JP7300358B2

JP7300358B2 - 工具刃先計測装置及び工作機械

Info

Publication number: JP7300358B2
Application number: JP2019173330A
Authority: JP
Inventors: 慎也成瀬
Original assignee: Okuma Corp
Current assignee: Okuma Corp
Priority date: 2019-09-24
Filing date: 2019-09-24
Publication date: 2023-06-29
Anticipated expiration: 2039-09-24
Also published as: US11378379B2; CN112621384B; CN112621384A; JP2021049596A; US20210088319A1; DE102020211956A1

Description

本発明は、横形旋盤等の工作機械に設けられ、工具の刃先位置を検出して工具補正値を設定するために用いられる工具刃先計測装置と、当該装置を搭載した工作機械とに関する。

横形旋盤や複合加工機等の工作機械においては、工具やチップを交換した際、刃物台や主軸に取り付けられた工具の刃先位置を計測して、予め得た基準工具の刃先位置と比較する作業が行われる。両者の刃先位置に差があれば、当該差から工具補正値を算出し、算出した工具補正値に基づいて加工プログラムを補正する。
この工具刃先計測装置として、特許文献１には、立形旋盤において、一対のアームの先端に、検出面を有する一対のタッチセンサを、検出面が対向するようにそれぞれ配置して、一方を内径加工用工具（以下、本明細書では「内径工具」という。）の計測用、他方を外径加工用工具（以下、本明細書では「外径工具」という。）の計測用として、各アームを、加工室内に突出してタッチセンサを刃先の検出位置に保持する突出位置と、加工室内からタッチセンサを退避させる退避位置との間でそれぞれ個別に移動可能とした構造が開示されている。

特開２０１１－３１３６８号公報

上記特許文献１の工具刃先計測装置においては、アームが加工室の壁とワークとの間のスペースに出し入れされるため、スペースの大きさによっては、工具が長いとラムが壁若しくはワークに干渉するおそれが生じ、必要な工具の長さを確保できないおそれが生じる。
この問題は、横形旋盤においても同様に生じる。図４は、横形旋盤１に設けた工具刃先計測装置２０を示している。この工具刃先計測装置２０は、加工室２内への突出位置と、加工室２の壁７に沿って立ち上がる退避位置との間に旋回可能なアーム２１を備え、Ｘ軸プラス方向に延びるアーム２１の先端に、タッチセンサ２２を取り付けている。
工具刃先計測装置２０において、アーム２１を突出させて刃物台５に設けた内径工具２３を計測する際、Ｚ軸方向での刃物台５と心押台４との間の距離Ｄが短いため、内径工具２３が長いと、Ｚ軸プラス方向へ移動した刃物台５が心押台４と干渉するおそれがあり、やはり必要な工具長さを確保できないことになる。

そこで、本発明は、工具の種類に関係なく機内の構造物との干渉を回避して刃先の計測が可能となり、必要な工具長さを確保できる工具刃先計測装置及び工作機械を提供することを目的としたものである。

上記目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、主軸軸線方向であるＺ軸方向と、Ｚ軸方向に直交し、ワークの径方向切削のための移動方向であるＸ軸方向とに刃物台が相対的に位置決め可能な工作機械に搭載され、加工室内で工具の刃先位置を計測する接触式のセンサを備えた工具刃先計測装置であって、
前記加工室内に突出する突出位置と、前記加工室から退避する退避位置との間で移動可能なアームを備え、前記アームの先端には、前記突出位置でＸ軸方向とＺ軸方向とに分岐する２つの分岐部が設けられて、各前記分岐部に前記センサがそれぞれ取り付けられていると共に、
Ｘ軸方向への前記分岐部に取り付けられる前記センサが、前記刃物台に設けられてＺ軸方向に突出した、ワークの内径加工用工具の計測用であり、Ｚ軸方向への前記分岐部に取り付けられる前記センサが、前記刃物台に設けられてＸ軸方向に突出した、ワークの外径加工用工具の計測用であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項２に記載の発明は、主軸軸線方向であるＺ軸方向と、Ｚ軸方向に直交し、ワークの径方向切削のための移動方向であるＸ軸方向とに刃物台が相対的に位置決め可能な工作機械であって、
請求項１に記載の工具刃先計測装置を備えていることを特徴とする。

本発明によれば、一方のセンサを加工室内へ突出させることができ、突き出しが長い工具であっても心押台等の構造物と干渉したり、ストロークに制限を受けたりすることなくセンサへ容易に当接させることができる。よって、工具の種類に関係なく機内の構造物との干渉を回避して刃先の計測が可能となり、必要な工具長さを確保することができる。

内径工具を計測する工具刃先計測装置及び横形旋盤の概略図である。退避位置のアームを示す説明図で、（Ａ）が正面からの概略、（Ｂ）がＡ－Ａ線断面をそれぞれ示す。外径工具を計測する工具刃先計測装置及び横形旋盤の概略図である。内径工具を計測する従来の工具刃先計測装置及び横形旋盤の概略図である。

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図１は、横形旋盤の一例を示す概略図である。まず横形旋盤１は、壁で囲まれる加工室２内に、チャックを備えて回転可能な主軸３と、主軸３と対向してＺ軸方向へ移動可能な心押台４と、Ｘ軸方向及びＺ軸方向へ移動可能な刃物台５とを備え、図４と同様の構成を有する。加工室２の外側には、モータ等を収容する主軸３の駆動機構部６が設けられ、主軸側の壁７には、工具刃先計測装置１０が設けられている。
工具刃先計測装置１０は、駆動機構部６内にモータやギヤ等を内設して加工室２内で上下に旋回するアーム１１を備えている。このアーム１１は、駆動機構部６の制御により、図１に示すように、加工室２内へ突出する突出位置と、図２に示すように、壁７に沿って上方へ略垂直に立ち上がる退避位置との間で上下に旋回可能となっている。

アーム１１は、突出位置では、Ｚ軸プラス方向へ延びた後、Ｘ軸プラス方向へカーブする形状となっている。アーム１１の先端には、突出位置でＸ軸プラス方向へ延びる第１分岐部１２と、第１分岐部１２と直交し、突出位置でＺ軸プラス方向へ延びる第２分岐部１３とが設けられている。
このうち、第１分岐部１２の先端には、内径工具の計測用となる第１タッチセンサ１４が設けられている。この第１タッチセンサ１４は、Ｚ軸方向で心押台４とオーバーラップしない位置となっている。また、第２分岐部１３の先端には、外径工具の計測用となる第２タッチセンサ１５が設けられている。壁７には、アーム１１の退避位置で第１、第２タッチセンサ１４，１５を差し込み収納して加工室２内へ露出させないための収納部１６，１６（図２）が設けられている。

以上の如く構成された工具刃先計測装置１０において、まず、刃物台５に設けた内径工具２３の刃先を計測する場合、アーム１１を突出位置に移動させて、図１に示すように、刃物台５を、内径工具２３の刃先が第１タッチセンサ１４のＸ軸マイナス側となる待機位置へ移動させる。そして、刃物台５をＸ軸プラス方向へ移動させて刃先を第１タッチセンサ１４のＸ軸マイナス側の検出面に当接させる。すると、第１タッチセンサ１４から検出信号が出力され、このときの機械原点の位置データと、予め基準工具を当接させたときの位置データとに基づいて、図示しないＮＣ装置が工具補正値を算出し、加工プログラムを補正することになる。
このとき、第１タッチセンサ１４は、Ｘ軸プラス方向へ突出する第１分岐部１２に設けられて、Ｚ軸プラス方向で第１タッチセンサ１４の延長上に心押台４が位置していない。よって、内径工具２３が第１タッチセンサ１４に当接した際、Ｚ軸方向で刃物台５と心押台４との間の距離Ｄが大きくなる。よって、内径工具２３が長くても心押台４と干渉することなく第１タッチセンサ１４に内径工具２３の刃先を当接させることができる。

一方、外径工具２４の刃先を検出する場合、アーム１１を突出位置とした状態で、図３に示すように、刃物台５を、外径工具２４の刃先が第２タッチセンサ１５のＸ軸プラス側となる待機位置へ移動させる。そして、刃物台５をＸ軸マイナス方向へ移動させて刃先を第２タッチセンサ１５のＸ軸プラス側の検出面に当接させる。すると、第２タッチセンサ１５から検出信号が出力され、このときの機械原点の位置データと、予め基準工具を当接させたときの位置データとに基づいて、ＮＣ装置が工具補正値を算出し、加工プログラムを補正することになる。
こうして加工プログラムの補正が終わると、刃物台５は加工の開始位置へ移動すると共に、アーム１１は退避位置へ移動して加工が行われる。

このように、上記形態の工具刃先計測装置１０及び横形旋盤１によれば、加工室２内に突出する突出位置と、加工室２から退避する退避位置との間で移動可能なアーム１１を備え、アーム１１の先端に、突出位置でＸ軸方向とＺ軸方向とに分岐する２つの第１、第２分岐部１２，１３を設けて、第１、第２分岐部１２，１３に第１、第２タッチセンサ１４，１５（接触式のセンサ）をそれぞれ取り付けたことで、一方の第１タッチセンサ１４を加工室２内へ突出させることができ、突き出しが長い工具であっても心押台４等の構造物と干渉したり、ストロークに制限を受けたりすることなく第１タッチセンサ１４へ容易に当接させることができる。よって、工具の種類に関係なく機内の構造物との干渉を回避して刃先の計測が可能となり、必要な工具長さを確保することができる。

なお、上記形態では、刃物台を１つ備えた横形旋盤を例示しているが、２サドルの横形旋盤であっても、上刃物台と下刃物台とにそれぞれ取り付けた工具の刃先の計測は可能である。
また、上記形態では、第１タッチセンサを内径工具用、第２タッチセンサを外径工具用としているが、構造物との干渉がなければ逆であっても差し支えなく、どのタッチセンサも内径工具の計測と外径工具の計測とに利用してもよい。よって、タッチセンサも、検出面が複数面に設けられるものであってもよい。分岐部の長さも変えることができる。

さらに、アームは、上記形態のような旋回タイプに限らず、例えば壁からＺ軸方向に直線移動させる案内機構を設けて、突出位置と退避位置との間を出没させるようにしてもよい。
その他、工具刃先計測装置は、加工室の他の壁に設置してもよい。勿論横形旋盤以外に立形旋盤や複合加工機等の他の工作機械にも本発明は適用可能である。

１・・横形旋盤、２・・加工室、３・・主軸、４・・心押台、５・・刃物台、６・・駆動機構部、７・・壁、１０・・工具刃先計測装置、１１・・アーム、１２・・第１分岐部、１３・・第２分岐部、１４・・第１タッチセンサ、１５・・第２タッチセンサ、２３・・内径工具（内径加工用工具）、２４・・外径工具（外径加工用工具）。

Claims

主軸軸線方向であるＺ軸方向と、Ｚ軸方向に直交し、ワークの径方向切削のための移動方向であるＸ軸方向とに刃物台が相対的に位置決め可能な工作機械に搭載され、加工室内で工具の刃先位置を計測する接触式のセンサを備えた工具刃先計測装置であって、
前記加工室内に突出する突出位置と、前記加工室から退避する退避位置との間で移動可能なアームを備え、前記アームの先端には、前記突出位置でＸ軸方向とＺ軸方向とに分岐する２つの分岐部が設けられて、各前記分岐部に前記センサがそれぞれ取り付けられていると共に、
Ｘ軸方向への前記分岐部に取り付けられる前記センサが、前記刃物台に設けられてＺ軸方向に突出した、ワークの内径加工用工具の計測用であり、Ｚ軸方向への前記分岐部に取り付けられる前記センサが、前記刃物台に設けられてＸ軸方向に突出した、ワークの外径加工用工具の計測用であることを特徴とする工具刃先計測装置。
主軸軸線方向であるＺ軸方向と、Ｚ軸方向に直交し、ワークの径方向切削のための移動方向であるＸ軸方向とに刃物台が相対的に位置決め可能な工作機械であって、
請求項１に記載の工具刃先計測装置を備えていることを特徴とする工作機械。