JP7299024B2 - 汚染土壌の不溶化材及び不溶化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重金属類によって汚染された土壌を対象する不溶化材及び不溶化方法に関する。
トンネル等の掘削工事により、鉛、砒素、フッ素、セレン等の自然由来重金属類を含む土壌が発生している。近年、重金属類の汚染土壌の処理方法として、低コストかつ短時間で汚染物質の溶出を抑制することができる不溶化処理が注目されている。特許文献1,2には、塩化第一鉄の還元作用を利用した重金属類の不溶化材が開示されている。
一方、工事現場等では、不溶処理後の土壌は改良土として有効に利用されることがあるため、改良特性(固化性能)が優れていることが望ましい。特許文献3には軽焼マグネシア部分水和物を含む不溶化材であって固化強度の増大の観点から石膏を更に含有する不溶化材が開示されている。
特開2009-256593号公報 特許第6355946号公報 特許第4481360号公報
特許文献1に記載の不溶化材は、不溶化処理土の固化性能が十分ではないため、その結果として不溶化材の添加量が多くなり、処理コストが高くなるケースがあった。特許文献2,3に記載の不溶化材は、石膏や炭酸カルシウム由来のカルシウムイオンにより、処理土の周辺環境(地下水等)のpH緩衝能が低下し、また重金属類の不溶化効果が低下する恐れがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、コストの上昇を抑制できるとともに、重金属類の不溶化効果を十分に発揮し、かつ固化強度が十分に高い不溶化処理土を得ることができる不溶化材及びこれを用いた不溶化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
(1)従来、不溶化材の原料の一つとして使用されている酸化マグネシウム粉末には不純物として硫酸塩が含まれている。比較的低い品質の酸化マグネシウム粉末は原料コストを抑えられるメリットがあるものの、硫酸塩の含有量が多い。
(2)酸化マグネシウム粉末と塩化第一鉄とを含む不溶化材において、酸化マグネシウム粉末に不純物として含まれる硫酸塩は、重金属類の不溶化を阻害する作用を有する反面、不溶化材の強度発現性を高める作用を有する。
(3)酸化マグネシウム粉末と塩化第一鉄とを含む不溶化材において、硫酸塩の量を所定の範囲とすることで、不溶化効果及び強度発現性の両立できる。
本発明に係る汚染土壌の不溶化材は、硫酸塩を含む酸化マグネシウム粉末と、塩化第一鉄とを含み、酸化マグネシウム粉末の硫酸塩含有率がSO換算で0.07~6.73質量%である。この不溶化材によれば、硫酸塩を比較的多く含む酸化マグネシウム粉末(比較的低い純度の酸化マグネシウム粉末)を原料の一つとして使用できるため、コストの上昇を抑制することができる。また、この不溶化材によれば、上記所定の量の硫酸塩が含まれることで、重金属類の不溶化効果が十分に発揮され、かつ固化強度が十分に高い不溶化処理土が得られる。なお、ここでいう汚染土壌には岩石(掘削ずり)も含まれる。
上記酸化マグネシウム粉末は、酸化マグネシウム含有率が80質量%以上であり、かつ酸化カルシウム含有率が3質量%以下であることが好ましい。これらの条件を満たす酸化マグネシウム粉末を使用することで、処理土の周辺環境(地下水等)のpH緩衝能が低下することを十分に抑制できるとともに、重金属類の優れた不溶化効果がより一層安定的に奏される。
本発明に係る汚染土壌の不溶化材は、当該不溶化材の全質量基準で、例えば、酸化マグネシウム粉末を20~80質量%含み、かつ塩化第一鉄を20~80質量%含む。
本発明に係る汚染土壌の不溶化方法は、上記汚染土壌の不溶化材と土壌とを混合する工程を含む。この不溶化方法によれば、不純物(硫酸塩)を比較的多く含む酸化マグネシウム粉末を原料の一つとして使用された不溶化材を使用するため、コストの上昇を抑制することができる。また、この不溶化方法によれば、上記不溶化材を使用することで、重金属類の不溶化効果が十分に発揮され、かつ固化強度が十分に高い不溶化処理土が得られる。
本発明によれば、コストの上昇を抑制できるとともに、重金属類の不溶化効果を十分に発揮し、かつ固化強度が十分に高い不溶化処理土を得ることができる不溶化材及び不溶化方法が提供される。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
〔不溶化材〕
本実施形態に係る不溶化材は、不純物を含む酸化マグネシウム粉末と、塩化第一鉄とを含み、酸化マグネシウム粉末はSO換算で0.07~6.73質量%の硫酸塩を含む。なお、ここでいう「酸化マグネシウム」は、水酸化マグネシウム(Mg(OH))やマグネサイト鉱石(MgCO)を600~900℃の低温で焼成することで得られる軽焼酸化マグネシウムを意味する。
工業的に生産されている酸化マグネシウム粉末は、海水と石灰との反応で生成した水酸化マグネシウム(Mg(OH))やマグネサイト鉱石(MgCO)を焼成することで得られる。このようにして得られる酸化マグネシウム粉末は海水由来又は鉱物由来の硫酸塩(例えばMgSO、CaSO及びNaSO)を不純物として含んでいることがある。
本実施形態では、特定の量の硫酸塩を含む酸化マグネシウム粉末を使用する。酸化マグネシウム粉末の硫酸塩の含有率(酸化マグネシウム粉末の質量基準)は、不溶化効果と強度発現性の両立及び原料コストの点から、SO換算で0.07~6.73質量%であり、好ましくは0.08~3.67質量%であり、より好ましくは0.09~2.60質量%であり、更に好ましくは0.11~2.00質量%である。具体的には、硫酸塩の含有率(SO換算)が0.07質量%未満の酸化マグネシウム粉末を使用した場合、強度発現性が不十分となるとともに原料コストが増大する。他方、硫酸塩の含有率(SO換算)が6.73質量%を超える酸化マグネシウム粉末を使用した場合、重金属類の不溶化効果が不十分となる。本実施形態で使用する酸化マグネシウム粉末としては、硫酸塩のうち、特に硫酸マグネシウム(MgSO)の含有率(SO換算)が上記範囲であることが好ましい。
本実施形態で使用する酸化マグネシウム粉末は、MgO含有率(酸化マグネシウム粉末の質量基準)が80質量%以上であり、かつCaO含有率(酸化マグネシウム粉末の質量基準)が3質量%以下であることが好ましい。これらの条件を満たす酸化マグネシウム粉末を使用することで、処理土の周辺環境(地下水等)のpH緩衝能が低下することを十分に抑制できるとともに、重金属類の優れた不溶化効果がより一層安定的に奏される。酸化マグネシウム粉末のMgO含有率はより好ましくは85質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である。酸化マグネシウム粉末のCaO含有率はより好ましくは2.8質量%以下であり、更に好ましくは2.5質量%以下であり、特に好ましくは2.0質量%以下である。
本実施形態で使用する塩化第一鉄は、市販のものでよく、また粉末状及び液状のいずれでもよいが、取り扱い性の観点から粉末状のものを採用することが好ましい。また、塩化第一鉄は無水和物、二水和物及び四水和物のいずれであってもよい。
本実施形態の不溶化材は、上記酸化マグネシウム粉末と上記塩化第一鉄とを混合することによって得ることができる。不溶化材の酸化マグネシウム粉末含有率(不溶化材質量基準)は好ましくは20~80質量%であり、より好ましくは40~70質量%である。不溶化材の塩化第一鉄含有率(不溶化材質量基準)は好ましくは20~80質量%であり、より好ましくは30~60質量%である。
酸化マグネシウム粉末と塩化第一鉄とを混合する方法は特に限定されず、例えばリボンミキサー、ナウターミキサー、ドラムブレンダー、ロッキングミキサーなどの装置を用いた方法が挙げられる。
〔不溶化方法〕
本実施形態の不溶方法は、上記不溶化材と土壌とを混合する工程を含む。不溶化材の作用効果によって土壌中の有害物質を不溶化することができる。本実施形態において、処理対象土壌に含まれる有害物質(重金属類)は、鉛、六価クロム、水銀、カドミウム、砒素、セレン、フッ素及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも一種の物質である。本実施形態の不溶方法は重金属類によって汚染された土壌に対して優れた不溶化効果及び強度発現性を発揮する。
本実施形態の不溶化方法において、不溶化材の添加量は、対象土壌の土質や汚染度合によって選定されるが、土壌1mに対して20~200kg添加すれば十分な不溶化効果及び固化性能が得られる。不溶化材の添加量は、より好ましくは20~150kg/m、更に好ましくは20~75kg/mである。不溶化材の添加量が20kg/m以上であれば、不溶化材と土壌との混合が十分に出来るので好ましい。一方、不溶化材の添加量が200kg/m以下であれば、処理コストの面で経済的であり好ましい。
不溶化処理土からの重金属類の溶出量は、環境庁告示18号法による土壌溶出量基準(例えばセレンでは0.01mg/L以下)を満たすことが求められているが、処理対象土壌と不溶化材との混合具合による不溶化効果のばらつきや分析誤差等を考慮して、例えばセレンでは0.007mg/L以下であることが望ましい。本実施形態に係る不溶化方法によれば、処理対象土壌に含まれるセレンを不溶化する効果に特に優れ、処理対象土壌からのセレンの溶出量を0.007mg/L以下まで低コストかつ効果的に低減することができる。
不溶化処理土の改良特性(固化性能)の指標となるコーン指数は、例えば1200kN/m以上(日本道路協会、ダンプトラックの走行に必要なコーン指数)であることが望ましい。なお、一般に、一軸圧縮強さ(qu)とコーン指数(qc)との間には、qc=(5~10)qu(kN/m)の関係があるといわれていることから(固化処理工法研究会、技術資料 第4章設計)、不溶化処理土の一軸圧縮強さは240kN/m以上であることが望ましい。本実施形態の不溶化材は、不溶化処理土の固化性能を高める効果に優れることから、これを用いた不溶化方法によれば、不溶化処理土の一軸圧縮強さを、240kN/m以上まで高めることができる。
以下に、本発明について実施例、参考例及び比較例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
1.使用材料
〔原土〕
原土に砂岩を用いた。原土の性状を表1に示す。含水比は、JIS A 1203「土の含水比試験方法」に準拠して測定した。粒度は、原土を目開き75μmの篩上で水洗いし粗粒分を十分に洗い流した後、篩残留分の全量を110℃で1日間乾燥させ、得られた乾燥土を目開き2mm、425μm、75μmの篩を用いて分級することにより算出した。pHは、JGS 0211-2009「土懸濁液のpH試験方法」に準拠して測定した。
Figure 0007299024000001
〔試料土〕
表1に示す原土Aに、セレン酸ナトリウム(NaSeO、和光純薬工業社製)を溶解した水溶液を所定量添加し、ソイルミキサーを用いて90秒間練り混ぜた後、容器やパドルに付着した土を掻き落とし、さらに90秒間練り混ぜた。再度土を掻き落とし、90秒間練り混ぜた後、試料土をポリエチレン袋で密閉した状態で8日間養生し、試料土A(模擬汚染土)とした。試料土A(模擬汚染土)の性状を表2に示す。含水比は、原土と同様の方法で測定した。湿潤密度は、直径5cm、高さ10cmの型枠に試料土を充填し、充填された試料土の質量と型枠の容積から求めた。セレンの溶出量は、環境庁告示18号法に準拠して検液を作製し、検液の全セレンの濃度をJIS K 0102:2016「工業排水試験方法」に準拠して測定した。
Figure 0007299024000002
表1に示す原土Bに、蒸留水を所定量添加し、ソイルミキサーを用いて90秒間練り混ぜた後、容器やパドルに付着した土を掻き落とし、さらに90秒間練り混ぜた。再度土を掻き落とし、90秒間練り混ぜた後、試料土をポリエチレン袋で密閉した状態で1日間養生し、試料土Bとした。試料土Bの性状を表3に示す。含水比は、原土と同様の方法で測定した。湿潤密度は、試料土A(模擬汚染土)と同様の方法で測定した。
Figure 0007299024000003
〔酸化マグネシウム粉末〕
酸化マグネシウム粉末として、軽焼酸化マグネシウム粉末(宇部マテリアルズ株式会社製)及び硫酸マグネシウム無水和物(MgSO、富士フイルム和光純薬株式会社製)を用いた。軽焼酸化マグネシウム粉末の化学組成を表4に示す。また、硫酸マグネシウム無水和物の化学組成を表5に示す。この軽焼酸化マグネシウム粉末に、硫酸マグネシウム無水和物を所定量添加し、SOの含有率が異なる酸化マグネシウム粉末(不純物を含む模擬酸化マグネシウム粉末)を調製した。調製した酸化マグネシウム粉末の化学組成を表6に示す。なお、軽焼酸化マグネシウム粉末の強熱減量(ig.loss)は、試料を1000℃で恒量になるまで強熱したときの減量から求めた。軽焼酸化マグネシウム粉末中のSiO2(不溶残分を含む)及びSOの含有率は、JIS R 9101:2018「せっこうの化学分析方法」を参考に測定した。すなわち、軽焼酸化マグネシウム粉末中のSiO2(不溶残分を含む)の含有率は、試料を塩酸及び過塩素酸で溶かした後、加熱してSiO2を脱水し、不溶性とした後、可溶分をろ過し、ろ紙上のSiO2と不溶残分を強熱して質量をはかることにより測定した。軽焼酸化マグネシウム粉末中のSOの含有率は、試料に塩酸と水を加えて煮沸して可溶残分を溶かした後、ろ紙でろ過し、得られたろ液及び洗液に塩化バリウム溶液を加えて硫酸バリウムを沈殿させ、沈殿をろ過して強熱し、質量をはかることにより測定した。軽焼酸化マグネシウム粉末中のAl、Fe、CaO、及びMgOの含有率は、JIS K 8432:2017「酸化マグネシウム(試薬)」のアルカリ金属元素(Na、K)の試験方法を参考にして測定した。すなわち、試料に水と塩酸を加え加熱して溶かした後、Feを吸光光度法で測定し、Al、CaO、MgOをICP発光分析法で測定した。硫酸マグネシウム無水和物の化学組成は、アルカリ融解-ICP発光分光分析法により測定した。酸化マグネシウム粉末の化学組成は、軽焼酸化マグネシウム粉末と硫酸マグネシウムの配合割合から算出した。
Figure 0007299024000004
Figure 0007299024000005
Figure 0007299024000006
〔塩化第一鉄〕
塩化第一鉄には、塩化第一鉄四水和物(FeCl・4HO、富士フイルム和光純薬株式会社製)を用いた。
〔不溶化材〕
表6に示す酸化マグネシウム粉末と塩化第一鉄を所定の比率で配合し、不溶化材を調製した。不溶化材の配合割合を表7に示す。
Figure 0007299024000007
2.試験方法
〔不溶化試験〕
表7に示す各種不溶化材を、試料土A(模擬汚染土)1mに対して35.7kg添加し、ソイルミキサーを用いて90秒間練り混ぜた後、容器やパドルに付着した土を掻き落とし、更に90秒間練り混ぜることにより、不溶化処理を行った(比較例1、実施例1,2、参考例3~6及び比較例2)。得られた不溶化処理土をポリエチレン袋で密閉した状態で20℃で1日養生した後、環境庁告示18号法に準拠して検液を作製した。検液の全セレンの濃度をJIS K 0102:2016「工業排水試験方法」に準拠して測定した。
〔固化性能〕
表7に示す各種不溶化材を、試料土B1mに対して30.0kg添加し、ソイルミキサーを用いて90秒間練り混ぜた後、容器やパドルに付着した土を掻き落とし、更に90秒間練り混ぜることにより、不溶化処理を行った(比較例1、実施例1,2、参考例3~6及び比較例2)。得られた不溶化処理土を、直径5cm、高さ10cmの型枠に充填し、円柱供試体を作製し、20℃で1日密閉養生した後、JIS A 1216:2009「土の一軸圧縮試験」に準拠して、一軸圧縮強さを測定した。
3.試験結果
不溶化処理土からのセレンの溶出量及び不溶化処理土の一軸圧縮強さを表8に示す。なお、セレンの溶出量が0.007mg/L以下に低減し、かつ一軸圧縮強さが240kN/m以上を満たした場合は○と判定し、前記以外の場合は×と判定した。なお、表8には参考例1として未処理土のセレン溶出量及び一軸圧縮強さの測定値を示した。
Figure 0007299024000008
表8に示すように、硫酸塩をSO換算で0.07~6.73質量%含有する酸化マグネシウム粉末と塩化第一鉄とを含む不溶化材2~(実施例1,2、参考例3~6)は、硫酸塩含有率の多い酸化マグネシウム粉末と塩化第一鉄とを含む不溶化材8(比較例2)に比べ、セレンの不溶化効果が高く、硫酸塩含有率の少ない酸化マグネシウム粉末と塩化第一鉄とを含む不溶化材1(比較例1)に比べ、一軸圧縮強さが高くなっていることが分かる。その結果、セレンの溶出量が0.007mg/L以下に低減し、かつ、一軸圧縮強さが240kN/m以上を満たした。
所定量の硫酸塩を含まない酸化マグネシウム粉末と塩化第一鉄とを含む不溶化材(比較例1)では、不溶化処理土の固化性能が不十分であった。そのため、不溶化材添加量を増やすことになり、結果として処理コストが高くなる。また、軽焼マグネシウム部分水和物と石膏とを含む不溶化材や、マグネシウム含有物質と塩化第一鉄等の還元性物質と石膏粉末及び炭酸カルシウム含有粉末等の補助材とを含む不溶化材では、石膏や炭酸カルシウム由来のカルシウムイオンにより、処理土の周辺環境(地下水等)のpH緩衝能が低下し、またセレンを含む重金属類の不溶化効果が低下する恐れがある。これに対し、上記実施例及び参考例3~6に係る不溶化材によれば、30~40kg/mの添加量でセレンの溶出量を0.007mg/L以下に低減することができ、かつ一軸圧縮強さを240kN/m以上にまで高めることができる。

Claims (4)

  1. 鉛、六価クロム、水銀、カドミウム、砒素、セレン、フッ素及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも一種の重金属を含有する汚染土壌からの重金属溶出量を低減する不溶化材であって、
    硫酸塩を含む酸化マグネシウム粉末と、
    塩化第一鉄と、
    を含み、
    前記酸化マグネシウム粉末の硫酸塩含有率がSO換算で0.07~0.73質量%である、汚染土壌の不溶化材。
  2. 前記酸化マグネシウム粉末は、MgO含有率が80質量%以上であり、かつCaO含有率が3質量%以下である、請求項1に記載の汚染土壌の不溶化材。
  3. 当該不溶化材の全質量基準で、前記酸化マグネシウム粉末を20~80質量%含み、かつ前記塩化第一鉄を20~80質量%含む、請求項1又は2に記載の汚染土壌の不溶化材。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の不溶化材と土壌とを混合する工程を含む、汚染土壌の不溶化方法。
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