以下、本発明の保管装置を適用した実施形態について説明する。
<実施形態>
図1は、実施形態の保管装置100を示す図である。図2は、保管装置100の内部の構成を示す図である。以下では、XYZ座標系を定義して説明する。X軸に平行な方向(X方向)、Y軸に平行な方向(Y方向)、Z軸に平行な方向(Z方向)は、互いに直交する。また、以下では、説明の便宜上、-Z方向側を下側又は下、+Z方向側を上側又は上と称す場合がある。また、平面視とはXY面視することをいう。また、以下では構成が分かり易くなるように各部の長さ、太さ、厚さ等を誇張して示す場合がある。
保管装置100は、保管庫110、レール120、貯蔵棚130、搬送部140、掃除ユニット150、制御ユニット160、充電スタンド170、異物検出部180、及び空気調和ユニット190を備える。充電スタンド170は電力供給部の一例である。
以下では、図1及び図2に加えて図3、図4、図5、図6を用いて説明する。図3は、保管装置100の内部の構成と制御系の構成とを示す図である。図3(A)では、レール120の構成を説明するため+X方向側の貯蔵棚130を省略し、-X方向側の貯蔵棚130については一部を省略して示す。また、制御ユニット160のうちの制御装置160Aを示す。図3(B)にはレール120の断面を示す。また、図4は、掃除ユニット150を示す図である。図5は、機械室110A2内の掃除ユニット150の収容部を示す図である。図6は、掃除ユニット150が掃除を行っているときの様子の一例を示す図である。
保管庫110は、箱型の筐体であり、内部空間110A、床111A、4つの側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dを有する。内部空間110Aは、床111A、4つの側壁111B、及び天井111Cに囲まれており、内部空間110A内に設けられる隔壁111Dによって保管室110A1と機械室110A2とに分けられている。隔壁111Dは、XZ平面に平行である。床111A、4つの側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dの表面には、抗菌及び抗ウィルス用の塗装やコーティングが施されている。
保管室110A1は、内部空間110Aのうちの+Y方向側に位置する空間であり、機械室110A2は、内部空間110Aのうちの保管室110A1以外の部分であり、保管室110A1よりも-Y方向側に位置する。機械室110A2のY方向の長さは、保管室110A1のY方向の長さに比べて非常に短い。保管庫110の+Y方向側には空気調和ユニット190が設けられており、保管室110A1には空気調和ユニット190で冷却された空気が送り込まれる。保管室110A1は、冷蔵室又は冷凍室として利用可能である。また、保管室110A1の内部を仕切ることにより、冷蔵室と冷凍室に分けることも可能である。
保管室110A1には、レール120、貯蔵棚130、搬送部140が収容されている。機械室110A2の一部に、掃除ユニット150を使用しないときに収容する場所(収容部)を設けている。保管室110A1と機械室110A2を仕切る隔壁111Dの下部には、掃除ユニット150が通行可能な開口部111D2が設けられている。開口部111D2は、掃除ユニット150が保管室110A1と機械室110A2との間を行き来するために設けられている。掃除ユニット150は、機械室110A2から保管室110A1に移動して保管室110A1の内部を掃除する。貯蔵棚130の棚131には、商品10が置かれている。商品10は物品の一例である。商品10は、どのようなものであってもよいが、保管室110A1は冷蔵室又は冷凍室として機能するため、典型的には冷蔵又は冷凍が必要な食品又は飲料物等である。保管装置100は、どの棚131にどのような商品10が置かれているかを表す商品データベースを有する。
保管庫110は、一例として、金属製又は樹脂製のコンテナ、プレハブ工法等で作製される倉庫のような建築物、又は、冷蔵庫や冷凍庫の筐体等であってよい。保管庫110のうちの保管室110A1は、冷蔵室又は冷凍室として利用するため、保管室110A1を囲む床111A、側壁111B、天井111C、隔壁111Dには断熱材が設けられることが好ましい。また、保管庫110は、移動可能に構成されていてもよく、例えば、車両等の荷台に積載されて移動可能であってもよい。
保管庫110の-Y方向側の側壁111Bには、扉112と商品受取口112Aが設けられており、扉112を開けると商品受取口112Aが現れる。扉112は断熱性を有することが好ましい。商品受取口112Aの内部空間110A側にはカウンタ113が設けられている。カウンタ113は、保管庫110に保管されていた商品10を利用者に引き渡す引渡部の一例である。カウンタ113は、Y方向においては機械室110A2が存在する区間に設けられており、カウンタ113の+Y方向側の端部は、隔壁111Dに設けられた開口部111D1を介して保管室110A1に連通している。なお、ここではカウンタ113が保管庫110の機械室110A2の内部に設けられる形態について説明するが、カウンタ113は保管庫110の外部に設けられていてもよい。
また、商品受取口112Aの-X方向側には操作パネル114が設けられている。操作パネル114は、例えばタッチパネル付きのディスプレイで構成され、利用者が購入する商品10を受け取るための操作を行うことが可能である。例えば、インターネット等で保管装置100を運営する企業のサイトにアクセスして事前決済が可能な場合は、利用者は事前決済が完了した商品10の受け取るための操作を行えばよい。また、操作パネル114は、利用者が商品10を購入する際の購入代金の支払い(決済)を行えるように構成されていてもよい。この場合は、利用者は操作パネル114で購入代金の支払いと商品10の受け取るための操作とを行えばよい。
レール120は、保管室110A1及び機械室110A2の床111Aと、側壁111Bのうちの保管室110A1に面する表面と、天井111Cのうちの保管室110A1内の部分と、隔壁111Dのうちの保管室110A1側の表面と、機械室110A2の床111Aの表面とに設けられている。側壁111Bのうちの保管室110A1に面する表面は、+Y方向側の側壁111Bの保管室110A1側の表面と、+X方向側及び-X方向側の2つの側壁111Bのうちの保管室110A1に面する部分の表面とである。また、隔壁111Dは、保管室110A1の-Y方向側の側壁である。
レール120は、主に図2及び図3(A)に示すように、一例として、貯蔵棚130、搬送部140、及び掃除ユニット150を移動可能にする共通のレールである。レール120は、床111A及び天井111Cの表面ではX方向及びY方向に沿って設けられており、+X方向側及び-X方向側の2つの側壁111Bの表面では、Y方向及びZ方向に沿って設けられており、+Y方向側の側壁111Bと隔壁111Dとの表面では、X方向及びZ方向に沿って設けられている。なお、レール120には抗菌及び抗ウィルス用の塗装やコーティングを施してもよい。
貯蔵棚130及び搬送部140は、保管室110A1内の床111Aの表面に設けられたレール120に沿って、X方向及びY方向に移動可能である。また、掃除ユニット150は、床111A、3つの側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dに設けられたレール120に沿って、移動可能である。なお、図2及び図3では、説明の便宜上、床111Aと側壁111Bの境界においてレール120が直交しているように示すが、例えば、床111Aに設けられたレール120と、側壁111Bに設けられたレール120との間に湾曲した区間を設ければよい。湾曲した区間を設けることにより、床111Aに設けられたレール120と、側壁111Bに設けられたレール120との間を掃除ユニット150が行き来できるようにすればよい。また、床111Aに設けられたレール120と、側壁111Bに設けられたレール120との間に接続し、掃除ユニット150が通行可能な接続線路を設けてもよい。
また、レール120は、図3(B)に示すようにヒータ122を有する。図3(B)には、-X方向側の側壁111に設けられZ方向に延在するレール120のXY平面に平行な断面を示す。すなわち、図3(B)に示すレール120の断面は、レール120の延在方向(Z方向)に垂直な断面である。レール120は、一例として逆T字型の溝121を有する。ヒータ122は、レール120に内蔵されており、レール120に沿って延在している。
ヒータ122は、レール120の凍結等を抑制するために設けられている。特に、掃除ユニット150が掃除を行うためにレール120に沿って移動する際にレール120が凍結してレール120に氷の塊等が付着していると掃除ユニット150の移動の妨げとなるため、ヒータ122をオンにしてレール120を暖めて凍結等が生じないようにすればよい。
ヒータ122は、電熱線であってもよいし、空気調和ユニット190の凝縮器の排熱で暖めた空気を挿通させる流路であってもよい。ヒータ122をオンにすることは電熱線に電流を流すこと、又は、凝縮器の排熱で暖めた空気を流路に挿通させることである。ヒータ122のオン、オフは、制御装置160Aのヒータ制御部164によって行われる。
貯蔵棚130は、主に図2及び図3(A)に示すように、保管室110A1内に複数設けられている。各貯蔵棚130は、上下方向に間隔を設けて配置される複数の棚131と、最下段の棚131の下に設けられる駆動部132とを有する。各棚131には商品10を置くことができる。貯蔵棚130は、抗菌及び抗ウィルス用の塗装やコーティングが施されている。なお、商品10は、搬送部140によって各棚131に搬入されてもよく、人間が棚131に搬入してもよい。
駆動部132は、一例として、レール120に沿ってスライド可能なスライド部と、床111Aの上で移動するための駆動力を出力する動力源と、通信装置160Bと無線通信を行う通信部とを有する。ここでは通信装置160Bと駆動部132の通信部とが、一例としてBLUETOOTH(登録商標)による無線通信を行うこととするが、例えば無線LAN(Local Area Network)等の他の形式の無線通信であってもよい。
制御装置160Aの棚制御部162が出力するコマンドが無線通信で駆動部132の通信部に送信され、駆動部132の動力源の駆動制御が行われることにより、貯蔵棚130は、レール120に沿って移動可能である。棚制御部162は移動制御部の一例である。なお、貯蔵棚130は、床111Aの上で移動可能であればよく、移動の際にレール120を利用しなくてもよい。例えば、このようなスライド部の代わりに、キャスターを有することで移動可能に構成されていてもよい。また、動力源は貯蔵棚130の下部に設けられる構成に限られず、貯蔵棚130の上部等に設けられていてもよい。
貯蔵棚130は、掃除ユニット150が3つの側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dの掃除を行っていないときには、保管室110A1の+X方向側と-X方向側の幅X1の領域内に配置される。このときに、保管室110A1の+X方向側と-X方向側の幅X1の2つの領域の間には幅X2の領域があり、幅X2の領域は、搬送部140が保管室110A1内をY方向に移動する通路になっている。なお、貯蔵棚130は、折り畳み可能であってもよい。
搬送部140は、本体部140A、アーム141A、141B、トレー142、及び駆動部143を有する。本体部140A、アーム141A、141B、トレー142、及び駆動部143の外表面等には、抗菌及び抗ウィルス用の塗装やコーティングが施されている。
本体部140Aは、一例として3段の円筒部を有し、入れ子式で上下方向に伸縮可能に構成されている。本体部140Aの最上段の円筒部には、2本のアーム141A、141Bが設けられており、アーム141Aの先端にはトレー142が取り付けられている。駆動部143は、貯蔵棚130の駆動部132と同様に、一例として、レール120に沿ってスライド可能なスライド部と、床111Aの上で移動するための駆動力を出力する動力源と、通信装置160Bと無線通信を行う通信部とを有する。ここでは通信装置160Bと駆動部143の通信部とが、一例としてBLUETOOTH(登録商標)による無線通信を行うこととするが、例えば無線LAN等の他の形式の無線通信であってもよい。
制御装置160Aの搬送制御部161が出力するコマンドが無線通信で駆動部143の通信部に送信され、駆動部143の動力源の駆動制御が行われることにより、搬送部140はレール120に沿って移動可能である。また、搬送制御部161が出力するコマンドによってアーム141A、141B及びトレー142の駆動制御が行われることにより、所望の棚131の隣にトレー142を移動させた状態でアーム141Bを動かして、棚131の上の商品10をトレー142の上に移動させることができるととともに、トレー142の上の商品10を棚131の上に載せることができる。
掃除ユニット150は、図4(A)に示すように、本体部150A、駆動部151、吸引部152、異物検出部153、制御部154、及びバッテリ156を有する。掃除ユニット150は、保管庫110の保管室110A1内を自動的に掃除する。自動的に掃除するとは、掃除ユニット150が自律的に移動し、異物を検出して掃除を行うことである。ここでは、掃除ユニット150の構成については、XY平面上に配置されたときの上下関係を用いて説明する。なお、掃除ユニット150の外表面等には、抗菌及び抗ウィルス用の塗装やコーティングが施されていてもよい。
本体部150Aは、一例として円盤状の筐体であり、駆動部151、吸引部152、制御部154、通信部155、及びバッテリ156を内蔵するとともに、外表面に露出するように異物検出部153を保持する。本体部150Aは、駆動部151、吸引部152、制御部154、及びバッテリ156を内蔵する基部に対して、外表面側で異物検出部153を保持するカバーが平面視で360度回転できるように構成されている。周囲の360度において異物検出部153で異物を検出可能にするためである。
駆動部151は、本体部150Aの下面側に設けられており、一例として、レール120に沿ってスライド可能なスライド部151Aと、床111A、側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dの表面に沿って移動するための駆動力を出力する動力源151Bとを有する。駆動部151は、一例として、4つのスライド部151Aと、4つの動力源151Bとを有する。
図4(B)には、一例として側壁111Bのレール120に掃除ユニット150が位置している状態を示す。図4(B)には、図3(B)と同様に、-X方向側の側壁111に設けられZ方向に延在するレール120のXY平面に平行な断面を示し、掃除ユニット150については断面ではなく側面を示す。図4(B)に示す断面は、レール120の延在方向(Z方向)に垂直な断面である。レール120の逆T字型の溝121には、スライド部151Aが嵌め込まれている。
スライド部151Aは、図4(C)に示すように、基部151A1と係合部151A2とを有する。基部151A1は、円柱状の部分であり、上端は本体部150Aの下面に固定される。基部151A1の下端には、基部151A1よりも直径が大きい円柱状の係合部151A2が設けられている。このような構成を有する4つのスライド部151Aは、掃除ユニット150の下面側に平面視で、一例として正方形の4つの頂点にそれぞれ位置するように配置されている。
このような4つのスライド部151Aを用いれば、図4(B)に示すようにZ方向に延在するレール120に沿ってスライド可能であるとともに、-X方向側の側壁111Bに設けられY方向に延在するレール120に沿ってスライド可能である。また、同様に、床111A、-X方向側の側壁111B以外の側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dに設けられたレール120に沿って2軸方向にスライド可能である。
動力源151Bは、ローラとモータで構成され、本体部150Aから側壁111Bに向かって延出して側壁111Bに当接する当接位置と、当接位置よりも本体部150Aの内側に引き込まれる引き込み位置とに移動可能に構成されている。このような構成の4つの動力源151Bは、一例として-X方向側の側壁111Bの表面に沿ってZ方向に移動する際には、図4(B)に示すようにZ方向に転動可能なローラを有する2つの動力源151Bが当接位置にあり、Y方向に移動する際に利用する動力源151Bは引き込み位置にある。また、一例として-X方向側の側壁111Bの表面に沿ってY方向に移動する際には、Y方向に転動可能なローラを有する2つの動力源151Bが当接位置にあり、Z方向に移動する際に利用する動力源151Bが引き込み位置に移動する。また、同様に、-X方向側の側壁111B以外の側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dに設けられたレール120に沿って2軸方向に転動可能である。
なお、貯蔵棚130の駆動部132のスライド部及び動力源と、搬送部140の駆動部143のスライド部及び動力源とは、一例として、スライド部151A及び動力源151Bと同様の構成であってよい。貯蔵棚130と搬送部140は、一例としてスライド部151A及び動力源151Bと同様のスライド部及び動力源を有することで、床111Aのレール120に沿って移動可能に構成されていればよい。
吸引部152は、本体部150Aの下面に設けられており、側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dの表面の異物を吸引する。異物は、例えば、搬送部140が商品10を搬送するときに発生したゴミ又は埃等である。より具体的には、例えば商品10が野菜の場合には、異物は野菜の切れ端や野菜に付着している土や砂等である。吸引部152は、このような異物を吸引し、本体部150Aの内部に設けられる収容部に収容する。本体部150Aは、収容部に収容された異物を外部に取り出せるように構成されており、例えば保管装置100の管理者等が取り出して廃棄すればよい。なお、掃除ユニット150は、吸引部152以外に限らず、他の方式で掃除する掃除部を有していてもよいが、そのような内容については後述する。
異物検出部153は、本体部150Aの外表面に露出するように保持されており、周囲の360度における異物を検出可能にするために本体部150Aによって周方向に回転可能に保持されている。異物検出部153は、異物を検出可能な装置であれば何であってもよいが、ここでは一例としてカメラである形態について説明する。異物検出部153としてのカメラは、掃除ユニット150の周囲を撮像して得る画像に対して画像処理を行うことによって、異物の存在を検出する。
異物検出部153は、一例として、画像に含まれる側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dの表面上に存在する所定値以上のサイズを有する物体を異物として検出する。物体のサイズを判定する際には、一例として物体の外接矩形の長辺の長さが所定値以上であるかどうかで判定すればよい。この場合に、保管装置100の構成要素(例えば、側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dの表面上に存在し得るネジの頭等)を除外するようにしておけばよい。異物検出部153は、異物を検出すると、制御装置160Aの掃除制御部163に異物を検出してことを通知する。なお、異物検出部153は、カメラで画像処理を行う検出方式のものに限らず、他の検出方式のものであってもよいが、そのような内容については後述する。
制御部154は、掃除ユニット150が自律的に移動し、異物を検出して掃除を行うための制御を行う。制御部154は、一例としてCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び内部バス等を含むマイクロコンピュータによって実現される。制御部154は、通信部155を介して制御装置160A及び異物検出部180と通信可能である。制御部154は、制御装置160Aから伝送されるコマンド等に応じて電源がオンになる。
制御部154は、掃除手順を表すデータに基づいて、動力源151Bの駆動制御、動力源151Bの位置制御(当接位置と引き込み位置とのいずれかへの移動制御)、吸引部152のオン、オフの制御、及び異物検出部153のオン、オフの制御を自動的に行う。掃除手順は、保管室110A1内の床111A、側壁111B、天井111C、隔壁111Dのどの位置をどのような順番で掃除するかを規定したデータである。制御部154は内部メモリに掃除手順を表すデータを格納している。
制御部154は、掃除手順に従って動力源151Bを駆動して自立的に移動する。また、この際に、制御部154は、移動時間、走行速度、及び進行方向等に基づいて位置情報を生成し、制御装置160Aに通知する。また、制御部154は、位置情報を生成する際に、異物検出部153によって検出される情報を用いてもよく、異物検出部180によって検出される情報を用いてもよい。
制御部154は、異物検出部153又は180で異物が検出されると、吸引部152をオンにして異物を吸引させる。また、制御部154は、異物検出部153又は180で検出される異物のサイズが大きいほど、吸引部152の吸引力を大きく設定する。制御部154は、掃除手順に基づいて行う掃除が完了すると、完了したことを制御装置160Aに通知する。
通信部155は、例えばBLUETOOTH(登録商標)等で実現される近距離無線通信によって通信装置160Bと無線通信を行う。なお、無線通信は無線LAN等のBLUETOOTH(登録商標)以外の形式の無線通信であってもよい。
バッテリ156は、動力源151B、吸引部152、異物検出部153、及び制御部154に直流電力を供給する。バッテリ156は、繰り返し充電可能な二次電池であればよく、例えばリチウムイオンバッテリで実現される。バッテリ156は、掃除ユニット150が機械室110A2に収容されているときに、充電スタンド170に接続されて充電される。
このような掃除ユニット150は、制御装置160Aから伝送されるコマンド等に応じて掃除を行う際に、制御部154が異物検出部153をオンにし、動力源151Bを駆動して自律的に移動し、異物検出部153によって異物が検出されると吸引部152をオンにして異物を吸引する。制御部154は、このような処理を繰り返しながら、保管室110A1内の掃除を自律的に行う。
制御ユニット160は、保管庫110内に設けられる。制御ユニット160は、例えば機械室110A2内に設ければよいが、説明の便宜上図1では保管庫110の外側に示す。制御ユニット160は、制御装置160Aと通信装置160Bとを有する。
制御装置160Aは、一例としてCPU、RAM、ROM、及び内部バス等を含むマイクロコンピュータによって実現される。制御装置160Aは、搬送制御部161、棚制御部162、掃除制御部163、ヒータ制御部164、充電制御部165、メモリ166を有する。搬送制御部161、棚制御部162、掃除制御部163、ヒータ制御部164、充電制御部165は、制御装置160Aが実行するプログラムの機能(ファンクション)を機能ブロックとして示したものである。また、メモリ166は、制御装置160Aのメモリを機能的に表したものである。
搬送制御部161は、操作パネル114に入力される操作内容に応じたコマンドを出力し、搬送部140のアーム141A、141B、トレー142、及び駆動部143の駆動制御を行う。この際に、搬送制御部161は、メモリ166に格納されている商品データベースを利用する。商品データベースは、各棚131の識別コードと、各棚131に置かれる商品10の商品コードとを関連付けたデータベースである。
搬送制御部161が出力するコマンドは、通信装置160Bを介して搬送部140に送信される。搬送部140は、通信装置160Bから送信されるコマンドに応じて、商品10を棚131から取り出し、カウンタ113に搬送する。すなわち、搬送部140は、利用者に保管庫110に保管されていた商品10を引き渡すために保管庫110の保管室110A1とカウンタ113との間を移動する。
また、商品10の搬入を搬送部140が行う場合には、搬送制御部161は操作パネル114に入力される操作内容に応じてコマンドを出力し、搬送部140は、通信装置160Bから送信されるコマンドに応じて、アーム141A、141B、トレー142、及び駆動部143の駆動制御を行う。これにより、保管庫110の各棚131に商品10が搬入される。
棚制御部162は、通信装置160Bを介して貯蔵棚130の駆動部132の通信部にコマンドを送信し、床111Aのレール120に沿って貯蔵棚130を移動させる。一例として、保管装置100の管理者が操作パネル114を操作すると、棚制御部162は、操作内容に応じたコマンドを出力する。また、棚制御部162は、掃除ユニット150が3つの側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dの掃除を行うときに、掃除ユニット150から制御装置160Aに通知される位置情報に基づいて、貯蔵棚130の駆動部132にコマンドを送信し、掃除ユニット150が掃除のために通行可能になるように貯蔵棚130を移動させる。
例えば、-X方向側の側壁111Bの掃除を行う際には、棚制御部162は、図6に示すように-X方向側の側壁111Bの前にある貯蔵棚130を+X方向側に移動させる。そして、掃除ユニット150は、棚制御部162によって貯蔵棚130が移動された後に掃除を行う。このように貯蔵棚130を側壁111Bから離すことで、側壁111Bの前に掃除ユニット150が通行可能なスペースが生じ、掃除ユニット150が側壁111Bの掃除を行いやすくなる。なお、貯蔵棚130が折り畳み可能な場合には、掃除を行う際に商品10が置かれていない棚131を自動的に折り畳むことで、掃除ユニット150が通行可能なスペースを確保してもよい。
掃除制御部163は、掃除ユニット150で3つの側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dの掃除を行うときに、通信装置160Bを介して掃除ユニット150の通信部155にコマンドを送信し、掃除ユニット150をオンにする。この結果、掃除ユニット150はオンになり、制御部154が動力源151Bの駆動制御、動力源151Bの位置制御、吸引部152のオン、オフの制御、及び異物検出部153のオン、オフの制御を行う。また、掃除制御部163は、掃除ユニット150で3つの側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dの掃除を行うときに、異物検出部180をオンにする。異物検出部180は、保管室110A1内の天井111Cに設けられており、異物検出部153と同様に保管室110A1内の異物を検出する。
掃除制御部163は、一例として、予め決められた期間が経過する度に、定期的に通信装置160Bを介して通信部155にコマンドを送信する。この場合には、掃除制御部163がタイマを有し、タイマが予め決められた期間をカウントしたときに、掃除制御部163が通信部155にコマンドを送信するようにすればよい。予め決められた期間は、一例として、3日、1週間、2週間、1ヶ月等である。
また、掃除制御部163は、決められた時間に通信装置160Bを介して、通信部155にコマンドを送信してもよい。この決められた時間は、制御ユニット160が時計を有し、あらかじめ掃除制御部163で開始時間を設定するか、又は、掃除制御部163が搬送制御部161の情報に基づき搬送部140の搬送頻度の少ない時間帯を算出し、清掃開始時間を決定してもよい。例えば、搬送部140の利用が多い時間帯の清掃は避け、例えば搬送部140を使わない深夜等の時間帯に効率的に掃除するようにすればよい。また、掃除制御部163は、搬送部140の利用頻度が少ない時間帯を学習し、適当な時間帯を選択してコマンドを送信してもよい。制御ユニット160が有する時計は電波時計であってもよい。また、このように決められた時間に掃除制御部163がコマンドを送信することと、上述のように予め決められた期間が経過する度に定期的にコマンドを送信することとを組み合わせてもよい。この場合に、例えば、毎日ある時間になったとき、1週間のうちのある曜日におけるある時間になったときに、掃除制御部163がコマンドを送信してもよい。
また、掃除制御部163は、保管庫110の保管室110A1に保管されていた商品10が利用者に引き渡された後に、引き渡された商品10が保管されていた保管位置又は保管位置の周辺を掃除するように、通信装置160Bを介して通信部155にコマンドを送信してもよい。この場合には、搬送制御部161によって搬送部140が棚131から商品10を取り出してカウンタ113に搬送した後に、利用者に引き渡された商品10が保管されていた保管位置又は保管位置の周辺を掃除するように、掃除制御部163が制御部154にコマンドを送信するようにすればよい。
また、掃除制御部163は、掃除ユニット150が貯蔵棚130の周囲を掃除するように、通信装置160Bを介して通信部155にコマンドを送信してもよい。貯蔵棚130の周囲とは、例えば、床111Aの表面のうち、ある貯蔵棚130が位置する領域を囲む四方の所定の範囲や、ある貯蔵棚130に隣接する側壁111B又は隔壁111Dや、天井111Cの表面のうち、ある貯蔵棚130の真上に領域を囲む四方の所定の範囲である。
ヒータ制御部164は、ヒータ122のオン、オフを制御する。例えば、ヒータ制御部164は、少なくとも掃除ユニット150が3つの側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dの掃除を行うときに、ヒータ122をオンにするように構成されていればよい。この場合には、ヒータ制御部164は、掃除制御部163が掃除ユニット150に掃除を行わせるためにコマンドを出力したときにヒータ122をオンにすればよく、掃除が終了したときにヒータ122をオフにすればよい。
なお、掃除制御部163は、掃除ユニット150に掃除を行わせるためのコマンドを出力する所定時間前(例えば30分前)に、ヒータ制御部164に掃除を行うことを通知し、ヒータ制御部164は、通知を受けたときにヒータ122をオンにしてもよい。掃除が行われる前に予めヒータ122をオンにしておき、レール120に付着した氷の塊等を溶解させて、掃除ユニット150がレール120に沿って移動可能な状態にしておくためである。
充電制御部165は、掃除ユニット150が機械室110A2に存在し、掃除ユニット150のバッテリ156の充電量が所定値以下のときに、充電スタンド170を制御してバッテリ156の充電を行う。
メモリ166は、搬送制御部161、棚制御部162、掃除制御部163、ヒータ制御部164、及び充電制御部165が上述のような制御を行うために必要なプログラムやデータ等を格納する。
通信装置160Bは、貯蔵棚130の駆動部132の通信部、搬送部140の駆動部143の通信部、及び、掃除ユニット150の通信部155と無線通信を行う。ここでは一例としてBLUETOOTH(登録商標)による無線通信を行うこととするが、例えば無線LAN等の他の形式の無線通信であってもよい。
充電スタンド170は、機械室110A2の床111Aのレール120の脇に配置されている。掃除ユニット150が機械室110A2内の充電スタンド170の前に位置した状態で、充電スタンド170の充電端子と、掃除ユニット150の充電端子とが接触するように構成されている。充電スタンド170は、掃除ユニット150が機械室110A2の収容部にあり、バッテリ156の充電量が所定値以下になると、充電制御部165によってオンにされ、掃除ユニット150のバッテリ156を充電する。
異物検出部180は、保管室110A1内の天井111Cに設けられている。異物検出部180は、異物検出部153と同様に、異物を検出可能な装置であれば何であってもよいが、ここでは一例としてカメラである形態について説明する。異物検出部180としてのカメラは、一例として360度カメラであり、保管室110A1の内部を撮像して得る画像に対して画像処理を行うことによって、異物の存在と位置とを検出する。
異物検出部180は、BLUETOOTH(登録商標)等の近距離無線通信で通信可能な通信部を内蔵しており、掃除ユニット150の制御部154及び通信装置160Bと通信可能である。異物検出部180は、制御装置160Aから通信装置160Bを介して伝送されるコマンドに応じてオン、オフが切り替えられる。また、異物検出部180は、異物を検出すると、異物の位置と異物のサイズを表すデータを掃除ユニット150の制御部154に通知する。なお、異物検出部180の外表面等には、抗菌及び抗ウィルス用の塗装やコーティングが施してもよい。
空気調和ユニット190は、保管庫110の+Y方向側に設けられている。ここでは、図7を用いて空気調和ユニット190について説明する。図7は、空気調和ユニット190を示す図である。空気調和ユニット190は、吸入口191、圧縮機192、凝縮器193、ファン194、排出口195、吸入口196、ファン197、蒸発器198、及び排出口199を有する。
ファン194が作動することにより、吸入口191から吸い込まれる保管装置100の外部の空気は、圧縮機192及び凝縮器193を冷却してファン194によって排出口195から排出される。吸入口196で保管室110A1内の空気が吸い込まれると、蒸発器198内で冷媒が空気から熱を吸収し、冷媒が蒸発して圧縮機192に吸い込まれ、高温、高圧のガスに圧縮されて凝縮器193に送られる。蒸発器198で熱が奪われて冷却された空気は、排出口199から保管室110A1に戻される。これにより、保管室110A1を冷蔵室又は冷凍室として機能させることができる。また、このときに、凝縮器193の排熱をヒータ122に利用してもよい。
図8は、掃除制御部163が実行する処理を表すフローチャートを示す図である。ここでは2週間毎に掃除を行う場合の処理について説明する。
掃除制御部163は、処理をスタートさせると、タイマが2週間をカウントしたかどうかを判定する(ステップS1)。掃除制御部163は2週間をカウントしていない(S1:NO)と判定すると、ステップS1の処理を繰り返し実行する。
掃除制御部163は、2週間をカウントした(S1:YES)と判定すると、掃除ユニット150及び異物検出部180をオンにするコマンドを掃除ユニット150及び異物検出部180に送信する(ステップS2)。また、掃除制御部163は、ステップS2でコマンドを送信するとともに、ヒータ122をオンにする。
掃除制御部163は、掃除ユニット150から位置情報を受信したかどうかを判定する(ステップS3)。掃除制御部163は、位置情報を受信していない(S3:NO)と判定すると、ステップS3の処理を繰り返し実行する。
掃除制御部163は、位置情報を受信した(S3:YES)と判定すると、受信した位置情報を棚制御部162に通知する(ステップS4)。この結果、棚制御部162は位置情報に応じて貯蔵棚130の移動が必要かどうかを判定し、必要に応じて貯蔵棚130をさせる。例えば、掃除ユニット150が床111Aを掃除しているときに、貯蔵棚130が邪魔な場合に、貯蔵棚130を移動させるようにすればよい。また、例えば図6に示すように掃除ユニット150が側壁111Bを掃除する場合には貯蔵棚130が側壁111Bから離れるように移動させればよい。掃除ユニット150は、進路上に貯蔵棚130がある場合には貯蔵棚130が移動されるまで待機し、貯蔵棚130が移動された後に移動する。このときに、掃除ユニット150は、例えば、異物検出部153を利用して進路上に貯蔵棚130があることを認識すればよい。
掃除制御部163は、掃除が完了したかどうかを判定する(ステップS5)。掃除ユニット150は掃除が完了すると、完了通知を制御装置160Aに送信する。このため、掃除が完了していれば、掃除制御部163は完了通知を受信することで、掃除が完了したと判定する。
掃除制御部163は、掃除が完了していない(S5:NO)と判定すると、フローをステップS3にリターンする。掃除が完了していないため、引き続き位置情報を棚制御部162に転送するためである。
掃除制御部163は、掃除が完了した(S5:YES)と判定すると、棚制御部162に掃除が完了したことを通知する(ステップS6)。このときに、元の位置から移動している貯蔵棚130がある場合には、棚制御部162は、その貯蔵棚130を元の位置に移動させる。
掃除制御部163は、掃除ユニット150及び異物検出部180をオフにするコマンドを掃除ユニット150及び異物検出部180に送信する(ステップS7)。また、掃除制御部163は、ステップS7でヒータ122をオフにするとともに、タイマをリセットする。
図9は、掃除ユニット150の制御部154が実行する処理を表すフローチャートを示す図である。
制御部154は、処理をスタートさせると掃除制御部163からオンのコマンドを受信したかどうかを判定する(ステップS11)。制御部154は、オンのコマンドを受信していない(S11:NO)と判定すると、ステップS11の処理を定期的に繰り返し実行する。掃除ユニット150は、例えば制御部154が掃除制御部163からオンのコマンドの受信等の最小限の動作を行うスリープ状態(待機状態)で、ステップS11の処理を行えばよい。
制御部154は、オンのコマンドを受信した(S11:YES)と判定すると、掃除ユニット150をオンにする(ステップS12)。掃除ユニット150がオンになると、スリープ状態が解除され、制御部154は駆動部151の動力源151Bを駆動して掃除手順に従って掃除ユニット150を機械室110A2から保管室110A1に移動させる。また、掃除ユニット150がオンになると、制御部154は異物検出部153に異物を検出させる。
制御部154は、掃除手順に従って自動的に掃除を行う(ステップS13)。
制御部154は、位置情報を制御装置160Aに通知する(ステップS14)。制御部154は、移動時間、走行速度、及び進行方向等に基づいて位置情報を生成し、制御装置160Aに通知する。
制御部154は、異物検出部153が異物を検出したかどうかを判定する(ステップS15)。
制御部154は、異物検出部153が異物を検出した(S15:YES)と判定すると、吸引部152に異物を吸引させる(ステップS16)。これにより、異物が吸引部152の内部に吸引される。すなわち、異物が回収される。
制御部154は、掃除が完了したかどうかを判定する(ステップS17)。なお、制御部154は、ステップS15において異物検出部153が異物を検出していない(S15:NO)と判定した場合にもフローをステップS17に進行させる。
制御部154は、掃除が完了していない(S17:NO)と判定すると、フローをステップS13にリターンする。掃除手順に従って引き続き掃除を行うためである。
制御部154は、ステップS17において掃除が完了した(S17:YES)と判定すると、駆動部151の動力源151Bを駆動して機械室110A2の充電スタンド170の前に戻り、掃除が完了したことを制御装置160Aに通知する(ステップS18)。
制御部154は、掃除制御部163からオフのコマンドを受信したかどうかを判定する(ステップS19)。制御部154は、オフのコマンドを受信していない(S11:NO)と判定すると、ステップS19の処理を繰り返し実行する。
制御部154は、ステップS19において掃除制御部163からオフのコマンドを受信した(S19:YES)と判定すると、掃除ユニット150の電源をオフにする(ステップS20)。以上で一連の処理が終了する。
以上のような保管装置100において、事前決済を済ませた利用者が操作パネル114で商品10を選択すると、又は、利用者が操作パネル114で購入する商品10を選択して支払いを済ませると、搬送部140が貯蔵棚130から商品10を取り出してカウンタ113に搬送する。利用者は、商品受取口112Aを通じてカウンタ113に搬送された商品10を受け取ることができる。
このような保管装置100を運営していると、保管室110A1内で搬送部140が商品10を搬送する際に、床111A、側壁111B、天井111C、又は隔壁111Dに異物が生じることがある。このような場合に、掃除ユニット150で掃除することによって異物を回収すればよい。保管装置100は、保管庫110内を自動的に掃除する掃除ユニット150を備えるため、保管庫110を簡単に掃除できる。したがって、保管庫110を簡単に掃除できる保管装置100を提供することができる。
また、掃除ユニット150は、保管庫110の内部に備えられているため、保管庫110の内部に備えられた掃除ユニット150で保管庫110内を掃除でき、保管庫110をより簡単に掃除できる。
また、保管庫110に保管されていた商品10を利用者に引き渡すカウンタ113と、商品10を搬送する搬送部とを備え、搬送部140は、保管庫110に保管されていた商品10を利用者に引き渡すために保管庫110とカウンタ113との間を移動するため、保管庫110で保管される商品10を搬送部140でカウンタ113に搬送できるとともに、搬送時に発生したゴミ又は埃等の異物を簡単に掃除できる。
また、保管庫110の内部に設けられ、異物を検出する異物検出部153又は180を備え、掃除ユニット150は、異物検出部153又は180によって異物が検出された場所を掃除するので、保管庫110を効率的に掃除できる。
また、保管庫110に保管されていた商品10が利用者に引き渡された後に、その商品10が保管されていた保管位置又は前記保管位置の周辺を掃除ユニット150が掃除する場合には、商品10の引き渡し後に異物が存在し得る保管位置又は保管位置の周辺を掃除するので、異物が存在し得る場所を効率的に掃除できる。
また、掃除ユニット150が定期的に掃除する場合には、保管庫内を清潔な状態に保つことができる。
また、保管庫110の内部に充電スタンド170を備え、掃除ユニット150のバッテリは、前記電力供給部で充電されてもよい。
この構成によれば、掃除ユニットを保管庫から取り出すことなく内部で充電できるため、いつでも掃除ユニットを稼働可能な状況に保つことができ、長期にわたって保管庫を簡単に掃除できる。
また、保管装置100が、保管庫110内に床111A、側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dに設けられるレール120を備え、掃除ユニット150がレール120に沿って移動可能であるため、床111A、側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dを効率的かつ確実に掃除することができる。
また、レール120を加熱するヒータ122を備えるため、レール120に付着した水分等が凍結しているような場合に氷の塊等の凍結物を溶融させることで、掃除ユニット150がレール120に沿って確実に移動可能にすることができ、効率的かつ確実に掃除することができる。
また、保管装置100は、保管庫110の内部に配置され商品10が配置される貯蔵棚130と、掃除ユニット150が自動的に掃除する際に、貯蔵棚130を移動させる棚制御部162とを備え、掃除ユニット150は、図6に示すように棚制御部162によって貯蔵棚130が移動された後に掃除を行う。このため、貯蔵棚130を移動させた状態で掃除できる、貯蔵棚130の裏等の床111A、側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dを効率的かつ確実に掃除することができる。
また、掃除ユニット150が貯蔵棚130の周囲を掃除する場合には、貯蔵棚130を移動させた状態で貯蔵棚130の周囲を効率的かつ確実に掃除することができる。
なお、以上では、制御装置160Aから受信するコマンドによって掃除ユニット150のオン、オフが切り替えられ、掃除ユニット150はオンになると、動力源151Bを駆動して自立的に移動し、異物検出部153によって異物が検出されると吸引部152をオンにして異物を吸引する形態について説明した。しかしながら、動力源151Bの駆動制御、及び、吸引部152のオン、オフの制御を制御装置160Aから掃除ユニット150に送信されるコマンドに基づいて行うようにしてもよい。
また、掃除ユニット150が異物検出部153又は180によって異物が検出された場所を掃除する形態について説明したが、掃除ユニット150は、異物が検出された場所以外を掃除してもよい。例えば、予め決められた範囲を掃除するようにしてもよい。また、保管装置100は、異物検出部153及び180の両方を備える構成ではなく、異物検出部153又は180のいずれか一方を備える構成であってもよく、異物検出部153及び180を含まない構成であってもよい。
また、異物検出部153又は180は、カメラで画像処理を行う検出方式のものに限らず、例えば、におい等を検出することで異物を検出するセンサ、赤外線を照射し、反射波に基づいて異物を検出するセンサ、又は、空気中の微粒子を検出することによって異物を検出するセンサ等であってもよい。異物検出部153及び180が互いに異なる検出方式のセンサであってもよい。
また、掃除ユニット150は、吸引部152による吸引で掃除する代わりに、又は、吸引部152に追加して、エアブロー、温風吹きだし、高圧水の噴射、紫外線の照射、又は拭き取りを行うことによって掃除する構成であってもよい。異物検出部153又は180で検出される異物の大きさに応じて、エアブロー、温風吹きだし、高圧水の噴射、紫外線の照射、又は拭き取りの強度を増大させてもよい。様々な手法によって異物を除去することで、保管庫内を清潔な状態に保つことができる。また、温風吹き出しには、凝縮器193の排熱を利用してもよい。凝縮器193の排熱を利用して効率的に掃除することができる。
また、以上では、掃除ユニット150がバッテリ156を有し、充電スタンド170で充電される形態について説明したが、掃除ユニット150はバッテリ156を有さずに、電源から電源ケーブル等によって供給される電力によって駆動する構成であってもよい。
また、以上では、掃除ユニット150が床111A、側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dの表面を掃除する形態について説明したが、掃除ユニット150が掃除を行うのは、床111A、側壁111B、天井111C、及び隔壁111Dのうちの少なくともいずれか1つであってもよい。この場合には、レール120を減らすことができ、保管装置100をより簡易な構成にすることができる。
また、保管装置100は、図10に示すような構成であってもよい。図10は、実施形態の変形例の保管装置100Aを示す図である。保管装置100Aは、図1乃至図3等に示す保管装置100に対して、掃除ユニット250を追加した構成を有する。保管装置100Aは、2つの掃除ユニット150、250を備える。
掃除ユニット250は、一例として-X方向側の側壁111Bに設けられており、レール120に沿ってY方向に移動可能である。掃除ユニット250は、上下方向に長いパイプ状の本体部251と複数のノズル252を有する。掃除ユニット250は、ノズル252からエアブロー、温風吹きだし、又は高圧水の噴射を行う装置である。このような掃除ユニット250で側壁111Bに存在する異物を床111Aに落とし、床111Aの上に位置する掃除ユニット150で吸引等を行うことによって掃除を行う構成であってもよい。また、掃除ユニット250は、紫外線の照射を行ってもよい。また、掃除ユニット250が一例として-X方向側の側壁111Bに設けられている形態について説明したが、+Y方向側の側壁111B、+X方向側の側壁111B、又は-Y方向側の隔壁111Dの表面に移動してもよい。また、掃除ユニット250を天井111Cに設けてもよい。
また、図11に示すようにして掃除を行ってもよい。図11は、実施形態の変形例の保管装置100Bを示す図である。保管装置100Bの保管庫110の保管室110A1は、隔壁111Eによって冷蔵室110A11と冷凍室110A12とに分けられている。冷蔵室110A11は第1領域の一例であり、冷凍室110A12は第2領域の一例である。隔壁111Eは、X方向に二分割されており、引き戸のように移動可能である。隔壁111Eを移動させることで冷蔵室110A11と冷凍室110A12との間で掃除ユニット250は移動可能である。隔壁111Eの移動は制御装置160Aが行ってもよい。なお、図11では搬送部140を省略するが、隔壁111Eには、例えば、搬送部140及び掃除ユニット150が通行可能な開閉可能な扉等を設ければよい。
この場合に、掃除ユニット150は、冷蔵室110A11と冷凍室110A12とを別々に掃除してもよい。この構成によれば、冷蔵室110A11と冷凍室110A12とを効率的に掃除することができる。
以上、本発明の例示的な実施形態の保管装置について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。