JP7299008B2 - 圧電薄膜共振器、フィルタ、及びマルチプレクサ - Google Patents

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Description

本発明は、圧電薄膜共振器、フィルタ、及びマルチプレクサに関する。
圧電薄膜共振器を用いた弾性波デバイスは、例えば携帯電話などの無線機器のフィルタ及びデュプレクサに用いられている。圧電薄膜共振器は、圧電膜を挟み下部電極と上部電極が対向する構造を有している。圧電膜を挟み下部電極と上部電極が対向する領域が共振領域である。
圧電薄膜共振器の電気機械結合係数を大きくするために、窒化アルミニウムを主成分とする圧電膜に窒素及びアルミニウム以外の元素を添加することが知られている(例えば、特許文献1、2)。また、窒素及びアルミニウム以外の元素が添加された第1窒化アルミニウム膜の上面及び下面に、第1窒化アルミニウム膜よりも添加元素の濃度が低い第2窒化アルミニウム膜が設けられた構成の圧電膜を用いることで、Q値及び電気機械結合係数が改善されることが知られている(例えば、特許文献3)。
特開2013-219743号公報 国際公開第2013/175985号 特開2014-121025号公報
圧電薄膜共振器の特性向上のため、圧電膜を圧縮応力にすることがある。例えば、特許文献1及び2のように、窒化アルミニウムを主成分とする圧電膜に窒素及びアルミニウム以外の元素を添加することで、圧電膜の圧電性が向上し、電気機械結合係数などの圧電薄膜共振器の特性が向上する。このとき、圧電膜の残留応力は圧縮応力になる。圧電膜の残留応力が圧縮応力になると、圧電膜にクラックが生じる又は圧電膜が剥がれるなどの破壊が生じる可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、圧電膜に加わる応力を抑制することを目的とする。
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた下部電極と、前記下部電極上に設けられ、窒化アルミニウムを主成分とする下部圧電膜と前記下部圧電膜上の窒化アルミニウムを主成分とする上部圧電膜とを含み、前記下部圧電膜及び前記上部圧電膜のうちの一方はスカンジウム、ボロン、又は、2族元素若しくは12族元素と4族元素若しくは5族元素とが添加され、他方は窒素、アルミニウム、及びアルゴン以外から選択される元素が添加されてなく且つアルゴン濃度が前記一方のアルゴン濃度よりも低い圧電膜と、前記圧電膜を挟み前記下部電極と対向する領域である共振領域が形成されるように設けられた上部電極と、前記基板と前記下部電極との間に設けられ、前記圧電膜内に励振された弾性波を反射する音響反射層と、を備える圧電薄膜共振器である。
上記構成において、前記上部圧電膜は、前記共振領域の周囲のうちの前記上部電極が前記共振領域から引き出される領域以外の少なくとも一部において前記下部圧電膜の端面よりも内側に収まるように、前記下部圧電膜上に設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記下部圧電膜の膜厚と前記上部圧電膜の膜厚とは略同じである構成とすることができる。
上記構成において、前記下部圧電膜と前記上部圧電膜の間であって前記共振領域の少なくとも一部に設けられ、アルミニウム、金、銅、チタン、白金、タンタル、クロム、又は酸化シリコンからなる膜を備える構成とすることができる。
上記構成において、前記音響反射層は空隙であり、前記上部電極が前記共振領域から引き出される領域における前記下部電極の端は、前記空隙と前記下部圧電膜との間に位置する構成とすることができる。
本発明は、上記記載の圧電薄膜共振器を含むフィルタである。
本発明は、上記記載のフィルタを含むマルチプレクサである。
本発明によれば、圧電膜に加わる応力を抑制することができる。
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)は、挿入膜及び空隙の平面図、図1(c)及び図1(d)は、図1(a)のA-A間の断面図である。 図2は、比較例1に係る圧電薄膜共振器の断面拡大図である。 図3は、Ar流量に対する残留応力を示す図である。 図4は、実施例1の変形例1に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図5(a)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の平面図、図5(b)は、図5(a)のA-A間の断面図である。 図6は、比較例2に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図7は、シミュレーション結果を示す図である。 図8は、実施例2の変形例1に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図9は、実施例3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図10は、実施例4に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図11は、実施例5に係るフィルタの回路図である。 図12は、実施例6に係るデュプレクサの回路図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)は、挿入膜及び空隙の平面図、図1(c)及び図1(d)は、図1(a)のA-A間の断面図である。図1(c)は、例えばラダー型フィルタの直列共振器を、図1(d)は、例えばラダー型フィルタの並列共振器を示している。
まず、図1(a)及び図1(c)を用いて、直列共振器Sの構造について説明する。図1(a)及び図1(c)のように、Si(シリコン)基板である基板10上に、下部電極12が設けられている。基板10の平坦主面と下部電極12との間に、ドーム状の膨らみを有する空隙30が形成されている。ドーム状の膨らみとは、空隙30の周辺では空隙30の高さが低く、空隙30の内部ほど空隙30の高さが大きくなるような形状の膨らみである。空隙30は、圧電膜14に励振された弾性波を反射する音響反射層として機能する。下部電極12は、例えば下層12aと上層12bとを含んでいる。下層12aは、例えばCr(クロム)膜であり、上層12bは、例えばRu(ルテニウム)膜である。
下部電極12上に、(002)方向を主軸とするAlN(窒化アルミニウム)を主成分とする圧電膜14が設けられている。圧電膜14は、下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとを備えている。下部圧電膜14aは、下部電極12上に設けられている。上部圧電膜14bは、下部圧電膜14aと上部電極16との間に設けられている。下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間に挿入膜28が設けられている。
図1(b)のように、挿入膜28は、共振領域50内の外周領域52に設けられ中央領域54には設けられていない。外周領域52は、共振領域50内の領域であって、共振領域50の外周を含み外周に沿った領域である。外周領域52は、例えばリング状である。中央領域54は、共振領域50内の領域であって、共振領域50の中央を含む領域である。中央は幾何学的な中心でなくてもよい。
図1(a)及び図1(c)のように、圧電膜14を挟み下部電極12と対向する領域(共振領域50)を有するように圧電膜14上に上部電極16が設けられている。共振領域50は、楕円形状を有し、厚み縦振動モードの弾性波が共振する領域である。平面視において、空隙30は共振領域50を含むように設けられている。これにより、圧電膜14に励振された弾性波は空隙30により反射される。上部電極16は、例えば下層16a及び上層16bを含んでいる。下層16aは、例えばRu膜であり、上層16bは、例えばCr膜である。
上部電極16上に、周波数調整膜24として酸化シリコン膜が設けられている。共振領域50内の積層膜18は、下部電極12、圧電膜14、上部電極16、及び周波数調整膜24を含む。周波数調整膜24は、パッシベーション膜として機能してもよい。
図1(a)のように、下部電極12には犠牲層をエッチングするための導入路33が形成されている。犠牲層は空隙30を形成するための層である。導入路33の先端付近は圧電膜14で覆われておらず、下部電極12は導入路33の先端に孔部35を有する。また、図1(b)のように、挿入膜28は、孔部35に連通する孔部34を有する。
次に、図1(d)を用いて、並列共振器Pの構造について説明する。並列共振器Pは、直列共振器Sと比較して、上部電極16の下層16aと上層16bとの間に、例えばTi(チタン)層からなる質量負荷膜20が設けられている。よって、積層膜18は、直列共振器Sの積層膜に加え、共振領域50内の全面に形成された質量負荷膜20を含む。その他の構成は、直列共振器Sの図1(c)と同じであり説明を省略する。
直列共振器Sと並列共振器Pとの共振周波数の差は、質量負荷膜20の膜厚を用い調整する。直列共振器S及び並列共振器Pの共振周波数の調整は、周波数調整膜24の膜厚を調整することにより行う。
基板10としては、Si基板以外に、石英基板、ガラス基板、セラミック基板、サファイア基板、スピネル基板、水晶基板、又はGaAs(ヒ化ガリウム)基板などを用いることができる。下部電極12及び上部電極16としては、Ru及びCr以外にも、Al(アルミニウム)、Ti、Cu(銅)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Pt(白金)、Rh(ロジウム)、又はIr(イリジウム)などの単層膜又はこれらの積層膜を用いることができる。例えば、上部電極16の下層16aをRu、上層16bをMoとしてもよい。
圧電膜14は、窒化アルミニウム以外にも、ZnO(酸化亜鉛)、PZT(チタン酸ジルコニウム)、PbTiO(チタン酸鉛)などを用いることができる。また、例えば、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、共振特性の向上又は圧電性の向上のために他の元素を含んでいてもよい。例えば、下部圧電膜14aは、窒化アルミニウムを主成分とし且つ他の元素を実質的に含まず、上部圧電膜14bは、窒化アルミニウムを主成分とし且つ他の元素を含む構成とすることができる。この場合、下部圧電膜14aの残留応力は例えば引張応力であり、上部圧電膜14bの残留応力は例えば圧縮応力である。また、例えば、下部圧電膜14aは、窒化アルミニウムを主成分とし且つ他の元素を含み、上部圧電膜14bは、窒化アルミニウムを主成分とし且つ他の元素を実質的に含まない構成とすることができる。この場合、下部圧電膜14aの残留応力は例えば圧縮応力であり、上部圧電膜14bの残留応力は例えば引張応力である。
挿入膜28のヤング率は圧電膜14のヤング率よりも小さいことが好ましい。密度がほぼ同じであれば、ヤング率は音響インピーダンスと相関することから、挿入膜28の音響インピーダンスは圧電膜14よりも小さいことが好ましい。これにより、Q値を向上できる。さらに、挿入膜28の音響インピーダンスを圧電膜14よりも小さくするため、圧電膜14が窒化アルミニウムを主成分とする場合、挿入膜28は、Al膜、Au膜、Cu膜、Ti膜、Pt膜、Ta膜、Cr膜、又は酸化シリコン膜であることが好ましい。
周波数調整膜24としては、酸化シリコン膜以外にも、窒化シリコン膜又は窒化アルミニウム膜などを用いることができる。質量負荷膜20としては、Ti以外にも、Ru、Cr、Al、Cu、Mo、W、Ta、Pt、Rh、又はIrなどの単層膜を用いることができる。また、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンなどの窒化金属又は酸化金属からなる絶縁膜を用いることもできる。質量負荷膜20は、上部電極16の層間(下層16aと上層16bとの間)以外にも、下部電極12の下、下部電極12の層間、上部電極16の上、下部電極12と圧電膜14との間、又は圧電膜14と上部電極16との間に形成することもできる。質量負荷膜20は、共振領域50を含むように形成されていれば、共振領域50より大きくてもよい。
図2は、比較例1に係る圧電薄膜共振器の断面拡大図である。図2は、上部電極16が共振領域50から引き出される領域付近の断面図である。図2のように、空隙30端部と下部電極12との端部が略一致しており、下部電極12の端は空隙30と圧電膜94との間に位置する。圧電膜94は下部圧電膜94aと上部圧電膜94bとを備える。下部圧電膜94a及び上部圧電膜94bは共に、窒化アルミニウムを主成分とし且つ窒素及びアルミニウム以外の他の元素を含んでいて、残留応力は例えば圧縮応力である。圧電膜94の圧縮応力が大きい場合、下部電極12の端部56に応力が集中する。このため、圧電膜94にクラックが生じる、及び/又は、圧電膜94が剥がれてしまう。
ここで、圧電膜の圧縮応力を異ならせた圧電薄膜共振器を複数作製し、圧電膜にクラック及び/又は剥がれなどの破壊が生じるかの調査をした。圧電薄膜共振器の作製条件は以下である。
下部電極の下層:膜厚が98nmのCr膜
下部電極の上層:膜厚が192nmのCr膜
圧電膜:膜厚が1250nmのAlN膜
挿入膜:膜厚が150nmの酸化シリコン膜
挿入膜は圧電膜の厚さ方向の中心に設けた。
上部電極の下層:膜厚が232nmのRu膜
上部電極の上層:膜厚が35nmのCr膜
周波数調整膜:膜厚が50nmの酸化シリコン膜
共振領域の形状:長軸が211μm、短軸が151μmの楕円形状
圧電膜の成膜方法は以下である。圧力を0.3Paとし、Ar(アルゴン)ガスとN(窒素)ガスの混合ガス雰囲気においてスパッタリングを行った。Ar/N混合ガスにおける、Ar+Nの流量に対するArの流量の比(Ar流量比)を変えることで圧電膜の残留応力を変化させた。圧電膜には、窒素及びアルミニウム以外の他の元素を意図的に添加していない。
圧電薄膜共振器の圧電膜を成膜する条件と同じ条件でSi基板上に圧電膜を成膜し、室温におけるSi基板の反りから残留応力を測定した。圧電膜の残留応力が引張応力のときは、圧電膜を設けた面が凹むようにSi基板が反る。圧電膜の残留応力が圧縮応力のときは、圧電膜を設けた面が膨らむようにSi基板が反る。残留応力の符号は、引張応力のとき正であり、圧縮応力のとき負である。なお、残留応力は内部応力ともいう。
ここで、AlN膜の成膜のときのAr流量とAlN膜の残留応力との関係を調査した結果について説明する。AlNをターゲットとし、スパッタリングガスをAr/N混合ガスとした。Nは、Alと反応させAlNとするためのガスである。ターゲットのスパッタリングには主にArが寄与する。圧力を0.3Paとし、N流量を80sccmの一定値とし、Ar流量を変えAlN膜を成膜した。AlN膜には窒素及びアルミニウム以外の元素を意図的には添加していない。
図3は、Ar流量に対する残留応力を示す図である。図3のように、Ar流量が小さいと、残留応力は圧縮応力である。Ar流量が大きくなると、残留応力が大きくなり引張応力となる。このように、Ar流量を変えることで、AlN膜の残留応力を制御できる。Ar流量の大きい(すなわち残留応力が大きい)AlN膜のAr濃度は、Ar流量の小さい(すなわち残留応力の小さい)AlN膜のAr濃度よりも高いと考えられる。
作製した圧電薄膜共振器のサンプルにおいて、SEM(Scanning Electron Microscope)を用いて圧電膜の破壊を観察した。圧電膜にクラック及び/又は剥離が生じているサンプルを圧電膜の破壊が「有」とし、圧電膜にクラック及び剥離のいずれもが生じていないサンプルを圧電膜の破壊が「無」とした。
表1は、実験における圧電膜の残留応力と圧電膜の破壊を示す表である。表1のように、圧電膜の残留応力が-200MPa以下では圧電膜に破壊が生じ、残留応力が-150MPa以上では圧電膜の破壊は生じていない。
Figure 0007299008000001
圧電膜が圧縮応力となる原因として、例えば圧電膜に圧電膜の圧電性が向上するような元素を添加することが挙げられる。特許文献1に記載されているように、圧電膜に、2族元素又は12族元素と4族元素を添加する、若しくは、2族元素又は12族元素と5族元素とを添加する。なお、元素の族の名称は、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)の表記による。2族元素は、例えばカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、又はストロンチウム(Sr)である。12族元素は、例えば亜鉛(Zn)である。4族元素は、例えばチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、又はハフニウム(Hf)である。5族元素は、例えばタンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、又はバナジウム(V)である。特許文献2に記載されているように、圧電膜は、AlNを主成分とし、スカンジウム(Sc)が添加されていてもよい。また、圧電膜は、AlNを主成分とし、ボロン(B)が添加されていてもよい。
2族元素又は12族元素と4族元素又は5族元素、スカンジウム、及びボロンを仮に元素Mとすると、元素MはAlNのAlに置換する。すなわち、元素MはAlサイトに位置する。これにより、圧電膜の圧電性が向上し圧電薄膜共振器の電気機械結合係数などの特性が向上する。このとき、圧電膜は圧縮応力になる。
圧電薄膜共振器の電気機械結合係数を向上させるため、元素Mの濃度(M+Alに対するMの濃度)は、5原子%以上が好ましく、10原子%以上がより好ましく、20原子%以上が更に好ましい。また、圧電膜をAlN膜とするため、元素Mの濃度は50原子%より小さい場合が好ましく、40原子%以下がより好ましい。なお、圧電膜が窒化アルミニウムを主成分とするとは、本明細書の効果が得られる程度に窒化アルミニウムを含むことであり、例えば圧電膜の50原子%以上がAl及びNであることである。
以上説明したように、比較例1では、圧電膜94が圧縮応力となり、圧電膜94に加わる応力が大きくなって圧電膜94に破壊が生じることがある。
次に、実施例1の圧電薄膜共振器及び比較例1の圧電薄膜共振器に対して行ったシミュレーションについて説明する。表2は、シミュレーションを行った構造を示す表である。
Figure 0007299008000002
表2のように、比較例1の圧電薄膜共振器、並びに実施例1の圧電薄膜共振器の構造A及び構造Bの全てにおいて、下部電極12の下層12aを膜厚が98nmのCr膜とし、上層12bを膜厚が192nmのRu膜とした。表2では記載を省略したが、挿入膜28を膜厚が150nmの酸化シリコン膜とした。上部電極16の下層16aを膜厚が232nmのRu膜とし、上層16bを膜厚が35nmのCr膜とした。周波数調整膜24を膜厚が50nmの酸化シリコン膜とした。共振領域50の形状を長軸が211μm、短軸が151μmの楕円形状とした。
また、比較例1の圧電薄膜共振器では、圧電膜94(すなわち、下部圧電膜94a+上部圧電膜94b)は、膜厚が1250nmで窒素及びアルミニウム以外の他の元素が意図的に添加されたAlN膜とした。実施例1の圧電薄膜共振器の構造Aでは、下部圧電膜14aは、膜厚が625nmで窒素及びアルミニウム以外の他の元素が意図的に添加されたAlN膜とし、上部圧電膜14bは、膜厚が625nmで窒素及びアルミニウム以外の他の元素が意図的に添加されていないAlN膜とした。実施例1の圧電薄膜共振器の構造Bでは、下部圧電膜14aは、膜厚が625nmで窒素及びアルミニウム以外の他の元素が意図的に添加されていないAlN膜とし、上部圧電膜14bは、膜厚が625nmで窒素及びアルミニウム以外の他の元素が意図的に添加されたAlN膜とした。
表2に示す構造について、下部電極12の端部56(図2参照)に加わる応力を2次元の有限要素法を用い算出した。表3は、シミュレーション結果を示す表である。表3では、下部電極12の端部56に加わる応力は、比較例1の圧電薄膜共振器で下部電極12の端部56に加わる応力で規格化した。規格化した応力を応力比として100分率で表した。
Figure 0007299008000003
表3のように、比較例1の圧電薄膜共振器では、下部圧電膜94a及び上部圧電膜94bの残留応力が共に-200MPaであり、このときの応力比を100%とした。実施例1の圧電薄膜共振器の構造Aでは、下部圧電膜14aの残留応力は-200MPa、上部圧電膜14bの残留応力は200MPaであり、応力比は61%である、実施例1の圧電薄膜共振器の構造Bでは、下部圧電膜14aの残留応力は200MPa、上部圧電膜14bの残留応力はー200MPaであり、応力比は65%である。このように、実施例1の圧電薄膜共振器の構造A及び構造Bは、比較例1の圧電薄膜共振器に比べて、下部電極12の端部56に加わる応力が小さくなった。これは、実施例1の圧電薄膜共振器の構造A及び構造Bでは、下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bの一方の圧電膜は窒素及びアルミニウム以外の他の元素が意図的に添加されたAlN膜であり、残留応力が圧縮応力である。他方の圧電膜は窒素及びアルミニウム以外の他の元素が意図的には添加されていないAlN膜であり、残留応力が引張応力である。したがって、圧縮応力と引張応力が互いに作用し合って圧電膜14の残留応力の絶対値が小さくなり、その結果、応力比が小さくなったと考えられる。
実施例1によれば、圧電膜14は、下部圧電膜14aと上部圧電膜14bを備える。下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bのうちの一方の圧電膜は、圧電薄膜共振器の特性向上のために残留応力を圧縮応力とする。他方の圧電膜は、残留応力を引張応力とする。これにより、下部電極12の端部などにおいて圧電膜14に加わる応力を抑制できる。よって、圧電膜14の破壊を抑制できる。
下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bは、窒化アルミニウムを主成分とする。そして、下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bのうちの一方の圧電膜は、スカンジウム、ボロン、又は、2族元素若しくは12族元素と4族元素若しくは5族元素とが添加されている。これにより、圧電膜14の圧電性が効果的に向上する。しかしながら、スカンジウム、ボロン、又は、2族元素若しくは12族元素と4族元素若しくは5族元素とが添加された圧電膜は圧縮応力になり易く、下部電極12の端部などにおいて圧電膜14に応力が集中し易い。したがって、下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bのうちの他方の圧電膜を引張応力とすることが好ましい。
下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bのうちの一方の圧電膜は窒化アルミニウムを主成分とし且つボロンが添加されている場合には硬くなる。硬くなった圧電膜に応力が加わるとクラックなどの破損が生じ易い。したがって、下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bのうちの他方の圧電膜を引張応力とすることが好ましい。
下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bの他方の圧電膜は、窒素、アルミニウム、及びアルゴン以外から選択される元素が実質的に(すなわち意図的に)添加されていないことが好ましい。これにより、他方の圧電膜の残留応力を引張応力とすることができる。
また、実施例1によれば、下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bのうちの一方の圧電膜は、窒化アルミニウムを主成分とし、窒素、アルミニウム、及びアルガン以外から選択される元素が意図的に添加されている。これにより、圧電性が向上するが、残留応力が圧縮応力となる。そこで、下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bのうちの他方の圧電膜を、窒化アルミニウムを主成分とし、窒素、アルミニウム、及びアルゴン以外から選択される元素が実質的に(意図的に)添加されてなく、アルゴン濃度が一方の圧電膜のアルゴン濃度よりも低くなるようにする。これにより、他方の圧電膜の残留応力を引張応力とでき、下部電極12の端部などにおいて圧電膜14に加わる応力を抑制できる。よって、圧電膜14の破壊を抑制できる。
図2のように、上部電極16が共振領域50から引き出される領域における下部電極12の端は、空隙30と圧電膜14との間に位置する。このような構造では、下部電極12の端部に応力が集中し易い。よって、圧電膜14が破壊され易くなる。そこで、下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bのうちの一方の圧電膜の残留応力が圧縮応力となる場合、他方の圧電膜の残留応力を引張応力とすることが好ましい。言い換えると、下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bのうちの一方の圧電膜が、窒化アルミニウムを主成分とし、窒素、アルミニウム、及びアルガン以外から選択される元素が意図的に添加されている場合、他方の圧電膜は、窒化アルミニウムを主成分とし、窒素、アルミニウム、及びアルゴン以外から選択される元素が実質的に(意図的に)添加されてなく、アルゴン濃度が一方の圧電膜のアルゴン濃度よりも低いことが好ましい。これにより、下部電極12の端部において圧電膜14への応力の集中を抑制できる。なお、下部電極12の端は、空隙30と圧電膜14との間に位置しない場合であっても、下部電極12の端部において圧電膜14に応力が集中し易いため、上記の構成とすることが好ましい。
下部圧電膜14aの膜厚と上部圧電膜14bの膜厚とは略同じである場合が好ましい。これにより、圧電膜14の残留応力の絶対値を効果的に小さくでき、圧電膜14の破壊を効果的に抑制できる。なお、略同じとは、完全に同じ場合に限られず、製造誤差程度に異なる場合も含む。また、圧電膜14の残留応力の絶対値を小さくする点から、下部圧電膜14aの膜厚と上部圧電膜14bの膜厚との比(下部圧電膜14aの膜厚:上部圧電膜14bの膜厚)は、7:3から3:7の範囲内であることが好ましく、6:4から4:6の範囲内であることがより好ましく、5.5:4.5から4.5:5.5の範囲内であることが更に好ましい。
図1(b)から図1(d)のように、下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間であって共振領域50の外周領域52に、下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bと異なる材料の挿入膜28が設けられている。これにより、圧縮応力及び引張応力の一方である下部圧電膜14aと他方である上部圧電膜14bとを容易に作り分けることができる。なお、下部圧電膜14aと上部圧電膜14bの間であって共振領域50の少なくとも一部に設けられる膜は、挿入膜28の場合に限られず、下部圧電膜14aと上部圧電膜14bの弾性定数の温度係数と逆符号の温度係数を持つ温度補償膜などの場合でもよい。下部圧電膜14aと上部圧電膜14bの間に設けられる膜が温度補償膜の場合では、共振領域50の全面に設けられていてもよい。温度補償膜としては、例えば下部圧電膜14a及び上部圧電膜14bが窒化アルミニウムを主成分とする場合には酸化シリコン膜を用いることができる。
図4は、実施例1の変形例1に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図4のように、実施例1の変形例1の圧電薄膜共振器では、下部圧電膜14aと上部圧電膜14bの間に挿入膜28が設けられていない。その他の構成は、実施例1と同じであるため説明を省略する。
実施例1の変形例1のように、下部圧電膜14aと上部圧電膜14bの間に挿入膜28が設けられていない場合でもよい。挿入膜28は、圧電膜14と比べて膜厚が薄いため、圧電膜14の残留応力に関してはほとんど寄与しないためである。また、挿入膜28は、共振領域50の中央領域54には設けられていないため、この点においても、圧電膜14の残留応力に関する寄与が小さいためである。
図5(a)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の平面図、図5(b)は、図5(a)のA-A間の断面図である。図5(a)及び図5(b)のように、実施例2の圧電薄膜共振器では、共振領域50の周囲のうちの上部電極16が共振領域50から引き出される領域以外の少なくとも一部の領域において、上部圧電膜14bは下部圧電膜14aの端面よりも内側に収まるように設けられている。なお、下部電極12の引き出し領域において、上部圧電膜14bの端面は上部電極16の端面よりも外側に位置して共振領域50の輪郭よりも外側に位置しているが、上部圧電膜14bの端面は上部電極16の端面と略一致して共振領域50の輪郭に略一致していてもよい。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
図6は、比較例2に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図6のように、比較例2の圧電薄膜共振器では、下部圧電膜94aの端面と上部圧電膜94bの端面とが略同一面になっている。その他の構成は、比較例1と同じであるため説明を省略する。
実施例2の圧電薄膜共振器及び比較例2の圧電薄膜共振器に対して行ったシミュレーションについて説明する。表4は、シミュレーションを行った構造を示す表である。
Figure 0007299008000004
表4のように、比較例2の圧電薄膜共振器の層構成は、実施例1の表2に示した比較例1の圧電薄膜共振器の層構成と同じにした。実施例2の圧電薄膜共振器の構造Aの層構成は、実施例1の圧電薄膜共振器の構造Aの層構成と同じにした。実施例2の圧電薄膜共振器の構造Bの層構成は、実施例1の圧電薄膜共振器の構造Bの層構成と同じにした。また、シミュレーションは、下部電極12の引き出し領域において、上部電極16の端面から下部圧電膜14a及び94aの端面までの距離L(図5(b)及び図6参照)を異ならせた場合について行った。
シミュレーションは、実施例1の場合と同様に、下部電極12の端部56に加わる応力を2次元の有限要素法を用い算出することを行った。また、下部圧電膜及び上部圧電膜の残留応力は、実施例1の場合と同じ値である。すなわち、比較例2の圧電薄膜共振器では、下部圧電膜94a及び上部圧電膜94bの残留応力は共に-200MPaである。実施例2の圧電薄膜共振器の構造Aでは、下部圧電膜14aの残留応力は-200MPa、上部圧電膜14bの残留応力は200MPaである。実施例2の圧電薄膜共振器の構造Bでは、下部圧電膜14aの残留応力は200MPa、上部圧電膜14bの残留応力はー200MPaである。
図7は、シミュレーション結果を示す図である。図7の横軸は、上部電極16の端面から下部圧電膜14a及び94aの端面までの距離Lである。縦軸は、応力比である。なお、縦軸の応力比は、比較例2の圧電薄膜共振器で上部電極16の端面から下部圧電膜94aの端面までの距離Lが13μmの場合に下部電極12の端部56に加わる応力で規格化して100分率で表している。
図7のように、実施例2において、上部電極16の端面から下部圧電膜14aの端面までの距離Lが長くなるほど、応力比が小さくなった。また、実施例2の構造Bの方が、実施例2の構造Aに比べて、距離Lが長くなることによる応力比の低下が大きかった。
実施例2によれば、上部圧電膜14bは、共振領域50の周囲のうちの上部電極16が共振領域50から引き出される領域以外の少なくとも一部において下部圧電膜14aの端面よりも内側に収まるように設けられている。これにより、図7のように、下部電極12の端部に加わる応力を効果的に小さくすることができる。この構造の場合、上部電極16の端面から下部圧電膜14aの端面までの距離Lは、下部電極12の端部に加わる応力を小さくする点から、10μm以上の場合が好ましく、15μm以上の場合が好ましく、20μm以上の場合が更に好ましい。
図7のように、実施例2の構造Aでは、実施例2の構造Bに比べて、応力比を小さくできる。一方、実施例2の構造Bでは、実施例2の構造Aに比べて、上部電極16の端面から下部圧電膜14aの端面までの距離Lを長くすることによる応力比の低下率が大きくなる。
なお、実施例2において、上部圧電膜14bは、共振領域50の周囲のうちの上部電極16が共振領域50から引き出される領域以外の全てにおいて下部圧電膜14aの端面よりも内側に収まるように設けられていることが好ましい。また、実施例2において、下部圧電膜14aは、端面が基板10の端面と略同一面を形成するように設けられていてもよい。
図8は、実施例2の変形例1に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図8のように、実施例2の変形例1の圧電薄膜共振器では、共振領域50の周囲のうちの上部電極16が共振領域50から引き出される領域以外の少なくとも一部の領域において、下部圧電膜14aは上部圧電膜14bの端面よりも内側に収まるように設けられている。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
図9は、実施例3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図9のように、基板10の上面に窪みが形成されている。下部電極12は、基板10上に平坦に形成されている。これにより、空隙30が、基板10の窪みに形成されている。空隙30は共振領域50を含むように形成されている。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。空隙30は、基板10を貫通するように形成されていてもよい。なお、下部電極12の下面に絶縁膜が接して形成されていてもよい。すなわち、空隙30は、基板10と下部電極12に接する絶縁膜との間に形成されていてもよい。絶縁膜としては、例えば窒化アルミニウム膜をもちいることができる。
図10は、実施例4に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図10のように、共振領域50の下部電極12下に音響反射膜31が形成されている。音響反射膜31は、音響インピーダンスの低い膜30aと音響インピーダンスの高い膜30bとが交互に設けられている。膜30a及び30bの膜厚は、例えばそれぞれほぼλ/4(λは弾性波の波長)である。膜30aと膜30bの積層数は任意に設定できる。音響反射膜31は、音響特性の異なる少なくとも2種類の層が間隔をあけて積層されていればよい。また、基板10が音響反射膜31の音響特性の異なる少なくとも2種類の層のうちの1層であってもよい。例えば、音響反射膜31は、基板10中に音響インピーダンスの異なる膜が一層設けられている構成でもよい。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
なお、実施例2においても、実施例3と同様に空隙30を形成してもよく、実施例4と同様に空隙30の代わりに音響反射膜31を形成してもよい。
実施例1から実施例3のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において空隙30が基板10と下部電極12との間に形成されているFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)でもよい。実施例4のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において下部電極12下に圧電膜14を伝播する弾性波を反射する音響反射膜31を備えるSMR(Solidly Mounted Resonator)でもよい。共振領域50を含む音響反射層は、空隙30又は音響反射膜31を含めばよい。
共振領域50は、楕円形状の例を説明したが、他の形状でもよい。例えば、共振領域50は、四角形又は五角形などの多角形でもよい。
実施例5は、実施例1から実施例4の圧電薄膜共振器を用いたフィルタの例である。図11は、実施例5に係るフィルタの回路図である。図11のように、入力端子T1と出力端子T2との間に、1又は複数の直列共振器S1からS4が直列に接続されている。入力端子T1と出力端子T2との間に、1又は複数の並列共振器P1からP4が並列に接続されている。1又は複数の直列共振器S1からS4及び1又は複数の並列共振器P1からP4の少なくとも1つの共振器に、実施例1から実施例4の圧電薄膜共振器を用いることができる。ラダー型フィルタの共振器の個数などは適宜設定できる。
実施例6は、実施例5のフィルタを用いたデュプレクサの例である。図12は、実施例6に係るデュプレクサの回路図である。図12のように、共振端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共振端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ40及び受信フィルタ42の少なくとも一方を、実施例5のフィルタとすることができる。
実施例6では、マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したが、トリプレクサ又はクワッドプレクサでもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 下部電極
14 圧電膜
14a 下部圧電膜
14b 上部圧電膜
16 上部電極
20 質量負荷膜
24 周波数調整膜
28 挿入膜
30 空隙
31 音響反射膜
40 送信フィルタ
42 受信フィルタ
50 共振領域

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた下部電極と、
    前記下部電極上に設けられ、窒化アルミニウムを主成分とする下部圧電膜と前記下部圧電膜上の窒化アルミニウムを主成分とする上部圧電膜とを含み、前記下部圧電膜及び前記上部圧電膜のうちの一方はスカンジウム、ボロン、又は、2族元素若しくは12族元素と4族元素若しくは5族元素とが添加され、他方は窒素、アルミニウム、及びアルゴン以外から選択される元素が添加されてなく且つアルゴン濃度が前記一方のアルゴン濃度よりも低い圧電膜と、
    前記圧電膜を挟み前記下部電極と対向する領域である共振領域が形成されるように設けられた上部電極と、
    前記基板と前記下部電極との間に設けられ、前記圧電膜内に励振された弾性波を反射する音響反射層と、を備える圧電薄膜共振器。
  2. 前記上部圧電膜は、前記共振領域の周囲のうちの前記上部電極が前記共振領域から引き出される領域以外の少なくとも一部において前記下部圧電膜の端面よりも内側に収まるように、前記下部圧電膜上に設けられている、請求項1記載の圧電薄膜共振器。
  3. 前記下部圧電膜の膜厚と前記上部圧電膜の膜厚とは略同じである、請求項1または2記載の圧電薄膜共振器。
  4. 前記下部圧電膜と前記上部圧電膜の間であって前記共振領域の少なくとも一部に設けられ、アルミニウム、金、銅、チタン、白金、タンタル、クロム、又は酸化シリコンからなる膜を備える、請求項1から3のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  5. 前記音響反射層は空隙であり、
    前記上部電極が前記共振領域から引き出される領域における前記下部電極の端は、前記空隙と前記下部圧電膜との間に位置する、請求項1から4のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  6. 請求項1から5のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器を含むフィルタ。
  7. 請求項記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
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