JP2011246414A - 筋肉組織における脂質代謝促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】筋肉組織における脂質代謝及び/又は脂質輸送の促進剤を提供する。
【解決手段】 多糖類を含み、筋肉組織において脂質代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用を有する、脂質代謝及び/又は脂質輸送促進剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、食物繊維などの多糖類を含む、筋肉組織における脂質代謝促進剤に関する。
近年、食生活の欧米化により、日本国内でも肥満、高血圧、血糖値の異常などの生活習慣病が増大しており、医療費の増大は大きな社会問題となっている。特に肥満は、皮下脂肪だけなく、内臓脂肪の蓄積も問題となり、高血圧、糖尿病等の誘引材料となり、心臓疾患などの重大な疾患への引き金となるため、肥満の抑制は大きな課題となっている。
肥満を抑制するためには、食品による栄養素の摂取量を適切な状態にする指導を始め、運動等によるカロリーの消費など個人による人為的努力が有効であるが、個人の負担が大きくなることがある。従って、個人の負担を減らして肥満効果を得るために、過剰な栄養素の吸収抑制や脂肪燃焼効果を有する機能性食品があればより好ましいと考えられる。
機能性食品素材の中でも、特に食物繊維などは整腸作用、コレステロールや炭水化物の吸収抑制作用などの機能性があることが報告されており、心疾患に対するリスクを有意に減少させることが知られている(特許文献1、2、3)。
例えば、最近、アメリカの食品医薬品局(USFDA)は、飽和脂肪およびコレステロールの低い食事の一部としてサイリウム殻またはサイリウム種子殻から得られた7グラムの可溶性多糖類を毎日摂取することにより、各個人の血液中の総コレステロール濃度およびLDLコレステロール濃度をゆるやかに中程度の高コレステロール血症まで低下させ、冠状動脈性心疾患(CHD)の危険性がなり得ることを確認した。この発見を考慮して、USFDAは、通常消費基準量(RACC、1日当たり4食により分けられた7グラム)当たり最小95%精製の可溶性多糖類を含む食品のラベリングにCHD治癒力の能書きを認可している。USFDAは、可溶性多糖類を定義するために、用語「サイリウム殻」または「サイリウム種子殻」を採用した。
一般的に食物繊維とは、人の消化酵素によって消化されないもしくは消化されにくい、食物に含まれている難消化性成分の総称である。化学的には多糖類であることが多く、可溶性多糖類、不溶性多糖類の大きく2つに分類できる。
このような可溶性多糖類としては、例えば寒天、ペクチン、グアガム、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン、タマリンドシードガム、アルギン酸、プルラン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、サイリウム、カードラン、ジェランガム及びマンナン類(グルコマンナン、ガラクトマンナン等)などが挙げられる(特許文献4)。
また不溶性多糖類としては、例えば、セルロース、リグニン、ヘミセルロースA、C、キチン、キトサン、コラーゲンなどが挙げられる。
従来、食物繊維は、消化されない、又はされにくいといった理由から栄養学的にあまり研究されてこなかった。しかしながら、近年の疫学的な調査結果を動機付けとし、コレステロール低減効果を中心とした作用メカニズムの解明が精力的に行われるようになった(非特許文献1)。
特に粘性のある可溶性多糖類は、下部小腸の管腔において胆汁酸の吸収を妨げ、多くの胆汁酸が糞便によって失われる。主として、血中コレステロールは、胆汁酸の喪失を補うためにより多くの胆汁酸を合成するのに肝臓において使用されるので、血中コレステロールは低下すると考えられている。
すなわち、腸管循環コレステロール量の低下、肝臓中にプールされているコレステロール量の低下という効果により、血中の総コレステロールの低下作用、LDLコレステロール低下作用、リポタンパク質の代謝変化などのメカニズムにより、その効果が発揮されることが提唱されている。しかしながら、現在までの研究例は他の研究領域と比較し、数が少なく、今後明らかにされるべき知見が数多く残されている(非特許文献1、2,3)。
特表2001-522614号公報 特表2004-519254号公報 特表2007-510743号公報 特開2005-330198号公報
"Guar gum and similar soluble fibers in the regulation of cholesterol metabolism: Current understandings and future research priorities"Vascular Health and Risk Management 2008:4(5) 1023-1033 Fernandez ML. 2001. Soluble fiber and indigestible carbohydrate effects on plasma lipids and cardiovascular risks. Curr Opin in Lipidol,12:35-40. Roy S, Vega-Lopez S, Fernandez ML. 2000. Gender and hormonal status affect the hypolipidemic mechanisms of dietary soluble fiber in guinea pigs. J Nutr, 130:600-7.
これまで知られている食物繊維などの多糖類の機能には、便通性の改善、血中コレステロール低下作用などがあるが、本発明の目的は、上記以外の新たな機能を明らかにし、その機能によって食物繊維の新規な用途を見出すことにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意研究を行ったところ、従来から行われている血中コレステロール濃度測定、トリグリセリド濃度測定のような手法ではなく、DNAチップを用いた組織での遺伝子発現変化をモニターすることにより、従来から知られる食物繊維の効果、すなわち便通性の改善、胆汁酸の吸収を妨げることによる血中コレステロール低下作用等以外に、筋肉組織における脂質代謝促進効果を見つけ出すことに成功した。
すなわち、本発明は、多糖類を含む脂質代謝及び/又は脂質輸送促進剤である。
本発明の促進剤は、筋肉組織において脂質代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用を有するものである。多糖類としては、例えばサイリウム、グアガム、タラガム、タマリンドシードガム及びキトサンからなる群から選ばれる少なくとも1つが挙げられ、これらの中でもサイリウムが特に好ましい。また、本発明の促進剤は、筋肉組織において、脂質代謝及び/又は脂質輸送に関連する遺伝子の発現量を変動させることができる。脂質代謝及び/又は脂質輸送に関連する遺伝子としては、例えば、Lpl、Cd36、Cact、Acsl1、Acss1、Acadl、Acadm、Acads、Hadh、Hadha、Hadhb、Cpt1b及びSlc2a1からなる群から選ばれる少なくとも1つが挙げられる。
さらに、本発明は、多糖類を含み、かつ、筋肉組織において脂質代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用を有する、脂肪蓄積抑制用組成物である。
さらに、本発明は、サイリウムを含み、かつ、筋肉組織において脂肪代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用を有する、脂肪蓄積抑制用組成物である。
さらに、本発明は、多糖類を含み、かつ、筋肉組織において脂質代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用有する、肥満改善及び/又は予防用組成物である。
さらに、本発明は、多糖類を含み、かつ、筋肉組織において脂質代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用を有する、メタボリック症候群治療及び/又は予防用組成物である。
上記組成物は、ダイエット用にも使用することができる。
本発明において食物繊維などの多糖類は、筋肉組織における脂質代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用を有し、その効果は、優れた脂肪蓄積抑制効果を示す。そのため、多糖類は脂質代謝及び/又は脂質輸送促進用食品成分に含めるための組成物として、あるいは食品において脂肪蓄積抑制を目的とした用途に拡大することが可能である。また、筋肉組織における脂質代謝促進効果を利用した抗肥満作用により、肥満の防止、改善ひいては生活習慣病の防止、改善が可能な、食品成分の提供及び食品摂取方法を提供することも出来る。
本発明の組成物の体重増加抑制効果を示す図である。 総コレステロール濃度及び血中トリグリセリド濃度を測定した結果を示す図である。 肝臓における遺伝子発現変化を示す図である。 筋肉における遺伝子発現変化を示す図である。 細胞内における遺伝子発現経路を示す模式図である。 精巣上体脂肪量及び腹膜後方脂肪量を測定した結果を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
1.多糖類
多糖類とは、単糖分子がグリコシド結合によって多数結合した糖質を意味する。植物細胞壁に由来するもの(セルロース、ペクチン等)、節足動物又は菌類の外骨格に由来するもの(キチン等)、藻類の細胞に由来するもの(アガロース(寒天)、カラギーナン等)、微生物が分泌するゲル状物質に由来するもの(キサンタンガム等)などが存在する。消化されない、もしくは消化されにくい多糖は食物繊維として扱われる。食物繊維は大きく可溶性多糖類と不溶性多糖類の2種類に分類することができ、このうち可溶性多糖類とは液体と混合すると粘着性のゲル状となるものであり、不溶性多糖類とは消化経路をほとんど無変化で通り抜けてしまうものである。
本発明においては、主として、植物由来の多糖類又は動物若しくは微生物由来の可溶性多糖類を使用することができる。このような多糖類としては、例えば大豆多糖類、寒天、ペクチン、グアガム、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン、タマリンドシードガム、アルギン酸、プルラン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、サイリウム、カードラン、ジェランガム及びマンナン類(グルコマンナン、ガラクトマンナン等)などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明においては、不溶性多糖類を使用することも可能である。不溶性多糖類には、キチン、キトサン、セルロース、ヘミセルロースなどが含まれるが、これらのうちキチン、キトサンがより好ましい。
以上列挙したような食物繊維としては市販のものを使用することもでき、以下に具体例を挙げる。
大豆多糖類は、大豆または大豆処理物から抽出できる水溶性多糖類であり、例えばダイズ豆を破砕後、水溶性画分を抽出することにより得ることができる。また、市販品(不二製油社)を使用することが可能である。
寒天は、テングサなどの紅藻類の粘液質からなる多糖類であり、例えばテングサの粘液質を凍結乾燥することにより得ることができる。また、市販品(和光純薬工業社)を使用することが可能である。
ペクチンは、多くの植物の細胞壁構成成分として、セルロース等他の成分と結合している複合多糖類からなる成分であり、例えば柑橘類の皮から熱水抽出することにより得ることができる。また、市販品(和光純薬工業社)を使用することが可能である。
グアガムは、マメ科グアーの種子・胚乳から得られる水溶性の食物繊維であり、例えばマメ科グアーから水溶性画分を抽出することにより得ることができる。また、市販品(エムアールシーポリサッカライド社)を使用することが可能である。
アラビアガムは、ネムノキ科アラビアゴムノキから得られる多糖類(アラビノガラクタン)を主成分とする水溶性の食物繊維である。であり、例えばアラビアゴムノキの樹皮傷口からの分泌物を乾燥することにより得ることができる。また、市販品(三栄源エフ・エフ・アイ社)を使用することが可能である。
キサンタンガムは、トウモロコシなどから得られる澱粉を処理した多糖類であり、例えばトウモロコシ由来の澱粉を発酵させることにより得ることができる。また、市販品(エムアールシーポリサッカライド社)を使用することが可能である。
カラギーナンは、紅藻類由来の直鎖含硫黄多糖類であり、例えば紅藻類からアルカリ抽出することにより得ることができる。また、市販品(エムアールシーポリサッカライド社)を使用することが可能である。
タマリンドシードガムは、豆科のタマリンドの内胚乳から得られる天然多糖類であり、例えばタマリンド植物から熱水もしくはアルカリ抽出して得ることができる。また、市販品(エムアールシーポリサッカライド社)を使用することが可能である。
アルギン酸は、褐藻類などに含まれる食物繊維であり、例えばコンブやワカメなどからアルカリ抽出することにより得ることができる。また、市販品(三栄源エフ・エフ・アイ社)を使用することが可能である。
プルランは、澱粉を原料とした多糖類であり、例えば澱粉を原料として黒色酵母であるオーレオバシディウム・プルランスの発酵作用により得ることができる。また、市販品(林原商事社)を使用することが可能である。
ローカストビーンガムは常緑樹のカロブ樹の種子から得られる多糖類であり、例えばカロブ樹の種子の胚乳部分を粉末化することにより得ることができる。また、市販品(エムアールシーポリサッカライド社)を使用することが可能である。
タラガムは豆科植物タラの胚乳部より得られるノニオン性の天然多糖の一種であり、市販品(エムアールシーポリサッカライド社)を使用することが可能である。
カルボキシメチルセルロースは、セルロースの誘導体であり、セルロースとクロロ酢酸の反応により得ることができる。また、市販品(和光純薬工業社)を使用することが可能である。
サイリウムは、オオバコ科の植物サイリウム種子の外皮から精製した水溶性の食物繊維であり、例えばオオバコの外皮から抽出することにより得ることができる。また、市販品(エムアールシーポリサッカライド社)を使用することが可能である。
カードランは、カードランは微生物によって生産される発酵多糖類であり、例えばAgrobacteriumやAlcaligenesなどの細菌が発酵することにより得ることができる。また、市販品(キリン協和フーズ社)を使用することが可能である。
ジェランガムは、微生物によって生産される多糖類であり、例えばシュードモナスの培養によりことができる。また、市販品(三栄源エフ・エフ・アイ社)を使用することが可能である。
グルコマンナンは、こんにゃく芋に多く含まれる水溶性の多糖類である。こんにゃく芋の乾燥重量のうち40%程度を占めており、この中から抽出することにより得ることができる。また、市販品(三菱商事フードテック)を使用することが可能である。
キトサンはカニやエビなどの甲殻類の外骨格から得られるキチン(ポリ-β1→4-N-アセチルグルコサミンからなる)を、濃アルカリ中での煮沸処理等により脱アセチル化した多糖類である。また市販品(北海道曹達)を使用することが可能である。
本発明においては、上記食物繊維のうちサイリウム、グアガム、タラガム、タマリンドシードガム若しくはキトサン、又はこれらの組み合わせであることが好ましい。
2.機能性飲食品及び機能性組成物(医薬組成物)
本発明において、食物繊維などの多糖類は、ダイエット用飲食品若しくは機能性食品用の組成物として、又は脂肪蓄積抑制用、肥満改善(及び/又は予防)用若しくはメタボリック症候群治療(及び/又は予防)用の機能性組成物若しくは医薬組成物として用いることができる。特に本発明の組成物はダイエット食品として用いることが好ましい。本発明の組成物を飲食品として用いる場合には、健康食品としての形態、例えば低カロリー食品とすることが好ましい。健康食品には、脂肪蓄積抑制、肥満改善作用を有する旨の表示を容器や説明書に付した飲食品(例えば特定保健用食品等の機能性食品)も含まれる。
本発明において、「ダイエット」とは高脂肪食摂取による体重増加を抑制することを意味し、本発明の組成物は当該抑制のために使用することができる。
ダイエット用食品としては、こんにゃく、寒天、キノコ類、海藻類等の多くの低カロリー食品が知られている。そして、これらの食品に他の栄養素(例えばタンパク質、ビタミン、ミネラル等)を十分に含むように規格化することができる。
また、「脂肪蓄積抑制」とは、高脂肪食摂取による内臓脂肪(腹膜後方脂肪及び精巣上体脂肪)の増加が抑制されることを意味する。腹膜後方脂肪及び精巣上体脂肪の重量が高脂肪食摂取時と比較して差があった場合に脂肪蓄積が抑制されたと判断することができる。従って、本発明の組成物は、上記抑制を目的として使用することができる。
本発明において脂肪蓄積抑制用、肥満改善用又はメタボリック症候群治療用を目的として本発明の組成物を経口的に投与する場合は、それに適用される錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤などの固形製剤、あるいは液剤、シロップ剤などの液体製剤等とすればよい。特に顆粒剤及び散剤は、カプセル剤として単位量投与形態とすることができ、液体製剤の場合は使用する際に再溶解させる乾燥生成物(例えば凍結乾燥品)にすることができる。
これら剤形のうち経口用固形剤は、組成物中に製剤上一般に使用される結合剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、湿潤剤などの添加剤を含有する。また、経口用液体製剤は、組成物中に製剤上一般に使用される安定剤、緩衝剤、矯味剤、保存剤、芳香剤、着色剤などの添加剤を含有する。
本発明において、多糖類を機能性組成物又は医薬組成物として使用する場合は、本発明の組成物の用量は、1日あたり1mg/kg〜15g/kg、好ましくは20mg/kg〜5g/kgであり、1日から数週間、数ヶ月又は数年にわたって投与することができる。
3.食品、飲料及び飼料
本発明の組成物は経口投与することができるため、食品、飲料又は飼料として(好ましくはダイエット用又は機能性の食品、飲料又は飼料として)利用することもできる。この場合は、本発明の組成物をそのまま食するか腸溶カプセルに包含して投与することができる。あるいは液体(例えば水)に適切な濃度になるように溶解し、混合、浸漬、塗布、噴霧等の方法で食品等に添加することができる。
本発明の食品、飲料及び飼料において、本発明の組成物に含まれる多糖類の含有割合は限定されずものではなく、各種用途に応じて、適宜設定することができる。また、本発明の食品、飲料又は飼料を得る際にも、各種用途に応じた公知の製造方法において、任意の手法又はタイミングで多糖類を含有させることができる。
組成物中に含有させる際の多糖類の形態は限定されるものではなく、スラリー状であっても粉状であってもよく、各種用途に応じて適宜選択すればよい。
本発明の食品又は飲料(以下、「食品類」とする)としては、特に限定されるものではなく、ヒトが食することが可能なあらゆる食品類を挙げることができる。例えば、穀粉利用食品、食肉(加工食肉)、水産物、植物性タンパク質含有食品(大豆食品や大豆タンパク含有食品)、乳製品、菓子類、その他の食品、あるいはこれらの食品をインスタント加工した食品が挙げられる。
穀粉利用食品としては、例えば、食パン、ロールパン等のパン類、シリアル、クラッカー、ビスケット、ホットケーキ、カステラ等の菓子類、うどん、そば、中華そば、素麺、各種パスタ(スパゲッティ、マカロニ、ペンネ、フィットチーネ等)、ビーフン等の麺類、ピザ生地、ナンなどが挙げられる。
食肉としては、例えば、ハンバーグ、ミートボール、ハム、ウインナー等が挙げられる。
水産物としては、魚介類、海藻類等が挙げられる。
植物性タンパク質含有食品としては、例えば、豆腐、豆乳等が挙げられる。
乳製品としては、例えば牛乳、チーズ、ヨーグルト等が挙げられる。
菓子類としては、例えば餡、プリン、ゼリー、ジャム、カレー、アイスクリーム、シャーベットおよびジェラート等が挙げられる。
その他の食品としては、例えば、こんにゃくゼリー等のダイエット食品、クリーム、調味料(味噌、醤油、ソース、マヨネーズ、ドレッシング等)、各種サプリメント(健康食品、タブレット、錠剤等)が挙げられる。
飲料としては、限定はされないが、例えば、ミネラルウォーター、野菜ジュース、果物ジュース、お茶(緑茶、紅茶、ウーロン茶、麦茶等)、清涼飲料水、スープ、コーヒー、乳飲料、滋養強壮ドリンク等が挙げられる。
飼料としては、限定はされないが、例えば、家畜用の餌、ペットフードおよびその他飼料等が挙げられる。ペットフードは、例えば肥満猫、肥満犬等を対象とすることができる。また、家畜用の餌としては、例えば、牛、豚、馬および鳥等の餌が挙げられる。
これらの食品類又は飼料への本発明の組成物の添加量は、添加の対象となる食品類又は飼料の種類に応じて選択することができる。但し、当該添加量が少なすぎると、期待される脂肪蓄積抑制、肥満改善、ダイエット効果、メタボリック症候群治療効果、その他生活習慣病の改善効果を十分に発揮できない。また、逆に添加量が多すぎると添加の対象となる食品が本来有する風味を損なう場合がある。そこで、これらの事情を考慮して添加量を決定することが好ましい。
4.筋肉組織における脂質代謝及び/又は脂質輸送促進効果
筋肉組織における脂質代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用を測定するには、例えば、骨格筋をホモジナイズし、パルミチン酸を用いてβ酸化活性を測定するなどの手法があるが(特開2006-273834号公報)、筋肉組織における遺伝子発現量の変化(発現の上昇又は低下)を対照群と比較することにより測定することもできる。例えば、発現量を調べる対象となった遺伝子の数(例えば遺伝子数が205個であれば205回)以下の検定の繰り返しにおいて有意水準を5%又は1%とし、1群に少なくとも独立した3サンプルを含む群間の比較において、比較対照群(コントロール)と比較して統計的に有意と判断されるものを「変化した」と判断することができる。遺伝子発現変化の測定手法は、当業者に知られているようにノーザンブロッティング、リアルタイムPCR、DNAチップ等の手法を用いることが出来る。多数の遺伝子を同時に、まとめて捉えることを考えるとDNAチップを用いることがより好ましい。
脂質代謝とは、細胞表面のリパーゼによりトリグリセリドを分解する作用、トリグリセリドから放出される脂肪酸が細胞内に取り込まれ、これを分解する作用、さらにこの脂肪酸がミトコンドリアに取り込まれた後、β酸化により分解する作用とする。
測定する遺伝子としては、脂質代謝に関連する酵素類の主要なものが好ましく、以下の遺伝子を例示することができる。
Acsm1(acyl-CoA synthetase medium-chain family member 1)(Accession No.:NM_054094)、
Acsl1(acyl-CoA synthetase long-chain family member 1)(Accession No.:NM_007981)、
Acss1(acyl-CoA synthetase short-chain family member 1)(Accession No.:_NM_080575)、
Mdh1(malate dehydrogenase 1, NAD (soluble))(Accession No.:NM_008618)、
Idh2(isocitrate dehydrogenase 2 (NADP+), mitochondrial)(Accession No.:NM_173011)、
Hadh(hydroxyacyl-Coenzyme A dehydrogenase nuclear gene encoding mitochondrial protein)(Accession No.:NM_008212)、
Hadha(hydroxyacyl-Coenzyme A dehydrogenase/3-ketoacyl-Coenzyme A thiolase/enoyl-Coenzyme A hydratase (trifunctional protein), alpha subunit)(Accession No.:NM_178878)、
Hadhb(hydroxyacyl-Coenzyme A dehydrogenase/3-ketoacyl-Coenzyme A thiolase/enoyl-Coenzyme A hydratase (trifunctional protein), beta subunit, nuclear gene encoding mitochondrial protein)(Accession No.:NM_145558)、
Acadm(acyl-Coenzyme A dehydrogenase, medium chain)(Accession No.:NM_007382)、
Acadl(acyl-Coenzyme A dehydrogenase, long-chain)(Accession No.: NM_007381)、
Acads(acyl-Coenzyme A dehydrogenase, short chain)(Accession No.: NM_007383)、及び
Lpl(lipoprotein lipase)(Accession No.:NM_008509)。
さらに、本発明においては上記酵素関連遺伝子のモニタリングとともに、脂質の輸送に関連する以下の遺伝子をモニタリングすることがより好ましい。
脂質輸送とは、細胞表面のリパーゼにより分解されたトリグリセリドから放出される脂肪酸を細胞内に取り込む作用、または、細胞内に取り込まれた脂肪酸が酸化されるためにミトコンドリアに取り込まれる作用を言う。
Cpt1b(carnitine palmitoyltransferase 1b, muscle)(Accession No.:NM_009948)、
Cpt2(carnitine palmitoyltransferase 2)(Accession No.:NM_009949)、
Slc2a1(solute carrier family 2 (facilitated glucose transporter), member 1)(Accession No.:NM_011400)、
Cd36(CD36 antigen)(Accession No.:NM_007643)、及び
Cact(solute carrier family 25 (mitochondrial carnitine/acylcarnitine translocase), member 20, nuclear gene encoding mitochondrial protein)(Accession No.:NM_020520)。
本発明においては、以下の遺伝子の発現が対象と比較して増加したときは、脂質代謝及び/又は脂質輸送を促進するものと判断することができる。
細胞表面でトリグリセリドを分解する作用をもつLpl(lipoprotein lipase)(Accession No.:NM_008509)、
細胞表面のリパーゼにより分解されたトリグリセリドから放出される脂肪酸を細胞内に取り込む作用をもつCd36(CD36 antigen)(Accession No.:NM_007643)、
細胞内に取り込まれた脂肪酸が酸化されるためにミトコンドリアに取り込む作用もつCact(solute carrier family 25 (mitochondrial carnitine/acylcarnitine translocase), member 20, nuclear gene encoding mitochondrial protein)(Accession No.:NM_020520)、
アシル基のメチレンの脱水素から二重結合を形成し脂肪酸の分解を促進するAcsl1(acyl-CoA synthetase long-chain family member 1)(Accession No.:NM_007981)、
ミトコンドリア内でβ酸化に関与するHadh(hydroxyacyl-Coenzyme A dehydrogenase nuclear gene encoding mitochondrial protein)(Accession No.:NM_008212)、Hadha(hydroxyacyl-Coenzyme A dehydrogenase/3-ketoacyl-Coenzyme A thiolase/enoyl-Coenzyme A hydratase (trifunctional protein), alpha subunit)(Accession No.:NM_178878)、Hadhb(hydroxyacyl-Coenzyme A dehydrogenase/3-ketoacyl-Coenzyme A thiolase/enoyl-Coenzyme A hydratase (trifunctional protein), beta subunit, nuclear gene encoding mitochondrial protein)(Accession No.:NM_145558)、Acadm(acyl-Coenzyme A dehydrogenase, medium chain)(Accession No.:NM_007382)、Acads(acyl-Coenzyme A dehydrogenase, short chain)(Accession No.: NM_007383)。
また、本発明においては、上記遺伝子と類似する機能をもつ以下の遺伝子が含まれていても良い。
Slc2a1(solute carrier family 2 (facilitated glucose transporter), member 1)(Accession No.:NM_011400)、
Cpt1b(carnitine palmitoyltransferase 1b, muscle)(Accession No.:NM_009948)、Cpt2(carnitine palmitoyltransferase 2)(Accession No.:NM_009949)、
Acss1(acyl-CoA synthetase short-chain family member 1)(Accession No.:_NM_080575)、
Acadl(acyl-Coenzyme A dehydrogenase, long-chain)(Accession No.: NM_007381)。
本発明においては、上記列挙した遺伝子のうち、Lpl、Cd36、Cact、Acsl1、Acss1、Acadl、Acadm、Acads、Hadh、Hadha、Hadhb、Cpt1b、及びSlc2a1から1つ又は複数個を組み合わせて解析することが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
筋肉組織における脂質代謝促進効果試験と、既知のコレステロール低下効果の確認
表1に記載した通り飼料摂取群を設定し、マウスを用いた脂質代謝促進効果実験を実施した。
実験に際して使用した実験動物は、5週齢のC57BL/6J 雄性のマウス(日本チャールズリバーより購入)を用いた。これらの全てのマウスはラット用のケージにて群間ごとに飼育し、飼料、水は自由摂取で12時間明暗サイクルにて行った。
まず、上記のマウスをCE-2固形飼料(日本クレアより購入)にて7日間環境馴化した後、平均体重が等しくなるように、表1に記載の群に分け、各群4匹で試験を行った。
各群には、以下の表2に示す配合に従った飼料を調製して、10週間にわたって摂取させ本飼育を行った。飼料調製の際サイリウムはセルロースにて補正した。補正とは、サイリウムを使用しない場合に、それらの代わりに対照(コントロール)と全群同じ質量の飼料に調整することを意味する。なお、飲料・飼料ともに自由摂取とし、体重や飼料摂取量は1日置きに測定を行った。
本飼育10週間後、ペントバルビタール麻酔を0.13ml/100g体重で腹腔内に投与した後、マウスを解剖した。なお、解剖前16時間は全てのマウスにおいて絶食を行った。
解剖において、心臓採血を行い血清を採取し、さらに肝臓、骨格筋(大腿筋、腓腹筋)、精巣上体脂肪、腹膜後方脂肪を採取した。
採取した試料を用い、以下の項目を測定した。
・脂肪組織の重量
・血中トリグリセリド濃度:トリグリセライドE‐テストワコー(和光純薬)の測定キットを用いた酵素法にて測定した。
・血中総コレステロール濃度:コレステロールE‐テストワコー(和光純薬)にて測定した。
体重増加抑制効果
高脂肪食+サイリウム摂取させた群(I群)は、高脂肪食(B群)を摂取させた場合と比較し、体重増加を抑制する効果が認められた。この効果により、I群では高脂肪食を摂取しているにもかかわらず、10週目の体重は通常食群(A群)と同程度であった(表3)。
<採血、及び血中成分の測定結果>
前述の心臓採血を行って採取した血清を用い、血中のコレステロール、トリグリセリド濃度を直ちに測定した。結果を表4及び図2に示した。これらに関してテューキーの多重比較法を用いて解析した。棄却限界値はq(3,8;0.05)÷√2=2.857を用いた。この結果、総コレステロール濃度においてはB群と比較し、I群は有意に低値であり、血中トリグリセリド濃度に関しても、A群、B群と比較しI群は有意に低値であるという結果が得られた(表5)。
すなわち従来から知られている通り、食餌に食物繊維の一種であるサイリウムを添加したI群においてはコレステロール低下作用、トリグリセリド低下作用が認められた。
<DNAチップでの遺伝子発現変化>
各群4サンプルからランダムに3サンプル抜き出した。これらをA1〜A3、B1〜B2、I1〜I3とし、遺伝子発現解析に用いた。
これらのサンプルからカラム抽出(キアゲン社RNeasy Miniカラムを使用)によりtotal RNAを抽出、精製した。得られたTotal RNA 1μgを用い、MessageAmp−Biotin Enhanced Kit(Ambion)によって、製造者が開示する説明書に従ってビオチン標識及び増幅反応を行った。
DNAマイクロアレイによる発現量データの取得
三菱レイヨン社製DNAチップジェノパールを用い、表6〜10に記載の遺伝子205種類のオリゴDNAプローブを搭載したDNAチップを作製した。
前述のビオチン標識済み増幅RNA5μgを、キットに付属の5×Fragmentation Bufferを用いて94℃にて7分30秒加熱し、断片化した。
断片化したビオチン標識RNA溶液を、最終的な組成が0.12M Tris−HCl/0.12M NaCl/0.05% Tween20となるように各種試薬を添加し、150μlのハイブリダイゼーションサンプルとした。
DNAチップとハイブリダイゼーションサンプルを65℃で16時間反応させ、その後洗浄液(0.12M Tris−HCl/0.12M NaCl/0.05% Tween20)により65℃にて20分間の洗浄を二回行った。更にDNAチップを保存液(0.12M Tris−HCl/0.12M NaCl)により65℃にて10分間の液置換を行った。
洗浄後のDNAチップは、保存液により2μg/mlに溶解したStreptavidin−Cy5(GE Healthcare BioScience KK)中に室温で30分間浸漬し、その後洗浄液にて室温で5分間の洗浄を4回行い、さらに保存液にて5分間の液置換を行った。
Cy5標識後のDNAチップは、専用のDNAチップ検出器を用い、0秒から40秒の複数の露光時間で蛍光を検出し、スポットそれぞれにおいて、当該スポット中に飽和画素を含まない画像のうち、最長の露光時間の画像を用い、単位時間あたりに換算した蛍光シグナル強度として数値化した。
DNAチップの搭載遺伝子、プローブを表6〜10に示す。なお、表6〜10の左端の番号1〜205は、それぞれ配列番号1〜205に対応する。
<データ解析方法>
検出されたデータは、以下のようにして解析を実施した。
検出した蛍光強度のデータからブランクスポット(プローブを搭載していないスポット)の中央値を差し引いた。以後この値をシグナル強度と呼ぶ。またブランクスポットの標準偏差を算出した。ブランクスポットの標準偏差以下のシグナル強度を示すデータは解析から除いた。
内部コントロール遺伝子をArbpとした。比較するチップ間でArbpのシグナル強度が最大のチップを選択し、チップ間でのArbpのシグナル強度比を算出してチップ間の補正係数とした。各チップのスポットのシグナル強度に補正係数を乗算しシグナル強度の補正を行った。
補正後のデータについて、コントロール群(A群)のシグナル強度の平均値をとり、この強度で各チップのシグナル強度を除算し、その値に対して、底が2のLogをとった。これを発現比とした。
発現比の値をもとに、数値解析を実施した。特に、筋肉における遺伝子発現変化の数値解析は、B群を対照としたダネットの多重比較法を用いて解析した。統計的に有意差があるものを表11に示した。また有意と判定されたものについてクラスタリングを行った。クラスタリングの距離関数はピアソンの距離係数を用いた。
<肝臓における遺伝子発現変化>
これまで知られているように、食物繊維の効果により失われたコレステロールを補うように、コレステロール合成遺伝子の主要酵素であるHmgcr、Sqleの発現の上昇が見られた。また、肝臓からのコレステロールの損失を避けるために、肝臓から腸管への胆汁排出トランスポーターであるAbcb11遺伝子が発現低下し、肝臓から腸管へのコレステロールの流出抑制が認められた。さらにはAbcg1、Abcg4遺伝子が発現低下し、HDLによる肝臓からのコレステロール引き抜き作用の抑制が認められた。この結果は、これまでに知られている食物繊維の効果を裏付けるものであった(図3)。図3はB群を対照としたダネットの多重比較法を用いて上記5遺伝子の発現変動を解析した結果であり、統計的に有意差がある(*:p<0.05、**:p<0.01)。
筋肉組織における脂質代謝促進効果
<筋肉における遺伝子発現変化>
B群とI群を比較した結果、有意と判定された遺伝子を表11及び図4にまとめた。またこれらの遺伝子の機能をもとに、当該機能に関するパスウェイを図5に示した。
この結果、I群では脂質分解に関わる遺伝子群の発現量が高脂肪食群(B群)に比較して有意に上昇し、脂質の利用効率が促進していることが示された。(*:p<0.05、**:p<0.01)
205種類の遺伝子ごとにダネット法での検定を繰り返すことにより、有意水準0.05としたときに平均して約10遺伝子、0.01としたときに平均して約2遺伝子の擬陽性が考えられるが、このような事情を吟味した上でも、有意と判定された遺伝子群の生物学的機能から、脂質代謝が促進していると考えられた。
<筋肉組織における脂質代謝促進効果による脂肪蓄積抑制効果>
解剖したマウスの腹腔内脂肪(精巣上体脂肪、後腹膜脂肪)を採取して重量を測定し、高脂肪食群(B群)と高脂肪食+サイリウム摂取させた群(I群)を比較した(表12、図6)。
比較解析はテューキーの多重比較法を用いた。また棄却限界値はq(3,9;0.05)÷√2= 2.791を用いた。その結果、精巣上体脂肪、腹膜後方脂肪ともに、B群とI群で有意差があり、I群において脂肪蓄積抑制効果が認められた(表13)。(*:p<0.05)
この効果は、食物繊維を摂取したI群では高脂肪食を摂取していることにもかかわらず、脂肪の蓄積を通常食(A群)と同程度のレベルに抑えられるという効果を示すものであった。
本実施例の結果より、食物繊維の筋肉組織における脂質代謝促進効果は、同時に体重増加の抑制及び脂肪蓄積抑制の効果を有することが分かった。従って、本発明において使用される食物繊維は、コレステロール低下作用以外に、肥満の抑制やメタボリックシンドローム等の生活習慣病の抑制に寄与することがわかった。
本発明の筋肉組織における脂質代謝促進剤は、体重増加抑制及び脂肪蓄積抑制の効果を有するため、機能性食品、飲料又は飼料として、あるいはダイエット用食品、飲料又は飼料として、さらには、脂肪蓄積抑制用組成物、肥満改善及び/又は予防用組成物、並びにメタボリック症候群治療及び/又は予防用組成物として有用である。
配列番号1〜205:合成DNA

Claims (9)

  1. 多糖類を含む脂質代謝及び/又は脂質輸送促進剤。
  2. 筋肉組織において脂質代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用を有する、請求項1に記載の促進剤。
  3. 筋肉組織において、脂質代謝及び/又は脂質輸送に関連する遺伝子の発現量を変動させることができる、請求項1又は2に記載の促進剤。
  4. 脂質代謝及び/又は脂質輸送に関連する遺伝子が、Lpl、Cd36、Cact、Acsl1、Acss1、Acadl、Acadm、Acads、Hadh、Hadha、Hadhb、Cpt1b及びSlc2a1からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項3に記載の促進剤。
  5. 多糖類がサイリウム、グアガム、タラガム、タマリンドシードガム及びキトサンからなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の促進剤。
  6. 多糖類を含み、かつ、筋肉組織において脂質代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用を有する、脂肪蓄積抑制用組成物。
  7. サイリウムを含み、かつ、筋肉組織において脂肪代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用を有する、脂肪蓄積抑制用組成物。
  8. 多糖類を含み、かつ、筋肉組織において脂質代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用を有する、肥満改善及び/又は予防用組成物。
  9. 多糖類を含み、かつ、筋肉組織において脂質代謝及び/又は脂質輸送を促進する作用を有する、メタボリック症候群治療及び/又は予防用組成物。
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