JP7341408B2 - 磁場加熱成形システム及び磁場加熱成形方法 - Google Patents

磁場加熱成形システム及び磁場加熱成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁場加熱成形システム及び磁場加熱成形方法に関する。
軽量性及び高い強度を有する材料には、強化繊維に樹脂を含浸させた複合材料が知られている。複合材料は、航空機、自動車及び船舶等に用いられている。複合材料を製造する方法としては、強化繊維に樹脂を含浸させた複合材料を加圧ヘッドで加圧しながら、磁場コイルで磁場を印加することで、磁場を用いて複合材料を誘導加熱する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2017-193123号公報
従来、特許文献1に記載されたような磁場加熱を用いて複合材料に例示される被成形材料を成形する場合、成形中の被成形材料の温度を測定することが困難であるという問題があった。例えば、成形中の被成形材料は、成形中の箇所が加圧ヘッド等により加圧されている状態であるので、加圧ヘッド等により覆われている状態であるため、赤外線サーモグラフィ等を使用して成形中の被成形材料の表面温度を測定することは困難である。また、成形中の被成形材料に熱電対等を埋め込んだ場合、成形中の被成形材料の温度を測定することはできるものの、埋め込んだ熱電対等による跡が被成形材料に残ってしまい、この非成形材料を製品として使うことが困難となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被成形材料に跡を残すことなく、成形中の被成形材料の温度を測定することを可能にする磁場加熱成形システム及び磁場加熱成形方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、磁場加熱成形システムは、被成形材料を加圧する加圧装置と、前記被成形材料において導電性のループが形成する面に交差する方向に磁場を印加する磁場印加装置と、各装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記磁場印加装置の磁場コイルを流れる電流の周波数の変化量に基づいて、前記被成形材料の温度を算出することを特徴とする。
この構成によれば、磁場コイルを流れる電流の周波数の変化量に基づいて、成形中の被成形材料の温度を算出するので、被成形材料に跡を残すことなく、成形中の被成形材料の温度を測定することができる。また、磁場コイルを流れる電流の周波数の絶対値は、被成形材料の形状や状態等によって変化するが、磁場コイルを流れる電流の周波数の変化量に着目することで、被成形材料の形状や状態等に起因する部分を好適に除去することができるので、被成形材料の形状や状態等によらず、成形中の被成形材料の温度を測定することができる。
この構成において、前記制御装置は、所定の時における前記磁場コイルを流れる電流の周波数である基準周波数と、前記所定の時における前記被成形材料の温度である基準温度と、前記磁場コイルを流れる電流の周波数と前記基準周波数との差分である周波数差分に基づいて、前記被成形材料の温度と前記基準温度との差分である温度差分を算出することが好ましい。この構成によれば、磁場コイルを流れる電流の周波数の変化量に基づいて温度差分を正確に算出できるので、基準温度と算出した温度差分とに基づいて、成形中の被成形材料の温度をより正確に算出することができる。
この構成において、前記所定の時は、磁場加熱成形の開始時、または、直前の前記被成形材料の温度の算出に使用した電流の周波数の検出時、であることが好ましい。この構成によれば、所定の時が磁場加熱成形の開始時である場合、磁場加熱成形の開始時における被成形材料の温度及び磁場コイルを流れる電流の周波数を基準として、成形中の被成形材料の温度を算出することができるので、誤差を蓄積させずに、確度の高い成形中の被成形材料の温度を算出することができる。また、所定の時が直前の被成形材料の温度の算出に使用した電流の周波数の検出時である場合、直前の検出時における被成形材料の温度及び磁場コイルを流れる電流の周波数を基準として、成形中の被成形材料の温度を算出することができるので、少しの温度変化にも敏感に、精度の高い成形中の被成形材料の温度を算出することができる。
さらに、これらの構成において、前記制御装置は、前記基準温度と前記基準周波数と前記周波数差分とに基づいて前記温度差分を対照させたルックアップテーブルを参照して、前記温度差分を算出することが好ましい。この構成によれば、予め温度計を使用して校正したルックアップテーブルを参照して温度差分を算出するので、成形中の被成形材料の温度をより正確に算出することができる。
さらに、この構成において、前記制御装置は、前記ルックアップテーブルを作成または更新する校正処理を実行することが好ましい。この構成によれば、以前に使用していた温度計を用い、かつ、同様の加圧装置及び磁場印加装置を用いて加熱する場合についてルックアップテーブルを作成または更新することができるので、使用する加圧装置及び磁場印加装置の様態に適切な形で、以前に使用していた温度計を用いた場合の温度の正確さを保持したまま、成形中の被成形材料の温度を算出することができる。
また、これらの構成において、前記制御装置は、算出した前記被成形材料の温度に基づいて、前記磁場印加装置の磁場コイルに流す電流量を制御することが好ましい。この構成によれば、さらに、磁場加熱する際の温度を好適に制御できるので、より品質の好ましい被成形材料を成形することができる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、磁場加熱成形方法は、被成形材料を加圧しながら磁場の印加により加熱をする磁場加熱成形方法において、前記磁場を印加する磁場コイルを流れる電流の周波数を検出する電流周波数検出ステップと、電流周波数検出ステップで検出した前記電流の周波数の変化量に基づいて、前記被成形材料の温度を算出する温度算出ステップと、を有することを特徴とする。
この構成によれば、対応する磁場加熱成形システムと同様に、磁場コイルを流れる電流の周波数の変化量に基づいて、成形中の被成形材料の温度を算出するので、被成形材料に跡を残すことなく、成形中の被成形材料の温度を測定することができる。また、磁場コイルを流れる電流の周波数の絶対値は、被成形材料の形状や状態等によって変化するが、磁場コイルを流れる電流の周波数の変化量に着目することで、被成形材料の形状や状態等に起因する部分を好適に除去することができるので、被成形材料の形状や状態等によらず、成形中の被成形材料の温度を測定することができる。
本発明によれば、被成形材料に跡を残すことなく、成形中の被成形材料の温度を測定することを可能にする磁場加熱成形システム及び磁場加熱成形方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る磁場加熱成形システムの構成の一例を模式的に示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係る磁場加熱成形システムの制御装置を示す機能ブロック図である。 図3は、本発明の実施形態に係る磁場加熱成形方法を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
[実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る磁場加熱成形システム10の構成の一例を模式的に示す図である。本発明の実施形態に係る磁場加熱成形システム10は、被成形材料1を、加圧しながら磁場を印加することで誘導加熱する、すなわち磁場加熱するシステムである。磁場加熱成形システム10は、図1に示すように、加圧装置30と、磁場印加装置40と、制御装置50と、を備える。
本実施形態では、被成形材料1は、水平方向に、平面状に沿って延びている平板形状に成形された材料が例示される。また、本実施形態では、被成形材料1は、鉛直方向に沿う方向に直交し、かつ、水平方向に延びる平面台22の鉛直方向上側に配置して、磁場加熱成形システム10による磁場加熱処理が施される。また、本実施形態では、磁場加熱成形システム10における鉛直方向に沿う方向と、被成形材料1の厚さ方向とが一致している。以下において、適宜、被成形材料1における鉛直方向下側を一方側と称し、被成形材料1における鉛直方向上側を他方側と称する。なお、本発明はこの形態に限定されず、曲線を有する複雑な形状等、如何なる形状の被成形材料1に対して磁場加熱する形態であってもよく、如何なる配置がされた被成形材料1に対して磁場加熱する形態であってもよい。
被成形材料1は、本実施形態では、電気伝導性を有する強化繊維と樹脂とを有し、強化繊維による導電性のループが形成される複合材料が好適なものとして例示されるが、本発明はこれに限定されず、磁場に応じて誘導電流が流れる導電性のループが形成されるものであれば、如何なる材料でも良い。
被成形材料1を構成する強化繊維は、被成形材料1の内部に、概ね平面状に沿って延びているが、鉛直方向に沿って配された短い強化繊維を有していてもよい。被成形材料1を構成する強化繊維は、本実施形態では炭素繊維が例示されるが、これに限定されることはなく、その他の金属繊維でもよい。
被成形材料1を構成する樹脂は、被成形材料1を構成する強化繊維に含浸されており、本発明の実施形態に係る磁場加熱成形方法に含まれる磁場加熱処理を経て、反応する。被成形材料1を構成する樹脂は、加熱されることで軟化状態または半硬化状態から硬化状態に熱硬化反応する熱硬化性樹脂と、加熱されることで熱溶融反応する熱可塑性樹脂と、が例示される。以下において、被成形材料1を構成する樹脂は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを区別しない場合には、熱硬化性樹脂の熱硬化反応と熱可塑性樹脂の熱溶融反応とを、単に反応と称する。
被成形材料1を構成する樹脂は、本実施形態では、熱硬化性樹脂である場合、エポキシ系樹脂を有する樹脂が例示される。被成形材料1を構成する樹脂がエポキシ系樹脂を有する場合、さらに軽量性及びさらに高い強度を有するので、好ましい。被成形材料1を構成する樹脂は、本実施形態では、熱硬化性樹脂である場合、他には、ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂が例示される。被成形材料1を構成する樹脂は、本実施形態では、熱可塑性樹脂である場合、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、及びポリフェニレンサルファイド(PPS)等が例示される。ただし、被成形材料1を構成する樹脂は、これらに限定されず、その他の樹脂でもよい。
被成形材料1を構成する樹脂の反応前の被成形材料1は、複合材料である場合、本実施形態では、例えば、複合材料のプリプレグである。被成形材料1を構成する樹脂の反応後の被成形材料1は、複合材料である場合、軽量性及び高い強度を有する。
平面台22は、磁場印加装置40の磁場コイル42が印加する磁場に対して透明な材料、すなわち、磁場印加装置40の磁場コイル42が印加する磁場によってほとんど内部に渦電流を誘起されず、磁場印加装置40の磁場コイル42が印加する磁場に応じてほとんど内部に発熱を生じさせない材料で構成されている。平面台22を形成する材料は、本実施形態では、いずれも、磁場に対して透明であり、かつ、耐圧性及び耐熱性が高い材料であるPEEK樹脂、及びセラミックスが好ましい。
加圧装置30は、平面台22の鉛直方向上側に配置した被成形材料1を加圧する装置である。加圧装置30は、図1に示すように、加圧ヘッド32と、加圧シリンダ34と、を有する。
加圧ヘッド32は、図1に示すように、被成形材料1の磁場加熱処理が施される領域である処理領域2の他方側と対向して設けられており、被成形材料1及び平面台22を介して、磁場印加装置40の磁場コイル42と鉛直方向に対向して設けられている。加圧ヘッド32は、被成形材料1の処理領域2を、被成形材料1の他方側から加圧する。
加圧ヘッド32は、磁場印加装置40の磁場コイル42が印加する磁場に対して透明な材料で形成されている。加圧ヘッド32を形成する材料は、磁場印加装置40の磁場コイル42が印加する磁場に対して透明で、かつ、耐圧性及び耐熱性が高い材料であるPEEK樹脂、及びセラミックスであることが好ましい。
加圧シリンダ34は、加圧ヘッド32の鉛直方向上側に設けられており、制御装置50と電気的に接続されている。加圧ヘッド32は、制御装置50により加圧シリンダ34が制御されることにより、被成形材料1に対して相対的に鉛直方向上下に移動することができ、かつ、被成形材料1に対して鉛直方向下側へ向けて印加する圧力を変更することができる。加圧装置30は、加圧ヘッド32により、被成形材料1の処理領域2を200kPa以上800kPa以下で加圧することが好ましく、300kPa以上600kPa以下で加圧することがより好ましい。
磁場印加装置40は、平面台22の鉛直方向上側に配置した被成形材料1に磁場を印加することで、被成形材料1を磁場加熱する装置である。磁場印加装置40は、図1に示すように、磁場コイル42と、高周波電源44と、電流周波数検出装置46と、を有する。
磁場コイル42は、図1に示すように、被成形材料1の処理領域2の一方側と対向して設けられており、平面台22及び被成形材料1を介して、加圧装置30の加圧ヘッド32と鉛直方向に対向して設けられている。磁場コイル42は、被成形材料1の処理領域2に、被成形材料1の一方側から磁場を印加する。
磁場コイル42は、本実施形態では、1つのコイルが配置された形態が例示されるが、複数のコイルが所定の形状、例えば正方形状に配列された形態が用いられてもよい。磁場コイル42は、コイルが配置された水平方向の領域と同等の領域に磁場を印加する。本実施形態では、磁場コイル42が磁場を印加する領域は、被成形材料1の処理領域2に対応していることが好ましい。
磁場コイル42に含まれるコイルは、コイルの中心軸が被成形材料1の延びる平面と交差する方向を向いている。磁場コイル42は、被成形材料1の延びる平面と交差する方向に沿って磁場を発生させることで、被成形材料1において導電性のループが形成する平面と交差する方向に沿って磁場を発生させる。磁場コイル42は、磁場コイル42の鉛直方向上側の端部が被成形材料1の一方側の面と所定の距離を離して配置されている。この所定の距離は、1.5cmが例示される。
磁場コイル42に含まれるコイルは、コイルの中心軸が鉛直方向に沿った方向を向いていることが好ましい。この場合、磁場コイル42は、被成形材料1の延びる平面と直交する方向に沿って磁場を発生させることで、被成形材料1において導電性のループが形成する平面と直交する方向に沿って磁場を発生させる。そして、磁場コイル42は、この導電性のループが形成する平面と直交する方向に沿った磁場を印加することで、この導電性のループに効率よく渦電流を誘起させることができるため、効率よく発熱を生じさせることができる。このため、磁場コイル42は、効率よく被成形材料1の処理領域2を磁場加熱することができる。
高周波電源44は、磁場コイル42に電気的に接続して設けられており、制御装置50と電気的に接続されている。高周波電源44は、制御装置50の制御を受けて、磁場コイル42に電流を流すことができ、かつ、磁場コイル42に流す電流の大きさである電流量、及び、磁場コイル42に流す電流の周波数を変更することができる。磁場コイル42は、制御装置50により高周波電源44が制御されることにより、被成形材料1に対して鉛直方向上側へ向けて磁場を印加することができ、この印加する磁場の大きさ及び周波数等を変更することができる。磁場印加装置40は、磁場コイル42により、被成形材料1の処理領域2に900kHz以上の高周波磁場を印加することが好ましい。
制御装置50は、磁場コイル42が印加する磁場の大きさを、高周波電源44が磁場コイル42に流す電流の電流量によって制御することができ、磁場コイル42が印加する磁場の周波数を、高周波電源44が磁場コイル42に流す電流の周波数によって制御することができる。
電流周波数検出装置46は、磁場コイル42と高周波電源44とを電気的に接続する導線に設けられており、高周波電源44から磁場コイル42に電流が供給されているか否かを検出するとともに、高周波電源44から磁場コイル42に供給されている電流の電流量及び周波数を検出する。電流周波数検出装置46は、制御装置50と電気的に接続されており、制御装置50によってその動作が制御されるとともに、検出した各結果を制御装置50に送信する。
磁場加熱成形システム10は、また、図1に示すように、被成形材料1の処理領域2に設置及び退避が可能な温度計24を、さらに備えている。温度計24は、制御装置50によってその動作が制御されるとともに、検出した温度の情報を制御装置50に送信する。
磁場加熱成形システム10は、また、被成形材料1に対する加圧ヘッド32の水平方向の位置と、被成形材料1に対する磁場コイル42の水平方向の位置と、を同期して変化させる図示しない移動機構が設けられていてもよい。この移動機構は、制御装置50により制御され、磁場加熱成形システム10による磁場加熱成形中に、加圧ヘッド32により加圧する領域及び磁場コイル42により磁場を印加する領域である処理領域2を、被成形材料1において移動させることができる。制御装置50は、処理領域2が被成形材料1のどの領域を移動したかどうかを、随時判定することができる。
制御装置50は、加圧シリンダ34、高周波電源44、電流周波数検出装置46、及び温度計24と電気的に接続されており、これらの部位の動作を制御する。制御装置50は、加圧シリンダ34を制御することで、加圧ヘッド32の被成形材料1に対する相対的な鉛直方向の位置と、被成形材料1に対して鉛直方向下側へ向けて印加する圧力の大きさと、等を制御することができる。制御装置50は、高周波電源44を制御することで、磁場コイル42に流す電流の電流量及び周波数を制御することを介して、磁場コイル42が被成形材料1に対して印加する磁場の大きさ及び周波数を制御することができる。これにより、制御装置50は、被成形材料1の形状や組成等に応じて、被成形材料1を加熱する加熱温度、昇温速度、及び加熱時間等を制御することができる。制御装置50は、電流周波数検出装置46から電流周波数検出装置46の各検出結果に関する情報を取得することができ、温度計24から温度計24の検出した温度に関する情報を取得することができる。
図2は、本発明の実施形態に係る磁場加熱成形システム10の制御装置50を示す機能ブロック図である。制御装置50は、磁場加熱成形システム10を制御するコンピュータシステムを含む情報処理装置である。図2に示すように、制御装置50は、処理部51と、記憶部52と、情報通信インターフェイス53と、を有する。
処理部51は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、制御装置50内部の記憶装置である記憶部52に記憶されている各種プログラム(磁場加熱成形プログラムの一例に相当)がRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。また、処理部51は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。処理部51は、加圧シリンダ34、高周波電源44、電流周波数検出装置46、及び温度計24からの情報の入力を受け付けたり、制御装置50と電気的に接続されている表示部70に磁場加熱成形システム10に関する各種パラメータ、検出結果、及び算出結果等の情報の出力を行ったりする情報通信インターフェイス53が接続されている。
処理部51は、図2に示すように、記憶部52及び情報通信インターフェイス53と、互いに情報通信可能に電気的に接続されており、これらの各構成要素をそれぞれ制御する制御部として機能する。すなわち、処理部51は、記憶部52とともに、制御部として機能して、本発明の実施形態に係る磁場加熱成形方法を磁場加熱成形システム10に実行させるものである。
処理部51は、図2に示すように、初期温度取得部61と、電流周波数取得部62と、温度算出部63と、電流制御部64と、校正部65と、を有する。
初期温度取得部61は、温度計24を制御して、被成形材料1の処理領域2に設置された温度計24が検出した初期温度を、情報通信インターフェイス53を介して取得する。ここで、初期温度は、磁場加熱成形の開始時、すなわち、被成形材料1の処理領域2を磁場加熱する磁場コイル42に高周波電源44から電流を流し始める時の被成形材料1の処理領域2の温度のことを指す。
電流周波数取得部62は、電流周波数検出装置46を制御して、電流周波数検出装置46が検出した各種情報、すなわち、高周波電源44から磁場コイル42に電流が供給されているか否かの情報と、高周波電源44から磁場コイル42に供給されている電流の電流量及び周波数の情報とを、情報通信インターフェイス53を介して取得する。
温度算出部63は、磁場印加装置40の磁場コイル42を流れる電流の周波数の変化量に基づいて、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度を算出する。温度算出部63は、具体的には、所定の時における磁場コイル42を流れる電流の周波数である基準周波数と、同じ所定の時における被成形材料1の処理領域2の温度である基準温度と、成形中において磁場コイル42を流れる電流の周波数と基準周波数との差分である周波数差分に基づいて、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度と基準温度との差分である温度差分を算出することで、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度を算出する。温度算出部63は、後述するルックアップテーブル68を使用して、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度を算出することが好ましい。
実施形態に係る磁場加熱成形システム10では、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度が変化した場合、この温度の変化に基づいて、磁場印加装置40の磁場コイル42の温度が変化し、このため、磁場印加装置40の磁場コイル42の負荷インピーダンスが変化し、このインピーダンスの変化に応じて、システム内で処理部51が自動でインピーダンス整合処理を実行することにより、磁場印加装置40の磁場コイル42に流す電流の周波数を変化させる。この一連の流れにおいて、実施形態に係る磁場加熱成形システム10では、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度の変化量と、磁場印加装置40の磁場コイル42に流す電流の周波数の変化量との間に、一定の法則性を有する。特に、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度の変化量が微小量である場合、磁場印加装置40の磁場コイル42に流す電流の周波数の変化量との間に、比例関係の法則性を有する。温度算出部63は、実施形態に係る磁場加熱成形システム10におけるこの法則性を生かして、インピーダンス整合処理によって磁場印加装置40の磁場コイル42に流す電流の周波数の変化量に基づいて、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度の変化量を算出することで、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度を算出するものである。
ここで、上記した所定の時は、磁場加熱成形の開始時、または、直前の被成形材料1の処理領域2の温度の算出に使用した電流の周波数の検出時、であることが好ましい。所定の時が磁場加熱成形の開始時である場合、磁場加熱成形の開始時における被成形材料1の温度及び磁場コイルを流れる電流の周波数を基準として、成形中の被成形材料1の温度を算出するため、温度算出部63によって基準を固定した計算処理をすることになる。また、所定の時が直前の被成形材料1の温度の算出に使用した電流の周波数の検出時である場合、直前の検出時における被成形材料1の温度及び磁場コイルを流れる電流の周波数を基準として、成形中の被成形材料1の温度を算出するため、温度算出部63によって逐次計算処理をすることになる。
電流制御部64は、温度算出部63が算出した成形中の被成形材料1の処理領域2の温度に基づいて、成形中に、磁場印加装置40の磁場コイル42に流す電流量を制御する。電流制御部64は、具体的には、温度算出部63が算出した温度が、予め定めた被成形材料1の処理領域2の成形中の加熱温度範囲における上限閾値よりも大きい場合、高周波電源44を制御することで、磁場コイル42に流す電流量を弱める。また、電流制御部64は、温度算出部63が算出した温度が、予め定めた被成形材料1の処理領域2の成形中の加熱温度範囲における下限閾値よりも小さい場合、高周波電源44を制御することで、磁場コイル42に流す電流量を強める。
校正部65は、後述するルックアップテーブル68を作成または更新する構成処理を実行する。校正部65は、具体的には、被成形材料1の処理領域2に温度計24を設置した状態で、後述する本発明の実施形態に係る磁場加熱成形システム10が実行する磁場加熱成形方法に対して、温度算出部63により成形中の被成形材料1の処理領域2の温度を算出することに代えて、温度計24を用いて初期温度取得部61により成形中の被成形材料1の処理領域2の温度を取得して、その他の部分については同様の磁場加熱成形を実行して、基準温度と基準周波数と周波数差分とに基づいて温度差分を対照させたルックアップテーブル68を作成または更新する。なお、校正部65は、上記した所定の時が、磁場加熱成形の開始時である場合についても、直前の被成形材料1の処理領域2の温度の算出に使用した電流の周波数の検出時である場合についても、様々な場合に対応したルックアップテーブル68を作成または更新することが好ましい。
処理部51に含まれる各部、すなわち、初期温度取得部61、電流周波数取得部62、温度算出部63、電流制御部64、及び、校正部65は、いずれも、処理部51が磁場加熱成形プログラムを実行することにより、実現される機能部である。
記憶部52は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部52は、ルックアップテーブル68を記憶して保存する。
記憶部52は、磁場加熱成形システム10の各装置を制御するための制御信号の生成処理に必要な各種出力処理情報、及び、磁場加熱成形システム10の各装置から得られる受信信号の解析処理に必要な各種入力処理情報を記憶する。また、記憶部52は、磁場加熱成形システム10の各装置から得られる受信信号を解析して得られる各種入力情報を、随時記憶する。
記憶部52に記憶されているルックアップテーブル68は、基準温度、基準周波数及び周波数差分を入力情報として、温度差分を出力情報としたモデルである。ルックアップテーブル68は、温度算出部63によって、温度差分を算出する際に使用される。ルックアップテーブル68は、校正部65によって、適宜作成または更新される。校正部65によって様々な場合に対応して作成または更新したルックアップテーブル68は、前述した一定の法則性を利用して作成されているため、前述した一定の法則性を利用した温度算出部63による算出処理を好適に補助するものとなる。具体的には、ルックアップテーブル68は、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度の変化が微小である場合についての各比例関係における様々な場合に対応した比例係数を、温度算出部63に対して正確に提供することができるものとなる。
情報通信インターフェイス53は、処理部51と、制御装置50と電気的に接続されている各装置とを、互いに情報通信可能に接続している。情報通信インターフェイス53は、温度計24が検出した初期温度を、温度計24から受信して処理部51に送信する。また、情報通信インターフェイス53は、電流周波数検出装置46が検出した各種情報を、電流周波数検出装置46から受信して処理部51に送信する。
情報通信インターフェイス53は、処理部51で生成される各情報、例えば、温度計24、加圧シリンダ34、高周波電源44及び電流周波数検出装置46を制御するための制御信号を処理部51から受信し、それぞれ、温度計24、加圧シリンダ34、高周波電源44及び電流周波数検出装置46に向けて送信する。
また、情報通信インターフェイス53は、処理部51で生成される磁場加熱成形に関する各種情報、例えば、被成形材料1の処理領域2に対して付加された圧力、電流周波数検出装置46によって高周波電源44に流している電流の電流量及び周波数、並びに、温度算出部63が温度の算出に使用している所定の時に関する情報、基準温度、基準周波数、周波数差分及び温度差分等の情報の一部または全部を表示する表示画像の情報を処理部51から受信し、表示部70に向けて送信する。
実施形態に係る磁場加熱成形システム10の作用について以下に説明する。図3は、本発明の実施形態に係る磁場加熱成形方法を示すフローチャートである。磁場加熱成形システム10によって実行される実施形態に係る磁場加熱成形方法について、磁場加熱成形システム10の処理部51における初期温度取得部61、電流周波数取得部62、温度算出部63、電流制御部64及び校正部65の詳細な機能と併せて、以下に説明する。
実施形態に係る磁場加熱成形方法は、図3に示すように、初期情報取得ステップS11と、電流周波数検出ステップS12と、温度算出ステップS13と、電流制御ステップS14と、加熱処理終了判定ステップS15と、を有する。
実施形態に係る磁場加熱成形方法は、初期情報取得ステップS11を実行する前に、校正ステップを含んでもよい。校正ステップは、校正部65が、ルックアップテーブル68を作成または更新するステップである。
校正ステップでは、具体的には、被成形材料1の処理領域2に温度計24を設置した状態で、直後に実行する予定の磁場加熱成形方法に対して、温度算出部63により成形中の被成形材料1の処理領域2の温度を算出することに代えて、温度計24を用いて初期温度取得部61により成形中の被成形材料1の処理領域2の温度を取得して、その他の部分については同様の磁場加熱成形を実行する。
校正ステップでは、次に、校正部65が、この磁場加熱成形の実行によって得られた基準温度、基準周波数、周波数差分及び温度差分の情報に基づいて、互いに対照させてモデル化することで、ルックアップテーブル68を作成する。
校正ステップでは、校正部65が、この実行した磁場加熱成形に基づくルックアップテーブル68がまだ記憶部52に記憶されていない場合には、ルックアップテーブル68を新たに作成して、記憶部52に記憶させる。校正ステップでは、校正部65が、この実行した磁場加熱成形に基づくルックアップテーブル68が記憶部52にすでに記憶されていない場合には、このすでに記憶部52に記憶されているルックアップテーブル68に対し、新たに作成したルックアップテーブル68を上書きして更新する。
なお、校正部65は、磁場加熱処理を実行する被成形材料1の形状及び組成等の構成ごとに、ルックアップテーブル68を複数作成及び更新することが好ましい。校正部65は、例えば、被成形材料1が複合材料である場合、被成形材料1を磁場加熱成形する形状、被成形材料1を構成する強化繊維及び樹脂の組み合わせごとに、ルックアップテーブル68を複数作成及び更新することが好ましい。
また、磁場加熱成形の開始時における被成形材料1の処理領域2の温度である初期温度は、直前に磁場加熱処理を実行していたか否かに基づいて、有意差が生じる場合がある。そこで、校正部65は、直前に磁場加熱処理を実行していない場合におけるルックアップテーブル68と、直前に磁場加熱処理を実行していた場合におけるルックアップテーブル68とを、別個で作成及び更新することが好ましい。
なお、校正ステップは、初期情報取得ステップS11の直前に実行する形態に限定されず、実施形態に係る磁場加熱成形方法のフローとは別途で、予め実行する形態であってもよい。
初期情報取得ステップS11は、磁場加熱成形の開始時における被成形材料1の処理領域2の温度である初期温度と、磁場加熱成形の開始時において、高周波電源44から磁場コイル42に供給される電流の周波数である初期周波数と、を取得するステップである。
初期情報取得ステップS11では、まず、温度計24を被成形材料1の処理領域2に設置して、初期温度取得部61が、温度計24を制御して、被成形材料1の処理領域2に設置された温度計24が検出した温度を、初期温度として取得して、温度計24を被成形材料1の処理領域2から退避させる。
初期情報取得ステップS11では、次に、制御装置50が、加圧シリンダ34を制御して加圧ヘッド32による被成形材料1の処理領域2の加圧を開始し、高周波電源44を制御して磁場コイル42に電流の印加を開始して、磁場コイル42による被成形材料1の処理領域2の磁場加熱を開始するとともに、電流周波数取得部62が、電流周波数検出装置46を制御して、磁場加熱成形の開始時において電流周波数検出装置46が検出した電流の周波数を、初期周波数として取得する。
初期情報取得ステップS11を経ると、被成形材料1の処理領域2の磁場加熱成形処理が開始される。具体的には、初期情報取得ステップS11を経た被成形材料1の処理領域2は、加圧された状態で、被成形材料1の処理領域2における導電性のループへの磁場の印加に応じて、この導電性のループに渦電流が誘起され、導電性のループ自体の電気抵抗によって発熱が生じ、この発熱によって加熱されることにより、磁場加熱成形処理が施される。
電流周波数検出ステップS12、温度算出ステップS13及び電流制御ステップS14は、初期情報取得ステップS11を経て磁場加熱成形処理が開始してから、追って説明する加熱処理終了判定ステップS15において磁場加熱成形処理を終了するまでの間、所定の一定時間ごとに繰り返し実行される。ここで、所定の一定時間とは、温度算出に係る時間の間隔に相当し、適宜設定することができる。
電流周波数検出ステップS12は、初期情報取得ステップS11の後、もしくは、加熱処理終了判定ステップS15において磁場加熱成形処理を終了しないと判定し、なおかつ、前回の電流周波数検出ステップS12を実行してから所定の一定時間が経過した後に実行される。電流周波数検出ステップS12は、電流周波数取得部62が、磁場を印加する磁場コイル42を流れる電流の周波数を検出するステップである。電流周波数検出ステップS12では、具体的には、電流周波数取得部62が、電流周波数検出装置46を制御して電流の周波数を検出させ、電流周波数検出装置46が検出した電流の周波数を取得する。
温度算出ステップS13は、温度算出部63が、電流周波数検出ステップS12の後に実行され、直前の電流周波数検出ステップS12で検出した電流の周波数の変化量に基づいて、被成形材料1の処理領域2の温度を算出するステップである。
ここで、温度算出ステップS13は、温度算出部63が、前述した一定の法則性を利用して、電流の周波数の変化量に基づいて、被成形材料1の処理領域2の温度を算出する算出処理を実行するものである。以下において、温度算出ステップS13で、温度算出部63が、校正部65によって様々な場合に対応して作成または更新したルックアップテーブル68を活用して算出処理を実行する例について説明するが、本発明ではこれに限定されることなく、前述した一定の法則性によって様々な場合ごとに導かれる数式に、電流の周波数の変化量を代入して算出処理を実行することで、被成形材料1の処理領域2の温度を算出してもよい。
温度算出ステップS13では、具体的には、まず、温度算出部63が、すでに記憶部52に蓄積されている所定の時における磁場コイル42を流れる電流の周波数である基準周波数と、同じ所定の時における被成形材料1の処理領域2の温度である基準温度と、の各情報を取得する。温度算出ステップS13では、次に、温度算出部63が、直前の電流周波数検出ステップS12で検出した電流の周波数から、基準周波数を差し引くことで、周波数差分を算出する。温度算出ステップS13では、その後、温度算出部63が、ルックアップテーブル68を使用して、取得した基準周波数及び基準温度と、算出した周波数差分とに基づいて、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度と基準温度との差分である温度差分を算出する。温度算出ステップS13では、さらに、温度算出部63が、算出した温度差分に基準温度を加えることで、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度を算出する。
ここで、温度算出ステップS13では、上記した所定の時を、磁場加熱成形の開始時とする場合、温度算出部63が、何度目の温度算出ステップS13においても、基準周波数及び基準温度として、初期情報取得ステップS11で取得した初期周波数及び初期温度を採用する。この場合、温度算出ステップS13では、ステップの回数に依らず基準を固定した計算処理をすることで、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度を算出する。
また、温度算出ステップS13では、上記した所定の時を、直前の被成形材料1の処理領域2の温度の算出に使用した電流の周波数の検出時とする場合、温度算出部63が、1度目の温度算出ステップS13においては、基準周波数及び基準温度として、初期情報取得ステップS11で取得した初期周波数及び初期温度を採用し、2度目以降の温度算出ステップS13においては、基準周波数及び基準温度として、1回前の電流周波数検出ステップS12で取得した電流の周波数及び1回前の温度算出ステップS13で算出した成形中の被成形材料1の処理領域2の温度を採用する。この場合、温度算出ステップS13では、1回前の電流の周波数及び温度を基準として逐次算出処理することで、成形中の被成形材料1の処理領域2の温度を算出する。
電流制御ステップS14は、電流制御部64が、温度算出ステップS13で算出した成形中の被成形材料1の処理領域2の温度に基づいて、成形中に、磁場印加装置40の磁場コイル42に流す電流量を制御するステップである。
電流制御ステップS14では、電流制御部64が、具体的には、温度算出ステップS13で算出した温度が、予め定めた被成形材料1の処理領域2の成形中の加熱温度範囲における上限閾値よりも大きい場合、高周波電源44を制御することで、磁場コイル42に流す電流量を弱める。また、電流制御ステップS14では、電流制御部64が、温度算出ステップS13で算出した温度が、予め定めた被成形材料1の処理領域2の成形中の加熱温度範囲における下限閾値よりも小さい場合、高周波電源44を制御することで、磁場コイル42に流す電流量を強める。
加熱処理終了判定ステップS15は、一連の電流周波数検出ステップS12、温度算出ステップS13及び電流制御ステップS14を実行する度に、実行されるステップであり、初期情報取得ステップS11を経て開始した被成形材料1の処理領域2の磁場加熱成形処理を終了するか否かを判定するステップである。
加熱処理終了判定ステップS15では、具体的には、制御装置50が、被成形材料1の処理領域2の磁場加熱成形処理を終了する旨の入力を受け付けていない場合、被成形材料1の処理領域2の磁場加熱成形処理を継続すると判定して(加熱処理終了判定ステップS15でNo)、実施形態に係る磁場加熱成形方法の処理を再び電流周波数検出ステップS12へ戻す。
加熱処理終了判定ステップS15では、また、制御装置50が、被成形材料1の処理領域2の磁場加熱成形処理を終了する旨の入力を受け付けている場合、被成形材料1の処理領域2の磁場加熱成形処理を終了すると判定して(加熱処理終了判定ステップS15でYes)、実施形態に係る磁場加熱成形方法の処理を終了させる。
加熱処理終了判定ステップS15を経て被成形材料1の処理領域2の磁場加熱成形処理を終了する場合、高周波電源44を制御して磁場コイル42への電流の印加を終了し、加圧シリンダ34を制御して加圧ヘッド32による被成形材料1の処理領域2の加圧を終了して、磁場加熱成形処理が施された被成形材料1を磁場加熱成形システム10から取り出す。
実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、以上のような構成を有するので、磁場コイル42を流れる電流の周波数の変化量に基づいて、成形中の被成形材料1の温度を算出するので、被成形材料1に跡を残すことなく、成形中の被成形材料1の温度を測定することができる。また、実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、磁場コイル42を流れる電流の周波数の絶対値は、被成形材料1の形状や状態等によって変化するが、磁場コイル42を流れる電流の周波数の変化量に着目することで、被成形材料1の形状や状態等に起因する部分を好適に除去することができるので、被成形材料1の形状や状態等によらず、成形中の被成形材料1の温度を測定することができる。
実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、制御装置50が、所定の時における磁場コイル42を流れる電流の周波数である基準周波数と、所定の時における被成形材料1の温度である基準温度と、磁場コイル42を流れる電流の周波数と基準周波数との差分である周波数差分に基づいて、被成形材料1の温度と基準温度との差分である温度差分を算出する。このため、実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、磁場コイル42を流れる電流の周波数の変化量に基づいて温度差分を正確に算出できるので、基準温度と算出した温度差分とに基づいて、成形中の被成形材料1の温度をより正確に算出することができる。
実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、所定の時が、磁場加熱成形の開始時、または、直前の被成形材料1の温度の算出に使用した電流の周波数の検出時、である。このため、実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、所定の時が磁場加熱成形の開始時である場合、磁場加熱成形の開始時における被成形材料1の温度及び磁場コイル42を流れる電流の周波数を基準として、成形中の被成形材料1の温度を算出することができるので、誤差を蓄積させずに、確度の高い成形中の被成形材料1の温度を算出することができる。また、実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、所定の時が直前の被成形材料1の温度の算出に使用した電流の周波数の検出時である場合、直前の検出時における被成形材料1の温度及び磁場コイル42を流れる電流の周波数を基準として、成形中の被成形材料1の温度を算出することができるので、少しの温度変化にも敏感に、精度の高い成形中の被成形材料1の温度を算出することができる。なお、実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、所定の時に関する両方のモードを適宜組み合わせることもでき、この場合、より正確な成形中の被成形材料1の温度を算出することができる。
実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、さらに、制御装置50が、基準温度と基準周波数と周波数差分とに基づいて温度差分を対照させたルックアップテーブル68を参照して、温度差分を算出する。このため、実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、予め温度計24を使用して校正したルックアップテーブル68を参照して温度差分を算出するので、成形中の被成形材料1の温度をより正確に算出することができる。
実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、さらに、制御装置50が、ルックアップテーブル68を作成または更新する校正処理を実行する。このため、実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、以前に使用していた温度計24を用い、かつ、同様の加圧装置30及び磁場印加装置40を用いて加熱する場合についてルックアップテーブル68を作成または更新することができるので、使用する加圧装置30及び磁場印加装置40の様態に適切な形で、以前に使用していた温度計24を用いた場合の温度の正確さを保持したまま、成形中の被成形材料1の温度を算出することができる。
また、実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、制御装置50が、算出した被成形材料1の温度に基づいて、磁場印加装置40の磁場コイル42に流す電流量を制御する。このため、実施形態に係る磁場加熱成形システム10及び磁場加熱成形システム10による実施形態に係る磁場加熱成形方法は、さらに、磁場加熱する際の温度を好適に制御できるので、より品質の好ましい被成形材料1を成形することができる。
1 被成形材料
2 処理領域
10 磁場加熱成形システム
22 平面台
24 温度計
30 加圧装置
32 加圧ヘッド
34 加圧シリンダ
40 磁場印加装置
42 磁場コイル
44 高周波電源
46 電流周波数検出装置
50 制御装置
51 処理部
52 記憶部
53 情報通信インターフェイス
61 初期温度取得部
62 電流周波数取得部
63 温度算出部
64 電流制御部
65 校正部
68 ルックアップテーブル
70 表示部

Claims (5)

  1. 被成形材料を加圧する加圧装置と、
    前記被成形材料において導電性のループが形成する面に交差する方向に磁場を印加する磁場印加装置と、
    各装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記磁場印加装置の磁場コイルを流れる電流の周波数の変化量に基づいて、前記被成形材料の温度を算出するものであり、
    直前の前記被成形材料の温度の算出に使用した電流の周波数の検出時における前記磁場コイルを流れる電流の周波数である基準周波数と、直前の前記被成形材料の温度の算出に使用した電流の周波数の検出時における前記被成形材料の温度である基準温度と、前記磁場コイルを流れる電流の周波数と前記基準周波数との差分である周波数差分とに基づいて、前記被成形材料の温度と前記基準温度との差分である温度差分を算出し、前記基準温度と前記温度差分とに基づいて前記被成形材料の温度を逐次算出することを特徴とする磁場加熱成形システム。
  2. 前記制御装置は、前記基準温度と前記基準周波数と前記周波数差分とに基づいて前記温度差分を対照させたルックアップテーブルを参照して、前記温度差分を算出することを特徴とする請求項に記載の磁場加熱成形システム。
  3. 前記制御装置は、前記ルックアップテーブルを作成または更新する校正処理を実行することを特徴とする請求項に記載の磁場加熱成形システム。
  4. 前記制御装置は、算出した前記被成形材料の温度に基づいて、前記磁場印加装置の磁場コイルに流す電流量を制御することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の磁場加熱成形システム。
  5. 被成形材料を加圧しながら磁場の印加により加熱をする磁場加熱成形方法において、
    前記磁場を印加する磁場コイルを流れる電流の周波数を検出する電流周波数検出ステップと、
    電流周波数検出ステップで検出した前記電流の周波数の変化量に基づいて、前記被成形材料の温度を算出するステップであり、直前の前記被成形材料の温度の算出に使用した電流の周波数の検出時における前記磁場コイルを流れる電流の周波数である基準周波数と、直前の前記被成形材料の温度の算出に使用した電流の周波数の検出時における前記被成形材料の温度である基準温度と、前記磁場コイルを流れる電流の周波数と前記基準周波数との差分である周波数差分とに基づいて、前記被成形材料の温度と前記基準温度との差分である温度差分を算出し、前記基準温度と前記温度差分とに基づいて前記被成形材料の温度を逐次算出する温度算出ステップと、
    を有することを特徴とする磁場加熱成形方法。
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