JP7353840B2 - 送風装置及び送風装置の取り付け構造 - Google Patents
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Description
図9は、従来技術に係るドレイン137の近傍を示す拡大斜視図である。
図9に示すように、シュラウド3の径方向外側に向かってドレイン137を設ける場合、モータが作動して羽23が回転した際、送風装置101の前方から後方へ送風される空気Wの一部がドレイン137を通過する。これにより、モータの作動時にドレイン137からの風漏れにより騒音が発生するおそれがある。
(送風装置)
図1は、参考例に係る送風装置1を搭載した車体10の前方を示す斜視図である。以下の説明において、前後方向は車体10の前後方向と一致し、上下方向(請求項の鉛直方向)は車体10の上下方向と一致している。
車体10は、例えばエンジン車やハイブリッド車等の内燃機関(エンジン11)を備えたものである。送風装置1は、車体10の前方に設けられたエンジンルーム内に配置されている。送風装置1よりも後方には、エンジン11等の熱源が配置されている。送風装置1は、車体10の前方から取り入れた空気Wを後方へ向かって送風することにより、エンジン11を空冷している。
図2は、参考例に係る送風装置1を前方から見た正面図である。図3は、参考例に係る送風装置1を後方から見た背面図である。
2個のファンは同等の構成であるため、図2及び図3では1個のファン2のみ図示し、もう1個のファン2の図示を省略している。また、以下の説明において、1個のファン2の回転軸21の軸線Cに沿う方向を軸方向といい、軸線Cに直交する方向を径方向といい、軸線C回りの方向を周方向ということがある。
ファン2は、樹脂材料により形成されている。ファン2は、モータ15(図3参照)の回転軸21に固定されるボス部22と、ボス部22から径方向の外側に突出する複数の羽23と、複数の羽23同士を周方向に連結するリング部材25と、を有する。ファン2は、モータ15の回転軸21回りに回転することにより、軸線Cの軸方向に沿って空気Wを送風する軸流ファンである。図3に示すように、モータ15は、ボス部22の後方に配置されている。モータ15は、詳しくは後述するシュラウド3に固定され、シュラウド3に対してファン2が回転するようにファン2とシュラウド3とを接続している。モータ15の回転軸21は、軸方向が水平方向と平行かつ車体10の前後方向と一致するように配置されている。
羽23は、ボス部22の外周面から放射状に突出している。羽23は、ボス部22と一体に形成されている。羽23は、周方向において等間隔に複数(本参考例では7枚)設けられている。軸方向から見て、羽23は、径方向の内側から外側へ向かうにつれて周方向の幅寸法が増加するとともに、周方向の一方に凸となるように湾曲した形状に形成されている。
複数の羽23同士を周方向に連結するリング部材25は、軸線Cと同軸な環状に形成されている。リング部材25は、羽23の径方向の最も外側に位置する先端部26より径方向の内側にオフセットした位置を環状に連結している。
このように形成されたファン2の周りを覆うように囲むシュラウド3は、軸方向と交差する平面を有する覆い面32と、覆い面32の中央の大部分に設けられた開口部31と、覆い面32と開口部31との間に設けられた筒部33及び縮流部34と、を有する。シュラウド3は、ファン2から吹き出された空気Wが再度ファン2に吸引されるのを抑制している。シュラウド3は、樹脂材料により形成されている。
開口部31は、覆い面32を軸方向に貫通する孔である。開口部31には、ファン2が収容されている。開口部31は、軸方向から見て、ファン2の回転軸21の軸線Cと同軸な円形状に形成されている。シュラウド3は、ファン2の外周部に間隙Sを介して配置されている。
シュラウド3のうち開口部31の外周部に対応する位置には、筒部33と、縮流部34と、が設けられている。
筒部33は、開口部31の外周部を形成している。具体的に、筒部33は、回転軸21の軸線Cと同軸な筒状に形成されている。図5に示すように、筒部33は、径方向から見て少なくとも一部が羽23と軸方向に重なる。
シュラウド3のうち後方を向く背面には、ドレイン37の外周を囲うように補強部39が設けられている。補強部39は、軸方向から見て、開口部31側に開口するU字状に形成されている。具体的に、補強部39は、周方向においてドレイン37の両端に配置される2個の側壁部41と、各側壁部41のうち開口部31とは反対側の端部に跨るように配置される底壁部42と、を有する。
側壁部41は、径方向に沿う板状に形成されている。側壁部41は、筒部33及び縮流部34からシュラウド3における径方向の外側及び後方に向かって突出するとともに、シュラウド3の覆い面32から起立している。
底壁部42は、2個の側壁部41における径方向の外側端部同士を接続している。底壁部42は、周方向に沿う板状に形成されている。底壁部42は、ドレイン37より径方向の外側に配置されている。底壁部42は、覆い面32から後方へ向かって起立している。
上述した送風装置1は、ファン2の軸方向と車体10の前後方向とが一致するとともに、車体10の前方から後方へ向かって空気Wを送風するように車体10に取り付けられる。このとき、送風装置1は、上下方向の下方にドレイン37を向けて車体10に固定される。すなわち、一対のドレイン37のうち一方は、開口部31の下端部に配置され、一対のドレイン37のうち他方は、開口部31の上端部に配置されている。
次に、上述した送風装置1及び送風装置1の取り付け構造の作用、効果について説明する。
送風装置1のシュラウド3は、モータ15の回転軸21における軸線Cと同軸な筒状に形成され、径方向から見て少なくとも一部がファン2の羽23と重なる筒部33と、筒部33から軸方向に沿って離間するにつれて内径が拡大する縮流部34と、を有し、筒部33にのみドレイン37が設けられている。ドレイン37は開口部31と連通するとともに径方向の外側に凹んでいるので、ファン2とシュラウド3との間隙Sに入り込んだ水滴が筒部33とファン2との間に溜まることなく、水滴をドレイン37から速やかに排出することができる。これにより、例えば寒冷地や冬季であっても、水滴が凍結することによるファンロックの発生を抑制できる。
図7は、参考例に係るドレイン37の長さ寸法Lと騒音の大きさPとの関係を示すグラフである。図7の横軸はシュラウド3の後端部からドレイン37の前端部までの長さLを表し、縦軸はドレイン37の長さLに応じた風切り音の大きさPを表す。また、グラフの下方の図は、上から順にシュラウド3に形成されたドレイン37の上面図及び側面図である。
図7の領域Aに示すように、ドレイン37の前端部が境界部35よりも筒部33側に位置している場合、風切り音の大きさPは、ドレイン37を設けない場合と比較して同等またはそれ以下の大きさとなる。一方、領域Bに示すように、ドレイン37の前端部が境界部35よりも縮流部34側に位置している場合、ドレイン37が軸方向に長くなるにしたがい風切り音の大きさが大きくなる。よって、風切り音の発生を抑制するためには、ドレイン37の前端は、境界部35よりも筒部33側に位置するのが望ましい。
したがって、ファンロックを抑制するとともに、風漏れによる騒音の発生を抑制した送風装置1を提供できる。
したがって、上述の送風装置1を用いることにより、ファンロックを抑制するとともに、風漏れによる騒音の発生を抑制した送風装置1の取り付け構造を提供できる。
次に、図8に基づいて、本発明に係る実施形態について説明する。
図8は、実施形態に係る送風装置1の正面図である。以下の説明において、上述した参考例と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。また、図8に記載のない符号については、適宜図1から図7を参照されたい。
本実施形態と前述の参考例との相違点は、本実施形態では、リング部材225が羽23の先端部26に設けられている点で上述した参考例と相違している。
ドレイン237の幅寸法は、筒部33へのリング部材225の投影領域における軸方向に沿う投影幅の寸法と一致するように形成されている。
また、筒部33のうち水滴が溜まりやすいリング部材225の投影領域に対応する部分にドレイン237が設けられるので、水滴の排出効率を低下させることなくドレイン237の軸方向に沿う寸法を縮小し、風漏れ音の発生を抑制できる。
例えば、上述した実施形態では、ドレイン37が開口部31の上端部及び下端部に設けられる構成について説明したが、これに限らない。開口部31の下端部にのみドレイン37が設けられてもよい。また、上端部と下端部の他に周方向に複数のドレイン37を設ける構成としてもよい。但し、間隙Sに最も水滴が溜まりやすい下端部及び2番目に水滴が溜まりやすい上端部にそれぞれドレイン37を設ける本実施形態の構成は、最小限のドレイン37で効率的に水滴を排出できる点で優位性がある。
2…ファン
3…シュラウド
10…車体
21…回転軸
23…羽
25,225…リング部材
26…先端部
27…後端部(他端部)
31…開口部
32…覆い面
33…筒部
34…縮流部
35…境界部
37,237…ドレイン
39…補強部
41…側壁部
42…底壁部
S…間隙
Claims (6)
- 回転軸から放射状に突出する複数の羽を有するファンと、
前記ファンが収容される開口部を有し、前記ファンの外周部に間隙を介して配置されるシュラウドと、
を備え、
前記ファンは、複数の前記羽同士を前記回転軸の周方向に連結するリング部材を有し、
前記リング部材は、複数の前記羽の前記回転軸の径方向の先端部同士を連結しており、
前記シュラウドは、
前記回転軸と同軸な筒状に形成され、前記径方向から見て少なくとも一部が前記羽と重なる筒部と、
前記筒部における前記ファンによる風の上流側の一端部に接続され、前記筒部から前記回転軸の軸方向に沿って離間するにつれて内径が拡大する縮流部と、
前記筒部にのみ設けられ、前記開口部と連通するドレインと、
を有し、
前記ドレインは、前記筒部への前記リング部材の前記径方向の投影領域における前記軸方向に沿う投影幅と一致するように形成されていることを特徴とする送風装置。 - 前記シュラウドは補強部を有し、
前記補強部は、
前記回転軸の周方向において前記ドレインの両端に配置され、前記筒部及び前記縮流部から前記シュラウドにおける前記径方向の外側に向かって延びるとともに前記シュラウドの覆い面から立ち上がる2つの側壁部と、
各前記側壁部の前記筒部とは反対側の端部に跨り、前記覆い面から立ち上がる底壁部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の送風装置。 - 前記補強部は、前記軸方向から見て、前記開口部側に開口するU字状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の送風装置。
- 前記ドレインは、前記筒部と前記縮流部との境界部から、前記筒部への前記羽の前記径方向の投影領域における前記羽の前記一端部とは反対側の他端部に至る間に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の送風装置。
- 前記シュラウドは、前記回転軸を中心として対向する一対の前記ドレインを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の送風装置。
- 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の送風装置を、車体に取り付ける送風装置の取り付け構造において、
鉛直方向の下方に前記ドレインを向けて前記送風装置を固定することを特徴とする送風装置の取り付け構造。
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