JP7345965B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両等に搭載される内燃機関を制御する制御装置に関する。
周知の通り、停止している内燃機関を始動するにあたっては、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトを電動機により回転駆動しつつ、インジェクタから燃料を噴射してこれを気筒において燃焼させ、クランクシャフトの回転を加速するクランキングを行う。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、クランクシャフトの回転速度即ちエンジン回転数が内燃機関の冷却水の温度等に応じて定まる判定値を超えたときに、完爆したものと見なして終了する。
何れかの気筒の吸気バルブ及び排気バルブがともに開いているバルブオーバラップ状態で内燃機関の回転が停止した場合、その停止期間中に当該気筒を経由して排気通路側から吸気通路側に排気が逆流することがあり得る。さすれば、吸気通路内の酸素濃度の低下が起こる。にもかかわらず、内燃機関の始動に際して、スロットルバルブの開度及び燃料噴射量を平常通りに設定すると、気筒の燃焼室に供給される酸素量が不足して燃料の燃焼の不安定化または失火を招来し、内燃機関の回転が加速せず、ひいては始動遅延または始動不良を招く懸念が生じる。
そこで、バルブオーバラップ状態で停止した内燃機関を始動するときには、吸気絞り弁であるスロットルバルブを所定の開度まで拡開操作した上でクランキングを実行し、吸気通路内に残留する排気を掃気する(例えば、下記特許文献を参照)。
特開2015-183522号公報
だが、吸気通路の掃気のために必要十分な吸気絞り弁の開度は、恒常的に一定ではないと考えられる。クランキング中の吸気絞り弁の開度が小さいと、吸気通路が充分に掃気されず、内燃機関の始動が遅れることとなる。逆に、クランキング中の吸気絞り弁の開度が過剰に大きいと、完爆後にエンジン回転数が吹き上がり、不必要に燃料を消費してしまう。
内燃機関の始動遅延または始動不良の要因は、内燃機関の停止期間中の排気の逆流に限られない。具体例を挙げると、ポート噴射式の内燃機関では、インジェクタから噴射した燃料が液状となって吸気ポートの内壁や吸気バルブの弁体等に付着するポートウェットが生じる。内燃機関の暖機が完了する前に停止した場合、そのポートウェットの燃料が多く残存し、これが停止期間中に気化して、吸気通路内の酸素濃度が相対的に低下する、即ち始動時の空燃比がリッチになる。
内燃機関の停止期間中に、インジェクタから微量の燃料が漏洩する油密漏れが発生することもある。この油密漏れによっても、始動時の空燃比がリッチ化する。
また、気筒の吸気バルブまたは排気バルブの弁体と弁座との間に、燃料、潤滑油またはそれらの不完全燃焼生成物の堆積物であるデポジットが噛み込むと、気筒の圧縮行程において気筒から混合気が漏出する。その帰結として、始動時の燃焼の不安定化または失火、あるいはエンジントルクの低下が起こり、内燃機関の始動遅延または始動不良へと繋がる。
本発明は、内燃機関の始動遅延または始動不良の要因に対して適切に対処し、始動性を向上させることを所期の目的としている。
上述の課題を解決するべく、本発明では、停止している内燃機関を始動するにあたり、その始動に不利となると考えられる特定の条件が成立している場合、そうでない場合と比較して、内燃機関の始動のためのクランキング中における吸気絞り弁の開度をより拡大し、クランキング中における気筒に連なる吸気通路内の吸気圧が大気圧またはその近傍となるようにする内燃機関の制御装置を構成した。具体的には、前回の内燃機関の始動後に冷却水温が所定値以上に上昇する前に内燃機関の運転が停止されたとき、及び/または、前回の内燃機関の始動後所定時間が経過する前に内燃機関の運転が停止されたときに、前記特定の条件が成立したものとする。なお、前記特定の条件が成立している場合、そうでない場合と比較して、内燃機関の始動のためのクランキング中及び/またはクランキング終了直後の時期の燃料噴射量を減量することがある。また、前記特定の条件が成立している場合、そうでない場合と比較して、内燃機関の始動のためのクランキング中及び/またはクランキング終了直後の時期の点火タイミングをより進角することがある。前記特定の条件が成立している場合の補正制御は、エンジン回転数が所定値以上に上昇し、またはクランキングの開始時点若しくは終了時点から所定時間が経過した時点にて終了する。ここで、クランキングの終了後すぐに運転者がシフトレバーを非走行レンジから走行レンジへと操作し内燃機関と車軸とを接続する場合には、そうでない場合と比較して、前記エンジン回転数と比較する所定値をより低下させ、または前記クランキングの開始時点若しくは終了時点からの経過時間と比較する所定時間をより短縮する。
本発明によれば、内燃機関の始動性をより一層向上させることができる。
本発明の一実施形態における車両用内燃機関及びその制御装置の概略構成を示す図。 同実施形態における車両の駆動系の構成を示す図。 同実施形態の制御装置がプログラムに従い実行する処理の手順例を示すフロー図。 同実施形態の制御装置が実施する制御の内容を例示するタイミング図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、ポート噴射式の4ストローク火花点火エンジンであり、複数の気筒1(例えば、三気筒。図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、当該気筒1の吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部にそれぞれ、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起する。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、吸気絞り弁である電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、排気通路4を流れる排気の一部を吸気通路3に還流させて吸気に混交する外部EGRを実現するものである。このEGR装置2は、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、特にサージタンク33に接続している。
内燃機関には、各気筒1の少なくとも吸気バルブの開閉タイミングを可変制御できるVVT(Variable Valve Timing)機構5が付帯することがある。吸気バルブタイミングを調節するためのVVT機構5は、例えば、各気筒1の吸気バルブを駆動するカムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を液圧(潤滑油圧)によって変化させるベーン式のものや、電動機によって変化させる電動式のもの(モータドライブVVT)である。周知の通り、カムシャフトは、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトから回転駆動力の供給を受け、クランクシャフトに従動して回転する。クランクシャフトとカムシャフトとの間には、回転駆動力を伝達するための巻掛伝動装置(図示せず)が介在している。巻掛伝動装置は、クランクシャフト側に設けたクランクスプロケット(または、プーリ)と、カムシャフト側に設けたカムスプロケット(または、プーリ)と、これらスプロケット(または、プーリ)に巻き掛けるタイミングチェーン(または、タイミングベルト)とを要素とする。VVT機構5は、カムシャフトをカムスプロケットに対し相対的に回動させることを通じて、カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を変化させ、以て吸気バルブの開閉タイミングを変更する。
排気バルブの開閉タイミングを調節するためのVVT機構は、例えば、各気筒1の排気バルブを駆動するカムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を液圧や電動機によって変化させるものである。なお、このVVT機構は存在しないことがあり、その場合、排気バルブタイミングは不変である。
図2に、車両が備える駆動系の一例を示す。このトランスミッションは、トルクコンバータ7及び自動変速機8、9を備えてなる。本実施形態では、自動変速機8、9の構成要素として、遊星歯車機構を含む前後進切換装置8、及びベルト式CVT9を採用している。
内燃機関が出力するエンジントルクは、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトからトルクコンバータ7の入力側のポンプインペラ71に入力され、出力側のタービンランナ72に伝達される。タービンランナ72の回転は、前後進切換装置8を介してCVT9の駆動軸94に伝わり、CVT9における変速を経て従動軸95を回転させる。従動軸95の回転は、出力ギア101に伝達される。出力ギア101は、デファレンシャル装置のリングギア102と噛合し、デファレンシャル装置を介して車軸(ドライブシャフト)103、及び車軸103に取り付けられた駆動輪を回転させる。
トルクコンバータ7は、ロックアップ機構を備える。ロックアップ機構は、トルクコンバータ7の入力側と出力側とを相対回転不能に締結するロックアップクラッチ73と、ロックアップクラッチ73を断接切換駆動するための作動液圧(油圧)を制御するロックアップソレノイドバルブ(図示せず)とを要素とする。
前後進切換装置8は、そのサンギア81がタービンランナ72と連絡し、リングギア82が駆動軸94と連絡している。プラネタリギア831を支持するプラネタリキャリア83と変速機ケースとの間には、断接切換可能な液圧クラッチたるフォワードブレーキ84を介設している。また、プラネタリキャリア83とサンギア81(または、トルクコンバータ7の出力側)との間にも、断接切換可能な液圧クラッチたるリバースクラッチ85を介設している。
走行レンジのうちのDレンジでは、フォワードブレーキ84を締結し、リバースクラッチ85を切断する。これにより、トルクコンバータ7の出力軸の回転が逆転されかつ減速されて駆動軸94に伝達され、前進走行となる。翻って、Rレンジでは、リバースクラッチ85を締結し、フォワードブレーキ84を切断する。これにより、サンギア81とプラネタリキャリア83とが一体的に回転し、トルクコンバータ7の出力軸と駆動軸94とが直結して後進走行となる。
非走行レンジのうちのNレンジでは、フォワードブレーキ84及びリバースクラッチ85をともに切断する。Pレンジでは、車軸103が動かないようにこれを機械的にロックする。
CVT9は、この分野では既知のもので、駆動軸94に相対回転不能に支持させた駆動プーリ91と、駆動軸94と平行に配された従動軸95に相対回転不能に支持させた従動プーリ92と、駆動プーリ91及び従動プーリ92に巻き掛けられたベルト93とを備える。
駆動プーリ91は、駆動軸94に固定した固定シーブ911と、ベルト93を挟むように固定シーブ911に対向させて配置した可動シーブ912とを有する。可動シーブ912は、駆動軸94上にローラスプラインを介してその軸方向に変位可能かつ相対回転不能に支持させてある。可動シーブ912の背後、固定シーブ911と反対側には、駆動軸94に固定したシリンダを設け、そのシリンダと可動シーブ912と間に液圧室913を形成している。
従動プーリ91は、従動軸95に固定した固定シーブ921と、ベルト93を挟むように固定シーブ921に対向させて配置した可動シーブ922とを有する。可動シーブ922は、従動軸95上にローラスプラインを介してその軸方向に変位可能かつ相対回転不能に支持させてある。可動シーブ922の背後、固定シーブ921と反対側には、従動軸95に固定したシリンダを設け、そのシリンダと可動シーブ922と間に液圧室923を形成している。
ベルト式CVT9では、駆動プーリ91及び従動プーリ92の各液圧室913、923に供給される作動液圧(作動油圧)が制御され、各プーリ91、92におけるベルト93を挟む溝の幅が変更されることにより、駆動プーリ91と従動プーリ92とのプーリ比、換言すればCVT9が具現する変速比が連続的に無段階で変更される。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。ECU0は、複数基のECUまたはコントローラが、CAN(Controller Area Network)等の電気通信回線を介して相互に通信可能に接続されてなるものであることがある。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、内燃機関のクランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサ(エンジン回転センサ)から出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求されるエンジン負荷率またはエンジントルク)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、気筒1に連なる吸気通路3(特に、サージタンク33または吸気マニホルド34)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関の冷却水の温度(内燃機関の温度を示唆する)を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、シフトポジション即ちシフトレバー(セレクタレバー)の位置を検出するセンサまたはスイッチから出力されるシフトポジション信号f、車両が所在する場所の大気圧を検出する大気圧センサから出力される大気圧信号g、車体における内燃機関を収容するエンジンコンパートメント(または、エンジンルーム)内の温度を検出する温度センサから出力されるエンジンコンパートメント温度信号h等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l、VVT機構5に対して吸気バルブ及び/または排気バルブの開閉タイミングの制御信号m、ロックアップクラッチ73の断接切換用のロックアップソレノイドバルブに対して開度操作信号t、フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85の断接切換用のソレノイドバルブに対して開度操作信号u、CVT9の液圧サーボ913、923を操作するための変速コントロールバルブに対して制御信号v等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に吸入される空気量を推算する。そして、吸入空気量に見合った要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率(または、EGRガス量)、吸気バルブタイミング及び/または排気バルブタイミング、トルクコンバータ7のロックアップを行うか否か、前後進切換装置8による内燃機関と車軸103(トルクコンバータ7の出力軸とCVT9の駆動軸94)との接続/被接続、CVT9が具現する変速比等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、m、t、u、vを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、停止した内燃機関を始動(冷間始動であることもあれば、アイドリングストップからの再始動であることもある)するに際して、電動機(スタータモータまたはISG(Integrated Starter Generator)。図示せず)に制御信号oを入力し、当該電動機によりクランクシャフトを回転駆動しながら燃料噴射及び火花点火を行うクランキングを実行する。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、エンジン回転数が内燃機関の冷却水温等に応じて定まる完爆判定値を超えたときに、内燃機関が完爆したものと見なして終了する。通常、完爆判定値は、始動時の内燃機関の冷却水温が低いほど高く設定する。
内燃機関の始動のためのクランキング中のクランクシャフトの回転の加速を遅らせる、即ち内燃機関の始動遅延または始動不良を招く具体的要因としては、以下が考えられる:
(i)何れかの気筒1の吸気バルブ及び排気バルブがともに開いているバルブオーバラップ状態で内燃機関の回転が停止し、その停止期間中に当該気筒1を経由して排気通路4側から吸気通路3側に排気が逆流(煙突効果や、外部から排気通路4の終端部のマフラに吹き込む風の影響による)し、クランキングを開始する時点で気筒1に連なるサージタンク33または吸気マニホルド34内にその排気が残留している場合。サージタンク33または吸気マニホルド34内の酸素濃度が低下し、クランキングの開始当初にそのような吸入空気が気筒1に吸引される
(ii)内燃機関の停止前にインジェクタ11から噴射した燃料が液状となって吸気ポートの内壁や吸気バルブの弁体等に付着するポートウェットが生じ、内燃機関の停止時点でそのポートウェットの燃料が多く残存する場合。これが内燃機関の停止期間中に気化して、サージタンク33または吸気マニホルド34内の酸素濃度が低下(空燃比がリッチ化)し、クランキングの開始当初にそのような吸入空気が気筒1に吸引される
(iii)内燃機関の停止期間中に、インジェクタ11から燃料が漏洩する油密漏れが発生している場合。この油密漏れによっても、サージタンク33または吸気マニホルド34内の酸素濃度が低下(空燃比がリッチ化)し、クランキングの開始当初にそのような吸入空気が気筒1に吸引される。
(iv)内燃機関の停止直前、停止時またはクランキング中に、何れかの気筒1の吸気バルブまたは排気バルブの弁体と弁座との間にデポジットが噛み込んだ場合。クランキング中の気筒1の圧縮行程において気筒1から混合気が漏出することとなる
これらの要因に対処するべく、図3に示すように、本実施形態のECU0は、内燃機関を始動するにあたり、その始動に不利となると考えられる特定の条件が成立している場合(ステップS1)、そうでない場合と比較して、クランキング中におけるスロットルバルブ32の開度をより拡大し、クランキング中におけるサージタンク33または吸気マニホルド34内の吸気圧を大気圧に近づける(ステップS2)。
ステップS1にて、ECU0は、以下のうちの何れか少なくとも一つの判断処理を行う:
・前回の内燃機関の始動後に冷却水温が所定値以上に上昇する前に内燃機関の運転が停止されたとき、及び/または、前回の内燃機関の始動後所定時間が経過する前に内燃機関の運転が停止されたときに(つまりは、充分に暖機される前に内燃機関が停止した)、特定の条件(特に、(ii))が成立したと判断する
・内燃機関が停止するときのクランクシャフト及びカムシャフトの角度をクランク角センサ(MRE(MagnetoResistive Effect)センサであることが好ましい)の出力信号bを参照して知得することにより、特定の条件(特に、(i))が成立しているか否かを判断する
・前回の内燃機関の停止時及び/または今回の内燃機関の始動のためのクランキングの開始時の冷却水温が所定範囲内にあり、前回の内燃機関の停止から今回の内燃機関の始動のためのクランキングの開始までの経過時間が所定範囲内にあるときに、特定の条件(特に、(ii)または(iii))が成立したと判断する。内燃機関の運転が停止している期間の長さは、当該停止期間中にイグニッションスイッチがOFFにされてECU0への通電が遮断されている場合、ECU0自身によって計時することができない。そこで、前回の内燃機関の停止時の冷却水温と、今回の内燃機関の始動のためのクランキングの開始時の冷却水温との差分の大きさに基づいて、前回の停止時から今回のクランキングの開始時までの経過時間の長さを推測する。基本的に、両者の差分が大きいほど経過時間が長いと考えられる
・内燃機関の停止時のエンジンコンパートメント内の温度が所定値以上に高く、及び/または、前回の内燃機関の停止から今回の内燃機関の始動のためのクランキングの開始までの経過時間が所定値よりも短い場合に、特定の条件(特に、(iii))が成立したと判断する。内燃機関の停止時のエンジンコンパートメント内の温度が高いと、インジェクタ11に燃料を供給する燃料系の温度が低下しにくく、燃料の圧力が高いままとなって、油密漏れが起こりやすくなる。エンジンコンパートメント内の温度は、サージタンク33または吸気マニホルド34内の吸気温を検出する吸気温センサの出力信号dを参照して推測してもよい。即ち、内燃機関の前回の停止時及び/または今回の始動のためのクランキングの開始時の吸気温を、そのときのエンジンコンパーメント内の温度であると見なす。また、前回の停止時の吸気温と、今回の始動のためのクランキングの開始時の吸気温との差分の大きさに基づいて、前回の停止時から今回のクランキングの開始時までの経過時間の長さを推測することもできる。両者の差分が大きいほど、経過時間が長いと考えられる
図4に、本実施形態のECU0が内燃機関の始動のためのクランキング中及びクランキング終了(始動完了)直後の時期に実施する制御の内容を示している。図4中、実線はステップS1の特定の条件が成立していない場合の平常の制御を表し、破線はステップS1の特定の条件が成立している場合の制御を表している。時点t0はクランキングの開始時点、時点t1はクランキングの終了(完爆)時点である。時点t2は、エンジン回転数が所定値以上に上昇した時点、または、クランキングの開始時点若しくは終了時点から所定時間が経過した時点である。
特定の条件が成立している場合、そうでない場合と比較してスロットルバルブ32の開度を拡大操作することにより、クランキング中に吸気通路3を流れる空気の流量を増加させ、気筒1に連なるサージタンク33及び吸気マニホルド34を掃気するとともに、気筒1に充填される酸素量を増加させる。クランキング中に実施するステップS2では、サージタンク33または吸気マニホルド34内の吸気圧と、車両が現在所在している場所の大気圧との差分が所定値以下に収まるように、スロットルバルブ32の開度を設定する。このとき、吸気圧信号dを参照して知得する吸気圧と、大気圧信号gを参照して知得する大気圧との偏差を縮小するようにスロットルバルブ32の開度を操作するフィードバック制御を実行してもよい。
また、ステップS2により、デポジットの噛み込みによる圧縮漏れが生じていたとしても、気筒1に充填される混合気の量を増加させ、圧縮圧力を増大させることができる。総じて、クランキング中及びクランキング終了直後の時期における燃焼の安定化を図り、クランクシャフトの回転速度を速やかに加速させることができる。
特定の条件が成立している場合には、そうでない場合と比較して、クランキング中及び/またはクランキング終了直後の時期の燃料噴射量を減量する(ステップS3)。さらに、特定の条件が成立している場合には、そうでない場合と比較して、クランキング中及び/またはクランキング終了直後の時期の点火タイミングをより進角する(ステップS4)。
ステップS2ないしS4の補正制御は、エンジン回転数が所定値以上に上昇し、またはクランキングの開始時点若しくは終了時点から所定時間が経過した時点t2にて終了し(ステップS5)、その後は平常の制御へと移行する(ステップS6)。
なお、クランキングの終了後すぐに運転者がシフトレバーを非走行レンジから走行レンジへと操作し、内燃機関と車軸103とを接続する(前後進切換装置8がトルクコンバータ7の出力軸とCVT9の駆動軸94とを連結する)ことがあり得る。その場合には、そうでない場合と比較して、ステップS5におけるエンジン回転数と比較する所定値をより低下させ、または経過時間と比較する所定時間をより短縮する。これにより、補正制御を早期に終了し、車両が飛び出すように加速することを予防ないし抑制する。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、内燃機関の吸気通路3に、スロットルバルブ32とともに吸気絞り弁としてアイドルスピードコントロールバルブが設置されているならば、内燃機関の始動のためのクランキング中の制御のステップS2において、このアイドルスピードコントロールバルブの開度を拡大する操作を行うことで、吸気通路3から気筒1に向かって流れる吸入空気の流量を増加させ、気筒1に連なるサージタンク33または吸気マニホルド34内の吸気圧を大気圧に近づけることができる。周知の通り、アイドルスピードコントロールバルブは、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の上流側と下流側とを連通するバイパスを開閉する流量制御弁である。
その他、各部の具体的な構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
3…吸気通路
32…スロットルバルブ(吸気絞り弁)
4…排気通路
b…クランク角信号
c…アクセル開度信号
d…吸気温・吸気圧信号
e…電圧/電流信号
f…冷却水温信号
i…点火信号
l…EGRバルブの開度操作信号

Claims (2)

  1. 停止している内燃機関を始動するにあたり、その始動に不利となると考えられる特定の条件が成立している場合、そうでない場合と比較して、内燃機関の始動のためのクランキング中における吸気絞り弁の開度をより拡大し、クランキング中における気筒に連なる吸気通路内の吸気圧を大気圧に近づける内燃機関の制御装置であって、
    前回の内燃機関の始動後に冷却水温が所定値以上に上昇する前に内燃機関の運転が停止されたとき、または前回の内燃機関の始動後所定時間が経過する前に内燃機関の運転が停止されたときに、前記特定の条件が成立したものとし、
    前記特定の条件が成立している場合、そうでない場合と比較して、内燃機関の始動のためのクランキング中またはクランキング終了直後の時期の燃料噴射量を減量し、
    前記特定の条件が成立している場合におけるクランキング中の吸気絞り弁の開度の拡大並びにクランキング中またはクランキング終了直後の時期の燃料噴射量の減量は、エンジン回転数が所定値以上に上昇し、またはクランキングの開始時点若しくは終了時点から所定時間が経過した時点にて終了することとし、
    クランキングの終了後すぐに運転者がシフトレバーを非走行レンジから走行レンジへと操作し内燃機関と車軸とを接続する場合には、そうでない場合と比較して、前記エンジン回転数と比較する所定値をより低下させ、または前記クランキングの開始時点若しくは終了時点からの経過時間と比較する所定時間をより短縮する内燃機関の制御装置。
  2. 停止している内燃機関を始動するにあたり、その始動に不利となると考えられる特定の条件が成立している場合、そうでない場合と比較して、内燃機関の始動のためのクランキング中における吸気絞り弁の開度をより拡大し、クランキング中における気筒に連なる吸気通路内の吸気圧を大気圧に近づける内燃機関の制御装置であって、
    前回の内燃機関の始動後に冷却水温が所定値以上に上昇する前に内燃機関の運転が停止されたとき、または前回の内燃機関の始動後所定時間が経過する前に内燃機関の運転が停止されたときに、前記特定の条件が成立したものとし、
    前記特定の条件が成立している場合、そうでない場合と比較して、内燃機関の始動のためのクランキング中またはクランキング終了直後の時期の点火タイミングをより進角し、
    前記特定の条件が成立している場合におけるクランキング中の吸気絞り弁の開度の拡大並びにクランキング中またはクランキング終了直後の時期の点火タイミングの進角は、エンジン回転数が所定値以上に上昇し、またはクランキングの開始時点若しくは終了時点から所定時間が経過した時点にて終了することとし、
    クランキングの終了後すぐに運転者がシフトレバーを非走行レンジから走行レンジへと操作し内燃機関と車軸とを接続する場合には、そうでない場合と比較して、前記エンジン回転数と比較する所定値をより低下させ、または前記クランキングの開始時点若しくは終了時点からの経過時間と比較する所定時間をより短縮する内燃機関の制御装置。
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