JP7319462B2 - 超電導磁石装置、および超電導磁石装置の冷却方法 - Google Patents

超電導磁石装置、および超電導磁石装置の冷却方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7319462B2
JP7319462B2 JP2022516900A JP2022516900A JP7319462B2 JP 7319462 B2 JP7319462 B2 JP 7319462B2 JP 2022516900 A JP2022516900 A JP 2022516900A JP 2022516900 A JP2022516900 A JP 2022516900A JP 7319462 B2 JP7319462 B2 JP 7319462B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cold head
sub
temperature
main
coldhead
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022516900A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021215168A5 (ja
JPWO2021215168A1 (ja
Inventor
陽一郎 池谷
スローン、アール、ブルース
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo SHI Cryogenics of America Inc
Original Assignee
Sumitomo SHI Cryogenics of America Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo SHI Cryogenics of America Inc filed Critical Sumitomo SHI Cryogenics of America Inc
Publication of JPWO2021215168A1 publication Critical patent/JPWO2021215168A1/ja
Publication of JPWO2021215168A5 publication Critical patent/JPWO2021215168A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7319462B2 publication Critical patent/JP7319462B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F6/00Superconducting magnets; Superconducting coils
    • H01F6/04Cooling
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B9/00Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point
    • F25B9/14Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point characterised by the cycle used, e.g. Stirling cycle
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F6/00Superconducting magnets; Superconducting coils
    • H01F6/06Coils, e.g. winding, insulating, terminating or casing arrangements therefor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B9/00Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point
    • F25B9/10Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point with several cooling stages

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)

Description

本発明は、超電導磁石装置、極低温冷凍機、および超電導磁石装置の冷却方法に関する。
従来、超電導マグネットをヘリウム槽に大量の液体ヘリウムとともに収納し、超電導マグネットの全体を液体ヘリウムに浸す超電導マグネットの冷却方式が知られている。これは浸漬冷却とも呼ばれる。気化した液体ヘリウムを再凝縮するために、多くの場合、二段式のギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機が使用される。
特開2004-233047号公報
近年の世界的なヘリウム生産量の減少とそれによるヘリウム価格の高騰を背景として、いわゆる浸漬冷却に比べて大幅に液体ヘリウムの使用量を低減した超電導磁石装置の研究開発が進められている。このような省ヘリウムタイプの超電導磁石装置には、大まかに2つの方式が提案されている。1つは、超電導コイルの冷却に液体ヘリウムを使用せずに、超電導コイルを極低温冷凍機によって直接冷却する伝導冷却タイプの超電導磁石装置である。もう1つは、超電導コイルにごく少量の液体ヘリウムまたは極低温のヘリウムガスを循環させることによって冷却するタイプである。こうした超電導磁石装置では、超電導状態の発現を妨げうる内部発熱および温度上昇を抑え超電導磁石装置の運転を継続するうえで、例えばGM冷凍機などの極低温冷凍機には、従来の液体ヘリウムを大量に使用する方式に比べて、より大きな役割を果たすことが期待される。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、省ヘリウムの超電導磁石装置における極低温冷却の提供にある。
本発明のある態様によると、超電導磁石装置は、超電導コイルと、超電導コイルを熱的に保護する輻射シールドと、超電導コイルを冷却するメインコールドヘッドと、輻射シールドを冷却するサブコールドヘッドと、メインコールドヘッドおよびサブコールドヘッドに冷媒ガスを供給する共通の圧縮機と、輻射シールドの温度を測定する第1温度センサと、超電導コイルの温度を測定する第2温度センサと、超電導磁石装置の初期冷却のためにサブコールドヘッドを起動し、第1温度センサまたは第2温度センサの出力に基づいてサブコールドヘッドを停止させ、サブコールドヘッドを停止した状態でメインコールドヘッドを動作させるよう構成されるコントローラと、を備える。
本発明のある態様によると、超電導磁石装置は、超電導コイルと、超電導コイルを熱的に保護する輻射シールドと、超電導コイルを冷却するメインコールドヘッドと、輻射シールドを冷却するサブコールドヘッドと、メインコールドヘッドおよびサブコールドヘッドに冷媒ガスを供給する共通の圧縮機と、輻射シールドの温度を測定する第1温度センサと、超電導コイルの温度を測定する第2温度センサと、サブコールドヘッドを停止した状態でメインコールドヘッドを動作させている間に、第1温度センサまたは第2温度センサの出力に基づいてサブコールドヘッドを起動するよう構成されるコントローラと、を備える。
本発明のある態様によると、極低温冷凍機は、超電導コイルのための輻射シールドを冷却する一段冷却ステージと、超電導コイルを冷却する二段冷却ステージと、を有する二段式のメインコールドヘッドと、輻射シールドを冷却する単段式のサブコールドヘッドと、メインコールドヘッドおよびサブコールドヘッドに冷媒ガスを供給する共通の圧縮機と、を備える。
本発明のある態様によると、超電導磁石装置の冷却方法が提供される。超電導磁石装置は、超電導コイルと、超電導コイルを熱的に保護する輻射シールドと、超電導コイルを冷却するメインコールドヘッドと、輻射シールドを冷却するサブコールドヘッドと、メインコールドヘッドおよびサブコールドヘッドに冷媒ガスを供給する共通の圧縮機と、を備える。冷却方法は、超電導磁石装置の初期冷却のためにサブコールドヘッドを起動することと、輻射シールドまたは超電導コイルの温度に基づいてサブコールドヘッドを停止させることと、サブコールドヘッドを停止した状態でメインコールドヘッドを動作させることと、を備える。
本発明のある態様によると、超電導磁石装置の冷却方法が提供される。超電導磁石装置は、超電導コイルと、超電導コイルを熱的に保護する輻射シールドと、超電導コイルを冷却するメインコールドヘッドと、輻射シールドを冷却するサブコールドヘッドと、メインコールドヘッドおよびサブコールドヘッドに冷媒ガスを供給する共通の圧縮機と、を備える。冷却方法は、サブコールドヘッドを停止した状態でメインコールドヘッドを動作させることと、輻射シールドまたは超電導コイルの温度に基づいてサブコールドヘッドを起動することと、を備える。
本発明によれば、省ヘリウムの超電導磁石装置における極低温冷却を提供することができる。
実施の形態に係る超電導磁石装置を概略的に示す図である。 実施の形態に係る超電導磁石装置の初期冷却の制御方法を例示するフローチャートである。 実施の形態に係る超電導磁石装置の初期冷却における温度プロファイルの一例を示す図である。 図4(a)から図4(c)は、極低温冷凍機の各コールドヘッドのオンオフのタイミングの変形例を示す図である。 実施の形態に係る超電導磁石装置の定常運転における冷却の制御方法を例示するフローチャートである。 実施の形態に係る超電導磁石装置の定常運転における温度プロファイルの一例を示す図である。 実施の形態に係る極低温冷凍機の変形例を概略的に示す図である。 実施の形態に係る極低温冷凍機のサブコールドヘッドの変形例を概略的に示す図である。 図9(a)および図9(b)は、実施の形態に係る極低温冷凍機の別の変形例を概略的に示す図である。 実施の形態に係る超電導磁石装置の変形例を概略的に示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。説明および図面において同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施の形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、実施の形態に係る超電導磁石装置10を概略的に示す図である。超電導磁石装置10は、たとえば磁気共鳴イメージング(MRI)システム、磁場印加チョクラルスキー法によるシリコン単結晶引き上げ装置、たとえばサイクロトロンなどの加速器、またはその他の高磁場利用機器の磁場源として高磁場利用機器に搭載され、その機器に必要とされる高磁場を発生させることができる。超電導磁石装置10は、超電導マグネットとも称される。
超電導磁石装置10は、超電導コイル12と、超電導コイル12を熱的に保護する輻射シールド14と、超電導コイル12および輻射シールド14を冷却する極低温冷凍機100と、を備える。また、超電導磁石装置10は、真空容器16と、電流リード18とを備える。さらに、超電導磁石装置10は、輻射シールド14の温度を測定する第1温度センサ40と、超電導コイル12の温度を測定する第2温度センサ42とを備える。
超電導コイル12は、公知の超電導コイル(たとえば、いわゆる低温超電導コイル)であってもよく、超電導転移温度以下の極低温に冷却された状態で通電されることにより強力な磁場を発生するように構成される。超電導コイル12は、輻射シールド14および電流リード18とともに真空容器16に収容される。
輻射シールド14は、超電導コイル12を囲むように配置され、それにより、周囲環境(例えば室温大気圧環境)または真空容器16の容器壁から超電導コイル12に侵入しうる輻射熱を遮蔽する。輻射シールド14は、例えば銅などの金属材料またはその他の高い熱伝導率をもつ材料で形成される。
電流リード18は、超電導コイル12を電源装置(図示せず)に接続するために超電導磁石装置10に設置されている。電源装置は、真空容器16の外部に配置される。電流リード18は、真空容器16に設置されたフィードスルー部を通じて電源装置に接続される金属電流リード18aと、金属電流リード18aに接続された超電導電流リード18bとを備える。超電導電流リード18bは超電導コイル12に接続される。金属電流リード18aは、銅(例えばタフピッチ銅)や真鍮など導電性に優れる金属材料で形成される。超電導電流リード18bは、銅酸化物超電導体またはその他の高温超電導材料で形成されうる。あるいは、超電導電流リード18bは、NbTiに代表される低温超電導材料で形成されてもよい。電流リード18は、少なくとも正極側と負極側で一対に設けられ、外部電源から電流リード18を通じて超電導コイル12に励磁電流が供給される。それにより、超電導磁石装置10は、強力な磁場を発生することができる。
極低温冷凍機100は、この実施の形態においては、ギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機である。ただし、一般的なGM冷凍機は1台のコールドヘッドを1台の圧縮機で動作させるが、この極低温冷凍機100は、そうではなく、2台のコールドヘッドを1台の圧縮機で動作させる。より具体的には、極低温冷凍機100は、超電導コイル12を冷却するメインコールドヘッド102と、輻射シールド14を冷却するサブコールドヘッド104と、メインコールドヘッド102およびサブコールドヘッド104に冷媒ガスを供給する共通の圧縮機106と、を備える。コールドヘッドは、膨張機とも称される。また、極低温冷凍機100は、メインコールドヘッド102、サブコールドヘッド104、および圧縮機106を接続する分岐配管108と、極低温冷凍機100を制御するコントローラ110とを備える。
圧縮機106は、極低温冷凍機100の冷媒ガスをメインコールドヘッド102およびサブコールドヘッド104から回収し、回収した冷媒ガスを昇圧して、再び冷媒ガスをこれら2台のコールドヘッドに供給するよう構成されている。圧縮機106と各コールドヘッドとの間の冷媒ガスの循環が各コールドヘッド内での冷媒ガスの適切な圧力変動と容積変動の組み合わせをもって行われることにより、極低温冷凍機100の冷凍サイクルが構成され、それにより各コールドヘッドの冷却ステージが所望の極低温に冷却される。冷媒ガスは、作動ガスとも称され、通例はヘリウムガスであるが、適切な他のガスが用いられてもよい。理解のために、冷媒ガスの流れる方向を図1に矢印で示す。
なお、一般に、圧縮機106から供給される冷媒ガスの圧力と、圧縮機106に回収される冷媒ガスの圧力は、ともに大気圧よりかなり高く、それぞれ第1高圧及び第2高圧と呼ぶことができる。説明の便宜上、第1高圧及び第2高圧はそれぞれ単に高圧及び低圧とも呼ばれる。典型的には、高圧は例えば2~3MPaである。低圧は例えば0.5~1.5MPaであり、例えば約0.8MPaである。
メインコールドヘッド102は、この実施の形態においては、超電導コイル12および輻射シールド14を冷却する二段式のコールドヘッドである。メインコールドヘッド102は、駆動部103と、一段冷却ステージ102aと、二段冷却ステージ102bとを備える。駆動部103は真空容器16に装着され周囲環境に配置されるのに対し、一段冷却ステージ102aおよび二段冷却ステージ102bは、真空容器16の中に配置される。
駆動部103は、メインコールドヘッド102を駆動する電気モータ103aを有する。GM冷凍機の場合、電気モータ103aを駆動するとき、メインコールドヘッド102に内蔵されるディスプレーサと切替バルブ(例えばロータリーバルブ)がGMサイクルを構成するように同期して動作する。ディスプレーサは、メインコールドヘッド102内の冷媒ガスの膨張室の容積を制御し、切替バルブは、圧縮機106からの冷媒ガスの供給と回収を切り替えることによってメインコールドヘッド102内の膨張室の冷媒ガス圧力を制御する。また、駆動部103には、高圧ポート103bおよび低圧ポート103cが設けられている。メインコールドヘッド102は、高圧の冷媒ガスを高圧ポート103bから切替バルブを通じてメインコールドヘッド102内の膨張室へと受け入れ、膨張室で膨張した低圧の冷媒ガスを切替バルブを通じて低圧ポート103cから送出する。
メインコールドヘッド102は、電気モータ103aが停止されるときメインコールドヘッド102内の膨張室が圧縮機106から切り離されるように構成されうる。そのような構成は、例えば、メインコールドヘッド102の切替バルブがロータリーバルブである場合、メインコールドヘッド102内の膨張室が圧縮機106の吐出側と吸入側の両方に同時に接続するタイミングがないようにロータリーバルブを設計することで実現される。あるいは、メインコールドヘッド102内の膨張室が圧縮機106の吐出側と吸入側の両方から切り離されるように選択された回転角度でロータリーバルブを停止させることにより実現されてもよい。この場合、電気モータ103aの停止によりロータリーバルブが当該回転角度で停止され、メインコールドヘッド102への冷媒ガスの出入りがなくなる。
一段冷却ステージ102aは、輻射シールド14に熱的に結合され、輻射シールド14を冷却する。一段冷却ステージ102aは、輻射シールド14に直接取り付けられてもよいし、可撓性または剛性の伝熱部材を介して輻射シールド14に接続されてもよい。また、一段冷却ステージ102aは、金属電流リード18aに熱的に結合され、金属電流リード18aを冷却する。この実施の形態では、金属電流リード18aは、輻射シールド14を介して冷却されるが、そのほかの伝熱部材を介してまたは一段冷却ステージ102aに直接取り付けられて冷却されてもよい。
この実施の形態においては、超電導磁石装置10は、伝導冷却タイプである。超電導コイル12は、極低温冷凍機100によって直接冷却される。メインコールドヘッド102の二段冷却ステージ102bは、可撓性または剛性の伝熱部材44を介して超電導コイル12に熱的に結合され、超電導コイル12を冷却する。また、二段冷却ステージ102bは、超電導電流リード18bに熱的に結合され、超電導電流リード18bを冷却する。超電導電流リード18bは、伝熱部材46を介してまたは二段冷却ステージ102bに直接取り付けられて冷却されてもよい。二段冷却ステージ102bと超電導電流リード18bは、超電導コイル12と同じく輻射シールド14の中に配置される。
サブコールドヘッド104は、この実施の形態においては、単段式のコールドヘッドである。サブコールドヘッド104は、駆動部105と、冷却ステージ104aとを備える。駆動部105は真空容器16に装着され周囲環境に配置され、冷却ステージ104aは、真空容器16の中に配置される。
駆動部105は、サブコールドヘッド104を駆動する電気モータ105aを有する。GM冷凍機の場合、電気モータ105aを駆動するとき、サブコールドヘッド104に内蔵されるディスプレーサと切替バルブ(例えばロータリーバルブ)がGMサイクルを構成するように同期して動作する。ディスプレーサは、サブコールドヘッド104内の冷媒ガスの膨張室の容積を制御し、切替バルブは、圧縮機106からの冷媒ガスの供給と回収を切り替えることによってサブコールドヘッド104内の冷媒ガス圧力を制御する。また、サブコールドヘッド104の駆動部105には、高圧ポート105bおよび低圧ポート105cが設けられている。サブコールドヘッド104は、高圧の冷媒ガスを高圧ポート105bから切替バルブを通じてサブコールドヘッド104内の膨張室へと受け入れ、膨張室で膨張した低圧の冷媒ガスを切替バルブを通じて低圧ポート105cから送出する。
サブコールドヘッド104は、電気モータ105aが停止されるときサブコールドヘッド104内の膨張室が圧縮機106から切り離されるように構成されうる。そのような構成は、例えば、サブコールドヘッド104の切替バルブがロータリーバルブである場合、サブコールドヘッド104内の膨張室が圧縮機106の吐出側と吸入側の両方に同時に接続するタイミングがないようにロータリーバルブを設計することで実現される。あるいは、サブコールドヘッド104内の膨張室が圧縮機106の吐出側と吸入側の両方から切り離されるように選択された回転角度でロータリーバルブを停止させることにより実現されてもよい。この場合、電気モータ105aの停止によりロータリーバルブが当該回転角度で停止され、サブコールドヘッド104への冷媒ガスの出入りがなくなる。
サブコールドヘッド104の冷却ステージ104aは、輻射シールド14に熱的に結合され、輻射シールド14を冷却する。冷却ステージ104aは、輻射シールド14に直接取り付けられてもよいし、可撓性または剛性の伝熱部材を介して輻射シールド14に接続されてもよい。また、冷却ステージ104aは、金属電流リード18aに熱的に結合され、金属電流リード18aを冷却する。金属電流リード18aは、この実施の形態では、輻射シールド14を介して冷却されるが、そのほかの伝熱部材を介してまたは冷却ステージ104aに直接取り付けられて冷却されてもよい。なおサブコールドヘッド104は、超電導コイル12は冷却しない。
メインコールドヘッド102の一段冷却ステージ102aとサブコールドヘッド104の冷却ステージ104aは、例えば30K~80K(通例は30K~50K、例えば40K)に冷却され、メインコールドヘッド102の二段冷却ステージ102bは、例えば3K~20K(通例は3K~4K)に冷却される。これら冷却ステージはいずれも、例えば銅などの金属材料またはその他の高い熱伝導率をもつ材料で形成される。
圧縮機106は、真空容器16の外に配置される。圧縮機106は、圧縮機本体106a、圧縮機筐体106b、吐出ポート106c、および吸入ポート106dを備える。圧縮機本体106aは、その吸入口から吸入される冷媒ガスを内部で圧縮して吐出口から吐出するよう構成されている。圧縮機本体106aは、例えば、スクロール方式、ロータリ式、または冷媒ガスを昇圧するそのほかのポンプであってもよい。圧縮機本体106aは、固定された一定の冷媒ガス流量を吐出するよう構成されていてもよい。あるいは、圧縮機本体106aは、吐出する冷媒ガス流量を可変とするよう構成されていてもよい。圧縮機本体106aは、圧縮カプセルと称されることもある。圧縮機本体106aは、圧縮機筐体106bに収容されている。吐出ポート106cおよび吸入ポート106dは、圧縮機筐体106bに設置されている。吐出ポート106cは、圧縮機本体106aの吐出口に接続され、吸入ポート106dは、圧縮機本体106aの吸入口に接続されている。圧縮機106は、圧縮機ユニットとも称される。
分岐配管108は、高圧側配管108aと低圧側配管108bとを備える。高圧側配管108aは、高圧の冷媒ガスを圧縮機106からメインコールドヘッド102とサブコールドヘッド104の両方に供給することができるように、圧縮機106をメインコールドヘッド102およびサブコールドヘッド104に接続する。高圧側配管108aは、圧縮機106の吐出ポート106cから延び、途中で2本の枝管に分岐して、メインコールドヘッド102の高圧ポート103bとサブコールドヘッド104の高圧ポート105bのそれぞれに接続される。低圧側配管108bは、低圧の冷媒ガスをメインコールドヘッド102とサブコールドヘッド104の両方から圧縮機106に回収することができるように、メインコールドヘッド102およびサブコールドヘッド104を圧縮機106に接続する。低圧側配管108bは、メインコールドヘッド102の低圧ポート105cとサブコールドヘッド104の低圧ポート105cのそれぞれから延び、途中で合流して、圧縮機106の吸入ポート106dに接続される。分岐配管108は、一例として、フレキシブル管により構成されるが、リジッド管で構成されてもよい。
コントローラ110は、第1温度センサ40または第2温度センサ42の出力に基づいて、または上位のコントローラ(例えば、超電導磁石装置10またはこれが搭載された上位システムを制御するコントローラ)からの指令信号に従って、メインコールドヘッド102、サブコールドヘッド104、および圧縮機106のオンオフを制御するように構成されている。すなわち、コントローラ110は、メインコールドヘッド102の電気モータ103aのオンオフ、およびサブコールドヘッド104の電気モータ105aのオンオフを制御する。また、コントローラ110は、圧縮機本体106aのオンオフを制御する。コントローラ110は、メインコールドヘッド102、サブコールドヘッド104、および圧縮機106のオンオフを個別に制御することができる。
コントローラ110は、圧縮機筐体106bの外表面に取り付けられ、または圧縮機筐体106bに収容されている。あるいは、コントローラ110は、圧縮機106から離れて配置され、配線により圧縮機106に接続されてもよい。また、コントローラ110は、商用電源などの主電源(図示せず)に接続されており、この主電源にメインコールドヘッド102とサブコールドヘッド104をそれぞれ第1給電線112aと第2給電線112bにより接続する。よって、メインコールドヘッド102の電気モータ103aは第1給電線112aを通じて給電され、サブコールドヘッド104の電気モータ105aは第2給電線112bを通じて給電される。
詳細は後述するが、コントローラ110は、超電導磁石装置10の初期冷却のためにサブコールドヘッド104を起動し、第1温度センサ40または第2温度センサ42の出力に基づいてサブコールドヘッド104を停止させ、サブコールドヘッド104を停止した状態でメインコールドヘッド102を動作させるよう構成される。また、コントローラ110は、サブコールドヘッド104を停止した状態でメインコールドヘッド102を動作させている間に、第1温度センサ40または第2温度センサ42の出力に基づいてサブコールドヘッド104を再び起動するよう構成される。
コントローラ110は、ハードウェア構成としてはコンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウェア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、図では適宜、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
第1温度センサ40は、一例として輻射シールド14に設置されるが、他の部位に設置されてもよい。たとえば、第1温度センサ40は、メインコールドヘッド102の一段冷却ステージ102a、またはサブコールドヘッド104の冷却ステージ104a、またはこれら冷却ステージによって冷却される部位(たとえば、金属電流リード18a)に設置されてもよい。複数の第1温度センサ40が互いに異なる場所に設置されてもよい。また、第2温度センサ42は、一例として超電導コイル12に設置されるが、他の部位に設置されてもよい。たとえば、第2温度センサ42は、メインコールドヘッド102の二段冷却ステージ102b、またはこれにより冷却される部位(たとえば、超電導電流リード18b)に設置されてもよい。複数の第2温度センサ42が互いに異なる場所に設置されてもよい。
図2は、実施の形態に係る超電導磁石装置10の初期冷却の制御方法を例示するフローチャートである。図2に示される制御ルーチンは、コントローラ110によって、超電導磁石装置10の起動に際して実行される。コントローラ110は、上位のコントローラ(例えば、超電導磁石装置10を制御するコントローラ)からの指令信号に応じて本制御ルーチンを開始してもよい。なお、超電導磁石装置10の初期冷却とは、超電導磁石装置10の起動に際して環境温度(例えば室温)から目標冷却温度(超電導転移温度以下の極低温であり、例えば3~4K程度)に超電導コイル12を冷却することをいう。
コントローラ110は、超電導磁石装置10の初期冷却のためにサブコールドヘッド104を起動する(S10)。すなわち、コントローラ110は、サブコールドヘッド104の電気モータ105aをオフからオンに切り替え、サブコールドヘッド104を動作させる。コントローラ110は、サブコールドヘッド104を起動する前または起動すると同時に、圧縮機106を動作させる。こうして、極低温冷凍機100は、サブコールドヘッド104による輻射シールド14の冷却を開始する。
コントローラ110は、第1温度センサ40によって測定される温度を示す第1センサ信号を第1温度センサ40から受け、第1温度センサ40の測定温度T1を目標冷却温度T1aと比較する(S12)。この目標冷却温度T1aは、超電導磁石装置10の定常運転において輻射シールド14が維持されるべき温度であってもよく、例えば30K~80K(通例は30K~50K)の温度範囲から選択されてもよく、例えば40Kであってもよい。第1温度センサ40の測定温度T1が目標冷却温度T1aを上回る場合(S12のN)、コントローラ110は、サブコールドヘッド104の電気モータ105aをオンのままとし、サブコールドヘッド104を動作させる。こうして、サブコールドヘッド104による輻射シールド14の冷却が継続される。そして、コントローラ110は、第1温度センサ40の測定温度T1を目標冷却温度T1aと再び比較する(S12)。
第1温度センサ40の測定温度T1が目標冷却温度T1a以下である場合(S12のY)、コントローラ110は、サブコールドヘッド104を停止させる(S14)。すなわち、コントローラ110は、サブコールドヘッド104の電気モータ105aをオンからオフに切り替え、サブコールドヘッド104を停止させる。サブコールドヘッド104を停止させる前または停止させると同時にメインコールドヘッド102を起動することにより、コントローラ110は、サブコールドヘッド104を停止した状態でメインコールドヘッド102を動作させる。こうして、極低温冷凍機100は、メインコールドヘッド102による超電導コイル12の冷却を行う。そして、超電導コイル12がその目標冷却温度(例えば3K~4K程度)まで冷却されたとき初期冷却は完了し、超電導磁石装置10は定常運転に移行する。
図3は、実施の形態に係る超電導磁石装置10の初期冷却における温度プロファイルの一例を示す図である。図3の縦軸及び横軸はそれぞれ温度及び時間を表す。図3には、輻射シールド14の温度T1及び超電導コイル12の温度T2の時間変化を概略的に示す。初期冷却を開始するときの輻射シールド14の温度T1及び超電導コイル12の温度T2の初期値T0はともに例えば300Kであり、輻射シールド14及び超電導コイル12の目標冷却温度はそれぞれ例えば40K、3.5Kである。また、図3の下部には、極低温冷凍機100の各コールドヘッドのオンオフ状態の一例を示す。
図3には、コントローラ110がサブコールドヘッド104を起動するときメインコールドヘッド102も起動する場合を例示する。この場合、輻射シールド14の温度T1が目標冷却温度40Kに到達するまでメインコールドヘッド102とサブコールドヘッド104の両方が動作する。輻射シールド14はメインコールドヘッド102とサブコールドヘッド104の両方によって急速に冷却されることができる。
上述のように、輻射シールド14の温度が目標冷却温度以下となったとき、サブコールドヘッド104は停止される。このとき、超電導コイル12は、超電導磁石装置10の仕様によるが、輻射シールド14の目標冷却温度よりも低い温度まで冷却されうる。あるいは、超電導コイル12は、輻射シールド14の目標冷却温度ほど冷えていないこともありうる。いずれにしても、メインコールドヘッド102による超電導コイル12の冷却が継続され、超電導コイル12の温度T2が目標冷却温度3.5Kに到達すると、超電導磁石装置10の初期冷却は完了する。
初期冷却の完了とともに、超電導磁石装置10は定常運転に移行する。基本的には、定常運転では、サブコールドヘッド104は停止された状態で、メインコールドヘッド102が動作し、輻射シールド14および超電導コイル12がそれぞれの目標冷却温度に維持される。定常運転においては、超電導コイル12に電流リード18を通じて励磁電流が供給される。それにより、超電導磁石装置10は、強力な磁場を発生することができる。
実施の形態によると、超電導磁石装置10には、液体ヘリウムフリーの超電導コイル冷却システムが実現される。
極低温冷凍機100においては、メインコールドヘッド102とサブコールドヘッド104が共通の圧縮機106によって駆動される。つまり、複数台のコールドヘッドを1台の圧縮機106で動作させることができる。よって、1台のコールドヘッドを1台の圧縮機で動作させる典型的な構成に比べて、実施の形態に係る極低温冷凍機100は、圧縮機106の台数を少なくすることができ、コストを低減することができる。
また、超電導磁石装置10の初期冷却においてサブコールドヘッド104を起動することによって、初期冷却にかかる時間を短縮することができる。仮に、極低温冷凍機100がサブコールドヘッド104を有しない場合、超電導磁石装置10の初期冷却は、メインコールドヘッド102のみによって行われる。この場合、初期冷却には典型的に例えば数日または一週間以上のかなり長い時間がかかる。これに対して、初期冷却にサブコールドヘッド104を利用することにより、輻射シールド14の冷却にかかる時間を顕著に低減し、例えば半分程度に短くすることができる。その結果、超電導磁石装置10の初期冷却にかかる時間を一日または数日短縮することができる。
さらに、初期冷却を完了したときサブコールドヘッド104を停止させるので、それ以降、圧縮機106はサブコールドヘッド104に冷媒ガスを供給しなくてもよい。より多くの冷媒ガスを圧縮機106からメインコールドヘッド102に供給することができ、メインコールドヘッド102の冷凍能力を高めることができる。
図4(a)から図4(c)は、極低温冷凍機100の各コールドヘッドのオンオフのタイミングの変形例を示す図である。上述の実施の形態では、メインコールドヘッド102とサブコールドヘッド104が同時に起動されるが、メインコールドヘッド102の起動は様々なタイミングであってもよい。
図4(a)に示されるように、コントローラ110は、サブコールドヘッド104を停止させるとき、メインコールドヘッド102を起動するよう構成されてもよい。すなわち、輻射シールド14が目標冷却温度まで冷却されたとき、超電導磁石装置10の冷却がサブコールドヘッド104からメインコールドヘッド102に切り替えられてもよい。このようにすれば、超電導磁石装置10の初期冷却において当初はメインコールドヘッド102が停止されているので、圧縮機106からサブコールドヘッド104のみに集中的に冷媒ガスを供給することができる。サブコールドヘッド104の冷凍能力を高め、輻射シールド14をより速く冷却することができる。
あるいは、図4(b)に示されるように、コントローラ110は、サブコールドヘッドを動作させている間に、メインコールドヘッド102を起動するよう構成されてもよい。すなわち、輻射シールド14を目標冷却温度に向けて冷却している途中で、サブコールドヘッドを動作させながらメインコールドヘッド102が起動されてもよい。このようにすれば、図4(a)の例と同様に超電導磁石装置10の初期冷却の当初はサブコールドヘッド104の冷凍能力を高めることができる。また、輻射シールド14の目標冷却温度への冷却中にメインコールドヘッド102を起動し、メインコールドヘッド102を予冷することができる。サブコールドヘッド104の停止からメインコールドヘッド102による超電導コイル12の冷却へと円滑に移行することができる。
図4(c)に示されるように、場合によっては、コントローラ110は、サブコールドヘッド104を起動する前に(すなわちサブコールドヘッド104を停止した状態で)、メインコールドヘッドを起動するよう構成されてもよい。このようにすれば、超電導コイル12を優先的に冷却することができる。
上述の実施の形態では、コントローラ110は、第1温度センサ40の出力に基づいてサブコールドヘッド104を停止させるように構成されているが、第2温度センサ42の出力に基づいてサブコールドヘッド104を停止させるように構成されてもよい。コントローラ110は、第2温度センサ42によって測定される温度を示す第2センサ信号を第2温度センサ42から受け、第2温度センサ42の測定温度を輻射シールド14の目標冷却温度と比較してもよい。第2温度センサ42の測定温度が目標冷却温度以下である場合、コントローラ110は、サブコールドヘッド104を停止させてもよい。コントローラ110は、サブコールドヘッド104を起動するとき、またはサブコールドヘッド104を動作させている間に、またはサブコールドヘッド104を停止させるとき、メインコールドヘッド102を起動するよう構成されてもよい。
図5は、実施の形態に係る超電導磁石装置10の定常運転における冷却の制御方法を例示するフローチャートである。図5に示される制御ルーチンは、コントローラ110によって、超電導磁石装置10の定常運転中に実行される。図5に示される処理が開始されるとき、超電導コイル12と輻射シールド14は、メインコールドヘッド102によってそれぞれの目標冷却温度に冷却されている。
図5に示される処理が開始されると、コントローラ110は、第1温度センサ40によって測定される温度を示す第1センサ信号を第1温度センサ40から受け、第1温度センサ40の測定温度T1を警戒温度T1bと比較する(S20)。例えば電流リード18における発熱またはそのほかの要因により、第1温度センサ40の測定温度T1が上昇し目標冷却温度T1aから乖離しうる。そこで、警戒温度T1bは、このような温度上昇を検知するための温度しきい値として設定される。警戒温度T1bは、輻射シールド14の目標冷却温度T1aより高い温度値に設定され、例えば50K~80Kの範囲から選択されてもよい。警戒温度T1bは、超電導磁石装置10の設計者の経験的知見または設計者による実験やシミュレーション等に基づき適宜設定することが可能である。
第1温度センサ40の測定温度T1が警戒温度T1b以下である場合(S20のN)、コントローラ110は、メインコールドヘッド102の電気モータ103aをオンのままとし、メインコールドヘッド102を動作させる。こうして、メインコールドヘッド102による超電導コイル12と輻射シールド14の冷却が継続される。そして、コントローラ110は、第1温度センサ40の測定温度を警戒温度と再び比較する(S20)。
第1温度センサ40の測定温度T1が警戒温度T1bを超える場合(S20のY)、コントローラ110は、メインコールドヘッド102を停止させる(S22)。すなわち、コントローラ110は、メインコールドヘッド102の電気モータ103aをオンからオフに切り替え、メインコールドヘッド102を停止させる。このとき、コントローラ110は、メインコールドヘッド102を停止させると同時に、サブコールドヘッド104を起動する。すなわち、コントローラ110は、サブコールドヘッド104の電気モータ105aをオフからオンに切り替え、サブコールドヘッド104を動作させる。
コントローラ110は、第1温度センサ40によって測定される温度を示す第1センサ信号を第1温度センサ40から受け、第1温度センサ40の測定温度T1を目標冷却温度T1aと比較する(S24)。第1温度センサ40の測定温度T1が目標冷却温度T1aを上回る場合(S24のN)、コントローラ110は、サブコールドヘッド104の電気モータ105aをオンのままとし、サブコールドヘッド104を動作させる。こうして、サブコールドヘッド104による輻射シールド14の冷却が継続される。そして、コントローラ110は、第1温度センサ40の測定温度T1を目標冷却温度T1aと再び比較する(S24)。
第1温度センサ40の測定温度T1が目標冷却温度T1a以下である場合(S24のY)、コントローラ110は、サブコールドヘッド104を停止させる(S26)。すなわち、コントローラ110は、サブコールドヘッド104の電気モータ105aをオンからオフに切り替え、サブコールドヘッド104を停止させる。このとき、コントローラ110は、サブコールドヘッド104を停止させると同時に、メインコールドヘッド102を起動する。すなわち、コントローラ110は、メインコールドヘッド102の電気モータ103aをオフからオンに切り替え、メインコールドヘッド102を動作させる。こうして、超電導磁石装置10は、もとの定常運転、すなわちメインコールドヘッド102による超電導コイル12と輻射シールド14の冷却に復帰する。
図6は、実施の形態に係る超電導磁石装置10の定常運転における温度プロファイルの一例を示す図である。図6には、輻射シールド14の温度の時間変化を概略的に示す。また、図6の下部には、極低温冷凍機100の各コールドヘッドのオンオフ状態の一例を示す。
上述のように、定常運転中、輻射シールド14は目標冷却温度T1aに維持されるべきであるが、何らかの要因で温度上昇が起こりうる。輻射シールド14の温度が目標冷却温度T1aから上昇し警戒温度T1bに達したとき、メインコールドヘッド102は停止され、サブコールドヘッド104が駆動される。サブコールドヘッド104により輻射シールド14が冷却される。輻射シールド14の温度が目標冷却温度T1a以下に復帰したとき、サブコールドヘッド104は停止され、再びメインコールドヘッド102が起動される。こうして、超電導磁石装置10は、定常運転に復帰する。
実施の形態によると、超電導磁石装置10の定常運転において、サブコールドヘッド104を停止した状態でメインコールドヘッド102を動作させている間に、サブコールドヘッド104が、第1温度センサ40の出力に基づいて再び起動される。これにより、サブコールドヘッド104の冷却により輻射シールド14の温度上昇を抑え、超電導磁石装置10の運転を継続することができる。
また、サブコールドヘッド104を再び起動するとき、メインコールドヘッド102が停止される。メインコールドヘッド102を停止させるので、それ以降、圧縮機106はメインコールドヘッド102に冷媒ガスを供給しなくてもよい。より多くの冷媒ガスを圧縮機106からサブコールドヘッド104に供給することができ、サブコールドヘッド104の冷凍能力を高めることができる。とくに、超電導磁石装置10の定常運転においては、メインコールドヘッド102は既に極低温に冷却されている。冷媒ガスの密度は極低温下で室温に比べてかなり小さくなる。これは、メインコールドヘッド102の運転に伴い、メインコールドヘッド102内に相当量の冷媒ガスが蓄積または吸収されることを意味する。その結果、極低温冷凍機100を循環する冷媒ガスの流量が低下し、圧縮機106から供給される冷媒ガスの流量も低下する。このような状況において、メインコールドヘッド102を一時的に停止することによりメインコールドヘッド102に冷媒ガスを供給しないことは、圧縮機106からサブコールドヘッド104に供給される冷媒ガスの流量を確保することに役立つ。このようにして、サブコールドヘッド104の冷凍能力を高め、輻射シールド14を急速に冷却することができる。
なお、サブコールドヘッド104を再び起動するときメインコールドヘッド102を停止させるのではなく、コントローラ110は、メインコールドヘッド102を動作させながらサブコールドヘッド104を起動してもよい。例えば、コントローラ110は、第2温度センサ42の出力に基づいてメインコールドヘッド102の動作を継続してもよい。コントローラ110は、第2温度センサ42によって測定される温度を示す第2センサ信号を第2温度センサ42から受け、第2温度センサ42の測定温度を超電導コイル12の警戒温度と比較してもよい。超電導コイル12の警戒温度は、超電導コイル12の目標冷却温度より高く、例えば5K~8Kの温度範囲から選択されてもよい。第1温度センサ40の測定温度が輻射シールド14の警戒温度を超えかつ第2温度センサ42の測定温度が超電導コイル12の警戒温度以下の場合、コントローラ110は、上述のように、メインコールドヘッド102を停止させ、サブコールドヘッド104を起動してもよい。
あるいは、コントローラ110は、サブコールドヘッド104を再び起動するときメインコールドヘッド102を一旦停止させ、サブコールドヘッド104を動作させている間にメインコールドヘッド102を再び起動してもよい。例えば、コントローラ110は、サブコールドヘッド104を動作させている間に、第2温度センサ42の出力に基づいてメインコールドヘッド102を再び起動してもよい。コントローラ110は、第2温度センサ42によって測定される温度を示す第2センサ信号を第2温度センサ42から受け、第2温度センサ42の測定温度を超電導コイル12の警戒温度と比較してもよい。第2温度センサ42の測定温度が超電導コイル12の警戒温度を超える場合、コントローラ110は、サブコールドヘッド104を動作させている間にメインコールドヘッド102を再び起動してもよい。
上述の実施の形態においては、メインコールドヘッド102の電気モータ103aおよびサブコールドヘッド104の電気モータ105aはともに固定された一定の回転数で動作するものであるが、本発明は、これに限られない。メインコールドヘッド102の駆動部103およびサブコールドヘッド104の駆動部105のうち少なくとも一方にはインバータが搭載されてもよく、それにより、電気モータ103aおよび電気モータ105aのうち少なくとも一方の回転数は可変とされてもよい。これを利用して、加速冷却機能が、メインコールドヘッド102およびサブコールドヘッド104のうち少なくとも一方に提供されてもよい。
したがって、コントローラ110は、第1温度センサ40または第2温度センサ42の出力に基づいて電気モータ103aおよび電気モータ105aのうち少なくとも一方の回転数を制御してもよい。例えば、コントローラ110は、第1温度センサ40または第2温度センサ42によって測定される温度が高くなるにつれて、電気モータ103aおよび電気モータ105aのうち少なくとも一方の回転数を増加させてもよい。このとき、コントローラ110は、圧縮機106から吐出する冷媒ガス流量を増加させるように圧縮機本体106aを制御してもよい。
図7は、実施の形態に係る極低温冷凍機100の変形例を概略的に示す図である。分岐配管108には、遮断弁が設けられてもよい。一例として、分岐配管108の高圧側配管108aの2つの枝管それぞれに第1遮断弁114aと第2遮断弁114bが設けられ、分岐配管108の低圧側配管108bの2つの枝管それぞれに第3遮断弁114cと第4遮断弁114dが設けられている。
すなわち、第1遮断弁114aは、メインコールドヘッド102の高圧ポート103bを高圧側配管108aの分岐点116に接続する高圧側配管108aの一方の枝管に設けられ、第2遮断弁114bは、サブコールドヘッド104の高圧ポート105bを高圧側配管108aの分岐点116に接続する高圧側配管108aの他方の枝管に設けられている。また、第3遮断弁114cは、メインコールドヘッド102の低圧ポート103cを低圧側配管108bの合流点118に接続する低圧側配管108bの一方の枝管に設けられ、第4遮断弁114dは、サブコールドヘッド104の低圧ポート105cを低圧側配管108bの合流点118に接続する低圧側配管108bの他方の枝管に設けられている。
コントローラ110は、メインコールドヘッド102のオンオフ、およびサブコールドヘッド104のオンオフと同期してこれら遮断弁を開閉するように構成されてもよい。メインコールドヘッド102の動作中は、第1遮断弁114aと第3遮断弁114cが開放され、メインコールドヘッド102の停止中は、第1遮断弁114aと第3遮断弁114cが閉鎖される。サブコールドヘッド104の動作中は、第2遮断弁114bと第4遮断弁114dが開放され、サブコールドヘッド104の停止中は、第2遮断弁114bと第4遮断弁114dが閉鎖される。これら遮断弁は、メインコールドヘッド102のオンオフ、およびサブコールドヘッド104のオンオフと同期して手動により開閉されてもよい。
このように、分岐配管108の枝管に遮断弁を設けることにより、いずれかのコールドヘッドを停止させるとき当該コールドヘッドを圧縮機106から確実に切り離すことができる。これにより、停止中のコールドヘッドで冷媒ガスが消費されることが防止され、動作中のコールドヘッドにより多くの冷媒ガスを供給することができる。
なお、図7に示される例では、4つの遮断弁が設けられているが、分岐配管108は、これより少数の遮断弁を備えてもよい。例えば、メインコールドヘッド102を圧縮機106から切り離すために、第1遮断弁114aと第3遮断弁114cのうち一方のみが設けられてもよい。また、サブコールドヘッド104を圧縮機106から切り離すために、第2遮断弁114bと第4遮断弁114dのうち一方のみが設けられてもよい。
図8は、実施の形態に係る極低温冷凍機100のサブコールドヘッド104の変形例を概略的に示す図である。極低温冷凍機100は、サブコールドヘッド104を輻射シールド14に熱接触させまたは熱接触を解除するよう構成される熱スイッチ120をさらに備えてもよい。
一例として、サブコールドヘッド104の駆動部105は、例えば真空ベローズなどの可動式の支持構造122を介して真空容器16に装着される。極低温冷凍機100は、サブコールドヘッド104を軸方向に移動可能とする駆動機構124を備えてもよい。駆動機構124は、サブコールドヘッド104を真空容器16内に押し込むように移動させ、またはサブコールドヘッド104を真空容器16から引き上げるように移動させるように構成される。駆動機構124は、油圧、空圧、電動モーター、電磁石など適宜の駆動源を有してもよい。なおサブコールドヘッド104は、手動により昇降されてもよい。
サブコールドヘッド104を真空容器16内に押し込むことにより、サブコールドヘッド104の冷却ステージ104aを輻射シールド14に物理的に接触させ、サブコールドヘッド104を輻射シールド14に熱接触させることができる。すなわち、熱スイッチ120がオンになる。サブコールドヘッド104を真空容器16から引き上げることにより、サブコールドヘッド104の冷却ステージ104aは輻射シールド14から離れ、サブコールドヘッド104と輻射シールド14の熱接触が解除される。すなわち、熱スイッチ120がオフになる。
コントローラ110は、サブコールドヘッド104のオンオフと同期して熱スイッチ120のオンオフを制御するように構成されてもよい。サブコールドヘッド104の動作中は、熱スイッチ120をオンにするように駆動機構124が制御され、サブコールドヘッド104の停止中は、熱スイッチ120をオフにするように駆動機構124が制御されてもよい。
サブコールドヘッド104は、超電導磁石装置10の初期冷却に使用されるが、定常運転中は、輻射シールド14など超電導磁石装置10の構成要素の昇温が検知されない限り、基本的に停止している。サブコールドヘッド104は、停止中、周囲環境にある駆動部105から真空容器16内の冷却ステージ104aへの伝熱経路を形成する。
しかし、サブコールドヘッド104に熱スイッチ120を設けることにより、サブコールドヘッド104の停止中はサブコールドヘッド104を輻射シールド14から熱的に切り離すことができる。したがって、サブコールドヘッド104を通じた周囲環境から輻射シールド14への侵入熱を低減することができる。
なお、熱スイッチ120は、上述のようにサブコールドヘッド104を機械的に移動させることによりオンオフを切り替える方式には限られず、その他の方式の熱スイッチであってもよい。熱スイッチ120は、例えばヒートパイプなどにより構成してもよい。あるいは、サブコールドヘッド104の冷却ステージ104aと輻射シールド14が圧力調整可能なガス室を介して接続されてもよい。ガス室が高圧とされるときガス室のガスを媒体として冷却ステージ104aと輻射シールド14が熱接触し、ガス室が低圧または真空とされるとき冷却ステージ104aと輻射シールド14の熱接触が解除される。
図9(a)および図9(b)は、実施の形態に係る極低温冷凍機100の別の変形例を概略的に示す図である。極低温冷凍機100は、メインコールドヘッド102およびサブコールドヘッド104に加えて、追加のサブコールドヘッド130をさらに備えてもよい。追加のサブコールドヘッド130は、圧縮機106および分岐配管108に取り外し可能に接続される。真空容器16には、追加のサブコールドヘッド130を装着可能であり、輻射シールド14に熱的に結合された装着スリーブ132が設けられている。
図9(a)に示されるように、例えば超電導磁石装置10の初期冷却など大きな冷凍能力が求められるときには、追加のサブコールドヘッド130が装着スリーブ132に装着されるとともに、圧縮機106および分岐配管108に接続される。追加のサブコールドヘッド130の冷却ステージ130aは、装着スリーブ132を介して輻射シールド14に熱的に結合される。こうして、極低温冷凍機100は、2台のサブコールドヘッドで輻射シールド14を冷却することができる。よって、初期冷却にかかる時間をさらに短くすることができる。
図9(b)に示されるように、例えば超電導磁石装置10の定常運転中など、初期冷却に比べて小さい冷凍能力で十分であるときには、追加のサブコールドヘッド130は装着スリーブ132から抜き取られ真空容器16から取り外される。また、追加のサブコールドヘッド130は圧縮機106および分岐配管108からも取り外される。追加のサブコールドヘッド130が装着されていないとき、装着スリーブ132は、蓋134で封じられてもよい。
図10は、実施の形態に係る超電導磁石装置10の変形例を概略的に示す図である。図10に示される超電導磁石装置10は、超電導コイル12に少量の液体ヘリウムを循環させることによって冷却する省ヘリウムタイプの装置である。したがって、超電導磁石装置10は、超電導コイル12を冷却する極低温冷媒回路20を備え、極低温冷媒回路20は、極低温冷凍機100とともに、超電導コイル冷却システムを構成する。極低温冷凍機100は、上述の実施の形態と同様に、メインコールドヘッド102と、サブコールドヘッド104と、圧縮機106と、を備える。
極低温冷媒回路20は、超電導コイル12の表面及び/または内部に配置された極低温冷媒配管21を有し、極低温冷媒配管21を流れる極低温冷媒と超電導コイル12との熱交換により超電導コイル12を冷却する。極低温冷媒は、液体ヘリウムである。あるいは、極低温冷媒は、極低温冷媒回路20に封入された高圧のヘリウムガスであってもよい。
また、極低温冷媒回路20は、極低温冷媒の再凝縮室22を有する。再凝縮室22は、メインコールドヘッド102によって例えば3~4K程度に冷却される。再凝縮室22は、内部に液体冷媒を貯留するよう構成され、再凝縮室22の壁にはメインコールドヘッド102の二段冷却ステージ102bに熱的に結合された再凝縮部が設けられる。この再凝縮部は液体冷媒と接触する表面積を増やすためにフィン状または凹凸を再凝縮室22の内部に有してもよい。
再凝縮室22は、供給配管23により極低温冷媒配管21の入口21aに接続される。再凝縮室22で再凝縮された極低温冷媒は、供給配管23を通じて極低温冷媒配管21に供給される。また、極低温冷媒配管21の出口21bは、戻り配管24により再凝縮室22に接続される。超電導コイル12を冷却することにより気化した極低温冷媒は、戻り配管24を通じて極低温冷媒配管21から再凝縮室22に戻り、再凝縮される。戻り配管24には、気化した極低温冷媒を収容するバッファ容積25(例えば、ヘリウムガスタンク)が接続されていてもよい。
このようにして、メインコールドヘッド102は、極低温冷媒回路20を冷却し、それにより超電導コイル12を冷却する。この実施の形態によると、超電導磁石装置10には、省ヘリウムの超電導コイル冷却システムが実現される。超電導コイルの全体を液体ヘリウムに浸して冷却する従来型のいわゆる浸漬冷却では、たとえば1000リットル以上の液体ヘリウムが使用される。これに対して、この省ヘリウム冷却方式では、極低温冷媒回路20を循環する液体ヘリウムはたとえば50リットル未満で十分である。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。ある実施の形態に関連して説明した種々の特徴は、他の実施の形態にも適用可能である。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。
メインコールドヘッド102は、二段式には限られない。メインコールドヘッド102は、三段式など多段式のコールドヘッドであってもよく、あるいは、必要とされる冷凍性能を実現可能であれば単段式のコールドヘッドであってもよい。メインコールドヘッド102が輻射シールド14に熱的に結合されていることは必須ではなく、メインコールドヘッド102は、輻射シールド14から切り離されていてもよい。また、サブコールドヘッド104は、単段式には限られない。サブコールドヘッド104は、二段式など多段式のコールドヘッドであってもよい。
極低温冷凍機100は、GM冷凍機には限られない。極低温冷凍機100は、パルス管冷凍機、スターリング冷凍機、またはそのほかのタイプの極低温冷凍機であってもよい。
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用の一側面を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
本発明は、超電導磁石装置、極低温冷凍機、および超電導磁石装置の冷却方法の分野における利用が可能である。
10 超電導磁石装置、 12 超電導コイル、 14 輻射シールド、 20 極低温冷媒回路、 21 極低温冷媒配管、 40 第1温度センサ、 42 第2温度センサ、 100 極低温冷凍機、 102 メインコールドヘッド、 104 サブコールドヘッド、 106 圧縮機、 110 コントローラ。

Claims (14)

  1. 超電導コイルと、
    前記超電導コイルを熱的に保護する輻射シールドと、
    前記超電導コイルを冷却するメインコールドヘッドと、
    前記輻射シールドを冷却するサブコールドヘッドと、
    前記メインコールドヘッドおよび前記サブコールドヘッドに冷媒ガスを供給する共通の圧縮機と、
    前記輻射シールドの温度を測定する第1温度センサと、
    前記超電導コイルの温度を測定する第2温度センサと、
    超電導磁石装置の初期冷却のために前記サブコールドヘッドを起動し、前記第1温度センサまたは前記第2温度センサの出力に基づいて前記サブコールドヘッドを停止させ、前記サブコールドヘッドを停止した状態で前記メインコールドヘッドを動作させるよう構成されるコントローラと、を備えることを特徴とする超電導磁石装置。
  2. 前記コントローラは、前記サブコールドヘッドを起動するとき、または前記サブコールドヘッドを動作させている間に、または前記サブコールドヘッドを停止させるとき、前記メインコールドヘッドを起動するよう構成されることを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石装置。
  3. 前記コントローラは、前記第1温度センサによって測定される温度を目標冷却温度と比較し、前記測定される温度が前記目標冷却温度以下となるとき前記サブコールドヘッドを停止させるよう構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の超電導磁石装置。
  4. 前記コントローラは、前記サブコールドヘッドを停止した状態で前記メインコールドヘッドを動作させている間に、前記第1温度センサまたは前記第2温度センサの出力に基づいて前記サブコールドヘッドを再び起動するよう構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の超電導磁石装置。
  5. 前記コントローラは、前記サブコールドヘッドを再び起動するとき、前記メインコールドヘッドを停止させるよう構成されることを特徴とする請求項4に記載の超電導磁石装置。
  6. 前記コントローラは、前記第1温度センサによって測定される温度を警戒温度と比較し、前記測定される温度が前記警戒温度を超えるとき前記サブコールドヘッドを再び起動するよう構成されることを特徴とする請求項4または5に記載の超電導磁石装置。
  7. 前記サブコールドヘッドを前記輻射シールドに熱接触させまたは熱接触を解除するよう構成される熱スイッチをさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の超電導磁石装置。
  8. 前記超電導コイルの表面及び/または内部に配置された極低温冷媒配管を有し、前記極低温冷媒配管を流れる極低温冷媒と前記超電導コイルとの熱交換により前記超電導コイルを冷却する極低温冷媒回路をさらに備え、
    前記メインコールドヘッドは、前記極低温冷媒回路を冷却することによって前記超電導コイルを冷却することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の超電導磁石装置。
  9. 前記メインコールドヘッドは、前記超電導コイルおよび前記輻射シールドを冷却する二段式のコールドヘッドであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の超電導磁石装置。
  10. 前記サブコールドヘッドは、単段式のコールドヘッドであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の超電導磁石装置。
  11. 追加のサブコールドヘッドを装着可能であり、前記輻射シールドに熱的に結合された装着スリーブをさらに備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の超電導磁石装置。
  12. 超電導コイルと、
    前記超電導コイルを熱的に保護する輻射シールドと、
    前記超電導コイルを冷却するメインコールドヘッドと、
    前記輻射シールドを冷却するサブコールドヘッドと、
    前記メインコールドヘッドおよび前記サブコールドヘッドに冷媒ガスを供給する共通の圧縮機と、
    前記輻射シールドの温度を測定する第1温度センサと、
    前記超電導コイルの温度を測定する第2温度センサと、
    前記サブコールドヘッドを停止した状態で前記メインコールドヘッドを動作させている間に、前記第1温度センサまたは前記第2温度センサの出力に基づいて前記サブコールドヘッドを起動するよう構成されるコントローラと、を備えることを特徴とする超電導磁石装置。
  13. 超電導磁石装置の冷却方法であって、前記超電導磁石装置は、超電導コイルと、前記超電導コイルを熱的に保護する輻射シールドと、前記超電導コイルを冷却するメインコールドヘッドと、前記輻射シールドを冷却するサブコールドヘッドと、前記メインコールドヘッドおよび前記サブコールドヘッドに冷媒ガスを供給する共通の圧縮機と、を備え、前記冷却方法は、
    前記超電導磁石装置の初期冷却のために前記サブコールドヘッドを起動することと、
    前記輻射シールドまたは前記超電導コイルの温度に基づいて前記サブコールドヘッドを停止させることと、
    前記サブコールドヘッドを停止した状態で前記メインコールドヘッドを動作させることと、を備えることを特徴とする超電導磁石装置の冷却方法。
  14. 超電導磁石装置の冷却方法であって、前記超電導磁石装置は、超電導コイルと、前記超電導コイルを熱的に保護する輻射シールドと、前記超電導コイルを冷却するメインコールドヘッドと、前記輻射シールドを冷却するサブコールドヘッドと、前記メインコールドヘッドおよび前記サブコールドヘッドに冷媒ガスを供給する共通の圧縮機と、を備え、前記冷却方法は、
    前記サブコールドヘッドを停止した状態で前記メインコールドヘッドを動作させることと、
    前記輻射シールドまたは前記超電導コイルの温度に基づいて前記サブコールドヘッドを起動することと、を備えることを特徴とする超電導磁石装置の冷却方法。
JP2022516900A 2020-04-23 2021-03-22 超電導磁石装置、および超電導磁石装置の冷却方法 Active JP7319462B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063014685P 2020-04-23 2020-04-23
US63/014,685 2020-04-23
PCT/JP2021/011607 WO2021215168A1 (ja) 2020-04-23 2021-03-22 超電導磁石装置、極低温冷凍機、および超電導磁石装置の冷却方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2021215168A1 JPWO2021215168A1 (ja) 2021-10-28
JPWO2021215168A5 JPWO2021215168A5 (ja) 2023-01-06
JP7319462B2 true JP7319462B2 (ja) 2023-08-01

Family

ID=78270607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022516900A Active JP7319462B2 (ja) 2020-04-23 2021-03-22 超電導磁石装置、および超電導磁石装置の冷却方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20230046818A1 (ja)
EP (1) EP4141347A4 (ja)
JP (1) JP7319462B2 (ja)
CN (1) CN115461582A (ja)
WO (1) WO2021215168A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102022204476A1 (de) * 2022-05-06 2023-11-09 Bruker Biospin Gmbh Autonome Strombeladung eines supraleitfähigen, trocken-gekühlten MR-Magnetspulensystems
CN115127247A (zh) * 2022-05-27 2022-09-30 中科艾科米(北京)科技有限公司 制冷气体闭环降温装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005123231A (ja) 2003-10-14 2005-05-12 Japan Superconductor Technology Inc 超電導磁石装置
JP7283022B2 (ja) 2019-10-10 2023-05-30 エルジー・ケム・リミテッド 光変調デバイス

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01125509U (ja) * 1988-02-19 1989-08-28
JP3347870B2 (ja) * 1994-04-15 2002-11-20 三菱電機株式会社 超電導マグネット並びに該マグネット用の蓄冷型冷凍機
JP2828935B2 (ja) * 1995-09-19 1998-11-25 三洋電機株式会社 ガス圧縮膨張機
JP3686222B2 (ja) * 1997-08-20 2005-08-24 三菱重工業株式会社 パルス管冷凍機
JPH11304271A (ja) * 1998-04-20 1999-11-05 Mitsubishi Electric Corp 蓄冷型冷凍機およびそれを用いた超電導マグネットシステム
JP2003336923A (ja) * 2002-05-20 2003-11-28 Central Japan Railway Co 極低温冷凍装置
CN1206490C (zh) * 2002-07-22 2005-06-15 中国科学院理化技术研究所 用于冷却高温超导滤波器件的两级同轴脉冲管制冷机
JP2004259925A (ja) * 2003-02-26 2004-09-16 Jeol Ltd 核磁気共鳴装置用伝導冷却式超伝導磁石装置
JP2004233047A (ja) 2004-02-09 2004-08-19 Mitsubishi Electric Corp 超電導マグネット
JP2004140411A (ja) * 2004-02-09 2004-05-13 Mitsubishi Electric Corp 超電導マグネット
JP2011165887A (ja) * 2010-02-09 2011-08-25 Sumitomo Heavy Ind Ltd 冷凍機冷却型処理装置
JP6445752B2 (ja) * 2013-06-28 2018-12-26 株式会社東芝 超電導磁石装置
JP6559462B2 (ja) * 2015-05-12 2019-08-14 株式会社東芝 極低温容器および超電導磁石装置
JP6773532B2 (ja) * 2016-11-21 2020-10-21 株式会社東芝 極低温冷却装置
JP6773589B2 (ja) * 2017-03-15 2020-10-21 住友重機械工業株式会社 極低温冷凍機
JP2019128082A (ja) * 2018-01-23 2019-08-01 アイシン精機株式会社 蓄冷型冷凍機
JP7068032B2 (ja) * 2018-05-17 2022-05-16 株式会社東芝 極低温冷却装置
JP2020031160A (ja) * 2018-08-23 2020-02-27 住友重機械工業株式会社 超伝導磁石冷却装置および超伝導磁石冷却方法
CN109632150B (zh) * 2018-12-26 2020-07-07 合肥中科离子医学技术装备有限公司 一种用于gm制冷机制冷功率测量的装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005123231A (ja) 2003-10-14 2005-05-12 Japan Superconductor Technology Inc 超電導磁石装置
JP7283022B2 (ja) 2019-10-10 2023-05-30 エルジー・ケム・リミテッド 光変調デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021215168A1 (ja) 2021-10-28
EP4141347A1 (en) 2023-03-01
EP4141347A4 (en) 2023-10-25
CN115461582A (zh) 2022-12-09
US20230046818A1 (en) 2023-02-16
JPWO2021215168A1 (ja) 2021-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230046818A1 (en) Superconducting magnet device, and cooling method for superconducting magnet device
TWI247871B (en) Very low temperature refrigerator
US6625992B2 (en) Cooling system for HTS machines
TWI583903B (zh) Very low temperature refrigeration equipment, and very low temperature refrigeration device control method
JP6975015B2 (ja) 極低温システム
CN110617650B (zh) 低温冷却***
US20070256429A1 (en) Cryopump and regenerating method of the cryopump
JPH07283022A (ja) 超電導マグネット並びに該マグネット用の蓄冷型冷凍機
JP2003336923A (ja) 極低温冷凍装置
KR20130037185A (ko) 극저온 냉동기 및 크라이오펌프 및 디스플레이서
JP7201447B2 (ja) 極低温冷凍機の起動方法
JP2020031160A (ja) 超伝導磁石冷却装置および超伝導磁石冷却方法
JP4445187B2 (ja) 極低温冷凍機
US6679066B1 (en) Cryogenic cooling system for superconductive electric machines
JPH0626459A (ja) 極低温冷却装置およびその冷却方法
JP2007303815A (ja) 極低温冷凍機の運転方法
TW201628692A (zh) 冷阱及冷阱的控制方法
JP2011005091A (ja) 圧力調整装置および磁気共鳴イメージング装置
JPH0669030A (ja) 超電導マグネット
JP2605937B2 (ja) 極低温装置
JPH10246524A (ja) 冷凍装置
JP3691904B2 (ja) 冷却システム及び超電導磁石装置
JPH031053A (ja) 冷凍機
WO2023189805A1 (ja) 極低温冷凍機の運転方法
JPH09113052A (ja) 冷凍装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221021

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230720

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7319462

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150