JP7318790B1 - フラフ、及び、樹脂基材の分離回収方法 - Google Patents

フラフ、及び、樹脂基材の分離回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、破砕後のフィルムに大小のサイズ分布を持たせることで、高効率で、高物性を有する再生材を得る方法を提供することにある。【解決手段】 少なくとも、樹脂基材層、および、樹脂基材層以外の層を有する積層体のフラフであって、フラフの平均サイズが、10mm以上であり、フラフのサイズ分布の標準偏差が、10mm以上であり、3mmのふるいを通らないフラフが、フラフ全体の60重量%以上である積層体のフラフ。少なくとも、樹脂基材層、および、樹脂基材層以外の層を有する積層体から、脱離液と接触させて樹脂基材層以外の層が脱離したフラフであって、フラフの平均サイズが、10mm以上であり、フラフのサイズ分布の標準偏差が、10mm以上であり、3mmのふるいを通らないフラフが、フラフ全体の60重量%以上であるフラフ。【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも樹脂基材層及び脱離層を備えるフラフ、及び、樹脂基材分離回収方法に関する。
近年、プラスチックフィルムを原料とするパッケージ、プラスチックボトル、その他プラスチック製品は、海洋にゴミとして廃棄・投棄され環境汚染問題となっている。これらのプラスチック製品は海水中で分解されてサブミクロンサイズの破片(マイクロプラスチック)となり海水中に浮遊する。当該マイクロプラスチックは、魚類等の海洋生物に摂取されることで生物体内中に濃縮され、当該海洋生物を食料として摂取する海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されている。
上記プラスチック製品としては、プラスチックフィルムを使用した複層構成の食品包装パッケージ等が挙げられ、このような食品包装パッケージでは、フィルム基材としてポリエステル基材、ナイロン基材(NY)、ポリプロピレン基材(PP)、ポリエチレン基材(PE)等、種々の樹脂基材が使用されている。これらフィルム基材は、印刷インキにより印刷が施され、接着剤等を介して他のフィルム基材や熱溶融樹脂基材と貼り合わされた後に、カットされ熱融着されてパッケージとなる。しかしながら、このような複層構成の食品包装パッケージは、相溶しない異種の材料が複数混合しているため、このままではマテリアルリサイクルができないという問題がある。
プラスチック由来の環境問題を解決するための試みとして、例えば、特許文献1には、樹脂基材、および、脱離層を有する積層体を細断した後、脱離液に接触させて脱離層を脱離し、脱離した樹脂基材を回収する方法が記載されている。
また、例えば特許文献2には、樹脂基材、および、脱離層を有する積層体を脱離液で破砕し、脱離層を脱離し、脱離した樹脂基材を回収する方法が記載されている。
特許第6631964号公報 国際公開第2022/190872
本発明において、「フラフ」とは、少なくとも、シートなどを細断、破砕などしたものをいい、樹脂基材層、および、樹脂基材層以外の層を有する積層体である。代表的な形態は、脱離液と接触させて、樹脂基材層以外の層を除去した(脱離液で除去される、樹脂基材層以外の層を、以下、「脱離層」ともいう)、純度の高い樹脂基材(以下、「再生材」ともいう)を回収する目的に使われるフラフである。樹脂基材層は、単層であっても複数の層であってもよい。樹脂基材層が複数の層である場合、回収される樹脂基材は、樹脂基材層の一部または全部の層が分離したものであっても、複数の層のままであってもよい。
本発明の目的は、破砕後のフラフに大小のサイズ分布を持たせることで、高効率で、高物性を有する再生材を得る方法を提供することにある。
本発明は、「フラフ」が、特定の大きさを有し、かつ、脱離工程中、脱離液中で「フラフ」の面のサイズが分布を持つことが特徴であり、脱離液に接触する前の積層体の「フラフ」の面のサイズと、脱離層が脱離して回収された樹脂基材の面のサイズは、ほぼ一致する。
特許文献1では、脱離液に接触する前に、特定の大きさに細断しており、フラフのサイズという点では揃っており、フラフのサイズ分布の標準偏差は、10mm未満である。
特許文献2では、脱離液に接触中に、フラフのサイズが変動しているが、前記定義に従い、最後に脱離が起きた直前の「フラフ」は、脱離後の「フラフ」と一致する。従って、フラフの平均サイズは、10mmよりもかなり小さいうえ、フラフのサイズという点では揃っており、フラフのサイズ分布の標準偏差は、10mm未満であろうと推測される。
本発明は、少なくとも、樹脂基材層、および、樹脂基材層以外の層を有する積層体を破砕し得られるフラフの平均サイズが10mm以上、また、サイズの標準偏差が10mm以上、さらに3mmのふるいを通らないフラフが、フラフ全体の60重量%以上である積層体のフラフに関する。
また、本発明は、少なくとも、樹脂基材層、および、樹脂基材層以外の層を有する積層体から、
脱離液と接触させて樹脂基材層以外の層が脱離したフラフであって、
フラフの平均サイズが、10mm以上であり、
フラフのサイズ分布の標準偏差が、10mm以上であり、
3mmのふるいを通らないフラフが、フラフ全体の60重量%以上であるフラフに関する。
また、本発明は、樹脂基材層が、オレフィン樹脂を含む上記いずれかのフラフに関する。
また、本発明は、少なくとも、樹脂基材層、および、樹脂基材層以外の層を有する積層体を破砕し、
上記積層体のフラフとする工程、
前記フラフを、脱離液に接触させて前記樹脂基材層以外の層を脱離する工程、
並びに、脱離した樹脂基材を回収する工程を含む、
樹脂基材の回収方法に関する。
本発明の、フラフの平均サイズが、10mm以上であり、フラフのサイズ分布の標準偏差が、10mm以上であり、3mmのふるいを通らないフラフが、フラフ全体の60重量%以上であるフラフを用いることにより、再生材の生産においては、再生材の機械物性の低下を抑えつつ、一度に大量に処理することが可能となった。
<積層体>
本発明における積層体は、少なくとも樹脂基材層と樹脂基材層以外の層とを有しており、樹脂基材層以外の層は、樹脂基材層に接して配置される。樹脂基材層は、分離工程後に回収される基材を表し、脱離層は、脱離液に浸漬することで樹脂基材層から脱離(剥離ともいう)し、樹脂基材層の分離に寄与する役割を担う。
<樹脂基材層以外の層>
本発明で用いられる樹脂基材層以外の層は、樹脂基材層と共に、破砕されて特定の沖佐野フラフになるものであれば、特に材質に限定はない。
また、樹脂基材層以外の層が脱離層でない場合を排除しない。
例えば、樹脂基材層から樹脂基材層以外の層を脱離させないまま、樹脂基材を回収する場合がある。
また、樹脂基材層/樹脂基材層以外の層/樹脂基材層からなる積層体が、樹脂基材層/樹脂基材層以外の層とからなる積層体1と、樹脂基材層以外の層/樹脂基材層とからなる積層体2に分離するが、脂基材層以外の層が脱離しないで、樹脂基材を回収する場合がある。これらは、樹脂基材層以外の層が脱離層でない。
しかし、樹脂基材層以外の層が、脱離層である場合は、回収される樹脂基材の純度があがる点で好ましい。
<脱離層>
本発明における脱離層は、公知の脱離液により樹脂基材層より脱離可能な層であればよく、好ましくは、水溶性樹脂を含む層、酸性基を有する化合物(但し、水溶性樹脂を除く)を含む層、金属蒸着層、又は無機酸化物(金属酸化物)蒸着層である。基材汎用性の観点から、脱離層としてより好ましくは酸性基を有する化合物を含む層である。また、環境負荷低減の観点から、脱離層としてより好ましくは水溶性樹脂を含む層である。
脱離層が金属蒸着層、又は無機酸化物(金属酸化物)蒸着層である場合、蒸着層は、樹脂基材層上に形成されていることが好ましい。
脱離層が水溶性樹脂を含む層、酸性基を有する化合物を含む層である場合、脱離層は、樹脂基材層に接する層であることから、好ましくは、プライマー層、インキ層及び接着剤層からなる群より選ばれる少なくとも1種の層である。すなわち、プライマー層、インキ層及び接着剤層からなる群より選ばれる少なくとも1種の層が、水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物を含む層であることが好ましい。
上記酸性基を有する化合物は、樹脂であってもよく、低分子化合物であってもよい。これらの水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記プライマー層、インキ層及び接着剤層からなる群より選ばれる少なくとも1種の層は、それらの層を構成する樹脂成分(以下、バインダー樹脂ともいう)が、水溶性樹脂又は酸性基を有する樹脂を含んでいてもよく、バインダー樹脂と酸性基を有する低分子化合物とを含んでいてもよい。
以下に、脱離層がプライマー層、インキ層、接着剤層である場合について各々説明する。
[脱離プライマー層]
脱離層がプライマー層である場合、該プライマー層は、樹脂基材層と接して配置され、脱離液による溶解・剥離等により樹脂基材層を脱離する役割を担う。プライマー層は、好ましくは、水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物を含む。
(水溶性樹脂)
水溶性樹脂としては、水で膨潤又は溶解し、樹脂基材層から脱離することができる樹脂であればよい。水は温度25~100℃程度に加温されていてもよい。これにより、プライマー層を水(温水含む)で脱離することができる。
このような樹脂としては、水溶性を損なわない範囲で、公知の樹脂から選択でき、例えば、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリアミド樹脂、水溶性ポリイミド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリアリルアミン樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性フェノキシ樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性メラミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、並びにこれらの樹脂の変性物が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、入手のしやすさ、脱離性の観点から、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂が好適に用いられる。
水溶性樹脂が造膜性を有する場合、プライマー層を構成するバインダー樹脂として水溶性樹脂を用いてもよい。
ポリビニルアルコール樹脂としては、未変性のポリビニルアルコールの他に、ビニルエステル系樹脂の製造時に各種モノマーを共重合させ、これをケン化して得られる変性ポリビニルアルコールや、未変性ポリビニルアルコールに後変性によって各種官能基を導入した各種の後変性ポリビニルアルコールを用いてもよい。また、変性ポリビニルアルコールを更に後変性させたものでもよい。これらの変性は、ポリビニルアルコール樹脂の水溶性が損なわれない範囲で行うことができる。
これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリビニルアルコール樹脂として好ましくは、側鎖に一級水酸基を有する構造単位を含有する樹脂、エチレン変性ポリビニルアルコール樹脂が挙げられる。中でも水溶性に優れる点で、側鎖に一級水酸基を有する構造単位を含有するポリビニルアルコール樹脂が好ましい。これらの構造単位における一級水酸基の数は、通常1~5個、好ましくは1~2個、より好ましくは1個である。また、一級水酸基以外にも二級水酸基を有することが好ましい。
本発明で用いられるポリビニルアルコール樹脂のケン化度(JIS K 6726に準拠して測定)は、通常60~100モル%である。また、ケン化度の好ましい範囲は、変性種によって異なり、例えば、未変性ポリビニルアルコール樹脂の場合、通常60~99.9モル%、好ましくは70~99.0モル%、より好ましくは75~98.5%である。側鎖1,2-ジオール構造単位含有変性ポリビニルアルコール樹脂のケン化度は、通常60~99.9モル%、好ましくは65~99.8モル%、より好ましくは70~99.5モル%である。かかるケン化度が低すぎると水溶性が低下する傾向がある。少量のエチレンで変性されたエチレン変性ポリビニルアルコール樹脂のケン化度は、通常60モル%以上、好ましくは70~99.5モル%、特に好ましくは75~99.0モル%である。
ケン化度が上記範囲内であると、水溶性に優れ脱離性が良好になるため好ましい。また、プライマー層を形成する際の、塗工性にも優れるため好ましい。
ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度(JIS K 6726に準拠して測定)は、通常100~3000であり、好ましくは150~2000、より好ましくは180~1000、特に好ましくは200~800である。
(酸性基を有する化合物)
酸性基を有する化合物としては、酸性基を有する樹脂又は酸性基を有する低分子化合物を用いてもよい。これにより、プライマー層を上述する塩基性水溶液で脱離することができる。
酸性基を有する樹脂における樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。上記酸性基としては、例えば、カルボキシ基、リン酸基、スルホ基、スルフィノ基等若しくはそれらのエステル又は塩が挙げられる。
また、酸性基を有する樹脂として、マレイン化ロジンやフマル化ロジン等の酸価を有するロジン変性樹脂を用いることができる。
また、酸性基を有する樹脂として、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシ基を有する重合性モノマー;無水イタコン酸、無水マレイン酸等の酸無水物である重合性モノマー;スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性モノマー;ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性モノマー;のような酸性基を有する重合性モノマーを共重合させた、スチレン-(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(無水)マレイン酸樹脂、テルペン-(無水)マレイン酸樹脂等のラジカル共重合体や、酸変性されたポリオレフィン樹脂を用いることができる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸性基を有する低分子化合物は、分子量分布を有しない化合物であって、且つ分子量が1,000以下の化合物を指す。このような化合物としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ソルビン酸等の不飽和脂肪酸;乳酸、リンゴ酸、クエン酸等のヒドロキシ酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸等の芳香族カルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸;アコニット酸等のトリカルボン酸;ピルビン酸、オキサロ酢酸等のオキソカルボン酸;アミノ酸、ニトロカルボン酸等のカルボン酸誘導体;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物が挙げられる。
酸性基を有する低分子化合物は、上述する酸性基を有する樹脂又は公知のプライマー層を構成する公知のバインダー樹脂と組合せて用いることで、プライマー層を形成することができる。
プライマー層は、リコート適正の観点から、酸性基を有する化合物を含むことが好ましい。また、印刷適性の観点から、酸性基を有するウレタン樹脂、酸性基を有するアクリル樹脂、ロジン変性樹脂を含むことが好ましい。
〔酸性基を有するウレタン樹脂〕
酸性基を有するウレタン樹脂は特に制限されず、例えば、酸性基を有するポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂中の水酸基を酸変性してなる樹脂、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂中のイソシアネート基にポリアミンを反応させてなるウレタンウレア樹脂中のアミノ基を酸変性してなる樹脂が挙げられる。
また、酸性基を有するウレタン樹脂として、ヒドロキシ酸を含むポリオール及びポリイソシアネートを反応させてなる樹脂を用いてもよい。ポリオールとしてヒドロキシ酸を使用することで、ウレタン樹脂にカルボキシ基に由来する酸価を付与することができ、脱離性を向上させることができる。また、上記酸性基を有するウレタン樹脂がイソシアネート基を有する場合、該イソシアネート基の一部にポリアミンを反応させてウレア結合を導入し、ウレタンウレアとしてもよい。
《ポリオール》
ポリオールは、一つの分子内に少なくとも二つの水酸基を有する化合物の総称である。ポリオールの数平均分子量は、好ましくは500~10,000、より好ましくは1,000~5,000である。上記数平均分子量とは、ポリオールの水酸基価から算出されるものであり、当該水酸基価はJISK0070による測定値を指す。ポリオールの数平均分子量が500以上であると、プライマー層の柔軟性に優れ、ポリオレフィン基材への密着性が向上する。数平均分子量が10,000以下であると、ポリオレフィン基材に対する耐ブロッキング性に優れる。
ポリオールとしては特に制限されず、より好ましくは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及びポリカーボネートポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールが用いられる。更にポリオールは、その他ダイマージオール、水添ダイマージオール、ひまし油変性ポリオール等を含んでもよい。
即ち、上記ウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及びポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール由来の構成単位を含むことが好ましい。ポリエステルポリオールのエステル結合部位がアルカリ加水分解することにより脱離性が向上するため、より好ましくは、ポリエステルポリオール由来の構成単位を含むものである。
ポリオール由来の構成単位の含有量は、ウレタン樹脂全量に対して、好ましくは10~75質量%、より好ましくは15~70質量%、さらに好ましくは20~65質量%である。ポリエステルポリオール由来の構成単位の含有量は、ポリオール由来の構成単位全量に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。
《ヒドロキシ酸》
上記ポリオールはヒドロキシ酸を含んでもよい。上記ヒドロキシ酸は、活性水素基である水酸基及び酸性官能基の両方を一分子中に有する化合物を指す。該酸性官能基とは、酸価を測定する際に、水酸化カリウムで中和されうる官能基を示し、具体的にはカルボキシ基やスルホン酸基等が挙げられ、好ましくはカルボキシ基である。このようなヒドロキシ酸としては、例えば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール吉草酸のようなジメチロールアルカン酸が好適に用いられる。
《ポリイソシアネート》
上記ポリイソシアネートは特に制限されず、従来公知のポリイソシアネートから選択することができる。好ましくは、ジイソシアネート又はトリイソシアネートを含み、より好ましくは、芳香族、脂肪族又は脂環式のジイソシアネートを含む。これらは単独又は2種以上を併用してもよい。
《ポリアミン》
ウレタンウレアとするためのポリアミンは特に制限されず、好ましくはジアミン化合物である。また、ウレタン樹脂に水酸基を導入できる点で、水酸基を有するジアミンを用いてもよい。
酸性基を有するウレタン樹脂の酸価は、好ましくは15mgKOH/g以上であり、より好ましくは15~70mgKOH/gであり、さらに好ましくは20~50mgKOH/gである。15mgKOH/g以上であると、脱離液による脱離性が良好となるため好ましく、70mgKOH/g以下であると、基材密着性や耐レトルト性が良好となるため好ましい。 ウレタン樹脂の水酸基価は、好ましくは1~35mgKOH/gであり、より好ましくは10~30mgKOH/gである。1mgKOH/g以上であると、脱離液による脱離性が良好となるため好ましく、35mgKOH/g以下であると、基材密着性が良好となるため好ましい。
酸性基を有するウレタン樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10,000~100,000、より好ましくは15,000~70,000、さらに好ましくは15,000~50,000である。ウレタン樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは6以下である。Mwは重量平均分子量を表し、Mnは数平均分子量を表す。分子量分布が6以下であると脱離性、プライマー組成物の乾燥性、耐レトルト適性に優れる。また、分子量分布が小さい、即ち分子量分布がシャープであるほど、脱離液による溶解・剥離作用が均一に起こり、樹脂基材層の脱離性が向上する。分子量分布は、より好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下である。また、分子量分布は好ましくは1.5以上、より好ましくは1.2以上である。
本明細書において、Mw、Mn及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)により求めたポリスチレン換算値である。
酸性基を有するウレタン樹脂はアミン価を有していてもよい。ウレタン樹脂がアミン価を有する場合、アミン価は0.1~20mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは1~10mgKOH/gである。上記範囲内であると基材密着性に優れる。
酸性基を有するポリウレタン樹脂のウレタン結合数は、好ましくは1~3mmol/g、より好ましくは1.5~2mmol/gである。また、ウレア結合数は、好ましくは0~3mmol/g、より好ましくは0.2~1mmol/gである。また、ウレタン結合数とウレア結合数の合計は、好ましくは1~6mmol/g、より好ましくは1.7~3mmol/gである。
ウレタン結合数及びウレア結合数を該当範囲に設定することで、脱離性及び基材密着性が向上する。
〔酸性基を有するアクリル樹脂〕
酸性基を有するアクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等の酸性基を有する(メタ)アクリルモノマーを含むモノマーを重合した重合体;水酸基やグリシジル基を有する(メタ)アクリルモノマーを含むモノマーを重合した後、当該官能基を変性してカルボキシ基を導入した樹脂(例えば無水マレイン酸変性樹脂);が挙げられる。
酸性基を有するアクリル樹脂の酸価は、好ましくは50mgKOH/g以上、より好ましくは100mgKOH/g以上である。
〔ロジン変性樹脂〕
ロジン変性樹脂は、原料の一つとしてロジンを用いて調製された樹脂である。ロジンには、アビエチン酸、パラストリン酸、イソピマール酸、レボピマール酸等の樹脂酸が混合物として含まれ、これら樹脂酸は、親水性で化学活性なカルボキシ基が含まれ、中には共役二重結合を備えるものもある。そのため、多価アルコールや多塩基酸を組み合わせて縮重合させたり、ロジン骨格に含まれるベンゼン環にフェノールの縮合体であるレゾールを付加させたり、ジエノフィルである無水マレイン酸やマレイン酸とディールスアルダー反応をさせてマレイン酸や無水マレイン酸骨格を付加させさせたりすること等により、様々なロジン変性樹脂が調製されている。このようなロジン変性樹脂は、各種のものが市販されており、それを入手して用いることも可能である。
ロジン変性樹脂としては、例えば、マレイン化ロジン、フマル化ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、ロジン変性ポリエステル樹脂が挙げられる。本発明においては、いずれのロジン変性樹脂を用いてもよいが、これらの中でも、その構造中にマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及び無水フマル酸からなる群より選択される少なくとも一つを由来とする部位を含むものが好ましく用いられる。「その構造中にマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及び無水フマル酸からなる群より選択される少なくとも一つを由来とする部位を含む」樹脂とは、原料の一部としてマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及び無水フマル酸からなる群より選択される少なくとも一つを用いて調製されたものであり、例えば、多塩基酸の一部としてマレイン酸やフマル酸を縮重合させたロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂や、ジエノフィルとしてマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸や無水フマル酸をディールスアルダー反応で付加させた構造を備えるマレイン化ロジン、フマル化ロジンや、これらに含まれる官能基を用いてさらに他の化学種を重合させた樹脂等を意味する。
ロジン変性樹脂の酸価は、好ましくは10~400mgKOH/gであり、より好ましくは100~300mgKOH/gである。
(その他成分)
プライマー層は、水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物以外の樹脂を含有してもよい。
このような樹脂としては、例えば、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂若しくは塩化ビニル-アクリル系共重合樹脂等の塩化ビニル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ダンマル樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、ポリアセタール樹脂、石油樹脂、及びこれらの変性樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、プライマー層は、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン樹脂、アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくも1種の樹脂を含むことが好ましい。より好ましくは、塩化ビニル樹脂、又はアクリル樹脂を含む。
酸性基を有するウレタン樹脂と、その他樹脂との質量比(酸性基を有するウレタン樹脂:その他樹脂)は、好ましくは95:5~50:50である。上記範囲内であると、塩基性水溶液中において、プライマー層と共にインキ層が剥離した際に、インキ層が薄膜の状態で剥離され、回収が容易となるため好ましい。
プライマー層は、体質顔料を含有してもよい。体質顔料としては、例えば、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物が挙げられる。中でも好ましくはシリカであり、より好ましくは親水性シリカである。
体質顔料の平均粒子径は、好ましくは0.5~10μmであり、より好ましくは1~8μmである。体質顔料の含有量は、プライマー層中に0.5~10質量%であることが好ましく、より好ましくは1~5質量%である。平均粒子径及び体質顔料の含有量が、上記範囲内であると、インキ層の濡れ性が向上し画質が向上する。
プライマー層は、上述する酸性基を有するウレタン樹脂が硬化剤で架橋された層であってもよい。プライマー層に架橋構造が導入されることで、プライマー層上に形成されるインキ層の浸透や滲みが抑制され、優れた画質を示すことができる。
硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、特に制限されず、従来公知のポリイソシアネートから選択することができ、例えば、脂肪族ポリイソシアネート又は芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用してもよい。
プライマー層は、さらに公知の添加剤を含有してもよい。公知の添加剤としては、例えば、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、粘度調整剤、金属キレート、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、上記以外のワックス成分、シランカップリング剤が挙げられる。
プライマー層の厚みは、好ましくは0.5~3.0μm、より好ましくは0.6~2.0μm、さらに好ましくは0.8~1.5μmの範囲であり、公知の方法を用いて形成することができる。
[脱離インキ層]
インキ層とは、装飾、美感の付与、内容物、賞味期限、製造者又は販売者の表示等を目的とした、任意の印刷模様を形成する層であり、ベタ印刷層も含む。
脱離層がインキ層である場合、該インキ層は、樹脂基材層に接して配置され、脱離液による溶解・剥離等により樹脂基材層を脱離する役割を担う。インキ層は、好ましくは、水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物と、着色剤とを含む。またインキ層の形成方法は制限されず、公知の方法を用いて形成することができる。
インキ層は、リコート適正の観点から、酸性基を含む化合物を含むことが好ましい。また、印刷適性の観点から、酸性基を有するウレタン樹脂、酸性基を有するアクリル樹脂、ロジン変性樹脂を含むことが好ましい。
上記水溶性樹脂及び酸性基を有する化合物、並びに、酸性基を有するウレタン樹脂、酸性基を有するアクリル樹脂及びロジン変性樹脂は、上述する[脱離プライマー層]の項における(水溶性樹脂)、(酸性基を有する化合物)、〔酸性基を有するウレタン樹脂〕、〔酸性基を有するアクリル樹脂〕及び〔ロジン変性樹脂〕の記載を援用できる。
(着色剤)
インキ層は、有色であっても無色であってもよく、印刷インキや塗料で使用される公知の着色剤を含有する。このような着色剤は特に制限されず、無機顔料、有機顔料、染料のほか、金属光沢を与える金属粉、近赤外吸収材料、紫外線吸収材料を用いてもよい。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、ベンガラ、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料;炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料;が挙げられる。
有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾキレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等が好適に用いられる。
なおこれらに限らず、前記顔料はカラーインデックスのジェネリックネームで記載のものが適宜使用できる。中でも、脱離液が塩基性水溶液である場合、塩基性水溶液に溶出しない、アルカリ耐性を有する顔料が好ましい。顔料の溶出を防ぐことで塩基水溶液の再利用が容易となる。
顔料のアルカリ耐性は、概ね顔料の骨格又は構造で推定され、アルカリ耐性のある顔料としては、例えば、無機顔料、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントイエロー83が挙げられる。
顔料が酸化チタンである場合、酸化チタンの含有量は、インキ層中に好ましくは20~80質量%、より好ましくは30~75質量%である。また顔料が、酸化チタンを除く無機顔料、体質顔料、有機顔料である場合、これらの顔料の含有量はいずれも、インキ層中に好ましくは0.5~60質量%、より好ましくは10~50質量%である。
(その他成分)
インキ層は、着色剤の分散剤として、顔料誘導体又は樹脂型分散剤を含有してもよい。
顔料誘導体は、顔料の骨格に置換基を導入した化合物であり、顔料誘導体の含有量は、着色剤の質量を基準として、好ましくは0.01~10質量%、より好ましくは0.05~6質量%であり、さらに好ましくは0.1~4質量%である。0.01質量%以上であると樹脂基材層の脱離性に優れ、10質量%以下であると、インキ層の再付着を抑制することができる。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着して印刷インキ等への分散を安定化する働きをするものであり、公知の樹脂型分散剤から適宜選択できる。樹脂型分散剤の含有量は、着色剤の質量を基準として、好ましくは0.01~30質量%、より好ましくは0.05~20質量%、さら好ましくは0.1~10質量%である。0.01質量%以上であると樹脂基材層の脱離性に優れ、30質量%以下であるとインキ層の耐水性に優れる。
インキ層は、水溶性樹脂又は酸性基を含む化合物以外の樹脂を含有してもよい。
このような樹脂としては、例えば、ニトロセルロース系、セルロースアセテート・プロピオネート等の繊維素材、塩素化ポリプロピレン系、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン樹脂系及びアクリルウレタン系、ポリアミド系、ポリブチラール系、環化ゴム系、塩化ゴム系の樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
インキ層の厚みは、好ましくは0.1μm以上100μm以下、より好ましくは0.1μm以上10μm以下、さらに好ましくは1μm以上5μm以下である。
[脱離接着剤層]
脱離層が接着剤層である場合、該接着剤層は、樹脂基材層と接して配置され、脱離液による溶解・剥離等により樹脂基材層を脱離する役割を担う。接着剤層は、好ましくは、酸性基を有する化合物を含む。接着剤層が、酸性基を有する樹脂又は酸性基を有する低分子化合物を含むことで、上述する塩基性水溶液を用いて接着剤層を脱離することができる。
上記酸性基を有する化合物、酸性基を有する樹脂及び酸性基を有する低分子化合物は、上述する[脱離プライマー層]の項における(酸性基を有する化合物)の記載を援用できる。
また接着剤層の形成方法は制限されず、公知の方法を用いて形成することができる。
接着剤層は、脱離性の観点から、酸性基を有するポリエステルポリオールと、脂肪族ポリイソシアネート及び芳香脂肪族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートとを含む接着剤の硬化物であってもよい。上記硬化物は、酸性基を有する樹脂に該当する。
また、接着剤層は、ポリエステルポリオールと、脂肪族ポリイソシアネート及び芳香脂肪族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートと、酸性基を有する低分子化合物とを含む接着剤の硬化物であってもよい。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールは、酸性基を有していればよく、公知のポリエステルポリオールから適宜選択できる。このようなポリエステルポリオールを含むことにより、脱離液として塩基性水溶液を用いた場合、塩基性化合物との親和性が高いエステル結合を有することで、脱離性が向上するため好ましい。ポリエステルポリオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールは、特に限定されないが、カルボキシ基成分(多価カルボン酸ともいう)と水酸基成分(多価アルコールともいう)とを反応させて得られるポリエステルポリオール;ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール;が好適に用いられる。
上記カルボキシ基成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物が挙げられる。
上記水酸基成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3′-ジメチロールヘプタン、1,9-ノナンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオール等のジオール類若しくはそれらの混合物が挙げられる。
上記カルボキシ基成分及び水酸基成分は、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールは、ポリオール中の水酸基にポリイソシアネートを反応させたポリエステルウレタンポリオールであってもよい。ポリエステルポリオールがウレタン結合を有することで、優れた耐熱性、接着性を発揮する。
上記ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールは、ポリオール中の水酸基に酸無水物を反応させた酸無水物変性物であってもよい。これにより、ポリエステルポリオールに酸性基であるカルボキシ基を導入することができる。
酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、無水トリメリット酸、トリメリット酸エステル無水物が挙げられる。トリメリット酸エステル無水物としては、例えば、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテートが挙げられる。
ポリエステルポリオールの酸価は、好ましくは5.0mgKOH/g以上、より好ましくは10.0mgKOH/g以上である。また、ポリエステルポリオールの酸価は、好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは80mgKOH/g以下である。ポリエステルポリオールの酸価が上記範囲であると、塩基性水溶液である脱離液と接触させた際に、塩基性水溶液が浸透して分解され、より優れた脱離性を発揮する。
接着剤が複数のポリエステルポリオールを含む場合、ポリエステルポリオール全体の酸価は、各々のポリエステルポリオール分の酸価とその質量比率から求めることができる。
ポリエステルポリオールの数平均分子量(Mn)は、好ましくは3,000~25,000、より好ましくは5,000~20,000、特に好ましくは7,000~15,000である。ポリエステルポリオールの数平均分子量が3,000以上であると、塗工性だけでなく十分なレトルト適性を発揮することができ、20,000以下であると塗工性だけでなく脱離性が向上するため好ましい。
ポリエステルポリオール分は、包装材料に要求される各種物性を満たすために、複数のポリエステルポリオール成分を併用してもよく、例えば、数平均分子量5,000~20,000のポリエステルポリオールを含んでもよく、さらに、基材密着性を向上させるために、数平均分子量3,000未満のポリエステルポリオールを含んでもよい。
数平均分子量が3,000未満のポリエステルポリオールの含有量は、ポリエステルポリオールの全質量を基準として、好ましくは0~30質量%、より好ましくは0~20質量%である。30質量%以下であると、レトルト耐性を維持できる。
(その他ポリオール)
接着剤層を構成する接着剤は、ポリエステルポリオール以外のその他ポリオールを含有してもよい。ポリエステルポリオール以外に含有してもよいポリオールは、特に限定されず、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオールが挙げられる。
(ポリイソシアネート)
接着剤層を構成するために、上述するポリエステルポリオールと組み合わせるポリイソシアネートは、公知の脂肪族ポリイソシアネート及び芳香脂肪族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート等の非環状の脂肪族ジイソシアネート;1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(以下、イソホロンジイソシアネート)等の脂環式ジイソシアネート;上記ジイソシアネートから誘導された、アロファネートタイプ、ヌレートタイプ、ビウレットタイプ、アダクトタイプの誘導体、若しくはその複合体等のポリイソシアネート;が挙げられる。
誘導体として好ましくは、ヌレートタイプ、アダクトタイプであり、より好ましくはアダクトタイプである。脂肪族ポリイソシアネートとしては、脱離性とラミネート物性のバランスが確保しやすいヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIともいう)から誘導されたポリイソシアネートが好ましい。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-又は1,4-キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、ω,ω′-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,3-又は1,4-ビス(1-イソシアネート-1-メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;上記芳香脂肪族ジイソシアネートから誘導された、アロファネートタイプ、ヌレートタイプ、ビウレットタイプ、アダクトタイプの誘導体、若しくはその複合体等のポリイソシアネート;が挙げられる。
(その他ポリイソシアネート)
接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート以外のその他ポリイソシアネートを含有してもよい。このようなポリイソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート;上記ジイソシアネートの誘導体、若しくはその複合体等のポリイソシアネート;が挙げられる。
上記ポリオールとポリイソシアネートとの配合割合は、ポリオール中の水酸基に対するポリイソシアネートのイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が0.3~10.0になるよう配合してもよい。好ましくは、0.3~7.0であり、より好ましくは0.5~5.0である。
(その他成分)
接着剤層は、シランカップリング剤、リンの酸素酸若しくはその誘導体、レベリング剤、消泡剤、反応促進剤のほか、無機充填剤(例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレーク)、層状無機化合物、安定剤(例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤)、防錆剤、増粘剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤、硬化反応を調整するための触媒等を含有してもよい。
押し出し用の接着剤として 前記のウレタン系接着剤に加えてポリエチレンイミンやポリブタジエンが好適に用いられる・
[ポリエチレンイミン]
ポリエチレンイミンとは、エチレンイミンを重合した水溶性ポリマーであり、水やアルコールに溶解させることが可能なものを表す。該ポリエチレンイミンとして好ましくは、分子内に第一級、第二級、第三級アミノ基を有し、分子内に分岐構造を有する分岐状ポリエチレンイミンであり、公知のものを使用できる。また、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[ポリブタジエン]
ポリブタジエンは、ブタジエンを構成単位とするポリマーであればよい。ブタジエンとして好ましくは1,2-ポリブタジエン由来のものが脱離性の観点から好適に用いられる。ポリブタジエンは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい
接着剤層の厚みは、ドライラミネートもしくは無溶剤ラミネート方式で形成される場合は、好ましくは1~10μm、さらに好ましくは1~6μmの範囲であって、押し出ラミネート方式の場合は0.01~1μmであって、さらに好ましくは0.03~0.9μmである。
[金属蒸着層、無機酸化物蒸着層]
アルミニウム等の金属蒸着層、及びアルミナ、シリカ等の無機酸化物蒸着層は、塩基性水溶液に溶解し、脱離するため、脱離層として機能し、隣接する樹脂基材層を分離することができる。
金属蒸着層、無機酸化物蒸着層の厚みは、特に制限されないが、好ましくは、0.001~5μmである。
<樹脂基材層>
樹脂基材層を構成する樹脂基材は特に制限されないが、好ましくはシート状の樹脂基材であって、例えば、従来公知のプラスチックフィルムが挙げられる。樹脂基材層は、1つの樹脂基材からなる単層構造であってもよく、複数の樹脂基材からなる多層構造であってもよい。また、樹脂基材層が接着剤層を介して2つの樹脂基材を積層した構成である場合、該2つの樹脂基材は、同種のものであってもよく、異種のものであってもよい。また、2つの樹脂基材を積層した構成である場合、共押出成形や、ラミネート押出成形されたものであってもよい。
プラスチックフィルムとしては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のフィルムを用いることができ、好ましくは熱可塑性樹脂のフィルムである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、繊維素系プラスチックが挙げられる。
樹脂基材層は、樹脂基材層以外の層として、上述する[金属蒸着層]若しくは[無機酸化物蒸着層]の項に記載の蒸着層(バリア層)を備えていてもよい。
プラスチックフィルムの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)等のポリエステル樹脂フィルム;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂フィルム;ポリスチレン樹脂フィルム;ナイロン6、ポリ-p-キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂フィルム;ポリカーボネート樹脂フィルム;ポリアクリルニトリル樹脂フィルム;ポリイミド樹脂フィルム;これらの複層体(例えば、ナイロン6/MXD6/ナイロン6、ナイロン6/エチレン-ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体等が挙げられる。中でも、機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましい。
上記プラスチックフィルムの厚みは特に制限されないが、好ましくは5~100μm、より好ましくは10~50μmである。
また、プラスチックフィルムとしてシーラント基材を用いることができる。
シーラント基材としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン-ビニルアセテート共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーが挙げられる。
シーラント基材の厚みは特に制限されないが、包装材への加工性やヒートシール性等を考慮すると、好ましくは10~200μm、より好ましくは15~150μmである。また、シーラント基材に数μm程度の高低差を有する凸凹を設けることで、滑り性や包装材の引き裂き性を付与することができる。
樹脂基材層を構成する樹脂基材は、細断時に軟化して脱離層の断面を塞がないことが重要である。そのため、樹脂基材の融点は、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上である。
少なくとも2つ以上の樹脂基材層同士を貼り合わせて積層する方法としては、ドライラミネート方式、無溶剤型ラミネート方式、押出ラミネート方式など、公知のラミネート方法を挙げることができる。
ドラミラミネート方式および無溶剤型ラミネート方式では、接着剤層を介して樹脂基材同士を貼り合わせることができ、接着剤層としてはイソシア系接着剤が好適に用いられる。
また、押出ラミネート方式では、接着剤層として、イソシア系接着剤、ポリブタジエン系接着剤、ポリエチレンイミン系接着剤等公知の接着剤を用いることもできるし、接着剤を用いずに溶融樹脂と圧着することで樹脂基材層同士を積層することもできる。
<積層体の構成>
本発明における積層体は、少なくとも樹脂基材層と樹脂基材層以外の層とを有していればよく、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに別の層を有していてもよい。有していてもよい層としては、例えば、脱離層に該当しない樹脂を含む層(例えば、インキ層、接着剤層、プライマー層、オーバーコート層)のほか、アルミニウム箔等の金属箔、天然紙や合成紙等の紙が挙げられる。
積層体としては、例えば、下記の構成が挙げられ、下記の構成の内2つ以上を満たす構成であってもよい。
(1)樹脂基材層、及びインキ層をこの順に備える部分構造を有し、インキ層が脱離層である。
(2)樹脂基材層、プライマー層、及びインキ層をこの順に備える部分構造を有し、プライマー層が脱離層である。
(3)接着剤層を介して2つの樹脂基材層が積層された部分構造を有し、接着剤層が脱離層である。
上記構成の具体例を以下に示す。なお、樹脂基材層が2つ以上ある場合は、すべての樹脂基材層に脱離層があるとは限らない。
樹脂基材層/脱離インキ層、
樹脂基材層/脱離プライマー層/インキ層、
樹脂基材層/脱離インキ層/脱離接着剤層/樹脂基材層、
樹脂基材層/脱離プライマー層/インキ層/脱離接着剤層/樹脂基材層、
樹脂基材層/インキ層/脱離接着剤層/樹脂基材層、
樹脂基材層/脱離接着剤層/樹脂基材層、
インキ層/樹脂基材層/脱離接着剤層/樹脂基材層、
インキ層/樹脂基材層/接着剤層/樹脂基材層/脱離接着剤層/樹脂基材層、
脱離インキ層/樹脂基材層/脱離接着剤層/樹脂基材層、
インキ層/脱離プライマー層/樹脂基材層/脱離接着剤層/樹脂基材層、
樹脂基材層/脱離プライマー層/インキ層/脱離接着剤層/無機酸化物蒸着層(脱離層)/樹脂基材層、
樹脂基材層/脱離プライマー層/インキ層/接着剤層/無機酸化物蒸着層(脱離層)/樹脂基材層/脱離接着剤層/樹脂基材層。
<積層体の分離回収方法>
本発明の分離回収方法は、以下の工程を含む。
(1)少なくとも、樹脂基材層、および、脱離層を有する積層体を破砕し、
上記積層体のフラフとする細断工程
(2)前記フラフを、脱離液に接触させて脱離層を脱離する脱離工程
(3)分離した樹脂基材を回収する回収工程
[フラフ]
細断工程では、フラフの平均サイズが、10mm以上であり、
フラフのサイズ分布の標準偏差が、10mm以上であり、
3mmのふるいを通らないフラフが、フラフ全体の60重量%以上となるように、積層体を細断する。
ここで、フラフの平均サイズ、および、フラフのサイズ分布の標準偏差は、例えば、ふるい分け装置によって、計測することができる。
フラフの平均サイズは、10mm以上であり、好ましくは、10~30mm、より好ましくは、12~25mmである。上記の範囲であると、脱離液が細断物の端面から中心部まで浸透する時間が短縮され、効率的に分離回収を行うことができるため、脱離性が良好で、再生材の機械物性も良好となる。
フラフのサイズ分布の標準偏差が、10mm以上であり、好ましくは、10~20mm、より好ましくは、12~16mmである。上記の範囲であると、標準偏差が10mm以下のフラフと比較して、フラフのかさ比重が高いため1バッチあたり多くのフラフを脱離処理することができる。
3mmのふるいを通らないフラフが、フラフ全体の60重量%以上、好ましくは、65重量%以上、より好ましくは、70重量%以上である。なお、実工程において、3mmのふるいを通す工程は、必ずしも必要はない。
フラフのサイズ分布の標準偏差が、10mm以上となるためには、例えば、フラフの平均サイズの異なる2つ以上のロットを作り分けて、分離工程前に混合する方法、破砕時にスクリーンを用い当該スクリーンサイズを大きくする方法、湿式破砕での水の流量を多くする方法、破砕機に投入する積層体の量を少なくする方法などが挙げられる。循環型の湿式破砕機を用いる場合は、積層体の破砕部滞留時間が短くなるようにすることで、得られるフラフサイズ分布の標準偏差が高くなる傾向にある。
細断方法としては、例えば、カッターミル(ロータリーカッター)を用いる方法が挙げられ、カッターミルを用いた細断装置としては、例えば、タナカ製MF45-700WRS、日本シーム製PF-2000型が挙げられる。
本発明における細断工程の一例を以下に示す。
積層体は、裁断装置の積層体投入口から投入され、水流入口から供給される水とともに細断部で所定の大きさ以下まで細断する。細断部については公知の構造を用いることができる。細断部では、せん断力を用いて細断するロータリーカッターを用いることが好ましい。
細断工程において、積層体に付着した内容物等の汚れを洗浄するために、水に洗剤等を含有させてもよい。また、該水は、細断工程に用いる水は脱離液の成分を含有してもよい。細断工程に用いる水が、洗浄剤や脱離液の成分を含むことで、分離工程での分離を促進することができる。
しかしながら、本願発明では、インキ片等の不純物が樹脂基材に付着・蓄積することを防ぐ観点から、細断工程と分離工程とを別々に実施することを特徴とするものであり、細断工程に用いる水が含み得る洗浄剤や脱離液の成分は、樹脂基材層の分離が進行しない範囲であることが好ましい。
細断が進み、細断物のサイズが一定以下になると、水とともに自重により細断部の下部に設けられたスクリーンを通過する。スクリーンとは、一定のサイズ以下のものを通過させるフィルターの役割を有するものを指し、フィルター、又はグリッドと言う場合もある。スクリーンの形状は、円形状、ひし形状、扇状などがあり、細断物の硬さや厚みに応じて適宜選択できる。
細断物の長辺は、使用するスクリーンの大きさによって調整でき、例えば、スクリーンの形状が円形の場合、直径15mmのスクリーンを使用することで、フラフサイズの平均値を10mm程度に制御することができるが、圧送条件などによりスクリーンサイズより大きいものや小さいものが適度に混合された状態で生産される。
細断工程に用いる水の質量は、積層体の質量を基準として、好ましくは10~100倍であり、より好ましくは15~80倍、さらに好ましくは20~60倍である。
上記範囲内であると、適切なサイズ分布のフラフが得られる。また、積層体に対する冷却するための水の量が十分となり、細断部に絶えず水の流入と流出が繰り返されるため、せん断による細断部の局所的な温度上昇が抑制される。これにより、積層体の樹脂基材の融着や軟化を抑制することができる。
また、水の量が上記範囲内であることで、細断物だけでなく、細断時に生じた微細なインキ片、接着剤片といった不要成分が、上述するスクリーンを通過しやすくなり、細断部における積層体の滞留や、不要成分によるスクリーン詰まりを防ぐことができる。
これにより、細断部に過剰に積層体が滞留することがなく、樹脂基材の融着や過剰な細断による微細片の発生を抑制できる。
なお、細断工程に用いる水の質量とは、1分間に細断装置に投入される水の質量を表し、積層体の質量とは、1分間に細断装置に投入される積層体の質量を表す。
本発明の分離回収方法は、細断工程を効率的に行うため、細断工程の前に、少なくとも樹脂基材層と脱離層とを有する本発明における積層体を選別する選別工程を有していてもよい。
また、細断工程の前に、積層体を細断装置に投入しやすい大きさに細断する粗破砕工程を有していてもよい。粗破砕工程に用いる装置としては、例えば油圧式切断機等が挙げられる。
細断工程の後に、さらに分級工程を有していても良い。分級の方法としては特に限定されないが、スクリーンによる分級、遠心分離法による分級、またはそれらの組み合わせ等が挙げられ、公知の分級装置を用いることができる。
前記スクリーンによる分級に用いられるスクリーンの口径としては、5~30mmが好ましく、この範囲であると3mmのふるいを通らないフラフを60質量%以上にするのに好適である。
細断工程で用いた水は、不純物の除去プロセスを経た後、再利用してもよい。
(脱離する工程、脱墨工程)
脱墨工程は得られた細断物(フラフ)を脱離液に浸漬し、樹脂基材層とそれ以外の層とを分離させる工程であり、公知の方法から適宜選択できる。
積層体のフラフを脱離液中で脱離させる際のフラフの含有量は、脱離液の全質量に対して、生産効率の観点から、通常は0.1~40質量%で行われる。
(脱離液)
脱離液は、脱離層を膨潤・溶解させることにより、樹脂基材層が剥離するものであればよく、脱離層の脱離のしやすさを考慮し、適宜選択することができる。このような脱離液としては、例えば、水、塩基性水溶液、酸性水溶液、フッ素系溶剤が挙げられる。環境面及び回収された樹脂基材を用いた再生材料の性状維持の観点から、好ましくは、水又は水溶液である。また、酸性基を有する化合物を含む層及び水溶性樹脂を含む層のいずれも脱離することが可能であることから、塩基性化合物を含む塩基性水溶液がさらに好ましい。これらの脱離液は加温されていてもよい。
〔塩基性化合物〕
塩基性化合物は特に制限されず、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、アンモニア、水酸化バリウム(Ba(OH))、炭酸ナトリウム(NaCO)が好適に用いられる。より好ましくは水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
塩基性水溶液中の塩基性化合物の含有量は、塩基性水溶液の質量を基準として、好ましくは0.5~20質量%、より好ましくは1~15質量%、さらに好ましくは3~15質量%の範囲である。上記範囲内にあると、塩基性水溶液は、脱離層を溶解又は膨潤により脱離させて樹脂基材層を回収するのに充分な塩基性を保持することができる。
〔界面活性剤など〕
脱離液は、界面活性剤、消泡剤などの添加剤を添加してもよい。特に、界面活性剤およびまたは消泡剤の添加は好ましい。
[界面活性剤]
脱離液は、水と界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤は、主に、脱離層の脱離性を向上させる役割を担う。これは、界面活性剤の作用により、脱離液がプライマー層、印刷層、及び接着剤層等の樹脂基材層以外の層中に浸透しやすくなり、脱離性が促進するためと考えられる。また、分離回収において脱離液に対する積層体の量を増やしていくと、積層体及び分離した基材は脱離したインキ片を巻き込んだ状態でカールする傾向にあり、脱離液に浸漬したとしても、カールに巻き込まれたインキ片等をきれいに除去することは困難である。しかしながら、脱離液が界面活性剤を含むことで、積層体及び分離した基材表面に界面活性剤が吸着し、カールが抑制される。その結果、脱離性が向上し再付着を抑えることができる。
さらに、脱離液が界面活性剤を含有する場合、プライマー層がなくてもプラスチック基材に接した印刷層を脱離することが可能である。
界面活性剤の種類としては、例えば、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性が挙げられ、要求特性に応じて適宜好適な種類、配合量を選択して使用することができる。脱離性や発泡性の観点から、好ましくは、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
また、界面活性剤は、アルキレンオキサイド(以下、AOともいう)を付加した構造であることで、脱墨性や再付着性が良好となるため好ましい。
(ノニオン性界面活性剤)
ノニオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、好ましくは、アルキレンオキサイドが付加したアルキレンオキサイド付加物である。より好ましくは、活性水素を有するアルコール類にアルキレンオキサイドを付加して得られる化合物、アミン類にアルキレンオキサイドを付加して得られる化合物若しくは脂肪酸類にアルキレンオキサイドを付加して得られる化合物である。上記付加は、ランダム付加又はブロック付加のいずれであってもよい。また、アルキレンオキサイドの炭素数は、好ましくは炭素数2~4である。
ノニオン性界面活性剤としてより好ましくは、アルコール類に炭素数2~4のアルキレンオキサイドを付加したアルコール系ノニオン性界面活性剤である。
〔アルコール系ノニオン性界面活性剤〕
アルコール系ノニオン性界面活性剤としては、例えば、総炭素数8~24の第1級若しくは第2級アルコールのアルキレンオキサイド付加物、又は、総炭素数8~12のアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。上記総炭素数8~24の第1級若しくは第2級アルコールは、飽和若しくは不飽和のいずれであってもよい。
上記総炭素数8~24の第1級若しくは第2級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、ミリスチルアルコール等が挙げられる。
また、アルコール類に付加するアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられ、エチレンオキサイドを必須とするのが好ましい。アルキレンオキサイドの付加モル数は、アルコール類又はアルキルフェノール1モルに対し、好ましくは1~100モル、より好ましくは2~50モルである。上記範囲であると、特に脱離性に優れるため好ましい。
〔脂肪酸系ノニオン性界面活性剤〕
脂肪酸系ノニオン性界面活性剤としては、構造は特に制限されないが、例えば、総炭素数10~24の高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物や、前記した総炭素数が10~24の飽和若しくは不飽和の高級脂肪酸とグリセリンとのエステルからなる油脂、さらには、前記した油脂と2~10の多価アルコールとの混合物のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。上記総炭素数10~24の高級脂肪酸は、飽和若しくは不飽和のいずれであってもよい。
上記総炭素数10~24の高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等の飽和高級脂肪酸;パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、リシノール酸等の不飽和高級脂肪酸;が挙げられる。2~10価の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、ソルビタン、ショ糖等が挙げられる。アルキレンオキサイドの種類及び付加モル数は、上述する〔アルコール系ノニオン性界面活性剤〕の項の記載と同様である。
〔アミン系ノニオン性界面活性剤〕
アミン系ノニオン性界面活性剤としては、総炭素数8~36の飽和又は不飽和の第1級又は第2級アミンのAO付加物が挙げられる。アミンとしては、2-エチルヘキシルアミン、ジ2-エチルヘキシルアミン、ラウリルアミン、ジラウリルアミン、テトラデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、ジステアリルアミン、オレイルアミン、ジオレイルアミン等が挙げられる。また、AOの種類及び付加モル数は上記と同様である。
(アニオン性界面活性剤)
アニオン性界面活性剤として好ましくは非石鹸系であり、例えば、スルホン酸系アニオン性界面活性剤、硫酸エステル系アニオン性界面活性剤、カルボン酸系アニオン性界面活性剤、リン酸エステル系アニオン性界面活性剤が挙げられる。
〔スルホン酸系アニオン性界面活性剤〕
上記スルホン酸系アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、アルキルメチルタウリン、スルホコハク酸ジエステル、スルホン酸のアルキレンオキサイド付加物、及びこれらの塩が挙げられる。具体例としては、ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジニトロベンゼンスルホン酸、及びラウリルドデシルフェニルエーテルジスルホン酸等を用いることができる。
〔硫酸エステル系アニオン性界面活性剤〕
上記硫酸エステル系アニオン性界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル(アルキルエーテル硫酸エステル)、硫酸エステルのアルキレンオキサイド付加物、及びこれらの塩が挙げられる。具体例としては、ラウリル硫酸、ミリスチル硫酸、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸等を用いることができる。
〔カルボン酸系アニオン性界面活性剤〕
上記カルボン酸系アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルカルボン酸、アルキルベンゼンカルボン酸、カルボン酸のアルキレンオキサイド付加物、及びこれらの塩が挙げられる。具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、及びポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸等を用いることができる。
〔リン酸エステル系アニオン性界面活性剤〕
上記リン酸エステル系アニオン性界面活性剤としては、例えば、リン酸エステル(アルキルエーテルリン酸エステル)、リン酸エステルのアルキレンオキサイド付加物、及びこれらの塩が挙げられる。具体例としては、オクチルリン酸エステル、ラウリルリン酸エステル、トリデシルリン酸エステル、ミリスチルリン酸エステル、セチルリン酸エステル、ステアリルリン酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル等を用いることができる。
アニオン性界面活性剤は、炭素数2~24のアルキル基又は炭素数2~24のアルケニル基を有することが好ましく、より好ましくは、炭素数8~18のアルキル基を有するものである。当該アルキル基又は当該アルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
また、アニオン性界面活性剤がアルキレンオキサイド付加物である場合、該アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられ、エチレンオキサイドが好ましい。アルキレンオキサイドの付加モル数は、アルコール類又はアルキルフェノール1モルに対し、好ましくは1~12モル、より好ましくは1~8モルである。上記範囲であると、特に脱離性に優れるため好ましい。
上述するアニオン性界面活性剤を構成する塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩が挙げられる。これらの塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でもアニオン性界面活性剤として好ましくは、脱離性及び再付着性の観点から、スルホン酸塩タイプ、リン酸塩タイプであり、より好ましくは、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩等である。
(カチオン性界面活性剤)
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類が挙げられる。具体的にはステアリルアミンアセテート、トリメチルヤシアンモニウムクロリド、トリメチル牛脂アンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、メチルオレイルジエタノールクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、ラウリルピリジニウムクロリド、ラウリルピリジニウムブロマイド、ラウリルピリジニウムジサルフェート、セチルピリジニウムブロマイド、4-アルキルメルカプトピリジン、ポリ(ビニルピリジン)-ドデシルブロマイド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等を用いることができる。
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体が挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。脱離液中の界面活性剤の含有量は、脱離液の質量を基準として、好ましくは0.001~10質量%の範囲であり、より好ましくは0.005~7質量%の範囲であり、さらに好ましくは0.03~5質量%であり、なお好ましくは0.05~3質量%である。0.001質量%以上であると脱墨性に優れ、かつ脱離した印刷層成分のメジアン径を1μm以上に制御しやすいため好ましく、10質量%以下であると消泡性の観点で好ましい。
(脱離液の温度など)
細断物を浸漬する時の脱離液の温度は、好ましくは25~120℃、より好ましくは30~120℃、特に好ましくは30~80℃の範囲である。脱離液への浸漬時間は、好ましくは1分間~24時間、より好ましくは1分間~12時間、好ましくは1分間~6時間の範囲である。脱離液の使用量は、細断物の質量に対して、好ましくは5~10万倍量、より好ましくは10~1万倍の範囲であり、脱離効率を向上させるために、脱離液の撹拌又は循環等を行うことが好ましい。回転速度は、好ましくは80~5000rpm、より好ましくは80~4000rpmである。
脱離液として、前記工程(1)又は工程(4)で使用した水を、不純物を除去した後に、再利用してもよい。
[工程(3)]回収工程
工程(3)は、工程(2)で分離した樹脂基材を回収する工程であり、公知の回収方法から適宜選択することができる。上記回収方法としては、例えば、フィルター濾過を用いた方法が挙げられる。該方法は、カートリッジフィルター、ベルトフィルター、ドラムフィルター、ダイナフィルター、ロータリーフィルター、メッシュ、スクリーン、ドラムスクリーン、スラリースクリーナー、オートストレーナ、押出型遠心分離機、連続遠心分離機、及びろ過システムなどの、フィルターを含む任意の分離手段を含むものであり、フィルターで濾過しながら搬送可能なメッシュコンベアを用いてもよい。
工程(3)では、樹脂基材を回収する前に、積層体から分離したインキ及び接着剤などの樹脂基材層以外の成分を除去する工程を設けてもよい。上記インキ及び接着剤などの成分は、工程(2)におけるせん断力により微細化されるため、工程(1)で細断された細断物とのサイズの違いを利用し、フィルターのサイズを調整することで、樹脂基材に付着したインキや接着剤成分の微細片を除去しながら、樹脂基材を回収することができる。
樹脂基材を回収し、さらに、インキ及び接着剤などの樹脂基材層以外の成分を除去した後の脱離液は、工程(2)で再利用してもよい。
工程(3)は、樹脂基材の樹脂種を選別する工程(選別工程)を有していてもよい。選別工程としては、例えば、液体を用いた比重選別法、風力選別法、近赤外線選別法が挙げられ、生産性の観点から、好ましくは液体を用いた比重選別法である。
液体を用いた比重選別法において、例えば比重液に水を用いた場合、ポリエチレン、ポリプロピレン等の水より比重の軽い樹脂基材と、ポリエステル、ナイロン、セロファン等の水より比重の重い樹脂基材とを選別することができる。比重液は、有機溶剤、金属塩化合物の水溶液等を単独又は混合して配合し、比重を適宜調整してもよい。このような比重選別は複数回行うこともできる。
回収された樹脂基材は、必要に応じて脱水処理、乾燥処理等の処理を経て、再利用される。
<樹脂基材の再利用>
上述する分離回収方法により回収された樹脂基材は、溶融混練することで、成形用材料を製造することができる。
溶融混錬工程は、必要に応じて各種添加剤等を加え、ヘンシェルミキサーやタンブラー、ディスパー等で混合した後、ニーダー、ロールミル、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、シュギミキサー、バーティカルグラニュレーター、ハイスピードミキサー、ファーマトリックス、ボールミル、スチールミル、サンドミル、振動ミル、アトライター、バンバリーミキサーのような回分式混練機、二軸押出機、単軸押出機、ローター型二軸混練機等を用いて、混合や分散することを指す。これにより樹脂組成物である再生樹脂が得られる。再生樹脂の形状は、特に制限されず、ペレット状、粉体状、顆粒状、ビーズ状であってもよい。溶融混錬工程は、二軸押出機を用いるのが好ましい。
成形用材料は、さらにマスターバッチを含有してもよい。マスターバッチは、再生樹脂に対して相溶性を有するものであれば特に制限されず、一般的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂と着色剤とを混練したものを使用できる。マスターバッチに含まれる熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
マスターバッチは、本発明の効果を阻害しない範囲で、アルカリ金属やアルカリ土類金属又は亜鉛の金属石けん、ハイドロタルサイト、ノニオン系界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、帯電防止剤、ハロゲン系、リン系又は金属酸化物等の難燃剤、エチレンビスアルキルアマイド等の滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤を含有してもよい。
上述により得られる成形用材料を加熱成形することで、成形体を得ることができる。加熱成形方法は特に制限されず、例えば、射出成形、押出し成形、ブロー成形、圧縮成形が挙げられる。
本発明の分離回収方法により回収された樹脂基材を用いて製造された成形用材料は、細断物の断面が塞がれておらず脱離性に優れるため、付着成分が抑制され高品位であり、家電製品や文房具、自動車用のパーツ、おもちゃやスポーツ用品、医療用や建築・建設資材の材料等、様々な分野に用いることができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における「部」及び「%」は、特に注釈の無い場合、「質量部」及び「質量%」を表す。
<プライマー用樹脂の製造>
[合成例1](酸性基を有するポリウレタン樹脂P1)
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、PPA(プロピレングリコールとアジピン酸の重縮合物からなる、数平均分子量2,000のポリエステルポリオール)135.7部、PPG(ポリプロピレングリコールからなる、数平均分子量2,000のポリエーテルポリオール)13.6部、DMPA(2,2-ジメチロールプロパン酸)28.3部、IPDI(イソホロンジイソシアネート)105.7部、NPAC(酢酸ノルマルプロピル)200部を仕込み、90℃で5時間反応させて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。
次いで、AEA(2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール)を16.7部、IPA(イソプロピルアルコール)を350部混合したものを、室温で60分間かけて滴下した後、70℃で3時間反応させて、ポリウレタン樹脂溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液に、NPACを加えて固形分を調整し、固形分濃度30%、酸価39.3mgKOH/gの酸性基を有するポリウレタン樹脂P1の溶液を得た。
尚、酸価はJISK0070(1992)に記載の方法に従って測定した。
[製造例1-1](プライマー組成物AC1)
酸性基を有するポリウレタン樹脂P1溶液87部、EA(酢酸エチル)5部、IPA5部、シリカ粒子(水澤化学社製P-73:平均粒子径3.8μmの親水性シリカ粒子)3部をディスパーを用いて撹拌混合して、プライマー組成物AC1を得た。
<接着剤AD1>
<接着剤に用いるポリオールの製造>
[合成例2-1](ポリエステルポリオールA1)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール124部、ネオペンチルグリコール212部、1,6-ヘキサンジオール368部、イソフタル酸645部、アジピン酸36部、セバシン酸265部を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら250℃まで昇温し、エステル化反応を行った。所定量の水が留出し、酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHg以下で5時間脱グリコール反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。その後、イソホロンジイソシアネート35部を徐々に添加し、150℃で約2時間反応を行い、ポリエステルポリウレタンポリオールを得た。このポリエステルポリウレタンポリオール100部にエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートを12.0部添加し、180℃で約2時間反応させ、その後固形分濃度50%になるまで酢酸エチルで希釈することで、数平均分子量9,000、酸価30.3mgKOH/gの部分酸変性ポリエステルポリオールA1の溶液を得た。
[合成例2-2](ポリエステルポリオールA2)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール58部、ジエチレングリコール412部、ネオペンチルグリコール343部、イソフタル酸517部、アジピン酸393部を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら250℃まで昇温し、エステル化反応を行った。所定量の水が留出し、酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHg以下で5時間脱グリコール反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール100部に無水トリメリット酸を4.0部添加し、180℃で約2時間反応させ、その後固形分濃度50%になるまで酢酸エチルで希釈することで、数平均分子量2,000、酸価23.5mgKOH/gの部分酸変性ポリエステルポリオールA2の溶液を得た。
<ポリイソシアネートの調整>
[調製例1-2](ポリイソシアネートB1)
コロネート2785(ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるビウレット型ポリイソシアネート、東ソー社製)を酢酸エチルに希釈して、固形分濃度50%、NCO%=9.6%に調整し、ポリイソシアネートB1の溶液を得た。
<接着剤の製造>
[製造例1-3](接着剤AD1)
ポリエステルポリオールA1溶液を90部、ポリエステルポリオールA2溶液を10部、ポリイソシアネートB1溶液を8部配合し、EAを加えて固形分濃度30%の接着剤溶液を調整した。<積層体の製造>
以下に積層体の製造方法について説明する。なお、印刷インキおよびプライマー組成物は、各々、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、粘度が15秒(25℃、ザーンカップ#3(離合社製))になるように希釈してから使用した。
[製造例2-1](積層体L1)
OPP(コロナ処理延伸ポリプロピレンフィルム、厚み20μm)に対し、希釈したプライマー(AC1)、印刷インキ(INK1)を、それぞれ版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いてこの順で印刷し、50℃で乾燥して、OPP/AC1/INK1の構成である積層体L1を得た。
[製造例2-2](積層体L2)
OPP(コロナ処理延伸ポリプロピレンフィルム、厚み20μm)上に、ドライラミネート機を用いて接着剤AD1を乾燥後膜厚が約3μmになるように塗布・乾燥した後、CPP(無延伸ポリプロピレンフィルム 厚み50μm)と貼り合せて、OPP/INK1/AD1/CPPの構成である積層体L2を得た。
[製造例2-3~6](積層体L3~6)
基材および樹脂基材層以外の層を、表1に記載の内容に変更した以外は製造例2-1と同様の手法により、積層体L2-4を得た。また、製造例2-1と同様の手法により、AC1,INK1,INK2を印刷し、製造例2-2と同様の手法により、AD1、AD2を塗布・乾燥した、製造例積層体L2-3およびL2-5~6を得た。
使用した印刷インキ、接着剤および基材は以下の通りである。
INK1:東洋インキ製汎用ラミネート用インキ「LPバイオSX R39藍」
INK2:東洋インキ製汎用表刷り用インキ「PANNECO AM 39藍」
AD1:上記接着剤AD1
AD2:東洋モートン製エーテル系ドライラミネート用接着剤「TOMOFLEX TM-320/イソシアネート系硬化剤CAT-13B」
(配合比 TM-320:CAT-13B=100:75)である
OPP:コロナ処理延伸ポリプロピレンフィルム、厚み20μm
CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム 厚み50μm
防曇OPP:防曇処理延伸ポリプロピレンフィルム、厚み20μm
NY:延伸ナイロンフィルム、厚み15μm
VMCPP:アルミニウム蒸着無延伸ポリプロピレンフィルム、厚み25μm
Figure 0007318790000001
<積層体の破砕・フラフの作成>
[フラフ実施例3-1](フラフF1)
湿式破砕機として、日本シーム製 PFS-40型(カッターミル及び直径を任意に制御した円形状スクリーンを搭載した縦型細断装置)を用いて積層体の湿式破砕を行った。ホッパーから積層体L1を投入し、水流入口から水を流入させながら破砕工程を行った。破砕が進み、フラフサイズが一定以下になると、水とともに自重により細断部の下部に設けられたスクリーンを通過する。フラフの長辺は、使用するスクリーンの大きさによって調整することができ、直径15mmの円形スクリーンを使用することで、長辺の平均が10mmであるフラフ得た。
次いで、洗浄ろ過装置として、日本シーム製 SW―408型(円形状スクリーンを備える洗浄ろ過装置)を用いて積層体の洗浄ろ過を行った。直径3mmの円形スクリーンを使用することで長辺3mm以下のフラフを一定割合取り除き、長辺の平均サイズが10mm、3mm以下のフラフ重量が30%、長辺の標準偏差が10mmのサイズ分布を持つフラフF1を得た。
(滞留時間)
フィルムを破砕機に投入してから、破砕部スクリーンを通り抜けるまでの時間。
(フラフ投入量)
単位時間あたりに投入したフィルムの重量。
[フラフ実施例3-2~12、フラフ比較製造例3-14、3-16](フラフF2~12、F14、F16)
フラフ製造例3-1と同様の設備・方法で、表2に記載した積層体とスクリーンサイズ、滞留時間およびフラフ投入量に変更し、フラフF2~12、F14、F16を得た。
[フラフ実施例3-13](フラフF13)
積層体を5mmおよび35mmの大きさに切り出したものを、同じ枚数混合しフラフF13を得た。
[フラフ実施例3-15](フラフF15)
積層体を20mmの大きさに切り出し、フラフF15を得た。
Figure 0007318790000002
<脱離液の製造>
[製造例4-1](脱離液A1)
水97.5部、水酸化ナトリウム2部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(ポリオキシエチレン付加数:12)0.5重量%を配合し、ディスパーで撹拌して、脱離液A1を得た。
<積層体の分離回収>
[実施例1]
1000mLのステンレスビーカーに、脱離液A1を500g、積層体L1を50g入れ、70℃、2000rpmの条件で撹拌した。積層体の分離回収状態について、以下の評価を行った。
[実施例2~13、比較例1~3]
また、フラフを表3に記載の内容に変更した以外は、実施例1と同様の手法により、再生材の評価を行った。結果を表3に示す。
(再生フィルムの製造および再生樹脂着色評価)
攪拌開始から2時間後、脱離したOPP基材及びCPP基材を回収し、単軸押し出し機にて200℃で押し出し、ペレタイズ工程を経て、再生樹脂のペレットを得た。再生樹脂をTダイフィルム成形機にて200℃で押し出し、厚み50μmの再生フィルムを作製した。
再生フィルムの分光測色計(X-rite社製、X-rite eXact)で色彩値L*x、a*x、b*xを測定した。印刷前のOPP基材についても同様にペレタイズ工程を経て厚み50μmの再生フィルムを作成し、下記計算式にて色差ΔEを求めた。
(式)ΔE=((L*x-L*y)+(a*x-a*y)+(b*x-b*y)1/2
評価基準は以下の通りである。評価C以上が使用可能範囲である。
A(優):ΔEが3未満
B(良):ΔEが3以上、10未満
C(可):ΔEが10以上、20未満
D(不可):A~C以外
(再生樹脂物性評価)
上記で作成した再生フィルムの物性値として再生フィルムのメルトマスフローレイト(MFR)を測定した。印刷前のOPP基材およびCPP基材を1:1の重量比率で混ぜた混合フィルムについても、同様にペレタイズ工程を経て再生フィルムを作成し、MFRを測定した。
印刷前のOPP基材およびCPP基材の混合物のMFRを100%として、得られた再生フィルムのMFR上昇率を以下の基準で評価した。評価以上が使用可能範囲である。尚、MFRはJIS K-7210に準拠して測定した。
A(優):+50%未満
B(良):+50%以上100%未満
C(可):+100%以上200%未満
D(不可):+200%以上
Figure 0007318790000003
[実施例14]
積層体L7として、INK1/AC1/OPP/AD2/CPPの構成の積層体を、製造例2-1~2-2と同様に作成した。再生樹脂は、OPP、AD2、CPPを含むものであったが、再生樹脂着色評価は、A(優)であった。
比較例1および3は、フラフの平均サイズが10mm未満であり、3mmのふるいを通らないフラフの質量%も小さいため、再生樹脂の着色評価が不可であった。また、比較例2では、フラフを脱離液中で攪拌する工程で、フラフの嵩高さゆえに十分に脱離液に浸漬しなかったため、再生基材が顕著に着色し、物性も劣化する結果となった。
上記の評価結果より、本発明のフラフを用いることで、再生材の生産において機械物性を低下させず、一度に多くのフラフを処理可能なことが示された。

Claims (4)

  1. 少なくとも、樹脂基材層及び樹脂基材層以外の層を有する積層体を破砕し、前記積層体のフラフとする細断工程、
    前記フラフを脱離液に接触させて樹脂基材層以外の層を脱離する脱離工程、
    並びに、脱離した樹脂基材を回収する回収工程を含む樹脂基材の回収方法であって、
    前記細断工程が、カッターミルでの湿式破砕を含み、破砕後の前記フラフの平均サイズが、10mm以上であり、かつ、
    フラフのサイズ分布の標準偏差が、10mm以上であり、3mmのふるいを通らないフラフが、積層体全体の60重量%以上であるように裁断することを含む、樹脂基材の回収方法。
  2. 樹脂基材層が、オレフィン樹脂を含む請求項1記載の樹脂基材の回収方法。
  3. フラフの平均サイズが、10mm~30mmである、請求項1または2記載の樹脂基材の回収方法。
  4. フラフのサイズ分布の標準偏差が、10mm~20mmである、請求項3記載の樹脂基材の回収方法。
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