JP6749126B2 - 有害物質の処理材及び処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は工場、鉱山、廃棄物処理設備、土木工事現場等で発生する有害物質含有廃水、汚泥、焼却灰又は汚染土壌を安全に処理して排出するため、又は埋め立て等に使用するために、ヒ素化合物、フッ素化合物、ホウ素化合物等の有害化合物を安定化させ、これを不溶化処理するための材料と、この材料を使用する有害化合物の処理方法に関するものである。
化学工場、鉱山、製錬所、製鉄所、焼却処分場等では、製品の製造工程、製錬工程、表面処理工程、鍍金工程、焼却工程等から、種々の有害物質を含む廃棄物が発生し、そのうち高濃度の成分を含むものについてはリサイクル工程により回収され、資源として原料に戻されているが、含有濃度の低いものやそもそも不純物として含有されていたものについては、廃棄物として処理されている。
廃水中に含まれる有害物質については、一般に廃水処理工程で、アルカリ薬剤、酸化剤等の添加により水中にフロックとして析出させ、凝集材を添加した後シックナー等を使用して濃縮沈殿し、更にフィルタープレス等によって脱水して、汚泥として埋め立て等で廃棄処分されている。
汚泥や焼却灰を埋め立て等で廃棄処分する場合は、周囲の汚染を防ぐため、有害物質が固定化されて安定化して溶け出さないことが必要であると同時に、処分時の施工性を維持するために、ある程度の施工強度を有することも必要である。また、土木工事現場で発生する余剰土壌についても、それを廃棄又は再利用するためには、有害物質の不溶化が望まれることが多い。
特に、トンネル工事や土壌の掘削を伴う道路や鉄道の建設工事では、大量の余剰土壌が発生するが、この土壌を廃棄又は埋立等に使用する場合は溶出有害物質の量を一定以下にする必要がある。膨大な量の余剰土壌を処理するためには、多量の処理材が必要となるだけでなく、処理装置も大型となるが、余剰土壌を現場で処理できる移動可能な処理装置でも処理ができることも望まれる。
東京外環道等のシールドトンネル工事の発生土については、「建設廃棄物処理指針(平成22年度版)環廃産第110329004号」でいう「一体の施工システム」から排出された時点の掘削物(土)の性状により、土砂か汚泥かの判断を行なうことになっている。そして、シールドトンネル工事の発生土は、受入先で盛土等に有効利用するために必要となる強度を確保する必要があるため、ホッパー等による貯留の前に改質材を添加し、土砂として取扱うために必要となる条件であるコーン指数200KN/m2を超過することが要求されている。コーン指数200KN/m2以下となる掘削土は、建設汚泥(産業廃棄物)として取扱う必要があり、廃棄物処理法等の関係法令等に基づき適切に対応する必要が生じている。
有害物質含有廃水、有害物質含有廃棄物や有害物質汚染土壌を廃棄処分する場合は、含有される有害物質を沈殿分離したり、有害物質が溶出しないように安定化処理する必要がある。有害物質を不溶化するためには、キレート化剤が有効であることが知られているが、これは酸性〜中性領域で使用されるため、処分時の施工性を維持するために安価なセメント等の固化材を混合すると不溶化性能が低下する問題を生じる。そのためにキレート化剤の添加量を増やすことは、処理コストがかさむ問題がある。
特開2015-81270号公報 特開2013-119068号公報
特許文献1は、鉄、マンガン又はアルミニウムの水溶性酸性金属塩と、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水難溶性塩基性化合物と、水を含む材料を粉体混合して得られる有害物質処理薬剤を開示する。ここで、水溶性酸性金属塩は硫酸アルミニウムであることができ、有害物質としては、砒素、鉛、カドミウム、6価クロム、セレン、水銀、フッ素、ホウ素、ニッケル、銅、亜鉛、アンチモン又はバリウムのイオンであることができるとしている。そして、水難溶性塩基性化合物は、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸塩ガラス、製鉄スラグ、セメント等であることができるとしているが、セメントを使用した例は教えない。この技術は、水存在下での粉体混合の際に、特別な化学反応を生じさせる必要があり、その調整が難しい。
特許文献2は、非晶質カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、酸化カルシウム及び多糖類を含む建設工事廃液処理材に関し、建設工事で発生するセメントや泥を含む廃水を処理することを目的とする。硫酸アルミニウム及び多糖類は、汚濁物の沈殿を生起させ、清澄化を促進するとしている。非晶質カルシウムアルミネートの例としては、ある種のクリンカーを例示し、多糖類の例としては、ヘミセルロースとアルギン酸類を例示するだけである。また、ホウ素等の有害化合物の除去は教えない。
本発明は、廃水、汚泥、焼却灰又は土壌中のヒ素化合物、鉛化合物、フッ素化合物、ホウ素化合物等の有害化合物を不溶化するための処理材を提供すること、この処理材を使用した有害物質の処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、クリンカー又はセメントから選ばれるセメント類、硫酸アルミニウム、及びグルコン酸又はグルコン酸塩から選ばれるグルコン酸類を含む混合物からなり、セメント類、硫酸アルミニウム及びグルコン酸類の含量の合計を100wt%としたとき、セメント類の含量が50〜98wt%であり、硫酸アルミニウムの含量が1〜10wt%であり、及びグルコン酸類の含量が0.5〜5wt%であることを特徴とするホウ素、フッ素、鉛及びヒ素から選ばれる少なくとも1種の有害化合物を含む有害物質の処理材である。
そして、この有害物質の処理材中の、セメント類の含量が50〜95wt%であり、硫酸アルミニウムの含量が1〜10wt%であり、及びグルコン酸類の含量が0.5〜5wt%であることがよい。
セメント類としては、クリンカー粉末、ポルトランドセメント又は高炉セメントが適する。グルコン酸類としては、グルコン酸カリウム塩又はグルコン酸ナトリウム塩が適する。
また、本発明は、上記の有害物質の処理材を、ホウ素、フッ素、鉛及びヒ素から選ばれる少なくとも1種の有害化合物を含有する廃水若しくは汚泥、又は汚染土壌に添加、混合してこの有害化合物の吸着、沈殿又は固化を行うことを特徴とする有害物質の処理方法である。
更に、本発明は、有害化合物を含有する廃水若しくは汚泥、又は汚染土壌に、前記有害物質の処理材と共に、pH調整剤を添加・混合することを特徴とする上記の不溶化方法である。
本発明の有害物質の処理材及びこれを使用する処理方法によれば、簡易な手段で廃水、汚泥、焼却灰及び土壌中の有害物質を不溶化処理することができる。この不溶化処理した廃棄物は、雨水等に濡れても有害化合物を再溶出しないか、大きく低下させるので、安全に埋め立て等で廃棄処分することができる。また、土木工事で大量に排出される土壌については、有害化合物の溶出を抑制できるだけでなく、土壌の強度を向上させることができて、地盤のかさ上げ、地盤改良等の他の土木工事の材料等としても有効利用できる。
本発明の有害物質の処理材で処理される有害化合物を含有する有害物質としては、主として化学工場、鉱山、製錬所、製鉄所、鍍金工場、焼却処分場等の製品の製造工程、製錬工程、表面処理工程、鍍金工程、焼却工程、処分工程等で排出される廃水、汚泥、焼却灰又は土木工事で発生する汚染土壌等である。
本発明の処理材での処理に適した有害物質は、ホウ素化合物、フッ素化合物、鉛化合物及びヒ素化合物から選ばれる少なくとも1種の有害化合物を含むものであり、特にホウ素化合物を含む有害物質に対して優れた効果を示す。したがって、上記有害物質としては、ホウ素化合物を含むものが適する。しかし、フッ素化合物、鉛化合物又はヒ素化合物に対しても有効であるので、ホウ素化合物を含まない有害物質に対しても使用することができる。
国内には火山や温泉や各種鉱山が多くあり、一般にその付近の土壌は上記有害物質のいずれか一つ以上で汚染されていることが多く、トンネル工事や道路工事等土木工事現場では大量に汚染土壌が発生することが多い。本発明の有害物質の処理材は、これらの効率的な処理を可能とする。
本発明の処理材は、セメント類、硫酸アルミニウム及びグルコン酸類を必須の成分として含む混合物である。
処理材の原料として使用するセメント類には、特に制限はないが、ポルトランドセメントや高炉セメント等の一般的なセメントであれば、入手が容易である。クリンカーはポルトランドセメントの主成分であり、セメントと同等以上の効果が期待できる。クリンカーはセメントと同様に粉砕された粉末として使用することがよい。
セメント類は塩基性材料であるため、処理される有害物質を塩基性とし、有害化合物を固定化する作用を有すると考えられる。そして、セメントは水酸化カルシウム等の塩基性材料に比べて、取扱いや保存が容易であるという利点がある。
また、硫酸アルミニウムには、制限はないが、無水物(Al2(SO4)3)又は水和物(Al2(SO4)3・16H2O)が適する。硫酸アルミニウムは、凝集作用を有し、不溶化又は固定化された有害物質を凝集又は凝固させて、これらの溶出を防止する作用を有すると考えられる。なお、硫酸アルミニウムの他に塩化アルミニウム等も使用可能であり、一部を塩化アルミニウム等としてもよい。しかし、硫酸根はセメント中のカルシウムと結合して不溶化が可能であるが、塩素分はそれが困難なので、塩素分等の他の有害化合物の溶出に制限がある場合は、少量であることがよい。
また、グルコン酸類には、制限はないが、グルコン酸又はグルコン酸のアルカリ金属塩が適する。工業用のグルコン酸ナトリウム等が入所の容易性と、効果の点で適する。グルコン酸及びグルコン酸塩は粉末として配合可能で、水溶性であるものがよい。グルコン酸類は水溶性であり、有害物質の除去効果を高めるだけでなく、セメントの固化を防止(又は遅延)する作用を有すると考えられる。なお、この固化防止作用は、グルコン酸類がセメント類中のカルシウム分をキレート化するためと推測される。したがって、グルコン酸類としては、グルコン酸カルシウムは望ましくないと言える。
グルコン酸類に変えて、又はグルコン酸類と共にショ糖を使用することもできる。ショ糖も同様にセメントの固化を防止する作用を有すると考えられる。ショ糖はグルコン酸類に比べてやや効果が劣るが、砂糖、粗糖等として比較的容易に入手できる利点がある。ショ糖を使用する場合、その配合量等はグルコン酸類と同様である。
したがって、適量のグルコン酸類を配合した処理材で、有害物質を処理したとき、有害物質が処理材と一緒に強固に固まることを防止して、処理設備の閉塞を防ぎ、処理物の取り出し、加工や、運搬を容易にする。また、土木工事等で排出される汚染土壌については、処理材を混合したのち、有害物質の溶出試験をパスしたものだけが処分場等に移送されることになるが、処理材の混合から移送までに一定の期間を要し、その間に土壌が強固に固まるとその移送が困難となる。更に、セメントの固化が生じるとエトリンガイトが生成して、この際にアルミニウムが消費されてしまうことになるが、グルコン酸類はこれも防止する。
処理材中のこれらの含有量は、セメント類と硫酸アルミニウムとグルコン酸類の合計量を100wt%としたとき、セメント類が50〜98wt%であり、硫酸アルミニウムが1〜10wt%であり、及びグルコン酸類の含量が0.5〜5wt%である。好ましくは、セメント類が70〜95wt%であり、硫酸アルミニウムが2〜8wt%であり、及びグルコン酸類が1〜4wt%である。
別の観点からは、処理材中のセメント類含量が50〜95wt%であり、硫酸アルミニウム含量が1〜10wt%であり、及びグルコン酸類含量が0.5〜5wt%であることがよい。必要により、pH調整剤や増量材、比重調整剤等の添加剤を配合してもよい。ここで、増量材のような不活性成分は上記配合量の計算には含めない。
グルコン酸類の含量が少ないと、処理材と混合された被処理物において、セメントの固化作用が進行して、強固に固化する恐れがあり、多いとCOD等の汚染物濃度が増加する。
本発明の有害物質の処理材は、上記原料成分を所定割合に混合して、処理材とする。混合方法には制限はなく、粉末度は平均粒径(Md50)として、1〜1000μmの範囲が好ましい。処理すべき有害物質が土壌等の固体である場合は、作業性の点から比較的大きめの粒径であることがよく、廃水や汚泥等である場合は、溶解性や分散性から比較的小さめの粒径であることがよい。なお、市販のセメントの平均粒径は10μm前後であるので、セメントを使用する場合は、これに合わせて全体の平均粒径を、5〜100μmの範囲とすることもよい。
本発明の処理材で、廃水、汚泥、焼却灰又は土壌等の被処理材(廃棄物、土壌等という。)に対する配合量は、廃棄物、土壌等に対し、0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%である。なお、廃棄物等が多量の水分を含む廃水や汚泥である場合は、比較的少量の使用でよい。また、廃棄物、土壌等が水分又は湿分を含まない場合は、処理材中のグルコン酸類及び硫酸アルミニウムが溶解し、セメント類が水和反応するに必要な量以上の水を添加することがよい。地中から掘り出した土壌は、通常含まれる湿分で十分なことが多い。
廃棄物、土壌等と処理材との混合は、廃水、汚泥のような液体の場合は撹拌混合が一般的であり、焼却灰又は土壌等のような固体の場合は全体が均一になるような混合装置を使用し、数分間以上混合又は混練することでよい。
このようにして得られる不溶化処理後の廃棄物、土壌等は、本発明の処理材に含有されているセメント類、硫酸アルミニウムによる上記のような化学反応や凝集作用が生じ、更にグルコン酸類によるセメント類固化防止作用が生じて、水不溶性の反応物質を形成し、その時に廃棄物、土壌等に含まれる有害物質イオンを吸着・共沈して、不溶化を達成するものと考えられる。すなわち、セメント類による塩基性化で生じる水酸化金属による吸着作用と、硫酸アルミニウム、セメント類を廃棄物、土壌等の中で混合した時に生じる化学反応による有害物質イオンの吸着・共沈作用による2段階で安定化される。更に、グルコン酸類はセメント類による強固な固化を防止するので、この不溶化処理廃棄物の取り出しや、野積み、埋め立て等が容易となる。そして、不溶化処理廃棄物からの有害物質が再溶出を防止するか、大幅に減少する。
実施例1
市販のポルトランドセメント(太平洋セメント社日高工場製)、硫酸アルミニウム(無水物粉末;大明化学工業社製)、グルコン酸ソーダ(粉末;扶桑化学工業社製)を表1に示す配合比(wt%)で混合して、処理材1〜3を作成した。
比較例1
実施例1で使用したと同じポルトランドセメント、硫酸アルミニウム又はグルコン酸ソーダの1種又は2種使用して、処理材4〜6を作成した。
Figure 0006749126
実施例2
ホウ素含有廃水として、ホウ素含有岩石(掘削土)の浸出水(ホウ素濃度54mg/L)を使用した(廃水A)。この廃水1000mL中に、処理材1、2又は3を60g添加し、25℃で15分間攪拌し静置した。24時間後、溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のホウ素濃度を公定法により測定した。結果を表2に示す。
比較例2
実施例2で使用した廃水Aを使用し、この廃水1000mL中に、処理材4、5又は6を60g添加し、実施例2と同様にしてろ液中のホウ素濃度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006749126
実施例3
ホウ素含有土壌(ホウ素溶出濃度5.5mg/L)を使用して、この土壌100g中に、処理材1、2又は3を乾燥重量比で3wt%添加し、さらに乾燥重量比で7wt%加水して卓上ミキサーにてよく混合し、室温中で1日間養生したあとのホウ素の溶出濃度を公定法により測定した。結果を表3に示す。
Figure 0006749126
比較例3
実施例3で使用したホウ素含有土壌を使用し、この土壌100g中に、処理材4、5又は6を乾燥重量比で3%添加し、さらに乾燥重量比で7%加水して卓上ミキサーにてよく混合し、室温中で1日間養生したあとのホウ素の溶出濃度を公定法により測定した。結果を表3に示す。表中、なしは処理材も添加量を0とした例である。
実施例4
市販のB種高炉セメント(日鉄住金セメント社室蘭工場製)、硫酸アルミニウム(無水物;大明化学工業社製)、グルコン酸ソーダ(扶桑化学工業社製)を表4に示す配合比(wt%)で混合して、処理材7を作成した。
比較例4
実施例4で使用したと同じB種高炉セメント、硫酸アルミニウム、又はグルコン酸ソーダを、表4に示す配合比で混合又は単独で使用して処理材8〜9とした。
Figure 0006749126
実施例5及び比較例5
実施例2で使用した廃水A(ホウ素濃度54mg/L) 1000mL中に、処理材7、又は処理材8又は9を60g添加し、25℃で15分間攪拌し静置した。24時間後、溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のホウ素濃度をパックテストにより測定した。結果を表5に示す。
Figure 0006749126
実施例6
フッ素含有廃水として、フッ素含有岩石の浸出水(フッ素濃度212mg/L)を使用した(廃水B)。この廃水1000mL中に、処理材1、2、3又は7を100g添加し、25℃で15分間攪拌し静置した。24時間後、溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のフッ素濃度をパックテストにより測定した。結果を表6に示す。
比較例6
実施例6で使用したと同じ廃水Bを使用し、この廃水1000mL中に、処理材4、5、6、8又は9を100g添加し、実施例6と同様に処理してろ液中のフッ素濃度を測定した。結果を表6に示す。
Figure 0006749126
実施例7
有害物質含有廃水として、ヒ素・鉛含有土壌の浸出水(ヒ素濃度1.6mg/L、鉛濃度0.5mg/L)を使用した(廃水C)。この廃水1000mL中に、処理材1、2、3又は7を100g添加し、25℃で15分間攪拌し静置した。24時間後、溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のヒ素濃度をデジタルパックテストにより測定した。また、鉛濃度をパックテストにより測定した。結果を表7に示す。
比較例7
実施例7で使用したと同じヒ素含有廃水Cを使用し、この廃水1000mL中に、処理材4、5、6、8又は9を100g添加し、実施例7と同様に処理して、ろ液中のヒ素濃度を測定した。また、鉛濃度をパックテストにより測定した。結果を表7に示す。
Figure 0006749126
実施例8及び比較例8
実施例2で使用した廃水A1000mL中に、処理材1、2、3、7、4、6、8又は9を各100g添加し、25℃で15分間攪拌し静置した。
これを3日間静置し、沈殿物の性状を調査した。結果を表8に示す。
沈殿物の固化状態の評価は次のとおり。
A;固化(非常に硬い)
B;固化(やや硬い)
C;固結(もろく、指で粉砕可能)
D;やや固結(非常にもろく、指で粉砕可能)
Figure 0006749126
実施例9及び比較例9
汚染土壌としてトンネル掘削土(含水比:31%,ヒ素溶出濃度:0.80mg/L)を使用し、この土壌1kgに、処理材1、2、3、7、4、6、8又は9を各5wt%添加し、ソイルミキサーにて3分間混練し,φ50 ×100 mm の円柱状供試体を成型した。供試体は材齢7日まで20℃の封緘養生を行った。材齢の経過した試料を環境庁告46号に従って溶出試験を行い、振とう後のろ液中のヒ素濃度を測定した。更に、この円柱状供試体の一軸圧縮強さを万能試験機にて測定した。結果を表9に示す。表中、ブランクは処理材の添加量を0とした他は同様にした例である。
Figure 0006749126
参考例
市販のポルトランドセメント、硫酸アルミニウム(無水物)、ショ糖又は市販の酸化マグネシウム(軽焼マグネシア)を表10に示す配合比(wt%)で混合して、処理材11〜16を作成した。
Figure 0006749126
ホウ素含有廃水として、ホウ素含有岩石の浸出水(ホウ素濃度108mg/L)を使用した。この廃水1000mL中に、処理材11、12、13、14、15又は16を60g添加し、25℃で15分間攪拌し静置した。24時間後、溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のホウ素濃度を公定法により測定した。結果を表11の上段に示す。
また、フッ素含有廃水として、フッ素含有岩石の浸出水(フッ素濃度212mg/L)を使用した(廃水C)。この廃水1000mL中に、処理材11、12、13、15又は16を100g添加し、25℃で15分間攪拌し静置した。24時間後、溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のフッ素濃度を公定法により測定した。結果を表11の下段に示す。
Figure 0006749126

Claims (7)

  1. クリンカー又はセメントから選ばれるセメント類、硫酸アルミニウム、及びセメント類中のカルシウム分をキレート化し、エトリンガイトの生成を防止してアルミニウムの消費を防止し、強固な固化を防止するためのグルコン酸又はグルコン酸塩から選ばれるグルコン酸類を含む混合物からなり、セメント類、硫酸アルミニウム及びグルコン酸類の含量の合計を100wt%としたとき、セメント類の含量が50〜98wt%であり、硫酸アルミニウムの含量が1〜10wt%であり、及びグルコン酸類の含量が0.5〜5wt%であることを特徴とするホウ素化合物を有害化合物として含む有害物質の処理材。
  2. セメント類がクリンカー粉末、ポルトランドセメント又は高炉セメントである請求項1に記載の有害物質の処理材。
  3. グルコン酸類が、グルコン酸ナトリウム又はグルコン酸カリウムである請求項1又は2に記載の有害物質の処理材。
  4. 処理材中のセメント類の含量が50〜95wt%であり、硫酸アルミニウムの含量が1〜10wt%であり、及びグルコン酸類の含量が0.5〜5wt%である請求項1〜3のいずれかに記載の有害物質の処理材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の有害物質の処理材を、ホウ素化合物を有害化合物として含有する汚泥、又は汚染土壌に添加、混合してこの有害化合物の吸着、沈殿又は不溶化を行うことを特徴とする有害物質の処理方法。
  6. 有害化合物を含有する汚泥、又は汚染土壌に、前記有害物質の処理材と共に、pH調整剤を添加・混合することを特徴とする請求項5に記載の有害物質の処理方法。
  7. 有害物質が、ホウ素化合物を有害化合物として含む土壌である請求項1〜4のいずれかに記載の有害物質の処理材
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