JP7306850B2 - 車載用バッテリ調温装置 - Google Patents

車載用バッテリ調温装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7306850B2
JP7306850B2 JP2019064563A JP2019064563A JP7306850B2 JP 7306850 B2 JP7306850 B2 JP 7306850B2 JP 2019064563 A JP2019064563 A JP 2019064563A JP 2019064563 A JP2019064563 A JP 2019064563A JP 7306850 B2 JP7306850 B2 JP 7306850B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
battery
vehicle
opening
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019064563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020166976A (ja
Inventor
ユカ 中里
俊昭 成毛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2019064563A priority Critical patent/JP7306850B2/ja
Publication of JP2020166976A publication Critical patent/JP2020166976A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7306850B2 publication Critical patent/JP7306850B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02T90/10Technologies relating to charging of electric vehicles
    • Y02T90/16Information or communication technologies improving the operation of electric vehicles

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、車載用バッテリ調温装置に関し、特に、車載用バッテリの近傍における気体流を好適に調整する車載用バッテリ調温装置に関する。
従来のバッテリ100として、図9および図10に示す構造が知られている。図9(A)は、従来のバッテリ100を説明する斜視図である。図9(B)は、従来のバッテリを説明する断面図であり、図9(A)に示すD-D線方向の断面図である。図10(A)は、従来のバッテリ100のセルスタック101を説明する斜視図である。図10(B)は、従来のバッテリ100のセルスタック101を説明する断面図であり、図10(A)に示すセルスタック101のE-E線方向の断面図である。
図9(A)に示す如く、バッテリ100は、主に、箱型の筐体102と、筐体102の内部に配設される複数のセルスタック101(図9(B)参照)と、筐体102の内部と連通するダクト103と、ダクト103と連結するブロワ104と、を有している。
筐体102の内部には、例えば、5個のセルスタック101が配設され、バッテリ100は、車両に搭載されたPCU(図示せず)にて制御され、車両内に配設されたモータ等に電力を供給する。
図9(B)に示す如く、ブロワ104は、バッテリシステムのBCU(図示せず)にて制御され、セルスタック101を構成するセル105を冷却する際に稼働し、筐体102(図9参照)内へと外部の空気を送風する。そして、実線109は空気の流れを示すが、筐体102内へと送風された空気は、送風路110を流れた後、各セル105間の間隙を流れることで、各セル105を冷却する。
図10(A)に示す如く、個々のセルスタック101は、複数のセル105を含んで構成されている。セル105は、例えば、リチウムイオン電池等の2次電池にて構成されている。そして、各セル105の側面105Aには、長手方向(紙面前後方向)に沿って凹部106が形成されている。凹部106には、空気を整流する複数の凸部107と、伝熱ヒータとしての配線108が形成されている。
配線108は、例えば、銅等の金属線にて形成され、配線108は、電力供給部(図示せず)と接続し、電力が供給されることで発熱し、セル105を外部から昇温させる。図示したように、配線108は、セル105を均等に昇温させるために、側面105Aに対して出来る限り均一に配設されている。
図10(B)に示す如く、セルスタック101では、複数のセル105が隣接して配設され、凹部106は、隣接するセル105間の間隙となり、セルスタック101の長手方向(紙面前後方向)に貫通した冷却風路として用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
また、特許文献2の図5およびその説明箇所を参照すると、電池セルどうしの間に開閉可能なシャッタを配設し、電池の温度に応じて当該シャッタを開閉する発明が記載されている。
特開2017-184522号公報 特開2006-100123号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載された発明は、各セル105間の凹部106を用いた間隙は、常時開放した構造である。そして、筐体102内へと送風される空気は、ダクト103の近傍領域では、空気が、各セル105間の間隙へと誘導され易い。その結果、セル105は効率的に冷却されるが、筐体102の端部、特に、ダクト103に対して遠方に位置する右側のセル105では、空気が流れ込み難く、その領域のセル105は、効率的に冷却され難い。この構造により、筐体102内の全てのセル105が、均一に冷却され難く、電池特性にばらつきが発生し易いという課題がある。
また、特許文献2に記載された発明では、シャッタの開閉は電池温度に応じて行われているのみであり、シャッタの開閉を行う具体的な温度帯域に関する検討は成されていない。よって、電池温度の最適な温度制御という観点から、特許文献2に記載された発明は改良の余地があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、バッテリが活性化される温度に着目し、バッテリ周りの流体の挙動を正確に制御することができる車載用バッテリ調温装置を提供することにある。
本発明の車載用バッテリ調温装置は、複数のバッテリセルから成るバッテリの近傍に配置され、前記バッテリセルと熱交換する流体が流通する車載用バッテリ調温装置であり、前記バッテリの近傍に形成される空間である空間部と、開閉動作を実行することで、開状態の場合は前記空間部と外部とを連通させ、閉状態の場合は前記空間部と前記外部との連通を制限する開閉部と、演算制御部と、を具備し、前記演算制御部は、前記バッテリセルの平均温度が、前記バッテリが活性化する第1温度を下回る場合であっても、何れかの前記バッテリセルの温度が、前記第1温度よりも高く設定された第2温度を上回れば、前記開閉部を開状態とし、前記バッテリセルの平均温度が、前記第1温度を上回る場合であっても、何れかの前記バッテリセルの温度が、前記第1温度よりも低く設定された第3温度を下回れば、前記開閉部を閉状態とすることを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記演算制御部は、前記バッテリの温度が前記第1温度を下回れば、昇温装置で、前記バッテリを昇温することを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記演算制御部は、前記バッテリの温度が、前記第1温度を上回れば、冷却装置を運転することで、前記開閉部を経由して、前記空間部に向けて送風することを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記演算制御部は、車両停車時に於いては、前記開閉部を閉状態とすることを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記演算制御部は、故障を検出したら、前記開閉部を開状態とすることを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記演算制御部は、各々の前記バッテリセルの温度を監視し、前記バッテリの温度として、前記バッテリセルの平均温度を採用することを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記昇温装置は、前記バッテリが昇温するように配設された電熱線であることを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記空間部は、前記バッテリの側面部間に形成されることを特徴とする。
本発明の車載用バッテリ調温装置は、複数のバッテリセルから成るバッテリの近傍に配置され、前記バッテリセルと熱交換する流体が流通する車載用バッテリ調温装置であり、前記バッテリの近傍に形成される空間である空間部と、開閉動作を実行することで、開状態の場合は前記空間部と外部とを連通させ、閉状態の場合は前記空間部と前記外部との連通を制限する開閉部と、演算制御部と、を具備し、前記演算制御部は、前記バッテリセルの平均温度が、前記バッテリが活性化する第1温度を下回る場合であっても、何れかの前記バッテリセルの温度が、前記第1温度よりも高く設定された第2温度を上回れば、前記開閉部を開状態とし、前記バッテリセルの平均温度が、前記第1温度を上回る場合であっても、何れかの前記バッテリセルの温度が、前記第1温度よりも低く設定された第3温度を下回れば、前記開閉部を閉状態とすることを特徴とする。これにより、本発明の車載用バッテリ調温装置によれば、バッテリの温度が、バッテリが活性化する第1温度に達したら、開閉部を開状態とすることで、活性化したバッテリにより暖められた暖気を外部に放出することができ、充電または放電時に於いてバッテリが過熱することを抑制できる。また、バッテリが活性化する第1温度を下回れば、開閉部を閉状態とすることで、空間部を略密閉状態とし、バッテリの温度低下を抑制することができる。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記演算制御部は、前記バッテリの温度が前記第1温度を下回れば、昇温装置で、前記バッテリを昇温することを特徴とする。これにより、本発明の車載用バッテリ調温装置によれば、開閉部を閉状態とし、昇温手段でバッテリを効果的に昇温することができる。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記演算制御部は、前記バッテリの温度が、前記第1温度を上回れば、冷却装置を運転することで、前記開閉部を経由して、前記空間部に向けて送風することを特徴とする。これにより、本発明の車載用バッテリ調温装置によれば、バッテリが高温となっている際に、送風機で空間部に向けて送風することで、バッテリの過熱を防止できる。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記演算制御部は、車両停車時に於いては、前記開閉部を閉状態とすることを特徴とする。これにより、本発明の車載用バッテリ調温装置によれば、車両停車時に於いて開閉部を閉状態とすることで、内部空間に存在する空気が断熱材の如く作用し、バッテリ等に結露が発生することを抑止できる。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記演算制御部は、故障を検出したら、前記開閉部を開状態とすることを特徴とする。これにより、本発明の車載用バッテリ調温装置によれば、例えばバッテリセルが故障した際に発生する熱を外部に放出することができる。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記演算制御部は、各々の前記バッテリセルの温度を監視し、前記バッテリの温度として、前記バッテリセルの平均温度を採用することを特徴とする。これにより、本発明の車載用バッテリ調温装置によれば、バッテリセルの平均温度に基づいて、演算制御部が開閉部の開閉動作を司ることで、バッテリの平均的な温度を好適に制御することができる。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記昇温装置は、前記バッテリが昇温するように配設された電熱線であることを特徴とする。これにより、本発明の車載用バッテリ調温装置によれば、電熱線により短時間にバッテリを昇温することができる。
また、本発明の車載用バッテリ調温装置では、前記空間部は、前記バッテリの側面部間に形成されることを特徴とする。これにより、本発明の車載用バッテリ調温装置によれば、バッテリの側面部間に、調温のための空間部を形成することで、バッテリを効果的に調温することができる。
本発明の一実施形態に係る車載用バッテリ調温装置を備えた車両を説明する図であり、(A)は斜視図であり、(B)は平面図である。 本発明の一実施形態に係る車載用バッテリ調温装置を説明する図であり、(A)は斜視図であり、(B)は断面図である。 本発明の一実施形態に係る車載用バッテリ調温装置を説明する図であり、(A)は上面図であり、(B)は側面図であり、(C)は上面図である。 本発明の一実施形態に係る車載用バッテリを説明する図であり、(A)は斜視図であり、(B)は分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る車載用バッテリ調温装置を説明する図であり、(A)は側面図であり、(B)は断面図であり、(C)は断面図である。 本発明の一実施形態に係る車載用バッテリ調温装置を説明するブロック図である。 本発明の一実施形態に係る車載用バッテリを説明する図であり、車載用バッテリの温度制御等を詳細に示す表である。 本発明の一実施形態に係る車載用バッテリを説明する図であり、バッテリが活性化する温度を示すグラフである。 従来のバッテリを説明する図であり、(A)は斜視図であり、(B)は断面図である。 従来のバッテリのセルスタックを説明する図であり、(A)は斜視図であり、(B)は断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る車載用バッテリ調温装置10を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
図1(A)は、本実施形態の車載用バッテリ調温装置10(図6参照)及び車載用バッテリ11を搭載した車両12を説明する斜視図である。図1(B)は、本実施形態の車載用バッテリ調温装置10および車載用バッテリ11の配設状態を説明する平面図である。ここで、車載用バッテリ11は、後述するバッテリセル52の集合体であることから、バッテリモジュール、バッテリスタック、バッテリ等と称されることもある。
図1(A)に示す如く、自動車や電車等の車両12には、モータや様々の電装部品に電力を供給するための車載用バッテリ11(図1(B)参照)が搭載されている。車両12としては、EV(Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)やPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)等を採用できる。そして、これらの車両12にも、高い蓄電機能を有した複数の車載用バッテリ11が搭載されている。
図1(A)は、車載用バッテリ11を備えた車両12の平面図である。車両12は、主に、車体13と、車両12の底面14近傍のバッテリ配置領域15に配設された複数の車載用バッテリ11と、車載用バッテリ11から供給される電力により駆動される駆動モータ25(図6参照)と、駆動モータ25の駆動力で回転するタイヤ(図示せず)と、を有している。
図1(B)に示す如く、車両12のバッテリ配置領域15には、行列状に複数の車載用バッテリ11が配設されている。車載用バッテリ11は、例えば、略直方体形状であり、車両12の前後方向に沿って、その長手方向が配置されている。そして、複数の車載用バッテリ11が、バッテリ配置領域15に効率良く配置され、多くの車載用バッテリ11が搭載されることで、車両12の連続走行距離を伸ばすことができる。
図2に図示したように、車載用バッテリ調温装置10の昇温ヒータ16が車載用バッテリ11の長手方向の側面111,112に沿って配設されている。昇温ヒータ16は、車載用バッテリ11を挟むように配設され、車載用バッテリ11の側面111,112から車載用バッテリ11を昇温する。そして、車両12が低温環境下にて車載用バッテリ11を充放電する際に、昇温ヒータ16は、車載用バッテリ11を適切な温度範囲まで昇温させることで、出力特性や放充電特性等のバッテリ特性を良好に保つことができる。
具体的には、車両12のバッテリ配置領域15では、最前列には、2個の車載用バッテリ11が配設されると共に、それらの車載用バッテリ11と隣接して3個の昇温ヒータ16が配設されている。一方、2列目から4列目には、各列4個の車載用バッテリ11が配設されると共に、それらの車載用バッテリ11と隣接して5個の昇温ヒータ16が配設されている。
後述するように、昇温ヒータ16の長手方向(車両12の前後方向)の両端部近傍には、第1開閉扉31(図3(A)参照)と、第2開閉扉32(図3(A)参照)とが、開閉可能に配設されている。そして、車載用バッテリ11と昇温ヒータ16との間には空間部35(図3(A)参照)が形成され、その空間部35は、第1開閉扉31および第2開閉扉32により塞がれ、あるいは開放される。そして、車載用バッテリ11を空冷する際には、第1開閉扉31および第2開閉扉32は開状態となり、空間部35は外部と連通し、冷却風通路として開放された状態となる。一方、車載用バッテリ11を昇温する際には、第1開閉扉31および第2開閉扉32は閉状態となり、空間部35と外部との連通は制限され、空間部35は密閉空間または密閉空間に近い状態となる。
図2を参照して、車載用バッテリ調温装置10により車載用バッテリ11を昇温する状態を説明する。図2(A)は、車載用バッテリ調温装置10の配設状態を説明する斜視図である。図2(B)は、車載用バッテリ調温装置10により車載用バッテリ11を昇温する状態を説明する断面図であり、図2(A)に示す配設状態のA-A線方向の断面図である。
図2(A)では、図1(B)に示す車両12のバッテリ配置領域15の最前列に配設された2個の車載用バッテリ11および3個の車載用バッテリ調温装置10を示している。そして、車載用バッテリ調温装置10の昇温ヒータ16は、車載用バッテリ11の側面111,112に対して配設され、車載用バッテリ11を挟み込むように配設されている。また、2個の車載用バッテリ11の間には、1個の昇温ヒータ16が配設され、同時に2個の車載用バッテリ11を一つの昇温ヒータ16で昇温することができる。
図2(B)に示す如く、筐体部33の上面部332および底面部333の先端面が、それぞれ車載用バッテリ11の側面111,112の外周端部周辺に対して密接した状態となるように、昇温ヒータ16が、車載用バッテリ11に対して配設されている。また、バッテリセル52どうしの間には空間部35が形成され、空間部35の内部に、不織布42に織り込まれた電熱線41(昇温装置)が配置されている。
図3は車載用バッテリ調温装置10を説明する図であり、図3(A)は上面図であり、図(B)は側面図であり、図3(C)は上面図である。
図3(A)に示す如く、昇温ヒータ16の筐体部33は、車両12の前後方向に長手方向を有し、その断面形状は、例えば略H字形状である。筐体部33の主柱部331は、その短手方向(車両12の左右方向)の中央部に上下方向延在して形成されると共に、筐体部33の長手方向に延在して形成されている。また、主柱部331の上端側には、筐体部33の上面部332が主柱部331と一体に形成され、主柱部331の下端側には、筐体部33の底面部333(図3(B)参照)が主柱部331と一体に形成されている。上面部332および底面部333は、筐体部33の長手方向に延在して形成されている。
また、筐体部33には、その長手方向の両端部の近傍に、開閉部としての第1開閉扉31および第2開閉扉32が配設されている。第1開閉扉31および第2開閉扉32が、図3(A)に示す閉状態となることで、熱伝導経路として介在する空気は、空間部35の内部に留まる。そして、空間部35の内部の空気が、一定の温度まで上昇した後には、その温度を維持し易くなる。その結果、サブバッテリ23(図6参照)から電熱線41(図3(C)参照)に供給される電力量を調整することで、昇温ヒータ16の消費電力を低減できる。
図3(A)および図3(B)に示す如く、第1開閉扉31は、主柱部331を挟むように一対設けられ、主柱部331近傍の筐体部33の上面部332および底面部333に対して回転自在に軸支されている。同様に、第2開閉扉32も、主柱部331を挟むように一対が設けられ、主柱部331近傍の筐体部33の上面部332および底面部333に対して、回転自在に軸支されている。
また、筐体部33では、第1開閉扉31および第2開閉扉32の内側には、主柱部331の側面36,37に沿って空間部35が形成されている。詳細は後述するが、昇温ヒータ16が車載用バッテリ11の側面111,112(図2(B)参照)に隣接して配設された状態において、空間部35は、車載用バッテリ11の側面111,112と筐体部33の側面36,37との間に位置する。そして、第1開閉扉31および第2開閉扉32の閉状態時には、空間部35は略密閉空間となり、空間部35の内部の空気が熱伝導経路として用いられ、車載用バッテリ11を昇温する。一方、第1開閉扉31および第2開閉扉32の開状態時には、空間部35は冷却風通路となり、車載用バッテリ11を空冷する。
図3(C)では、第1開閉扉31および第2開閉扉32の開状態を示している。上述したように、第1開閉扉31および第2開閉扉32は、電子制御ユニット21(図6参照)により制御され、車載用バッテリ11の温度の測定値に応じて開閉する。矢印38にて示すように、第1開閉扉31および第2開閉扉32は、主柱部331側が筐体部33に軸支され、その軸支された箇所を支点として空間部35の下流側(車両12の後方側)へと向けて回動する。係る動作により、第1開閉扉31および第2開閉扉32は開状態とされる。一方、この逆動作を行うことで、第1開閉扉31および第2開閉扉32は、図3(C)に示す開状態から、図3(A)に示す閉状態とされる。
矢印34は、走行風や送風機等により、昇温ヒータ16の周囲に発生する空気の流れを示し、第1開閉扉31および第2開閉扉32の開状態時には、空気は、第1開閉扉31側から第2開閉扉32側へと向けて流れる。外部の空気は、第1開閉扉31側から空間部35の内部へと送り込まれ、その後、空間部35の内部で車載用バッテリ11を冷却した空気は、第2開閉扉32から外部へと送り出される。
図4を用いて、車載用バッテリ11を説明する。図4(A)は、車載用バッテリ11を説明する斜視図である。図4(B)は、車載用バッテリ11を説明する分解斜視図である。
図4(A)に示す如く、車載用バッテリ11は、主に、収納ケース51と、収納ケース51内に収納される複数のバッテリセル52(図4(B)参照)と、収納ケース51の上面を塞ぐカバー53と、収納ケース51の下方に配設される流体径路である温調プレート54(図4(B)参照)と、温調プレート54の下方に配設される断熱部材55(図4(B)参照)と、を有している。
車載用バッテリ11は、例えば、略直方体形状である。上述したように、車載用バッテリ11の側面111,112の前後方向の幅は、筐体部33の側面36,37の前後方向の幅と略同一である。また、車載用バッテリ11の側面111,112の上下方向の幅は、筐体部33の側面36,37の上下方向の幅と略同一である。
図4(B)に示す如く、収納ケース51は、主に、一対のエンドプレート56と、一対のバインドバー57とから構成され、複数のバッテリセル52を前方、後方、左方および右方から囲み、支持している。そして、エンドプレート56は、例えば、板状に成形された樹脂板または鋼板等から成り、両端部に位置するバッテリセル52の前側面および後側面を覆う部材である。また、バインドバー57は、例えば、樹脂板または鋼板等から成り、複数のバッテリセル52の右側面および左側面を覆う部材である。また、カバー53は、例えば、樹脂板または鋼板等から成り、バッテリセル52を上方から覆う部材である。
バッテリセル52は、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の2次電池である。個々のバッテリセル52は、例えば、角型平板形状であり、車両12の前後方向に沿って、その前後に小さな隙間を有した状態にて等間隔に配列されている。そして、複数のバッテリセル52が、導電性の接続板(図示せず)を介して直列接続されることで、高出力の車載用バッテリ11が構成されている。尚、図示していないが、バッテリセル52の上面には、それぞれ上方に突出した正極側端子と負極側端子とが配設されている。
温調プレート54は、複数のバッテリセル52の下面の近傍に配設された温調手段である。温調プレート54の内部には、水などの調温用流体が流通するパイプ(図示せず)が配設されている。温調プレート54が複数のバッテリセル52の下方に配設されることで、バッテリセル52の充電時および放電時における電池特性が向上される。具体的には、バッテリセル52の温度が使用可能温度範囲よりも高い場合には、温調プレート54に冷却媒体が流通することでバッテリセル52を冷却し、バッテリセル52を冷却する。一方、バッテリセル52の温度が使用可能温度範囲よりも低い場合には、温調プレート54に加熱媒体が流通することでバッテリセル52を昇温する。
断熱部材55は、温調プレート54の下方に配置された板状の部材であり、例えば、発泡ポリエチレン等の断熱性を有する発泡合成樹脂から成る。断熱部材55が、温調プレート54の下方に配置されることで、温調プレート54と外部とを断熱することができ、温調プレート54の温調効果を増大させることができる。
図5を参照して、車載用バッテリ調温装置10の昇温ヒータ16を説明する。図5(A)は、昇温ヒータ16を説明する側面図である。図5(B)は、本実施形態の車載用バッテリ調温装置10の昇温ヒータ16を説明する断面図であり、図5(A)に示す昇温ヒータ16のB-B線方向の断面図である。図5(C)は、本実施形態の車載用バッテリ調温装置10の昇温ヒータ16を説明する断面図であり、図5(A)に示す昇温ヒータ16のC-C線方向の断面図である。
図5(A)および図5(B)に示す如く、昇温ヒータ16の筐体部33には、主に、発熱体としての電熱線41と、電熱線41を支持する不織布42と、が内蔵されている。電熱線41は、不織布42の表面に縫い付けられた状態にて支持され、サブバッテリ23(図6参照)から電力が供給されることで発熱する。そして、不織布42は、例えば、熱伝導率の優れたガラス繊維から形成され、筐体部33の側面36,37の略全面に対して配設されている。不織布42は、電熱線41を支持すると共に、電熱線41から発生した熱を周囲の空気層へと効率的に伝熱する。
上記したように、筐体部33は、例えば略板状体であり、その側方に位置する側面36,37では、車両12の前後方向に沿って長手方向を有し、車両12の上下方向に沿って短手方向を有している。上述したように、筐体部33は、車載用バッテリ11の側面111,112に沿って配設される。
図5(C)に示す如く、筐体部33の長手方向の端部近傍には、第2開閉扉32が配設されている。第2開閉扉32は、主柱部331、上面部332および底面部333に対して、回動自在に可動できる程度のクリアランスを有して配設されている。
上述したように、筐体部33の主柱部331には、電熱線41および不織布42が内蔵されている。そして、電熱線41は、サブバッテリ23(図6参照)から電力が供給されることで発熱すると共に、熱伝導率の優れた不織布42も利用して、空間部35の内部の空気を効果的に加熱する。
図6は、車載用バッテリ調温装置10を説明するブロック図である。図6に示す如く、車載用バッテリ調温装置10は、主に、電子制御ユニット21と、車載用バッテリ11を温める昇温ヒータ16と、車載用バッテリ11の温度を測定する温度センサ22と、車載用バッテリ11を昇温あるいは空冷する際に開閉動作する第1開閉扉31および第2開閉扉32と、昇温ヒータ16や第1開閉扉31および第2開閉扉32を回動させるモータに電力を供給するサブバッテリ23と、を有している。ここで、サブバッテリ23は、車載用バッテリ11等から給電されている。
車載用バッテリ11は、例えば、350Vの高電圧の電力供給源である。車載用バッテリ11は、インバータ24を介して駆動モータ25と接続し、駆動モータ25へと電力を供給する。駆動モータ25は、車両12(図1(A)参照)の駆動輪(図示せず)を駆動するための動力を出力する。
電子制御ユニット21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有して構成され、車両制御のための各種の演算等を実行する演算制御部である。そして、電子制御ユニット21は、例えば、運転手がブレーキ(図示せず)を踏んだ状態にて、車両12のイグニッションスイッチ26を押下することで始動する。
温度センサ22は、車載用バッテリ11の温度を計測する。温度センサ22は、車載用バッテリ11を構成するバッテリセル52の各々に取り付けられ、各バッテリセル52の温度を示す情報は、電子制御ユニット21に伝送される。
電子制御ユニット21は、例えば、温度センサ22からの測定値を記憶する。そして、車載用バッテリ11を昇温する際には、電子制御ユニット21は、第1開閉扉31および第2開閉扉32を閉状態へと回動させると共に、昇温ヒータ16をオン動作させる。一方、車載用バッテリ11を冷却する際には、第1開閉扉31および第2開閉扉32を開状態へと回動させると共に、昇温ヒータ16が稼働していた場合には、昇温ヒータ16をオフ動作させる。電子制御ユニット21の具体的な動作は図7を参照して後述する。
図7の表を参照して、上記した車載用バッテリ調温装置10により車載用バッテリ11を調温する方法を説明する。図7では、上段から、車載用バッテリ11の温度、温調動作、車載用バッテリ11の使用制限、その内容、開閉部としての第1開閉扉31および第2開閉扉32の動作およびその動作概要を示している。以下の説明に於いて、車載用バッテリ11の温度とは、例えばバッテリセル52の平均温度であるが、特定のバッテリセル52の温度を代表値として採用することもでき、更には、バッテリセル52の温度の中央値等を採用することができる。ここで、図7を参照する以下の説明では、具体的な車載用バッテリ11の温度等に言及するが、係る温度は一実施例であるので、車載用バッテリ11の温度等はバッテリ性能等の各種条件に応じて変動する。
電子制御ユニット21は、上記した車載用バッテリ11の温度を計測する温度センサ22の出力に基づいて、第1開閉扉31および第2開閉扉32の開閉動作を行い、更に、車載用バッテリ11を昇温する昇温動作および車載用バッテリ11を冷却する冷却動作を実行する。また、電子制御ユニット21は、係る制御のために、温度センサ22を介して、全てのバッテリセル52の温度を監視している。具体的には、電子制御ユニット21は、以下の制御を行っている。
温調動作に関して説明すると、温度センサ22で計測したバッテリセル52の平均温度が-35℃から10℃までの間は、電子制御ユニット21は、車載用バッテリ11を昇温する昇温動作を実行する。この調温動作としては、図5(B)に示したように、第1開閉扉31および第2開閉扉32を閉状態とし、電熱線41に通電して空間部35の内部を加熱し、空間部35から熱伝導作用により車載用バッテリ11を昇温する動作を採用できる。更には、図4(B)を参照して、温調プレート54に高温流体を流すことで、温調プレート54からの熱伝導により車載用バッテリ11を昇温する動作を採用できる。更にまた、電熱線41および温調プレート54の両方を用いた昇温動作を採用できる。
温度センサ22で計測したバッテリセル52の平均温度が10℃ないし35℃までの間は、電子制御ユニット21は、車載用バッテリ11を調温しない調温停止帯域となる。係る温度帯域であればバッテリセル52は、昇温および冷却を行わなくても、効率的に充電または放電を行うことができる。
調温停止帯域では、原則として車載用バッテリ11の調温動作は実行しないが、電子制御ユニット21の指示に基づいて、バッテリセル52どうしの温度を均一化するための均温動作を実行することもできる。これは、昇温動作と冷却動作を適宜行うことで実行することができる。例えば、何れかのバッテリセル52の温度が、予め定められた高温側設定温度を上回ったら、冷却動作を実行する。逆に、何れかのバッテリセル52の温度が、予め定められた低温側設定温度を下回ったら、昇温動作を実行する。係る均温動作を実行することで、特定のバッテリセル52が極端に低温または高温となることを防止できる。
更に、調温停止帯域で均温動作としての昇温動作を行う場合、暖気が外部に漏出することを防止するために、図3(A)に示すように第1開閉扉31および第2開閉扉32を閉状態としても良い。一方、均温動作としての冷却動作を実行する場合は、バッテリセル52から発生する熱を外部に逃がすために、図3(C)に示すように、第1開閉扉31および第2開閉扉32を開状態としても良い。
車載用バッテリ11の温度が35℃以上の場合は、車載用バッテリ11を冷却する冷却帯域となる。冷却帯域では、例えば、図3(C)に示したように、電子制御ユニット21は、第1開閉扉31および第2開閉扉32を開状態とすることで、空間部35と外部とを連通させ、空間部35の内部に於いて矢印34の方向に沿って冷却風を通過させる。この時、図示しない送風機で矢印34の方向に沿って送風することで、冷却風の流通を促進することができる。空間部35の内部を通過する冷却風と、車載用バッテリ11のバッテリセル52とが熱交換することで、バッテリセル52が冷却される。また、電子制御ユニット21の指示に基づいて、温調プレート54に冷却流体を流通させることでバッテリセル52を冷却することもできる。空間部35を流通する冷却風による冷却と、温調プレート54による冷却とは、どちらか一方が採用されても良いし、両方が同時に採用されても良い。
次に、各温度帯域に於ける車載用バッテリ11の制限およびその内容を説明する。
車載用バッテリ11の温度が-35℃から-25℃までの温度帯域では、電子制御ユニット21は、車載用バッテリ11からの出力は停止する。また、車両12のイグニッション・オンを禁止する。出力を停止する理由は、-25℃以下となると、車載用バッテリ11で用いる電解液が凍結するからである。
車載用バッテリ11の温度が-25℃から-5℃までの温度帯域では、電子制御ユニット21は、車載用バッテリ11からの出力を制限する。このように出力を制限する理由は、車載用バッテリ11で用いる電解液の反応が鈍く、充電時または放電時に於ける効率が低下するためである。
車載用バッテリ11の温度が-5℃から50℃までの温度帯域では、電子制御ユニット21は、車載用バッテリ11からの出力を通常に使用する。即ち、特段の制限を設けることなく、電子制御ユニット21は、車載用バッテリ11の充電または放電を行う。
車載用バッテリ11の温度が50℃から55℃までの温度帯域では、電子制御ユニット21は、車載用バッテリ11からの出力を制限する。即ち、車載用バッテリ11が充電または放電する際の出力を制限する。
車載用バッテリ11の温度が55℃以上の場合は、電子制御ユニット21は、車載用バッテリ11からの出力を停止する。具体的には、この温度帯域では、車載用バッテリ11の性能が劣化するため、車載用バッテリ11からの充電または放電を禁止する。即ち、イグニッション・オンを禁止する。
次に、温度帯域に応じて、上記した第1開閉扉31および第2開閉扉32を開閉する動作を説明する。本実施形態では、電子制御ユニット21は、バッテリセル52が活性化する第1温度を境界にして、第1開閉扉31および第2開閉扉32の開閉動作を制御している。
具体的には、車載用バッテリ11の温度が、バッテリセル52が活性化する温度を下回るのであれば、第1開閉扉31および第2開閉扉32を閉状態としている。第1開閉扉31および第2開閉扉32を閉状態とすることで、図2(B)に示したように、空間部35が略密閉された状態となり、電熱線41が通電されることで発熱すると、発生した熱は空間部35を介して、空間部35に隣接する車載用バッテリ11のバッテリセル52に良好に伝導し、バッテリセル52は良好に昇温される。更に、温調プレート54に加熱流体を流動させると、バッテリセル52の側面は、略密閉空間である空間部35で断熱されているので、温調プレート54からバッテリセル52に伝導した熱が、バッテリセル52の側面から放熱されることはない。
ここで、バッテリセル52が活性化する第1温度とは、その温度を上回ると、充放電に伴い車載用バッテリ11からの発熱量が多くなる温度であり、ここでは当該温度の一例として15℃を採用している。また、第1温度は、電池特性や電池状況に伴って変化し得ることを考慮すると、例えば10℃ないし20℃の範囲で設定を変更することもできる。
一方、車載用バッテリ11の温度が、バッテリセル52が活性化する第1温度を上回れば、電子制御ユニット21は、第1開閉扉31および第2開閉扉32を開状態とする。即ち、図3(C)に示したように、第1開閉扉31および第2開閉扉32を開状態とすることで、空間部35と外部とを連通させる。これにより、空間部35の内部を矢印34で示す方向に空気が流通し、この空気とバッテリセル52とが熱交換することで、バッテリセル52が冷却される。ここで、空間部35に導入される空気としては、車外からの空気、車室用空調装置からの空調空気、車室から導かれた空気、空間部35と空調装置との間で循環される空気等を採用できる。
また、車載用バッテリ11の温度が35℃を上回れば、電子制御ユニット21は、冷却装置を運転することでバッテリセル52を冷却しても良い。例えば、ここでは図示しない送風機から空間部35に送風することもでき、これによりバッテリセル52をより積極的に冷却することができる。更には、電子制御ユニット21は、冷却装置である温調プレート54に冷却流体を流すことで、バッテリセル52を冷却しても良い。更に、係る冷却運転は、例えば、車載用バッテリ11の温度が第1温度(例えば15℃)を上回った時点から開始しても良い。
ここで、第1開閉扉31および第2開閉扉32の開閉は、基本的に、バッテリセル52の平均温度と上記した第1温度の比較対比に基づいて行う。しかしながら、充放電時に於いては、5℃程度のバッテリセル52の個体間温度差が存在する。更には、2℃程度の温度センサ22による測定誤差も存在する。よって、車載用バッテリ11の正確な温度制御のために、個々のバッテリセル52の温度を考慮して第1開閉扉31および第2開閉扉32の開閉を制御することもできる。この制御は、上記した均温処理として行っても良い。
具体的には、車載用バッテリ11を構成する何れかのバッテリセル52の温度が、上記した第1温度よりも高く設定された第2温度、例えば22℃を上回れば、第1開閉扉31および第2開閉扉32を開状態とする。この時、車載用バッテリ11の温度、例えばバッテリセル52の平均温度が第1温度を下回る場合であっても、何れかのバッテリセル52の温度が第2温度を上回れば、第1開閉扉31および第2開閉扉32を開状態とする。更に、上記した送風機による送風をこの時に行っても良い。更には、必要に応じて、温調プレート54に冷却流体を流通させる。このようにすることで、特定のバッテリセル52を冷却し、特定のバッテリセル52が極端に高温となることを防止できる。
また、車載用バッテリ11を構成する何れかのバッテリセル52の温度が、上記した第1温度よりも低く設定された第3温度、例えば7℃を下回れば、第1開閉扉31および第2開閉扉32を閉状態とする。この時、車載用バッテリ11の温度、例えばバッテリセル52の平均温度が第1温度を上回る場合であっても、何れかのバッテリセル52の温度が第3温度を下回れば、第1開閉扉31および第2開閉扉32を閉状態とする。更に、必要に応じて、電熱線41や温調プレート54による昇温動作も実行する。
このようにすることで、特定のバッテリセル52が極端に高温になることを防止でき、更に、特定のバッテリセル52が極端に低温となることを防止できる。
更に、車載用バッテリ11の温度とは関係なく、車載用バッテリ11を構成する各構成部材、例えばバッテリセル52の故障が検知された場合は、電子制御ユニット21は、第1開閉扉31および第2開閉扉32を全開状態とする。更に、送風機による送風も行うこともできる。これにより、バッテリセル52またはその周辺機器が故障により発熱したとしても、その熱を第1開閉扉31および第2開閉扉32を介して外部に放出でき、バッテリセル52またはその周辺機器の過熱や発火を防止できる。
更に、車両12の停車時および車載用バッテリ11の充放電停止時には、第1開閉扉31および第2開閉扉32を閉状態とする。これにより、図2(B)を参照して、第1開閉扉31および第2開閉扉32で閉鎖される空間部35を、バッテリセル52と外部とを断熱する断熱層として利用することができ、結露が発生することを抑制できる。
図8を参照して、バッテリセル52が活性化する温度に関して説明する。図8は、バッテリセル52の充電量(横軸)と電池温度(縦軸)との相関関係を示すグラフである。
このグラフは、出力制限領域Aと、通常使用領域と、出力制限領域Bとを含んでいる。出力制限領域Aでは、車載用バッテリ11は出力制限や出力停止を行い、温調としては昇温動作を行う。通常開閉動作は、車載用バッテリ11の最適使用範囲であり、温調は必要に応じて昇温または冷却を行う。出力制限領域Bでは、車載用バッテリ11は、出力制限や出力停止を行い、温調としては冷却動作を行う。
本実施形態では、上記したように、車載用バッテリ11の温度が、車載用バッテリ11が活性化する第1温度、例えば15℃を上回れば、第1開閉扉31および第2開閉扉32を開状態として、車載用バッテリ11を冷却している。ここで、第1温度とは、例えば、車載用バッテリ11の充放電に伴い、冷却が必要とされる温度であり、図8のグラフでは一点鎖線で示している。このようにすることで、本実施形態では、車載用バッテリ11を効果的に冷却しつつ、効率的に充放電することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。また、上記した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
例えば、上記説明では、車載用バッテリ11と熱交換する気体が流通する空間部35は、車載用バッテリ11の側面近傍に配置されたが、空間部35は側面以外の箇所に形成することもできる。一例として、空間部35を、車載用バッテリ11の上下主面の近傍に形成することもできる。
10 車載用バッテリ調温装置
11 車載用バッテリ
111 側面
112 側面
12 車両
13 車体
14 底面
15 バッテリ配置領域
16 昇温ヒータ
21 電子制御ユニット
22 温度センサ
23 サブバッテリ
24 インバータ
25 駆動モータ
26 イグニッションスイッチ
31 第1開閉扉
32 第2開閉扉
33 筐体部
331 主柱部
332 上面部
333 底面部
34 矢印
35 空間部
36 側面
38 矢印
41 電熱線
42 不織布
51 収納ケース
52 バッテリセル
53 カバー
54 温調プレート
55 断熱部材
56 エンドプレート
57 バインドバー
100 バッテリ
101 セルスタック
102 筐体
103 ダクト
104 ブロワ
105 セル
105A 側面
106 凹部
107 凸部
108 配線
109 実線
110 送風路

Claims (8)

  1. 複数のバッテリセルから成るバッテリの近傍に配置され、前記バッテリセルと熱交換する流体が流通する車載用バッテリ調温装置であり、
    前記バッテリの近傍に形成される空間である空間部と、
    開閉動作を実行することで、開状態の場合は前記空間部と外部とを連通させ、閉状態の場合は前記空間部と前記外部との連通を制限する開閉部と、
    演算制御部と、を具備し、
    前記演算制御部は、
    前記バッテリセルの平均温度が、前記バッテリが活性化する第1温度を下回る場合であっても、何れかの前記バッテリセルの温度が、前記第1温度よりも高く設定された第2温度を上回れば、前記開閉部を開状態とし、
    前記バッテリセルの平均温度が、前記第1温度を上回る場合であっても、何れかの前記バッテリセルの温度が、前記第1温度よりも低く設定された第3温度を下回れば、前記開閉部を閉状態とすることを特徴とする車載用バッテリ調温装置。
  2. 前記演算制御部は、前記バッテリの温度が前記第1温度を下回れば、昇温装置で、前記バッテリを昇温することを特徴とする請求項1に記載の車載用バッテリ調温装置。
  3. 前記演算制御部は、前記バッテリの温度が、前記第1温度を上回れば、冷却装置を運転することで、前記開閉部を経由して、前記空間部に向けて送風することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用バッテリ調温装置。
  4. 前記演算制御部は、車両停車時に於いては、前記開閉部を閉状態とすることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の車載用バッテリ調温装置。
  5. 前記演算制御部は、故障を検出したら、前記開閉部を開状態とすることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の車載用バッテリ調温装置。
  6. 前記演算制御部は、
    各々の前記バッテリセルの温度を監視し、
    前記バッテリの温度として、前記バッテリセルの平均温度を採用することを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の車載用バッテリ調温装置。
  7. 前記昇温装置は、前記バッテリが昇温するように配設された電熱線であることを特徴とする請求項2に記載の車載用バッテリ調温装置。
  8. 前記空間部は、前記バッテリの側面部間に形成されることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の車載用バッテリ調温装置。
JP2019064563A 2019-03-28 2019-03-28 車載用バッテリ調温装置 Active JP7306850B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019064563A JP7306850B2 (ja) 2019-03-28 2019-03-28 車載用バッテリ調温装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019064563A JP7306850B2 (ja) 2019-03-28 2019-03-28 車載用バッテリ調温装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020166976A JP2020166976A (ja) 2020-10-08
JP7306850B2 true JP7306850B2 (ja) 2023-07-11

Family

ID=72714657

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019064563A Active JP7306850B2 (ja) 2019-03-28 2019-03-28 車載用バッテリ調温装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7306850B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001102100A (ja) 1999-09-29 2001-04-13 Fuji Heavy Ind Ltd 電気自動車用バッテリ温度制御装置
JP2004088985A (ja) 2002-08-23 2004-03-18 Hyundai Motor Co Ltd 電気自動車のバッテリー温度管理方法、および管理システム
JP2008226475A (ja) 2007-03-08 2008-09-25 Toyota Motor Corp バッテリ冷却装置
JP2012015096A (ja) 2010-06-04 2012-01-19 Denso Corp 電源装置
JP2015216071A (ja) 2014-05-13 2015-12-03 三菱自動車工業株式会社 電池パック

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001102100A (ja) 1999-09-29 2001-04-13 Fuji Heavy Ind Ltd 電気自動車用バッテリ温度制御装置
JP2004088985A (ja) 2002-08-23 2004-03-18 Hyundai Motor Co Ltd 電気自動車のバッテリー温度管理方法、および管理システム
JP2008226475A (ja) 2007-03-08 2008-09-25 Toyota Motor Corp バッテリ冷却装置
JP2012015096A (ja) 2010-06-04 2012-01-19 Denso Corp 電源装置
JP2015216071A (ja) 2014-05-13 2015-12-03 三菱自動車工業株式会社 電池パック

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020166976A (ja) 2020-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100932214B1 (ko) 열전소자를 이용한 전지팩의 열교환 시스템
KR100937903B1 (ko) 전지팩의 밀폐형 열교환 시스템
JP4564934B2 (ja) 二次電池モジュール
US20110300421A1 (en) Electric power source device
EP2980914B1 (en) Battery pack
JP5133330B2 (ja) 車両用バッテリユニット
CN109866632B (zh) 车载充电***
US10886581B2 (en) Battery pack
JP2011023180A (ja) 組電池及びこれを備える車両
WO2009090773A1 (ja) 温度調節機構
KR20110136794A (ko) 온도 제어되는 배터리 시스템 ⅱ
JP2011023179A (ja) 組電池及びこれを備える車両並びに組電池用のバスバー
US20140141288A1 (en) Battery assembly for vehicle and vehicle having the same
JP7306849B2 (ja) 車載用バッテリ調温装置
KR20140004818A (ko) 온도 조절을 위한 펠티어 소자를 포함하고 있는 전지팩
JP2009045959A (ja) 車両および熱交換システム
JP2014026814A (ja) 電源温度調整装置
JP2013145689A (ja) 車両用電池パック及び車両
KR102389162B1 (ko) 전기차용 배터리 냉각시스템
JP5427021B2 (ja) バッテリーの温度調整装置
JP7155032B2 (ja) 車載用バッテリの昇温装置
JP7306850B2 (ja) 車載用バッテリ調温装置
JP5405162B2 (ja) 組電池装置
JP5185876B2 (ja) 組電池装置
JP2019192380A (ja) 車両用蓄電装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7306850

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150