JP7303368B2 - 放射線検出器、放射線画像撮影装置、及び放射線検出器の製造方法 - Google Patents

放射線検出器、放射線画像撮影装置、及び放射線検出器の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7303368B2
JP7303368B2 JP2022501842A JP2022501842A JP7303368B2 JP 7303368 B2 JP7303368 B2 JP 7303368B2 JP 2022501842 A JP2022501842 A JP 2022501842A JP 2022501842 A JP2022501842 A JP 2022501842A JP 7303368 B2 JP7303368 B2 JP 7303368B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
radiation detector
base material
radiation
conversion layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022501842A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021166779A1 (ja
Inventor
信一 牛倉
宗貴 加藤
晴康 中津川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Publication of JPWO2021166779A1 publication Critical patent/JPWO2021166779A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7303368B2 publication Critical patent/JP7303368B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/16Measuring radiation intensity
    • G01T1/20Measuring radiation intensity with scintillation detectors
    • G01T1/2018Scintillation-photodiode combinations
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/42Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis
    • A61B6/4208Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis characterised by using a particular type of detector
    • A61B6/4233Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis characterised by using a particular type of detector using matrix detectors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/42Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis
    • A61B6/4208Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis characterised by using a particular type of detector
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/16Measuring radiation intensity
    • G01T1/20Measuring radiation intensity with scintillation detectors
    • G01T1/2018Scintillation-photodiode combinations
    • G01T1/20188Auxiliary details, e.g. casings or cooling

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)

Description

本発明は、放射線検出器、放射線画像撮影装置、及び放射線検出器の製造方法に関する。
従来、医療診断を目的とした放射線撮影を行う放射線画像撮影装置が知られている。このような放射線画像撮影装置には、被写体を透過した放射線を検出し放射線画像を生成するための放射線検出器が用いられている。
この種の放射線検出器としては、放射線を光に変換するシンチレータ等の変換層と、変換層で変換された光に応じて発生した電荷を蓄積する複数の画素が基材の画素領域に設けられた基板と、を備えたものがある。このような放射線検出器の基板の基材として、可撓性の基材を用いたものが知られており、可撓性の基材に設けられた端子には、画素に蓄積された電荷の読出に用いるケーブルが接続される。可撓性の基材を用いることにより、例えば、放射線画像撮影装置(放射線検出器)を軽量化でき、また、被写体の撮影が容易となる場合がある。
可撓性の基材を用いた放射線検出器では、基材が撓むことから、扱いにくい場合があり、ハンドリング性の向上が望まれている。特に、端子にケーブルを接続する場合、基材が撓むと、端子にケーブルを適切な状態で接続し難い場合がある。
そこで、放射線検出器における基材の撓みを抑制する技術が知られている。例えば、特開2004-296656号公報に記載の技術では、光電変換基板と支持部材とが、光電変換基板上の外周部における電気部品と光電変換基板との接続部以外の領域で貼り合わせ部材によって固定されている。特開2004-296656号公報に記載の技術では、支持部材によって、光電変換基板の撓みが抑制される。
ところで、端子にケーブルを接続する場合、接続のための熱処理が行われることにより、基材にかかった熱は、補強部材に伝播する。基材から伝播した熱によって、補強部材が変形する場合があった。例えば、特開2004-296656号公報に記載の技術では、光電変換基板上の接続電極を加熱圧着する場合の熱処理により、支持部材が変形する懸念がある。
本開示は、ハンドリング性に優れ、かつ端子部にかかる熱による補強部材の変形が抑制された放射線検出器、放射線画像撮影装置、及び放射線検出器の製造方法を提供する。
本開示の第1の態様の放射線検出器は、可撓性の基材の第1の面の画素領域に、放射線から変換された光に応じて発生した電荷を蓄積する複数の画素が形成され、かつ第1の面にケーブルを電気的に接続するための端子が設けられた基板と、基材の第1の面の側に設けられ、かつ放射線を光に変換する変換層と、基材の第1の面と反対側の第2の面における、端子に対向する対向領域を少なくとも含む領域に設けられ、かつスーパーエンジニアリングプラスチックを材料とした補強部材と、を備える。
また、本開示の第2の態様の放射線検出器は、可撓性の基材の第1の面の画素領域に、放射線から変換された光に応じて発生した電荷を蓄積する複数の画素が形成され、かつ第1の面にケーブルを電気的に接続するための端子が設けられた基板と、基材の第1の面の側に設けられ、かつ放射線を光に変換する変換層と、基材の第1の面と反対側の第2の面における、端子に対向する対向領域を少なくとも含む領域に設けられ、かつ連続使用温度が150℃以上の樹脂を主材とした補強部材と、を備える。
また、本開示の第3の態様の放射線検出器は、第1の態様または第2の態様の放射線検出器において、補強部材は、スルホニル基を有する樹脂、フェニレンスルフィド構造を有する樹脂、イミド基を有する樹脂、アリーレンエーテル構造およびアリーレンケトン構造を有する樹脂、ベンゾイミダゾール構造を有する樹脂の少なくとも一つを主材とする。
また、本開示の第4の態様の放射線検出器は、第1の態様または第2の態様の放射線検出器において、補強部材は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、及びテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体のうちの少なくとも1つを材料として含む。
また、本開示の第5の態様の放射線検出器は、第1の態様または第2の態様の放射線検出器において、補強部材は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、熱可塑性ポリイミド、及びテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体のうちの少なくとも1つを材料として含む。
また、本開示の第6の態様の放射線検出器は、第1の態様または第2の態様の放射線検出器において、補強部材は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、熱可塑性ポリイミド、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリフェニルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、及びポリフッ化ビニリデンのうちの少なくとも1つを材料として含む。
また、本開示の第7の態様の放射線検出器は、第1の態様から第6の態様のいずれか1態様の放射線検出器において、補強部材の曲げ剛性は、基材よりも高い。
また、本開示の第8の態様の放射線検出器は、第1の態様から第7の態様のいずれか1態様の放射線検出器において、補強部材は、第2の面における、対向領域と、変換層が設けられた領域に対向する領域の一部とを含む領域に設けられている。
また、本開示の第9の態様の放射線検出器は、第1の態様から第8の態様のいずれか1態様の放射線検出器において、基材の第2の面における、補強部材が設けられていない領域に設けられ、基材よりも曲げ剛性が高い剛性部材をさらに備える。
また、本開示の第10の態様の放射線画像撮影装置は、本開示の放射線検出器と、複数の画素に蓄積された電荷を読み出すための回路部と、を備える。
また、本開示の第11の態様の放射線検出器の製造方法は、支持体に、可撓性の基材を設け、基材の第1の面の画素領域に、放射線から変換された光に応じて発生した電荷を蓄積する複数の画素が設けられ、かつ第1の面にケーブルを電気的に接続するための端子が設けられた基板を形成する工程と、基材の第1の面に、放射線を光に変換する変換層を設ける工程と、支持体から、変換層が設けられた基板を剥離する工程と、基材の第1の面と反対側の第2の面の端子に対向する対向領域を少なくとも含む領域に、スーパーエンジニアリングプラスチックを材料とした補強部材を設ける工程と、を備える。
また、本開示の第12の態様の放射線検出器の製造方法は、支持体に、可撓性の基材を設け、基材の第1の面の画素領域に、放射線から変換された光に応じて発生した電荷を蓄積する複数の画素が設けられ、かつ第1の面にケーブルを電気的に接続するための端子が設けられた基板を形成する工程と、基材の第1の面に、放射線を光に変換する変換層を設ける工程と、支持体から、変換層が設けられた基板を剥離する工程と、基材の第1の面と反対側の第2の面の端子に対向する対向領域を少なくとも含む領域に、連続使用温度が150℃以上の樹脂を主材とした補強部材を設ける工程と、を備える。
また、本開示の第13の態様の放射線検出器の製造方法は、第11の態様または第12の態様の放射線検出器の製造方法において、補強部材を設けた後、端子にケーブルを電気的に接続する工程をさらに備える。
本開示によれば、ハンドリング性に優れ、かつ端子部にかかる熱による補強部材の変形を抑制することができる。
実施形態の放射線画像撮影装置における電気系の要部構成の一例を示すブロック図である。 実施形態の放射線検出器の一例を基材の第1の面側からみた平面図である。 実施形態の放射線検出器の一例を基材の第2の面側からみた平面図である。 図2A及び図2Bに示した放射線検出器のA-A線断面図である。 図2A及び図2Bに示した放射線検出器のB-B線断面図である。 実施形態の放射線画像撮影装置の一例の断面図である。 実施形態の放射線画像撮影装置の一例の断面図である。 実施形態の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 実施形態の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 実施形態の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 実施形態の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 実施形態の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 変形例1の放射線検出器の一例を基材の第2の面側からみた平面図である。 図6に示した放射線検出器のA-A線断面図である。 変形例1の放射線検出器の他の例を基材の第2の面側からみた平面図である。 図8に示した放射線検出器のA-A線断面図である。 変形例1の放射線検出器の他の例を基材の第2の面側からみた平面図である。 図10に示した放射線検出器のA-A線断面図である。 変形例2の放射線検出器の一例のA-A線断面図である。 変形例2の放射線検出器の他の例のA-A線断面図である。 変形例2の放射線検出器の他の例のA-A線断面図である。 変形例2の放射線検出器の他の例のA-A線断面図である。 変形例2の放射線検出器の他の例のA-A線断面図である。 変形例3の放射線検出器の一例のA-A線断面図である。 変形例4の放射線検出器の一例のA-A線断面図である。 変形例4の放射線検出器の他の例のA-A線断面図である。 変形例5の放射線検出器の一例のA-A線断面図である。 変形例6の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 変形例6の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 変形例6の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 変形例6の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 変形例6の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 変形例6の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 変形例6の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 変形例6の放射線画像撮影装置の製造方法の一例を説明する図である。 変形例7の放射線画像撮影装置の一例の断面図である。 変形例7の放射線画像撮影装置の他の例の断面図である。 変形例7の放射線画像撮影装置の他の例の断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は本発明を限定するものではない。
本実施形態の放射線検出器は、被写体を透過した放射線を検出して被写体の放射線画像を表す画像情報を出力する機能を有する。本実施形態の放射線検出器は、センサ基板と、放射線を光に変換する変換層と、を備えている(図3A及び図3B、放射線検出器10のセンサ基板12及び変換層14参照)。本実施形態のセンサ基板12が、本開示の基板の一例である。
まず、図1を参照して本実施形態の放射線画像撮影装置における電気系の構成の一例の概略を説明する。図1は、本実施形態の放射線画像撮影装置における電気系の要部構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の放射線画像撮影装置1は、放射線検出器10、制御部100、駆動部102、信号処理部104、画像メモリ106、及び電源部108を備える。本実施形態の制御部100、駆動部102、及び信号処理部104の少なくとも1つが、本開示の回路部の一例である。以下、制御部100、駆動部102、及び信号処理部104を総称する場合、「回路部」という。
放射線検出器10は、センサ基板12と、放射線を光に変換する変換層14(図3A及び図3B参照)と、を備える。センサ基板12は、可撓性の基材11と、基材11の第1の面11Aに設けられた複数の画素30と、を備えている。なお、以下では、複数の画素30について、単に「画素30」という場合がある。
図1に示すように本実施形態の各画素30は、変換層が変換した光に応じて電荷を発生して蓄積するセンサ部34、及びセンサ部34にて蓄積された電荷を読み出すスイッチング素子32を備える。本実施形態では、一例として、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)をスイッチング素子32として用いている。そのため、以下では、スイッチング素子32を「TFT32」という。本実施形態では、センサ部34及びTFT32が形成され、さらに平坦化された層として基材11の第1の面11Aに画素30が形成された層が設けられる。
画素30は、センサ基板12の画素領域35に、一方向(図1の横方向に対応する走査配線方向、以下「行方向」ともいう)及び行方向に対する交差方向(図1の縦方向に対応する信号配線方向、以下「列方向」ともいう)に沿って二次元状に配置されている。図1では、画素30の配列を簡略化して示しているが、例えば、画素30は行方向及び列方向に1024個×1024個配置される。
また、放射線検出器10には、画素30の行毎に備えられた、TFT32のスイッチング状態(オン及びオフ)を制御するための複数の走査配線38と、画素30の列毎に備えられた、センサ部34に蓄積された電荷が読み出される複数の信号配線36と、が互いに交差して設けられている。複数の走査配線38の各々は、それぞれフレキシブルケーブル112Aを介して、駆動部102に接続されることにより、駆動部102から出力される、TFT32を駆動してスイッチング状態を制御する駆動信号が、複数の走査配線38の各々に流れる。また、複数の信号配線36の各々が、それぞれフレキシブルケーブル112Bを介して、信号処理部104に接続されることにより、各画素30から読み出された電荷が、電気信号として信号処理部104に出力される。信号処理部104は、入力された電気信号に応じた画像データを生成して出力する。なお、本実施形態のフレキシブルケーブル112が、本開示のケーブルの一例である。また、本実施形態においてフレキシブルケーブル112に関して「接続」という場合、電気的な接続を意味する。
信号処理部104には後述する制御部100が接続されており、信号処理部104から出力された画像データは制御部100に順次出力される。制御部100には画像メモリ106が接続されており、信号処理部104から順次出力された画像データは、制御部100による制御によって画像メモリ106に順次記憶される。画像メモリ106は所定の枚数分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ106に順次記憶される。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)100A、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)等を含むメモリ100B、及びフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部100Cを備えている。制御部100の一例としては、マイクロコンピュータ等が挙げられる。制御部100は、放射線画像撮影装置1の全体の動作を制御する。
なお、本実施形態の放射線画像撮影装置1では、画像メモリ106及び制御部100等は、制御基板110に形成されている。
また、各画素30のセンサ部34には、各画素30にバイアス電圧を印加するために、共通配線39が信号配線36の配線方向に設けられている。共通配線39が、センサ基板12の外部のバイアス電源(図示省略)に接続されることにより、バイアス電源から各画素30にバイアス電圧が印加される。
電源部108は、制御部100、駆動部102、信号処理部104、画像メモリ106、及び電源部108等の各種素子や各種回路に電力を供給する。なお、図1では、錯綜を回避するために、電源部108と各種素子や各種回路を接続する配線の図示を省略している。
さらに、放射線検出器10について詳細に説明する。図2Aは、本実施形態の放射線検出器10を、基材11の第1の面11A側からみた平面図の一例である。図2Bは、本実施形態の放射線検出器10を、基材11の第2の面11B側からみた平面図の一例である。また、図3Aは、図2A及び図2Bにおける放射線検出器10のA-A線断面図の一例である。図3Bは、図2A及び図2Bにおける放射線検出器10のB-B線断面図の一例である。
基材11は、可撓性を有し、例えば、PI(PolyImide:ポリイミド)等のプラスチックを含む樹脂シートである。基材11の厚みは、材質の硬度、及びセンサ基板12の大きさ、すなわち第1の面11Aまたは第2の面11Bの面積等に応じて、所望の可撓性が得られる厚みであればよい。可撓性を有する例としては、矩形状の基材11単体の場合に、基材11の1辺を固定した状態で、固定した辺より10cm離れた位置で基材11の自重による重力で2mm以上、基材11が垂れ下がる(固定した辺の高さよりも低くなる)ものを指す。基材11が樹脂シートの場合の具体例としては、厚みが5μm~125μmのものであればよく、厚みが20μm~50μmのものであればより好ましい。
なお、基材11は、画素30の製造に耐え得る特性を有しており、本実施形態では、アモルファスシリコンTFT(a-Si TFT)の製造に耐え得る特性を有している。このような、基材11が有する特性としては、300℃~400℃における熱膨張率(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)が、アモルファスシリコン(Si)ウェハと同程度(例えば、±5ppm/K)であることが好ましく、具体的には、20ppm/K以下であることが好ましい。また、基材11の熱収縮率としては、厚みが25μmの状態において400℃における熱収縮率が0.5%以下であることが好ましい。また、基材11の弾性率は、300℃~400℃間の温度領域において、一般的なPIが有する転移点を有さず、500℃における弾性率が1GPa以上であることが好ましい。
また、本実施形態の基材11は、自身による後方散乱線を抑制するために、平均粒子径が0.05μm以上、2.5μm以下の、後方散乱線を吸収する無機の微粒子を含む微粒子層を有することが好ましい。なおこのような無機の微粒子としては、樹脂性の基材11の場合、原子番号が、基材11である有機物を構成する原子よりも大きく、かつ30以下である無機物を用いることが好ましい。このような微粒子の具体例としては、原子番号が14のSiの酸化物であるSiO、原子番号が12のMgの酸化物であるMgO、原子番号が13のAlの酸化物であるAl、及び原子番号が22のTiの酸化物であるTiO等が挙げられる。このような特性を有する樹脂シートの具体例としては、XENOMAX(登録商標)が挙げられる。
なお、本実施形態における上記の厚みについては、マイクロメーターを用いて測定した。熱膨張率については、JIS K7197:1991に則して測定した。なお測定は、基材11の主面から、15度ずつ角度を変えて試験片を切り出し、切り出した各試験片について熱膨張率を測定し、最も高い値を基材11の熱膨張率とした。熱膨張率の測定は、MD(Machine Direction)方向およびTD(Transverse Direction)方向のそれぞれについて、-50℃~450℃において10℃間隔で行い、(ppm/℃)を(ppm/K)に換算した。熱膨張率の測定には、MACサイエンス社製 TMA4000S装置を用い、サンプル長さを10mm、サンプル幅を2mm、初荷重を34.5g/mm、昇温速度を5℃/min、及び雰囲気をアルゴンとした。
所望の可撓性を有する基材11としては、樹脂シート等、樹脂製のものに限定されない。例えば、基材11は、厚みが比較的薄いガラス基板等であってもよい。基材11がガラス基板の場合の具体例としては、一般に、一辺が43cm程度のサイズでは、厚さが0.3mm以下ならば可撓性を有しているため、厚さが0.3mm以下のものであれば所望のガラス基板であってもよい。
図2A、図3A、及び図3Bに示すように、複数の画素30は、基材11の第1の面11Aに設けられている。本実施形態では、基材11の第1の面11Aにおける画素30が設けられた領域を画素領域35としている。
また、基材11の第1の面11Aには、変換層14が設けられている。本実施形態の変換層14は、画素領域35を覆っている。本実施形態では、変換層14の一例としてCsI(ヨウ化セシウム)を含むシンチレータを用いている。このようなシンチレータとしては、例えば、X線照射時の発光スペクトルが400nm~700nmであるCsI:Tl(タリウムが添加されたヨウ化セシウム)やCsI:Na(ナトリウムが添加されたヨウ化セシウム)を含むことが好ましい。なお、CsI:Tlの可視光域における発光ピーク波長は565nmである。
変換層14を気相堆積法を用いて形成した場合、図3A及び図3Bに示すように、変換層14は、その外縁に向けて厚さが徐々に薄くなる傾斜を有して形成される。以下において、製造誤差及び測定誤差を無視した場合の厚さが略一定とみなせる、変換層14の中央領域を中央部14Aという。また、変換層14の中央部14Aの平均厚さに対して例えば90%以下の厚さを有する、変換層14の外周領域を周縁部14Bという。すなわち、変換層14は、周縁部14Bにおいてセンサ基板12に対して傾斜した傾斜面を有する。なお、以下では、説明の便宜状、センサ基板12において「上」、「下」という場合、変換層14を基準としており、変換層14のセンサ基板12と対向する側を「下」といい、反対側を「上」という。例えば、変換層14は、センサ基板12の上に設けられており、変換層14の周縁部14Bにおける傾斜面は、変換層14が上側から下側に向けて徐々に広がる状態に傾斜している。
また、図3A及び図3Bに示すように、本実施形態の変換層14の上には、粘着層60、反射層62、接着層64、及び保護層66が設けられている。
粘着層60は、変換層14の表面全体を覆っている。粘着層60は、反射層62を変換層14上に固定する機能を有する。粘着層60は、光透過性を有していることが好ましい。粘着層60の材料として、例えば、アクリル系粘着剤、ホットメルト系粘着剤、及びシリコーン系接着剤を用いることが可能である。アクリル系粘着剤としては、例えば、ウレタンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート、及びエポキシアクリレート等が挙げられる。ホットメルト系粘着剤としては、例えば、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)、EAA(エチレンとアクリル酸の共重合樹脂)、EEA(エチレン-エチルアクリレート共重合樹脂)、及びEMMA(エチレン-メタクリル酸メチル共重合体)等の熱可塑性プラスチックが挙げられる。粘着層60の厚さは、2μm以上7μm以下であることが好ましい。粘着層60の厚さを2μm以上とすることで、反射層62を変換層14上に固定する効果を十分に発揮することができる。更に、変換層14と反射層62との間に空気層が形成されるリスクを抑制することができる。変換層14と反射層62との間に空気層が形成されると、変換層14から発せられた光が、空気層と変換層14との間、及び空気層と反射層62との間で反射を繰り返す多重反射を生じるおそれがある。また、粘着層60の厚さを7μm以下とすることで、MTF(Modulation Transfer Function)及びDQE(Detective Quantum Efficiency)の低下を抑制することが可能となる。
反射層62は、粘着層60の表面全体を覆っている。反射層62は、変換層14で変換された光を反射する機能を有する。反射層62の材料としては、金属、または金属酸化物を含む樹脂材料によって構成されていることが好ましい。反射層62の材料としては、例えば、白PET(Polyethylene Terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)、TiO、Al、発泡白PET、及び鏡面反射アルミ等を用いることができる。白PETとは、PETに、TiOや硫酸バリウム等の白色顔料を添加したものであり、発泡白PETとは、表面が多孔質になっている白PETである。また、反射層62の材料としては、樹脂フィルムと金属フィルムとの積層膜を用いてもよい。樹脂フィルムと金属フィルムとの積層膜としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の絶縁性のシート(フィルム)に、アルミ箔を接着させる等してアルミを積層したアルペット(登録商標)のシートが挙げられる。反射層62の厚さは、10μm以上、40μm以下であることが好ましい。このように、変換層14の上に反射層62を備えることにより、変換層14で変換された光を、効率的にセンサ基板12の画素30に導くことができる。
接着層64は反射層62の表面全体を覆っている。接着層64の端部は、基材11の第1の面11Aにまで延在している。すなわち、接着層64は、その端部においてセンサ基板12の基材11に接着している。接着層64は、反射層62及び保護層66を変換層14に固定する機能を有する。接着層64の材料として、粘着層60の材料と同じ材料を用いることが可能であるが、接着層64が有する接着力は、粘着層60が有する接着力よりも大きいことが好ましい。
保護層66は、変換層14の全体を覆うとともに、その端部がセンサ基板12の一部を覆う状態に設けられている。保護層66は、変換層14への水分の浸入を防止する防湿膜として機能する。保護層66の材料として、例えば、PET、PPS(PolyPhenylene Sulfide:ポリフェニレンサルファイド)、OPP(Oriented PolyPropylene:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)、PEN(PolyEthylene Naphthalate:ポリエチレンナフタレート)、PI等の有機材料を含む有機膜や、パリレン(登録商標)を用いることができる。また、保護層66として、樹脂フィルムと金属フィルムとの積層膜を用いてもよい。樹脂フィルムと金属フィルムとの積層膜としては、例えば、アルペット(登録商標)のシートが挙げられる。
一方、図2A、図3A、及び図3Bに示すように、基材11の第1の面11Aの外縁部には複数(図2Aでは、16個)の端子113が設けられている。端子113としては、異方性導電フィルム等が用いられる。図2A、図3A、及び図3Bに示すように、複数の端子113の各々には、フレキシブルケーブル112が電気的に接続されている。具体的には、図2Aに示すように、基材11の一辺に設けられた複数(図2Aでは8個)の端子113の各々に、フレキシブルケーブル112Aが熱圧着されている。フレキシブルケーブル112Aは、いわゆるCOF(Chip on Film)であり、フレキシブルケーブル112Aには、駆動IC(Integrated Circuit)210が搭載されている。駆動IC210は、フレキシブルケーブル112Aに含まれる複数の信号線に接続されている。なお、本実施形態では、フレキシブルケーブル112A及び後述するフレキシブルケーブル112Bについて、各々を区別せずに総称する場合、単に「フレキシブルケーブル112」という。
フレキシブルケーブル112Aにおける、センサ基板12の端子113と電気的に接続された一端と反対側の他端は、駆動基板200に電気的に接続される。一例として、本実施形態では、フレキシブルケーブル112Aに含まれる複数の信号線は、駆動基板200に熱圧着されることにより、駆動基板200に搭載された回路及び素子等(図示省略)と電気的に接続される。なお、駆動基板200とフレキシブルケーブル112Aとを電気的に接続する方法は、本実施形態に限定されず、例えば、コネクタにより、電気的に接続する形態としてもよい。このようなコネクタとしては、ZIF(Zero Insertion Force)構造のコネクタや、Non-ZIF構造のコネクタ等が挙げられる。
本実施形態の駆動基板200は、可撓性のPCB(Printed Circuit Board)基板であり、いわゆるフレキシブル基板である。また、駆動基板200に搭載される回路部品(図示省略)は主にデジタル信号の処理に用いられる部品(以下、「デジタル系部品」という)である。デジタル系部品は、後述するアナログ系部品よりも、比較的面積(大きさ)が小さい傾向がある。デジタル系部品の具体例としては、デジタルバッファ、バイパスコンデンサ、プルアップ/プルダウン抵抗、ダンピング抵抗、及びEMC(Electro Magnetic
Compatibility)対策チップ部品、及び電源IC等が挙げられる。なお、駆動基板200は、必ずしもフレキシブル基板でなくてもよく、非可撓性のリジッド基板であってもよいし、リジッドフレキ基板を用いてもよい。
本実施形態では、駆動基板200と、フレキシブルケーブル112Aに搭載された駆動IC210とにより、駆動部102が実現される。なお、駆動IC210には、駆動部102を実現する各種回路及び素子のうち、駆動基板200に搭載されているデジタル系部品と異なる回路が含まれる。
一方、フレキシブルケーブル112Aが電気的に接続された基材11の一辺と交差する辺に設けられた複数(図2Aでは8個)の端子113の各々には、フレキシブルケーブル112Bが電気的に接続されている。フレキシブルケーブル112Bは、フレキシブルケーブル112Aと同様に、いわゆるCOFであり、フレキシブルケーブル112Bには、信号処理IC310が搭載されている。信号処理IC310は、フレキシブルケーブル112Bに含まれる複数の信号線(図示省略)に接続されている。
フレキシブルケーブル112Bにおける、センサ基板12の端子113と電気的に接続された一端と反対側の他端は、信号処理基板300に電気的に接続される。一例として、本実施形態では、フレキシブルケーブル112Bに含まれる複数の信号線は、信号処理基板300に熱圧着されることにより、信号処理基板300に搭載された回路及び素子等(図示省略)と接続される。なお、信号処理基板300とフレキシブルケーブル112Bとを電気的に接続する方法は、本実施形態に限定されず、例えば、コネクタにより、電気的に接続する形態としてもよい。このようなコネクタとしては、ZIF構造のコネクタや、Non-ZIF構造のコネクタ等が挙げられる。また、フレキシブルケーブル112Aと駆動基板200とを電気的に接続する方法と、フレキシブルケーブル112Bと信号処理基板300とを電気的に接続する方法は、同様で有ってもよいし、異なっていてもよい。例えば、フレキシブルケーブル112Aと駆動基板200とは、熱圧着により電気的に接続し、フレキシブルケーブル112Bと信号処理基板300とはコネクタにより電気的に接続する形態としてもよい。
本実施形態の信号処理基板300は、上述した駆動基板200と同様に、可撓性のPCB基板であり、いわゆるフレキシブル基板である。信号処理基板300に搭載される回路部品(図示省略)は主にアナログ信号の処理に用いられる部品(以下、「アナログ系部品」という)である。アナログ系部品の具体例としては、チャージアンプ、アナログデジタルコンバータ(ADC)、デジタルアナログコンバータ(DAC)、及び電源IC等が挙げられる。また、本実施形態の回路部品は、比較的部品サイズが大きい電源周りのコイル、及び平滑用大容量コンデンサも含む。なお、信号処理基板300は、必ずしもフレキシブル基板でなくてもよく、非可撓性のリジッド基板であってもよいし、リジッドフレキ基板を用いてもよい。
本実施形態では、信号処理基板300と、フレキシブルケーブル112Bに搭載された信号処理IC310とにより、信号処理部104が実現される。なお、信号処理IC310には、信号処理部104を実現する各種回路及び素子のうち、信号処理基板300に搭載されているアナログ系部品と異なる回路が含まれる。
なお、図2A及び図2Bでは、駆動基板200及び信号処理基板300が各々、複数(2つずつ)設けられている形態について説明したが、駆動基板200及び信号処理基板300の数は、図2A及び図2Bに示した数に限定されない。例えば、駆動基板200及び信号処理基板300の少なくとも一方を、1つの基板とした形態であってもよい。
一方、図3Aに示すように、本実施形態の放射線検出器10では、フレキシブルケーブル112を端子113に熱圧着することにより、フレキシブルケーブル112が端子113に電気的に接続される。なお、図3Aは、フレキシブルケーブル112Bと放射線検出器10との電気的な接続に関する構造の一例を示す図であるが、本実施形態のフレキシブルケーブル112Aと放射線検出器10との電気的に接続に関する構造も、図3Aに例示した形態と同様である。
また、図2B、図3A、及び図3Bに示すように、本実施形態の放射線検出器10のセンサ基板12における、基材11の第2の面11Bには、補強部材40が設けられている。具体的には、本実施形態の補強部材40は、基材11の第2の面11Bにおける、端子113に対向する対向領域11Cに設けられている。なお、補強部材40は、基材11の第2の面11Bにおける対向領域11Cを少なくとも含む領域に設けられていればよい。
上述したように、基材11の端子113にフレキシブルケーブル112を電気的に接続する工程において、基材11の端子113が設けられた領域が撓んでしまうと、例えば、端子113とフレキシブルケーブル112とがずれた状態で接続されてしまう等、不具合が生じる場合がある。そこで、本実施形態の放射線検出器10では、補強部材40により、少なくとも、基材11の端子113が設けられた領域の剛性を補強する。そのため、補強部材40は、基材11の剛性を補強する機能を有する。本実施形態の補強部材40は、基材11よりも曲げ剛性が高く、変換層14と対向する面に対して垂直方向に加えられる力に対する、寸法変化(変形)が、基材11の第2の面11Bに対して垂直方向に加えられる力に対する、寸法変化よりも小さい。
なお、補強部材40の曲げ剛性は、基材11の曲げ剛性の100倍以上であることが好ましい。また、本実施形態の補強部材40の厚みは、基材11の厚みよりも厚い。例えば、基材11として、XENOMAX(登録商標)を用いる場合、補強部材40の厚みは0.1mm~0.25mm程度が好ましい。
補強部材40は、基材11の撓みを抑制する観点からは、基材11よりも曲げ剛性が高いことが好ましい。具体的には、本実施形態の補強部材40は、曲げ弾性率が150MPa以上、5000MPa以下の素材を用いることが好ましい。なお、曲げ弾性率が低くなると曲げ剛性も低くなり、所望の曲げ剛性を得るためには、補強部材40の厚みを厚くしなくてはならず、放射線検出器10全体の厚みが増大してしまう。上述の補強部材40の材料を考慮すると、140000Pacmを越える曲げ剛性を得ようとする場合、補強部材40の厚みが、比較的厚くなってしまう傾向がある。そのため、適切な剛性が得られ、かつ放射線検出器10全体の厚みを考慮すると、補強部材40に用いる素材は、曲げ弾性率が150MPa以上、5000MPa以下であることがより好ましい。また、補強部材40の曲げ剛性は、540Pacm以上、280000Pacm以下であることが好ましい。
上述したように、端子113にフレキシブルケーブル112を電気的に接続する場合、端子113とフレキシブルケーブル112とを熱圧着するための熱処理が行われる。本熱処理により、基材11にかかる熱が補強部材40に伝播する。伝播した熱によって補強部材40が変形した場合、例えば、補強部材40が基材11から剥離することがある。また例えば、補強部材40の変形に追随して基材11も変形し、フレキシブルケーブル112と端子113との電気的な接続が切断されたり、放射線検出器10によって得られる放射線画像の画質に影響を与えたりすることがある。
上記熱処理により基材11にかかる熱は、主に、第2の面11Bの対向領域11Cから補強部材40に伝播しようとする。そこで、本実施形態の放射線検出器10では、耐熱性に優れた補強部材40を、基材11の第2の面11Bの対向領域11Cに設ける。このように、本実施形態の放射線検出器10では、基材11の端子113にフレキシブルケーブル112を圧着する際に、基材11にかかる熱による変形が生じない補強部材40、または熱による変形量が許容範囲内となる補強部材40が、基材11の第2の面11Bの対向領域11Cに設けられている。
上記の耐熱性を満たす補強部材40の材料としては、アメリカ保険業者安全試験所によるUL規格のUL746Bの規定に準拠した連続使用温度が、150℃以上の材料を主成分とした材料であることが好ましい。または、上記の耐熱性を満たす補強部材40の材料としては、スーパーエンジニアリングプラスチック(以下、「スーパーエンプラ」という)を主成分とした材料であることが好ましい。または、スルホニル基を有する樹脂、フェニレンスルフィド構造を有する樹脂、イミド基を有する樹脂、アリーレンエーテル構造およびアリーレンケトン構造を有する樹脂、及びベンゾイミダゾール構造を有する樹脂等を主成分とした材料であることが好ましい。
具体的には、曲げ剛性及び耐熱性の観点から、本実施形態の補強部材40の材料としては、ポリスルホン(PSU、PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリフェニルスルホン(PPSU、PPSF)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)のうちの少なくとも1つが挙げられる。
さらに、これらのうち、補強部材40の主材としては、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、及びテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)のうちの少なくとも1つを含むことがより好ましい。さらに、耐衝撃性等も考慮すると、補強部材40の主材としては、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)のうちの少なくとも1つを材料として含むことがより好ましい。
さらに、放射線画像撮影装置1について詳細に説明する。図4Aは、本実施形態の放射線検出器10を、基材11の第2の面11B側から放射線が照射されるISS(Irradiation Side Sampling)方式に適用した場合の放射線画像撮影装置1の断面図の一例である。また、図4Bは、本実施形態の放射線検出器10を、変換層14側から放射線が照射されるPSS(Penetration Side Sampling)方式に適用した場合の放射線画像撮影装置1の断面図の一例である。
上記の放射線検出器10を用いた放射線画像撮影装置1は、図4A及び図4Bに示すように、筐体120に収納された状態で使用される。図4A及び図4Bに示すように、筐体120内には、放射線検出器10、電源部108、及び信号処理基板300等の回路部が放射線の入射方向に並んで設けられている。図4Aの放射線検出器10は、被写体を透過した放射線が照射される筐体120の照射面120A側の天板に、基材11の第2の面11B側が対向する状態に配置されている。より具体的には、筐体120の照射面120A側の天板に、補強部材40が対向する状態に配置されている。また、図4Bの放射線検出器10は、筐体120の照射面120A側の天板に、基材11の第1の面11A側が対向する状態に配置されている。より具体的には、筐体120の照射面120A側の天板に、変換層14の上面が対向する状態に配置されている。
また、図4A及び図4Bに示すように、筐体120内には、放射線検出器10を透過した放射線が出射される側に中板116がさらに設けられている。中板116としては、例えば、アルミや銅製のシートが挙げられる。銅製のシートは入射される放射線によって2次放射線を発生し難く、よって、後方、すなわち変換層14側への散乱を防止する機能を有する。なお、中板116は、少なくとも変換層14の放射線が出射する側の面全体を覆い、また、変換層14全体を覆うことが好ましい。また、中板116には、信号処理基板300等の回路部が固定されている。
筐体120は、軽量であり、放射線、特にX線の吸収率が低く、且つ高剛性であることが好ましく、弾性率が十分に高い材料により構成されることが好ましい。筐体120の材料として、曲げ弾性率が10000MPa以上である材料を用いることが好ましい。筐体120の材料として、20000MPa~60000MPa程度の曲げ弾性率を有するカーボンまたはCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)を好適に用いることができる。
放射線画像撮影装置1による放射線画像の撮影においては、筐体120の照射面120Aに被写体からの荷重が印加される。筐体120の剛性が不足する場合、被写体からの荷重によりセンサ基板12に撓みが生じ、画素30が損傷する等の不具合が発生するおそれがある。10000MPa以上の曲げ弾性率を有する材料からなる筐体120内部に、放射線検出器10が収納されることで、被写体からの荷重によるセンサ基板12の撓みを抑制することが可能となる。
なお、筐体120は、筐体120の照射面120Aと、その他の部分とで、異なる材料で形成されていてもよい。例えば、照射面120Aに対応する部分は、上記のように放射線の吸収率が低く、且つ高剛性であり、弾性率が十分に高い材料で形成し、その他の部分は、照射面120Aに対応する部分と異なる材料、例えば、照射面120Aの部分よりも弾性率が低い材料で形成してもよい。
本実施形態の放射線画像撮影装置1の製造方法について図5A~図5Eを参照して説明する。なお、本実施形態の放射線画像撮影装置1の製造方法は、本実施形態の放射線検出器10の製造方法を含む。
図5Aに示すように、センサ基板12を形成するために、基材11に比べて厚さの厚いガラス基板等の支持体400に、剥離層402を介して、基材11が設けられる。例えば、ラミネート法により基材11を形成する場合、支持体400上に、基材11となるシートを貼り合わせる。基材11の第2の面11Bが剥離層402に接する。なお、基材11を形成する方法は、本実施形態に限定されず、例えば、塗布法で基材11を形成する形態であってもよい。
さらに、基材11の第1の面11Aに、画素30及び端子113が形成される。画素30は、第1の面11Aの画素領域35に、SiN等を用いたアンダーコート層(図示省略)を介して形成される。また、基材11の2つの辺の各々に沿って複数の端子113が形成される。
また、図5Bに示すように、画素30が形成された層(以下、単に「画素30」という)の上に、変換層14が形成される。本実施形態では、センサ基板12上に直接、真空蒸着法、スパッタリング法、及びCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の気相堆積法によって柱状結晶としてCsIの変換層14が形成される。この場合、変換層14における画素30と接する側が、柱状結晶の成長方向基点側となる。
また、本実施形態の放射線検出器10と異なり、変換層14としてCsIに替わり、GOS(GdS:Tb)等を用いてもよい。この場合、例えば、GOSを樹脂等のバインダに分散させたシートを、白PET等により形成された支持体に粘着層等により貼り合わせたものを用意し、GOSの支持体が貼り合わせられていない側と、センサ基板12の画素30とを粘着性のシート等により貼り合わせることにより、センサ基板12に変換層14を形成することができる。なお、変換層14にCsIを用いる場合の方が、GOSを用いる場合に比べて、放射線から可視光への変換効率が高くなる。
さらに、センサ基板12に形成された変換層14の上に、粘着層60を介して反射層62を設ける。さらに、接着層64を介して保護層66を設ける。
この後、図5Cに示すように変換層14が設けられたセンサ基板12を支持体400から剥離する。以下、本工程を、剥離工程という。メカニカル剥離の場合、図5Cに示した一例では、センサ基板12の基材11における、端子113設けられた辺と対向する辺を剥離の起点とし、起点となる辺から端子113が設けられた辺に向けて徐々にセンサ基板12を支持体400から、図5Cに示した矢印D方向に引きはがすことにより、センサ基板12を支持体400から剥離する。
なお、剥離の起点とする辺は、センサ基板12を平面視した場合における、最長の辺と交差する辺が好ましい。換言すると、剥離により撓みが生じる撓み方向Yに沿った辺は、最長の辺であることが好ましい。一例として、本実施形態では、剥離の起点を、フレキシブルケーブル112Bが電気的に接続される辺と対向する辺としている。
次に、図5Dに示すように、基材11の第2の面11Bの対向領域11Cに、粘着剤42を設けた補強部材40を貼り合わせる。
次に、図5Eに示すように、フレキシブルケーブル112を、センサ基板12に電気的に接続する。具体的には、端子113に、駆動IC210または信号処理IC310が搭載されたフレキシブルケーブル112を熱圧着させて、端子113とフレキシブルケーブル112とを電気的に接続する。これにより、センサ基板12にフレキシブルケーブル112が電気的に接続される。
さらに、放射線検出器10及び回路部等を、筐体120に収納することにより、図4Aまたは図4Bに示した放射線画像撮影装置1が製造される。具体的には、補強部材40が、照射面120Aと対向する状態で、放射線検出器10を筐体120に収納することで、図4Aに示した放射線画像撮影装置1が製造される。また、変換層14が、照射面120Aと対向する状態で、放射線検出器10を筐体120に収納することで、図4Bに示した放射線画像撮影装置1が製造される。
なお、放射線画像撮影装置1及び放射線検出器10の構成及び製造方法は、上述した形態に限定されない。例えば、以下の変形例1~変形例7に示す形態としてもよい。なお、上述した形態及び変形例1~変形例7の各々を適宜、組み合わせた形態としてもよく、また変形例1~変形例7に限定されるものでもない。
(変形例1)
本変形例では、補強部材40の変形例について説明する。
図6は、本変形例の放射線検出器10を、基材11の第2の面11B側からみた平面図の一例である。また、図7は、図6における放射線検出器10のA-A線断面図の一例である。
図6に示すように、本変形例の放射線検出器10の補強部材40は、基材11の端子113が設けられた辺、すなわち対向領域11Cを有する辺全体に設けられている。具体的には、フレキシブルケーブル112Aが電気的に接続された端子113の対向領域11Cが設けられた辺全体と、フレキシブルケーブル112Bが電気的に接続された端子113の対向領域11Cが設けられた辺全体とに設けられている。
また、図6及び図7に示すように、本変形例の補強部材40は、第2の面11Bにおける、対向領域11Cと、変換層14が設けられた領域に対向する領域の一部とを含む領域に設けられている。具体的には、本変形例の補強部材40は、第2の面11Bにおいて、対向領域11Cが設けられた辺から変換層14の周縁部14Bの下側の領域の内部に至るまで、切れ目なく設けられている。
このように、補強部材40を設けることにより、補強部材40が設けられている領域と設けられていない領域との境界等において生じる局所的な撓みや不均一な撓みを抑制することができる。特に、基材11における、変換層14の外縁部の近傍では、厚みの変化等により撓みが生じやすい。これに対して、図6及び図7に示した本変形例の放射線検出器10では、変換層14の外縁部の下側にあたる、基材11の第2の面11Bに、補強部材40が設けられている。従って、変換層14の外縁部近傍における基材11の撓みを抑制することができる。このように、基材11の撓みが抑制されるため、変換層14が基材11から剥離するのを抑制することができる。
なお、図8及び図9に示すように、基材11の第2の面11Bの補強部材40が設けられていない領域に、粘着剤52により剛性板50が設けられていてもよい。図8は、本変形例の放射線検出器10を、基材11の第2の面11B側からみた平面図の一例である。また、図9は、図8における放射線検出器10のA-A線断面図の一例である。
剛性板50は、補強部材40と同様に、基材11の剛性を補強する機能を有する。本実施形態の剛性板50は、基材11よりも曲げ剛性が高く、変換層14と対向する面に対して垂直方向に加えられる力に対する、寸法変化(変形)が、基材11の第2の面11Bに対して垂直方向に加えられる力に対する、寸法変化よりも小さい。
なお具体的には、剛性板50の曲げ剛性は、基材11の曲げ剛性の100倍以上であることが好ましい。また、本実施形態の剛性板50の厚みは、基材11の厚みよりも厚い。例えば、基材11として、XENOMAX(登録商標)を用いる場合、剛性板50の厚みは0.1mm~0.25mm程度が好ましい。なお、剛性板50の厚みと、補強部材40の厚みとは同一であることが好ましい。
具体的には、本実施形態の剛性板50は、曲げ弾性率が150MPa以上、2500MPa以下の素材を用いることが好ましい。剛性板50は、基材11の撓みを抑制する観点からは、基材11よりも曲げ剛性が高いことが好ましい。なお、曲げ弾性率が低くなると曲げ剛性も低くなり、所望の曲げ剛性を得るためには、剛性板50の厚みを厚くしなくてはならず、放射線検出器10全体の厚みが増大してしまう。上述の剛性板50の材料を考慮すると、140000Pacmを越える曲げ剛性を得ようとする場合、剛性板50の厚みが、比較的厚くなってしまう傾向がある。そのため、適切な剛性が得られ、かつ放射線検出器10全体の厚みを考慮すると、剛性板50に用いる素材は、曲げ弾性率が150MPa以上、2500MPa以下であることがより好ましい。また、剛性板50の曲げ剛性は、540Pacm以上、140000Pacm以下であることが好ましい。
また、本実施形態の剛性板50の熱膨張率は、変換層14の材料の熱膨張率に近い方が好ましく、より好ましくは、変換層14の熱膨張率に対する剛性板50の熱膨張率の比(剛性板50の熱膨張率/変換層14の熱膨張率)が、0.5以上、2以下であることが好ましい。このような剛性板50の熱膨張率としては、30ppm/K以上、80ppm/K以下であることが好ましい。例えば、変換層14がCsI:Tlを材料とする場合、熱膨張率は、50ppm/Kである。この場合、変換層14に比較的近い材料としては、熱膨張率が60ppm/K~80ppm/KであるPVC(Polyvinyl Chloride:ポリ塩化ビニル)、熱膨張率が70ppm/K~80ppm/Kであるアクリル、熱膨張率が65ppm/K~70ppm/KであるPET、熱膨張率が65ppm/KであるPC(Polycarbonate:ポリカーボネート)、及び熱膨張率が45ppm/K~70ppm/Kであるテフロン(登録商標)等が挙げられる。さらに、上述した曲げ弾性率を考慮すると、剛性板50の材料としては、PET、及びPCの少なくとも一方を含む材料であることがより好ましい。
剛性板50は、弾力性の観点からは、降伏点を有する材料を含むことが好ましい。なお、本実施形態において「降伏点」とは、材料を引っ張った場合に、応力が一旦、急激に下がる現象をいい、応力とひずみとの関係を表す曲線上で、応力が増えずにひずみが増える点のことをいい、材料について引っ張り強度試験を行った際の応力-ひずみ曲線における頂部を指す。降伏点を有する樹脂としては、一般的に、硬くて粘りが強い樹脂、及び柔らかくて粘りが強く、かつ中程度の強度の樹脂が挙げられる。硬くて粘りが強い樹脂としては、例えば、PC等が挙げられる。また、柔らかくて粘りが強く、かつ中程度の強度の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン等が挙げられる。
本実施形態の剛性板50を、プラスチックを材料とした基板とした場合、上述した理由から熱可塑性の樹脂であることが好ましく、PC、PET、スチロール、アクリル、ポリアセターゼ、ナイロン、ポリプロピレン、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、エンプラ、及びポリフェニレンエーテルの少なくとも一つが挙げられる。なお、剛性板50は、これらのうち、ポリプロピレン、ABS、エンプラ、PET、及びポリフェニレンエーテルの少なくとも一つであることが好ましく、スチロール、アクリル、ポリアセターゼ、及びナイロンの少なくとも一つであることがより好ましく、PC及びPETの少なくとも一つであることがさらに好ましい。
このように、図8及び図9に示した放射線検出器10では、基材11の第2の面11Bに、補強部材40または剛性板50が設けられていることにより、第2の面11B全体を、補強部材40または剛性板50で補強する。これにより、基材11全体の曲げ剛性を、補強することができる。
なお、補強部材40が、変換層14の下側全体にあたる、基材11の第2の面11Bに設けられていてもよい。すなわち、図10及び図11に示すように、放射線検出器10の基材11の第2の面11B全体に、補強部材40が設けられていてもよい。図10は、本変形例の放射線検出器10を、基材11の第2の面11B側からみた平面図の他の例である。また、図11は、図10における放射線検出器10のA-A線断面図の一例である。図10に示すように、基材11の第2の面11B全体に、補強部材40を設けることにより、基材11の曲げ剛性を、より補強することができる。また、基材11の第2の面11Bにおける局所的な撓みを、より抑制することができる。
(変形例2)
本変形例では、図12A~図12Eを参照し、センサ基板12の基材11の第1の面11A側に、基材11の剛性を補強する補強基板90を設けた場合の、放射線検出器10の例について説明する。図12A~図12Eの各々には、上記図3Aに示した放射線検出器10のA-A線断面図に相当する、本変形例の放射線検出器10の断面図の一例を示す。
図12Aに示すように、基材11の第1の面11Aに設けられた変換層14の上には、粘着剤92及び補強基板90が設けられている。
補強基板90は、基材11よりも曲げ剛性が高く、変換層14と対向する面に対して垂直方向に加えられる力に対する、寸法変化(変形)が、基材11の第1の面11Aに対して垂直方向に加えられる力に対する、寸法変化よりも小さい。また、本変形例の補強基板90の厚みは、基材11の厚みよりも厚い。
補強基板90として好ましい特性は、変形例1において上述した剛性板50と同様の特性である。本変形例の補強基板90は、曲げ弾性率が150MPa以上、2500MPa以下の素材を用いることが好ましい。補強基板90は、基材11の撓みを抑制する観点からは、基材11よりも曲げ剛性が高いことが好ましい。なお、曲げ弾性率が低くなると曲げ剛性も低くなり、所望の曲げ剛性を得るためには、補強基板90の厚みを厚くしなくてはならず、放射線検出器10全体の厚みが増大してしまう。補強基板90の材料を考慮すると、140000Pacmを越える曲げ剛性を得ようとする場合、補強基板90の厚みが、比較的厚くなってしまう傾向がある。そのため、適切な剛性が得られ、かつ放射線検出器10全体の厚みを考慮すると、補強基板90に用いる素材は、曲げ弾性率が150MPa以上、2500MPa以下であることがより好ましい。また、補強基板90の曲げ剛性は、540Pacm以上、140000Pacm以下であることが好ましい。
また、補強基板90の熱膨張率は、変換層14の材料の熱膨張率に近い方が好ましく、より好ましくは、変換層14の熱膨張率に対する補強基板90の熱膨張率の比(補強基板90の熱膨張率/変換層14の熱膨張率)が、0.5以上、2以下であることが好ましい。このような補強基板90の熱膨張率としては、30ppm/K以上、80ppm/K以下であることが好ましい。例えば、変換層14がCsI:Tlを材料とする場合、熱膨張率は、50ppm/Kである。この場合、変換層14に比較的近い材料としては、PVC、アクリル、PET、PC、及びテフロン(登録商標)等が挙げられる。さらに、上述した曲げ弾性率を考慮すると、補強基板90の材料としては、PET、及びPCの少なくとも一方を含む材料であることがより好ましい。また、補強基板90は、弾力性の観点からは、降伏点を有する材料を含むことが好ましい。
本変形例の補強基板90は、プラスチックを材料とした基板である。補強基板90の材料となるプラスチックは、上述した理由から熱可塑性の樹脂であることが好ましく、PC、PET、スチロール、アクリル、ポリアセターゼ、ナイロン、ポリプロピレン、ABS、エンプラ、及びポリフェニレンエーテルの少なくとも一つが挙げられる。なお、補強基板90は、これらのうち、ポリプロピレン、ABS、エンプラ、PET、及びポリフェニレンエーテルの少なくとも一つであることが好ましく、スチロール、アクリル、ポリアセターゼ、及びナイロンの少なくとも一つであることがより好ましく、PC及びPETの少なくとも一つであることがさらに好ましい。
なお、放射線検出器10が剛性板50と、補強基板90とを備える場合、剛性板50及び補強基板90の具体的な特性、及び材料等は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
補強基板90のセンサ基板12と対向する側の面全体に粘着剤92が設けられており、粘着剤92によって、変換層14の上、具体的には、変換層14を覆う反射層62の上に設けられる。
変換層14の上に補強基板90を設ける工程は、剥離工程(図5C参照)の後に行ってもよいが、剥離工程の前に行うことが好ましい。支持体400から、変換層14が設けられたセンサ基板12を剥離する場合、基材11が撓む。基材11が撓むと、変換層14、特に変換層14の端部が基材11から剥離する懸念が生じる。これに対し、変換層14の上に補強基板90を設けたセンサ基板12を支持体400から剥離する場合、基材11の曲げ剛性を補強するため、基材11が撓むことに起因する、変換層14の基材11からの剥離を抑制することができる。
なお、図12Aに示した放射線検出器10では、補強基板90の大きさ(面積)が基材11と同様であり、また補強基板90の端部と基材11の端部との位置が同じである例を示したが、補強基板90の大きさや端部の位置は、本例に限定されない。例えば、図12Bに示すように、補強基板90が基材11よりも大きい形態としてもよい。なお、具体的な補強基板90の大きさは、放射線検出器10を収納する筐体120の内部の大きさ等に応じて定めることができる。また、図12Bに示すように、補強基板90の端部が、基材11、すなわちセンサ基板12の端部よりも外側に位置している。
このように補強基板90の大きさを基材11よりも大きくすることにより、例えば、放射線画像撮影装置1を落下させる等して、筐体120に衝撃が加わり筐体120の側面(照射面120Aと交差する面)が凹んだ場合に、筐体120の側面に補強基板90が干渉する。一方、センサ基板12は、補強基板90よりも小さいため、筐体120の側面に干渉し難くなる。従って、図12Bに示した放射線検出器10によれば、放射線画像撮影装置1に加わる衝撃がセンサ基板12に与える影響を抑制することができる。
なお、補強基板90により放射線画像撮影装置1に加わる衝撃がセンサ基板12に与える影響を抑制する観点からは、図12Bに示すように、補強基板90の端部の少なくとも一部が、基材11の端部よりも外部に突出していればよい。例えば、補強基板90の大きさが基材11よりも小さい場合であっても、基材11の端部よりも外部に突出する補強基板90の端部が、筐体120の側面に干渉するため、衝撃がセンサ基板12に与える影響を抑制することができる。
また例えば、図12C及び図12Dに示すように、補強基板90が基材11よりも小さい形態としてもよい。図12Cに示した例では、端子113と対向する位置には、補強基板90が設けられていない。すなわち、本変形例の放射線検出器10における補強基板90の面積は、基材11の面積から端子113が設けられた領域の面積を減算した値よりも小さい。一方、図12Dに示した例では、補強基板90の端部が、変換層14の周縁部14Bに位置しており、変換層14が基材11の第1の面11Aを覆う領域よりも狭い領域に、補強基板90が設けられている。
不具合や位置ずれ等により、基材11(センサ基板12)に電気的に接続したフレキシブルケーブル112や部品を取り外して、新たに接続し直すことをリワークという。このように、補強基板90を基材11よりも小さくすることにより、補強基板90の端部に邪魔されずに、リワークを行うことができるため、フレキシブルケーブル112のリワークを容易にすることができる。
また例えば、図12Eに示すように、補強基板90が変換層14の周縁部14Bにおける傾斜面に沿って曲がった状態に設けられている形態としてもよい。図12Eに示した例では、接着層64及び保護層66が基材11の第1の面11A上を覆う部分、及びその外側の基材11の第1の面11A上をも覆っている。すなわち、接着層64及び保護層66の端部が、補強基板90によって封止されている。補強基板90の基材11上に延在する部分は、粘着剤92を介して基材11に接着されている。このように、接着層64及び保護層66の端部を補強基板90によって覆うことで、保護層66の剥離を抑制することができる。
(変形例3)
本変形例では、図13を参照し、放射線検出器10における、変換層14の周囲が封止されている形態について説明する。図13には、上記図3Aに示した放射線検出器10のA-A線断面図に相当する、本変形例の放射線検出器10の断面図の一例を示す。
図13に示すように、変換層14の周縁部14Bを封止部材70によって封止する形態としてもよい。図13に示す例では、上記のように基材11、変換層14、及び補強基板90によって生じた空間に封止部材70が設けられている。具体的には、変換層14の周縁部14Bに対応する領域、及びさらにその外側の領域において、変換層14(保護層66)と補強基板90との間に形成された空間に封止部材70が設けられている。封止部材70の材料は特に限定されず、例えば、樹脂を用いることが可能である。
封止部材70を設ける方法は特に限定されない。例えば、粘着層60、反射層62、接着層64、及び保護層66で覆われた変換層14上に、粘着剤92によって補強基板90を設けた後、変換層14(保護層66)と補強基板90との間に形成された空間に、流動性を有する封止部材70を注入し、補強基板90を硬化させてもよい。また、例えば、基材11上に変換層14、粘着層60、反射層62、接着層64、及び保護層66を順次形成した後、封止部材70を形成し、粘着層60、反射層62、接着層64、及び保護層66で覆われた変換層14及び封止部材70を覆う状態に、粘着剤92によって補強基板90を設けてもよい。
また、封止部材70を設ける領域は、図13に示した形態に限定されない。例えば、基材11の第1の面11A全体に封止部材70が設けられていてもよく、フレキシブルケーブル112が電気的に接続された端子113を、フレキシブルケーブル112と共に封止してもよい。
このように、変換層14と補強基板90との間に形成された空間に、封止部材70を充填し、変換層14を封止することで、補強基板90の変換層14からの剥離を抑制することができる。さらに、変換層14は、補強基板90及び封止部材70の双方によりセンサ基板12に固定される構造となるため、基材11の剛性がより補強される。
(変形例4)
本変形例では、図14A及び図14Bを参照し、放射線検出器10における、補強基板90が、支持部材72によって支持されている形態について説明する。図14A及び図14Bの各々には、上記図3Aに示した放射線検出器10のA-A線断面図に相当する、本変形例の放射線検出器10の断面図の一例を示す。
図14Aに示した放射線検出器10では、補強基板90の端部が、支持部材72によって支持されている。すなわち、支持部材72の一端は、フレキシブルケーブル112、または基材11の第1の面11Aに接続され、支持部材72の他端は、粘着剤92により補強基板90の端部に接続されている。なお、支持部材72は、基材11の外縁部全体に設けられていてもよいし、外縁の一部分に設けられていてもよい。このように基材11との間に空間を形成しつつ延伸する補強基板90の端部を支持部材72によって支持することで、変換層14がセンサ基板12から剥離するのを抑制することができる。また、端子113に接続されたフレキシブルケーブル112上に支持部材72を設けることにより、フレキシブルケーブル112が端子113から剥離するのを抑制することができる。
一方、図14Bに示した放射線検出器10では、補強基板90の端部よりも内側の位置が、支持部材72によって支持されている。図14Bに示した例では、支持部材72を設ける位置が、フレキシブルケーブル112及び端子113が設けられた領域外のみとしている。図14Bに示した例では、支持部材72の一端は、基材11の第1の面11Aに接続され、支持部材72の他端は、粘着剤92により補強基板90の端部に接続されている。このように、フレキシブルケーブル112及び端子113の上に支持部材72を設けないことにより、フレキシブルケーブル112のリワークを容易にすることができる。
このように本変形例の放射線検出器10によれば、補強基板90を支持部材72で支持することにより、基材11の端部近傍にまで補強基板90による剛性の補強効果が得られ、基材11が撓むのを抑制する効果を作用させることができる。そのため、本変形例の放射線検出器10によれば、変換層14がセンサ基板12から剥離するのを抑制することができる。
なお、本変形例と上記変形例3とを組み合わせる場合、換言すると、放射線検出器10が、封止部材70及び支持部材72を備える場合、支持部材72、補強基板90、変換層14、及び基材11で囲われる空間の一部または全体に封止部材70を充填して、封止部材70により封止すればよい。
(変形例5)
本変形例では、図15を参照し、放射線検出器10が帯電防止層44を備える形態について説明する。図15には、上記図3Aに示した放射線検出器10のA-A線断面図に相当する、本変形例の放射線検出器10の断面図の一例を示す。
図15に示すように、本変形例の放射線検出器10は、基材11の第2の面11Bに、帯電防止層44が設けられている。補強部材40は、粘着剤42により、帯電防止層44の第2の面11B側の面と反対側の面に設けられている。換言すると、補強部材40、粘着剤42、帯電防止層44、及び基材11の順に各々が積層されている。
帯電防止層44の材料としては、外部からの電磁波ノイズ及び静電気等の影響を抑制する機能を有する。帯電防止層44としては、例えば、アルペット(登録商標)等の樹脂フィルムと金属フィルムとの積層膜、帯電防止塗料「コルコート」(商品名:コルコート社製)、PET、及びポリプロピレン等を用いることができる。
なお、帯電防止層44を設ける領域は、画素領域35を少なくとも覆う領域であればよく、図15に示した形態に限定されない。例えば、補強部材40が設けられた領域のみに帯電防止層44を設ける形態としてもよい。
このように、本変形例の放射線検出器10によれば、基材11の第2の面11Bに帯電防止層44が設けられているため、センサ基板12が帯電するのを抑制し、静電気の影響を抑制することができる。
(変形例6)
本変形例では、放射線画像撮影装置1の製造方法の変形例について、図16A~図16Hを参照して説明する。なお、本変形例の放射線画像撮影装置1は、放射線検出器10の製造方法を含む。
センサ基板12を形成する工程は、図5Aを参照して上記で説明した工程と同様であるため、説明を省略する。
また、本変形例では、図16Aに示すように、基板56の第1の面56Aに、変換層14が形成される。本実施形態では、基板56の第1の面56Aに直接、真空蒸着法、スパッタリング法、及びCVD法等の気相堆積法によって柱状結晶としてCsIの変換層14が形成される。この場合、変換層14における基板56の第1の面56Aと接する側が、柱状結晶の成長方向基点側となる。基板56は、変換層14を形成するための基板であり、例えば、蒸着基板である。基板56の材料としては、例えば、PET等の樹脂、Mg、Al、及びLiの少なくとも一つを含む金属、及びカーボン等が好ましく、カーボンを主成分として含む材料がより好ましい。
基板56に変換層14を形成した後、変換層14を覆う状態に、接着層64及び保護層66を設ける。なお、本形態では、図16A等に示すように、上記の各放射線検出器10と異なり、変換層14の上に、粘着層60及び反射層62が設けられていない。なお、基板56、変換層14、接着層64、及び保護層66全体を防湿膜(図示省略)で覆うことが好ましい。
なお、上記図5Aを用いて説明したセンサ基板12を形成する工程、及び図16Aを用いて説明した変換層14を形成する工程の順序は問わず、いずれの工程を先に行ってもよいし、両工程を並行して行ってもよい。
次に、図16Bに示すように、基材11の第1の面11Aに、変換層14を設ける。本実施形態では、粘着層58により、変換層14の上側、より具体的には、変換層14の基板56と接する側と反対側が、基材11の第1の面11Aと対向する状態で、粘着層58により、変換層14を基材11の第1の面11Aに設ける。
また、基板56とセンサ基板12との間を、封止部材70によって封止する。封止部材70によって基板56とセンサ基板12との間を封止する方法は特に限定されない。例えば、センサ基板12に変換層14を設けた後、センサ基板12と変換層14(保護層66)との間に形成された空間に、流動性を有する封止部材70を注入し、封止部材70を硬化させてもよい。
なお、センサ基板12に変換層14を設ける方法は、粘着層58により貼り付ける方法に限定されない。
基板56に形成された変換層14の周縁部14Bから基板56の第1の面56Aに亘る領域に、未硬化状態の封止部材70を設け、また上記変形例4で説明した支持部材72を設けておき、この状態の変換層14を、基材11の第1の面11Aに配置する。
この状態で、基材11、基板56、封止部材70、及び支持部材72で形成される内部空間を、減圧用ポンプ等を用いて、例えば、0.2気圧~0.5気圧等の大気圧よりも低い圧力に減圧する。このように、基材11、基板56、封止部材70、及び支持部材72で形成される内部空間を大気圧よりも低くすることにより、大気圧で外部から内部空間側に、基材11(センサ基板12)と基板56とが押圧される。基材11と基板56とが大気圧で押圧されることにより、基材11の第1の面11Aに変換層14が設けられるため、粘着層58を設けなくても、変換層14と基材11とが密着する。
この後、図16Cに示すように変換層14が設けられたセンサ基板12を支持体400から剥離する。本剥離工程は、図5Cを参照して説明した上述の剥離工程と同様とすることができる。なお、カーボンを主成分とした基板56を用いた場合、基板56が撓み難いため、メカニカル剥離に代わり、レーザ剥離を行ってもよい。レーザ剥離では、支持体400の裏面(センサ基板12が設けられている面と反対側の面)からレーザを照射し、支持体400を透過してレーザにより剥離層402を分解させることにより、支持体400からセンサ基板12を剥離する。
次に、図16Dに示すように、基材11の第2の面11Bの対向領域11Cに、粘着剤42を設けた補強部材40を貼り合わせる。
次に、図16Eに示すように、フレキシブルケーブル112を、センサ基板12に電気的に接続する。具体的には、端子113に、駆動IC210または信号処理IC310が搭載されたフレキシブルケーブル112を熱圧着させて、端子113とフレキシブルケーブル112とを電気的に接続する。これにより、センサ基板12にフレキシブルケーブル112が電気的に接続される。
さらに、図16Fまたは図16Gに示すように、放射線検出器10及び回路部等を、筐体120に収納することにより、放射線画像撮影装置1が製造される。図16Fに示した放射線画像撮影装置1は、ISS方式の放射線画像撮影装置1の一例の断面図を示している。また、図16Gに示した放射線画像撮影装置1は、PSS方式の放射線画像撮影装置1の一例の断面図を示している。また、図16Gに示した放射線画像撮影装置1では、基板56が、筐体120の照射面120A側の天板とし採用される形態の一例を示している。この場合、図16Gに示すように、基板56の大きさは、センサ基板12よりも大きく、基板56の端部は、センサ基板12の端部よりも外部に突出している。図16Gに示した放射線画像撮影装置1では、照射面120A側の天板部分に開口状態を有する筐体120の開口部分に、基板56を嵌め込むことにより、放射線検出器10が、筐体120の内部に収納される。このように変換層14の基板56を筐体120の天板として用いることにより、筐体120の厚さ、より具体的には放射線が透過する方向の厚さを、より小さくすることができ、放射線画像撮影装置1の薄型化が図れる。また、筐体120自体の天板が不要となるため、放射線画像撮影装置1を、より軽量化することができる。
このように、本変形例によれば、センサ基板12に、変換層14を直接蒸着せずとも、放射線検出器10を製造することができる。
なお、本変形例の製造方法の場合、図16Hに示すように、基板56と変換層14との間に、反射層68を設けることが好ましい。図16Hに示した例では、反射層68は、基板56の第1の面56A全体を覆っている。反射層68は、上述した反射層62と同様に、変換層14で変換された光を反射する機能を有する。そのため、本変形例の反射層68は、上述した反射層62と同様の材料を適用することができる。
(変形例7)
本変形例では、放射線画像撮影装置1における放射線検出器10の収納状態の変形例について、図17A~図17Cを参照して説明する。図17A~図17Cの各々は、本変形例の放射線画像撮影装置1の断面図の一例である。
図17Aには、筐体120の照射面120A側の天板の内壁面に、放射線検出器10が接している形態の一例を示している。図17Aに示した例では、筐体120の照射面120A側の天板の内壁面に、変換層14が接している。なお、上記変形例1等のように、放射線検出器10が、補強基板90を備える場合、筐体120の照射面120A側の天板の内壁面に、補強基板90が接している形態となる。
この場合、放射線検出器10と筐体120の内壁面とは、接着層を介して接着されていてもよいし、接着層を介さずに単に接触しているだけでもよい。このように放射線検出器10と筐体120の内壁面とが接していることにより、放射線検出器10の剛性がより確保される。
また、図17Bには、放射線検出器10、制御基板110及び電源部108等の回路部が図中横方向に並置されている構成が例示されている。換言すると、図17Bに示した放射線画像撮影装置1では、放射線検出器10と回路部とが、放射線の照射方向と交差する方向に並んで配置されている。
なお、図17Bでは、電源部108及び制御基板110の両方を放射線検出器10の一方の側、具体的には、矩形状の画素領域35の一方の辺の側に設けた形態を示したが、電源部108及び制御基板110等の回路部を設ける位置は図17Bに示した形態に限定されない。例えば、電源部108及び制御基板110等の回路部を、画素領域35の対向する2辺の各々に分散させて設けてもよいし、隣接する2辺の各々に分散させて設けてもよい。このように、放射線検出器10と回路部とを、放射線の照射方向と交差する方向に並んで配置することにより、筐体120の厚さ、より具体的には放射線が透過する方向の厚さを、より小さくすることができ、放射線画像撮影装置1の薄型化が図れる。
また、放射線検出器10と回路部とを、放射線の照射方向と交差する方向に並んで配置する場合、図17Cに示す放射線画像撮影装置1のように、電源部108及び制御基板110等の回路部の各々が設けられている筐体120の部分と、放射線検出器10が設けられている筐体120の部分とで、筐体120の厚みが異なっていてもよい。
図17B及び図17Cに示す例のように、電源部108及び制御基板110等の回路部が、放射線検出器10よりも厚みを有している場合がある。このような場合、図17Cに示す例のように、電源部108及び制御基板110等の回路部の各々が設けられている筐体120の部分の厚みよりも、放射線検出器10が設けられている筐体120の部分の厚みの方が薄くてもよい。図17Cに示した放射線画像撮影装置1によれば、放射線検出器10の厚さに応じた極薄型の放射線画像撮影装置1を構成することができる。
なお、図17Cに示した例のように、電源部108及び制御基板110等の回路部の各々が設けられている筐体120の部分と、放射線検出器10が設けられている筐体120の部分とで、厚みを異ならせる場合、両部分の境界部に段差が生じていると境界部120Bに接触した被検者に違和感等を与える懸念がある。そのため、境界部120Bの形態は傾斜を有する状態とすることが好ましい。また、電源部108及び制御基板110等の回路部の各々が収納される筐体120の部分と、放射線検出器10が収納される筐体120の部分とを異なる材質で形成してもよい。
以上説明したように、上記の各放射線検出器10は、センサ基板12と、変換層14と、補強部材40と、を備える。センサ基板12は、可撓性の基材11の第1の面11Aの画素領域35に、放射線から変換された光に応じて発生した電荷を蓄積する複数の画素30が形成され、かつ第1の面11Aにフレキシブルケーブル112を電気的に接続するための端子113が設けられている。変換層14は、基材11の第1の面11Aに設けられ、かつ放射線を光に変換する。補強部材40は、基材11の第1の面11Aと反対側の第2の面11Bにおける、端子113に対向する対向領域11Cを少なくとも含む領域に設けられ、かつスーパーエンプラを材料とする。または、補強部材40は、基材11の第1の面11Aと反対側の第2の面11Bにおける、端子113に対向する対向領域11Cを少なくとも含む領域に設けられ、かつ連続使用温度が150℃以上の樹脂を主材とする。
上記の各放射線検出器10では、基材11の第2の面11Bの対向領域11Cを少なくとも含む領域に補強部材40が設けられているため、リワークの場合も含め、端子113にフレキシブルケーブル112を電気的に接続する場合に、端子113近傍の基材11の曲げ剛性が補強部材40によって補強される。そのため、上記の各放射線検出器10では、ハンドリング性が向上する。
また、リワークの場合も含め、端子113にフレキシブルケーブル112を電気的に接続する場合に行われる熱処理により、基材11にかかる熱がかかる。本熱処理により基材11にかかる熱は、主に、第2の面11Bの対向領域11Cから補強部材40に伝播しようとする。補強部材40に熱が伝播すると、伝播した熱によって補強部材40が変形する場合がある。
しかしながら、上記の各放射線検出器10では、基材11の第2の面11Bの対向領域11Cを少なくとも含む領域に、耐熱性の高い補強部材40が設けられている。そのため、上記の各放射線検出器10では、基材11から伝播した熱による、補強部材40の変形を抑制することができる。
従って、上記の各放射線検出器10では、ハンドリング性に優れ、かつ端子部にかかる熱による補強部材の変形を抑制することができる。
なお、放射線画像撮影装置1及び放射線検出器10の構成及びその製造方法は、図1~図17Cを参照して説明した形態に限定されるものではない。例えば、上記図1に示したように画素30がマトリクス状に2次元配列されている態様について説明したがこれに限らず、例えば、1次元配列であってもよいし、ハニカム配列であってもよい。また、画素の形状も限定されず、矩形であってもよいし、六角形等の多角形であってもよい。さらに、画素領域35の形状も限定されないことはいうまでもない。
その他、上記実施形態及び各変形例における放射線画像撮影装置1及び放射線検出器10等の構成や製造方法等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。
2020年2月20日出願の日本国特許出願2020-027529号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
1 放射線画像撮影装置
10 放射線検出器
11 基材、11A 第1の面、11B 第2の面、11C 対向領域
12 センサ基板
14 変換層、14A 中央部、14B 周縁部
30 画素
32 TFT(スイッチング素子)
34 センサ部
35 画素領域
36 信号配線
38 走査配線
39 共通配線
40 補強部材
42 粘着剤
44 帯電防止層
50 剛性板
52 粘着剤
56 基板、56A 第1の面
60 粘着層
62 反射層
64 接着層
66 保護層
68 反射層
70 封止部材
72 支持部材
90 補強基板
92 粘着剤
100 制御部、100A CPU、100B メモリ、100C 記憶部
102 駆動部
104 信号処理部
106 画像メモリ
108 電源部
110 制御基板
112、112A、112B フレキシブルケーブル
113 端子
116 中板
120 筐体、120A 照射面、120B 境界部
200 駆動基板
210 駆動IC
300 信号処理基板
310 信号処理IC
400 支持体
402 剥離層

Claims (13)

  1. 可撓性の基材の第1の面の画素領域に、放射線から変換された光に応じて発生した電荷を蓄積する複数の画素が形成され、かつ前記第1の面にケーブルを電気的に接続するための端子が設けられた基板と、
    前記基材の前記第1の面の側に設けられ、かつ前記放射線を前記光に変換する変換層と、
    前記基材の第1の面と反対側の第2の面における、前記端子に対向する対向領域を少なくとも含む領域に設けられ、かつ連続使用温度が150℃以上の樹脂を主材とした補強部材と、
    を備えた放射線検出器。
  2. 可撓性の基材の第1の面の画素領域に、放射線から変換された光に応じて発生した電荷を蓄積する複数の画素が形成され、かつ前記第1の面にケーブルを電気的に接続するための端子が設けられた基板と、
    前記基材の前記第1の面の側に設けられ、かつ前記放射線を前記光に変換する変換層と、
    前記基材の第1の面と反対側の第2の面における、前記端子に対向する対向領域を少なくとも含む領域に設けられ、かつスーパーエンジニアリングプラスチックを材料とした補強部材と、
    を備えた放射線検出器。
  3. 前記補強部材は、スルホニル基を有する樹脂、フェニレンスルフィド構造を有する樹脂、イミド基を有する樹脂、アリーレンエーテル構造およびアリーレンケトン構造を有する樹脂、ベンゾイミダゾール構造を有する樹脂の少なくとも一つを主材とする、
    請求項1または請求項2に記載の放射線検出器。
  4. 前記補強部材は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、及びテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体のうちの少なくとも1つを材料として含む、
    請求項1または請求項2に記載の放射線検出器。
  5. 前記補強部材は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、熱可塑性ポリイミド、及びテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体のうちの少なくとも1つを材料として含む、
    請求項1または請求項2に記載の放射線検出器。
  6. 前記補強部材は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、熱可塑性ポリイミド、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリフェニルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、及びポリフッ化ビニリデンのうちの少なくとも1つを材料として含む、
    請求項1または請求項2に記載の放射線検出器。
  7. 前記補強部材の曲げ剛性は、前記基材よりも高い、
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  8. 前記補強部材は、前記第2の面における、前記対向領域と、前記変換層が設けられた領域に対向する領域の一部とを含む領域に設けられている、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  9. 前記基材の前記第2の面における、前記補強部材が設けられていない領域に設けられ、前記基材よりも曲げ剛性が高い剛性部材をさらに備えた、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の放射線検出器と、
    前記複数の画素に蓄積された電荷を読み出すための回路部と、
    を備えた放射線画像撮影装置。
  11. 支持体に、可撓性の基材を設け、前記基材の第1の面の画素領域に、放射線から変換された光に応じて発生した電荷を蓄積する複数の画素が設けられ、かつ前記第1の面にケーブルを電気的に接続するための端子が設けられた基板を形成する工程と、
    前記基材の第1の面に、前記放射線を前記光に変換する変換層を設ける工程と、
    前記支持体から、前記変換層が設けられた前記基板を剥離する工程と、
    前記基材の第1の面と反対側の第2の面の前記端子に対向する対向領域を少なくとも含む領域に、スーパーエンジニアリングプラスチックを材料とした補強部材を設ける工程と、
    を備えた放射線検出器の製造方法。
  12. 支持体に、可撓性の基材を設け、前記基材の第1の面の画素領域に、放射線から変換された光に応じて発生した電荷を蓄積する複数の画素が設けられ、かつ前記第1の面にケーブルを電気的に接続するための端子が設けられた基板を形成する工程と、
    前記基材の第1の面に、前記放射線を前記光に変換する変換層を設ける工程と、
    前記支持体から、前記変換層が設けられた前記基板を剥離する工程と、
    前記基材の第1の面と反対側の第2の面の前記端子に対向する対向領域を少なくとも含む領域に、連続使用温度が150℃以上の樹脂を主材とした補強部材を設ける工程と、
    を備えた放射線検出器の製造方法。
  13. 前記補強部材を設けた後、前記端子に前記ケーブルを電気的に接続する工程をさらに備える、
    請求項11または請求項12に記載の放射線検出器の製造方法。
JP2022501842A 2020-02-20 2021-02-10 放射線検出器、放射線画像撮影装置、及び放射線検出器の製造方法 Active JP7303368B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020027529 2020-02-20
JP2020027529 2020-02-20
PCT/JP2021/005105 WO2021166779A1 (ja) 2020-02-20 2021-02-10 放射線検出器、放射線画像撮影装置、及び放射線検出器の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021166779A1 JPWO2021166779A1 (ja) 2021-08-26
JP7303368B2 true JP7303368B2 (ja) 2023-07-04

Family

ID=77391945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022501842A Active JP7303368B2 (ja) 2020-02-20 2021-02-10 放射線検出器、放射線画像撮影装置、及び放射線検出器の製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20220381930A1 (ja)
JP (1) JP7303368B2 (ja)
WO (1) WO2021166779A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004212794A (ja) 2003-01-07 2004-07-29 Konica Minolta Holdings Inc 医療用カセッテ
WO2008053642A1 (fr) 2006-10-30 2008-05-08 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Plaque de scintillateur, panneau de scintillateur et détecteur à panneau plat de rayonnement les employant
WO2019181570A1 (ja) 2018-03-19 2019-09-26 富士フイルム株式会社 放射線検出器、放射線画像撮影装置、及び製造方法
US20190353805A1 (en) 2018-05-21 2019-11-21 General Electric Company Digital x-ray detector having polymeric substrate

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130039216A (ko) * 2011-10-11 2013-04-19 주식회사 휴먼레이 신틸레이터 패널, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 방사선 검출기
JP7314118B2 (ja) * 2018-03-19 2023-07-25 富士フイルム株式会社 放射線検出器、放射線画像撮影装置及び放射線検出器の製造方法
JP2020024174A (ja) * 2018-08-08 2020-02-13 富士フイルム株式会社 放射線検出器及び放射線画像撮影装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004212794A (ja) 2003-01-07 2004-07-29 Konica Minolta Holdings Inc 医療用カセッテ
WO2008053642A1 (fr) 2006-10-30 2008-05-08 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Plaque de scintillateur, panneau de scintillateur et détecteur à panneau plat de rayonnement les employant
WO2019181570A1 (ja) 2018-03-19 2019-09-26 富士フイルム株式会社 放射線検出器、放射線画像撮影装置、及び製造方法
US20190353805A1 (en) 2018-05-21 2019-11-21 General Electric Company Digital x-ray detector having polymeric substrate

Also Published As

Publication number Publication date
US20220381930A1 (en) 2022-12-01
WO2021166779A1 (ja) 2021-08-26
JPWO2021166779A1 (ja) 2021-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11630221B2 (en) Radiation detector, radiographic imaging device, and manufacturing method
TWI821460B (zh) 放射線檢測器、放射線圖像攝影裝置及製造方法
TW201940125A (zh) 放射線檢測器、放射線圖像攝影裝置以及製造方法
US11802981B2 (en) Method of manufacturing radiation detector and radiographic imaging apparatus
JP7451787B2 (ja) 放射線画像撮影装置
JP7230202B2 (ja) 放射線検出器及び放射線画像撮影装置
JP7303368B2 (ja) 放射線検出器、放射線画像撮影装置、及び放射線検出器の製造方法
JP7208941B2 (ja) 放射線検出器、放射線画像撮影装置、及び放射線検出器の製造方法
JP7282922B2 (ja) 放射線画像撮影装置の製造方法
JP7358615B2 (ja) 放射線検出器、放射線画像撮影装置、及び放射線検出器の製造方法
JP7332784B2 (ja) 放射線検出器、及び放射線画像撮影装置
US20220102399A1 (en) Method of manufacturing radiographic imaging apparatus, and transport jig
WO2022065317A1 (ja) 放射線検出器及び放射線検出器の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230622

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7303368

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150