JP2019066834A - カラーフィルタ用感光性着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料含有量が高い、あるいは膜厚が厚くとも、高感度で、且つ優れた直線性、パターン形状、解像度、現像耐性、薬品耐性を有し、さらに優れた耐熱性を有し得る感光性着色組成物、及びそれを用いたカラーフィルタの提供すること。【解決手段】一般式(1)で表される光重合開始剤(A)と、樹脂(X)と、光重合性単量体(B)と、着色剤(C)とを含有する感光性着色組成物が提供される。感光性着色組成物はさらに分散剤を含有し得、樹脂(X)、着色剤(C)及び分散剤からなる群より選ばれる少なくとも一つが、オキセタン基を有し得る。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性着色組成物に関し、特に液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタにおいて、赤、緑、青等の各色フィルタセグメント及びブラックマトリックス等の形成に有用な高感度の感光性着色組成物に関する。また、本発明は、該感光性着色組成物を用いて形成されるカラーフィルタに関する。
カラーフィルタの色再現特性向上及びブラックマトリックスの遮光性向上のためには、感光性着色組成物中の顔料の含有量を多くするか、あるいは、膜厚を厚くする必要がある。しかし、顔料の含有量を多くする方法においては、感度低下、現像性、解像性が悪化する等の問題が発生する。膜厚を厚くする方法においては、膜底部まで露光光が届かず、パターン形状が不良となる等の問題が発生する。
このような問題を解決するため、感光性着色組成物の高感度化が必要であり、一般的には、(1)樹脂の反応性二重結合の付与、(2)光重合開始剤、増感剤の選択あるいは増量、(3)モノマーの選択あるいは増量等が行われ、その例として特許文献1及び2が挙げられる。
特開2001−264530号公報 特開2003−156842号公報
しかしながら、樹脂の二重結合の付与や光重合開始剤、増感剤及びモノマーの選択だけでは、感度向上には限界がある。特に、光重合開始剤を増量すると、光重合開始剤特有の色による着色、耐熱性の低下、光透過率の減少、解像力の低下等が生じる。また、モノマーを増量すると、タック等の問題が生じる。そこで、本発明の実施形態は、顔料含有量が高い、あるいは膜厚が厚くとも、高感度で、且つ直線性、パターン形状、解像度、現像耐性、薬品耐性が優れ、さらに優れた耐熱性も有し得る、感光性着色組成物、及びそれを用いたカラーフィルタの提供を目的とする。
本発明の一実施形態による感光性着色組成物は、高感度であり、且つ優れた直線性、パターン形状、解像度、現像耐性、薬品耐性が得られるようにするため、下記一般式(1)で表される光重合開始剤を用いることを特徴とする。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される光重合開始剤(A)、ウレタン系光重合性単量体(B)、着色剤(C)、及びバインダー樹脂(X)を含むカラーフィルタ用感光性着色組成物。
一般式(1)
Figure 2019066834
[一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、置換もしくは未置換のアシル基、又は置換もしくは未置換のアミノ基を表す。]に関する。
また本発明は、記ウレタン系光重合性単量体(B)が、ウレタン結合部位の数が3個以上である光重合性単量体(B1)を含む前記カラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また本発明は、前記ウレタン系光重合性単量体(B)が、ウレタン結合部位の数が3個以上である光重合性単量体(B1)を少なくとも2種類含む前記カラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また本発明は、前記着色剤(C)が、ハロゲン化金属フタロシアニンを含む前記カラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また本発明は、ハロゲン化金属フタロシアニンが、下記一般式(2)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料(PCY)を含む前記カラーフィルタ用感光性着色組成物。
一般式(2)
Figure 2019066834
[一般式(2)において、
Xは、ハロゲン原子を表し、nは、1〜16の整数を表す。但し、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値が1〜15であり、ハロゲン分布幅が2以上である。
Yは、−OP(=O)R、−OC(=O)R、又は−OS(=O)を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基、又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。
は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよい複素環基を表す。
は、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよい複素環基を表す。]に関する。
また本発明は、さらに樹脂型分散剤を含む前記カラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また本発明は、前記樹脂型分散剤が、酸性樹脂型分散剤及び塩基性樹脂型分散剤を含む前記カラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また本発明は、基材、前記カラーフィルタ用感光性着色組成物を用いて形成されるフィルタセグメント、およびブラックマトリックスを備えるカラーフィルタに関する。
さらに本発明は、前記カラーフィルタを備える、液晶表示装置に関する。
本発明の実施形態による感光性着色組成物は、特定のオキシムエステル系化合物を光重合開始剤として用いることにより、顔料含有量が高い、あるいは形成膜厚が厚くとも、優れたパターン形状、及び薬品耐性を有し得る、各色フィルタセグメントを形成することができる。従って、本発明の感光性着色組成物を用いることにより、高品質なカラーフィルタを得ることができる。
図1は、液晶表示装置の模式的断面図である。
本明細書の用語を定義する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。また、「C.I.」はカラーインデックス番号を表す。
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物は、下記一般式(1)で表される特定のオキシムエステル系光重合開始剤(A)、ウレタン系光重合性単量体(B)、着色剤(C)及び樹脂(X)、を含む。一般式(1)で表される光重合開始剤(A)は、感度が高く、特に高残膜率の塗膜が得られることから、カラーフィルタの生産安定性に優れた感光性着色組成物が得られる。該光重合開始剤を含む感光性着色組成物を用いることにより、優れた直線性、パターン形状、解像度、現像耐性、薬品耐性のフィルタセグメント及びブラックマトリックスを形成することができる。また、その他の開始剤を併用することでさらに良好なパターン形状を得ることができる。
また、ウレタン系光重合性単量体(B)が、ウレタン結合部位の数が3個以上である光重合性単量体(B1)を含むことで、硬化した後の薬品耐性がより向上する。そのため該構造を含む感光性着色組成物を用いることにより、フィルタセグメント及びブラックマトリックスの薬品耐性もより向上する。
また、着色剤(C)が、上記一般式(2)で表されるフタロシアニン顔料を含むとことで、フィルタセグメント及びブラックマトリックスの明度がより向上する。
<光重合開始剤(A)>
本発明の感光性着色組成物に含有される光重合開始剤(A)は、一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)
Figure 2019066834
一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、置換もしくは未置換のアシル基、又は置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
前述したR1、R2、R3及びR4における置換基の水素原子はさらに他の置換基で置換されていてもよい。
そのような置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、ベンゾフラニル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
中でも、R1は、好ましくは置換もしくは未置換のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10の未置換のアルキル基である。また、R2及びR3は、好ましくは水素原子である。また、R4は、好ましくは置換もしくは未置換のアリール基、又は置換もしくは未置換の複素環基である。
最も好ましい光重合開始剤(A)の構造として、下記化学式(2)及び化学式(3)で表される化合物が挙げられる。
化学式(2)
Figure 2019066834
本発明の感光性着色組成物に含有される光重合開始剤(A)は、オキシムエステル系光重合開始剤である。オキシムエステル系光重合開始剤は、紫外線を吸収することによってオキシムエステル部分が分解してイミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成し、さらに分解して生成した活性種のラジカルが反応を引き起こすと考えられているが、本発明の感光性着色組成物に含有される光重合開始剤(A)は、一般式(1)で表される構造を有することにより、紫外線照射による分解効率が非常に高く、少ない露光量でパターンを形成させることができる。
本発明の光重合開始剤(A)が従来の開始剤よりも高感度になる理由は、次の2つと推測している。
1つ目の理由としては、本発明の光重合開始剤(A)は、一般式(1)で表される構造が良好な紫外線吸収性能を有することにより、与えられたエネルギー線によるエネルギーを極めて良好に吸収することができることである。さらに、得られたエネルギーがオキシムエステル部位の分解に効率的に使用されることにより、エネルギー線照射による分解が速く、瞬時に多量のラジカルを生成することが可能になっていることが考えられる。
2つ目の理由としては、本発明の光重合開始剤(A)は、紫外線を吸収して発生したイミニルラジカルから活性種のラジカルへの分解が、一般式(1)で表される構造に由来して、非常に速いことが考えられる。生成するイミニルラジカルが準安定であれば分解は遅くなり、活性なラジカルの生成量は少なくなるが、これは紫外線吸収部分の化学構造により大きく影響を受ける。本発明の光重合開始剤(A)は、一般式(1)に示す構造をとることにより、光照射による分解により生じたイミニルラジカルの分解が非常に速く、多量のラジカルを生成する結果をもたらしていると考えられる。
また、本発明の光重合開始剤(A)は、上述したように、イミニルラジカルの分解が非常に速いため再結合が抑制されていることが考えられる。再結合が多い場合、分解により生じた活性種が減少してしまうため、ラジカル重合開始剤としての機能は低下する。
一般式(1)で表される光重合開始剤(A)は、感光性着色組成物中の着色剤(C)100質量部に対して、好ましくは、1〜50質量部、特に好ましくは1〜30質量部の量で用いることができる。
<その他の光重合開始剤(Y)>
本発明の実施形態による感光性着色組成物には、一般式(1)で表される光重合開始剤(A)と共に、他の光重合開始剤(Y)を併用することが、さらに良好なパターン形状を得ることができるため好ましい。
他の光重合開始剤(Y)としては、上記光重合開始剤(A)以外のオキシムエステル系化合物、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メチルフェニル)ビイミダゾール、等のイミダゾール系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられうる。
これらの中でも、オキシムエステル系化合物、アセトフェノン系化合物、ホスフィン系化合物、及びイミダゾール系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の光重合開始剤(Y)を含むことがより好ましい。
これらその他の光重合開始剤(Y)は1種又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。他の光重合開始剤(Y)は、感光性着色組成物中の着色剤(C)100質量部に対して、1〜100質量部、好ましくは1〜50質量部の量で用いることができる。
また、光重合開始剤(A)100質量部に対して、1〜3000質量部の量で用いることができる。より良好なパターン形状を得るためには、光重合開始剤(A)100質量部に対して5〜2000質量部の量が好ましい。
<バインダー樹脂(X)>
バインダー樹脂(X)は、顔料を分散又は浸透させるものであって、例えば、熱可塑性樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型感光性着色組成物の形態で用いる場合には、酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性置換基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性置換基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性置換基を有するアクリル樹脂、及びスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性置換基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールメタアクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
顔料を好ましく分散させるためには、バインダー樹脂(B)の質量平均分子量(Mw)は10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
また、顔料の分散性、安定性、現像性、及び耐熱性の観点から、顔料吸着基及び現像時のアルカリ可溶性基として働くカルボキシル基、顔料担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料の分散性、塗膜における現像液浸透性、未硬化部分の現像液溶解性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。また300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる場合がある。
バインダー樹脂(X)は、成膜性及び諸耐性が良好なことから、着色剤(C)の全質量100質量部に対して、30質量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500質量部以下の量で用いることが好ましい。より好ましくは100〜400質量部。さらに好ましくは160〜320質量部である。このような着色剤の構成比率により色度領域を広げることができる。
<ウレタン系光重合性単量体(B)>
本発明の感光性着色組成物は、ウレタン系光重合性単量体(B)を含む。光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
ウレタン系光重合性単量体(B)は、エチレン性不飽和結合とウレタン結合を少なくとも1つずつ含む光重合性化合物である。例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレートや、アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレー、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
また、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
また、アルコールの構造に制限はないが、多価アルコールを使用した場合、硬化塗膜の架橋度が高くなり、塗膜耐性が上がるため好ましい。多価アルコールとしては、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらのウレタン系光重合性単量体(B)は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
[ウレタン結合部位の数が3個以上である光重合性単量体(B1)]
ウレタン系光重合性単量体(B)のウレタン結合数は、3個以上であることが好ましい。ウレタン結合数が3個以上あることで、多点で水素結合を形成することが可能となるため、架橋密度及び塗膜のTgの向上により、光硬化及び熱硬化における硬化収縮が小さくなり、パターン上のシワ発生を抑制することができる。
また、ウレタン結合部位の数が3個以上である光重合性単量体(B1)を含むことで、露光及びポストベーク工程で均一且つ適切な硬化効果を得ることが出来、酸化防止剤添加による光硬化度低下現象を防ぐ事が可能となり、NMP(N―メチルー2―ピロリドン)耐性や形状に優れた感光性着色組成物とすることができる。
ウレタン結合部位の数が3個以上である光重合性単量体(B1)は、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得ることができる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレー、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
また、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
本発明の着色組成物に使用可能なウレタン結合部位の数が3個以上である光重合性単量体(B1)には、上述した多官能ウレタンアクリレートの他に、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させる際に、(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートとして得られなかった二重結合基を有する成分を他のモノマーとして含んでいてもよい。
ウレタン結合部位の数が3個以上である光重合性単量体(B1)のウレタン基数は、硬化後の塗膜中にて、NMP耐性が十分となり、配光膜成形工程での着色剤(A)の溶出を抑制し、画素表面の不良や色度変化による表示ムラの発生、配向不良等を防止できる観点から0.9×10−3mol/g以上であることが好ましい。より好ましくは0.95×10−3mol/g〜2.2×10−3mol/gである。
この範囲であると、加熱工程での着色性が低く、耐熱性の観点で好ましい。
また、二重結合基数は、露光感度が高く、現像工程での形状に優れる点から6.0×10−3mol/g以上であることが好ましい。より好ましくは8.0×10−3mol/g〜10.0×10−3mol/gである。この範囲であると、硬化収縮性も低く、残膜率の観点で好ましい。
ウレタン結合部位の数が3個以上である光重合性単量体(B1)の含有量は、光重合性単量体(B)中の40質量%〜90質量%が好ましく、より好ましくは50質量%〜90質量%であり、さらに好ましくは60質量%〜80質量%である。
なお、NMPによる着色剤(C)の溶出を抑制するため、ウレタン結合部位の数が3個以上である光重合性単量体(B1)の含有量が着色剤(A)100質量部に対して30〜250質量部であることが好ましく、より好ましくは、50〜230質量部である。特に、着色剤(C)100質量部に対し、光重合性単量体の含有量が150質量部以上である場合、NMP浸漬前後の色差が良好になるため好ましい。
[その他の光重合性単量体]
本発明の着色組成物には、ウレタン系光重合性単量体(B)以外の光重合性単量体を含んでもよい。
その他の単量体としては、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート、2−アクリロイルオキシエチルこはく酸、2−メタクリロイルオキシエチルこはく酸、2−アクリロイルオキシプロピルこはく酸、2−メタクリロイルオキシプロピルこはく酸、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートや、市販品として、2−アクリロイロキシエチルこはく酸、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等、酸性基を有する単量体、又は一部がラジカルにより重合が誘起される光重合性単量体等を上げることができる。
また、本発明の着色組成物は、互いにウレタン結合部位の数が異なる光重合性単量体(B1)を2種以上含むことが好ましい。また、前記互いにウレタン結合部位の数が異なる光重合性単量体(B1)は、ウレタン結合部位の数が3個以上であることが好ましい。
光重合性単量体(B1)のウレタン結合部位は、水素結合を形成できるため、被膜の架橋密度およびガラス転移温度(Tg)が向上し、光硬化および熱硬化による硬化収縮を抑制できる。また、互いにウレタン結合数が異なる光重合性単量体(B1)を2種以上含むことで、硬化後の被膜の表面シワをより抑制できる。また、その他の光重合性単量体を併用すると被膜の硬さを調整しやすい。
ウレタン系重合性単量体(B)の含有量は、光重合性単量体全量100質量%中、30〜100質量%でシワ抑制と現像残渣が良好となり、45〜55質量%がより好ましい。
本発明の光重合性単量体の含有量は、着色組成物の固形分100質量%中、好ましくは30質量%〜70質量%である。
<着色剤(C)>
着色剤(C)としては、有機又は無機の顔料を、単独で又は2種類以上混合して用いることができる。顔料のなかでは、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。以下に、本発明の実施形態による感光性着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
また、着色剤(C)には、耐熱性を低下させない範囲内で染料(Cx)や後述の色素誘導体を含有させることができる。
[顔料]
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276などを挙げることができる。これらの中でも、明度及び着色力の観点から、アゾ顔料、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、キノフタロン系、イソインドリン系、ペリノン系、ペリレン系、ベンズイミダゾロン系の色素が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド176、177、179、254、242、下記一般式(4)で表されるナフトールアゾ顔料が好ましい。
一般式(4)
Figure 2019066834
[一般式(4)中、Aは、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよい複素環基を表す。R1は、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR又はCOORを表す。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR、−COOR10、−CONHR11、−NHCOR12又はSO2NHR13を表す。R〜R13は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ただし、Rが−NHCOR12であり、A、R、R、R、及びRが水素原子、かつRがハロゲン原子の場合は除く。]
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができる。これらの中でも、明度及び着色力の観点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、又は15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6である。また、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等を用いることもでき、特にこれらに限定されない。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58、59、62、63を挙げることができる。これらの中でも、明度及び着色力の観点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36、58、59、62、63である。また、特開2008−19383号公報、特開2007−320986号公報、特開2004−70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料等を用いることもでき、特にこれらに限定されない。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、231などを挙げることができる。これらの中でも、明度及び着色力の観点から、好ましくはC.I.ピグメントイエロー138、139、150、185、231である。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などを挙げることができる。これらの中でも、明度及び着色力の観点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、又は23であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
橙色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ38、43、64、71、又は73等が上げられる。中でも、明度及び着色力の観点から、C.I.ピグメントオレンジ38、43及び64が好ましい。
ブラックマトリックスを形成するための黒色感光性着色組成物には、例えばカーボンブラック、アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、具体的にはC.I.ピグメントブラック1、6、7、12、20、31等を用いることができる。黒色感光性着色組成物には、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料の混合物を用いることもできる。黒色顔料としては、価格、遮光性の大きさからカーボンブラックが好ましく、カーボンブラックは、樹脂などで表面処理されていてもよい。また、色調を調整するため、黒色感光性着色組成物には、青色顔料や紫色顔料を併用することができる。
また、無機顔料としては、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、酸化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いられうる。
<ハロゲン化金属フタロシアニン>
着色剤(C)は、ハロゲン化金属フタロシアニンを含むことが好ましい。通常の金属フタロシアニンは1分子中に16個の水素原子を有しており、これらの水素原子を臭素原子又は塩素原子で置換したのがハロゲン化金属フタロシアニンである。ハロゲン化金属フタロシアニンの中心金属としては、銅、亜鉛又はアルミニウムが好ましい。
ハロゲン化金属フタロシアニンとして好ましくは、臭素化銅フタロシアニン、臭素化亜鉛フタロシアニン、下記一般式(2)で表されるアルミニウムフタロシアニン(PCY)であり、より好ましくは、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、又は下記一般式(2)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料(PCY)であり、特に好ましくは、下記一般式(2)で表されるアルミニウムフタロシアニンである。
[一般式(2)で表されるフタロシアニン顔料(PCY)]
一般式(2)
Figure 2019066834
[一般式(2)において、
Xは、ハロゲン原子を表し、nは、1〜16の整数を表す。但し、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値が1〜15であり、ハロゲン分布幅が2以上である。
Yは、−OP(=O)R、−OC(=O)R、又は−OS(=O)を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基、又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。
は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよい複素環基を表す。
は、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよい複素環基を表す。]
一般式(2)における「ハロゲン」としては、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素が挙げられ、臭素及び塩素が好ましい。また、使用するハロゲン原子の種類は、上記の置換数の平均値及び分布幅の範囲内であれば2種以上併用してもよい。特に、臭素及び塩素を併用することが、好ましい。
一般式(2)におけるXで表されるハロゲン原子の置換数の平均値は1〜15であり、色相、堅牢性の観点から好ましくは2〜12であり、より好ましくは1〜6未満であり、特に好ましくは1〜4である。またハロゲン分布幅は、2以上であり、4以上10以下が好ましい。ハロゲン分布幅が4以上10以下であると、フタロシアニン分子同士の会合が著しく抑制されやすくなり、分子同士の会合に起因する粒径の増大及びコントラストの低下の抑制に大きく寄与し、透過率が向上する。
ここで「ハロゲン分布幅」とは、一般式(2)で表されるフタロシアニン顔料に置換しているハロゲン数の分布である。ハロゲン分布幅は質量分析して得られたマススペクトラムにおいて、各成分に相当する分子イオンピークの信号強度(各ピーク値)と、各ピーク値を積算した値(全ピーク値)とを算出し、全ピーク値に対する各ピーク値の割合が1%以上のピークの数をカウントし、ハロゲン分布幅とした。
一般式(2)中、R及びRにおけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、ステアリル基、2−エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基が挙げられ、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
置換基を有するアルキル基の置換基としては、塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、メトキシ基等のアルコキシル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ニトロ基等が挙げられる。また、置換基は、複数あっても良い。したがって、置換基を有するアルキル基としては、例えば、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−ニトロプロピル基、べンジル基、4−メチルべンジル基、4−tert−ブチルべンジル基、4−メトキシべンジル基、4−ニトロべンジル基、2,4−ジクロロべンジル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R及びRにおけるアリール基としては、フェニル基、p−トリル基等の単環芳香族炭化水素基や、ナフチル基、アンスリル基等の縮合芳香族炭化水素基が挙げられ、単環芳香族炭化水素基が好ましい。また、炭素数6〜12のアリール基が好ましい。
置換基を有するアリール基の置換基としては、塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、アルコキシル基、アミノ基、ニトロ基等が挙げられる。また、置換基は、複数あっても良い。したがって、置換基を有するアリール基としては、例えば、p−ブロモフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−ジメチルアミノフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、4,5,8−トリクロロ−2−ナフチル基、アントラキノニル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R及びRにおけるアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−3−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基が挙げられ、炭素数1〜6のアルコキシル基が好ましい。
置換基を有するアルコキシル基の置換基としては、塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、アルコキシル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ニトロ基が挙げられる。また、置換基は、複数あっても良い。したがって、置換基を有するアルコキシル基としては、例えば、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、2,2−ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
一般式(2)中、R及びRにおけるアリールオキシ基としては、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基等の単環芳香族炭化水素基からなるアリールオキシ基や、ナフタルオキシ基、アンスリルオキシ基等の縮合芳香族炭化水素基からなるアリールオキシ基が挙げられ、単環芳香族炭化水素基からなるアリールオキシ基が好ましい。また、炭素数6〜12のアリールオキシ基が好ましい。
置換基を有するアリールオキシ基の置換基としては、塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、アミノ基、ニトロ基等が挙げられる。また、置換基は、複数あっても良い。したがって、置換基を有するアリールオキシ基としては、例えば、p−ニトロフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、2,4−ジクロロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2−メチル−4−クロロフェノキシ基等が挙げられる。
一般式(2)中、Rにおけるアルキル基、アリール基としては、一般式(2)のR及びRにおけるアルキル基、アリール基と同義である。
一般式(2)中、Rにおけるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、2,5−ジメチルシクロペンチル基、4−tert−プチルシクロヘキシル基等の単環脂肪族炭化水素基や、ボルニル基やアダマンチル基等の縮合脂肪族炭化水素基が挙げられる。また、炭素数5〜12のシクロアルキル基が好ましい。
置換基を有するシクロアルキル基の置換基としては、塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、アミノ基、ニトロ基等が挙げられる。また、置換基は、複数あっても良い。置換基を有するシクロアルキル基としては、例えば、2,5−ジクロロシクロペンチル基、4−ヒドロキシシクロヘキシル基等がある。
一般式(2)中、Rにおける複素環基としては、ピリジル基、ピラジル基、ピペリジノ基、ピラニル基、モルホリノ基、アクリジニル基等の脂肪族複素環基や芳香族複素環基が挙げられる。また、炭素数4〜12の複素環基が好ましく、環員数5〜13の複素環基が好ましい。
置換基を有する複素環基の置換基としては、塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、アミノ基、ニトロ基等が挙げられる。また、置換基は、複数あっても良い。置換基を有する複素環基としては、3−メチルピリジル基、N−メチルピペリジル基、N−メチルピロリル基等が挙げられる。
一般式(2)中、Rにおけるアルキル基、アリール基、複素環基としては、一般式(2)のR及びRにおけるアルキル基、アリール基、及び一般式(2)のRにおける複素環基と同義である。
一般式(2)で表されるフタロシアニン化合物としては、分散性や色特性の観点から、R及びRのうちの少なくとも1つが、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基であることが好ましく、R及びRがいずれもアリール基、又はアリールオキシ基であることがより好ましく、R及びRがいずれもフェニル基又はフェノキシ基であることがさらに好ましい。また、R及びRが、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基であることが好ましい。
本発明における、一般式(2)で表されるフタロシアニン化合物を[AlPc(Y)]Xn(4≦n≦16)(ただし、Pcはフタロシアニン環を、Xはハロゲン原子を、nは4〜16の整数を、それぞれ表す)で示した場合、一般式(2)の代表的な例として、[AlPc(Y)]Brn(4≦n≦16)、[AlPc(Y)]Cln(4≦n≦16)、[AlPc(Y)]In(4≦n≦16)、[AlPc(Y)]Fn(4≦n≦16)等が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。また例示化合物の環化異性体も本発明の好ましい例として含まれる。
一般式(2)におけるYの代表的な例として、下記に示す構造が挙げられるが(*は、一般式(2)中のAlとの置換基の結合位置を表す)、本発明は、これらに限定されるものではない。また例示化合物の環化異性体も本発明の好ましい例として含まれる。
Figure 2019066834
[一般式(20)で表されるキノフタロン化合物]
また、黄色顔料として、明度及び着色力の観点から、好ましくは一般式(20)で表されるキノフタロン化合物を用いることができる。
一般式(20)
Figure 2019066834
[一般式(20)中、X1〜X13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SOH基、−COOH基、−SOH基もしくは−COOH基の金属塩、−SOH基もしくは−COOH基のアルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、または置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。X1〜X4、および/または、X10〜X13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。]
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プチル基、イソプチル基、tert−プチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、ステアリル基、2−エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基の他、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−ニトロプロピル基、ペンジル基、4−メチルペンジル基、4−tert−プチルベンジル基、4−メトキシペンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプチルオキシ基、tert−プチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−3−ペントキシ、n−へキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基の他、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシ基、2,2−ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等の置換基を有するアルコキシル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等のアリール基の他、p−メチルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−アミノフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、4,5,8−トリクロロ−2−ナフチル基、アントラキノニル基、2−アミノアントラキノニル基等の置換基を有するアリール基が挙げられる。
また、酸性基としては、−SO3H、−COOHが挙げられ、これら酸性基の1価〜3価の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等が挙げられる。また、酸性基のアルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
置換基を有してもよいフタルイミドメチル基(C(CO)N−CH−)、および、置換基を有してもよいスルファモイル基(HNSO−)における「置換基」としては、上記のハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基等が挙げられる。
一般式(2)のX1〜X4、および/または、X10〜X13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。ここでいう芳香環とは、炭化水素芳香環および複素芳香環が挙げられ、炭化水素芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が、また、複素芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、キノリン環、キノキサリン環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環などが挙げられる。
一般式(20)で表されるキノフタロン化合物は、下記一般式(20A)〜(20C)のいずれかであることが好ましい。
一般式(20A)
Figure 2019066834
一般式(20C)
Figure 2019066834
[一般式(20A)〜(20C)中、X14〜X28、X29〜X43、X44〜X60は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SOH基、−COOH基、−SOHH基もしくは−COOH基の金属塩、−SOH基もしくは−COOH基のアルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、または置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。]
さらに、一般式(20A)〜(20C)のX14〜X28、X29〜X43、X44〜X60が、水素原子またはハロゲン原子あることがより好ましい。
一般式(20)で表されるキノフタロン化合物の具体例として、下記に示すキノフタロン化合物(a)〜(p)等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2019066834

Figure 2019066834
Figure 2019066834
一般式(2)で表されるフタロシアニン顔料に黄色色素を併用する場合には、黄色色素/一般式(2)で表されるフタロシアニン顔料の質量比が40/60〜90/10の範囲の場合、明度、色再現性が良好であるためより好ましい。
着色剤(C)の含有量は、本発明の実施形態によるカラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分100質量%中、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%、とくに好ましくは35質量%以上であれば、充分な色再現性が得られ、膜厚を薄くすることも可能である。また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、とくに好ましくは45質量%以下であれば、硬化材料である樹脂や光重合性単量体の含有量が適正になり、十分な硬化塗膜を得る事ができる。
[顔料の微細化]
本発明の感光性着色組成物に使用する着色剤が顔料の場合、ソルトミリング処理等により微細化することができる。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は5〜90nmの範囲であることが好ましい。5nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になり、90nmよりも大きくなると十分なコントラスト比を得ることができない。このような理由から、より好ましい平均一次粒子径は10〜70nmの範囲である。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50〜2000質量部用いることが好ましく、300〜1000質量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100質量部に対し、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対し、5〜200質量部の範囲であることが好ましい。
[染料(Cx)]
本発明の実施形態による着色組成物は、着色剤として、染料を用いることもできる。染料としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等のいずれも用いることができる。また、これらの誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料の形態であってもかまわない。
さらに、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料、直接染料の形態の場合は、酸性染料の無機塩や、酸性染料と四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、もしくは一級アミン化合物等の含窒素化合物との造塩化合物、又はこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることで耐性に優れたものとなるために、堅牢性に優れた着色組成物とすることができ、好ましい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、堅牢性に優れるため好ましく、より好ましくは、オニウム塩基を有する化合物が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂である場合である。
塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸もしくはその金属塩を用いて造塩化して用いることができる。塩基性染料の造塩化合物は耐性、顔料との併用性に優れているために好ましく、さらに塩基性染料と、カウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分である有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、又は酸性染料とを造塩した、造塩化合物を用いることがより好ましいものである。
また、色素骨格に重合性不飽和基を有する場合、耐性に優れた染料とすることができ、好ましい。
また、染料がオキセタン基を有する場合には、該染料を含む着色組成物は、硬化した後の耐熱性が優れる。オキセタン基を有する染料は、例えば染料を含む造塩化合物を構成する樹脂に、オキセタン構造を含むエチレン性不飽和単量体を用いることなどで達成することができる。オキセタン基を有することにより、該着色剤を含む着色組成物は、硬化した後の耐熱性が優れる。
一実施形態において、染料の化学構造としては、例えば、アゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、及びそれらの金属錯体系染料等から選ばれる染料に由来する色素構造を挙げることができる。
これらの色素構造の中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造がより好ましい。色素構造を形成しうる具体的な色素化合物については「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善、1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)、「色素ハンドブック」(大河原他編;講談社、1986)などに記載されている。
別の実施形態における染料としては、アゾ系染料、アゾ金属錯体系染料、アントラキノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、フタロシアニン系染料、メチン系染料、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、カチオン系染料、シアニン系染料、ニトロ系染料、キノリン系染料、ナフトキノン系染料、オキサジン系染料、ペリレン系染料、ジケトピロロピロール系染料、キナクリドン系染料、アンサンスロン系染料、イソインドリノン系染料、イソインドリン系染料、インダンスロン系染料、クマリン系染料、キナクリドン系染料、ピランスロン系染料、フラバンスロン系染料、ペリノン系染料等が挙げられるがこれらに限定されない。
さらに別の実施形態において使用できる有機染料としては、トリアリールメタン系、キサンテン系、及び、アントラキノン系が挙げられるが、なかでもキサンテン系を用いることが好ましい。
[キサンテン系染料]
好ましく用いることのできるキサンテン系染料は、赤色、紫色を呈するものであり、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料のいずれかの形態を有するものであることが好ましい。またこれらの染料をレーキ化したレーキ顔料の形態であってもかまわない。
これらの中でも、キサンテン系油溶性染料、キサンテン系酸性染料を用いることが色相に優れるために好ましい。
赤色、紫色を呈するものとしては、C.I.ソルベントレッド、C.I.ソルベントバイオレット等の油溶性染料、C.I.ベーシックレッド、C.I.ベーシックバイオレット等の塩基性染料、C.I.アシッドレッド、C.I.アシッドバイオレット等の酸性染料、C.I.ダイレクトレッド、C.I.ダイレクトバイオレット等の直接染料等、に属するものが挙げられる。
ここで直接染料は、構造中にスルホン酸基(−SO3H、−SO3Na)を有しており、本開示においては、直接染料は酸性染料として見なすものである。
また、キサンテン系塩基性染料は、有機酸や過塩素酸を用いて造塩化して用いることが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましい。中でもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸を用いることが耐性の面で好ましい。
また、キサンテン系酸性染料は、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、又はこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることが耐性の面で好ましい。
キサンテン系酸性染料の造塩化合物及び/又はキサンテン系酸性染料のスルホン酸アミド化合物は色相及び耐性に優れているために好ましく、さらにキサンテン系酸性染料を、カウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分である四級アンモニウム塩化合物を用いて造塩化した化合物、及びキサンテン系酸性染料をスルホンアミド化したスルホン酸アミド化合物を用いることがより好ましいものである。
また、キサンテン系色素の中でも、ローダミン系色素は発色性、耐性にも優れているために好ましい。
以下、キサンテン系色素の形態について具体的に詳述する。
〔キサンテン系油溶性染料〕
キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、C.I.ソルベントバイオレット10などがあげられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
〔キサンテン系塩基性染料〕
キサンテン系塩基性染料としては、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I.ベーシックバイオレット10(ローダミンB)等があげられる。中でも発色性に優れる点において、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックバイオレット10を用いることが好ましい。
〔キサンテン系酸性染料〕
キサンテン系酸性染料としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
また、キサンテン系染料としては、特開2010−032999号公報、特開2011−138094号公報、特開2011−227313号公報、特開2011−242752号公報、特開2012−107192号公報、特開2013−033194号公報、特願2011−71888号公報、特願2013−72263号公報、特願2013−81209号公報、特開2014−173064号公報、特願2013−53028号公報、特願2013−52186号公報、特開2014−196392号公報、特開2014−196393号公報、特開2014−201714号公報、特開2014−201715号公報、特開2013−050693号公報、特開2013−178478号公報、特開2013−203956号公報、国際公開第2013/011687号パンフレット等に記載されている公知技術を用いることができる。
[ジピロメテン系染料]
ジピロメテン系染料としては、ジピロメテン色素に由来する部分構造を、色素部位の部分構造として有する染料であり、ジピロメテン化合物、及びジピロメテン化合物と金属又は金属化合物とから得られるジピロメテン金属錯体化合物が好ましく、なかでも、一般式(6)で表わされる構造が金属原子又は金属化合物に配位した金属錯体化合物(以下、適宜「ジピロメテン金属錯体化合物」と称する。)が好ましい。
〔ジピロメテン金属錯体化合物〕
一般式(6)で表される構造が金属原子又は金属化合物に配位した金属錯体化合物(ジピロメテン金属錯体化合物)について説明する。
一般式(6)
Figure 2019066834
一般式(6)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は一価の置換基を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
金属又は金属化合物としては、錯体を形成可能な金属原子又は金属化合物であればいずれであってもよく、2価の金属原子、2価の金属酸化物、2価の金属水酸化物、又は2価の金属塩化物が含まれる。金属又は金属化合物には、例えば、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe、B等の他に、AlCl、InCl、FeCl、TiCl、SnCl、SiCl、GeClなどの金属塩化物、TiO、VO等の金属酸化物、Si(OH)等の金属水酸化物も含まれる。
これらの中でも、金属又は金属化合物としては、錯体の安定性、分光特性、耐熱、耐光性、及び製造適性等の観点から、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、B、又はVOが好ましく、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、B、又はVOが更に好ましく、Fe、Zn、Cu、Co、B、又はVOが最も好ましい。
このようなジピロメテン系染料としては、特開2008−292970号公報、特開2010−85758号公報、特開2010−84009号公報、特願2010−43530号公報、特開2013−080010号公報、特開2013−210596号公報、国際公開第2013/141156号パンフレット等に記載されている公知技術を用いることができる。
[トリフェニルメタン系色素]
トリフェニルメタン系染料骨格としては、ジアミノトリフェニルメタン系染料骨格、トリアミノトリフェニルメタン系染料骨格、OH基を有するロゾール酸系染料骨格等があげられる。トリアミノトリフェニルメタン系染料骨格は、色調に優れ、他のものよりも日光堅牢性に優れている点で好ましい。その中でも、塩基性染料であるジフェニルナフチルメタン染料骨格が特に好ましい。
〔トリフェニルメタン系塩基性染料〕
トリフェニルメタン系塩基性染料は、中心の炭素に対してパラの位置にあるNH2あるいはOH基が酸化によりキノン構造をとることによって発色するものである。NH、OH基の数によって以下3つの型に分けられるが、中でもトリアミノアリールメタン系の塩基性染料の形態であることが良好な青色、赤色、緑色を発色する点で好ましいものである。
a)ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
b)トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
c)OH基を有するロゾール酸系塩基性染料
トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料、ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料は色調が鮮明であり、他のものよりも日光堅牢性に優れ好ましいものである。
ブルー系のトリフェニルメタン系塩基性染料は、400〜440nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有しているために、とくに青色フィルタセグメントの形成用に用いた場合に、高い明度とすることができるために好ましいものである。
トリフェニルメタン系塩基性染料として具体的には、C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)等があげられる。
中でも明度の点から、C.I.ベーシック ブルー7を用いることが好ましい。
このようなトリフェニルメタン系染料としては、特開2002−014222号公報、特開2003−246935号公報、特開2003−246935号公報、特開2008−304766号公報、特開2010−256598号公報、特願2011−200560号公報、特開2011−186043号公報、特開2012−173399号公報、特開2012−233033号公報、特開2012−098522号公報、特願2012−288970号公報、特願2012−200469号公報、特開2014−196262号公報、国際公開第2010/123071号パンフレット、国際公開第2011/162217号パンフレット、国際公開第2013/108591号パンフレット等に記載されている公知技術を用いることができる。
一実施形態において、トリフェニルメタン系染料としては、C.I.アシッド バイオレット 15、C.I.アシッド バイオレット 17、C.I.アシッド バイオレット 19、C.I.アシッド バイオレット 21、C.I.アシッド バイオレット24、C.I.アシッド バイオレット 25、C.I.アシッドバイオレット 38、C.I.アシッド バイオレット 49、C.I.アシッド ブルー 1、C.I.アシッド ブルー 3、C.I.アシッド ブルー 5、C.I.アシッド ブルー 7、C.I.アシッド ブルー 9、C.I.アシッド ブルー 11、C.I.アシッド ブルー 13、C.I.アシッド ブルー 15、C.I.アシッドブルー 17、C.I.アシッド ブルー 22、C.I.アシッド ブルー 24、C.I.アシッド ブルー 26、C.I.アシッド ブルー 75、C.I.アシッド ブルー 83、C.I.アシッド ブルー 90、C.I.アシッド ブルー 93、C.I.アシッド ブルー 100、C.I.ベーシック ブルー 81、C.I.ベーシック ブルー 83を用いることが好ましい。
あるいは、トリアリールメタン系染料として、C.I.ベーシック バイオレット1、C.I.ベーシック バイオレット2、C.I.ベーシック バイオレット3、C.I.ベーシック バイオレット4、C.I.ベーシック バイオレット14、C.I.ベーシックブルー1、C.I.ベーシックブルー5、C.I.ベーシックブルー7、C.I.ベーシックブルー11、C.I.ベーシックブルー26が好ましく用いられうる。
[シアニン系染料]
シアニン系染料としては、分子内にシアニン骨格を含む色素部位を有する化合物であれば、制限無く用いることができる。
シアニン系染料としては、例えばC.I.ベーシックイエロー11、12、13、14、21、22、23、24、28、29、33、35、40、43、44、45、48、49、51、52、53、C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、27、35、36、37、45、48、49、52、53、66、68、C.I.ベーシックバイオレット7、15、16、20、21、39、40、C.I.ベーシックオレンジ27、42、44、46、C.I.ベーシックブルー62、63等が挙げられる。
その他、特開2014−224970、特開2013−261614等に記載されているシアニン系染料も用いることができる。
[アントラキノン系染料]
アントラキノン染料は、分子内にアントラキノン骨格を有する染料である。
アントラキノン染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー117、163、167、189、C.I.ソルベントオレンジ77、86、C.I.ソルベントレッド111、143、145、146、150、151、155、168、169、172、175、181、207、222、227、230、245、247、C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60、C.I.ソルベントブルー14、18、35、36、45、58、59、59:1、63、68、69、78、79、83、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139、C.I.ソルベントグリーン3、28、29、32、33、C.I.アシッドレッド80、C.I.アシッドグリーン25、27、28、41、C.I.アシッドバイオレット34、C.I.アシッドブルー25、27、40、45、78、80、112、C.I.ディスパースイエロー51、C.I.ディスパースバイオレット26、27、C.I.ディスパースブルー1、14、56、60、C.I.ダイレクトブルー40、C.I.モーダントレッド3、11、C.I.モーダントブルー8等が挙げられる。また、特開平9−291237号公報、国際公開第2003/080734号パンフレット、国際公開第2006/024617号パンフレット、特開2011−174987号公報、特開2013−53273号公報等に記載のアントラキノン染料を公知技術として用いることができる。アントラキノン染料は、有機溶媒に溶解するものが好ましく、青色、バイオレット色又は赤色のアントラキノン染料がより好ましい。アントラキノン染料としては、C.I.ソルベントブルー35、C.I.ソルベントブルー45、C.I.アシッドブルー80、C.I.ソルベントブルー104、及びC.I.ソルベントブルー122が明度やコントラストの観点で好ましい。
一実施形態では、アントラキノン系染料として、C.I.アシッドバイオレット 29、C.I.アシッド バイオレット 31、C.I.アシッド バイオレット 33、C.I.アシッド バイオレット 34、C.I.アシッド バイオレット 36、C.I.アシッド バイオレット 39、C.I.アシッド バイオレット 43、C.I.アシッド バイオレット 48、C.I.アシッド バイオレット 63、C.I.アシッド バイオレット 109、C.I.アシッド ブルー 25、C.I.アシッド ブルー 27、C.I.アシッド ブルー 41、C.I.アシッド ブルー 45、C.I.アシッド ブルー 62、C.I.アシッド ブルー 80、C.I.アシッド ブルー 127、C.I.アシッド ブルー 129、C.I.アシッド ブルー 145、C.I.アシッド ブルー 225、C.I.アシッド ブルー 230、C.I.アシッド ブルー 260、C.I.アシッド ブルー 264、C.I.アシッド ブルー 277、C.I.アシッド ブルー 281、C.I.アシッド ブルー 324、又はC.I.アシッド ブルー 350を用いることが好ましい。
[造塩染料]
(酸性性染料とカチオン性カウンターの造塩化合物)
酸性染料(キサンテン系に限らない)は、酸性染料と含窒素化合物との造塩化合物(以下、造塩染料ともいう)であることが好ましく、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、又はこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化し、酸性染料の造塩化合物とすることで、高い耐熱性、耐光性、耐溶剤性を付与することができるために好ましい。酸性染料は、スルホンアミド化によっても高い耐熱性、耐光性、耐溶剤性を付与することができる。
また、酸性染料と、オニウム塩基を有する化合物との造塩化合物であってもよく、なかでも、オニウム塩基を有する化合物が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂であることにより、明度及び耐性に優れた着色組成物とすることが出来る。
一級アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン(ラウリルアミン)、トリドデシルアミン、テトラデシルアミン(ミリスチルアミン)、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ココアルキルアミン、牛脂アルキルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、アリルアミン等の脂肪族不飽和1級アミン、アニリン、ベンジルアミン等が挙げられる。
二級アミン化合物としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジアリルアミン等の脂肪族不飽和2級アミン、メチルアニリン、エチルアニリン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジココアルキルアミン、ジ硬化牛脂アルキルアミン、ジステアリルアミン等が挙げられる
三級アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリベンジルアミン等が挙げられる。
(四級アンモニウム塩化合物)
本発明の実施形態に用いる有機染料が酸性染料の場合、酸性染料と四級アンモニウム塩化合物とからなる造塩化合物(a)として用いることが好ましい。酸性染料のカウンタ成分としての四級アンモニウム塩化合物について説明する。四級アンモニウム塩化合物は、アミノ基を有することで酸性染料のカウンタになるものである。
造塩化合物(a)のカウンタ成分である四級アンモニウム塩化合物の好ましい形態は、無色、又は白色を呈するものである。ここで無色、又は白色とはいわゆる透明な状態を意味し、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において、透過率が95%以上、好ましくは98%以上となっている状態と定義されるものである。すなわち染料成分の発色を阻害しない、色変化を起こさないものであることが好ましい。
四級アンモニウム塩化合物のカチオン成分であるカウンタ部分の分子量は190〜900の範囲であることが好ましい。ここでカチオン部分とは、下記一般式(3)中の(NR)+の部分に相当する。分子量が190よりも小さいと耐光性、耐熱性が低下してしまい、さらに溶剤への溶解性が低下してしまい得る。また分子量が900よりも大きくなると分子中の発色成分の割合が低下してしまい、発色性が低下し、明度も低下してしまい得る。より好ましくはカウンタ部分の分子量が240〜850の範囲である。特に好ましいのは、カウンタ部分の分子量が350〜800の範囲である。ここで分子量は構造式を基に計算を行ったものであり、Cの原子量を12、Hの原子量を1、Nの原子量を14とした。
四級アンモニウム塩化合物として以下一般式(3)で表されるものが用いられうる。
一般式(3)
Figure 2019066834
(一般式(3)中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基又はベンジル基を示し、R、R、R及びRの少なくとも2つ以上が炭素数5〜20個である。Yは無機又は有機のアニオンを表す。)
〜Rの少なくとも2つ以上の炭素数を5〜20個とすることで、溶剤に対する溶解性が良好なものとなる。炭素数が5より小さいアルキル基が3つ以上になると溶剤に対する溶解性が悪くなり、塗膜異物が発生しやすくなってしまう。また炭素数が20を超えてしまうアルキル基が存在すると造塩化合物の発色性が損なわれてしまう。
アニオンを構成するYの成分は、無機又は有機のアニオンであればよいが、ハロゲンであることが好ましく、通常は塩素である。
四級アンモニウム塩化合物としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド、ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド(硬化牛脂)等が挙げられる。
具体的な四級アンモニウム塩化合物の製品としては、例えば花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB−50等、ライオン社製のアーカード210−80E、2C−75、2HT−75、2HTフレーク、2O−75I、2HP−75、2HPフレーク等があげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)、アーカード2HT−75(ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド)が挙げられる。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂)
本発明の実施形態に用いる有機染料が酸性染料の場合、酸性染料と側鎖にカチオン性基を有する樹脂とからなる造塩化合物(a’)として用いることも好ましい。本発明の実施形態に用いる造塩化合物(a’)を得るための、側鎖にカチオン性基を有する樹脂について説明する。
造塩化合物を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩基を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
造塩化合物(a’)を含むカラーフィルタ用青色着色組成物を調製し、カラーフィルタとしての特性を発現させる場合は、カラーフィルタ用青色着色組成物を構成するバインダー樹脂と同種の樹脂を使用することが好ましい。本発明の一実施形態では、カラーフィルタ用感光性着色組成物にバインダー樹脂として、アクリル系樹脂が好ましく用いられることから、造塩化合物(a’)を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂はアクリル系樹脂であることが好ましい。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては、下記一般式(5)で表わされる構造単位を含むアルカリ樹脂が用いられ得る。一般式(5)中のカチオン性基が、キサンテン系酸性染料のアニオン性基と塩形成することで、造塩化合物を得ることができる。
一般式(5)
Figure 2019066834
[一般式(5)中、R51は水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R52〜R54は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基を表し、R52〜R54のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R55−、−COO−R55−を表し、R55はアルキレン基を表す。Y−は無機又は有機のアニオンを表す。]
51におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
51で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。上記の中でも、R51としては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
一般式(5)中、R52〜R54としては、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
ここで、R52〜R54におけるアルキル基としては、例えば、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル及び1,1,3,3−テトラメチルブチル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)及び架橋環式アルキル基(ノルボルニル、アダマンチル及びピナニル等)が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
52〜R54におけるアルケニル基としては、例えば、直鎖又は分岐のアルケニル基(ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル及び2−メチル−2−プロぺニル等)、シクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル及び3−シクロヘキセニル等)が挙げられる。該アルケニル基としては、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基である。
52〜R54におけるアリール基としては、例えば、単環式アリール基(フェニル等)、縮合多環式アリール基(ナフチル、アントラセニル、フェナンスレニル、アントラキノリル、フルオレニル及びナフトキノリル等)及び芳香族複素環炭化水素基(チエニル(チオフェンから誘導される基)、フリル(フランから誘導される基)、ピラニル(ピランから誘導される基)、ピリジル(ピリジンから誘導される基)、9−オキソキサンテニル(キサントンから誘導される基)及び9−オキソチオキサンテニル(チオキサントンから誘導される基)等)が挙げられる。
52〜R54で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、及びフェニル基等から選択される置換基が挙げられる。該置換基としては、中でも、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、フェニル基が特に好ましい。
52〜R54としては、安定性の観点から置換されていてもよいアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基が更に好ましい。
また、R52〜R54のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
一般式(5)中、ビニル部位とアンモニウム塩基を連結するQの成分はアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R55−、−COO−R55−を表し、R55はアルキレン基を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R55−、−COO−R55−であることが好ましい。また、R55がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
当該樹脂の対アニオンを構成する一般式(5)中におけるY−の成分は、無機又は有機のアニオンであればよい。対アニオンとしては、公知のものが制限なく採用でき、具体的には、水酸化物イオン;塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン;ギ酸イオン、酢酸イオン等のカルボン酸イオン;炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、クロム酸イオン、ニクロム酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、過マンガン酸イオン、さらには、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオンのような錯体イオン等が挙げられる。合成適性や安定性の点からは、ハロゲンイオン及びカルボン酸イオンが好ましく、ハロゲンイオンが最も好ましい。対アニオンがカルボン酸イオン等の有機酸イオンである場合は、樹脂中に有機酸イオンが共有結合し、分子内塩を形成していてもよい。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂中に、オキセタン基を導入する1つの方法は、オキセタン構造を含有するエチレン性不飽和単量体を、一般式(5)で表されるカチオン性基に対応するエチレン性不飽和単量体と共重合する方法である。
オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−ブチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−ヘキシルチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート等を挙げることが出来る。
市販品としては、例えば、ETERNACOLL OXMA(宇部興産社製)、OXE−10、OXE−30(以上、大阪有機化学工業社製)などが挙げられる。
(塩形成)
酸性染料と、含窒素化合物又は側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物は、従来知られている方法により製造することができる。特開平11−72969号公報などに具体的な手法が開示されている。
キサンテン系酸性染料を用いて一例をあげると、キサンテン系酸性染料を水に溶解した後、四級アンモニウム塩化合物を添加、攪拌しながら造塩化処理を行なえばよい。ここでキサンテン系酸性染料中のスルホン酸基(−SOH)、スルホン酸ナトリウム基(−SONa)の部分と四級アンモニウム塩化合物のアンモニウム基(NH4+)の部分が結合した造塩化合物が得られる。また水の代わりに、メタノール、エタノールも造塩化時に使用可能な溶媒である。
また、造塩化合物は、一般式(5)で表わされる側鎖にカチオン性基を有する樹脂と、酸性染料とを溶解させた水溶液を攪拌又は振動させるか、あるいは一般式(5)で表わされる側鎖にカチオン性基を有する樹脂の水溶液と酸性染料の水溶液とを攪拌又は振動下で混合させることにより、容易に得ることができる。水溶液中で、樹脂のアンモニウム基と酸性染料のアニオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり析出する。逆に、樹脂の対アニオンと酸性染料の対カチオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用する側鎖にカチオン性基を有する樹脂、及び酸性染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、その他の酸性染料においても、キサンテン系染料と同様の手法で、含窒素化合物又は側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物を得ることができる。
(スルホン酸アミド化合物)
酸性染料は、スルホン酸アミド化合物と、アニオン性染料とを反応させて得られたスルホン酸アミド化合物であっても構わない。
酸性染料に好ましく用いることのできる酸性染料のスルホン酸アミド化合物は、−SOH、−SONaを有する酸性染料を常法によりクロル化して、−SOHを−SOClとし、この化合物を、−NH基を有するアミンと反応して製造することができる。
また、スルホンアミド化において好ましく使用できるアミン化合物としては、具体的には、2−エチルへキシルアミン、ドデシルアミン、3−デシロキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、シクロへキシルアミン等を用いることが好ましい。
キサンテン系酸性染料を用いて一例をあげると、C.I.アシッドレッド289を3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合は、C.I.アシッドレッド289をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド289のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。
また、C.I.アシッドレッド52を3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合も、C.I.アシッドレッド52をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド52のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。
また、その他の酸性染料においても、キサンテン系染料と同様の手法でスルホン酸アミド化合物を得ることができる。
(塩基性染料とアニオン性カウンターの造塩化合物)
また、塩基性染料の場合、有機酸や過塩素酸もしくはその金属塩を用いて造塩化して用いることができる。中でも、塩基性染料の造塩化合物が耐性、顔料との併用性に優れているために好ましく、さらに塩基性染料と、カウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分である有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、又は酸性染料とを造塩した、造塩化合物を用いることがより好ましいものである。
具体的にはヘテロポリ酸や、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸等の有機スルホン酸、脂肪族硫酸、芳香族硫酸等の有機硫酸、芳香族カルボン酸、脂肪酸などの有機カルボン酸といった有機酸、又は酸性染料の形態を有するものである。又はそれらの金属塩であってもよい。また、酸基を有する樹脂との造塩化合物も好ましい。
(塩形成)
これらの塩基性染料とアニオン性カウンターとの造塩化合物は従来知られている方法により合成することができる。特開2003−215850号公報などに具体的な手法が開示されている。
一例をあげると、トリアリールメタン系塩基性染料を水に溶解した後、有機スルホン酸や(有機スルホン酸ナトリウム)溶液を添加、攪拌しながら造塩化処理を行なえばよい。ここでトリアリールメタン系塩基性染料中のアミノ基(−NHC)の部分と有機スルホン酸のスルホン酸基(−SOH)の部分が結合した造塩化合物が得られる。
ここで有機スルホン酸は造塩処理を行う前に、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液に溶解させ、スルホン酸ナトリウムの形態(−SONa)として用いることもできる。本開示において、スルホン酸基(−SOH)とスルホン酸ナトリウムである官能基(−SONa)は区別されずに言及され得る。
<溶剤>
感光性着色組成物は、着色剤(C)を充分に樹脂(X)やウレタン系光重合性単量体(B)などの色素担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布してフィルタセグメントやブラックマトリックスを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
溶剤は、感光性着色組成物中の着色剤(C)100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは500〜5000質量部の量で用いることができる。
<その他の成分>
<増感剤>
さらに、本発明の実施形態による感光性着色組成物には、増感剤を含有させることができる。増感剤の含有量は、感光性着色組成物中の光重合開始剤(A)100質量部に対して、1〜200質量部の量で用いることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、ミヒラーケトン誘導体等が挙げられる。
さらに具体例には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられる。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
上記増感剤の中で、一般式(1)で表される化合物を特に好適に増感しうる増感剤としては、チオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が挙げられる。さらに具体的には、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N−エチルカルバゾール、3−ベンゾイル−N−エチルカルバゾール、3,6−ジベンゾイル−N−エチルカルバゾール等が用いられうる。
増感剤は、任意の比率で二種以上の増感剤を含んでいてもかまわない。
<シランカップリング剤>
感光性着色組成物は、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることができる。シランカップリング剤による密着性が向上することにより、細線の再現性が良好となり解像度が向上する。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。
シランカップリング剤は、感光性着色組成物中の着色剤(C)100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の量で用いることができる。
<多官能チオール>
感光性着色組成物は、多官能チオールを含有することができる。多官能チオールは、チオール(SH)基を2個以上有する化合物である。
多官能チオールは上述の光重合開始剤(A)とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる感光性着色組成物は高感度となる。特にSH基がメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。
例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、着色剤(C)100質量部に対して0.05〜100質量部が好ましく、より好ましくは1.0〜50.0質量部である。
多官能チオールを0.05質量部以上用いることで、より良い現像耐性を得ることができる。チオール(SH)基が1個の単官能チオールを用いた場合には、このような現像耐性の向上は得られない。
<酸化防止剤>
感光性着色組成物は、酸化防止剤を含有できる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用感光性着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、又は、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、及びトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤又はイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、又はリン系酸化防止剤である。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、感光性着色組成物の固形分質量を基準(100質量%)として、0.5〜5.0質量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
<紫外線吸収剤、重合禁止剤>
感光性着色組成物は、紫外線吸収剤又は重合禁止剤を含有することができる。紫外線吸収剤又は重合禁止剤を含有することで、パターンの形状と解像性を制御することができる。紫外線吸収剤としては、例えば2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(ドデシル及びトリデシル)オキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のヒドロキシフェニルトリアジン系、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート等のサリチレート系、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(トリアセトン−アミン−N−オキシル)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]等のヒンダードアミン系等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。また、重合禁止剤としては、例えばメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、4−ベンゾキノン、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、t−ブチルカテコールなどのハイドロキノン誘導体及びフェノール化合物、フェノチアジン、ビス−(1−ジメチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン等のアミン化合物、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸マンガン、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン等の銅及びマンガン塩化合物、4−ニトロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソシクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等のニトロソ化合物及びそのアンモニウム塩又はアルミニウム塩等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
紫外線吸収剤及び重合禁止剤は、着色組成物中の着色剤(C)100質量部に対して、0.01〜20質量部、好ましくは0.05〜10質量部の量で用いることができる。
紫外線吸収剤又は重合禁止剤を0.01質量部以上用いることで、より良い解像度を得ることができる。
<貯蔵安定剤>
感光性着色組成物は、貯蔵安定剤を含有することができる。貯蔵安定剤を含有することで、組成物の経時粘度を安定化させることができる。貯蔵安定剤としては、例えば2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、ペンタエリスチリル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)1,3,5−トリアジン等のヒンダードフェノール系、テトラエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルフォスフィン等の有機ホスフィン系、ジメチルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルジチオリン酸亜鉛、ジブチルジチオリン酸モリブデン等の亜リン酸塩系、ドデシルスルフィド、ベンゾチオフェンなどのイオウ系、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いうる。
貯蔵安定剤は、着色組成物中の着色剤(C)100質量部に対して、0.01〜20質量部、好ましくは0.05〜10質量部の量で用いることができる。
貯蔵安定剤を0.01質量部以上用いることで、感光性着色組成物の経時安定性が向上する。
また、感光性着色組成物は、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
感光性着色組成物は、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を含むことができる。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全質量100質量部に対し、0.003〜1.0質量部用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<カラーフィルタ用感光性着色組成物の製造方法>
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物は、着色剤を分散助剤を用いて、バインダー樹脂などの着色剤担体及び/又は溶剤中に、必要に応じてニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(着色剤分散体)。このとき、2種以上の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂は、着色剤分散体を調製する段階で加えてもよく、調製した着色剤分散体に後から加えても同様の効果が得られるが、着色組成物の安定性の観点から感光性着色組成物を調整する段階で加える方が好ましい。
染料等、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。この場合、分散助剤は、染料等を溶解した着色剤溶液に添加、混合するだけで用いることもできる。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記着色剤分散体と、光重合性単量体及び/又は光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の顔料分散剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
<分散助剤>
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、樹脂型分散剤、色素誘導体、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度及び粘度安定性が良好になる。
[樹脂型分散剤]
樹脂型分散剤としては、添加着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
(塩基性樹脂型分散剤)
本発明で使用する分散剤としては、塩基性官能基を有する塩基性樹脂型分散剤が好ましく、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体及びウレタン系高分子分散剤などが好ましい。樹脂型分散剤は、着色剤全量に対して5〜200質量%程度使用することが好ましく、成膜性の観点から10〜100質量%程度使用することがより好ましい。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミ−・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2009、2010、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、2163、2164またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ル−ブリゾ−ル社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、56000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスパ−PA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が好ましい。
(酸性樹脂型分散剤)
また、本発明で使用する樹脂型分散剤としては、酸性樹脂型分散剤も好適に用いることができる。本発明で使用する樹脂型分散剤としては、カルボキシル基を有する樹脂型分散剤として、下記(S1)又は(S2)を含有することも好ましい。
(S1)水酸基を有する重合体の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物である樹脂型分散剤。
(S2)水酸基を有する化合物の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を重合した重合体である樹脂型分散剤。
≪樹脂型分散剤(S1)≫
樹脂型分散剤(S1)は、WO2008/007776号公報、特開2008−029901号公報、特開2009−155406号公報等の公知の方法で製造することができる。水酸基を有する重合体(p)は、末端に水酸基を有する重合体であることが好ましく、例えば、水酸基を有する化合物(q)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体として得ることができる。水酸基を有する化合物(q)としては、分子内に水酸基とチオール基を有する化合物であることが好ましい。末端の水酸基は複数であることが好ましいため、中でも、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)が好適に用いられる。
すなわち、より好ましい一例である、片末端に2つの水酸基を有する重合体は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)の存在下に、単量体(r1)を含むエチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体(p1)として得ることができる。水酸基を有する重合体(p)の水酸基は、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基と反応してエステル結合を形成する一方、無水環は開環し、カルボン酸を生じる。
≪樹脂型分散剤(S2)≫
樹脂型分散剤(S2)は、特開2009−155406号公報、特開2010−185934号公報、特開2011−157416号公報等の公知の方法で製造することができ、例えば、水酸基を有する化合物(q)の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体(r)を重合することで得られる。中でも、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、単量体(r1)を含むエチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体であることが好ましい。
(S1)と(S2)は、エチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体部位の導入を先に行うか後で行うかの違いである。諸条件により分子量等が若干異なることがあるが、原料と反応条件が同じであれば、理論上は同じものができる。
本発明の着色組成物は、塩基性樹脂型分散剤および酸性樹脂型分散剤を含むことが好ましい。
[色素誘導体]
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドン又はトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、又は置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開2001−335717号公報、特開2003−128669号公報、特開2004−091497号公報、特開2007−156395号公報、特開2008−094873号公報、特開2008−094986号公報、特開2008−095007号公報、特開2008−195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の含有量は、分散性向上の観点から、着色剤100質量部に対し、好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上、最も好ましくは3質量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは35質量部以下である。
[界面活性剤]
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
界面活性剤を添加する場合には、着色剤100質量部に対し、好ましくは0.1〜55質量部、さらに好ましくは0.1〜45質量部である。界面活性剤の含有量が、0.1質量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55質量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、基材(以下、透明基板ともいう)、カラーフィルタ用感光性着色組成物を用いて形成されるフィルタセグメント、およびブラックマトリックスを備える。
カラーフィルタは、透明基板上に、本発明の感光性着色組成物から形成されるフィルタセグメント又はブラックマトリックスを備えるものであり、一般的なカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、及び少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備、又は少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、及び少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを具備しうる。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられうる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。フィルタセグメント及びブラックマトリックスの乾燥膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。
フォトリソグラフィー法による各色フィルタセグメント及びブラックマトリックスの形成は、下記の方法で行いうる。すなわち、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。
その後、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成してフィルタセグメント及びブラックマトリックスを形成することができる。さらに、現像により形成されたフィルタセグメント及びブラックマトリックスの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いフィルタセグメント及びブラックマトリックスが形成できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記感光性着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
<液晶表示装置>
本明細書の液晶表示装置は、カラーフィルタを備えることが好ましい。また、液晶表示装置は、カラーフィルタと、光源とを備えることがより好ましい。光源としては、冷陰極管(CCFL),白色LEDが挙げられるが、本発明においては赤の再現領域が広がるという点で、白色LEDを使用することが好ましい。以下、図1を基に液晶表示装置の一例を説明する。液晶表示装置10は、離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶LCが封入されている。
液晶LCは、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In-Plane switching)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等の駆動モードに応じて配向される。第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスター)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。
また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、バックライトユニット30が設けられている。
白色LED光源としては、青色LEDの表面に蛍光フィルタを形成したものや、青色LEDの樹脂パッケージに蛍光体を含有させたものがあり、430nm〜485nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ3)を有し、530nm〜580nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ4)を有し、600nm〜650nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ5)を有し、かつ波長λ3における発光強度I3と波長λ4における発光強度I4の比(I4/I3)が0.2以上0.4以下であり、波長λ3における発光強度I3と波長λ5における発光強度I5の比(I5/I3)が0.1以上1.3以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED1)や、430nm〜485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長(λ1)を有し、530nm〜580nmの範囲内に第2の発光強度のピーク波長(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.2以上0.7以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED2)が好ましい。
LED1としては、具体的にはNSSW306D−HG−V1(日亜化学社製)、NSSW304D−HG−V1(日亜化学社製)等が挙げられる。
LED2としては、具体的にはNSSW440(日亜化学社製)、NSSW304D(日亜化学社製)等が挙げられる。
以下に、実施例により本発明を説明する。なお、実施例中の「部」及び「%」とは、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。また、「PGMAc」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
(樹脂の質量平均分子量(Mw))
樹脂の質量平均分子量(Mw)は、装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとしてTSK−GEL SUPER HZM−Nを2連でつなげて使用し、溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
(樹脂のアンモニウム塩価)
樹脂のアンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、固形分のアンモニウム塩価を表す。
(フタロシアニンの同定)
フタロシアニンの同定は、飛行時間型質量分析装置(autoflexIII(TOF−MS)、ブルカー・ダルトニクス社製)を用いて得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致、並びに、元素分析装置(2400CHN元素分析装置、パーキン・エルマー社製)を用いて得られる炭素、水素及び窒素の比率と、理論値との一致により行った。
(ハロゲン原子の置換数の平均値)
ハロゲン原子の置換数の平均値は、顔料を酸素燃焼フラスコ法にて燃焼させ、該燃焼物を水に吸収させた液体を、イオンクロマトグラフ(ICS−2000イオンクロマトグラフィー、DIONEX社製)により分析してハロゲン量を定量し、ハロゲン原子の置換数の平均値に換算することで得た。
(顔料中のハロゲン分布幅)
ハロゲン分布幅は、飛行時間型質量分析装置(autoflexIII(TOF−MS)、ブルカー・ダルトニクス社製)を用いて得られたマススペクトラムにおいて、各成分に相当する分子イオンピークの信号強度(各ピーク値)と、各ピーク値を積算した値(全ピーク値)とを算出し、全ピーク値に対する各ピーク値の割合が1%以上のピークの数をカウントし、ハロゲン分布幅とした。
(体積平均一次粒子径(MV))
体積平均一次粒子径(MV)は、日立ハイテクノロジーズ社製透過型電子顕微鏡(TEM)「H−7650」と下記計算式によって求めた。まず、TEMによって着色剤粒子を撮影した。得られた画像にて、顔料又は着色剤粒子の任意の100個を選び、その一次粒子の短軸径と長軸径の平均値を着色剤粒子の粒径(d)とした。次いで、個々の顔料又は着色剤について、先に求めた粒径(d)を有する球とみなして、それぞれ粒子の体積(V)を求めた。この作業を100個の顔料又は着色剤粒子について行い、そこから下記式(1)を用いて算出した。
式(1) MV=Σ(V・d)/Σ(V)
以下に、実施例により本発明の実施形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<アルミニウムフタロシアニン顔料前駆体の製造>
(フタロシアニン顔料前駆体(P−1)の製造)
反応容器中で、n−アミルアルコール1250部にフタロジニトリル225部と塩化アルミニウム無水物78部を混合攪拌した。これに、DBU(1,8−Diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)266部を加え、昇温し、136℃で5時間還流した。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5000部、水10000部からなる混合溶媒中へ攪拌しながら注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2000部、水4000部からなる混合溶媒で洗浄し、乾燥して、135部のクロロアルミニウムフタロシアニン(P−1)を得た。
得られたクロロアルミニウムフタロシアニンについて元素分析を行ったところ、計算値(C)66.85%、(H)2.80%、(N)19.49%に対して、実測値(C)66.7%、(H)3.0%、(N)19.2%であり、目的の化合物であることを同定した。
Figure 2019066834
(フタロシアニン顔料前駆体(P−2)の製造)
反応容器中で、クロロアルミニウムフタロシアニン(P−1)100部をゆっくり濃硫酸1200部に、室温にて加えた。40℃、3時間撹拌して、3℃の冷水24000部に硫酸溶液を注入した。青色の析出物をろ過、水洗、乾燥して、92部のヒドロキシアルミニウムフタロシアニン(P−2)を得た。
Figure 2019066834
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−1)の製造)
反応容器中で、濃硫酸1500部に、クロロアルミニウムフタロシアニン(P−1)100部を氷浴下にて加えた。その後、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)40部を徐々に加え、25℃で6時間撹拌を行った。続けて、この硫酸溶液を3℃の冷水9000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、125部のフタロシアニン顔料(CP−1)を得た。
得られたフタロシアニン顔料(CP−1)について臭素置換数を算出したところ、平均1.8個であり、マススペクトラムからも同一の分子量に相当するピークを確認し、目的の化合物であることを同定した。またハロゲン分布幅は3であった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−2)の製造)
上記フタロシアニン顔料(CP−1)の製造において、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)40部をN−ブロモスクシンイミド(NBS)80部に変更した以外は、(CP−1)と同様にして、143部のフタロシアニン顔料(CP−2)を製造した。Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表1の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−3、CP−4)の製造)
上記フタロシアニン顔料(CP−1)の製造において、DBDMHの量を表1に記載した条件に変更した以外は、(CP−1)と同様にして、それぞれ143部のフタロシアニン顔料(CP−3、CP−4)を得た。Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表1の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−5)の製造)
反応容器中で、塩化アルミニウム406部、塩化ナトリウム94部及び塩化第二鉄10部を加温して溶融し、さらに140℃で、クロロアルミニウムフタロシアニン(P−1)100部を加えた。160℃に昇温して塩素20部を吹き込んだ。水5000部に上記反応液を注入し、濾過、温水洗浄、1%塩酸水溶液洗浄、温水洗浄、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、温水洗浄の順で処理をし、その後、乾燥して粗製塩素化アルミニウムフタロシアニン160部を得た。
得られた粗製塩素化アルミニウムフタロシアニンを濃硫酸1200部に溶解し、50℃で3時間撹拌した。次いで、水7200部に撹拌しながら溶解液を注ぎ入れ、70℃に加熱して、濾過、温水洗浄、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、温水洗浄、乾燥して152部のフタロシアニン顔料(CP−5)を得た。Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表1の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−6、CP−7)の製造)
上記フタロシアニン顔料(CP−5)の製造において、塩素の量を表1に記載した条件に変更した以外は、(CP−5)と同様にして、それぞれ168部のフタロシアニン顔料(CP−6、CP−7)を得た。Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表1の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−8)の製造)
上記フタロシアニン顔料(CP−1)の製造において、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)40部を1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)45部及びN−クロロスクシンイミド(NCS)45部に変更した以外は、(CP−1)と同様にして141部のフタロシアニン顔料(CP−8)を得た。Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表1の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−9)の製造)
上記フタロシアニン顔料(CP−1)の製造において、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)40部を1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン(DIDMH)120部に変更した以外は、(CP−1)と同様にして135部のフタロシアニン顔料(CP−9)を得た。Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表1の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−10)の製造)
反応容器に、濃硫酸500部、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン(P−2)50部、N−ブロモスクシンイミド(NBS)99.1部を加え撹拌し、20℃、3時間、反応させた。その後、3℃の氷水5000部に上記反応混合物を注入し、析出した固体をろ取し、水洗した。ビーカーに2.5%水酸化ナトリウム水溶液500部、ろ取した残渣を加え、80℃、1時間撹拌した。その後、この混合物をろ取、水洗、乾燥して、フタロシアニン顔料(CP−10)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表2の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−11)の製造)
上記フタロシアニン顔料(CP−10)の製造において、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン(P−2)50部をクロロアルミニウムフタロシアニン(P−1)50部に、NBS99.1部を1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)104.4部に、反応時間を3時間から4時間に変更した以外は、(CP−10)と同様にして、フタロシアニン化合物(CP−11)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表2の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−12)の製造)
上記フタロシアニン顔料(CP−11)の製造において、DBDMHの量を表2に記載した条件にそれぞれ変更した以外は、(CP−11)と同様にして、フタロシアニン化合物(CP−12)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表2の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−13)の製造)
反応容器に、臭化アルミニウム203部、臭化ナトリウム47部及び臭化第二鉄5部を加温して溶融し、140℃でヒドロキシアルミニウムフタロシアニン(P−2)50部を加えた。160℃に昇温して臭素173.7部を吹き込みながら、160℃にて6時間反応させた。3℃の氷水2500部に上記反応混合物を注入し、析出した固体をろ取し、水洗した。残渣を1%塩酸水溶液、温水、1%水酸化ナトリウム水溶液洗、温水の順で洗浄し、その後、乾燥して臭素化アルミニウムフタロシアニン98部を得た。得られた粗製臭素化アルミニウムフタロシアニンを濃硫酸980部に溶解し、50℃で3時間撹拌した。その後、3℃の氷水9800部に上記硫酸溶液を注入し、析出した固体をろ取、水洗し、乾燥させた。次いでビーカーに2.5%水酸化ナトリウム水溶液500部、ろ取した残渣を加え、80℃、1時間撹拌した。その後、この混合物をろ取、水洗、乾燥してフタロシアニン顔料(CP−13)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表2の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−14、CP−15)の製造)
上記フタロシアニン顔料(CP−13)の製造において、臭素の量を表2に記載した条件にそれぞれ変更した以外は、(CP−13)と同様にして、それぞれフタロシアニン顔料(CP−14、CP−15)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表2の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−16)の製造)
上記フタロシアニン顔料(CP−10)の製造において、NBS99.1部をN−クロロスクシンイミド(NCS)74.4部に、反応時間を3時間から4時間に変更した以外は、(CP−10)と同様にして、フタロシアニン顔料(CP−16)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表2の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−17)の製造)
反応容器に、塩化アルミニウム250部、塩化ナトリウム60部、ヨウ素2.25部を加え150℃、30分間撹拌した。そこへヒドロキシアルミニウムフタロシアニン(P−2)50部を加え、155℃、30分間撹拌し、溶解させた。さらにトリクロロイソシアヌル酸58.5部を加え、190℃、5時間撹拌した。その後、3℃の氷水5000部に上記反応混合物を注入し、析出した固体をろ取し、水洗した。ビーカーに2.5%水酸化ナトリウム水溶液500部、ろ取した残渣を加え、80℃、1時間撹拌した。その後、この混合物をろ取、水洗、乾燥して、フタロシアニン顔料(CP−17)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表2の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−18〜CP−21)の製造)
上記フタロシアニン顔料(CP−17)の製造において、トリクロロイソシアヌル酸の量を表2に記載した条件にそれぞれ変更した以外は、(CP−17)と同様にして、それぞれフタロシアニン顔料(CP−18〜CP−21)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表2の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−22)の製造)
反応容器中で、濃硫酸1500部にクロロアルミニウムフタロシアニン(P−1)100部を氷浴下にて加えた。その後、トリクロロイソシアヌル酸45.0部を徐々に加え、25℃で3時間撹拌を行った。その後、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)210.0部を徐々に加え、25℃で5時間撹拌を行った。続けて、この硫酸溶液を3℃の冷水9000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、165.7部のフタロシアニン顔料(CP−22)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表2の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−23)の製造)
反応容器中で、濃硫酸1500部にクロロアルミニウムフタロシアニン(P−1)100部を氷浴下にて加えた。その後、トリクロロイソシアヌル酸125.0部を徐々に加え、25℃で3時間撹拌を行った。その後、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)155.0部を徐々に加え、25℃で5時間撹拌を行った。続けて、この硫酸溶液を3℃の冷水9000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、157.1部のフタロシアニン顔料(CP−23)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表2の通りであった。
(フタロシアニン顔料前駆体(CP−24)の製造)
反応容器中で、濃硫酸1500部にクロロアルミニウムフタロシアニン(P−1)100部を氷浴下にて加えた。その後、トリクロロイソシアヌル酸45.0部を徐々に加え、25℃で3時間撹拌を行った。その後、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン(DIDMH)205.0部を徐々に加え、25℃で5時間撹拌を行った。続けて、この硫酸溶液を3℃の冷水9000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、145.3部のフタロシアニン顔料(CP−24)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表2の通りであった。
Figure 2019066834
Figure 2019066834
以下、(CP−1)〜(CP−24)のフタロシアニン顔料の構造式を示す。構造式中、フタロシアニン環に結合しているハロゲン原子の数は、ハロゲン原子の置換数の平均値である。
Figure 2019066834
Figure 2019066834
<アルミニウムフタロシアニン顔料(PCY)の製造>
(フタロシアニン顔料(PCY−1)の製造)
反応容器に、1−メチル−2−ピロリジノン1000部、フタロシアニン顔料(CP−1)100部、ジフェニルホスフィン酸40部を加えた。85℃で、3時間反応させた後、水5000部中にこの溶液を注入した。反応生成物をろ過し、水12000部で洗浄後、減圧下60℃にて一昼夜乾燥させて、124部のフタロシアニン顔料(PCY−1)を得た。
得られたフタロシアニン顔料(PCY−1)について臭素置換数を算出したところ、平均1.7個であり、マススペクトラムからも同一の分子量に相当するピークを確認し、目的の化合物であることを同定した。またハロゲン分布幅は3個であった。
(フタロシアニン顔料(PCY−2〜CP−19)の製造)
上記フタロシアニン顔料(PCY−1)の製造において、原料となるフタロシアニン顔料と酸性化合物を表3に記載した条件にそれぞれ変更した以外は、(PCY−1)と同様の操作を行い、それぞれフタロシアニン顔料(PCY−2〜PCY−19)を得た。Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表4の通りであった。
Figure 2019066834
Figure 2019066834
(フタロシアニン顔料(PCY−20)の製造)
反応容器に、N−メチルピロリドン500部、フタロシアニン顔料(CP−10)50部及びリン酸ジフェニル18.2部を加え、90℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、水4000部にこの反応液を注入した。生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、フタロシアニン顔料(PCY−20)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表6の通りであった。
(フタロシアニン顔料(PCY−21〜PCY−42)の製造)
上記フタロシアニン顔料(PCY−20)の製造において、原料となるフタロシアニン顔料と酸性化合物を表5に記載した条件にそれぞれ変更した以外は、(PCY−20)と同様の操作を行い、それぞれフタロシアニン顔料(PCY−21〜PCY−42)を得た。収量、収率、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値、ハロゲン分布幅については表6の通りであった。
Figure 2019066834
Figure 2019066834
以下、(PCY−1〜PCY−42)のフタロシアニン顔料の構造式を示す。構造式中、フタロシアニン環に結合しているハロゲン原子の数は、ハロゲン原子の置換数の平均値である。
Figure 2019066834
Figure 2019066834
Figure 2019066834
Figure 2019066834
Figure 2019066834
<その他の顔料の製造>
[微細化緑色顔料(C−G1)の製造]
C.I.ピグメントグリーン 58(DIC社製「FASTOGEN Green A110」)を100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、緑色着色剤(G−1)97部を得た。平均一次粒子径は28.2nmであった。
[黄色着色剤(C−Y1)]
特開2008−81566号公報に記載の合成方法に従い、化合物(1)を得た。
Figure 2019066834
安息香酸メチル300部に、化合物(1)100部、テトラクロロ無水フタル酸108部、及び安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、4時間反応させた。TOF−MSにより、キノフタロン化合物(b)の生成、及び原料の化合物(1)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン3510部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、及び乾燥を行い、120部のキノフタロン化合物(b)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、前述のキノフタロン化合物(b)であることを同定した。
続いて、得られたキノフタロン化合物(b)100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(C−Y1)98部を得た。平均一次粒子径は31.1nmであった。
[黄色着色剤(C−Y2)]
特開2008−81566号公報に記載の合成方法に従い、化合物(2)を得た。
Figure 2019066834
安息香酸メチル300部に、化合物(2)100部、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物70部、及び安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、4時間反応させた。TOF−MSにより、キノフタロン化合物(a)の生成、及び原料の化合物(2)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン3130部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノールにて洗浄、乾燥を行い、120部のキノフタロン化合物(a)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、前述のキノフタロン化合物(a)であることを同定した。
次に、上記キノフタロン化合物(a)100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の黄色着色剤2(C−Y2)を得た。平均一次粒子径は31.3nmであった。
[黄色着色剤(C−Y3)]
安息香酸メチル200部に、8−アミノキナルジン40部、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物150部、安息香酸154部を加え、180℃に加熱し、4時間攪拌を行った。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン5440部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、及び乾燥を行い、116部のキノフタロン化合物(c)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、前述のキノフタロン化合物(c)であることを同定した。
続いて、得られたキノフタロン化合物(c)100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤3(C−Y3)97部を得た。平均一次粒子径は34.1nmであった。
[黄色着色剤(C−Y4)]
C.I.ピグメントイエロー138(PY138)(BASF社製「パリオトールイエローK0960−HD」)100部、塩化ナトリウム700部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩及び溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色着色剤(C−Y4)を得た。平均一次粒子径は40.2nmであった。
[黄色着色剤(C−Y5)]
C.I.ピグメントイエロー138を、C.I.ピグメントイエロー150(ランクセス社製「E4GN」)に変えた以外は、黄色着色剤(C−Y4)の製造と同様に行い、黄色着色剤(C−Y5)を得た。平均一次粒子径は40.2nmであった。
<染料造塩化合物の製造方法>
[造塩化合物(Cx−1)]
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール80.0 部を仕込み、窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート25.0部、n−ブチルメタクリレート25.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート30.0部、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド20.0部、イソプロピルアルコール47.0 部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を5.0部、及びメチルエチルケトン18.0部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、質量平均分子量(Mw)が、9000である事を確認し、50℃へ冷却した。その後、イソプロピルアルコールを加えて調整し、不揮発分が40質量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は54mgKOH/gであった。
続いで、下記の手順でC.I.アシッド レッド 289と、上記で得られた側鎖にカチオン性基を有する樹脂1とからなる造塩化合物を製造した。
水2000部に固形分換算で30部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物(Cx−1)を得た。このとき造塩化合物(Cx−1)中のC.I.アシッド レッド 289に由来する有効色素成分の含有量は60質量%であった。
<色素誘導体(Cy)>
(色素誘導体(Cy−1))
式(9)で表されるジケトピロロピロール系顔料誘導体を色素誘導体(Cy−1)として用いた。
式(9)
Figure 2019066834
(色素誘導体(Cy−2))
特開2004−067715号公報に記載の合成方法に従い、色素誘導体(Cy−2)を得た。
色素誘導体(Cy−2)
Figure 2019066834
<樹脂型酸性分散剤(Xa)の製造>
[樹脂型酸性分散剤(Xa−1)]
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート50部、n−ブチルメタクリレート50部、PGMAc45.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を70℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール6部を添加して、さらにAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)0.12部を加え、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、ピロメリット酸無水物9.7部、PGMAc70.3部、触媒としてDBU(1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン)0.20部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。PGMAcを加えて不揮発分30%に調整し、酸価43、質量平均分子量9,000の分散剤(Xa−1)を得た。
[樹脂型酸性分散剤(Xa−2)]
各成分投入量(質量部)を表7に変更した以外は樹脂型酸性分散剤(Xa−1)と同様の方法で樹脂型酸性分散剤(Xa−2)を作製した。
Figure 2019066834
以下に、表7における略称を示す。
MMA:メチルメタクリレート
n−BA:n-ブチルアクリレート
AIBN:2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル
TMA:トリメリット酸無水物(三菱ガス化学株式会社製)
PMA:ピロメリット酸二無水物(ダイセル化学工業株式会社製)
DBU:1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン(サンアプロ株式会社製)
<樹脂型塩基性分散剤(Xb)の製造>
[樹脂型塩基性分散剤(Xb−1)]
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、PGMAc133部を仕込み、窒素置換しながら100℃に昇温した。滴下槽にN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート85部、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン40部、メチルアクリレート45部、メチルメタクリレート35部、PGMAc63部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を8部仕込み、均一になるまで攪拌した後、反応槽へ2時間かけて滴下し、その後同温度で3時間反応を継続した。このようにして、固形分当たりのアミン価が146mgKOH/g、数平均分子量5,000(Mn)のアミノ基及び架橋性官能基を有するビニル系分散剤(Xb−1)を得た。
[樹脂型塩基性分散剤(Xb−2〜3)]
表8に示すような組成で、アミノ基及び架橋性官能基を有するビニル系樹脂(Xb−1)の製造例と同様に合成し、アミノ基及び架橋性官能基を有するビニル系樹脂(Xb−2〜3)を得た。
Figure 2019066834
<バインダー樹脂溶液(Xc)の製造>
[バインダー樹脂溶液(Xc−1)]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)200部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりシクロヘキシルメタクリレート60部、スチレン20部、グリシジルメタクリレート58部、及びこの段階における前駆体の反応に要する触媒としてアゾビスイソブチロニトリル8部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行った。
次にフラスコ内を空気置換し、アクリル酸29部及びこの段階における前駆体の反応に要する触媒としてトリスジメチルアミノメチルフェノール0.6部、及びハイドロキノン0.6部を投入し、120℃で5時間反応を行った。投入したアクリル酸はグリシジルメタクリレート構成単位のエポキシ基末端にエステル結合するので樹脂構造中にカルボキシル基を生じない。
さらにテトラヒドロ無水フタル酸33部及びこの段階における前駆体の反応に要する触媒として、トリエチルアミン1部を加え120℃で4時間反応させた。加えたテトラヒドロ無水フタル酸は無水カルボン酸部位が開裂して生じた2個のカルボキシル基の一方が樹脂構造中の水酸基にエステル結合し、他方がカルボキシル基末端を生じさせる。
不揮発分が30%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(Xc−1)を得た。
[バインダー樹脂溶液(Xc−2,3)]
仕込み物質と仕込み量を表9−1に変更した以外はバインダー樹脂溶液(Xc−1)と同様の方法でバインダー樹脂溶液(Xc−2,3)を作製した。
[バインダー樹脂溶液(Xc−4)]
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計、ガス導入管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)200部を取り、窒素置換しながら攪拌し120℃に昇温した。シクロヘキシルメタクリレート10部、スチレン20部、メタクリル酸41部、メタクリル酸メチル60部からなるモノマー混合物にアゾビスイソブチロニトリル4部を添加したものを滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、更に120℃で2時間攪拌し続けエージングを行った。次に、フラスコ内を空気置換に替え、グリシジルメタクリレート69部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.6部およびハイドロキノン0.1部を、上記エージングした中に投入し、120℃で6時間反応撹拌した。不揮発分が30%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(Xc−4)を得た。
[バインダー樹脂溶液(Xc−5)]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)200部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、ベンジルメタクリレート50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30部、メタクリル酸20部、メタクリル酸メチル40部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)60部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続した。不揮発分が30%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(Xc−5)を得た。
[バインダー樹脂溶液(Xc−6)]
仕込み物質と仕込み量を表9−1に変更した以外はバインダー樹脂溶液(Xc−5)と同様の方法でバインダー樹脂溶液(Xc−6)を作製した。
[バインダー樹脂溶液(Xc−7)]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン200部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸28部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)30部、ベンジルメタクリレート28部、グリセリンモノメタクリレート48部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.3部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、樹脂溶液を得た。次に得られた樹脂溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)66部、ラウリン酸ジブチル錫0.1部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した。不揮発分が30%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(Xc−7)を得た。

Figure 2019066834
作製したバインダー樹脂溶液(Xc−1〜7)の構成比率と分子量を表9−2に示す。
Figure 2019066834
以下に、表9−1、9−2中の略称について示す。
St:スチレン
BzMA:ベンジルメタクリレート
M110:パラクミルフェノキシエチルアクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
BMA:ブチルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
MMA:メチルメタクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
AA:アクリル酸
THPA:テトラヒドロ無水フタル酸
SucAA:コハク酸無水物
GMA−AA:構成単位(グリシジルメタクリレート)のエポキシ部位にAA(アクリル酸)が付加反応し結合したもの
GMA−AA−THPA:構成単位グリシジルメタクリレートにアクリル酸が付加反応し結合し、その際に生じたOH基にテトラヒドロ無水フタル酸をエステル化し結合させたもの
GMA−AA−SucAA:構成単位グリシジルメタクリレートにアクリル酸が付加反応し結合し、その際に生じたOH基にコハク酸無水物をエステル化し結合させたもの
GLM:グリセリンモノメタクリレート
MOI:2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート
GLM-MOI:グリセリンモノメタクリレートに対する2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの反応物
HEMA:メタクリル酸ヒドロキシエチル
<光重合性単量体の製造>
[ウレタン系光重合性単量体1(B−1)]
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコに、ヘキシルイソシアネート18.8g、ペンタエリスリトールトリアクリレート51.3g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75.1g、メチルヒドロキノン0.02g、次いで触媒としてジオクチル錫0.12gを仕込み、100℃まで昇温した。100℃で3時間反応し、IRでイソシアネートのピークが消失しているのを確認してから、室温まで冷却して反応を終了した。その後、この反応溶液をエバポレーターにて減圧下で溶剤を除去し、質量平均分子量MW4,800の無色透明なウレタン系光重合性単量体1(B−1)を得た。
[ウレタン系光重合性単量体2(B−2)]
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコに2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール8.8g、テトラヒドロ無水フタル酸11.3g、ジメチルベンジルアミン(和光純薬株式会社製)0.1g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.3gを仕込み120℃まで昇温した。120℃で2時間攪拌し、80℃まで冷却した。次いで、メチルヒドロキノン0.05g、ヘキサメチレンジイソシアネート21.3g、ペンタエリスリトールトリアクリレート68.4g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート93.5gを仕込み、次いで触媒としてジオクチル錫0.23gを仕込み、100℃まで昇温した。100℃で3時間反応し、IRでイソシアネートのピークが消失しているのを確認してから、室温まで冷却して反応を終了した。その後、この反応溶液をエバポレーターにて減圧下で溶剤を除去し、質量平均分子量MW7,200の無色透明な酸基を有するウレタン系光重合性単量体2(B−2)を得た。
[ウレタン系光重合性単量体3(B1−1)]
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにトリメチロールプロパン5.0g、ヘキサメチレンジイソシアネート18.8g、ペンタエリスリトールトリアクリレート51.3g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75.1g、メチルヒドロキノン0.02g、次いで触媒としてジオクチル錫0.12gを仕込み、100℃まで昇温した。100℃で3時間反応し、IRでイソシアネートのピークが消失しているのを確認してから、室温まで冷却して反応を終了した。その後、この反応溶液をエバポレーターにて減圧下で溶剤を除去し、質量平均分子量MW7,600の無色透明なウレタン系光重合性単量体3(B1−1)を得た。
[ウレタン系光重合性単量体4(B1−2)]
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにトリメチロールプロパン10.0g、テトラヒドロ無水フタル酸11.3g、ジメチルベンジルアミン(和光純薬株式会社製)0.1g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.3gを仕込み120℃まで昇温した。120℃で2時間攪拌し、80℃まで冷却した。次いで、メチルヒドロキノン0.05g、ヘキサメチレンジイソシアネート12.5g、ペンタエリスリトールトリアクリレート34.2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート93.5gを仕込み、次いで触媒としてジオクチル錫0.23gを仕込み、100℃まで昇温した。100℃で3時間反応し、IRでイソシアネートのピークが消失しているのを確認してから、室温まで冷却して反応を終了した。その後、この反応溶液をエバポレーターにて減圧下で溶剤を除去し、質量平均分子量MW7,200の無色透明な酸基を有するウレタン系光重合性単量体4(B1−2)を得た。
得られた光重合性単量体、及び、光重合性化合物nB−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート (東亞合成社製「アロニックス M−402」)のウレタン結合数と酸基の有無、及び不飽和官能基数を表10に示す。
Figure 2019066834
<顔料分散体の製造>
[赤色顔料分散体(PR−1)]
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し赤色顔料分散体(PR−1)を作製した。
アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177) : 10.0部
(BASF社製「クロモフタールレッドA2B」)
式(9)で表されるジケトピロロピロール系顔料誘導体Cy−1 : 2.0部
樹脂型酸性分散剤溶液(Xa−1) : 8.0部
バインダー樹脂溶液(Xc−5) : 12.0部
バインダー樹脂溶液(Xc−1) : 6.7部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 61.3部
[顔料分散体(PR−2、PB−1、PG−1〜43、PY−1〜5の調製]
表11の組成の混合物を使用し、赤色顔料分散体と同様にして顔料分散体PR−2、PB−1、PG−1〜43、PY−1〜5を作製した。
Figure 2019066834
Figure 2019066834
<着色組成物の調製>
[着色組成物(P−1)〜(P−55)の調整]
得られた顔料分散体及び造塩化合物を、C光源で、赤色:x=0.600、青色:y=0.080、黄緑色:y=0.600、の色度となるように混合し、不揮発固形分を質量部20%になるように溶剤で調整し着色組成物(P−1)〜(P−55)を得た。なお、P−1、2、4、6〜48は、顔料分散体を混合せずに、そのまま用いた。
Figure 2019066834
<感光性着色組成物の調製>
表14及び15に示す処方比率で各材料を混合・攪拌し、1μmのフィルタで濾過して、各色の感光性着色組成物を得た
Figure 2019066834
Figure 2019066834
以下に、表14〜15の略称について示す。
・光重合開始剤A1:下記式(2)で表される化合物
式(2)
Figure 2019066834
・光重合開始剤Y1:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン
(BASF社製「イルガキュア907」)
・光重合開始剤Y2:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
(BASF社製「イルガキュア379」)
・光重合開始剤Y3:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド
(BASF社製「ルシリンTPO」)
・光重合開始剤Y4:2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
(黒金化成社製「ビイミダゾール」)
・光重合開始剤Y5:エタン−1−オン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)
(BASF社製「イルガキュアOXE02」)
・レベリング剤:BYK社製「BYK−330」
(不揮発分100質量%1部をシクロヘキサノン99部で希釈した溶液)
・PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・EEP:3−エトキシプロピオン酸エチル
<その他の添加剤>
・増感剤E1:2,4−ジエチルチオキサントン
(日本化薬社製「カヤキュアDETX−S」)
・増感剤E2:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(保土谷化学工業社製「EAB−F」)
・シランカップリング剤S1:3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン
(東レ・ダウコーニング社製「Z−6044」)
・シランカップリング剤S2:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
(信越化学工業社製「KBE−503」)
・シランカップリング剤S3:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(信越化学工業社製「KBM−5103」)
・多官能チオールF1:トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトブチレート)(昭和電工社製「TPMB」)
・多官能チオールF2:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業社製「PEMP」)
・酸化防止剤G1:2ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(BASF社製「IRGANOX1010」)
・重合禁止剤H1:メチルハイドロキノン
(精工化学社製「MH」)
<感光性着色組成物の評価>
得られた感光性着色組成物について下記方法でフィルタセグメントパターン形成した。
[フィルタセグメントパターン形成]
得られた感光性着色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中70℃で15分間加温して溶剤を除去し、約2μmの塗膜を得た。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、100μm幅(ピッチ200μm)及び25μm幅(ピッチ50μm)ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱した。スプレー現像は、それぞれの感光性着色組成物での塗膜について、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行い、これを適正現像時間とした。塗膜の膜厚は、Dektak 3030(日本真空技術社製)を用いて行った。
得られたパターンについて、パターン形状及び薬品耐性を下記方法で評価した。また、青緑色の顔料分散体混合物を使用した実施例6−48について、下記方法で明度を評価した。結果を表16に示す。
[薬品耐性評価]
上記方法で形成されたフィルタセグメントについて、
C光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐薬品性試験として得られた塗膜を1−メチル−2−ピロリドンに30分浸漬させ、その後純水で1−メチル−2−ピロリドンを洗浄、風乾した後、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔE*abを求めた。
ΔE*ab=[[L*(2)−L*(1)]2+[a*(2)−a*(1)]2+[b*(2)−b*(1)]2]1/2
さらに、薬品浸漬後の100μmフォトマスク部分でのパターンについて、光学顕微鏡で外観観察し評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:外観に変化がなく、色差(ΔE*ab)が3.0未満
○:外観一部にシワ等が発生するが、色差(ΔE*ab)が3.0未満
△:外観一部にシワ等が発生するが、色差(ΔE*ab)が3.0以上、5.0未満
×:ハガレが発生する、または、色差(ΔE*ab)が5.0以上
[パターン形状評価]
上記方法で形成されたフィルタセグメント100μmフォトマスク部分でのパターンの断面について、電子顕微鏡を用いて観察して評価を行った。パターン断面は順テーパーが良好である。評価基準は以下の通りである。
◎:断面がなだらかな順テーパー形状
○:断面が順テーパー形状
×:断面が逆テーパー形状
Figure 2019066834
表16に示すように、実施例1〜78の感光性着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメント及びブラックマトリックスは、パターン形状及び薬品耐性が良好であった。また、さらに多官能チオール(F)を含む実施例43〜46は、感度に優れていた。また、さらに酸化防止剤(G)又は重合禁止剤(H)を含む実施例33、35、47、48は、解像性に優れていた。比較例1のように他のオキシムエステル系光重合開始剤を用いた場合は、形状が良好であっても明度及び薬品耐性が不良となり、全ての評価項目が良好となるものは得られなかった。また、比較例2のように光重合性単量体(B)がない場合は、形状及び薬品耐性が不良となり、全ての評価項目が良好となるものは得られなかった。
10 液晶表示装置
11 透明基板
12 TFTアレイ
13 透明電極層
14 配向層
15 偏光板
21 透明基板
22 カラーフィルタ
23 透明電極層
24 配向層
25 偏光板
30 バックライトユニット
31 白色LED光源
LC 液晶


Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される光重合開始剤(A)、ウレタン系光重合性単量体(B)、着色剤(C)、及びバインダー樹脂(X)を含む、カラーフィルタ用感光性着色組成物。
    一般式(1)
    Figure 2019066834
    [一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、置換もしくは未置換のアシル基、又は置換もしくは未置換のアミノ基を表す。]
  2. 前記ウレタン系光重合性単量体(B)が、ウレタン結合部位の数が3個以上である光重合性単量体(B1)を含む、請求項1に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  3. 前記ウレタン系光重合性単量体(B)が、互いにウレタン結合部位の数が異なる光重合性単量体(B1)を2種以上含む、請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  4. 前記着色剤(C)が、ハロゲン化金属フタロシアニンを含む、請求項1〜3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  5. ハロゲン化金属フタロシアニンが、下記一般式(2)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料(PCY)を含む、請求項4に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
    一般式(2)
    Figure 2019066834
    [一般式(2)において、
    Xは、ハロゲン原子を表し、nは、1〜16の整数を表す。但し、Xで表されるハロゲン原子の置換数の平均値が1〜15であり、ハロゲン分布幅が2以上である。
    Yは、−OP(=O)R、−OC(=O)R、又は−OS(=O)を表す。
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基、又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。
    は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよい複素環基を表す。
    は、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよい複素環基を表す。]
  6. さらに樹脂型分散剤を含む、請求項1〜5いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  7. 前記樹脂型分散剤が、酸性樹脂型分散剤及び塩基性樹脂型分散剤を含む請求項6に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  8. 基材、請求項1〜7いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物を用いて形成されるフィルタセグメント、およびブラックマトリックスを備える、カラーフィルタ。
  9. 請求項8に記載のカラーフィルタを備える、液晶表示装置。
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