日目まで、毒素A特異的中和抗体レベルにおける≧4倍以上の上昇を達成した100μg用量群中の対象は存在しなかった。用量2の後(15日目)にベースラインからの≧32倍の上昇を達成する200μg用量群中の対象の割合における増加が存在し、これは、30日目まで継続した(200μg用量群中の対象の25.0%[2/8]が、ベースラインからの≧32倍の上昇を達成した)。プラセボ群におけるベースラインからの毒素A特異的中和抗体上昇倍率は、各時点において未変化のままであった。
毒素A特異的中和抗体と同様に、ベースライン毒素B特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する日レジメン中の対象のより高い割合が、100μg用量群と比較して200μg用量群において観察された。用量2の後(15日目)に、100μg用量群および200μg用量群の両方中のベースラインからの≧32倍の上昇を達成する対象の割合における増加が存在し、これは30日目まで継続した。30日目に、100μg用量群中の5人の対象のうち1人だけが、規定された上昇倍率のいずれかを達成した。逆に、200μg用量群中の対象の62.5%[5/8]が、30日目に≧16倍の上昇を達成した。プラセボ群におけるベースラインからの毒素B特異的中和抗体上昇倍率は、各時点において未変化のままであった。
最大で30日目および30日目を含んで、毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方における≧4倍以上の上昇を達成した100μg用量群中の対象は存在しなかった。用量2の後(15日目)に、200μg用量群中の毒素AおよびBの両方についてベースラインからの≧32倍の上昇を達成する対象の割合における増加が存在し、これは30日目まで継続した(200μg用量群中の対象の12.5%[1/8]が、ベースラインからの≧32倍の上昇を達成した)。プラセボ群におけるベースラインからの毒素A特異的中和抗体上昇倍率および毒素B特異的中和抗体上昇倍率は、各時点において未変化のままであった。
日レジメンについて毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベル<LLOQを有する対象の割合を評価した。100μg用量群および200μg用量群の両方中の対象が、用量2の後15日目に毒素A特異的中和抗体レベル<LLOQを有し(それぞれ、対象の100.0%[11/11]および対象の54.5%[6/11])、30日目に低減された(それぞれ、対象の60.0%[3/5]および対象の25.0%[2/8])。30日目までに、100μg用量群および200μg用量群の両方中の対象は、毒素B特異的中和抗体レベル<LLOQ(それぞれ、対象の40.0%[2/5]および対象の37.5%[3/8])ならびに毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方<LLOQ(それぞれ、対象の20.0%[1/5]および対象の12.5%[1/8])を有した。
結論。免疫原性エンドポイントを、この研究における二次エンドポイントとみなした。免疫原性エンドポイントは、ベースラインからの毒素A特異的中和抗体および毒素B特異的中和抗体のGMCおよびGMFR、ならびに閾値を上回る毒素A特異的中和抗体レベル、毒素B特異的中和抗体レベル、または毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルの両方を有する対象の割合、ならびにベースラインからの≧4倍、≧8倍、≧16倍および≧32倍の上昇を有する割合を含んだ。日レジメンを停止させた結果として、限定的な量の免疫原性データのみが、このコホートについて30日後に入手可能であった。したがって、月レジメンから得たデータから以下の結論を下した。全体として、毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルについてのGMCは、100μg用量群および200μg用量群の両方において、用量1の後に増加し、7カ月目に最大であり、12カ月目まで減退した。7カ月目に、毒素A特異的中和抗体GMCおよび毒素B特異的中和抗体GMCは共に、100μg用量群(それぞれ、1137.50および7903.68中和単位/mL)と比較した場合、200μg用量群において数値的により高かった(それぞれ、1692.38および13756.54中和単位/mL)。12カ月目までに、毒素A特異的中和抗体GMCおよび毒素B特異的中和抗体GMCは減退したが、6カ月目のGMCと比較して、200μg用量群では高いままであった(それぞれ、587.46および6298.18中和単位/mL)。200μg用量群における毒素A特異的中和抗体GMFRは、各血液サンプリング時点において、100μg用量群のものよりも一貫してより高かった。用量3の後、ベースラインからのGMFRにおける増加が、100μg用量群および200μg用量群の両方において観察された。毒素A特異的中和抗体GMFRおよび毒素B特異的中和抗体GMFRは、7カ月目に最も高く、100μg用量群(それぞれ、12.58および59.28)と比較した場合、200μg用量群において数値的により高かった(それぞれ、20.77および81.71)。次いで、毒素A特異的中和抗体GMFRおよび毒素B特異的中和抗体GMFRは、両方のワクチン群において12カ月目までに減退した。閾値を上回る毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルを達成した対象の割合は一般に、全ての血液サンプリング時点にわたって、100μg用量群と比較した場合、200μg用量群においてより高かった。7カ月目までに、200μg用量群中の対象の100.0%が、閾値を上回る毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルを達成したが、100μg用量群中の対象の90%よりも多くが、閾値を上回るレベルを達成した。毒素A特異的中和抗体レベルおよび毒素B特異的中和抗体レベルについて閾値を上回る対象の割合は、12カ月目に200μg用量群について高いままであったが(それぞれ、95.5%および81.8%)、100用量群では減退した(それぞれ、55.0%および45.0%)。プラセボ群中には、12カ月目に閾値を上回る毒素A特異的中和抗体レベルまたは毒素B特異的中和抗体レベルを有した対象は存在しなかった。毒素A特異的中和抗体について、100μg用量群中の対象の69.6%(16/23)および200μg用量群中の対象の91.3%(21/23)は、7カ月目までにベースラインからの≧8倍の上昇を達成し、200μg用量群中の対象の大部分(69.6%;16/23)もまた、7カ月目までにベースラインからの≧16倍の上昇を達成した。ベースライン毒素A特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する対象の割合は、7カ月目と比較して12カ月目に減退し、100μg用量群中の対象の5.0%(1/20)および200μg用量群中の対象の13.6%(3/22)が、ベースラインからの≧16倍の上昇を達成した。毒素B特異的中和抗体について、100μg用量群および200μg用量群の両方中の対象の大部分が、7カ月目までに、ベースラインからの≧32倍の上昇を達成した(それぞれ、対象の73.9%[17/23]および対象の82.6%[19/23])。ベースライン毒素B特異的中和抗体レベルからの規定された上昇倍率を達成する対象の割合は、7カ月目と比較して12カ月目に減退し、100μg用量群中の対象の25.0%(5/20)および200μg用量群中の対象の45.5%(10/22)が、ベースラインからの≧32倍の上昇を達成した。100μg、200μgおよびプラセボ用量にわたる、ベースラインにおける月および日レジメン中のベースラインにおける非常に少数の血清陽性対象に起因して、GMCに対するベースライン血清状態の影響は検討できなかった。月レジメンのRCDCで明らかなように、200μg用量群は、7カ月目に、一般には全ての時点にわたって、100μg用量群と比較した場合、より高い毒素A特異的中和抗体濃度および毒素B特異的中和抗体濃度を有した。併せて考えると、これらの結果は、月レジメンにおいて、ピーク免疫原性が、クロストリジウム・ディフィシル(C difficile)ワクチンの用量3のおよそ1カ月後(7カ月目)に生じることを実証している。さらに、200μg用量は、毒素A特異的中和抗体および毒素B特異的中和抗体のGMCおよびGMFRによって評価した場合、100μg用量と比較して、より高くより持続性の抗体応答を誘導する。
(実施例10)
免疫原性組成物によって誘導される抗体は、種々のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)株由来の毒素を中和することが可能である
種々の株から分泌された毒素を含む培養物上清を、免疫原性組成物で免疫化した非ヒト霊長類由来の血清を使用するin vitro中和アッセイで試験して、免疫原性組成物のカバー範囲を決定し、循環臨床株由来の多様な毒素に対して保護する免疫原性組成物の能力を決定した。
IMR-90細胞を使用して、種々のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)株から発現された毒素の中和を試験した。試験サンプルの中和力価は、参照標準に基づいて計算される。アッセイLLOQ:Txd A=158.0U/ml;Txd B=249.5U/ml。表5中の結果は、免疫化された非ヒト霊長類由来の血清が、中和アッセイにおいて、それぞれの培養物上清の各々由来のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素を中和できたことを示している。
(実施例11)
第3相クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチン有効性研究を支持する診断アッセイ
Clover(B5091007)は、CDIの危険性が増加した50歳以上の対象におけるトキソイドベースのクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium(C)difficile)ワクチンの有効性、安全性および忍容性を評価する多国籍の重要な第3相研究である。この研究は、23カ国のおよそ400の調査場所が関与して、ほぼ16,000人の対象を登録することを目的にしている。この第3相研究の主要目的は、臨床および実験室の両方の診断基準に基づいて、CDIの最初の一次エピソードの発生率を低減させることにおけるワクチンの有効性を実証することである。ワクチンの有効性の評価は、対象が下痢を経験したときに追跡し、その時に便サンプルを収集し、温度制御された条件下の中央実験室にそれらのサンプルを発送し、疾患を引き起こすクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)および毒素(複数可)の存在についてそれらを試験することを必要とする。CDIの正確な実験室診断を確実にするために、2-ステップアルゴリズムを、便サンプルを試験するために使用する。このアルゴリズムは、PCRによる毒素B遺伝子を保有するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)株/芽胞の検出と、その後の独占所有権のある毒素検出試験(CCNA)を使用する遊離毒素(AおよびB)の検出とに基づく。このアプローチを疫学的研究として選択し、これは、遊離毒素の検出が、PCR単独よりもCDI疾患のより良い予測因子であったことを明確に実証した。さらに、2-ステップ試験アルゴリズムは、European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseasesによって欧州において、Infectious Diseases Society of AmericaおよびSociety for Healthcare Epidemiology of Americaによって米国において、既に推奨されている。この研究ならびにPCR資格認定およびCCNA検証/臨床的検証を実施することの操作上/実行上の課題の主要部は、記載されている。両方のアッセイは、全ての予め特定された許容基準を満たし、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの有効性および疫学研究において診断としてのそれらの意図された使用に適切である。
CEPHEID XPERT(登録商標)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の資格認定/Epi PCR試験検証およびCCNAの臨床的検証
XPERT(登録商標)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)/Epi PCR試験およびCCNAは、高感度でロバストで再現性がある。アッセイ資格認定ならびに精度、直線性、正確性および/または特異性の検証は、XPERT(登録商標)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)/Epi PCR試験およびCCNAが、それらの意図された目的に適切であることを確認した。各アッセイを、真のCDI陽性および陰性便サンプルに対して試験し、臨床的正確性について評価した。XPERT(登録商標)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)/Epi PCR試験およびCCNAは共に、陽性および陰性サンプルを適切に分類することにより、臨床的に正確であった。
特異性:50個の非毒素産生性および非クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)株を、XPERT(登録商標)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)/Epi PCRを用いて評価した。交差反応は観察されず、これは、100%の分析特異性に対応する。
感度:便中で急増した10個のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)株の検出限界(LOD)を決定した。10個の株についてのLODは、344~2175コロニー形成単位(CFU)の範囲であった。
精度:9つのインプットサンプルを、10日間の試験日にわたって、3ロットの試験試薬を使用して、2人の分析者が試験した。サンプルの変動性は、これらの条件下で、<2%相対標準偏差であった。
正確性:濃度が10倍増加したときの、測定された値と参照値との間の一致は、傾き=-3.3Ctによって示される。
CEPHEID XPERT(登録商標)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)/Epi PCR試験は、臨床的検証において93全てのCDI症例サンプルを正確に同定した。優れたCCNA精度が、アッセイ検証の間に観察された。CCNAは、参照方法と比較した場合、100%の臨床的特異性を実証した。CCNAは、別の参照方法と比較した場合、95.7%の臨床的感度を実証した。
結論:クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)生物の検出とその後の毒素の検出とに基づく2-ステップアルゴリズムは、CDIの実験室確認のために使用される。CLOVERにおいて使用する前に、XPERT(登録商標)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)/Epi PCR試験およびCCNAの両方を資格認定および/または検証したところ、これらは共に、優れた分析特異性、感度および精度を実証した。臨床的検証の間に、両方の診断アッセイは、推定CDI症例の検出において、臨床的に特異的かつ高感度であった。信頼性のある臨床サンプル検体収集戦略と併せて使用される各アッセイは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの第3相臨床試験において現在使用されている。
以下の条項は、本発明のさらなる実施形態を記載する:
C1.ヒトにおいてクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症に対する免疫応答を惹起するための方法であって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドを含む組成物の有効用量をヒトに投与するステップを含み、組成物が少なくとも2回投与される、方法。
C2.2回目の投与が、1回目の投与の少なくとも7日後であり、3回目の投与が、1回目の投与の約30日後である、条項C1に記載の方法。
C3.3回目の投与が、1回目の投与の約180日後である、条項C1に記載の方法。
C4.組成物が少なくとも3回投与される、条項C1に記載の方法。
C5.2回目の投与が、1回目の投与の約30日後であり、3回目の投与が、1回目または2回目の投与の約180日後である、条項C2に記載の方法。
C6.3回目の投与が、1回目の投与の少なくとも180日後である、条項C2に記載の方法。
C7.惹起される免疫応答が、抗毒素A中和モノクローナル抗体を含む、条項C1に記載の方法。
C8.惹起される免疫応答が、抗毒素B中和モノクローナル抗体を含む、条項C1に記載の方法。
C9.惹起される免疫応答が、抗毒素A中和モノクローナル抗体および抗毒素B中和モノクローナル抗体を含み、中和モノクローナル抗体の濃度が、少なくとも10μg/mLである、条項C1に記載の方法。
C10.組成物が、少なくとも90%以上の純度を各々が有するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよび/またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBを含む、条項C1に記載の方法。
C11.組成物が、約3:1~約1:1の比でクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよび/またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBを含む、条項C1に記載の方法。
C12.組成物が、1:1の比でクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよび/またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBを含む、条項C1に記載の方法。
C13.組成物がアジュバントを含む、条項C1に記載の方法。
C14.組成物がアルミニウムアジュバントを含む、条項C1に記載の方法。
C15.クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する免疫応答が、少なくとも約60日間持続する、条項C1に記載の方法。
C16.クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する免疫応答が、少なくとも約180日間持続する、条項C1に記載の方法。
C17.クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する免疫応答が、少なくとも約365日間持続する、条項C1に記載の方法。
C18.クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する免疫応答が、少なくとも約540日間持続する、条項C1に記載の方法。
C19.2回目の投与が、1回目の投与の少なくとも7日後であり、3回目の投与が、1回目の投与の少なくとも30日後である、条項C1に記載の方法。
C20.3回目の投与が、1回目の投与の少なくとも30日後である、条項C1に記載の方法。
C21.2回目の投与が、1回目の投与の少なくとも7日後であり、3回目の投与が、1回目または2回目の投与の少なくとも180日後である、条項C1に記載の方法。
C22.3回目の投与が、1回目の投与の少なくとも180日後である、条項C1に記載の方法。
C23.組成物が、少なくとも90%以上の純度を各々が有するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよび/またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBを含む、条項C1に記載の方法。
C24.組成物が、約3:1~約1:1の比でクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよび/またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBを含む、条項C1に記載の方法。
C25.組成物が、1:1の比でクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよび/またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBを含む、条項C1に記載の方法。
C26.組成物がアジュバントを含む、請求項1に記載の方法。
C27.組成物がアルミニウムアジュバントを含む、条項C1に記載の方法。
C28.クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する免疫応答が、少なくとも約60日間持続する、条項C1に記載の方法。
C29.クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する免疫応答が、少なくとも約180日間持続する、条項C1に記載の方法。
C30.クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび/または毒素Bに対する免疫応答が、少なくとも約365日間持続する、条項C1に記載の方法。
C31.クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAが、アルミニウムアジュバントに結合される、条項C1に記載の方法。
C32.クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBが、アルミニウムアジュバントに結合される、条項C1に記載の方法。
C33.クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAおよび/またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドBが、凍結乾燥される、条項C1に記載の方法。
C34.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C35.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも4倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C36.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも8倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C37.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも16倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C38.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも32倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C39.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C40.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも4倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C41.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも8倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C42.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも16倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C43.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも32倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C44.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第2の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C45.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第2の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも4倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C46.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第2の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも8倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C47.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第2の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも16倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C48.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第2の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも32倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C49.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第2の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C50.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第2の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも4倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C51.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第2の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも8倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C52.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第2の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも16倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C53.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第2の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも32倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C54.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C55.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも4倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C56.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも8倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C57.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも16倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C58.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも32倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C59.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C60.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも4倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C61.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも8倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C62.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも16倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C63.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも32倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C64.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第1の用量の約7、30、60、90、120、365または540日後に測定した場合、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C65.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第2の用量の約7、30、60、90、120、365または540日後に測定した場合、第2の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C66.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素A特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量の約7、30、60、90、120、365または540日後に測定した場合、第3の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い毒素A特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C67.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第1の用量の約7、30、60、90、120、365または540日後に測定した場合、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C68.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第2の用量の約7、30、60、90、120、365または540日後に測定した場合、第2の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C69.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量の約7、30、60、90、120、365または540日後のいずれか1つで測定した場合、第3の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C70.組成物が、細胞毒性アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合に、第1の用量を受ける前のヒトにおける毒素B特異的中和抗体濃度よりも、第3の用量の約7、30、60、90、120、365または540日後のいずれか1つで測定した場合、第3の用量を受けた後のヒトにおいて毒素B特異的中和抗体濃度を誘導する、条項C1に記載の方法。
C71.ヒトが、毒素Bについて血清陰性である、条項C1に記載の方法。
C72.ヒトが、毒素Aについて血清陰性である、条項C1に記載の方法。
C73.ヒトが、毒素Aおよび毒素Bについて血清陰性である、条項C1に記載の方法。
C74.ヒトが、毒素Bについて血清陽性である、条項C1に記載の方法。
C75.ヒトが、毒素Aについて血清陽性である、条項C1に記載の方法。
C76.ヒトが、毒素Aおよび毒素Bについて血清陽性である、条項C1に記載の方法。
C77.トキソイドが、メチオニンが存在しない配列番号4を含む、条項C1に記載の方法。
C78.トキソイドが、メチオニンが存在しない配列番号6を含む、条項C1に記載の方法。
C79.トキソイドが、メチオニンが存在しない、配列番号1~8、15、17、19、21、23、25、28~35、82~761のいずれか1つを含む、条項C1に記載の方法。
C80.トキソイドが、ホルムアルデヒド接触したクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Aを含む、条項C1に記載の方法。
C81.トキソイドが、ホルムアルデヒド接触したクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素Bを含む、条項C1に記載の方法。
C82.トキソイドが、ホルムアルデヒドと接触されない、条項C1に記載の方法。
C83.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ002由来である、条項C1に記載の方法。
C84.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ003由来である、条項C1に記載の方法。
C85.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ004由来である、条項C1に記載の方法。
C86.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ012由来である、条項C1に記載の方法。
C87.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ015由来である、条項C1に記載の方法。
C88.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ017由来である、条項C1に記載の方法。
C89.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ020由来である、条項C1に記載の方法。
C90.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ023由来である、条項C1に記載の方法。
C91.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ027由来である、条項C1に記載の方法。
C92.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ029由来である、条項C1に記載の方法。
C93.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ046由来である、条項C1に記載の方法。
C94.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ053由来である、条項C1に記載の方法。
C95.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ059由来である、条項C1に記載の方法。
C96.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ070由来である、条項C1に記載の方法。
C97.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ075由来である、条項C1に記載の方法。
C98.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ078由来である、条項C1に記載の方法。
C99.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ081由来である、条項C1に記載の方法。
C100.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ087由来である、条項C1に記載の方法。
C101.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ106由来である、条項C1に記載の方法。
C102.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ117由来である、条項C1に記載の方法。
C103.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ126由来である、条項C1に記載の方法。
C104.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ131由来である、条項C1に記載の方法。
C105.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)リボタイプ154由来である、条項C1に記載の方法。
C106.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素型0由来である、条項C1に記載の方法。
C107.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素型I由来である、条項C1に記載の方法。
C108.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素型VIII由来である、条項C1に記載の方法。
C109.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素型IV由来である、条項C1に記載の方法。
C110.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素型III由来である、条項C1に記載の方法。
C111.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素型XIII由来である、条項C1に記載の方法。
C112.感染症が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素型V由来である、条項C1に記載の方法。