JP7311336B2 - 腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、腸内における短鎖脂肪酸の産生促進用組成物及びそれを用いた飲食品又は医薬品に関するものである。
腸内環境を整えることは疾病予防・健康維持において重要である。腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸は上皮細胞のエネルギー源として利用されるのみならず、炎症の抑制や血糖の上昇抑制等様々な働きを有している。短鎖脂肪酸の産生には、水溶性食物繊維が重要であり、水溶性食物繊維としてフルクタンの一種であるイヌリンが知られている。
特許文献1には、イヌリンとスルホニル尿素等とを組み合わせた糖尿病治療のための相乗作用組成物が開示されている。
特開2017-226672号公報
特許文献1のように、イヌリンとその他の化合物の組み合わせに関する効果は徐々に報告されてきているが、イヌリンと大麦の組み合わせによる腸内細菌由来の短鎖脂肪酸産生に与える影響に関しては、いまだ十分に明らかにされていない。
本発明は、腸内の短鎖脂肪酸産生を促進するための組成物及びそれを含む飲食品又は医薬品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、イヌリンと大麦とを組み合わせることによって、腸内で短鎖脂肪酸が産生促進されることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下の発明を包含する。
[1]大麦の穀粒又はその粉砕物と、イヌリンとを含む腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物。
[2]大麦が、その大麦穀粒の粉砕物あたりレジスタントスターチを2~10重量%、フルクタンを5~15重量%及びβ-グルカンを2~15重量%含む、[1]に記載の腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物。
[3]大麦が、デンプン合成酵素IIの発現量及び/又は活性が抑制された大麦である、[1]又は[2]に記載の腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物。
[4]短鎖脂肪酸が、酢酸、プロピオン酸又は酪酸である、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]腸内炎症、炎症性腸疾患を含む自己免疫疾患、アレルギー疾患、大腸癌、糖尿病、肥満、アルコール性肝障害もしくは肝臓癌の予防もしくは治療、又は腸内環境改善もしくは整腸に用いられる、[1]~[4]のいずれかに記載の腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物。
[6][1]~[5]のいずれかに記載の組成物を含む、飲食品。
[7][1]~[5]のいずれかに記載の組成物を含む、医薬品。
本発明によると、腸内、特に遠位結腸部の短鎖脂肪酸産生を促進するための組成物や、斯かる組成物を用いた飲食品又は医薬品が得られる。
コントロール、大麦、イヌリン、及び大麦とイヌリンとの組み合わせに関する酢酸産生量を示す図である。 コントロール、大麦、イヌリン及び大麦とイヌリンとの組み合わせに関するプロピオン酸産生量を示す図である。 コントロール、大麦、イヌリン及び大麦とイヌリンとの組み合わせに関する酪酸産生量を示す図である。 コントロール、大麦、イヌリン及び大麦とイヌリンとの組み合わせに関する総短鎖脂肪酸産生量を示す図である。
本発明の腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物(以下「本発明の組成物」とも称す)は、大麦の穀粒又はその粉砕物と、イヌリンとを含むことを特徴とする。
イヌリンは、典型的には、プレバイオティクスとして重要な役割を果たし、ヒトを含め多くの動物はイヌリン加水分解酵素を持たないので、吸収されずに大腸に到達する。大腸中のミクロフローラ(菌叢)の中に、イヌリン加水分解酵素のイヌリナーゼを分泌する菌が含まれ、特に有益菌の代表、ビフィズス菌が知られている。よって、イヌリンを含んだ食物を摂取すると、ビフィズス菌等の有益菌が優先的に増加し有害菌の繁殖を抑える。また、イヌリンの発酵過程で乳酸等の有機酸が増加することから整腸効果を有する。
本発明では、大麦の穀粒又はその粉砕物とイヌリンとを組み合わせることで、腸内における短鎖脂肪酸、特に酢酸、プロピオン酸又は酪酸を産生促進する優位な効果が得られた。
本発明における「イヌリン」は、末端にグルコースをもつフルクトースの多糖ポリマーである、水溶性食物繊維として知られているフルクタンのうち、D-フルクトフラノースがβ2→1グリコシド結合で重合した直鎖状フルクタンである「直鎖イヌリン」を含む。また、本発明における「イヌリン」は、β2→1グリコシド結合及び少なくとも1つのβ2→6グリコシド結合を有する分岐状フルクタンである「分岐鎖イヌリン」も含む。
直鎖イヌリンは、通常鎖長が2~100の範囲であり、好ましくは2~60の範囲であり、平均鎖長は通常5~30であり、イヌリン中の結合の少なくとも90%がβ2→1グリコシド結合である。斯かる直鎖イヌリンは、チコリ由来のイヌリンの場合は、例えばFrutafit(登録商標)(平均鎖長8~13)又はRaftiline(登録商標)を用いることができ、酵素合成によるイヌリンを用いる場合は、例えばフジFF(登録商標)を用いることができる。
一方、分岐鎖イヌリンは、テキーラの原料である多肉質の植物であるアガベ(リュウゼツラン)に豊富に含まれることが知られている(J. Agric. Food Chem., (2003) 51 (27), pp 7835-7840、J. Agric. Food Chem., (2006) 54 (20), pp 7832-7839、等)。本発明における分岐鎖イヌリンは、特に限定されないが、例えば上記アガベから国際公開07/142306号パンフレット等に記載の常法により得られ、典型的には、アガベの茎部分であるピーニャから細断、搾汁、濾過、精製、濃縮、粉末乾燥等を行った処理物に含まれる。このような処理物はアガベイヌリンとも称される。
本発明におけるイヌリンは、粉末状、溶液状又はシロップ状等の種々の形態を採ることができ、粘性を増加させて食品で用いる結着剤として利用してもよい。
本発明における「大麦」は、特に限定されず、六条オオムギ品種、裸麦品種又は二条オオムギ品種が挙げられる。六条オオムギ品種としては、例えば、シュンライ、カシマムギ、ミノリムギ、マサカドムギ、はるしらね又はその後代の品種が挙げられる。裸麦品種としては、例えば、イチバンボシ、マンネンボシ、トヨノカゼ、ダイシモチ、ユメサキボシ、キラリモチ、ビューファイバーの他、高アミロースオオムギ品種であるHimalaya292(バーリーマックス(登録商標)大麦としても知られている)又はその後代の品種が挙げられる。二条オオムギ品種としては、例えば、アサカゴールド、さきたま二条、ニシノゴールド、ミカモゴールデン、あまぎ二条、スカイゴールデン、ニシノチカラ、ミサトゴールデン、おうみゆたか、タカホゴールデン、ニシノホシ、ミハルゴールド、きぬか二条、ダイセンゴールド、ニューゴールデン、みょうぎ二条、きぬゆたか、とね二条、はるな二条、なす二条、ほうしゅん、白妙二条、とちのいぶき又はその後代の品種が挙げられる。
本発明の組成物における大麦は、大麦穀粒の粉砕物あたり、食物繊維の公定法であるAOACのうち、AOAC2002.02により測定したレジスタントスターチ量を通常2~10重量%、好ましくは3~7重量%含み、また、AOAC993.03により測定したフルクタン量を通常5~15重量%、好ましくは8~13重量%含み、さらに、AOAC995.16で測定したβグルタン量を通常2~15重量%、好ましくは4~12重量%含む大麦が好ましい。
さらに本発明では、オーストラリア産の裸麦である大麦品種バーリーマックス((登録商標)。本明細書における「デンプン合成酵素IIの発現量及び/又は活性が抑制された大麦」又は「SSII抑制大麦」に相当する)が最も好ましい。
ここで、本発明において「大麦の穀粒」とは、栽培・収穫後の外皮の付いた大麦において、その外皮を除去して精麦した状態の大麦の粒を意味する。
また、本発明において、「大麦穀粒の粉砕物」とは、上記大麦の穀粒が砕かれた固形物を指し(本明細書においては「大麦粉」とも称す)、好ましくは、精麦後の外皮を取り除き、ふすまの付いた状態の大麦穀粒を粉砕した全粒粉である。粉砕は、乳鉢、包丁、カッターナイフ、ハサミ等を用いて手作業で行ってもよいが、大量の植物体を短時間で処理しようとする場合には装置を使用する。そのような装置としては、例えば、ミル、ハンマー式粉砕機、ミキサー、ブレンダーが挙げられる。
本発明において「レジスタントスターチ」とは、穀物等に含まれるデンプンのうち消化酵素に対して難消化性の画分を意味する。レジスタントスターチは、その消化抵抗性の機構の違いより、RS1~RS4に分類され、RS1は、豆類や未粉砕の全粒穀類のデンプンなど物理的に消化酵素が接触できないもの、RS2は、生のジャガイモ、未熟なバナナ、又はハイアミロースコーン等のデンプン、RS3は、老化デンプン(一旦糊化(α化)したデンプンが再結晶化(β化)したもの)、RS4は、加工デンプン(架橋デンプンなど化学修飾されたもの)として分類される。本発明において、レジスタントスターチはRS1~RS4のいずれであってもよいが、食品として簡便に摂取でき、また、下行結腸やS字結腸、直腸により到達しやすいRS1型のレジスタントスターチが好ましく、より好ましくは大麦品種バーリーマックス(登録商標)に含まれるレジスタントスターチである。レジスタントスターチを定量する方法としては、AOAC2002.02に則った、Megazyme社のResistant Starch Assay Kitを用いることができる。
本発明において「フルクタン」とは、フラクトオリゴ糖等を含むフルクトース多糖を意味する。フルクタンには、フルクトースのみが重合したホモ多糖のほか、スクロースにフルクトースが重合した多糖も包含される。多糖とは、3以上の糖が重合してなるオリゴマーを意味する。フルクタンは、天然には、主に微生物や植物内に存在しており、禾本科植物の葉や茎等に存在し、細菌の作用により蔗糖から生成される細菌分泌多糖であるレバン(D-フルクトフラノースがβ2→6結合)、キク科、ユリ科、アヤメ科、ラン科等の植物の根、根茎、穀物等に存在するイヌリン型フルクタン(D-フルクトフラノースがβ2→1結合。上記直鎖イヌリンに相当)、ラッキョウ、ニンニク、タマネギ等のネギ属植物の球根(鱗茎)に含まれるグラミナン型フルクタン(β2→6結合及びβ2→1結合の両方を含む。上記分岐鎖イヌリンに相当)等が知られている。本発明において、フルクタンには、レバン、イヌリン型フルクタン、グラミナン型フルクタン及びその他のフルクタンのいずれもが包含されるが、イヌリン型フルクタン及びグラミナン型フルクタンが好ましい。また、本発明において、フルクタンには、微生物や植物から抽出されたフルクタンの加水分解物をも包含される。フルクタンを加水分解する方法としては、イヌリナーゼ等の加水分解酵素でフルクタンを限定分解する方法等が挙げられる。本発明で用いるフルクタンは、合成物、天然物の何れであってもよく、天然物の場合、微生物、植物等由来のものが用いられる。フルクタンを定量する方法としては、AOAC993.03に則った、Megazyme社のFructan Assay Kitを用いることができる。
本発明において「β-グルカン」とは、グルコースが1-3結合と1-4結合で結合してできた多糖((1-3),(1-4)-β-D-グルカン)であり、食物繊維の一種である。本発明においてβ-グルカンの重量平均分子量は数万から数百万を有してもよい。β-グルカンを定量する方法としては、AOAC995.16に則った、Megazyme社のβ-Glucan Assay Kitを用いることができる。
本発明における大麦として、最も好ましい大麦として上述した「デンプン合成酵素IIの発現量及び/又は活性が抑制された大麦」は、特開2002-540557号公報及び特開2012-521910号公報に開示されている大麦である(本明細書では「SSII抑制大麦」とも称す)。具体的には、SSII抑制大麦は、デンプン合成酵素II遺伝子の発現を下方制御する、内在性デンプン合成酵素II遺伝子中の変異又は外来性核酸分子を導入することにより、野生型SSII遺伝子と比較してSSII遺伝子の発現を低下させる変異を導入する手法や、大麦において野生型デンプン合成酵素IIポリペプチドに比較して、合成活性が低いデンプン合成酵素IIポリペプチドの発現を生じさせる変異を導入する手法を用いて得ることができる。市販品としては、品種改良大麦バーリーマックス(登録商標)(帝人)として入手できる。デンプン合成酵素IIは、そのアイソフォームとして、デンプン合成酵素IIa、デンプン合成酵素IIb及びデンプン合成酵素IIcが知られているが、大麦穀粒の表現型等の点からは、デンプン合成酵素IIaが抑制されることが好ましい。
本発明において、上記大麦のデンプン合成酵素IIの発現量及び/又は活性が「抑制された」とは、デンプン合成酵素IIの発現量及び/又は酵素活性が、未改変(野生型)の大麦穀粒でのタンパク質の発現量及び/又は酵素活性と比較すると、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも90%又は少なくとも95%に低下している状態を意味する。
本発明では、上記の粉砕により得られた粉砕物を、必要に応じてさらに、圧搾、濃縮、固液分離、加熱滅菌、ろ過滅菌等の公知の技術を単独又は2つ以上組み合わせて処理することもできる。
大麦及びイヌリンの含有量は、所望の効果を発揮する有効量を含んでいればよく、限定されないが、総食物繊維を基準とした重量比として、イヌリン:大麦が25:75~75:25(%)程度であればよい。総量としては、粉末状のイヌリン及び大麦を合計した重量が、ヒトに対して1日あたり、通常1~50g程度であればよい。総食物繊維を定量する方法としては、AOAC991.43に則った、Megazyme社のTotal Dietary Fiber Assay Kitを用いることができる。
本発明の腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物は、主にヒトの大腸内の腸内細菌によって消化発酵されることにより、その代謝物である短鎖脂肪酸の産生を相乗的に促進することができる。一般に、ヒトの大腸内では、腸内細菌が食物繊維を発酵する際に短鎖脂肪酸を産生し、健康維持に欠かせない役割を果たしている。ヒトの場合、酢酸、プロピオン酸、酪酸の3種が代表的な短鎖脂肪酸として知られている。ヒトの体で短鎖脂肪酸が作られる部位は腸内細菌が多い大腸で、作られた短鎖脂肪酸は大腸から体内に吸収される。
本発明において腸内で産生促進される酢酸は、病原性大腸菌O157の感染を予防することや腸管バリア機能を向上することが報告されている(Nature, 469, 543 (2011))。腸管バリア機能の障害は、炎症性腸疾患を含む自己免疫疾患、大腸癌、肥満、糖尿病、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎やアルコール性肝障害等の疾患で観察されることから、腸管バリア機能の障害がこれら疾患の増悪因子であると考えられている。よって、本発明の腸内酢酸産生促進用組成物は、炎症性腸疾患を含む自己免疫疾患、大腸癌、肥満、糖尿病、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎又はアルコール性肝障害の予防・治療に用いることができる。
また、本発明において腸内で産生促進されるプロピオン酸は、活性化したGPR43受容体が脂肪細胞のインスリン受容体に抑制シグナルを送ることで、ブドウ糖や脂肪酸の取り込みを抑制し、脂肪の蓄積を抑制することが示唆されている(Nat. Comm., May 7, 1-12 (2013))。本作用は酢酸も有するとされている。さらに、プロピオン酸は肝臓癌細胞にある短鎖脂肪酸受容体に作用して、肝臓癌細胞の増殖を抑えるという研究報告がある(Br. J. Cancer 107: 1337-1344)。よって、本発明の腸内プロピオン酸産生促進用組成物は、肥満、糖尿病や肝臓癌の予防・治療に用いることができる。
また、本発明において腸内で産生促進される酪酸については、腸は全身の免疫細胞のおよそ60%が集中し、腸の免疫バランスの崩れ、特に過剰な免疫反応が全身に影響すると言われているが、酪酸には、ナイーブT細胞から、過剰な免疫反応を抑える制御性T細胞へ分化促進することで、大腸局所で誘導された制御性T細胞が大腸炎やアレルギー等の免疫応答を抑制することが報告されており(Nature, 504, 446 (2013))、腸の免疫疾患である炎症性腸疾患だけでなく、炎症性腸疾患以外の自己免疫疾患や、アレルギー疾患を予防又は治療できることが期待される。さらに、酪酸が、腸管細胞のMUC2遺伝子を活性化することで、粘膜物質であるムチンの分泌を促進し、大腸を保護する作用があることが報告されている(World J. Gastroenterol 17 (12): 1519-28 (2011))。また、酪酸には、大腸細胞の異常増殖の抑制やアポトーシスの促進、大腸細胞の病変を抑えるなどの作用によって大腸癌の発症を抑えることが示唆されている(腸内細菌学雑誌 16: 35-42等)。さらに、酪酸には腸管にあるL細胞に作用して、腸管ホルモンであるGLP-1の分泌を促す作用がある(J. Biol. Chem. 288 (35): 25088-97 (2013))。GLP-1は糖尿病を予防・改善する作用があり、インスリンを分泌する膵臓β細胞数の減少を抑えたり、インスリン分泌を促す作用がある。GLP-1受容体との作用性を高めたGLP-1受容体作動薬は糖尿病治療薬のひとつとして使われている(京府医大誌 122 (8): 531-540)。さらに、酪酸やフ゜ロヒ゜オン酸は腸管のL細胞からGLP-1のほかPYYのような腸管ホルモンも分泌する。GLP-1やPYYは、脳に作用して食欲を抑える働きがあり、満腹感を持続させて過食を防ぐことが知られている(PLoS One 7 (4) (2012))。また、酢酸はそれ自体が脳に直接作用して食欲を抑えるという研究報告もある(Nat. Commun. 5: 3611 (2014))。よって、本発明の腸内酪酸産生促進用組成物は、腸内炎症、炎症性腸疾患、炎症性腸疾患以外の自己免疫疾患や、アレルギー疾患、大腸癌、糖尿病又は肥満の予防・治療に用いることができる。
その他、短鎖脂肪酸は腸内を弱酸性にすることで有害な二次胆汁酸をできにくくするため大腸癌の予防につながる(腸内細菌学雑誌 16: 35-42)。また、短鎖脂肪酸は脂肪細胞にある短鎖脂肪酸受容体に作用して脂肪細胞へのエネルギーの取り込みを抑え、脂肪細胞の肥大化を防ぐことが報告されており(YAKUGAKU ZASSHI 134 (10): 1030-42.)、肥満の予防・治療が期待できる。
以上より、本発明の腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物は、大腸癌や肥満の予防・治療に用いることができる他、上述した、酢酸、プロピオン酸及び酪酸が有する予防・治療の対象である、腸内炎症、炎症性腸疾患を含む自己免疫疾患、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を含むアレルギー疾患、大腸癌、糖尿病、肥満、アルコール性肝障害又は肝臓癌に対しても用いることができる。さらに、短鎖脂肪酸自体は酸性の成分なので、短鎖脂肪酸ができると弱酸性の腸内環境になる。弱酸性であると悪玉菌の出す酵素の活性が抑えられるため、発がん性物質である二次胆汁酸や有害な腐敗産物ができにくくなり、整腸作用により腸内環境が改善される。よって、本発明の腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物は、腸内環境改善、整腸を目的として使用することもできる。
本発明の腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物は、上記の通り、主にヒトの大腸内で消化発酵されるが、大腸は結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸(直腸S状部、上部直腸、下部直腸)により構成されるところ、本発明の組成物は特に、遠位結腸と呼ばれる下行結腸やS状結腸にまで到達して、結腸全域において短鎖脂肪酸の産生を促進することができる。一般に、大腸内の消化・吸収は、遠位結腸に到達する前に行われることが多く、遠位結腸部の腸内環境が悪化しやすいところ、本発明の組成物は遠位結腸にまで到達して短鎖脂肪酸を産生促進できる点で特に優れている。
本発明の組成物は、ヒト又は動物用の医薬品又は飲食品として利用することもできる。本明細書では、動物用の飲食品を飼料とも称す。
本発明における医薬品は、本発明の組成物を含有する腸内短鎖脂肪酸産生促進薬等であり得る。上記医薬品の剤型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、液剤、懸濁剤等の経口剤、及び吸入剤、経皮製剤、坐剤等の経腸製剤、点滴剤、注射剤等の非経口剤が挙げられる。上記液剤、懸濁剤等の液体製剤は、服用直前に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁する形であってもよく、上記錠剤及び顆粒剤は周知の方法でその表面をコーティングされていてもよい。また上記注射剤は、必要に応じて溶解補助剤を含む滅菌蒸留水又は滅菌生理食塩水の溶液であり得る。
本発明における医薬品は、本発明の組成物に加えて、必要に応じて薬学的に許容される種々の担体、例えば賦形剤、安定化剤、その他の添加剤等を含有していてもよく、あるいは、さらに他の薬効成分、例えば各種ビタミン類、ミネラル類、生薬等を含有していてもよい。当該医薬品は、本発明の組成物に、上述の担体及び他の薬効成分を配合し、常法に従って製造することができる。
本発明における飲食品又は飼料は、本発明の組成物を含み、場合によって、腸内短鎖脂肪酸産生促進の効果を企図して、その旨を表示した健康食品、機能性飲食品、特定保健用飲食品、病者用飲食品、家畜、競走馬又は鑑賞動物等のための飼料、ペットフード等としてもあり得る。
本発明における飲食品及び飼料の形態は特に制限されず、本発明の組成物を配合できる全ての形態が含まれる。例えば当該形態としては、固形、半固形又は液状であり得、あるいは、錠剤、チュアブル錠、粉剤、カプセル、顆粒、ドリンク、ゲル、シロップ、経管経腸栄養用流動食等の各種形態が挙げられる。
具体的な飲食品の例としては、緑茶、ウーロン茶や紅茶等の茶飲料、コーヒー飲料、清涼飲料、ゼリー飲料、スポーツ飲料、乳飲料、炭酸飲料、果汁飲料、乳酸菌飲料、発酵乳飲料、粉末飲料、ココア飲料、アルコール飲料、精製水等の飲料、バター、ジャム、ふりかけ、マーガリン等のスプレッド類、マヨネーズ、ショートニング、クリーム、ドレッシング類、パン類、米飯類、麺類、パスタ、味噌汁、豆腐、牛乳、ヨーグルト、スープ又はソース類、ベーカリー類(パン、パイ、ケーキ、クッキー、ビスケット、クラッカー等)、菓子(ビスケットやクッキー類、チョコレート、キャンディ、ケーキ、アイスクリーム、チューインガム、タブレット等)、栄養補助食品(丸剤、錠剤、ゼリー剤又はカプセル剤等の形態を有するサプリメント、グラノーラ様シリアル、グラノーラ様スネークバー、シリアルバー)等が挙げられる。
本発明における飼料は、上記飲食品とほぼ同様の組成や形態で利用できることから、本明細書における飲食品に関する記載は、飼料についても同様に当てはめることができる。
本発明における飲食品及び飼料は、本発明の組成物に、飲食品や飼料の製造に用いられる他の飲食品素材、各種栄養素、各種ビタミン、ミネラル、アミノ酸、各種油脂、種々の添加剤(呈味成分、甘味料、有機酸等の酸味料、界面活性剤、pH調整剤、安定剤、酸化防止剤、色素、フレーバー等)等を配合して、常法に従って製造することができる。あるいは、通常食されている飲食品又は飼料に、本発明の組成物を配合することにより、本発明に係る飲食品又は飼料を製造することもできる。
本発明における医薬品、飲食品又は飼料に含まれる本発明の組成物の含有量は、所望する腸内短鎖脂肪酸促進効果が得られる量であればよく、医薬の剤型や飲食品の形態、投与又は摂取する個体の種、症状、年齢、性別等に応じて適宜変更され得るが、粉末状のイヌリン及び大麦を合計した重量が、ヒトに対して1日あたり、通常1~50g程度であればよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。
[飼料の調製]
飼料は、AIN-93G(オリエンタル酵母工業株式会社)をベースに、表1の飼料組成にて、コントロール群(CTとも称す)用としてセルロース10.00%を、大麦全粒粉群(BMとも称す)用として表2の成分を有する大麦粉15.34%及びセルロース5.00%を、イヌリン群(IQとも称す)用としてイヌリン5.56%及びセルロース5.00%を、大麦粉及びイヌリン(BM+IQとも称す)群用として大麦粉15.34%及びイヌリン5.56%を、それぞれ配合して作製した。これらの配合飼料は、総タンパク質量が20質量%、総食物繊維量が10質量%になるように調製した。セルロースは富士フイルム和光純薬株式会社から購入し、イヌリンはFrutafit IQ(登録商標)(Sensus社)を用いた。AIN-93Gはオリエンタル酵母工業株式会社より購入した。大麦の全粒粉は、バーリーマックス(登録商標)(帝人株式会社)を用いた。
Figure 0007311336000001
Figure 0007311336000002
[動物実験の実施]
1週間の馴化飼育が完了した8週齢のC57BL/6オスマウスを群分け後、各飼料を14日間給餌した。給餌開始14日後に解剖を行い、各飼料摂食群のマウスの遠位結腸から内容物を回収した。回収した内容物は重量を測定後、冷凍保存した。
[短鎖脂肪酸の測定]
短鎖脂肪酸の測定には、超高速液体クロマトグラフ(NexeraX2、島津製作所)を用い、分析条件を表3の内容で行った。冷凍保存していた遠位結腸内容物を解凍し、15倍量のPBSに懸濁した後、4倍量の2N過塩素酸を加えて混合した。5分間静置した後、遠心分離し、得られた上清をHPLC前処理フィルターで濾過したものを測定サンプルとした。短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)の同定は測定サンプルと標準溶液の保持時間の比較によって、定量はピーク面積の比較によって行った。
Figure 0007311336000003
[実施例1]
上記の通り試験を行い、各飼料における遠位結腸内容物あたりの酢酸量を測定したところ、図1及び表4の結果が得られた。BM添加群又はIQ添加群と比較して、BM+IQ群飼料では、遠位結腸内容物あたりの酢酸量の有意な増加が認められた。
これらの組み合わせの相乗効果を、以下の計算式により算出した。
〈相乗効果〉=XY/((X/2)+(Y/2))
(式中、Xは大麦粉(BM)単体、Yはイヌリン(IQ)単体の酢酸等の短鎖脂肪酸量であり、XYは各試料を組み合わせて添加した場合の酢酸等の短鎖脂肪酸量である。上記[試料の調製]の通り、XYとX又はYは総食物繊維量を等しくしているため、X又はYは、その単体の酢酸等の短鎖脂肪酸量を1/2にしている)。
上記計算式から、BM+IQ群用飼料における相乗効果は、表4中の各値より、3794.6/((746.3/2)+(912.8/2))にて算出したところ約4.6倍となった。よって、BM+IQ群用飼料における相乗効果が確認され、大麦粉とイヌリンの組み合わせによって腸内、特に遠位結腸における細菌叢からの酢酸産生が促進されることがわかった。
[実施例2]
上記の通り試験を行い、各飼料における遠位結腸内容物あたりのプロピオン酸量を測定したところ、図2及び表4の結果が得られた。BM添加群又はIQ添加群と比較して、BM+IQ群飼料では、遠位結腸内容物あたりのプロピオン酸量の有意な増加が認められた。
これらの組み合わせの相乗効果を、実施例1と同様に算出したところ約2.9倍となった。よって、BM+IQ群用飼料における相乗効果が確認され、大麦粉とイヌリンの組み合わせによって腸内、特に遠位結腸における細菌叢からのプロピオン酸産生が促進されることがわかった。
[実施例3]
上記の通り試験を行い、各飼料における遠位結腸内容物あたりの酪酸量を測定したところ、図3及び表4の結果が得られた。BM添加群又はIQ添加群と比較して、BM+IQ群飼料では、遠位結腸内容物あたりの酪酸量の有意な増加が認められた。
これらの組み合わせの相乗効果を、実施例1と同様に算出したところ約4.1倍となった。よって、BM+IQ群用飼料における相乗効果が確認され、大麦粉とイヌリンの組み合わせによって腸内、特に遠位結腸における細菌叢からの酪酸産生が促進されることがわかった。
[実施例4]
上記の通り試験を行い、各飼料における遠位結腸内容物あたりの総短鎖脂肪酸量を測定したところ、図4及び表4の結果が得られた。BM添加群又はIQ添加群と比較して、BM+IQ群飼料では、遠位結腸内容物あたりの総短鎖脂肪酸量の有意な増加が認められた。
これらの組み合わせの相乗効果を、実施例1と同様に算出したところ約4.2倍となった。よって、BM+IQ群用飼料における相乗効果が確認され、大麦粉とイヌリンの組み合わせによって腸内、特に遠位結腸における細菌叢からの総短鎖脂肪酸産生が促進されることがわかった。
Figure 0007311336000004

Claims (6)

  1. 大麦の穀粒又はその粉砕物と、イヌリンとを含む遠位結腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物であって、前記大麦が、その大麦穀粒の粉砕物あたりレジスタントスターチを2~10重量%、フルクタンを5~15重量%及びβ-グルカンを2~15重量%含むものである、前記組成物
  2. 大麦が、デンプン合成酵素IIの発現量及び/又は活性が抑制された大麦である、請求項1に記載の遠位結腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物。
  3. 短鎖脂肪酸が、酢酸、プロピオン酸又は酪酸である、請求項1又は2に記載の遠位結腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物。
  4. 腸内炎症、炎症性腸疾患を含む自己免疫疾患、アレルギー疾患、大腸癌、糖尿病、肥満、アルコール性肝障害もしくは肝臓癌の予防もしくは治療、又は腸内環境改善もしくは整腸に用いられる、請求項1~のいずれか一項に記載の遠位結腸内短鎖脂肪酸産生促進用組成物。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載の組成物を含む、遠位結腸内短鎖脂肪酸産生促進用飲食品。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載の組成物を含む、遠位結腸内短鎖脂肪酸産生促進用医薬品。
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