JP7331250B2 - 穴あけ装置および穴あけ方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1では、切削工具の溝部に付着した比較的長さの長い切削片を確実に除去することが困難である。そのため、比較的長さの長い切削片が付着したまま切削工具が動作し、切削片により加工物を傷つけてしまう可能性がある。
以下、本開示の第1実施形態に係る穴あけ装置100について、図面を参照して説明する。図1は、ストリンガ210およびクリップ220を示す斜視図である。図2は、本開示の第1実施形態に係る穴あけ装置100を示す概略構成図である。図3は、本開示の第1実施形態に係る穴あけ装置100を示す縦断面図である。
図3に示すように、上部クランプ10は、吐出ブロワ50により吐出される空気(気体)を筒部11の内側へ向けて吐出する吐出ポート13と、吐出ポート13から吐出された空気をドリル31により被加工部300が切削されて発生した切削屑400とともに吸引する吸引ポート14と、を有する。
本実施形態の穴あけ装置100によれば、ストリンガ210およびクリップ220を重ねた被加工部300の上面301が上部クランプ10により支持され、被加工部300の下面302が下部クランプ20により支持された状態で、外周面31bに溝31aが形成されたドリル31を軸線X回りに回転させることにより、被加工部300に穴あけ加工が行われる。ドリル31により切削される被加工部300から切削屑400が発生し、切削屑400がドリル31の溝31aに沿って成長する。切削屑400が所定長さ以上に成長すると切削屑400の端部がドリル31の外周面31bの外側へ突出した状態となる。
次に、本開示の第2実施形態に係る穴あけ装置100Aについて図面を参照して説明する。図11は、本実施形態に係る穴あけ装置100Aの被加工部300の近傍の部分拡大図である。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
次に、本開示の第3実施形態に係る穴あけ装置100Bについて図面を参照して説明する。図12は、本実施形態に係る穴あけ装置100Bの被加工部300の近傍の部分拡大図である。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
本開示に係る穴あけ装置(100)は、複数の被加工材(210,220)を重ねた被加工部(300)に穴あけ加工を行い、軸線(X)に沿って延びる筒状に形成されて前記被加工部の第1面(301)を支持する第1支持体(10)と、前記軸線に沿って延びる筒状に形成されて前記被加工部の第2面(302)を支持する第2支持体(20)と、前記被加工部に穴あけ加工を行う穴あけ部(30)と、を備え、前記穴あけ部は、前記軸線に直交する断面形状が円形であるとともに前記軸線に沿って旋回する溝(31a)が外周面に形成されたドリル(31)と、前記軸線を中心に前記ドリルを回転させるとともに前記被加工部の前記第1面に接触または離間するように前記ドリルを前記軸線に沿って前記第1支持体(10)の内部を移動させる駆動機構(32)と、を有し、前記第1支持体は、前記穴あけ部による前記被加工部の穴あけ加工により発生する切削屑を前記ドリルの前記溝から除去するための気体を前記ドリルの外周面の所定位置へ向けて吐出する吐出部(13)と、前記切削屑を気体とともに吸引する吸引部(14)と、を有し、前記吐出部は、前記ドリルを前記軸線に沿って平面視した場合に前記所定位置を通過する前記外周面の接線方向と一致する方向に気体を吐出する。
本構成の穴あけ装置によれば、軸線回りの周方向において、吸引位置が吐出部から吐出された気体が通過する所定位置から半周の範囲内に配置されている。そのため、吐出部から吐出された気体は、軸線回りに周回することなく、吐出部から吐出された速度成分を保持したまま切削屑とともに吸引部へ導かれる。これにより、第1支持体とドリルの外周面との間に形成される空間において、切削屑を軸線回りに周回させて被加工部を傷つけることなく、所定位置から吸引位置へ向けて切削屑を導くことができる。
本構成の穴あけ装置によれば、吐出位置から第1面と交差する方向に気体が吐出されるため、ドリルの溝から離脱した切削屑が第1面に向けて導かれる。ドリルの溝から離脱した切削屑が第1面から離れる方向に導かれないため、切削屑が吸引部へ導かれずに第1支持体の外部へ放出されることを抑制することができる。
本構成の穴あけ装置によれば、ドリルの溝のねじれ角と一致する方向に気体が吐出されるため、切削屑の端部をドリルの溝のねじれ角と一致する方向に沿って外周面から引き離し、切削屑をドリルの溝からより確実に離脱させることができる。
本構成の穴あけ装置によれば、吐出位置から第1面と平行な方向に気体が吐出されるため、ドリルの溝から離脱した切削屑が第1面と平行な方向に導かれる。ドリルの溝から離脱した切削屑が第1面に向けて直接的に導かれないため、切削屑が第1面に直接的に導かれて第1面を傷つけることを防止することができる。
本構成の穴あけ装置によれば、吐出部から吐出された気体が通過する所定位置において、気体の吐出方向と同方向にドリルの外周面が移動する。そのため、ドリルの溝に付着した切削屑に対して常に溝部から離脱する方向の力を与え、切削屑の溝からの離脱を促進することができる。また、切削屑に対してドリルにより所定位置から吸引部へ向けた速度成分が与えられるため、切削溝をより確実に吸引部へ導くことができる。
本構成の穴あけ装置によれば、穴あけ部を被加工部から退避させて退避位置において、ドリルの外周面に向けて気体を噴射することにより、吐出部から吐出された気体により除去されずに溝に付着した切削屑を、次の穴あけ加工を実行する前に除去することができる。
本開示の一態様に係る穴あけ方法は、複数の被加工材を重ねた被加工部に穴あけ加工を行い、軸線に沿って延びる筒状に形成される第1支持体により前記被加工部の第1面を支持し、前記軸線に沿って延びる筒状に形成される第2支持体により前記被加工部の第2面を支持する支持工程(S101)と、前記第1支持体および前記第2支持体により前記被加工部が支持された状態で、前記軸線に直交する断面形状が円形であるとともに前記軸線に沿って旋回する溝が外周面に形成されたドリルにより、前記被加工部に穴あけ加工を行う穴あけ工程(S102)と、を備え、前記穴あけ工程は、前記軸線を中心に前記ドリルを回転させるとともに、前記被加工部の前記第1面に接触するように前記ドリルを前記軸線に沿って前記第1支持体の内部を移動させ、前記被加工部の穴あけ加工により発生する切削屑を前記ドリルの前記溝から除去するための気体を、前記第1支持体が有する吐出部から前記ドリルの外周面の所定位置へ向けて吐出し、前記第1支持体が有する吸引部へ前記切削屑を気体とともに吸引し、前記吐出部は、前記ドリルを前記軸線に沿って平面視した場合に前記所定位置を通過する前記外周面の接線方向と一致する方向に気体を吐出する。
本構成の穴あけ方法によれば、軸線回りの周方向において、吸引位置が吐出部から吐出された気体が通過する所定位置から半周の範囲内に配置されている。そのため、吐出部から吐出された気体は、軸線回りに周回することなく、吐出部から吐出された速度成分を保持したまま切削屑とともに吸引部へ導かれる。これにより、第1支持体とドリルの外周面との間に形成される空間において、切削屑を軸線回りに周回させて被加工部を傷つけることなく、所定位置から吸引位置へ向けて切削屑を導くことができる。
本構成の穴あけ方法によれば、吐出位置から第1面と交差する方向に気体が吐出されるため、ドリルの溝から離脱した切削屑が第1面に向けて導かれる。ドリルの溝から離脱した切削屑が第1面から離れる方向に導かれないため、切削屑が吸引部へ導かれずに第1支持体の外部へ放出されることを抑制することができる。
本構成の穴あけ方法によれば、ドリルの溝のねじれ角と一致する方向に気体が吐出されるため、切削屑の端部をドリルの溝のねじれ角と一致する方向に沿って外周面から引き離し、切削屑をドリルの溝からより確実に離脱させることができる。
本構成の穴あけ方法によれば、吐出位置から第1面と平行な方向に気体が吐出されるため、ドリルの溝から離脱した切削屑が第1面と平行な方向に導かれる。ドリルの溝から離脱した切削屑が第1面に向けて直接的に導かれないため、切削屑が第1面に直接的に導かれて第1面を傷つけることを防止することができる。
本構成の穴あけ方法によれば、吐出部から吐出された気体が通過する所定位置において、気体の吐出方向と同方向にドリルの外周面が移動する。そのため、ドリルの溝に付着した切削屑に対して常に溝部から離脱する方向の力を与え、切削屑の溝からの離脱を促進することができる。また、切削屑に対してドリルにより所定位置から吸引部へ向けた速度成分が与えられるため、切削溝をより確実に吸引部へ導くことができる。
本構成の穴あけ方法によれば、穴あけ部を被加工部から退避させて退避位置において、ドリルの外周面に向けて気体を噴射することにより、吐出部から吐出された気体により除去されずに溝に付着した切削屑を、次の穴あけ加工を実行する前に除去することができる。
11,11A,11B 筒部
11a,11Aa,11Ba 内周面
13,13A,15 吐出ポート(吐出部)
13a,13Aa,15a 吐出流路
14 吸引ポート(吸引部)
14a 吸引流路
20 下部クランプ(第2支持体)
30 穴あけユニット(穴あけ部)
31 ドリル
31a 溝
31b 外周面
32 駆動機構
40 吸引ブロワ
50 吐出ブロワ
60 噴射ブロワ
61 噴射ポート(噴射部)
61a 噴射流路
70 制御部
100,100A,100B 穴あけ装置
210 ストリンガ(被加工材)
220 クリップ(被加工材)
300 被加工部
301 上面(第1面)
302 下面(第2面)
303 挿入穴
400 切削屑
P1,P1A,P5 吐出位置
P2,P4 除去位置
P3 吸引位置
RD 回転方向
S1 環状空間
TD 接線方向
X,Y,Y1,Z,Z1 軸線
Claims (12)
- 複数の被加工材を重ねた被加工部に穴あけ加工を行う穴あけ装置であって、
軸線に沿って延びる筒状に形成されて前記被加工部の第1面を支持する第1支持体と、
前記軸線に沿って延びる筒状に形成されて前記被加工部の第2面を支持する第2支持体と、
前記第1支持体および前記第2支持体により前記被加工部が支持された状態で、前記被加工部に穴あけ加工を行う穴あけ部と、を備え、
前記穴あけ部は、
前記軸線に直交する断面形状が円形であるとともに前記軸線に沿って旋回する溝が外周面の全周に形成されたドリルと、
前記軸線を中心に前記ドリルを回転させるとともに前記被加工部の前記第1面に接触または離間するように前記ドリルを前記軸線に沿って前記第1支持体の内部を移動させる駆動機構と、を有し、
前記第1支持体は、
前記穴あけ部による前記被加工部の穴あけ加工により発生する切削屑を前記ドリルの前記溝から除去するための気体を前記ドリルの前記外周面の所定位置へ向けて吐出する吐出部と、
前記切削屑を気体とともに吸引する吸引部と、を有し、
前記吐出部は、前記ドリルを前記軸線に沿って平面視した場合に前記所定位置を通過する前記外周面の接線方向と一致し、かつ前記ドリルの前記溝のねじれ角と一致する方向に気体を吐出する穴あけ装置。 - 前記吸引部が前記切削屑を吸引する吸引位置は、前記軸線回りの周方向において、前記所定位置から半周の範囲内に配置されている請求項1に記載の穴あけ装置。
- 前記吐出部が気体を吐出する吐出位置は、前記軸線に沿って前記第1面から離間した位置であり、
前記吐出部は、前記吐出位置から前記第1面と交差する方向に気体を吐出する請求項1または請求項2に記載の穴あけ装置。 - 前記吐出部が気体を吐出する吐出位置は、前記軸線に沿って前記第1面から離間した位置であり、
前記吐出部は、前記吐出位置から前記第1面と平行な方向に気体を吐出する請求項1または請求項2に記載の穴あけ装置。 - 前記駆動機構は、前記所定位置において気体の吐出方向と同方向に前記外周面が移動するように前記ドリルを回転させる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の穴あけ装置。
- 前記穴あけ部を前記被加工部から退避させた退避位置において、前記ドリルの前記外周面に向けて前記ドリルの前記溝から前記切削屑を除去するための気体を噴射する噴射部を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の穴あけ装置。
- 複数の被加工材を重ねた被加工部に穴あけ加工を行う穴あけ方法であって、
軸線に沿って延びる筒状に形成される第1支持体により前記被加工部の第1面を支持し、前記軸線に沿って延びる筒状に形成される第2支持体により前記被加工部の第2面を支持する支持工程と、
前記第1支持体および前記第2支持体により前記被加工部が支持された状態で、前記軸線に直交する断面形状が円形であるとともに前記軸線に沿って旋回する溝が外周面の全周に形成されたドリルにより、前記被加工部に穴あけ加工を行う穴あけ工程と、を備え、
前記穴あけ工程は、
前記軸線を中心に前記ドリルを回転させるとともに前記被加工部の前記第1面に接触するように前記ドリルを前記軸線に沿って前記第1支持体の内部を移動させ、
前記被加工部の穴あけ加工により発生する切削屑を前記ドリルの前記溝から除去するための気体を、前記第1支持体が有する吐出部から前記ドリルの前記外周面の所定位置へ向けて吐出し、
前記第1支持体が有する吸引部により前記切削屑を気体とともに吸引し、
前記吐出部は、前記ドリルを前記軸線に沿って平面視した場合に前記所定位置を通過する前記外周面の接線方向と一致し、かつ、前記ドリルの前記溝のねじれ角と一致する方向に気体を吐出する穴あけ方法。 - 前記軸線回りの周方向において、前記吸引部が前記切削屑を吸引する吸引位置は、前記所定位置から半周の範囲内に配置されている請求項7に記載の穴あけ方法。
- 前記吐出部が気体を吐出する吐出位置は、前記軸線に沿って前記第1面から離間した位置であり、
前記穴あけ工程は、前記吐出位置から前記第1面と交差する方向に気体を吐出する請求項7または請求項8に記載の穴あけ方法。 - 前記吐出部が気体を吐出する吐出位置は、前記軸線に沿って前記第1面から離間した位置であり、
前記穴あけ工程は、前記吐出位置から前記第1面と平行な方向に気体を吐出する請求項7または請求項8に記載の穴あけ方法。 - 前記穴あけ工程は、前記所定位置において気体の吐出方向と同方向に前記外周面が移動するように前記ドリルを回転させる請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の穴あけ方法。
- 前記穴あけ部を前記被加工部から退避させた退避位置において、前記ドリルの前記外周面に向けて前記ドリルの前記溝から前記切削屑を除去するための気体を噴射する噴射工程を備える請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の穴あけ方法。
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