JP7292456B1 - 電動機制御装置 - Google Patents

電動機制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7292456B1
JP7292456B1 JP2022035053A JP2022035053A JP7292456B1 JP 7292456 B1 JP7292456 B1 JP 7292456B1 JP 2022035053 A JP2022035053 A JP 2022035053A JP 2022035053 A JP2022035053 A JP 2022035053A JP 7292456 B1 JP7292456 B1 JP 7292456B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
section
time
switch
arithmetic processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022035053A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023130641A (ja
Inventor
明宏 澤田
真 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2022035053A priority Critical patent/JP7292456B1/ja
Priority to US18/159,398 priority patent/US20230291344A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP7292456B1 publication Critical patent/JP7292456B1/ja
Publication of JP2023130641A publication Critical patent/JP2023130641A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P6/00Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
    • H02P6/28Arrangements for controlling current
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P27/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage
    • H02P27/04Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage using variable-frequency supply voltage, e.g. inverter or converter supply voltage
    • H02P27/06Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage using variable-frequency supply voltage, e.g. inverter or converter supply voltage using dc to ac converters or inverters
    • H02P27/08Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage using variable-frequency supply voltage, e.g. inverter or converter supply voltage using dc to ac converters or inverters with pulse width modulation
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/22Current control, e.g. using a current control loop
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P23/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by a control method other than vector control
    • H02P23/14Estimation or adaptation of motor parameters, e.g. rotor time constant, flux, speed, current or voltage

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Direct Current Motors (AREA)

Abstract

【課題】スイッチング素子のオン期間中に負荷電流の値が変化した場合であっても、電動機に供給される電力を適切に制御することができる電動機制御装置を得る。【解決手段】電動機制御装置10は、電流検出部40、インタフェース部50、スイッチング部60、及び演算処理部80を有している。インタフェース部50には、電流検出部40により検出された検出信号が入力される。インタフェース部50は、時定数が互いに異なる複数のフィルタを有しており、検出信号に対してフィルタ処理を施す。スイッチング部60は、電動機20に供給される電力を制御する。演算処理部80は、複数のフィルタのうち、制御パルスの長さに基づいて選択したフィルタを選択フィルタとする。演算処理部80は、選択フィルタによってフィルタ処理が施された検出信号である処理信号をA/D変換することにより求めた値を電流検出値とする。【選択図】図1

Description

本開示は、電動機制御装置に関する。
従来の負荷制御装置では、スイッチング素子に流れる電流値をA/D変換するタイミングが、スイッチング素子の遅れ量、安定状態開始時間、立ち下がり開始時間、及びA/D変換に要する時間に基づいて設定される。スイッチング素子の遅れ量は、PWM周期の開始時点からスイッチング素子がオンになる時点までの時間である。安定状態開始時間は、PWM周期の開始時点からPWM制御パルス波形が安定状態となるまでの時間である。立下り開始時間は、PWM周期の開始時点からPWM制御パルス波形が立ち下がり始めるまでの時間である(例えば、特許文献1)。
特許第6136897号公報
上記のような従来の負荷制御装置では、スイッチング素子のオン期間中に負荷電流の値が変化した場合、A/D変換によって求められる電流検出値が、本来求めるべき値からずれることがある。その結果、電動機に供給される電力を適切に制御することができなくなるという問題があった。
本開示は、上記のような課題を解決するために為されたものであり、スイッチング素子のオン期間中に負荷電流の値が変化した場合であっても、電動機に供給される電力を適切に制御することができる電動機制御装置を得ることを目的とする。
本開示に係る電動機制御装置は、スイッチング素子を有しており、電動機に供給される電力を制御するスイッチング部、電動機に流れる電流に応じた検出信号を出力する電流検出部、検出信号に対してフィルタ処理を施すインタフェース部、及びスイッチング素子を制御するための制御パルスを生成する演算処理部を備え、インタフェース部は、時定数が互いに異なる複数のフィルタを有しており、演算処理部は、複数のフィルタのうち、制御パルスの長さに基づいて選択したフィルタを選択フィルタとし、選択フィルタによってフィルタ処理が施された検出信号である処理信号をA/D変換することにより求めた値を電流検出値とする。
本開示に係る電動機制御装置によれば、スイッチング素子のオン期間中に負荷電流の値が変化した場合であっても、電動機に供給される電力を適切に制御することができる。
実施の形態1に係る電動機制御装置の構成を示すブロック図である。 図1のインタフェース部及び演算処理部の構成を示す図である。 PWM制御パルスのデューティ比が50%以下である場合における図1の電動機制御装置の動作を説明するためのタイムチャートである。 PWM制御パルスのデューティ比が50%よりも大きい場合における図1の電動機制御装置の動作を説明するためのタイムチャートである。 図1の演算処理部が実行する電動機制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施の形態2に係る電動機制御装置の構成を示すブロック図である。 図6のインタフェース部及び演算処理部の構成を示す図である。 図7の演算処理部が実行する電動機制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施の形態3に係るインタフェース部及び演算処理部の構成を示す図である。 図9の演算処理部の制御による第3スイッチ~第6スイッチの状態の組合せの例を示す図である。 図9の演算処理部が実行する電動機制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施の形態1~3の電動機制御装置の機能を実現する処理回路の第1の例を示す構成図である。 実施の形態1~3の電動機制御装置の機能を実現する処理回路の第2の例を示す構成図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電動機制御装置の構成を示すブロック図である。電動機制御装置10は、電流検出部40、インタフェース部50、スイッチング部60、駆動部70、演算処理部80、及び平滑コンデンサ90を有している。
電動機制御装置10には、電動機20及び外部電源30が接続されている。外部電源30は直流電源である。電動機20は、電動機制御装置10の負荷である。電動機20には、電動機制御装置10によって交流の電力が供給され、これにより、電動機20が駆動される。電動機20は、例えば、自動車に搭載されている。電動機20は、エンジン始動装置、スロットルアクチュエータ、電動パワーステアリング装置、及びラジエータファンの駆動に用いられる。
電流検出部40は、シャント抵抗を有している。電流検出部40は、外部電源30の正極とスイッチング部60との間に接続されている。電流検出部40は、シャント抵抗に生じる電圧降下により電流を電圧値に変換し、電動機20に流れる電流に応じた検出信号を出力する。
インタフェース部50には、電流検出部40により検出された検出信号が入力される。インタフェース部50は、検出信号に対してフィルタ処理を施す。インタフェース部50は、時定数が互いに異なる複数のフィルタを有している。
スイッチング部60は、第1スイッチング素子61、第2スイッチング素子62、第3スイッチング素子63、及び第4スイッチング素子64を有している。第1スイッチング素子61、第2スイッチング素子62、第3スイッチング素子63、及び第4スイッチング素子64には、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が用いられる。
第1スイッチング素子61と第3スイッチング素子63とは、互いに直列に接続されている。第2スイッチング素子62と第4スイッチング素子64とは、互いに直列に接続されている。
第1スイッチング素子61及び第3スイッチング素子63からなる第1群のスイッチング素子と、第2スイッチング素子62及び第4スイッチング素子64からなる第2群のスイッチング素子とは、並列に接続されている。第1スイッチング素子61と第3スイッチング素子63との間及び第2スイッチング素子62と第4スイッチング素子64との間は、電動機20に接続されている。
スイッチング部60は、第1スイッチング素子61、第2スイッチング素子62、第3スイッチング素子63、及び第4スイッチング素子64を用いて、電動機20に供給される電力を制御する。
駆動部70は、演算処理部80において生成される制御パルスを駆動信号に変換し、変換された駆動信号をスイッチング部60に出力する。駆動信号は、スイッチング部60の各スイッチング素子にゲート電圧として印加される。
演算処理部80は、第1スイッチング素子61、第2スイッチング素子62、第3スイッチング素子63、及び第4スイッチング素子64のスイッチング動作を制御するための制御パルスを生成する。演算処理部80は、インタフェース部50の複数のフィルタのうち、制御パルスの長さに基づいて選択したフィルタを選択フィルタとする。演算処理部80は、選択フィルタによってフィルタ処理が施された検出信号である処理信号をA/D変換する。演算処理部80は、処理信号をA/D変換することにより求めた値を電流検出値とする。また、演算処理部80は、電流検出値を用いて、電動機20に対する電圧指令値を補正する。
平滑コンデンサ90は、電流検出部40と外部電源30の正極との間と、GNDとの間に設けられている。平滑コンデンサ90は、電流検出部40に印加される電圧を平滑化する。
図2は、図1のインタフェース部50及び演算処理部80の構成を示す図である。インタフェース部50は、複数のフィルタとして、第1フィルタ51及び第2フィルタ52を有している。第1フィルタ51及び第2フィルタ52には、電流検出部40からの出力信号がそれぞれ入力されている。第1フィルタ51及び第2フィルタ52は、ローパスフィルタである。第1フィルタ51及び第2フィルタ52は、主として高周波成分のノイズであるサージを逓減させる。
第1フィルタ51は、第1抵抗511及び第1コンデンサ512を有している。第1フィルタ51に入力された出力信号は、第1抵抗511を通って演算処理部80に出力される。第1コンデンサ512は、第1抵抗511の出力側とGNDとの間に接続されている。
第1抵抗511の抵抗値をR、第1コンデンサ512の容量値をCとすると、第1フィルタ51の時定数である第1時定数τは、C×Rである。第1フィルタ51は、検出信号の遮断周波数fc1=1/(2π×τ)よりも高い周波数成分を逓減させる。
第2フィルタ52は、第2抵抗521及び第2コンデンサ522を有している。第2フィルタ52に入力された出力信号は、第2抵抗521を通って演算処理部80に出力される。第2コンデンサ522は、第2抵抗521の出力側とGNDとの間に接続されている。
第2抵抗521の抵抗値をR、第2コンデンサ522の容量値をCとすると、第2フィルタ52の時定数である第2時定数τは、C×Rである。第2フィルタ52は、検出信号の遮断周波数fc2=1/(2π×τ)よりも高い周波数成分を逓減させる。第2時定数τの値は、第1時定数τの値よりも小さい値に予め設定されている。
演算処理部80は、複数のA/D変換部として、第1A/D変換部81及び第2A/D変換部82を有している。さらに、演算処理部80は、セレクタ83、電圧指令演算部84、駆動波形生成部85、及び判定制御部86を有している。
第1A/D変換部81は、第1入力スイッチ811、第1出力スイッチ812、第1内部抵抗813、第1内部コンデンサ814、及び第1A/D変換回路815を有している。第1入力スイッチ811の一端は、第1フィルタ51の出力側と接続されている。第1入力スイッチ811の他端は、第1内部抵抗813を介して第1出力スイッチ812の一端に接続されている。
第1出力スイッチ812の他端は、第1A/D変換回路815の入力側に接続されている。第1内部コンデンサ814は、第1内部抵抗813と第1出力スイッチ812との間の点と、GNDとの間に接続されている。従って、第1A/D変換部81には、第1フィルタ51により処理された処理信号である第1処理信号が入力される。
第2A/D変換部82は、第2入力スイッチ821、第2出力スイッチ822、第2内部抵抗823、第2内部コンデンサ824、及び第2A/D変換回路825を有している。第2入力スイッチ821の一端は、第2フィルタ52の出力側と接続されている。第2入力スイッチ821の他端は、第2内部抵抗823を介して第2出力スイッチ822の一端に接続されている。
第2出力スイッチ822の他端は、第2A/D変換回路825の入力側に接続されている。第2内部コンデンサ824は、第2内部抵抗823と第2出力スイッチ822との間の点と、GNDとの間に接続されている。従って、第2A/D変換部82には、第2フィルタ52により処理された処理信号である第2処理信号が入力される。
このように、第1フィルタ51と第1A/D変換部81とは1:1で対応しており、第2フィルタ52と第2A/D変換部82とは1:1で対応している。
セレクタ83は、2:1セレクタである。セレクタ83には、第1A/D変換部81からの出力信号、第2A/D変換部82からの出力信号、及び判定制御部86からのセレクタ制御信号が入力される。セレクタ83は、セレクタ制御信号の論理が「0」であるとき、第1A/D変換部81からの出力信号を選択して出力する。セレクタ83は、セレクタ制御信号の論理が「1」であるとき、第2A/D変換部82からの出力信号を選択して出力する。
電圧指令演算部84は、制御指令として、電動機20に対する電流指令を設定し、設定された電流指令に基づいて、電圧指令の振幅を決定する。より具体的には、電圧指令演算部84は、電動機20に対する電流指令と、電流検出値との偏差が零となるように、比例積分制御によって電圧指令を演算する。そして、電圧指令演算部84は、演算された電圧指令に基づいて電圧指令の振幅、即ち、駆動波形生成部85への印加電圧を決定する。
駆動波形生成部85は、印加電圧と、搬送波信号としての基準三角波とを比較することにより、PWM(Pulse Width Modulation)制御パルスを算出する。駆動波形生成部85は、算出されたPWM制御パルスを駆動部70へ出力する。
判定制御部86は、予め設定されたタイミングに基づいて、第1入力スイッチ811、第1出力スイッチ812、第2入力スイッチ821、及び第2出力スイッチ822をそれぞれ制御するための信号を生成する。そして、判定制御部86は、生成した各信号を、対応する第1入力スイッチ811、第1出力スイッチ812、第2入力スイッチ821、及び第2出力スイッチ822にそれぞれ出力する。
より具体的に述べると、判定制御部86は、第1サンプリング期間と第2サンプリング期間とが同時となるように、第1入力スイッチ811、第1出力スイッチ812、第2入力スイッチ821、及び第2出力スイッチ822を制御する。第1サンプリング期間は、第1A/D変換回路815におけるサンプリングの期間である。第2サンプリング期間は、第2A/D変換回路825におけるサンプリングの期間である。
第1サンプリング期間の開始時点において、判定制御部86は、第1入力スイッチ811をオフからオンに切り替えるとともに、第1出力スイッチ812をオンからオフに切り替える。これにより、第1内部コンデンサ814への充電が開始される。第1サンプリング期間の終了時点において、判定制御部86は、第1入力スイッチ811をオンからオフに切り替えるとともに、第1出力スイッチ812をオフからオンに切り替える。これにより、第1サンプリング期間中に第1内部コンデンサ814が充電されることにより生じる電圧が第1A/D変換回路815に印加される。
第2サンプリング期間の開始時点において、判定制御部86は、第2入力スイッチ821をオフからオンに切り替えるとともに、第2出力スイッチ822をオンからオフに切り替える。これにより、第2内部コンデンサ824への充電が開始される。第2サンプリング期間の終了時点において、判定制御部86は、第2入力スイッチ821をオンからオフに切り替えるとともに、第2出力スイッチ822をオフからオンに切り替える。これにより、第2サンプリング期間中に第2内部コンデンサ824が充電されることにより生じる電圧が第2A/D変換回路825に印加される。
第1A/D変換回路815は、印加された電圧をデジタル値に変換する。同様に、第2A/D変換回路825は、印加された電圧をデジタル値に変換する。なお、第1A/D変換回路815におけるA/D変換のビット数と、第2A/D変換回路825におけるA/D変換のビット数とは同一である。A/D変換には、A/D変換のビット数に応じた時間がかかる。
また、判定制御部86は、駆動波形生成部85により生成されたPWM制御パルスに基づいて、セレクタ83を制御するためのセレクタ制御信号を生成し、セレクタ83に出力する。判定制御部86は、PWM制御パルスのデューティ比Dが50%以下である場合、セレクタ制御信号の論理を「0」に設定する。一方、判定制御部86は、PWM制御パルスのデューティ比Dが50%よりも大きい場合、セレクタ制御信号の論理を「1」に設定する。デューティ比Dは、基準三角波1周期に対するPWM制御パルスの長さの比である。
図3は、PWM制御パルスのデューティ比Dが50%以下である場合における図1の電動機制御装置10の動作を説明するためのタイムチャートである。
図3には、上から順に、基準三角波及び印加電圧、PWM制御パルス、ゲート電圧、検出信号、第1処理信号が示されている。検出信号は、電流検出部40からインタフェース部50に入力される検出電流の信号である。
図3には、基準三角波の1周期分が示されている。図3において、基準三角波の1周期は時刻t10から時刻t18の期間である。基準三角波は、時刻t10及び時刻t18において最小となり、時刻t12において最大となる。基準三角波の最小値はVrbであり、基準三角波の最大値はVrtである。
基準三角波は、時刻t11において印加電圧を上回り、時刻t14において印加電圧を下回る。駆動波形生成部85は、印加電圧を基準三角波と比較し、PWM制御パルスを得る。得られるPWM制御パルスは、時刻t11において立ち上がり、時刻t14において立ち下がる矩形波となる。
時刻ts2は、増加中の基準三角波の電圧が基準三角波の平均値(Vrb+Vrt)/2に到達する時刻である。仮にPWM制御パルスが時刻ts2において立ち上がるとすると、PWM制御パルスのデューティ比Dは50%である。図3に示したように、PWM制御パルスのデューティ比Dが50%以下である場合、PWM制御パルスの立上り開始時刻tは時刻t11である。つまり、PWM制御パルスの立上り開始時刻tは、時刻ts2以後となる。
駆動波形生成部85から出力されたPWM制御パルスは、ゲート電圧として駆動部70に印加される。ゲート電圧の立上り開始時刻は、時刻t12である。このように、ゲート電圧の立上り開始時刻は、駆動部70及びスイッチング部60における伝搬遅延によって、PWM制御パルスの立上り開始時刻t=t11に対して遅延している。また、ゲート電圧が立上りに要する時間t12~t14は、4つのスイッチング素子61~64のうち、制御対象となるスイッチング素子のゲートの容量を充電させる必要があるため、PWM制御パルスが立上りに要する時間よりも長くなる。
PWM制御パルスによって、時刻t13において第1スイッチング素子61がオン状態とされ、時刻t17において第1スイッチング素子61がオフ状態とされる。従って、時刻t13~時刻t17の間、電動機20に正方向の電流が流れる。電動機20に電流が流れている間、電流検出部40において電流が検出される。検出信号の値は、電動機20のインダクタンス成分により、電動機20に電流が流れている間、増加し続ける。
なお、スイッチング部60では、電動機20を回転させる方向に応じて、各スイッチング素子61~64の状態が決定される。例えば、電動機20を正方向に回転させる場合、演算処理部80は、第1スイッチング素子61をPWM制御し、第2スイッチング素子62の状態及び第3スイッチング素子63を常時オフ状態に制御し、第4スイッチング素子64を常時オン状態に制御すればよい。
この場合、第1スイッチング素子61がオン状態の間には、電流検出部40に電流が流れる。ただし、電動機20には、第1スイッチング素子61がオフ状態の間にも、第3スイッチング素子63の寄生ダイオード及び第4スイッチング素子64を通って還流電流が流れる。
検出信号の値は、時刻t15において、検出電流の平均値と一致する。時刻t15は、時刻t13と時刻t17との中間の時刻である。
第1処理信号は、第1フィルタ51によって鈍化されている。そのため、第1処理信号の値が検出電流の平均値に到達する時刻t16は、検出信号の値が検出電流の平均値に到達する時刻t15に対して遅延している。
図4は、PWM制御パルスのデューティ比Dが50%よりも大きい場合における図1の電動機制御装置10の動作を説明するためのタイムチャートである。
図4には、上から順に、基準三角波及び印加電圧、PWM制御パルス、ゲート電圧、検出信号、第1処理信号、第2処理信号が示されている。
図4には、図3と同様に、基準三角波の1周期分が示されている。図4において、基準三角波の1周期は時刻t20から時刻t29の期間である。基準三角波は、時刻t20及び時刻t29において最小値Vrbとなり、時刻t23において最大値Vrtとなる。基準三角波は、時刻t21において印加電圧を上回り、時刻t27において印加電圧を下回る。得られるPWM制御パルスは、時刻t21において立ち上がり、時刻t27において立ち下がる矩形波となる。
図4に示したように、PWM制御パルスのデューティ比Dが50%よりも大きい場合、PWM制御パルスの立上り開始時刻tである時刻t21は、時刻ts2よりも前となる。
図3に示した例と同様に、ゲート電圧の立上りの開始時刻は、PWM制御パルスの立上り開始時刻tである時刻t21に対して遅延し、ゲート電圧が立上りに要する時間は、PWM制御パルスが立上りに要する時間よりも長くなる。
PWM制御パルスによって、時刻t22において第1スイッチング素子61がオン状態とされ、時刻t28において第1スイッチング素子61がオフ状態とされる。従って、時刻t22~時刻t28の間、電動機20に正方向の電流が流れる。
検出信号の値は、時刻t24において、検出電流の平均値と一致する。時刻t24は、時刻t22と時刻t28との中間の時刻である。
第1処理信号は、第1フィルタ51によって鈍化されている。そのため、第1処理信号の値が検出電流の平均値に到達する時刻t26は、検出信号の値が検出電流の平均値に到達する時刻t24に対して遅延している。時刻t26は、図3におけるサンプリング時刻である時刻t16よりも遅れている。
A/D変換のタイミングは、基準三角波1周期につき1回ずつである。例えば、PWM制御パルスの発生期間中の時刻t13においてA/D変換する場合を考える。この場合、時刻t13における第1処理信号と検出電流の平均値との差は、時刻t13に対応する図4の時刻t23における第1処理信号と検出電流の平均値との差よりも大きい。両者の差の相違は、PWM制御パルスの伝搬遅延、ゲート電圧の立上り時間の遅延、及びインタフェース部50による波形鈍化が起因している。
しかし、時刻t13においてA/D変換される限り、デューティ比Dが50%以下である場合であっても、デューティ比Dが50%よりも大きい場合であっても、検出電流の平均値は正しく求められない。
デューティ比Dが50%以下である場合、図3に示したように、時刻t16において、第1A/D変換部81によって第1処理信号がA/D変換されることにより、検出電流の平均値が正しく求められる。
一方、デューティ比Dが50%よりも大きい場合、図4に示したように、仮に時刻t25において、第1A/D変換部81によって第1処理信号がA/D変換されたとすると、求められる値は、検出電流の平均値よりも小さい値となる。なお、図4の時刻t25は、基準三角波1周期において、図3の時刻t16と同じ時刻である。
第2処理信号は、第2フィルタ52によって鈍化されている。しかし、第2時定数τは、第1時定数τよりも小さい値に設定されているため、第2処理信号の値が検出電流の平均値に到達するまでの遅延時間は、第1処理信号の値が検出電流の平均値に到達するまでの遅延時間よりも短くなる。また、図4において、第2時定数τは、時刻t25において、第2処理信号の値が検出電流の平均値に到達するように予め設定されている。
従って、デューティ比Dが50%よりも大きい場合、時刻t25において、第2A/D変換部82によって第2処理信号がA/D変換されることにより、検出電流の平均値が正しく求められる。
そこで、判定制御部86は、デューティ比Dが50%以下である場合、即ち、PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts2以後である場合、セレクタ制御信号の論理を「0」に設定することにより、セレクタ83に第1A/D変換部81の出力を選択させる。一方、判定制御部86は、デューティ比Dが50%よりも大きい場合、即ち、PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts2よりも前である場合、セレクタ制御信号の論理を「1」に設定することにより、セレクタ83に第2A/D変換部82の出力を選択させる。
図5は、図1の演算処理部80が実行する電動機制御ルーチンを示すフローチャートである。図5のルーチンは、例えば、制御指令が到来するごとに実行されるようになっている。図5のルーチンが開始されると、演算処理部80は、ステップS101において、電動機20に対する制御指令値を決定する。
より具体的に述べると、電圧指令演算部84には、電動機20に対する電圧指令値と、前回の電動機制御ルーチンにおいて決定された電流検出値とが入力される。電圧指令演算部84は、電圧指令値と、前回の電動機制御ルーチンにおいて決定された電流検出値とに基づいて、駆動波形生成部85に入力される印加電圧を決定する。
次いで、駆動波形生成部85は、ステップS102において、決定された印加電圧を基準三角波と比較することによりPWM制御パルスを生成する。
次いで、判定制御部86は、ステップS103において、生成されたPWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts2以後であるか否かを判定する。
PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts2以後である場合、判定制御部86は、ステップS104において、セレクタ83に第1A/D変換部81の出力を選択させる。即ち、判定制御部86は、セレクタ制御信号の論理を「0」に設定する。
一方、PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts2よりも前である場合、判定制御部86は、ステップS105において、セレクタ83に第2A/D変換部82の出力を選択させる。即ち、判定制御部86は、セレクタ制御信号の論理を「1」に設定する。
次いで、判定制御部86は、ステップS106において、選択されたA/D値を電流検出値として決定し、本ルーチンを一旦終了する。なお、ステップS106において決定された電流検出値は、次回のルーチンにおいて用いられる。
以上のように、電動機制御装置10は、スイッチング部60、電流検出部40、インタフェース部50、及び演算処理部80を備えている。スイッチング部60は、第1スイッチング素子61、第2スイッチング素子62、第3スイッチング素子63、及び第4スイッチング素子64を有しており、電動機20に供給される電力を制御する。
電流検出部40は、電動機20に流れる電流に応じた検出信号を出力する。インタフェース部50は、検出信号に対してフィルタ処理を施す。演算処理部80は、第1スイッチング素子61、第2スイッチング素子62、第3スイッチング素子63、及び第4スイッチング素子64を制御するための制御パルスを生成する。
また、インタフェース部50は、時定数が互いに異なる第1フィルタ51及び第2フィルタ52を有している。演算処理部80は、第1フィルタ51及び第2フィルタ52のうち、制御パルスの長さに基づいて選択したフィルタを選択フィルタとし、選択フィルタによってフィルタ処理が施された検出信号である処理信号をA/D変換することにより求めた値を電流検出値とする。
このように、実施の形態1に係る電動機制御装置10によれば、スイッチング素子の制御パルスの長さに基づいて選択フィルタを変更することにより、求められる電流検出値が、本来求めるべき値からずれることが抑制される。従って、スイッチング素子のオン期間中に負荷電流の値が変化した場合であっても、電動機に供給される電力を適切に制御することができる。
また、実施の形態1に係る電動機制御装置10によれば、スイッチング素子の制御パルスの長さに基づいて選択フィルタを変更するため、制御タイミングを記憶するためのメモリ及び記憶された制御タイミングで制御を実行するための回路が不要である。
また、電流検出値は、制御パルスによってスイッチング素子がオン状態となっている期間中に検出される電流の平均値である。
これによれば、スイッチング素子の制御パルスの長さに基づいて選択フィルタを変更することにより、求められる電流検出値が制御パルスによってスイッチング素子がオン状態となっている期間中に検出される電流の平均値からずれることが抑制される。従って、スイッチング素子のオン期間中に負荷電流の値が変化した場合であっても、電動機に供給される電力をより適切に制御することができる。
また、演算処理部80は、複数のA/D変換部として第1A/D変換部81及び第2A/D変換部82を有している。第1フィルタ51と第1A/D変換部81とは、1:1で対応しており、第2フィルタ52と第2A/D変換部82とは、1:1で対応している。
これによれば、選択フィルタの決定は、A/D変換が完了するまでに行われればよい。そのため、A/D変換を開始する前に選択フィルタを決定する必要がある装置と比べて、検出信号を取得してから選択フィルタを決定するまでに時間的な余裕が生じる。従って、より高速な電動機制御に対応することができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る電動機制御装置について説明する。図6は、実施の形態2に係る電動機制御装置の構成を示すブロック図である。図6の電動機制御装置10には、図1の電動機制御装置10に比べて、演算処理部80からインタフェース部50に向けて出力される制御信号が追加されている。
上記以外の構成については、図1の電動機制御装置10と同様である。以下、図1の電動機制御装置10と同様の構成についての説明は省略される。
図7は、図6のインタフェース部50及び演算処理部80の構成を示す図である。インタフェース部50は、第1フィルタ51及び第2フィルタ52を有しているとともに、第1フィルタ51及び第2フィルタ52と演算処理部80との間に第1スイッチ部53を有している。演算処理部80は、第1A/D変換部81、電圧指令演算部84、駆動波形生成部85、及び判定制御部86を有している。
第1フィルタ51は、図2の第1フィルタ51と同一の構成であり、第2フィルタ52は、図2の第2フィルタ52と同一の構成であるため、これらの説明は省略される。
第1スイッチ部53は、第1スイッチ531及び第2スイッチ532を有している。第1フィルタ51の一端は、電流検出部40に接続されている。第1フィルタ51の他端は、第1スイッチ531を介して、第1A/D変換部81に接続されている。第2フィルタ52の一端は、電流検出部40に接続されている。第2フィルタ52の他端は、第2スイッチ532を介して、第1A/D変換部81に接続されている。
第1A/D変換部81は、図2の第1A/D変換部81と同じ構成である。なお、実施の形態2の演算処理部80は、第2A/D変換部82を有していないため、2つのA/D変換を同時に行うことはできない。
第1スイッチ531及び第2スイッチ532は、判定制御部86によってそれぞれオンオフされる。例えば、判定制御部86は、第1スイッチ531をオンさせるとともに、第2スイッチ532をオフさせることにより、第1フィルタ51を選択フィルタとして選択することができる。また、判定制御部86は、第1スイッチ531をオフさせるとともに、第2スイッチ532をオンさせることにより、第2フィルタ52を選択フィルタとして選択することができる。
つまり、判定制御部86は、PWM制御パルスの長さに基づいて、第1スイッチ531及び第2スイッチ532を用いて、第1フィルタ51及び第2フィルタ52のうちのいずれか1つのフィルタを、選択フィルタとして選択する。
図8は、図6の演算処理部80が実行する電動機制御ルーチンを示すフローチャートである。図8のルーチンは、例えば、制御指令が到来するごとに実行されるようになっている。図8のルーチンが開始されると、演算処理部80は、ステップS101において、電動機20に対する制御指令値を決定する。
より具体的に述べると、電圧指令演算部84には、電動機20に対する電圧指令値と、前回の電動機制御ルーチンにおいて決定された電流検出値とが入力される。電圧指令演算部84は、電圧指令値と、前回の電動機制御ルーチンにおいて決定された電流検出値とに基づいて、駆動波形生成部85に入力される印加電圧を決定する。
次いで、駆動波形生成部85は、ステップS102において、決定された印加電圧を基準三角波と比較することによりPWM制御パルスを生成する。
次いで、判定制御部86は、ステップS103において、生成されたPWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts2以後であるか否かを判定する。
PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts2以後である場合、判定制御部86は、ステップS201において、フィルタとして、第1フィルタ51を選択する。
一方、PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts2よりも前である場合、判定制御部86は、ステップS202において、フィルタとして、第2フィルタ52を選択する。
次いで、判定制御部86は、ステップS106において、求められたA/D値を電流検出値として決定し、本ルーチンを一旦終了する。なお、ステップS106において決定された電流検出値は、次回のルーチンにおいて用いられる。
以上のように、インタフェース部50は、第1フィルタ51及び第2フィルタ52と演算処理部80との間に第1スイッチ部53を備えている。演算処理部80は、制御パルスの長さに基づいて、第1スイッチ部53を用いて第1フィルタ51及び第2フィルタ52のうちのいずれか1つのフィルタを、選択フィルタとして選択する。
これによれば、実施の形態1に係る電動機制御装置10に比べて、A/D変換のための回路が削減される。そのため、実施の形態2に係る電動機制御装置10では、より簡易な構成で、電動機に供給される電力を適切に制御することができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3に係る電動機制御装置について説明する。図9は、実施の形態3に係るインタフェース部50及び演算処理部80の構成を示す図である。インタフェース部50は、複数のフィルタ用抵抗として、第1抵抗511及び第2抵抗521を有している。インタフェース部50は、複数のフィルタ用コンデンサとして、第1コンデンサ512及び第2コンデンサ522を有している。また、インタフェース部50は、第2スイッチ部54及び第3スイッチ部55を有している。
上記以外の構成については、図6の電動機制御装置10と同様である。以下、図6の電動機制御装置10と同様の構成についての説明は省略される。
第2スイッチ部54は、第3スイッチ541及び第4スイッチ542を有している。第3スイッチ部55は、第5スイッチ551及び第6スイッチ552を有している。
第1抵抗511の一端は、電流検出部40に接続されている。第1抵抗511の他端は、第3スイッチ541を介して第1A/D変換部81に接続されている。第2抵抗521の一端は、電流検出部40に接続されている。第2抵抗521の他端は、第4スイッチ542を介して第1A/D変換部81に接続されている。
第1コンデンサ512の一端は、GNDに接続されている。第1コンデンサ512の他端は、第5スイッチ551を介して第1A/D変換部81に接続されている。第2コンデンサ522の一端は、GNDに接続されている。第2コンデンサ522の他端は、第6スイッチ552を介して第1A/D変換部81に接続されている。
第2スイッチ部54は、第1抵抗511及び第2抵抗521のうちの少なくとも1つのフィルタ用抵抗を選択して、選択したフィルタ用抵抗を第1A/D変換部81に接続させる。第3スイッチ部55は、第1コンデンサ512及び第2コンデンサ522のうちの少なくとも1つのフィルタ用コンデンサを選択して、選択したフィルタ用コンデンサを第1A/D変換部81に接続させる。
演算処理部80は、PWM制御パルスの長さに基づいて、第2スイッチ部54及び第3スイッチ部55を用いて、フィルタ用抵抗とフィルタ用コンデンサとを選択することにより、選択フィルタを決定する。フィルタ用抵抗は、第1抵抗511及び第2抵抗521のうちの少なくとも1つの抵抗であり、フィルタ用コンデンサは、第1コンデンサ512及び第2コンデンサ522のうちの少なくとも1つのコンデンサである。
図10は、図9の演算処理部80の制御による第3スイッチ541~第6スイッチ552の状態の組合せの例を示す図である。図10において、時刻ts1は、増加中の基準三角波の電圧が(Vrb+Vrt)/4に到達する時刻である。時刻ts2は、増加中の基準三角波の電圧が(Vrb+Vrt)/2に到達する時刻であり、時刻ts1よりも後の時刻である。時刻ts3は、増加中の基準三角波の電圧が3×(Vrb+Vrt)/4に到達する時刻であり、時刻ts2よりも後の時刻である。
デューティ比Dが25%以下である場合、立上り開始時刻tは時刻ts3以後になる。この場合、判定制御部86は、第3スイッチ541、第4スイッチ542、第5スイッチ551、及び第6スイッチ552を、それぞれ、オン、オフ、オン、及びオンに設定する。これにより、合成抵抗RはRとなり、合成容量CはC+Cとなる。以下、この設定によるフィルタを第3フィルタと呼ぶ。第3フィルタの時定数τは、(C+C)×Rとなる。
デューティ比Dが25%よりも大きく且つ50%以下の範囲である場合、立上り開始時刻tは、時刻ts2以後且つ時刻ts3よりも前の範囲になる。この場合、判定制御部86は、第3スイッチ541、第4スイッチ542、第5スイッチ551、及び第6スイッチ552を、それぞれ、オン、オフ、オン、及びオフに設定する。これにより、合成抵抗RはRとなり、合成容量CはCとなる。以下、この設定によるフィルタを第4フィルタと呼ぶ。第4フィルタの時定数τは、C×Rとなる。
デューティ比Dが50%よりも大きく且つ75%以下の範囲である場合、立上り開始時刻tは、時刻ts1以後且つ時刻ts2よりも前の範囲になる。この場合、判定制御部86は、第3スイッチ541、第4スイッチ542、第5スイッチ551、及び第6スイッチ552を、それぞれ、オフ、オン、オフ、及びオンに設定する。これにより、合成抵抗RはRとなり、合成容量CはCとなる。以下、この設定によるフィルタを第5フィルタと呼ぶ。第5フィルタの時定数τは、C×Rとなる。
デューティ比Dが75%よりも大きい場合、立上り開始時刻tは、時刻ts1よりも前の範囲になる。この場合、判定制御部86は、第3スイッチ541、第4スイッチ542、第5スイッチ551、及び第6スイッチ552を、それぞれ、オン、オン、オフ、及びオンに設定する。これにより、合成抵抗Rは(R×R)/(R+R)となり、合成容量CはCとなる。以下、この設定によるフィルタを第6フィルタと呼ぶ。第6フィルタの時定数τは、C×[(R×R)/(R+R)]となる。
従って、第3フィルタ、第4フィルタ、第5フィルタ、及び第6フィルタの各時定数のうち、第3フィルタの時定数τが最大であり、第6フィルタの時定数τが最小である。また、第4フィルタの時定数τが2番目に大きく、第5フィルタの時定数τが3番目に大きい。
このように、デューティ比Dを4つに分け、デューティ比Dが大きいほど、選択フィルタの時定数が小さくされる。また、2つの抵抗と2つのコンデンサとの組合せを変えることにより、4つの選択フィルタが実現される。従って、単に4つのフィルタを選択する場合に比べて、抵抗及びコンデンサの個数が削減される。これにより、簡易な構成でありながら、実施の形態1及び実施の形態2に比べて、より精度よく電流検出値を求めることが可能な電動機制御装置10が実現される。
図11は、図9の演算処理部80が実行する電動機制御ルーチンを示すフローチャートである。図11のルーチンは、例えば、制御指令が到来するごとに実行されるようになっている。図11のルーチンが開始されると、演算処理部80は、ステップS101において、電動機20に対する制御指令値を決定する。
次いで、駆動波形生成部85は、ステップS102において、決定された印加電圧を基準三角波と比較することによりPWM制御パルスを生成する。
次いで、判定制御部86は、ステップS301において、生成されたPWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts3以後であるか否かを判定する。
PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts3以後である場合、判定制御部86は、ステップS304において、フィルタとして第3フィルタを選択する。
一方、PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts3よりも前である場合、判定制御部86は、ステップS302において、PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts2以後であるか否かを判定する。
PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts2以後である場合、判定制御部86は、ステップS305において、フィルタとして第4フィルタを選択する。
一方、PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts2よりも前である場合、判定制御部86は、ステップS303において、PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts1以後であるかを判定する。時刻ts1は、時刻ts2よりも前の時刻である。
PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts1以後である場合、判定制御部86は、ステップS306において、フィルタとして第5フィルタを選択する。
一方、PWM制御パルスの立上り開始時刻tが時刻ts1よりも前である場合、判定制御部86は、ステップS307において、フィルタとして第6フィルタを選択する。
次いで、判定制御部86は、ステップS106において、求められたA/D値を電流検出値として決定し、本ルーチンを一旦終了する。なお、ステップS106において決定された電流検出値は、次回のルーチンにおいて用いられる。
以上のように、インタフェース部50は、第1抵抗511、第2抵抗521、第1コンデンサ512、第2コンデンサ522、第2スイッチ部54、及び第3スイッチ部55を有している。
第2スイッチ部54は、第1抵抗511及び第2抵抗521のうちの少なくとも1つのフィルタ用抵抗を選択して、演算処理部80に接続させる。第3スイッチ部55は、第1コンデンサ512及び第2コンデンサ522のうちの少なくとも1つのフィルタ用コンデンサを選択して、演算処理部80に接続させる。
演算処理部80は、PWM制御パルスの長さに基づいて、第2スイッチ部54を用いて第1抵抗511及び第2抵抗521のうちの少なくとも1つのフィルタ用抵抗を選択する。また、演算処理部80は、PWM制御パルスの長さに基づいて、第3スイッチ部55を用いて第1コンデンサ512及び第2コンデンサ522のうちの少なくとも1つのフィルタ用コンデンサを選択する。これにより、演算処理部80は、選択フィルタを決定する。
これにより、PWM制御パルスの長さに基づいて、時定数がそれぞれ異なる4つの選択フィルタの中から、タイミングがより適切な選択フィルタを選択することができる。従って、簡易な構成でありながら、より精度良く電流検出値を求めることできる。
なお、実施の形態1及び実施の形態2では、選択フィルタの数は2であり、実施の形態3では、選択フィルタの数は4であった。しかし、選択フィルタの数は、特に2又は4に限定されることはなく、2以上の整数であればいくつであってもよい。
また、電流検出値は、電圧指令演算部84による電圧指令の演算に用いられていたが、電動機20、スイッチング部60、及び駆動部70の故障検出に用いられてもよい。
また、電動機20は、自動車以外の車両、例えば、原動機付自転車、乗用農業機械、乗用建設機械、及び動力を用いる船舶に適用されてもよい。
また、電動機20に代えて、回転電機が負荷として用いられてもよい。即ち、電動機制御装置10の制御対象には、電動機20及び回転電機が含まれる。
また、電流検出部40には、流れる電流によって生じる磁場を検出する方式の電流センサが用いられてもよいし、流れる電流によって生じる磁界を、ホール効果を用いて電圧に変換する方式の電流センサが用いられてもよい。
また、第1スイッチング素子61、第2スイッチング素子62、第3スイッチング素子63、及び第4スイッチング素子64には、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)又はトランジスタが用いられてもよい。
また、実施の形態1~3の電動機制御装置10の機能は、処理回路によって実現される。図12は、実施の形態1~3の電動機制御装置10の機能を実現する処理回路の第1の例を示す構成図である。第1の例の処理回路100は、専用のハードウェアである。
また、処理回路100は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
また、図13は、実施の形態1~3の電動機制御装置10の機能を実現する処理回路の第2の例を示す構成図である。第2の例の処理回路200は、プロセッサ201及びメモリ202を備えている。
処理回路200では、電動機制御装置10の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ202に格納される。プロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、機能を実現する。
メモリ202に格納されたプログラムは、上述した各部の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ202とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等も、メモリ202に該当する。
なお、上述した電動機制御装置10の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述した電動機制御装置10の機能を実現することができる。
10 電動機制御装置、20 電動機、40 電流検出部、50 インタフェース部、51 第1フィルタ(フィルタ)、511 第1抵抗(フィルタ用抵抗)、512 第1コンデンサ(フィルタ用コンデンサ)、52 第2フィルタ(フィルタ)、521 第2抵抗(フィルタ用抵抗)、522 第2コンデンサ(フィルタ用コンデンサ)、53 第1スイッチ部、54 第2スイッチ部、55 第3スイッチ部、60 スイッチング部、61 第1スイッチング素子(スイッチング素子)、62 第2スイッチング素子(スイッチング素子)、63 第3スイッチング素子(スイッチング素子)、64 第4スイッチング素子(スイッチング素子)、80 演算処理部、81 第1A/D変換部(A/D変換部)、82 第2A/D変換部(A/D変換部)。

Claims (5)

  1. スイッチング素子を有しており、電動機に供給される電力を制御するスイッチング部、
    前記電動機に流れる電流に応じた検出信号を出力する電流検出部、
    前記検出信号に対してフィルタ処理を施すインタフェース部、及び
    前記スイッチング素子を制御するための制御パルスを生成する演算処理部
    を備え、
    前記インタフェース部は、時定数が互いに異なる複数のフィルタを有しており、
    前記演算処理部は、前記複数のフィルタのうち、前記制御パルスの長さに基づいて選択したフィルタを選択フィルタとし、前記選択フィルタによって前記フィルタ処理が施された前記検出信号である処理信号をA/D変換することにより求めた値を電流検出値とする
    電動機制御装置。
  2. 前記電流検出値は、前記制御パルスによって前記スイッチング素子がオン状態となっている期間中に検出される電流の平均値である
    請求項1に記載の電動機制御装置。
  3. 前記演算処理部は、複数のA/D変換部を有しており、
    前記複数のフィルタと前記複数のA/D変換部とは、1:1で対応している
    請求項1又は請求項2に記載の電動機制御装置。
  4. 前記インタフェース部は、前記複数のフィルタと前記演算処理部との間に第1スイッチ部を有しており、
    前記演算処理部は、前記制御パルスの長さに基づいて、前記第1スイッチ部を用いて前記複数のフィルタのうちのいずれか1つのフィルタを、前記選択フィルタとして選択する
    請求項1又は請求項2に記載の電動機制御装置。
  5. 前記インタフェース部は、複数のフィルタ用抵抗、複数のフィルタ用コンデンサ、第2スイッチ部、及び第3スイッチ部を有しており、
    前記第2スイッチ部は、前記複数のフィルタ用抵抗のうちの少なくとも1つのフィルタ用抵抗を選択して、前記演算処理部に接続させ、
    前記第3スイッチ部は、前記複数のフィルタ用コンデンサのうちの少なくとも1つのフィルタ用コンデンサを選択して、前記演算処理部に接続させ、
    前記演算処理部は、前記制御パルスの長さに基づいて、前記第2スイッチ部及び前記第3スイッチ部を用いて前記複数のフィルタ用抵抗のうちの少なくとも1つのフィルタ用抵抗と、前記複数のフィルタ用コンデンサのうちの少なくとも1つのフィルタ用コンデンサとを選択することにより、前記選択フィルタを決定する
    請求項1又は請求項2に記載の電動機制御装置。
JP2022035053A 2022-03-08 2022-03-08 電動機制御装置 Active JP7292456B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022035053A JP7292456B1 (ja) 2022-03-08 2022-03-08 電動機制御装置
US18/159,398 US20230291344A1 (en) 2022-03-08 2023-01-25 Electric motor control device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022035053A JP7292456B1 (ja) 2022-03-08 2022-03-08 電動機制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7292456B1 true JP7292456B1 (ja) 2023-06-16
JP2023130641A JP2023130641A (ja) 2023-09-21

Family

ID=86729193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022035053A Active JP7292456B1 (ja) 2022-03-08 2022-03-08 電動機制御装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20230291344A1 (ja)
JP (1) JP7292456B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117250566B (zh) * 2023-09-18 2024-05-03 珠海智融科技股份有限公司 Type-C连接检测电路及电子设备

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003032478A1 (fr) 2001-09-25 2003-04-17 Daikin Industries, Ltd. Detecteur de courant de phase
JP2016103940A (ja) 2014-11-28 2016-06-02 株式会社豊田中央研究所 モータ制御装置
JP2016144226A (ja) 2015-01-29 2016-08-08 ファナック株式会社 電流検出モードの変更機能を備えたモータ駆動装置
JP2017163801A (ja) 2016-03-11 2017-09-14 東洋電機製造株式会社 電動機駆動装置
JP6276781B2 (ja) 2012-12-10 2018-02-07 インヴェンサス・コーポレイション 高性能パッケージ・オン・パッケージ

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06276781A (ja) * 1993-03-22 1994-09-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd モータドライブ装置
JPH1054873A (ja) * 1996-08-12 1998-02-24 Japan Radio Co Ltd レーダ装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003032478A1 (fr) 2001-09-25 2003-04-17 Daikin Industries, Ltd. Detecteur de courant de phase
JP6276781B2 (ja) 2012-12-10 2018-02-07 インヴェンサス・コーポレイション 高性能パッケージ・オン・パッケージ
JP2016103940A (ja) 2014-11-28 2016-06-02 株式会社豊田中央研究所 モータ制御装置
JP2016144226A (ja) 2015-01-29 2016-08-08 ファナック株式会社 電流検出モードの変更機能を備えたモータ駆動装置
JP2017163801A (ja) 2016-03-11 2017-09-14 東洋電機製造株式会社 電動機駆動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023130641A (ja) 2023-09-21
US20230291344A1 (en) 2023-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5776721B2 (ja) 駆動対象スイッチング素子の駆動回路
US9859832B2 (en) Multiphase electric motor control device
JP5141049B2 (ja) ゲート電圧制御回路及びゲート電圧制御方法
US20130264974A1 (en) Controller for multi-phase rotary device
US9912270B2 (en) Motor drive device
JP7292456B1 (ja) 電動機制御装置
JP5287921B2 (ja) 負荷駆動装置
JP5920316B2 (ja) スイッチング素子の駆動装置
US20160043667A1 (en) Motor drive apparatus
JP6642351B2 (ja) 電力変換回路の制御装置
US11855618B2 (en) Gate drive device
JP6040800B2 (ja) コンバータ装置
US11218143B2 (en) Drive circuit for switch
JP5056405B2 (ja) スイッチング装置
JP7234817B2 (ja) 電力変換器の駆動回路
JP4786462B2 (ja) 半導体スイッチング素子の駆動回路および電力変換装置
CN108696231B (zh) 多相电动机控制装置
JP6439522B2 (ja) スイッチング素子の駆動回路
JP6384300B2 (ja) 電力変換回路の駆動装置
JP7099199B2 (ja) 駆動対象スイッチの駆動回路
JP2018148689A (ja) 電力変換器制御装置
JP7035546B2 (ja) 走行用のモータを有する自動車
JP5169416B2 (ja) 電力変換回路の駆動回路及び電力変換システム
JP7334674B2 (ja) スイッチの駆動回路
US10581366B2 (en) Calculation apparatus and processing apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7292456

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150