JP7342645B2 - 円筒状成形体及びその製造方法 - Google Patents
円筒状成形体及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7342645B2 JP7342645B2 JP2019209837A JP2019209837A JP7342645B2 JP 7342645 B2 JP7342645 B2 JP 7342645B2 JP 2019209837 A JP2019209837 A JP 2019209837A JP 2019209837 A JP2019209837 A JP 2019209837A JP 7342645 B2 JP7342645 B2 JP 7342645B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ethylene
- polyolefin
- olefin copolymer
- mass
- cylindrical molded
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Description
特許文献1の変性ポリオレフィン組成物においては、密度が0.940~0.943g/cm3と高いため、結晶部が多く、硬度が高くなることから、管状成形体の曲げ伸ばし性や施工性の悪さが課題であった。また特許文献1に記載の変性ポリオレフィン組成物は密度が高いため、水冷冷却工程において大きく収縮し、凹み易い、外観が荒れやすい等の問題もあり、減圧工程が必要となる課題もあった。
特許文献2に記載のエチレン・α-オレフィン共重合体はエラストマーとしては柔らかいが、エチレン・α-オレフィン共重合体の結晶の融点が低いため、熱水通水時の瞬時の破裂が課題であった。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
本発明の円筒状成形体は、固化速度低下に伴う製品の外観不良や、膜厚不良の問題がなく、高温の水圧による破裂をも防止できるため、優れた外観を有すると共に、高温耐久性に優れる。
まず、本発明のポリオレフィン組成物について説明する。
以下、成分(A)を、「スチレン系熱可塑性エラストマー」と称する場合がある。
本発明のポリオレフィン組成物中のポリオレフィンの含有率が上記範囲内であれば、柔軟性及び外観の観点で好ましい。ポリオレフィンの含有率が上記上限値以下であれば、円筒状成形体として曲げやすく、上記下限値以上であれば、成形時に水冷した際に硬化しやすく円筒状成形体として優れた外観となる。
また、本発明のポリオレフィン組成物が不飽和シラン化合物を含む場合、不飽和シラン化合物の含有量は、エチレン・α-オレフィン共重合体とポリオレフィンの合計100質量部に対して、0.1~5.0質量部が好ましい。
過酸化物及び不飽和シラン化合物の含有量が上記下限以上であると、本発明の効果を奏するために必要な所定の変性量が得られる。一方、上記上限以下であると、未反応物が残留して性能に悪影響を及ぼす虞がない。
成分(A)の含有量が上記下限以上であると、架橋により圧縮永久歪が低下し押出成形時の外観が良好となる傾向がある。一方、成分(A)の含有量が上記上限以下であると、押出機に負荷がかからずに押出作業性が良好となる。
また、過酸化物、不飽和シラン化合物、及び後述の不飽和シアヌレート化合物を「架橋助剤成分」と称する場合がある。
また、本発明のポリオレフィン組成物をグラフト変性及び/又は架橋処理して得られるものを、「本発明の変性ポリオレフィン組成物」と称する場合がある。
エチレン・α-オレフィン共重合体は、エチレン単位とα-オレフィン単位を含み、かつその構成単位の合計に対し、エチレン単位の含有率が50質量%以上のものである。エチレン・α-オレフィン共重合体はこのようなものであればその種類は特に限定されず、公知のエチレン・α-オレフィン共重合体が適宜用いられる。
但し、エチレン・α-オレフィン共重合体の融解終了点が過度に高いと、成形昇温時の未溶融のブツや成形冷却時の早期結晶化(メルトフラクチャー)により外観不良となる虞があることから、エチレン・α-オレフィン共重合体の融解終了点は通常145℃以下である。エチレン・α-オレフィン共重合体の融解終了点は、後述の実施例の項に記載の方法で測定される。
これらの観点から、エチレン・α-オレフィン共重合体のMFRは、好ましくは0.1g/10分以上であり、より好ましくは0.5g/10分以上である。一方、好ましくは50g/10分以下であり、より好ましくは30g/10分以下である。
これらの観点から、エチレン・α-オレフィン共重合体のA硬度は、好ましくは40以上であり、より好ましくは50以上である。一方、好ましくは95以下であり、より好ましくは90以下である。
本発明で用いるポリオレフィンは、エチレン単位及び/又はα-オレフィン単位からなるものである。但し、本発明で用いるポリオレフィンは、前述のエチレン・α-オレフィン共重合体とは異なるものである。
ここで「主成分」とは、含有率が50質量%以上であることを示す。
但し、ポリオレフィンの融解終了点が過度に高いと、成形昇温時の未溶融のブツや成形冷却時の早期結晶化(メルトフラクチャー)により肌荒れ等の外観不良となる虞があることから、ポリオレフィンの融解終了点は通常180℃以下である。
ポリオレフィンの融解終了点は、後述の実施例の項に記載の方法で測定される。
これらの観点から、ポリオレフィンのMFRは、好ましくは0.1g/10分以上であり、より好ましくは0.5g/10分以上である。一方、好ましくは50g/10分以下であり、より好ましくは30g/10分以下である。
本発明で用いる不飽和シラン化合物は特に限定されないが、下記式(1)で表される不飽和シラン化合物が好適に用いられる。
RSi(R’)3 ・・・(1)
R’の炭素数1~10の炭化水素基は脂肪族基、脂環族基、芳香族基のいずれであってもよいが、脂肪族基であることが好ましい。また、R’の炭素数1~10のアルコキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましい。
R’が炭化水素基の場合、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基、i-ブチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基等のアリール基が挙げられる。
R’がアルコキシ基の場合、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、β-メトキシエトキシ基が挙げられる。
即ち、不飽和シラン化合物によりエチレン・α-オレフィン共重合体にグラフト変性されて導入されたアルコキシ基が、シラノール縮合触媒の存在下、水と反応して加水分解してシラノール基を生成させ、シラノール基同士が脱水縮合することにより、エチレン・α-オレフィン共重合体同士が結合して架橋反応が起こる。
本発明で用いる過酸化物は炭素ラジカルを発生させ、不飽和シラン化合物をエチレン・α-オレフィン共重合体にグラフト変性させるため、及び/又は、エチレン・α-オレフィン共重合体の水素を引き抜き、エチレン・α-オレフィン共重合体の架橋反応を促進するために用いられる。
有機過酸化物としては、例えば、キュメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、ジt-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ2エチルヘキサノエイト、2,5-ジメチル-2,5-ジt-ブチルパーオキシヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジt-ブチルパーオキシヘキシン-3、ジ(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド;ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエイト、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシエステル;シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイドが挙げられる。
本発明に用いる成分(A)は、ビニル芳香族化合物に由来する少なくとも2個の重合体ブロックPと、共役ジエン及び/又はイソブチレンに由来する少なくとも1個の重合体ブロックQとを有するブロック共重合体、並びに該ブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体からなる群の内の少なくとも1つのブロック共重合体である。本発明のオレフィン組成物及び変性ポリオレフィン組成物は、成分(A)を配合することにより、更なる永久歪低下と流動性向上の効果を得ることができる。
本発明のポリオレフィン組成物に成分(A)を用いる場合は、炭化水素系ゴム用軟化剤を併用することが好ましい。炭化水素系ゴム用軟化剤は本発明のポリオレフィン組成物及び変性ポリオレフィン組成物を軟化させ、柔軟性、弾性、加工性、流動性、永久歪の向上に寄与する。
本発明のポリオレフィン組成物には、上記成分の他に、その他の成分として各種の添加剤や成分(A)以外の樹脂等を本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
酸化防止剤は、ポリオレフィン組成物100質量部に対して、0.1~1質量部を含有させることが好ましい。
前記のエチレン・α-オレフィン共重合体及びポリオレフィンに、前記の不飽和シラン化合物、過酸化物と、必要に応じて成分(A)、更に炭化水素系ゴム用軟化剤を含む本発明のポリオレフィン組成物を、グラフト変性及び/又は化学架橋することにより、本発明の変性ポリオレフィン組成物を得ることができる。
溶融混練変性に用いられる装置としては、例えば、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサーが挙げられる。これらの中でも連続生産性に優れた単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機が好ましい。
炭素ラジカルの発生源としては、上述した電子線や電離放射線の他、高温度とする方法や、有機、無機過酸化物等のラジカル発生剤を用いることで行なうこともできる。コストや操作性の観点で有機過酸化物を用いることが好ましい。
本発明の変性ポリエチレン組成物を単軸スクリュー押出機又は二軸スクリュー押出機等で混練して製造する場合、通常140~240℃、好ましくは160~220℃に加熱した状態で溶融混練を行なうことができる。
不飽和シラン化合物と過酸化物との配合の割合は特に限定されないが、好ましい配合の割合は、不飽和シラン化合物100質量部に対し、過酸化物が1~20質量部である。不飽和シラン化合物に対する過酸化物の量が上記下限値以上であると、十分な量のラジカルが発生して必要な所定の変性量が得られやすく、また、上記上限値以下であるとエチレン・α-オレフィン共重合体及びポリオレフィンの劣化を抑えやすくなる傾向にある。
本発明のポリオレフィン組成物にシラノール縮合触媒を配合することにより、ポリオレフィン組成物中のシラン変性ポリオレフィンを分子間で架橋反応させることができる。
チタネートとしては、例えば、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニトリル)ジ-イソプロピルチタネートが挙げられる。
有機アミンとしては、例えば、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルソーヤアミン、テトラメチルグアニジン、ピリジンが挙げられる。
アンモニウム塩としては、例えば、炭酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドが挙げられる。
ホスホニウム塩としては、例えば、テトラメチルホスホニウムハイドロオキサイドが挙げられる。
無機酸及び有機酸としては、例えば、硫酸、塩酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸、トルエンスルホン酸、アルキルナフチルスルホン酸等のスルホン酸が挙げられる。
無機酸エステルとしては、例えば、エチルヘキシルリン酸エステル等のリン酸エステルが挙げられる。
シラノール縮合触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のポリオレフィン組成物において、不飽和シラン化合物を用いた場合、前述のシラノール縮合触媒を配合し、押出成形、射出成形、プレス成形等の各種成形方法により成形した後、水雰囲気中に曝すことにより、シラノール基間の架橋反応を進行させ、架橋ポリオレフィン組成物とすることができる。水雰囲気中に曝す方法は、各種の条件を採用することができ、水分を含む空気中に放置する方法、水蒸気を含む空気を送風する方法、水浴中に浸漬する方法、温水を霧状に散水させる方法等が挙げられる。
本発明の円筒状成形体は、本発明のポリオレフィン組成物を円筒状に成形して得ることができる。
円筒状成形体の層厚み(肉厚)は0.5~10mmが好ましい。層厚みが前記上限値以下であれば、押出冷却時に冷えやすく、巻取りしやすい。また前記下限値以上であれば、押出時に垂れにくく、内圧をかけても割れにくく耐久性に優れるものとなる。
本発明の円筒状成形体を製造する方法には特に制限はなく、例えば、本発明のポリオレフィン組成物のペレットをパイプ製造装置のホッパーに供給し、押出機中で加熱溶融し、ダイスから円筒状に押出し、冷却してパイプとする方法が挙げられる。
より具体的には、本発明のポリオレフィン組成物を例えば150~230℃の温度で押出機からダイスを通して押出し、サイジングを行なった後、冷却水槽で冷却し、引取り機を通して切断又は巻取る。
ダイスとしては、ストレートヘッドダイス、クロスヘッドダイス、オフセットダイス等いずれのタイプのものも利用できる。
サイジング方法は、サイジングプレート法、アウトサイドマンドレル法、サイジングボックス法、インサイドマンドレル法等のいずれの方法も利用できる。
本発明の円筒状成形体の用途は特に限定されないが、例えば、自動車用冷却水ホース、ゴムホース等の自動車用ホース部材;給水給湯、床暖房、ロードヒーティング、エコキュート及びエネファーム配管、食品及び各種産業工場用チューブ及び配管、自動販売機向け飲料チューブ、圧縮空気配送チューブ等の工業用円筒状成形体として好適に用いることができる。
尚、以下の記載において、「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。
本発明の実施例及び比較例では、以下の原料を用いた。
・PE-1:エンゲージ(登録商標)XLT8677
ダウ・デュポンエラストマー社製、メタロセン線状低密度ポリエチレン(エチレン・1-オクテン共重合体)、MFR:0.5g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度:0.87g/cm3、融解終了点:128℃、A硬度:50、タルク外添材あり
・PE-2:インフューズ(登録商標)9010
ダウ・デュポンエラストマー社製、メタロセン線状低密度ポリエチレン(エチレン・1-オクテン共重合体)、MFR:0.5g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度:0.88g/cm3、融解終了点:128℃、A硬度:77、外添材なし
・PE-3:エンゲージ(商標登録)7256
ダウ・デュポンエラストマー社製、メタロセン線状低密度ポリエチレン(エチレン・ブテン共重合体)、MFR:2.5g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度:0.89g/cm3、融解終了点:90℃、A硬度:85、外添材なし
・PE-4:三井EPT(登録商標)3072EM
三井化学社製、メタロセン触媒系EPDM、ムーニー粘度:51ML(予備加熱1分、及び回転後4分後の値)125℃
・PP-1:ノバテックPP(商標登録)FY6
日本ポリプロ社製プロピレン・エチレン共重合体、MFR:2.5g/10分(230℃、2.16kg荷重)、融解終了点:172℃
・PP-2:ゼラス(商標登録)7025
三菱ケミカル社製プロピレン・エチレン共重合体、MFR:2.5g/10分(230℃、2.16kg荷重)、融解終了点:168℃
・スチレン系熱可塑性エラストマー:アサプレン(登録商標)T411
旭化成社製、ポリスチレン/ブタジエン/スチレンブロックポリマー、MFR:0g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度:0.94g/cm3、ブロックPの質量割合:30質量%
・オイル:ダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW90
出光興産社製、石油系炭化水素、動粘度380mm2/s、密度(15℃):0.88g/cm3
・ビニルトリメトキシシラン:KBM-1003(信越化学社製)
・トリアリルイソシアヌレート:TAIC(日本化成社製)
・POX1:ジ(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、パーブチルP(日油社製)
・POX2:ジt-ブチルパーオキサイド、パーブチルD(日油社製)
・シラノール縮合触媒MB:LZ082
三菱ケミカル社製、1%錫触媒(ジオクチル錫ジラウレート)含有線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンのMFR:3g/10分(190℃、2.16kg荷重)、低密度ポリエチレンの密度:0.92g/cm3、低密度ポリエチレンの融解終了点:130℃
各種物性、特性の測定・評価方法は以下の通りである。
<融解終了点>
(株)日立ハイテクサイエンス社製の示差走査熱量計、商品名「DSC6220」を用いて、JIS K7121に準じて、試料約5mgを加熱速度100℃/分で20℃から200℃まで昇温し、200℃で3分間保持した後、冷却速度10℃/分で-10℃まで降温し、その後、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから補外ピーク終了点(℃)を算出し、融解終了点とした。
<メルトフローレート(MFR)>
JIS K7210(1999)に準拠して、190℃、10kg荷重にて測定した。
製造されたシート状の成形体を直径30mmの円形状に打ち抜き、これを6枚重ね、JIS K6253を参考して、試験温度23℃でASKER社製CL150を用いて測定した。
後述する材料を用いて、IKG社製PMS40パイプ成形機で設定温度200℃の条件で10Aパイプ(外径13mm、内径10mm、厚さ1.5mm)を成形した。その際の得られた水冷後のパイプの外観を目視で確認し以下の通り評価した。
OK:表面平滑で膜厚が均一
NG:表面に凹凸があり、膜厚が不均一
製造された円筒状成形体を長さ5mm×横5mmに切り出し、キシレン沸点にて10時間ソックスレー抽出した後の不溶分の割合(質量%)を測定した。
パイプクリープ破壊時間はISO9080を参考に周応力0.8MPa、温度95℃の条件で評価した。
エチレン・α-オレフィン共重合体としてPE-1を53部、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)を13部、ポリオレフィンとしてPP-1を20部、成分(A)としてスチレン系熱可塑性エラストマーを7部、炭化水素系ゴム用軟化剤としてオイルを7部、不飽和シラン化合物のビニルトリメトキシシランをエラストマー成分100部に対して2.0部、不飽和シアヌレート化合物(トリアリルイソシアヌレート)を0.04部、過酸化物であるPOX1を0.2部及びPOX2を0.08部配合してブレンダーにて攪拌した。
その後、温度200℃に設定された二軸スクリュー押出機(東芝機械社製、TEM26-SS)に投入し、ノズルより出てきたストランドを水槽にて冷却固化させた後にペレット状にカッティングして変性ポリオレフィン組成物を得た。得られた変性ポリオレフィン組成物の物性を表1に示す。
また前述の方法で10Aパイプを製造後、80℃の温水に24時間浸して架橋ポリオレフィン組成物よりなる円筒状成形体を製造した。得られた架橋ポリオレフィン組成物よりなるパイプの外観、ゲル分率、パイプクリープ破壊時間の評価、測定結果を表1に示す。
エラストマー成分としてPE-2、PP-2、架橋助剤成分として不飽和シラン化合物、過酸化物であるPOX2を表1に示す配合量で用いたこと以外は、実施例1と同様にして、変性ポリオレフィン組成物及び架橋ポリオレフィン組成物を得、実施例1と同様にして各種評価を行なった。
結果を表1に示す。
使用した原料の種類、組成を表1に示したように変更した以外は実施例1と同様にして変性ポリオレフィン組成物及び架橋ポリオレフィン組成物を得、実施例1と同様にして各種評価を行なった。
結果を表1に示す。
また実施例1,2は、エチレン・α-オレフィン共重合体を単独で用いた比較例3よりも高い融解終了点を有するため、水冷において固化速度が速くなり、良好な外観が得られた。
またさらに、実施例1,2はエチレン・α-オレフィン共重合体を単独で用いた比較例2よりも高い融解終了点を有するため、高い温度の熱水中での耐久性に優れ、長いパイプクリープ破壊時間を示した。
融解終了点が比較的高くエチレン・α-オレフィン共重合体を単独で用いた比較例3は、硬度が低いため、非晶部が多く、水冷による固化速度が遅いことから、表面に凹凸が発生しやすく、また膜厚が不均一になり円筒状成形体として外観に劣る。膜厚が不均一であると、パイプクリープ試験における周応力も不均一となるため、比較例3はクリープ試験の実施に値しない円筒状成形体となった。
このため、本発明の円筒状成形体は、自動車用冷却水ホース、ゴムホース等の自動車用ホース部材;給水給湯、床暖房、ロードヒーティング、エコキュート及びエネファーム配管、食品及び各種産業工場用チューブ及び配管、自動販売機向け飲料チューブ、圧縮空気配送チューブ等の工業用円筒状成形体として好適に用いることができる。
Claims (4)
- 示差走査熱量計(DSC)で測定される融解の終了ピーク温度が115℃以上であるエチレン・α-オレフィン共重合体と、該エチレン・α-オレフィン共重合体とは異なる、示差走査熱量計(DSC)で測定される融解の終了ピーク温度が125℃以上であるポリオレフィンを含むポリオレフィン組成物を成形してなる円筒状成形体であって、
前記ポリオレフィン組成物が更に過酸化物と不飽和シラン化合物を含み、該過酸化物と該不飽和シラン化合物で架橋されてなる円筒状成形体。 - 前記エチレン・α-オレフィン共重合体と前記ポリオレフィンの合計100質量%に占める該ポリオレフィンの割合が2~50質量%である、請求項1に記載の円筒状成形体。
- 前記ポリオレフィンが、プロピレン単位を主成分とするプロピレン系重合体である、請求項1又は2に記載の円筒状成形体。
- 示差走査熱量計(DSC)で測定される融解の終了ピーク温度が115℃以上であるエチレン・α-オレフィン共重合体と、該エチレン・α-オレフィン共重合体とは異なる、示差走査熱量計(DSC)で測定される融解の終了ピーク温度が125℃以上であるポリオレフィンとの合計100質量部に対して、過酸化物0.01~1.00質量部と不飽和シラン化合物0.1~5.0質量部を配合し、これを成形する、円筒状成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019209837A JP7342645B2 (ja) | 2019-11-20 | 2019-11-20 | 円筒状成形体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019209837A JP7342645B2 (ja) | 2019-11-20 | 2019-11-20 | 円筒状成形体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021081016A JP2021081016A (ja) | 2021-05-27 |
JP7342645B2 true JP7342645B2 (ja) | 2023-09-12 |
Family
ID=75964609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019209837A Active JP7342645B2 (ja) | 2019-11-20 | 2019-11-20 | 円筒状成形体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7342645B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014097964A1 (ja) | 2012-12-18 | 2014-06-26 | 株式会社カネカ | ホットメルト接着剤用樹脂組成物およびこれを用いたホットメルト接着フィルム |
JP2018083937A (ja) | 2016-11-14 | 2018-05-31 | Mcppイノベーション合同会社 | シラン架橋ポリ塩化ビニル樹脂及びその成形品の製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2639511B2 (ja) * | 1988-10-04 | 1997-08-13 | 株式会社フジクラ | 熱収縮チューブの製造方法 |
JPH0791588A (ja) * | 1993-09-20 | 1995-04-04 | Japan Steel & Tube Constr Co Ltd | 管外面の被覆材及び被覆方法 |
JP3736920B2 (ja) * | 1996-10-29 | 2006-01-18 | Jfeエンジニアリング株式会社 | ネジ継手式推進管及びネジ継手式推進管の防食方法 |
-
2019
- 2019-11-20 JP JP2019209837A patent/JP7342645B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014097964A1 (ja) | 2012-12-18 | 2014-06-26 | 株式会社カネカ | ホットメルト接着剤用樹脂組成物およびこれを用いたホットメルト接着フィルム |
JP2018083937A (ja) | 2016-11-14 | 2018-05-31 | Mcppイノベーション合同会社 | シラン架橋ポリ塩化ビニル樹脂及びその成形品の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021081016A (ja) | 2021-05-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7499006B2 (ja) | エラストマー組成物、水架橋性エラストマー組成物、及びその製造方法 | |
KR20120022877A (ko) | 엘라스토머 조성물 | |
JP7081181B2 (ja) | 変性ポリオレフィン組成物及び架橋ポリオレフィン組成物 | |
WO2019151011A1 (ja) | 変性エラストマー組成物、架橋エラストマー組成物及びその成形体 | |
JP2020037259A (ja) | 3次元プリンター成形用フィラメント用樹脂組成物、3次元プリンター成形用フィラメント、及び樹脂成形体の製造方法 | |
JP2010215684A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、熱可塑性エラストマー組成物、発泡体及び積層シート | |
JP7342645B2 (ja) | 円筒状成形体及びその製造方法 | |
JP6735531B2 (ja) | 3次元網目状構造体用の変性ポリエチレン組成物及び3次元網目状構造体 | |
JP7031287B2 (ja) | 3次元網目状構造体 | |
JP7354819B2 (ja) | 樹脂組成物、架橋樹脂組成物、成形体、電線被覆材及び電線 | |
JP6875833B2 (ja) | 三次元網状繊維集合体用シラン変性ポリオレフィン組成物、三次元網状繊維集合体用シラン架橋ポリプロピレン組成物、及び三次元網状繊維集合体用シラン変性ポリオレフィン組成物、並びに、これらを用いた三次元網状繊維集合体用成形体、三次元網状繊維集合体用架橋成形体及び三次元網状繊維集合体 | |
JP2023121852A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物、並びに接合部材及びその製造方法 | |
JP2008266615A (ja) | 複合成形体および複合成形体の製造方法 | |
JP7147581B2 (ja) | 変性エラストマー組成物、架橋エラストマー組成物及びその成形体 | |
JP7225821B2 (ja) | 変性エラストマー組成物、架橋エラストマー組成物及びその成形体 | |
JP2019131671A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 | |
JP6686629B2 (ja) | 押出成形用熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2020164779A (ja) | 変性エラストマー組成物、架橋エラストマー組成物及びその成形体並びに自動車用シール部材 | |
JP3672132B2 (ja) | 複合成形用樹脂組成物 | |
JP2020147655A (ja) | 変性エラストマー組成物、架橋エラストマー組成物及びその成形体 | |
JP7069760B2 (ja) | 変性エラストマー組成物、架橋エラストマー組成物及びその成形体 | |
JP2023128798A (ja) | シラン変性ポリオレフィン、シラン変性ポリオレフィン組成物、シラン架橋ポリオレフィン、並びにこれらを用いた成形体、架橋成形体、及び三次元網状繊維集合体 | |
JP2022119694A (ja) | 変性エラストマー組成物、架橋エラストマー組成物及びその押出成形体 | |
JP2017145300A (ja) | 変性ポリエチレン組成物、成形体及びシラン架橋ポリエチレン | |
JP2023015821A (ja) | シラン変性ポリプロピレン、シラン架橋ポリプロピレン、シラン変性ポリプロピレン組成物、並びにこれらを用いた成形体、架橋成形体、及び三次元網状繊維集合体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220520 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230317 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230328 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20230515 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230713 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230801 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230814 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7342645 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |