JP7328934B2 - 車体側部構造及び車体側部構造の製造方法 - Google Patents

車体側部構造及び車体側部構造の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、車体側部構造及び車体側部構造の製造方法に関する。
車体側部構造として、車幅方向の下外側にロッカが車体前後方向に向けて設けられ、ロッカのスチフナが鋼板で形成され、鋼製のスチフナにアルミニウム合金製のサイドシルアウタの下端部が車幅方向の外側から接合されるものが知られている。以下、ロッカを「サイドシル」といい、スチフナを「サイドシルスチフナ」という。
この車体側部構造は、スチフナにサイドシルアウタの下端部が接合されている。この接合部の被水を抑制するために、接合部が樹脂製のサイドシルモール(装飾部材)で車幅方向の外側から覆われている。これにより、鋼製のスチフナとアルミニウム合金製のサイドシルアウタの下端部とが接合された異種金属同士の接合部の電位差による電解腐食(電食)を抑えることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2019-26061号公報
ここで、車体側部構造は、例えば、車両の前輪で跳ね上げた水がサイドシルの下部(下面)にかかり、下部の合わせ面の隙間からサイドシルの内部に浸入することが考えられる。しかし、特許文献1の車体側部構造は、下部の合わせ面の隙間から浸入する水により異種金属間の電食を防ぐように構成されていない。
本発明は、サイドシルの電食を良好に抑制できる車体側部構造及び車体側部構造の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明に係る車体側部構造は、車幅方向の外側からサイドシルアウタ(例えば、実施形態のサイドシルアウタ27)、鋼製のサイドシルスチフナ(例えば、実施形態のサイドシルスチフナ26)、および鋼製のサイドシルインナ(例えば、実施形態のサイドシルインナ25)が接合されることによりサイドシル(例えば、実施形態のサイドシル12)が構成され、前記サイドシルインナおよび前記サイドシルスチフナで車体前後に延設する第1閉断面(例えば、実施形態の第1閉断面21)が形成され、前記サイドシルスチフナおよび前記サイドシルアウタで前記第1閉断面に沿う第2閉断面(例えば、実施形態の第2閉断面22)が形成された車体側部構造(例えば、実施形態の車体側部構造10)において、前記サイドシルアウタは、前記サイドシルアウタの車体前部を形成する鋼製の第1アウタ部(例えば、実施形態の第1アウタ部45)と、前記サイドシルアウタの車体後部を形成し、前記第1アウタ部に一体に接合されたアルミニウム合金板製の第2アウタ部(例えば、実施形態の第2アウタ部46)と、を備え、前記サイドシルスチフナは、前記第1アウタ部および前記第2アウタ部が接合された接合部(例えば、実施形態の接合部48)に対して間隔をおいて形成され、前記第1閉断面と前記第2閉断面とを連通する開口部(例えば、実施形態の第1開口部35)を有し、前記開口部と前記接合部との間で、かつ、前記第2閉断面内に配置された止水部材(例えば、実施形態の第1止水部材16)を備えている。
この構成によれば、サイドシルスチフナの開口部が接合部に対して間隔をおいて形成されている。開口部は、例えば、電着塗装剤を導入、排出する開口として使用される。また、開口部と接合部との間で、かつ、第2閉断面内に止水部材が配置されている。
よって、サイドシルの下部に形成された合わせ面から第1閉断面に浸入した水が、開口部を経て接合部に浸入することを止水部材で抑制できる。これにより、鋼製の第1アウタ部とアルミニウム合金板製の第2アウタ部との異種金属の接合部(すなわち、サイドシル)において電位差による電食を良好に抑制できる。
(2)前記止水部材は、前記第1アウタ部のうち前記第2閉断面の側の面に接触してもよい。
この構成によれば、サイドシルスチフナに設けられた止水部材を、第1アウタ部のうち第2閉断面の側の面に接触させることにより、第2閉断面において開口部と接合部との間を止水部材によって遮断できる。よって、開口部を経て第2閉断面に浸入した水が、接合部に浸入することを止水部材で良好に抑制できる。これにより、異種金属の接合部に電食が発生することを一層良好に抑制できる。
(3)前記止水部材は、熱により膨張する発泡材(例えば、実施形態の第1発泡材56)を含んでもよい。
この構成によれば、熱により膨張する発泡材を止水部材に含ませた。よって、サイドシルアウタを接合して第2閉断面を形成した後工程において、発泡材を熱により膨張させて、第2閉断面を遮断できる。
これにより、例えば、組立公差等により第2閉断面の空間にバラツキが生じた場合でも、第2閉断面の空間を止水部材で適切に埋めることができ、第2閉断面の空間に浸入した水が接合部へ流れる流路を遮断できる。
(4)前記サイドシルスチフナは、少なくとも上壁部(例えば、実施形態の上壁部26e)と、前記上壁部から下方に延出する側壁部(例えば、実施形態の側壁部26d)と、を有し、前記止水部材は、少なくとも前記上壁部に接触する横方向部(例えば、実施形態の横方向部57)と、前記横方向部から延出し前記側壁部に接触する縦方向部(例えば、実施形態の縦方向部58)と、を有し、前記横方向部は、前記横方向部のうち他の部位(例えば、実施形態の第1基部61)と比較して幅広に形成された第1平板部(例えば、実施形態の第1平板部62)を有し、前記縦方向部は、前記縦方向部のうち他の部位(例えば、実施形態の第2基部65)と比較して幅広に形成された第2平板部(例えば、実施形態の第2平板部67)を有してもよい。
この構成によれば、止水部材の縦方向部および横方向部に、それぞれ幅広の平板部を形成した。よって、止水部材をサイドシルスチフナに対して位置決めする際に、第1平板部および第2平板部により止水部材が保持されやすくなる。これにより、サイドシルスチフナに対して止水部材を一層安定させて位置決めできる。
(5)前記サイドシルスチフナは、前記上壁部から上方に延出する上フランジ部(例えば、実施形態のスチフナ上フランジ26a)をさらに有し、前記止水部材は、前記横方向部から上方に延出して前記上フランジ部に接触され、前記発泡材で形成された上フランジ接触部(例えば、実施形態の上フランジ接触部74)を有してもよい。
この構成によれば、止水部材には、サイドシルスチフナの上フランジ部に接触する上フランジ接触部が形成されている。これにより、止水部材をサイドシルスチフナに対して一層強固に保持できる。
さらに、上フランジ接触部を発泡材で形成して熱で膨張させることにより、第2閉断面における上フランジ部の側の隙間を遮断できる。これにより、上フランジ部の側の隙間への水の流れに対する止水効果を一層良好に発揮できる。
(6)前記サイドシルスチフナは、前記第1閉断面と前記第2閉断面とを連通する他の開口部(例えば、実施形態の第2開口部37)を有し、前記他の開口部を閉塞するために、前記サイドシルスチフナに設けられて、熱により膨張する前記発泡材(例えば、実施形態の第2発泡材78)を含む他の止水部材(例えば、実施形態の第2止水部材17)を備えてもよい。
ここで、例えば、サイドシルスチフナには、電着塗装剤を導入、排出する他の開口部も設けられている。このため、他の開口部が水の流路となり、接合部で電食が発生することが考えられる。
そこで、サイドシルスチフナに他の止水部材を設けて、他の開口部を閉塞するようにした。よって、サイドシルの下部の合わせ面から第2閉断面に浸入した水が、他の開口部を経て第1閉断面に浸入することを他の止水部材で抑制できる。これにより、鋼製の第1アウタ部とアルミニウム合金板製の第2アウタ部との異種金属の接合部において電位差による電食を一層良好に抑制できる。
また、他の止水部材にも、熱により膨張する発泡材が含まれている。よって、例えば、サイドシルスチフナに他の止水部材が設けられた状態において、電着塗装工程の際には、他の開口部を開口した状態に保つことができる。これにより、第1閉断面と第2閉断面とが連通され、電着塗装剤を第1閉断面と第2閉断面との間で導入、排出できる。
一方、電着塗装の後の加熱工程において、発泡材を熱膨張させることにより他の止水部材で他の開口部を閉塞できる。これにより、異種金属の接合部において電位差による電食を一層良好に抑制できる。
(7)前記サイドシルスチフナは、前記側壁部よりも下方に延出する下フランジ部(例えば、実施形態のスチフナ下フランジ26b)をさらに有し、前記接合部より車体後方に位置する前記下フランジ部の後端部(例えば、実施形態のスチフナ下フランジの後端部26c)と、前記後端部より車体後方に位置するアルミニウム合金製の部材(例えば、実施形態のホイールアーチ15)に前記サイドシルインナが接合された後方接合部(例えば、実施形態の後方接合部49)と、の間に設けられた後方止水部材(例えば、実施形態の第3止水部材18)を備えてもよい。
ここで、例えば、サイドシルスチフナの下フランジ部の後端部よりもさらに車体後方においては、車体下方からサイドシルの内部に水が浸入しないように構成されている。よって、下フランジ部の後端部より車体後方に位置するアルミニウム合金製の部材と鋼製のサイドシルインナとの後方接合部において電食を防ぐためには、下フランジ部の後端部からサイドシルの内部に浸入した水を後方接合部より車体前方で止水する必要がある。
そこで、下フランジ部の後端部と、この後端部より車体後方に位置する後方接合部との間に後方止水部材を設けるようにした。これにより、下フランジ部の後端部からサイドシルの内部に浸入した水を、後方接合部より車体前方において後方止水部材で止水することが可能になり、異種金属の後方接合部において電食を防ぐことができる。
(8)本発明に係る車体側部構造の製造方法は、(3)から(5)のいずれかに記載の車体側部構造の製造方法であって、前記サイドシルの前記サイドシルスチフナに前記止水部材を取り付ける取付工程と、前記サイドシルに電着塗装を施す電着塗装工程と、前記電着塗装を施した前記サイドシルに対して加熱処理を行う塗装焼付工程と、を備え、前記取付工程の後に前記電着塗装工程が実施され、前記電着塗装の後に前記塗装焼付工程が実施される。
この製造方法によれば、サイドシルを組み付ける際にサイドシルスチフナに止水部材を取り付け、止水部材を取り付けた後に電着塗装工程を実施する。電着塗装においては、止水部材の発泡材が膨張していないので、電着塗装剤の流路を止水部材によって塞がないようにできる。電着塗装工程の後、塗装焼付工程を実施することにより、塗装焼付工程の熱を利用して発泡材を膨張させて、電着塗装剤の流路を止水部材で塞ぐことができる。
すなわち、塗装焼付工程で止水部材の発泡材を加熱する工程を兼ねることができる。これにより、発泡材を膨張させる専用の加熱工程を不要にでき、車体側部構造の製造工程を簡素化できる。
このように、電着塗装剤の流路を止水部材で塞ぐことにより、サイドシルの下部に形成された合わせ面から第2閉断面に浸入した水が、開口部を経て接合部に浸入することを止水部材で抑制できる。これにより、鋼製の第1アウタ部とアルミニウム合金板製の第2アウタ部との異種金属の接合部において電位差による電食を良好に抑制できる。
本発明によれば、開口部と接合部との間で、かつ、第2閉断面に止水部材を配置した。これにより、サイドシルの電食を良好に抑制できる。
本発明に係る一実施形態の車体側部構造を車外側からみた斜視図である。 図1の車体側部構造のサイドシルを破断した断面図である。 図2のサイドシルを分解した斜視図である。 一実施形態の車体側部構造のサイドシルを車体後方からみた斜視図である。 一実施形態の車体側部構造のサイドシルスチフナに第1止水部材、第2止水部材、第3止水部材を取り付けた斜視図である。 図5のVI-VI線に沿って破断した断面図である。 一実施形態の車体側部構造のサイドシルスチフナから第1止水部材を分解した斜視図である。 図7の第1止水部材を拡大した斜視図である。 図3の第3止水部材を示す斜視図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る車体側部構造及び車体側部構造の製造方法を説明する。図面において、矢印FRは車両の前方、矢印UPは車両の上方、矢印LHは車両の左側方を示す。
<車両>
図1、図2に示すように、車両Veは、例えば、車体側部構造10を備えており、車両の種類や形状等は特に限定されない。車体側部構造10にはサイドシル12、センタピラー13、およびクオータピラー14等が骨格部材として備えられている。以下、車両として、車体側部構造10を備えた乗用車を例に説明する。
<車体側部構造>
図1、図3に示すように、車体側部構造10は、車体の左右側の車体側部を形成する構造である。なお、車体の左右側の車体側部は、概ね左右対称に構成されている。よって、以下、車体側部構造10として車体左側の車体側部について説明して、車体右側の車体側部の説明を省略する。
車体側部構造10は、サイドシル12と、センタピラー13と、クオータピラー14と、ホイールアーチ15(図4参照)と、第1止水部材(止水部材)16と、第2止水部材(他の止水部材)17と、第3止水部材(後方止水部材)18(図9参照)と、を備えている。
<サイドシル>
図1、図2に示すように、サイドシル12は、車幅方向の左外側に配置されている。サイドシル12は、車体前後方向に向けて延びる第1閉断面21および第2閉断面22を備えた中空形状のフレーム部材である。サイドシル12のうち車体前後方向の中央部からセンタピラー13が上方へ向けて延びている。また、サイドシル12のうち車体前後方向の後端部からクオータピラー14が上方へ向けて延びている。
サイドシル12は、サイドシルインナ25と、サイドシルスチフナ(補強部材)26と、サイドシルアウタ27と、を備えている。
サイドシル12は、サイドシルアウタ27、サイドシルスチフナ26、およびサイドシルインナ25が車幅方向の外側から接合されることにより構成されている。
サイドシルインナ25は、車幅方向内側に向けて膨出するように、例えば、鋼板で断面ハット状に成形された鋼製の部材である。サイドシルインナ25は、上方に張り出すインナ上フランジ25aと、下方に張り出すインナ下フランジ25bと、を有する。
サイドシルスチフナ26は、サイドシルインナ25の車幅方向の外側において、サイドシルインナ25に沿って配置されている。サイドシルスチフナ26は、車幅方向外側に向けて膨出するように、例えば、鋼板で断面ハット状に成形された鋼製の部材である。サイドシルスチフナ26は、上方に張り出すスチフナ上フランジ(上フランジ部)26aと、下方に張り出すスチフナ下フランジ(下フランジ部)26bと、を有する。スチフナ下フランジ26bの後端部26c(図5参照)は、後述する接合部48より車体後方に位置する。
スチフナ上フランジ26aは、インナ上フランジ25aに車幅方向の外側から接合されている。また、スチフナ下フランジ26bは、インナ下フランジ25bに車幅方向の外側から接合されている。これにより、サイドシル12は、サイドシルインナ25およびサイドシルスチフナ26で車体前後に延設する矩形状の第1閉断面21が形成されている。サイドシル12(具体的には、サイドシルインナ25)の車幅方向内側にはフロアパネル29等が設けられている。
図3、図4に示すように、サイドシルスチフナ26は、スチフナ上フランジ26aおよびスチフナ下フランジ26bに加えて、側壁部26dと、上壁部26eと、下壁部26fと、を有する。
側壁部26dは、車幅方向外側において鉛直に配置され、車体前後方向に向けて延びている。側壁部26dは、後端部に傾斜部26gを有する。傾斜部26gは、車体後方向に向うに従ってサイドシルインナ25へ向けて傾斜するように形成されている。傾斜部26gには、例えば、一対の第2開口部(他の開口部)37と、第2固定孔38と、を有する。
一対の第2開口部37は、第1閉断面21と第2閉断面22とを連通するように開口されている。よって、一対の第2開口部37により、電着塗装剤を第1閉断面21と第2閉断面22との間で導入、排出できる。第2固定孔38は、一対の第2開口部37の間に形成され、後述する第2止水部材17を固定する孔である。
また、側壁部26dは、後端部26hに第3固定孔41(図6参照)を有する。第3固定孔41は、一対の第2開口部37の車体後方に形成され、後述する第3止水部材18を固定する孔である。
上壁部26eは、側壁部26dの上辺から車幅方向内側に向けてスチフナ上フランジ26aの下辺まで上向きの傾斜状に延びている。換言すれば、側壁部26dは、上壁部26eから下方に延出されている。また、スチフナ上フランジ26aは、上壁部26eの内辺から上方に延出されている。
上壁部26eは、例えば、第1開口部(開口部)35と、第1固定孔36を有する。第1開口部35は、第1閉断面21と第2閉断面22とを連通するように開口されている。よって、第1開口部35により、電着塗装剤を第1閉断面21と第2閉断面22との間で導入、排出できる。第1固定孔36は、第1開口部35の車体後方に形成され、後述する第1止水部材16を固定する孔である。
下壁部26fは、側壁部26dの下辺から車幅方向内側に向けてスチフナ下フランジ26bの上辺まで下向きの傾斜状に延びている。すなわち、スチフナ下フランジ26bは、側壁部26dよりも下方に延出されている。
図2、図3に示すように、サイドシルアウタ27は、サイドシルスチフナ26の車幅方向の外側において、サイドシルスチフナ26に沿って配置されている。サイドシルアウタ27は、サイドアウタパネル20のうち、サイドシルスチフナ26に対応する部位で形成されている。サイドアウタパネル20は、車体側部構造の外面を形成する外観意匠部材である。
サイドシルアウタ27は、第1アウタ部45と、第2アウタ部46と、を備えている。
第1アウタ部45は、サイドシルアウタ27のうちセンタピラー13(図1参照)の側の部位(車体前部)を形成する鋼製の部材である。第1アウタ部45は、例えば、車幅方向外側に向けて膨出するように、例えば、鋼板で断面ハット状に成形されている。第1アウタ部45は、上方に張り出す第1上フランジ45aと、下方に張り出す第1下フランジ45bと、を有する。
さらに、第1アウタ部45は、第1上フランジ45aおよび第1下フランジ45bに加えて、第1側壁部45cと、第1上壁部45dと、第1下壁部45eと、を有する。
第1側壁部45cは、車幅方向外側において鉛直に配置され、車体前後方向に向けて延びている。第1上壁部45dは、第1側壁部45cの上辺から車幅方向内側に向けて第1上フランジ45aの下辺まで上向きの傾斜状に延びている。第1下壁部45eは、第1側壁部45cの下辺から車幅方向内側に向けて第1下フランジ45bの上辺まで下向きの傾斜状に延びている。
第2アウタ部46は、サイドシルアウタ27のうちクオータピラー14(図1参照)の側の部位(車体後部)を形成するアルミニウム合金製の部材である。第2アウタ部46は、例えば、アルミニウム合金製の上側部材46aとアルミニウム合金製の下側部材46bとの2部材で一体に形成されているが、実施形態においては構成の理解を容易にするために一部材として説明する。
すなわち、第2アウタ部46は、例えば、車幅方向外側に向けて膨出するように、例えば、アルミニウム合金板で断面ハット状に成形されている。第2アウタ部46は、上方に張り出す第2上フランジ46cと、下方に張り出す第2下フランジ46dと、を有する。
さらに、第1アウタ部45は、第2上フランジ46cおよび第2下フランジ46dに加えて、第2側壁部46eと、第2上壁部46fと、第2下壁部46gと、を有する。
第2側壁部46eは、車幅方向外側において鉛直に配置され、車体前後方向に向けて延びている。第2上壁部46fは、第2側壁部46eの上辺から車幅方向内側に向けて第2上フランジ46cの下辺まで上向きの傾斜状に延びている。第2下壁部46gは、第2側壁部46eの下辺から車幅方向内側に向けて第2下フランジ46dの上辺まで下向きの傾斜状に延びている。
第2アウタ部46の前端部46hと第1アウタ部45の後端部45fとを重ね合わせて接合部48が一体に接合されることにより、第1アウタ部45および第2アウタ部46でサイドシルアウタ27が形成されている。すなわち、接合部48は、鋼製の第1アウタ部45とアルミニウム合金板製の第2アウタ部46との異種金属が接合された部位である。
サイドシルアウタ27の第1上フランジ45aおよび第2上フランジ46cは、スチフナ上フランジ26aに車幅方向の外側から接合されている。また、サイドシルアウタ27の第1下フランジ45bおよび第2下フランジ46dは、スチフナ下フランジ26bに車幅方向の外側から接合されている。
また、第1側壁部45cおよび第2側壁部46eは、サイドシルスチフナ26の側壁部26dに対して車幅方向の外側に間隔をおいて配置されている。第1上壁部45dおよび第2上壁部46fは、サイドシルスチフナ26の上壁部26eに対して上側に間隔をおいて配置されている。第1下壁部45eおよび第2下壁部46gは、サイドシルスチフナ26の下壁部26fに対して下側に間隔をおいて配置されている。
これにより、サイドシル12は、サイドシルスチフナ26およびサイドシルアウタ27で、第1閉断面21の外側に沿うU字状の第2閉断面22が形成されている。
図5、図6に示すように、サイドシルアウタ27の後端部27aとサイドシルインナ25の後端部25cとの間に、ホイールアーチ15が設けられている。ホイールアーチ15は、アルミニウム合金製の部材であり、接合部48(図3参照)より車体後方に位置し、かつスチフナ下フランジ26bの後端部26cより車体後方に位置する。
ホイールアーチ15は、アルミニウム合金製のサイドシルアウタ27の後端部27aに外端部15aが接合され、鋼製のサイドシルインナ25の後端部25cに内端部15bが接合されている。ホイールアーチ15の内端部15bとサイドシルインナ25の後端部25cとの接合により、後方接合部49が形成されている。
後方接合部49は、鋼製のサイドシルインナ25の後端部25cとアルミニウム合金板製のホイールアーチ15の内端部15bとの異種金属が接合された部位である。後方接合部49は、接合部48より車体後方に位置し、かつスチフナ下フランジ26bの後端部26cより車体後方に位置する。また、ホイールアーチ15は、サイドシルスチフナ26の後端部(具体的には、側壁部26dの後端部)26hに対して、車体後方に第1空隙S1をおいて配置されている。
<第1止水部材>
図3、図7、図8に示すように、サイドシルスチフナ26には第1止水部材16が設けられている。第1止水部材16は、車体前後方向において第1開口部35と接合部48との間に位置し、かつ、第2閉断面22(図2参照)の内部に配置されている。
第1止水部材16は、第1固定部材55と、第1発泡材(発泡材)56とを備えたセパレータである。第1固定部材55は、例えば、硬質のABS、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン等の合成樹脂材、あるいはアルミニウム合金、鋼材等で形成されている。第1固定部材55は、横方向部57と、縦方向部58と、を有する。
横方向部57は、上壁部26eに接触するように車幅方向に延出されている。横方向部57は、第1基部(横方向部57のうちの他の部位)61と、第1平板部62と、第1クリップ63と、を有する。第1基部61は、上壁部26eに接触するように車幅方向に帯状に延びている。第1基部61には、第1平板部62が一体に形成されている。第1平板部62は、第1基部61から車体前方に向けて突出され、第1基部61と比較して車体前後方向において幅広に形成されている。第1平板部62は、上壁部26eに接触され、第1クリップ63が一体に形成されている。第1クリップ63は、第1平板部62から下方へ向けて突出されている。第1クリップ63は、上壁部26eの第1固定孔36に上方から差し込まれることにより上壁部26eに係止される。
縦方向部58は、横方向部57から下方に向けて側壁部26dに接触するように延出されている。縦方向部58は、第2基部(縦方向部58のうちの他の部位)65と、突起部66と、第2平板部67と、を有する。第2基部65は、横方向部57の外端から下方に延びる縦部位68と、縦部位68の下端から車体後方に延びる横部位69と、を有する。第2基部65は、縦部位68および横部位69で側面視L字状に形成されている。
縦部位68の上端部から、突起部66が車幅方向の外側に向けて突出されている。突起部66は、例えば、第1アウタ部45の第1側壁部45cのうち第2閉断面22(図2参照)の側の面(以下、内面という)45gに接触するように先細状に形成されている。具体的には、突起部66は、第1側壁部45cに形成された凸条部45hの内面45gに接触されている。
横部位69の後端に立上部71を介して第2平板部67が一体に形成されている。第2平板部67は、横部位69と比較して車幅方向外側に向けて幅広に形成されている。第2平板部67は、外端が第1側壁部45cの内面45gに接触されている。
第1固定部材55に第1発泡材56が固定されている。第1発泡材56は、例えば、加熱により発泡(膨張)するポリウレタンフォーム、ポリエチレン等の軟質材料により形成されている。第1発泡材56は、第1発泡基部73と、上フランジ接触部74と、を有する。第1発泡基部73は、横方向部57の第1基部61、縦方向部58の第2基部65、突起部66、および第2平板部67に沿って固定されている。第1発泡基部73は、突起部66に沿って固定された第1部位73a、および第2平板部67に沿って固定された第2部位73bが第1側壁部45cの内面45gに接触されている。
上フランジ接触部74は、第1発泡基部73の内端から上方に延出され、サイドシルスチフナ26のスチフナ上フランジ26aに接触されている。第1発泡基部73の内端は、第1基部61の内端に相当する位置に配置されている。よって、上フランジ接触部74は、第1基部61の内端から上方に延出されている。
第1止水部材16によれば、第1クリップ63が上壁部26eの第1固定孔36に係止され、第1平板部62が上壁部26eに接触されている。この状態において、第1止水部材16がサイドシルスチフナ26の上壁部26eおよび側壁部26dに接触されている。また、上フランジ接触部74がスチフナ上フランジ26aに接触されている。さらに、突起部66、第2平板部67、第1部位73a、および第2部位73bが第1側壁部45cの内面45gに接触されている。
これにより、第1止水部材16は、サイドシル12の第2閉断面22(図2参照)の内部に安定的に保持されている。この状態において、第1止水部材16の第1発泡材56を、例えば、乾燥炉の内部において加熱により発泡(膨張)させることにより、第1止水部材16で第2閉断面22の内部を遮断できる。
<第2止水部材>
図4、図5に示すように、第2閉断面22(図2参照)の内部において、サイドシルスチフナ26の傾斜部26gに第2止水部材17が係止されている。第2止水部材17は、第2固定部材77と、第2発泡材(発泡材)78とを備えたセパレータである。第2固定部材77は、例えば、第1固定部材55と同様に、硬質のABS、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン等の合成樹脂材、あるいはアルミニウム合金、鋼材等で形成されている。第2固定部材77は、平坦部81と、第2クリップ82と、突縁部83と、を有している。
平坦部81は、平面視矩形状に形成されている。第2クリップ82は、平坦部81のうち裏面の中央に段部84を介して一体に形成されている。突縁部83は、平坦部81のうち裏面の周縁から突出するように形成されている。平坦部81の裏面に突縁部83が形成されることにより、平坦部81の裏面が凹状に形成されている。凹状の裏面には、第2発泡材78が固定されている。
第2発泡材78は、第1発泡材56と同様に、例えば、加熱により発泡(膨張)するポリウレタンフォーム、ポリエチレン等の軟質材料により形成されている。第2発泡材78は、外形が突縁部83に沿って矩形状に形成され、中央に発泡開口部78aが形成されている。発泡開口部78aから段部84および第2クリップ82が突出されている。
第2止水部材17によれば、第2クリップ82が、傾斜部26gの第2固定孔38に車幅方向の側方から差し込まれることにより傾斜部26gに係止される。よって、傾斜部26gに第2止水部材17が設けられている。この状態において、第2発泡材78は、傾斜部26gに形成された一対の第2開口部37に車幅方向の側方から対応する位置で、一対の第2開口部37に対して間隔をおいて配置されている。
これにより、一対の第2開口部37により、第1閉断面21と第2閉断面22とが連通され、電着塗装剤を第1閉断面21と第2閉断面22との間で導入、排出できる。一方、第2発泡材78が、第1発泡材56と同様に、例えば、乾燥炉の内部において加熱により発泡(膨張)することにより、第2発泡材78で一対の第2開口部37を閉塞できる。
<第3止水部材>
図5、図6、図9に示すように、第1閉断面21の内部において、サイドシルスチフナ26の後端部26hに第3止水部材18が係止されている。第3止水部材18は、車体前後方向において、スチフナ下フランジ26bの後端部26cと後方接合部49との間に設けられている。
第3止水部材18は、第3固定部材87と、第3発泡材88とを備えたセパレータである。第3固定部材87は、例えば、第1固定部材55と同様に、硬質のABS、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン等の合成樹脂材、あるいはアルミニウム合金、鋼材等で形成されている。
第3固定部材87は、例えば、第3基部91と、第3平板部92と、第3クリップ93と、第4平板部94と、第5平板部95と、を有している。第3基部91は、傾斜部位97と、水平部位98と、鉛直部位99と、を有する。
傾斜部位97は、スチフナ上フランジ26aおよびインナ上フランジ25aから下方へ向かうに従って車体後方へ向けて傾斜状に延びている。水平部位98は、傾斜部位97の下端から車体後方へ向けて延びている。鉛直部位99は、水平部位98の後端から下方へ向けて延びている。
水平部位98に第3平板部92が一体に形成されている。第3平板部92は、水平部位98から下方に向けて突出されている。第3平板部92には、第3クリップ93が形成されている。
傾斜部位97の上端に第4平板部94が一体に形成されている。第4平板部94は、例えば、外端がサイドシルスチフナ26の後端部26hのうち、第1閉断面21の側の面(内面)26iに接触されている。鉛直部位99の下端に第5平板部95が一体に形成されている。第5平板部95は、例えば、内端がサイドシルインナ25の後端部25cのうち、第1閉断面21の側の面(内面)25dに接触されている。
第3固定部材87に第3発泡材88が固定されている。第3発泡材88は、例えば、第1発泡材56と同様に、加熱により発泡(膨張)するポリウレタンフォーム、ポリエチレン等の軟質材料により形成されている。第3発泡材88は、第3発泡基部102と、クリップ囲み部103と、を有する。第3発泡基部102は、第3基部91、第4平板部94、および第5平板部95に沿って固定されている。クリップ囲み部103は、第3平板部92において、第3クリップ93を囲むように矩形枠状に形成されている。
第3止水部材18によれば、第3クリップ93がサイドシルスチフナ26の後端部26h形成された第3固定孔41に係止されることにより、第3止水部材18がサイドシル12の第1閉断面21の内部に安定的に保持されている。この状態において、第3止水部材18およびサイドシルインナ25の間に、電着塗装剤を第1閉断面21と第2閉断面22との間で導入、排出できる第2空隙S2が形成されている。
第3止水部材18が第1閉断面21の内部に保持された状態において、第3止水部材18の第3発泡材88が、例えば、乾燥炉の内部において加熱により発泡(膨張)することにより、第1閉断面21の内部を遮断できる。
また、クリップ囲み部103が加熱により発泡(膨張)することにより、サイドシルスチフナ26の後端部26hのうちの内面26iに密着される。これにより、第3固定孔41を第1閉断面21から遮断できる。
<車体側部構造の製造方法>
つぎに、車体側部構造10の製造方法を図3から図6に基づいて説明する。
まず、取付工程において、図3に示すように、サイドシルスチフナ26の上壁部26eの第1固定孔36に第1止水部材16の第1クリップ63(図8参照)を係止して、サイドシルスチフナ26の上壁部26eおよび側壁部26dに第1止水部材16を取り付ける。
また、図4に示すように、サイドシルスチフナ26の傾斜部26gの第2固定孔38に第2止水部材17の第2クリップ82を係止して、傾斜部26gに第2止水部材17を取り付ける。
さらに、図5、図6に示すように、サイドシルスチフナ26の後端部26hの第3固定孔41に第3止水部材18の第3クリップ93を係止して、後端部26hの内面26iに第3止水部材18を取り付ける。
サイドシルスチフナ26に第1止水部材16、第2止水部材17、および第3止水部材18を取り付けた後、サイドシルスチフナ26、サイドシルインナ25、およびサイドシルアウタ27を接合してサイドシル12を組み付ける。サイドシル12にはフロアパネル29等が接合されホワイトボディが組み立てられる。
つぎに、電着塗装工程において、図4から図6に示すように、ホワイトボディに電着塗装を施す。電着塗装剤は、第1開口部35、一対の第2開口部37、第2空隙S2、および第1空隙S1を経て、第1閉断面21と第2閉断面22との間で導入、排出される。これにより、サイドシル12のサイドシルインナ25、サイドシルスチフナ26、サイドシルアウタ27、およびホイールアーチ15等を電着塗装する。
なお、取付工程と電着塗装工程の間には、加熱処理がなければ別の工程を備えてもよい。
ついで、加熱工程において、電着塗装を施したサイドシル12(すなわち、ホワイトボディ)を、乾燥炉の内部において加熱処理を行う。
第1止水部材16の第1発泡材56が、加熱により発泡して膨張することにより、第2閉断面22(図8参照)の内部を遮断する。また、第2止水部材17の第2発泡材78が、加熱により発泡して膨張することにより、第2発泡材78で一対の第2開口部37を閉塞(遮断)する。さらに、第3止水部材18の第3発泡材88が、加熱により発泡して膨張することにより、第1閉断面21の内部を遮断する。
このように、取付工程の後に電着塗装工程を実施し、電着塗装の後に塗装焼付工程を実施する。電着塗装においては、第1から第3の止水部材16,17,18の各発泡材56,78,88が膨張していない。よって、電着塗装剤の流路を第1から第3の止水部材16,17,18によって塞がないようにできる。電着塗装工程の後、塗装焼付工程を実施することにより、塗装焼付工程の熱を利用して第1から第3の発泡材 を膨張させて、電着塗装剤の流路を第1から第3の止水部材 で塞ぐことができる。
すなわち、塗装焼付工程で第1から第3の発泡材56,78,88を加熱する工程を兼ねることができる。これにより、第1から第3の発泡材56,78,88を膨張させる専用の加熱工程を不要にでき、車体側部構造10の製造工程を簡素化できる。
以上説明したように、実施形態の車体側部構造10によれば、サイドシルスチフナ26の第1開口部35が接合部48に対して車体前方に間隔をおいて形成されている。第1開口部35は、例えば、電着塗装剤を導入、排出する開口として使用される。また、第1開口部35と接合部48との間で、かつ、第2閉断面22の内部に第1止水部材16が配置され、配置された第1止水部材16がサイドシルスチフナ26に設けられている。
この状態において、サイドシル12の下部に形成された合わせ面(すなわち、インナ下フランジ25bとスチフナ下フランジ26bとの接合面)から第1閉断面21に水が浸入することが考えられる。浸入した水は、第1開口部35を経て第2閉断面22に導かれる。第2閉断面22に導かれた水は、第1止水部材16において流れが阻止され、接合部48に浸入することが抑制される。
ここで、接合部48は、鋼製の第1アウタ部45の後端部45fとアルミニウム合金板製の第2アウタ部46の前端部46hとの異種金属が接合されている。これにより、接合部48への水の浸入を抑制することにより、接合部48(すなわち、サイドシル12)の電位差による電食を良好に抑制できる。
また、サイドシルインナ25、サイドシルスチフナ26、およびサイドシルアウタ27を接合してサイドシル12を組み付けて第2閉断面22を形成した後工程において、第1止水部材16の第1発泡材56を熱により膨張させた。第1発泡材56を膨張させることにより、第1アウタ部45のうち第2閉断面22の側の面(内面)に接触させることができる。
すなわち、第2閉断面22において第1開口部35と接合部48との間を第1止水部材16によって遮断できる。よって、第1開口部35を経て第2閉断面22に浸入した水が、接合部48に浸入することを第1止水部材16で良好に抑制できる。これにより、異種金属の接合部に電食が発生することを一層良好に抑制できる。
さらに、第1発泡材56を熱により膨張させて、第2閉断面22を閉塞ことにより、例えば、組立公差等により第2閉断面22の空間にバラツキが生じた場合でも、第2閉断面22の空間を第1止水部材16で適切に埋めることができる。第2閉断面22を第1止水部材16で埋めることにより、第2閉断面22の空間に浸入した水が車体前方から接合部48へ流れる流路を遮断できる。
よって、第1開口部35を経て第2閉断面22に浸入した水が、接合部48に浸入することを第1止水部材16で良好に抑制できる。これにより、異種金属の接合部48に電食が発生することを一層良好に抑制できる。
加えて、第1止水部材16の横方向部57に幅広の第1平板部62が形成され、縦方向部58に幅広の第2平板部67が形成されている。よって、第1止水部材16をサイドシルスチフナ26に対して位置決めした状態で取り付ける際に、第1止水部材16を第1平板部62および第2平板部67により安定した状態に保持できる。これにより、サイドシルスチフナ26に対して第1止水部材16を一層安定させて位置決めできる。
また、第1止水部材16には、サイドシルスチフナ26のスチフナ上フランジ26aに接触する上フランジ接触部74が形成されている。これにより、第1止水部材16をサイドシルスチフナ26に対して一層強固に保持できる。
さらに、上フランジ接触部74を第1発泡材56で形成して熱で膨張させることにより、第2閉断面22におけるスチフナ上フランジ26aの側の隙間を閉塞できる。これにより、スチフナ上フランジ26aの側の隙間への水の流れに対する止水効果を一層良好に発揮できる。
ここで、例えば、サイドシルスチフナ26の傾斜部26gには、電着塗装剤を導入、排出する一対の第2開口部37も設けられている。このため、一対の第2開口部37が水の流路となり、水が接合部48まで浸入して接合部48に電食が発生することが考えられる。
そこで、サイドシルスチフナ26の傾斜部26gに第2止水部材17を設けて、一対の第2開口部37を閉塞するようにした。よって、サイドシル12の下部の合わせ面から第1閉断面21に浸入した水が、一対の第2開口部37を経て第2閉断面22に浸入することを第2止水部材17で抑制できる。
これにより、鋼製の第1アウタ部45とアルミニウム合金板製の第2アウタ部46との異種金属の接合部48において電位差による電食を一層良好に抑制できる。
また、第2止水部材17にも、熱により膨張する第2発泡材78が含まれている。これにより、例えば、サイドシルスチフナ26の傾斜部26gに第2止水部材17が設けられた状態において、電着塗装工程の際には、一対の第2開口部37を開口した状態に保つことができる。これにより、一対の第2開口部37により、第1閉断面21と第2閉断面22とが連通され、電着塗装剤を第1閉断面21と第2閉断面22との間で導入、排出できる。
一方、電着塗装後の加熱工程において、一対の第2発泡材78を熱膨張させることにより、第2止水部材17で一対の第2開口部37を閉塞できる。これにより、異種金属の接合部48において電位差による電食を一層良好に抑制できる。
さらに、例えば、サイドシルスチフナ26のスチフナ下フランジ26bの後端部26cよりもさらに車体後方においては、車体下方からサイドシルの内部に水が浸入しないように構成されている。また、鋼製のサイドシルインナ25の後端部25cとアルミニウム合金板製のホイールアーチ15の内端部15bとの後方接合部49は、異種金属が接合された部位である。
よって、スチフナ下フランジ26bの後端部26cより車体後方に位置する後方接合部49において電食を防ぐためには、第1閉断面21に浸入した水を後方接合部49より車体前方で止水する必要がある。
そこで、スチフナ下フランジ26bの後端部26cと、後端部26cより車体後方に位置する後方接合部49との間に第3止水部材18を設けるようにした。これにより、例えば、スチフナ下フランジ26bの後端部26cから第1閉断面21に浸入した水を、後方接合部49より車体前方の第3止水部材18で止水することが可能になり、異種金属の後方接合部49において電位差による電食を良好に抑制できる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、第1止水部材16、第2止水部材17、および第3止水部材18をサイドシルスチフナ26に設けた例について説明したが、サイドシルインナ25やサイドシルアウタ27等の他の部材に設けてもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 車体側部構造
12 サイドシル
15 ホイールアーチ(アルミニウム合金製の部材)
16 第1止水部材(止水部材)
17 第2止水部材(他の止水部材)
18 第3止水部材(後方止水部材)
21 第1閉断面
22 第2閉断面
25 サイドシルインナ
26 サイドシルスチフナ
26a スチフナ上フランジ(上フランジ部)
26b スチフナ下フランジ(下フランジ部)
26c スチフナ下フランジの後端部(下フランジ部の後端部)
26d 側壁部
26e 上壁部
27 サイドシルアウタ
35 第1開口部(開口部)
37 第2開口部(他の開口部)
45 第1アウタ部
46 第2アウタ部
48 接合部
49 後方接合部
56 第1発泡材(発泡材)
57 横方向部
58 縦方向部
61 第1基部(横方向部のうちの他の部位)
62 第1平板部
65 第2基部(縦方向部のうちの他の部位)
67 第2平板部
74 上フランジ接触部
78 第2発泡材(発泡材)

Claims (8)

  1. 車幅方向の外側からサイドシルアウタ、鋼製のサイドシルスチフナ、および鋼製のサイドシルインナが接合されることによりサイドシルが構成され、前記サイドシルインナおよび前記サイドシルスチフナで車体前後に延設する第1閉断面が形成され、前記サイドシルスチフナおよび前記サイドシルアウタで前記第1閉断面に沿う第2閉断面が形成された車体側部構造において、
    前記サイドシルアウタは、
    前記サイドシルアウタの車体前部を形成する鋼製の第1アウタ部と、
    前記サイドシルアウタの車体後部を形成し、前記第1アウタ部に一体に接合されたアルミニウム合金板製の第2アウタ部と、を備え、
    前記サイドシルスチフナは、
    前記第1アウタ部および前記第2アウタ部が接合された接合部に対して間隔をおいて形成され、前記第1閉断面と前記第2閉断面とを連通する開口部を有し、
    前記開口部と前記接合部との間で、かつ、前記第2閉断面内に配置された止水部材を備える、
    ことを特徴とする車体側部構造。
  2. 前記止水部材は、前記第1アウタ部のうち前記第2閉断面の側の面に接触する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。
  3. 前記止水部材は、熱により膨張する発泡材を含む
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体側部構造。
  4. 前記サイドシルスチフナは、少なくとも上壁部と、前記上壁部から下方に延出する側壁部と、を有し、
    前記止水部材は、少なくとも前記上壁部に接触する横方向部と、前記横方向部から延出し前記側壁部に接触する縦方向部と、を有し、
    前記横方向部は、前記横方向部のうち他の部位と比較して幅広に形成された第1平板部を有し、
    前記縦方向部は、前記縦方向部のうち他の部位と比較して幅広に形成された第2平板部を有する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の車体側部構造。
  5. 前記サイドシルスチフナは、前記上壁部から上方に延出する上フランジ部をさらに有し、
    前記止水部材は、前記横方向部から上方に延出して前記上フランジ部に接触され、前記発泡材で形成された上フランジ接触部を有する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の車体側部構造。
  6. 前記サイドシルスチフナは、
    前記第1閉断面と前記第2閉断面とを連通する他の開口部を有し、
    前記他の開口部を閉塞するために、前記サイドシルスチフナに設けられて、熱により膨張する前記発泡材を含む他の止水部材を備える、
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の車体側部構造。
  7. 前記サイドシルスチフナは、前記側壁部よりも下方に延出する下フランジ部をさらに有し、
    前記接合部より車体後方に位置する前記下フランジ部の後端部と、前記後端部より車体後方に位置するアルミニウム合金製の部材に前記サイドシルインナが接合された後方接合部と、の間に設けられた後方止水部材を備える
    ことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の車体側部構造。
  8. 請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の車体側部構造の製造方法であって、
    前記サイドシルの前記サイドシルスチフナに前記止水部材を取り付ける取付工程と、
    前記サイドシルに電着塗装を施す電着塗装工程と、
    前記電着塗装を施した前記サイドシルに対して加熱処理を行う塗装焼付工程と、を備え、
    前記取付工程の後に前記電着塗装工程が実施され、前記電着塗装の後に前記塗装焼付工程が実施される
    ことを特徴とする車体側部構造の製造方法。
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