JP7287763B2 - 動力伝達制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪と、駆動源からの動力を車輪に伝達するドライブシャフトと、車輪のブレーキ機構とを有する車両における動力伝達制御装置に関するものであり、特には、車輪への動力伝達の断続を制御するための技術分野に関する。
例えば、下記特許文献1に開示されるように4WD車(四輪駆動車)では燃費(燃料消費率)の向上を図るため、4WD→2WD(二輪駆動)の切り替えが可能とされたものがある。例えば、このような4WD→2WDの切り替えとしては、前後左右の全輪を駆動する全輪駆動状態→前輪のみを駆動する前輪駆動状態に切り替えを行うものがある。
4WD→前輪駆動状態に切り替えを行うにあたっては、後輪側に動力伝達を行うためのプロペラシャフトと駆動源との間の動力伝達を断絶状態とする。
但し、このように駆動源とプロペラシャフトとの間の動力伝達を断絶状態としたのみでは、後輪の回転に伴って後輪側のドライブシャフトやリアデファレンシャルユニット(以下「リアデフユニット」と略称する)内の歯車機構、及びプロペラシャフトが回転されることになる。これらの回転は、オイル攪拌抵抗等を伴うものとなるため、後輪が回転する上での抵抗成分として作用してしまう。つまり、該抵抗成分が前輪駆動状態での車両走行抵抗を上昇させるものとなり、燃費悪化の一因として作用してしまう。
そこで、下記特許文献1に開示されるように、2WD走行時には、駆動源とプロペラシャフトとの間の動力伝達を断絶状態とするのみではなく、例えばリアデフユニット内に設けた左右二つのクラッチによって各後輪との間の動力伝達を断絶状態とすることで、リアデフユニット内の歯車機構やプロペラシャフトの回転を止めて、上記のような後輪の走行抵抗の低減を図り、燃費のさらなる向上を図ることができる。
特開2016-30477号公報
しかしながら、上記のようにリアデフユニット内にクラッチを設けた構成では、該クラッチを非締結状態としても、後輪と連結された各ドライブシャフトが後輪の回転に伴い回転されてしまう。この場合のリアデフユニット内では、クラッチにおける一対の締結部材(摩擦板)のうちドライブシャフトと連結された側の締結部材が後輪の回転に伴い回転されることになる。このため、この場合の後輪には、該締結部材の回転に伴うリアデフユニットケース内でのオイル攪拌抵抗が回転の抵抗成分として作用すると共に、ドライブシャフトの回転抵抗も回転の抵抗成分として作用することになる。
すなわち、これらの抵抗成分が依然として2WD走行時の車両の走行抵抗として作用するものであり、燃費改善余地がある。
また、上記のようにリアデフユニット内にクラッチを設けた構成では、リアデフユニット内に左右二つのクラッチを配置するためのスペースを確保する必要があり、リアデフユニットの左右方向のサイズ拡大化を招くことになる。
リアデフユニットの左右方向サイズが拡大してしまうと、車幅を一定幅に抑えるとの前提の下では、ドライブシャフトの長さを短くせざるを得ない。しかしながら、ドライブシャフトが短くされると、該ドライブシャフトと連結された車輪の可動範囲(主として上下方向の可動範囲)も縮小化される傾向となるため、例えば車輪の路面凹凸への追従性能等を考慮したサスペンション機構等の足回りの設計を行う場合において、設計自由度の低下を招来する虞がある。
本発明は上記事情に鑑み為されたものであり、例えば燃費向上等による車両の走行可能距離の延長化、及び車両の足回り設計の自由度向上を部品点数の削減やコスト削減を図りつつ実現することを目的とする。
本発明に係る動力伝達制御装置は、車輪と、駆動源からデファレンシャル機構を介して入力された動力を前記車輪に伝達するドライブシャフトと、前記車輪のブレーキ機構とを有する車両における動力伝達制御装置であって、前記ドライブシャフトから前記車輪への動力伝達を断続自在とされた断続機構と、前記ブレーキ機構を作動させるブレーキ圧を動力源として、前記断続機構による前記動力伝達の断続を切り替える断続切替機構と、を備えるものである。
断続機構をドライブシャフトよりも出力側(車輪側)に配置したことで、断続機構のディスコネクト時(動力伝達断絶時)にドライブシャフトが車輪回転に応じて回転されなくなる。また、断続機構をドライブシャフトよりも出力側に配置したことで、デフユニット内に断続機構を設ける従来例と比較してデフユニットが小型化される。
さらに、車輪に対する動力断続切替にブレーキ圧を用いることで、断続機構と断続切替機構をより車輪に近い位置に配置し易くなる。また、車輪に対する動力断続切替にブレーキ圧を用いることで、断続切替にあたり新たな圧の供給源を追加することが不要となる。
上記した本発明に係る動力伝達制御装置においては、前記断続切替機構は、前記ブレーキ圧が相対的に高圧となったときに前記断続機構の状態を前記動力伝達が行われる状態に切り替え、前記ブレーキ圧が相対的に低圧となったときに前記断続機構の状態を前記動力伝達が断たれる状態に切り替える構成とすることが可能である。
ブレーキ圧が高圧となることに応じて断続機構が車輪への動力伝達を行う状態とされる、すなわち断続機構が締結状態とされるので、締結力を確保し易い。
上記した本発明に係る動力伝達制御装置においては、前記断続切替機構は、前記ブレーキ圧が相対的に低圧となったときに前記断続機構の状態を前記動力伝達が行われる状態に切り替え、前記ブレーキ圧が相対的に高圧となったときに前記断続機構の状態を前記動力伝達が断たれる状態に切り替える構成とすることが可能である。
これにより、断続機構を動力伝達状態とさせるにあたり断続切替機構にブレーキ圧を与えることを不要にすることが可能とされる。このため、車両のエンジンが停止している状態等、車両が非起動の状態であっても、断続機構を動力伝達状態のまま維持させることが可能とされる。
上記した本発明に係る動力伝達制御装置においては、前記断続機構が乾式クラッチで構成された構成とすることが可能である。
これにより、断続機構のサイズを(湿式クラッチとする場合と比較して)小型化することが可能とされる。
上記した本発明に係る動力伝達制御装置においては、前記車両は、左右一対の前記ドライブシャフトでなるドライブシャフト対を前後方向に少なくとも二つ有しており、前記断続機構が前記ドライブシャフトごとに設けられた構成とすることが可能である。
これにより、前後左右に離隔配置された車輪ごとに独立して動力伝達の断続を制御することが可能とされる。
本発明によれば、例えば燃費向上等による車両の走行可能距離の延長化、及び車両の足回り設計の自由度向上を部品点数の削減やコスト削減を図りつつ実現することができる。
本発明に係る実施形態としての動力伝達制御装置を備えた車両が有する車輪の駆動系の構成概要を例示した図である。 従来のリアデファレンシャルユニットについての説明図である。 実施形態としての動力伝達制御装置が備える断続機構についての説明図である。 実施形態としての動力伝達制御装置の概略構成例を示した図である。 実施形態におけるブレーキ連動切替処理を示したフローチャートである。 実施形態における要求トルク連動切替処理を示したフローチャートである。 実施形態における一定走行連動切替処理を示したフローチャートである。 変形例としての動力伝達制御装置の概略構成例を示した図である。 変形例におけるブレーキ連動切替処理を示したフローチャートである。 変形例における要求トルク連動切替処理を示したフローチャートである。 変形例における一定走行連動切替処理を示したフローチャートである。
<1.実施形態としての動力伝達制御装置の構成>
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態としての動力伝達制御装置について説明する。
図1は、実施形態としての動力伝達制御装置を備えた車両100が有する車輪の駆動系の構成概要を例示した図である。
本例の車両100は、車輪として左右一対の主駆動輪としての前輪50L、前輪50Rと、左右一対の補助駆動輪としての後輪50L、後輪50Rとを備えた四輪駆動車として構成され、また、車輪の駆動源としてエンジン101を備えた車両とされている。
なお、本実施形態において、符号における「L」「R」は車両の前進時の進行方向に対する左側、右側をそれぞれ意味している。
車両100は、エンジン101の駆動力を前輪50L、50R及び後輪51L、51Rに伝達可能な駆動力伝達系として、トランスミッション102、フロントデファレンシャル機構103、ドライブシャフト104L、104R、駆動力断続部105、プロペラシャフト106、リアデファレンシャルユニット107、ドライブシャフト108L、108R、及びクラッチ機構30L、30Rを備えている。
この駆動力伝達系は、エンジン101の駆動力を前輪50L、50R及び後輪51L、51Rに伝達する四輪駆動状態(以下「4WD状態」と表記することもある)と、エンジン101の駆動力を前輪50L、50Rのみに伝達する二輪駆動状態(以下「2WD状態」と表記することもある)とを切り替え可能に構成されている。
エンジン101の駆動力は、トランスミッション102を介してフロントデファレンシャル機構103に伝達される。このフロントデファレンシャル機構103は、サイドギヤ103L,103R、ピニオンギヤ103a、ピニオンシャフト103b、及びフロントデフケース103cを有し、トランスミッション102と駆動力断続部105との間に配置されている。サイドギヤ103Lは、前輪側のドライブシャフト104Lに連結され、サイドギヤ103Rは前輪側のドライブシャフト104Rに連結されている。
フロントデファレンシャル機構103において、フロントデフケース103cは、トランスミッション102の出力軸の回転に伴い回転される。ピニオンシャフト103bはフロントデフケース103cと一体回転し、ピニオンシャフト103bの回転に伴いピニオンギヤ103aが回転し、ピニオンギヤ103aとそれぞれ噛合するサイドギヤ103L、103Rに回転が伝達される。これにより、エンジン101の駆動力がトランスミッション102、及びフロントデファレンシャル機構103を介してそれぞれドライブシャフト104L、104Rに伝達され、これらドライブシャフト104L、104Rに連結された前輪50L、50Rがそれぞれ駆動される。
駆動力断続部105は、フロントデフケース103cと一体回転する第一スプライン歯部105aと、リングギヤ105eと一体回転する第二スプライン歯部105bと、第一スプライン歯部105a及び第二スプライン歯部105bそれぞれにスプライン嵌合可能なスリーブ105cと、リングギヤ105eと噛合しプロペラシャフト106と一体回転するドライブピニオン105fとを有している。リングギヤ105eとドライブピニオン105fは、前輪側の歯車機構105dを構成している。
スリーブ105cは、車両100が有するトランスミッション制御部11(後述する)としてのECU(Electronic Control Unit)により制御される不図示のアクチュエータによって、第一スプライン歯部105a及び第二スプライン歯部105bの軸方向に進退移動可能とされている。すなわち、駆動力断続部105は、第一スプライン歯部105aと第二スプライン歯部105bとがスリーブ105cによって相対回転不能に連結されることによりエンジン101からプロペラシャフト106への駆動力の伝達を可能にするドグクラッチ(噛み合いクラッチ)を有して構成されている。
リアデファレンシャルユニット107は、プロペラシャフト106と一体回転するピニオンギヤ107aと、ピニオンギヤ107aと噛合するリングギヤ107bと、リングギヤ107bと一体回転するリアデフシャフト107cと、リアデフケース107dとを有している。
プロペラシャフト106は車両100の略前後方向に回転軸を有するのに対し、リアデフシャフト107cは車両の略左右方向に回転軸を有する。リアデフケース107dは、ピニオンギヤ107a及びリングギヤ107bを内側に収容すると共に、プロペラシャフト106の後端部、及びリアデフシャフト107cの左右両端部を軸支している。
リアデファレンシャルユニット107においては、プロペラシャフト106の回転力がピニオンギヤ107a及びリングギヤ107bを介してリアデフシャフト107cに伝達され、リアデフシャフト107cが回転される。
ドライブシャフト108Lは、右側端がリアデフシャフト107cの左側端と連結され、ドライブシャフト108Rは左側端がリアデフシャフト107cの右側端と連結され、それぞれリアデフシャフト107cの回転力を受けて回転する。
クラッチ機構30Lは、ドライブシャフト108Lと後輪51Lとの間に介挿され、クラッチ機構30Rはドライブシャフト108Rと後輪51Rとの間に介挿されている。
なお、クラッチ機構30L、30Rについては改めて説明する。
上記のように構成された車両100の駆動力伝達系においては、4WD走行を行うべき場合には、トランスミッション制御部11の制御によって駆動力断続部105におけるスリーブ105cが第一スプライン歯部105aと第二スプライン歯部105bとを相対回転不能に連結させる位置に駆動される。これにより、エンジン101からプロペラシャフト106への駆動力の伝達が可能な状態が実現される。また、後述するように、4WD走行を行うべき場合には、後輪51側に設けられたクラッチ機構30L、30Rが締結状態となるように制御が行われる。すなわち、エンジン101からプロペラシャフト106を介して伝達される駆動力をリアデファレンシャルユニット107、左右のドライブシャフト108L、108Rを介して後輪50L、50Rにそれぞれ伝達可能な状態となる。
この結果、主駆動輪としての前輪50L、50Rと共に、後輪50L、50Rがエンジン101の駆動力により回転駆動される4WD状態が実現される。
一方、2WD走行を行うべき場合には、トランスミッション制御部11の制御によってスリーブ105cが第一スプライン歯部105aと第二スプライン歯部105bとを相対回転可能にさせる位置に駆動され、これにより、エンジン101からプロペラシャフト106への駆動力の伝達が不能な状態とされる。さらに、2WD走行を行うべき場合には、後述するようにクラッチ機構30L、30Rが非締結状態となるように制御が行われ、エンジン101からプロペラシャフト106を介して伝達される駆動力が後輪50L、50Rに伝達不能な状態とされる。
従って、主駆動輪としての前輪50L、50Rのみがエンジン101の駆動力により回転駆動される2WD状態が実現される。
ここで、上記のように2WD時には、エンジン101からプロペラシャフト106への駆動力の伝達が駆動力断続部105によって遮断され、且つ後輪51L、51Rからプロペラシャフト106への回転力の伝達がクラッチ機構30L、30Rによってそれぞれ遮断される。これにより、車両100が走行中であってもプロペラシャフト106の回転が停止する。従って、駆動力断続部105における歯車機構105dや、リアデファレンシャルユニット107におけるピニオンギヤ107a及びリングギヤ107bの回転も停止され、これら各部における潤滑油の撹拌抵抗等が低減される。
また、本実施形態では、クラッチ機構30L、30Rは、それぞれドライブシャフト108Lと後輪51Lとの間、ドライブシャフト108Rと後輪51Rとの間に配置している。
これにより、2WD走行時、すなわちクラッチ機構30L、30Rのディスコネクト状態での走行時において、ドライブシャフト108L、108Rが後輪51L、51Rの回転に応じて回転されなくなり、フリクションロスの低減が図られ、燃費の向上が図られる。
また、クラッチ機構30をドライブシャフト108と後輪51との間に設けたことで、リアデファレンシャルユニット107内にクラッチ機構30を設ける従来例と比較して、リアデファレンシャルユニット107を小型化できる。
従来においては、先に挙げた特許文献1に開示されるように、2WD/4WD切り替えに用いられるクラッチ機構30は、リアデファレンシャルユニット107内に設けられていた。
図2は、クラッチ機構30L、30Rを設けたリアデファレンシャルユニット107’の例を示している。この図2から明らかなように、リアデファレンシャルユニット107’内にクラッチ機構30L、30Rが設けられた場合、リアデファレンシャルユニット107’の大型化を招く(左右方向のサイズ拡大)。
また、リアデファレンシャルユニット107’が大型化すると、車両100の幅を一定幅に抑えるとの前提の下では、ドライブシャフト108L、108Rの長さを短くせざるを得ない。ドライブシャフト108L、108Rが短くされると、後輪51L、51Rの可動範囲(主として上下方向の可動範囲)も縮小化される傾向となるため、足回り設計の自由度低下を招来する虞がある。
本実施形態によれば、リアデファレンシャルユニット107の小型化を図ることができ、車幅を拡大しなくてもドライブシャフト108L、108Rを長くすることが可能となって後輪51L、51Rの可動範囲を拡げることができ、車両100の足回り設計の自由度向上を図ることができる。
なお、上記ではトランスミッション102がエンジン101の側方に配置された所謂横置き型のトランスミッションレイアウトが採用された場合を例示したが、トランスミッション102がエンジン101の後方に配置される所謂縦置き型のトランスミッションレイアウトを採用することもできる。その場合、フロントデファレンシャル機構103は、例えば前輪用のプロペラシャフトを介してトランスミッション102の出力軸と連結される。
図3は、クラッチ機構30L、30Rについての説明図である。
なお、図3では代表してクラッチ機構30Rの構造を示すものとし、クラッチ機構30Lの構造についてはクラッチ機構30Rと同様となることから図示による説明は省略する。
図3では後輪51Rの近傍の構造について、クラッチ機構30Rに係る要部の構造のみを抽出して示しており、ドライブシャフト108Rの右側端部108Raから先の(右側の)各部については、後輪51Rの回転軸を通る位置で縦方向に切断した際の断面構造を模式的に表している。なお、後輪51Rについては、タイヤ部分を除いたホイール51Rwの部分のみを抽出して示している。
クラッチ機構30Rは、プレッシャープレート31とクラッチプレート32とを有し、プレッシャープレート31がクラッチプレート32と摩擦係合することで動力伝達が行われる摩擦式のクラッチとして構成されている。プレッシャープレート31は、ドライブシャフト108Rの右側端部108Raに対してスプライン勘合され、該右側端部108Raの回転軸方向に変位自在とされている。
なお、プレッシャープレート31は、後述するレバー34により上記の回転軸方向に駆動される。
本例におけるクラッチ機構30Rは、潤滑油により潤滑されない乾式のクラッチ機構とされている。
本例において、クラッチ機構30Rにおけるプレッシャープレート31とクラッチプレート32は、ハブナックル40の内部に収容されている。ハブナックル40は、不図示のサスペンション機構等を介して車両100の車体フレーム側より支持されている部材である。図示は省略しているが、ハブナックル40には、後輪51Rのブレーキ機構を構成するブレーキキャリパが取り付けられる。
ハブナックル40は、ドライブシャフト108Rの右側端部108Raを軸支すると共に、図示のようにブレーキロータ41が取り付けられたハブ33を軸支している。ハブ33は、左側端部がクラッチプレート32と接続され、クラッチプレート32と一体回転される。
ブレーキロータ41の回転中心部は右方向に突出され、該突出された部分の先端面がホイール51Rwの取付面とされている。ホイール51Rwは、回転中心付近に設けられた取付面とブレーキロータ41における上記取付面とが接した状態で例えばボルト等の締結部材によりブレーキロータ41に対して取り付けられる。
上記のようなクラッチ機構30R(及びクラッチ機構30L)を設けたことで、駆動輪を前輪50R、50Lのみとする2WD走行時には、クラッチ機構30R(及びクラッチ機構30L)を非締結状態とすることにより、後輪51R(51L)とドライブシャフト108R(108L)との間の動力伝達が断絶される。
これにより、ドライブシャフト108R(108L)の回転抵抗が後輪51R(51L)を通じて車両100の走行抵抗として作用してしまうことの防止が図られ、車両100の燃費(燃料消費率)の向上、ひいては車両100の走行可能距離の延長化を図ることができる。
ここで、本実施形態では、上記のようなクラッチ機構30L、30Rの締結/非締結の切り替えは、車輪のブレーキ機構を作動させるためのブレーキ圧に基づいて行われる。
図4は、車輪のブレーキ機構を制御するためのブレーキ制御系の構成を含めた、実施形態としての動力伝達制御装置1の概略構成例を示している。
図示のように動力伝達制御装置1は、それぞれがECUとして構成された断続制御部10、トランスミッション制御部11、及びブレーキ制御部12と、バス13とを備えると共に、ブレーキ制御系に挿入された制御弁22と、第二供給路R4と、液圧室23と、ピストン24と、レバー34とを備えている。
なお、既に説明したクラッチ機構30R(及び30L)も、動力伝達制御装置1を構成する要素のうちの一つである。
先ず、ブレーキ制御系の構成について説明する。
本例のブレーキ制御系は、車輪のブレーキ機構(本例ではブレーキキャリパ)に作用させるブレーキ圧としてブレーキ液による液圧を発生させる構成が採られる。具体的に、該ブレーキ制御系は、車両100に設けられたブレーキペダルBPに加わる踏力に応じたブレーキ液圧を発生する液圧源であるマスタシリンダ20と、マスタシリンダ20で発生したブレーキ液圧が入力される入力路R1と、入力路R1を介したブレーキ液圧が入力される液圧調整部21と、液圧調整部21より出力されるブレーキ液圧が入力される出力路R2と、出力路R2を介して入力されるブレーキ液圧をブレーキキャリパのシリンダに供給する第一供給路R3とを有している。
なお、第一供給路R3は車輪ごと(ブレーキキャリパごと)に設けられるが、ここでは代表して後輪51Rに対して設けられたブレーキキャリパにブレーキ液圧を供給する第一供給路R3のみを示している。
液圧調整部21は、ブレーキ制御部12により制御される各種の電磁弁やブレーキ液圧を加圧するためのポンプ(本例では電動ポンプ)、及びブレーキ液圧を逃がすために用いられるブレーキ液のリザーバ等を有して構成され、ブレーキ制御部12の制御に基づき、ブレーキ液圧を調整可能とされる。
ブレーキ制御部12は、液圧調整部21に対する制御により、ABS(Antilock Brake System)制御を実現する。具体的に、ブレーキ制御部12は、液圧調整部21における所定の電磁弁の開閉制御を行うことで、ブレーキ液圧を上述したリザーバに逃がす状態/逃がさない状態を比較的高速に切り替えることを繰り返す。これにより、ブレーキキャリパのシリンダ内においてブレーキ液圧が高まった状態/低下した状態が比較的高速に繰り返され、車輪のロックを防止するABS制御としてのブレーキ制御が実現される。
また、ブレーキ制御部12は、液圧調整部21における上述したポンプを作動させてブレーキ液圧を発生させることができる。このとき、ポンプを駆動するモータの回転数を制御することで、発生するブレーキ液圧を調整することが可能とされている。
このように液圧調整部21がポンプによりブレーキ液圧を発生可能とされていることで、ブレーキペダルBPの操作に依らずブレーキ液圧を発生させて、前輪50L、50R、及び後輪51L、51Rに制動力を発生することが可能とされている。
断続制御部10は、バス13を介してトランスミッション制御部11及びブレーキ制御部12との間で相互にデータ通信を行うことが可能とされている。
断続制御部10は、少なくとも制御弁22の制御を行って、クラッチ機構30Rの締結/非締結の切り替え、つまりはドライブシャフト108Rとハブ33との間の動力伝達の断続切り替えを実現させる。
図示のように、制御弁22は、出力路R2と第一供給弁R3との間に挿入されている。制御弁22は、例えばスプール式の電磁弁(例えばソレノイドバルブ)として構成され、入力ポート22a、第一出力ポート22b、及び第二出力ポート22cを有している。入力ポート22aは出力路R2と接続され、第一出力ポート22bは第一供給路R3と接続されている。そして、第二出力ポート22cが、クラッチ機構30Rを駆動するための第二供給路R4と接続されている。
図示のように、第二供給路R4は、制御弁22の第二出力ポート22cとの接続端とは逆側の端部が、ピストン24にブレーキ液圧を印加するための液圧室23と連通されている。
レバー34は、回動軸34aを中心に回動自在に設けられており、一端部にピストン24の先端部が当接され、他端部がクラッチ機構30Rにおけるプレッシャープレート31の背面(クラッチプレート32との摩擦係合面とは逆側に位置する面)に当接している。本例では、液圧室23においてブレーキ液圧が高まると、ピストン24は左方向に押圧され、先端部がレバー34の一端部を押圧する。これにより、レバー34が紙面の反時計回り方向に回動され、レバー34の他端部がプレッシャープレート31をクラッチプレート32に近づく方向に押圧する。この結果、プレッシャープレート31がクラッチプレート32と摩擦係合する状態、すなわちクラッチ機構30Rの締結状態が得られる。
一方、液圧室23においてブレーキ液圧が低下すると、ピストン24に対する押圧力が低下し、レバー34の押圧力も低下する。このため、レバー34によるプレッシャープレート31の押圧力も低下し、プレッシャープレート31とクラッチプレート32との摩擦係合状態が解除される。すなわち、クラッチ機構30Rが非締結状態となる。
なお本例において、プレッシャープレート31は、不図示の付勢部材によってクラッチプレート32から離間する方向に付勢されている。クラッチプレート32との摩擦係合時には、上記したレバー34による押圧力により、該付勢部材の付勢力に抗してプレッシャープレート31がクラッチプレート32に近づく方向に駆動される。
なお、図4ではクラッチ機構30としてクラッチ機構30Rのみを代表して示したことに対応して、ブレーキ圧を用いてクラッチ機構30(プレッシャープレート31)を駆動するための構成(制御弁22、第二供給路R4、液圧室23、ピストン24、及びレバー34)についてもクラッチ機構30Rに対応した構成のみを示したが、同様の構成はクラッチ機構30L側にも設けられる。具体的には、クラッチ機構30Lに対応した制御弁22、第二供給路R4、液圧室23、ピストン24、及びレバー34が設けられるものである。
ここで、制御弁22は、入力ポート22aと第一出力ポート22bとの間、及び入力ポート22aと第二出力ポート22cとの間の連通/非連通をそれぞれ切り替え可能に構成されている。具体的に、制御弁22は、入力ポート22aと第一出力ポート22bとの間、及び入力ポート22aと第二出力ポート22cとの間の連通/非連通の状態として、以下の第一状態~第三状態の切り替えを行うことが可能とされている。
「第一状態」
入力ポート22aと第一出力ポート22bとの間、及び入力ポート22aと第二出力ポート22cとの間の双方が連通した状態。つまり、出力路R2に対し第一供給路R3と第二供給路R4の双方を連通させる状態。
「第二状態」
入力ポート22aと第一出力ポート22bとの間が連通、入力ポート22aと第二出力ポート22cとの間は非連通である状態。つまり、出力路R2に対し第一供給路R3のみを連通させる状態。なお、第二状態において、第一出力ポート22bと第二出力ポート22cとの間は非連通である。
「第三状態」
入力ポート22aと第一出力ポート22bとの間は非連通、入力ポート22aと第二出力ポート22cとの間が連通した状態。つまり、出力路R2に対し第二供給路R4のみを連通させる状態。なお、第三状態において、第一出力ポート22bと第二出力ポート22cとの間は非連通である。
本実施形態の断続制御部10は、制御弁22(クラッチ機構30Lに対応した制御弁22も含む)におけるアクチュエータを制御することで、上記のような第一状態~第三状態のうち任意の状態に切り替えを行うことが可能とされている。
ここで、本実施形態の断続制御部10は、車両100の走行状態に応じてクラッチ機構30L、30Rにおける動力伝達の断続制御を行う。
具体的に、断続制御部10は、2WD走行時において、ブレーキがONとされて(ブレーキペダルBPが踏まれて)車両100が減速状態にある場合には、クラッチ機構30L、30Rを締結状態とさせるための制御を行う。これは、減速の際にエンジンブレーキを作用させる車輪を増加させることを意図した制御である。
以下、このような制御を「ブレーキ連動切替制御」と表記する。
また、断続制御部10は、2WD走行時において、運転者が車両100を比較的大きく加速させることを望んでいる場合、すなわち、要求トルクが比較的大きな場合には、クラッチ機構30L、30Rを締結状態とさせるための制御を行う。これは、駆動輪の数を増やすことでより大きな加速力を得ると共に、車輪の空転防止等、加速時における車両100の挙動安定化を図ることを意図したものである。
以下、このような制御を「要求トルク連動切替制御」と表記する。
さらに、断続制御部10は、4WD走行時において、車両100が一定の速度範囲で巡航している(例えば一定の速度範囲での走行状態が所定時間以上継続した)一定走行状態にあるとされた場合には、燃費を考慮した制御として、クラッチ機構30L、30Rを非締結状態とさせるための制御を行う。
以下、このような制御を「一定走行連動切替制御」と表記する。
ここで、本例の車両100では、上記のようなブレーキ連動切替制御や要求トルク連動切替制御によりクラッチ機構30L、30Rが締結状態とされる際には、トランスミッション制御部11が2WD→4WD切替のための制御を行う。すなわち、駆動力断続部105におけるスリーブ105cを駆動させて、エンジン101からプロペラシャフト106への動力伝達が可能な状態に遷移させる制御である。
また、本例の車両100では、上記した一定走行連動切替制御によりクラッチ機構30L、30Rが非締結状態とされる際には、トランスミッション制御部11が4WD→2WD切替のための制御を行う(すなわち、スリーブ105cを駆動させてエンジン101からプロペラシャフト106への動力伝達が不能な状態に遷移させる)。
<2.断続制御処理の例>
図5乃至図7のフローチャートを参照して、断続制御部10が上記したブレーキ連動切替制御、要求トルク連動切替制御、一定走行連動切替制御を実現するために実行すべき処理について説明する。
図5は、ブレーキ連動切替制御を実現するためのブレーキ連動切替処理を示したフローチャートである。なお、図5に示す処理は、車両100が2WD走行中であることを条件に開始されるものである。
先ず、断続制御部10はブレーキがONとなるまで待機する(ステップS101)。なお、ブレーキがONであるか否かは、ブレーキペダルBPの操作有無に応じてON/OFFされるブレーキスイッチ(不図示)の検出信号に基づき判定することができる。
ブレーキがONとなった場合、断続制御部10は制御弁22を上述した第一状態とさせる制御を行う(ステップS102)。すなわち、入力ポート22aと第一出力ポート22bとの間、及び入力ポート22aと第二出力ポート22cとの間の双方が連通した状態となるように制御弁22を制御する。
これにより、液圧調整部21の出力路R2に対し第一供給路R3と第二供給路R4の双方が連通状態となり、ブレーキONに応じて生じたブレーキ液圧がブレーキキャリパと液圧室23の双方に供給される。すなわち、前輪50L、50R及び後輪51L、51Rの各車輪にブレーキによる制動力が作用しつつ、クラッチ機構30L、30Rが締結状態とされることで後輪51L、51Rにもエンジンブレーキが作用する状態が得られる。
上記のように制御弁22を第一状態に制御したことに応じ、断続制御部10はブレーキがOFFとなるまで待機する(ステップS103)。ブレーキがOFFとなった場合、断続制御部10はステップS101に戻る。
ブレーキがOFFとなる、すなわちブレーキペダルBPの踏力がなくなれば、液圧室23の圧が抜け、クラッチ機構30L、30Rは非締結状態に切り替わる。すなわち、4WD→2WD状態に切り替わることになる。
なお、ステップS103でブレーキOFFが確認されたことに応じては、制御弁22を第二状態(出力路R2に対し第一供給路R3のみを連通させる状態)に移行させてもよい。
なお、上記では、ブレーキペダルBPの踏力のみを用いてクラッチ機構30L、30Rを締結させる例としたが、液圧調整部21によってブレーキ液圧を加圧させてもよい。その場合、断続制御部10は、ステップS102で制御弁22を第一状態とした上で、液圧調整部21における上述したポンプを駆動させてブレーキ液圧の加圧を実行させる。この際、加圧の指示は、ブレーキ制御部12に対して行う。
図6は、要求トルク連動切替制御を実現するための要求トルク連動切替処理を示したフローチャートである。
なお、図6に示す処理は、2WD走行時において要求トルク(エンジン101の要求トルク)の値が所定値以上となったことを条件に開始される。図6に示す処理を開始すべきか否かの判定は、断続制御部10自身が要求トルクの値を取得して判定してもよい。或いは、本実施形態では、要求トルク連動切替制御の際にはトランスミッション制御部11が駆動力断続部105を対象とした2WD→4WD切替制御を行うので、トランスミッション制御部11が上記の条件判定(2WD走行時に要求トルクの値が所定値以上となったか否かの判定)を行い、断続制御部10はトランスミッション制御部11が条件成立に応じて行う通知に基づき図6に示す処理を開始することもできる。
先ず、断続制御部10は、制御弁22を第三状態とさせる制御を行う(ステップS201)。これにより、液圧室23と連通された第二供給路R4へのブレーキ液圧の供給が可能とされる一方、ブレーキキャリパのシリンダに連通された第一供給路R3へのブレーキ液圧の供給が不能な状態に切り替えられる。
次いで、断続制御部10はブレーキ圧のON指示をブレーキ制御部12に対して行う。このON指示に応じブレーキ制御部12は、液圧調整部21におけるポンプを駆動させてブレーキ液圧を発生させる。
このように発生したブレーキ液圧は出力路R2及び第二供給路R4を介して液圧室23に供給され、クラッチ機構30L、30Rが締結状態に切り替えられる。
上記のON指示を行ったことに応じ、断続制御部10はブレーキがONとなるか、或いは一定走行検出が確認されるまで待機する(ステップS203及びS204)。すなわち、ブレーキペダルBPが踏まれるか、上述した一定走行状態が検出されるかの何れかの状態が確認されるまで待機する。一定走行状態であるか否かは、例えば車速センサ(不図示)の検出信号に基づき、一定速度範囲での走行状態が所定時間以上継続したか否かにより判定する。なお、このような一定走行状態の判定についても、トランスミッション制御部11側で行うこともでき、その場合、断続制御部10はステップS204の判定処理として、トランスミッション制御部11が一定走行状態を検出したことに応じて行う通知の受信有無を判定する処理を行う。
ブレーキONが確認された場合、断続制御部10は、ブレーキ圧ON解除指示として、ブレーキ制御部12に対し液圧調整部21におけるポンプの駆動を停止させる指示を行い、図5に示すステップS102に進む。これにより、要求トルクが大きい場合に対応してクラッチ機構30L、30Rを締結状態に切り替えた後、ブレーキがONされたことに応じては、制御弁22が第一状態に切り替えられる。すなわち、ブレーキペダルBPの踏力によりブレーキキャリパ側への液圧供給、及び液圧室23側への液圧供給が行われる状態となり、クラッチ機構30L、30Rの締結状態が維持されたまま、ブレーキによる車輪の制動が行われる。
一方、ステップS204で一定走行検出(一定走行状態の検出)が確認された場合、断続制御部10はブレーキ圧ON解除指示を行った上で(ステップS206)、以下で説明する一定走行連動切替処理に移行する。
図7は、一定走行連動切替制御を実現するための一定走行連動切替処理を示したフローチャートである。
なお、図6に示す処理は、4WD走行時において一定走行状態が検出されたことに応じて開始される。上述のように、4WD走行時における一定走行状態の検出はトランスミッション制御部11側で行うこともでき、その場合、断続制御部10は、トランスミッション制御部11が一定走行状態を検出したことに応じて行う通知の受信に応じて図6に示す処理を開始する。
図7において、断続制御部10は、制御弁22を第三状態(出力路R2に対し第二供給路R4のみを連通させる状態)とさせる制御を行う(ステップS301)。一定走行状態ではブレーキはOFFであることから、第一供給路R3側(ブレーキキャリパ側)への液圧供給が可能な状態とする必要性はない。このため本例では、ステップS301で制御弁22を第三状態に制御している。
4WD走行中においては、ブレーキがON状態でなければ、先のステップS202の処理等により液圧調整部21による液圧発生状態が維持されている。一定走行状態では、ブレーキはOFF(ブレーキペダルBPの踏力がOFF)であり、また一定走行状態が検出されると液圧調整部21による液圧発生状態が解除される(ステップS206の処理等)。このため、上記のステップS301で出力路R2と第二供給路R4とが連通する状態とすることで、一定走行状態が検出された状態では、液圧室23の液圧が低下し、従って、クラッチ機構30L、30Rが非締結状態に切り替えられる。
断続制御部10は、上記のように制御弁22を第三状態とする制御を行ったことに応じ、ブレーキがONとなるか、或いは要求トルク大状態検出が確認されるまで待機する(ステップS302及びS303)。すなわち、ブレーキペダルBPが踏まれるか、要求トルクの値が所定値以上であることが検出されるかの何れかが確認されるまで待機する。なお、要求トルクの値が所定値以上であるとの条件を満足するか否かの判定はトランスミッション制御部11側で行うこともでき、その場合、断続制御部10はステップS303の判定処理として、トランスミッション制御部11が上記判定の結果、上記条件を満足する場合に行う通知の受信有無を判定する処理を行う。
ブレーキONが確認された場合、断続制御部10は図5におけるステップS102に進む。これにより、2WDでの一定走行状態においてブレーキがONされた場合には、以降、ブレーキがONしている間、4WD走行が行われる。
一方、ステップS303で要求トルク大状態(要求トルク≧所定値)の検出が確認された場合、断続制御部10は図6に示した要求トルク連動切替処理に移行する。すなわち、2WDでの一定走行状態において要求トルク大状態が検出された場合は、4WD走行に切り替えられる。
<3.変形例>
ここで、上記では、液圧室23におけるブレーキ圧が高まることに応じてクラッチ機構30L、30Rが締結状態となる構成を例示したが、例えば図8に示す変形例としての動力伝達制御装置1Aのように、液圧室23における液圧が低下したことに応じてクラッチ機構30L、30Rが締結状態となる構成を採ることもできる。
なお、以下の説明において、既に説明済みとなった部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
図8に示す動力伝達制御装置1Aにおいては、断続制御部10に代えて断続制御部10Aが、液圧調整部21に代えて液圧調整部21Aが、クラッチ機構30Rに代えてクラッチ機構30RAが設けられると共に、圧抜き弁25、及び圧抜き路R5が追加された点が動力伝達制御装置1の場合と異なる。
なお、この場合も後輪51L側に対応した動力伝達断続のための構成の図示は省略しているが、動力伝達制御装置1Aにおいては、後輪51L側にも制御弁22、第二供給路R4、圧抜き弁25、圧抜き路R5、液圧室23、ピストン24、レバー34、及びクラッチ機構30RAと同様のクラッチ機構30LAが設けられる。
この場合、先端部がレバー34の一端部と当接するピストン24は、液圧室23の液圧が高まることに応じて車両100の右方向に進行するようになっている。この場合のレバー34は、他端部がクラッチ機構30RAにおけるプレッシャープレート31の正面(クラッチプレート32との摩擦係合面と同じ側の面)に当接しており、ピストン24の上記方向への進行に応じて回動軸34aを中心に時計回り方向に回動する。
クラッチ機構30RAにおいては、プレッシャープレート31に対して付勢部材35が設けられており、この付勢部材35によってプレッシャープレート31がクラッチプレート32に近づく方向に付勢されている。すなわち、レバー34による押圧力がない状態においては、プレッシャープレート31とクラッチプレート32とが係合状態となり、クラッチ機構30RAは締結状態とされる。換言すれば、液圧室23における液圧が高まりピストン24による押圧力がレバー34を介してプレッシャープレート31に作用することで、付勢部材35の付勢力に抗してプレッシャープレート31がクラッチプレート32から離間する方向に駆動されて、クラッチ機構30RAが非締結状態に切り替えられる。
圧抜き弁25は、第二供給路R4と液圧室23との間に挿入され、例えばスプール式の電磁弁(例えばソレノイドバルブ)として構成されている。
圧抜き弁25は入力ポート25a、第一出力ポート25b、及び第二出力ポート25cを有し、入力ポート25aは第二供給路R4と接続され、第一出力ポート25bは液圧室23と接続され、第二出力ポート25cが圧抜き路R5と接続されている。
圧抜き弁25は、入力ポート25aと第一出力ポート25bとの間、入力ポート25aと第二出力ポート25cとの間、及び第一出力ポート25bと第二出力ポート25cとの間の連通/非連通をそれぞれ切り替え可能に構成されている。具体的に、圧抜き弁25は、これら各ポート間の連通/非連通の状態として、少なくとも以下の第一状態、第二状態の切り替えを行うことが可能とされている。
「第一状態」
入力ポート25aと第一出力ポート25bとの間、及び入力ポート25aと第二出力ポート25cとの間を非連通とする一方、第一出力ポート25bと第二出力ポート25cとの間を連通した状態。つまり、第二供給路R4と液圧室23、第二供給路R4と圧抜き路R5それぞれの間を非連通とする一方、液圧室23と圧抜き路R5を連通させる状態。
「第二状態」
入力ポート25aと第二出力ポート25cの間、及び第一出力ポート25bと第二出力ポート25cとの間を非連通とする一方、入力ポート25aと第一出力ポート25bとの間を連通した状態。つまり、第二供給路R4と圧抜き路R5、圧抜き路R5と液圧室23それぞれの間を非連通とする一方、第二供給路R4と液圧室23とを連通させる状態。
液圧調整部21Aは、圧抜き路R5を介して入力される液圧を逃がすことが可能に構成されている。具体的に、液圧調整部21Aは、圧抜き路R5を介して入力される液圧を、所定の電磁弁(以下「圧抜き用電磁弁」と表記する)を介して上述したリザーバに逃がすように構成されている。本例の液圧調整部21Aは、圧抜き用電磁弁が開状態とされることで、圧抜き路R5を介して入力される液圧がリザーバに逃がさせる構成とされている。
断続制御部10Aは、制御弁22と圧抜き弁25の制御、及びブレーキ制御部12を通じた液圧調整部21Aの制御を行うことで、クラッチ機構30RA(及び30LA)における動力伝達の断続切り替えを実現する。
図9乃至図11のフローチャートを参照して、断続制御部10Aがブレーキ連動切替制御、要求トルク連動切替制御、一定走行連動切替制御を実現するために実行すべき処理について説明する。
図9は、変形例においてブレーキ連動切替制御を実現するためのブレーキ連動切替処理を示したフローチャートである。
先ず、断続制御部10はブレーキがONとなるまで待機し(ステップS401)、ブレーキがONされたことが確認されたことに応じて、ブレーキ制御部12に対するブレーキ圧ON解除指示を行う(ステップS402)。ブレーキ連動切替処理は2WD走行時である場合に開始され、また変形例においては、2WD走行時、すなわちクラッチ機構30LA、30RAの非締結時には、液圧室23における液圧を高めるため液圧調整部21Aがポンプを使用してブレーキ液圧を発生させている。ステップS402では、このような2WD走行時から4WDへの切り替えを行うべく、先ず、ブレーキ制御部12に対するブレーキ圧ON解除指示を行う。
次いで、断続制御部10Aは、制御弁22を第二状態とする制御を行う(ステップS403)と共に、圧抜き弁25を第一状態とする制御(すなわち液圧室23と圧抜き路R5を連通させる制御)を行った上で(ステップS404)、ブレーキ制御部12に対する圧抜きON指示を行う(ステップS405)。この圧抜きON指示に応じブレーキ制御部12は、液圧調整部21Aにおける上述した圧抜き用電磁弁を開状態に制御する。これにより、液圧室23の液圧が圧抜き路R5を介して液圧調整部21Aにおけるリザーバに逃がされる。すなわち、液圧室23における液圧が低下し、クラッチ機構30LA、30RAが締結状態に切り替えられる。
上記の圧抜きON指示を行ったことに応じ、断続制御部10AはブレーキがOFFされるまで待機し(ステップS406)、ブレーキがOFFされたことが確認された場合は制御弁22を第三状態とする制御を行う(ステップS407)。これは、第二供給路R4を介して液圧室23に液圧を供給可能とするための制御弁22の制御となる。
次いで断続制御部10Aは、ブレーキ制御部12に対するブレーキ圧ON指示を行うと共に(ステップS408)、圧抜き弁25を第二状態とする制御(第二供給路R4と液圧室23とを連通させる制御)を行い、ステップS401に戻る。
上記の処理により、ブレーキがOFFされた場合には、ステップS408のON指示に応じて液圧調整部21Aが発生したブレーキ液圧が出力路R2及び第二供給路R4を介して液圧室23に供給され、液圧室23における液圧が高まることでクラッチ機構30LA、30RAが非締結状態に切り替えられる。
図10は、変形例において要求トルク連動切替制御を実現するための要求トルク連動切替処理を示したフローチャートである。
先ず、断続制御部10Aは、ブレーキ制御部12に対するブレーキ圧ON解除指示を行う(ステップS501)。前述のように変形例においては、2WD走行時(クラッチ機構30LA、30RAの非締結時)には液圧調整部21Aが発生したブレーキ液圧により液圧室23における液圧を高めているため、先ずステップS501で液圧調整部21Aによるブレーキ液圧の発生状態を解除するものである。
次いで、断続制御部10Aは、制御弁22を第三状態とする制御を行う(ステップS502)。なお、ステップS502で制御弁22を第三状態(出力路R2に対し第二供給路R4のみを連通させる状態)とするのは、要求トルク連動切替処理が加速中の処理であってブレーキがOFFであることに対応したものである。
さらに、断続制御部10Aは、圧抜き弁25を第一状態とする制御を行った上で(ステップS503)、ブレーキ制御部12に対する圧抜きON指示を行う(ステップS504)。これにより、液圧室23の液圧が圧抜き路R5を介して液圧調整部21Aにおけるリザーバに逃がされ、液圧室23における液圧が低下し、クラッチ機構30LA、30RAが締結状態に切り替えられる。
上記の圧抜きON指示を行ったことに応じ、断続制御部10AはブレーキがONとなるか、或いは一定走行検出が確認されるまで待機する(ステップS505及びS506)。これらステップS505及びS506の処理は、図6に示したステップS203及びS204の処理と同様である。
ブレーキONが確認された場合、断続制御部10Aは図9に示したステップS406に進む。すなわち、要求トルクが大きい場合に対応してクラッチ機構30LA、30RAを締結状態に切り替えた後、ブレーキがONされたことに応じては、該締結状態が維持されつつ、ブレーキがOFFとなるまで待機するようにされる。ブレーキがOFFとなった場合には、ステップS407以降の処理が実行されてクラッチ機構30LA、30RAが非締結状態に切り替えられる(つまり2WD走行状態に移行される)。
一方、ステップS506で一定走行検出が確認された場合、断続制御部10Aは以下で説明する一定走行連動切替処理に移行する。
図11は、変形例において一定走行連動切替制御を実現するための一定走行連動切替処理を示したフローチャートである。
図11において、断続制御部10Aは、制御弁22を第三状態とさせる制御を行い(ステップS601)、次いで、ブレーキ制御部12に対するブレーキ圧ON指示を行った上で(ステップS602)、圧抜き弁25を第二状態とする制御を行う(ステップS603)。これにより、液圧室23における液圧が高まり、クラッチ機構30LA、30RAが非締結状態に切り替えられる。
上記のように圧抜き弁25を第二状態とする制御を行ったことに応じ、断続制御部10AはブレーキがONとなるか、或いは要求トルク大状態検出が確認されるまで待機する(ステップS604及びS605)。これらの処理は、図7に示したステップS302及びS303の処理と同様である。
ブレーキONが確認された場合、断続制御部10Aは図9におけるステップS402に進む。これにより、2WDでの一定走行状態においてブレーキがONされた場合には、以降、ブレーキがONしている間、4WD走行が行われる。
一方、ステップS605で要求トルク大状態の検出が確認された場合、断続制御部10Aは図10に示した要求トルク連動切替処理に移行する。すなわち、2WDでの一定走行状態において要求トルク大状態が検出された場合は、4WD走行に切り替えが行われる。
ここで、上記では、クラッチ機構30L、30R(30LA、30RA)を後輪51L、51Rに対して設ける場合を例示したが、クラッチ機構30L、30R(30LA、30RA)は後輪51L、51Rではなく前輪51L、51Rに対して設けることもできる。これにより、後輪駆動による2WD走行と4WD走行との切り替えに対応することができる。
また、上記では、車両100が四輪車である場合を例示したが、本発明は車輪を有する車両に広く好適に適用できる。例えば、左右の車輪対を前後方向に3列有する車両について、後側二列の車輪対に対してのみクラッチ機構30L、30R(30LA、30RA)を設ける構成とすること等が考えられる。
また、本例の車両100のように、左右一対のドライブシャフトでなるドライブシャフト対を前後方向に少なくとも二つ有している車両においては、クラッチ機構30L、30R(30LA、30RA)をドライブシャフトごとに設けることもできる。
これにより、前後左右に離隔配置された車輪ごとに独立して動力伝達の断続を制御することが可能とされる。
従って、エンジンブレーキ等、車輪の駆動系に生じる回転抵抗を車輪に作用させるか否かを前後左右に離隔配置された車輪ごとに独立して制御することができる。
例えば、車両100の走行安定性制御として、車両100のコーナリング時に、外輪側の断絶機構を動力伝達状態とし、内輪側の断絶機構を動力非伝達状態とする等の制御を実現することができる。これにより、車両の回頭性能のさらなる向上を図ることができる。
また、上記では、クラッチ機構30L、30R(30LA、30RA)を摩擦係合による動力伝達を行う構成としたが、例えば駆動力断続部105で採用されるようなドグクラッチの構成を採用することも可能であり、摩擦係合による動力伝達を行う構成に限定されない。
また、上記では、車輪の駆動源としてエンジン101を有した車両100を例示したが、本発明は、エンジン101を有さず車輪の駆動源としてモータを備えた車両にも好適に適用できる。或いは、エンジン101とモータの双方を車輪の駆動源として備える車両(ハイブリッド車)にも好適に適用可能である。
また、上記では、ブレーキ制御系がブレーキ圧として液圧を用いる構成を例示したが、ブレーキ圧として気体による圧を用いる構成を採ることもできる。すなわち、本発明におけるブレーキ圧は液圧に限定されるものではない。
<4.実施形態のまとめ>
上記で説明したように実施形態の動力伝達制御装置(同1又は1A)は、車輪(前輪50L、50R、後輪51L、51R)と、駆動源(エンジン101)からの動力を車輪に伝達するドライブシャフト(同108L、108R等)と、車輪のブレーキ機構とを有する車両における動力伝達制御装置であって、ドライブシャフトから車輪への動力伝達を断続自在とされた断続機構(クラッチ機構30L、30R、30LA、30RA)と、ブレーキ機構を作動させるブレーキ圧に基づいて、断続機構による動力伝達の断続を切り替える断続切替機構(制御弁22、第二供給路R4、液圧室23、ピストン24、レバー34、圧抜き弁25、圧抜き路R5)と、を備えている。
断続機構をドライブシャフトよりも出力側(車輪側)に配置したことで、断続機構のディスコネクト時(動力伝達断絶時)にドライブシャフトが車輪回転に応じて回転されなくなる。
従って、フリクションロスの低減が図られ、車輪の駆動源としてエンジンを備える車両においては燃費の向上を、また該駆動源としてモータを備える車両においては電力消費率(単位電力消費量あたりの走行可能距離)の向上を図ることができ、車両の走行可能距離の延長化を図ることができる。
また、断続機構をドライブシャフトよりも出力側に配置したことで、デフユニット内に断続機構を設ける従来例と比較してデフユニットを小型化できる。
このため、車幅を拡大しなくてもドライブシャフトを長くすることが可能となり、車輪の可動範囲を拡げることができ、車両の足回り設計の自由度向上を図ることができる。
さらに、車輪に対する動力断続切替にブレーキ圧を用いることで、断続機構と断続切替機構をより車輪に近い位置に配置し易くなる。車輪近傍には車輪のブレーキ機構にブレーキ圧を供給するためのブレーキ圧配管が存在しているため、該ブレーキ圧配管からの分岐配管により断続切替機構へのブレーキ圧供給を行うことができ、断続切替機構にブレーキ圧を供給するための配管長を短くできる。つまりこの点で、ブレーキ圧を用いることの利点がある。
また、車輪に対する動力断続切替にブレーキ圧を用いることで、断続切替にあたり新たな圧の供給源を追加することが不要となる。
従って、断続切替を実現するにあたっての部品点数の削減、及びコスト削減を図ることができる。
また、実施形態の動力伝達制御装置(同1)においては、断続切替機構は、ブレーキ圧が相対的に高圧となったときに断続機構の状態を動力伝達が行われる状態に切り替え、ブレーキ圧が相対的に低圧となったときに断続機構の状態を動力伝達が断たれる状態に切り替えている。
ブレーキ圧が高圧となることに応じて断続機構が車輪への動力伝達を行う状態とされる、すなわち断続機構が締結状態とされるので、締結力を確保し易い。具体的には、締結のための圧を受ける例えばピストン等の受圧部の受圧面積を大きくすることで締結力の確保が容易となる。
また、断続機構を動力伝達状態に切り替えるにあたり、断続切替機構からブレーキ圧を抜く必要がなくなる。従って、該ブレーキ圧を抜くために必要な例えば配管や制御弁等の追加構成が不要となり、部品点数削減、及びコスト削減を図ることができる。
さらに、実施形態の動力伝達制御装置(同1A)においては、断続切替機構は、ブレーキ圧が相対的に低圧となったときに断続機構の状態を動力伝達が行われる状態に切り替え、ブレーキ圧が相対的に高圧となったときに断続機構の状態を動力伝達が断たれる状態に切り替えている。
これにより、断続機構を動力伝達状態とさせるにあたり断続切替機構にブレーキ圧を与えることを不要にすることが可能とされる。このため、車両のエンジンが停止している状態等、車両が非起動の状態であっても、断続機構を動力伝達状態のまま維持させることが可能とされる。
従って、複数の車輪に断続機構と断続切替機構の組が設けられる構成において、それらの車輪にパーキングブレーキを作用させるにあたり、断続機構よりも駆動源側に各車輪共通のパーキングブレーキ機構を設けることができる。換言すれば、車輪ごとにパーキングブレーキ機構を設ける必要がなくなるため、車輪を回転自在に支持するハブ部の構成の簡易化及び部品点数の削減が図れ、コスト削減を図ることができる。
さらにまた、実施形態の動力伝達制御装置においては、断続機構が乾式クラッチで構成されている。
これにより、断続機構のサイズを(湿式クラッチとする場合と比較して)小型化することが可能とされる。
本発明における断続機構はドライブシャフトと車輪の間という比較的空きスペースの少ない部分に介挿されるので、断続機構が小型化とされることで車両の足回り設計の容易化を図ることができる。
また、実施形態の動力伝達制御装置においては、車両は、左右一対のドライブシャフトでなるドライブシャフト対を前後方向に少なくとも二つ有しており、断続機構がドライブシャフトごとに設けられている。
これにより、前後左右に離隔配置された車輪ごとに独立して動力伝達の断続を制御することが可能とされる。
従って、エンジンブレーキ等、車輪の駆動系に生じる回転抵抗を車輪に作用させるか否かを前後左右に離隔配置された車輪ごとに独立して制御することができる。
1、1A 動力伝達制御装置、10、10A 断続制御部、11 トランスミッション制御部、12 ブレーキ制御部、21、21A 液圧調整部、22 制御弁、22a 入力ポート、22b 第一出力ポート、22c 第二出力ポート、23 液圧室、24 ピストン、25 圧抜き弁、25a 入力ポート、25b 第一出力ポート、25c 第二出力ポート、R4 第二供給路、R5 圧抜き路、30L、30R、30RA クラッチ機構、31 プレッシャープレート、32 クラッチプレート、33 ハブ、34 レバー、34a 回動軸、40 ハブナックル、41 ブレーキロータ、50L、50R 前輪、51L、51R 後輪、51Rw ホイール、100 車両、106 プロペラシャフト、107 リアデファレンシャルユニット、108L、108R ドライブシャフト

Claims (5)

  1. 車輪と、駆動源からデファレンシャル機構を介して入力された動力を前記車輪に伝達するドライブシャフトと、前記車輪のブレーキ機構とを有する車両における動力伝達制御装置であって、
    前記ドライブシャフトから前記車輪への動力伝達を断続自在とされた断続機構と、
    前記ブレーキ機構を作動させるブレーキ圧を動力源として、前記断続機構による前記動力伝達の断続を切り替える断続切替機構と、を備える
    動力伝達制御装置。
  2. 前記断続切替機構は、
    前記ブレーキ圧が相対的に高圧となったときに前記断続機構の状態を前記動力伝達が行われる状態に切り替え、前記ブレーキ圧が相対的に低圧となったときに前記断続機構の状態を前記動力伝達が断たれる状態に切り替える
    請求項1に記載の動力伝達制御装置。
  3. 前記断続切替機構は、
    前記ブレーキ圧が相対的に低圧となったときに前記断続機構の状態を前記動力伝達が行われる状態に切り替え、前記ブレーキ圧が相対的に高圧となったときに前記断続機構の状態を前記動力伝達が断たれる状態に切り替える
    請求項1に記載の動力伝達制御装置。
  4. 前記断続機構が乾式クラッチで構成された
    請求項1乃至請求項3の何れかに記載の動力伝達制御装置。
  5. 前記車両は、
    左右一対の前記ドライブシャフトでなるドライブシャフト対を前後方向に少なくとも二つ有しており、
    前記断続機構が前記ドライブシャフトごとに設けられた
    請求項1乃至請求項4の何れかに記載の動力伝達制御装置。
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