JP7301242B1 - 音響通信システム、音響通信システムのペアリング方法、及び、音響通信装置 - Google Patents

音響通信システム、音響通信システムのペアリング方法、及び、音響通信装置 Download PDF

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Abstract

音響通信システムは、第1の通信機(101)は、複数の第2の通信機(102)に接続要請を行う第1の音響信号を生成する接続要請信号生成部(208)と、第2の通信機(102)に通信パラメータ情報を通知する第2の音響信号を生成する通信パラメータ通知信号生成部(209)と、第1の音響信号に対して少なくとも1つの第2の通信機(102)から送信された応答信号を、入力した音響信号を変換処理する第1の音声入力手段を介して検出する応答信号検出部(205)と、応答信号検出部(205)が検出した少なくとも1つの応答信号に基づいて接続先の第2の通信機(102)を決定し接続先の第2の通信機(102)を特定する接続先情報を生成する接続先決定部(206)と、接続先情報によって特定される接続先の第2の通信機(102)とのデータ通信に用いる通信パラメータ情報を決定する通信パラメータ決定部(207)とを備え、通信パラメータ通知信号生成部(209)は、接続先情報で特定される第2の通信機(102)に対応した拡散符号を用いて第2の音響信号を生成し、第2の通信機(102)は、第1の通信機(101)より入力した音響信号を第2の音声入力手段で変換処理した信号に対して拡散符号を用いて第1の通信機(101)とのペアリングが成立したか否かを判断し、ペアリングが成立したと判断した場合には、第1の通信機(101)より入力した第2の音響信号に含まれる通信パラメータ情報を取得するペアリング成立判断部とを備える。

Description

本開示は、音響通信システム、音響通信システムのペアリング方法、及び、音響通信装置に関するものである。
ポイントツーポイント通信での通信システムの立ち上げ処理として、通信相手の選定及び接続を実施するペアリング処理が行われる。特に、アドホックネットワークを前提とするポイントツーポイント通信においてはこのペアリング処理が必須となる。
ペアリング方法としては近距離通信(NFC)を用いたものが主流であるが、使用端末や周囲環境の制約によりNFCを用いない場合のペアリング方法として、超音波を用いた方法が検討されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
特表2017―502554 特開2011―199381
先行技術文献に開示された技術では、ペアリング処理においては超音波を用いているが、データ通信時には電波の汎用規格を用いるような通信システムを前提としている。ここで、先行技術文献に開示された技術を、周波数特性に優れない市販の音響機器を活用した音響通信システムの立ち上げ処理として使用する場合、音響機器固有の周波数歪みに起因する通信システムの信頼性の低下を防ぐために接続先の選定に加えて使用機器の特性等を考慮した通信パラメータの設定が必要となることから、先行技術文献に開示された技術はこのような音響通信システムの立ち上げ処理としては十分な機能を有していない。
本開示は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、市販の音響機器を用いることを想定した音響通信システムにおいて、高信頼かつ伝送速度の速いポイントツーポイントの通信システムを構築するために好適な立ち上げ処理を提供することを目的としている。
本開示の音響通信システムは、第1の通信機及び第2の通信機が音響信号によって通信を行う音響通信システムであって、第1の通信機は、複数の第2の通信機に接続要請を行う第1の音響信号を生成する接続要請信号生成部と、第2の通信機に通信パラメータ情報を通知する第2の音響信号を生成する通信パラメータ通知信号生成部と、第1の音響信号に対して複数の第2の通信機の少なくとも1つから送信された応答信号を、入力した音響信号を変換処理する第1の音声入力手段を介して検出する応答信号検出部と、応答信号検出部が検出した応答信号の少なくとも1つに基づいて接続先の第2の通信機を決定し接続先の第2の通信機を特定する接続先情報を生成する接続先決定部と、接続先情報によって特定される接続先の第2の通信機とのデータ通信に用いる通信パラメータ情報を決定する通信パラメータ決定部とを備え、通信パラメータ通知信号生成部は、接続先情報で特定される第2の通信機に対応した拡散符号を用いて第2の音響信号を生成し、第2の通信機は、第1の通信機より入力した音響信号を第2の音声入力手段で変換処理した信号に対して拡散符号を用いて第1の通信機とのペアリングが成立したか否かを判断し、ペアリングが成立したと判断した場合には、第1の通信機より入力した第2の音響信号に含まれる通信パラメータ情報を取得するペアリング成立判断部とを備えることを特徴とする。
また、本開示の音響通信システムのペアリング方法は、第1の通信機が複数の第2の通信機から接続先を選定し、音響信号によって通信を行う音響通信システムのペアリング方法であって、第1の通信機が、接続先の候補となりうる第2の通信機との接続要請のために送信した第1の音響信号に対する複数の第2の通信機の少なくともいずれかの応答信号を検出する応答信号検出ステップと、第1の通信機が、応答信号検出ステップで検出された応答信号に基づいて接続先の第2の通信機を決定し、接続先の第2の通信機を特定する接続先情報を生成する接続先決定ステップと、第1の通信機が、接続先決定ステップで生成された接続先情報によって特定される接続先の第2の通信機とのデータ通信に用いる通信パラメータ情報を決定する通信パラメータ決定ステップと、第1の通信機が、接続先決定ステップで生成された接続先情報で特定される第2の通信機に対応した拡散符号を用いて通信パラメータ情報を通知するための第2の音響信号を生成して送信する通信パラメータ通知信号送信ステップと、第2の通信機が、拡散符号を用いて第1の通信機とのペアリング成立判断可否を判断し、ペアリングが成立したと判断した場合には、第1の通信機より入力した第2の音響信号に含まれる通信パラメータ情報を取得するペアリング成立判断判断ステップとを有する。
また、本開示の音響通信装置は、音響信号によって他の通信装置と通信を行う音響通信装置であって、複数の他の通信装置に接続要請を行う第1の音響信号を生成する接続要請信号生成部と、他の通信装置に通信パラメータ情報を通知する第2の音響信号を生成する通信パラメータ通知信号生成部と、第1の音響信号に対して他の通信装置の少なくとも1つから送信された応答信号を、入力した音響信号を変換処理する音声入力手段を介して検出する応答信号検出部と、応答信号検出部が検出した応答信号の少なくとも1つに基づいて接続先の他の通信装置を決定し接続先の他の通信装置を特定する接続先情報を生成する接続先決定部と、接続先情報によって特定される接続先の他の通信装置とのデータ通信に用いる通信パラメータ情報を決定する通信パラメータ決定部とを備え、通信パラメータ通知信号生成部は、接続先情報で特定される他の通信装置に対応した拡散符号を用いて第2の音響信号を生成することを特徴とする。
本開示によれば、音響通信システムの立ち上げ時に音響機器の周波数特性を考慮して通信パラメータの設定を行うことで、その後のデータ通信において高信頼かつ伝送速度の速いポイントツーポイント通信を実施することが可能となる。
実施の形態1に係る音響通信システムの構成例を示すシステム構成図である。 第1の通信機の機能ブロックの構成例を示すブロック構成図を示す。 接続先となる第2の通信機を特定する過程を説明するための模式図である。 周波数特性に基づいて通信パラメータを決定する過程を説明するための模式図である。 第2の通信機の機能ブロックの構成例を示すブロック構成図である。 通信システムの立ち上げ処理を説明するためのフローチャート図である。 実施の形態2に係る第1の通信機の機能ブロックの構成例を示すブロック構成図である。 通信システムの立ち上げ処理を説明するためのフローチャート図である。 実施の形態3に係る第1の通信機の機能ブロックの構成例を示すブロック構成図である。 通信システムの立ち上げ処理を説明するためのフローチャート図である。 実施の形態4に係る第1の通信機の機能ブロックの構成例を示すブロック構成図である。 通信システムの立ち上げ処理を説明するためのフローチャート図である。 実施の形態5に係る第1の通信機の機能ブロックの構成例を示すブロック構成図である。 通信システムの立ち上げ処理を説明するためのフローチャート図である。 各実施の形態に係る第1の通信機及び第2の通信機の機能を実現するための専用のハードウェアを示す図である。 各実施の形態に係る第1の通信機及び第2の通信機の機能を実現するための制御回路の構成を示す図である。
以下、本開示に係る種々の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1.
本実施の形態では、音響通信システムを実現可能な音響通信システムの構成、及び音響通信システムの立ち上げ処理について説明する。
図1は、実施の形態1に係る音響通信システムの構成例を示すシステム構成図である。
音響通信システムは、1台の第1の通信機101と、1又は複数の第2の通信機102より構成される。第1の通信機101及び第2の通信機102は音響信号によって通信を行う音響通信装置ともいえる。
実施の形態1では、移動可能なスマート端末を第1の通信機101とし、屋内外に施設されるインフラ設備用途又は工場設備用途として設置される種々の装置を第2の通信機102とする音響通信システムを例に、第1の通信機101が複数ある第2の通信機102のうちの一台とペアリングした上で第2の通信機102に関する装置データを音響信号103として取得することを想定する。
図2は、第1の通信機101の機能ブロックの構成例を示すブロック構成図を示す。第1の通信機101は、音声入力部201、切替部202及び210、データ信号復調部203、相関情報算出部204、応答用スペクトル拡散信号検出部205、接続先決定部206、通信パラメータ決定部207、接続要請用スペクトル拡散信号生成部208、通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号生成部209、並びに、音声出力部211を含む。
図2(a)は、第1の通信機101の全体の構成例を示し、図2(b)は、音声入力部201、相関情報算出部204、及び、応答用スペクトル拡散信号検出部205の構成例を示す。
音声入力部201は、外部からの音響信号103をデジタル信号107に変換して出力する。音声入力部201を第1の音声入力手段又は音声入力手段ともいう。
切替部202は、音声入力部201から出力されたデジタル信号107をデータ信号復調部203、又は応答用スペクトル拡散信号検出部205に引き渡す。切替部202を第2の切替部202ともいう。
データ信号復調部203は、切替部202から引き渡された信号107に対して、復調処理を実施する。データ信号復調部203を信号復調部203ともいう。復調処理は、受信した音響信号の周波数特性を用いて行われる。周波数特性については後述する。
相関情報算出部204は、切替部202から引き渡された信号107(つまり、音声入力部201から出力されたデジタル信号107)に対して、接続先の候補となりうる第2の通信機102のそれぞれに対応して設定されたそれぞれの拡散符号を用いて相関値及び相関電力をそれぞれ算出する。拡散符号については後述する。
ここで、相関値について説明する。
図1に示す、第2の通信機102aは拡散符号105aによって拡散信号106aを送信し、第2の通信機102bは拡散符号105bによって拡散信号106bを送信するものとする。
本開示の音響通信システムでは、複数の第2の通信機102の各々から第1の通信機101に拡散信号を送信する際、送信機となる複数の第2の通信機102の各々は信号長Nの系列を繰り返し送信する。ここで、Nは自然数であって、例えば、N≧2047の値とする。第2の通信機102が送信する信号長Nの系列を拡散符号といい、任意のデータを拡散符号によって拡散した信号を拡散信号という。拡散信号は、元のデータを拡散符号にて拡張したものである。拡張とは、元のデータの1シンボルに対して該当シンボルと拡散符号とを乗算することによって、元のデータのシンボル長を拡散符号の信号数倍とすることである。
ここでは、拡散符号を“-1”と“+1”からなる信号とし、送信データを“+1”の繰り返しとする。この場合、拡散後の拡散信号a,bはそれぞれ拡散符号a,bの繰り返し信号となる。
第2の通信機102ごとに送信される拡散信号と第2の通信機102ごとの拡散符号との相関値を算出することで、拡散信号と拡散符号の2つの信号系列の類似度を時系列で測ることができる。
例えば、信号長が任意の信号系列s1と、信号長がNの信号系列s2との、時刻τにおける相関値(τ)は、式(1)によって算出することができる。ここで、式(1)のアスタリスクは複素共役を表す。
Figure 0007301242000001
…式(1)
相関情報算出部204は、式(1)を用いて、各々の第2の通信機102からの受信信号(つまり、拡散信号)を信号系列s1とし、各々の第2の通信機102と紐づく拡散符号を信号系列s2として、第2の通信機102ごとに相関値を算出する。
図3は、接続先となる第2の通信機102を特定する過程を説明するための模式図である。相関情報算出部204は、接続先の候補となる第2の通信機102を検出する処理を行う。
ここで、通信システムにおいて信号処理を行うとき、上述の相関値は複素数となる。つまり、理論上は生成された拡散信号と拡散符号との相関値は実数となり大小を判定することができるが、一方で、通信システムで実際に受信する拡散信号には雑音が付与されているため、相関値は実数と虚数を合わせたものとなる。そのため、相関値の大小を判定するには相関電力(実数)を算出する必要がある。そこで、相関情報算出部204は、第2の通信機102ごとに算出した相関値を用いて、第2の通信機102ごとの相関電力を算出する。
時刻τにおける相関電力(τ)は、式(2)によって算出することができる。ここで、式(2)のアスタリスクは複素共役を表す。
Figure 0007301242000002
…式(2)
第2の通信機102ごとに得られる相関電力は、拡散信号の生成に用いる拡散符号と検出に用いる拡散符号とが一致している場合には、拡散信号の周期(信号長Nの繰り返し)の先頭となるタイミングで値が最大となり(このときの値をピーク電力という)、その他のタイミングではピーク電力よりも小さな値となる。つまり、各々の第2の通信機102と紐づく拡散符号と受信した拡散信号との相関電力をそれぞれ算出した上で相関電力の系列におけるピーク電力を観測し、ピーク電力が所定の閾値を超えるかどうかを計測することで、各々の第2の通信機102における拡散信号と拡散符号の2つの信号系列の類似度を判定することができる。
このようにして、相関情報算出部204は、ピーク電力が所定の閾値を超える相関電力と対応する拡散符号に紐づいた第2の通信機102を接続先の候補として検出することができる。
そして、接続先決定部206は、接続先となる第2の通信機102の特定を行う。各々の第2の通信機102が同じタイミングで拡散信号を送信したときの、各々の相関電力の系列でのピーク電力となるタイミングを比較することによって、第1の通信機101の近くに位置する第2の通信機102を特定することができる。
図3(a)は、第2の通信機102aから受信した拡散信号106aと拡散符号105aとの相関電力Co_Powの変化を時系列τで示している。τ1(p)は、第2の通信機102aの相関電力について、基準となるタイミングTim(c)からピーク電力となるタイミングTim1(p1)までに経過した時間である。
また、図3(b)は、第2の通信機102bから受信した拡散信号106bと拡散符号105bとの相関電力Co_Powの変化を時系列τで示している。τ2(p)は、第2の通信機102bの相関電力について、基準となるタイミングTim(c)からピーク電力となるタイミングTim2(p1)までに経過した時間である。
時間τ1と時間τ2を比較することによって、第1の通信機101の近くに位置するのは第2の通信機102aと特定することができる。
さらに、第2の通信機102aの相関電力について、基準となるタイミングTim(c)から次のピーク電力となるタイミングTim1(p2)までに経過した時間をτ1(s)とし、第2の通信機102bの相関電力について、基準となるタイミングTim(c)から次のピーク電力となるタイミングTim2(p2)までに経過した時間をτ2(s)として測定して精度を高めてもよい。
このように、相関値及び相関電力を算出することによって、複数ある第2の通信機102から送信された拡散信号が、第1の通信機101に到来するタイミングを判定することができる。
応答用スペクトル拡散信号検出部205は、相関情報算出部204が扱う情報を用いることで、接続要請を行うために第1の通信機101が送信した信号に対して第2の通信機102が応答するために送信した応答信号の受信を検出したと判断したり、どの第2の通信機102の応答信号を検出したのかを判断したりすることができる。この接続要請を行うための音響信号104を第1の音響信号ともいう。
また、応答用スペクトル拡散信号検出部205は、ピーク電力が所定の閾値を超える相関電力の算出元となる各相関値について、対応する第2の通信機102を特定する装置情報(つまり、第2の通信機102に固有な情報)と相関値とを紐付ける情報を含む相関値情報212、及び、当該装置情報と相関電力とを紐付ける情報を含む相関電力情報213を生成する。そして、応答用スペクトル拡散信号検出部205は、相関電力情報213を接続先決定部206に引き渡し、相関値情報212を通信パラメータ決定部207に引き渡す。応答用スペクトル拡散信号検出部205を応答信号検出部205ともいう。
接続先決定部206は、相関電力情報213をもとに第2の通信機102ごとにピーク電力のタイミングを測定して、最もタイミングが早いものを一つ決定し、接続先となる第2の通信機102を特定する情報を含む接続先情報214を通信パラメータ決定部207及び通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号生成部209に引き渡す。
図3によれば、第2の通信機102bよりも第2の通信機102aのほうがピーク電力となるタイミングが早いため、第1の通信機101との距離が近い第2の通信機102aを接続先に選ぶことが可能となる。つまり、第1の通信機101が複数の第2の通信機102から拡散信号を受信した際に、いずれの第2の通信機102の信号が早く到来したかを判定することが可能となる。
通信パラメータ決定部207は、相関値情報212の相関値から算出した音響信号の周波数特性をもとに、接続先情報214によって指定された接続先の第2の通信機102とのデータ通信に望ましい通信帯域を選定し、通信帯域及び変調多値数を含む通信パラメータ情報215を通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号生成部209に引き渡す。通信パラメータ情報215を第1の通信パラメータ情報215ともいう。
続いて、周波数特性について説明する。
一般に通信システムでは、通信する機器及び伝送路の周波数特性が、使用する周波数帯において平坦であることが求められ、信号電力が大きく落ちたり歪んだりしている帯域は回避して信号伝送することが望ましい。ここで、周波数特性は周波数系列での信号成分を指す。周波数系列での信号成分は一般に複素数として算出されるものであり、電力として表現することもある。
図4は、周波数特性に基づいて通信パラメータを決定する過程を説明するための模式図である。図4(a)は、第2の通信機102から受信した拡散信号によって得られた時系列での相関値Co_Valを模式的に示している。また、図4(b)は、図4(a)に示す時系列での相関値Co_Valのうち破線枠で囲った部分に対してフーリエ変換(より具体的には離散フーリエ変換)をかけることによって、受信した信号の周波数特性(言い換えるとパワースペクトル)を周波数系列での信号成分として表した様子を模式的に示している。図4(b)の信号成分は厳密には複素数として算出されるものであり、電力値P_Valとして表すことができる。
具体的には、通信パラメータ決定部207は、応答用スペクトル拡散信号検出部205から入力された相関値情報212に含まれる相関値に対してフーリエ変換をかけることによって周波数特性を算出する。
図4(b)によれば、周波数系列のうち、周波数帯f_avl1と周波数帯f_avl2の帯域では周波数特性に大きな歪みはみられず、周波数帯f_Navlの帯域では周波数特性に大きな歪みがみられることが明らかになる。したがって、通信に望ましい帯域として周波数帯f_avl1と周波数帯f_avl2を候補とすることができ、これにより通信帯域(つまり、通信時に利用する周波数帯域)を選定することができる。
周波数帯域の選定では、例えば、ウィナーヒンチンの定理を利用することができる。つまり、ある信号の自己相関をフーリエ変換した波形は、その信号の周波数特性(パワースペクトル)に相当することとなる。
より詳細には、拡散信号と拡散符号の相関値は理想的には自己相関値と考えることができる。また、鋭い自己相関特性を持つPN系列を拡散符号に利用することで、PN系列は周波数特性が平坦に近いという特徴を持つため、相関値をフーリエ変換した結果は本来平坦となる。ここで、自己相関特性とは、自身の信号同士で相関値を取得した結果であり、また、自己相関特性が鋭いとは、タイミングをずらした時刻における相関値が小さく、タイミングが同時のときにピーク値となることをいう。しかし、実際には拡散信号は機器特性や伝搬路の影響を受けて歪むため、相関値をフーリエ変換した結果にも歪が反映される。このように、本来平坦であるはずの特性に歪が反映されるため、相関値をフーリエ変換した結果をもとにして機器特性や伝搬路の影響による周波数歪を判断することが可能となる。
第1の通信機101は、このようにして算出された周波数特性の情報を用いることによって、複数の第2の通信機102から受信した信号が音響機器の特性又は伝搬路の特性の影響を受けてどの周波数帯に歪みがあるかを知ることができる。
接続要請用スペクトル拡散信号生成部208は、接続要請を行う第1の音響信号として、接続要請のために設定された拡散符号を用いてスペクトル拡散信号を生成する。接続要請用スペクトル拡散信号生成部208を接続要請信号生成部208ともいう。
この接続要請用の拡散符号は、通信システムに含まれる全ての通信機(つまり、第1の通信機101及び複数の第2の通信機102)が共有する符号である。
通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号生成部209は、接続先情報214に対応する第2の通信機102用に設定された拡散符号を用いて通信パラメータ情報215を含む信号を拡散し、スペクトル拡散信号を生成する。通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号生成部209を通信パラメータ通知信号生成部209ともいう。また、スペクトル拡散信号を第2の音響信号、又は、通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号ともいう。
この通信パラメータ通知用の拡散符号は、第1の通信機101が複数の第2の通信機102ごとに共有する符号である。つまり、第1の通信機101は、通信の対象となる第2の通信機102の数だけ通信パラメータ通知用の拡散符号を保持している。
図1では、第1の通信機101は、第2の通信機102a及び102bから到来した受信信号に対して、第2の通信機102aと共有している拡散符号105a及び第2の通信機102bと共有している拡散符号105bを用いて各々の相関値及び相関電力を算出することによって、第2の通信機102a又は102bのいずれの信号を受信したのかを判断する。そして、第1の通信機101は、通信パラメータ情報215を含む信号を拡散するために、接続先とする第2の通信機102と共有する拡散符号を使用する。これにより、接続先となる第2の通信機102は、第1の通信機101からの通信パラメータ通知用のスペクトル拡散信号が自装置に宛てた信号であると判定することができる。
切替部210は、接続要請用スペクトル拡散信号生成部208から出力された信号又は通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号生成部209から出力された信号のいずれかに切り替えて音声出力部211に引き渡す。切替部210を第1の切替部210ともいう。
音声出力部211は、切替部210から引き渡された信号を音響信号104として外部出力する。
本開示の例では、第1の通信機101は、通信システムの立ち上げにおいてはデータを送受信する送受信機として機能し、装置データの送受においてはデータを受信する受信機として機能する。
図5は、第2の通信機102の機能ブロックの構成例を示すブロック構成図である。第2の通信機102は、音声入力部501、切替部502及び505、接続要請用スペクトル拡散信号検出部503、応答用スペクトル拡散信号生成部504、音声出力部506、ペアリング成立判断判断部507、並びに、データ信号生成部508を含む。
音声入力部501は、外部からの音響信号104をデジタル信号108に変換して出力する。なお、音声入力部501を第2の音声入力手段ともいう。
切替部502は、音声入力部501から出力されたデジタル信号108を接続要請用スペクトル拡散信号検出部503、又はペアリング成立判断判断部507に引き渡す。切替部502を第3の切替部502ともいう。
接続要請用スペクトル拡散信号検出部503は、切替部502から引き渡された信号108に対して接続要請のために設定された拡散符号によって相関値を取得し、さらに相関電力を算出して所定の閾値を超えるかどうかを判定することによって、接続要請用スペクトル拡散信号の受信を検知する。接続要請用スペクトル拡散信号検出部503を接続要請信号検出部503ともいう。
応答用スペクトル拡散信号生成部504は、接続要請用スペクトル拡散信号検出部503が接続要請用スペクトル拡散信号を検出した場合に、第2の通信機102のために設定された拡散符号を用いてスペクトル拡散信号を生成する。応答用スペクトル拡散信号生成部504を応答信号生成部504ともいう。
切替部505は、応答用スペクトル拡散信号生成部504からの信号、又は、データ信号生成部508からの信号の内どちらかを音声出力部506に引き渡す。切替部505を第4の切替部505ともいう。
音声出力部506は、切替部505から引き渡された信号を音響信号103として外部出力する。
ペアリング成立判断判断部507は、切替部502から引き渡された信号108に対して第2の通信機102用に設定された拡散符号によって相関値を取得し、さらに相関電力を算出して所定の閾値を超えるかどうかを判定することによって、第1の通信機101とのペアリングが成立したか否かを判断し、ペアリング成立判断時には切替部502から引き渡された信号108に対して復調処理を実施し、復調信号に含まれる通信パラメータ情報509をデータ信号生成部508に引き渡す。通信パラメータ情報509を第2の通信パラメータ情報509ともいう。
データ信号生成部508は、通信パラメータ情報509に基づいてデータ信号を生成する。
本開示の例では、第2の通信機102は、通信システムの立ち上げにおいてはデータを送受信する送受信機として機能し、装置データの送受においてはデータを送信する送信機として機能する。
図6は、通信システムの立ち上げ処理を説明するためのフローチャート図である。
実施の形態1に開示する音響通信システムには、通信システムの運用モードとして、接続先の選定及び通信パラメータの設定を実施するペアリングモードと、第2の通信機102から第1の通信機101へのデータ伝送を実施するデータ通信モードとが存在し、通信システムの立ち上げ処理において第1の通信機101と第2の通信機102はペアリングモードとなっている。
接続要請用スペクトル拡散信号送信ステップ601では、第1の通信機101は、第1の通信機101が第2の通信機102に対して接続要請の信号(つまり、第1の音響信号)を送信する。より詳細には、第1の通信機101は、切替部210の接続先を接続要請用スペクトル拡散信号生成部208からの出力とした上で、接続要請用に設定された拡散符号を用いて生成したスペクトル拡散信号を、音声出力部211を通して外部に音響信号104として出力する。このとき、第1の通信機101が送信する接続要請の信号は“+1”の繰り返しでよい。接続要請用スペクトル拡散信号送信ステップ601を接続要請信号送信ステップ601ともいう。
接続要請用スペクトル拡散信号検出ステップ602では、第2の通信機102は、接続要請用スペクトル拡散信号送信ステップ601での接続要請の信号を受信する(つまり、第1の音響信号を検出する)。より詳細には、第2の通信機102は、切り替え部502の接続先を接続要請用スペクトル拡散信号検出部503とした上で、音声入力部501に入力された音響信号104に対して接続要請のために設定された拡散符号によって相関値を取得し、相関情報算出ステップ604と同様にして相関電力を算出する。そして、相関電力が所定の閾値を超える場合(つまり、接続要請用スペクトル拡散信号検出ステップ602で“YES”の場合)に第1の通信機101からの接続要請を受信したとして応答用スペクトル拡散信号送信ステップ603に移行する。なお、接続要請用スペクトル拡散信号を検出するまで(つまり、接続要請用スペクトル拡散信号検出ステップ602で“NO”の場合)、第2の通信機102は接続要請用スペクトル拡散信号検出ステップ602を繰り返す。接続要請用スペクトル拡散信号検出ステップ602を接続要請信号検出ステップ602ともいう。
応答用スペクトル拡散信号送信ステップ603では、第2の通信機102は、第1の通信機101に対して接続要請の信号を受信したことを通知する応答信号を送信する。より詳細には、第2の通信機102は、切替部505の接続先を応答用スペクトル拡散信号生成部504からの出力とした上で、第2の通信機102用に設定された拡散符号を用いて生成したスペクトル拡散信号を、音声出力部506を通して外部に音響信号103として出力する。応答用スペクトル拡散信号送信ステップ603を応答信号送信ステップ603ともいう。
ここで、図1に示したとおり、第2の通信機102は複数存在する可能性があり、第2の通信機102a,102b,・・・,第2の通信機102iのそれぞれと対応して設定される拡散符号はそれぞれ異なる系列となる。そのため、第1の通信機101は接続先の候補となる第2の通信機102の数だけ異なる拡散符号を保持することとなる。
また、相関情報算出ステップ604では、第1の通信機101は、切替部202の接続先を応答用スペクトル拡散信号検出部205とした上で、音声入力部201で音響信号103を入力して変換処理を行い、相関情報算出部204において接続先の候補となりうる第2の通信機102のために設定されたそれぞれの拡散符号を用いて、相関値をそれぞれ算出する。ここで、第1の通信機101は、接続先の候補となりうる全ての第2の通信機102の拡散符号を既知であることとする。さらに、相関情報算出部204は、算出した相関値を用いて相関電力を算出する。
また、応答用スペクトル拡散信号検出ステップ605では、第1の通信機101は、相関情報算出ステップ604で算出された相関電力のピーク電力が所定の閾値を超える場合(つまり、応答用スペクトル拡散信号検出ステップ605で“YES”の場合)に、当該相関電力の算出に用いた拡散符号と対応する第2の通信機102からの応答信号を受信した(つまり、応答信号を検出した)と判断する。その後、接続先決定ステップ606に移行する。さらに、応答用スペクトル拡散信号検出部205は、相関情報算出ステップ604で算出された相関値の情報を含む相関値情報212と、相関電力の情報を含む相関電力情報213とを生成する。応答用スペクトル拡散信号検出ステップ605を応答信号検出ステップ605ともいう。
なお、全ての相関電力がピーク電力を下回った場合(つまり、応答用スペクトル拡散信号検出ステップ605で“NO”の場合)、第1の通信機101は応答用スペクトル拡散信号の受信に失敗したとして、一定時間後に接続要請用スペクトル拡散信号送信ステップ601に戻る。
次に、接続先決定ステップ606では、第1の通信機101は、応答用スペクトル拡散信号検出ステップ605において検出した、1又は複数の第2の通信機102の情報をもとに、接続先とする第2の通信機102を一つ選定する。このとき、第1の通信機101は、応答用スペクトル拡散信号検出ステップ605で生成された、1又は複数の相関電力情報213をもとに、接続先とする第2の通信機102を一つ選定する。
ここで、接続先決定ステップ606において接続先の第2の通信機102を選定する基準としては、例えば、第1の通信機101と第2の通信機102の各々との距離があげられる。相関電力情報213において相関電力がピークとなるタイミングを比較し、ピークとなるタイミングが最も早い相関電力に対応する第2の通信機102を選定することで、第1の通信機101は最も近くに存在する第2の通信機102を接続先とすることができる。
次に、通信パラメータ決定ステップ607では、第1の通信機101の通信パラメータ決定部207は、相関値情報212に含まれる相関値に対してフーリエ変換などの演算処理を行うことで算出した周波数特性をもとに、接続先決定ステップ606において接続先とした第2の通信機102とのデータ通信における通信パラメータを含む通信パラメータ情報215を決定する。通信パラメータのうち通信に望ましい周波数帯の選定においては、例えば、データ伝送時のサブキャリア幅又は一定の周波数幅でスペクトルを区切り、その周波数幅における平均電力を所定の値と比較する方法が考えられる。
なお、通信パラメータ決定ステップ607で決定する通信パラメータ情報215は、データ通信における通信帯域及び変調多値数の通信パラメータを含むこととし、第1の通信機101と第2の通信機102との間で予めパラメータセットが共有されていることを前提とする。
また、通信帯域と変調多値数の関係については、例えば、通信帯域を使用可能帯域の1/2とする場合には変調多値数を2倍とするなど、通信帯域に応じて変調多値数を変動させることでデータ伝送における通信速度を高速に保つことができる。
次に、通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号送信ステップ608では、第1の通信機101は、切替部210の接続先を通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号生成部209からの出力とした上で、接続先情報214に対応する第2の通信機102のために設定された拡散符号を用いて通信パラメータ情報215を含む信号を拡散することで生成したスペクトル拡散信号を、音声出力部211を通して外部に音響信号104として出力する。このとき出力される信号は、“+1”の繰り返しではなく、送信データとして通信パラメータを含むものとなる。通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号送信ステップ608を通信パラメータ通知信号送信ステップ608ともいう。
なお、第1の通信機101は、通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号送信ステップ608を終了した後に、切替部202の接続先をデータ信号復調部203として、データ通信モードへと移行する。
次に、ペアリング成立判断判断ステップ609では、第2の通信機102は、切替部502の接続先をペアリング成立判断判断部507とした上で、音声入力部501に入力された音響信号104に対して第2の通信機102のために設定された拡散符号によって相関値を取得し、相関情報算出ステップ604と同様にして相関電力を算出する。そして、相関電力が所定の閾値を超える場合(つまり、ペアリング成立判断判断ステップ609で“YES”の場合)に第1の通信機101とのペアリングが成立したとして、通信パラメータ設定ステップ610に移行する。
なお、ペアリング不成立の場合(つまり、ペアリング成立判断判断ステップ609で“NO”の場合)、第2の通信機102は接続要請用スペクトル拡散信号検出ステップ602に戻ることとする。
最後に、通信パラメータ設定ステップ610において、第2の通信機102は、ペアリング成立判断判断ステップ609で音声入力部501に入力された音響信号104を復調することで通信パラメータ情報509を取り出し、データ通信モードにおいて第1の通信機101に送信するデータ信号を生成する際の通信パラメータとして自装置に設定する。その後、第2の通信機102もデータ通信モードへと移行する。
このように、図6のフローチャートに示す処理を実施することで、第1の通信機101は接続先とする第2の通信機102とペアリングすることが可能であり、同時に、データ通信モードにおいて望ましい通信パラメータを選定し、第2の通信機102に通知することができる。
以上説明したように、本開示の音響通信システムの特徴は、ペアリングモードにおける通信方式として周波数歪みへの耐性が高いスペクトル拡散信号を用いた上で、スペクトル拡散信号の、広帯域に亘りフラットに近い周波数特性を有するという特徴を活用しながら、第1の通信機101が接続先となる第2の通信機102の選定のために送受した音響信号の周波数特性を観測することでデータ通信に望ましい通信パラメータを決定し、さらに第1の通信機101が第2の通信機102にペアリングの応答を返す際に同時に通信パラメータ情報509も通知するという処理にある。
一般に、極めて低い伝送レートにおいて、周波数歪の影響を低減しつつ信頼性の高い情報を伝送できるスペクトル拡散方式は、両通信機の周波数特性が不明であるペアリングモードに好適であるが、取り扱い可能なサンプリング周波数の低い音響通信においてはスペクトル拡散信号の伝送には数秒単位の時間を要する。それゆえ、音響通信システムにおいて先行技術のように接続先選定のみを実施するような立ち上げ処理に加えて、別途通信パラメータの選定処理を実施することは立ち上げ時間の増大を引き起こす。
そこで、図6に示すフローチャートのように、接続先の選定処理と通信パラメータの設定選定処理を同時に実施することで、ペアリングモードにおける信頼性を担保しながらも、従来のように各処理を個別に実施した場合と比較して通信システムの立ち上げを従来よりも短い時間で実施することができる。ここで、2つの処理を「同時に実施する」とは、各処理を厳密に同じタイミングで並行実施することに限られず、各処理を立て続けに実施することを含み、さらに各処理の間に他の処理が実施されたとしても、当該2つの処理を一連の流れとして実施することを含む。
さらに、ペアリングモードにおいて通信に用いる音響機器の周波数特性を考慮した望ましい通信パラメータを設定できるため、その後のデータ通信モードにおいて、例えばOFDM伝送方式等の伝送速度が速い通信方式を用いた場合においても高い信頼性でデータ通信を実施することが可能となる。
本開示の音響通信システムは、例えば、電力に関わるインフラ設備や工場内に設置された種々の装置の保守点検作業の実施又は支援に適用することが可能である。近年、このようなインフラ設備や工場内の装置を保守点検する際にスマート端末の導入が盛んであり、スマート端末を用いて点検表の記入や保守情報の管理をデジタル化して行うことで作業効率を向上させる保守作業支援システムが多く提案されている。このような保守作業支援システムにとって、スマート端末は市販の製品として音響デバイスを内蔵しているために相性がよい。システムに専用の通信装置とは異なり比較的安価な市販のスマート端末を用いて、ハードウェアをカスタマイズすることなく製品に内臓の音響デバイスを利用した音響通信を通じて保守対象の装置との間でデータ通信する機能を当該スマート端末に付与することで容易に保守作業支援システムに導入できるため、保守点検作業の効率をさらに高めることができる。
ここで、装置データを取得する無線通信システムの実現手段としては既存の近距離通信規格の適用も考えられるが、屋外や工場内といった周囲環境が変化しうる状況下で通信システムを長期運用する場合、通信方式の変更が不可能な既存規格は干渉波への対応が困難なことから干渉波が発生した際にハードウェアの交換等の対応が必要となりかねない。この点においてソフトウェア無線である音響通信システムは柔軟な対応が可能であり、このような保守作業支援システムに好適であると考えられる。
また、音響通信システムにおける音響信号の送受機能は各通信機に内蔵又は外部接続されたマイクやスピーカ等の音響機器によって実現できるが、使用する音響機器に周波数歪みが存在する場合、取得データに周波数歪みが重畳されデータの信頼性が劣化するおそれがある。このような周波数歪みに起因する信頼性の劣化は伝送速度の速い音響通信システムにおいて特に問題となるため、ある程度の大きさの装置データを取得する保守支援システムにおいては周波数特性に優れた高性能な音響機器及びスマート端末を通信システムに適用することが望ましい。
しかしながら、保守対象の装置が複数ある場合、通信システムに対する要求が音響通信システムにとって好適だとしても、各装置の通信手段に高性能な音響機器を搭載することは、システムの導入コストが高くなってしまう問題がある。そのため、本開示の音響通信システムのように、送受信機として特に優れた周波数特性を持たない市販のスピーカ、マイク、又はスマート端末内部の音響デバイスを活用した場合であっても、通信の目的に適う伝送速度を確保した上で高い信頼性でデータ取得が可能な手法が必要となる。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る第1の通信機101の機能ブロックの構成例を示すブロック構成図である。
第1の通信機101は、実施の形態1における構成に加えて、通信パラメータ決定部207からの通信パラメータ情報215の書き込み処理、読み込み処理、及び保管が可能なパラメータ情報保管メモリ701をさらに含む。なお、実施の形態2における第2の通信機102の構成は、実施の形態1と同様である。
図8は、通信システムの立ち上げ処理を説明するためのフローチャート図である。
以下に図6に示すフローチャートとの違いについて説明する。
パラメータ情報参照ステップ801では、通信パラメータ決定部207は、通信パラメータ情報215の算出を実施する前に、パラメータ情報保管メモリ701を参照し、接続先情報214に紐づく通信パラメータ情報215が保管されているかどうかを判定する。ここで、通信パラメータ情報215が保管されている場合(つまり、パラメータ情報参照ステップ801において“YES”の場合)は、通信パラメータ決定部207は、当該通信パラメータ情報215を出力する情報として決定し、通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号生成部209に引き渡す。また、通信パラメータ情報215が保管されていない場合(つまり、パラメータ情報参照ステップ801において“NO”の場合)、通信パラメータ決定部207は、図6での通信パラメータ決定ステップ607と同様にして、望ましい通信パラメータを決定する。
パラメータ保管ステップ802では、通信パラメータ決定部207は、決定した通信パラメータ情報215を接続先情報214との紐づけができるようにパラメータ情報保管メモリ701に保管する。
以上説明したように、実施の形態2では、第1の通信機101がパラメータ情報保管メモリ701を備えて、接続先情報214と通信パラメータ情報215とを紐づけて保管及び参照できるようにすることで、第1の通信機101が同じ第2の通信機102と2回目以降に接続する場合のペアリングモードに要する時間を短縮できる。
実施の形態3.
図9は、実施の形態3に係る第1の通信機101の機能ブロックの構成例を示すブロック構成図である。
第1の通信機101は、実施の形態1における構成に加えて、通信パラメータ決定部207からの周波数特性情報902の書き込み、読み込み、及び保管が可能な周波数特性情報保管メモリ901をさらに含む。なお、実施の形態3における第2の通信機102の構成は、実施の形態1と同様である。
図10は、通信システムの立ち上げ処理を説明するためのフローチャート図である。
以下に図6に示すフローチャートとの違いについて説明する。
通信パラメータ決定ステップ607では、通信パラメータ決定部207は、通信パラメータ情報215を決定する前に、周波数特性情報保管メモリ901を参照し、接続先情報214に紐づく周波数特性情報902が保管されているかどうかを判定する。ここで、1又は複数の周波数特性情報902が保管されている場合、通信パラメータ決定ステップ607で算出した周波数特性を含む周波数特性情報902と周波数特性情報保管メモリ901から読み出した周波数特性情報902とを用いて通信パラメータを選定し、通信パラメータ情報215を決定する。
具体的には、例えば、同一の第2の通信機102から得られた複数の周波数特性を平均化するなどして雑音成分を低減させた周波数特性を算出し、この周波数特性に基づいて通信パラメータの選定を行う。
また、周波数特性情報902が保管されていない場合、通信パラメータ決定部207は、図6での通信パラメータ決定ステップ607と同様にして、望ましい通信パラメータを選定する。
次に、周波数特性情報保管ステップ1001では、通信パラメータ決定部207は、通信パラメータ決定ステップ607で算出した周波数特性を、接続先情報214との紐づけができるように周波数特性情報保管メモリ901に保管する。ここで、周波数特性情報902は新たに算出された情報によって前回の情報を更新して保管されてもよいし、算出される度に複数の情報が保管されてもよい。
以上説明したように、実施の形態3では、第1の通信機101が周波数特性情報保管メモリ901を備えて、接続先の第2の通信機102と周波数特性情報902とを紐づけて保管及び参照できるようにすることで、通信パラメータの選定に用いる周波数特性の精度を高められ、その結果、より望ましい通信パラメータ情報215を決定できるようになる。
なお、実施の形態3では、第1の通信機101は、ある第2の通信機102(第2の通信機102aとする)と通信する際に、接続先としない第2の通信機102(第2の通信機102bとする)の周波数特性も算出して、この周波数特性の算出結果を第2の通信機102を識別する情報と紐づけて複数保管することが考えられる。つまり、第1の通信機101と、接続先の第2の通信機102aとの間の周波数特性情報902を複数保管するだけでなく、第1の通信機101と、接続先としない第2の通信機102bとの間の周波数特性情報902も複数保管しておくことで、第1の通信機101と第2の通信機102a及び102bとの様々な位置関係における周波数特性情報902を蓄積することができ、これにより、後に第2の通信機102bを接続先とする際に、周波数特性の算出において、機器固有の周波数歪及び雑音、並びに遅延波の影響を分離して考えることが可能となる。例えば、ある位置において第2の通信機102bからの音響信号を受信した際に観測できる歪は遅延波や雑音によるものである可能性が高く、一方で、位置によらず第2の通信機102bからの音響信号を受信して観測できる歪は機器の特性のものである可能性が高い、というように判断して、後に第2の通信機102bと通信する際に、算出した周波数特性に加えてさらに機器の特性などを重視して、通信パラメータを選定できるという効果を奏する。
さらに、保管する周波数特性情報902には、第2の通信機102を識別する情報の他に、第1の通信機101の位置に関わる情報及び第1の通信機101と第2の通信機102との間の距離に関わる情報の少なくともいずれかを紐づけてもよい。
実施の形態4.
図11は、実施の形態4に係る第1の通信機101の機能ブロックの構成例を示すブロック構成図である。
第1の通信機101は、実施の形態1における構成に加えて、通信パラメータ決定部207からの逆周波数特性情報1102の書き込み、データ信号復調部203からの逆周波数特性情報1102の読み込み、及び逆周波数特性情報1102の保管が可能な周波数特性補正情報保管メモリ1101をさらに含む。なお、実施の形態4における第2の通信機102の構成は実施の形態1と同様である。
図12は、通信システムの立ち上げ処理を説明するためのフローチャート図である。
以下に図6に示すフローチャートとの違いについて説明する。
通信パラメータ決定ステップ607では、通信パラメータ決定部207は、通信パラメータ情報215の決定に用いる周波数特性を算出するとともに、その逆周波数特性を算出する。
次に、周波数特性補正情報保管ステップ1201では、通信パラメータ決定ステップ607で算出された逆周波数特性を含む逆周波数特性情報1102を、接続先情報214との紐づけができるように周波数特性補正情報保管メモリ1101に格納する。
そして、第1の通信機101が第2の通信機102とデータ通信を実施する際に(つまり、データ通信モードにおいて)、データ信号復調部203は、第2の通信機102からの受信信号に対して周波数特性補正情報保管メモリ1101から読み出した逆周波数特性情報1102を用いて受信信号の周波数特性を補正した上で復調処理をする。
以上説明したように、実施の形態4では、第1の通信機101に、第1の通信機101と接続先となる第2の通信機102との間の逆周波数特性情報1102を保管する周波数特性補正情報保管メモリ1101を備えたことで、データ通信モードにおける受信信号の補正が可能となり、復調処理における信頼性を向上することができる。
実施の形態5.
図13は、実施の形態5に係る第1の通信機101の機能ブロックの構成例を示すブロック構成図である。
第1の通信機101は、実施の形態1における構成に加えて、所望する接続先の第2の通信機102及び通信パラメータに関する入力情報1305を受け付けるインターフェース部1301をさらに含む。また、第1の通信機101は、実施の形態1における接続先決定部206に代わる接続先決定部1302と、通信パラメータ決定部207に代わる通信パラメータ決定部1303とを備える。なお、実施の形態5において、第2の通信機102の構成は実施の形態1と同様である。
図14は、実施の形態5に係る通信システムの立ち上げ処理を説明するためのフローチャート図である。
以下に図6に示すフローチャートとの違いについて説明する。
接続先候補情報算出ステップ1401では、インターフェース部1301は、応答用スペクトル拡散信号検出部205が生成した相関値情報212及び相関電力情報213を用いて、第1の通信機101との接続先の候補となる第2の通信機102の位置情報1304及び周波数特性を算出する。第2の通信機102の位置情報1304は、絶対座標系における位置を示す情報でもよいし、第2の通信機102の第1の通信機101との相対的な位置関係を示す、例えば、距離、相対座標、又はベクトル等の情報でもよい。
次に、受付ステップ1402では、インターフェース部1301は、接続先候補情報算出ステップ1401で算出した位置情報1304及び周波数特性情報902を接続先候補情報1306としてユーザーに提示(出力)し、ユーザーが所望する接続先である第2の通信機102及びユーザーが所望する通信パラメータの入力情報1305を受け付ける。
受付ステップ1402において、インターフェース部1301は、受け付けた入力情報1305をもとに接続先情報214を生成して接続先決定部1302に出力する。
同様にして、受付ステップ1402において、インターフェース部1301は、受け付けた入力情報1305をもとに通信パラメータ情報215を生成して通信パラメータ決定部1303に出力する。
接続先決定ステップ1403では、接続先決定部1302は、受け付けた入力情報1305に接続先とする第2の通信機102が含まれる場合には、その第2の通信機102を接続先として特定する接続先情報214を生成し、接続先情報214を通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号生成部209に出力する。その後、通信パラメータ決定ステップ1404に移行する。
また、受け付けた入力情報1305に接続先とする第2の通信機102が含まれない場合には、他の実施の形態と同様にして、接続先決定ステップ606を実行してもよいし、接続先とする第2の通信機102を特定する処理を保留又は停止してもよい。
通信パラメータ決定ステップ1404では、通信パラメータ決定部1303は、受け付けた入力情報1305に通信パラメータが含まれる場合には、その通信パラメータを含むように、接続先決定ステップ1403又は606において接続先とした第2の通信機102とのデータ通信における通信パラメータ情報215を決定し、通信パラメータ情報215を通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号生成部209に出力する。
なお、通信パラメータ決定部1303は、受け付けた入力情報1305において、例えば通信パラメータの内容が適切でない場合には変更を加えてもよい。このとき、通信パラメータ決定部1303は、インターフェース部1301に対して変更の前後の通信パラメータ情報215を出力して、確認を促したり、改めて入力情報1305を受け付けたりしてもよい。
また、受け付けた入力情報1305に通信パラメータが含まれない場合には、他の実施の形態と同様にして、通信パラメータ決定ステップ607を実行し、通信パラメータを決定する。
なお、実施の形態5では、インターフェース部1301は、ユーザーから、接続先となる第2の通信機102及び通信パラメータの少なくともいずれかを受け付けるようにしてもよい。
以上説明したように、実施の形態5では、第1の通信機101がインターフェース部1301を備えて、第1の通信機101の接続先となる第2の通信機102、及びデータ通信における通信パラメータの少なくともいずれかをユーザーが選択できるようにすることで、ユーザーが直接に第1の通信機101の接続先を選定したい場合や、第1の通信機101の演算処理能力が低く接続先の選定処理又は通信パラメータの選定処理を所望の精度で実施できない場合に、音響通信システムの立ち上げ処理を実施できるようになる。
続いて、実施の形態1から5にかかる第1の通信機101及び第2の通信機102のハードウェア構成について説明する。第1の通信機101及び第2の通信機102の機能は、処理回路により実現される。これらの処理回路は、専用のハードウェアにより実現されてもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いた制御回路であってもよい。
上記の処理回路が、専用のハードウェアにより実現される場合、これらは、図15に示す処理回路1501により実現される。図15は、各実施の形態に係る第1の通信機101及び第2の通信機102の機能を実現するための専用のハードウェアを示す図である。処理回路1501は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable GateArray)、又はこれらを組み合わせたものである。
上記の処理回路が、CPUを用いた制御回路で実現される場合、この制御回路は例えば図16に示す構成の制御回路1601である。図16は、各実施の形態に係る第1の通信機101及び第2の通信機102の機能を実現するための制御回路1601の構成を示す図である。図16に示すように、制御回路1601は、プロセッサ1602と、メモリ1603とを備える。プロセッサ1602は、CPUであり、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)などとも呼ばれる。メモリ1603は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)などである。
上記の処理回路が制御回路1601により実現される場合、プロセッサ1602がメモリ1603に記憶された、各構成要素の処理に対応するプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、メモリ1603は、プロセッサ1602が実行する各処理における一時メモリとしても使用される。なお、制御回路1601が実行するコンピュータプログラムは、通信路を介して提供されてもよいし、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。
また、第1の通信機101及び第2の通信機102の機能の一部を専用回路で実現し、一部をプログラム及びCPUを用いた制御回路で実現してもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
101 第1の通信機
102 第2の通信機
103、104 音響信号
105a、105b 拡散符号
106a、106b 拡散信号
107、108 デジタル信号
201、501 音声入力部
202、210、502、505 切替部
203 データ信号復調部
204 相関情報算出部
205 応答用スペクトル拡散信号検出部
206、1302 接続先決定部
207、1303 通信パラメータ決定部
208 接続要請用スペクトル拡散信号生成部
209 通信パラメータ通知用スペクトル拡散信号生成部
211、506 音声出力部
212 相関値情報
213 相関電力情報
214 接続先情報
215、509 通信パラメータ情報
503 接続要請用スペクトル拡散信号検出部
504 応答用スペクトル拡散信号生成部
507 ペアリング成立判断判断部
508 データ信号生成部
701 パラメータ情報保管メモリ
901 周波数特性情報保管メモリ
902 周波数特性情報
1101 周波数特性補正情報保管メモリ
1102 逆周波数特性情報
1301 インターフェース部
1304 位置情報
1305 入力情報
1306 接続先候補情報
1501 処理回路
1601 制御回路
1602 プロセッサ
1603 メモリ。

Claims (15)

  1. 第1の通信機及び第2の通信機が音響信号によって通信を行う音響通信システムであって、
    前記第1の通信機は、
    複数の前記第2の通信機に接続要請を行う第1の音響信号を生成する接続要請信号生成部と、
    前記第2の通信機に通信パラメータ情報を通知する第2の音響信号を生成する通信パラメータ通知信号生成部と、
    前記第1の音響信号に対して前複数の第2の通信機の少なくとも1つから送信された応答信号を、入力した音響信号を変換処理する第1の音声入力手段を介して検出する応答信号検出部と、
    前記応答信号検出部が検出した前記応答信号の少なくとも1つに基づいて接続先の前記第2の通信機を決定し前記接続先の第2の通信機を特定する接続先情報を生成する接続先決定部と、
    前記接続先情報によって特定される前記接続先の第2の通信機とのデータ通信に用いる前記通信パラメータ情報を決定する通信パラメータ決定部と
    を備え、
    前記通信パラメータ通知信号生成部は、前記接続先情報で特定される前記第2の通信機に対応した拡散符号を用いて前記第2の音響信号を生成し、
    前記第2の通信機は、
    前記第1の通信機より入力した音響信号を第2の音声入力手段で変換処理した信号に対して拡散符号を用いて前記第1の通信機とのペアリングが成立したか否かを判断し、ペアリングが成立したと判断した場合には、前記第1の通信機より入力した前記第2の音響信号に含まれる通信パラメータ情報を取得するペアリング成立判断部と
    を備える
    ことを特徴とする音響通信システム。
  2. 前記通信パラメータ決定部は、
    前記接続先決定部が生成した前記接続先情報で特定される前記通信パラメータ情報がパラメータ情報保管メモリに保管されているかどうかを判定し、
    前記通信パラメータ情報が前記パラメータ情報保管メモリに保管されている場合には、前記通信パラメータ情報を参照して決定し、
    前記通信パラメータ情報が前記パラメータ情報保管メモリに保管されていない場合には、前記通信パラメータ情報を決定し、決定した前記通信パラメータ情報を前記パラメータ情報保管メモリに保管する
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響通信システム。
  3. 前記第1の通信機は、
    前記複数の第2の通信機の少なくともいずれかより入力した音響信号を前記第1の音声入力手段で変換処理した信号に対して、接続先の候補となりうる前記第2の通信機のそれぞれに対応した前記拡散符号を用いて相関値をそれぞれ算出し、前記相関値を用いて相関電力をそれぞれ算出する相関情報算出部を備え、
    前記応答信号検出部は、前記相関電力を含む相関電力情報をそれぞれ生成し、
    前記接続先決定部は、生成された前記相関電力情報に基づいて接続先の前記第2の通信機を決定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の音響通信システム。
  4. 前記応答信号検出部は、前記相関値を含む相関値情報を生成し、
    前記通信パラメータ決定部は、
    前記第1の通信機と前記接続先の第2の通信機との間でやり取りする音響信号の周波数特性を含む周波数特性情報が周波数特性情報保管メモリに保管されているかどうかを判定し、
    前記周波数特性情報が前記周波数特性情報保管メモリに保管されている場合には、前記周波数特性情報を用いて通信帯域を選定し、
    前記周波数特性情報が前記周波数特性情報保管メモリに保管されていない場合には、前記応答信号検出部で生成された前記相関値情報をもとに前記周波数特性を算出して前記通信帯域を選定し、前記周波数特性を含む周波数特性情報を前記第2の通信機と紐づけて前記周波数特性情報保管メモリに保管する
    ことを特徴とする請求項3に記載の音響通信システム。
  5. 前記第1の通信機は、
    前記第2の通信機から送信される前記音響信号を、当該音響信号の周波数特性を用いて復調処理する信号復調部を備え、
    前記応答信号検出部は、前記相関値を含む相関値情報を生成し、
    前記通信パラメータ決定部は、
    前記応答信号検出部で生成された前記相関値情報をもとに前記周波数特性を算出し、
    前記周波数特性の逆周波数特性を算出して、当該逆周波数特性を含む逆周波数特性情報を周波数特性補正情報保管メモリに保管し、
    前記信号復調部は、前記周波数特性補正情報保管メモリに保管された前記逆周波数特性情報を用いて前記周波数特性の補正を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の音響通信システム。
  6. 前記第1の通信機は、
    前記応答信号検出部が検出した前記応答信号の少なくとも1つをもとに、接続先の候補となる前記第2の通信機を示す接続先候補情報を出力し、接続先とする前記第2の通信機及び前記通信パラメータ情報の入力情報の少なくともいずれかを受け付け処理するインターフェース部を備え、
    前記接続先決定部は、接続先とする前記第2の通信機が受け付けられた場合には、当該第2の通信機を接続先として特定する前記接続先情報を生成し、
    前記通信パラメータ決定部は、前記通信パラメータ情報の入力情報が受け付けられた場合には、前記通信パラメータ情報に前記入力情報を反映させる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の音響通信システム。
  7. 前記インターフェース部は、
    前記第2の通信機のそれぞれに対応した前記拡散符号及び前記応答信号を用いて特定される前記第2の通信機の位置に関わる情報及び前記通信パラメータ情報の少なくともいずれかを前記接続先候補情報に含めて出力する
    ことを特徴とする請求項6に記載の音響通信システム。
  8. 第1の通信機が複数の第2の通信機から接続先を選定し、音響信号によって通信を行う音響通信システムのペアリング方法であって、
    前記第1の通信機が、接続先の候補となりうる前記第2の通信機との接続要請のために送信した第1の音響信号に対する前記複数の第2の通信機の少なくともいずれかの応答信号を検出する応答信号検出ステップと、
    前記第1の通信機が、前記応答信号検出ステップで検出された前記応答信号に基づいて接続先の前記第2の通信機を決定し、前記接続先の第2の通信機を特定する接続先情報を生成する接続先決定ステップと、
    前記第1の通信機が、前記接続先決定ステップで生成された接続先情報によって特定される前記接続先の第2の通信機とのデータ通信に用いる通信パラメータ情報を決定する通信パラメータ決定ステップと、
    前記第1の通信機が、前記接続先決定ステップで生成された前記接続先情報で特定される前記第2の通信機に対応した拡散符号を用いて前記通信パラメータ情報を通知するための第2の音響信号を生成して送信する通信パラメータ通知信号送信ステップと、
    前記第2の通信機が、前記拡散符号を用いて前記第1の通信機とのペアリング成立可否を判断し、ペアリングが成立したと判断した場合には、前記第1の通信機より入力した前記第2の音響信号に含まれる通信パラメータ情報を取得するペアリング成立判断ステップと
    を有する音響通信システムのペアリング方法。
  9. 前記第1の通信機が、前記通信パラメータ情報が保管されるパラメータ情報保管メモリを参照するパラメータ情報参照ステップと、
    前記第1の通信機が、前記通信パラメータ情報と、対応する前記接続先の第2の通信機とを紐づけて、装置情報保管メモリに保管するパラメータ情報保管ステップと
    を有し、
    前記通信パラメータ決定ステップでは、
    前記接続先決定ステップで生成された前記接続先情報で特定される前記通信パラメータ情報が前記装置情報保管メモリに保管されているかどうかを判定し、
    前記通信パラメータ情報が前記パラメータ情報保管メモリに保管されている場合には、前記パラメータ情報参照ステップを行って前記通信パラメータ情報を参照して決定し、
    前記通信パラメータ情報が前記パラメータ情報保管メモリに保管されていない場合には、前記通信パラメータ情報を決定し、前記パラメータ情報保管ステップを行う
    ことを特徴とする請求項8に記載の音響通信システムのペアリング方法。
  10. 接続先の候補となりうる前記第2の通信機との接続要請のために送信した第1の音響信号に対する前記複数の第2の通信機の少なくともいずれかの応答である音響信号を第1の音声入力手段で変換処理した応答信号に対して、接続先の候補となりうる前記第2の通信機のそれぞれに対応した拡散符号を用いて算出した相関値をそれぞれ算出し、前記相関値を用いて相関電力をそれぞれ算出する相関情報算出ステップを有し、
    前記応答信号検出ステップでは、前記相関電力を含む相関電力情報をそれぞれ生成し、
    前記接続先決定ステップでは、生成された前記相関電力情報に基づいて、接続先の前記第2の通信機を決定し、前記接続先の第2の通信機を特定する接続先情報を生成する
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の音響通信システムのペアリング方法。
  11. 前記第1の通信機が、前記第1の通信機と前記接続先の第2の通信機との間でやり取りする音響信号の周波数特性を含む周波数特性情報が格納された周波数特性情報保管メモリを参照する周波数特性情報参照ステップと、
    前記第1の通信機が、前記第2の通信機と、前記周波数特性情報とをそれぞれ紐づけて、前記周波数特性情報保管メモリに保管する周波数特性情報保管ステップと
    を有し、
    前記応答信号検出ステップでは、前記相関値を含む相関値情報を生成し、
    前記通信パラメータ決定ステップでは、
    前記周波数特性情報が前記周波数特性情報保管メモリに保管されているかどうかを判定し、
    前記周波数特性情報が前記第1の通信機の装置情報保管メモリに保管されている場合には、前記周波数特性情報参照ステップによって参照した前記周波数特性情報を用いて通信帯域を選定し、
    前記周波数特性情報が前記装置情報保管メモリに保管されていない場合には、前記応答信号検出ステップで生成された前記相関値情報をもとに前記周波数特性を算出して前記通信帯域を選定し、前記周波数特性情報保管ステップを行う
    ことを特徴とする請求項10に記載の音響通信システムのペアリング方法。
  12. 前記第1の通信機が、前記第2の通信機から送信される前記音響信号を当該音響信号の周波数特性を用いて復調処理する信号復調ステップと、
    前記第1の通信機が、逆周波数特性を含む逆周波数特性情報を周波数特性補正情報保管メモリに保管する周波数特性補正情報保管ステップと
    を有し、
    前記通信パラメータ決定ステップでは、前記応答信号検出ステップで生成された相関値情報をもとに前記逆周波数特性を算出し、
    前記信号復調ステップでは、前記周波数特性補正情報保管ステップで保管された前記逆周波数特性情報を用いて前記周波数特性の補正を行う
    ことを特徴とする請求項10に記載の音響通信システムのペアリング方法。
  13. 前記第1の通信機が、前記応答信号検出ステップで検出される前記応答信号の少なくとも1つをもとに、接続先の候補となる前記第2の通信機を示す接続先候補情報を出力し、接続先とする前記第2の通信機及び前記通信パラメータ情報の入力情報の少なくともいずれかを受け付ける受付ステップを有し、
    前記接続先決定ステップでは、接続先とする前記第2の通信機が受け付けられた場合には、当該第2の通信機を接続先として特定する前記接続先情報を生成し、
    前記通信パラメータ決定ステップでは、前記通信パラメータ情報の入力情報が受け付けられた場合には、前記通信パラメータ情報に前記入力情報を反映させる
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の音響通信システムのペアリング方法。
  14. 前記受付ステップでは、前記第2の通信機のそれぞれに対応した拡散符号及び前記応答信号を用いて特定される前記第2の通信機の位置に関わる情報及び前記通信パラメータ情報の少なくともいずれかを前記接続先候補情報に含めて出力する
    ことを特徴とする請求項13に記載の音響通信システムのペアリング方法。
  15. 音響信号によって他の通信装置と通信を行う音響通信装置であって、
    複数の前記他の通信装置に接続要請を行う第1の音響信号を生成する接続要請信号生成部と、
    前記他の通信装置に通信パラメータ情報を通知する第2の音響信号を生成する通信パラメータ通知信号生成部と、
    前記第1の音響信号に対して前記他の通信装置の少なくとも1つから送信された応答信号を、入力した音響信号を変換処理する音声入力手段を介して検出する応答信号検出部と、
    前記応答信号検出部が検出した前記応答信号の少なくとも1つに基づいて接続先の前記他の通信装置を決定し前記接続先の他の通信装置を特定する接続先情報を生成する接続先決定部と、
    前記接続先情報によって特定される前記接続先の他の通信装置とのデータ通信に用いる前記通信パラメータ情報を決定する通信パラメータ決定部と
    を備え、
    前記通信パラメータ通知信号生成部は、前記接続先情報で特定される前記他の通信装置に対応した拡散符号を用いて前記第2の音響信号を生成する
    ことを特徴とする音響通信装置。
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