JP7298401B2 - 画像形成装置および画像形成装置の電力配分方法 - Google Patents

画像形成装置および画像形成装置の電力配分方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置および画像形成装置の電力配分方法に関する。
商用電源を使用する画像形成装置は、商用電源の電源容量を超えないように消費電力を制御する必要がある。例えば、画像形成装置は、予め見積もった装置内の各負荷の消費電力のばらつきを考慮して、各負荷の消費電力の合計が電源容量を超えないように負荷へ供給する電力量を制御する。また、画像形成装置は、商用電源からの電流の検出手段と、定着部の温度の検出手段とを有し、検出した電流と温度とに基づいて、定着部の定着電力が制限値を超えないように定着電力を制御しながら、定着部の温度を所望の温度に設定する。
画像形成装置の定着部に使用されるヒータの消費電力(ワット数)は、ヒータの製造ばらつき等によりばらつく。例えば、画像形成装置に搭載されたヒータの消費電力が標準値に対して小さい場合、本来供給されるべき電力がヒータに供給されず、電力の使用効率が低下してしまう。これにより、定着部を所定の温度まで上昇させるウォームアップ時間が長くなり、印刷時間が長くなってしまう。すなわち、ヒータに供給可能な電力が余っているにもかかわらず、印刷時間が長くなるという矛盾した状態が発生する。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置に搭載される定着ヒータの消費電力のばらつきに応じて発生する余剰電力を効率的に使用することを目的とする。
上記技術的課題を解決するため、本発明の一形態の画像形成装置は、ヒータを含む定着部と、前記定着部以外の機構部と、前記定着部に流れる電流と前記定着部に印加される電圧とを検出する電流/電圧検出部と、装置全体で消費されるトータル消費電力が最大使用可能電力を超えることを抑止するために設定されるマージン電力であって、前記定着部のヒータマージン電力と前記機構部の機構マージン電力との和であるトータルマージン電力を算出するマージン算出部と、を有し、前記マージン算出部は、前記電流/電圧検出部で検出された電流と電圧とに基づいて算出される前記ヒータの消費電力に前記電流/電圧検出部での検出ばらつきを加えた検出最大電力が、前記ヒータにおける消費電力のばらつきを含めた公称最大電力以上の場合、前記公称最大電力と前記ヒータの公称平均電力との差である前記ヒータマージン電力と前記機構部の各電子部品の消費電力のばらつきである前記機構マージン電力との二乗和平方根を前記トータルマージン電力として算出し、前記検出最大電力が前記公称最大電力より小さい場合、前記検出最大電力と前記公称平均電力との差である前記ヒータマージン電力と、前記機構部の各電子部品の消費電力のばらつきである前記機構マージン電力の二乗和平方根との和を前記トータルマージン電力として算出する。
画像形成装置に搭載される定着ヒータの消費電力のばらつきに応じて発生する余剰電力を効率的に使用することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の例を示すブロック図である。 図2のプリンタの機構の例を示すブロック図である。 図1の画像形成装置の電力供給に関する要素の例を示すブロック図である。 図3の定着ヒータのヒータマージン電力の計算方法の例を示す説明図である。 図3の画像形成装置の定着ヒータの供給電力の調整方法の例を示す説明図である。 図3の制御部によるマージン電力の算出方法の例を示すフロー図である。
以下、図面を参照して実施の形態の説明を行う。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、「電圧」は電圧値を示す場合にも使用し、「電力」は電力値を示す場合にも使用する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の例を示すブロック図である。図1に示す画像形成装置10は、いわゆるMFP(MultiFunction Printer)と称される複合機である。すなわち、画像形成装置10は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリント機能、スキャナ機能、また、スキャナ機能やファクシミリ機能により入力された画像を保存や配信する機能を有する。図1では、画像形成装置10の一部を透視して示している。
画像形成装置10は、自動原稿送り装置(ADF;Auto Document Feeder)120と、操作ボード110と、スキャナ100と、プリンタ200との各ユニットで構成されている。例えば、スキャナ100およびプリンタ200は、カラーに対応している。操作ボード110、ADF120およびスキャナ100は、プリンタ200から分離可能に設けられてもよい。スキャナ100は、動力機器ドライバ、センサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有しており、図示しないエンジンコントローラと直接または間接に通信を行い、タイミング制御されて原稿画像の読取りを行う。
図2は、図1のプリンタ200の機構の例を示すブロック図である。例えば、プリンタ200は、カラータイプのレーザプリンタである。プリンタ200は、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットa~dが、第1転写ベルト208の移動方向(図中の左から右方向)に沿ってこの順に配置されている。即ち、図1の画像形成装置10は、4連ドラム方式(タンデム方式)のフルカラー画像形成装置である。
トナー像形成ユニットa~dにおいて、回転可能に支持され矢印方向に回転する感光体201の外周部には、除電装置、クリーニング装置、帯電装置202および現像装置204が配置されている。帯電装置202と現像装置204の間には、露光装置203から発せられる光情報が入射されるスペースが確保されている。
4個ある感光体201(a,b,c,d)のそれぞれの周囲に設けられる画像形成用の部品の構成は、現像装置204が扱う色材(トナー)が異なることを除き、互いに同じである。各感光体201は、その一部が第1転写ベルト208に接している。なお、図2では、ドラム状の感光体201が設けられるが、ベルト状の感光体201が設けられてもよい。
第1転写ベルト208は、矢印方向に移動可能に、回転する支持ローラおよび駆動ローラ間に支持および張架されており、環状の第1転写ベルト208の内周側には、第1転写ローラが感光体201の近傍に配置されている。また、環状の第1転写ベルト208の外周側には、第1転写ベルト208用のクリーニング装置211と除電装置212とが配置されている。クリーニング装置211は、第1転写ベルト208より転写紙(用紙)が転写された後、または第2転写ベルト215にトナー像が転写され後に、その表面に残留する不要のトナーを拭い去る。第2転写ベルト215は、図2において、第1転写ベルト208の右側に配置されている。
露光装置203は公知のレーザ方式で、フルカラー画像形成に対応した光情報を、一様に帯電された感光体201の表面に潜像として照射する。露光装置203は、LED(Light Emitting Diode)アレイと結像手段とを含むタイプでもよい。
第1転写ベルト208と第2転写ベルト215とは、一部で互いに接触し、あらかじめ定められた転写ニップを形成する。第2転写ベルト215は、矢印方向に移動可能に、支持ローラおよび駆動ローラ間に支持および張架されており、環状の第2転写ベルト215の内周側には、第2転写手段が配置されている。また、環状の第2転写ベルト215の外周側には、第2転写ベルト215用のクリーニング装置213およびチャージャ等が配置されている。クリーニング装置213は、用紙にトナーを転写した後、残留する不要のトナーを拭い去る。
転写紙(用紙)は、図2の下方の給紙カセット209、210に収納されており、給紙カセット209、210の最上に配置される用紙が、給紙ローラで1枚ずつ、複数の用紙ガイドを経てレジストローラ233に向けて搬送される。第2転写ベルト215の上方には、定着部214、排紙ガイド224、排紙ローラ225および排紙スタック226が配置されている。定着部214は、定着ローラ230と加圧ローラ231とを有し、例えば、定着ローラ230の内部には図3に示す定着ヒータ216が配置される。
第1転写ベルト208の上方で、排紙スタック226の下方には、補給用のトナーが充填されたカートリッジを収納できる収納部227が配置されている。トナーの色は、例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの四色である。カートリッジ内のトナーは、粉体ポンプ等により対応する色の現像装置204に適宜補給される。
ここで、両面印刷のときの各部の動作を説明する。まず、感光体201による作像が行われる。すなわち、露光装置203の作動により、レーザダイオード光源LDからの光は、光学部品を経て、帯電装置202により一様に帯電された感光体201のうち、作像ユニットaの感光体上に至り、書き込み情報(色に応じた情報)に対応した潜像を形成する。
感光体201上の潜像は現像装置204で現像され、トナーによる顕像が感光体201の表面に形成されて保持される。トナー像は、第1転写手段により、感光体201の回転と同期して移動する第1転写ベルト208の表面に転写される。感光体201の表面に残存するトナーは、クリーニング装置211でクリーニングされ、除電装置212で除電され、感光体201の表面は、次の作像サイクルに備える。
第1転写ベルト208は、表面に転写されたトナー像を坦持し、矢印の方向に移動する。作像ユニットbの感光体201に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像され顕像となる。この像は、すでに第1転写ベルト208に乗っている前の色の顕像に重ねられ、最終的に4色重ねられる。なお、単色(黒)のみが形成される場合もある。
このとき、第1転写ベルト208の動きに同期して第2転写ベルト215が矢印方向に移動する。そして、第1転写ベルト208と第2転写ベルト215との接触部分で、第2転写手段の作用により、第1転写ベルト208の表面に作られた画像が第2転写ベルト215の表面に転写される。いわゆるタンデム形式では、4個の作像ユニットa~dの各感光体201上で画像が形成されながら、第1転写ベルト208および第2転写ベルト215が移動し、作像が進められるので、画像の形成時間を短縮することができる。
第1転写ベルト208が、所定の位置まで移動すると、用紙の別の面に作成されるべきトナー画像が、前述したような工程で再度感光体201により作像され、給紙が開始される。すなわち、給紙カセット209、210のいずれかの最上部にある用紙が引き出され、レジストローラ233に搬送される。そして、レジストローラ233を経て、第1転写ベルト208と第2転写ベルト215の間に送られる用紙の片側の面に、第1転写ベルト208表面のトナー像が、第2転写手段117により転写される。
さらに、両面印刷では、用紙は上方に搬送され、第2転写ベルト215の表面のトナー像が、チャージャにより用紙のもう一方の面に転写される。転写に際して、用紙は画像の位置が正規のものとなるよう、タイミングがとられて搬送される。上記のステップで両面にトナー像が転写された用紙は、定着部214に送られ、用紙上のトナー像(両面)が定着ヒータ216(図3)による熱で一度に溶融、定着される。そして、トナー像が定着された用紙は、排紙ガイド224を経て排紙ローラ225により本体フレーム上部の排紙スタック226に排出される。
図2のように、排紙ガイド224、排紙ローラ225および排紙スタック226を含む排紙機構では、両面画像のうち後から用紙に転写される面(頁)、すなわち第1転写ベルト208から用紙に直接転写される面が下面となって、排紙スタック226に載置される。このため頁揃えをするには、プリンタ200は、2頁目の画像を先に作成し、第2転写ベルト215にそのトナー像を保持し、1頁目の画像を第1転写ベルト208から用紙に直接転写する。
第1転写ベルト208から直接に用紙に転写される画像は、感光体201の表面で正像にし、第2転写ベルト215から用紙に転写されるトナー像は、感光体表面で逆像(鏡像)になるよう露光される。このような頁揃えのための作像順、ならびに、正像、逆像(鏡像)に切り換える画像処理も、コントローラ上でのメモリに対する画像データの読み書き制御によって行っている。
画像が第2転写ベルト215から用紙に転写された後、ブラシローラ,回収ローラ,ブレード等を備えたクリーニング装置213が、第2転写ベルト215に残留する不要のトナーや紙粉を除去する。
図2では、クリーニング装置213のブラシローラは、第2転写ベルト215の表面から離れた状態にある。ブラシローラは、支点を中心として揺動可能で、第2転写ベルト215の表面に接離可能な構造になっている。ブラシローラは、用紙に転写する以前で、第2転写ベルト215がトナー像を担持しているときに第2転写ベルト215から離され、クリーニングが必要のとき、図2の反時計方向に揺動され第2転写ベルト215に接触する。除去された不要トナーはトナー収納部に集められる。
以上が、「両面転写モード」を設定した両面印刷モードの作像プロセスである。両面印刷の場合には、常にこの作像プロセスで印刷が行われる。一方、片面印刷の場合には、「第2転写ベルト215による片面転写モード」と「第1転写ベルト208による片面転写モード」のいずれかを実施可能である。
第2転写ベルト215を用いる片面転写モードが設定された場合、第1転写ベルト208に3色又は4色重ね、もしくは単色(黒)で形成された顕像が、第2転写ベルト215に転写され、用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像は転写されない。この場合、排紙スタック226に排出された印刷済の用紙の上面が画像面となる。
第1転写ベルト208を用いる片面転写モードが設定された場合、第1転写ベルト208に3色又は4色重ね、もしくは単色(黒)で形成された顕像が、第2転写ベルト215には転写されずに、用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像は転写されない。この場合、排紙スタック226に排出された印刷済の用紙の下面が画像面となる。
なお、プリンタ200は、プリンタ200の動作を制御する制御部20(エンジンコントローラとも称する)を有している。例えば、制御部20は、図3に示すように、プリンタ200の動作を制御する制御プログラムを実行するCPU21(Central Processing Unit)と、制御プログラムが記憶されたメモリ22とを有している。CPU21およびメモリ22は、制御基板に搭載される。
図3は、図1の画像形成装置10の電力供給に関する要素の例を示すブロック図である。図3は、画像形成装置10が商用電源AC(Alternating Current)に接続された状態を示している。画像形成装置10は、図1および図2に示した要素以外に、電源ユニット301、電圧センサ302および電流センサ303と、定着部214以外の負荷310とを有している。負荷310は、機構部の一例である。制御部20は、トータルマージン電力を算出するマージン算出部の一例である。
電源ユニット301は、商用電源ACから入力された交流電圧を第1直流電圧(例えば、5V)に変換する図示しない第1直流電源と、交流電圧を第2直流電圧(例えば、24V)に変換する図示しない第2直流電源とを有する。例えば、電源ユニット301は、第1直流電圧を制御部20(制御基板)等の5V系の回路に供給し、第2直流電圧を定着部214以外の負荷310に供給する。
例えば、定着部214以外の負荷310として、図1に示したスキャナ100およびプリンタ200(定着部214を除く)があり、プリンタ200では、搬送ローラ等を回転駆動させるモータ等の駆動系が含まれる。また、電源ユニット301は、商用電源ACから入力された交流電力を定着部214に供給する。
定着部214は、CPU21からの制御に基づいて動作し、図示しないトライアック等のスイッチング素子を動作させて、定着ヒータ216に供給する交流電圧を断続する制御を実施する。例えば、定着ヒータ216として、点灯時に発生する放射熱によって加熱するハロゲンランプ等が使用される。以下では、定着ヒータ216を単にヒータ216とも称する。
電圧センサ302は、ヒータ216に供給される交流電圧を検出し、検出した交流電圧を示す情報をCPU21に出力する。電流センサ303は、ヒータ216に供給される交流電流を検出し、検出した交流電流を示す情報をCPU21に出力する。電圧センサ302および電流センサ303は、定着部214(定着ヒータ216)に流れる電流と定着部214に印加される電圧とを検出する電流/電圧検出部の一例である。
CPU21は、例えば、メモリ22に記憶された制御プログラムを実行することで、画像形成装置10の全体の動作を制御するとともに、後述するヒータ216のマージン電力を算出する。このために、CPU21は、電圧センサ302から受ける電圧値および電流センサ303から受ける電流値に基づいて、ヒータ216の消費電力(ワット数)を算出する。
例えば、画像形成装置10により使用可能な最大の電力値(最大使用可能電力)は、商用電源ACの交流電圧を100V、最大電流値を15Aとする場合、1500Wである。このため、CPU21は、定着部214の負荷と、画像形成装置10に含まれる定着部214以外の負荷との合計電力を1500W以下に抑える制御を行う。なお、図3では、制御部20、電圧センサ302および電流センサ303は、負荷310の外部に配置されているが、定着部214以外の負荷310に含まれてもよい。
画像形成装置10に搭載されるヒータ216および各種電子部品の各々の消費電力(ワット数)は、カタログ値等の公称平均電力(標準値、典型(typical)値)に対してばらつき(公差)を有している。このため、画像形成装置10の最大使用可能電力は、公称平均電力だけでなく、電力が増加する側にばらつく電力を考慮して算出する必要がある。
例えば、消費電力の最大のばらつき量をマージン電力として予め算出し、算出したマージン電力が常時発生する固定の消費電力に設定される。これにより、各電子部品の消費電力がばらついた場合にも、画像形成装置10の消費電力が最大使用可能電力を超えることを防止することができる。なお、全ての電子部品の消費電力が増加する側に同時にばらつくことは、通常ないため、複数の電子部品のマージン電力を合算する場合、二乗和平方根のように、統計的な手法により平均的なばらつきを算出することが好ましい。
後述する図5に示すように、マージン電力は、定着部214以外の負荷に対応するDC(Direct Current)マージン電力と、定着部214の負荷(すなわち、ヒータ216)に対応するヒータマージン電力とを含む。DCマージン電力は、機構マージン電力の一例である。以下では、DCマージン電力とヒータマージン電力とを足し合わせたものをトータルマージン電力と称する。
なお、電圧センサ302および電流センサ303等の各種センサも、検出精度にばらつきがある。このため、例えば、ヒータ216の消費電力を電圧センサ302および電流センサ303を用いて算出する場合、算出したヒータ216の消費電力に、各センサ302、303の検出精度のばらつきを考慮した幅を持たせる必要がある。
図4は、図3の定着ヒータ216のヒータマージン電力の計算方法の例を示す説明図である。例えば、ヒータ216の消費電力の公称平均電力(標準値)が800Wであり、±3%のばらつき(公差)があるとする。例えば、ばらつき量は、ヒータ216の製造メーカ等により公開される。ばらつきを考慮した場合、ヒータ216の消費電力は最小で776W、最大で824Wになる。
消費電力が最大のヒータ216が画像形成装置10に搭載された場合にも、画像形成装置10が最大使用可能電力を超えないようにするため、ヒータマージン電力は24Wに設定される(図4(A))。図4(A)では、ヒータマージン電力は、例えば、ヒータ216の製造メーカが公開しているヒータ216の最大電力(824W)から公称平均電力(800W)を差し引いた値である。以下では、ヒータ216の消費電力が最大にばらついたときの電力を公称最大電力と称する。
従来、画像形成装置10に搭載されたヒータ216の実力値である実際の消費電力は、画像形成装置10では計測されていない。このため、例えば、画像形成装置10に搭載されたヒータ216の実際の消費電力が、公称平均電力以下(例えば、776W)の場合にも、ヒータマージン電力は、最大の消費電力(824W)に合わせて24Wに設定されていた。
例えば、ヒータ216の実際の消費電力が776Wの場合、消費電力が公称平均電力(800W)のヒータ216に比べてヒータ216への供給電力が減少するため、ヒータ216が温まるまでのウォームアップ時間が長くなるという問題がある。さらに、ウォームアップ時間が長くなることで、印刷の開始が指示されてから実際に印刷を開始するまでの時間が長くなり、印刷速度が遅くなるという問題がある。
そこで、この実施形態では、画像形成装置10に搭載されたヒータ216の消費電力(ワット数)を予め検出(算出)することで、ヒータ216の実際の消費電力の特性に合わせてヒータマージン電力を設定可能にし、ヒータ216への供給電力量を増加可能にする。
図3に示した制御部20(CPU21)は、電圧センサ302からの電圧情報および電流センサ303からの電流情報に基づいて、ヒータ216の消費電力を算出する。例えば、ヒータ216の消費電力の算出は、画像形成装置10のパワーオン時、ヒータ216または定着部214の交換時、あるいは、画像形成装置10の製造時等において、画像形成装置10がイニシャルモードやテストモード等に設定されているときに行われる。
そして、ヒータ216の消費電力が算出された後、図5および図6で説明するトータルマージン電力が算出される。例えば、ヒータ216または定着部214の交換時に、トータルマージン電力を算出することで、交換されたヒータ216の消費電力に合わせて、ヒータ216に最適な電力を供給することができる。これにより、ヒータ216に供給する電力を増やすことが可能になり、ヒータ216のウォームアップ時間を短縮することが可能になる。すなわち、十分な電力が必要であるコールドスタート時等に、ヒータ216に配分可能な電力を増やすことができ、印刷開始までの時間を短縮することができる。
なお、画像形成装置10が複数のヒータ216を有する場合、動作モードがイニシャルモードまたはテストモード等に移行中に、ヒータ216を1つずつオンさせて、電圧情報および電流情報を取得することで、ヒータ216毎の消費電力を算出することができる。あるいは、複数のヒータ216を同時にオンさせることで、複数のヒータ216のトータルの消費電力を算出することができる。さらに、ヒータ216毎に、電圧センサ302および電流センサ303を設けることで、複数のヒータ216の消費電力を同時に算出することができる。
例えば、制御部20が電圧センサ302からの電圧情報および電流センサ303からの電流情報に基づいて、ヒータ216の消費電力が812Wであることを算出したとする(図4(B)の検出値)。ここで、電圧センサ302および電流センサ303の各々の検出精度のばらつきから、算出した消費電力には±2%のばらつきがあるとする。
この場合、ヒータ216の実際の消費電力は、最小で795Wであり、最大で829Wである。但し、ヒータ216の最大の消費電力は、公称最大電力である824Wであるため、実際の消費電力が824Wを超えることはない。このため、センサ302、303の検出により算出したヒータ216の消費電力(検出値)の最大値が、ヒータ216の公称最大電力以上の場合、ヒータマージン電力は、公称最大電力824Wと公称平均電力800Wの差(この例では、24W)に設定される。
以下では、電圧センサ302および電流センサ303を使用して算出されたヒータ216の電力値を検出値と称し、電圧センサ302および電流センサ303の検出精度のばらつきを考慮した、検出値が最大にばらついたときの電力を検出最大電力と称する。
一方、制御部20が電圧センサ302からの電圧情報および電流センサ303からの電流情報に基づいて、ヒータ216の消費電力が790Wであることを算出したとする(図4(C)の検出値)。この場合、ヒータ216の実際の消費電力は、最小で774Wであり、最大で806Wであり、806Wが検出最大電力となり、これ以上大きくなることはない。
このため、電圧センサ302および電流センサ303の検出結果に基づいて算出したヒータ216の検出最大電力が、ヒータ216の公称最大電力より小さい場合、ヒータマージン電力を下げることが可能である。図4(C)に示す例では、ヒータマージン電力は、検出最大電力(806W)と公称平均電力(800W)の差である6Wに設定される。そして、ヒータ216の公称最大電力(824W)と検出最大電力(806W)との差である18Wを、ヒータ供給電力として使用することが可能である。すなわち、従来に比べて、ヒータ供給電力を比べて18W増やすことができ、ヒータ216の温度上昇を早くすることができる。
図5は、図3の画像形成装置10の定着ヒータ216の供給電力の調整方法の例を示す説明図である。図5では、予め算出されたDCマージン電力は一定であり、定着部214以外の負荷に供給される電力であるDC供給電力は一定であるとする。なお、実際には、DC供給電力は変化し、DCマージン電力が増減するが、DC供給電力とDCマージン電力との合計は、一定である。
また、図5(B)~(D)は、公称平均電力(カタログ値)が800Wのヒータ216を画像形成装置10に搭載した場合であって、ヒータ216の実際の消費電力が800W、812W、790Wであった場合の供給電力の調整方法の例を示す。図5(E)は、公称平均電力(カタログ値)が800Wのヒータ216を画像形成装置10に搭載した場合であって、制御部20が算出したヒータ216の消費電力である検出値が790Wである場合の供給電力の調整方法の例を示す。
図5(A)に示すように、制御部20により算出された定着ヒータ216に供給すべき電力であるヒータ要求電力が800Wであり、画像形成装置10におけるトータルマージン電力を含めた画像形成装置10のトータル消費電力が最大使用可能電力を超えるとする。この場合、制御部20は、ヒータ216に供給する電力をヒータ要求電力よりも下げることで供給電力を制限し、トータルマージン電力を含めた画像形成装置10のトータル消費電力を最大使用可能電力以下に抑止する制御を実施する。
例えば、マージン電力を含めた画像形成装置10のトータル消費電力を最大使用可能電力以下にするために、ヒータ216に供給するヒータ供給電力が算出される。図5に示す例では、ヒータ供給電力を要求電力の80%にすることで、トータルマージン電力を含めた画像形成装置10のトータル消費電力が最大使用可能電力以下になるとする。
図5(B)に示すように、ヒータ216の実際の消費電力が800Wの場合、調整後のヒータ供給電力は640Wとなり、マージン電力を含めた画像形成装置10の消費電力は、最大使用可能電力と等しくなる。
図5(C)に示すように、ヒータ216の実際の消費電力が812Wの場合、調整後のヒータ供給電力は650Wとなり、24Wのヒータマージン電力のうちの10Wが使い込まれる。しかし、ヒータマージン電力は14W残っており、残余のヒータマージン電力とDCマージン電力とを含めた画像形成装置10の消費電力は、最大使用可能電力と等しくなる。
図5(D)は、本実施形態を適用する前のヒータ供給電力の調整方法を示している。ヒータ216の実際の消費電力が790Wの場合、調整後のヒータ供給電力は632Wとなり、24Wのヒータマージン電力に加えて8Wの電力が余り、ヒータマージン電力は32Wになる。そして、8Wが追加されたマージン電力を含めた画像形成装置10の消費電力は、最大使用可能電力と等しくなる。
図5(D)に示すように、ヒータ216の実際の消費電力が公称平均電力(例えば、800W)より小さい場合、ヒータマージン電力は増加する。一方、実際にヒータ216に供給されるヒータ供給電力は、ヒータマージン電力が24Wである場合に比べて減少する。これにより、上述したように、ヒータ216のウォームアップ時間が長くなり、印刷の開始が指示されてから実際に印刷を開始するまでの時間が長くなり、印刷速度が遅くなるという不具合が発生する。
図5(E)は、本実施形態を適用した場合のヒータ供給電力の調整方法を示している。本実施形態では、制御部20が電圧センサ302からの電圧情報および電流センサ303からの電流情報に基づいて、ヒータ216の消費電力(検出値)が790Wであることを算出する。この場合、図4(C)で説明したように、ヒータ216の実際の消費電力の最大値である検出最大電力は806Wであり、公称最大電力の824Wに比べて18W少ない。したがって、図5(D)のヒータマージン電力(32W)のうち、18Wをヒータ供給電力に使用することができ、図5(D)に比べて、ヒータ216のウォームアップ時間を短縮することができ、印刷速度を速くすることができる。すなわち、ヒータ216の消費電力にばらつきがある場合にも、最適な電力をヒータ216に供給して、印刷速度を速くすることができる。
ここで、DCマージン電力とヒータマージン電力の和であるトータルマージン電力の算出方法について説明する。DCマージン電力は、定着ヒータ216以外の全ての負荷(DC5V、DC24V)となる電子部品の電力ばらつきを二乗和平方根により算出する。電力ばらつきは、電子部品の製造メーカ等が公開する情報を利用してもよく、消費電力を実際に計測することで求めてもよい。
ヒータマージン電力の算出方法は、図4で説明したように、電圧センサ302および電流センサ303を使用して算出された検出最大電力が、公称最大電力より大きいか小さいかにより異なる。
検出最大電力が公称最大電力以上の場合(図4(B))、ヒータマージン電力は、DCマージン電力と同様に、二乗和平方根より算出される。この場合のトータルマージン電力の求め方を式(1)に示す。一方、検出最大電力が公称最大電力より小さい場合(図4(C))、ヒータマージン電力は、検出最大電力から公称平均電力を差し引いた値に設定される。この場合のトータルマージン電力の求め方を式(2)に示す。
トータルマージン電力=SQRT((ヒータマージン電力)+(DCマージン電力))‥ (1)
トータルマージン電力=(ヒータマージン電力)+SQRT((DCマージン電力))‥ (2)
式(1)、(2)において、符号SQRTは平方根を示す。
式(1)、(2)の(DCマージン電力)は、ヒータ216を除く全ての電子部品の各々の公称平均電力(カタログ上の標準値)に対する電力ばらつきの二乗を加算したものである。また、定着部214が複数のヒータ216を有する場合、式(1)の(ヒータマージン電力)は、ヒータ216の各々の公称平均電力に対する電力ばらつきの二乗を加算したものである。ヒータ216の消費電力のばらつきは、電圧センサ302および電流センサ303を使用することで実測可能である。
式(1)では、ヒータ216の消費電力が実測できていないため、ヒータマージン電力は、公称最大電力から算出される統計値である。このため、トータルマージン電力は、ヒータマージン電力とDCマージン電力との二乗和平方根により算出される。一方、式(2)では、ヒータ216の消費電力が実測できているため、トータルマージン電力は、ヒータマージン電力を二乗和平方根に含めることなく、実測値を使用して算出される。
ヒータ216の消費電力の実測値に応じて、トータルマージン電力の算出方法を変えることで、ヒータ216への供給電力量をヒータ216の消費電力に応じて増加させることができる。例えば、式(2)は、ヒータ216の消費電力の実測値に基づいて算出したヒータマージン電力を使用するため、式(1)に比べて、トータルマージン電力を下げることができる。したがって、式(2)では、式(1)に比べて、ヒータ216の供給電力量を増加することができ、ヒータ216を迅速に加熱することができる。すなわち、ヒータ216の消費電力にばらつきがある場合にも、最適な電力をヒータ216に供給して、ヒータ216を迅速に加熱することができる。
なお、定着部214が複数のヒータ216を有する場合、制御部20は、ヒータ216毎に、図4(B)および図4(C)のいずれかによりヒータマージン電力を設定する。例えば、全てのヒータ216の消費電力の検出値が図4(B)の場合、トータルマージン電力は、式(1)を使用して算出される。全てのヒータ216の消費電力の検出値が図4(C)の場合、トータルマージン電力は、式(2)を使用して算出される。
また、例えば、定着部214が2つのヒータ216を有し、一方のヒータ216の消費電力の検出値が図4(B)であり、他方のヒータ216の消費電力の検出値が図4(C)であったとする。この場合、制御部20は、式(3)によりトータルマージン電力を算出する。
トータルマージン電力=(他方のヒータのヒータマージン電力)+SQRT((一方のヒータのヒータマージン電力)+(DCマージン電力))‥ (3)
式(3)においても、式(1)と同様に、一方のヒータ216に設定したヒータマージン電力が、公称最大電力と公称平均電力との差に設定される場合、ヒータ216の消費電力が既知でないため、二乗和平方根を使用してトータルマージン電力が算出される。また、式(2)と同様に、他方のヒータ216に設定したヒータマージン電力が検出最大電力と公称平均電力との差に設定される場合、ヒータ216の消費電力が既知であるため、設定したヒータマージン電力をそのまま使用してトータルマージン電力が算出される。
定着部214が3本以上のヒータ216を有する場合にも、式(3)と同様にトータルマージン電力を算出することができる。この際、まず、制御部20は、ヒータ216毎に、検出最大電力を算出し、算出した検出最大電力と公称最大電力とを比較し、図4(B)または図4(C)の手法により、ヒータマージン電力を算出する。制御部20は、検出最大電力≧公称最大電力の第1ヒータ216と検出最大電力<公称最大電力の第2ヒータ216とが混在する場合、式(3)中の「他方のヒータ」を第2ヒータとし、式(3)中の「一方のヒータ」を第1ヒータする。そして、制御部20は、式(3)を使用してトータルマージン電力を算出する。
この際、他方のヒータ216が複数ある場合、式(3)中の「(他方のヒータのヒータマージン電力)」は、ヒータマージン電力の積算値が使用される。一方のヒータ216が複数ある場合、式(3)中の「(一方のヒータのヒータマージン電力)」は、一方のヒータ216のヒータマージン電力を二乗した値の積算値が使用される。
そして、制御部20は、一方のヒータ216のヒータマージン電力を二乗した値の積算値と、DCマージン電力を二乗した値の積算値との和の平方根に、他方のヒータ216のヒータマージン電力の積算値が加算することで、トータルマージン電力を算出する。これにより、定着部214が複数のヒータ216を有する場合にも、ヒータ216毎の検出最大電力に基づいてトータルマージン電力を算出することができ、ヒータ216の供給電力量を増加することができる。すなわち、ヒータ216の消費電力にばらつきがある場合にも、最適な電力をヒータ216に供給することができる。
図6は、図3の制御部20によるマージン電力の算出方法の例を示すフロー図である。例えば、図6に示す動作フローは、制御部20が、マージン電力を算出する場合に制御プログラムを実行することで開始される。図6は、画像形成装置10の電力分配方法の一例を示す。
まず、ステップS100において、制御部20は、定着ヒータ216の消費電力を把握するために、定着ヒータ216をオンした状態で、図3に示した電圧センサ302および電流センサ303を動作させる。そして、制御部20は、電圧センサ302からの電圧情報および電流センサ303からの電流情報に基づいて、定着ヒータ216の消費電力(ワット数)を算出する。
次に、ステップS110において、制御部20は、ステップS100で算出したヒータ216の消費電力と、予め算出されたヒータ216以外の負荷のDC電力とを加算して、画像形成装置10の消費電力であるトータル電力を算出する。
次に、ステップS120において、制御部20は、ステップS110で算出したトータル電力が、最大使用可能電力(例えば、1500W)を超えるかを判定する。トータル電力が最大使用可能電力を超える場合、処理はステップS140に移行し、トータル電力が最大使用可能電力以下の場合、処理はステップS130に移行する。
ステップS130において、制御部20は、ヒータ216の公称最大電力(例えば、824W)から公称平均電力(例えば、800W)を差し引いた値をヒータマージン電力に設定する。そして、制御部20は、設定したヒータマージン電力に、予め算出したDCマージン電力を加えて、トータルマージン電力を算出し、処理をステップS170に移行する。
ステップS140において、制御部20は、ステップS100で算出したヒータ216の消費電力を使用して、電圧センサ302および電流センサ303の各々の検出精度のばらつき(±2%)に基づいて、検出最大電力を算出する。そして、制御部20は、検出最大電力が公称最大電力より大きいかを判定する。検出最大電力が公称最大電力より大きい場合、処理はステップS150に移行し、検出最大電力が公称最大電力以下の場合、処理はステップS160に移行する。
ステップS150において、制御部20は、検出最大電力が公称最大電力より大きいため、図4(B)で説明したように、公称最大電力をヒータマージン電力に設定する。そして、制御部20は、式(1)を用いて、ヒータマージン電力とDCマージン電力との二乗和平方根をトータルマージン電力として算出し、処理をステップS170に移行する。
ステップS160において、制御部20は、検出最大電力が公称最大電力以下であるため、図4(C)で説明したように、検出最大電力と公称平均電力(例えば、800W)の差をヒータマージン電力に設定する。そして、制御部20は、式(2)を用いて、ヒータマージン電力と、DCマージン電力の二乗和平方根との和をトータルマージン電力として算出し、処理をステップS170に移行する。
ステップS170において、制御部20は、ステップS130、S150、S160のいずれかで算出したトータルマージン電力に基づいて、ヒータ216への電力の配分量を決定し、図6に示す処理を終了する。ここで、式(2)を用いて算出したトータルマージン電力は、他のトータルマージン電力より小さいため、ヒータ216に供給できる電力量を相対的に増やすことができる。
なお、定着部214が複数のヒータ216を有する場合、ステップS140がヒータ216毎に判定され、ステップS150、S160の代わりに、式(3)を用いてトータルマージン電力が算出されることを除き、図6と同様の処理が実行される。
以上、この実施形態では、ヒータ216の消費電力の実測値に応じて、トータルマージン電力の算出方法を変えることで、ヒータ216への供給電力量をヒータ216の消費電力に応じて増加させることができる。ヒータ216の消費電力の実測値に基づいて算出したヒータマージン電力を使用する式(2)では、式(1)に比べて、トータルマージン電力を下げることができ、ヒータ216の供給電力量を増加することができ、ヒータ216を迅速に加熱することができる。
また、ヒータ216の検出最大電力と公称最大電力との大小関係に応じて、ヒータマージン電力を設定することで、無駄なマージンを省いてトータルマージン電力を算出することができる。例えば、検出最大電力が公称最大電力より小さい場合に、ヒータマージン電力を小さくすることで、ヒータ216に供給する電力を増やすことができ、ヒータ216のウォームアップ時間を短縮でき、印刷速度を速くすることができる。
定着部214が複数のヒータ216を有する場合にも、ヒータ216毎の検出最大電力に基づいてトータルマージン電力を算出することができ、ヒータ216の供給電力量を増加することができる。
例えば、ヒータ216または定着部214の交換時に、トータルマージン電力を算出することで、交換されたヒータ216の消費電力に合わせて、ヒータ216に最適な電力を供給することができる。これにより、ヒータ216に供給する電力を増やすことが可能になる。
この結果、ヒータ216の消費電力にばらつきがある場合にも、最適な電力をヒータ216に供給することができ、画像形成装置10に搭載される定着ヒータ216の消費電力のばらつきに応じて発生する余剰電力を効率的に使用することができる。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10 画像形成装置
20 制御部
21 CPU
22 メモリ
100 スキャナ
110 操作ボード
120 ADF
200 プリンタ
214 定着部
216 定着ヒータ
301 電源ユニット
302 電圧センサ
303 電流センサ
310 負荷
AC 商用電源
特許第5448411号公報

Claims (5)

  1. ヒータを含む定着部と、
    前記定着部以外の機構部と、
    前記定着部に流れる電流と前記定着部に印加される電圧とを検出する電流/電圧検出部と、
    装置全体で消費されるトータル消費電力が最大使用可能電力を超えることを抑止するために設定されるマージン電力であって、前記定着部のヒータマージン電力と前記機構部の機構マージン電力との和であるトータルマージン電力を算出するマージン算出部と、を有し、
    前記マージン算出部は、
    前記電流/電圧検出部で検出された電流と電圧とに基づいて算出される前記ヒータの消費電力に前記電流/電圧検出部での検出ばらつきを加えた検出最大電力が、前記ヒータにおける消費電力のばらつきを含めた公称最大電力以上の場合、前記公称最大電力と前記ヒータの公称平均電力との差である前記ヒータマージン電力と前記機構部の各電子部品の消費電力のばらつきである前記機構マージン電力との二乗和平方根を前記トータルマージン電力として算出し、
    前記検出最大電力が前記公称最大電力より小さい場合、前記検出最大電力と前記公称平均電力との差である前記ヒータマージン電力と、前記機構部の各電子部品の消費電力のばらつきである前記機構マージン電力の二乗和平方根との和を前記トータルマージン電力として算出する、画像形成装置。
  2. 前記定着部は、前記検出最大電力が前記公称最大電力より小さい場合、前記公称最大電力と前記検出最大電力との電力差分を増加した電力を前記ヒータに供給する、請求項1に記載に画像形成装置。
  3. 前記定着部が複数の前記ヒータを有する場合、
    前記マージン算出部は、
    前記検出最大電力と前記公称最大電力とを前記ヒータ毎に比較し、
    前記検出最大電力が前記公称最大電力以上の前記ヒータである第1ヒータと、前記検出最大電力が前記公称最大電力より小さい前記ヒータである第2ヒータとが混在する場合、前記公称最大電力と公称平均電力との差である前記第1ヒータの前記ヒータマージン電力と前記機構部の各電子部品の消費電力のばらつきである前記機構マージン電力との二乗和平方根と、前記第2ヒータの前記検出最大電力と前記公称平均電力との差である前記第2ヒータの前記ヒータマージン電力との和を前記トータルマージン電力として算出する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記マージン算出部は、前記ヒータまたは前記定着部が交換された場合、前記トータルマージン電力を算出し直す、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. ヒータを含む定着部と、前記定着部以外の機構部と、前記定着部に流れる電流と前記定着部に印加される電圧とを検出する電流/電圧検出部と、を有する画像形成装置の電力分配方法であって、
    装置全体で消費されるトータル消費電力が最大使用可能電力を超えることを抑止するために設定されるマージン電力であって、前記定着部のヒータマージン電力と前記機構部の機構マージン電力との和であるトータルマージン電力を算出し、
    前記電流/電圧検出部で検出された電流と電圧とに基づいて算出される前記ヒータの消費電力に前記電流/電圧検出部での検出ばらつきを加えた検出最大電力が、前記ヒータにおける消費電力のばらつきを含めた公称最大電力以上の場合、前記公称最大電力と前記ヒータの公称平均電力との差である前記ヒータマージン電力と前記機構部の各電子部品の消費電力のばらつきである前記機構マージン電力との二乗和平方根を前記トータルマージン電力として算出し、
    前記検出最大電力が前記公称最大電力より小さい場合、前記検出最大電力と前記公称平均電力との差である前記ヒータマージン電力と、前記機構部の各電子部品の消費電力のばらつきである前記機構マージン電力の二乗和平方根との和を前記トータルマージン電力として算出し、
    算出した前記トータルマージン電力に応じて、前記ヒータに分配する電力を決定する、画像形成装置の電力分配方法。
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