JP5056405B2 - スイッチング装置 - Google Patents

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本発明は、半導体スイッチング素子のスイッチング装置に関する。
従来技術として、電圧駆動型の電力用半導体素子のゲート抵抗の抵抗値を変化させる、電力用半導体素子の駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、第1抵抗を介して電力用半導体素子を駆動する第1駆動回路と、前記第1抵抗より低い抵抗値を有する第2抵抗を介して前記電力用半導体素子を駆動する第2駆動回路と、前記電力用半導体素子のゲート電圧の時間変化率を検出するスロープ検出回路と、前記スロープ検出回路からの出力信号に基づいて前記第1駆動回路及び前記第2駆動回路の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記電力用半導体素子のスイッチング動作時の初期において前記第1駆動回路が前記電力用半導体素子を駆動するように制御し、前記スロープ検出回路からの前記出力信号に基づいて、前記電力用半導体素子のゲート電圧が一定となるミラー期間中において、前記第2駆動回路が前記電力用半導体素子の駆動を開始するように制御する、電力用半導体素子の駆動装置が開示されている。
特開2007−166655号公報
ところで、ゲート電圧の時間変化率は、半導体素子のばらつき、経年劣化、温度特性及びゲート抵抗の抵抗値などの要因によって変動し得るため、ゲート電圧の時間変化率を正しく検知できないことによる誤作動が生じることがある。
この点、上述の従来技術では、前記スロープ検出回路からの前記出力信号を所定時間だけ遅延させた遅延信号を前記制御回路に出力するタイマー回路を備えることによって、駆動回路の切り換えを確実にミラー期間中に行うことを図っているものの、事前に適切な遅延時間を設定しなければならないため、当該タイマー回路を設けただけでは、ゲート電圧の時間変化率を正しく検知できない場合に半導体素子がターンオンするときの誤作動を防止できない場合がある。
そこで、本発明は、半導体スイッチング素子がターンオンするときの誤作動を防止することができる、スイッチング装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る、半導体スイッチング素子のスイッチング装置は、
前記半導体スイッチング素子のゲート電圧の時間変化率が第1の基準値を超えた後に前記第1の基準値と異なる第2の基準値を下回ることを検出することによって、前記時間変化率の符号の変化を検知する符号変化検知手段と、
前記符号変化検知手段によって検知された前記時間変化率の符号の変化の検知タイミングに応じて、前記スイッチング素子をターンオンさせる駆動電圧又は駆動電流を変化させる切替手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、半導体スイッチング素子がターンオンするときの誤作動を防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。図1は、本発明に係るスイッチング装置の一実施形態であるモータ/ジェネレータ駆動システム100の概略構成図である。モータ/ジェネレータ駆動システム100は、直流電源の車載のバッテリ10と、バッテリ10の出力電圧を昇圧するDC−DCコンバータ20と、DC−DCコンバータ20による昇圧後の出力電圧(以下、「昇圧電圧」という)を安定させる平滑コンデンサ30と、DC−DCコンバータ20による昇圧電圧を三相交流に変換してモータ50を制御するインバータ40とを有している。なお、インバータ40は、ジェネレータ60によって発電された電力を制御するものでもよい。また、DC−DCコンバータ20は、インバータ40側からの入力電圧を降圧変換してその降圧電圧をバッテリ10側に出力するものでもよい。
DC−DCコンバータ20は、スイッチングレギュレータなどの電圧変換制御回路によって、バッテリ10側の電圧を昇圧変換してインバータ40側に昇圧電圧を出力する(又は、インバータ40側の電圧を降圧変換してバッテリ10側に降圧電圧を出力する)。この昇圧電圧(インバータ40側の電圧)が、インバータ40内の、上アーム側のスイッチング素子と下アーム側のスイッチング素子とが接続された各相の直列回路の両端に印加される。電圧変換制御回路は、例えば、ダイオードD13をコレクタ−エミッタ間に並列に備える上アーム側のスイッチング素子Q13と、ダイオードD14をコレクタ−エミッタ間に並列に備える下アーム側のスイッチング素子Q14と、一端を素子Q13と素子Q14との接続点に接続され他端をバッテリ10の出力電位に接続されるリアクトル25と、素子Q13を駆動する駆動回路E13と、素子Q14を駆動する駆動回路E14とを備える。昇圧変換動作及び降圧変換動作は、周知のため、説明を省略する。
DC−DCコンバータ20の正極端子22pは正側配線70pを介してインバータ40の正極入力端子41pに接続される。また、DC−DCコンバータ20の負極端子22nは負側配線70nを介してインバータ40の負極入力端子41nに接続される。
インバータ40は、モータ50の制御回路46と、ジェネレータ60の制御回路47とを有する。制御回路46は、U相のスイッチング素子Q1(Q2)をスイッチングさせる信号を出力する駆動回路E1(E2)と、V相のスイッチング素子Q3(Q4)をスイッチングさせる信号を出力する駆動回路E3(E4)と、W相のスイッチング素子Q5(Q6)をスイッチングさせる信号を出力する駆動回路E5(E6)とを有する。制御回路46は、三相(U,V,W)の駆動信号(例えば、PWM信号)に従い各スイッチング素子のオン/オフを制御することによって、DC−DCコンバータ20による昇圧後の直流電力を交流電力に変換してモータ50を駆動する。すなわち、モータ50の三相巻線に制御回路46によって三相交流電流を流すと回転磁界が発生することを利用して、モータ50の回転が制御される。ジェネレータ60の制御回路47は、制御回路46と制御方法が異なるだけであって、制御回路46と同様の構成であるので、その説明を省略する。
なお、スイッチング素子Q1〜Q14は、NチャンネルIGBT,NチャンネルMOSFET等の半導体から構成される電圧駆動型の素子である。
スイッチング素子Q1,3,5は、インバータ40の正極入力端子41pの電源電圧に短絡するハイサイドのスイッチング素子であり、スイッチング素子Q2,4,6は、インバータ40の負極入力端子41nのグランド電圧(基準電圧)に短絡するローサイドのスイッチング素子である。各スイッチング素子Q1〜6には、ダイオードが並列に接続(又は、内蔵)される。各ダイオードD1〜6は、グランドから電源電圧への方向(エミッタからコレクタへの方向)を順方向とする(電源電圧側がカソードとなる)。すなわち、スイッチング素子のエミッタにアノードが接続され、スイッチング素子のコレクタにカソードが接続される。スイッチング素子Q13,Q14も同様である。
スイッチング素子Q1とQ2との接続点Puは、インバータ40のU相出力端子42uを介して、モータ50のU相コイルに接続される。スイッチング素子Q3とQ4との接続点Pvは、インバータ40のV相出力端子42vを介して、モータ50のV相コイルに接続される。スイッチング素子Q5とQ6との接続点Pwは、インバータ40のW相出力端子42wを介して、モータ50のW相コイルに接続される。
図2は、インバータ40のU相のハイサイド側の駆動回路の詳細な構成例を説明するための図である。図2に示すAは、スイッチング素子Q1を制御する制御ICである。ここで、インバータ40のU相のローサイド側の駆動回路、並びに他相のハイサイド側及びローサイド側の駆動回路についても同様の構成でよいため、その説明は省略する。また、一つの制御ICで、各スイッチング素子を制御してもよいし、複数の制御ICで各スイッチング素子を制御してもよい。DC−DCコンバータ20の電圧変換制御回路についても、同様の構成でよい。
スイッチング素子Q1は、直流電源の電源電圧VD(正極入力端子41pの電源電圧に相当)に短絡するハイサイドのスイッチング素子である。スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間にはダイオードD1が並列に接続(又は、内蔵)される。ダイオードD1は、グランドから電源電圧への方向(エミッタからコレクタへの方向)を順方向とするフリーホイールダイオード(又は、寄生ダイオード)である。スイッチング素子Q1のエミッタは、スイッチング素子Q2のコレクタと接続され、その接続点Puは、モータ50のU相コイルに接続される。
また、制御部G1は、不図示のマイクロコンピュータ等の制御装置から入力端子MINから入力されるQ1制御信号に従って、スイッチング素子Q1をスイッチングさせる駆動信号を出力し、スイッチング素子Q1をオン/オフさせる。
図2の場合、制御部G1は、スイッチング素子Q1をターンオンするためのターンオン用通常スイッチであるトランジスタM1(例えば、PチャンネルのMOSFET)をオンさせることにより、ゲート抵抗R1を介して、スイッチング素子Q1をターンオンさせる。すなわち、トランジスタM1がオンすることにより、ゲート抵抗R1を介してスイッチング素子Q1のゲートがゲート駆動電圧VDD(例えば、15V)で充電されるので、スイッチング素子Q1をターンオンさせることができる。
また、制御部G1は、スイッチング素子Q1のターンオン速度を通常より高速にするためのターンオン用高速スイッチであるトランジスタM6(例えば、PチャンネルのMOSFET)をスイッチングさせることにより、スイッチング素子Q1のゲート抵抗を可変させることができる。すなわち、トランジスタM6がオンすることにより、抵抗R1に並列に抵抗R3が接続されるので、スイッチング素子Q1のゲート抵抗の抵抗値を小さくすることができる。
また、制御部G1は、スイッチング素子Q1をターンオフするためのターンオフ用通常スイッチであるトランジスタM2(例えば、NチャンネルのMOSFET)をオンさせることにより、ゲート抵抗R2を介して、スイッチング素子Q1をターンオフさせる。すなわち、トランジスタM2がオンすることにより、ゲート抵抗R2を介してスイッチング素子Q1のゲートが放電されるので、スイッチング素子Q1をターンオフさせることができる。
ゲート電圧変化率検出回路H1は、スイッチング素子Q1のゲート電圧Vgeの時間に対する変化率を表すゲート電圧変化率dVge/dtを検出する。ゲート電圧変化率検出回路H1は、コレクタが電源に接続されベースがスイッチング素子Q1のゲートに接続されたトランジスタT1(npn型)と、トランジスタT1のエミッタに接続された電流源I2と、トランジスタT1のエミッタに接続されたコンデンサC1と抵抗R5とによるハイパスフィルタとを備える。このパイパスフィルタの出力波形(すなわち、ゲート電圧変化率検出回路H1の出力波形)が、ゲート電圧変化率dVge/dtを表す波形に相当する。
コンパレータCMP1は、高速スイッチM6のオンタイミングを決定するためのオンタイミング信号を出力するものである。コンパレータCMP1は、非反転入力端子のゲート電圧変化率dVge/dtと反転入力端子の閾値VthLoとを比較する。閾値VthLoは、制御IC外部の抵抗R6,R7と制御IC内部の抵抗R4との分圧によって適切な値に設定可能である。
コンパレータCMP2は、高速スイッチM6のオンを許可するためのイネーブル信号を出力するものである。コンパレータCMP2は、非反転入力端子のゲート電圧変化率dVge/dtと反転入力端子の閾値VthHiとを比較する。閾値VthHiは、例えば、閾値VthLoより大きくなるように、抵抗R4と電流源I1とによってオフセットされた値である。このように、ゲート電圧変化率dVge/dtの比較基準電圧(閾値VthHi及びVthLo)にヒステリシスを設けることによって、ノイズの影響による誤作動を防止することができる。
図3は、制御部G1内に構成されたエッジトリガ式波形整形回路である。高速スイッチM6の駆動信号に相当する高速ターンオン信号odrm6は、コンパレータCMP1及びCMP2の出力結果をAND演算することによって生成される。すなわち、コンパレータCMP2のイネーブル信号idvdtpがHiレベルの状態(高速スイッチM6のオンの許可状態を表すイネーブル状態)で、コンパレータCMP1のオンタイミング信号idvge_xの立ち下がりエッジが検出された時に、オフ状態の高速ターンオン信号odrm6がオン状態となることにより、高速スイッチM6がオンする。
ここで、図3の場合、高周波のノイズによる誤動作を防止するため、ワンショットパルス生成回路を設けている。ワンショットパルス生成回路は、コンパレータCMP1のオンタイミング信号idvge_xを遅延させる遅延回路g2と、オンタイミング信号idvge_xの論理を反転させる反転回路g3と、遅延回路g2の出力と反転回路g3の出力とを入力とするNOR回路g4とを備え、遅延回路g2による遅延時間幅のワンショットパルスをAND回路g5に出力する。図3の場合、遅延回路g2は、10個のバッファによって、遅延時間を設けている。したがって、ワンショットパルス生成回路が設けられた場合、コンパレータCMP2のイネーブル信号idvdtpがHiレベルの状態(イネーブル状態)で、当該ワンショットパルスの立ち下がりエッジが検出された時に、Loレベルの高速ターンオン信号odrm6がHiレベルとなることにより、高速スイッチM6がオンする。ワンショットパルス幅より周期が小さい高周波のノイズが生じても、高速ターンオン信号odrm6のレベルがHiレベルになるタイミングが早まって高速スイッチM6が本来より早まってオンするという誤作動を防止することができる。高速スイッチM6が設計値より早まってオンすると、スイッチング素子に並列のダイオードに発生するリカバリーサージが大きくなってしまうからである。
そして、セットリセットフリップフロップg7は、スイッチング素子Q1のターンオフを指令するQ1制御信号が入力端子MIN(図3のiminに相当)から入力された時に(Q1制御信号のオフ時のタイミングで)、オン状態の高速ターンオン信号odrm6をオフ状態にする。高速ターンオン信号odrm6がオフ状態になることにより、高速スイッチM6がオフする。
図4は、図2に示す回路図の動作波形図である。スイッチング素子Q1をオンさせるQ1制御信号が入力端子MINに入力されると、通常のスイッチM1がオンする。スイッチング素子Q1はゲート抵抗R1で充電される。ゲート電圧Vgeはゲート抵抗とゲート容量とのCR曲線に従って上昇する。そのため、ゲート電圧変化率dVge/dtは、図示の通り、充電初期で急速に上昇した後に次第に零に近づくような曲線を描く。ただし、このときのゲート電圧変化率dVge/dtを表す波形は、温度やスイッチング素子の種類に強く依存するため、そのピーク値はばらつきが生じ得る。
ゲート電圧変化率dVge/dtがコンパレータCMP2の閾値VthHiを超えることにより、コンパレータCMP2のイネーブル信号idvdtpがHiレベルとなると、高速スイッチM6がイネーブル状態となる。
続いて、ゲート電圧Vgeがスイッチング素子Q1のゲートオン閾値を超えると、コレクタ電流Iceが一瞬大きな電流値が流れた後に定常値に落ち着く。このときのコレクタ電流Iceの時間に対する電流変化を表す電流変化率dIce/dtが大きい場合、スイッチング素子Q1と直列接続のスイッチング素子Q2に並列のダイオードD2にリカバリーサージが発生する(図1参照)。
図5は、スイッチング素子Qのコレクタ−エミッタ間のサージの発生タイミングを説明するための図である。スイッチング素子Qのコレクタ−エミッタ間に発生するサージとして、スイッチング素子Qがオフするときに発生するオフサージとスイッチング素子Qに並列接続されたダイオードに発生するリカバリーサージがある。スイッチング素子Q1(Q2)がターンオフすると、そのスイッチング素子Q1(Q2)のコレクタ−エミッタ間にオフサージが発生する。また、一方のスイッチング素子がオフ状態で他方のスイッチング素子がターンオンすると、その一方のスイッチング素子に並列接続されたダイオードに印加される電圧が順電圧から逆電圧に切り替わることによって、そのダイオードにリカバリーサージが発生する。すなわち、スイッチング素子Q1(Q2)がオフ状態でスイッチング素子Q2(Q1)がターンオンすると、スイッチング素子Q1(Q2)に並列接続されたダイオードD1(D2)にリカバリーサージが発生する。
このリカバリーサージが大きすぎると、ダイオードやスイッチング素子が破壊するおそれがあるため、図4に示される状態1では、ゲート抵抗R1の抵抗値を大きいままとすることにより、電流変化率dIce/dtを低減して、リカバリーサージを抑制している。
図4に示される状態2について説明する。コレクタ電流Iceが定常値になるに従って、コレクタ電圧Vceも小さくなる。このとき、コレクタ−ゲート間容量Ccgに充電するミラー領域に入るため、ゲート電圧Vgeはほぼ一定値となり、ゲート電圧変化率dVge/dtは零に近づく。コレクタ電流Iceが定常値になりリカバリーサージが発生しない領域において、ゲート電圧変化率dVge/dtが閾値VthLo以下になる時の立ち下がりエッジがコンパレータCMP1及びワンショットパルス生成回路によって検出されることにより、通常スイッチM1に加えて、高速スイッチM6もオンする。高速スイッチM6のオンによって、スイッチング素子Q1のゲート抵抗の抵抗値は状態1より小さくなる(R1//R3=(R1×R3)/(R1+R3))。これにより、スイッチング素子Q1のゲートの充電速度が増し、スイッチング素子Q1がターンオンする途中でそのターンオン速度が速くなるので、スイッチング素子Q1のターンオン損失を低減させることができる。他のスイッチング素子Qのターンオン損失を低減させる場合については、その説明を省略するが、同様に考えることができる。
図4に示される状態3について説明する。コレクタ電圧Vceが飽和電圧Vce(sat)に達すると、再びゲート電圧Vgeが上昇し始め、やがてゲート駆動電圧VDDで一定となる。状態3では、コレクタ電流Iceもコレクタ電圧Vceも定常値のため、ターン損失やリカバリーサージ損失には関係がない(定常状態)。つまり、ゲート抵抗値は無関係のため、高速スイッチM6はオンでもオフでもよい。図4では、高速スイッチM6がオンしている動作波形が示されている。
したがって、上述の実施例によれば、ゲート電圧変化率dVge/dtの大きさの符号変化(正から負への変化)を捉えた検知タイミングに応じて、高速スイッチM6のオンタイミングを生成し、スイッチング素子をターンオンさせる駆動電圧又は駆動電流を変化させているため、ゲート電圧の時間変化率を検知することによってスイッチング素子のゲート駆動をアクティブに変化させることによる誤作動を防止することができる。すなわち、ゲート電圧変化率dVge/dtの大きさの符号が正から負に変わることを検知することは、立ち上がったゲート電圧がその後に立ち下がっていることを検知することになるので、ゲート電圧変化率dVge/dtの大きさの小さい領域で確実に高速スイッチM6をオンさせることができ、サージが大きくなることを防ぐことができる。
また、ゲート電圧変化率dVge/dtをVthLoとの2つの閾値電圧で比較する構成としているので、ゲート電圧変化率dVge/dtの大きさの符号変化の検出を確実に行うことができる。ゲート電圧変化率dVge/dtを一つの閾値電圧で比較する構成では、ばらつきの大きいゲート電圧変化率dVge/dtが閾値電圧に到達しないことが起こり得る。例えば、ゲート電圧変化率dVge/dtが閾値電圧に到達しないまま立ち下がると、高速スイッチがイネーブル状態であれば、高速スイッチのオンタイミングが早まって、サージが大きく発生する領域(図4の場合であれば、状態1の領域)で高速スイッチがオンするおそれがある。しかしながら、ゲート電圧変化率dVge/dtを2つの閾値電圧で比較する構成を有する上述の実施例では、高速スイッチM6は、ゲート電圧変化率dVge/dtが閾値電圧VthHiを上回って始めてイネーブルとなるため、仮に何らかの理由でゲート電圧変化率dVge/dtが想定より低くなり閾値電圧VthHiを超えない事態が発生したとしても、高速スイッチM6はオンしないため、高速スイッチM6のオン損失の低減は図れないもののサージ電圧が大きくなるという不都合を防止することができ、安定した制御が実現できる。
また、ゲート電圧変化率dVge/dtと閾値電圧VthLoとを比較するコンパレータCMP1、及び、ゲート電圧変化率dVge/dtと閾値電圧VthHiとを比較するコンパレータCMP2が、構成されている。この構成にすることで、閾値電圧を制御ICの端子AGCTHを介して直接調整することができ、高速スイッチM6のオンを出荷前のテストで調整することができるので、従来に比べ高精度で高信頼性のスイッチング素子のターンオン制御が可能となる。
なお、閾値VthHiを閾値VthLoより低い値に設定してもよいが、ゲート電圧変化率dVge/dtの大きさの符号変化の検出を確実に行うためには、上述の実施例のように、閾値VthHiを閾値VthLoより高い値に設定するほうが好適である。
また、スイッチング素子のゲート−エミッタ間の寄生容量は約0.001μ〜0.01μFオーダーの巨大な容量値であり、ゲート電圧Vgeはこの寄生容量に発生する電圧であるため、スイッチング素子Q等のスイッチングノイズの影響を受けにくいメリットがある。つまり、ゲート電圧変化率検出回路H1の誤検出を防ぐことができる。仮に、ゲート電圧Vgeにスイッチングノイズが入ってきた場合でも、イネーブル用閾値VthHiを高めに設定しておくことによって、ゲート電圧変化率検出回路H1の誤検出を防止することができる。
また、高速スイッチM6は、コンパレータCMP1の出力の立ち下がりを検出して、セットリセットフリップフロップg7にてホールドするので、ゲート電圧変化率dVge/dtが閾値VthLoを何度もまたいでも、高速スイッチM6がチャタリングを起こすことはないため、安定した制御が可能となる。
つまり、状態2において、ゲート電圧変化率dVge/dtがVthLoを下回ると、コンパレータCMP1の出力の立ち下がりを検出して、高速スイッチM6のオンがホールドされる。高速スイッチM6のオンにより、ゲート電圧Vgeが高速に充電されるため、ゲート電圧変化率dVge/dtの大きさが大きくなり、条件によっては閾値VthLoを上回ることがある。しかし、高速スイッチM6のオンは既にホールドされているので、チャタリング現象を起こすこともなく、安定した制御が実現できる。
図6は、トランジスタM6による高速オンをしない場合のシミュレーション駆動波形である。図7は、トランジスタM6による高速オンをした場合のシミュレーション駆動波形である。
ターンオン1回あたりのスイッチング素子(この場合、IGBT)に印加されるスイッチングエネルギーのシミュレーション結果を点線で囲んで示している。図6の場合は約77.5[mJ]である一方、図7の場合は約52.9[mJ]となり、スイッチングエネルギーは32%低減している。リカバリーサージの電圧にほぼ比例するスイッチング素子のコレクタ電流Iceのピーク値は、図6の場合は約41.1[A]であり、図7の場合は約41.2[A]となり、ほとんど差がない。したがって、本実施例によれば、スイッチングエネルギーの損失を抑えつつ、ゲート電圧の時間変化率を検知することによってスイッチング素子のゲート駆動をアクティブに変化させることによる誤作動を防止して、リカバリーサージが増加することを防ぐことができる。
また、ゲート抵抗の抵抗値(R1,R3)、或いは、閾値(VthLo,VthHi)を調整することによって、ターンオン損失を抑えつつ、リカバリーサージのサージ電圧を低減することも可能である。つまり、ターンオン損失とリカバリーサージ電圧の抑制というトレードオフ特性を改善することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例では、2つのコンパレータCMP1,2を用いて高速スイッチM6のオンタイミングを生成したが、微分回路を2段直列に用いることによってゲート電圧変化率dVge/dtの大きさの符号変化点を検知して(すなわち、ゲート電圧変化率dVge/dt波形の頂点付近を検知して)、その検知タイミングに応じて高速スイッチM6をオンさせてもよい。このとき、誤検知を防ぐため、ゲート電圧変化率dVge/dtの大きさの符号変化点の検知からタイマー等の遅延手段による遅延時間経過後に高速スイッチM6をオンさせてもよい。
また、ゲート電圧変化率dVge/dtを表す電圧波形を得る手段として、上述のような、コンデンサC1と抵抗R5とによるハイパスフィルタに限らず、図8,9に示されるようなゲート電圧変化率検出回路でもよい。
また、上述の実施例では、スイッチング素子のゲート抵抗を可変することによって、スイッチング素子をターンオンさせる駆動電圧又は駆動電流を変化させていたが、駆動電圧自体(例えば、ゲート駆動電圧VDD)や電流源などによる駆動電流自体を可変させてもよい。
また、上述の実施例では、車載の制御システムを例に挙げて本発明に係るスイッチング装置について説明したが、車両用に限定することなく、ロボット用などの他の用途に適用することも可能である。
本発明に係るスイッチング装置の一実施形態であるモータ/ジェネレータ駆動システム100の概略構成図である。 インバータ40のU相のハイサイド側の駆動回路の詳細な構成例を説明するための図である。 制御部G1内に構成されたエッジトリガ式波形整形回路である。 図2に示す回路図の動作波形図である。 スイッチング素子Qのコレクタ−エミッタ間のサージの発生タイミングを説明するための図である。 トランジスタM6による高速オンをしない場合のシミュレーション駆動波形である。 トランジスタM6による高速オンをした場合のシミュレーション駆動波形である。 ゲート電圧変化率の検出回路例である。 ゲート電圧変化率の検出回路例である。
符号の説明
A 制御IC
C* コンデンサ
CMP* コンパレータ
D* ダイオード
G1 制御部
M* トランジスタ
Q* スイッチング素子
R* 抵抗
VD 電源電圧

Claims (5)

  1. 半導体スイッチング素子のスイッチング装置であって、
    前記半導体スイッチング素子のゲート電圧の時間変化率が第1の基準値を超えた後に前記第1の基準値と異なる第2の基準値を下回ることを検出することによって、前記時間変化率の符号の変化を検知する符号変化検知手段と、
    前記符号変化検知手段によって検知された前記時間変化率の符号の変化の検知タイミングに応じて、前記スイッチング素子をターンオンさせる駆動電圧又は駆動電流を変化させる切替手段とを備えることを特徴とする、スイッチング装置。
  2. 前記切替手段は、前記時間変化率が前記第2の基準値を下回るタイミングに応じて、前記駆動電圧又は駆動電流を変化させる、請求項に記載のスイッチング装置。
  3. 前記切替手段は、前記時間変化率が前記第2の基準値を下回った時点から遅延時間経過した後に、前記駆動電圧又は駆動電流を変化させる、請求項に記載のスイッチング装置。
  4. 前記第1の基準値は、前記第2の基準値よりも高い値に設定された、請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチング装置。
  5. 前記切替手段は、前記スイッチング素子のゲート抵抗の抵抗値を変化させる、請求項1からのいずれか一項に記載のスイッチング装置。
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