JP7342332B2 - 伸縮性織物およびそれを用いた下半身用衣類 - Google Patents

伸縮性織物およびそれを用いた下半身用衣類 Download PDF

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Description

本発明は、伸縮性織物およびそれを用いた下半身用衣類に関し、特に、編物ではなく織物であるにも関わらず大きなストレッチ性(よく伸びてよく縮む伸縮性を有することを意味)を備えた織物およびそれを用いた下半身用衣類に関する。
なお、本発明に係る下半身用衣類は、ウエスト部を備えて丈が膝下から足首までの間で主としてアウターウェア用途として着用されるパンツタイプの下半身用衣類であって、その一例としてレギンス、スパッツおよびトレンカ(トレンカはスパッツおよびレギンスに対して土踏まずの部分に引っ掛ける部分を持つことが差異)が挙げられるが、本発明に係る下半身用衣類は、このようなレギンス等に限定されるものではなく、大きな伸縮性を備えることにより履き心地を向上させることができる(男性用にも女性用にも限定されない)下半身用衣類であって、たとえば大きなストレッチ性を備えたデニムパンツであっても構わない。
衣類を構成する布地として大きく分けて織物と編物とがある。織物とは、糸を縦横に組み合わせて作った布地である。織物が、多数の経糸(縦糸と記載する場合がある)および(経糸よりも本数の少ない)緯糸(横糸と記載する場合がある)を用いて糸が交差する構造で「一段ずつ」布地を作ってゆく(織成してゆく)ことに対して、編物は、結び目(編み目)を作る要領で「一目ずつ」形を作ってゆく(編成してゆく)ことが、それぞれの特徴である。
このように「一目ずつ」形を作って編成される編物は、ほとんど全ての織物よりも、相当に柔らかく、伸縮性が相当に大きく(よく伸びてよく縮む)、かつ、可撓性も相当に大きいことが特徴である。その一方、編物の安定性(形状の保持性)は、織物ほど良好ではない。従って、編物は、その柔らかさ、着心地の良さ、伸縮性の良さのために、肌着、スポーツウェア等に使用されることが多い。
織物は、パターンに従って、緯糸と経糸とを交差させることにより得られる。すなわち、緯糸は、1本以上の経糸の上に重なるかまたは経糸の下に重なり、経糸に対応する上部と下部とを形成する。織物は、表面(前面)および裏面(後面)を有し、緯糸は、織物の表面で1本以上の経糸の上に重なり、かつ、織物の裏面で、1本以上の経糸の下に伸びている。一方、経糸は、織物の表面(前面)または裏面(後面)で、緯糸の上または下に重なっている。
このような織物において、織物を構成する経糸と緯糸との交錯状態を組織(織組織)という。織組織は、平織り、綾織りおよび朱子織りの3種の組織が基礎となる。あらゆる織組織はすべてこの3種の組織を変化させるか、組み合わせるかによってできるもので、この3種の組織を三原組織という。
このような三原組織のうちの1つである綾織りを用いることによりデニムと呼ばれる織物(デニム織物)が製造されている。
大略的に、最も一般的なデニム織物は、3/1または2/1の織物であって、この数値は、最小の繰返し単位、または、経糸と緯糸との織り方のスキーム(経糸と緯糸との交錯状態)で、接続部がいくつあるかを示している。すなわち、比1/1は、各接続部において、経糸が、その位置を変えていること、すなわち、経糸の位置が、緯糸の上側(織物の前面)から緯糸の下側(織物の後面)に変わっていることを意味する。比2/1は、「上2つ、下1つ」を意味する。すなわち、緯糸が、2本の経糸の下に広がり、その後、下から上にその位置を変えていることを意味する。すなわち、3本目の緯糸を挿入する毎に、経糸の位置が1度変更される。同様に、3/1の構造においては、4本目の緯糸を挿入する毎に、経糸の位置が1度変更される。このように綾織り組織においては、経糸は緯糸と交錯する位置1本ずつ順次変更されて緯糸との間で浮沈を繰り返し、緯糸が経糸から浮いた点が織物の表面に斜線となって現れる。これを斜文線といいこの線が左下から右上に向かって走る面を織物の表という。
変更しない位置の数が大きい場合、より具体的に言うと、経糸の下における横部の長さが長くなればなるほど、織物は、より緩くなって柔らかくなる。この意味において、糸、その他の特徴、たとえば、残っているパラメータと同一条件下で、1/1の織物は、4/1の織物よりも堅い織物であるということになる。
このようなデニム織物において、よく知られている問題は、100%の綿糸から得られたものは、堅くて柔軟性に欠けることである。そのため、ユーザーにはその着心地が悪いとの不満がある。この問題を解決するため、通常は、デニム織物の緯糸を、伸縮自在のものとしている。この緯糸は、特にジーンズにおいて、織物の堅さを弱め、かつ、衣料としての着心地の良さを向上させる。このような織物は、伸縮性織物と呼ばれている。
このような伸縮性織物においては、伸ばされ、かつ、伸びた部分を復元させる弾性糸が、この織物に必要な弾性を与え、伸長部を元に戻すようになっている。弾性糸は、この織物の緯糸として用いられることが多い。この弾性糸としては、弾性を備えたポリウレタン等の芯糸に非弾性繊維であるナイロン等の被覆糸で覆ったカバリング糸(SCY:Single Covered Yarn、シングルカバードヤーン、DCY:Double Covered Yarn、ダブルカバードヤーン)が採用される。
特開2015-030963号公報(特許文献1)は、これらの伸縮性織物が非弾性織物に対してあまりにも平坦に見えすぎること、すなわち、それらが二次元的な外観を呈するという問題を解決することのできる、より三次元的であって標準織物の外観により近い伸縮性織物を開示する。
この特許文献1に開示された伸縮性織物は、横糸(3)と、縦糸(2,2FS,2BS)を有する織物(1)であって、前記織物(1)は、表面(FS)と、裏面(BS)を有し、前記横糸(3)の少なくとも50%、好ましくは、少なくとも80%は、弾性を有し、前記横糸と縦糸は共に一定の織りパターンで織られており、これにより、前記横糸(3)は、多くの縦糸(2BS)の上と、多くの縦糸(2FS)の下に延在し、前記表面の横上部(5)及び前記裏面(BS)の横下部(4,4´)を備え、前記横糸(3)の前記横上部(5)に対応する前記縦糸(2BS)は、前記横糸(3)の前記横下部(4,4´)に対応する前記縦糸(2FS)の面よりも低い位置で、前記弾性の横糸(3)によって付勢され、かつ、前記織物(1)は、ASTM3107により測定して、少なくとも30%の伸長部を有することを特徴とする。さらに、前記織物(1)は、ASTM3107により測定して、少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%の伸長部を有する。
特開2015-030963号公報
しかしながら、特許文献1に開示された伸縮性織物は、ASTM3107により測定して少なくとも50%の伸長部を有するとしても、この伸縮性では用途によっては十分でない可能性がある。
本発明は、従来技術の上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、編物ではなく織物であるにも関わらず大きな伸縮性(よく伸びてよく縮む)を備えた伸縮性織物およびそれを用いた下半身用衣類を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る伸縮性織物は以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明にある局面に係る伸縮性織物は、よく伸びてよく縮むストレッチ性に優れた伸縮性織物であって、経糸に、弾性を備えた弾性糸を採用して、緯糸に、前記経糸よりも吸水性または通気性に優れた第1の糸および第2の糸を採用して、前記第1の糸と前記第2の糸とは太さが異なり、前記経糸および前記緯糸による綾織りまたは綾織りの変形組織であることを特徴とする。
好ましくは、前記緯糸として、前記第1の糸と前記第2の糸とを交互に配置ように構成することができる。
さらに好ましくは、前記第2の糸が前記第1の糸よりも2倍以上太いように構成することができる。
さらに好ましくは、前記弾性糸は、ポリウレタン糸を芯糸としてナイロン糸で被覆したカバリング糸であって、前記第1の糸および第2の糸は、綿糸であって、前記第2の糸が前記第1の糸よりも太く、前記カバリング糸の太さを1とした場合に、前記第1の糸の太さが0.93~1.73であって、前記第2の糸の太さが1.86~3.45であるように構成することができる。
また、本発明に別の局面に係る下半身用衣類は、上述したいずれかの伸縮性織物を用いた下半身用衣類であることを特徴とする。
好ましくは、前記伸縮性織物における伸縮性の大きい方向が前記下半身用衣類における胴回りまたは太腿回り方向であるように構成することができる。
本発明の伸縮性織物によれば、編物ではなく織物であるにも関わらず大きな伸縮性(よく伸びてよく縮む)を備えた織物を提供することができるとともに、それを用いて好適な方向に大きな伸縮性を備えた下半身用衣類を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る伸縮性織物を構成する経糸と緯糸との交錯状態を示す組織図である。 図1の組織図をさらに繰り返した図で斜文線10を示す図である。 本発明の実施の形態に係る伸縮性織物を模式的に示す図(布地の表面(肌に接さない面))である。 本発明の実施の形態に係る伸縮性織物における伸縮性を説明するための模式的な図である。 (A)および(B)は、本発明の実施の形態に係る伸縮性織物の製造工程を説明するための図であって、(C)および(D)は、本発明の実施の形態に係る下半身用衣類の一例であるレギンス100の平面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る伸縮性織物およびそれを用いた下半身用衣類を、図面に基づき詳しく説明する。なお、織物の構造(織り糸、織組織等)には様々なものがあり、本発明は特定の構造に限定されるものではなく、後述する特徴を備えたものであれば、どのような織物の構造であっても基本的には構わない。そのため、以下に示す伸縮性織物の構造自体は単なる例示でしかない。さらに、本発明に係る下半身用衣類の一例として説明するレギンスの構造には様々なものがあり、本発明に係る下半身用衣類がレギンスであるとしても特定の構造に限定されるものではなく、本発明に係る伸縮性織物が備える大きな伸縮性を下半身用衣類における好適な方向に向けたものであれば、どのようなレギンスの構造であっても、レギンスを構成する編地の種類、編糸の種類はどのようなものであっても、基本的には構わない。そのため、レギンスの構造自体は単なる例示でしかない。また、このようなレギンス以外のデニムパンツ等も本発明に係る下半身用衣類の一例である。なお、全ての図において伸縮性織物の伸縮性の大きな方向を白抜き両矢印で示している。
図1に示す本実施の形態に係る伸縮性織物を構成する経糸と緯糸との交錯状態を示す組織図および図3に示す本実施の形態に係る伸縮性織物を模式的に示す図(布地の表面(肌に接さない面))を参照して、伸縮性織物の織組織について詳しく説明する。
本実施の形態に係る伸縮性織物の織組織は、三原組織の中の綾織りを基本としてそれを変形させた織組織であって図1の組織図で示される。本発明に係る伸縮性織物の織組織は、後述する経糸および緯糸による綾織りまたは綾織りの変形組織であることを特徴とする。以下においては、本実施の形態に係る伸縮性織物の織組織は、綾織りの変形組織であるとして説明する。
図1および図3において、一の経糸は、1の緯糸の下に沈み、2,3,4の緯糸の上に浮いて、5,6の緯糸の下に沈み、7,8の緯糸の上に浮いて、9,10の緯糸の下に沈
み、11,12の緯糸の上に浮いて、13の緯糸の下に沈み、14,15,16の緯糸の上に浮くというように浮沈を繰り返す。
二の経糸は、1,2の緯糸の上に浮いて、3の緯糸の下に沈み、4,5,6の緯糸の上に浮いて、7の緯糸の下に沈み、8,9,10の緯糸の上に浮いて、11,12の緯糸の下に沈み、13,14の緯糸の上に浮いて、15,16の緯糸の下に沈むというように浮沈を繰り返す。
三の経糸は、1,2の緯糸の下に沈み、3,4の緯糸の上に浮いて、5,6の緯糸の下に沈み、7,8の緯糸の上に浮いて、9の緯糸の下に沈み、10,11,12の緯糸の上に浮いて、13の緯糸の下に沈み、14,15,16の緯糸の上に浮くというように浮沈を繰り返す。
四の経糸は、1,2の緯糸の上に浮いて、3の緯糸の下に沈み、4,5,6の緯糸の上に浮いて、7,8の緯糸の下に沈み、9,10の緯糸の上に浮いて、11,12の緯糸の下に沈み、13,14の緯糸の上に浮いて、15の緯糸の下に沈み、16の緯糸の上に浮くというように浮沈を繰り返す。
五の経糸は、1,2の緯糸の下に沈み、3,4の緯糸の上に浮いて、5の緯糸の下に沈み、6,7,8の緯糸の上に浮いて、9の緯糸の下に沈み、10,11,12の緯糸の上に浮いて、13,14の緯糸の下に沈み、15,16の緯糸の上に浮くというように浮沈を繰り返す。
六の経糸は、1,2の緯糸の上に浮いて、3,4の緯糸の下に沈み、5,6の緯糸の上に浮いて、7,8の緯糸の下に沈み、9,10の緯糸の上に浮いて、11の緯糸の下に沈み、12,13,14の緯糸の上に浮いて、15の緯糸の下に沈み、16の緯糸の上に浮くというように浮沈を繰り返す。
七の経糸は、1の緯糸の下に沈み、2,3,4の緯糸の上に浮いて、5の緯糸の下に沈み、6,7,8の緯糸の上に浮いて、9,10の緯糸の下に沈み、11,12の緯糸の上に浮いて、13,14の緯糸の下に沈み、15,16の緯糸の上に浮くというように浮沈を繰り返す。
八の経糸は、1,2の緯糸の上に浮いて、3,4の緯糸の下に沈み、5,6の緯糸の上に浮いて、7の緯糸の下に沈み、8,9,10の緯糸の上に浮いて、11の緯糸の下に沈み、12,13,14の緯糸の上に浮いて、15,16の緯糸の下に沈むというように浮沈を繰り返す。
このように一~八の経糸が、図1および図3に示すとおりに緯糸1~16の上に浮くまたは緯糸1~16の下に沈むという浮沈を繰り返す。
このような綾織りの変形組織においては、経糸が浮いた点が織物の表面に斜線として現れる。これを斜文線10として図2に示す。そして、この斜文線10が左下から右上に向かって走る面を織物の表という。なお、図2の「20」および「40」は、それぞれ「綿糸20番手」および「綿糸40番手」を示している。なお、本発明において「番手」は、「綿番手」であって、いわゆる「番手(英式)」であって恒重式単位である。より詳しくは、基準の重さを453.6g(1ポンド)として、かつ、基準の長さを768.1m(840ヤード)とした場合を1番手として、453.6gでA×768.1mあればA番手となる。このようにAが大きい方が綿糸の太さは細くなる。
さらに、詳しく、本実施の形態に係る伸縮性織物について図3を参照して説明する。この図3は、本実施の形態に係る伸縮性織物を模式的に示す図(布地の表面(肌に接さない面))である。、図1および図3を参照して説明したように、一~八の経糸が、緯糸1~16の上に浮くまたは緯糸1~16の下に沈むという浮沈を繰り返している。そして、この経糸として、ポリウレタン糸の芯糸をナイロン糸で被覆したシングルカバリング糸(SCY)を採用しているが、他の糸、たとえばダブルカバリング糸(DCY)等を採用しても構わない。
そして、緯糸には、経糸よりも吸水性または通気性に優れた第1の糸および第2の糸を採用している。ここでは、これらの第1の糸および第2の糸として綿糸を採用している。このような綿糸を緯糸として採用して、かつ、第1の糸と第2の糸とは太さが異なる。よ
り詳しくは、ここでは、第2の糸が第1の糸よりも2倍以上太い。さらに具体的には、図3に示すように、第2の糸が第1の糸よりも2倍以上太い一例として、太い方の第2の糸として20番手綿糸を採用して、細い方の第1の糸として40番手綿糸を採用している。
また、経糸として採用したカバリング糸の太さを1とした場合に、第1の糸の太さが0.93~1.73であって、第2の糸の太さが1.86~3.45であることが好ましい。より具体的には、経糸を40デニール(44.44dtex)のポリウレタン糸を芯糸として70デニール(77.77dtex)24フィラメントのナイロン糸で被覆したシングルカバリング糸(合計110デニール程度)を採用した場合、緯糸の第1の糸として28番手~52番手程度の綿糸を採用することが好ましく、緯糸の第2の糸して14番手~26番手程度の綿糸を採用することが好ましい。そして、図3に示すように緯糸として採用される、第1の糸(40番手綿糸)と第2の糸(20番手綿糸)とは交互に配置される。
なお、経糸を40デニール(44.44dtex)のポリウレタン糸を芯糸として70デニール(77.77dtex)24フィラメントのナイロン糸で被覆したシングルカバリング糸(合計110デニール程度)を採用して、緯糸の第1の糸として40番手綿糸を採用して、緯糸の第2の糸して20番手綿糸を採用して、図1に示す綾織りの変形組織で織成された伸縮性織物全体としては、綿65%、ナイロン30%、ポリウレタン5%の重量比率である。
次に、図4および図5を参照して、本実施の形態に係る伸縮性織物における伸縮性を説明する。なお、図1~図3と図4(A)ならびに図5(A)および図5(B)とでは、図面の縦横方向が入れ替わっている。
図4(A)に示すように、本実施の形態に係るストレッチ織物は、経糸としてポリウレタン糸の芯糸をナイロン糸で被覆したシングルカバリング糸(SCY)が採用されて、かつ、緯糸として細い方の第1の糸(40番手綿糸)と太い方の第2の糸(20番手綿糸)とが交互に配置されるようにして採用されている。
このストレッチ織物の断面を見ると、図4(B)に示すように、緯糸として太さの異なる糸を採用しているために緯糸が細い糸(第1の糸)と太い糸(第2の糸)とが交互に並んでいる。このような織上がり直後のストレッチ織物を熱セットを含む後加工することにより図5(A)に示す状態から図5(B)に示すようにおおよそ半分の長さまで縮む。このように後加工された製品状態のストレッチ織物の断面を見ると、図4(C)に示すような状態である。このような糸の太さが異なる緯糸を採用しているために、図4(D)に示すように、ストレッチ性を発現する製品としてのストレッチ織物またはこの製品としてのストレッチ織物を用いた下半身用衣類においては、緯糸の細い糸と太い糸とが一列に並んでおらず、このような糸の太さが異なる組み合わせることにより、よく伸びてよく縮む伸縮性を備えるようになる。たとえば、緯糸として同じ太さの糸を採用すると図4(E)および図4(F)の状態になり、緯糸として異なる太さの糸を採用した図4(C)および図4(D)の状態に比較して伸びにくく縮みにくい。
本実施の形態に係る伸縮性織物においては、緯糸を40番手綿糸と20番手綿糸とを採用しているために断面積は2倍異なり、このような作用効果を好ましく発現させている。上述したように、(経糸として採用したカバリング糸の太さを1とした場合に)第1の糸の太さが0.93~1.73に対して、第2の糸の太さが1.86~3.45であるとこのような作用効果を好ましく発現させるものと考えられる。また、二重織の部分においても伸び縮みするためにさらによく伸びてよく縮む伸縮性を備えるようになる。
このような伸縮性織物を下半身用衣類に採用する場合について図5を参照して説明する。本発明に係る下半身用衣類の一例として、図5(C)および図5(D)にレギンス100を示す。
図5(C)に示す正面図(腹側)および図5(D)に示す背面図(背中側)を参照して、このレギンス100は、大きくは、1本の筒状部(ウエスト部120を含む胴部130)と左右の脚を挿入する2本の筒部(脚部110)とで構成されるように縫製されている。このレギンス100における伸縮性織物の伸縮性の大きな方向を白抜き両矢印で示して
いる。
このようなレギンス100において、上述した本実施の形態に係る伸縮性織物における伸縮性の大きい方向がレギンス100の胴回りまたは太腿回り方向であるように伸縮性織物が裁断されて縫製される。このように構成されたレギンス100は、胴回りまたは太腿回り方向に大きなストレッチ性(よく伸びてよく縮む)を備え、そのストレッチ性は上述した伸縮性織物における緯糸の太さが異なることに起因する作用効果を発現して170%程度までの伸縮性を備えることになる。このため、履きやすく、脱ぎやすく、動きやすいレギンスを提供することができる。
さらに、経糸にSCY(芯糸:40デニールのポリウレタン糸、被覆糸:70デニールのナイロン糸)を採用して緯糸に綿糸(40番手綿糸、20番手綿糸)を採用して、図1に示す綾織りの変形組織で織成された伸縮性織物の重量比率が綿65%、ナイロン30%、ポリウレタン5%であって綿糸の重量比率が大きく、吸水性および/または通気性に優れた下半身用衣類の一例であるレギンスを提供することができる。
以上のようにして、本実施の形態に係る伸縮性織物によると、編物ではなく織物であるにも関わらず大きな伸縮性(よく伸びてよく縮む)を備えた伸縮性織物およびそれを用いた下半身用衣類を提供することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、伸縮性織物およびそれを用いた下半身用衣類に好適であり、編物ではなく織物であるにも関わらず大きなストレッチ性(よく伸びてよく縮む伸縮性を有することを意味)を備える点で特に好ましい。
100 レギンス
110 脚部
120 ウエスト部
130 胴部

Claims (4)

  1. よく伸びてよく縮むストレッチ性に優れた伸縮性織物であって、
    経糸に、弾性を備えた弾性糸を採用して、
    緯糸に、前記経糸よりも吸水性または通気性に優れた第1の糸および第2の糸を採用して、
    前記第1の糸と前記第2の糸とは太さが異なり、
    前記経糸および前記緯糸による綾織りまたは綾織りの変形組織であり、
    前記緯糸として、前記第1の糸と前記第2の糸とを交互に配置し、
    前記第2の糸が前記第1の糸よりも2倍以上太いことを特徴とする伸縮性織物。
  2. 前記弾性糸は、ポリウレタン糸を芯糸としてナイロン糸で被覆したカバリング糸であって、
    前記第1の糸および第2の糸は、綿糸であって、
    前記第2の糸が前記第1の糸よりも太く、
    前記カバリング糸の太さを1とした場合に、
    前記第1の糸の太さが0.93~1.73であって、
    前記第2の糸の太さが1.86~3.45であることを特徴とする、請求項1に記載の伸縮性織物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の伸縮性織物を用いた下半身用衣類。
  4. 前記伸縮性織物における伸縮性の大きい方向が前記下半身用衣類における胴回りまたは太腿回り方向である、請求項に記載の下半身用衣類。
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