JP7354692B2 - 読取装置および読取制御方法 - Google Patents

Description

本発明は、原稿の搬送と読取とを実行可能な読取装置および読取制御方法に関する。

スキャナーは、原稿トレイに読取前の原稿が複数枚載置されているときに、原稿を搬送経路へ一枚ずつ引き入れて、その原稿を搬送する。稀に、読取装置は、複数枚重なった状態の原稿を搬送してしまうことがある。一枚の原稿を搬送することを単送と呼び、複数枚重なった状態の原稿を搬送することを重送と呼ぶ。

重送センサーによって原稿の重送が検出された場合に、原稿の搬送および読取部による原稿の読取を停止させる構成が開示されている（特許文献１参照）。

特開２０１７‐８５４５２号公報

原稿の重送が検出された場合に原稿の搬送を停止する構成では、ユーザーは、重送が検出された原稿について、その場で確認し、重送された原稿を含む搬送が終わった各原稿を原稿トレイに再度セットして再度スキャンをすべきか否かを、判断することができる。しかし、原稿トレイ上の残りの原稿に対する搬送が停止しているため、複数枚の原稿に対する読取処理全体の効率が低下する。

一方で、原稿の重送が検出されても原稿トレイの全原稿の搬送を完了するまで搬送を停止しないという設定の下では、実際に原稿が複数枚重なった状態で搬送されても、搬送は停止されない。このような場合、ユーザーは、全原稿の搬送が完了して排紙トレイ等へ排出された後で、重送により読み取られなかった一部の原稿を探して再度スキャンする作業等が必要となり、正しい読取結果を得るためのユーザーの負担が大きかった。
このように、従来は読取処理の効率化や正しい読取結果を取得するためのユーザー負担の点で、改善の余地があった。

読取装置は、搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送部と、前記搬送部が搬送している前記原稿を対象として重送の検出を行う重送検出部と、前記搬送部が搬送している前記原稿の読取を行う読取部と、前記搬送部および前記読取部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記重送検出部により前記原稿の重送が検出された場合に、前記搬送部に重送が検出された前記原稿を前記搬送経路の下流へ排出させた上で前記搬送を一時停止させ、重送が検出された前記原稿のページ番号を表す重送ページ情報を記憶し、前記一時停止後に前記搬送部による前記搬送を再開させて、重送が検出された前記原稿よりも後のページの残り原稿の前記読取部による読取の終了後に、重送された前記原稿を対象とした前記搬送および前記読取である再読取処理を前記搬送部および前記読取部に実行させ、前記再読取処理の前に終了した前記読取により取得した第１読取データへ、前記再読取処理における前記読取により取得した第２読取データを前記重送ページ情報に基づいて挿入する。

読取装置の概略構成を示すブロック図。 搬送経路を含む読取装置の機械的構造を簡易的に示す図。 読取制御処理の一部を示すフローチャート。 読取制御処理の残りの部分を示すフローチャート。 図５ＡはステップＳ２００において表示するＵＩ画面の一例を示す図、図５ＢはステップＳ２６０において表示するＵＩ画面の一例を示す図。 ステップＳ２９０で挿入工程が実行されるまでの処理を具体例にて表す図。

以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。各図は例示であるため、比率や形状が正確でなかったり、互いに整合していなかったり、一部が省略されていたりする場合がある。

１．装置構成：
図１は、本実施形態にかかる読取装置１０の構成を簡易的に示している。読取装置１０は、何らかの印刷がされている原稿を読取可能なスキャナーである。読取装置１０は、読取制御方法を実行する。読取装置１０は、制御部１１と、搬送部１２と、重送センサー１３と、原稿端センサー１４と、読取部１５と、操作受付部１６と、表示部１７と、通信インターフェイス１８と、を含む。インターフェイスをＩＦと略す。制御部１１は、例えば、プロセッサーとしてのＣＰＵ１１ａや、ＲＯＭ１１ｂやＲＡＭ１１ｃ等のメモリーや、その他の記憶手段等を含み、メモリーに記憶されたプログラム１１ｅに従って読取装置１０の各部を制御する。制御部１１を構成するプロセッサーは、一つのＣＰＵに限られず、複数のＣＰＵや、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）等のハードウェア回路により処理を行う構成であってもよいし、ＣＰＵとハードウェア回路とが協働して処理を行う構成であってもよい。

搬送部１２は、制御部１１による制御下で原稿を搬送経路の上流から下流に向けて搬送する。搬送経路の上流から下流へ向かう方向を、搬送方向と呼んでもよい。搬送経路の上流、下流を、単に、上流、下流とも記載する。原稿は、代表的には紙媒体であるが、紙以外の素材によるシート状の媒体であってもよい。搬送部１２は、原稿を搬送するための複数のローラーや、ローラーに動力を与えてローラーを回転させるモーター等を含んでいる。

読取部１５は、制御部１１による制御下で原稿を光学的に読み取るための機構である。読取部１５は、原稿を照射する光源や、原稿からの透過光や反射光に応じた電荷を出力するイメージセンサーや、イメージセンサーに光を導くための光学系等を含んでいる。搬送部１２によって搬送されている原稿が、読取部１５によって読み取られる。従って、読取装置１０は、シートフィードスキャナーに該当する。搬送部１２の少なくとも一部を、自動給紙装置やＡＤＦ（Auto Document Feeder）と呼んでもよい。

重送センサー１３は、原稿の重送を検出するためのセンサーである。原稿端センサー１４は、原稿の有無を検出するためのセンサーである。操作受付部１６は、ユーザーからの操作を受け付けるための手段であり、例えば、物理的なボタンやタッチパネルである。表示部１７は、視覚情報を表示するための手段であり、例えば、液晶ディスプレイや、有機ＥＬディスプレイにより構成される。むろん、タッチパネルは、表示部１７の一機能として実現されるとしてもよい。

通信ＩＦ１８は、読取装置１０が公知の通信規格を含む所定の通信プロトコルに準拠して有線又は無線で外部と通信を実行するための一つまたは複数のＩＦの総称である。図１の例では、読取装置１０は、通信ＩＦ１８を介して外部装置２０と通信可能に接続している。外部装置２０は、例えば、パーソナルコンピューター（ＰＣ）や、サーバーや、スマートフォンや、タブレット型端末等である。読取装置１０は、スキャナーとしての機能に加え、印刷機能やファクシミリ通信機能や電子メール通信機能等の複数機能を兼ね備えた、複合機であってもよい。

図２は、搬送経路３３を含む読取装置１０の機械的構造を簡易的に示している。図２に示すように読取装置１０は、本体部３０と、本体部３０の上面３１を覆う蓋３２とを備える。蓋３２は本体部３０に対して開閉可能である。本体部３０と蓋３２との間には、搬送部１２が原稿Ｍを搬送するための搬送経路３３が確保されている。搬送部１２は、上流の供給口３４から原稿Ｍを搬送経路３３内へ取り込む。また、搬送部１２は、搬送経路３３の下流の排出口３５から原稿Ｍを読取装置１０外へ排出する。符号Ｄ１は、搬送方向Ｄ１を示している。なお、搬送経路３３は、少なくとも一部が湾曲していてもよい。

供給口３４近傍には、読取前の原稿Ｍを載置するための原稿トレイ３６が配設されている。原稿トレイ３６は、供給口３４よりも更に上流へ延出している。原稿トレイ３６は、本体部３０の上面３１と連続する面を上面３１よりも上流に形成している。原稿トレイ３６を、原稿支持部、原稿載置部、等と呼んでもよい。

本体部３０の内部には、読取部１５が収容されている。図２の例では、読取部１５は、搬送部１２により搬送経路３３を搬送される原稿Ｍの、本体部３０の上面３１を向く面を読み取る。ただし、読取装置１０は、搬送部１２により搬送経路３３を搬送される原稿Ｍの蓋３２に相対する面を読み取り可能な位置に、更に読取部を有する構成であってもよい。つまり、読取装置１０は、原稿Ｍの両面を同時読取可能なスキャナーであってもよい。

図２には、搬送部１２の一部を構成するローラーとして、搬送経路３３を挟んで相対するローラーの対を何組か示している。ローラー１２ａ１およびローラー１２ｂ１によるローラー対を、第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１と呼ぶ。ローラー１２ａ２およびローラー１２ｂ２によるローラー対を、第２ローラー対１２ａ２，１２ｂ２と呼ぶ。ローラー１２ａ３およびローラー１２ｂ３によるローラー対を、第３ローラー対１２ａ３，１２ｂ３と呼ぶ。ローラー１２ａ１，１２ａ２，１２ａ３は蓋３２に配設され、ローラー１２ｂ１，１２ｂ２，１２ｂ３は本体部３０に配設されている。各ローラー対は、対を構成するローラーとローラーとの間に原稿Ｍを挟持して回転することにより原稿Ｍを搬送する。

図２に示した各ローラー対のうち最も上流の第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１は、供給口３４のやや下流の位置に配設されている。第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１は、原稿トレイ３６に載置された複数枚の原稿Ｍの束から一枚の原稿Ｍを搬送経路３３へ取り込んで下流へ搬送する。つまり、理想的には第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１は単送を行う。しかし、第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１は、二枚以上の原稿Ｍを同時に搬送経路３３へ取り込んでしまうこともある。

第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１よりも下流かつ読取部１５よりも上流の位置に在る第２ローラー対１２ａ２，１２ｂ２は、第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１により搬送される原稿Ｍを、さらに下流へ搬送する。第２ローラー対１２ａ２，１２ｂ２により搬送される原稿Ｍが搬送経路３３における読取部１５の位置を通過する際に、原稿Ｍは読取部１５により読み取られる。図２に示した各ローラー対のうち最も下流の第３ローラー対１２ａ３，１２ｂ３は、読取部１５よりも下流に配設されている。第３ローラー対１２ａ３，１２ｂ３は、第２ローラー対１２ａ２，１２ｂ２により搬送される原稿Ｍを、さらに下流へ搬送し、排出口３５から外部へ排出する。

図２の例では、第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１よりも下流かつ第２ローラー対１２ａ２，１２ｂ２よりも上流の位置に、重送センサー１３が配設されている。重送センサー１３は、例えば、超音波式センサーであり、超音波を発信する発信器１３ａと、発信器１３ａが発信する超音波を受信する受信器１３ｂとを備える。発信器１３ａと受信器１３ｂとは、搬送経路３３を挟んで対向する位置に配置されている。重送センサー１３によれば、発信器１３ａからの超音波が原稿Ｍを通過する際に減衰する原理を利用して重送が検出される。重送されている原稿Ｍを通過したときの超音波の減衰度合は、単送されている原稿Ｍを通過したときの超音波の減衰度合よりも大きい。そのため、受信した超音波に応じて受信器１３ｂが出力する検出信号が、重送検出のための所定のしきい値を下回ると重送を検出し、前記検出信号が前記しきい値以上であれば単送を検出することができる。

図２の例では、第２ローラー対１２ａ２，１２ｂ２よりも下流かつ読取部１５よりも上流の位置に、原稿端センサー１４が配設されている。原稿端センサー１４は、原稿の有無を検出する。具体的には、原稿端センサー１４は、原稿が存在しない状態から存在する状態へ切り替わったとき、つまり原稿Ｍの先端が原稿端センサー１４の位置に達したときに、出力を所定のオフ信号から所定のオン信号へ切り替える。また、原稿端センサー１４は、原稿が存在する状態から存在しない状態へ切り替わったとき、つまり原稿Ｍの後端が原稿端センサー１４の位置に達したときに、出力をオン信号からオフ信号へ切り替える。原稿Ｍの先端とは、原稿Ｍの下流を向く端部であり、原稿Ｍの後端とは、原稿Ｍの上流を向く端部である。

搬送経路３３における重送センサー１３としての発信器１３ａおよび発信器１３ｂの位置や、原稿端センサー１４の位置は、図示した位置に限定されない。例えば、重送センサー１３が、第２ローラー対１２ａ２，１２ｂ２よりも下流かつ読取部１５よりも上流の位置に配設されていてもよい。また、原稿端センサー１４が、第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１よりも下流かつ第２ローラー対１２ａ２，１２ｂ２よりも上流の位置に配設されていてもよい。また、重送センサー１３および原稿端センサー１４は、搬送経路３３においてほぼ同じ位置に配設されていてもよい。

２．読取制御処理：
図３および図４は、制御部１１がプログラム１１ｅに従って実行する読取制御処理をフローチャートにより示している。
制御部１１は、外部からスキャン開始指示を受けた場合に、読取制御処理を開始する。スキャン開始指示は、ユーザーが行う操作受付部１６の操作により読取装置１０へ入力される。

先ず、ステップＳ１００では、制御部１１は、現在の原稿枚数のカウント値であるページ番号を“０”に初期化する。
そして、ステップＳ１１０では、制御部１１は、搬送部１２へ原稿Ｍの給紙を指示することにより搬送部１２に給紙を開始させる。給紙とは、搬送の一種であり、原稿Ｍを原稿トレイ３６から読取部１５による読取直前の所定位置まで送る処理である。ステップＳ１１０により、第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１が回転を開始し、原稿トレイ３６に載置された原稿Ｍを搬送経路３３へ取り込んで下流へ搬送する。
制御部１１は、ステップＳ１１０の給紙開始に伴い、現在のページ番号に“１”を加算する（ステップＳ１２０）。

給紙開始後、制御部１１は、給紙中の原稿Ｍの先端を検出できたか否かを繰り返し判定する（ステップＳ１３０）。制御部１１は、原稿Ｍの先端を検出した場合には、ステップＳ１３０で“Ｙｅｓ”と判定してステップＳ１４０へ進む。制御部１１は、原稿端センサー１４からの出力を継続的に入力し、原稿端センサー１４からの出力がオフ信号からオン信号へ切り替わった場合に、原稿Ｍの先端を検出したと判定する。

ステップＳ１４０では、制御部１１は、給紙を終了する。つまり、原稿Ｍの先端が原稿端センサー１４の位置に到達するまでの搬送が給紙である。制御部１１は、原稿Ｍの給紙終了により、第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１の回転を停止させる。制御部１１は、原稿Ｍの給紙に続いて、この原稿Ｍに対する搬送および読取を開始する（ステップＳ１５０）。ステップＳ１５０で開始する搬送とは、原稿Ｍの読取および排出のための搬送であり、第２ローラー対１２ａ２，１２ｂ２および第３ローラー対１２ａ３，１２ｂ３を回転させることにより実現する。

給紙と、給紙終了後の搬送との間に原稿Ｍの停止は不要であり、実態的には、原稿Ｍに対する給紙および給紙終了後の搬送は連続して実行される。また、制御部１１は、原稿Ｍの給紙が終了したと同時に、読取部１５に読取を開始させる必要はない。制御部１１は、給紙終了後、搬送経路３３に沿った原稿端センサー１４から読取部１５までの距離の原稿Ｍの搬送に要する既知の時間を待機した上で、読取部１５に原稿Ｍの読取を開始させればよい。

ステップＳ１５０に続いて、ステップＳ１６０において制御部１１は、搬送原稿を対象とした重送検出処理を開始する。重送検出処理は、重送検出工程に該当する。「搬送原稿」とは、搬送部１２が現在搬送している原稿Ｍを意味する。重送検出処理を開始した制御部１１は、重送センサー１３としての発信器１３ａおよび受信器１３ｂを駆動させ、受信器１３ｂから出力される検出信号を入力する。そして、制御部１１は、入力した検出信号と重送検出のための所定のしきい値とを比較し、検出信号がしきい値以上であれば単送と検出し、検出信号がしきい値未満であれば重送と検出する。ステップＳ１６０以降、このような重送検出処理は、基本的には重送が検出されるか搬送原稿の後端が検出されるまで継続して実行される。重送センサー１３および重送センサー１３による検出信号に基づいて重送または単送を検出する制御部１１は、「重送検出部」に該当する。

ステップＳ１７０では、制御部１１は、重送を検出したか否かにより処理を分岐する。制御部１１は、重送を検出した場合には、ステップＳ１７０の“Ｙｅｓ”の判定からステップＳ１８０へ進み、一方、単送を検出した場合には、ステップＳ１７０の“Ｎｏ”の判定からステップＳ２２０へ進む。

ステップＳ２２０では、制御部１１は、搬送原稿の後端を検出したか否かを判定する。制御部１１は、搬送原稿の後端を検出した場合には、ステップＳ２２０で“Ｙｅｓ”と判定してステップＳ２３０へ進み、一方、搬送原稿の後端を検出できていない状況では、ステップＳ２２０で“Ｎｏ”と判定してステップＳ１７０の判定に戻る。制御部１１は、原稿端センサー１４からの出力がオン信号からオフ信号へ切り替わった場合に、搬送原稿の後端を検出したと判定する。ステップＳ１６０で重送検出処理を開始した後、ステップＳ１７０の“Ｎｏ”と、ステップＳ２２０の“Ｎｏ”を繰り返した末にステップＳ２２０で“Ｙｅｓ”と判定した場合には、搬送原稿に関して重送が検出されなかったということである。

ステップＳ２３０では、制御部１１は、搬送原稿に対する読取部１５による読取が終了したか否かを繰り返し判定する。制御部１１は、搬送原稿に対する読取が終了した場合には、ステップＳ２３０の“Ｙｅｓ”の判定から、ステップＳ２４０へ進む。制御部１１は、例えば、搬送原稿の後端を原稿端センサー１４により検出した後、この後端が読取部１５を通過するために必要な既知の時間を待機した上で、ステップＳ２３０で“Ｙｅｓ”と判定すればよい。

一方、ステップＳ１８０では、制御部１１は、一時停止処理を実行する。具体的には、制御部１１は、搬送部１２による搬送原稿の搬送を継続させて、搬送原稿を排出口３５から排出させた上で、搬送部１２による搬送を停止させる。この場合、第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１は既に停止しているため、さらに第２ローラー対１２ａ２，１２ｂ２および第３ローラー対１２ａ３，１２ｂ３を停止させる。一時停止処理によれば、ステップＳ１７０で重送が検出された搬送原稿は、そのまま下流へ排出されるため、読取部１５によって読み取られる。ステップＳ１８０の一時停止処理は、一時停止工程に該当する。

ステップＳ１９０では、制御部１１は、重送が検出された原稿Ｍのページ番号を表す重送ページ情報を記憶する。つまり、制御部１１は、現在のページ番号を、重送ページ情報として、所定のメモリーに記憶させる。なお、重送ページ情報は、重送が検出された原稿Ｍのページ番号を直接あるいは間接的に表す情報であればよい。ステップＳ１９０は、記憶工程に該当する。制御部１１は、ステップＳ１９０を、ステップＳ１８０の一時停止処理と並行して実施してもよい。

ステップＳ２００では、制御部１１は、原稿確認および再開の要請を行う。原稿確認要請とは、一時停止処理によって排出された原稿Ｍを確認することをユーザーに促すことである。再開要請とは、残り原稿を対象として処理を再開することをユーザーに促すことである。「残り原稿」とは、一時停止処理によって排出された原稿Ｍよりも後のページの原稿Ｍであり、具体的には、原稿トレイ３６に残っている各原稿Ｍである。制御部１１は、原稿確認要請や再開要請を、視覚情報として表示部１７に表示させる。

図５Ａは、ステップＳ２００において制御部１１が表示部１７に表示させるユーザーインターフェイス（ＵＩ）画面４０の例を示している。ＵＩ画面４０内には、原稿確認要請として、例えば「重送を検出しました。排出された原稿を確認して下さい。」といったメッセージ４０ａが表示される。ユーザーは、メッセージ４０ａを視認することにより、排出された原稿を手に取って、実際に重送が発生したか否かを確認することができる。

ＵＩ画面４０内には、現在のページ番号が併せて表示されてもよい。図５Ａの例では、ページ番号として“４”が示されている。これは、ステップＳ１７０で重送が検出されてステップＳ１８０の一時停止処理により排出された原稿Ｍを、制御部１１が４枚目の原稿Ｍとしてカウントしていることを意味する。そのため、ユーザーは、現時点で排出口３５から排出済みの原稿Ｍの枚数が４枚よりも多ければ、実際に重送が発生したと認識することができる。

ＵＩ画面４０内には、再開要請として、例えば「残りの原稿のスキャンを再開するために、再開ボタンを押して下さい。」といったメッセージ４０ｂが、再開ボタン４０ｃとともに表示される。メッセージ４０ｂを視認したユーザーは、再開ボタン４０ｃを押し下げするタッチやクリック等の操作を行うことにより、再開指示を入力する。

ステップＳ２００に続いて、制御部１１は、残り原稿に対する処理の再開条件が成立したか否かを繰り返し判定する（ステップＳ２１０）。制御部１１は、残り原稿に対する処理の再開条件が成立した場合には、ステップＳ２１０の“Ｙｅｓ”の判定からステップＳ２４０へ進む。制御部１１は、再開ボタン４０ｃの操作による再開指示を受け付けた場合に、再開条件が成立したと判定する。

ステップＳ２１０またはステップＳ２３０から進んだステップＳ２４０では、制御部１１は、次の原稿Ｍの有無を判定し、次の原稿Ｍが有れば“Ｙｅｓ”の判定からステップＳ１１０へ戻り、一方、次の原稿Ｍが無ければ“Ｎｏ”の判定から図４のステップＳ２５０へ進む。例えば、原稿トレイ３６には、原稿Ｍを検出する不図示のセンサーが搭載されており、制御部１１は、このセンサーからの出力信号に基づいて、原稿トレイ３６における原稿Ｍの有無、つまり次の原稿Ｍの有無を判定すればよい。

ステップＳ２４０から進んだ先のステップＳ１１０により、次の原稿Ｍについて給紙が開始される。つまり、次の原稿Ｍが新たな搬送原稿となって、ステップＳ１１０以下の処理が実行される。ステップＳ１８０～Ｓ２１０，Ｓ２４０を経てステップＳ１１０以下を繰り返す流れによれば、制御部１１は、前記一時停止後に搬送部１２による搬送を再開させて残り原稿を対象として読取部１５に読取を実行させる、残り原稿読取工程を行うと言える。

なお、制御部１１は、ステップＳ２００でＵＩ画面４０を表示させた状態で、再開ボタン４０ｃが操作されないまま予め決まった時間が経過した場合にも、ステップＳ２１０において再開条件が成立したと判定してもよい。つまり、前記一時停止の後、再開指示を受けないまま所定時間が経過した場合に、残り原稿を対象とした搬送および読取を搬送部１２および読取部１５に実行させる、としてもよい。

ステップＳ１００からステップＳ２４０で“Ｎｏ”と判定されるまでの処理を、便宜上、「一次読取処理」と称する。一次読取処理の結果、原稿トレイ３６に載置された複数枚の原稿Ｍの全ての搬送が終了する。一次読取処理で搬送された原稿Ｍの中には、他の原稿Ｍと共に重送されて読取部１５に読み取られなかった原稿Ｍが含まれている可能性がある。一次読取処理の終了は、残り原稿を対象とした搬送および読取の終了に該当する。

ステップＳ２５０では、制御部１１は、重送が検出された原稿Ｍの有無により処理を分岐する。重送が検出された原稿Ｍ、つまり搬送原稿であるときにステップＳ１７０で“Ｙｅｓ”と判定された原稿Ｍを「重送原稿」と呼ぶ。制御部１１は、一次読取処理において重送原稿が無かった場合には、ステップＳ２５０で“Ｎｏ”と判定してステップＳ２９０へ進む。また、制御部１１は、一次読取処理において重送原稿が有り、かつ、その重送原稿の全てについてステップＳ２６０以下の処理を実行済みである場合にも、ステップＳ２５０で“Ｎｏ”と判定してステップＳ２９０へ進む。制御部１１は、一次読取処理において重送原稿が有り、かつ、ステップＳ２６０以下の処理の対象としていない重送原稿が残っている場合に、ステップＳ２５０で“Ｙｅｓ”と判定してステップＳ２６０へ進む。

ステップＳ２６０では、制御部１１は、直近のステップＳ２５０以前にステップＳ２６０以下の処理の対象としていない重送原稿のうち、最もページ番号が小さい重送原稿を、対象重送原稿に選び、再読取処理の要請を行う。例えば、一次読取処理の中で、制御部１１は、重送ページ情報として、ページ番号“２”およびページ番号“４”を記憶したとする。この場合、制御部１１は、ページ番号“２”の重送原稿、ページ番号“４”の重送原稿、の順でステップＳ２６０の度に対象重送原稿に選択する。

「再読取処理」とは、重送された原稿Ｍを対象とした搬送および読取を搬送部１２および読取部１５に実行させる処理を指す。重送された原稿Ｍとは、重送原稿と、この重送原稿と共に重送された原稿Ｍとを含む意味である。再読取処理の要請、つまり再読取要請は、再読取処理の開始をユーザーに促すことであり、制御部１１は、再読取要請を視覚情報として表示部１７に表示させる。

図５Ｂは、ステップＳ２６０において制御部１１が表示部１７に表示させるＵＩ画面４１の例を示している。ＵＩ画面４１内には、再読取要請として、例えば「重送が検出された原稿が有りました。原稿を差し替える場合は、原稿をセットして、差し替えボタンを押して下さい。」といったメッセージ４１ａが表示される。また、ＵＩ画面４１には、差替ボタン４１ｂやスキップボタン４１ｃが表示される。ＵＩ画面４１内には、図５Ｂの例のように、対象重送原稿のページ番号が併せて表示されてもよい。さらに、ＵＩ画面４１内には、対象重送原稿の縮小画像が表示されてもよい。対象重送原稿の縮小画像とは、この対象重送原稿が、一次読取処理の中で搬送原稿であったときに、一時停止処理（ステップＳ１８０）により排出されるまでの過程で読取部１５に読み取られて生成された画像データの、縮小版である。

図５Ｂの例では、ページ番号として“４”が示されている。従って、図５ＢのＵＩ画面４１は、ページ番号が“４”である重送原稿について、再読取処理をするか否かをユーザーに問い合わせる画面である。ＵＩ画面４１を視認したユーザーは、ページ番号“４”の重送原稿の再読取処理をする場合には、ページ番号“４”の原稿Ｍとして一時停止処理により排出された原稿Ｍと、この原稿Ｍと共に重送されて排出された別の原稿Ｍとを、原稿トレイ３６に載置した上で、差替ボタン４１ｂを押し下げる操作を行う。一方、ユーザーは、ページ番号“４”の重送原稿の再読取処理をしない場合には、原稿トレイ３６へ原稿Ｍを載置することなく、スキップボタン４１ｃを押し下げる操作を行う。

ステップＳ２７０では、制御部１１は、対象重送原稿についての再読取処理を実行するか否かを判定する。つまり、制御部１１は、ＵＩ画面４１における差替ボタン４１ｂが操作された場合に、再読取処理の実行指示を受けたと判定し、ステップＳ２７０の“Ｙｅｓ”の判定からステップＳ２８０へ進む。一方、制御部１１は、ＵＩ画面４１におけるスキップボタン４１ｃが操作された場合に、再読取処理の不実行の指示を受けたと判定し、ステップＳ２７０の“Ｎｏ”の判定からステップＳ２５０へ進む。

ステップＳ２８０では、制御部１１は、対象重送原稿についての再読取処理を行う。つまり、制御部１１は、搬送部１２および読取部１５を制御することにより、原稿トレイ３６に載置されている各原稿Ｍを対象とした給紙、給紙後の搬送、読取、排出を順次行う。制御部１１は、ステップＳ２８０の再読取処理の終了後、ステップＳ２５０へ進む。ステップＳ２８０は、再読取工程に該当する。また、一次読取処理という表現に対応させて、再読取処理を、二次読取処理と呼んでもよい。図３，４から分かるように、制御部１１は、残り原稿を対象とした搬送および読取の終了（ステップＳ２４０において“Ｎｏ”）の時点で、複数の原稿Ｍが重送原稿として検出されている場合には、重送原稿毎にステップＳ２６０を繰り返して、重送原稿毎に再読取要請を表示させる。

ステップＳ２９０では、制御部１１は、一次読取処理および再読取処理により取得された画像データから、所定のフォーマットの画像ファイルを生成する。画像ファイルのフォーマットは、例えばＰＤＦ形式であるが、特に問わない。ここで言う画像データとは、原稿Ｍをページ単位で読み取った読取部１５によって生成されたページ単位の画像データである。また、このような画像データを読取データとも呼ぶ。ステップＳ２９０のファイル生成は、再読取処理の前に終了した読取つまり一次読取処理により、取得した第１読取データへ、再読取処理における読取により取得した第２読取データを重送ページ情報に基づいて挿入する挿入工程を含んでいる。なお、ステップＳ２８０が一回も実行されなかった場合には、第２読取データが存在しないため、複数ページ分の第１読取データがそのまま画像ファイルとなるが、ここではステップＳ２８０が少なくとも一回実行された場合を想定して説明を続ける。

図６は、読取制御処理によってステップＳ２９０のファイル生成内で挿入工程が実行されるまでの流れを、具体例を用いて表している。図６において、符号５０，５１，５２，５３，５４，５５，５６で示した実線の各矩形は、ページ単位の読取データを表現している。また、読取データ５０～５６に対応させて記した“Ｍ＆数字”は、読取データの生成元となった原稿Ｍが、本来何番目の原稿Ｍであるかを示している。例えば、読取データ５１は、読取制御処理の開始前の時点で原稿トレイ３６に載置された６枚の原稿Ｍのうち、全てが単送されるときの搬送順が２番目である原稿Ｍ２を読取部１５が読み取った結果である。ちなみに、読取データ５０～５６の内部に記したＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ，Ｆのアルファベットは、原稿Ｍ１，Ｍ２，Ｍ３，Ｍ４，Ｍ５，Ｍ６の夫々に印刷されている内容を簡易的に示している。

図６内の上段に示す読取データ５０～５４は、一次読取処理で得られた第１読取データに該当する。一方、図６内の中段に示す読取データ５５，５６は、再読取処理で得られた第２読取データに該当する。また、図６において、読取データ５０～５４に対応させて記した“Ｍ＆数字”の隣の、括弧書きの数字は、一次読取処理において原稿Ｍ１，Ｍ２，Ｍ３，Ｍ４，Ｍ６にステップＳ１２０で付与されたページ番号である。原稿Ｍ４に重なるようにして破線で記載した原稿Ｍ５は、原稿Ｍ４と共に重送された原稿を示している。

つまり図６の例では、ステップＳ２４０で“Ｎｏ”と判定されるまでの一次読取処理において、原稿Ｍ４と共に原稿Ｍ５が重送されたため、原稿Ｍ４は搬送原稿であるときにステップＳ１７０で重送が検出され、一時停止処理（ステップＳ１８０）の対象となって、そのページ番号“４”が重送ページ情報として記憶される（ステップＳ１９０）。従って、一次読取処理では、原稿Ｍ４の読取データ５３は得られたが、原稿Ｍ５は読み取られることなく原稿Ｍ４と共に排出されている。また、この一次読取処理において、原稿Ｍ４と原稿Ｍ５とが重送されたことにより、本来は６番目の原稿として搬送されるべき原稿Ｍ６が、ページ番号“５”の原稿として搬送されて、読取データ５４が生成されている。

読取データ５１の内部に斜線を施して示した一部領域５１ａは、原稿Ｍ２に貼り付けされたラベルや付箋を読取部１５が原稿Ｍ２と共に読み取った結果を表している。このような、実際の重送とは言えないラベルや付箋等の存在も、重送検出処理において重送と検出される場合がある。そのため、図６に例示した一次読取処理において、原稿Ｍ２は搬送原稿であるときにステップＳ１７０で重送が検出され、一時停止処理（ステップＳ１８０）の対象となって、そのページ番号“２”が重送ページ情報として記憶される（ステップＳ１９０）。

図６の例によれば、ページ番号“２”の原稿Ｍ２と、ページ番号“４”の原稿Ｍ４とがそれぞれ重送原稿であり、制御部１１は、それぞれの重送原稿についてステップＳ２６０の再読取要請を行う。ユーザーは、ページ番号“２”の原稿Ｍ２については、再読取要請に対して再読取処理の不実行を指示し（ステップＳ２７０において“Ｎｏ”）、ページ番号“４”の原稿Ｍ４については、再読取要請に対して再読取処理の実行を指示した（ステップＳ２７０において“Ｙｅｓ”）、とする。この結果、ユーザーが原稿トレイ３６に再び載置した原稿Ｍ４と原稿Ｍ５とがステップＳ２８０の再読取処理の対象となって、原稿Ｍ４の読取データ５５および原稿Ｍ５の読取データ５６が得られる。

このような図６の例によれば、制御部１１は、重送ページ情報として記憶したページ番号“２”および“４”のうち、ページ番号“４”の重送原稿について、再読取処理を行った。そのため、制御部１１は、ステップＳ２９０では、一次読取処理により取得した第１読取データ（読取データ５０～５４）のうち、再読取処理の対象としたページ番号“４”に対応する読取データ５３を、再読取処理により取得した第２読取データ（読取データ５５，５６）に差し替える。制御部１１は、第２読取データによって差し替えられる第１読取データである読取データ５３については、破棄する。このような差し替えによれば、第１読取データへ第２読取データが挿入されて、制御部１１は、図６内の下段に示すように、原稿Ｍ１，Ｍ２，Ｍ３，Ｍ４，Ｍ５，Ｍ６の順番に対応した正しい読取結果である読取データ５０，５１，５２，５５，５６，５４からなる画像ファイルを生成することができる。

なお、第１読取データとしての読取データ５３と、第２読取データとしての読取データ５５は、同じ原稿Ｍ４の読取結果である。そのため、制御部１１は、ステップＳ２９０では、読取データ５３を破棄せず、第２読取データとしての読取データ５６を、重送ページ情報として記憶したページ番号“４”に基づいて、第１読取データにおける読取データ５３と読取データ５４との間に挿入してもよい。

制御部１１は、ステップＳ２９０でファイル生成を実行して読取制御処理のフローチャートを終了する。言うまでもなく、制御部１１は、生成した画像ファイルを、所定のメモリーに保存したり、印刷したり、通信ＩＦ１８を介して外部装置２０へ転送したりしてもよい。

３．まとめ：
このように本実施形態によれば、読取装置１０は、搬送経路３３に沿って原稿Ｍを搬送する搬送部１２と、搬送部１２が搬送している原稿Ｍを対象として重送の検出を行う重送検出部と、搬送部１２が搬送している原稿Ｍの読取を行う読取部１５と、搬送部１２および読取部１５を制御する制御部１１と、を備える。そして、制御部１１は、重送検出部により原稿Ｍの重送が検出された場合に、搬送部１２に重送が検出された原稿Ｍを搬送経路３３の下流へ排出させた上で搬送を一時停止させ、重送が検出された原稿Ｍのページ番号を表す重送ページ情報を記憶し、前記一時停止後に搬送部１２による搬送を再開させて、重送が検出された原稿Ｍよりも後のページの残り原稿の読取部１５による読取の終了後に、重送された原稿Ｍを対象とした搬送および読取である再読取処理を搬送部１２および読取部１５に実行させ、再読取処理の前に終了した読取により取得した第１読取データへ、再読取処理における読取により取得した第２読取データを、重送ページ情報に基づいて挿入する。

前記構成によれば、制御部１１は、原稿Ｍの重送が検出された場合に、重送が検出された原稿Ｍを搬送経路３３の下流へ排出させた上で搬送を一時停止させ、一時停止後に残り原稿の搬送および読取を再開させる。従って、複数の原稿Ｍに対する読取処理全体の効率をできるだけ低下させずに、重送が検出された原稿Ｍを即座に確認する機会をユーザーに与えることができる。
また、前記構成によれば、制御部１１は、重送された原稿Ｍを対象とした再読取処理を、残り原稿の読取終了後に実行し、重送ページ情報に基づく読取データの挿入をする。従って、重送が発生したとしても最終的には複数の原稿Ｍに関する正しい読取結果をユーザーに提供することができる。

図３のフローチャートによれば、制御部１１は、ステップＳ２４０で次の原稿有りと判定した上でステップＳ１１０へ進み、次の原稿Ｍの給紙を開始する。従って、ステップＳ１８０の一時停止処理により重送原稿を排出した時点で、搬送経路３３内には原稿Ｍは存在しない。
ただし、本実施形態では、ステップＳ１８０の一時停止処理を実行する場面で、次の原稿Ｍの給紙が既に始まっていてもよい。例えば、制御部１１は、原稿Ｍに対する給紙後の搬送および読取が所定程度進んだタイミングで、次の原稿Ｍの給紙を開始する。このような構成においては、制御部１１は、ステップＳ１８０の一時停止処理では、直ちに第１ローラー対１２ａ１，１２ｂ１を停止させる一方で、第２ローラー対１２ａ２，１２ｂ２および第３ローラー対１２ａ３，１２ｂ３については重送原稿の排出に必要な期間は駆動させた上で停止させる。そして、制御部１１は、ステップＳ２１０で“Ｙｅｓ”と判定したら、一時停止している次の原稿Ｍの給紙の続きを再開すればよい。

また、本実施形態によれば、制御部１１は、前記一時停止に伴って、排出された原稿Ｍを確認することをユーザーに促す確認要請を所定の表示部１７に表示させる。
前記構成によれば、ユーザーは、複数の原稿Ｍが順に搬送されている途中の一時的に搬送が止まっているタイミングで、重送が検出された原稿Ｍについて、実際に重送が生じているか否かを容易に確かめることができる。

また、本実施形態によれば、制御部１１は、前記一時停止に伴って、残り原稿を対象として読取を再開することをユーザーに促す再開要請を表示部１７に表示させ、再開要請に対する再開指示を受けた場合に、残り原稿を対象とした搬送および読取を搬送部１２および読取部１５に実行させる。
前記構成によれば、前記一時停止を解除するタイミングをユーザーに委ねることにより、ユーザーは排出された原稿Ｍの確認を、余裕を持って行うことができる。

また、本実施形態によれば、制御部１１は、前記一時停止の後、前記再開指示を受けないまま所定時間が経過した場合に、残り原稿を対象とした搬送および読取を搬送部１２および読取部１５に実行させる、としてもよい。
前記構成によれば、制御部１１は、前記一時停止をした後、ユーザーが読取装置１０の傍に居らず排出された原稿Ｍの確認をできない等の理由で、再開指示が入力されない状態がある程度続いたとき、残り原稿に対する処理を再開する。これにより、複数枚の原稿Ｍを対象とした読取制御処理が中断したまま読取装置１０が、この読取制御処理により専有され続ける事態を、回避する。

また、本実施形態によれば、制御部１１は、残り原稿を対象とした搬送および読取の終了後に、再読取処理の開始をユーザーに促す再読取要請を表示部１７に表示させ、再読取要請に対する実行指示を受けた場合に、再読取処理を搬送部１２および読取部１５に実行させる。
前記構成によれば、ユーザーの意思に基づいて再読取処理を開始することができる。

また、本実施形態によれば、制御部１１は、残り原稿を対象とした搬送および読取の終了時点で、複数の原稿Ｍに対して重送検出部により重送が検出されている場合に、重送が検出された原稿Ｍ毎に再読取要請を繰り返し表示部１７に表示させる。
前記構成によれば、ユーザーは、重送が検出されて一時停止処理により排出された原稿Ｍ毎に、再読取処理の要否を判断して読取装置１０へ指示することができる。

本実施形態は、読取装置１０が実行する方法や、この方法をハードウェアと協働して実現するプログラム１１ｅや、このプログラム１１ｅを記憶するメモリーを開示する。
搬送経路３３に沿って原稿Ｍを搬送する搬送部１２と、搬送部１２が搬送している原稿Ｍの読取を行う読取部１５と、を備える読取装置１０による読取制御方法は、搬送部１２が搬送している原稿Ｍを対象として重送の検出を行う重送検出工程と、重送検出工程により原稿Ｍの重送が検出された場合に、搬送部１２に重送が検出された原稿Ｍを搬送経路３３の下流へ排出させた上で搬送を一時停止させる一時停止工程と、重送が検出された原稿Ｍのページ番号を表す重送ページ情報を記憶する記憶工程と、前記一時停止後に搬送部１２による搬送を再開させて、重送が検出された原稿Ｍよりも後のページの残り原稿を対象として読取部１５に読取を実行させる残り原稿読取工程と、残り原稿読取工程の終了後に、重送された原稿Ｍを対象とした搬送および読取を搬送部１２および読取部１５に実行させる再読取工程と、再読取工程の前に終了した読取により取得した第１読取データへ、再読取工程における読取により取得した第２読取データを、重送ページ情報に基づいて挿入する挿入工程と、を備える。

これまでに読取装置１０が実行するものとして説明した処理の少なくとも一部を、外部装置２０が実行してもよい。例えば、外部装置２０が有する表示部や操作受付部によってＵＩが提供され、ユーザーは、外部装置２０が提供するＵＩを通じて読取装置１０への各指示を入力するとしてもよい。外部装置２０は、ユーザーから受けた指示を、読取装置１０へ通知する。図５Ａ，５Ｂに例示したＵＩ画面４０，４１は、外部装置２０が有する表示部に表示されてもよい。読取装置は、互いに通信可能に接続した複数の装置からなるシステムであってもよい。つまり、読取装置１０と外部装置２０とを含むシステムで本実施形態の読取制御方法を実現するとしてもよい。この場合、外部装置２０にインストールされたアプリケーションが読取装置１０を制御することにより、図３，４のフローチャートの少なくとも一部を実現させる。例えば、ステップＳ２９０のファイル生成は、外部装置２０が担当するとしてもよい。

１０…読取装置、１１…制御部、１２…搬送部、１２ａ１，１２ｂ１，１２ａ２，１２ｂ２，１２ａ３，１２ｂ３…ローラー、１３…重送センサー、１３ａ…発信器、１３ｂ…受信器、１４…原稿端センサー、１５…読取部、１６…操作受付部、１７…表示部、１８…通信ＩＦ、２０…外部装置、３０…本体部、３２…蓋、３３…搬送経路、３４…供給口、３５…排出口、３６…原稿トレイ、４０，４１…ＵＩ画面、４０ａ，４０ｂ，４１ａ…メッセージ、５０，５１，５２，５３，５４，５５，５６…読取データ、Ｍ，Ｍ１，Ｍ２，Ｍ３，Ｍ４，Ｍ５，Ｍ６…原稿

Claims (6)

1. 搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送部と、
   前記搬送部が搬送している前記原稿を対象として重送の検出を行う重送検出部と、
   前記搬送部が搬送している前記原稿の読取を行う読取部と、
   前記搬送部および前記読取部を制御する制御部と、を備え、
   前記制御部は、
   前記重送検出部により前記原稿の重送が検出された場合に、前記搬送部に重送が検出された前記原稿を前記搬送経路の下流へ排出させた上で前記搬送を一時停止させ、
   重送が検出された前記原稿のページ番号を表す重送ページ情報を記憶し、
   前記一時停止に伴って、排出された前記原稿を確認することをユーザーに促す確認要請と、重送が検出された前記原稿よりも後のページの残り原稿を対象として前記読取を再開することをユーザーに促す再開要請と、を所定の表示部に表示させ、
   前記再開要請に対する再開指示を受けたか、前記一時停止の後に前記再開指示を受けないまま所定時間が経過した場合に、前記残り原稿を対象とした前記搬送および前記読取を前記搬送部および前記読取部に実行させ、
   前記残り原稿の前記読取部による読取の終了後に、重送された前記原稿を対象とした前記搬送および前記読取である再読取処理を前記搬送部および前記読取部に実行させ、
   前記再読取処理の前に終了した前記読取により取得した第１読取データのうち、前記重送ページ情報が表すページ番号であって前記再読取処理の対象としたページ番号に対応するデータを、前記再読取処理における前記読取により取得した第２読取データに差し替える、ことを特徴とする読取装置。
2. 搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送部と、
   前記搬送部が搬送している前記原稿を対象として重送の検出を行う重送検出部と、
   前記搬送部が搬送している前記原稿の読取を行う読取部と、
   前記搬送部および前記読取部を制御する制御部と、を備え、
   前記制御部は、
   前記重送検出部により前記原稿の重送が検出された場合に、前記搬送部に重送が検出された前記原稿を前記搬送経路の下流へ排出させた上で前記搬送を一時停止させ、
   重送が検出された前記原稿のページ番号を表す重送ページ情報を記憶し、
   前記一時停止に伴って、排出された前記原稿を確認することをユーザーに促す確認要請と、重送が検出された前記原稿よりも後のページの残り原稿を対象として前記読取を再開することをユーザーに促す再開要請と、を所定の表示部に表示させ、
   前記再開要請に対する再開指示を受けたか、前記一時停止の後に前記再開指示を受けないまま所定時間が経過した場合に、前記残り原稿を対象とした前記搬送および前記読取を前記搬送部および前記読取部に実行させ、
   前記残り原稿の前記読取部による読取の終了後に、重送された前記原稿を対象とした前記搬送および前記読取である再読取処理を前記搬送部および前記読取部に実行させ、
   前記再読取処理の前に終了した前記読取により取得した第１読取データにおける、前記重送ページ情報が表すページ番号であって前記再読取処理の対象としたページ番号に対応するデータと、前記第１読取データにおける、前記再読取処理の対象としたページ番号の次のページ番号に対応するデータとの間に、前記再読取処理における前記読取により取得した第２読取データのうち、前記第１読取データにおける、前記再読取処理の対象としたページ番号に対応するデータと重複しないデータを挿入する、ことを特徴とする読取装置。
3. 前記制御部は、前記残り原稿を対象とした前記搬送および前記読取の終了後に、前記再読取処理の開始をユーザーに促す再読取要請を前記表示部に表示させ、前記再読取要請に対する実行指示を受けた場合に、前記再読取処理を前記搬送部および前記読取部に実行させる、ことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の読取装置。
4. 前記制御部は、前記残り原稿を対象とした前記搬送および前記読取の終了時点で、複数の前記原稿に対して前記重送検出部により重送が検出されている場合に、重送が検出された前記原稿毎に前記再読取要請を繰り返し前記表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項３に記載の読取装置。
5. 搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送部と、前記搬送部が搬送している前記原稿の読取を行う読取部と、を備える読取装置による読取制御方法であって、
   前記搬送部が搬送している前記原稿を対象として重送の検出を行う重送検出工程と、
   前記重送検出工程により前記原稿の重送が検出された場合に、前記搬送部に重送が検出された前記原稿を前記搬送経路の下流へ排出させた上で前記搬送を一時停止させる一時停止工程と、
   重送が検出された前記原稿のページ番号を表す重送ページ情報を記憶する記憶工程と、
   前記一時停止に伴って、排出された前記原稿を確認することをユーザーに促す確認要請と、重送が検出された前記原稿よりも後のページの残り原稿を対象として前記読取を再開することをユーザーに促す再開要請と、を所定の表示部に表示させる工程と、
   前記再開要請に対する再開指示を受けたか、前記一時停止の後に前記再開指示を受けないまま所定時間が経過した場合に、前記残り原稿を対象とした前記搬送および前記読取を前記搬送部および前記読取部に実行させる残り原稿読取工程と、
   前記残り原稿読取工程の終了後に、重送された前記原稿を対象とした前記搬送および前記読取を前記搬送部および前記読取部に実行させる再読取工程と、
   前記再読取工程の前に終了した前記読取により取得した第１読取データのうち、前記重送ページ情報が表すページ番号であって前記再読取工程の対象としたページ番号に対応するデータを、前記再読取工程における前記読取により取得した第２読取データに差し替える挿入工程と、を備えることを特徴とする読取制御方法。
6. 搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送部と、前記搬送部が搬送している前記原稿の読取を行う読取部と、を備える読取装置による読取制御方法であって、
   前記搬送部が搬送している前記原稿を対象として重送の検出を行う重送検出工程と、
   前記重送検出工程により前記原稿の重送が検出された場合に、前記搬送部に重送が検出された前記原稿を前記搬送経路の下流へ排出させた上で前記搬送を一時停止させる一時停止工程と、
   重送が検出された前記原稿のページ番号を表す重送ページ情報を記憶する記憶工程と、
   前記一時停止に伴って、排出された前記原稿を確認することをユーザーに促す確認要請と、重送が検出された前記原稿よりも後のページの残り原稿を対象として前記読取を再開することをユーザーに促す再開要請と、を所定の表示部に表示させる工程と、
   前記再開要請に対する再開指示を受けたか、前記一時停止の後に前記再開指示を受けないまま所定時間が経過した場合に、前記残り原稿を対象とした前記搬送および前記読取を前記搬送部および前記読取部に実行させる残り原稿読取工程と、
   前記残り原稿読取工程の終了後に、重送された前記原稿を対象とした前記搬送および前記読取を前記搬送部および前記読取部に実行させる再読取工程と、
   前記再読取工程の前に終了した前記読取により取得した第１読取データにおける、前記重送ページ情報が表すページ番号であって前記再読取工程の対象としたページ番号に対応するデータと、前記第１読取データにおける、前記再読取工程の対象としたページ番号の次のページ番号に対応するデータとの間に、前記再読取工程における前記読取により取得した第２読取データのうち、前記第１読取データにおける、前記再読取工程の対象としたページ番号に対応するデータと重複しないデータを挿入する挿入工程と、を備えることを特徴とする読取制御方法。

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