JP7302755B2 - 再生プラスチックペレットの製造方法及び再生プラスチックペレット - Google Patents
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Description
本発明の再生プラスチックペレットの製造方法に用いられる湿式破砕設備は、液体中の固形物を破砕・分散・混合・圧送を同時に行うことが出来る湿式破砕機である。具体的には剪断力及び/又は摩擦力より液体中の固形物を破砕する機構を有するものが好ましく、且つプラスチック積層体を破砕して圧送できる機構を有する破砕機が好ましい。このような湿式破砕機としては、湿式破砕ポンプ、コロイドミル、破砕ミル、磨砕機等が挙げられる。
本発明で使用する湿式破砕ポンプは、液中で固形物を圧送しながら、固形物を固定刃と回転刃により破砕する機構を有することが好ましく、より好ましい機構は、切刃、破砕羽根車、シュラウドリング、グリッドの4点部品の組み合わせにより、3段階に破砕される機構である。
本発明で使用するコロイドミルは、粒子が液体中を浮遊している分散系において粒子サイズを低減するために使用される機械である。コロイドミルは、ロータとステータの組み合わせからなり、固定されたステータに対してロータは高速で回転する。高速回転により、生じる高レベルの剪断により液中の粒子サイズを小さくするために使用される。
本発明で使用する粉砕ミルは、固形物が液体中を浮遊している系において固形物を粉砕するために使用される機械であり、フードプロセッサーのような機能及び外観である。ここでいう粉砕ミルは、回転刃の高速回転により、生じる高レベルの剪断により液体中の固形物サイズを小さくするために使用される。
磨砕機は、液中で上下一組の石臼を回転させながら、石臼の間に投入された固形物をせん断や摩擦により破砕する機構を有することが好ましく、水を流しながら固形物を微粉体状まで粉砕できるものが好ましい。
上下一組の石臼の間隔を調整することにより破砕物のサイズを調整可能であるが、通常500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下に微粉砕される。このように破砕物のサイズを小さくすることにより、積層体の各層が単層に分離した状態となり、また、破砕物の保存場所を小さくすることができ、在庫管理が容易となる。また、破砕物から再生プラスチックを作製する際、圧縮機等を経由せずに混錬機へ投入できるため、工程を簡略化できる。一方、破砕物のサイズの下限は、回収を容易にするために、10μm以上であることが好ましく、30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。
回転速度や、水流速度は特に制限されるものではない。
具体的な磨砕機械としては、増幸産業株式会社製のスーパーマスコロイダー等が例示できる。
インキ層や、インキ層剥離後のプラスチック基材を回収する設備や方法は特に限定されるものではないが、例えば、濾過機、遠心分離機、自動掻上げバー・スクリーン、傾斜式ワイヤ・スクリーン、回転ドラム式スクリーンなどを用いることができる。
洗浄剤1は、以下にあげる成分を1種または2種以上を適宜に組合せて水に含有させたものを使用できる。
湿式破砕工程において使用可能な水性洗浄液として、水に無機塩基を含有させたものを用いることができる。無機塩基としては、具体的には水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが挙げられる。これらの無機塩基は、水性洗浄液全量に対して0.1~10質量%の濃度で含有するが、0.1質量%~5質量%の濃度がより好ましい。またpHは10以上が好ましい。
湿式破砕工程において使用可能な水性洗浄液として、水に界面活性剤を含有させたものを用いることができる。界面活性剤は特に限定されるものではなく、公知の界面活性剤を使用できるが、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン系界面活性剤などが挙げられる。
一般式(1)中、R1は直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はオクチルフェノール基を表し、n1は平均付加モル数を表し、X1は水素又は短鎖アルキル基を示す。
(一般式(2a)中、R1は水素又はC(=O)R3-NH-(R3は直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す)を示し、R2はアルキレン基、アルケニレン基を示す。)
一般式(2a)中、R1は水素原子を表すことが好ましい。
(一般式(2a-1)中、nは平均付加モル数を示す。)
一般式(2a-1)において、nは8以上であることが好ましく、10以上であることが好ましく、11以上であることが好ましい。
(一般式(2b)中、R4は直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、nbは0~5の整数を表し、R5は水素、-CH2COONa又は-CH2COOHを示すが、2つ存在するR5は同一であっても異なってもよく、少なくとも一つのR5は-CH2COONaを示す。)
一般式(2b)中、R4は直鎖のアルキル基を表すことが好ましく、R4の炭素原子数は8以上であることが好ましく、10以上であることが好ましく、12以上であることが好ましい。
(一般式(2c)中、R6は直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
一般式(2c)中、 R6は一般式(2b)中、R4は直鎖のアルキル基を表すことが好ましく、R4の炭素原子数は8以上であることが好ましく、10以上であることが好ましく、12以上であることが好ましい。
(一般式(3a)中、R1は直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基、又は直鎖あるいは分岐鎖のアルケニル基を示し、該アルキル基又はアルケニル基中の-CH2-は-C(=O)-、-NH-又は-C(=O)-NH-で置換されてもよく、R2及びR3は水素原子、直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基又は直鎖あるいは分岐鎖のアルケニル基を示し、R4は水素原子、直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基、直鎖あるいは分岐鎖のアルケニル基又はフェニル基を示し、該アルキル基又はアルケニル基中の末端の-CH3は、カルボキシ基、又はフェニル基で置換されてもよい。)
一般式(3a)中、R1は、インキの剥離性をより高めるために、長鎖のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、具体的には炭素素原子数8~30のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数10~25のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数12~22のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。アルキル基又はアルケニル基は直鎖であっても分岐していてもよいが、直鎖であることが好ましく、直鎖のアルキル基であることがより好ましい。
(一般式(3a-1)中、nは平均付加モル数を示し、R4は請求項3に記載の一般式(3a)中のR4と同じ意味を示す。)
一般式(3a-1)において、nが示す炭素原子数は8以上が好ましい。炭素原子数は、8を超えて多いほどインキ剥離性がよく好ましい。具体的な炭素原子数は、炭素原子数8のオクチル基、炭素原子数9のノニル基、炭素原子数10のデシル基、炭素原子数11のウンデシル基、炭素原子数12のラウリル基、炭素原子数13のトリデシル基、炭素原子数14のミリスチル基、炭素数15のペンタデシル基本、炭素原子数16のセチル基、炭素原子数18のオレイル基、ステアリル基があげられる。
1級のモノアルカノールアミンとしては、炭素原子数1~4の低級アルカノールであることが好ましく、具体的には、モノエタノールアミン、2-アミノイソブタノールなどがあげられ、2級のモノアルカノールアミンとしては、N-メチルエタノールアミン、2-エチルアミノエタノール、イソプロパノールアミンなどがあげられるが、例示以外の物質も適宜使用することができる。また、これらモノアルカノールアミン系化合物は1種を単独でまたは2種以上を適宜に組合せて使用でき、水に混合して使用することもできる。
湿式破砕工程において使用可能な洗浄液として、アルキレングリコールアルキルエーテル溶剤を用いることができる。具体的には、水にアルキレングリコールアルキルエーテル溶剤を含有させるものを用いることが好ましく、一般式(4)で表されるアルキレングリコールアルキルエーテル骨格を有する溶剤を20質量%以上含有する洗浄液であることが好ましい。
(一般式(4)中、R1は炭素原子数1以上のアルキル基を、R2は炭素原子数1以上のアルキル基または水素を、n1は1~3の整数を、Xは水素又はメチル基を示す。)
一般式(4)で表されるアルキレングリコールアルキルエーテルの中でさらに好ましくは、水溶性のアルキレングリコールアルキルエーテルである。
(一般式(5)中、R2は炭素原子数1以上のアルキル基を、n2は1~3の整数を、Xは水素又はメチル基を示す。)
一般式(5)で表される水溶性のアルキレングリコールアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール-tert-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどが例示できる。
湿式破砕工程において使用する水は、消泡剤を含んでいてもよい。工程1において、攪拌や破砕工程において多量の泡が発生する場合があり、泡が残るとプラスチックフィルムの回収工程において泡があふれ出すことがある。また、プラスチックフィルムの破砕工程においては、洗浄液中に泡を多量に巻き込んだ場合に、プラスチック基材が所望のサイズに破砕されない場合がある。
洗浄剤2は、以下にあげる水溶性溶剤を1種または2種以上と、無機塩基を1種または2種以上とを適宜に組合せたものを使用できる。洗浄剤2は水を含有してもよい。
水溶性溶剤は、水溶性のアルコール類もしくは、引火点が21℃以上の水溶性溶剤を1種又は2種以上含有することが好ましい。洗浄剤2に水溶性溶剤を用いることにより、洗浄剤2中に含有する無機塩基から生じる水酸化物イオンが水和されにくいため、水酸化物イオンの求核性が高くなり、また、疎水場環境においてインキ層剥離の反応を進行させることができることから、インキ層の剥離に効果的である。
無機塩基は、洗浄剤1と同様のものを用いることができるが、具体的には水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが挙げられ、水酸化カリウムを用いることが好ましい。これらの無機塩基は、インキ剥離剤全量に対して0.1~10重量%の濃度で含有することが好ましく、0.1重量%~5重量%の濃度がより好ましい。またpHは10以上が好ましく、11以上が好ましく、12以上がより好ましい。
湿式破砕工程において使用する水又は洗浄液の液温は、液体状態が保てれば特段限定されないが、通常は液温が15~90℃で行うことが好ましい。水に界面活性剤等を添加した水性洗浄液を利用する場合、界面活性剤の種類に応じて液温を調節することが好ましい。洗浄効果に優れる最適な温度は界面活性剤の種類によって異なるが、例えば40℃以上が好ましく、65℃以上が好ましく、85℃以上が好ましい。
前記湿式破砕設備により破砕されて回収される本発明のプラスチックフィルムは、少なくともインキ層を有するプラスチック積層体である。プラスチック基板上にインキ層の他に、接着剤層、他のプラスチック層等の複数の層を有する積層体であってもよい。プラスチック積層体の場合は、プラスチックフィルム(F1)と、インキ層と、接着剤層、F1とは異なる他のプラスチックフィルム層(F2)を少なくとも有することが好ましい。このようなプラスチックフィルムとしては、特に限定なく、食品包装用や生活用品に使用されている反応性接着剤でラミネート接着された積層フィルムがあげられるが、もちろん非反応性の接着剤、例えば熱可塑性樹脂接着剤でラミネート接着された積層フィルムや、押し出し積層法で熱融着して得られた積層フィルムも、本発明の分離回収方法で各々の単層フィルムに分離回収することができる。また、シート状、容器や袋の形状のプラスチックフィルムであってもよい。即ちリサイクルによって廃棄された様々な種類の樹脂層を有するプラスチックフィルムを、特に再分別する必要はなく、一緒に処理できることが本発明の特徴である。
(F)/(AD)/(F)、
(F)/(AD)/(F)/(AD)/(F)、
(F)/(AD)/(M)/(AD)/(F)、
(F)/(AD)/(M)、
(F)/(AD)/(M)/(F)、
(F)/(AD)/(F)/(AD)/(M)/(AD)/(F)、
(F)/(AD)/(M)/(AD)/(F)/(AD)/(F)、
(M)/(AD)/(M)、
(M)/(AD)/(F)/(AD)/(M)、
(AD)/(F)/(AD)/(M)、
(AD)/(F)/(AD)/(F)/(AD)、等。
プラスチック製容易包装類をはじめとする廃棄プラスチックは、リサイクル原料に再生するために、リサイクル設備を有する施設に収集される。廃棄プラスチックは、プラスチックフィルムのみならず成形プラスチックが混在している状態であるが、成形品と、フィルムやシート状のプラスチックフィルムを選別して分離することが好ましい。また、収集された廃棄プラスチックに土砂、ガラス、陶磁器、金属などの異物が混在する場合は、これらの異物を除去することが好ましい。異物の除去やプラスチックの選別は、例えば、人による検品・手選別作業、ふるいによる小さい形状の異物の除去、磁力を用いた磁選別による金属除去、風力により比重の違うプラスチックや異物を分ける風力選別、センサーによる選別等があげられる。廃棄プラスチックの異物の混入具合によっては、選別を行わなくてもよい。
選別されたプラスチックフィルムを含む破棄プラスチックは、例えば30cm四方サイズ程度の大きさのプラスチック片に裁断してもよい。当該裁断工程を経ることにより、次工程における湿式破砕機における破砕をより効率的に行うことができる。裁断は公知の破砕機を利用することができ、例えば、ハンマークラッシャー、ロータリークラッシャー等の衝撃式破砕機、シュレッダー、カッター等があげられる。裁断されたプラスチック積層体片のサイズや形状も特に限定されるものではないが、プラスチック片の最大長は例えば50cm以下が好ましく、30cm以下が好ましく、20cm以下が好ましく、10cm以下が好ましい。
裁断の工程の後に、前記(1)で行ったプラスチックの選別作業を再度行ってもよいし、前記(1)廃棄プラスチックの選別を行う前に(2)の裁断を行ってもよい。また、裁断を行わずに次工程の湿式破砕機を行ってもよい。
収集されたプラスチック片は、85℃程度に加温された洗浄用の液体に満たされた湿式破砕機に順次投入される。洗浄用の液体は、水であってもよいし、洗浄剤であってもよい。例えば、積層フィルムロールを30cm四方サイズ程度に裁断した積層フィルムは、湿式破砕機の吸引により破砕部に引き込まれ5~20mm程度に破砕され、次工程へ0.03m3/minで圧送される。このとき、投入されたフィルムは、破砕されるときに受ける高剪断により、積層フィルムは各フィルム単層分離している。積層フィルムに設けられたインキ層は、破砕による高剪断によりフィルムから剥離・除去される。
湿式破砕設備として磨砕機を用いて積層体を粉体状に粉砕する場合は、積層フィルムロールを5mm四方サイズ程度に小さく裁断したものを用いることが好ましい。磨砕機により破砕された積層体は、10~500μm程度に粉砕される。
上記(3)の工程後、プラスチックフィルムの破砕物を得られる。プラスチックフィルムが複数のプラスチックフィルムの積層体である場合は、各単層が分離した状態で破砕物となっている。また、積層フィルムから分離したインキ層や接着剤層は、洗浄剤の種類によって溶解している場合もあるが、水または洗浄剤に溶解せずに洗浄液中で残渣となっていることが多い。即ち湿式破砕工程における水または洗浄剤中には、分離した各層の単層フィルムと、接着剤や印刷インキ、金属箔等の残渣が浮遊あるいは溶解している状態となっている。これらを水または洗浄剤から取り出した後、分別して回収する。
湿式破砕工程において使用した水または洗浄剤は、洗浄剤を回収するために濾過機、遠心分離機、限外濾過機から選ばれるいずれか1つ以上の洗浄剤リサイクル機に供給し、固形物を取り除いたのちに再利用される。工程1~2において湿式破砕工程、比重分離工程を行いながら、その一方で水または洗浄剤の再利用工程を連続的に運転し、固形物を洗浄剤から分離することもできる。
前述した破砕物の回収工程(4)において得られた単層のプラスチック破砕物、具体的には単層フィルム片各種を分取後、残留水分を除去するために減圧加熱乾燥、熱風乾燥、加圧圧縮乾燥から選ばれるいずれか1つ以上のフィルム片の乾燥を行う。これらを組み合わせて使用することができる。工程5でのリサイクルペレットを作製する事前処理として、フィルム片の乾燥後もしくは乾燥中にペレットミル(御池鐡工所製)、ステラ(エルコム社製、ブリケットマシンのような加圧圧縮機を用いてブリケットを作製してもよい。湿式破砕設備として磨砕機を用いて積層体を粉体状に粉砕した場合は、破砕物が10~500μm程度に粉砕され、破砕物の密度が高いことから、加圧圧縮工程を省略することができる。密度は、粉砕物を構成する材料によって異なるが、混錬機にかけるためには密度が大きいほど扱いやすいため好ましい。具体的には、乾燥状態で0.03kg以上が好ましく、0.05kg以上がより好ましく、0.2kg以上がより好ましく、0.3kg以上が更に好ましい。
プラスチック破砕物の乾燥(6)において乾燥されたフィルム片もしくはブリケットを1軸および2軸の成型機に投入し、再生プラスチックペレットを作製する。混錬機条件は特に限定されないが、リサイクル前の樹脂性能を大きく劣化させないために、180~280℃で運転することが好ましい。
OPP:2軸延伸ポリプロピレンフィルム 20um
CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム 35um
VMCPP:アルミ蒸着無延伸ポリプロピレンフィルム 25um
(印刷インキ)
INK1:DICグラフィックス社製グラビアインキ グロッサ 507藍 S2
INK2:DICグラフィックス社製グラビアインキ グロッサ BM709白
INK3:DICグラフィックス社製 フィナート R507原色藍
INK4:DICグラフィックス社製 フィナート R794白 S と DIC製硬化剤 CVLハードナー#10との2液硬化型インキ
(反応性接着剤)
AD1:溶剤型接着剤 ディックドライ LX-470ELとSP-60との2液型接着剤(エーテル系接着剤)(DIC(株)社製)
AD2:無溶剤接着剤 ディックドライ 2K-SF-400AとHA-400Bとの2液型接着剤(エステル系接着剤)(DIC(株)社製)
(プラスチックフィルムの製造方法)
プラスチックフィルムは、下記印刷方法により対象とするフィルムに印刷後、下記ラミネート方法により対象とするフィルムを貼りあわせて作成した。フィルムの層構成や反応性接着剤、印刷インキの種類は表1の組み合わせにより行った。
印刷インキであるグラビアインキは、プルーファーを用いて各インキをフィルム「Film1」に展色した。
印刷インキを展色したフィルム「Film1」の印刷インキの展色面に、反応性接着剤「AD」をラミネーターで固形分3g/m2の塗膜量になるように塗布し、フィルム「Film2」と貼り合わせた。貼り合わせた積層フィルムは、40℃で72時間エージング反応させた。表1に示す積層フィルム「LAM1」~「LAM5」を得た。なお空欄は、構成が存在しないことを示す。
PRO1:イワキ製 コロイドミル WCM を使用し、20000rpmで10分間攪拌及び圧送した。
PRO2:ニクニ製 サンカッタ C125H を使用し、0.1m3/minで圧送した。
PRO3:ホモディスパーを使用し、液温を70℃に保ちながら、200rpmで10分間攪拌した。
水と、界面活性剤としてカチオン性界面活性剤を0.3質量%と、水溶性溶剤と、水酸化カリウムを2質量%とを混合して、表2に示すインキ洗浄剤を調整した。
インキ洗浄剤中のプラスチック破砕物を回収し、水にさらして洗浄剤成分を落としたのち、80℃に設定した乾燥機により8時間乾燥させた。
回収工程にて乾燥させたプラスチック破砕物を、15mmφの二軸ベント式押出機(設定温度200℃、補足粒子径45μmのメッシュフィルター)内で溶融混練しストランドを形成後、カッターにてペレットを製造した。
表3~5の結果1は、積層フィルムからのインキ除去状態を示している。各洗浄工程で積層フィルムを洗浄し、乾燥したのちに、印刷部のインキ除去性について、光学顕微鏡を用いて撮影された写真の画像処理にて面積を算出し、以下式を用いてインキ除去率を求めることで判定した。
インキ除去率(%)=(1-洗浄後のインキ付着面積/洗浄前のインキ付着面積)×100
◎:印刷部の100%が除去。
〇:印刷部の75%以上100%未満が除去。
〇△:印刷部もしくは積層部の50%以上75%未満が除去。
×:全く剥離しない~50%未満が除去。
なお、◎、○、〇△は実用上問題がない範囲である。
表3~5の結果2は、インキ除去工程を終えて回収したフィルムの着色状態を示している。各洗浄工程で積層フィルムを洗浄し乾燥して得られたプラスチック片(破砕物)を用いて、厚さ30μmのプラスチックフィルムに加工し、フィルムの着色をJIS Z 8722に基づいて、日本電色社製Spectrophotometer SE6000を用いて測定した。なお、大塚商会製PPCPAPER HighWhiteを下地として、DIC製共押出多層フィルム、ディファレンT2160Tの測定値をリファレンスとした。
表3~5の結果3は、再生したプラスチックのリペレットを日立ハイテクサイエンス社製の蛍光X線分析装置SEA1000Aを用いて分析し、検量線からその含有量を測定した。
Claims (6)
- 水に無機塩基を含有する洗浄剤中で破砕と同時に圧送を行うことにより、インキ層が設けられ、且つシリカを有するプラスチックフィルムからインキを除いたプラスチックフィルムの破砕物を、溶融後に成形機により成形し、
シリカを500ppm以上2500ppm以下含有することを特徴とする再生プラスチックペレットの製造方法。 - 前記インキを除いたプラスチックフィルムの破砕物を厚さ30μmのプラスチックフィルムに加工したときのLab表色系で表される値が、前記破砕物と同じ材質のバージン素材を厚さ30μmのプラスチックフィルムに加工したときのLab表色系で表される値に対して、L値が0~-5の範囲にあり、a値が+5から-5の範囲にあり、かつb値が+5から-5の範囲にある請求項1に記載の再生プラスチックペレットの製造方法。
- 前記プラスチックフィルムはポリプロピレン樹脂を少なくとも含有する請求項1又は2に記載の再生プラスチックペレットの製造方法。
- 再生プラスチックペレットはポリプロピレン樹脂である請求項1又は2に記載の再生プラスチックペレットの製造方法。
- 前記プラスチックフィルムはプラスチックフィルムが接着剤でラミネート接着された積層フィルムであり、樹脂フィルム層と接着剤層の間にインキ層を有する構成である請求項1又は2に記載の再生プラスチックペレットの製造方法。
- 請求項1又は2に記載の製造方法により得られた再生プラスチックペレット。
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