JPWO2008120704A1 - フッ素含有排水の処理装置および処理方法 - Google Patents

フッ素含有排水の処理装置および処理方法 Download PDF

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ラジブ ゴエル
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Abstract

フッ素含有排水中のフッ素を高度に除去するとともに、比較的簡素な構造の沈殿槽によりSSの少ない処理水と高濃度の汚泥を得るフッ素含有排水の処理装置。フッ素含有排水とカルシウム化合物を添加した汚泥とを導入してフッ素とカルシウム化合物とを反応させる反応槽1と、該反応槽1の反応液に高分子凝集剤を添加する凝集槽2と、凝集処理水を固液分離する沈殿槽3と、分離された汚泥の一部にカルシウム化合物注入管4bから添加して反応槽1に返送する混合槽4とを備えている。沈殿槽4は、中央にフィードウェル10を備え、内周壁面に傾斜板13を備えている。

Description

発明の分野
本発明は、フッ素含有排水からフッ素を除去するためのフッ素含有排水の処理装置および処理方法に関する。
発明の背景
フッ酸含有洗浄液や、バッファードフッ酸含有エッチング剤を使用する半導体製造工程からの排水、排煙脱硫工程、アルミニウムの電解精錬工程、リン酸肥料の製造工程、ウラン精錬工程、表面処理洗浄工程等の排水には、フッ素がフッ化物イオンの形態で含有されている。
このようなフッ素含有排水中からフッ素を除去する方法として、従来から水酸化カルシウム等のカルシウム化合物をフッ素含有排水に添加して、フッ素をカルシウム化合物と反応させ、生成したフッ化カルシウムを高分子凝集剤により凝集させ、凝集物を沈降分離させる方法が用いられている。さらには、処理水質を向上させるために、カルシウム化合物とともにアルミニウム系無機凝集剤を添加する方法がある。
また、このような処理方法において、処理水質を向上させるとともに脱水性のよい汚泥を得る方法として、汚泥にカルシウム化合物を混合して循環し、スラッジブランケット型の固液分離槽で高速固液分離して、固液分離のための水面積負荷を大きくすることが提案されている(下記特許文献1)。
図6は、特許文献1記載のフッ素除去装置を示す系統図である。原水路60からの原水にアルミニウム化合物注入管60aからアルミニウム化合物を注入したのち、反応槽61に導入する。反応槽61では循環路66bから導入される汚泥とカルシウム化合物の混合反応物が原水に添加され、フッ化カルシウムおよび水酸化アルミニウムを含む析出物が析出する。反応槽61内の液は凝集槽62に移送され、凝集剤注入管62aから高分子凝集剤が注入され、凝集反応によってフロックを生成させる。凝集槽62内のフロックを含む液は、固液分離槽63のフィードウェル64に導入される。フィードウェル64の底面中央に鉛直管64aが接続され、この鉛直管64aの下端にディストリビュータ65が取り付けられている。フィードウェル64、鉛直管64a及びディストリビュータ65は、鉛直管64aの中心軸を回転中心軸として、駆動装置(図示略)によって一体に回転されている。フィードウェル64内の液は、鉛直管64aを介してディストリビュータ65内に流入し、その開口部65aから槽63内に流出する。この開口部65aから流出した液は、槽63内を上昇し、これにより槽63内にスラッジブランケット63aが形成される。開口部65aから流出した液中のフロックは、スラッジブランケット63aに捕捉されて分離される。スラッジブランケット63aを通過した水は、溢流堰63bをオーバーフローし、処理水取出管63cから処理水として流出する。
固液分離槽63内で沈降したフロックを含む汚泥は、その一部が取出管67を介して系外に排出され、残部が循環路66aを介して混合槽68に導入される。この混合槽68において、注入管68aからカルシウム化合物が汚泥に添加され、撹拌される。この混合槽68内のカルシウム化合物を含んだ汚泥は、循環路66bを介して反応槽61に導入される。
特開平10−479号公報
上記特許文献1のフッ素含有排水の処理装置では、含水率の低い汚泥を得ることが可能ではあるが、汚泥濃度が10重量%以上の高濃度での運転を継続すると、ディストリビュータ65の内部や開口部65aで汚泥が閉塞し、連続運転が不可能となる問題があった。そのため、ディストリビュータ65を洗浄するメンテナンスを高頻度で行う必要がある。
また、ディストリビュータ65の内部や開口部65aが汚泥によって閉塞しないように10重量%以下の汚泥濃度で運転を行った場合には、フッ素を高度に除去するのに必要な量の汚泥を循環させるために、循環汚泥の流量を大きくとらなければならず、反応槽61、凝集槽62、固液分離槽63、混合槽68及び循環路66a,66bからなる汚泥循環部全体の容積を大きくせざるを得ず、コストがかかるとともに装置の設置面積が大きくなる。
また、特許文献1のようにディストリビュータ65を用いた固液分離槽63は、ディストリビュータ65がスラッジブランケット63aの中に潜った状態で使用される。そのため、ディストリビュータ65内で濃縮して固まった汚泥が装置の立ち上げ時に一気にスラッジブランケット63a内に放出される。これにより、汚泥が大きく巻き上げられ、処理水にSSが長時間にわたって流出する。
発明の概要
本発明は、フッ素含有排水中のフッ素を高度に除去することができるとともに、比較的簡素な構造の沈殿槽によりSS(懸濁物質)の少ない処理水と高濃度の汚泥を得ることができるフッ素含有排水の処理装置及び方法を提供することを目的とする。
第1態様のフッ素含有排水の処理装置は、フッ素含有排水とカルシウム化合物を添加した汚泥とを受け入れてフッ素とカルシウム化合物とを反応させる第1反応槽と、
該第1反応槽から反応液を移送し高分子凝集剤を添加して凝集を行う第1凝集槽と、
該第1凝集槽からの凝集処理液を固液分離する第1沈殿槽と、
該第1沈殿槽で分離された汚泥の一部を該第1反応槽に循環させる第1循環路と、
該第1循環路に設けられた混合槽と、
該第1混合槽にカルシウム化合物を添加するカルシウム化合物添加装置と
を有するフッ素含有排水の処理装置において、
該第1沈殿槽は、
槽体と、
該槽体の中央に設けられたフィードウェルと、
該槽体の内周壁面に設けられた傾斜板と、
該槽体の上部に設けられた溢流部と
を備えており、前記第1凝集槽からの凝集処理液が該フィードウェルから導入され、導入された液の少なくとも一部が、該槽体の内周壁面に沿って上昇し、該傾斜板により液中の凝集物が分離され、該溢流部から清澄水となって流出する
ことを特徴とするものである。
第2態様のフッ素含有排水の処理装置は、第1態様において、前記傾斜板は、略長方形の板状であり、その1つの長辺部分が前記槽体の内周壁面に接していることを特徴とするものである。
第3態様のフッ素含有排水の処理装置は、第1又は2態様において、前記傾斜板は、前記槽体の内周壁面の全周にわたって設けられていることを特徴とするものである。
第4態様のフッ素含有排水の処理装置は、第3態様において、傾斜板同士の槽体の内周壁面に沿う周方向の間隔が一定であることを特徴とするものである。
第5態様のフッ素含有排水の処理装置は、第4態様において、該間隔が5〜100cmであることを特徴とするものである。
第6態様のフッ素含有排水の処理装置は、第1ないし6態様のいずれかにおいて、前記傾斜板の傾斜角度すなわち水平面に対する仰角が45°〜80°であることを特徴とするものである。
第7態様のフッ素含有排水の処理装置は、第1ないし6態様のいずれかにおいて、さらに、
前記第1反応槽と前記第1凝集槽との間に設けられた第2反応槽と、
該第2反応槽にアルミニウム化合物を添加するアルミニウム化合物添加装置と
を備えており、
前記第1反応槽からの反応液が該第2反応槽内に導入され、アルミニウム化合物を添加され、この第2反応槽内の液が前記凝集槽に導入されることを特徴とするものである。
第8態様のフッ素含有排水の処理装置は、第7態様において、さらに、
前記第1沈殿槽からの処理水を受け入れる第3反応槽と、
該第1沈殿槽からの処理水にアルミニウム化合物又はリン酸含有排水を添加する手段と、
該第3反応槽内の液と、アルカリ剤を添加した汚泥とを受け入れる第4反応槽と、
該第4反応槽から反応液を移送し高分子凝集剤を添加して凝集を行う第2凝集槽と、
該第2凝集槽からの凝集処理液を固液分離する第2沈殿槽と、
該第2沈殿槽で分離された汚泥の一部を前記第4反応槽に循環させる第2循環路と、
該第2循環路に設けられた第2混合槽と、
該第2混合槽にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加装置と
を有しており、
該第2沈殿槽は、
槽体と、
該槽体の中央に設けられたフィードウェルと、
該槽体の内周壁面に設けられた傾斜板と、
該槽体の上部に設けられた溢流部と
を備えており、前記第2凝集槽からの凝集処理液が該フィードウェルから導入され、導入された液の少なくとも一部が、該槽体の内周壁面に沿って上昇し、該傾斜板により液中の凝集物が分離され、該溢流部から清澄水となって流出する
ことを特徴とするものである。
第9態様のフッ素含有排水の処理方法は、第1ないし8態様のいずれかに記載のフッ素含有排水の処理装置を用いたものである。
第10態様のフッ素含有排水の処理方法は、第9態様において、前記第1反応槽に返送する汚泥の汚泥濃度が12〜30重量%であることを特徴とするものである。
第11態様のフッ素含有排水の処理方法は、第8態様に記載のフッ素含有排水の処理装置を用いたフッ素含有排水の処理方法であって、前記第4反応槽に返送する汚泥の汚泥濃度が12〜30重量%であることを特徴とするものである。
本発明のフッ素含有排水の処理装置および処理方法にあっては、カルシウム化合物を添加した循環汚泥をフッ素含有排水に添加して、排水中のフッ素を固形物として析出させ、高分子凝集剤により凝集物として除去する。本発明では、内周壁面に傾斜板が設けられた比較的簡易な構造の沈殿槽を用いてこの凝集物を固液分離する。従って、沈殿槽における凝集物を含む汚泥による閉塞がなく、高度に濃縮された汚泥を得ることができる。
本発明によると、循環汚泥の流量を減少させても、沈殿槽から、SS(懸濁物質)が少ない処理水と高濃度の沈降汚泥を得ることができる。そのため、汚泥とカルシウム化合物を混合する混合槽、カルシウム化合物と混合された汚泥とフッ素含有排水中のフッ素を反応させる反応槽、反応槽からの反応液を高分子凝集剤により凝集させる凝集槽、および、凝集槽からの凝集処理液の固液分離を行う沈殿槽からなる汚泥循環部全体の容積を小さくすることができる。また、循環汚泥のポンプの容量を小さくすることができるため、装置の設置面積と設備コストを減少させることができる。
本発明の一態様では、フッ素含有排水とリン酸含有排水を混合した混合液に対し、カルシウム化合物を添加した汚泥を添加して反応させる。これにより、フッ素がリン酸およびカルシウムと反応してフルオロアパタイトとして析出するため、フッ素とリン酸を同時に除去することができる。また、沈殿槽から、より濃縮された汚泥が得られる。
実施の形態に係るフッ素含有排水の処理装置の系統図である。 図2aは図1のIIa−IIa線矢視図、図2bは図2aのIIb−IIb線断面図である。 第2の実施の形態に係るフッ素含有排水の処理装置の系統図である。 第3の実施の形態に係るフッ素含有排水の処理装置の系統図である。 第4の実施の形態に係るフッ素含有排水の処理装置の系統図である。 従来のフッ素含有排水の処理装置の系統図である。 実施例および比較例における装置立ち上げ時の処理水SSを示す図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るフッ素含有排水の処理装置の系統図、図2aは図1のIIa−IIa線矢視図、図2bは図2aのIIb−IIb線断面図である。
図1に示す実施の形態においては、第1反応槽1には原水路1f、循環路6bおよび移送路7が連絡しており、槽内液を急速撹拌する撹拌機1aが設けられている。第1凝集槽2には、移送路7、8および凝集剤注入管9が連絡しており、また槽内液を緩速撹拌する撹拌機2aが設けられている。
第1沈殿槽3には、その槽体12の中央部に、上下両端が開放した円筒状のフィードウェル10が設けられている。このフィードウェル10の上端部は、槽体12内の水面よりも上方に突出している。
このフィードウェル10の下端に対峙して、フィードウェル10の下端からの流出する水の流れ方向を放射方向とするためのプレート11が設けられている。このプレート11の形状は円板状、楕円板状、角形状等、どのような形状でも良いが、円板状が放射方向に一様な流れが形成される点で好ましい。プレート11の上面の槽体底面からの高さは20〜80cm、特に30〜50cmであることが好ましい。
槽体12の底面は略水平であり、底面の中央部には、沈降した汚泥を排出するためのピット状の排出部16が設けられている。この排出部16には、濃縮された汚泥の一部を抜出すための排泥路17と、残部を循環させるための循環路6aとが連絡している。
槽体12の内周壁面には多数の傾斜板13が設置されている。各傾斜板13は略長方形の平板状であり、その一長辺が槽体12の内周壁面に接するように設けられている。各傾斜板13同士の間隔は一定であることが好ましく、槽体12の内周壁面に沿う周方向の間隔は5〜100cm、特に10〜50cm程度であることが好ましい。図2aに示すように、各傾斜板13の傾斜角度θ(水平面に対する仰角)は、各傾斜板13で一定であることが好ましく、45゜〜80゜、特に55゜〜70゜程度であることが好ましい。傾斜板13は、槽中心部から見て左右どちら側に傾斜させてもよい。
傾斜板13は槽体12の内周壁面の全周にわたって設けられることが好ましい。傾斜板13の横幅L(図2b参照)は槽体12の半径の5〜30%程度が好適であり、5〜20%程度が特に好適である。各傾斜板13の横幅Lは等しいことが望ましい。
傾斜板13の上端は、槽体12の水面位よりも下方に位置し、下端はフィードウェル10の下端と同レベル程度か又は若干上位とすることが好ましい。傾斜板13の上端と下端とのレベル差は、槽体12の内周壁面の下端から水面位までの高さの20〜80%が好適であり、30〜60%程度が特に好適である。
槽体12の上部には、内周壁面に沿って溢流部としての溢流堰14が設けられている。
槽体12の底面付近には、汚泥を中心部にかき集めるためのレーキ(図示略)がフィードウェル10と同軸に設けられたレーキシャフト(図示略)により回転するように設けられている。
この実施の形態では槽体12は平面視形状が円形であるが、方形や三角形、五角形以上の多角形、楕円形状等であってもよい。
循環路6aは、汚泥にカルシウム化合物を混合するための混合槽4に連絡している。混合槽4は、循環路6bを介して反応槽1に連絡している。
混合槽4には、カルシウム化合物を混合槽4に内の汚泥に注入するカルシウム化合物注入管4bと、槽4内の汚泥を撹拌する撹拌機4aが設けられている。カルシウム化合物注入管4bに制御弁(図示略)を設け、反応槽1のpH値に応じて弁を開閉してカルシウム化合物の注入量を制御するのが好ましい。
この実施の形態におけるフッ素の除去方法は次のように行われる。まず、原水路1fからフッ素含有排水を反応槽1に導入するとともに、混合槽4内のカルシウム化合物が添加された汚泥を循環路6bを介して反応槽1に導入し、撹拌機1aで撹拌する。これにより、フッ素含有排水中のフッ素と、このカルシウム化合物とが反応し、フッ化カルシウムを含む固形物が生成する。反応槽1のpHは、硫酸や塩酸などのpH調整剤の添加によって4〜10となるように調整されることが好ましい。反応槽1は連続式であることが好ましいが、回分式でも半回分式でもよい。
生成した固形分を含んだ反応槽1内の液は、移送路7を介して凝集槽2に導入される。凝集槽2では凝集剤注入管9から高分子凝集剤を注入し、撹拌機2aにより緩速撹拌して、液中の析出物をフロック化させて凝集物(汚泥)とする。高分子凝集剤としては、アクリルアミドアクリル酸共重合物やポリアクリルアミド部分加水分解物等のアニオン性高分子凝集剤が好適に用いられる。高分子凝集剤の添加量は、排水中のフッ素含有量や循環路6a,6bからの汚泥返送比によっても異なるが、1〜10mg/L程度が好ましい。
凝集槽2内で凝集処理された液は、移送路8から沈殿槽3のフィードウェル10に導入される。フィードウェル10への液の導入は、フィードウェル10内で液が旋回しながら下降するように、フィードウェル10の接線方向とすることが好ましい。フィードウェル10内を下降し、フィードウェル10の下端から放出された液は、円板状のプレート11に沿って放射方向に流れの方向を変え、汚泥界面20付近を水平に流れる。フィードウェル10とプレート11との間から流出する液の水平方向の線速度は4〜10cm/s、特に5〜8cm/s程度とすることが好ましい。この水平方向の流れは、槽体12の内壁面に達した後、上向きに流れを変える。この上向流の液は、槽体12の内壁面の全周に沿って設けられた傾斜板13にぶつかり、各傾斜板13の間を斜め上向きに流れる。このように液が上向きに流れている間に、傾斜板13により液中の凝集物(汚泥)が固液分離され、汚泥は傾斜板13に沿って沈降する。傾斜板13により汚泥が分離された液は、溢流堰14をオーバーフローし、配管15から処理水として排出される。
傾斜板13により分離されて沈降した汚泥は、槽体12の下部で濃縮され、槽体12の底面付近に設けられた集泥レーキ(図示略)により排出部16に集められる。集泥レーキは、フィードウェル10の中心かつ同軸状に設けられたレーキシャフト(図示略)と接続され、このレーキシャフトが回転駆動機(図示略)により回転されることにより、槽体12の底面を周回して汚泥を集める。
集められた汚泥は、一部が排泥路17を介して排出されるとともに、残部が循環路6aを介して混合槽4へ送られる。混合槽4に送られた汚泥に、カルシウム化合物注入管4bからカルシウム化合物を注入し、撹拌機4aにより撹拌して混合することにより、汚泥の表面にカルシウム化合物を十分に吸着させる。このカルシウム化合物としては、消石灰や塩化カルシウム等を用いることができる。混合槽4においては、カルシウム化合物とともにアルカリ剤を適宜添加してもよい。アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、消石灰などを用いることができる。カルシウム化合物として消石灰を用いると、アルカリ剤と兼用することができる。
循環路6bから反応槽1へ返送される汚泥の濃度は12〜30重量%程度が好ましい。
カルシウム化合物を含む混合槽4内の汚泥は、循環路6bを介して反応槽1に返送される。反応槽1に導入された排水中のフッ化物イオンが、汚泥中のフッ化カルシウム粒子の表面で高密度なフッ化カルシウムとして析出する。
反応槽1における汚泥濃度は0.2〜10重量%であることが好ましく、0.4〜5重量%であることがより好ましい。反応槽1における汚泥濃度は、循環路6bからの汚泥返送比を調節することにより、制御することができる。原水の性状にもよるが、一般的な排水では、汚泥返送比を10〜50とすることにより、反応槽1の汚泥濃度を0.4〜10重量%とすることができる。汚泥返送比は、循環路6bを流れる汚泥の濃度及び流量と、原水路1fを流れる原水のSS(懸濁物質)の濃度及び流量とに基づき、次式により求めることができる。
汚泥返送比=(返送汚泥濃度×返送汚泥の流量)/(原水SS×原水流量)
反応槽1における汚泥濃度が0.2重量%未満であると、カルシウム化合物が付着した汚泥表面が少なくなるため、溶液中でフッ素とカルシウム化合物が反応してフッ化カルシウムを析出する割合が大きくなるため、水分子を抱き込んだ密度の小さい析出物が生成してしまい、含水率が高く、脱水性の悪い汚泥となってしまう。逆に、汚泥濃度が10重量%以上であると、汚泥を返送する動力が過大となるとともに、処理水のSS濃度が高くなってしまうため好ましくない。また、フッ化カルシウムの結晶化が進みすぎると、SSの粒径が細かくなり、沈降速度が低下する。
本発明においては、傾斜板13を有した沈殿槽を用いているため、上式の返送汚泥濃度を12〜30重量%と高濃度に安定して維持できるため、返送汚泥の流量を小さくすることができる。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るフッ素含有排水の処理装置の系統図である。この第2の実施の形態においては、第1反応槽1と凝集槽2の間に第2反応槽21を設け、この第2反応槽21に設けられたアルミニウム化合物注入管22からアルミニウム化合物が添加される。アルミニウム化合物としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アルミニウムシリカ無機高分子凝集剤、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムなどを用いることができる。これらの中では、硫酸アルミニウムとポリ塩化アルミニウムが凝集性能と取扱いやすさの面で好ましい。また、第1反応槽1と第2反応槽21にpH調整剤注入管24a、24bがそれぞれ設けられており、酸又はアルカリよりなるpH調整剤を添加可能に構成されている。第2反応槽21に撹拌機21aが設けられている。図3の実施の形態に係るフッ素含有排水の処理装置のその他の構成は、図1の実施の形態と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
この実施の形態においては、第1反応槽1はpH4〜11となるように、注入管4bからのカルシウム化合物の添加量およびpH調整剤注入管24aからのpH調整剤の添加量が制御される。第2反応槽21ではアルミニウム化合物注入管22からアルミニウム化合物が添加される。第2反応槽21においては、pH調整剤注入管24bから硫酸や塩酸等のpH調整剤が添加され、pH5〜10の範囲に調節されるのが好ましい。
この実施の形態においても好ましい汚泥返送比および反応槽1の好ましい汚泥濃度は図1の実施形態におけるものと同一である。
図3の実施の形態においては、第1反応槽1でフッ素含有排水とカルシウム化合物を添加した汚泥とを混合した後に第2反応槽21でアルミニウム化合物を添加するように構成されているため、フッ化カルシウムが生成した後に微細なフッ化カルシウムの凝集フロックを生成させることができ、処理水中のフッ素濃度を著しく低下させることができる。
図4は本発明の第3の実施の形態に係るフッ素含有排水の処理装置の系統図である。図4に示す実施の形態においては、図3と同様の構成を有した前段工程Iと、それに類似した後段工程IIとよりフッ素含有排水を処理している。
前段工程Iにおいては、図3に示される形態と同様にして、第1反応槽1においてフッ素含有排水中のフッ素イオンを返送汚泥表面のカルシウム化合物と反応させ、第2反応槽21においてアルミニウム化合物を添加することにより、フッ化カルシウムおよび水酸化アルミニウムを含む析出物を生成させ、この析出物を凝集槽2で凝集させ、凝集汚泥を沈殿槽3にて沈降分離し、一次処理水を得ている。
図4の実施の形態では、この沈殿槽3で得られた一次処理水を後段工程IIに導入し、第3反応槽30、第4反応槽41、第2凝集槽42、第2沈殿槽3Aおよび混合槽44にてさらに処理している。
この図4の実施の形態においては、前段工程Iの反応槽1のpHが4〜11となるように、注入管4bからのカルシウム化合物の添加量およびpH調整剤注入管24aからの硫酸等のpH調整剤の添加量を調整することが好ましい。第2反応槽21では、アルミニウム化合物注入管22を介してアルミニウム化合物が添加されるとともに、pH調整剤注入管24bを介して硫酸や塩酸等のpH調整剤が添加され、pH5〜11の範囲に調節されることが好ましい。
後段工程IIの第3反応槽30では、前段工程Iの沈殿槽3からの処理水が配管15を介して導入され、注入管31を介してアルミニウム化合物が添加されるとともに、pH調整剤注入管32を介して硫酸や塩酸等のpH調整剤が注入され、撹拌機で撹拌され、pH3〜7の範囲に調節される。
第3反応槽30からの処理水は第4反応槽41に導入される。第4反応槽41へは、混合槽44にてアルカリ剤と混合された汚泥が循環路46bから導入される。第4反応槽41のpHが5.5〜7.5の範囲となるように、混合槽44に添加されるアルカリ剤の量を調整することが好ましい。第4反応槽41のpHを5.5〜7.5に調整することにより、汚泥表面にフッ化カルシウムが効率よく析出する。
混合槽44に導入される汚泥には、フッ素イオンを取り込むのに十分なカルシウムが吸着されているため、混合槽44へは、カルシウム化合物ではなく、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤が注入管44aから添加される。
第4反応槽41からの処理水を第2凝集槽42に導入して高分子凝集剤を注入管49から添加し、凝集フロックを生成させる。凝集フロックを含んだ第2凝集槽42内の液は、第2沈殿槽3Aに導入され、固液分離処理される。第2沈殿槽3Aの構成は前記第2沈殿槽3と同一であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。第2沈殿槽3Aで沈降分離された汚泥は、一部が排泥路47から排出され、残部が循環路46aを介して混合槽44に移送される。第2沈殿槽3Aの溢流堰14をオーバーフローした2次処理水は、配管45を介して取り出される。
この実施の形態において、前段工程Iにて循環路6bを介して反応槽1に返送される汚泥の汚泥返送比および後段工程IIにて循環路46bを介して第4反応槽41に返送される汚泥の汚泥返送比はいずれも10〜50とするのが好ましい。このような汚泥返送比に設定することにより、反応槽1,41において結晶性のフッ化カルシウムが効率良く生成するようになるため、汚泥の沈降速度が速くなるとともに、汚泥の含水率が大幅に低減される。
図4の後段工程IIの第2沈殿槽3Aにおいても、前段工程の沈殿槽3と同様に傾斜板13が設けられており、含水率の低い汚泥が得られる。そのため、返送汚泥の汚泥流量を小さく設定でき、反応槽41や混合槽44を小型化することができる。
図5は第4の実施の形態に係るフッ素含有排水の処理装置の系統図である。図5に示す実施の形態における、図4の実施の形態との相違点は、後段工程IIの第3反応槽30に別の工程からのリン酸含有排水を導入し、フッ素を少量含む前段の処理水と混合するようにしたことである。
この実施の形態では、リン酸アルミニウムの生成を防止するため、後段工程IIの第3反応槽30においてはアルミニウム化合物を添加していない。また、この実施の形態では、混合槽44に後述の沈降性のよいフルオロアパタイトを生成させるために、カルシウム化合物を添加する。カルシウム化合物としては消石灰や塩化カルシウム等を用いることができ、消石灰を用いると注入管44aから注入されるアルカリ剤と兼用することができるため、好ましい。カルシウム化合物は、反応槽41に注入するようにしてもよい。図5の実施の形態に係るフッ素含有排水の処理装置のその他の構成は、図4の実施の形態と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
図5の実施の形態では、第3反応槽30において、前段工程Iからの1次処理水中に含まれる少量のフッ素と、リン酸含有排水中のリン酸と汚泥中のカルシウムとが反応し、フッ化カルシウムよりもさらに沈降性のよいフルオロアパタイトが生成する。フルオロアパタイトは、フッ化カルシウムよりも溶解度が著しく低い。そのため、排水中のフッ素イオンをフルオロアパタイトとして析出させることにより、2次処理水中のフッ素濃度を低く抑えることができる。
図5では第3反応槽30にてフッ素含有排水とリン酸含有排水とを混合させるように構成しているが、第3反応槽30に至るまでの配管15内で前段工程Iからの処理水に対しリン酸含有排水を添加するようにしてもよい。
第3反応槽30内の水中のフッ素に対するリン酸の重量比が10倍以上となるようにリン酸含有排水を添加すると、フルオロアパタイトの析出が良好となり、好適である。
半導体関連の製造工程においては、フッ素含有排水とリン酸含有排水が同時に排出されることがしばしばある。図5の実施の形態によれば、フッ素とリン酸の両方を同時に除去することができるとともに、処理水中のフッ素およびリン酸をそれぞれ単独で処理するよりも高度に除去することが可能となる。
図5の実施の形態において、前段工程Iにて循環路6a,6bを介して返送される汚泥の汚泥返送比および後段工程IIにて循環路46a,46bを介して返送される汚泥の汚泥返送比はいずれも10〜50とするのが好ましい。このような汚泥返送比に設定することにより、結晶性の汚泥を効率良く生成することができるため、沈降速度が速くなるとともに、汚泥の含水率が大幅に低減される。
図5の後段工程の沈殿槽3Aにおいても、前段工程の沈殿槽3と同様に傾斜板13が設けられており、含水率の低い汚泥が得られるため、返送汚泥の汚泥流量を小さく設定でき、反応槽41や混合槽44を小型化することができる。
図5の実施形態において、フルオロアパタイトを形成するのに必要なリン酸量が不足する場合には、反応槽30に適宜リン酸を添加してもよい。
上記実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもとりうる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において、フッ素濃度およびリン酸濃度はイオンメーター((株)堀場製作所、F−23)を用いて測定した。汚泥含水率は、汚泥約10gを秤取し、遠心分離機((株)コクサン、H−103N)を用いて、3,000rpmで60秒脱水して上澄水を取り除き、得られたケーキを汚泥乾燥機(栗田工業(株)、クリケット)を用いて110℃で1時間乾燥し、乾燥重量を測定して算出した。
実施例1
図1に示す装置を用いて、半導体製造工場から排出されたフッ素含有排水の処理を行った。このフッ素含有排水は、フッ素濃度200mg/L、pH2であり、1m/hrの流量で装置に導入した。各槽の容積は、反応槽200L、凝集槽50L、混合槽200Lとし、沈殿槽の水面積負荷は4m/hrとした。
反応槽のpHを6.5に保つように、注入管4bから混合槽4に消石灰の懸濁液を添加して汚泥と混合した。凝集槽2においては、高分子凝集剤(栗田工業(株)、アニオンポリマーPA311)を3mg/Lの添加量にて添加し、汚泥返送比25で処理を行った。定常状態に達したとき、反応槽1の汚泥濃度は1重量%であり、処理水のフッ素濃度は12mg/L、汚泥の含水率は35重量%であった。
実施例2
図3に示す装置を用いて、実施例1と同じフッ素含有排水の処理を行った。第2反応槽21の容積は200Lである。
原水流入量、その他の各槽の容積、及び沈殿槽の水面積負荷は、実施例1と同一とした。
実施例2においては、第2反応槽21において注入管22から40mg/Lの添加量にて硫酸アルミニウムを添加した。また、第2反応槽21のpHが6.5となるように注入管24bから水酸化ナトリウム水溶液を添加した。それ以外については実施例1と同じ条件で処理を行った。定常状態に達したとき、反応槽の汚泥濃度は1重量%であり、処理水のフッ素濃度は8mg/L、汚泥の含水率は36重量%であった。
実施例3
図4に示す装置を用いて、実施例1と同じフッ素含有排水の処理を行った。各槽の容積は、反応槽1、41が200L、凝集槽2、42が50L、混合槽4、44が200L、第2反応槽21が200L、第3反応槽30が200Lとし、沈殿槽3、3Aの水面積負荷は4m/hrとした。
反応槽1、41のpHを6.5に保つように、混合槽4に注入管4bから消石灰の懸濁液を添加し、混合槽44に注入管44aから水酸化ナトリウム水溶液を添加して汚泥と混合した。凝集槽2、42においては、高分子凝集剤(栗田工業(株)、アニオンポリマーPA311)を3mg/Lの割合で添加した。第3反応槽30へは注入管31から硫酸アルミニウム水溶液を硫酸アルミニウムとして100mg/Lの割合で添加すると共に、槽30内のpHが5.0となるように注入管32から塩酸を添加した。前段工程I及び後段工程IIともに汚泥返送比25で処理を行った。
原水流入量及びその他の処理条件は実施例2と同一とした。定常状態に達したとき、反応槽1の汚泥濃度は1重量%、第4反応槽41の汚泥濃度は0.3重量%であり、第2沈殿槽3Aから得られた2次処理水のフッ素濃度は4mg/L、汚泥の含水率は50重量%であった。
実施例4
図5に示す装置を用いて、実施例1と同じフッ素含有排水1m/hrの処理を行った。第3反応槽30では、リン酸濃度1wt%のリン酸含有排水(半導体製造工場廃水)を導入した。第3反応槽30でのリン酸濃度は180mg/Lであった。なお、当然ながら、第3反応槽30に硫酸アルミニウムは添加されない。また、混合槽44に注入管44aから注入するアルカリ剤は消石灰の懸濁液とした。その他の条件は実施例3と同様にして処理を行った。定常状態に達したとき、反応槽1の汚泥濃度は1重量%、第4反応槽41の汚泥濃度は0.8重量%であり、第2沈殿槽3Aにて得られた2次処理水中のフッ素濃度は2mg/L、リン酸濃度は1mg/L、汚泥の含水率は40重量%であった。
比較例1
図6に示す装置に、実施例1と同じフッ素含有排水を1m/hrにて導入して処理した。なお、図6では原水路60にてアルミニウム化合物を添加しているが、実施例1と同様にアルミニウム化合物の添加は行わなかった。その他の各条件については実施例1と同様とした。定常状態に達したとき、反応槽の汚泥濃度は1重量%であり、処理水のフッ素濃度は4mg/L、汚泥の含水率は55重量%であったが、処理水SSが20mg/Lと高かった。
比較例2
図4に示す装置において、沈殿槽3、3Aの代わりに図6のディストリビュータ型固液分離槽63を用いて、実施例1と同じフッ素含有排水1m/hrの処理を行った。その他の条件は実施例3と同様にして処理を行った。定常状態に達したとき、反応槽1の汚泥濃度は1重量%、第4反応槽41の汚泥濃度は0.3重量%であり、固液分離槽63にて得られた2次処理水のフッ素濃度は4mg/L、汚泥の含水率は55重量%であったが、処理水SSが15mg/Lと高かった。
実施例1〜4および比較例1、2の結果を表1に示す。なお、表1中の実施例3,4及び比較例2において、原水フッ素濃度とは第3反応槽30から第4反応槽41への流入水のフッ素濃度であり、また、反応槽汚泥濃度とは、第4反応槽41の汚泥濃度である。
表1の実施例1〜4と比較例1、2を比較すると、実施例1〜4は比較例1よりも返送汚泥の濃度が高く、返送する汚泥の流量を小さくすることができているため、その分汚泥循環部の容積をより小さくすることができることがわかる。実施例4では、フッ素含有排水とリン酸含有排水を混合して処理したため、リン酸排水を同時に処理できている上、汚泥含水率の低い汚泥が得られている。
実施例5
実施例1において、7日間連続運転した後、いったん運転を停止し、24時間後に運転を再開させた際の処理水SSを計測した。その結果を図7に示す。図7は横軸が運転再開後の経過時間(hr)、縦軸が処理水SS(mg/L)である。図7より実施例5では運転再開直後には若干処理水SSの悪化が見られるが、運転再開後1〜2時間程度で処理水SSは連続運転中と同程度の処理水SSに戻っており、運転再開時の汚泥の巻き上げがさほど大きくないことがわかる。
比較例3
比較例1において、7日間連続運転した後、いったん運転を停止し、24時間後に運転を再開させた際の処理水SSを計測した。その結果を図7に示す。図7より比較例2では運転再開直後に処理水SSが大幅に上昇しており、運転停止中にディストリビュータ内で濃縮された汚泥が噴出すことによる汚泥の巻き上げが起こっていることがわかる。また、処理水SSが連続運転中と同程度になるまでに3時間程度を要しており、立ち上げ後に長時間を要することがわかる。
上記実施例で示されるとおり、本発明は、フッ素含有排水中のフッ素を高度に除去し、汚泥の含水率を低下させることができ、装置全体をコンパクトにすることができる。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
なお、本出願は、2007年3月30日付で出願された日本特許出願(特願2007−090160)に基づいており、その全体が引用により援用される。
第1態様のフッ素含有排水の処理装置は、フッ素含有排水とカルシウム化合物を添加した汚泥とを受け入れてフッ素とカルシウム化合物とを反応させる第1反応槽と、
該第1反応槽から反応液を移送し高分子凝集剤を添加して凝集を行う第1凝集槽と、
該第1凝集槽からの凝集処理液を固液分離する第1沈殿槽と、
該第1沈殿槽で分離された汚泥の一部を該第1反応槽に循環させる第1循環路と、
該第1循環路に設けられた第1混合槽と、
該第1混合槽にカルシウム化合物を添加するカルシウム化合物添加装置と
を有するフッ素含有排水の処理装置において、
該第1沈殿槽は、
槽体と、
該槽体の中央に設けられたフィードウェルと、
該槽体の内周壁面に設けられた傾斜板と、
該槽体の上部に設けられた溢流部と
を備えており、前記第1凝集槽からの凝集処理液が該フィードウェルから導入され、導入された液の少なくとも一部が、該槽体の内周壁面に沿って上昇し、該傾斜板により液中の凝集物が分離され、該溢流部から清澄水となって流出する
ことを特徴とするものである。

Claims (11)

  1. フッ素含有排水とカルシウム化合物を添加した汚泥とを受け入れてフッ素とカルシウム化合物とを反応させる第1反応槽と、
    該第1反応槽から反応液を移送し高分子凝集剤を添加して凝集を行う第1凝集槽と、
    該第1凝集槽からの凝集処理液を固液分離する第1沈殿槽と、
    該第1沈殿槽で分離された汚泥の一部を該第1反応槽に循環させる第1循環路と、
    該第1循環路に設けられた混合槽と、
    該第1混合槽にカルシウム化合物を添加するカルシウム化合物添加装置と
    を有するフッ素含有排水の処理装置において、
    該第1沈殿槽は、
    槽体と、
    該槽体の中央に設けられたフィードウェルと、
    該槽体の内周壁面に設けられた傾斜板と、
    該槽体の上部に設けられた溢流部と
    を備えており、前記第1凝集槽からの凝集処理液が該フィードウェルから導入され、導入された液の少なくとも一部が、該槽体の内周壁面に沿って上昇し、該傾斜板により液中の凝集物が分離され、該溢流部から清澄水となって流出する
    ことを特徴とするフッ素含有排水の処理装置。
  2. 請求項1において、前記傾斜板は、略長方形の板状であり、その1つの長辺部分が前記槽体の内周壁面に接していることを特徴とするフッ素含有排水の処理装置。
  3. 請求項1又は2において、前記傾斜板は、前記槽体の内周壁面の全周にわたって設けられていることを特徴とするフッ素含有排水の処理装置。
  4. 請求項3において、傾斜板同士の槽体の内周壁面に沿う周方向の間隔が一定であることを特徴とするフッ素含有排水の処理装置。
  5. 請求項4において、該間隔が5〜100cmであることを特徴とするフッ素含有排水の処理装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記傾斜板の傾斜角度すなわち水平面に対する仰角が45°〜80°であることを特徴とするフッ素含有排水の処理装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、さらに、
    前記第1反応槽と前記第1凝集槽との間に設けられた第2反応槽と、
    該第2反応槽にアルミニウム化合物を添加するアルミニウム化合物添加装置と
    を備えており、
    前記第1反応槽からの反応液が該第2反応槽内に導入され、アルミニウム化合物を添加され、この第2反応槽内の液が前記凝集槽に導入されることを特徴とするフッ素含有排水の処理装置。
  8. 請求項7において、さらに、
    前記第1沈殿槽からの処理水を受け入れる第3反応槽と、
    該第1沈殿槽からの処理水にアルミニウム化合物又はリン酸含有排水を添加する手段と、
    該第3反応槽内の液と、アルカリ剤を添加した汚泥とを受け入れる第4反応槽と、
    該第4反応槽から反応液を移送し高分子凝集剤を添加して凝集を行う第2凝集槽と、
    該第2凝集槽からの凝集処理液を固液分離する第2沈殿槽と、
    該第2沈殿槽で分離された汚泥の一部を前記第4反応槽に循環させる第2循環路と、
    該第2循環路に設けられた第2混合槽と、
    該第2混合槽にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加装置と
    を有しており、
    該第2沈殿槽は、
    槽体と、
    該槽体の中央に設けられたフィードウェルと、
    該槽体の内周壁面に設けられた傾斜板と、
    該槽体の上部に設けられた溢流部と
    を備えており、前記第2凝集槽からの凝集処理液が該フィードウェルから導入され、導入された液の少なくとも一部が、該槽体の内周壁面に沿って上昇し、該傾斜板により液中の凝集物が分離され、該溢流部から清澄水となって流出する
    ことを特徴とするフッ素含有排水の処理装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のフッ素含有排水の処理装置を用いたフッ素含有排水の処理方法。
  10. 請求項9において、前記第1反応槽に返送する汚泥の汚泥濃度が12〜30重量%であることを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。
  11. 請求項8に記載のフッ素含有排水の処理装置を用いたフッ素含有排水の処理方法であって、前記第4反応槽に返送する汚泥の汚泥濃度が12〜30重量%であることを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。
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