JP7287763B2 - 動力伝達制御装置 - Google Patents
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Description
但し、このように駆動源とプロペラシャフトとの間の動力伝達を断絶状態としたのみでは、後輪の回転に伴って後輪側のドライブシャフトやリアデファレンシャルユニット(以下「リアデフユニット」と略称する)内の歯車機構、及びプロペラシャフトが回転されることになる。これらの回転は、オイル攪拌抵抗等を伴うものとなるため、後輪が回転する上での抵抗成分として作用してしまう。つまり、該抵抗成分が前輪駆動状態での車両走行抵抗を上昇させるものとなり、燃費悪化の一因として作用してしまう。
すなわち、これらの抵抗成分が依然として2WD走行時の車両の走行抵抗として作用するものであり、燃費改善余地がある。
リアデフユニットの左右方向サイズが拡大してしまうと、車幅を一定幅に抑えるとの前提の下では、ドライブシャフトの長さを短くせざるを得ない。しかしながら、ドライブシャフトが短くされると、該ドライブシャフトと連結された車輪の可動範囲(主として上下方向の可動範囲)も縮小化される傾向となるため、例えば車輪の路面凹凸への追従性能等を考慮したサスペンション機構等の足回りの設計を行う場合において、設計自由度の低下を招来する虞がある。
さらに、車輪に対する動力断続切替にブレーキ圧を用いることで、断続機構と断続切替機構をより車輪に近い位置に配置し易くなる。また、車輪に対する動力断続切替にブレーキ圧を用いることで、断続切替にあたり新たな圧の供給源を追加することが不要となる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態としての動力伝達制御装置について説明する。
図1は、実施形態としての動力伝達制御装置を備えた車両100が有する車輪の駆動系の構成概要を例示した図である。
本例の車両100は、車輪として左右一対の主駆動輪としての前輪50L、前輪50Rと、左右一対の補助駆動輪としての後輪50L、後輪50Rとを備えた四輪駆動車として構成され、また、車輪の駆動源としてエンジン101を備えた車両とされている。
なお、本実施形態において、符号における「L」「R」は車両の前進時の進行方向に対する左側、右側をそれぞれ意味している。
この駆動力伝達系は、エンジン101の駆動力を前輪50L、50R及び後輪51L、51Rに伝達する四輪駆動状態(以下「4WD状態」と表記することもある)と、エンジン101の駆動力を前輪50L、50Rのみに伝達する二輪駆動状態(以下「2WD状態」と表記することもある)とを切り替え可能に構成されている。
スリーブ105cは、車両100が有するトランスミッション制御部11(後述する)としてのECU(Electronic Control Unit)により制御される不図示のアクチュエータによって、第一スプライン歯部105a及び第二スプライン歯部105bの軸方向に進退移動可能とされている。すなわち、駆動力断続部105は、第一スプライン歯部105aと第二スプライン歯部105bとがスリーブ105cによって相対回転不能に連結されることによりエンジン101からプロペラシャフト106への駆動力の伝達を可能にするドグクラッチ(噛み合いクラッチ)を有して構成されている。
プロペラシャフト106は車両100の略前後方向に回転軸を有するのに対し、リアデフシャフト107cは車両の略左右方向に回転軸を有する。リアデフケース107dは、ピニオンギヤ107a及びリングギヤ107bを内側に収容すると共に、プロペラシャフト106の後端部、及びリアデフシャフト107cの左右両端部を軸支している。
なお、クラッチ機構30L、30Rについては改めて説明する。
この結果、主駆動輪としての前輪50L、50Rと共に、後輪50L、50Rがエンジン101の駆動力により回転駆動される4WD状態が実現される。
従って、主駆動輪としての前輪50L、50Rのみがエンジン101の駆動力により回転駆動される2WD状態が実現される。
これにより、2WD走行時、すなわちクラッチ機構30L、30Rのディスコネクト状態での走行時において、ドライブシャフト108L、108Rが後輪51L、51Rの回転に応じて回転されなくなり、フリクションロスの低減が図られ、燃費の向上が図られる。
従来においては、先に挙げた特許文献1に開示されるように、2WD/4WD切り替えに用いられるクラッチ機構30は、リアデファレンシャルユニット107内に設けられていた。
図2は、クラッチ機構30L、30Rを設けたリアデファレンシャルユニット107’の例を示している。この図2から明らかなように、リアデファレンシャルユニット107’内にクラッチ機構30L、30Rが設けられた場合、リアデファレンシャルユニット107’の大型化を招く(左右方向のサイズ拡大)。
また、リアデファレンシャルユニット107’が大型化すると、車両100の幅を一定幅に抑えるとの前提の下では、ドライブシャフト108L、108Rの長さを短くせざるを得ない。ドライブシャフト108L、108Rが短くされると、後輪51L、51Rの可動範囲(主として上下方向の可動範囲)も縮小化される傾向となるため、足回り設計の自由度低下を招来する虞がある。
なお、図3では代表してクラッチ機構30Rの構造を示すものとし、クラッチ機構30Lの構造についてはクラッチ機構30Rと同様となることから図示による説明は省略する。
図3では後輪51Rの近傍の構造について、クラッチ機構30Rに係る要部の構造のみを抽出して示しており、ドライブシャフト108Rの右側端部108Raから先の(右側の)各部については、後輪51Rの回転軸を通る位置で縦方向に切断した際の断面構造を模式的に表している。なお、後輪51Rについては、タイヤ部分を除いたホイール51Rwの部分のみを抽出して示している。
なお、プレッシャープレート31は、後述するレバー34により上記の回転軸方向に駆動される。
本例におけるクラッチ機構30Rは、潤滑油により潤滑されない乾式のクラッチ機構とされている。
ハブナックル40は、ドライブシャフト108Rの右側端部108Raを軸支すると共に、図示のようにブレーキロータ41が取り付けられたハブ33を軸支している。ハブ33は、左側端部がクラッチプレート32と接続され、クラッチプレート32と一体回転される。
これにより、ドライブシャフト108R(108L)の回転抵抗が後輪51R(51L)を通じて車両100の走行抵抗として作用してしまうことの防止が図られ、車両100の燃費(燃料消費率)の向上、ひいては車両100の走行可能距離の延長化を図ることができる。
図示のように動力伝達制御装置1は、それぞれがECUとして構成された断続制御部10、トランスミッション制御部11、及びブレーキ制御部12と、バス13とを備えると共に、ブレーキ制御系に挿入された制御弁22と、第二供給路R4と、液圧室23と、ピストン24と、レバー34とを備えている。
なお、既に説明したクラッチ機構30R(及び30L)も、動力伝達制御装置1を構成する要素のうちの一つである。
本例のブレーキ制御系は、車輪のブレーキ機構(本例ではブレーキキャリパ)に作用させるブレーキ圧としてブレーキ液による液圧を発生させる構成が採られる。具体的に、該ブレーキ制御系は、車両100に設けられたブレーキペダルBPに加わる踏力に応じたブレーキ液圧を発生する液圧源であるマスタシリンダ20と、マスタシリンダ20で発生したブレーキ液圧が入力される入力路R1と、入力路R1を介したブレーキ液圧が入力される液圧調整部21と、液圧調整部21より出力されるブレーキ液圧が入力される出力路R2と、出力路R2を介して入力されるブレーキ液圧をブレーキキャリパのシリンダに供給する第一供給路R3とを有している。
なお、第一供給路R3は車輪ごと(ブレーキキャリパごと)に設けられるが、ここでは代表して後輪51Rに対して設けられたブレーキキャリパにブレーキ液圧を供給する第一供給路R3のみを示している。
また、ブレーキ制御部12は、液圧調整部21における上述したポンプを作動させてブレーキ液圧を発生させることができる。このとき、ポンプを駆動するモータの回転数を制御することで、発生するブレーキ液圧を調整することが可能とされている。
このように液圧調整部21がポンプによりブレーキ液圧を発生可能とされていることで、ブレーキペダルBPの操作に依らずブレーキ液圧を発生させて、前輪50L、50R、及び後輪51L、51Rに制動力を発生することが可能とされている。
断続制御部10は、少なくとも制御弁22の制御を行って、クラッチ機構30Rの締結/非締結の切り替え、つまりはドライブシャフト108Rとハブ33との間の動力伝達の断続切り替えを実現させる。
図示のように、第二供給路R4は、制御弁22の第二出力ポート22cとの接続端とは逆側の端部が、ピストン24にブレーキ液圧を印加するための液圧室23と連通されている。
一方、液圧室23においてブレーキ液圧が低下すると、ピストン24に対する押圧力が低下し、レバー34の押圧力も低下する。このため、レバー34によるプレッシャープレート31の押圧力も低下し、プレッシャープレート31とクラッチプレート32との摩擦係合状態が解除される。すなわち、クラッチ機構30Rが非締結状態となる。
なお本例において、プレッシャープレート31は、不図示の付勢部材によってクラッチプレート32から離間する方向に付勢されている。クラッチプレート32との摩擦係合時には、上記したレバー34による押圧力により、該付勢部材の付勢力に抗してプレッシャープレート31がクラッチプレート32に近づく方向に駆動される。
「第一状態」
入力ポート22aと第一出力ポート22bとの間、及び入力ポート22aと第二出力ポート22cとの間の双方が連通した状態。つまり、出力路R2に対し第一供給路R3と第二供給路R4の双方を連通させる状態。
「第二状態」
入力ポート22aと第一出力ポート22bとの間が連通、入力ポート22aと第二出力ポート22cとの間は非連通である状態。つまり、出力路R2に対し第一供給路R3のみを連通させる状態。なお、第二状態において、第一出力ポート22bと第二出力ポート22cとの間は非連通である。
「第三状態」
入力ポート22aと第一出力ポート22bとの間は非連通、入力ポート22aと第二出力ポート22cとの間が連通した状態。つまり、出力路R2に対し第二供給路R4のみを連通させる状態。なお、第三状態において、第一出力ポート22bと第二出力ポート22cとの間は非連通である。
具体的に、断続制御部10は、2WD走行時において、ブレーキがONとされて(ブレーキペダルBPが踏まれて)車両100が減速状態にある場合には、クラッチ機構30L、30Rを締結状態とさせるための制御を行う。これは、減速の際にエンジンブレーキを作用させる車輪を増加させることを意図した制御である。
以下、このような制御を「ブレーキ連動切替制御」と表記する。
以下、このような制御を「要求トルク連動切替制御」と表記する。
以下、このような制御を「一定走行連動切替制御」と表記する。
また、本例の車両100では、上記した一定走行連動切替制御によりクラッチ機構30L、30Rが非締結状態とされる際には、トランスミッション制御部11が4WD→2WD切替のための制御を行う(すなわち、スリーブ105cを駆動させてエンジン101からプロペラシャフト106への動力伝達が不能な状態に遷移させる)。
図5乃至図7のフローチャートを参照して、断続制御部10が上記したブレーキ連動切替制御、要求トルク連動切替制御、一定走行連動切替制御を実現するために実行すべき処理について説明する。
先ず、断続制御部10はブレーキがONとなるまで待機する(ステップS101)。なお、ブレーキがONであるか否かは、ブレーキペダルBPの操作有無に応じてON/OFFされるブレーキスイッチ(不図示)の検出信号に基づき判定することができる。
ブレーキがONとなった場合、断続制御部10は制御弁22を上述した第一状態とさせる制御を行う(ステップS102)。すなわち、入力ポート22aと第一出力ポート22bとの間、及び入力ポート22aと第二出力ポート22cとの間の双方が連通した状態となるように制御弁22を制御する。
これにより、液圧調整部21の出力路R2に対し第一供給路R3と第二供給路R4の双方が連通状態となり、ブレーキONに応じて生じたブレーキ液圧がブレーキキャリパと液圧室23の双方に供給される。すなわち、前輪50L、50R及び後輪51L、51Rの各車輪にブレーキによる制動力が作用しつつ、クラッチ機構30L、30Rが締結状態とされることで後輪51L、51Rにもエンジンブレーキが作用する状態が得られる。
ブレーキがOFFとなる、すなわちブレーキペダルBPの踏力がなくなれば、液圧室23の圧が抜け、クラッチ機構30L、30Rは非締結状態に切り替わる。すなわち、4WD→2WD状態に切り替わることになる。
なお、ステップS103でブレーキOFFが確認されたことに応じては、制御弁22を第二状態(出力路R2に対し第一供給路R3のみを連通させる状態)に移行させてもよい。
なお、図6に示す処理は、2WD走行時において要求トルク(エンジン101の要求トルク)の値が所定値以上となったことを条件に開始される。図6に示す処理を開始すべきか否かの判定は、断続制御部10自身が要求トルクの値を取得して判定してもよい。或いは、本実施形態では、要求トルク連動切替制御の際にはトランスミッション制御部11が駆動力断続部105を対象とした2WD→4WD切替制御を行うので、トランスミッション制御部11が上記の条件判定(2WD走行時に要求トルクの値が所定値以上となったか否かの判定)を行い、断続制御部10はトランスミッション制御部11が条件成立に応じて行う通知に基づき図6に示す処理を開始することもできる。
このように発生したブレーキ液圧は出力路R2及び第二供給路R4を介して液圧室23に供給され、クラッチ機構30L、30Rが締結状態に切り替えられる。
なお、図6に示す処理は、4WD走行時において一定走行状態が検出されたことに応じて開始される。上述のように、4WD走行時における一定走行状態の検出はトランスミッション制御部11側で行うこともでき、その場合、断続制御部10は、トランスミッション制御部11が一定走行状態を検出したことに応じて行う通知の受信に応じて図6に示す処理を開始する。
ここで、上記では、液圧室23におけるブレーキ圧が高まることに応じてクラッチ機構30L、30Rが締結状態となる構成を例示したが、例えば図8に示す変形例としての動力伝達制御装置1Aのように、液圧室23における液圧が低下したことに応じてクラッチ機構30L、30Rが締結状態となる構成を採ることもできる。
なお、以下の説明において、既に説明済みとなった部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
なお、この場合も後輪51L側に対応した動力伝達断続のための構成の図示は省略しているが、動力伝達制御装置1Aにおいては、後輪51L側にも制御弁22、第二供給路R4、圧抜き弁25、圧抜き路R5、液圧室23、ピストン24、レバー34、及びクラッチ機構30RAと同様のクラッチ機構30LAが設けられる。
圧抜き弁25は入力ポート25a、第一出力ポート25b、及び第二出力ポート25cを有し、入力ポート25aは第二供給路R4と接続され、第一出力ポート25bは液圧室23と接続され、第二出力ポート25cが圧抜き路R5と接続されている。
「第一状態」
入力ポート25aと第一出力ポート25bとの間、及び入力ポート25aと第二出力ポート25cとの間を非連通とする一方、第一出力ポート25bと第二出力ポート25cとの間を連通した状態。つまり、第二供給路R4と液圧室23、第二供給路R4と圧抜き路R5それぞれの間を非連通とする一方、液圧室23と圧抜き路R5を連通させる状態。
「第二状態」
入力ポート25aと第二出力ポート25cの間、及び第一出力ポート25bと第二出力ポート25cとの間を非連通とする一方、入力ポート25aと第一出力ポート25bとの間を連通した状態。つまり、第二供給路R4と圧抜き路R5、圧抜き路R5と液圧室23それぞれの間を非連通とする一方、第二供給路R4と液圧室23とを連通させる状態。
先ず、断続制御部10はブレーキがONとなるまで待機し(ステップS401)、ブレーキがONされたことが確認されたことに応じて、ブレーキ制御部12に対するブレーキ圧ON解除指示を行う(ステップS402)。ブレーキ連動切替処理は2WD走行時である場合に開始され、また変形例においては、2WD走行時、すなわちクラッチ機構30LA、30RAの非締結時には、液圧室23における液圧を高めるため液圧調整部21Aがポンプを使用してブレーキ液圧を発生させている。ステップS402では、このような2WD走行時から4WDへの切り替えを行うべく、先ず、ブレーキ制御部12に対するブレーキ圧ON解除指示を行う。
上記の処理により、ブレーキがOFFされた場合には、ステップS408のON指示に応じて液圧調整部21Aが発生したブレーキ液圧が出力路R2及び第二供給路R4を介して液圧室23に供給され、液圧室23における液圧が高まることでクラッチ機構30LA、30RAが非締結状態に切り替えられる。
先ず、断続制御部10Aは、ブレーキ制御部12に対するブレーキ圧ON解除指示を行う(ステップS501)。前述のように変形例においては、2WD走行時(クラッチ機構30LA、30RAの非締結時)には液圧調整部21Aが発生したブレーキ液圧により液圧室23における液圧を高めているため、先ずステップS501で液圧調整部21Aによるブレーキ液圧の発生状態を解除するものである。
図11において、断続制御部10Aは、制御弁22を第三状態とさせる制御を行い(ステップS601)、次いで、ブレーキ制御部12に対するブレーキ圧ON指示を行った上で(ステップS602)、圧抜き弁25を第二状態とする制御を行う(ステップS603)。これにより、液圧室23における液圧が高まり、クラッチ機構30LA、30RAが非締結状態に切り替えられる。
これにより、前後左右に離隔配置された車輪ごとに独立して動力伝達の断続を制御することが可能とされる。
従って、エンジンブレーキ等、車輪の駆動系に生じる回転抵抗を車輪に作用させるか否かを前後左右に離隔配置された車輪ごとに独立して制御することができる。
例えば、車両100の走行安定性制御として、車両100のコーナリング時に、外輪側の断絶機構を動力伝達状態とし、内輪側の断絶機構を動力非伝達状態とする等の制御を実現することができる。これにより、車両の回頭性能のさらなる向上を図ることができる。
上記で説明したように実施形態の動力伝達制御装置(同1又は1A)は、車輪(前輪50L、50R、後輪51L、51R)と、駆動源(エンジン101)からの動力を車輪に伝達するドライブシャフト(同108L、108R等)と、車輪のブレーキ機構とを有する車両における動力伝達制御装置であって、ドライブシャフトから車輪への動力伝達を断続自在とされた断続機構(クラッチ機構30L、30R、30LA、30RA)と、ブレーキ機構を作動させるブレーキ圧に基づいて、断続機構による動力伝達の断続を切り替える断続切替機構(制御弁22、第二供給路R4、液圧室23、ピストン24、レバー34、圧抜き弁25、圧抜き路R5)と、を備えている。
従って、フリクションロスの低減が図られ、車輪の駆動源としてエンジンを備える車両においては燃費の向上を、また該駆動源としてモータを備える車両においては電力消費率(単位電力消費量あたりの走行可能距離)の向上を図ることができ、車両の走行可能距離の延長化を図ることができる。
また、断続機構をドライブシャフトよりも出力側に配置したことで、デフユニット内に断続機構を設ける従来例と比較してデフユニットを小型化できる。
このため、車幅を拡大しなくてもドライブシャフトを長くすることが可能となり、車輪の可動範囲を拡げることができ、車両の足回り設計の自由度向上を図ることができる。
さらに、車輪に対する動力断続切替にブレーキ圧を用いることで、断続機構と断続切替機構をより車輪に近い位置に配置し易くなる。車輪近傍には車輪のブレーキ機構にブレーキ圧を供給するためのブレーキ圧配管が存在しているため、該ブレーキ圧配管からの分岐配管により断続切替機構へのブレーキ圧供給を行うことができ、断続切替機構にブレーキ圧を供給するための配管長を短くできる。つまりこの点で、ブレーキ圧を用いることの利点がある。
また、車輪に対する動力断続切替にブレーキ圧を用いることで、断続切替にあたり新たな圧の供給源を追加することが不要となる。
従って、断続切替を実現するにあたっての部品点数の削減、及びコスト削減を図ることができる。
また、断続機構を動力伝達状態に切り替えるにあたり、断続切替機構からブレーキ圧を抜く必要がなくなる。従って、該ブレーキ圧を抜くために必要な例えば配管や制御弁等の追加構成が不要となり、部品点数削減、及びコスト削減を図ることができる。
従って、複数の車輪に断続機構と断続切替機構の組が設けられる構成において、それらの車輪にパーキングブレーキを作用させるにあたり、断続機構よりも駆動源側に各車輪共通のパーキングブレーキ機構を設けることができる。換言すれば、車輪ごとにパーキングブレーキ機構を設ける必要がなくなるため、車輪を回転自在に支持するハブ部の構成の簡易化及び部品点数の削減が図れ、コスト削減を図ることができる。
本発明における断続機構はドライブシャフトと車輪の間という比較的空きスペースの少ない部分に介挿されるので、断続機構が小型化とされることで車両の足回り設計の容易化を図ることができる。
従って、エンジンブレーキ等、車輪の駆動系に生じる回転抵抗を車輪に作用させるか否かを前後左右に離隔配置された車輪ごとに独立して制御することができる。
Claims (5)
- 車輪と、駆動源からデファレンシャル機構を介して入力された動力を前記車輪に伝達するドライブシャフトと、前記車輪のブレーキ機構とを有する車両における動力伝達制御装置であって、
前記ドライブシャフトから前記車輪への動力伝達を断続自在とされた断続機構と、
前記ブレーキ機構を作動させるブレーキ圧を動力源として、前記断続機構による前記動力伝達の断続を切り替える断続切替機構と、を備える
動力伝達制御装置。 - 前記断続切替機構は、
前記ブレーキ圧が相対的に高圧となったときに前記断続機構の状態を前記動力伝達が行われる状態に切り替え、前記ブレーキ圧が相対的に低圧となったときに前記断続機構の状態を前記動力伝達が断たれる状態に切り替える
請求項1に記載の動力伝達制御装置。 - 前記断続切替機構は、
前記ブレーキ圧が相対的に低圧となったときに前記断続機構の状態を前記動力伝達が行われる状態に切り替え、前記ブレーキ圧が相対的に高圧となったときに前記断続機構の状態を前記動力伝達が断たれる状態に切り替える
請求項1に記載の動力伝達制御装置。 - 前記断続機構が乾式クラッチで構成された
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の動力伝達制御装置。 - 前記車両は、
左右一対の前記ドライブシャフトでなるドライブシャフト対を前後方向に少なくとも二つ有しており、
前記断続機構が前記ドライブシャフトごとに設けられた
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の動力伝達制御装置。
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