JP7294097B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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本明細書が開示する技術は、半導体装置の製造方法に関する。
逆導通IGBT(Reverse Conducting Insulated Gate Bipolar Transistor)と称される種類の半導体装置の開発が進められている。この種の半導体装置の半導体基板は、IGBT構造が設けられているIGBT範囲と、ダイオード構造が設けられているダイオード範囲と、を有している。ダイオード構造は、IGBT構造に対して逆並列に接続されており、フリーホイーリングダイオードとして動作することができる。
特許文献1は、この種の半導体装置において、p型のボディ領域の下方にn型のバリア領域を形成する技術を開示する。バリア領域は、半導体基板の表面から伸びるピラー領域を介してエミッタ電極に電気的に接続されている。ピラー領域は、リーク電流を抑えるためにエミッタ電極にショットキー接触するように構成されている。バリア領域がピラー領域を介してエミッタ電極に電気的に接続されているので、バリア領域の電位がエミッタ電極の電位に近い電位に維持される。これにより、ボディ領域とバリア領域で構成されるpn接合の順方向に加わる電圧が低く抑えられ、ボディ領域からドリフト領域に注入される正孔量が低下し、逆回復特性が改善する。
特開2018-125443号公報
この種の半導体装置のエミッタ電極の材料としては、良好な電気的特性を実現するために、シリコンを含む合金(例えば、アルミニウムシリコン(AlSi))が用いられる。このため、特許文献1でも指摘されるように、エミッタ電極に含まれるシリコンが半導体基板の表面に析出してシリコンノジュールを形成することが問題となる。特に、このようなシリコンノジュールがピラー領域の形成位置に析出すると、ピラー領域と表面電極の間のバリアハイトが変化し、リーク電流が増加するといった問題が発生する虞がある。
本明細書は、シリコンノジュールの析出位置を制御し、シリコンノジュールがピラー領域の形成位置に析出するのを抑える技術を提供する。
本明細書が開示する半導体装置の製造方法は、半導体基板と、前記半導体基板の一方の主面に設けられているトレンチゲート部と、前記半導体基板の前記一方の主面の上方を被覆している表面電極と、前記トレンチゲート部を前記表面電極から絶縁している層間絶縁膜と、を備えており、前記半導体基板は、第1導電型のドリフト領域と、前記ドリフト領域の上方に設けられている第2導電型のボディ領域と、前記ボディ領域の少なくとも一部の下方に設けられている第1導電型のバリア領域と、前記半導体基板の前記一方の主面から前記バリア領域まで伸びており、前記表面電極にショットキー接触する第1導電型のピラー領域と、を有しており、前記表面電極が、シリコンを含む合金である、半導体装置の製造方法に適用可能である。この半導体装置の種類としては、逆導通IGBT(Reverse Conducting Insulated Gate Bipolar Transistor)、又は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が例示される。また、前記トレンチゲート部は、ダミーゲートであってもよい。この製造方法は、前記トレンチゲート部が形成された前記半導体基板の前記一方の主面上に前記層間絶縁膜を成膜する工程と、前記層間絶縁膜の一部をエッチングし、前記ボディ領域と前記ピラー領域が露出するコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホールに露出する前記半導体基板の前記一方の主面上に、前記ピラー領域を被覆するとともに前記層間絶縁膜の側面から離反するマスク層を成膜する工程と、前記層間絶縁膜の表面と、前記コンタクトホールにおいて前記マスク層によって被覆されていない前記半導体基板の前記一方の主面と、の表面粗さを増大させる工程と、前記マスク層を除去する工程と、前記表面電極を成膜する工程と、を備えることができる。前記マスク層を成膜する工程では、前記マスク層が前記層間絶縁膜の一部の側面と接するように成膜されてもよい。
上記半導体装置の製造方法によると、前記層間絶縁膜の表面と、前記半導体基板の前記一方の主面のうちの前記層間絶縁膜の側面下側の端部に対応した位置の表面と、の表面粗さを選択的に増大させることができるので、これらの表面にシリコンノジュールを選択的に析出させるように制御可能である。これにより、シリコンノジュールが前記ピラー領域の形成位置に析出することが抑えられる。
本実施形態の半導体装置の平面図を模式的に示す。 本実施形態の半導体装置の素子領域に区画されたIGBT範囲とダイオード範囲の境界の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の層間絶縁膜のコンタクトホール近傍の要部拡大断面図を模式的に示す。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図である。 本実施形態の半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示しており、図1のII-II線に対応した位置の要部断面図であり、エミッタ電極に含まれるシリコンの挙動を説明するための図である。
以下、図面を参照して本実施形態に係る半導体装置について説明する。各図面において、共通する構成要素においては、図示明瞭化を目的として、1つの構成要素のみに符号を付し、他の構成要素に符号を付すのを省略する。
図1に、本実施形態に係る半導体装置1の平面図を模式的に示す。半導体装置1は、逆導通IGBTと称される種類の半導体装置であり、半導体基板10を用いて製造されている。半導体基板10は、素子領域10Aと、素子領域10Aの周囲に位置する周辺領域10Bと、を有している。半導体基板10の素子領域10Aは、IGBT構造が設けられているIGBT範囲102と、ダイオード構造が設けられているダイオード範囲104と、に区画されている。IGBT範囲102とダイオード範囲104は、半導体基板10の表面に対して直交する方向から見たときに(以下、「平面視したときに」という)、一例ではあるが、素子領域10A内においてy方向に沿って交互に繰り返し配置されている。周辺領域10Bに対応する半導体基板10内には、ガードリング等の周辺耐圧構造が形成されている。さらに、周辺領域10Bに対応する半導体基板10上には、複数の小信号パッド28が設けられている。小信号パッド28の種類としては、例えばゲート信号を入力するためのゲートパッド、温度センス信号を出力するための温度センスパッド及び電流センス信号を出力するための電流センスパッドが挙げられる。
図2に、図1のII-II線に対応した要部断面図を模式的に示す。図2は、IGBT範囲102とダイオード範囲104の境界に対応する。図2に示されるように、半導体装置1は、シリコン基板である半導体基板10、半導体基板10の裏面を覆うように設けられているコレクタ電極22、半導体基板10の表面を覆うように設けられているエミッタ電極24、半導体基板10の表面に設けられているトレンチゲート部30、及び、トレンチゲート部30をエミッタ電極24から絶縁している層間絶縁膜40を備えている。層間絶縁膜40にはコンタクトホール40aが形成されており、半導体基板10の表面の一部がそのコンタクトホール40aに露出している。エミッタ電極24の一部が層間絶縁膜40のコンタクトホール40aを介して半導体基板10の表面の一部に接している。エミッタ電極24は、アルミニウムとシリコンを含有する合金のアルミニウムシリコン(AlSi)で構成されている。
半導体基板10は、p+型のコレクタ領域11、n型のバッファ領域12、n-型のドリフト領域13、p型のボディ領域14、n型のバリア領域15、n型のピラー領域16、n+型のエミッタ領域17、及び、n+型のカソード領域18を有している。
コレクタ領域11は、半導体基板10の裏層部の一部に配置されており、半導体基板10の裏面に露出する位置に設けられている。コレクタ領域11は、半導体基板10の裏面を被覆するコレクタ電極22にオーミック接触している。コレクタ領域11は、イオン注入技術を利用して、半導体基板10の裏面に向けてボロンをイオン注入し、半導体基板10の裏層部に形成される。
カソード領域18は、半導体基板10の裏層部の一部に配置されており、半導体基板10の裏面に露出する位置に設けられている。カソード領域18は、半導体基板10の裏面を被覆するコレクタ電極22にオーミック接触している。カソード領域18は、イオン注入技術を利用して、半導体基板10の裏面に向けてリンをイオン注入し、半導体基板10の裏層部に形成される。
このように、半導体基板10の裏層部には、コレクタ領域11とカソード領域18が隣接して配置されている。半導体基板10は、半導体基板10の表層部のエミッタ領域17の有無と合わせて、コレクタ領域11が形成されている範囲をIGBT範囲102として区画され、カソード領域18が形成されている範囲をダイオード範囲104として区画されている。
バッファ領域12は、コレクタ領域11及びカソード領域18の表面上に設けられており、コレクタ領域11とドリフト領域13の間に配置されており、カソード領域18とドリフト領域13の間に配置されている。バッファ領域12は、ドリフト領域13よりもn型不純物の濃度が濃い領域である。バッファ領域12は、イオン注入技術を利用して、半導体基板10の裏面に向けてリンをイオン注入して形成される。
ドリフト領域13は、バッファ領域12の表面上に設けられており、バッファ領域12とボディ領域14の間に配置されている。ドリフト領域13は、半導体基板10内に他の半導体領域を形成した残部である。
ボディ領域14は、ドリフト領域13の表面上に設けられており、半導体基板10の表層部に配置されており、半導体基板10の表面に露出する位置に配置されている。ボディ領域14は、半導体基板10の表面を被覆しているエミッタ電極24にオーミック接触している。なお、ボディ領域14は、エミッタ電極24とのオーミック性を改善するために、p型不純物の濃度が濃いコンタクト領域を有していてもよい。ボディ領域14は、イオン注入技術を利用して、半導体基板10の表面に向けてボロンをイオン注入し、半導体基板10の表層部に形成される。
バリア領域15は、ボディ領域14内に設けられており、隣り合うトレンチゲート部30の双方の側面に接するように半導体基板10の面方向に広がるように伸びている。バリア領域15は、半導体基板10の厚み方向においてボディ領域14を隔てるように配置されている。なお、バリア領域15は、ボディ領域14の全体の下方、即ち、ドリフト領域13とボディ領域14の間に配置されていてもよい。また、バリア領域15は、ダイオード範囲104のみに選択的に形成され、IGBT範囲102に形成されていなくてもよい。バリア領域15は、半導体基板10の表面に向けてリンをイオン注入し、半導体基板10の表層部に形成される。
ピラー領域16は、ボディ領域14内に設けられており、半導体基板10の表面からボディ領域14の一部を貫通してバリア領域15まで伸びている。ピラー領域16は、隣り合うトレンチゲート部30の間であって、トレンチゲート部30の側面から離れた位置に配置されている。ピラー領域16は、半導体基板10の表面を被覆しているエミッタ電極24にショットキー接触している。これにより、バリア領域15は、ピラー領域16を介してエミッタ電極24に電気的に接続されている。なお、ピラー領域16は、バリア領域15がダイオード範囲104のみに選択的に形成される場合、ダイオード範囲104のみに選択的に形成され、IGBT範囲102に形成されていなくてもよい。ピラー領域16は、半導体基板10の表面に向けてリンをイオン注入し、半導体基板10の表層部に形成される。
エミッタ領域17は、ボディ領域14の表面上に設けられており、半導体基板10の表層部に配置されており、半導体基板10の表面に露出する位置に配置されている。エミッタ領域17は、トレンチゲート部30の側面に接しており、エミッタ電極24にオーミック接触している。エミッタ領域17は、半導体基板10のうちのIGBT範囲102に選択的に形成されており、半導体基板10のうちのダイオード範囲104には形成されていない。エミッタ領域17は、イオン注入技術を利用して、半導体基板10の表面に向けてリンをイオン注入し、半導体基板10の表層部に形成される。
トレンチゲート部30は、半導体基板10の表面に形成されたトレンチTR1内に設けられており、ゲート電極32及びゲート絶縁膜34を有している。ゲート電極32は、ゲート絶縁膜34によって半導体基板10から絶縁されており、層間絶縁膜40によってエミッタ電極24から絶縁されている。トレンチゲート部30は、半導体基板10の表面からボディ領域14を貫通してドリフト領域13に達している。この例では、トレンチゲート部30は、半導体基板10の素子領域10Aにおいて、x方向に沿って伸びている。即ち、トレンチゲート部30は、x方向を長手方向とし、y方向を短手方向とする形態を有している。また、この例では、複数のトレンチゲート部30が、半導体基板10の素子領域10Aにおいて、各々が所定間隔を置いてy方向に沿って並ぶように配置されている。このように、複数のトレンチゲート部30は、平面視したときに、ストライプ状のレイアウトを有している。なお、複数のトレンチゲート部30のレイアウトは特に限定されるものではない。この例に代えて、複数のトレンチゲート部30は、平面視したときに、格子状のレイアウトを有していてもよい。複数のトレンチゲート部30は、IGBT範囲102とダイオード範囲104の双方に形成されている。なお、複数のトレンチゲート部30のうちのダイオード範囲104に配置されているトレンチゲート部30は、ダミーゲートとして用いられてもよい。ダミーゲートとして用いられる場合、そのゲート電極32がゲート配線に電気的に接続しておらず、ゲート電圧とは異なる大きさ及び/又は位相の電圧が印加可能となっていてもよい。ダミーゲートとして用いられる場合、例えば、そのゲート電極32がエミッタ電極24に短絡していてもよい。
図3に、層間絶縁膜40のコンタクトホール40a近傍の拡大断面図を示す。なお、図3は、yz平面に平行な断面を拡大した図に対応している。また、図3では、ダイオード範囲104に設けられている層間絶縁膜40が示されているが、IGBT範囲102に設けられている層間絶縁膜40も同様の構成を有している。
層間絶縁膜40は、ゲート電極32の表面を完全に被覆するように、トレンチゲート部30の短手方向(y方向)の幅よりも幅広に構成されている。コンタクトホール40aを画定する層間絶縁膜40の側面40Sのうちの上側側面40Saは、凹状の曲面で構成されている。後述するように、上側側面40Saは等方性エッチングによる加工が反映した凹状の曲面の形態を有している。コンタクトホール40aを画定する層間絶縁膜40の側面40Sのうちの下側側面40Sbは、平坦面で構成されている。後述するように、下側側面40Sbは異方性エッチングによる加工が反映した平坦面の形態を有している。このように、層間絶縁膜40の側面40Sのうちの上側側面40Saが凹状の曲面で構成されていることから、上側側面40Saの上下両端には、頂面40Tとの間で構成される角部42と、下側側面40Sbとの間で構成される角部44が存在している。
図3に示されるように、層間絶縁膜40の表面(頂面40Tと側面40Sを含む面)には微小な凹凸が形成されており、層間絶縁膜40の表面粗さが大きく構成されている。さらに、半導体基板10の表面のうちの層間絶縁膜40の側面下側の端部に対応した表面(破線100で囲まれた位置)にも微小な凹凸が形成されており、この部分の表面粗さも大きく構成されている。後述するように、このような凹凸は、イオン注入によるダメージによって形成されたものである。
半導体装置1は、トレンチゲート部30のゲート電極32に印加するゲート電圧に基づいて、IGBT範囲102をコレクタ電極22からエミッタ電極24に向けて流れる電流のオンとオフを制御することができる。さらに、半導体装置1は、ダイオード範囲104に形成されたダイオード構造が、フリーホイーリングダイオードとして動作することができる。特に、半導体装置1では、バリア領域15とピラー領域16が設けられていることにより、ダイオード動作における逆回復特性が改善する。このダイオード動作について以下に説明する。
エミッタ電極24にコレクタ電極22よりも高い電位が印加されると、IGBT範囲102とダイオード範囲104の各々に還流電流が流れる。以下では、エミッタ電極24の電位を、コレクタ電極22と同等の電位から徐々に上昇する場合について説明する。エミッタ電極24の電位が上昇すると、ピラー領域16とエミッタ電極24のショットキー接合が導通する。これにより、コレクタ電極22からエミッタ電極24に向けて電子が流れる。このように、エミッタ電極24の電位が比較的に低いときは、ショットキーバリアダイオードが導通し、エミッタ電極24からコレクタ電極22に向けて電流が流れる。
ショットキーバリアダイオードが導通すると、バリア領域15の電位がエミッタ電極24の電位に近い電位に維持されるので、ボディ領域14とバリア領域15で構成されるpn接合の順方向に加わる電圧が低く抑えられる。このため、エミッタ電極24の電位が比較的に低いときは、pnダイオードが導通しない。エミッタ電極24の電位が比較的に高くなると、ショットキーバリアダイオードを介して流れる電流が増加する。ショットキーバリアダイオードを介して流れる電流が増加すると、エミッタ電極24とバリア領域15の間の電位差が増加し、ボディ領域14とバリア領域15で構成されるpn接合の順方向に加わる電圧も増加し、ボディ領域14からバリア領域15を介して正孔が注入される。これにより、エミッタ電極24からコレクタ電極22に向けて正孔が流れる。一方、コレクタ電極22からエミッタ電極24に向けて電子が流れる。このように、エミッタ電極24の電位が比較的に高いときは、pnダイオードが導通する。
上記したように、エミッタ電極24の電位が上昇するときに、ショットキーバリアダイオードが先に導通することで、pnダイオードが導通するタイミングが遅れる。これにより、還流電流が流れるときに、ボディ領域14からドリフト領域13に注入される正孔量が抑制される。その後、コレクタ電極22にエミッタ電極24よりも高い電位が印加されると、pnダイオードが逆回復動作を行う。このとき、ボディ領域14からドリフト領域13に注入された正孔量が抑制されているので、pnダイオードが逆回復動作するときの逆電流も小さくなる。このように、半導体装置1では、バリア領域15及びピラー領域16が設けられていることにより、ダイオード動作における逆回復特性が改善される。
次に、図面を参照し、半導体装置1の製造方法を説明する。まず、図4に示すように、半導体基板10の表層部に各種の半導体領域が形成された半導体基板10を準備する。なお、各種の半導体領域のうちの少なくとも一部は、後述の工程を実施した後に形成してもよい。
次に、図5に示すように、異方性ドライエッチング技術を利用して、半導体基板10の表面からボディ領域14を貫通してドリフト領域13に達するトレンチTR1を形成する。次に、熱酸化技術を利用して、トレンチTR1の内面及び半導体基板10の表面にゲート絶縁膜34を成膜する。
次に、図6に示されるように、CVD技術を利用して、トレンチTR1内にポリシリコンのゲート電極32を形成し、トレンチゲート部30を形成する。ゲート電極32は、トレンチTR1の一部を充填するように形成されている。
次に、図7に示すように、CVD技術を利用して、半導体基板10の表面の全体を被覆するように、層間絶縁膜40を成膜する。層間絶縁膜40には、ボロン又はリン等が多く含まれる酸化シリコンが用いられる。
次に、図8に示すように、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術を利用して、層間絶縁膜40の表面上にフォトレジストのマスク層52をパターニングする。マスク層52は、トレンチゲート部30が形成されている位置に対応して選択的に配置されている。
次に、図9に示すように、等方性のエッチング技術(例えば、Chemical Dry Etching(CDE)技術)を利用して、層間絶縁膜40の一部をエッチングする。このとき、マスク層52の下方に存在する層間絶縁膜40に対して横方向から等方的にエッチングが進行し、層間絶縁膜40の側面が凹状の曲面に加工される。この部分が、層間絶縁膜40の上側側面40Sa(図3参照)となる。
次に、図10に示すように、異方性のエッチング技術(例えば、Reactive Ion Etching(RIE)技術)を利用して、層間絶縁膜40の一部をエッチングし、ボディ領域14、ピラー領域16及びエミッタ領域17が露出するように、コンタクトホール40aを形成する。このとき、マスク層52の下方に存在する層間絶縁膜40の側面が平坦な平面に加工される。この部分が、層間絶縁膜40の下側側面40Sb(図3参照)となる。
次に、図11に示すように、ウェットエッチング技術を利用して、マスク層52を除去する。これらの工程を経て形成された層間絶縁膜40は、側面40Sのうちの上側側面40Saが凹状の曲面に加工され、その上側側面40Saの上下両端に角部42、44が構成されている。
次に、図12に示すように、層間絶縁膜40のコンタクトホール40aに露出する半導体基板10の表面上の一部にフォトレジストのマスク層54をパターニングする。マスク層54は、ピラー領域16を被覆するとともに層間絶縁膜40の側面40Sから離反するように成膜される。
次に、図13に示すように、イオン注入技術を利用して、層間絶縁膜40の表面と、マスク層54によって被覆されていない半導体基板10の表面と、にイオンを注入し、それらの表面粗さを増大させる。これにより、層間絶縁膜40の表面と、マスク層54によって被覆されていない半導体基板10の表面と、に微小な凹凸が形成される(図3参照)。イオン注入されるイオン種は、特に限定されるものではない。イオン種、注入エネルギー及びドーズ量は、電気的特性の影響を考慮して適宜設定される。なお、イオン種としては、表面粗さを効果的に増大させるために、原子量の大きいものが望ましい。
この例では、マスク層54によって被覆されていない半導体基板10の表面には、ボディ領域14とエミッタ領域17の双方が露出している。この例に代えて、マスク層54によって被覆されていない半導体基板10の表面にボディ領域14のみが露出するように、マスク層54を成膜してもよい。この場合、マスク層54は、IGBT範囲において、エミッタ領域17が形成されている範囲にも成膜され、層間絶縁膜40の側面40Sの一部に接するように形成される。このようなマスク層54が成膜されると、マスク層54によって被覆されていない半導体基板10の表面にボディ領域14のみが露出する。このため、イオン注入に用いるイオン種としてp型ドーパントを選択すれば、電気的特性への影響が抑えながら、表面粗さを増大させることができる。
次に、図14に示すように、ウェットエッチング技術を利用して、マスク層54を除去する。
次に、図15に示すように、スパッタ技術を利用して、半導体基板10の表面及び層間絶縁膜40の表面を覆うように、アルミニウムシリコンのエミッタ電極24を成膜する。このときのエミッタ電極24に含まれるシリコンの挙動について、図16を参照して説明する。
図16に示すように、成膜されたエミッタ電極24には、アルミ粒界24aが存在する。アルミ粒界24aは、エミッタ電極24が成膜される過程において、層間絶縁膜40の角部42、44を起点として上方に伸びて形成される(この例では、角部42を例示するが、角部44を起点としてアルミ粒界24aが形成されることもある)。具体的には、層間絶縁膜40の頂面40Tから堆積されるアルミニウム結晶と層間絶縁膜40の上側側面40Saから堆積されるアルミニウム結晶のそれぞれが異なる方位のアルミニウム結晶として成長し、これにより、これらの間にアルミ粒界24aが形成される。このようなアルミ粒界24aが存在すると、エミッタ電極24に含まれるシリコンのうちの固溶度を超えたシリコンは、アルミ粒界24aに移動する。アルミ粒界24aに移動したシリコンは、アルミ粒界24aに沿って拡散する。アルミ粒界24aに沿って拡散したシリコンは、層間絶縁膜40の表面、あるいは、層間絶縁膜40の表面を超えて半導体基板10の表面に到達する。半導体装置1では、層間絶縁膜40の表面及び半導体基板10の表面のうちの層間絶縁膜40の側面下側の端部に対応した表面の表面粗さが増大しており、微小な凹凸が形成されている。このような微小な凹凸の凸部を起点にシリコンが核成長することから、層間絶縁膜40の表面及び層間絶縁膜40の側面下側の端部に対応した半導体基板10の表面でシリコンノジュール62となって安定化する。
このように、上記した製造方法によると、層間絶縁膜40の表面及び層間絶縁膜40の側面下側の端部に対応した半導体基板10の表面の表面粗さを選択的に増大させることにより、エミッタ電極24内に形成されるアルミ粒界24aの位置を制御することができ、これにより、層間絶縁膜40の表面、又は、層間絶縁膜40の側面下側の端部に対応した半導体基板10の表面にシリコンノジュール62を選択的に析出させることができる。これらの位置は、ピラー領域16の形成位置から十分に離れている。したがって、上記した製造方法によると、シリコンノジュール62がピラー領域16の形成位置に析出することが抑えられる。
次に、半導体基板10の周辺領域10B(図1参照)上のエミッタ電極24を除去するようにエミッタ電極24を加工し、半導体基板10の周辺領域10B(図1参照)上に保護膜(例えば、ポリイミド膜)を成膜する。最後に、半導体基板10を薄層化した後に、半導体基板10の裏面に各種の半導体領域及びコレクタ電極22を形成し、半導体装置1が完成する。
上記したように、本実施形態の製造方法によると、シリコンノジュール62がピラー領域16の形成位置に析出することが抑えられる。シリコンノジュール62がピラー領域16の形成位置に析出してピラー領域16とエミッタ電極24の間のバリアハイトが変化するといった事態が抑制される。即ち、半導体装置1では、ピラー領域16とエミッタ電極24の間のバリアハイトが安定しているので、リーク電流が増加するといった問題が抑えられている。半導体装置1は、高い信頼性を有することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1 :半導体装置
10 :半導体基板
11 :コレクタ領域
12 :バッファ領域
13 :ドリフト領域
14 :ボディ領域
15 :バリア領域
16 :ピラー領域
17 :エミッタ領域
18 :カソード領域
22 :コレクタ電極
24 :エミッタ電極
30 :トレンチゲート部
32 :ゲート電極
34 :ゲート絶縁膜
40 :層間絶縁膜

Claims (1)

  1. 半導体基板と、前記半導体基板の一方の主面に設けられているトレンチゲート部と、前記半導体基板の前記一方の主面の上方を被覆している表面電極と、前記トレンチゲート部を前記表面電極から絶縁している層間絶縁膜と、を備えており、前記半導体基板は、第1導電型のドリフト領域と、前記ドリフト領域の上方に設けられている第2導電型のボディ領域と、前記ボディ領域の少なくとも一部の下方に設けられている第1導電型のバリア領域と、前記半導体基板の前記一方の主面から前記バリア領域まで伸びており、前記表面電極にショットキー接触する第1導電型のピラー領域と、を有しており、前記表面電極が、シリコンを含む合金である、半導体装置の製造方法であって、
    前記トレンチゲート部が形成された前記半導体基板の前記一方の主面上に前記層間絶縁膜を成膜する工程と、
    前記層間絶縁膜の一部をエッチングし、前記ボディ領域と前記ピラー領域が露出するコンタクトホールを形成する工程と、
    前記コンタクトホールに露出する前記半導体基板の前記一方の主面上に、前記ピラー領域を被覆するとともに前記層間絶縁膜の側面から離反するマスク層を成膜する工程と、
    前記層間絶縁膜の表面と、前記コンタクトホールにおいて前記マスク層によって被覆されていない前記半導体基板の前記一方の主面と、の表面粗さを増大させる工程と、
    前記マスク層を除去する工程と、
    前記表面電極を成膜する工程と、を備えている、半導体装置の製造方法。
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