JP7315419B2 - 有機el表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL表示装置に関する。
近年、携帯電話機や携帯情報端末などの電子機器において、現在の主流である液晶表示装置では困難であった更なる薄型・軽量化や曲面表示の要求に対応するため、自発光素子である有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)を用いた表示装置の開発・量産化が進んでいる。その中でも、薄型・軽量化の特徴を活かすため、ヘッドマウントディスプレイ、電子ビューファインダなどの高精細かつ0.5インチ程度の小型ディスプレイ(以下、マイクロディスプレイと称する)への応用が期待されている。
有機ELディスプレイの表示方式には、白色発光層を製膜し、カラーフィルタを用いてRGB等の色表現をする方式と、RGB等それぞれの色を発光する発光層を蒸着させ色表現する方式の大きく2つの方式がある。マイクロディスプレイは、画素が微細であるため、RGBの発光層を選択的に製膜する方法は非常に困難な状況となっている。そのため、白色発光層にカラーフィルタを用いる方式がマイクロディスプレイには積極的に採用されている。
マイクロディスプレイは前述のとおり、画素サイズが1μm~5μmと微細であるため、従来から採用されている有機EL素子とカラーフィルタを別々の基板に作製し貼り合せる方式では、精度が下がり、色ズレが生じてしまう。そのため、有機EL素子上にカラーフィルタを形成する方式が提案されている。
カラーフィルタは、インクジェット方式やフォトリソグラフィー法等の製造方法があるが、微細な画素形成が可能なフォトリソグラフィー法の採用進んでいる。しかしながら、有機発光層は耐熱性が低いため、有機EL素子上にカラーフィルタを形成するには、低温で焼成する必要がある。具体的には、従来のフォトリソグラフィー法では230℃と非常に高温で焼成していたが、100℃程度での焼成が必要となる。しかしながら、着色画素の焼成温度を下げると、硬化が不十分となり、次工程の画素形成時に、塗工した着色組成物に含まれる溶剤による着色画素の剥がれや表面荒れといった問題が発生してしまう。一方で、露光量を上げた場合においては、着色画素に含まれる架橋性分の反応が進行し、硬化は進行するものの、任意のサイズの画素形成することは非常に困難であった。
前記問題点を解決するため、例えば特許文献1ではエポキシ基を含有するアルカリ可溶性樹脂と硬化剤としてアミン化合物を含有する着色組成物を用いることにより低温での硬化性を上げる手法が提案されている。しかし、着色組成物中にアミン化合物を添加することにより、カラーフィルタとしての透過率を低下させる恐れがある。また、特許文献2では、オキセタン化合物と熱重合開始剤として過酸化物骨格を持つベンゾフェノン系化合物を用いることにより、低温で硬化させる手法が提案されている。
特開2012-063745号公報 特開2003-255531号公報
しかしながら、前述の特許文献1及び2において硬化温度は150℃であり、有機EL素子の耐熱性を考慮すると、更なる低温硬化性が求められている。また、高い色再現性を薄膜で達成するためには、カラーフィルタの色材濃度を高くする必要がある。特許文献1及び2の手法では、色材濃度が高い場合において、パターニングするだけの充分な感度を出すことが非常に困難であった。
本発明は上記課題を考慮し、高輝度かつ高色再現性を有し、高品位な有機EL表示装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る有機EL表示装置は、駆動素子が形成されたシリコン基板上に、有機EL層と、カラーフィルタと、を有する、有機EL表示装置であって、
前記カラーフィルタが、赤色画素と、緑色画素と、青色画素とを含む画素を有し、
前記画素の膜厚が1.0μm~2.0μmの範囲であり、
前記赤色画素の分光透過率が、波長450nm~560nmの範囲における光の最大透過率が0.4%以下、かつ波長600nm~700nmの範囲の光の透過率が80%以上100%未満であり、
前記緑色画素の分光透過率が、波長400nm~470nmの範囲における光の最大透過率が2%以下、波長520nmの光の透過率が70%以上、かつ波長550nmの光の透過率が60%以下であり、
前記青色画素の分光透過率が、波長500nm~560nmの範囲における光の最大透過率が20%未満であり、
前記画素が、着色剤(A)と、光重合性単量体(B)と、光重合開始剤(C)と、樹脂(D)とを含有し、前記光重合性単量体(B)が下記一般式(1)で表される化合物を含み、光重合開始剤(C)がオキシムエステル系光重合開始剤を含む感光性着色組成物の硬化物である。
一般式(1)
[CH=CHC(=O)-(OC2m-OCH-CCHCH
(一般式(1)中、mは1~3の整数を表し、nは0~2の整数を表し、複数あるm及びnは同一であっても異なってもよい。)
本発明の有機EL素子の一実施形態は、前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、光重合性単量体(B)全量に対して50質量%以上である。
本発明の有機EL素子の一実施形態は、前記オキシムエステル系光重合開始剤が、下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 0007315419000001
(一般式(2)中、Zは直接結合、又は-C(=O)-基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表し、R~R10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ニトロ基、又はR11-C(=O)-基を表す。R11は置換基を有してもよいアリール基を表す。)
本発明の有機EL素子の一実施形態は、前記樹脂(D)が、感光性樹脂を含む。
本発明の有機EL素子の一実施形態は、前記感光性樹脂が、
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の水酸基と、ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基と、の反応生成物の存在下で、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)を重合させた水酸基含有重合体の水酸基と、1つのイソシアネート基及び1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)のイソシアネート基と、を反応させた樹脂であり、
水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)に由来する構成単位の含有量が、エチレン性不飽和単量体(c)由来する構成単位の全量に対して35質量%以上、80質量%以下である感光性樹脂(E)を含む。
本発明の有機EL素子の一実施形態は、
前記赤色画素における着色剤(A)の含有量が24質量%以上67質量%以下、
前記緑色画素における着色剤(A)の含有量が30質量%以上55質量%以下、及び、
前記青色画素における着色剤(A)の含有量が30質量%以上47質量%である。
本発明によれば、高輝度かつ高色再現性を有し、高品位な有機EL表示装置の提供することができる。
図1は、本実施の有機EL表示装置の、模式的な断面図である
以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本実施の有機EL表示装置は、駆動素子が形成されたシリコン基板上に、有機EL層と、カラーフィルタと、を有する、有機EL表示装置であって、
前記カラーフィルタが、赤色画素と、緑色画素と、青色画素とを含む画素を有し、
前記画素の膜厚が1.0μm~2.0μmの範囲であり、
前記赤色画素の分光透過率が、波長450nm~560nmの範囲における光の最大透過率が0.4%以下、かつ波長600nm~700nmの範囲の光の透過率が80%以上100%未満であり、
前記緑色画素の分光透過率が、波長400nm~470nmの範囲における光の最大透過率が2%以下、波長520nmの光の透過率が70%以上、かつ波長550nmの光の透過率が60%以下であり、
前記青色画素の分光透過率が、波長500nm~560nmの範囲における光の最大透過率が20%未満であり、
前記画素が、着色剤(A)と、光重合性単量体(B)と、光重合開始剤(C)と、樹脂(D)とを含有し、前記光重合性単量体(B)が下記一般式(1)で表される化合物を含み、光重合開始剤(C)がオキシムエステル系光重合開始剤を含む感光性着色組成物の硬化物である。
一般式(1)
[CH=CHC(=O)-(OC2m-OCH-CCHCH
(一般式(1)中、mは1~3の整数を表し、nは0~2の整数を表し、複数あるm及びnは同一であっても異なってもよい。)
上記本実施の有機EL表示装置は、カラーフィルタの画素が、上記特定の感光性着色組成物の硬化物であるため、有機EL層上にカラーフィルタを形成した場合であっても、有機EL層への熱の影響を抑制することができるため、高輝度かつ高色再現性を有し、高品位な有機EL表示装置を得ることができる。
また、本実施の有機EL表示装置は、カラーフィルタが上記特定の分光特性を有する画素を用いることで、xy色度図における、R(赤)、G(緑)、B(青)、を結んだ色三角形により規定される領域の面積が広がり、色再現域の広い(即ち高色再現性)の表示装置となる。
以下、本実施の有機EL表示装置について、まず画素形成用の感光性着色組成物を説明し、次いで、有機EL表示装置の構成について説明する。
1.感光性着色組成物
本実施において感光性着色組成物は、少なくとも着色剤(A)、光重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、及び樹脂(D)を含み、前記光重合性単量体(B)が少なくとも一般式(1)で表される化合物を含み、光重合開始剤(C)が少なくともオキシムエステル系光重合開始剤を含むことを特徴とする。これにより、高輝度かつ高色再現性を有し、高品位なシリコン基板上に形成した有機EL表示装置を可能とする。
[着色剤(A)]
本実施において着色剤(A)は、カラーフィルタの画素を後述する特定の分光特性が得られるように色調を調節するものであり、所定の画素の色味に応じて、公知の顔料及び染料の中から、適宜選択して用いることができる。
赤色画素用の着色剤としては、赤色及び橙色より選択される1種以上の着色剤と、必要に応じて用いられる黄色の着色剤との組み合わせなどが挙げられる。
緑色画素用の着色剤としては、緑色の着色剤と、必要に応じて用いられる黄色等の着色剤との組み合わせなどが挙げられる。
また、青色画素用の着色剤としては、青色及び紫色より選択される1種以上の着色剤などが挙げられる。各画素用の着色剤(A)は、それぞれ1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも好適に用いることができる。また、本実施の感光性着色組成物は、低温硬化性に優れているため、顔料と比較して耐熱性の低い染料であっても好適に用いることができる。
本実施において着色剤(A)は、発色性が高く、耐熱性に優れ、特に耐熱分解性に優れる点から、顔料が好ましく、有機顔料がより好ましい。
<顔料>
以下に、本実施の画素の着色剤として使用可能な公知の有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276などを挙げられる。
オレンジ色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ36、38、43、51、55、59、61等が挙げられる。
これらの中でも、高着色力を得る点から、赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177を用いることが特に好ましいものである。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55又は58を挙げることができる。これらの中でも、高着色力を得る点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36又は58であり、更に好ましくはC.I.ピグメントピグメントグリーン36、C.I.ピグメントピグメントグリーン58である。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208などを挙げることができる。これらの中でも、高着色力を得る点から、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、又は185であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー138、139、150、又は185であり、更に好ましくは、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー185である。
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができる。これらの中でも高着色力を得る点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、又は15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:6である。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などを挙げることができる。これらの中でも、高着色力を得る点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、又は23であり、更に好ましくは、C.I.ピグメントバイオレット23である。
また、無機顔料としては、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、酸化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いられる。
(顔料の微細化)
着色剤として顔料を用いる場合、微細化して用いることが好ましい。顔料の微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことができる。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50~2000質量部用いることが好ましく、300~1000質量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2-メトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100質量部に対し、5~1000質量部用いることが好ましく、50~500質量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対し、5~200質量部の範囲であることが好ましい。
顔料の一次粒子径は、担体中での分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いカラーフィルタを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25~85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行う。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とする。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とする。
本実施の着色組成物は、熱架橋性官能基を含有する特定の顔料分散剤とともに、エポキシ化合物を含有することで、このような微細化処理された顔料を用いた場合にも、耐性に優れ、輝度及びコントラスト比の高いカラーフィルタ用着色組成物とすることができるものである。
<染料>
着色剤(A)として、染料を用いてもよい。染料としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等のいずれも用いることができる。また、これらの誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料の形態であってもよい。
スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料、直接染料の場合、無機塩や、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等の含窒素化合物との造塩化合物とすることができる。
また、塩基性染料の場合、有機酸や過塩素酸もしくはその金属塩を用いて造塩化して用いることができる。
また、色素骨格に重合性不飽和基や、オキセタン基を有する染料を用いてもよい。これらの染料を用いた着色組成物は、硬化後の耐熱性に優れている。
染料としては、例えば、アゾ系染料、メチン系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、ペリレン系染料、ジケトピロロピロール系染料、キナクリドン系染料、アンサンスロン系染料、イソインドリノン系染料、イソインドリン系染料、インダンスロン系染料、クマリン系染料、ピランスロン系染料、フラバンスロン系染料、カチオン系染料及びそれらの金属錯体系染料等から選ばれる染料に由来する色素構造を挙げることができる。
これらの色素構造の中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料、キサンテン系染料がより好ましく、キサンテン系染料が更に好ましい。
好ましく用いることのできるキサンテン系染料は、赤色、紫色を呈するものであり、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料のいずれかの形態であってもよく、更に、レーキ化したレーキ顔料であってもよい。
キサンテン系塩基性染料は、有機酸や過塩素酸を用いて造塩化して用いることが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましい。中でもビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸を用いることが耐性の面で好ましい。
キサンテン系酸性染料は、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、又はこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることができる。キサンテン系酸性染料の造塩化合物、及びキサンテン系酸性染料のスルホン酸アミド化合物は、色相及び耐性に優れているために好ましく、さらに、キサンテン系酸性染料を四級アンモニウム塩で造塩化した化合物、及びキサンテン系酸性染料をスルホンアミド化したスルホン酸アミド化合物を用いることがより好ましい。
また、キサンテン系色素の中でも、ローダミン系色素は発色性、耐性にも優れているために好ましい。
キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、C.I.ソルベントバイオレット10などがあげられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
キサンテン系塩基性染料としては、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I.ベーシックバイオレット10(ローダミンB)等があげられる。中でも発色性に優れる点において、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックバイオレット10を用いることが好ましい。
キサンテン系酸性染料としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
酸性染料(キサンテン系に限らない)は、酸性染料と含窒素化合物との造塩化合物であることが好ましく、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、又はこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化し、酸性染料の造塩化合物とすることで、高い耐熱性、耐光性、耐溶剤性を付与することができるために好ましい。酸性染料は、スルホンアミド化によっても高い耐熱性、耐光性、耐溶剤性を付与することができる。
また、酸性染料と、オニウム塩基を有する化合物との造塩化合物であってもよく、なかでも、オニウム塩基を有する化合物が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂であることにより、明度及び耐性に優れた着色組成物とすることが出来る。
一級アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン(ラウリルアミン)、トリドデシルアミン、テトラデシルアミン(ミリスチルアミン)、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ココアルキルアミン、牛脂アルキルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、アリルアミン等の脂肪族不飽和1級アミン、アニリン、ベンジルアミン等が挙げられる。
二級アミン化合物としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジアリルアミン等の脂肪族不飽和2級アミン、メチルアニリン、エチルアニリン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジココアルキルアミン、ジ硬化牛脂アルキルアミン、ジステアリルアミン等が挙げられる。
三級アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリベンジルアミン等が挙げられる。
(四級アンモニウム塩化合物)
有機染料が酸性染料の場合、酸性染料と四級アンモニウム塩化合物とからなる造塩化合物(a)として用いることが好ましい。以下に、酸性染料のカウンタ成分としての四級アンモニウム塩化合物について説明する。四級アンモニウム塩化合物(a)は、アミノ基を有することで酸性染料のカウンタになるものである。
造塩化合物のカウンタ成分である四級アンモニウム塩化合物の好ましい形態は、無色、又は白色を呈するものである。ここで無色、又は白色とはいわゆる透明な状態を意味し、可視光領域の400~700nmの全波長領域において、透過率が95%以上、好ましくは98%以上となっている状態と定義されるものである。すなわち染料成分の発色を阻害しない、色変化を起こさないものであることが好ましい。
四級アンモニウム塩化合物のカチオン成分であるカウンタ部分の分子量は190~900の範囲であることが好ましい。分子量が190よりも小さいと耐光性、耐熱性が低下してしまい、さらに溶剤への溶解性が低下してしまい得る。また分子量が900よりも大きくなると分子中の発色成分の割合が低下してしまい、発色性が低下し、明度も低下してしまい得る。より好ましくはカウンタ部分の分子量が240~850の範囲である。特に好ましいのは、カウンタ部分の分子量が350~800の範囲である。ここで分子量は構造式を基に計算を行ったものであり、Cの原子量を12、Hの原子量を1、Nの原子量を14とした。
四級アンモニウム塩化合物としては、下記一般式(4)で表される化合物がこのましい。
Figure 0007315419000002
(一般式(4)中、R31~R34は、それぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基又はベンジル基を示し、R31~R34の少なくとも2つ以上が、炭素数が5~20個である。X1-は無機又は有機のアニオンを表す。)
31~R34の少なくとも2つ以上の炭素数を5~20個とすることで、溶剤に対する溶解性が良好なものとなる。炭素数が5より小さいアルキル基が3つ以上になると溶剤に対する溶解性が悪くなり、塗膜異物が発生しやすくなってしまう。また炭素数が20を超えてしまうアルキル基が存在すると造塩化合物(a)の発色性が損なわれてしまう。
1-は、無機又は有機のアニオンであればよく、ハロゲンであることが好ましく、好ましくは塩化物イオン(アニオン)である。
四級アンモニウム塩化合物としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド、ジアルキル(アルキルがC14~C18)ジメチルアンモニウムクロライド(硬化牛脂)等が挙げられる。
具体的な四級アンモニウム塩化合物の製品としては、例えば花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB-50等、ライオン社製のアーカード210-80E、2C-75、2HT-75、2HTフレーク、2O-75I、2HP-75、2HPフレーク等があげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)、アーカード2HT-75(ジアルキル(アルキルがC14~C18)ジメチルアンモニウムクロライド)が挙げられる。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂)
本実施に用いる有機染料が酸性染料の場合、酸性染料と側鎖にカチオン性基を有する樹脂とからなる造塩化合物(a’)として用いることも好ましい。本実施に用いる造塩化合物(a’)を得るための、側鎖にカチオン性基を有する樹脂について説明する。
造塩化合物を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩基を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
造塩化合物(a’)を含有する感光性着色組成物を調製し、カラーフィルタとしての特性を発現させる場合は、感光性着色組成物を構成するバインダー樹脂と同種の樹脂を使用することが好ましい。感光性着色組成物のバインダー樹脂としてアクリル系樹脂を用いる場合、造塩化合物(a’)を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂はアクリル系樹脂であることが好ましい。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては、下記一般式(5)で表わされる構造単位を含むアルカリ樹脂が好ましい。一般式(5)中のカチオン性基が、キサンテン系酸性染料のアニオン性基と塩形成することで、造塩化合物を得ることができる。
Figure 0007315419000003
(一般式(5)中、R41は水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R42~R44は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基を表し、R42~R44のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、-CONH-R45-、-COO-R45-を表し、R45はアルキレン基を表す。X2-は無機又は有機のアニオンを表す。)
41におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1~12のアルキル基が好ましく、炭素数1~8のアルキル基がより好ましく、炭素数1~4のアルキル基が特に好ましい。
41で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。
上記の中でも、R41としては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
42~R44におけるアルキル基としては、例えば、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-オクチル、n-デシル、n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル及びn-オクタデシル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、イソヘキシル、2-エチルヘキシル及び1,1,3,3-テトラメチルブチル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)及び架橋環式アルキル基(ノルボルニル、アダマンチル及びピナニル等)が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1~18のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1~8のアルキル基である。
42~R44におけるアルケニル基としては、例えば、直鎖又は分岐のアルケニル基(ビニル、アリル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル及び2-メチル-2-プロペニル等)、シクロアルケニル基(2-シクロヘキセニル及び3-シクロヘキセニル等)が挙げられる。該アルケニル基としては、炭素数2~18のアルケニル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2~8のアルケニル基である。
42~R44におけるアリール基としては、例えば、単環式アリール基(フェニル等)、縮合多環式アリール基(ナフチル、アントラセニル、フェナンスレニル、アントラキノリル、フルオレニル及びナフトキノリル等)及び芳香族複素環炭化水素基(チエニル(チオフェンから誘導される基)、フリル(フランから誘導される基)、ピラニル(ピランから誘導される基)、ピリジル(ピリジンから誘導される基)、9-オキソキサンテニル(キサントンから誘導される基)及び9-オキソチオキサンテニル(チオキサントンから誘導される基)等)が挙げられる。
42~R44で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、及びフェニル基等から選択される置換基が挙げられる。該置換基としては、中でも、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、フェニル基が特に好ましい。
42~R44としては、安定性の観点から置換されていてもよいアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基が更に好ましい。
また、R42~R44のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
一般式(5)中、ビニル部位とアンモニウム塩基を連結するQの成分はアルキレン基、アリーレン基、-CONH-R45-、-COO-R45-を表し、R45はアルキレン基を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、-CONH-R45-、-COO-R45-であることが好ましい。また、R45がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
当該樹脂の対アニオンを構成する一般式(5)中におけるX2-の成分は、無機又は有機のアニオンであればよい。対アニオンとしては、公知のものが制限なく採用でき、具体的には、水酸化物イオン;塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン;ギ酸イオン、酢酸イオン等のカルボン酸イオン;炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、クロム酸イオン、ニクロム酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、過マンガン酸イオン、さらには、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオンのような錯体イオン等が挙げられる。合成適性や安定性の点からは、ハロゲンイオン及びカルボン酸イオンが好ましく、ハロゲンイオンが最も好ましい。対アニオンがカルボン酸イオン等の有機酸イオンである場合は、樹脂中に有機酸イオンが共有結合し、分子内塩を形成していてもよい。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂中に、オキセタン基を導入する1つの方法は、オキセタン構造を含有するエチレン性不飽和単量体を、一般式(5)で表されるカチオン性基に対応するエチレン性不飽和単量体と共重合する方法である。オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(3-メチル-3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3-エチル-3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3-ブチル-3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3-ヘキシルチル-3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート等を挙げることが出来る。市販品としては、例えば、ETERNACOLL OXMA(宇部興産社製)、OXE-10、OXE-30(以上、大阪有機化学工業社製)などが挙げられる。
(塩形成)
酸性染料と、含窒素化合物又は側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物は、従来知られている方法により製造することができる。特開平11-72969号公報などに具体的な手法が開示されている。キサンテン系酸性染料を用いて一例をあげると、キサンテン系酸性染料を水に溶解した後、四級アンモニウム塩化合物を添加、攪拌しながら造塩化処理を行なえばよい。ここでキサンテン系酸性染料中のスルホン酸基(-SOH)、スルホン酸ナトリウム基(-SONa)の部分と四級アンモニウム塩化合物のアンモニウム基(NH4)の部分が結合した造塩化合物が得られる。また水の代わりに、メタノール、エタノールも造塩化時に使用可能な溶剤である。
また、造塩化合物は、一般式(4)で表わされる側鎖にカチオン性基を有する樹脂と、酸性染料とを溶解させた水溶液を攪拌又は振動させるか、あるいは一般式(4)で表わされる側鎖にカチオン性基を有する樹脂の水溶液と酸性染料の水溶液とを攪拌又は振動下で混合させることにより、容易に得ることができる。水溶液中で、樹脂のアンモニウム基と酸性染料のアニオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり析出する。逆に、樹脂の対アニオンと酸性染料の対カチオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用する側鎖にカチオン性基を有する樹脂、及び酸性染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、その他の酸性染料においても、キサンテン系染料と同様の手法で、含窒素化合物又は側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物を得ることができる。
(スルホン酸アミド化合物)
酸性染料は、スルホン酸アミド化合物と、アニオン性染料とを反応させて得られたスルホン酸アミド化合物であってもよい。
酸性染料に好ましく用いることのできる酸性染料のスルホン酸アミド化合物は、-SOH、-SONaを有する酸性染料を常法によりクロル化して、-SOHを-SOClとし、この化合物を、-NH基を有するアミンと反応して製造することができる。
また、スルホンアミド化において好ましく使用できるアミン化合物としては、具体的には、2-エチルへキシルアミン、ドデシルアミン、3-デシロキシプロピルアミン、3-(2-エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3-エトキシプロピルアミン、シクロへキシルアミン等を用いることが好ましい。
キサンテン系酸性染料を用いて一例をあげると、C.I.アシッドレッド289を3-(2-エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合は、C.I.アシッドレッド289をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3-(2-エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド289のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。
また、C.I.アシッドレッド52を3-(2-エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合も、C.I.アシッドレッド52をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3-(2-エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド52のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。
また、その他の酸性染料においても、キサンテン系染料と同様の手法でスルホン酸アミド化合物を得ることができる。
本実施において感光性着色組成物中の着色剤(A)の含有割合は、所望の光学特性を達成し、充分な色再現性を得る観点から、画素ごとに適宜調整される。
赤色画素用の感光性着色組成物の場合、着色剤(A)の含有割合は、感光性着色組成物の全固形分に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上80質量%以下がより好ましく、24質量%以上67質量%以下が更に好ましい。
緑色画素用の感光性着色組成物の場合、着色剤(A)の含有割合は、感光性着色組成物の全固形分に対して、10質量%以上80質量%以下が好ましく、20質量%以上70質量%以下がより好ましく、30質量%以上55質量%以下が更に好ましい。
また、青色画素用の感光性着色組成物の場合、着色剤(A)の含有割合は、感光性着色組成物の全固形分に対して、10質量%以上80質量%以下が好ましく、20質量%以上70質量%以下がより好ましく、30質量%以上47量%以下が更に好ましい。
上記下限値以上であれば、所望の光学特性を達成し、充分な色再現性が得られる。一方、上記上限値以下であることにより、感光性着色組成物の安定性に優れている。
なお本実施において固形分とは、感光性着色組成物を構成する溶剤以外の全ての成分、即ち、感光性着色組成物を硬化した後に残留する成分をいう。
分光透過率が、波長450nm~560nmの範囲における光の最大透過率が0.4%以下、かつ波長600nm~700nmの範囲の光の透過率が80%以上100%未満、を満たす赤色画素を形成するための着色剤の組み合わせは特に限定されないが、当該分光特性を満たす調製が容易で、耐候性にも優れる点から、赤色顔料と黄色顔料の組み合わせが好ましい。
赤色顔料と黄色顔料とを組み合わせる場合、黄色顔料の配合割合は、赤色顔料100質量部に対して、1~60質量部が好ましく、2~50質量部がより好ましく、5~30質量部が更に好ましい。
分光透過率が、波長400nm~470nmの範囲における光の最大透過率が2%以下、波長520nmの光の透過率が70%以上、かつ波長550nmの光の透過率が60%以下を満たす緑色画素を形成するための着色剤の組み合わせは特に限定されないが、当該分光特性を満たす調製が容易で、耐候性にも優れる点から、緑色顔料と青色顔料との組み合わせが好ましく、更に黄色顔料を組み合わせることがより好ましい。
緑色顔料と青色顔料を組み合わせる場合、青色顔料の配合張り合いは、緑色顔料100質量部に対して、1~60質量部が好ましく、2~50質量部がより好ましく、5~45質量部がさらに好ましい。更に黄色顔料を組み合わせる場合、黄色顔料の配合割合は、緑色顔料100質量部に対して、10~90質量部が好ましく、30~85質量部がより好ましく、50~75質量部がさらに好ましい。
分光透過率が、波長500nm~560nmの範囲における光の最大透過率が20%未満、を満たす青色画素を形成するための着色剤の組み合わせは特に限定されないが、当該分光特性を満たす調製が容易で、耐候性にも優れる点から、青色顔料と紫色顔料との組み合わせが好ましい。
青色顔料と紫色顔料とを組み合わせる場合、紫色顔料の配合割合は、青色顔料100質量部に対して、20~120質量部が好ましく、60~80質量部がより好ましく、50~70質量部がさらに好ましい。
[光重合性単量体(B)]
本実施において光重合性単量体(B)は、少なくとも下記一般式(1)で表される化合物を含み、必要に応じてさらに他の光重合性単量体を含んでいてもよいものである。
一般式(1)で表される化合物を用いることにより、基材との密着性と、レジストパターンの解像性が両立できる。
一般式(1)
[CH=CHC(=O)-(OC2m-OCH-CCHCH
(一般式(1)中、mは1~3の整数を表し、nは0~2の整数を表し、複数あるm及びnは同一であっても異なってもよい。)
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレートなどが挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<他の光重合性単量体>
また、本実施における光重合性化合物(B)はその他の光重合性単量体を含有してもよい。他の光重合性単量体としては、公知の(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
光重合性化合物は、1種を単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
感光性着色組成物中の全固形分に対する光重合性単量体(B)の含有割合は、5~40質量%であることが好ましい。上記範囲とすることで、微細パターンを形成する場合の剥がれがなく、且つ、パターンのテーパー部が長く引き伸ばされることを抑制し、高精細な微細画素パターンを形成することが可能となる。さらに、光重合性単量体(B)に含まれる前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、光重合性単量体(B)全量に対して50~100質量%であることが好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。上記範囲とすることで、現像時の基板に対する塗膜密着性や薬品耐性に優れるものとなる。
[光重合開始剤(C)]
本実施における光重合開始剤(C)は、オキシムエステル系光重合開始剤を含み、必要に応じてさらに他の光重合開始剤を含んでいてもよいものである。オキシムエステル系光重合開始剤を含有する感光性着色組成物は、紫外線照射硬化性を有し、溶剤現像性又はアルカリ現像性を有する感光性着色組成物とすることができる。そのため、当該感光性着色組成物によれば、フォトリソグラフィー法により画素を形成することができる。また、前記オキシムエステル系比開重合開始剤を用いることにより、色特性及び耐薬品性に優れ、パターニング性も良好な感光性着色組成物となる。
<オキシムエステル系光重合開始剤>
オキシムエステル系光重合開始剤は、紫外線を吸収することによってオキシムのN-O結合の開裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜の紫外線透過率が低くなり塗膜の硬化度が低くなることがある。本実施の感光性着色組成物は、高い量子効率を持つオキシムエステル系光重合開始剤を含有するため、着色剤が高濃度の場合でも優れた硬化性を有する。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、中でも、下記一般式(2)又は(3)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましく、一般式(2)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤がより好ましい。
(一般式(2)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤)
Figure 0007315419000004
(一般式(2)中、Zは直接結合、又は-C(=O)-基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表し、R~R10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ニトロ基、又はR11-C(=O)-基を表す。R11は置換基を有してもよいアリール基を表す。)
~R10における炭素数1~20のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など、直鎖アルキル基が挙げられる。
~R11におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などがあげられる。
なお、Zが直接結合とは、Zが原子を有さず、一般式(2)中でZと接続している2つの原子が直接結合していることを示す。
前記アルキル基及びアリール基が有してもよい置換基とは、当該アルキル基又はアリール基が有する水素原子の代わりに置換基を有してもよいことを表す。当該置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、tert-ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、p-トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基、tert-ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基、p-トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基;フェニルアミノ基、p-トリルアミノ基等のアリールアミノ基;メチル基、エチル基、tert-ブチル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のアルキル基;フェニル基、p-トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基;フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
また、これらの置換基は1個以上あるいは1種以上存在することができ、さらにこれらの置換基の水素原子がさらに他の置換基で置換されていてもよい。
一般式(2)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤は、中でも、Zが直接結合、又は-C(=O)-基であり、Rが、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基であり、Rが、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、R~R10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1~20のアルキル基、置換基を有しても良いアリール基、ニトロ基、又はR11-CO-基であることが好ましい。中でも、R~R及びR~R10が水素原子であって、Rが水素原子、又はR11-CO-基であり、R11が、置換基を有しても良いアリール基であることがより好ましい。
一般式(2)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤としては、中でも、下記化学式(2-1)又は(2-2)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 0007315419000005
(一般式(3)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤)
Figure 0007315419000006
(一般式(3)中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、R25は、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又はR26-CO-基であり、R26は、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は複素環基である。)
21~R26における炭素数1~20のアルキル基は、前記R~R10における炭素数1~20のアルキル基と同様のものとすることができる。
21~R26におけるアリール基は、前記R~R11におけるアリール基と同様のものとすることができる。
26の複素環基における複素環としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラン、ピロン、ピリジン、ピロン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ベンゾフラン、チオナフテン、インドール、カルバゾール、クマリン、キノリン、フタラジン、キノキサリン等が挙げられる。
また、アルキル基及びアリール基が有してもよい置換基は、前記一般式(2)における置換基と同様のものとすることができる。
一般式(3)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤は、R21が置換基を有してもよいアリール基であり、R22が置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基であり、R23及びR24が水素原子であり、R25が水素原子、又はR26-CO-基であることが好ましい。
一般式(3)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤としては、中でも、下記化学式(3-1)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 0007315419000007
(他の光重合性開始剤)
また、本実施において光重合性開始剤(C)は、更に他の光重合性開始剤を含有してもよい。他の光重合性開始剤としては、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性開始剤の市販品としては、アセトフェノン系化合物としては、全てBASF社製で「IRGACURE 907」(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン)、「IRGACURE 369」(2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン)、「IRGACURE 379」2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、ホスフィン系化合物としては、全てBASF社製で「IRGACURE 819」(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド)、「IRGACURE TPO」(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)などが挙げられる。
光重合開始剤(C)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対し、2~50質量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から2~30質量部であることがより好ましい。光重合開始剤(C)が2質量部以上であれば、基材との密着性に優れている。また、光重合開始剤(C)が50質量部以下であれば、解像性に優れている。
[増感剤]
本実施の感光性着色組成物は、さらに、増感剤を含有してもよい。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトンなどの不飽和ケトン類;ベンジルやカンファーキノンなどの1,2-ジケトン誘導体;ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ-ル誘導体等のポリメチン色素;アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’-ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
上記増感剤の中で、特に好適に増感しうる増感剤としては、チオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が挙げられる。さらに具体的には、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N-エチルカルバゾール、3-ベンゾイル-N-エチルカルバゾール、3,6-ジベンゾイル-N-エチルカルバゾール等が挙げられる。
また、増感剤の市販品としては、「KAYACURE DETX-S」(2,3-ジエチルチオキサントン 日本化薬社製)、「EAB-F」(4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 保土ヶ谷化学工業社製)などが挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
増感剤を使用する際の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤(C)100質量部に対し、3~60質量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5~50質量部であることがより好ましい。
[樹脂(D)]
本実施の感光性着色組成物は、樹脂(D)を含有する。当該樹脂(D)は、画素の分光特性の点から、可視光領域の400~700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。樹脂(D)には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、及び顔料分散樹脂が含まれ、これらを単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン-無水マレイン酸共重合物やα-オレフィン-無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
感光性樹脂は、エチレン性不飽和結合を有することが好ましい。特に以下に示す(i)や(ii)の方法によりエチレン性不飽和結合を導入した樹脂を用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで架橋密度が上がり、薬品耐性が良好になる。
<方法(i)>
方法(i)として、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
<方法(ii)>
方法(ii)として、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ-バレロラクトン、ポリε-カプロラクトン、及び/又はポリ12-ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2-ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、また感度の点からは2個以上6個以下の水酸基を有するものを使用することが感度の点から好ましく、グリセロールモノ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1-ビス[メタアクリロイルオキシ]エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
アルカリ可溶性樹脂を構成するモノマーとして、例えば、以下のものが挙げられる。メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類;スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類;エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンジマレイミド、N-(1-ピレニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-アミノフェニル)マレイミド、N-(4-ニトロフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ブロモメチル-2,3-ジクロロマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチラート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドヘキサノアート、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9-マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類の他、下記一般式(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007315419000008
(一般式(6)中、R51は、水素原子、又はメチル基であり、R52は、炭素数2~3のアルキレン基であり、R53は、ベンゼン環を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基であり、nは、1~15の整数である。)
下記一般式(6)で表される化合物の具体例としては、EO変性クレゾールアクリレート、n-ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ε-カプロラクトン付加アクリル酸、ε-カプロラクトン付加メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられる。
水酸基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。又、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ-バレロラクトン、(ポリ)ε-カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12-ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、上記水酸基含有エチレン性不飽和モノマーの水酸基にたとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応せしめることで得ることができるモノマーが挙げられる。
本実施において樹脂(D)は、感光性樹脂を含むことが好ましい。感光性樹脂を含有することで、着色組成物を硬化した後の耐薬品性、耐溶剤性向上の効果がある。
<感光性樹脂(E)>
感光性樹脂(E)は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の水酸基と、ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基と、の反応生成物の存在下で、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)を重合させた水酸基含有重合体の水酸基と、1つのイソシアネート基及び1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)のイソシアネート基と、を反応させた樹脂であり、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)に由来する構成単位の含有量が、エチレン性不飽和単量体(c)由来する構成単位の全量に対して35質量%以上、80質量%以下である感光性樹脂(E)を含むことが好ましい。
感光性樹脂(E)を含むことにより、着色組成物を硬化した後の耐薬品性、耐溶剤性のさらなる向上効果がある。
感光性樹脂(E)は、2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a)の水酸基と、ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基との反応生成物を最初に製造する第一の工程、続いて、前記反応生成物の残存しているチオール基を連鎖移動剤として水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)をラジカル重合することで水酸基を有するビニル重合体部分を導入した水酸基含有重合体を製造する第二の工程、さらに1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)との反応である第三の工程を経ることにより得られる。感光性樹脂(E)中の複数のカルボキシル基部分が、顔料吸着部として機能し、ビニル重合体部分が溶剤親和部として機能する。
また、感光性樹脂(E)は、水酸基と酸無水物基との反応、残存チオール基を連鎖移動剤としたラジカル重合反応、残存水酸基とイソシアネート基との反応、といった複数の反応を経由して得られる構造を有する。感光性樹脂(E)は複雑な構造を有するため、以下、感光性樹脂(E)について、製造方法により特定する。
(分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a))
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)としては3-メルカプト-1,2-プロパンジオール(別名:1-チオグリセロール)が好適に使用できる。
酸無水物基と水酸基を反応させる際に用いられる触媒としては、公知の触媒を使用することができる。例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N-メチルモルホリン、1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ-[4.3.0]-5-ノネン、モノブチルスズオキシド等が挙げられる。
次に、2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a)の水酸基とピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基との反応生成物、に残存しているチオール基を連鎖移動剤として、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)をラジカル重合することで水酸基含有エチレン性不飽和単量体を導入した水酸基含有重合体を製造する第二の工程について説明する。第二の工程で水酸基を含有するエチレン性不飽和単量体(b)を共重合することにより、分散剤のビニル重合体部分に水酸基を導入することができ、第三の工程で1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)と反応させることができる。
(水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b))
水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)としては、水酸基を有し、エチレン性不飽和結合を有する単量体であればどのようなものでも構わないが、具体的には、水酸基を有する(メタ)アクリレート系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3又は4)-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及びエチル-α-ヒドロキシメチルアクリレートなどのアルキル-α-ヒドロキシアルキルアクリレート、あるいは水酸基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN-(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、あるいは、水酸基を有するビニルエーテル系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、2-(又は3-)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-(又は3-又は4-)ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル、あるいは水酸基を有するアリルエーテル系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル、2-(又は3-)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2-(又は3-又は4-)ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテルが挙げられる。
(その他のエチレン性不飽和単量体)
水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)以外のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,4-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(N置換型)(メタ)アクリルアミド類;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類があげられる。
上記アクリル単量体と併用できる単量体として、スチレン、α-メチルスチレン、インデン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類があげられる。
また、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を併用することもできる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などから1種又は2種以上を選択することができる。
水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)の含有量は、エチレン性不飽和単量体(c)の全量に対して35質量%以上80質量%以下であることが望ましい。
次に、前記水酸基含有化合物と、1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)とを反応させる第三の工程について説明する。感光性樹脂は、水酸基含有化合物中の水酸基と、1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)中のイソシアネート基とを反応させることにより得られる。これにより、分散剤中の主にビニル重合体部分に(メタ)アクリロイル基を任意に導入することができ、溶剤親和性部位に硬化性を有する感光性樹脂を得ることができる。
(1つのイソシアネート基及び1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d))
第三の工程で使用される1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)としては、1つのイソシアネート基と1つ又は2つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、具体的には2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネートが好ましい。
本実施で使用される1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)は上記に例示した化合物に限らず、イソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を持てばどのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いても、併用してもよい。
また樹脂(D)として、オキセタン基を有する樹脂を用いることもできる。オキセタン基を有する樹脂は、例えばオキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合することなどで達成することができる。オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(3-メチル-3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3-エチル-3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3-ブチル-3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3-ヘキシルチル-3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート等を挙げることが出来る。
市販品としては、例えば、ETERNACOLL OXMA(宇部興産社製)、OXE-10、OXE-30(以上、大阪有機化学工業社製)などが挙げられる。
樹脂がオキセタン基を有することにより、該樹脂を含有する着色組成物は、硬化した後の耐熱性が優れる。
樹脂(D)は、感光性着色組成物中の着色剤(A)100質量部に対して、1~400質量部、好ましくは1~300質量部の量で用いることができる。
[酸化防止剤]
本実施の感光性着色組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤は、光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、画素の透過率を高くすることができる。
本実施における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、又は、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、及びトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤又はイオウ系酸化防止剤が好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、又はリン系酸化防止剤がより好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4-ビス[(ラウリルチオ)メチル]-o-クレゾール、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6-ジ-t-ブチル-4-ノニルフェノール、2,2’-イソブチリデン-ビス-(4,6-ジメチル-フェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス-(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)、2,2’-チオ-ビス-(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)、2,5-ジ-t-アミル-ヒドロキノン、2,2’チオジエチルビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、1,1,3-トリス-(2’-メチル-4’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)-ブタン、2,2’-メチレン-ビス-(6-(1-メチル-シクロヘキシル)-p-クレゾール)、2,4-ジメチル-6-(1-メチル-シクロヘキシル)-フェノール、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、N,N′-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,6-ヘキサメチレンジアミン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)(1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ポリ[{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}]、ポリ[(6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル){(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N′-4,7-テトラキス[4,6-ビス{N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル]-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用してもよい。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4’イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4-t-ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム-2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)-フォスファイト、1,3-ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)-ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4-ジtert-ブチル-6-メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用してもよい。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-o-クレゾール、2,4-ビス[(ラウリルチオ)メチル]-o-クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用してもよい。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等が挙げられる。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5スルフォベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-クロロベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用してもよい。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4-ビス(アリル)-6-(2-ヒドロキシフェニル)1,3,5-トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用してもよい。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サリチル酸p-tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用してもよい。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、明度及び感度の点から、感光性着色組成物の全固形分中、0.5~5.0質量%が好ましい。
[密着向上剤]
感光性着色組成物には、基材との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有してもよい。密着向上剤による密着性が向上することにより、細線の再現性が良好となり解像度が向上する。
密着向上剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100質量部に対し、0.01~10質量部、好ましくは0.05~5質量部の量で用いることができる。この範囲内で効果が大きくなり、密着性、解像性、感度のバランスが良好であるためより好ましい。
[レベリング剤]
感光性着色組成物には、当該組成物のレベリング性を向上するため、レベリング剤を添加してもよい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ-2122、ビックケミー社製BYK-333などが挙げられる。ポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK-310、BYK-370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有割合は、着色組成物の全固形分中、0.003~0.5質量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
[硬化剤、硬化促進剤]
また感光性着色組成物は、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤を含有してもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100質量部に対し、0.01~15質量部が好ましい。
[貯蔵安定剤]
本実施の感光性着色組成物は、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有してもよい。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100質量部に対し、0.1~10質量部の量で用いることができる。
[溶剤]
また、感光性着色組成物は、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、塗膜を形成することを容易にするために、溶剤を含有してもよい。溶剤は、感光性着色組成物の塗布性が良好であることに加え、感光性組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
溶剤としては、例えば1,2,3-トリクロロプロパン、1-メトキシ-2-プロパノール、乳酸エチル、1,3-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4-ブタンジオールジアセテート、1,4-ジオキサン、2-ヘプタノン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3-メトキシブチルアセテート、4-ヘプタノン、m-キシレン、m-ジエチルベンゼン、m-ジクロロベンゼン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、n-ブチルアルコール、n-ブチルベンゼン、n-プロピルアセテート、N-メチルピロリドン、o-キシレン、o-クロロトルエン、o-ジエチルベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p-クロロトルエン、p-ジエチルベンゼン、sec-ブチルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n-アミル、酢酸n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、着色剤の分散性、浸透性、及び感光性組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノールアセテート、1,4-ブタンジオールジアセテート、ブタンジオールジアセテート等のアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール、1-メトキシ-2-プロパノール、3-メトキシブタノール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類、3-エトキシプロピオン酸エチル、等を用いることが好ましい。
またこれらの溶剤は、感光性着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚の塗膜を形成できることから、着色剤100質量部に対して、500~4000質量部の量で用いることが好ましい。
[分散助剤]
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度及び粘度安定性が良好になる。
<色素誘導体>
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドン又はトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、又は置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63-305173号公報、特公昭57-15620号公報、特公昭59-40172号公報、特公昭63-17102号公報、特公平5-9469号公報、特開2001-335717号公報、特開2003-128669号公報、特開2004-091497号公報、特開2007-156395号公報、特開2008-094873号公報、特開2008-094986号公報、特開2008-095007号公報、特開2008-195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の含有量は、分散性向上の観点から、着色剤100質量部に対し、好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上、最も好ましくは3質量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは35質量部以下である。
<樹脂型分散剤>
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、又はAnti-Terra-U、203、204、又はBYK-P104、P104S、220S、6919、又はLactimon、Lactimon-WS又はBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF社製のEFKA-46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤100質量部に対し、好ましくは0.1~55質量部、さらに好ましくは0.1~45質量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1質量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55質量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
[感光性着色組成物の製造方法]
感光性着色組成物の製造方法は、例えば、まず、着色剤分散体を調製し、次いで、光重合性単量体と、光重合開始剤と、必要に応じて用いられる他の成分とを添加する方法などが挙げられる。
着色剤分散体は、例えば、着色剤を、バインダー樹脂などの着色剤担体及び/又は有機溶剤中に、好ましくは分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散することで調製できる。着色剤(A)が2種以上の着色剤を含む場合、複数ある着色剤を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色剤分散液を調製した後に混合してもよい。また、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する有機溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
<粗大粒子の除去>
本実施の緩効性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上、特に好ましくは0.3μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。
2.有機EL表示装置
次に有機EL表示装置の構成について図1を参照して説明する。図1は、本実施の有機EL表示装置の、模式的な断面図である。本実施の有機EL表示装置10は、駆動素子が形成されたシリコン基板1上に、有機EL層2と、カラーフィルタとを有するものであり、必要に応じて、当該カラーフィルタ3上に、さらに封止層4やカバーガラス5を有してもよく、また、有機EL層2とカラーフィルタ3との間に平坦層(プレーナー)を有してもよい(図示せず)。
以下、有機EL表示装置の各構成の詳細について説明する。
[カラーフィルタ]
本実施においてカラーフィルタ3は、有機EL層上に形成され、少なくとも赤色画素と、緑色画素と、青色画素とを備えている(3a、3b、3c)。当該画素が前述の感光性着色組成物の硬化物である。本実施においてカラーフィルタは、さらにマゼンタ色画素、シアン色画素、黄色画素、又はその他の画素を有するものであってもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本実施においてカラーフィルタは、有機EL層2上に、又は、必要に応じて設けられた平坦層上に形成される。平坦層を設けることにより有機EL層の微細な凹凸面を平坦化することができる。
平坦層は、公知の硬化性樹脂を用いることができ、紫外線硬化型樹脂が好ましく、必要に応じては熱硬化型樹脂を併用してもよい。前記紫外線硬化型樹脂としては特に限定するものではないが、i線(波長365nm)に感度を示すアクリル系樹脂が好ましい。
カラーフィルタを構成する画素の形成方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法とすることができる。
まず、前述した感光性着色組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、コールコート法、スピンコート法などの塗布手段を用いて有機EL層又は平坦層に塗布して、塗膜を形成する。
次いで、必要に応じて前記塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、光重合性単量体や感光性樹脂を光重合反応させて、硬化塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整すればよい。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。前記感光性組成物は、低温硬化性を有するため、100℃以下の加熱処理であっても十分に硬化することができる。
本実施においてカラーフィルタを構成する画素の膜厚は、1.0μm~2.0μmである。
また、本実施においてカラーフィルタを構成する赤色画素、緑色画素、青色画素は、以下の分光特性を有することにより、高輝度かつ高色再現性を有し、高品位な有機EL表示装置とすることができる。
赤色画素:波長450nm~560nmの範囲における光の最大透過率が0.4%以下、かつ波長600nm~700nmの範囲の光の透過率が80%以上100%未満。
緑色画素:波長400nm~470nmの範囲における光の最大透過率が2%以下、波長520nmの光の透過率が70%以上、かつ波長550nmの光の透過率が60%以下。
青色画素:波長500nm~560nmの範囲における光の最大透過率が20%未満。
本実施のカラーフィルタは各画素が、上記の分光特性を有することで、色域の広いカラーフィルタとなる。
[有機EL層]
前記有機EL層は、発光物質を含む有機発光単層、あるいは多層で形成することができる。多層で形成される場合は、たとえば一般的な正孔輸送層、電子輸送性有機発光層、電子輸送層が順次積層してなる3層構成、さらには正孔(電子)注入層、正孔(電子)輸送層と注入機能と輸送機能を分けた層を設けたり、あるいは正孔(電子)輸送をブロックする層を設けたりする多層構成でもよい。
有機EL層の一例としては、シリコン基板側から順に、陽極、有機層及び陰極を積層してなり、封止層で気密に覆われた構成が挙げられる。
陽極は、シリコン基板上に設けられ、仕事関数の大きな導電性材料で構成される。仕事関数の大きな導電性材料としては、たとえば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、あるいは酸化錫(SnO2)、酸化インジウム錫(ITO:Indium tin oxide)、酸化亜鉛、酸化チタン等がある。
陰極は、仕事関数が小さな導電性材料を用いて構成されている。このような導電性材料としては、例えば、Li、Mg、Ca等の活性な金属とAg、Al、In等の金属との合金、或いはこれらを積層した構造を使用できる。また、有機層との間に例えば、Li、Mg、Ca等の活性な金属とフッ素、臭素等のハロゲンや酸素等との化合物層を薄く挿入した構造としてもよい。
陽極及び陰極は、表示装置の駆動方式によって適する形状にパターニングされる。例えば、有機EL表示装置の駆動方式が単純マトリックス型である場合には、この陽極及び陰極は互いに交差するストライプ状に形成され、これらが交差した部分が有機EL素子となる。
有機層は、少なくとも白色の発光層を有するものであるが、通常、複数層の有機層から構成されるものであり、正孔注入層や電子注入層といった電荷注入層や、白色の発光層に正孔を輸送する正孔輸送層、白色の発光層に電子を輸送する電子輸送層といった電荷輸送層を有するものとすることができる。
発光層は、白色の発光が得られれば良く、公知のものを用いることができる。白色の発光特性は、少なくとも赤色領域(600nm~780nm)と緑色領域(475nm~600nm)及び青色領域(380nm~475nm)の3つの領域に発光があればよい。発光ピークは必ずしも3つあるいはそれ以上の数を必要とするのではなく、例えば2つの発光ピークでも上記の領域に発光があればよい。しかし、広い色再現性を得るためには3つ以上の発光ピークがある白色発光層を用いることが好ましく、上記3つの色領域のひとつ以上に発光ピークがあることが好ましい。
このような白色の発光層を構成する材料としては、蛍光又は燐光を発するものであれば特に限定されるものではない。また、発光材料は、正孔輸送性や電子輸送性を有していていもよい。発光材料としては、色素系材料、金属錯体系材料、及び高分子系材料を挙げることができる。
上記色素系材料としては、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾ-ル誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、及びピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
上記金属錯体系材料としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、及びユーロピウム錯体、あるいは、中心金属に、Al、Zn、Be等又はTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子に、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、及びキノリン構造等を有する金属錯体などを挙げられる。
上記高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体等、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、並びに上記の色素系材料及び金属錯体系材料を高分子化したもの等を挙げられる。
上記白色の発光層の形成方法としては、例えば蒸着法、印刷法、インクジェット法、又はスピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、及び自己組織化法(交互吸着法、自己組織化単分子膜法)等が挙げられる。特に、蒸着法、スピンコート法、及びインクジェット法を用いることが好ましく、白色の発光層の膜厚は、通常5nm~5μm程度である。
また有機EL層は、白色の発光層と陽極との間に正孔注入層が形成されていてもよい。正孔注入層を設けることにより、白色の発光層への正孔の注入が安定化し、発光効率を高めることができるからである。正孔注入層の形成材料としては、一般的に有機EL素子の正孔注入層に使用されている材料を用いることができる。また、正孔注入層の形成材料は、正孔の注入性若しくは電子の障壁性のいずれかを有するものであればよい。
具体的に、正孔注入層の形成材料としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、及びチオフェンオリゴマー等の導電性高分子オリゴマー等が挙げられる。
さらに、正孔注入層の形成材料としては、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、及びスチリルアミン化合物等が挙げられる。正孔注入層の膜厚は、通常5nm~1μm程度である。
また有機EL層は、白色の発光層と陰極との間に電子注入層が形成されていてもよい。電子注入層を設けることにより、白色発光層への電子の注入が安定化し、発光効率を高めることができる。
電子注入層の形成材料としては、例えばニトロ置換フルオレン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体のオキサジアゾール環の酸素原子をイオウ原子に置換したチアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有したキノキサリン誘導体、トリス(8-キノリノール)アルミニウム等の8-キノリノール誘導体の金属錯体、フタロシアニン、金属フタロシアニン、並びにジスチリルピラジン誘導体等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、実施例中の「部」及び「%」とは、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
まず、実施例に先立ち、樹脂型分散剤、バインダー樹脂溶液、着色剤、顔料分散体、及び感光性着色組成物の製造方法について説明する。また、樹脂の重量平均分子量(Mw)及び酸価の測定方法は以下の通りである。
(重量平均分子量)
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC-8320GPC)で、展開溶剤にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(酸価)
樹脂酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠し、測定した酸価(mgKOH/g)を固形分換算した値である。
<樹脂型分散剤溶液の製造>
(樹脂型分散剤溶液1):感光性樹脂
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール8部、ピロメリット酸無水物12部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)80部、触媒としてモノブチルスズオキシド0.2部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で5時間反応させた(第一工程)。酸価の測定で95%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した。次に、メチルメタクリレート(MMA)15部、t-ブチルアクリレート(tBA)10部、エチルアクリレート(EA)10部、メタクリル酸(MAA)5部、ベンジルメタクリレート(BzMA)10部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)50部を仕込み、反応容器内を80℃に加熱して、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1部を添加し、12時間反応した(第二工程)。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次いで、次にフラスコ内を空気置換し、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)54.0部、ヒドロキノン0.1部を仕込み、70℃で4時間反応を行った(第三工程)。IRにてイソシアネート基に基づく2270cm-1のピークの消失を確認後、反応溶液を冷却して、PGMAcで固形分調整することにより、固形分40%の感光性樹脂である樹脂型分散剤溶液1を得た。得られた樹脂型分散剤の酸価は36、重量平均分子量は12,000であった。
(樹脂型分散剤溶液2):非感光性
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、エチルアクリレート30部、tert-ブチルアクリレート20部、2‐メチルメタクリレート40部、を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール6部に、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をシクロヘキサノン45.7部に溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。このとき、重量平均分子量が4000であった。次に、ピロメリット酸二無水物9.7部、PGMAc70部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.20部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。反応終了後、不揮発分を40質量%に調製し、重量平均分子量8,100、酸価50mgKOH/g、ビニル重合部位のガラス転移温度22.5℃の樹脂型分散剤のPGMAc溶液(樹脂型分散剤溶液2)を得た。
<バインダー樹脂の製造>
(アクリル樹脂溶液1):感光性樹脂
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン5.2部、グリシジルメタクリレート35.5部、ジシクロペンタニルメタクリレート41.0部、アゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行った。次にフラスコ内を空気置換し、アクリル酸17.0部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.3部、及びハイドロキノン0.3部を投入し、120℃で5時間反応を続け固形分酸価=0.8となったところで反応を終了し、重量平均分子量が約12,000(GPCによる測定)の樹脂溶液を得た。
更にテトラヒドロ無水フタル酸30.4部、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で4時間反応させ、不揮発分が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
(アクリル樹脂溶液2):感光性樹脂
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート70.5g(0.40モル)、メタクリル酸43.0g(0.5モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成(株)製FA-513M)22.0g(0.10モル)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gからなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート35.5g[0.25モル、(本反応に用いたメタクリル酸のカルボキシル基に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9g及びハイドロキノン0.145gをフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け、不揮発分が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して固形分酸価が79mgKOH/gのアクリル樹脂溶液2を得た。GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は13,000で、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。
(アクリル樹脂溶液3):非感光性
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、ベンジルメタクリレート20.0部、n-ブチルメタクリレート17.2部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して、アクリル樹脂溶液3を調製した。重量平均分子量(Mw)は26,000であった。
<着色剤(A)の製造>
(微細化赤色顔料(PR254-1))
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「Irgajin RedL 3630」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、ジケトピロロピロール系の微細化赤色顔料(PR254-1)を得た。
(微細化黄色顔料(PY139-1))
黄色顔料C.I.ピグメントイエロー139(BASF社製「パリオトールエローD1819」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY139-1)を得た。
(微細化黄色顔料(PY185-1))
黄色着色剤として、C.I.ピグメントイエロー185(BASF社「Paliotol Yellow L 1155」)200部、塩化ナトリウム1000部、及びジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY185-1)を得た。
(微細化緑色顔料(PG58-1))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン58(DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN A110」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、フタロシアニン系の微細化緑色顔料(PG58-1)を得た。
(微細化青色顔料(PB15:6-1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー15:6(トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m/g)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、フタロシアニン系の微細化青色顔料(PB15:6-1)を得た。
(微細化青色顔料(PB15:3-1))
フタロシアニン系青色顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE FG-7351」)200部、塩化ナトリウム600部、およびジエチレングリコール600部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、 フタロシアニン系の微細化青色顔料(PB15:3-1)を得た。
(微細化紫色顔料(PV23-1))
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメントバイオレット23(トーヨーカラー株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、ジオキサジン系の微細化紫色顔料(PV23-1)を得た。
<造塩化合物(V)の製造方法>
下記の手順でC.I.アシッドレッド289と4級アンモニウム塩化合物であるトリステアリルモノメチルアンモニウムクロライドとからなる造塩化合物(V)を作製した。5%水溶液になるよう、C.I.アシッドレッド289 10部を200部の水に溶解させ、30~50℃に加熱した後、メタノール/水=20/80溶液に5%溶液になるよう5.5部のトリステアリルモノメチルアンモニウムクロライドを溶解し、少しずつ滴下した。トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド溶液を滴下した後、30~50℃で3時間攪拌した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、C.I.アシッドレッド289とトリステアリルモノメチルアンモニウムクロライドとの造塩化合物(V)8部を得た。
<顔料散体の製造>
(顔料分散体(PR-1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PR-1)を作製した。
微細化赤色顔料(PR254-1) :14.8部
アクリル樹脂溶液3 : 6.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :69.2部
樹脂型分散剤溶液1(感光性樹脂) :10.0部
(顔料分散体(PR-2))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PR-2)を作製した。
微細化赤色顔料(PR254-1) :14.8部
アクリル樹脂溶液3 : 6.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :69.0部
樹脂型分散剤溶液2 :10.0部
(顔料分散体(PY-1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PY-1)を作製した。
微細化黄色顔料(PY139-1) :14.0部
アクリル樹脂溶液3 : 8.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :67.0部
樹脂型分散剤溶液1(感光性樹脂) :11.0部
(顔料分散体(PY-2))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PY-2)を作製した。
微細化黄色顔料(PY139-1) :14.0部
アクリル樹脂溶液3 : 8.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :67.0部
樹脂型分散剤溶液2 :11.0部
(顔料分散体(PY-3))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PY-3)を作製した。
微細化黄色顔料(PY185-1) :14.0部
アクリル樹脂溶液3 : 8.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :67.0部
樹脂型分散剤溶液1(感光性樹脂) :11.0部
(顔料分散体(PY-4))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PY-4)を作製した。
微細化黄色顔料(PY185-1) :14.0部
アクリル樹脂溶液3 : 8.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :67.0部
樹脂型分散剤溶液2 :11.0部
(顔料分散体(PG-1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PG-1)を作製した。
微細化緑色顔料(PG58-1) :13.0部
アクリル樹脂溶液3 :11.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :52.0部
樹脂型分散剤溶液1(感光性樹脂) :64.0部
(顔料分散体(PG-2))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PG-2)を作製した。
微細化緑色顔料(PG58-1) :13.0部
アクリル樹脂溶液3 :11.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :64.0部
樹脂型分散剤溶液2 :12.0部
(顔料分散体(PB-1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PB-1)を作製した。
微細化青色顔料(PB15:6-1) :14.0部
アクリル樹脂溶液3 : 8.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :67.0部
樹脂型分散剤溶液1(感光性樹脂) :11.0部
(顔料分散体(PB-2))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PB-2)を作製した。
微細化青色顔料(PB15:6-1) :14.0部
アクリル樹脂溶液3 : 8.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :67.0部
樹脂型分散剤溶液2 :11.0部
(顔料分散体(PB-3))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PB-3)を作製した。
微細化青色顔料(PB15:3-1) :13.0部
アクリル樹脂溶液3 :16.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :61.0部
樹脂型分散剤溶液1(感光性樹脂) :10.0部
(顔料分散体(PB-4))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PB-4)を作製した。
微細化青色顔料(PB15:3-1) :13.0部
アクリル樹脂溶液3 :16.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :61.0部
樹脂型分散剤溶液2 :10.0部
(顔料分散体(PV-1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PV-1)を作製した。
微細化紫色顔料(PV23-1) :10.0部
アクリル樹脂溶液3 :14.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :58.0部
樹脂型分散剤溶液1(感光性樹脂) :18.0部
(顔料分散体(PV-2))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(PV-2)を作製した。
微細化紫色顔料(PV23-1) :10.0部
アクリル樹脂溶液3 :14.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :58.0部
樹脂型分散剤溶液2 :18.0部
<造塩化合物含有樹脂溶液(SV)の製造方法>
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過し造塩化合物含有樹脂溶液(SV)を作製した。
造塩化合物(V) :13.00部
シクロヘキサノン :87.00部
<感光性着色組成物の製造>
[製造例1]
(感光性着色組成物(R-1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、感光性着色組成物(R-1)を得た。
顔料分散体(PR-1) :58.2部
顔料分散体(PY-1) :17.4部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 3.8部
(東亞合成社製「アロニックス M-309」)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 3.8部
(東亞合成社製「アロニックス M-402」)
光重合開始剤(BASF社製「OXE-02」) : 0.7部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :16.0部
[製造例2~47]
(感光性着色組成物(R-2~47)の調製)
顔料分散体、光重合性単量体、光重合開始剤、及びアクリル樹脂溶液の種類と配合量を表1~3に示す内容に変更した以外は感光性着色組成物(R-1)と同様にして感光性着色組成物(R-2~47)を得た。
Figure 0007315419000009
Figure 0007315419000010
Figure 0007315419000011
表1-3中の略称について以下に示す。
<光重合性単量体(B)>
光重合性単量体B-1:トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製「アロニックス M-309」)
光重合性単量体B-2:トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート(東亞合成社製「アロニックス M-350)
光重合性単量体B-3:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製「アロニックス M-402」)
<光重合開始剤(C)>
光重合開始剤C-1:エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)
(BASF社製「IRGACURE OXE 02」)
光重合開始剤C-2:1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]
(BASF社製「IRGACURE OXE 01」)
光重合開始剤C-3:以下の化学式で表される化合物
Figure 0007315419000012
光重合開始剤C-4:2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1
(BASF社製「IRGACURE 369E」)
<OLED素子の製造>
シリコン基板にスパッタ法やエッチング法等の公知の方法を用いてTFT層を形成した。更に、TFT層上に蒸着法等の公知の方法を用いて白色有機EL素子を形成後、CVD法により窒化珪素を被覆して有機EL素子基板を形成した。
<カラーフィルタ・有機EL表示装置の製造>
前記OLED素子上に、緑色感光性樹脂組成物を硬化仕上がりの膜厚が1.5μmになるようにスピンナーで塗布し、パターンマスクを介して紫外線露光、アルカリ現像、水洗及び乾燥工程を経てカラーフィルタの緑色層(G)を形成した。その後、加熱オーブンを用いて80℃、10分間加熱して硬化して、カラーフィルタの緑色層(G)の形成を完了した。
次に、上述のカラーフィルタの緑色層(G)の形成方法と同様にして、赤色感光性樹脂組成物を、硬化仕上がりの膜厚が1.5μmになるようにスピンナーで塗布し、パターンマスクを介して紫外線露光、アルカリ現像、水洗及び乾燥工程を経てカラーフィルタの緑色層(R)を仮形成した。その後、加熱オーブンを用いて80℃、10分間加熱して硬化して、カラーフィルタの赤色層(R)の形成を完了した。
さらに、上述のカラーフィルタの緑色層(G)の形成方法と同様にして、青色感光性樹脂組成物を、硬化仕上がりの膜厚が1.5μmになるようにスピンナーで塗布し、パターンマスクを介して紫外線露光、アルカリ現像、水洗及び乾燥工程を経てカラーフィルタの青色層(B)を仮形成した。その後、加熱オーブンを用いて80℃、10分間加熱して硬化して、カラーフィルタの青色層(B)の形成を完了してカラーフィルタを作製した。
緑色、赤色、青色の層を形成後、封止剤ストラクトボンドXMF-T107(三井化学社製)を用いてカバーガラスと貼り合せし、有機EL表示装置を作製した。
カラーフィルタ及び有機EL表示装置の作製にあたり、使用した感光性着色組成物を表4に示す。
Figure 0007315419000013
実施例1~14及び比較例1~3のカラーフィルタおよび有機EL表示装置の外観および分光透過率測定を実施した結果を表5に示す。
<カラーフィルタ、有機EL表示装置の外観観察>
外観観察は、NIKON製光学顕微鏡「ECLIPSE LV100」にて反射観察した。画素の染込み、表面あれがないものは◎、軽微な染込みがみられるものは△、表面あれ隣接画素からの色の染込みがみられるものは×として評価した。表面あれ、隣接画素からの色の染込みがみられるものは実用的ではないと判断した。
また、画素の重なりの評価として、赤色・緑色・青色の画素の重なり量が0.1μm未満の場合を○、画素の重なり量が0.1μm以上0.3μm未満の場合を△、0.3μm以上の場合を×として評価した。画素の重なり量が0.3μm以上の場合、表示エリアが小さくなる為、有機EL表示装置の輝度低下を招いてしまうため、実用的ではないと判断した。
<有機EL表示装置の色度>
実施例1~14及び比較例1~3の有機EL表示装置における赤色表示時、緑色表示時、青色表示時の色度をオリンパス社製「分光放射輝度計 CS-1000」を用いて測定した。得られた赤色・緑色・青色の色度からNTSC面積比率(NTSC規格で規定する色域に対する実施例又は比較例の有機EL表示装置の色域の割合)を算出した。
NTSC面積比率が85%以上のものは〇、85%未満のものは×として評価した。NTSC面積比率が85%未満のものは、有機EL表示装置として画像表示した際に画像の鮮明さが不足して見えてしまうため、実用的ではないと判断した。
赤色、緑色、青色の3色の画素を全て点灯表示し、白色表示した際の輝度(W-L)が330cd/m以上のものは◎、300cd/m以上330cd/m未満のものは〇、280cd/m以上300cd/m未満のものは△、280cd/m未満のものは×として評価した。輝度が280cd/m未満の場合は、画像表示した際に暗く見えてしまうため有機EL表示装置として実用的ではないと判断した。
Figure 0007315419000014
<分光特性評価>
上記カラーフィルタの形成方法と同様に、1.1mm厚のガラス基板上に緑色、赤色、青色のカラーフィルタをそれぞれ形成した。あわせて焼成温度を200℃に変更した以外は上記のカラーフィルタの形成方法と同様に、1.1mm厚のガラス基板上に緑色、赤色、青色のカラーフィルタをそれぞれ形成した。次いで表6に記載した分光透過率を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP-SP200」)で測定した。結果を表6に示す。また、分光特性として、赤色画素のみ、緑色画素のみ、青色画素のみの状態で測定した分光の最大透過率に対して、実施例および比較例で作製したカラーフィルタの分光変化が1%以内のものを◎、3%以内のものを○、5%以内のものを△、5%よりも大きいものを×して評価した。分光変化が5%よりも大きい場合には、分光測定を行う画素に隣接する画素の色材がしみ込んでしまい、基板の面内で透過率が安定しなくなる為、実用化するには問題があると判断した。
Figure 0007315419000015
表6の結果より、80℃焼成でカラーフィルタを形成した場合においては、前記赤色画素の分光透過率が、450nm~560nmの波長範囲の光の最大透過率が0.4%以下、かつ600nm~700nmの範囲の光の透過率が80%以上100%未満、前記緑色画素の分光透過率が400nm~470nmの波長範囲の光の最大透過率が2%以下、520nmの光の透過率が70%以上、かつ550nmの光の透過率が60%以下、前記青色画素の分光透過率が500nm~560nmの波長範囲での最大透過率が20%未満であり、前記赤色、緑色、青色画素を形成する際に用いる感光性着色組成物が少なくとも一般式(1)で表される化合物を含み、光重合開始剤が少なくともオキシムエステル系光重合開始剤を含む感光性着色組成物を用いた場合において、高品位なカラーフィルタが得られた。
一方で、200℃で焼成した場合においては、80℃で焼成した場合とは異なり、分光特性の悪化の問題がみられた水準においても良化していることから、本発明に該当する赤色・緑色・青色着色組成物を用いた場合は、低温焼成においても高品位なカラーフィルタを提供することが可能であるといえる。
表5、表6の結果を統合して鑑みると、赤色、緑色、青色画素を形成する際に使用した感光性着色組成物において一般式(1)であらわされる化合物の含有量が光重合性単量体の全量に対して50質量%以上である場合、赤色・緑色・青色画素の重なりが生じず、高輝度なカラーフィルタおよび有機EL表示装置が得られた。
一方で、一般式(1)であらわされる化合物を用いない場合においては、外観不良を生じない状態まで露光すると、画素サイズが大きくなりすぎ、赤色、緑色、青色画素に重なりが生じ、輝度の低下が生じてしまい、有機EL表示装置の品位低下を確認した。
赤色、緑色、青色画素を形成する際に使用した感光性着色組成物において、オキシムエステル系光重合開始剤に一般式(2)であらわされる化合物を用いた場合には、80℃の低温での焼成においても赤色・緑色・青色画素の表面あれが生じず、更に高輝度かつ高色域なカラーフィルタおよび有機EL表示装置が得られた。
本発明は、スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ、電子ビューファインダなどの電子機器用の有機EL表示装置として利用することができる。
1 シリコンウエハ
2 有機EL層
3 カラーフィルタ
4 封止層
5 カバーガラス
10 有機EL表示装置
3a、3b、3c 画素

Claims (6)

  1. 駆動素子が形成されたシリコン基板上に、有機EL層と、カラーフィルタと、を有する、有機EL表示装置であって、
    前記カラーフィルタが、赤色画素と、緑色画素と、青色画素とを含む画素を有し、
    前記画素の膜厚が1.0μm~2.0μmの範囲であり、
    前記赤色画素の分光透過率が、波長450nm~560nmの範囲における光の最大透過率が0.4%以下、かつ波長600nm~700nmの範囲の光の透過率が80%以上100%未満であり、
    前記緑色画素の分光透過率が、波長400nm~470nmの範囲における光の最大透過率が2%以下、波長520nmの光の透過率が70%以上、かつ波長550nmの光の透過率が60%以下であり、
    前記青色画素の分光透過率が、波長500nm~560nmの範囲における光の最大透過率が20%未満であり、
    前記画素が、着色剤(A)と、光重合性単量体(B)と、光重合開始剤(C)と、樹脂(D)とを含有し、前記光重合性単量体(B)が下記一般式(1)で表される化合物を含み、光重合開始剤(C)がオキシムエステル系光重合開始剤を含む感光性着色組成物の硬化物である、有機EL表示装置。
    一般式(1)
    [CH=CHC(=O)-(OC2m-OCH-CCHCH
    (一般式(1)中、mは1~3の整数を表し、nは0~2の整数を表し、複数あるm及びnは同一であっても異なってもよい。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、光重合性単量体(B)全量に対して50質量%以上である、請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 前記オキシムエステル系光重合開始剤が、下記一般式(2)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の有機EL表示装置。
    Figure 0007315419000016
    (一般式(2)中、Zは直接結合、又は-C(=O)-基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表し、R~R10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ニトロ基、又はR11-C(=O)-基を表す。R11は置換基を有してもよいアリール基を表す。)
  4. 前記樹脂(D)が、感光性樹脂を含む、請求項1~3いずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  5. 前記感光性樹脂が、
    分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の水酸基と、ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基と、の反応生成物の存在下で、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)を重合させた水酸基含有重合体の水酸基と、1つのイソシアネート基及び1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)のイソシアネート基と、を反応させた樹脂であり、
    水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)に由来する構成単位の含有量が、エチレン性不飽和単量体(c)由来する構成単位の全量に対して35質量%以上、80質量%以下である感光性樹脂(E)を含む、請求項4に記載の有機EL表示装置。
  6. 前記赤色画素における着色剤(A)の含有量が24質量%以上67質量%以下、
    前記緑色画素における着色剤(A)の含有量が30質量%以上55質量%以下、及び、
    前記青色画素における着色剤(A)の含有量が30質量%以上47質量%以下である、請求項1~5いずれか1項に記載の有機EL表示装置。
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