図1Aに示す吐出装置10は、二重加圧容器(容器)11と、吐出部材12と、二重加圧容器11に充填された原液(内容物)Cおよび加圧剤Pとからなる。二重加圧容器11に原液Cと加圧剤Pを充填したものが加圧製品11aである。加圧製品11aと吐出部材12は組み立て前のセット品として(図1A参照)、あるいは半分組み立てた未開封の状態(後述するキャップ20と外部容器13の雄ネジ13eとを緩く螺合させた状態)で販売される。加圧製品11aは吐出部材12と共に販売されるほか、交換用として単独でも販売される。従って、加圧製品11aは、吐出部材12を取り付けるまで(吐出部材12によって開封されるまで)は、充填された原液Cや加圧剤Pが漏れ出さないよう密閉されている。吐出部材12についても単独で販売されることがある。
前記二重加圧容器11は、外部容器13と、その内部に収容されている可撓性を有する内部容器14と、外部容器13と内部容器14を封止する蓋体(封盤)15とからなる。バルブやポンプは備えていない。外部容器13と内部容器14を組み合わせたものは容器本体16である(図1B参照)。内部容器14の内部は原液Cを充填する原液収容室Scであり、外部容器13と内部容器14の隙間の空間は加圧剤Pを充填する加圧剤収容室Spである。それらは蓋体15によって封止されている。すなわち、この二重加圧容器11は、原液Cと噴射剤Pを分離して収容し、原液Cのみ吐出できるようにしており、それにより圧縮ガスなどの加圧剤Pの漏出を防止できる。
図1Bに示すように、外部容器13は底部13aと、円筒状の胴部13bと、肩部13cと、円筒状の首部13dとからなる。首部13dの外周には雄ねじ13eが形成されている。首部13dの上端面13fは蓋体15を固着できるように略平坦にしている。この実施形態では、外部容器13の底部13aが、下向きに突出する環状の接地面13a1と、その中央に設けられる上向きに突出するドーム部13a2とを備えている。それにより、耐圧性が向上し、落下時などの耐衝撃性も向上する。そのため、単品での流通や宅配便による配送時にも安全である。また、接地面13a1を有するので、平坦な台などの上にそのまま安定して載置することができる。ただし球面状の底面としてもよい。
図2Bに示すように、外部容器13の首部13dの上端面13fには、超音波溶着のときに蓋体15との当接圧を高くして溶解しやすくし、蓋体15と一体にするための溶着部をつくる環状突起13gが形成されている。蓋体15側に環状突起を設けてもよく、両方に設けてもよい。そして上端面13fの内部側または外部側には傾斜部13hが複数個設けられており、超音波溶着のときに溶けた樹脂が冷やされてできた樹脂片がはみ出ないように収容するための空間となる。外部容器13の首部13dの外周に、搬送時や溶着時に吊り持ちする環状のサポート部13d1が設けられている。
図1Bに戻って、内部容器14も外部容器13と同様に、底部14a、胴部14b、肩部14cおよび首部14dからなる。内部容器14の底部14aにも下向きに突出する環状のくぼみ部14a1と、その中央に設けられる上向きに突出するドーム部14a2が形成されている。内部容器14の首部14dの外面は外部容器13の首部13dの内面との間にわずかな隙間を有している。内部容器14の首部14dの内面は滑らかな円筒面である。内部容器14の底部14aは外部容器13の底部13aと当接しており、加圧剤を充填するときや蓋体15を固着するときなど、内部容器14が下がらないように支持される。
図2Bに示すように、内部容器14の首部14dの上端面14eは外部容器13の上端面13fより突出しており、その突出している部位に外部容器13の上端面13fと係合するフランジ14fが形成されている。フランジ14fの厚さ(半径方向の寸法)は、外部容器13の首部13dの厚さの1/3~1/2程度である。そのため、フランジ14fを外部容器13の首部13dの上端面13fに係合させたとき、外部容器13の首部13dの上端面13fは外側の部分が覆われずに残る。前記外部容器13の上端の環状突起13gは、その外側の部分に設けられている。内部容器14の首部14dの上端面14eにも、超音波溶着のときに蓋体15との当接圧を高くして蓋体15との溶着部をつくるための環状突起14gが形成されている。
内部容器14のフランジ14fの下面には、半径方向に延びる加圧剤充填用の横溝14hが等間隔で4カ所に形成されている。さらに内部容器14の首部14dの外周面には、その横溝14hと連通する縦溝14iが形成されている。縦溝14iは横溝14hから肩部14cの上端まで延びており、加圧剤Pを加圧剤収容室Sp内に充填しやすくする。
外部容器13および内部容器14はいずれもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂製である。これらは、たとえば外部容器用のプリフォームの中に内部容器用のプリフォームを入れ、首部13d、14dの下端より下側を同時にブロー成形することにより製造することができる。とくに所定形状のプリフォームをインジェクション成形し、ついでブロー成形するインジェクション・ブロー成形法が好ましい。
前記蓋体15は図2Bに示すように、内部容器14の首部14d内に挿入される有底筒状の封止部15aと、その上端に連続する環状のフランジ15bとからなる。封止部15aの下部は上部より小径の嵌合筒部15a1としている。封止部15aの底部、すなわち嵌合筒部15a1の底部15cには、周囲に比して厚肉にされた受圧部15d1を備えた閉鎖部(被開封部)15dが設けられている。閉鎖部15dは通常は平面視円形である。ただし矩形など、他の形状を採用することもできる。
閉鎖部15dの周囲は環状溝などの破断容易な薄肉部(破断部、弱め線)15fで囲まれている。受圧部15d1は閉鎖部15dの上面の略全体に設けられ、薄肉部15fは底部15cの上面に形成されている。なお、薄肉部15fは下面に形成してもよい。薄肉部15fはたとえばV溝からなる。薄肉部15fは連続しているが、破断が可能であれば不連続であってもよい。
封止部15aの外周面は、内部容器14の首部14dの内面との間で、蓋体15を内部容器の首部14dに装着する際に内部容器14内の空気を排出することができ、かつ、内部容器14内の原液Cを液封できる嵌合状態であることが好ましい。封止部15aの上部の内周面には径内方向に突出する第1突起(突起)15mが設けられている。この第1突起15mは1つだけでも良いし、周方向に2以上設けてもよい。さらに周方向に連続していてもよい。
嵌合筒部15a1の内周面は、基本的には、閉鎖部15dを開封する際にバルブ21のシール部材28と密接して原液Cが漏出しないように滑らかな円筒面にすることが好ましい。下に向かって縮径されるテーパー状としてもよい。ただ、嵌合筒部15a1の上部には、上下方向に延びる凹溝15nが設けられている。この凹溝15nの上端は、封止部15aの上部にまで達しており、封止部15aの上部と連通している。一方で凹溝15nの下端は底部15cには達しておらず、嵌合筒部15a1の上下方向の長さの1/2~1/3程度の位置で止まっている。すなわち、嵌合筒部15a1の下部には凹溝15nは設けられていない。これは、バルブ21によって閉鎖部15dが開封されたときには、既に、シール部材28によって嵌合筒部15a1とバルブ21との間に液密のシールが形成されている状態とするためである。例えば凹溝15nの下端を、バルブ21が閉鎖部15dに最初に当接した状態でのシール部材28の位置よりも上(下流)に位置させればよい。凹溝15nの数は1つでも良いし、2つ以上であってもよい。
蓋体15のフランジ15bは、原液Cや加圧剤Pの充填後、超音波溶着、レーザー溶着、高周波溶着などの溶着によって外部容器13の首部13dの上端面13fおよび内部容器14の首部14dの上端面14eに溶着され、封止される。この実施形態では、内部容器14の上端面14eに環状突起14gが形成され、外部容器13の上端面13fにも環状突起13gが形成されているので、溶着後のシールが確実である。また、気密性を高くするなどの目的で接着してもよい。
嵌合筒部15a1の底部15cを嵌合筒部15a1の下端より少し上に設けているのは、底部15cの剛性を高めて薄肉部15fの破断を容易にするためである。嵌合筒部15a1の径を封止部15aの上部の径より小さくしているのは、嵌合筒部15a1の内面の成形精度を高めるためと、吐出部材12のシール部材28で囲まれる内圧を受ける面積を小さくして蓋体15に加わる上向きの力を弱くするためである。さらに下向きに突出するバルブ保持部18aを収容するスペースを確保するためである。嵌合筒部15a1の下端は円筒状でもよいが、嵌合筒部15a1の下端と底部15cの間に気体が溜まらないように横溝で連通させてもよい。
蓋体15のフランジ15bは、封止部15aの上端から半径方向外向きに拡がる環状円板部17と、その環状円板部17の外縁から下向きに延びる外筒部17aとからなる。環状円板部17の下面は内部容器14の首部14dの上端面14eと当接して溶着部を形成し、シールする部位で、外筒部17aの下面は外部容器13の首部13dの上端面13fと当接して溶着部を形成し、シールする部位である。
蓋体15の材料は外部容器13や内部容器14との熱接合性が高い熱可塑性樹脂が用いられ、溶着強度を高くするため、外部容器13や内部容器14と同じ材料を用いることが好ましい。図1Aに示すように、蓋体15で原液収容室Scと加圧剤収容室Spを封止すると共に、内部容器14または外部容器13のいずれか、あるいは両方に固着することにより、内容物(原液C、加圧剤P)を長期間安全に、漏れないように保管しておくことができる。薄肉部15fは未開封では充分なシール機能があり、かつ、容易に破断できる形状とする。
原液Cとしては、洗顔剤、洗浄剤、入浴剤、保湿剤、クレンジング剤、日焼け止め、化粧水、シェービング剤、脱毛剤、制汗剤、殺菌消毒剤、害虫忌避剤などの皮膚用品、トリートメント剤、スタイリング剤、染毛剤などの頭髪用品などの人体用品、ホイップクリーム、オリーブオイルなどの食品、消臭剤、芳香剤、殺虫剤、防虫剤、花粉除去剤、殺菌剤などの家庭用品、潤滑剤などの工業用品などである。但し、これらの用途に限られるわけではない。原液Cは閉鎖部15dの内面側と接触させるのが好ましい。それにより蓋体15と容器本体16との溶着時に閉鎖部15dが原液Cで冷やされ、閉鎖部15dが熱で溶ける問題を解消できる。
加圧剤Pとしては窒素ガス、圧縮空気、炭酸ガスなどの圧縮ガスが好ましい。加圧剤により二重加圧容器11内の圧力を0.1~0.5MPa(25℃、ゲージ圧)、とくに炭酸飲料と同程度の圧力0.3~0.5MPa(25℃、ゲージ圧)にするのが好ましい。また、外部容器13の容量は30~500mlであることが好ましい。内部容器(原液収容室Sc)14の容量は20~300ml程度が好ましい。加圧剤収容室Spの容量は10~200ml程度が好ましい。
上記のように、二重加圧容器11は部品数が少なく、バルブなどの作動部がないので、安価に製造することができる。そして二重加圧容器11の圧力が低く、炭酸飲料などと同程度であるので、消費者が持ち運んだり、流通業者が配送したりするときに安全である。また、万一、外部容器13にひびが入っても、加圧剤Pが漏れるだけで内部容器14内の原液Cは漏れない。そのため一層安全である。
また、この加圧製品11aは外部容器13と内部容器14が合成樹脂製であり、内部容器14は加圧剤Pで囲まれ、さらに外部容器13で囲まれているので、加圧製品11aの弾力性が高く、落としても割れにくい。また、閉鎖部15dが内部にあるので、誤って閉鎖部15dが破断されるおそれが少なく、一層安全である。
前記吐出部材12は、外部容器13の首部13dの雄ねじ13eと螺合するキャップ(装着部)20と、そのキャップ20に覆われたバルブ21と、バルブ21のステム22に装着される、吐出用ノズルを備えた操作ボタン(アクチュエータ、図1Aの符号23)とからなる。図2Aに示すように、キャップ20は有底筒状で、内周面に雌ねじが形成された、いわゆるネジキャップである。キャップ20とバルブ21とは一体化されており、バルブ21は、キャップ20の締め具合に連動して嵌合筒部15a1内を移動する。すなわち、キャップ20を締めれば、バルブ21は嵌合筒部15a1内に押し込まれ、キャップ20を緩めれば、バルブ21は嵌合筒部15a1から抜き出される方向に移動する。キャップ20の上底20aの中央には、ステム22を通し、操作ボタン23の基部を通す開口20bが形成されている。操作ボタン23を装着していないキャップ20とバルブ21とは、バルブユニットないしバルブアッセンブリとして扱われる。
バルブ21は、有底筒状のハウジング24と、その内部に上下移動自在に収容される前述のステム22と、そのステム22を上向きに付勢するバネ25と、ステムラバー26と、ハウジング24の上部を保持する筒状のバルブ保持部18aを備えたバルブホルダ18とからなり、原液Cの吐出通路を構成する。ステム22と、バネ25と、ステムラバー26とで、原液Cの吐出状態と非吐出状態とを切り替えるバルブ機構が構成され、ハウジング24と、バルブホルダ18とでこのバルブ機構を収容する収容空間を構成している。
この実施形態では、ハウジング24の下端に、下向きに突出する円柱状の開封部27が設けられており、ハウジング24の下部外周にOリングなどのシール部材28が装着されている。このシール部材28は、開封時および開封後に蓋体15の嵌合筒部15a1の内周面とハウジング24の間をシールするものである。このシール部材28は、上下方向において間隔がほぼ等しい嵌合筒部15a1の内面とハウジング24の外面との間で圧縮されているため、多少上下方向に移動したとしてもシールを維持することができる。開封部27の底面27aは、受圧部15d1の上面と当接するように平坦にされている。
この実施形態では、開封部27の径は受圧部15d1よりいくらか小さい。また、薄肉部15fで囲む範囲の径よりいくらか小さい。それにより破断時は開封部27の底面27aが底部15cの薄肉部15fより外周部分に当接して受圧部15d1の押し込みを妨げたりすることがない。また、破断した後は、開封部27の底面27aを開封により形成した開口より下方に突出させることができ、原液Cの通路の確保が容易になる(図3A参照)。円柱状の開封部27とハウジング24の下面24aの間には複数枚の補強板27dが放射状に設けられている。補強板27dの数は3~5枚であることが好ましい。補強板27dは側面視で略三角形であり、その下端は開封部27の下端までは達しておらず、開封部27の下端近辺は円柱状のままである。
ハウジング24には、ハウジング24の内部と内部容器14内の原液収容室Scとを連通する通路として、ハウジング24の底板24bを上下に貫通する縦孔24cが設けられている。縦孔24cは隣接する補強板27dの間に形成されている。そのため補強板27dは内容物の吐出を妨げない。縦孔24cは補強板27dと同じ数だけ形成されている。ただし1~2つなど、それより少なくてもよい。縦孔24cの平面形状は、例えば略扇状とすることができる。縦孔24cは複数個設けるのが好ましい。それにより仮に1個の縦孔24cが塞がっても他の縦孔24cで連通できる。
開封部27の底面27aの高さ方向の位置は、キャップ20を外部容器13の雄ねじ13eに1~2回程度螺合させたときに受圧部15d1と当接する位置である。したがって出荷時、流通時にはキャップ20を緩く螺合させて閉鎖部15dを破断せず、シール状態のまま吐出部材12と二重加圧容器11とを仮に結合させておくことができる。
バルブホルダ18は、バルブ保持部18aと、バルブ保持部18aの上端から内側に延びる環状のラバー押さえ18bと、外側に拡がるフランジ18cとを備えており、ラバー押さえ18bの中央にステム22を通す孔18dが形成されている。バルブ保持部18aの外周面には径外方向に突出する第2突起(突起)18iが設けられている。この第2突起18iは、第1突起15mと接触できるよう突出長さが決められている。第2突起18iの数は1つだけでも良いし、周方向に2以上設けてもよい。また、第2突起18iは周方向に連続していてもよい。
使用者が購入した吐出装置10を使用する場合、まずキャップ20を外部容器の雄ねじ13eにねじ込む。それによりキャップ20全体およびバルブ21が下降し、開封部27の底面27aが閉鎖部15dを押し下げる。それにより薄肉部15fが破断され、加圧製品11aが開封される。閉鎖部15dは、一部が底部15cと繋がったままとなるか、もしくは嵌合筒部15a1からちぎり取られ、底部15cから分離されて脱落する。そして開封部27が嵌合筒部15a1の底部15cを突き破り、ハウジング24内と内部容器14内である原液収容室Scとを連通させる(図3A参照)。脱落した閉鎖部15dは、内部容器14の底に落ち込む。
なお、キャップ20は外部容器13に螺着されるため、キャップ20の操作量に対するバルブ21の降下量は小さい。そのため開封部27の底面27aは閉鎖部15dの受圧部15d1を徐々に押圧する。蓋体15は合成樹脂製であるため、徐々に押圧されるとその伸張性により閉鎖部15dは伸びやすく破断されにくい。しかしこの実施形態では、閉鎖部15dが環状の薄肉部15fで囲まれており、受圧部15d1が突出しているため、薄肉部15fへの応力集中が増大しスムーズに破断することができる。また、開封部27の底面27aは平坦であるので、開封操作により変形しにくく、吐出部材12を繰り返し使用することができる。
閉鎖部15dは、蓋体15の中心軸上に設けられた、上部に厚く略円形の受圧部15d1を有し、さらに開封部27の円形の底面27aと当接しているので、底面27aにより加圧されると、閉鎖部15dはまっすぐ押し込まれ、薄肉部15fに沿って破断する。ただし受圧部15d1または開封部27の底面27aを傾斜させ、薄肉部15fが一方から他方に向かって順に破断されていくようにしてもよい。
閉鎖部15dが破られたとき、底部15cの内周と開封部27の外周の隙間から原液Cが漏れる場合がある。しかし、閉鎖部15dよりも下流において、嵌合筒部15a1とハウジング24の間はシール部材28でシールされているので、原液Cは嵌合筒部15a1内に留まり、外部に漏れることがない。また、破断時の反力および破断後の内圧がハウジング24を押し上げるように作用するが、キャップ20と外部容器13とが螺合しており、キャップ20の上底20aとバルブホルダ18が二重で支えているため、吐出部材12の飛び出しが抑制される。この状態は、キャップ20によってバルブ21が取り付けられているといえる。また、キャップ20の上底20aの変形が抑制される。
吐出部材12を装着した後、使用者がステム22に取り付けた操作ボタン23を押すと、ステム22が下降してステムラバー26が撓み、ステム孔が開く。原液収容室Sc内の原液Cは内部容器14を介して加圧剤Pによって加圧されているので、開封部27、ハウジング24、ステム22および操作ボタン23を経由して外部に吐出される。操作ボタン23から指を離すとステム22が上昇し、吐出が停止する。加圧剤Pを充填している加圧剤収容室Spは蓋体15によって閉じられており、外部や原液収容室Scと連通していないので、吐出操作によって加圧剤Pは外部に漏れることはない。
ところで、上記の通り、蓋体15は凹溝15nを備えている。シール部材28が凹溝15nに位置すると、凹溝15nと重なる部分において、蓋体15(嵌合筒部15a1)の内面とバルブ21(ハウジング24)の外面とによるシール部材28の圧縮が緩む。この状態は、シール部材28によるシールが凹溝15nによって一部解除されるともいえる。そのため、凹溝15nを通して原液Cが内部容器14から漏れ出す。漏れ出した原液Cは、蓋体15とバルブホルダ18との間やキャップ20の内面と外部容器13の首部13dの外面との間を通って吐出装置10の外へ漏れ出す。漏れ出した原液Cは、勢いがなくゆっくりと漏出するため周囲に飛び散ることなく、キャップ20を外そうとした人の手に付着したり、視認できたりする。
シール部材28は、キャップ20を緩める(外し始める)前、すなわちキャップ20を加圧製品11aに完全に取り付けた状態では、凹溝15nよりも下(上流)に位置している。そのため、凹溝15nから原液Cが漏れ出すことは無い。一方、キャップ20を緩めていく(外し始める)と、バルブ21全体が上に向かって移動し、キャップ20が加圧製品11aから取り外される前に(雄ねじ13eにキャップ20がまだ螺合している状態で)シール部材28は凹溝15nに差し掛かり、原液Cが漏れ出す(図3Bの矢印参照)。このように、上記構成の吐出装置10は、キャップ20を緩める(外し始めた)ことに起因するバルブ21の移動によって、シール部材28によるシールを一部だけ解除する一部解除機構Reを備えているため、原液Cがまだ残っていることを原液Cの漏れによって使用者に知らせることができ、原液Cが残った状態でのキャップ20の取り外しを抑制することができる。なお、原液Cの漏れに気づいたときに再度キャップ20を締めなおせば、シール部材28は凹溝15nよりも下に位置することとなり、原液Cの漏れは止まり、再度使用することができる。
また、蓋体15(容器11)は第1突起15mを備え、バルブ21(バルブアッセンブリ)は第2突起18iを備えている。キャップ20を加圧製品11aに完全に取り付けた状態(キャップ20を緩める(外し始める)前)では、第2突起18iは第1突起15mよりも下に位置しており、第1突起15mと第2突起18iとは接触していない。一方、キャップ20を緩めていく(外し始める)と、バルブ21全体が上に向かって移動し、キャップ20が加圧製品11aから取り外される前に(雄ねじ13eにキャップ20がまだ螺合している状態で)第1突起15mと第2突起18iとが接触する。そのため、キャップ20を回し辛くなる。この回し辛くなるタイミングを、凹溝15nからの原液Cの漏れ出しのタイミングと合わせる、換言すれば、第1突起15mと第2突起18iとが接触するときのキャップ20の緩め具合(外し具合:回転数や回転角度)と、シール部材28が凹溝15nに差し掛かるとき(一部解除機構Reが作動するとき)のキャップ20の緩め具合(外し具合:回転数や回転角度)を等しくすることで、使用者に違和感を与えやすくなり、原液Cが残った状態でのキャップ20の取り外しを一層抑制することができる。
原液Cを全量吐出した後は、キャップ20を回し、吐出部材12を加圧製品11aから取り外す。そして取り外した吐出部材12は新しい加圧製品11aに取り付ける。原液Cが全量吐出された加圧製品11aは加圧剤収容室Spに加圧剤Pが残っているが、この加圧剤Pは内部容器14を透過して蓋体15の開封された閉鎖部15dから徐々に外部に放出される。加圧剤Pが外部に放出されると加圧容器11は容易に変形するため消費者にわかりやすく、加圧容器11を安全にリサイクルすることができる。また、加圧容器11は蓋体15と容器本体16とを単一素材にすることができるため、リサイクルする際には分別しなくてもよく、リサイクルしやすい。
図4Aに示す二重加圧容器11では、略円筒状の封止部15aが下方まで延びており、その封止部15aの内側に嵌合筒部15a1が同心状に設けられている。嵌合筒部15a1は封止部15aの底部の中央部から上向きに立ち上がり、上端で開口している。そして封止部15aの上部は略円筒状であり、下部15a3は下に向かって細くなるテーパー状である。ただし上部から下部にかけて円筒状であってもよい。
他方、内部容器14の首部14dは、封止部15aの外周面とほぼ密接する形状にされており、円筒状の上部14d1と、それより下に向かって細くなるテーパー部14d2と、その下端から下に延びる円筒部14d3とからなる。円筒部14d3の下端は肩部14cに連続している。すなわち、内部容器14の首部14dのテーパー部14d2、円筒部14d3および肩部14cの上部は、くびれ部を形成している。
嵌合筒部15a1の底部15cに弱め線15fで囲まれた閉鎖部(被開封部)15dを設ける点は、図2Aの二重加圧容器11と同様である。ただし図4Aの二重加圧容器11では、蓋体15の上面外周に切り欠き15h1を設けている。この切り欠き15h1は、蓋体15の上面にホーンを押し当てて超音波溶着をするとき、外部容器13の首部上端の環状突起13gにホーンの振動が集中しやすくする。
図4Aの蓋体15は、封止部15aの内側に嵌合筒部15a1が設けられており、前述のテーパー状の下部15a3の下端15a4と嵌合筒部15a1から下方に延びる下部筒部15a5の下端とが連結部15a6で繋がっている。また、下部筒部15a5の下端よりいくらか上を閉じる底部15cに前記閉鎖部15dが設けられている。そのため、蓋体15の上面にホーンを押し当てて超音波溶着をするとき、ホーンの振動は封止部15aを通り、その下端15a4から原液C側に流れやすい。また、閉鎖部15dは連結部15a6よりも上に設けられているため、振動が閉鎖部15dに伝わりにくい。したがって弱め線15fの溶解や貫通などが防止される。
図4Aの二重加圧容器11は、内部容器14の首部14dにテーパー部14d2および円筒部14d3からなるくびれ部を形成し、そのくびれ部が蓋体15の封止部15aと密接しているので、内部容器14に原液Cを充填したとき、気相部Gp(ヘッドスペース)が小さくなる。したがって、消費者が使用を開始する際に気相部Gpで圧縮されている気体により原液Cが勢いよく吐出されて飛び散る、また吐出時に原液Cに気体が混じり、原液Cが不連続で吐出されるなどの問題が生じにくく、吐出がスムーズになる。特に、原液中にイソペンタンや1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンなどの沸点が10~35゜Cである発泡剤を含有した後発泡性ゲル組成物もしくは後発泡性クリーム組成物を充填した場合であっても、気相部Gpが小さいことにより充填直後の発泡を防止して、ゲル状やクリーム状に吐出することができる。
図4Aの二重加圧容器11においては、内部容器14の首部14dおよび蓋体15の封止部15aの下部15a3をストレートの円筒状とすることもできる。しかし内部容器14の首部14dにくびれ部を設け、蓋体15の封止部15aの下部15a3をテーパー状にするほうが、気相部Gpの径および容積を小さくすることができるので好ましい。また、テーパー状の下部15a3に内部容器の首部のテーパー部14d2と圧接するリブ15pを設けて、蓋体15を容器本体16に被せた際に線シールを形成するようにすれば、加圧剤Pを充填する際に内部容器14内への混入を防止することができ、また蓋体15を溶着する際の超音波振動によって原液Cが霧化されてもテーパー状の下部15a3と内部容器の首部のテーパー部14d2との隙間から溶着部側への流出が防止されて、溶着が阻害されない。なお、リブ15pの代わりにテーパー状の下部15a3の外周面を球面形状にして首部のテーパー部14d2と当接させて線シールを形成することもできる。
図4Bの吐出装置10も、蓋体15に凹溝15nを備えている。シール部材28が凹溝15nに位置すると、凹溝15nと重なる部分において、蓋体15(嵌合筒部15a1)の内面とバルブ21(ハウジング24)の外面とによるシール部材28の圧縮が緩む。この状態は、シール部材28によるシールが凹溝15nによって一部解除されるともいえる。そのため、凹溝15nを通して原液Cが内部容器14から漏れ出す。漏れ出した原液Cは、蓋体15とバルブホルダ18との間やキャップ20の内面と外部容器13の首部13dの外面との間を通って吐出装置10の外へ漏れ出す。漏れ出した原液Cは、勢いがなくゆっくりと漏出するため周囲に飛び散ることなく、キャップ20を外そうとした人の手に付着したり、視認できたりする。
シール部材28は、キャップ20を緩める(外し始める)前、すなわちキャップ20を加圧製品11aに完全に取り付けた状態では、凹溝15nよりも下(上流)に位置している。そのため、凹溝15nから原液Cが漏れ出すことは無い。一方、キャップ20を緩めていく(外し始める)と、バルブ21全体が上に向かって移動し、キャップ20が加圧製品11aから取り外される前に(雄ねじ13eにキャップ20がまだ螺合している状態で)シール部材28は凹溝15nに差し掛かり、原液Cが漏れ出す(図4Bの矢印参照)。このように、上記構成の吐出装置は、キャップ20を緩める(外し始めた)ことに起因するバルブ21の移動によって、シール部材28によるシールを一部だけ解除する一部解除機構Reを備えているため、原液Cがまだ残っていることを原液Cの漏れによって使用者に知らせることができ、原液Cが残った状態でのキャップ20の取り外しを抑制することができる。なお、原液Cの漏れに気づいたときに再度キャップ20を締めなおせば、シール部材28は凹溝15nよりも下(上流)に位置することとなり、原液Cの漏れは止まり、再度使用することができる。
また、蓋体15は第1突起15mを備え、バルブ21は第2突起18iを備えている。キャップ20を加圧製品11aに完全に取り付けた状態(キャップ20を緩める(外し始める)前)では、図3Aの場合と同様に、第2突起18iは第1突起15mよりも下に位置しており、第1突起15mと第2突起18iとは接触していない。一方、キャップ20を緩めていく(外し始める)と、バルブ21全体が上に向かって移動し、キャップ20が加圧製品11aから取り外される前に第1突起15mと第2突起18iとが接触する。そのため、キャップ20を回し辛くなる。この回し辛くなるタイミングを、凹溝15nからの原液Cの漏れ出しのタイミングと合わせる、換言すれば、第1突起15mと第2突起18iとが接触するときのキャップ20の緩め具合(外し具合:回転数や回転角度)と、シール部材28が凹溝15nに差し掛かるとき(一部解除機構Reが作動するとき)のキャップ20の緩め具合(外し具合:回転数や回転角度)を等しくすることで、使用者に違和感を与えやすくなり、原液Cが残った状態でのキャップ20の取り外しを一層抑制することができる。
他の構成のついては、図2の吐出装置10と同様であることから、同符号を付し説明を省略する。
図5の吐出装置10は、操作ボタン23に代えて、外装品70が取り付けられている。外装品70は、キャップ20Aに装着されるカバー部71と、ステム22に装着されるノズル72と、ノズル72を介してステム22を押し下げる(噴射操作する)ためのボタン73を備えている。
カバー部71は、キャップ20Aを覆う下筒部71aと、下筒部71aの上端から上方に向かって延びる上筒部71bと、上筒部71bに被さる蓋部71cと、下筒部71aと上筒部71bとを区画する区画壁71dと、区画壁71dから立ち上がる支持筒71eとを備えている。下筒部71aは略円筒状であって、内径はキャップ20Aの外径と略等しい。上筒部71bは略円筒状であって、上方に向かって徐々に径を大きくしている。蓋部71cは有底筒状であって、下端が開口している。下端部には上筒部71bの上端と係合する係合段部71c1が設けられている。区画壁71dは略円盤状であって、中央部にノズル72やステム22を貫通させるための貫通孔71d1が設けられている。支持筒71eは略円筒状であって、貫通孔71d1の周りから上方に向かって延びている。
ノズル72は内部に原液Cを通すための通路72aを備えている。このノズル72は、上方向に延びる縦部72bと、縦部72bの上端から横方向に延びる横部72cとを備えている。縦部72bの下端はステム22に着脱可能に装着されている。そのため、ステム22から取り外して洗浄することができる。内部の通路72aはステム22と連通している。この通路72aは横部72cの先端で開口している。横部72cの先端には、噴射孔を有する噴射ノズル72dが装着されている。
ボタン73は有底筒状の押部73aと、押部73aの中央から下方に延びる円筒状の被せ筒73bとを備えている。押部73aは、ノズル72の横部72cと係合しており、押部73aを押し込むことでノズル72を介してステム22を押し込むことができるようになっている。また、ノズル72をステム22から取り外せば、ノズル72と一緒に外れるようになっている。被せ筒73bは、支持筒71eに対して摺動可能に外嵌しており、押部73aを押し込んだ際にボタン73のぶれを抑制している。
図5Bは、下筒部71aをキャップ20Aに被せた状態を示している。図に示すように、下筒部71aの内周面には第1爪部71a1が設けられ、キャップ20Aの外周面には第2爪部20cが設けられている。第1爪部71a1と第2爪部20cとは、カバー部71(下筒部71a)を、キャップ20Aの軸に対して例えば時計回りに回したときにのみ互いに係合する。具体的には、第1爪部71a1と第2爪部20cとがそれぞれ鋸歯状とされており、時計回りには互いに引っ掛かるが、反時計回りでは第1爪部71a1が第2爪部20cを乗り越えてしまい、互いに引っ掛からないようになっている。そのため、カバー部71を時計回りに回すと、キャップ20Aも同じように時計回りに回る。一方、カバー部71を反時計回りに回したときには第1爪部71a1と第2爪部20cとは係合しない。そのため、カバー部71を反時計回りに回してもキャップ20Aは回らず、カバー部71のみが空回りする。すなわち、下筒部71aとキャップ20Aとで一方向にのみ共回りするラチェット機構Raが構成されている。共回りする方向はキャップ20Aを締める方向と同じにしてある。そのため、カバー部71を回してもキャップ20Aを緩める(外す)方向に回すことはできず、キャップ20Aの加圧製品11aからの取り外しを抑制することができる。一方で、カバー部71を回すことでキャップ20Aを締めることができるため、キャップ20Aとバルブ21とを下筒部71aに入れた状態で外装品70を加圧製品11aに被せ、外装品70を回せば加圧製品11aを開封することができる。
原液Cを吐出させるには、まず、上筒部71bと蓋部71cの係合を解除し、蓋部71cを取り外す(図6A参照)。そして、露出したボタン73を下方に押し下げることでノズル72を介してステム22を押し下げ、ノズル72から原液Cを吐出させる。原液Cを全量吐出した後は、外装品70を上方に取り外した上でキャップ20Aを回し、バルブ21を加圧製品11aから取り外す。そして取り外した吐出部材12(キャップ20A、バルブ21、シール部材28、外装品70)は新しい加圧製品11aに取り付ける。
他の構成のついては、図2や図4の吐出装置10と同様であることから、同符号を付し説明を省略する。
図6の吐出装置10では、外装品70とキャップ20とが係合しておらず、外装品70と加圧製品11aとが係合している。具体的には、カバー部71Aの下筒部71aに係合孔74aが設けられ、係合孔74aに係合する突片13iが外部容器13のサポート部13d1に設けられており、係合孔74aに突片13iが挿入されることで、外装品70と外部容器とが係合している。このように、外装品70とキャップ20とが係合していなければ、外装品70を回したとしてもキャップ20が緩むことは無く、キャップ20の加圧製品11aからの取り外しを抑制することができる。なお、係合孔74aは、下筒部71aからほとんど切り離された可動部74に位置している。可動部74は、上下方向の中間部の2か所(連結部74b)だけが下筒部71aと繋がっており、可動部74の上部を押し込むと、可動部74の下部が外側にはね出すようになっている。係合孔74aは可動部74の下部に設けられており、係合孔74aと突片13iとの係合を外すには、可動部74の上部を押し込めばよい。
他の構成については図5の吐出装置10と同様であることから、同符号を付し説明を省略する。
図7の吐出装置10では、カバー部71Bが、カバー部71Bをキャップ21Bに対してキャップ20Bの軸周りに回転自在に係合させる係合部71a3を備えている。具体的に説明すると、まず、カバー部71Bの下筒部71aが、下方に向かって複数延出された係合片71a2と、その係合片71a2の内側に設けられた係合突起(係合部)71a3とを備えている。係合突起71a3は、キャップ21Bの下端に係合しているが、キャップ21Bの下端が平坦で且つ滑らかである。そのため、カバー部71Bをキャップ21Bの軸周りに回転させても、係合突起71a3が回転方向でキャップ21Bに引っ掛かることは無いのである。すなわち、係合突起71a3は、キャップ21Bからのカバー部71Bの脱落を抑制するものであって、カバー部71Bの回転を制限するものではない。なお、係合片71a2、71a2間にはスリットが設けられているとも言え、係合片71a2が下筒部71aの径外方向に変形しやすくなっており、係合突起71a3をキャップ21Bの下端に係合させやすくなっている。
係合片71a2は、係合片71a2の基端から下方に向かって延出されたスカート部71a4によって覆われている。スカート部71a4は周方向に連続しており、係合片71a2を超えて外部容器13の肩部13c近傍まで延びている。
ところで、図7の吐出装置10もラチェット機構Raを備えている。ただし、図5Aの吐出装置10とは異なり、第1爪部71a1は下筒部71aの上部(区画壁71dの下面近傍)に設けられ、第2爪部20cはキャップ21Bの上部(区画壁71dの下面近傍)に設けられている。機構としては図5Aや図5Bのものと同様である。すなわち、キャップ21Bを締める(取り付ける)方向には第1爪部71a1と第2爪部20cとが係合し、キャップ21Bを緩める(外す)方向には第1爪部71a1と第2爪部20cとは係合しない。そのため、カバー部71Bをキャップ21Bの軸周りに回しても、キャップ21Bが緩む(外れる)ことは無い。一方で、未開封の加圧製品11aを開封させるにあたっては、下筒部71a内にキャップ21Bを入れた状態で、加圧製品11aにキャップ21Bとカバー部71Bとを被せ、カバー部71Bをキャップ21Bを締める方向に回転させるだけでよい。なお、この際、キャップ21Bの下端に係合突起71a3が係合するため、カバー部71Bからのキャップ21Bの脱落を防止することができ、作業し易い。
原液Cを全量吐出した後は、まず、外装品70を上方に取り外す。係合突起71a3がキャップ21Bの下端に係合しているが、係合突起71a3が数か所であって、係合片71a2同士が分離しているため、比較的小さな力で係合を解除することができる。その後、キャップ20Bを回し、バルブ21を加圧製品11aから取り外す。そして取り外した吐出部材12(キャップ20B、バルブ21、シール部材28、外装品70)は新しい加圧製品11aに取り付ける。
他の構成については図5の吐出装置10と同様であることから、同符号を付し説明を省略する。
図8と図9は、キャップとしてネジキャップを用いない吐出装置10を示している。図8Aに示すように、キャップ20Cの内周面にはネジが設けられておらず、図8Bに示すように、外部容器13Aの首部13dにも雄ネジは設けられていない。この吐出装置10では、溝部13jと、この溝部13jに係合する係合突起(突起)20dとによってキャップ20Cが外部容器13Aに係止されている。係合突起20dはバルブアッセンブリに設けられているともいえる。
溝部13jは、外部容器13Aの首部13dの外周面に設けられている。この溝部13jは、首部13dの上端から下方に向かって延びる縦溝13j1と、縦溝13j1の下端から横方向に向かって延びる横溝13j2と、横溝13j2の終端において上方に凹んだ保持部13j3とを備えている。この溝部13jは複数設けられることが好ましい。また、等間隔に設けられることが好ましい。
係合突起20dは、キャップ20Cの内周面の下部に設けられている。係合突起20dは径内方向に突出しており、係合突起20dの径内方向の先端は、首部13dの外周面(溝部13jを除く)よりも径内側に位置している。係合突起20dは複数設けられることが好ましい。例えば溝部13jと同数設けられることが好ましい。また、溝部13jと同じ間隔で設けられることが好ましい。
キャップ20Cを外部容器13Aに取り付けるには、まず、係合突起20dと縦溝13j1の位置を合わせる。そして、キャップ20Cを押し下げる。キャップ20Cを押し下げると、バルブ21の開封部27によって蓋体15の閉鎖部15dが押し込まれ、加圧製品11aが開封される。開封後は、キャップ20Cを軸周りに回転させ、係合突起20dを縦溝13j1から横溝13j2へと移動させる。加圧製品11aを開封した後は、バルブ21が加圧剤Pの圧力を受けるが、横溝13j2に係合突起20dを位置させることで、加圧製品11aからキャップ20Cが外れることは無い。なお、係合突起20dを保持部13j3に位置させれば、係合突起20dが凹みに嵌った状態となり、キャップ20Cの軸周りの回転も抑制される。
ところで、縦溝13j1(容器11)には係止突起(突起)13kが設けられている。この係止突起13kは、キャップ20Cを押し下げる際には引っ掛からないか、もしくはほとんど引っ掛からず、キャップ20Cが抜ける方向には引っ掛かるようになっている。具体的には、首部13dの外周面に対して上面の傾斜が緩く、下面の傾斜が急になっている。また、係止突起13kは、凹溝15nとシール部材28とによる一部解除機構Reが作動する位置で係合突起20dと係合するよう、その上下方向の位置が定められている。そのため、加圧製品11aを開封した後で係合突起20dを縦溝13j1に位置させたとしても(キャップ20Cを加圧製品11aから外し始めても)、キャップ20Cは加圧製品11aからすぐに外れることは無く、一度、係止突起13kによって止められる。この際、内部容器14内に原液Cが残っていれば、一部解除機構Reによって原液Cが吐出装置10の外に僅かに漏れ出すことになる。一部解除機構Reが作動しても、再度、キャップ20Cを押し込めば、吐出装置10を継続して使用することができる。原液Cを全て吐出し終えた後であれば、原液Cが漏れ出してくることは無い。この場合、キャップ20Cを上方に強く引っ張り、係止突起13kと係合突起20dとの係合を解除することで、キャップ20Cやバルブ21を加圧製品11aから取り外すことができる。取り外した吐出部材12は新しい加圧製品11aに取り付けることができる。
なお、上記吐出装置10では、蓋体15に第1突起15mが設けられておらず、バルブホルダ18に第2突起18iが設けられていない。その他の構成については、図2の吐出装置10と同様であることから、同符号を付し説明を省略する。
図10A、図10Bは別の吐出装置を示している。図に示すように、この吐出装置10では、内部容器14の内部が加圧剤Pを充填する加圧剤収容室Spとされ、外部容器13と内部容器14の間が原液Cを充填する原液収容室Scとされている。そして、内部容器14内に加圧剤Pが充填され、外部容器13と内部容器14との間に原液Cが充填されている。外部容器13と内部容器14は蓋体15によって封止されている。この実施形態では蓋体15は、外部容器13を封止する外蓋151と、内部容器14を封止する内蓋152とに分かれている。外蓋151と内蓋152の間には原液通路Gを介在させている。
外部容器13については上記他の吐出装置10と同様である。内部容器14については上記他の吐出装置10と一部が異なる。具体的には、外部容器13の首部13dの上端面14eに係合するフランジを有していない。ただ、フランジを有していてもよい。
内部容器14の首部14dの外周面には、図11Bに示すように、原液収容室Scと原液通路Gを連通する縦溝14iが形成されている。内部容器14の首部14dは、縦溝14iを除き、外部容器13の首部13dの内周面と嵌合している。また、同時ブロー成形の場合は、内部容器14の肩部14cの外面が外部容器13の肩部13cの内面と密着して原液Cが流れにくくなることがある。内部容器14には加圧剤(気体)Pを充填するため、外蓋151を溶着する際に内部容器14の首部14dの上端を外部容器13の首部13d内に押し込むことにより首部14dから肩部14cにかけて下方に変形し、内部容器14の肩部14cの外面を外部容器13の肩部13cの内面から引き剥がし、原液Cの流路が詰まりにくいように拡げることができる。
図11Bに示すように、前記内蓋152は内部容器14の首部14d内に挿入され、嵌合される筒状の嵌合部152aと、その上端の開口を塞ぐ円板状の蓋部152bと、嵌合部152aの上端から外向きに拡がるフランジ152cとからなる。嵌合部152aと蓋部152bの付け根に溶着用の隅肉を設けてもよい。
前記外蓋151は外部容器13の首部13dの上端面13fに溶着される円筒状の外筒部151aと、その上端の開口を塞ぐ環状円板部151bと、その中央部から立ち上がる嵌合筒部15b1とを有する。外筒部151aは内蓋152のフランジ152cの外周を隙間をもって内挿している。嵌合筒部15b1の下部の開口は、底板15cによって塞がれており、その底板15cに使用時に開封される閉鎖部15dが設けられている。閉鎖部15dの周囲は、環状の薄肉部あるいは弱め線15fによって囲まれている。弱め線15fは未開封では充分なシール機能があり、かつ、容易に破断できる形状とする。この実施形態では、弱め線15fはV溝で形成している。底板15cを環状円板部151bより上側に設けて下方に空間を形成しているのは、閉鎖部15dを脱落ないし下向きに変形しやすくするためである。また、外蓋151を外部容器の上端面13fに溶着する際、超音波振動を与えるホーンを環状円板部151bに押し当てるが、底板の閉鎖部15dを環状円板部151bよりも上側に設けているため、超音波振動が閉鎖部15dに流れにくく、薄肉になっている閉鎖部の弱め線15fの溶解を防止することができる。
閉鎖部15dの上面側は、開封時に撓みにくいように厚肉にした受圧部15d1を設けている。さらに開封後に閉鎖部15dの脱落、遊離を防ぐため、弱め線15fを横切るように半径方向に延びる補強部15gを設けている。また、嵌合筒部15b1や閉鎖部15dは、成形時の冷却条件などで部分的に硬くし、開封時の延伸を抑制し、破断しやすくしてもよい。
前記嵌合筒部15b1の内周面は、閉鎖部15dを開封する際に原液Cが漏出しないように吐出部材12のシール材28が当接する部位であり、滑らかな円筒面にすることが好ましく、下に向かって縮径されるテーパー状としてもよい。ただ、嵌合筒部15b1の上部には、上下方向に延びる凹溝15nが設けられている。この凹溝15nの上端は、嵌合筒部15b1の上端にまで達している。一方で凹溝15nの下端は底部15cには達しておらず、嵌合筒部15b1の上下方向の長さの1/4~1/5程度の位置で止まっている。すなわち、嵌合筒部15b1の下部には凹溝15nは設けられていない。これは、バルブ21によって閉鎖部15dが開封されたときには、既に、シール部材28によって嵌合筒部15b1とバルブ21との間に液密のシールが形成されている状態とするためである。例えば凹溝15nの下端を、バルブ21が閉鎖部15dに最初に当接した状態でのシール部材28の位置よりも上(下流)に位置させればよい。凹溝15nの数は1つでも良いし、2つ以上であってもよい。
外蓋151の外筒部151aの内周面と内蓋152の外周面との間には、原液Cを通すための隙間からなる縦通路G1が設けられている。外蓋151の外筒部151aの高さは、内部容器14および外部容器13への内蓋152および外蓋151の溶着後に、環状円板部151bの下面と内蓋152の蓋部152bの上面との間に原液Cを通すための隙間(横通路G2)を残す寸法としている。上記の縦通路G1と横通路G2とで原液通路Gとなる。
上記構成の二重加圧容器11に加圧剤Pおよび原液Cを充填する手順を説明する。加圧剤収容室Spに加圧剤Pを充填するには、まず内部容器14に内蓋152を被せ、フランジ152cと内部容器14の首部14dの上端面14eの隙間から加圧剤Pを充填する。ついで内蓋152の上面に超音波溶着のホーンを押し当ててフランジ152cを首部14dの上端面14eに溶着する。それにより内蓋152が内部容器14に固着され、加圧剤収容室Spが封止される。
ついで外部容器13に外蓋151を被せ、外筒部151aの下面と外部容器13の首部13dの上端面13fの隙間から原液収容室Scに原液Cを充填する。このとき、原液収容室Scが拡がっていく。つぎに外蓋151の上面に超音波溶着のホーンを押し当てて外筒部151aの下面を外部容器13の首部13dの上端面13fに溶着する。それにより原液収容室Scが封止される。このとき、外蓋151と内蓋152の間に原液通路G(縦通路G1、横通路G2)が形成される。
上記の製造法では、加圧剤Pを内部容器14に充填し、内部容器14を密封する溶着を行い、その後に原液Cを充填し、原液収容室Scを密封する溶着を行うので、製造工程が簡易で容易になる。特に、外蓋151が、内蓋152を内挿する外筒部151aを備えているため、先に溶着した内蓋152と内部容器14により、外部容器13との溶着を阻害しない。
外蓋151や内蓋152の材料は外部容器13や内部容器14との熱接合性が高い熱可塑性樹脂が用いられる。溶着で固着する場合は外部容器13や内部容器14と同じ材料を用いることが好ましい。外蓋151および内蓋152は、それぞれ外部容器13および内部容器14に溶着するほか、接着剤で接着してもよい。外蓋151および内蓋152で原液収容室Scと加圧剤収容室Spを封止すると共に、内部容器14または外部容器13のいずれか、あるいは両方に固着することにより、内容物(原液C、加圧剤P)を長期間安全に、漏れないように保管しておくことができる。
図11及び図12を参照して、吐出製品11aの使用方法について説明する。前記吐出部材12は、外部容器13の首部13dの雄ねじ13eと螺合するキャップ(装着部)20Dと、そのキャップ20Dによって保持されるバルブ(弁)21とを備えている。バルブ21のステム22には、ノズルを備えた操作ボタン(図10Aの符号23、操作部)あるいは操作レバーで吐出する操作装置が装着される。キャップ20Dは有底筒状で、内周面に雌ねじが形成されている。そして上底20aに外蓋151の嵌合筒部15b1を収容する有底筒状の中央筒部20a1が上向きに突出するように設けられている。中央筒部20a1の上端はバルブ21のハウジング24を保持するバルブ保持部20fである。バルブ保持部20fの上底20b1の中央にステム22を通す孔20gが形成されている。
開封部27には、開封後にハウジング24内と原液通路G内とを連通する縦孔24cが形成されている。縦孔24cは1カ所でよいが、複数設けることもできる。複数設けることにより、1個所が詰まっても他の縦孔24cから原液を吐出させることができる。なお、縦孔24cは開封部27の中心に形成することもできる。
開封部27の下端27aには、閉鎖部15dの上面、すなわち受圧部15d1の上面と接近ないし当接する平坦な端面が形成されている。下端27aを平坦にすることにより、複数回使い回しても下端が潰れにくくなる。下端27aの位置は、図12Aに示すように、キャップ20Dを外部容器33の雄ねじに1~2回程度螺合させたときに閉鎖部15dと当接する位置である。したがって出荷時にはキャップ20Dを緩く螺合させて閉鎖部15dを破断せず、シール状態のまま吐出部材12と二重加圧容器11とを結合させた仮装着とすることができる。
流通、販売時に、図12Aに示すようにキャップ20Dを外部容器13に取り付けて、緩く螺合して仮に結合しておくと、購入した消費者は容易に開封操作をすることができる。なお図10Bのように、吐出製品11aと吐出部材12を組み立てずにセットとして販売、流通することもある。
使用者がキャップ20Dを回転させると、キャップ20D全体およびバルブ21が下降し、図12Bに示すように、開封部27の下端27aが閉鎖部15dを押し込み、弱め線15fで破断して開封する。しかし補強部15gでは破れないので閉鎖部15dが脱落せず、底板15cからぶら下がった状態となって残る。そのため、開封した穴などが閉鎖部15dによって詰まりにくい。補強部15gを設けることに代えて、弱め線15fを1カ所だけ形成しないか、あるいはV溝を浅くしておいてもよい。原液通路を介してハウジング24内と原液収容室Scとを連通する。
原液収容室内Scの原液Cは内部容器14を介して加圧剤Pによって加圧されているので、使用者がステム22に取り付けた操作ボタン23を押すと、ステム22が下降してステムラバー26が撓み、ステム孔が開き、原液収容室内Scの原液Cが内部容器14の首部14dの縦溝14i、縦通路G1、横通路G2、開封部27、ハウジング24、ステム22および操作ボタン23を経由して外部に吐出される。押すのをやめるとステム22が上昇し、吐出が停止する。加圧剤Pを充填している加圧剤収容室Spは内蓋152によって閉じられ、外部や原液収容室Scと連通していないので、加圧剤Pは外部に漏れない。
ところで、上記の通り、外蓋151は凹溝15nを備えている。シール部材28が凹溝15nに位置すると、凹溝15nと重なる部分において、蓋体15(嵌合筒部15b1)の内面とバルブ21(ハウジング24)の外面とによるシール部材28の圧縮が緩む。この状態は、シール部材28によるシールが凹溝15nによって一部解除されるともいえる。そのため、凹溝15nを通して原液Cが原液収容室Scから漏れ出す。漏れ出した原液Cは、キャップ20Dの内面と外部容器13の首部13dの外面との間を通って吐出装置10の外へ漏れ出す。漏れ出した原液Cは、勢いがなくゆっくりと漏出するため周囲に飛び散ることなく、キャップ20を外そうとした人の手に付着したり、視認できたりする。
シール部材28は、キャップ20Dを緩める(外し始める)前、すなわちキャップ20Dを加圧製品11aに完全に取り付けた状態では、凹溝15nよりも下(上流)に位置している。そのため、凹溝15nから原液Cが漏れ出すことは無い。一方、キャップ20Dを緩めていく(外し始める)と、バルブ21全体が上に向かって移動し、キャップ20Dが加圧製品11aから取り外される前に(雄ねじ13eにキャップ20Dがまだ螺合している状態で)シール部材28は凹溝15nに差し掛かり、原液Cが漏れ出す(図12cの矢印参照)。このように、上記構成の吐出装置10は、キャップ20Dを緩める(外し始めた)ことに起因するバルブ21の移動によって、シール部材28によるシールを一部だけ解除する一部解除機構Reを備えているため、原液Cがまだ残っていることを原液Cの漏れによって使用者に知らせることができ、原液Cが残った状態でのキャップ20Dの取り外しを抑制することができる。なお、原液Cの漏れに気づいたときに再度キャップ20Dを締めなおせば、シール部材28は凹溝15nよりも下に位置することとなり、原液Cの漏れは止まり、再度使用することができる。
原液Cが少なってくると、内部容器14が拡がって原液収容室Scが収縮していく。そして吐出するたびに元の形状に近づくように拡がり、全量吐出した後は、内部容器14は皺や捻じれなどがなくなり、外部容器13の内面にほぼ密着する。そのとき、外観は原液Cから透明に変化するため、吐出部材12を取り外す時期がわかりやすい。この状態でキャップ20Dを外部容器13から取り外す。二重加圧容器11は、加圧剤Pとして圧縮ガスを使用しているため、原液Cがなくなると圧力は0.01~0.2MPa(ゲージ圧)程度に低くなるが、内部容器14内の加圧剤Pを放出するために、内蓋152にガス抜き用の被開封部を設けることが好ましい。これにより、外部容器13内の加圧剤Pを安全に放出することができ、外部容器13を押しつぶして減容し、廃棄することができる。なお、取り外した吐出部材12は新しい吐出製品11aに装着して再利用する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内で種々の変形を行うことができる。たとえば、凹溝15nをバルブ21に設け、シール部材28を蓋体15に装着してもよい。この場合、凹溝15nは下に向かって設けられる。キャップ20が緩められ、バルブ21が徐々に上に移動していくことで、シール部材28が凹溝15nに差し掛かり、原液Cが凹溝15nを介して外部に漏れ出すようになる。
また、図8及び図9の吐出装置10においては、キャップ20Cに溝部13jと係止突起13kを設け、外部容器13Aに係合突起20dを設けるようにしてもよい。この場合であっても同様の作用効果を奏する。
また、図5や図7に示す外装部70と、図2、図4、図8、図11、図12の加圧製品11aとは自由に組み合わせることができる。例えば、図8のキャップ20Cの外面に、キャップ20Aやキャップ20Bと同じように第2爪部20cを設け、図5や図7に示す外装品70をキャップ20Cで覆えば、一方向にのみ共回りするラチェット機構Raが構成される。共回りする方向を、縦溝13j1から保持部13j3に向かう方向と同じにすれば、保持部13j3から縦溝13j1に向かう方向(すなわちキャップ20Cを外す方向)にカバー部71を回してもキャップ20Cを外すことはできず、キャップ20Cの加圧製品11aからの取り外しを抑制することができる。一方で、カバー部71を縦溝13j1から保持部13j3に向かう方向に回すことはできるため、キャップ20Cとバルブ21とを下筒部71aに入れた状態で外装品70を加圧製品11aに被せ、外装品70を回せば加圧製品11aにキャップ20Cを取り付けることができる。また、図8のキャップ20Cと外部容器13Aを図4の吐出装置10に適用してもよい。
また、蓋体15は内部容器14と外部容器13の両方に溶着していたが、いずれか一方に固着し、他方とは単にOリングなどで封止(シール)するだけでもよい。また、前記実施形態では、内部容器14と外部容器13を同時にブロー成形して製造するとしているが、別々に製造し、その後、内部容器を外部容器の内部に収容するようにしてもよく、成形した外部容器の中で、内部容器をブロー成形してもよい。前記実施形態では円柱状の開封部27を用いているが、角柱状など、棒状であればよい。