JP7288568B1 - 自動採寸システム - Google Patents
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Abstract
Description
このような情勢のもと、自然、保管用倉庫において搬入・搬出される荷物数も非常に多くなっている。
このような保管倉庫における荷物の採寸作業は、一部の企業では自動採寸の仕組が導入され効率化が図られているものの、人手による採寸作業で対応している企業もまだまだ多い。
取扱う荷物を自動採寸できるようになれば、採寸作業に携わる人的リソースが解放されるため、その分の人的リソースを他の作業に割当てて活用できることから、自動採寸システムに対する潜在的なニーズがあるものと考えられる。
物流の分野でも、荷物を梱包する包装にQRコード(登録商標)を貼付し、このQRコード(登録商標)に埋込まれた荷物情報を読取ることで、荷物の保管・配送をおこなうことが主流となっている。
「QRコード(登録商標)による荷物管理」機能は、上述した「自動採寸」機能に比肩して、物流の効率化を支える役割を果たしている。
特許文献1に開示された自動計測装置によれば、計測対象物100の近傍に併置・密着させた携帯式3次元定尺立体定規101・102と当該対象物をCCDカメラ等で撮影し、この定規を基準として対象物の各辺の長さや座標を求める(同文献1・第7段落)。
そして、演算部53が、容器12の距離画像Dに基づいて、容器12を構成する平面部13の三次元位置を算出し、この三次元位置を基に容器12の三次元情報を算出する(同文献2・同19段落)。
なお、容器12の三次元情報は、特徴点F(平面部13の角の部分)の三次元位置の情報と、リンクL(平面部13の辺の部分)の三次元位置の情報を含み、リンクLの寸法の情報を含み、リンクLに囲まれた部分(平面部13の面の部分)の三次元形状の情報を含む(特許文献2・第38段落)。
特許文献3に開示されたラベル読取システムによれば、通過センサ6が、走行経路F1の延在方向におけるQRコード撮影装置3の配設位置と荷山撮影装置4の配設位置との間に配設されており、走行経路F1でのフォークリフト10の通過を検知する(同文献3・第37段落)。
情報処理端末8は、QRコード撮影装置3の各カメラ35a~35d,36a~36dから受信した画像の情報によりQRコード(登録商標)QRCの情報を取得し、このQRコード(登録商標)QRCの情報から各部品箱2に収容されている部品の種類や個数等の情報を取得する(同文献3・第42段落)。
そして、情報処理端末8は、同文献3・第78段落のごとく荷山撮影ユニット41・42で写した荷山全体の画像において、適正に読取られたQRコードQRCならびに読取りできなかったQRコードQRCを特定できる(同文献3・第80段落)。
しかしながら、特許文献2では、カメラ(二次元情報取得部42)が1箇所にしか設けられておらず(同文献2・図1)、容器12の立体的形状を示す立体画像までは生成できない。
しかしながら、同文献3のQRコード(登録商標)利用は2次元的画像情報と連係させるものに留まっており、QRコード(登録商標)の情報を、荷物を自動採寸した点群データ(撮影画像に対し、カメラから当該画像に写っている被写体までの距離情報を付加したデータ)と関連付けて利用することまでは想定されていない。
そこで上記の課題を解決するために、本願の第1発明に係る自動採寸システムは、
搬送車両その他の搬送手段により搬送される荷物のサイズを自動的に採寸できる自動採寸システムであって、
荷物保管場所の矩形状の出入口に設けられたセンサであって、前記搬送手段が出入口を通過することを検知する通過検知センサと、
前記矩形状の出入口の4つのコーナーに各1台ずつ設けられた任意の被写体を撮影するToF(Time of Flight)カメラであって、前記通過検知センサが搬送手段による出入口の通過を検知したときに前記荷物に赤外光を照射するとともに当該荷物から反射された赤外光を受光する4台のToF(Time of Flight)カメラと、
任意の被写体を撮影可能なカメラであって、前記出入口の左右いずれかの側面部に設けられたカメラと、
前記ToFカメラが撮影した画像と前記カメラが撮影した画像を管理する情報管理サーバと、
を具備してなり、
前記4台のToF(Time of Flight)カメラは、各々、
前記通過検知センサが搬送手段の出入口通過を検知したときに、この搬送手段と同搬送手段が搬送中の荷物がともに写り込んだ荷物車両画像を撮影する撮影手段と、
同通過検知センサが搬送手段の出入口通過を検知したときに荷物に対して赤外光を放出してから同荷物により反射された赤外光を受光するまでの受光所要時間に基づき、荷物車両画像の各画素中に写り込んだ被写体部分と同ToFカメラの間の深度距離を求める距離算出手段と、
前記距離算出手段が求めた深度距離に応じて定まる荷物車両画像内の深度座標と、各深度距離に応じた区分を示す所定色とからなる荷物車両画像の各画素のデータ集合を生成し、当該生成したデータ集合に基づいて、各画素における深度距離に応じた所定色を荷物車両画像の画素ごとに着色することで点群データを生成する点群データ生成手段と、
前記点群データを情報管理サーバに送信する点群データ送信手段と、
を有し、
前記カメラは、
前記通過検知センサが搬送手段の出入口通過を検知したときに、この搬送手段と同搬送手段が搬送中の荷物と同荷物に貼付された2次元コードとが写り込んだコード画像を撮影するコード撮影手段と、
前記コード画像を情報管理サーバに送信するコード画像送信手段と、
を有し、
前記情報管理サーバは、
出入口の各コーナーから各ToFカメラが撮影した同じ被写体の4枚の荷物車両画像からそれぞれ生成された4枚の点群データにおいて、当該点群データに写り込んだ荷物の幅と高さと奥行を採寸し、
前記4枚の点群データを合成することで、当該点群データに写り込んでいる荷物の3次元的な立体形状を示す1枚の荷物立体画像を生成し、
前記荷物立体画像が示す荷物に、前記採寸した幅と高さと奥行を対応付けて記憶する採寸処理と、
前記コード画像に写り込んでいる個々の荷物に添付された2次元コードを認識して、当該2次元コードが示す荷物情報を読取り、
前記認識した2次元コードに基づいて、前記コード画像に写り込んでいる個々の荷物を認識し、
前記コード画像のなかに上下に積上げられた複数の荷物が写り込んでいるか否かを、各荷物にそれぞれ貼付されている2次元コードに基づいて判別するコード読取処理と、
前記コード画像のなかに上下に積上げられた複数の荷物が写り込んでいると判別したときに、
当該コード画像に写り込んだ2次元コードの位置に対応する、前記荷物立体画像におけるコード相対位置を特定し、
前記コード相対位置が特定された荷物立体画像に対して、当該コード相対位置に写り込んだ2次元コードと同2次元コードが示す荷物情報を対応付けて記憶するような構成とした。
さらに、上記4台のToFカメラ1-1~1-4は、各々「点群データPD」(図8(b)参照)を生成する。
情報管理サーバ4は、カメラ2が撮影したコード画像PCD(図11)とToFカメラ1が生成した点群データPDを受取り、2次元コード認識(解読)処理ならびに3次元点群データ解析(寸法計測)処理を行う。
これにより、人手を介することなく「搬送車両VHによって搬送されている状態のまま、荷物CRのサイズを自動的に採寸」でき、ひいては、採寸作業から解放された人的リソースにより別の業務をこなすことも可能となる。
また、搬送車両VHによる荷物の搬送作業を一切妨げることなしに、同車両VHが搬送中の荷物CR(図2の例では、荷物CR-1・CR-2)の採寸を進めることができる。
なお、上記「搬送手段」とは、フォークリフトに代表される搬送車両VHや、ベルトコンベアなどでもよい。
このように、それぞれの荷物を判別できることにより、荷物CRの個数を自動的にカウントできることにつながり、さらには、これらの荷物を積込むために必要な人員数や配送に必要とされる配送車両の台数などを自動予測することも可能になる。
また、荷物の3次元的な立体形状を示す荷物立体画像P3Dに対して、コード画像PCDに写り込んだ2次元コードCDと同2次元コードCDが示す荷物情報ICRを対応付けて記憶する。
ここで、「荷物情報ICR」とは、搬送車両VHにより搬送される荷物CRに関する属性を示す情報である。
上記「荷物情報ICR」の具体例としては、荷物CRとして扱われる商品の名称・商品の品番・商品の個数・商品の重量といった情報が挙げられる。
上記課題を解決するために本願の第2発明に係る自動採寸システムは、第1発明に係る自動採寸システムであって、
前記ToFカメラは、
採寸対象となる荷物が赤外光を吸収する低反射物である場合でも、撮影した荷物車両画像から点群データを生成できる構成とした。
そのため、一般的には、ToFカメラを利用して低反射物を撮影しても、撮影画像に写り込んだ低反射物にかかる点群データを取得することは困難である。
本願発明者の試行によれば、荷物保管場所の出入口GW上部のコーナー2箇所にそれぞれToFカメラ1を設置しても、それら2台のToFカメラ1で写した荷物車両画像PCVを基に、低反射物からなる荷物の点群データPDを得ることはできなかった。
これは、ToFカメラ1の台数を増やしたことに付随して、ToFカメラ1から低反射物に対して照射される赤外光の総光量が増し、ひいては、低反射物により反射された赤外光が受光手段15(図5)の検出限界を超過したためと考えられる。
なお、ToFカメラ1の配置形態は、被写体(荷物CR)を中心(矩形の出入口GWの中心)として当該荷物CRを包囲するように略等間隔での矩形の各コーナーに配置してある。
本説明例では、ToFカメラ1の配置台数は4台であるものの、出入口GWの各コーナーにToFカメラ1が設置してある限り、ToFカメラ1は5台以上に増やしても構わない。
上記課題を解決するために本願の第3発明に係る自動採寸システムは、第1または第2発明に係る自動採寸システムであって、
前記搬送手段がフォークリフトである場合、
情報管理サーバは、
前記点群データにおいて荷物とフォークリフト爪部分が一体化しているデータ部分を、長尺状をなす前記フォークリフト爪部分の軸方向沿いに所定間隔ごとに切断位置において切断面により切断する処理と、
前記切断位置それぞれにおいて切断面により切取られる断面積を算出する処理と、
連続的に前後する2つの切断位置において各切断面により切取られた断面積同士を順次比較して、切断面積比を算出する処理と、
切断面による切断を開始した先頭の切断位置からスタートして、先に求めた切断面積比を所定の荷物検出閾値と比較する処理と、
切断面積比と荷物検出閾値の大小関係に基づきフォークリフト爪部分が荷物と接する接触位置を判定する処理であって、ある切断位置における切断面積比が荷物検出閾値を超過したときに、当該切断位置がフォークリフト爪部分および荷物の接触位置であると判定する処理と、
先頭の切断位置から接触位置までの各切断面によって切取られたフォークリフトの爪部分が写り込んだ爪画像領域を、点群データから除去する処理と、
を実行する構成とした。
これにより、点群データPDにおいてフォークリフト爪部分が荷物CRと渾然一体に含まれている場合でも、フォークリフト爪部分の点群データを除去することができ、荷物CRの採寸精度をより高めることができる。
上記課題を解決するために本願の第4発明に係る自動採寸システムは、第1または第2発明に係る自動採寸システムであって、
情報管理サーバは、
前記荷物の高さ方向から見たときの、前記点群データに写り込んだ荷物画像領域の水平面投影図を生成する処理と、
荷物の高さ方向の軸を回転中心として水平面投影図を水平面上で所定単位角度ずつ回転させることで、水平面写像図を生成する処理と、
水平面投影図の各端点の水平面座標の最大値・最小値を基に、当該水平面投影図に外接する外接矩形の面積を求める処理と、
水平面写像図の各端点の水平面座標の最大値・最小値を基に、当該水平面写像図に外接する外接矩形の面積を求める処理と、
前記外接矩形の面積が最小のときの回転角度において、水平面写像図の各辺の向きがToFカメラの水平面座標軸に対して揃った平行状態であると判定する処理と、
を実行する構成とした。
これにより、ToFカメラ1の座標軸に対する荷物CRの点群データの傾きを修正し平行にすることが可能となり、ひいては荷物CRの採寸精度をより高めることができる。
上記課題を解決するために本願の第5発明に係る自動採寸システムは、第1または第2発明に係る自動採寸システムであって、
情報管理サーバは、
前記点群データに含まれるすべての画素それぞれについて、当該画素を中心とする所定のノイズ判定範囲に存在する点群の個数を算出する処理と、
前記ノイズ判定範囲に存在する点群の個数が所定のノイズ判定基準よりも小さい場合、当該ノイズ判定範囲内にある点群がノイズ成分であると判定する処理と、
前記ノイズ成分として判定された点群を除去する処理と、
を実行する構成とした。
このようにすることで、点群データPDから生成される荷物立体画像P3Dの形状を、実際の荷物CRの正確な形状により近づけることができる。
本発明の実施形態では、カメラ2を用いて読取った荷物用の2次元コードCDを、荷物CRを自動採寸するための点群データPDと関連付けて活用することを目的として、搬送車両VHその他の搬送手段により「搬送されている状態にある荷物のサイズを自動的に採寸」できる自動採寸システム100を構成した例である。
以下、この内容について詳しく説明する。
同図1に示すように、自動採寸システム100は、ToFカメラ1と、カメラ2と、通過検知センサ3と、情報管理サーバ4と、コントローラ5と、中継サーバ6とを備えている。
また、図1のように本例では、公衆通信可能なインターネット200と、有線LAN(Local Area Network)300と、無線LAN400の3つの通信網を利用する。
本例では、中継サーバ6を介して、インターネット200と、構内通信網(有線LAN300・無線LAN400)とが相互に通信可能に接続される。
さらに、中継サーバ6には、コントローラ5が通信可能に接続される。
インターネット200については、例えば、VPN(Virtual Private Network)技術等を利用すれば、セキュリティレベルを高く確保可能である。
さらに、本例の構成における、構成要素間の接続形態を具体的に説明する。
ToFカメラ1-1~1-4は、有線LAN300を介して、中継サーバ6に通信可能に接続される。
カメラ2と通過検知センサ3は、コントローラ5に通信可能に接続される。
また、カメラ2は、無線LAN400を介して中継サーバ6と通信可能である。
情報管理サーバ4は、構内通信網(有線LAN300・無線LAN400)の外部にあるインターネット200上に接続されている。
本システム100では、荷物保管場所の出入口GWに、荷物CRを搬送する搬送車両VHが出入口を通過することを検知する「通過検知センサ3」を設置する(図2・図3・図4)。
また、矩形からなる上記出入口GWの4つの各コーナーに「ToFカメラ1-1~1-4を1台ずつ定点設置」する(図2・図3・図4)。
なお、ToFカメラ1-1~1-4は、有線LAN300に接続される。
ToFカメラ1-1~1-4は、任意の被写体を撮像可能なカメラである。
本例では、ToFカメラ1-1~1-4は、通過検知センサ3が搬送車両VHによる出入口GWの通過を検知した場合、搬送車両VHならびに同車両VHに搬送される荷物がともに写り込んだ荷物車両画像PCV(図8(a)参照)を撮影する。
この点群データPDは、情報管理サーバ4において荷物立体画像P3Dを生成するために用いられる。
そのため、4台のToFカメラ1はいずれも「出入口GWの中心に位置する被写体を、撮影画像の中央付近に捉える」ことが可能である(図3)。
本例においては、荷物CRの採寸が主目的であるため、ToFカメラ1の撮影画像中央付近に荷物CRが写り込んだ荷物車両画像PCVが撮影される。
なお、図3におけるα1~α4は、ToFカメラ1-1~1-4による撮影可能範囲(画角)を表している。
さらに、ToFカメラ1-1~1-4は、撮影時の死角が出ないよう(出入口GWにおいて撮影不能な範囲がないよう)に配置される。
ToFカメラ1は、赤外光の発射から受光までにかかった「受光所要時間TFL」を基に「被写体(主に荷物CR)とToFカメラ1の間の深度距離LD」(図9(b)参照)を算出する。
ここでいう「点群データPD」とは、各画素における深度距離LDに応じた所定色を、荷物車両画像PCVの画素ごとに着色した画像データのことを指す。
より詳細には、「点群データPD」とは、ToFカメラ1から荷物車両画像PCVに写っている被写体(荷物CR)までの深度距離LDの情報を荷物車両画像PCVに対応付けするとともに、深度距離LDに応じた所定色を荷物車両画像PCVに着色した画像データである。
また、4台のToFカメラ1-1・1-2・1-3・1-4は、点群データPD1・PD2・PD3・PD4を送信する。
荷物車両画像PCVの処理時や点群データPD生成時には、CPU(Central Processing Unit)に対しかなりの処理負担がかかるものの、スマートフォンであれば処理性能が日進月歩の勢いで飛躍的に向上しており、荷物車両画像PCVや点群データPDの画像処理を実行する際にも快適な動作速度を担保できる。
カメラ2は、任意の被写体を撮像するカメラであり、本例では、2次元コードCD(図4)を撮影する役割を果たす。
このカメラ2は、出入口GWに設けられており、その台数は本例においては「1台」である。
本自動採寸システム100においては、当該2次元コードCDは、個々の荷物CR1つ1つに対して貼付されている。
さらに、本システム100では、荷物CRにおける2次元コードCDの貼付位置があらかじめ所定位置に定められている。
本例では、2次元コードCDは荷物CR側面の左下隅に貼付される(図4)。
また、2次元コードCDの貼付位置に対応して同コードCDを撮影できるように、本例では、カメラ2は、2次元コードCDを撮影できるよう出入口GWの右側面部に設けられている。
そして、カメラ2は、コード画像PCDを情報管理サーバ4に送信する。
通過検知センサ3は、搬送車両VHが出入口GWを通過することを検知するセンサである。
本例では、通過検知センサ3は、搬送車両VHによる出入口GWの通過を検知した際、当該検知した旨を示す「通過検出信号」をコントローラ5あてに出力する。
コントローラ5は、通過検知センサ3からの通過検出信号をカメラ2に転送するとともに、同通過検出信号を中継サーバ6・有線LAN300を介してToFカメラ1-1~1-4あてにも転送する。
本例では、通過検知センサ3として、光電センサ(光を発射する投光ユニットと、この発射光を受ける受光ユニットの組を具備する)を採用する。
また、搬送車両VHには、通過検知センサ3からの発射光に対する反射性を高めるため、「光反射器RF」が設けられている(図2)。光反射器RFの例としては、反射率の高いミラーが挙げられる。
情報管理サーバ4は、ToFカメラ1が撮影した画像である「荷物車両画像PCV」と、カメラ2が撮影した画像である「コード画像PCD」を管理する。
情報管理サーバ4は、たとえば、荷物保管場所の管理・運営をおこなう企業が所有してもよい。
図2の例では、2次元コードCD-1・CD-2が認識される。
そして、情報管理サーバ4は、認識した2次元コードCDに基づいて、コード画像PCDに写り込んでいる個々の荷物CR(図2の例では、CR-1・CR-2)を認識する。
さらに、同サーバ4は、コード画像PCDのなかに上下に積上げられた複数の荷物が写り込んでいるか否かを、各荷物CRにそれぞれ貼付されている2次元コードCDに基づいて判別する。
また、荷物CRの3次元的な立体形状を示す荷物立体画像P3Dに対し、コード画像PCDに写り込んだ2次元コードCDと、その2次元コードCDが示す荷物情報ICRとを対応付けて荷物画像情報(図13)に記憶する。
図5に示すように、ToFカメラ1は、制御部11と、記憶部12と、撮影手段13と、光照射手段14と、受光手段15と、通信部16とを有している。
その他にも、ToFカメラ1は、小型の液晶ディスプレイ(図示略)等の出力部18と、シャッター(図示略)を含む入力部17とを備えている。
また、ToFカメラ1は、任意の演算処理を実行するCPU(中央処理装置)を含む制御部11のほか、ROM・RAM等を含む記憶部12、及び、各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む通信部16を備えている。
通信部16としては、ネットワークインターフェース・モデム等が使用される。
距離算出手段113は、光照射手段14が赤外光を照射してから被写体(荷物CRなど)による反射光を受光手段15が受光するまでの受光所要時間TFLを求め、受光所要時間TFLに光速を乗算した往復距離(深度距離LDの2倍)を基に「ToFカメラ1から被写体までの深度距離LD」を求める。
続いて、距離算出手段113は、求めた深度距離LDから、図9(b)のようなToFカメラ1の位置を深度座標原点(0,0,0)とした3次元空間(X軸・Y軸・Z軸からなる直交座標)における「深度座標」(x,y,z)を導出する。
基準深度座標(x0,y0,z0)は、ToFカメラ1から同カメラ1光軸と交わる画素までの深度距離LDと深度座標原点(0,0,0)から求める。
さらに、同手段113は、同図9(b)の位置関係に基づき、荷物車両画像PCV上にある各画素の深度座標(x,y,z)を、当該画素の深度距離LDと深度座標原点(0,0,0)から求める。
点群データ生成手段114は、深度距離LDに応じた区分を示す所定色により荷物車両画像PCV中の各画素を塗り分けた画像(点群データPD)を生成する。
本例において「点群データPD」は、(i)荷物車両画像PCV中の各画素に写り込んだ被写体(荷物CR・搬送車両VHなど)とToFカメラ1の間の深度距離LDにより定まる深度座標と(ii)各深度距離LDに応じた区分を示す所定色のデータを含んでいる。
なお、同手段114は、荷物車両画像PCV上の各画素に対して、距離算出手段113が求めたそれぞれの深度距離LDに応じた区分を示す所定色を決定する。
本例では、荷物車両画像PCV中の各画素の深度距離LDに応じた区分を示す所定色を、荷物車両画像PCVの画素ごとに着色することで、図8(b)のような「点群データPD」が生成される。
なお、ToFカメラ1-1・1-2・1-3・1-4が備える点群データ生成手段114は、個々に撮影した荷物車両画像PCVから各点群データPD1・PD2・PD3・PD4を生成する。
本例では、点群データPDは、いったん中継サーバ6に送られ、同サーバ6によりインターネット200経由で情報管理サーバ4あてに転送される。
本例において、光照射手段14は、通過判定手段111が「搬送車両VHが出入口GWを通過した」と判定した場合、赤外光を荷物CRにむけて照射する。
つぎに、カメラ2について説明する。
図10は、本実施形態に係るカメラ2の電気的構成を示すブロック図である。
同図10に示すように、カメラ2の装置本体は、演算処理を実行するCPUを含む制御部21のほか、ROM・RAM等を含む記憶部22、各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む通信部24を備えている。
また、同カメラ2は、小型の液晶ディスプレイ(図示略)等の出力部26と、シャッター(図示略)を含む入力部25とを備えている。
本カメラ2を、USB(Universal Serial Bus)接続端子など所定のインターフェースまたは通信部24を介してプリンタ(図示略)に接続し、撮影したコード画像PCDを紙媒体に印刷出力してもよい。
本例のカメラ2では、複数の2次元コードを撮影するために機能別に細分化された、コード撮影指示手段211およびコード画像送信手段212が実現される。
図11の例では、上下に積み重ねられた搬送中の2つの荷物CR-1・CR-2が撮影される。なお、それぞれの荷物の所定位置CR-1・CR-2には、2次元コードCD-1・CD-2が貼付されている。
図12は、本実施形態に係る情報管理サーバ4の電気的構成を示すブロック図である。
情報管理サーバ4は、図12に示すように、液晶ディスプレイやプリンタ(図示略)等の出力部44と、キーボードやマウス(図示略)・タッチパネル(図示略)等を含む入力部43とを備えている。
また、情報管理サーバ4の装置本体は、任意の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)を含む制御部41のほか、ハードディスクドライブ(HDD)・ROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)等を含む記憶部42、及び、各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む通信部45を備えている。
通信部45としては、ネットワークインターフェース・モデム等が使用される。
同管理手段411は、荷物画像情報421・コード画像情報422に対する情報登録や登録内容の削除を行う。
同図13の例では、荷物画像情報421において、画像データ(点群データPD1~PD4・荷物立体画像P3D・コード画像PCD)と、荷物情報ICRとが対応付けされている。
同図14の例では、コード画像情報422において、コード画像PCDと、コード画像PCDに写り込んだ荷物CRに貼付されている二次元コードCDと、その二次元コードCDから読取った荷物情報ICRとが対応付けされている。
荷物採寸手段412は、各ToFカメラ1-1~1-4で撮影した同じ被写体を示す4枚の荷物車両画像PCVから各々生成した4つの点群データPDにおいて、これらのデータPDに写り込んだ荷物CRのサイズ(幅・高さ・奥行)を採寸する。
本例では、同手段412は、図15(a)のような点群データPDにおいて「荷物CRが写り込んだ領域」(以下、「荷物画像領域RGCR」という。)を特定し、この荷物画像領域RGCRの周縁部分について各画素間の距離を求めることで(図15(b)参照)、当該荷物CRの実際のサイズ(高さ・幅・奥行)を採寸する。
同図15(b)の例では、荷物画像領域RGCRの端点として、頂点A・B・C・D・E・Hが特定される。
なお、点群データPDにおける深度座標は、参照可能な状態で点群データPD自体に対応付けされている。
これにより、荷物CRの幅に該当する辺AE・辺DHと、荷物CRの高さに該当する辺AD・辺BCと、荷物CRの奥行に該当する辺AB・辺CDとについて、それぞれの深度座標を基に各距離(辺AE・辺DH・辺AD・辺BC・辺AB・辺CDそれぞれの長さ)が算出できる。
この場合、荷物の奥行をなす辺CD(頂点Cと頂点D間の辺)の距離は、以下の数式2により算出できる。
すなわち、辺CDの距離は、両端点C・Dの深度座標について、X座標成分同士の差「xC-xD」とY座標成分同士の差「yC-yD」とZ座標成分同士の差「zC-zD」の2乗和の平方根により定まる。
なお、荷物画像領域RGCRにおける他の端点間距離についても、数式2同様の計算により算出される。
これにより、荷物CRの実際のサイズ(幅・高さ・奥行)が採寸できる。
立体画像生成手段413は、各ToFカメラ1-1~1-4が撮影した4枚の荷物車両画像PCVから作られた4つの点群データPDを合成する。
この合成処理により、荷物立体画像生成手段413は、各点群データPDに写り込んだ荷物CRの3次元的な立体形状を示す「1枚の荷物立体画像P3D」を生成する。
「荷物立体画像P3D」とは、全方位において任意方向から見たときの視差画像をもつ荷物CRの画像である。
なお、荷物立体画像P3Dの生成手法については、視体積交差法に限らず、ステレオマッチング法をはじめとする任意の手法を採用できる。
つぎに、同手段413は、ToFカメラ1-1~1-4を中心として上記シルエット画像を立体的に逆投影し、視体積の重複部分から荷物CRのボクセルデータ(小立方体の集合データ)を生成する。
そして、荷物CRの個々のボクセルデータ表面に小さな三角形の面を張ることで、荷物CRの表面形状(立体的形状)を示す荷物立体画像P3Dを生成できる。
コード読取手段414は、コード画像PCDに写り込んでいる個々の荷物CRに添付された2次元コードCDを認識して、同コードCDが示す荷物情報ICRを読取る。
本例では、2次元コードCDはQRコード(登録商標)であるため、位置検出するためのファインダパターン(いわゆる切出シンボル)に基づき2次元コードCDを認識する。
さらに、荷物認識手段415は、コード画像PCDに写っている各荷物に対し、コード読取手段414が認識した各荷物CRごとの2次元コードCDと、同手段414が各2次元コードCDごとに読取った荷物情報ICRとを対応付けてコード画像情報422(図14)に記憶する。
そのため、荷物認識手段415は、コード画像PCDに写り込んでいる2次元コードCDに着目することで、荷物CRが搬送されている状態でも、それぞれの2次元コードCDが貼られた各荷物CRを区別して認識できる。
上述したように、本例の各荷物CRにはそれぞれ所定位置(側面の下方左側)に2次元コードCDを貼ってあるため、コード画像PCD内の垂直方向における2次元コードCDの位置を参照することで、上下に積上げられた状態で搬送される荷物CRの有無を判定できる。
また、2次元コードCD位置の参照により、相互に積上げられている荷物CRの位置関係(上下関係)も判定可能である。
さらに本例では、コード画像PCDのなかに上下に積上げられた複数の荷物CRが写り込んでいると判別された場合、コード位置特定手段417が、荷物立体画像P3D中における「コード画像PCDに写り込んだ2次元コードCDの位置」を特定する。
そして、同手段417は、この「コード画像PCDに写り込んだ2次元コードCDの画像位置の座標」を、立体画像生成手段413が生成した「荷物立体画像P3Dに写り込んだ2次元コードCDの画像位置の座標」に変換する。
また、コード位置特定手段417は、荷物立体画像P3Dに写り込んだ2次元コードCDに対し、コード読取手段414が認識した2次元コードCDと、同2次元コードCDが示す荷物情報ICR(同コード読取手段414が読取ったもの)とを対応付けて荷物画像情報421(図13)に記憶させる。
また本実施形態によれば、多機能電子装置に専用アプリケーションをインストールするだけで、簡易かつ短時間で情報管理サーバ4を構成できる。
つぎに、本実施形態に係る自動採寸システム100の動作について説明する。
[荷物の採寸処理時]
以下では、本システム100において、搬送車両VHが荷物CRを搬送している状態のままで、当該荷物のサイズを自動採寸するときの各構成要素の動作について説明する。
通過検知センサ3は、搬送車両VHによる出入口GWを通過することを検知した際、同車両VHが出入口GWを通過した旨を示す「通過検出信号」をコントローラ5あてに出力する。
また、コントローラ5は、この通過検出信号を、2次元コード撮影用のカメラ2に対しても送信する。
ToFカメラ1は、通過検知センサ3から通過検出信号を受信すると、搬送車両VHが出入口GWを通過したと判定する。
このように搬送車両VHが出入口GWを通過したと判定した場合、ToFカメラ1は、搬送車両VHと荷物CRがともに写り込んだ荷物車両画像PCV(図8(a))を撮影する(図18・ステップS101)。
なお、ステップS101の撮影動作は、ToFカメラ1内部において、制御部11から撮影手段13に荷物車両撮影指示を送ることで行われる。
その後、ToFカメラ1は、荷物CRによって反射された赤外光を受光する(ステップS103)。
さらに、ToFカメラ1は、求めた深度距離LDに基づき、図9(b)のような同ToFカメラ1の位置を深度座標原点(0,0,0)とした3次元空間における「深度座標」(x,y,z)を導出する。
加えて、ToFカメラ1は、荷物車両画像PCV上の全画素について、それぞれの深度距離LDに応じた区分を示す所定色を決定する。
本例では、ToFカメラ1は、深度距離LDに応じた所定色を、荷物車両画像PCVの画素ごとに着色することで、図8(b)のような「点群データPD」を生成する。
本例では、点群データPDは、有線LAN300経由でToFカメラ1から中継サーバ6にいったん送信され、その後、インターネット200経由で中継サーバ6から情報管理サーバ4に転送される。
なお、ToFカメラ1によるステップS101~S105の処理は、搬送車両VHによる出入口GWの通過を通過検知センサ3が検出するごとに繰返し実行される。
一方、カメラ2についても、通過検知センサ3からの通過検出信号を受信すると、コード撮影手段23に対し「コード撮影指示」を送ることで、搬送車両VHと荷物CRと2次元コードCDが写り込んだ「コード画像PCD」を撮影する(ステップS106)。
本例では、カメラ2は、コード画像PCDを無線LAN経由400で中継サーバ6にいったん送信し、その後、中継サーバ6がインターネット200経由で当該コード画像PCDを情報管理サーバ4に転送する。
なお、カメラ2によるステップS106~S107の処理についても、搬送車両VHによる出入口GWの通過を通過検知センサ3が検出するごとに繰返し行われる。
点群データPDとコード画像PCDを受信した場合、情報管理サーバ4において、2次元コード認識(解読)処理と3次元点群データの解析(寸法計測)処理が開始される。
情報管理サーバ4は、点群データPDにおいて荷物CRが写り込んだ「荷物画像領域RGCR」を特定し、この荷物画像領域RGCRについて端点間の距離を求めることで荷物CRの実際のサイズ(高さ・幅・奥行)を採寸する。
続いて、同サーバ4は、上記特定した各端点(画素)における深度座標(x,y,z)を取得し、この深度座標を基に、数式2を用いて各端点間の距離(辺の長さ)を算出する。
そして、情報管理サーバ4は、荷物画像領域RGCRの各端点の画素に写っている被写体とToFカメラ1の間の深度距離LDを用い、実際の荷物CRの幅・高さ・奥行(たとえば、メートル単位の長さ)を算出する。
これにより、荷物CRの実際のサイズ(幅・高さ・奥行)を採寸する(図18・ステップS108)。
つぎに、情報管理サーバ4は、各点群データPDに写り込んだ荷物CRの3次元的な立体形状を示す「1枚の荷物立体画像P3D」を生成する(ステップS109)。
本例では、多視点(離間配置されたToFカメラ1-1~1-4)から得た4つの点群データPDから1枚の荷物立体画像P3Dを生成する手法として、複数の荷物車両画像PCVを基に荷物CRのボクセルデータを求める視体積交差法を用いる。
情報管理サーバ4は、コード画像PCDに写り込んだ個々の荷物CRに付された2次元コードCDを認識し(ステップS110)、当該コードCDが示す荷物情報ICRを読取る。
2次元コードCDとしてQRコード(登録商標)を使用する場合、同コードCDの認識にはファインダパターンを用いる。
なお、情報管理サーバ4は、自ら認識したコード画像PCD中の各荷物に対し、各荷物に付された2次元コードCDと、各2次元コードCDから読取った荷物情報ICRを対応付けてコード画像情報422に記憶する。
そして、同サーバ4は、コード画像PCDに写った2次元コードの画像位置の座標を、荷物立体画像P3Dに写り込んでいる2次元コードの画像位置の座標に変換する。
なお、情報管理サーバ4におけるステップS108~S113の処理は、通過検知センサ3が搬送車両VHによる出入口GWの通過を検知するごとに繰返し実行される。
以上で、自動採寸システム100において、荷物CRが搬送車両VHによって運搬されている状態のもとに「荷物CRの自動採寸」と「2次元コードCDの読取」をおこなうときの一連の動作が終了する。
そのため、荷物CRの個数の自動計数も可能となり、ひいては、荷物の積込作業に必要な人員数や配送に必要な配送車両台数などを自動予測にも寄与しうる。
工場や倉庫などに代表される荷物保管場所においては、荷物CRの搬送車両としてフォークリフトが多用されている。
一般に、フォークリフトには荷物CRを支持載積するための長尺状の爪部分が設けられている。
本願システムにおいて、点群データPDを生成した場合、フォークリフトの爪部分が荷物CRと渾然一体に含まれてしまい、採寸した荷物CRのサイズが実際の荷物CRのサイズと異なってしまう場合がある。
このような事態を回避するためには、本願発明では、フォークリフトの爪部分と荷物CRを判別し、点群データPDから当該データPDに写り込んだ爪部分の点群データを除去すればよい。
以下では、図19(a)に示す点群データPDから「フォークリフトの爪部分が写り込んだ爪画像領域RGFK」を除去する場合を例に挙げて説明する。
同図19(b)の例では、切断面CS2において、荷物CRならびにフォークリフト爪部分が写り込んだ断面画像(図20(a)参照)が取得できる。
また、同図19(b)中の切断面CS1においては、荷物CRは写り込んでいないため、フォークリフト爪部分のみが写り込んだ断面画像(図20(b)参照)が取得できる。
なお、X軸の向きは、長尺状をなす「フォークリフト爪部分の軸方向(延伸方向)と同じ向き」である。
本例において、図19(b)中の切断面CS2により切取られた荷物CRならびにフォークリフト爪部分が写り込んだ断面画像(図20(a)参照)の断面積Ax2は「200000」である。
また、図19(b)中の切断面CS1により切取られたフォークリフト爪部分が写り込んだ断面画像(図20(b)参照)の断面積Ax1は「2000」である。
すなわち、切断面積比「Axn+1/Axn」の値を、X軸沿いの各切断位置xnについて逐次算出する(図21のステップS23)。
図19(b)における切断面CS1と切断面CS2が連続する前後関係にある場合には、切断面積比「Ax2/Ax1」の値は「100」となる。
なお、この荷物検出閾値THCRには、実際の荷物保管場所において現場テストを実施することにより、荷物CRとフォークリフト爪部分の判別に好適な数値を設定する。
本例では、切断面積比「Axn+1/Axn」の値が、荷物検出閾値THCR(たとえば、60)を超過した場合、当該切断位置xnがフォークリフト爪部分および荷物CRの接触位置xTであると判定する。
以上で、点群データPDに写り込んだフォークリフト爪部分の除去をおこなうときの一連の動作が終了する。
上述したように、荷物保管場所では、荷物CRの搬送にフォークリフトを用いることが多い。
一般的なフォークリフトでは、荷物CRが当該爪部分から滑落することを防止するため、荷物CRと当接する爪部分の上面に緩やかな傾斜が設けられている。
そのため、ToFカメラ1-1~1-4が撮影した荷物車両画像PCVに写り込んだ荷物CRは、ToFカメラ1-1~1-4の座標軸に対して水平でなく傾いた姿勢であることが多い。
また、繁忙な搬送作業の際には、荷物CRがToFカメラ座標軸からずれた状態でフォークリフト爪部分に載積されることも往々にして起こりうる。
そこで、本システム100では、ToFカメラ1の座標軸に対して荷物の点群データを平行にさせる「傾き修正機能」を設けている。
以下では、図22(a)に示す荷物画像領域RGCR(荷物CRの点群データ)の姿勢を、ToFカメラ1の座標軸(同図22(a)中のXY座標水平面)に対して平行にする場合を例に挙げて説明する。
そこで、まず、情報管理サーバ4は、図22(a)のZ軸方向から傾き修正処理対象(荷物画像領域RGCR)を見たときの、XY平面(水平面)上における「荷物画像領域RGCRのXY平面投影図」を生成する(図23のステップS31)。
図22(a)の荷物画像領域RGCRからは、図22(b)に示す「XY平面投影図(水平面投影図)」が得られる。
なお、Z軸の向きは「荷物CRの高さ方向」(垂直方向)と同じ向きである。
これにより、情報管理サーバ4は「XY平面写像図」(水平面写像図)を生成する(同ステップS32)。
なお、本例における情報管理サーバ4は、Z軸を中心として、所定単位角度(たとえば、1°)ずつ図22(b)のXY平面投影図をXY平面上で回転させていく。
本例では、図22(b)のXY平面投影図を回転角度(+2°)だけ回転させたときに、図22(c)の「XY平面写像図(水平面写像図)」が得られたものとする。
また、本例では、図22(b)のXY平面投影図を回転角度(+5°)だけ回転させたときに、図22(d)のXY平面写像図(水平面写像図)が得られたものとする。
なお、外接矩形の面積は、(X軸最大値-X軸最小値)×(Y軸最大値-Y軸最小値)なる式より算出可能である。
そして、XY平面写像図それぞれの「外接矩形の面積」を算出する(同ステップS34)。
これにより、ToFカメラ1の座標軸に対する荷物CRの点群データの傾きを修正し平行にすることが可能となり、ひいては荷物CRの採寸精度をより高めることができる。
ToFカメラ1が撮影した荷物車両画像PCVから生成される「点群データPD」には、荷物保管場所の場内にある荷物CRとは無関係の物体が写り込んでしまうおそれがある。
このような荷物CRに無関係の物体は、点群データPDにおけるノイズ成分NSになりうるため、当該点群データPDから生成される「荷物立体画像P3D」の形状の正確性に悪影響(たとえば、歪み)を及ぼしうる。
このような事態を事前回避するために、本システム100では、点群データPDからノイズ成分NSを除去する機能を設けている。
以下では、図24(a)に示す点群データPDから、当該データPDに含まれるノイズ成分NSを除去する場合を例に挙げて説明する。
本例では、「点群密度」(図24(a)中に破線で示すノイズ判定範囲RNNSに含まれる点群の個数)をノイズ判定基準THNSと照合することで、ノイズ成分NSか否かを判定する。
ノイズ判定基準THNSは、実際の荷物保管場所で現場テストをおこなうことで、ノイズ成分NSの判別に好適な数値を設定する。
本例では、ノイズ判定基準THNSの値は「5」である。
この半径rは、荷物保管場所に依存するパラメータであるため、荷物保管場所の現場に応じて好適に設定する。
なお、ノイズ判定範囲RNNSの形状は、任意でよく、楕円形状や多角形状でもよい。
そして、同サーバ4は、ノイズ判定範囲RNNSに含まれるこれらの画素における点群(ノイズ成分NSとして判定された点群)を除去する(図25のステップS43)。
このようにすることで、ノイズ成分NSが除去されたよりクリアな点群データPD(図24(b)参照)を得ることができるため、点群データPDから生成される荷物立体画像P3Dの形状を、実際の荷物CRの正確な形状により近づけることができる。
2 カメラ
3 通過検知センサ
4 情報管理サーバ
5 コントローラ
6 中継サーバ
100 自動採寸システム
200 インターネット
300 有線LAN
400 無線LAN
CR 荷物
VH 搬送車両
PCV 荷物車両画像
PD 点群データ
P3D 荷物立体画像
CD 2次元コード
PCD コード画像
Claims (5)
- 搬送車両その他の搬送手段により搬送される荷物のサイズを自動的に採寸できる自動採寸システムであって、
荷物保管場所の矩形状の出入口に設けられたセンサであって、前記搬送手段が出入口を通過することを検知する通過検知センサと、
前記矩形状の出入口の4つのコーナーに各1台ずつ設けられた任意の被写体を撮影するToF(Time of Flight)カメラであって、前記通過検知センサが搬送手段による出入口の通過を検知したときに前記荷物に赤外光を照射するとともに当該荷物から反射された赤外光を受光する4台のToF(Time of Flight)カメラと、
任意の被写体を撮影可能なカメラであって、前記出入口の左右いずれかの側面部に設けられたカメラと、
前記ToFカメラが撮影した画像と前記カメラが撮影した画像を管理する情報管理サーバと、
を具備してなり、
前記4台のToF(Time of Flight)カメラは、各々、
前記通過検知センサが搬送手段の出入口通過を検知したときに、この搬送手段と同搬送手段が搬送中の荷物がともに写り込んだ荷物車両画像を撮影する撮影手段と、
同通過検知センサが搬送手段の出入口通過を検知したときに荷物に対して赤外光を放出してから同荷物により反射された赤外光を受光するまでの受光所要時間に基づき、荷物車両画像の各画素中に写り込んだ被写体部分と同ToFカメラの間の深度距離を求める距離算出手段と、
前記距離算出手段が求めた深度距離に応じて定まる荷物車両画像内の深度座標と、各深度距離に応じた区分を示す所定色とからなる荷物車両画像の各画素のデータ集合を生成し、当該生成したデータ集合に基づいて、各画素における深度距離に応じた所定色を荷物車両画像の画素ごとに着色することで点群データを生成する点群データ生成手段と、
前記点群データを情報管理サーバに送信する点群データ送信手段と、
を有し、
前記カメラは、
前記通過検知センサが搬送手段の出入口通過を検知したときに、この搬送手段と同搬送手段が搬送中の荷物と同荷物に貼付された2次元コードとが写り込んだコード画像を撮影するコード撮影手段と、
前記コード画像を情報管理サーバに送信するコード画像送信手段と、
を有し、
前記情報管理サーバは、
出入口の各コーナーから各ToFカメラが撮影した同じ被写体の4枚の荷物車両画像からそれぞれ生成された4枚の点群データにおいて、当該点群データに写り込んだ荷物の幅と高さと奥行を採寸し、
前記4枚の点群データを合成することで、当該点群データに写り込んでいる荷物の3次元的な立体形状を示す1枚の荷物立体画像を生成し、
前記荷物立体画像が示す荷物に、前記採寸した幅と高さと奥行を対応付けて記憶する採寸処理と、
前記コード画像に写り込んでいる個々の荷物に添付された2次元コードを認識して、当該2次元コードが示す荷物情報を読取り、
前記認識した2次元コードに基づいて、前記コード画像に写り込んでいる個々の荷物を認識し、
前記コード画像のなかに上下に積上げられた複数の荷物が写り込んでいるか否かを、各荷物にそれぞれ貼付されている2次元コードに基づいて判別するコード読取処理と、
前記コード画像のなかに上下に積上げられた複数の荷物が写り込んでいると判別したときに、
当該コード画像に写り込んだ2次元コードの位置に対応する、前記荷物立体画像におけるコード相対位置を特定し、
前記コード相対位置が特定された荷物立体画像に対して、当該コード相対位置に写り込んだ2次元コードと同2次元コードが示す荷物情報を対応付けて記憶する
ように構成されたことを特徴とする、自動採寸システム。
- 請求項1に記載の自動採寸システムであって、
前記ToF(Time of Flight)カメラは、
採寸対象となる荷物が赤外光を吸収する低反射物である場合でも、撮影した荷物車両画像から点群データを生成できる
ように構成されたことを特徴とする、自動採寸システム。
- 請求項1又は2に記載の自動採寸システムであって、
前記搬送手段がフォークリフトである場合、
情報管理サーバは、
前記点群データにおいて荷物とフォークリフト爪部分が一体化しているデータ部分を、長尺状をなす前記フォークリフト爪部分の軸方向沿いに所定間隔ごとに切断位置において切断面により切断する処理と、
前記切断位置それぞれにおいて切断面により切取られる断面積を算出する処理と、
連続的に前後する2つの切断位置において各切断面により切取られた断面積同士を順次比較して、切断面積比を算出する処理と、
切断面による切断を開始した先頭の切断位置からスタートして、先に求めた切断面積比を所定の荷物検出閾値と比較する処理と、
切断面積比と荷物検出閾値の大小関係に基づきフォークリフト爪部分が荷物と接する接触位置を判定する処理であって、ある切断位置における切断面積比が荷物検出閾値を超過したときに、当該切断位置がフォークリフト爪部分および荷物の接触位置であると判定する処理と、
先頭の切断位置から接触位置までの各切断面によって切取られたフォークリフトの爪部分が写り込んだ爪画像領域を、点群データから除去する処理と、
を実行する
ように構成されたことを特徴とする、自動採寸システム。
- 請求項1又は2に記載の自動採寸システムであって、
情報管理サーバは、
前記荷物の高さ方向から見たときの、前記点群データに写り込んだ荷物画像領域の水平面投影図を生成する処理と、
荷物の高さ方向の軸を回転中心として水平面投影図を水平面上で所定単位角度ずつ回転させることで、水平面写像図を生成する処理と、
水平面投影図の各端点の水平面座標の最大値・最小値を基に、当該水平面投影図に外接する外接矩形の面積を求める処理と、
水平面写像図の各端点の水平面座標の最大値・最小値を基に、当該水平面写像図に外接する外接矩形の面積を求める処理と、
前記外接矩形の面積が最小のときの回転角度において、水平面写像図の各辺の向きがToFカメラの水平面座標軸に対して揃った平行状態であると判定する処理と、
を実行する
ように構成されたことを特徴とする、自動採寸システム。
- 請求項1又は2に記載の自動採寸システムであって、
情報管理サーバは、
前記点群データに含まれるすべての画素それぞれについて、当該画素を中心とする所定のノイズ判定範囲に存在する点群の個数を算出する処理と、
前記ノイズ判定範囲に存在する点群の個数が所定のノイズ判定基準よりも小さい場合、当該ノイズ判定範囲内にある点群がノイズ成分であると判定する処理と、
前記ノイズ成分として判定された点群を除去する処理と、
を実行する
ように構成されたことを特徴とする、自動採寸システム。
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