JP7342040B2 - Adhタンパク質ファミリー変異体およびその使用 - Google Patents
Adhタンパク質ファミリー変異体およびその使用 Download PDFInfo
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Description
47位のヒスチジン(H);
51位のヒスチジン(H);および
124位のヒスチジン(H)
から選択される。
45位のヒスチジン(H);
49位のヒスチジン(H);および
122位のヒスチジン(H)
から選択される。
71位のヒスチジン(H);
75位のヒスチジン(H);および
148位のヒスチジン(H)
から選択される。
72位のヒスチジン(H);
76位のヒスチジン(H);および
149位のヒスチジン(H)
から選択される。
47位のヒスチジン(H);および
124位のヒスチジン(H)
から選択される。
122位のヒスチジン(H);および
45位のヒスチジン(H)
から選択される。
148位のヒスチジン(H);および
71位のヒスチジン(H)
から選択される。
149位のヒスチジン(H);および
72位のヒスチジン(H)
から選択される。
(a)配列番号:2~13のいずれか1つに示されているポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b)その配列が配列番号:14~25のいずれか1つであるポリヌクレオチド;
(c)配列番号:2~13のいずれか1つに示されているポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;野生型ADH1タンパク質のヌクレオチド配列に示されている配列に対する、該ポリヌクレオチドの配列の相同性は95%以上(好ましくは、98%以上)である;
(d)(a)~(c)に記載されているポリヌクレオチドのいずれかに相補的なポリヌクレオチド;
から選択される。
本発明の第四の態様に係る宿主細胞が、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)変異タンパク質を発現させるために発現に適した条件下で培養される工程と;および/または
アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)変異タンパク質が単離される工程と
を含む方法を提供する。
いくつかの好ましい実施形態において、遺伝子改変された株は酵母に由来する。
いくつかの好ましい実施形態において、遺伝子改変された株はKluyveromycesに由来する。
いくつかの好ましい実施形態において、遺伝子改変された株はKluyveromyces lactisに由来する。
第九の態様によれば、本発明は、本発明の第八の態様に従う遺伝子改変された株の細胞溶解物を提供する。
第十の態様によれば、本発明は、本発明の第九の態様に従う細胞溶解物を含むインビトロタンパク質合成系を提供する。
いくつかの好ましい実施形態において、インビトロタンパク質合成系は、無細胞系である。
いくつかの好ましい実施形態において、インビトロタンパク質合成系は、無細胞転写及び翻訳系である。
第十一の態様によれば、本発明は、本発明の第一の態様に従うADH変異タンパク質を含む酵素調製物を提供する。
第十二の態様によれば、本発明は、本発明の第八の態様に従う遺伝子改変された株を製造する方法を提供する。
第十三の態様によれば、本発明は、本発明の第八の態様に従う遺伝子改変された株、又は本発明の第九の態様に従う細胞溶解物、又はタンパク質合成に適用可能な本発明の第十の態様に従うインビトロタンパク質合成系の使用を提供し、精製にNi媒体を用いたとき、改善された発現タンパク質の生成物純度が提供される。
本発明の範囲内において、上記技術的特徴および本明細書の以下に具体的に記載されている技術的特徴(例えば、実施形態または実施例)は互いに組み合わせることができ、これにより、新たなまたは好ましい技術的解決策を形成することが理解されるべきである。簡潔にするために、詳細は本明細書では繰り返されない。
用語
本開示の理解を容易にするために、まず、ある種の用語を定義する。本願において使用される場合、本明細書中に別段の明記がなければ、以下の用語の各々は、以下に与えられた意味を有するものとする。その他の定義は、本願全体を通じて記載されている。
ADHファミリータンパク質
ヒトおよび動物の肝臓、植物および微生物の細胞中には、大量のアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)ファミリータンパク質を見出すことができる。生物中での短鎖アルコールの代謝のための鍵となる酵素として、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)ファミリータンパク質は、多くの生理的過程において重要な役割を果たす。例えば、ヒトおよび哺乳動物では、アルコールデヒドロゲナーゼおよびアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)は、体内でのアルコールの代謝に関与するアルコールデヒドロゲナーゼ系を構成する。
野生型ADHファミリータンパク質
本明細書において使用される場合、「野生型ADHファミリータンパク質」は、遺伝子工学技術(ゲノム配列決定、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)など)を通じてそのヌクレオチド配列を取得することができ、ヌクレオチド配列からそのアミノ酸配列を推定することができる、人工の改造を有さない天然に存在するADHファミリータンパク質を表す。野生型ADHファミリータンパク質の源は、K.lactis野生型細胞株である。野生型ADHファミリータンパク質には、ADH1、ADH2、ADH3および/またはADH4タンパク質が含まれる。
ADHファミリータンパク質変異体およびそのコード核酸
本明細書において使用される場合、「変異タンパク質」、「本発明の変異タンパク質」、「本発明のADH変異タンパク質」、「本発明の変異されたADHタンパク質」、「ADH変異体」および「ADHファミリータンパク質の変異体」という用語は互換的に使用することができ、全て、天然に存在しない変異体ADHタンパク質を表し、変異タンパク質は、野生型アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)の45~149位のアミノ酸に少なくとも1つのヒスチジン(H)の変異を有する。
47位のヒスチジン(H);および/または
51位のヒスチジン(H);および/または
124位のヒスチジン(H)
である。
45位のヒスチジン(H);および/または
49位のヒスチジン(H);および/または
122位のヒスチジン(H)
である。
71位のヒスチジン(H);および/または
75位のヒスチジン(H);および/または
148位のヒスチジン(H)
である。
72位のヒスチジン(H);および/または
76位のヒスチジン(H);および/または
149位のヒスチジン(H)
である。
47位のヒスチジン(H);および
124位のヒスチジン(H)
から選択される。
122位のヒスチジン(H);および
45位のヒスチジン(H)
から選択される。
148位のヒスチジン(H);および
71位のヒスチジン(H)
から選択される。
149位のヒスチジン(H);および
72位のヒスチジン(H)
から選択される。
発現ベクターおよび宿主細胞
本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含有するベクター、本発明のベクターを用いるまたは本発明の変異タンパク質のコード配列を用いる遺伝子工学によって作製された宿主細胞にも関し、組換え技術を通じて本発明のポリペプチドを作製するための方法に関する。
(1)本発明の変異タンパク質をコードするポリヌクレオチド(またはバリアント)でまたはポリヌクレオチドを含有する組換え発現ベクターで適切な宿主細胞を形質転換または形質導入する工程;
(2)適切な培地中で宿主細胞を培養する工程;ならびに
(3)培地または細胞からタンパク質を単離および精製する工程;
を含む。
一般的な方法
本発明は、以下のような設計および方法を提供する:Ni精製および質量分析解析を通じて、Ni結合タンパク質が同定され、次いで、これを基礎として、ゲノム中のADHファミリータンパク質を点変異に供して、ADHファミリータンパク質のNi媒体への結合能力を低下させ、これにより、Niによって精製されるタンパク質の効率、収率および純度を向上させる。以下の工程が含まれる:
(1)以下の方法によるADHファミリータンパク質の同定および分析:
A.Niによって精製されたタンパク質のポリアクリルアミドゲル電気泳動分析;
B.非特異的バンド(35~50kDa)の質量分析解析;および
C.ADHタンパク質として同定された主要な非特異的バンドを同定するための、質量分析解析の結果のペプチド比較;
(2)以下の方法によるNi媒体へのK.lactis ADHファミリータンパク質の潜在的な結合部位の分析:
A.K.lactis中のADH1タンパク質およびSaccharomyces cerevisiae中のADH1タンパク質の配列並置;
B.相同性モデリングのためのテンプレートとしてScADHを使用し、ADH1中のH47、H51およびH124;ADH2中のH45、H49およびH122;H71、H75およびH148中のADH3;ADH4中のH72、H76およびH149など、KlADH中のHis豊富な領域部位を見出すこと;
C.改造がADHの触媒活性に影響を与えるかどうかなど、この領域中のHis部位に対して改造可能性分析を実施し、以下の群:H124K、H124R、H47K、H47R、H47N、H47Q、H51K、H51R、H124KH47K、H124KH47R、H124KH47N、H124KH47Qおよびこれらの組み合わせから選択されるADH1の部位特異的変異;以下の群;H122K、H122R、H45K、H45R、H45N、H45Q、H49K、H49R、H122KH45K、H122KH45R、H122KH45N、H122KH45Qおよびこれらの組み合わせから選択されるADH2の部位特異的変異;以下の群:H148K、H148R、H71K、H71R、H71N、H71Q、H75K、H75R、H148KH71K、H148KH71R、H148KH71N、H148KH71Qおよびこれらの組み合わせから選択されるADH3の部位特異的変異;以下の群:H149K、H149R、H72K、H72R、H72N、H72Q、H76K、H76R、H149KH72K、H149KH72R、H149KH72N、H149KH72Qおよびこれらの組み合わせから選択されるADH4の部位特異的変異など、別のアミノ酸を最終的に選択すること;
(3)Cas9-gRNAクローニングベクターの構築、構築方法が以下のとおりである:
A.特異的な遺伝子の配列に対して、それぞれ、その遺伝子のスプライシングを導くgRNA配列を設計すること;
B.Cas9を含有するベクター中に上記gRNA配列を組み替えて、gRNAおよびCas9がその中で同時発現される第一のベクターを得ること;
(4)以下の方法による特異的な遺伝子のノックアウトのために使用されるドナーDNAの構築:
A.遺伝子データベースから特異的な遺伝子のヌクレオチド配列をダウンロードし、それぞれ、遺伝子の800bp上流および下流に位置する配列を使用することによって第二のベクターを構築すること;
B.プライマーM13FおよびM13Rを用いて第二のベクターを増幅し、アルコール沈殿によって、得られたPCR生成物を濃縮してドナーDNAを得ること;
(5)以下の方法によるヒスチジン残基の特異的点変異を有するドナーDNAの構築:
A.遺伝子データベースから特異的な遺伝子のヌクレオチド配列をダウンロードし、標的遺伝子ならびにそれぞれ標的遺伝子の800bp上流および下流に位置する配列を使用し、アミノ酸残基の一部に点変異を施し、gRNAに同義変異を施すことによって第二のベクターを構築すること;
B.プライマーM13FおよびM13Rを用いて第二のベクターを増幅し、アルコール沈殿によって、得られたPCR生成物を濃縮してドナーDNAを得ること;
(6)以下の方法によって、特異的な遺伝子のノックアウトまたは点変異を有する細胞株を取得すること:
A.第一のベクターおよびドナーDNAをコンピテント細胞中に同時に形質転換すること;
B.拡大培養のために単クローンの細胞をスクリーニングし、ゲノムを抽出し、ADH遺伝子および相同性アームを増幅するためのプライマーを設計し、配列決定によって、増幅されたPCR生成物を確認する;
(7)以下の方法によって、遺伝子ノックアウトまたは点変異に供された株のNi媒体への結合能力を試験する:
A.遺伝子ノックアウトまたは点変異に供された得られた株に対して拡大培養を実施し、細胞破砕を実施して、細胞溶解物を得ること;
B.Ni媒体を通じて細胞溶解物を精製し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を介して、精製された生成物を分析すること;
(8)無細胞インビトロタンパク質合成系。
[実施例1]
K.lactis中のADHファミリー遺伝子の分析および特異的改造
1.1 K.lactis中のADHファミリー遺伝子の分析
K.lactis中で発現されたHisタグ標識された標的タンパク質がNi媒体でアフィニティー精製されると、35~50kDaに明白な非特異的バンドが存在した。質量分析の結果は、非特異的なタンパク質が、主に、K.lactis中のADHファミリータンパク質に由来することを示した(表1)。ADHは、NAD(P)依存性酸化還元酵素であり、ほぼ全ての生物中に存在し、それぞれ、アルデヒドおよびケトンへの第一級および第二級アルコールの可逆的酸化を触媒する。K.lactis中のADHファミリータンパク質には、KlADH1、KlADH2、KlADH3およびKlADH4の4つの種類が含まれ、これらの全てが染色体のDNAによってコードされている。それらのうち、KlLA0F21010gのKEGGデータベースコードを有するADH1遺伝子配列(配列番号32)は染色体Fに位置しており;KlLA0F18260gのKEGGデータベースコードを有するADH2遺伝子配列(配列番号29)は染色体Fに位置しており; KlLA0B09064gのKEGGデータベースコードを有するADH3遺伝子配列(配列番号30)は染色体Bに位置しており;KlLA0F13530gのKEGGデータベースコードを有するADH4遺伝子配列(配列番号31)は染色体Fに位置している。それらのうち、ADH1およびADH2は、細胞質中でそれらの機能を実行するのに対して、ADH3およびADH4は、ミトコンドリア中でそれらの機能を実行し、それぞれ、37.3kDa、37.1kDa、39.6kDaおよび40.2kDaの相対的分子量を有する。これらの4つのADHタンパク質のアミノ酸配列は高度に相同性があり、それらの三次構造も極めて類似している。
1.2 K.lactis中のADHファミリー遺伝子の特異的改造
Ni媒体へのADHの親和性を除去するときのADH活性に対する効果をできるだけ最小化することの必要性に照らすと、KlADH中のHisの機能の分析が鍵となる。多数の比較およびスクリーニングを通じて、ScADH1タンパク質中の6つのHisと相同なKlADH1タンパク質中の6つのHisのうち、H44、H48、H66およびH121は、KlADH1中でクラスター化された4つのHisとの相同性故に、本発明の分析のキーポイントとなる。図6に示されているように、H66は、ScADH1の2つの立体構造の両方で、触媒性Zn2+をキレートすることに関与しているので、ADHの触媒活性に対して重要な影響を果たし得、本発明の改造の標的として採用されない。図7に示されているように、H48は補酵素に結合しないが、三元複合体の形成に関与し、基質のプロトン移動過程に影響を与える。本発明の研究は、H44イミダゾール環上のND1はNAD+のO2Aと水素結合を形成し得、これによって、NAD+/NADHの結合に関与することを見出した。H44Rは、NAD+およびNADHの解離定数を2~4倍低下させ、変換数を4~6倍減少させることができる。さらに、H121の側鎖は、T130と水素結合を形成することができる。
[実施例2]
CRISPR/Cas9を介したADH1遺伝子の標的化されたノックアウト
2.1 KlADH1 CRISPR gRNA配列の決定
KlADH1中に設計された点変異にしたがって、PAM配列(NGG)を選択し、対応するgRNA配列を決定した。本実施例においてgRNAを選択するための原理は以下のとおりである:GC含量は中程度(40%~60%)であるべきであり、ポリT構造の存在は回避すべきである。この実施形態において、KlADH1 gRNA1配列は、TGGGTGAAAACGTCAAGGGC(配列番号:33)である。
2.2 ドナーDNAプラスミドの構築および増幅
本実施例では、直鎖ドナーDNAの保存および増幅を容易にするために、ドナーDNAをpKMD1プラスミド中にまず挿入し、次いで、直鎖ドナーDNA配列を得るためにPCRによって増幅した。
2.2.1 ドナープラスミドpKMD1-ΔKlADH1の構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-HR1-PR:GAAGAGATTTCATTTATCTTTTTTTAGTATAGAGTTTGTGTGTTTAAAGCTTG(配列番号:39)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をΔKlADH1-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR2-PF:CAAACTCTATACTAAAAAAAGATAAATGAAATCTCTTCCGCATTCAAGTCATGAC(配列番号:40)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をΔKlADH1-F2と名付けた。
2.3 K.lactisの電気形質転換
コンピテント細胞を-80℃の冷凍庫から取り出し、氷上で融解し、400ngのgRNAおよびCas9プラスミド(またはgRNA/cas9断片)および1000ngのドナーDNA断片を加えた。混合後、混合物を電気穿孔キュベット中に移し、2分間氷中に浸した。(1.5kV、200Ωおよび25μFのパラメータでの)電気ショックのために、電気穿孔キュベットを電気穿孔装置の中に置いた。電気ショックの完了後、混合物に700μLのYPDを直ちに加え、次いで、200rpmの速度で、30℃で1~3時間、振盪機上でインキュベートした。2~200μLの混合物を採り、YPD(G418耐性を有する)プレート上に播種し、単クローンのコロニーが出現するまで、30℃で2~3日間培養した。
2.4 陽性の同定
形質転換された細胞を有するプレートから、12~24の単クローンのコロニーを選び出した。細胞をテンプレートとして用いて、ADH1-CF:GTGATGGAACACGGGAATAG(配列番号:42)およびADH1-CR:CACATATACCTTGGCAGTAG(配列番号:43)の同定プライマーを使用するPCRによって、試料を検出した。PCRによって陽性を検査され、配列決定によって同定された株を、陽性の株として決定し、ΔADH1と名付けた。
[実施例3]
CRISPR/Cas9によるADH1 H47部位の部位特異的変異
3.1 KlADH1 CRISPR gRNA配列の決定
KlADH1中に設計された点変異にしたがって、PAM配列(NGG)を選択し、対応するgRNA配列を決定した。本実施例においてgRNAを選択するための原理は以下のとおりである:gRNAは設計された変異部位の近くにあるべきであり、GC含量は中程度(40%~60%)であるべきであり、ポリT構造の存在は回避すべきである。この実施形態において、KlADH1 gRNA1配列は、TGGGTGAAAACGTCAAGGGC(配列番号:33)である。
3.2 ドナーDNAプラスミドの構築および増幅
本実施例では、直鎖ドナーDNAの保存および増幅を容易にするために、ドナーDNAをpKMD1プラスミド中にまず挿入し、次いで、直鎖ドナーDNA配列を得るためにPCRによって増幅した。
3.2.1 ドナープラスミドpKMD1-KlADH1-H47Kの構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-H47K-PR:AGCATGAAGGTCAGTTTTACAGACACCGGAGTACTTGACG(配列番号:44)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47K-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H47K-PF:GTAAAACTGACCTTCATGCTTGGAAGGGTGACTGGCCTTTG(配列番号:45)およびKlADH1-gRNA1-m-PR:CCAACCTTTAACATTCTCTCCCATAGCAACAACGACACCAG(配列番号:46)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47K-F2と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-gRNA1-m-PF:GGGAGAGAATGTTAAAGGTTGGAAGATTGGTGACTTCGCTGG(配列番号:47)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47N-F3と名付けた。
3.2.2 ドナープラスミドpKMD1-KlADH1-H47Nの構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-H47N-PR:AGCATGAAGGTCAGTATTACAGACACCGGAGTACTTGACG(配列番号:48)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47N-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H47N-PF:GTAATACTGACCTTCATGCTTGGAAGGGTGACTGGCCTTTG(配列番号:49)およびKlADH1-gRNA1-m-PR:CCAACCTTTAACATTCTCTCCCATAGCAACAACGACACCAG(配列番号:46)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47N-F2と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-gRNA1-m-PF:GGGAGAGAATGTTAAAGGTTGGAAGATTGGTGACTTCGCTGG(配列番号:47)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47N-F3と名付けた。
3.2.3 ドナープラスミドpKMD1-KlADH1-H47Qの構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-H47Q-PR:AGCATGAAGGTCAGTTTGACAGACACCGGAGTACTTGACG(配列番号:50)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47Q-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H47Q-PF:GTCAAACTGACCTTCATGCTTGGAAGGGTGACTGGCCTTTG(配列番号:51)およびKlADH1-gRNA1-m-PR:CCAACCTTTAACATTCTCTCCCATAGCAACAACGACACCAG(配列番号:46)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47Q-F2と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-gRNA1-m-PF:GGGAGAGAATGTTAAAGGTTGGAAGATTGGTGACTTCGCTGG(配列番号:47)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47Q-F3と名付けた。
3.2.4 ドナープラスミドpKMD1-KlADH1-H47Rの構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-H47R-PR:AGCATGAAGGTCAGTTCTACAGACACCGGAGTACTTGACG(配列番号:52)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47R-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H47R-PF:GTAGAACTGACCTTCATGCTTGGAAGGGTGACTGGCCTTTG(配列番号:53)およびKlADH1-gRNA1-m-PR:CCAACCTTTAACATTCTCTCCCATAGCAACAACGACACCAG(配列番号:46)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47R-F2と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-gRNA1-m-PF:GGGAGAGAATGTTAAAGGTTGGAAGATTGGTGACTTCGCTGG(配列番号:47)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47R-F3と名付けた。
3.3 K.lactisの電気形質転換(実施例2.3と同じ)
3.4 陽性の同定
形質転換された細胞を有するプレートから、12~24の単クローンのコロニーを選び出した。ADH1-m-CF:TGGGAGAGAATGTTAAAGGT(配列番号:54)およびADH1-m-CR:TGACGGTCGTTAACTAAGAT(配列番号:55)の同定プライマーを使用し、細胞をテンプレートとして使用することによるPCRによって、試料を検出した。PCRによって陽性を検査され、配列決定によって同定された株を、陽性の株として決定し、それぞれ、ADH1 H47K、ADH1 H47N、ADH1 H47QおよびADH1 H47Rと名付けた。
[実施例4]
CRISPR/Cas9によるADH1 H51部位の部位特異的変異
4.1 KlADH1 CRISPR gRNA配列の決定
KlADH1中に設計された点変異にしたがって、PAM配列(NGG)を選択し、対応するgRNA配列を決定した。本実施例においてgRNAを選択するための原理は以下のとおりである:gRNAは設計された変異部位の近くにあるべきであり、GC含量は中程度(40%~60%)であるべきであり、ポリT構造の存在は回避すべきである。この実施形態において、KlADH1 gRNA1配列は、TGGGTGAAAACGTCAAGGGC(配列番号:33)である。
4.2 ドナーDNAプラスミドの構築および増幅
本実施例では、直鎖ドナーDNAの保存および増幅を容易にするために、ドナーDNAをpKMD1プラスミド中にまず挿入し、次いで、直鎖ドナーDNA配列を得るためにPCRによって増幅した。
4.2.1 ドナープラスミドpKMD1-KlADH1-H51Kの構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-H51K-PR:CCAAGCTTTAAGGTCAGTATGACAGACACCGGAGTACTTGACG(配列番号:56)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H51K-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H51K-PF:GTCATACTGACCTTAAAGCTTGGAAGGGTGACTGGCCTTTG(配列番号:57)およびKlADH1-gRNA1-m-PR:CCAACCTTTAACATTCTCTCCCATAGCAACAACGACACCAG(配列番号:46)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H51K-F2と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-gRNA1-m-PF:GGGAGAGAATGTTAAAGGTTGGAAGATTGGTGACTTCGCTGG(配列番号:47)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H51K-F3と名付けた。
4.2.2 ドナープラスミドpKMD1-KlADH1-H51Rの構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-H51R-PR:CCAAGCTCTAAGGTCAGTATGACAGACACCGGAGTACTTGACG(配列番号:58)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H51R-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H51R-PF:GTCATACTGACCTTAGAGCTTGGAAGGGTGACTGGCCTTTG(配列番号:59)およびKlADH1-gRNA1-m-PR:CCAACCTTTAACATTCTCTCCCATAGCAACAACGACACCAG(配列番号:46)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H51R-F2と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-gRNA1-m-PF:GGGAGAGAATGTTAAAGGTTGGAAGATTGGTGACTTCGCTGG(配列番号:47)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H51R-F3と名付けた。
4.3 K.lactisの電気形質転換(実施例2.3と同じ)
4.4 陽性の同定
形質転換された細胞を有するプレートから、12~24の単クローンのコロニーを選び出した。細胞をテンプレートとして用いて、ADH1-m-CF:TGGGAGAGAATGTTAAAGGT(配列番号:54)およびADH1-m-CR:TGACGGTCGTTAACTAAGAT(配列番号:55)の同定プライマーを使用するPCRによって、試料を検出した。PCRによって陽性を検査され、配列決定によって同定された株を、陽性の株として決定し、それぞれ、ADH1 H51KおよびADH1 H51Rと名付けた。
[実施例5]
CRISPR/Cas9によるADH1 H124部位の部位特異的変異
5.1 KlADH1 CRISPR gRNA配列の決定
KlADH1中に設計された点変異にしたがって、PAM配列(NGG)を選択し、対応するgRNA配列を決定した。本実施例においてgRNAを選択するための原理は以下のとおりである:gRNAは設計された変異部位の近くにあるべきであり、GC含量は中程度(40%~60%)であるべきであり、ポリT構造の存在は回避すべきである。この実施形態において、KlADH1 gRNA1配列は、TGGGTGAAAACGTCAAGGGC(配列番号:33)である。
5.2 ドナーDNAプラスミドの構築および増幅
本実施例では、直鎖ドナーDNAの保存および増幅を容易にするために、ドナーDNAをpKMD1プラスミド中にまず挿入し、次いで、直鎖ドナーDNA配列を得るためにPCRによって増幅した。
5.2.1 ドナープラスミドpKMD1-KlADH1-H124Kの構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-gRNA1-m-PR:CCAACCTTTAACATTCTCTCCCATAGCAACAACGACACCAG(配列番号:46)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H124K-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-gRNA1-m-PF:GGGAGAGAATGTTAAAGGTTGGAAGATTGGTGACTTCGCTGG(配列番号:47)およびKlADH1-H124K-PR:CCATCTTTTGTATATCCACTCAAGTCAGCTTCTGGACAGTTGG(配列番号:60)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H124K-F2と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H124K-PF:CTTGAGTGGATATACAAAAGATGGTTCTTTCCAACAATACGCTACTGC(配列番号:61)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H124K-F3と名付けた。
5.2.2 ドナープラスミドpKMD1-KlADH1-H124Rの構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-gRNA1-m-PR:CCAACCTTTAACATTCTCTCCCATAGCAACAACGACACCAG(配列番号:46)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H124K-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-gRNA1-m-PF:GGGAGAGAATGTTAAAGGTTGGAAGATTGGTGACTTCGCTGG(配列番号:47)およびKlADH1-H124R-PR:CCATCTCTTGTATATCCACTCAAGTCAGCTTCTGGACAGTTGG(配列番号:62)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H124R-F2と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H124R-PF:CTTGAGTGGATATACAAGAGATGGTTCTTTCCAACAATACGCTACTGC(配列番号:63)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H124R-F3と名付けた。
5.3 K.lactisの電気形質転換(実施例2.3と同じ)
5.4 陽性の同定
形質転換された細胞を有するプレートから、12~24の単クローンのコロニーを選び出した。細胞をテンプレートとして用いて、ADH1-m-CF:TGGGAGAGAATGTTAAAGGT(配列番号:54)およびADH1-m-CR:TGACGGTCGTTAACTAAGAT(配列番号:55)の同定プライマーを使用するPCRによって、試料を検出した。PCRによって陽性を検査され、配列決定によって同定された株を、陽性の株として決定し、それぞれ、ADH1 H124KおよびADH1 H124Rと名付けた。
[実施例6]
CRISPR/Cas9によるADH1 H47およびH124部位の同時部位特異的変異
6.1 KlADH1 CRISPR gRNA配列の決定
KlADH1中に設計された点変異にしたがって、PAM配列(NGG)を選択し、対応するgRNA配列を決定した。本実施例においてgRNAを選択するための原理は以下のとおりである:gRNAは設計された変異部位の近くにあるべきであり、GC含量は中程度(40%~60%)であるべきであり、ポリT構造の存在は回避すべきである。この実施形態において、KlADH1 gRNA1配列は、TGGGTGAAAACGTCAAGGGC(配列番号:33)である。
6.2 ドナーDNAプラスミドの構築および増幅
本実施例では、直鎖ドナーDNAの保存および増幅を容易にするために、ドナーDNAをpKMD1プラスミド中にまず挿入し、次いで、直鎖ドナーDNA配列を得るためにPCRによって増幅した。
6.2.1 ドナープラスミドpKMD1-KlADH1-H47KH124Kの構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-H47K-PR:AGCATGAAGGTCAGTTTTACAGACACCGGAGTACTTGACG(配列番号:44)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47KH124K-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H47K-PF:GTAAAACTGACCTTCATGCTTGGAAGGGTGACTGGCCTTTG(配列番号:45)およびKlADH1-gRNA1-m-PR:CCAACCTTTAACATTCTCTCCCATAGCAACAACGACACCAG(配列番号:46)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47KH124K-F2と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-gRNA1-m-PF:GGGAGAGAATGTTAAAGGTTGGAAGATTGGTGACTTCGCTGG(配列番号:47)およびKlADH1-H124K-PR:CCATCTTTTGTATATCCACTCAAGTCAGCTTCTGGACAGTTGG(配列番号:60)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47KH124K-F3と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H124K-PF:CTTGAGTGGATATACAAAAGATGGTTCTTTCCAACAATACGCTACTGC(配列番号:61)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47KH124K-F4と名付けた。
6.2.2 ドナープラスミドpKMD1-KlADH1-H47NH124Kの構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-H47N-PR:AGCATGAAGGTCAGTATTACAGACACCGGAGTACTTGACG(配列番号:48)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47NH124K-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H47N-PF:GTAATACTGACCTTCATGCTTGGAAGGGTGACTGGCCTTTG(配列番号:49)およびKlADH1-gRNA1-m-PR:CCAACCTTTAACATTCTCTCCCATAGCAACAACGACACCAG(配列番号:46)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47NH124K-F2と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-gRNA1-m-PF:GGGAGAGAATGTTAAAGGTTGGAAGATTGGTGACTTCGCTGG(配列番号:47)およびKlADH1-H124K-PR:CCATCTTTTGTATATCCACTCAAGTCAGCTTCTGGACAGTTGG(配列番号:60)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47NH124K-F3と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H124K-PF:CTTGAGTGGATATACAAAAGATGGTTCTTTCCAACAATACGCTACTGC(配列番号:61)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47NH124K-F4と名付けた。
6.2.3 ドナープラスミドpKMD1-KlADH1-H47QH124Kの構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-H47Q-PR:AGCATGAAGGTCAGTTTGACAGACACCGGAGTACTTGACG(配列番号:50)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47QH124K-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H47Q-PF:GTCAAACTGACCTTCATGCTTGGAAGGGTGACTGGCCTTTG(配列番号:51)およびKlADH1-gRNA1-m-PR:CCAACCTTTAACATTCTCTCCCATAGCAACAACGACACCAG(配列番号:46)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47QH124K-F2と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-gRNA1-m-PF:GGGAGAGAATGTTAAAGGTTGGAAGATTGGTGACTTCGCTGG(配列番号:47)およびKlADH1-H124K-PR:CCATCTTTTGTATATCCACTCAAGTCAGCTTCTGGACAGTTGG(配列番号:60)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47QH124K-F3と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H124K-PF:CTTGAGTGGATATACAAAAGATGGTTCTTTCCAACAATACGCTACTGC(配列番号:61)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47QH124K-F4と名付けた。
6.2.4 ドナープラスミドpKMD1-KlADH1-H47RH124Kの構築
Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-HR1-PF:TCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGATCATGGACAATACGTTACCGAGATGAGG(配列番号:38)およびKlADH1-H47R-PR:AGCATGAAGGTCAGTTCTACAGACACCGGAGTACTTGACG(配列番号:52)のプライマーを使用することによって、1つのPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47RH124K-F1と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H47R-PF:GTAGAACTGACCTTCATGCTTGGAAGGGTGACTGGCCTTTG(配列番号:53)およびKlADH1-gRNA1-m-PR:CCAACCTTTAACATTCTCTCCCATAGCAACAACGACACCAG(配列番号:46)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47RH124K-F2と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-gRNA1-m-PF:GGGAGAGAATGTTAAAGGTTGGAAGATTGGTGACTTCGCTGG(配列番号:47)およびKlADH1-H124K-PR:CCATCTTTTGTATATCCACTCAAGTCAGCTTCTGGACAGTTGG(配列番号:60)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47RH124K-F3と名付けた;Kluyveromyces lactisゲノムDNAをテンプレートとして用いて、KlADH1-H124K-PF:CTTGAGTGGATATACAAAAGATGGTTCTTTCCAACAATACGCTACTGC(配列番号:61)およびKlADH1-HR2-PR:TGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACGATCTTATACTGGGTAGATTTCAAACGGGAC(配列番号:41)のプライマーを使用することによって、別のPCR増幅過程を実施し、生成物をKlADH1-H47RH124K-F4と名付けた。
6.3 K.lactisの電気形質転換(実施例2.3と同じ)
6.4 陽性の同定
形質転換された細胞を有するプレートから、12~24の単クローンのコロニーを選び出した。細胞をテンプレートとして用いて、ADH1-m-CF:TGGGAGAGAATGTTAAAGGT(配列番号:54)およびADH1-m-CR:TGACGGTCGTTAACTAAGAT(配列番号:55)の同定プライマーを使用するPCRによって、試料を検出した。PCRによって陽性を検査され、配列決定によって同定された株を、陽性の株として決定し、それぞれ、ADH1 H47KH124K、ADH1 H47NH124K、ADH1 H47QH124KおよびADH1 H47RH124Kと名付けた。
[実施例7]
KlADH1改造された細胞株の内因性タンパク質のNi媒体への結合能力の分析
7.1 タンパク質精製系のための試薬調製
結合緩衝液:0.5M NaCl、20mM Tris-HCl、5mMイミダゾール、pH7.9。
7.2 KlADH1改造された細胞株中の内因性タンパク質の精製および内因性タンパク質のNi媒体への結合能力の分析
結合緩衝液によって、Ni-NTAビーズを平衡化し、適切な量のKlADH1改造された細胞株の細胞溶解物を添加し、4℃で60分間インキュベートし、洗浄緩衝液でビーズを洗浄し、洗浄緩衝液の除去後に、少量の搭載緩衝液を加え、96℃で5分間の処理を実施した。上記試料をポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析した。
[実施例8]
インビトロタンパク質合成系
8.1 インビトロタンパク質合成系のための保存溶液の調製
最終濃度:22mM 4-ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸(7.4のpH)、30~150mM酢酸カリウム、1.0~5.0mM酢酸マグネシウム、1.5~4mMのヌクレオシド三リン酸(アデノシン三リン酸(ATP)、グアノシン三リン酸(GTP)、シチジン三リン酸(CTP)およびウリジン三リン酸(UTP))の混合物、0.08~0.24mMのアミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、セリン、チロシン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニンおよびヒスチジン)の混合物、25mMホスホクレアチン、1.7mMジチオスレイトール、0.27mg/mLクレアチンホスホキナーゼ、0.027~0.054mg/mL T7 RNAポリメラーゼ、1%~4%PEG、0.5%~2%スクロースおよび最後に添加される50体積%の細胞抽出物。
8.2 インビトロタンパク質合成反応
上記反応系を20~30℃の環境中に置き、反応のために、2~12時間、混合物を放置した。
[実施例9]
インビトロタンパク質合成および精製
9.1 インビトロタンパク質合成
野生型細胞株と比較して、ΔADH1細胞株は著しく低下した無細胞系転写-翻訳活性を有するのに対して、ADH1 H47K細胞株は明らかな変化を有さなかったという結果に照らして、ADH1 H47Kが、本発明者らのインビトロタンパク質合成研究のための材料となった。ADH1 H47K細胞株の無細胞転写-翻訳系を、N-His8-eGFPおよびN-His8-Strep-GFPのテンプレートとともに添加した。上記反応系を20~30℃の環境中に置き、2~12時間の反応のために混合物を放置した。
9.2 インビトロタンパク質精製
結合緩衝液によって、Ni-NTAビーズを平衡化し、適切な量の上記反応系を添加し、4℃で60分間インキュベートし、洗浄緩衝液でビーズを洗浄し、洗浄緩衝液の除去後に、少量の搭載緩衝液を加え、96℃で5分間の処理を実施した。上記試料をポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析した。結果が、図25に示されている。
本発明の実施例の結果は、以下のことを示す。
以下に、本願発明の実施態様を付記する。
[1] アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)変異タンパク質であって、前記変異タンパク質が非天然タンパク質であり、前記変異タンパク質が野生型アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)のアミノ酸45~149のうちに少なくとも1つのヒスチジン(H)の変異を有する、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)変異タンパク質。
[2] 前記変異が、前記野生型アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)の67、69、93および/または94位のヒスチジン(H)を含まない、[1]に記載の変異タンパク質。
[3] 前記ヒスチジンが、塩基性アミノ酸へ独立に変異されることができる、[1]または[2]に記載の変異タンパク質。
[4] 前記ヒスチジンが、以下の群:リジン(K)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)およびこれらの組み合わせから選択される1またはそれより多くのアミノ酸へ独立に変異されることができる、[1]または[2]に記載の変異タンパク質。
[5] 前記変異タンパク質が、酵母由来のアルコールデヒドロゲナーゼに基づく改造によって得られ、前記酵母が、好ましくはKluyveromyces、より好ましくはKluyveromyces lactisである、[1]~[4]のいずれか一項に記載の変異タンパク質。
[6] 前記アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)変異タンパク質のアミノ酸配列が、以下の群:
(a)そのアミノ酸配列が配列番号:2~13の任意の1つであるポリペプチド;
(b)配列番号:2~13に示されているアミノ酸配列を有するポリペプチドの1つに由来し、アルコールデヒドロゲナーゼ活性と前記変異タンパクのNi媒体への低下させた結合能力とを有するポリペプチド;前記ポリペプチドは、配列番号:2~13に示されているアミノ酸配列の任意の1つ中の1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失または付加によって形成され、置換、欠失または付加に供されるアミノ酸残基の数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~15、より好ましくは1~10、より好ましくは1~8、より好ましくは1~3、最も好ましくは1である;
(c)配列番号:2~13に示されている配列の任意の1つと少なくとも70%の配列相同性、好ましくは少なくとも75%、80%、85%、90%の配列相同性、より好ましくは少なくとも95%%、96%、97%、98%、99%の配列相同性を有するポリペプチド;前記ポリペプチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性と前記変異タンパク質のNi媒体への低下させた結合能力とを有する;
(d)配列番号:1、26、27または28に示されている配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも85%または90%の相同性、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%または99%の相同性を有するポリペプチド;前記ポリペプチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性と前記変異タンパク質のNi媒体への低下させた結合能力とを有する;
から選択される、[1]~[5]のいずれか一項に記載の変異タンパク質。
[7] ポリヌクレオチドであって、前記ポリヌクレオチドが[1]~[6]のいずれか一項に記載の変異タンパク質をコードし、または[1]~[6]のいずれか一項に記載の変異タンパク質をコードするポリヌクレオチドに相補的である、ポリヌクレオチド。
[8] [7]に記載のポリヌクレオチドを含有するベクター。
[9] 宿主細胞であって、前記宿主細胞が[8]に記載のベクターを含有し、または前記宿主細胞がそのゲノム中に組み込まれた[7]に記載のポリヌクレオチドを有する、宿主細胞。
[10] [1]~[6]のいずれか一項に記載のアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)変異タンパク質を製造するための方法であって、
[9]に記載の宿主細胞が、前記アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)変異タンパク質を発現させるために、発現に適した条件下で培養される工程と;および/または
前記アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)変異タンパク質が単離される工程と
を含む方法。
[11] [1]~[6]のいずれか一項に記載のアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)変異タンパク質を含む酵素調製物。
[12] 酵素調製物を調製するための[1]~[6]のいずれか一項に記載の変異タンパク質の使用であって、前記酵素調製物が、(i)インビトロ無細胞合成系での前記外来性タンパク質の発現純度、効率および/もしくは収率を改善し、ならびに/または(ii)前記変異タンパク質のNi媒体への結合能力を低下させる、使用。
Claims (14)
- アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)変異タンパク質であって、前記変異タンパク質が非天然タンパク質であり、前記変異タンパク質が野生型Kluyveromyces lactisのADH1タンパク質に基づいて、47、51、124およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、または、野生型Kluyveromyces lactisのADH2タンパク質に基づいて、45、49、122およびそれらの組み合わせから選択される、または野生型Kluyveromyces lactisのADH3タンパク質に基づいて、71、75、148およびそれらの組み合わせから選択される、または野生型Kluyveromyces lactisのADH4タンパク質に基づいて、72、76、149およびそれらの組み合わせから選択される、1以上の部位で置換および/または欠失を有し、ここにおいて、当該変異タンパク質は、ADH活性を有し、野生型Kluyveromyces lactisのADHに比較して、当該変異タンパク質は、Ni媒体に対する結合能が低下されている、ADH変異タンパク質。
- 前記変異を受けたヒスチジンが、塩基性アミノ酸へ独立に変異されることができる、請求項1に記載の変異タンパク質。
- 前記変異を受けたヒスチジンが、以下の群:リジン(K)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)およびこれらの組み合わせから選択される1またはそれより多くのアミノ酸へ独立に変異されることができる、請求項2に記載の変異タンパク質。
- 前記ADH変異タンパク質のアミノ酸配列が、以下の群:
(a)そのアミノ酸配列が配列番号:2~13の任意の1つであるポリペプチド;
(b)配列番号:2~13に示されているアミノ酸配列を有するポリペプチドの1つに由来し、ADH活性を有し、野生型Kluyveromyces lactisのADHに比較して、前記変異タンパクのNi媒体への低下させた結合能力を有するポリペプチド;前記ポリペプチドは、配列番号:2~13に示されているアミノ酸配列の任意の1つ中の1または数個のアミノ酸残基、1~20アミノ酸残基、1~15アミノ酸残基、1~10アミノ酸残基、1~8アミノ酸残基、1~3アミノ酸残基、または1アミノ酸残基の置換、欠失によって形成されている、;
(c)配列番号:2~13に示されている配列の任意の1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列相同性を有するポリペプチド;前記ポリペプチドは、ADH活性を有し、野生型Kluyveromyces lactisのADHに比較して、前記変異タンパク質のNi媒体への低下させた結合能力を有する;
(d)配列番号:1、26、27または28に示されている配列と少なくとも90%、95%、98%または99%の相同性を有するポリペプチド;前記ポリペプチドは、ADH活性を有し、野生型Kluyveromyces lactisのADHに比較して、前記変異タンパク質のNi媒体への低下させた結合能力を有する;
から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の変異タンパク質。 - ポリヌクレオチドであって、前記ポリヌクレオチドが請求項1~4のいずれか一項に記載の変異タンパク質をコードし、または請求項1~4のいずれか一項に記載の変異タンパク質をコードするポリヌクレオチドに相補的である、ポリヌクレオチド。
- 請求項5に記載のポリヌクレオチドを含有するベクター。
- 内因性ADHタンパク質をコードする遺伝子が請求項1~4のいずれか一項に記載の変異タンパク質をコードするポリヌクレオチドに変異されており、
前記内因性ADHタンパク質は、Ni媒体に親和性を有し、
前記変異タンパク質は、ADH活性を有し、野生型Kluyveromyces lactisのADHに比較して、低下したNi媒体への結合能力を有し、
Kluyveromycesに由来する、遺伝子改変された株。 - 請求項7に記載された遺伝子改変された株の細胞溶解物。
- 請求項8に記載された細胞溶解物を含む、インビトロタンパク質合成系。
- 当該インビトロタンパク質合成系が無細胞系である、請求項9に記載のインビトロタンパク質合成系。
- 当該インビトロタンパク質合成系が無細胞転写及び翻訳系である、請求項9に記載のインビトロタンパク質合成系。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載のADH変異タンパク質を含む酵素調製物。
- 請求項7に記載の遺伝子改変された株を製造する方法。
- 野生型Kluyveromyces lactisのADHに比較して、精製にNi媒体を用いたとき、改善された発現タンパク質の生成物純度を提供する、請求項7に記載の遺伝子改変された株、又は請求項8に記載の細胞溶解物、又はタンパク質合成に適用可能な請求項9に記載のインビトロタンパク質合成系の使用。
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