JP7348714B2 - カーボンナノチューブ線材、カーボンナノチューブ被覆電線、カーボンナノチューブ線材の製造方法及びカーボンナノチューブ被覆電線の加工方法 - Google Patents

カーボンナノチューブ線材、カーボンナノチューブ被覆電線、カーボンナノチューブ線材の製造方法及びカーボンナノチューブ被覆電線の加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ線材、該カーボンナノチューブ線材を絶縁材料で被覆したカーボンナノチューブ被覆電線、カーボンナノチューブ線材の製造方法、及びカーボンナノチューブ被覆電線の加工方法に関する。
カーボンナノチューブは、様々な特性を有する素材であり、多くの分野への応用が期待されている。
例えば、CNTは、六角形格子の網目構造を有する筒状体の単層、または略同軸で配された多層で構成される3次元網目構造体であり、軽量であると共に、導電性、熱伝導性、機械的強度等の諸特性に優れる。しかし、CNTを線材化することは容易ではなく、CNTを線材として利用する技術は提案されていない。
また、複数のカーボンナノチューブが束ねられてなるカーボンナノチューブ集合体の単数から、又は複数のカーボンナノチューブ集合体が束ねられて形成されるカーボンナノチューブ線材を導体として様々な用途に適用する場合、外部との絶縁性を確保するために、カーボンナノチューブ線材を絶縁材料で被覆したカーボンナノチューブ被覆電線が用いられる。カーボンナノチューブ被覆電線を結線する際には、例えばカーボンナノチューブ被覆電線の長手方向端部における絶縁被覆層を除去してカーボンナノチューブ線材の長手方向端部を露出させ、この露出部分を外部端子等と接続することで、カーボンナノチューブ被覆電線と外部との電気的な接続が行われる。
被覆電線の絶縁被覆層を除去する方法としては、例えば、互いに対向配置された固定側プレート及び可動側プレートの双方に設けられた各スリット内に、露出している芯線を上側から導入して複数本の被覆電線を係止させた後、両プレートを離反させることで、端部被覆部を芯線から引き抜く構成が提案されている(特許文献1)。
また、金属被覆電線の被覆を除去する方法として、剥皮ヘッドに刃物支持体を移動自在に設け、該刃物支持体には複数の剥皮用刃物を、それぞれ異なる切込み深さに並設し、刃物支持体を移動させることにより、双方の剥皮ヘッドに設けた剥皮用刃物を適宜組み合わせて対向させることで、少ない種類の剥皮用刃物で絶縁被覆層の厚みが異なる多種類の被覆電線の剥皮を行うことが可能な構成が提案されている(特許文献2)。
特開平09-182233号公報 特開平09-046844号公報
複数のカーボンナノチューブ集合体が束ねられて形成されているカーボンナノチューブ線材、例えばカーボンナノチューブ撚り線の場合、カーボンナノチューブ一本の外径がナノメートルオーダと極微小であるため、樹脂被覆する際に樹脂がカーボンナノチューブ撚り線に含浸しやすく、カーボンナノチューブ撚り線に含浸した樹脂を除去するのが困難になる。例えば、カーボンナノチューブ撚り線を絶縁ワニスでコーティングすると、絶縁ワニスがカーボンナノチューブ間或いはカーボンナノチューブ集合体間に含浸してしまうため、被覆除去が困難となる。また、上記カーボンナノチューブ撚り線に押出被覆層を形成すると、取り切れなかったバリなどの存在に因って絶縁ワニスと押出被覆層の樹脂との密着性が強固になり、被覆除去がより一層困難となる。
また、上記従来の技術は、一般的な絶縁被覆層の除去方法であるか、或いは導体が金属線材である被覆電線を対象とした被覆除去方法であり、カーボンナノチューブ撚り線を被覆したカーボンナノチューブ被覆電線の被覆除去を想定していない。このため、カーボンナノチューブ間或いはカーボンナノチューブ集合体間の絶縁被覆層を十分に除去することができず、当該露出部分と外部端子等との接続部における電気的な接続信頼性が低下する。
本発明の目的は、カーボンナノチューブ線材の絶縁被覆層を容易に且つ十分に除去することができ、外部との電気的な接続信頼性を向上することができるカーボンナノチューブ線材、カーボンナノチューブ被覆電線、カーボンナノチューブ線材の製造方法及びカーボンナノチューブ被覆電線の加工方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のカーボンナノチューブ線材は、複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体の単数から、又は複数の前記カーボンナノチューブ集合体が束ねられて形成されているカーボンナノチューブ線材であって、前記カーボンナノチューブ線材の外周部に、その周方向全体に亘り、前記カーボンナノチューブ線材を被覆する絶縁被覆層を構成する被覆材の前記カーボンナノチューブ線材への含浸を抑制する1又は複数の含浸抑制部を備えることを特徴とする。
前記含浸抑制部は、前記カーボンナノチューブ線材の最表層に位置する前記カーボンナノチューブ同士を連結する連結構造を有するのが好ましい。
前記複数の含浸抑制部が、前記カーボンナノチューブ線材の長手方向に間欠的に配置されていてもよい。
前記1又は複数の含浸抑制部が、少なくとも前記カーボンナノチューブ線材の長手方向端部に形成されるのが好ましい。
前記含浸抑制部は、導電性ペースト、めっき及びはんだから選択されたいずれかの材料で構成されることができる。
前記カーボンナノチューブ線材は、前記カーボンナノチューブ線材の外周部に設けられ、且つ前記含浸抑制部以外の部分に配置される1又は複数のエナメル系樹脂被覆部を更に備えていてもよい。
上記目的を達成するために、本発明のカーボンナノチューブ被覆電線は、カーボンナノチューブ線材と、前記カーボンナノチューブ線材を被覆する絶縁被覆層と、前記カーボンナノチューブ線材と前記絶縁被覆層との間で、前記カーボンナノチューブ線材の周方向全体に亘り、前記絶縁被覆層を構成する被覆材の前記カーボンナノチューブ線材への含浸を抑制する1又は複数の含浸抑制部とを備えることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明のカーボンナノチューブ線材の被覆電線の製造方法は、カーボンナノチューブ線材の外周部に、その周方向全体に亘って、前記カーボンナノチューブ線材の絶縁被覆層を構成する被覆材の前記カーボンナノチューブ線材への含浸を抑制する1又は複数の含浸抑制部を形成する工程と、前記含浸抑制部に対して前記カーボンナノチューブ線材とは反対側に前記絶縁被覆層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明のカーボンナノチューブ線材の被覆電線の加工方法は、カーボンナノチューブ線材と、前記カーボンナノチューブ線材を被覆する絶縁被覆層と、前記カーボンナノチューブ線材と前記絶縁被覆層との間で、前記カーボンナノチューブ線材の周方向全体に亘り、前記絶縁被覆層を構成する被覆材の前記カーボンナノチューブ線材への含浸を抑制する1又は複数の含浸抑制部とを備えるカーボンナノチューブ被覆電線の加工方法であって、前記含浸抑制部に対して前記カーボンナノチューブ線材とは反対側に形成された絶縁被覆層を除去することを特徴とする。
本発明によれば、1又は複数の含浸抑制部が、カーボンナノチューブ線材の外周部にその周方向全体に亘って設けられており、上記カーボンナノチューブ線材を被覆する絶縁被覆層を構成する被覆材の当該カーボンナノチューブ線材への含浸を抑制するので、含浸抑制部のカーボンナノチューブ線材とは反対側に絶縁被覆層を形成した際に、絶縁被覆層の被覆材がカーボンナノチューブ間或いはカーボンナノチューブ集合体間に侵入し難くなり、被覆材の取り残しが生じ難くなる。よって、絶縁被覆層を容易に且つ十分に除去することができ、外部との電気的な接続信頼性を向上することができる。
本発明の実施形態に係るカーボンナノチューブ被覆電線の構成を示す斜視図である。 図1におけるカーボンナノチューブ線材の変形例を示す斜視図である。 図1におけるカーボンナノチューブ線材の他の変形例を示す斜視図である。 図1のカーボンナノチューブ被覆電線の製造方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係るカーボンナノチューブ被覆電線を、図面を参照しながら説明する。
[カーボンナノチューブ被覆電線の構成]
図1に示すように、本発明の実施形態に係るカーボンナノチューブ被覆電線(以下、「CNT被覆電線」ともいう。)1は、カーボンナノチューブ線材(以下、「CNT線材」ともいう)10と、CNT線材10を被覆する絶縁被覆層21と、CNT線材10と絶縁被覆層21との間で、CNT線材10の周方向全体に亘り、絶縁被覆層21を構成する被覆材のCNT線材10への含浸を抑制する複数の含浸抑制部31,31,31とを備える。
CNT被覆電線1は、CNT線材10の外周面に絶縁被覆層21が被覆された構成となっている。すなわち、CNT線材10の長手方向に沿って絶縁被覆層21が形成されている。CNT被覆電線1では、CNT線材10の外周面全体が、絶縁被覆層21によって被覆されている。また、CNT被覆電線1では、含浸抑制部31が形成されている部分以外の部分で、絶縁被覆層21はCNT線材10の外周面と直接接した態様となっている。図1では、CNT線材10は、1本のCNT線材10からなる素線(単線)となっているが、CNT線材10は、複数本のCNT線材10を撚り合わせた撚り線の状態でもよい。CNT線材10を撚り線の形態とすることで、CNT線材10の円相当直径や断面積を適宜調節することができる。
このCNT線材10は、複数のCNT11a,11a,・・・で構成されるカーボンナノチューブ集合体(以下、「CNT集合体」ともいう。)11の単数から、または複数が束ねられて形成されている。ここで、CNT線材とはCNTの割合が90質量%以上のCNT線材を意味する。なお、CNT線材におけるCNT割合の算定においては、メッキやドーパントの質量は除く。図1では、CNT線材10は、CNT集合体11が、複数、撚り合わされた構成となっている。CNT集合体11の長手方向が、CNT線材10の長手方向を形成している。従って、CNT集合体11は、線状となっている。CNT線材10における複数のCNT集合体11,11,・・・は、その長軸方向がほぼ揃って配されている。従って、CNT線材10における複数のCNT集合体11,11,・・・は、配向している。素線であるCNT線材10の円相当直径は、特に限定されないが、例えば、0.01mm以上4.0mm以下である。また、CNT線材10は、CNT集合体11が、複数、束ねられて構成されていてもよい。撚り線とした1本のCNT線材10の円相当直径は、特に限定されないが、例えば、0.1mm以上15mm以下である。複数のCNT線材からCNT線材を構成した場合もCNT線材と称し、この場合には断面積の上限は限定されない。
図1のCNT線材10は、CNT集合体11の複数が撚り合わされた構成となっているが、これに限らず、図2に示すように、CNT集合体11の長手方向とCNT線材10の長手方向が同一或いは実質的に同一である状態を含んでいてもよい。すなわち、CNT線材10は、CNT集合体11の複数が撚り合わされていない状態で束ねられているものを含んでいてもよい。
CNT集合体11は、1層以上の層構造を有するCNT11aの束である。CNT11aの長手方向が、CNT集合体11の長手方向を形成している。CNT集合体11における複数のCNT11a,11a、・・・は、その長軸方向がほぼ揃って配されている。従って、CNT集合体11における複数のCNT11a,11a、・・・は、配向している。CNT集合体11の円相当直径は、例えば、20nm以上1000nm以下であり、より典型的には、20nm以上80nm以下である。CNT11aの最外層の幅寸法は、例えば、1.0nm以上5.0nm以下である。
CNT集合体11を構成するCNT11aは、単層構造又は複層構造を有する筒状体であり、それぞれ、SWNT(single-walled nanotube)、MWNT(multi-walled nanotube)と呼ばれる。CNT集合体11には、3層構造以上の層構造を有するCNTや単層構造の層構造を有するCNTも含まれていてもよく、3層構造以上の層構造を有するCNTまたは単層構造の層構造を有するCNTから形成されていてもよい。
2層構造を有するCNT11aでは、六角形格子の網目構造を有する2つの筒状体が略同軸で配された3次元網目構造体となっており、DWNT(Double-walled nanotube)と呼ばれる。構成単位である六角形格子は、その頂点に炭素原子が配された六員環であり、他の六員環と隣接してこれらが連続的に結合している。
例えば、2層構造又は3層構造のような層数が少ないCNTは、それより層数の多いCNTよりも比較的導電性が高く、ドーピング処理を施した際には、2層構造又は3層構造を有するCNTでのドーピング効果が最も高い。従って、CNT線材10の導電性をさらに向上させる点から、2層構造又は3層構造を有するCNTの割合を増大させることが好ましい。具体的には、CNT全体に対する2層構造又は3層構造をもつCNTの割合が50個数%以上が好ましく、75個数%以上がより好ましい。2層構造又は3層構造をもつCNTの割合は、CNT集合体11の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察及び解析し、100個の範囲内の所定数の任意のCNTを選択し、それぞれのCNTの層数を測定することで算出することができる。
次に、CNT線材10の外周部に設けられる含浸抑制部について説明する。
上述したように、CNT被覆電線1は複数の含浸抑制部31,31、31を備えているが、CNT線材10が複数の含浸抑制部31,31、31を備えると捉えることもできる。すなわち、CNT線材10は、CNT線材10の外周部に、その周方向全体に亘り、CNT線材10を被覆する絶縁被覆層21を構成する被覆材のCNT線材10への含浸を抑制する複数の含浸抑制部31,31,・・・を備えている。
図1では、CNT線材10が3つの含浸抑制部31,31,31を備えているが、これに限らず、1つの含浸抑制部31を備えていてもよい。本実施形態では、含浸抑制部31は、CNT線材10の外周部全体を覆うように、CNT線材10の外周部に環状に設けられている。
含浸抑制部31は、図1に示すように、少なくともCNT線材10の長手方向端部に形成されているのが好ましい。また、含浸抑制部31は、CNT線材10の長手方向一端部から他端部に亘って、CNT線材10の全体に形成されてもよい。これにより、CNT線材10の長手方向端部に設けられた絶縁被覆層21を容易に除去することができる。また、含浸抑制部31がCNT線材10の全体に形成されている場合には、絶縁被覆層21を容易に除去することができると共に、絶縁被覆層21を除去する部位の制約がなくなり、外部との電気的接続の自由度を向上することができる。また、含浸抑制部31がCNT線材10の端末処理を行う箇所にのみ形成されている場合には、CNT線材10の絶縁被覆層21を容易に除去することができると共に、絶縁被覆層21の除去を予定していない箇所での絶縁被覆層21の剥離を抑制することができ、外部との電気的接続の安全性を向上することができる。
また、複数の含浸抑制部31,31,・・・は、CNT線材10の長手方向に間欠的に配置されてもよい。このとき、複数の含浸抑制部31,31,・・・は、CNT線材10の長手方向端部に形成されていてもよいし(図1)、CNT線材10の長手方向一端部から他端部に亘って、CNT線材10の全体に形成されてもよい。また、複数の含浸抑制部31,31,・・・が長手方向に等間隔で配置されてもよく、複数の含浸抑制部31,31,・・・の配置ピッチは、例えば0.5m以上100m以下である。これにより、含浸抑制部31を構成する材料をできるだけ少なくしつつ、絶縁被覆層21を容易に除去することができると共に、絶縁被覆層21を除去する部位の制約が少なくなり、外部との電気的接続の自由度を向上することができる。
含浸抑制部31は、より具体的には、CNT線材10の最表層に位置するCNT11a同士を連結する連結構造を有している。この連結構造は、CNT線材10の最表層において互いに隣接配置された2つのCNT11a,11aのうちの一方の外周面と接合されると共に、他方の外周面と接合されている。すなわち、隣接配置された2つのCNT11a,11a間の隙間が当該連結構造によって埋められていることで、絶縁被覆層21を構成する被覆材が2つのCNT11a,11a間を通過し難くなり、被覆材がCNT線材10の内部に入り込むのを防止することができる。
含浸抑制部31は、導電性ペースト、めっき及びはんだから選択された1又は複数の材料で構成することができる。導電性ペーストとしては、例えば金属ペースト、導電性樹脂、カーボンペーストを挙げることができる。めっきとしては、例えば電界めっき、無電解めっき、溶融めっき、気相めっきを挙げることができる。はんだとしては、例えば共晶はんだ、鉛フリーはんだを挙げることができる。
導電性ペーストは、比較的低温で処理ができ、熱によって損傷を受けやすい部分に適用でき、熱応力や機械適応力が高いことで耐久性が発揮される観点から好適に用いられる。めっきは、はんだと比較して薄層を形成でき、含浸抑制部と他の部分の径の差が小さくできる観点で好適に用いられる。はんだは、CNT線材10の局所的な位置に含浸抑制部31を容易に形成させることができる観点で好適に用いられる。
本実施形態では、含浸抑制部31の外周面における凹凸の度合いを以下のように定義することができる。含浸抑制部31が環状に形成されている部分のCNT線材10の径方向断面における当該含浸抑制部31の外周長さをLa、上記Laで囲まれた部分の面積をSとし、Sと面積が同一になる円の円周長さをLbとしたとき、任意の複数箇所(例えば、任意の5箇所)で測定したLa/Lbの平均値は3.5以下であり、好ましくは1.3以下である。La/Lbの平均値が小さければ、含浸抑制部31の外周面における凹凸の度合いが小さく、絶縁被覆層21を除去し易くなり、外部との電気的な接続信頼性が向上すると推察される。含浸抑制部31の外周面における凹凸の度合いを小さくするためには、含浸抑制部31の平均厚さを3μm以上にすることが好ましく10μm以上にすることがより好ましい。含浸抑制部の平均厚さが3μm未満の場合、CNT線材の凹凸形状が含浸抑制部31の外周面の凹凸に反映され、凹凸の度合いが大きくなる。
ここで含浸抑制部の平均厚さは以下の方法で求められる。上記の含浸抑制部31の外周で囲まれた領域の面積Sと面積が同一になる円の半径をRとし、同じ断面における、CNT線材10の断面積S’と面積が同一になる円の半径をR’とし、任意の5箇所の断面でR-R’を求め、それを平均した値が平均厚さである。
次に、CNT線材10の外周部を被覆する絶縁被覆層21について説明する。
絶縁被覆層21の材料としては、芯線として金属を用いた被覆電線の絶縁被覆層に用いる材料を使用することができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン等を挙げることができる。また、熱硬化性樹脂としては、例えばポリイミド、フェノール樹脂等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。
CNT被覆電線1が高圧電線の場合、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルが好ましく、特に、架橋ポリエチレン、軟質ポリ塩化ビニルが好ましい。
絶縁被覆層21は、図1に示すように、一層としてもよく、これに代えて、二層以上としてもよい。また、必要に応じて、絶縁被覆層21上に、さらに、熱硬化性樹脂の層が設けられていてもよい。また、上記熱硬化性樹脂が、繊維形状或いは粒子形状を有する充填材を含有していてもよい。
また、CNT線材10は、図3に示すように、該CNT線材10の外周部に設けられ、且つ含浸抑制部31以外の部分に配置される複数のエナメル系樹脂被覆部41,41,・・・を更に備えてもよい。図3では、CNT線材10は、4つのエナメル系樹脂被覆部41,41,41,41を備えているが、これに限らず、1つのエナメル系樹脂被覆部41を備えていてもよい。本実施形態では、エナメル系樹脂被覆部41は、CNT線材10の外周部全体を覆うように、CNT線材10の外周部に環状に設けられている。
エナメル系樹脂被覆部41は、図3に示すように、少なくともCNT線材10の長手方向端部に形成されているのが好ましい。また、エナメル系樹脂被覆部41は、CNT線材10の長手方向一端部から他端部に亘って、CNT線材10の全体に形成されてもよい。
複数のエナメル系樹脂被覆部41,41,・・・は、CNT線材10の長手方向に間欠的に配置されてもよい。この場合、複数のエナメル系樹脂被覆部41,41,・・・は、例えばCNT線材10の長手方向に複数の含浸抑制部31,31,・・・と交互に配置される。また、複数のエナメル系樹脂被覆部41,41,・・・は、CNT線材10の長手方向端部に形成されていてもよいし(図3)、CNT線材10の長手方向一端部から他端部に亘って、CNT線材10の全体に形成されてもよい。
エナメル系樹脂被覆部41は、例えばポリウレタンワニス、ポリエステルワニス、耐熱ソルダブルワニス、アミドイミドワニス、ポリエステルイミドワニス、自己滑性ワニス、自己融着ワニスから選択された1又は複数の材料で構成することができる。
図3では、CNT線材10がエナメル系樹脂被覆部41及び絶縁被覆層21でこの順に被覆されているが、エナメル系樹脂被覆部41のみで被覆されていてもよい。すなわち、CNT被覆電線1が、CNT線材1と、1又は複数の含浸抑制部31と、1又は複数のエナメル系樹脂被覆部41とを備えていてもよい。
[カーボンナノチューブ被覆電線の製造方法]
次に、本実施形態に係るCNT被覆電線1の製造方法例について、図4を参照しながら説明する。まず、CNT11aを製造し、複数のCNT11a,11a,・・・で構成されるCNT集合体11の単数から、又は複数のCNT集合体11,11,・・・が束ねられて形成されるCNT線材10を作製する(ステップS1)。
CNT11aは、浮遊触媒法(特許第5819888号)や、基板法(特許第5590603号)などの手法で作製することができる。CNT線材10の素線は、例えば、乾式紡糸(特許第5819888号、特許第5990202号、特許第5350635号)、湿式紡糸(特許第5135620号、特許第5131571号、特許第5288359号)、液晶紡糸(特表2014-530964)等で作製することができる。
このとき、CNT線材10を構成するCNTの配向性、或いはCNT集合体を構成するCNTの配向性、又は、CNT集合体11やCNT11aの密度は、例えば乾式紡糸、湿式紡糸、液晶紡糸等の紡糸方法と該紡糸方法の紡糸条件とを適宜選択することで調節することができる。
次に、CNT線材10の外周部に、その周方向全体に亘って、CNT線材10の絶縁被覆層21を構成する被覆材のCNT線材10への含浸を抑制する含浸抑制部31を形成する(ステップS2)。含浸抑制部31を導電性樹脂で形成する方法としては、例えば、CNT線材10の長手方向に関して所定長さ当たり所定質量となるように、導電性ペーストをCNT線材10の外周部に載置或いは塗布する方法を挙げることができる。含浸抑制部31をめっきで形成する方法としては、例えば、電界めっきによって所定厚さの銅めっきをCNT線材10の外周部に形成する方法を挙げることができる。含浸抑制部31をはんだで形成する場合、例えば、CNT線材10の長手方向に関して所定長さ当たり所定質量となるように、はんだをCNT線材10の外周部に載置或いは塗布する方法を挙げることができる。
含浸抑制部31を形成した後、後述の絶縁被覆層21を形成する前に、必要に応じて、CNT線材10の外周部に、含浸抑制部31以外の部分に配置される1又は複数のエナメル系樹脂被覆部41を形成してもよい。エナメル系樹脂被覆部41を形成する方法としては、例えば、エナメル樹脂を塗布して焼付を行う方法を挙げることができる。CNT線材10の外周部に含浸抑制部31が形成されていると、エナメル系樹脂被覆部41を形成する本工程において、エナメル系樹脂被覆部41を構成する被覆材の含浸が含浸抑制部31によって抑制される。
次いで、含浸抑制部31に対してCNT線材10とは反対側に絶縁被覆層21を形成する(ステップS3)。このとき、絶縁被覆層21は、含浸抑制部31の外周面を含み且つCNT線材10の外周部全体を覆うように、CNT線材10の長手方向の全体に亘って形成される。絶縁被覆層21を形成する方法としては、アルミニウムや銅の芯線に絶縁被覆層を被覆する方法を使用でき、例えば、絶縁被覆層21の原料である熱可塑性樹脂を溶融させ、CNT線材10の周りに押し出して被覆する方法や、或いはCNT線材10の周りに塗布する方法を挙げることができる。上述のように、CNT線材10の外周部に含浸抑制部31が形成されていると、本工程において、絶縁被覆層21を構成する被覆材の含浸が含浸抑制部31によって抑制される。上記工程を経ることにより、本実施形態に係るCNT被覆電線1が製造される。
本実施形態に係るCNT被覆電線1は、ワイヤハーネス等の一般電線として使用することができ、また、CNT被覆電線1を使用した一般電線からケーブルを作製してもよい。
[カーボンナノチューブ被覆電線の加工方法]
上記の製法により製造されたCNT被覆電線1を加工する場合、含浸抑制部31に対してCNT線材10とは反対側に形成された絶縁被覆層21を除去する。例えば、CNT線材10の外周部に、含浸抑制部31、絶縁被覆層21がこの順に設けられている構成において、含浸抑制部31の径方向外側に配置された絶縁被覆層21を、物理的或いは化学的に剥離する。化学的に剥離する方法としては、例えばCNT被覆電線1に浸漬或いは塗布して絶縁被覆を剥離する剥離剤が挙げられる。絶縁被覆層21を形成する上記工程において、上記のように絶縁被覆層21を構成する被覆材が含浸抑制部31によって抑制されているので、CNT線材10から絶縁被覆層21を容易に除去することができる。
上述したように、本実施形態によれば、1又は複数の含浸抑制部31が、CNT線材10の外周部にその周方向全体に亘って設けられており、上記CNT線材10を被覆する絶縁被覆層21を構成する被覆材の当該CNT線材10への含浸を抑制するので、含浸抑制部31のCNT線材10とは反対側に絶縁被覆層21を形成した際に、絶縁被覆層21の被覆材がCNT間或いはCNT集合体間に侵入し難くなり、被覆材の取り残しが生じ難くなる。よって、絶縁被覆層21を容易に且つ十分に除去することができ、外部との電気的な接続信頼性を向上することができる。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明の趣旨を超えない限り、下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、浮遊触媒法で作製したCNTを直接紡糸する乾式紡糸方法(特許第5819888号)または湿式紡糸する方法(特許第5135620号、特許第5131571号、特許第5288359号)で円相当直径0.02mmのCNT集合体を得た。これを76本より合わせることで、円相当直径0.2mmのCNT線材を得た。
次に、得られたCNT線材の長手方向端部において、CNT線材の外周部全体を導電性ペースト(東洋紡社製、製品名「DW-250H-5」、銀フィラー含有熱硬化型ペースト)でコーティングして含浸抑制部を形成した。このとき、導電性ペーストを、CNT線材の長手方向に関して1cm当たり0.69mgとなるように、CNT線材の外周部に載置した。
(実施例2)
導電性ペーストを、CNT線材の長手方向に関して1cm当たり0.33mgとしたこと以外は、実施例1と同様にしてCNT線材を作製した。
(実施例3)
導電性ペーストを、CNT線材の長手方向に関して1cm当たり0.16mgとしたこと以外は、実施例1と同様にしてCNT線材を作製した。
(実施例4)
導電性ペーストに代えてめっき(銅めっき)を用い、CNT線材の外周部全体を銅めっきでコーティングして含浸抑制部を形成した。
めっきは以下の手順で実施した。CNT線材本体を硫酸銅、ホルマリン、ロシェル塩からなるめっき液に浸漬し、無電解銅めっきした。その後、硫酸銅と硫酸の水溶液からなるめっき液にCNT線材を浸漬し、1A(アンペア)で電解めっきすることで、当該CNT線材本体に電界めっき処理が施されたCNT線材を作製した。このとき、電界めっきにより厚さ20μmのめっき厚となるように、電解時間を調整し、CNT線材の外周部に銅めっきを形成した。それ以外は、実施例1と同様にしてCNT線材を作製した。
(実施例5)
厚さ10μmのめっき厚となるようにしたこと以外は、実施例4と同様にしてCNT線材を作製した。
(実施例6)
厚さ5μmのめっき厚となるようにしたこと以外は、実施例4と同様にしてCNT線材を作製した。
(実施例7)
導電性ペーストに代えてはんだ(Cametics社製、商品名「C-Solder」、すずベースのはんだ合金)を用い、CNT線材の外周部全体をはんだでコーティングして含浸抑制部を形成した。このとき、はんだを、CNT線材の長手方向に関して1cm当たり1.0mgとなるように、CNT線材の外周部に載置した。それ以外は、実施例1と同様にしてCNT線材を作製した。
(実施例8)
はんだを、CNT線材の長手方向に関して1cm当たり0.48mgとなるようにしたこと以外は、実施例7と同様にしてCNT線材を作製した。
(実施例9)
はんだを、CNT線材の長手方向に関して1cm当たり0.16mgとなるようにしたこと以外は、実施例7と同様にしてCNT線材を作製した。
(比較例1)
CNT線材に含浸抑制部を全く形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてCNT線材を作製した。
(比較例2)
CNT線材の全周に亘って含浸抑制部を形成した場合を最大(100%)としてその80%程度となるように、CNT線材の外周部を導電性ペーストでコーティングした。すなわち、導電性ペーストを、CNT線材の外周部に環状に形成せず、CNT線材の周方向に関して隙間を設けて載置した。それ以外は、実施例1と同様にしてCNT線材を作製した。
(比較例3)
CNT線材の外周部をめっきでコーティングした。このとき、YAGレーザ(波長:1064nm)、出力100W、周波数200Hz、デューティー比10%のレーザ条件にて、CNT線材の長手方向端部に、CNT線材の軸方向からレーザを照射し、30~150秒間で粗化処理し、CNT線材の粗化処理した部分にめっきを含浸させた。その結果、CNT線材の外周部においてめっきでコーティングされていないCNT(あるいはCNT集合体)が存在していた。それ以外は、実施例1と同様にしてCNT線材を作製した。
次に、上記のようにして作製したCNT線材について、以下の測定、評価を行った。
(a)CNT線材の外周部の凹凸
CNT線材の長手方向端部を、均等な幅で5箇所、長手方向に垂直な面で切断して断面出しを行い、CNT線材の各断面における含浸抑制部の外周長さLaを求めた。次いで、上記各断面の断面積Sを求め、求めた断面積と同一面積である円の円周長さLbを算出した。各断面の外周長さLaを円周長さLbで除してLa/Lbを算出し、任意の5箇所で測定したLa/Lbの平均値を凹凸指数とした。
(b)含浸抑制部の平均厚さ
(a)と同じ断面を用いて、含浸抑制部の外周で囲まれた領域の面積Sと同一の面積を有する円の半径Rを求めた。続いて、CNT線材の部分の面積S’と同一の面積を有する円の半径R’を求めた。R-R’を算出し、任意の5箇所で求めたR-R’の平均値を含浸抑制部の平均厚さとした。
(c)被覆除去後の接続信頼性
CNT線材にポリウレタン樹脂(東特塗料株式会社製、商品名「TPU5100」)の含浸と焼付を10回繰り返して実施して、CNT線材に絶縁被覆層を形成した。その後、CNT線材の長手方向端部を剥離剤(明和化学工業社製、商品名「Solcoat(登録商標)」)に含浸させて被覆除去処理を実施した。そして、CNT線材の被覆除去処理した部分と銅端子をはんだで接続し、四端子法でCNT線材と銅端子の接続抵抗を測定した。接続抵抗が5mΩ未満である場合を極めて良好「◎」、5mΩ以上20mΩ以下である場合を「〇」、20mΩよりも大きく100Ω以下である場合を概ね良好「△」、100Ωよりも大きい場合を不良「×」とした。
CNT被覆電線の上記各測定及び評価の結果を、下記表1に示す。
表1に示すように、実施例1では、La/Lbが1.3、接続抵抗が8mΩであり、被覆除去後の接続信頼性が極めて良好であった。また、実施例2では、La/Lbが2.0、接続抵抗が11mΩであり、被覆除去後の接続信頼性が良好であった。実施例3でも、La/Lbが3.5、接続抵抗が16mΩであり、被覆除去後の接続信頼性が良好であった。
実施例4では、La/Lbが1.3、接続抵抗が5mΩであり、被覆除去後の接続信頼性が極めて良好であった。また、実施例5では、La/Lbが2.0、接続抵抗が7mΩであり、被覆除去後の接続信頼性が良好であった。実施例6でも、La/Lbが3.5、接続抵抗が10mΩであり、被覆除去後の接続信頼性が良好であった。
実施例7では、La/Lbが1.3、接続抵抗が6mΩであり、被覆除去後の接続信頼性が極めて良好であった。また、実施例8では、La/Lbが2.0、接続抵抗が8mΩであり、被覆除去後の接続信頼性が良好であった。実施例9でも、La/Lbが3.5、接続抵抗が12mΩであり、被覆除去後の接続信頼性が良好であった。
一方、比較例1では、La/Lbが2.5であるものの、CNT線材の外周部に含浸抑制部が形成されていないため、絶縁被覆層を構成する被覆材がCNT線材に含浸し、被覆材を十分に除去できず、接続抵抗が1700mΩとなり、被覆除去後の接続信頼性が劣った。
比較例2では、La/Lbが1.4であるものの、CNT線材の全周に対して80%程度となるように含浸抑制部を形成したため、周方向全体に含浸抑制部が形成されておらず、当該含浸抑制部が形成されていない部分から被覆材がCNT線材に含浸し、被覆除去の際に含浸した被覆材が溶出し、CNT線材表面に再付着が生じ、被覆材を十分に除去できず、接続抵抗が265mΩとなり、被覆除去後の接続信頼性が劣った。
比較例3では、La/Lbが1.6であるものの、粗化処理後のCNT線材の外周部においてめっきの連結構造によって連結されていないCNTが存在していたため、周方向全体に含浸抑制部が形成されておらず、連結構造が形成されていない部分から被覆材にCNT線材が含浸し、被覆除去の際に含浸した被覆材が溶出し、CNT線材表面に再付着が生じ、被覆材を十分に除去できず、接続抵抗が374mΩとなり、被覆除去後の接続信頼性が劣った。
1 カーボンナノチューブ被覆電線(CNT被覆電線)
10 カーボンナノチューブ線材(CNT線材)
11 カーボンナノチューブ集合体(CNT集合体)
11a カーボンナノチューブ(CNT)
21 絶縁被覆層
31 含浸抑制部
41 エナメル系樹脂被覆部

Claims (7)

  1. 複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体の単数から、又は複数の前記カーボンナノチューブ集合体が束ねられて形成されているカーボンナノチューブ線材であって、
    前記カーボンナノチューブ線材を被覆する絶縁被覆層を備え、
    前記カーボンナノチューブ線材の外周部に、その周方向全体に亘り、前記絶縁被覆層前記カーボンナノチューブ線材との間に含浸抑制部を備え、
    数の前記含浸抑制部が、前記カーボンナノチューブ線材の長手方向に間欠的に配置され、
    前記含浸抑制部は、導電性ペースト、めっき及びはんだから選択されたいずれかの材料で構成されるものであり、前記絶縁被覆層は、樹脂であることを特徴とする、カーボンナノチューブ線材。
  2. 前記含浸抑制部は、前記カーボンナノチューブ線材の最表層に位置する前記カーボンナノチューブ同士を連結する連結構造を有する、請求項1に記載のカーボンナノチューブ線材。
  3. 前記含浸抑制部が、少なくとも前記カーボンナノチューブ線材の長手方向端部に形成される、請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブ線材。
  4. 前記カーボンナノチューブ線材の外周部に設けられ、且つ前記含浸抑制部以外の部分に配置される1又は複数のエナメル系樹脂被覆部を更に備える、請求項1~のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材。
  5. カーボンナノチューブ線材と、
    前記カーボンナノチューブ線材を被覆する絶縁被覆層と、を備え、
    前記カーボンナノチューブ線材と前記絶縁被覆層との間、前記カーボンナノチューブ線材の周方向全体に亘り、含浸抑制部を備え、
    数の前記含浸抑制部が、前記カーボンナノチューブ線材の長手方向に間欠的に配置され、
    前記含浸抑制部は、導電性ペースト、めっき及びはんだから選択されたいずれかの材料で構成されるものであり、前記絶縁被覆層は、樹脂であることを特徴とする、カーボンナノチューブ被覆電線。
  6. カーボンナノチューブ線材の外周部に、その周方向全体に亘って、含浸抑制部を形成する工程であって、複数の前記含浸抑制部が、前記カーボンナノチューブ線材の長手方向に間欠的に配置されるようにする工程と、
    前記含浸抑制部に対して前記カーボンナノチューブ線材とは反対側に絶縁被覆層を形成する工程と、
    を有し、
    前記含浸抑制部は、導電性ペースト、めっき及びはんだから選択されたいずれかの材料で構成されるものであり、前記絶縁被覆層は、樹脂であることを特徴とする、カーボンナノチューブ被覆電線の製造方法。
  7. カーボンナノチューブ線材と、前記カーボンナノチューブ線材を被覆する絶縁被覆層と、を備え、前記カーボンナノチューブ線材と前記絶縁被覆層との間、前記カーボンナノチューブ線材の周方向全体に亘り、含浸抑制部を備え、複数の前記含浸抑制部が、前記カーボンナノチューブ線材の長手方向に間欠的に配置されており、前記含浸抑制部は、導電性ペースト、めっき及びはんだから選択されたいずれかの材料で構成されるものであり、前記絶縁被覆層は、樹脂であるカーボンナノチューブ被覆電線の加工方法であって、前記含浸抑制部に対して前記カーボンナノチューブ線材とは反対側に形成された絶縁被覆層を除去することを特徴とする、カーボンナノチューブ被覆電線の加工方法。
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