以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。ただし、本実施形態は、以下の内容に何ら制限されず、本発明の要旨を損なわない範囲内で任意に変更して実施可能である。また、以下では、図1および図2に示す方向を基準として説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る冷蔵庫を示す正面図である。なお、以下では、6ドアの冷蔵庫1を例に挙げて説明するが、6ドアに限定されるものではない。
図1に示すように、冷蔵庫1は、冷蔵室2、製氷室3、冷凍室4、第一切替室5(上段切替室、貯蔵室)および第二切替室6(下段切替室、貯蔵室)を備えた断熱箱体10を有している。第一切替室5は、冷蔵温度帯(例えば、1℃~6℃)から冷凍温度帯(例えば、約-20℃~-18℃)まで温度帯を切り替えることができるようになっている。第二切替室6も同様に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯まで温度帯を切り替えることができるようになっている。冷蔵室2は、冷蔵温度帯(例えば、6℃)に設定され、製氷室3および冷凍室4は、冷凍温度帯(例えば、約-20℃)に設定される。
また、冷蔵庫1は、断熱箱体10の正面に、冷蔵室2を開閉する冷蔵室扉2a,2bと、製氷室3を開閉する製氷室扉3aと、冷凍室4を開閉する冷凍室扉4aと、第一切替室5を開閉する第一切替室扉5aと、第二切替室6を開閉する第二切替室扉6aと、を備えている。冷蔵室扉2a,2bは観音開き可能に構成されている。製氷室扉3a、冷凍室扉4a、第一切替室扉5a、および第二切替室扉6aは、手前方向に引き出し可能に構成されている。冷蔵室扉2a,2b、製氷室扉3a、冷凍室扉4a、第一切替室扉5aおよび第二切替室扉6aは、断熱扉である。また、冷蔵室扉2aの庫外側表面には、庫内の温度設定の操作を行う操作部26を設けている。
冷蔵室2と、冷凍室4及び製氷室3とは断熱仕切壁28によって隔てられている。また、冷凍室4及び製氷室3と、第一切替室5とは断熱仕切壁29によって隔てられ、第一切替室5と第二切替室6とは断熱仕切壁30によって隔てられている。
断熱箱体10の天面庫外側の手前側と、断熱仕切壁28の前縁には、断熱箱体10と扉2a,2bを固定するための扉ヒンジ(図示せず)を備えている。上部の扉ヒンジは、扉ヒンジカバー16で覆われている。
第1実施形態の冷蔵庫1の第一切替室5および第二切替室6では、冷蔵温度(平均的に4℃程度に維持)と、冷凍温度(平均的に-18℃程度に維持)の何れかを選択することができる。具体的には、第一切替室5と第二切替室6がともに冷凍温度に設定される「FF」モード、第一切替室5と第二切替室6がそれぞれ冷蔵温度と冷凍温度に設定される「RF」モード、第一切替室5と第二切替室6がそれぞれ冷凍温度と冷蔵温度に設定される「FR」モード、第一切替室5と第二切替室6がともに冷蔵温度に設定される「RR」モードの中から選択することができる。
図2は、図1のII-II線断面図である。
図2に示すように、冷蔵庫1は、鋼板製の外箱10aと合成樹脂製(第1実施形態ではABS樹脂)の内箱10bとの間に発泡断熱材93(第1実施形態ではポリウレタンフォーム)を充填して形成される断熱箱体10により、庫外と庫内が隔てられて構成されている。断熱箱体10には発泡断熱材に加えて、発泡断熱材より熱伝導率が低い(断熱性能が高い)真空断熱材を外箱10aと内箱10bとの間に複数実装することで、内容積の低下を抑えて断熱性能を高めている。第1実施形態の冷蔵庫1は、断熱箱体10の背面に真空断熱材25a、下面(底面)に真空断熱材25b、左側面に真空断熱材、右側面に真空断熱材を実装して、貯蔵室より温度が高い庫外からの熱の侵入を抑えて冷蔵庫1の断熱性能を高めている。同様に、第1実施形態の冷蔵庫1は、第一切替室扉5aに真空断熱材25e、第二切替室扉6aに真空断熱材25fを実装することで、冷蔵庫1の断熱性能を高めている。
冷蔵室扉2a,2bは、庫内側に複数の扉ポケット33a,33b,33cを備えている。また、冷蔵室2内は、棚34a,34b,34c,34dによって複数の貯蔵スペースに区画されている。製氷室扉3a、冷凍室扉4a、第一切替室扉5aおよび第二切替室扉6aは、それぞれ一体に引き出される製氷室容器3b、冷凍室容器4b、第一切替室容器5b、第二切替室容器6bを備えている。
冷蔵室2の背部には、第一蒸発器14aが実装された第一蒸発器室8aを備えている。また、第一切替室5および第二切替室6の略背部には、第二蒸発器14b(冷却器)が実装された第二蒸発器室8b(冷却器室)を備えている。また、第一切替室5および第二切替室6と、第二蒸発器室8b、後述する第二ファン吐出風路12との間は、断熱仕切壁27によって隔てられている。
なお、断熱仕切壁27は、断熱箱体10、断熱仕切壁29及び断熱仕切壁30とは別体であり、図示しないシール部材(一例として軟質ウレタンフォーム)を介して断熱箱体10、断熱仕切壁29及び断熱仕切壁30と接触するように固定し、着脱可能としている。このように、断熱仕切壁27を別体で形成し着脱可能とすることで、第二蒸発器室8bに収納される第二蒸発器14bや後述する第二ファン9b、第一切替室第一フラッパ411、第一切替室第二フラッパ412(図4参照)、第二切替室第一フラッパ421(図4参照)、第二切替室第二フラッパ422(図4参照)といった断熱仕切壁27により覆われる部品に不具合が生じた場合に、断熱仕切壁27を外して容易にメンテナンスが行えるようになる。
また、断熱仕切壁27の内部には、真空断熱材は実装せずに主たる断熱部材として発泡断熱材であるポリスチレンフォーム(発泡スチロール)を実装している。一方、断熱仕切壁29,30の内部には発泡断熱材であるポリスチレンフォームとともに、それぞれ真空断熱材25g,25hを実装することで断熱性能を高めている。真空断熱材25g,25hは、発泡断熱材より熱伝導率が低い(断熱性能が高い)ので、断熱仕切壁29,30の主たる断熱部材は真空断熱材となる。なお、断熱仕切壁27,28,29,30の内部に用いる発泡断熱材としては、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームを用いても良い。
冷蔵室2、冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6の庫内背面側には、それぞれ冷蔵室温度センサ41(図4参照)、冷凍室温度センサ42(図4参照)、第一切替室温度センサ43a,43b(図4参照)、第二切替室温度センサ44a,44b(図4参照)が設けられている。第一蒸発器14aの上部には第一蒸発器温度センサ40aが設けられている。第二蒸発器14bの上部には第二蒸発器温度センサ40bが設けられている。これらのセンサにより、冷蔵室2、冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6、第一蒸発器室8a、第一蒸発器14a、第二蒸発器室8b、および、第二蒸発器14bの温度を検知している。また、冷蔵庫1の天井部の扉ヒンジカバー16の内部には、外気温度センサ37と外気湿度センサ38が設けられ、外気(庫外空気)の温度と湿度を検知している。その他にも、扉センサ(図示せず)を設けることで、扉2a,2b,3a,4a,5a,6aの開閉状態をそれぞれ検知している。
第二蒸発器14bについては、圧縮機24が停止した状態で、第二蒸発器14bの下部に備えられた加熱手段である除霜ヒータ21に通電することで除霜する。除霜ヒータ21(ヒータ)は、例えば50W~200Wの電気ヒータを採用すれば良く、第1実施形態では150Wのラジアントヒータとしている。第二蒸発器14bの除霜時に発生した除霜水は第二蒸発器室8bの下部の樋23から第二排水管23cを介して圧縮機24の上部に設けた第二蒸発皿32(図2参照)に排出され、圧縮機24からの放熱や、機械室39に設けられたファン(不図示)による通風等の作用により蒸発する。
次に、図3ないし図6および適宜図2を参照しながら庫内の風路構成について説明する。図3は、庫内背面内部の冷気の流れを示す正面図である。なお、図3は、図1の扉、容器を外した状態の正面図である。
図3に示すように、第一蒸発器14aの上方には第一ファン9aが設けられている。第一ファン9aによって送り出される冷却空気は、冷蔵室風路110、冷蔵室吐出口110aを介して冷蔵室2に送風され、冷蔵室2内を冷却する。ここで、第一ファン9aは、例えば、遠心ファンであるターボファン(後向きファン)によって構成され、回転速度を高速(1600min-1)と低速(1000min-1)に制御可能となっている。冷蔵室2に送風された空気は、冷蔵室戻り口110b(図2参照)および冷蔵室戻り口110cから第一蒸発器室8aへと戻り、再び第一蒸発器14aと熱交換する。
冷蔵室2の冷蔵室吐出口110aは、冷蔵室2の上部に設けられている。第1実施形態では最上段の棚34aと二段目の棚34bの上方に空気が吐出するようになっている。また、冷蔵室戻り口110cは、冷蔵室2の棚34cと棚34dの間に形成される空間の背部に設けられている。冷蔵室戻り口110b(図2参照)は、冷蔵室2の棚34dと断熱仕切壁28の間に形成される空間の略背面に設けられている。
製氷室3の背面には、製氷室吐出口120aが設けられている。この製氷室吐出口120aは、製氷室3の上部に設けられている。冷凍室4の背面には、冷凍室吐出口120bが設けられている。この冷凍室吐出口120bは、冷凍室4の上部に設けられている。製氷室吐出口120aおよび冷凍室吐出口120bは、冷凍室風路130と連通している。第二ファン9bから送り出された冷気は、破線矢印で示すように、冷凍室風路130を通り、分岐して、実線矢印で示すように、製氷室吐出口120aと冷凍室吐出口120bから吐出される。
第1実施形態の冷蔵庫1は、第一切替室5および第二切替室6への送風遮断手段として、第一切替室第一フラッパ411、第一切替室第二フラッパ412、第二切替室第一フラッパ421、第二切替室第二フラッパ422を備えている。第一切替室第一フラッパ411および第一切替室第二フラッパ412は、第一切替室5の背部の仕切に実装されている。第二切替室第一フラッパ421および第二切替室第二フラッパ422は、第二切替室6の略背部に実装されている。ここで、第一切替室第一フラッパ411の開口面積は、第一切替室第二フラッパ412の開口面積よりも大きく形成されている。第二切替室第一フラッパ421の開口面積は、第二切替室第二フラッパ422の開口面積よりも大きく形成されている。
第二蒸発器14bは、第一切替室5、第二切替室6および断熱仕切壁30の略背部の第二蒸発器室8b内に設けられている。第二蒸発器14bの上方には第二ファン9bが設けられている。第二ファン9bは、遠心ファンであるターボファン(後向きファン)であり、回転速度は高速(1800min-1)と低速(1200min-1)に制御可能となっている。製氷室3および冷凍室4を冷却した空気は、冷凍室戻り口120cから冷凍室戻り風路120dを介して、第二蒸発器室8b(第二蒸発器14bの下方)に戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
第一切替室5の背面下部には、第一切替室戻り口111cが形成されている。第一切替室5を冷却した後の冷気は、第一切替室戻り口111cから排出され、冷凍室戻り風路120dを介して、第二蒸発器室8b(第二蒸発器14bの下方)に戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
図4は、庫内の冷気の流れを示す正面図である。なお、図4は、図1の扉および容器を外した状態の正面図である。
図4に示すように、断熱仕切壁27には、第一切替室5内に冷気を吐出させる第一切替室第一吐出口111a,111aが設けられている。第一切替室第一吐出口111aは、幅方向(左右方向)に細長く形成され、幅方向中央よりも左側(第一切替室戻り口111cとは左右方向の反対側)に位置している。また、第一切替室第一吐出口111aは、庫内高さ方向の中央よりも上側に位置している。
また、断熱仕切壁27には、第一切替室5内に冷気を吐出させる第一切替室第二吐出口111bが形成されている。この第一切替室第二吐出口111bは、断熱仕切壁27の左側の側面に形成されている。これにより、第一切替室第二吐出口111bから吐出された冷気は、内箱10bの内壁面(左側面)に向けて吐出される。また、断熱仕切壁27には、第一切替室第二吐出口111bと第一切替室第二フラッパ412とを連通させる第一切替室連通路111dが形成されている。
また、断熱仕切壁27には、第二切替室6内に冷気を吐出させる第二切替室第一吐出口112a,112aが設けられている。第二切替室第一吐出口112aは、幅方向(左右方区)に細長く形成され、幅方向中央よりも左側(第二切替室戻り口112cとは左右方向の反対側)に位置している。また、第二切替室第一吐出口112aは、庫内高さ方向の中央よりも上側に位置している。
また、断熱仕切壁27には、第二切替室6内に冷気を吐出させる第二切替室第二吐出口112bが形成されている。この第二切替室第二吐出口112bは、断熱仕切壁27の左側の側面に形成されている。これにより、第二切替室第二吐出口112bから吐出された冷気は、内箱10bの内壁面(左側面)に向けて吐出される。また、断熱仕切壁27には、第二切替室第二吐出口112bと第二切替室第二フラッパ422とを連通させる第二切替室連通路112dが形成されている。
図5は、図4のV-V断面の要部拡大図である。
図5に示すように、第二切替室6は、背面上部に第二切替室戻り口112cを備えている。第二切替室戻り口112cから流入した空気は、第二切替室戻り口112cから下方に延伸する第二切替室戻り風路112eを流れ、第二切替室戻り口112cより高さ位置が低く形成された第二蒸発器室流入口112fに至り、第二蒸発器室8bに対して下方から流れ込む。
このように第二切替室戻り口112cから第二蒸発器室流入口112fに至る間に、下方に延伸する風路(第二切替室戻り風路112e)を備えることで、第二ファン9bが停止した際に、第二蒸発器室8b内の低温空気が第二切替室6内に逆流し難くなる。これにより、特に第二切替室6が冷蔵温度に設定された際に、第二切替室6が冷え過ぎるといった事態が生じにくい冷蔵庫1とすることができる。なお、第二切替室戻り口112cから第二蒸発器室流入口112fに至る間に、下方に延伸する風路があれば良いので、第二切替室戻り口112cから流入した空気が、上方に向けて流れた後に、下方に延伸する風路を流れるように構成することもできる。このような逆流抑制構造は、貯蔵室の冷え過ぎを抑制する趣旨であるから、切替室に限らず冷蔵室又はチルド室若しくは弱冷凍室(すなわち、概ね-10℃又は-7℃を下限の保存温度とする室)と蒸発器室との間に配されことができる。
図6は、冷却空気の風路構造の概略図である。
図6に示すように、冷凍室ダンパ431が開放状態に制御されている場合は、第二蒸発器14bと熱交換して低温になった空気は、第二ファン9bを駆動することにより、第二ファン吐出風路12、冷凍室風路130、製氷室吐出口120aおよび冷凍室吐出口120bを介して製氷室3および冷凍室4に送られ、製氷室3の製氷皿内の水、製氷室容器3b内の氷、冷凍室4内の冷凍室容器4bに収納された食品等を冷却する。製氷室3および冷凍室4を冷却した空気は、冷凍室戻り口120cから冷凍室戻り風路120dを介して、第二蒸発器室8b(図2参照)に戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
第一切替室第一フラッパ411が開放状態に制御されている場合は、第二ファン9bによって昇圧された空気は、第二ファン吐出風路12、第一切替室風路140、第一切替室第一フラッパ411、吐出口形成部材111(図4参照)に備えられた第一切替室第一吐出口111a,111aを介して、第一切替室5に設けた第一切替室容器5b内に直接送られて、第一切替室容器5b内の食品を直接冷却する。第一切替室5を冷却した空気は、第一切替室戻り口111c、冷凍室戻り風路120dを流れて、第二蒸発器室8bに戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。なお、直接冷却とは、収納された食品に冷気を直接に供給して冷却する方式である。
第一切替室第二フラッパ412が開放状態に制御されている場合は、第二ファン9bによって昇圧された空気は、第二ファン吐出風路12、第一切替室風路140、第一切替室第二フラッパ412、吐出口形成部材111(図4参照)に備えられた第一切替室第二吐出口111bから、第一切替室5の側壁に向けて吐出し、第一切替室容器5b内の食品を間接的に冷却する。第一切替室5を冷却した空気は、第一切替室戻り口111c、冷凍室戻り風路120dを流れて、第二蒸発器室8bに戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。なお、間接冷却とは、食品の乾燥を抑えるために、収納された食品に冷気が直接に当たらないように供給して冷却する方式である。
第二切替室第一フラッパ421が開放状態に制御されている場合は、第二ファン9bによって昇圧された空気は、第二ファン吐出風路12、第二切替室風路150、第二切替室第一フラッパ421、吐出口形成部材112(図4参照)に備えられた第二切替室第一吐出口112a,112aを介して、第二切替室6に設けた第二切替室容器6b内に直接送られて、第二切替室容器6b内の食品を冷却する。第二切替室6を冷却した空気は、第二切替室戻り口112c、第二切替室戻り風路112dを流れて、第二蒸発器室8bに戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
第二切替室第二フラッパ422が開放状態に制御されている場合は、第二ファン9bによって昇圧された空気は、第二ファン吐出風路12、第二切替室風路150、第二切替室第二フラッパ422、吐出口形成部材112(図4参照)に備えられた第二切替室第二吐出口112bから、第二切替室6の側壁に向けて吐出し、第二切替室容器6b内の食品を間接的に冷却する。第二切替室6を冷却した空気は、第二切替室戻り口112c、第二切替室戻り風路112dを流れて、第二蒸発器室8bに戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
なお、低温の蒸発器が収納される蒸発器室(第1実施形態では第二蒸発器室8b)、蒸発器と熱交換して低温になった空気が流れる風路(第1実施形態では、第二ファン吐出風路12、冷凍室風路130、第一切替室風路140、第二切替室風路150)、冷凍温度に維持される貯蔵室(第1実施形態では製氷室3、冷凍室4、冷凍温度に設定された場合の第一切替室5、冷凍温度に設定された場合の第二切替室6)、冷凍温度に維持される貯蔵室からの戻り風路(第1実施形態では、冷凍室戻り風路120d、冷凍温度に設定された場合の第二切替室戻り風路112d)は、冷凍温度になる空間であるため、以下では冷凍温度空間と呼ぶ。また、第1実施形態では、第一切替室風路140と第二切替室風路150は、後記するダンパダクト部材300によって構成されている。
図7は、第1実施形態に係る冷蔵庫の冷凍サイクルを示す構成図である。
図7に示すように、第1実施形態の冷蔵庫1は、圧縮機24、冷媒の放熱を行う放熱手段としての庫外放熱器50a、壁面放熱配管50b(外箱10aと内箱10bの間の領域の外箱10aの内面に配置)、断熱仕切壁28,29,30(図2参照)の前面部および断熱箱体10(図2参照)の前縁部近傍への結露を抑制する結露防止配管50c(断熱仕切壁28,29,30の内面に配置)、冷媒を減圧する減圧手段である第一キャピラリチューブ53aと第二キャピラリチューブ53b、冷媒と庫内の空気を熱交換することで庫内の熱を吸熱する第一蒸発器14aと第二蒸発器14bを備えている。また、冷蔵庫1は、冷凍サイクル中の水分を除去するドライヤ51と、液冷媒の圧縮機24への流入を抑制する気液分離器54a、54b、冷媒流路を制御する冷媒制御弁52、逆止弁56、冷媒流を接続する冷媒合流部55を備えている。これらを冷媒配管で接続して冷凍サイクルを構成している。冷媒は可燃性冷媒のイソブタンである。
冷媒制御弁52は、流出口52a,52bを備えている。また、冷媒制御弁52は、流出口52aを開放し、流出口52bを閉鎖した「状態1」、流出口52aを閉鎖し、流出口52bを開放した「状態2」、流出口52aと流出口52bの何れも閉鎖した「状態3」、流出口52aと流出口52bの何れも開放した「状態4」の4つの状態に切換え可能な弁である。
次に第1実施形態の冷蔵庫1の冷媒の流れについて説明する。圧縮機24から吐出した高温高圧冷媒は、庫外放熱器50a、壁面放熱配管50b、結露防止配管50c、ドライヤ51の順に流れ、冷媒制御弁52に至る。冷媒制御弁52の流出口52aは、冷媒配管を介して第一キャピラリチューブ53aと接続されている。冷媒制御弁52の流出口52bは、冷媒配管を介して第二キャピラリチューブ53bと接続されている。
第一蒸発器14aにより冷蔵室2を冷却する場合は、冷媒制御弁52を、流出口52a側に冷媒が流れる「状態1」に制御する。流出口52aから流出した冷媒は、第一キャピラリチューブ53aにより減圧されて低温低圧となり、第一蒸発器14aに入り庫内空気と熱交換した後に、気液分離器54a、第一キャピラリチューブ53a内の冷媒と熱交換する熱交換部57a、冷媒合流部55を流れ、圧縮機24に戻る。
第二蒸発器14bにより製氷室3、冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6を冷却する場合は、冷媒制御弁52を、流出口52b側に冷媒が流れる「状態2」に制御する。流出口52bから流出した冷媒は、第二キャピラリチューブ53bにより減圧されて低温低圧となり、第二蒸発器14bに入り庫内空気と熱交換した後に、気液分離器54b、第二キャピラリチューブ53b内の冷媒と熱交換する熱交換部57b、逆止弁56、冷媒合流部55の順に流れ、圧縮機24に戻る。逆止弁56は冷媒合流部55から第二蒸発器14b側に向かう流れを阻止するように配設している。
図8は、切替室背面側に設けられる断熱仕切壁を示す分解斜視図である。なお、図8では、冷却器である第二蒸発器14bを含む部材も併せて図示している。
図8に示すように、断熱仕切ダクトプレート400(風路構成部材)は、断熱仕切壁27と、ダンパダクト部材300と、を備えて構成されている。
断熱仕切壁27は、前パネル210、後パネル220、発泡断熱材230を備えて構成されている。また、断熱仕切壁27は、第一切替室5(図2参照)と第二切替室6(図2参照)との後方に、跨るように配置される。なお、発泡断熱材230は、ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)によって構成されたものであり、予め発泡成形され、前パネル210と後パネル220との間に配設されている。なお、発泡断熱材230に代えて真空断熱材を設けてもよい。発泡断熱材230は、前パネル210、後パネル220の開口212,214,222,223に対向する(前後方向で重なる)領域に開いた開口(不図示)を備えている。
前パネル210は、合成樹脂製であって、正面視において略矩形状の板部211を有している。また、前パネル210には、上部に開口面積が大きく形成された矩形状の開口212が形成されている。また、前パネル210には、開口212の近傍に、内箱10b(図4参照)の内壁面に向けて開口212よりも開口面積の小さい開口213(第一切替室第二吐出口111b、図4参照)が形成されている。この開口213は、板部211に突出して形成された突出部211aの側面に形成され、第一切替室5の左側面に向けて冷気が吐出される。
また、前パネル210は、板部211の下部に開口面積が大きく形成された矩形状の開口214が形成されている。また、前パネル210には、開口214の近傍に、内箱10b(図4参照)の内壁面に向けて開口214よりも開口面積の小さい開口215(第二切替室第二吐出口112b、図4参照)が形成されている。この開口215は、板部211に突出して形成された突出部211bの側面に形成され、第二切替室6の左側面に向けて冷気が吐出される。
また、板部211には、下部の開口214,215の上方かつ上部の開口212,213の下方に、断熱仕切壁30が嵌合して取り付けられる溝部216が形成されている。この溝部216は、板部211の左右方向の一端から他端にかけて全体に形成されている。このように、断熱仕切壁27は、上下に並んだ第一切替室5と第二切替室6とに跨るように切替室の背面に配置されている。
また、板部211には、溝部216の上方に、第一切替室戻り口111cが形成されている。また、板部211には、溝部216の下方に、第二切替室戻り口112cが形成されている。
また、板部211の前面には、開口212を覆うように吐出口形成部材111(図4参照)が取り付けられている。また、板部211の前面には、開口214を覆うように吐出口形成部材112(図4参照)が取り付けられている。
後パネル220は、合成樹脂製であって、正面視において略矩形状の板部221を有している。また、後パネル220には、前パネル210の開口212と対向する位置に開口222が形成されている。また、後パネル220には、前パネル210の開口214に対向する位置に開口223が形成されている。また、後パネル220には、第一切替室戻り口111cと連通する戻り連通路224が形成されている。また、後パネル220には、第二切替室戻り口112cと連通する戻り連通路225が形成されている。
また、後パネル220には、前側から見て右端に、上下方向に延びる冷凍室戻り風路120dが形成されている。この冷凍室戻り風路120dは、戻り連通路224と連通している。また、後パネル220の上部には、冷凍室戻り風路120dと連通する冷凍室戻り口120cが形成されている。
ダンパダクト部材300は、第二蒸発器14bによって生成された冷気を第二ファン9b(図3参照)によって取り込み、前パネル210の開口212,213から第一切替室5に冷気を吐出させ、また開口214,215から第二切替室6に冷気を吐出させるように構成されている。また、ダンパダクト部材300は、上部から製氷室3および冷凍室4に冷気を導入するように構成されている。また、ダンパダクト部材300は、前面側に配置される前ケース310と、後面側(背面側)に配置される後ケース320と、が組み合わせて構成されている。
また、ダンパダクト部材300は、前面上部の、開口212に対応する位置に矩形の開口312a(吹出口)と、開口213に対応する位置に矩形の開口312b(吹出口)と、が形成されている。開口312aの開口面積は、開口312bの開口面積よりも大きく形成されている。
また、ダンパダクト部材300は、前面下部の、開口214に対応する位置に矩形の開口312a(吹出口)と、開口215に対応する位置に矩形の開口312b(吹出口)と、が形成されている。開口312aの開口面積は、開口312bの開口面積よりも大きく形成されている。
また、前パネル210には、第一切替室5に対応する側に面ヒータH10が設けられている。また、後パネル220には、冷凍室戻り風路120dの内壁に面ヒータH11が設けられている。これにより、冷凍室戻り風路120d内に霜が付着するのを防止することができる。また、ダンパダクト部材300には、第二ファン9bに対向する内壁に、面ヒータH12が設けられている。これにより、ダンパダクト部材300に霜や水が溜るのを防止でき、さらに第二ファン9bに霜が付着するのを防止できる。
図9は、風路構成部材を取り付ける前の状態の庫内を示す斜視図である。なお、図9では、内箱10bに樋23が固定され、樋23の上方に第二蒸発器14bが配置された状態を示している。また、図9は、断熱仕切ダクトプレート400からダンパダクト部材300を取り外した断熱仕切壁27を図示している。
図9に示すように、冷蔵庫1の内箱10bには、断熱仕切ダクトプレート400が取り付けられる前に、樋23が取り付けられる。この樋23は、内箱10bの内壁の背面に固定される。また、樋23は、第二蒸発器14bなどから除霜水を受ける受皿23dを有している。受皿23dは、第二蒸発器14bの左右方向の幅よりも左右方向に長く形成されている。また、受皿23dは、左右両端から左右方向の中央に向けて下るように傾斜する傾斜面部23e,23eが形成され、除霜水などが受皿23dの中央に集まるようになっている。また、受皿23dは、左右方向の中央に第二排水管23c(図2参照)と接続される排出口23fが形成されている。
樋23の受皿23dには、前方を向く前面部23gが形成されている。この前面部23gは、左端から右端にかけて形成されている。また、樋23の左端には、前方に向かうにつれて下方に延びる傾斜面部23hが形成されている。また、樋23の右端にも同様に、前方に向けて下方に延びる傾斜面部23h(図14参照)が形成されている。それぞれの傾斜面部23hは、前記前面部23gよりも後方に位置しかつ上方に位置している。また、傾斜面部23hと前面部23gとは連続した面で形成され、傾斜面部23hと前面部23gとの境界にコーナ部(角部)23rが形成されている。
図10は、風路構成部材を示す背面斜視図である。なお、図10は、断熱仕切壁27にダンパダクト部材300が組み込まれた断熱仕切ダクトプレート400(風路構成部材)を示している。
図10に示すように、断熱仕切ダクトプレート400は、左右方向の右側(右端)に冷凍室戻り風路120dが上下方向に延びて形成され、左側にダンパダクト部材300が配置されている。冷凍室戻り風路120dとダンパダクト部材300との間には、第二蒸発器14bが配置される第二蒸発器室8bが形成されている。第二蒸発器14b(図9参照)によって生成された冷気は、第二ファン9bによってダンパダクト部材300の開口321cから吸い込まれ、適宜、第一切替室5、第二切替室6、製氷室3、冷凍室4に送られる。
断熱仕切ダクトプレート400の背面には、左端において上端から鉛直下方に向けて延びる縦縁部401a、前方に向かうにつれて下降する傾斜縁部(傾斜面)401b、鉛直下方に延びる縦縁部401cが形成されている。なお、縦縁部401a、傾斜縁部401bおよび縦縁部401cは、所定の幅の面を有して構成されている。なお、断熱仕切ダクトプレート400の背面には、前記した左端の縦縁部401a,401cや傾斜縁部401bと同様に、右端にも、縦縁部401a、傾斜縁部(傾斜面)401bおよび縦縁部401cが形成されている。なお、右端の縦縁部401aは、冷凍室戻り風路120dの背面としても構成されている。
断熱仕切ダクトプレート400の背面には、下端において左右方向に延びる面を有する横縁部401dが形成されている。また、断熱仕切ダクトプレート400の背面には、上端において左右方向に延びる面を有する横縁部401e,401eが形成されている。また、断熱仕切ダクトプレート400の背面には、横縁部401e,401e間に、左右方向に延びる横縁部401fが形成されている。この横縁部401fは、ダンパダクト部材300の背面によって構成されている。
図11は、風路構成部材に弾性シール材を取り付けた状態を示す背面図である。
図11に示すように、断熱仕切ダクトプレート400には、シール性を有する弾性シール材S1,S2,S3,S4が設けられる。なお、弾性シール材S1~S4としては、例えば軟質ウレタンフォームによって構成することができる。また、弾性シール材S1~S4は、例えば、圧縮されていない(つぶされていない)初期状態から50%程度まで圧縮されることで(つぶされることで)シール性を確保することができる特性を有するものである。
弾性シール材S1は、縦縁部401aに沿って配置される弾性シール材S1a、傾斜縁部401bに沿って配置される弾性シール材S1bおよび縦縁部401cに沿って配置される弾性シール材S1cを有している。弾性シール材S2は、弾性シール材S1と同様に、縦縁部401aに沿って配置される弾性シール材S2a、傾斜縁部401bに沿って配置される弾性シール材S2bおよび縦縁部401cに沿って配置される弾性シール材S2cを有している。なお、以下では、弾性シール材S1a~S1cをまとめて弾性シール材S1とし、弾性シール材S2a~S2cをまとめて弾性シール材S2とする。
弾性シール材S3は、横縁部401dに沿って配置されている。弾性シール材S4は、横縁部401e,401f,401eに沿って配置されている。弾性シール材S4は、横縁部401eと横縁部401fに跨って配置されている。
このように、弾性シール材S1~S4は、断熱仕切ダクトプレート400の背面の上下左右の縁部全体に四角枠状に配置されている。また、弾性シール材S1~S4の境界部(角部)には、弾性シール材S1~S4が設けられない領域が形成されないように隙間なく配置されている。
図12は、風路構成部材に弾性シール材を取り付けた状態を示す側面図である。なお、弾性シール材S1,S2は、略左右対称な形状であるので、以下では、弾性シール材S2が設けられる側について説明し、弾性シール材S1が設けられる側については説明を省略する。
図12に示すように、弾性シール材S2aは、縦縁部401aに沿って略鉛直方向に配置されている。縦縁部401aは、弾性シール材S2aの前方に位置している。弾性シール材S2bは、傾斜縁部401bに沿って傾斜して(前方に向かうにつれて下降するように)配置されている。傾斜縁部401bは、弾性シール材S2bの前方に位置している。弾性シール材S2cは、縦縁部401cに沿って鉛直方向に配置されている。縦縁部401cは、弾性シール材S2cの前方に位置している。なお、弾性シール材S1a~S1cについても、弾性シール材S2a~S2cと同様に構成されている。
また、図12に示す弾性シール材S2は、圧縮されていない(つぶされていない)状態であり、縦縁部401a、傾斜縁部401bおよび縦縁部401cから後方に向けて膨らんだ状態である。このように、弾性シール材S2が膨らんだ状態(付勢されていない状態)で取付面(後記する内箱10bおよび樋23)に押し付けられ、そして弾性シール材S2がつぶされるように取り付けられることでシール性が発揮されるようになっている。
傾斜縁部401bの上端401uは、溝部216よりも下方に位置している。また、傾斜縁部401bの水平方向に対する角度αは、30度程度に設定されている。なお、角度αは、断熱仕切ダクトプレート400の取付時に弾性シール材S2をつぶす方向に作用するものであれば、30度よりも大きい角度であっても、小さい角度であってもよい。
図13は、風路構成部材と樋とを組み付けた状態を示す背面図である。
図13に示すように、樋23は、断熱仕切ダクトプレート400の左右方向の幅と同じ幅を有して構成されている。なお、図13は、断熱仕切ダクトプレート400の下部が樋23と前後方向(紙面垂直方向)に重なった状態であり、傾斜縁部401b(図12参照)および縦縁部401c(図12参照)が後方から見えない状態である。
また、樋23の背面には、上端において左右方向に水平に延びる横縁部23pが形成されている。この横縁部23pには、該横縁部23pに沿って、前記した弾性シール材S1~S4と同様な材質の弾性シール材S5が配置されている。この弾性シール材S5は、左端から右端にかけて全体に延在している。また、弾性シール材S5は、縦縁部401aと傾斜縁部401b(図12参照)との境界部の高さに位置している。このような弾性シール材S5は、該弾性シール材S5が膨らんだ状態(付勢されていない状態)で取付面(後記する内箱10b)に押し付けられ、弾性シール材S5がつぶされるようにして内箱10bにねじ固定されることでシール性が発揮されるようになっている。
このように、断熱仕切ダクトプレート400と樋23とが組み合わされた状態では、背面から見たときに、弾性シール材S1a,S2a,S4,S5によって四角枠状に配置されている。
図14は、風路構成部材と樋とを組み付けた状態を示す側面図である。なお、図14では、内箱10bの背面10b1(内壁面)を破線で簡略化して示している。また、説明の便宜上、内箱10bの背面10b1を断熱仕切ダクトプレート400および樋23から離して示している。
図14に示すように、断熱仕切ダクトプレート400は、内箱10bの背面10b1に樋23が固定された後に取り付けられる。また、断熱仕切ダクトプレート400には、予め弾性シール材S1~S4が貼り付けられている。樋23は、予め弾性シール材S5を介して内箱10bの背面10b1にねじ固定されている。弾性シール材S5を設けることで、第二蒸発器14bからの冷気が樋23の外部下方に漏れ出ないようになっている。断熱仕切ダクトプレート400は、内箱10bの背面10b1に対して前方(正面側)から後方に向けて庫内に挿入され、一部が内箱10bに接するように、他部が樋23に接するようにして取り付けられる。
縦縁部401aに設けられた弾性シール材S2aは、内箱10bの背面10b1に当接する。傾斜縁部401bに設けられた弾性シール材S2bは、樋23の傾斜面部23hに当接する。縦縁部401cに設けられた弾性シール材S2cは、前面部23gの左右両端の面に対して当接する。なお、弾性シール材S1a~S1cが設けられる側は弾性シール材S2a~S2cが設けられる側と同様に構成されている。
また、横縁部401d(図10参照)に設けられた弾性シール材S3は、全体が前面部23gに当接する。また、横縁部401e,401e,401f(図10参照)に設けられた弾性シール材S4は、全体が内箱10bの背面10b1に当接する。
このように、弾性シール材S1a,S2a,S4は、断熱仕切ダクトプレート400が樋23に対向する領域外に設けられている。このように、弾性シール材S1,S2,S4を樋23に対向する領域外に設けることで、第二蒸発器14bによって生成された冷気が領域外の隙間から漏れ出るのを抑えることができる。
この場合、断熱仕切ダクトプレート400は、内箱10bに対して、ねじ(不図示)と係止部500を介して固定される。ねじ固定部は、溝部216よりも上部において複数個所に設けられている。また、ねじは、断熱仕切ダクトプレート400の前方から後方に向けて内箱10bに螺着される。このようにねじの軸方向を水平方向にすることで、ねじ孔からの水の浸入を抑えている。
係止部500は、断熱仕切ダクトプレート400の下端部において係止される。また、係止部500は、溝部216よりも下方に位置している。また、係止部500は、傾斜縁部401bに配置される弾性シール材S2bの前端p1よりも前方に位置している。また、係止部500は、縦縁部401cに配置される弾性シール材S2cの前端p2よりも前方に位置している。
図15は、係止部を示す拡大断面図である。
図15に示すように、係止部500は、樋23に設けられる係止部材23sと、断熱仕切ダクトプレート400に設けられる被係止部材210aとによって構成されている。
係止部材23sは、樋23の前面部23gに水平方向(前後方向)の前方に延びる弾性板部23iを有している。弾性板部23iは、前面部23gに対して片持ち支持され、前面部23gを支点として上下方向に撓み変形するように構成されている。
また、係止部材23sは、弾性板部23iの先端に、該弾性板部23iから上方に突出する突起部23mが形成されている。この突起部23mは、突出高さが前パネル210の下面210bよりも上方に位置するように構成されている。この場合、前パネル210の前面210sが突起部23mの後面23m1と面接触するようになっている。
また、係止部材23sは、突起部23mの上端から前方に向けて下降する傾斜板部23nが形成されている。この傾斜板部23nの前端(先端)は、吐出口形成部材112から前方に突出しない突出長さになるように構成されている。これにより、第二切替室6内に収納された食品などが係止部材23sに接触して、被係止部材210aとの係止状態が解除されるといった不具合を防止できる。また、係止部材23sは、突起部23mの後方に上下方向に貫通する係止孔23kが形成されている。
被係止部材210aは、断熱仕切ダクトプレート400の前パネル210の下面210bに下方に向けて突出して形成されている。また、被係止部材210aは、板状に形成され、前方に向けて下降する向きに傾斜するようにして突出している。また、被係止部材210aの前端210cは、前パネル210から突出しない突出長さになっている。また、被係止部材210aの傾斜方向と、傾斜板部23nの傾斜方向とは略一致している。また、この例では、傾斜角度も略一致している。
また、断熱仕切ダクトプレート400の後パネル220の下面には、テーパ220aが形成されている。このテーパ220aの面は、前方に向けて下降し、傾斜板部23nの傾斜方向と略一致している。
このように構成された係止部500によって、断熱仕切ダクトプレート400が内箱10bに取り付けられる場合、断熱仕切ダクトプレート400の後パネル220が傾斜板部23nに当接する。そして、断熱仕切ダクトプレート400がさらに後方に押圧されると、係止部材23sの弾性板部23iが下方に撓み変形する。このとき、後パネル220にテーパ220aが形成されていることで、傾斜板部23n上を摺動し易くなる。そして、断熱仕切ダクトプレート400がさらに後方に押圧されると、テーパ220aが突起部23mを乗り越える。そして、被係止部材210aが傾斜板部23nに接触し、係止部材23sの弾性板部23iがさらに下方に撓み変形する。そして、被係止部材210aが突起部23mを乗り越えると、弾性板部23iが上方に弾性復帰し、被係止部材210aが係止孔23kに挿入される。これにより、断熱仕切ダクトプレート400の下部が樋23に係止される。また、このとき、前パネル210の前面210sが突起部23mの後面23m1に面同士で接している。このため、断熱仕切ダクトプレート400は、図15に示す位置から前方へ移動できないようになっている。
なお、断熱仕切ダクトプレート400を内箱10bから取り外す場合には、傾斜板部23nを押し下げて、弾性板部23iを下方に撓み変形させる。これにより、被係止部材210aが係止孔23kから抜け出ることで、被係止部材210aを突起部23mより前方に移動させることができ、係止部500による係止状態を解除することができる。
図14に戻って、断熱仕切ダクトプレート400がねじ固定と係止部500によって内箱10bに固定されると、縦縁部401aに張り付けられた弾性シール材S2aが縦縁部401aと内箱10bとで挟まれる。このとき、弾性シール材S2aが50%程度の厚みになるまでつぶされることで(付勢されることで)、縦縁部401aと内箱10bとの間が密閉されてシール性が確保される。また、縦縁部401aが鉛直方向に延びて形成され、内箱10bが鉛直方向の面で形成されている。このため、断熱仕切ダクトプレート400の押圧方向(挿入方向)と、弾性シール材S2の圧縮方向とが一致するので、弾性シール材S2を圧縮させ易くなり、シール性を確保することが容易になる。
また、傾斜縁部401bに張り付けられた弾性シール材S2bが、傾斜縁部401bと樋23の傾斜面部23hとで挟まれる。このとき、弾性シール材S2bが50%程度の厚みになるまでつぶされることで(付勢されることで)、傾斜縁部401bと傾斜面部23hとの間が密閉されてシール性が確保される。
ところで、断熱仕切ダクトプレート400と樋23とが対向する面が、第1実施形態のような傾斜縁部401bではなく、互いに前後方向に水平に延びる面である場合には、断熱仕切ダクトプレート400を前方から後方に向けて挿入して樋23と接するように内箱10bに取り付けようとしても、弾性シール材を押しつぶす力を与えることができず、シール性を確保することができなくなる。そこで、第1実施形態では、傾斜縁部401bと傾斜面部23hとの組み合わせにすることで、傾斜縁部401bによって弾性シール材S2を押しつぶす方向に力を与えることができるようになり、シール性を確保できる。
詳述すると、図14に示すように、ねじ固定と係止部500によって断熱仕切ダクトプレート400を取り付けると、傾斜縁部401bからの押圧力によって傾斜面部23hに対して水平方向後ろ向きの力F1が作用する。このとき、傾斜面部23hに対して、弾性シール材S2bをつぶす方向(圧縮する方向)に分力が作用する。また、断熱仕切ダクトプレート400の自重により、傾斜縁部401bによって傾斜面部23hに対して鉛直方向下向きの力F2が作用する。このとき、傾斜面部23hに対して垂直な分力が作用することで、弾性シール材S2bをつぶす力(圧縮する力)が生じる。
また、断熱仕切ダクトプレート400は、係止部500が弾性シール材S2bの前端p1よりも前方に位置しているので、弾性シール材S2bが前方に戻る方向(シール性が低下する方向)への移動が規制されている。換言すると、傾斜縁部401bは、弾性シール材S2bによって付勢された状態を維持している。これにより、弾性シール材S2がつぶれた状態を維持することができ、時間の経過によるシール性の低下を抑制できる。
また、縦縁部401cに張り付けられた弾性シール材S2cは、縦縁部401cと樋23の前面部23gとで挟まれる。これにより、弾性シール材S2cが50%程度の厚みになるまでつぶされ、縦縁部401cと前面部23gとの間における隙間が密閉されてシール性が確保される。
また、傾斜縁部401bの下側に縦縁部401cを設けることで、傾斜縁部401bが前面部23gに当接して後方への移動が規制されるので、傾斜縁部401bが傾斜面部23hに対してスライド方向に移動するのが規制される。
また、図示していないが、横縁部401d(図11参照)に張り付けられた弾性シール材S3(図11参照)は、横縁部401dと前面部23gとで挟まれる。これにより、弾性シール材S3が50%程度の厚みになるまでつぶされ、横縁部401dと前面部23g(図9参照)との間における隙間が密閉されてシール性が確保される。
また、横縁部401e,401f(図11参照)に張り付けられた弾性シール材S4(図11参照)は、横縁部401e,401fと内箱10bの背面10b1とで挟まれる。これにより、弾性シール材S4が50%程度の厚みになるまでつぶされ、横縁部401e,401fと内箱10bの背面10b1(図14参照)との間における隙間が密閉されてシール性が確保される。
また、樋23の横縁部23p(図13参照)に設けられた弾性シール材S5は、樋23が内箱10bの背面10b1にねじ固定されることで、弾性シール材S5が50%程度の厚みになるまでつぶされ、横縁部23pと内箱10bの背面10b1との間における隙間が密閉されてシール性が確保される。
このように、弾性シール材S1a,S2a,S4を介して断熱仕切ダクトプレート400を内箱10bに固定し、また弾性シール材S5を介して樋23を内箱10bに固定し、また弾性シール材S1b,S1c,S2b,S2c,S3を介して断熱仕切ダクトプレート400を樋23に固定することで、第二蒸発器室8bの外部に冷気が漏れ出ることが抑えられる。つまり、第一切替室5や第二切替室6が冷蔵温度帯に設定された場合、第二蒸発器14bのマイナス20℃程度の冷気が第一切替室5や第二切替室6に漏れ出るのを防止できる。
図16は、樋の両端部分の内部構造を示す断面図である。なお、図16は、樋23の左右両端部を概略的に示す縦断面図である。
図16に示すように、樋23の傾斜面部23hの下方には、肉抜きされた空洞部23tが形成されている。この空洞部23tには、断熱材250が設けられている。なお、断熱材250としては、例えば、いわゆる発泡スチロール(発泡成形して所定の形状にしたもの)が配置されている。
ところで、第1実施形態の冷蔵庫1では、樋23と内箱10bの側面10b2との間に、第二切替室6が面している。このため、断熱が十分でないと、第二蒸発器室8b内の低温の冷気によって第二切替室6が冷却される。第二切替室6が冷蔵温度帯に設定されている場合には、第二切替室6を過度に冷却することになる(また無駄に冷却することにもなる)。そこで、図16に示したように、樋23の左右側面に形成された空洞部23tに断熱材250を設けることで、第二蒸発器室8bと第二切替室6との間における断熱を行うことができる。その結果として、第二切替室6が冷蔵温度帯の場合に第二切替室6内の食品が過度に冷却されるのを抑えることができる(適切な冷却を行うことができる)。
図17Aは、樋の右側面図である。図17Bは、図17AのA-A断面図、図17Cは、図17AのB-B断面図である。
図17Aに示すように、樋23の傾斜面部23hは、前方に向けて下るようにして傾斜している。
図17Bに示すように、樋23の傾斜面部23hは、傾斜方向(前後方向)の中央よりも前側では、表面23h1が左右方向において比較的水平になるように構成されている。また、図17Cに示すように、樋23の傾斜面部23hは、傾斜方向(前後方向)の中央よりも後側(高さが高い側)では、表面23h2が左右方向の右側(外側)から左側(内側)に向かうにつれて下るように傾斜している。換言すると、傾斜面部23hは、表面23h1,23h2がねじれた構造となっている。なお、樋23の左側の傾斜面部23h(図9参照)は、傾斜方向(前後方向)の中央よりも前側では、表面(23h1)が左右方向において比較的水平になるように構成されている。また、樋23の傾斜面部23h(図9参照)は、傾斜方向(前後方向)の中央よりも後側(高さが高い側)では、表面(23h2)が左右方向の左側(外側)から右側(内側)に向かうにつれて下るように傾斜している。
また、図示していないが、樋23の傾斜面部23hの表面23h1,23h2に対向して配置される断熱仕切ダクトプレート400の傾斜縁部401b(図10参照)についても、表面23h1,23h2に対応するようなねじれた形状となっている。すなわち、左右方向の右側の傾斜縁部401bは、傾斜方向(前後方向)の中央よりも前側では、表面が左右方向において比較的水平となり、傾斜方向(前後方向)の中央よりも後側では、表面(傾斜部)が左右方向の右側(外側)から左側(内側)に向かうにつれて下るように傾斜している。また、左右方向の左側の傾斜縁部401bは、傾斜方向(前後方向)の中央よりも前側では、表面が左右方向において比較的水平となり、傾斜方向(前後方向)の中央よりも後側では、表面(傾斜部)が左右方向の左側(外側)から右側(内側)に向かうにつれて下るように傾斜している。
これにより、第二蒸発器室8b内で発生した水が樋23の内側壁面23jに対して上方から流れ落ちてきたとしても、第二蒸発器室8b側から第二切替室6側に流れ出すことがない。
図18Aは、コーナ部における断面図、図18Bは、弾性シール材とリブとの関係を示す概略図である。
ところで、傾斜縁部401bと縦縁部401cとのコーナ部(角部)401pは、傾斜縁部401bと傾斜面部23hとの間隔や縦縁部401cと前面部23gとの間隔よりも広くなる。このため、弾性シール材S2を挟んだときにコーナ部401pにおいて弾性シール材S2を付勢する(圧縮する)力が弱くなり、シール性が損なわれるおそれがある。
そこで、第1実施形態では、図18Aに示すように、傾斜縁部401bと縦縁部401cとの境界のコーナ部401pに、傾斜面部23h(弾性シール材S2)に向けて突出するリブ401sを設けたものである。これによって、コーナ部401pにおける弾性シール材S2によるシール性の低下を抑えることができる。
また、図18Bに示すように、リブ401sの幅w1は、弾性シール材S2の幅w2よりも短く形成され、リブ401sの幅方向(長手方向)の両端部が弾性シール材S2から飛び出さないように構成されている。これによって、リブ401sと弾性シール材S2との隙間から第二蒸発器室8bの第二切替室6に漏れ出るのを抑えることができる。
以上説明したように、第1実施形態の冷蔵庫1では、冷蔵温度帯に切り替え可能な第一切替室5および第二切替室6と、第一切替室5および第二切替室6の後方に設けられる第二蒸発器14bと、を備える。また、冷蔵庫1は、第二蒸発器14bを収容するとともに第一切替室5および第二切替室6に冷気を導入する断熱仕切ダクトプレート400と、断熱仕切ダクトプレート400の下方に設けられる樋23と、断熱仕切ダクトプレート400および樋23に付勢された状態で取り付けられる弾性シール材S1~S5と、を備える。これによれば、弾性シール材S1a,S2a,S4,S5によって断熱仕切ダクトプレート400が内箱10bに対向する面を密閉できる。また、弾性シール材S1b,S1c,S2b,S2c,S3によって断熱仕切ダクトプレート400が樋23に対向する面を密閉できる。これにより、冷蔵温度帯の第一切替室5や冷蔵温度帯の第二切替室6に第二蒸発器14bの冷気が漏れ出るのを抑えることができる。また、第1実施形態では、弾性シール材S1~S5が付勢された状態で取り付けられるので、密閉性(シール性)が損なわれにくくなり、冷気の漏れを長期にわたって抑えることができ、省エネにも貢献する。
また、第1実施形態は、断熱仕切ダクトプレート400は、前方に向かうにつれて下降する傾斜縁部401bを有し、傾斜縁部401bは、弾性シール材S2bより前方に位置している(図14参照)。これによれば、断熱仕切ダクトプレート400によって弾性シール材S2bを前方から押圧することで、弾性シール材S2bをつぶす方向に付勢することができ、シール性を確保できる。
また、第1実施形態は、弾性シール材S2bは、傾斜縁部401bに沿って斜めに配置され、弾性シール材S2の前端p1よりも前方に、断熱仕切ダクトプレート400を樋23に係止させる係止部500を備える(図14参照)。これによれば、係止部500によって傾斜縁部401bの弾性シール材S2をつぶす方向に押圧することができ、シール性を確保できる。
また、第1実施形態は、弾性シール材S1a,S2a,S4は、断熱仕切ダクトプレート400に取り付けられるとともに、樋23に対向する領域外を含んで配置されている。これによれば、領域外において内箱10bに対向する部分においてシール性を確保することができる。
(第2実施形態)
図19は、第2実施形態に係る風路構成部材と樋とを組み付けた状態を概略的に示す側面図である。なお、図19は、右側面を図示している。
図19に示すように、第2実施形態の冷蔵庫は、断熱仕切ダクトプレート400A(風路構成部材)と、樋23Aと、を備えている。第2実施形態の場合には、先に断熱仕切ダクトプレート400Aが内箱10bの背面10b1に固定された状態において、冷蔵庫の正面側から樋23Aが取り付けられる。
断熱仕切ダクトプレート400Aの背面には、左端において上端から下端に向けて延びる縦縁部401gが形成されている。この縦縁部401gには、該縦縁部401gに沿って弾性シール材S10が設けられている。また、断熱仕切ダクトプレート400Aの背面には右端においても左端と同様に、上端から下端に向けて延びる縦縁部および弾性シール材が形成されている。また、断熱仕切ダクトプレート400Aの背面には、上端において水平に延びる横縁部およびこの横縁部に沿って配置される弾性シール材、下端において水平に延びる横縁部およびこの横縁部に沿って配置される弾性シール材が形成されている。
また、断熱仕切ダクトプレート400Aの下面には、後方に向かうにつれて下降する傾斜縁部401h(傾斜面)と、傾斜縁部401hの下端において水平方向に延びる横縁部401iが形成されている。樋23Aには、後方に向かうにつれて下降する傾斜面部23v、この傾斜面23vの下端において水閉方向に延びる後面部23wが形成されている。
傾斜縁部401hには、該傾斜縁部401hの傾斜に沿って弾性シール材S11が設けられている。また、横縁部401iには、弾性シール材S12が設けられている。また、傾斜縁部401hは、弾性シール材S11より後方に位置している。なお、図示省略するが、適宜、弾性シール材が設けられ、断熱仕切ダクトプレート400Aと背面10b1との間、断熱仕切ダクトプレート400Aと樋23Aとの間が、封止されるように構成されている。
断熱仕切ダクトプレート400Aと樋23Aとは、係止部500Aによって係止される。この係止部500Aは、弾性シール材S11の後端p3よりも後方において、樋23Aを断熱仕切ダクトプレート400Aに係止させるものである。
このように構成された断熱仕切ダクトプレート400Aと樋23Aの構造では、予め断熱仕切ダクトプレート400Aが背面10b1にねじ固定された後、樋23Aが断熱仕切ダクトプレート400Aにねじ固定と係止部500Aによって固定される。このとき、樋23Aによって弾性シール材S11が50%程度につぶされることで、傾斜縁部401hが弾性シール材S11から付勢された状態で取り付けられる。これにより、傾斜縁部401hと傾斜面部23vとの間が密閉され、シール性が確保される。
以上説明したように、第2実施形態では、断熱仕切ダクトプレート400Aは、後方に向かうにつれて下降する傾斜縁部401hを有する。この傾斜縁部401hは、弾性シール材S11より後方に位置している。これにより、断熱仕切ダクトプレート400Aが背面10b1に固定された状態において樋23Aを取り付ける際に、傾斜縁部401hにおいて弾性シール材S11をつぶす方向に力を与えることができ、シール性を確保することができる。
また、第2実施形態は、弾性シール材S11は、傾斜縁部401hに沿って斜めに配置さていれる。弾性シール材S11の後端p3よりも後方に、樋23Aを断熱仕切ダクトプレート400Aに係止させる係止部500Aを備える。これによれば、樋23Aを弾性シール材S11を介して断熱仕切ダクトプレート400Aに取り付けたときに、弾性シール材S11による付勢力(弾性力)が低下する方向に樋23Aが移動するのを規制することができる。
以上、本実施形態について図面を参照しながら説明したが、本実施形態は前記の内容に何ら限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、本実施形態では、貯蔵室として第一切替室5と第二切替室6を備えた冷蔵庫1を例に挙げて説明したが、第二蒸発器14b(冷却器)の前方に設けられる貯蔵室が冷蔵温度帯の貯蔵室(例えば、野菜室)を備えた冷蔵庫に適用してもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態では、断熱仕切ダクトプレート400,400Aに弾性シール材を配置した場合を例に挙げて説明したが、樋23,23Aに弾性シール材を配置する構成であってもよく、断熱仕切ダクトプレート400Aと樋23の双方に弾性シール材を配置する構成であってもよい。
また、第1実施形態では、係止部500を用いて固定する場合を例に挙げて説明したが、係止部500に替えてねじ固定によって固定するようにしてもよい。