JP7287260B2 - 冷却システム - Google Patents
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Description
本発明は、冷却システムに関するものである。
電気が流れる冷却対象物を電気絶縁性の冷却液で冷却する冷却システムとして、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1の冷却システムでは、冷却液に冷却対象物が浸漬されており、冷却対象物が冷却液で直接冷却される。また、他の冷却システムとしては、冷却対象物が伝熱部材を介して冷却液で間接的に冷却されるものがある。これらの冷却システムでは、冷却液としては、シリコーンオイルや、フッ素系不活性液体が用いられる。
上記した従来の電気絶縁性の冷却液は、熱伝達性が低い。このため、冷却対象物を冷却液で直接冷却する場合、冷却対象物が十分に冷却されるように、冷却液を送るポンプの大型化と、冷却液の熱を放出する放熱器の大型化とが必要であった。これは、ポンプが大型化して冷却液の流量が増大することで、冷却対象物から冷却液への入熱量が増大するからである。また、放熱器が大型化することで、冷却液からの放熱量が増大するからである。
また、冷却対象物を冷却液で間接冷却する場合、冷却対象物が十分に冷却されるように、伝熱部材を含む冷却器の大型化と、放熱器の大型化とが必要であった。これは、冷却器と放熱器とが大型化することで、冷却対象物から冷却液への入熱量および冷却液からの放熱量が増大するからである。
このように、従来の冷却システムでは、冷却システムを構成する構成部品の大型化が必要であった。この結果、冷却システムの全体が大型になっていた。
本発明は、システム全体の小型化が可能な冷却システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明によれば、
電気が流れる冷却対象物(2)を冷却する冷却システムは、
冷却対象物を冷却する冷却液(12)と、
冷却液の熱を放出させる放熱器(18)とを備え、
冷却液は、水を含む液状の基材と、基材に相溶するオルト珪酸エステルとを含み、電気絶縁性を有する。
電気が流れる冷却対象物(2)を冷却する冷却システムは、
冷却対象物を冷却する冷却液(12)と、
冷却液の熱を放出させる放熱器(18)とを備え、
冷却液は、水を含む液状の基材と、基材に相溶するオルト珪酸エステルとを含み、電気絶縁性を有する。
これによれば、冷却液にオルト珪酸エステルが含まれることで、冷却液は防錆の機能を有する。このため、防錆のためにイオン性防錆剤が含まれる冷却液と比較して、冷却液に含まれるイオン性防錆剤を少なくすることができる。すなわち、防錆のためにイオン性防錆剤が含まれる冷却液と比較して、冷却液の導電率を低くすることができる。これにより、冷却液に電気絶縁性を持たせることができる。
さらに、この冷却液の基材には、上記した従来の冷却液よりも熱伝達性が高い水が含まれる。このため、この冷却液の熱伝達性を上記した従来の冷却液よりも高くすることができる。従来の冷却液よりも熱伝達性が高い冷却液を用いることで、従来の冷却システムと比較して、冷却システムの構成部品の小型化が可能である。よって、冷却システムの全体の小型化が可能である。
また、上記目的を達成するため、請求項2に記載の発明によれば、
電気が流れる冷却対象物を冷却する冷却システムは、
冷却対象物を冷却する冷却液(12)と、
冷却液の熱を放出させる放熱器(18)とを備え、
冷却液は、水を含む液状の基材と、基材に相溶するオルト珪酸エステルとを含み、イオン性防錆剤を含まない。
電気が流れる冷却対象物を冷却する冷却システムは、
冷却対象物を冷却する冷却液(12)と、
冷却液の熱を放出させる放熱器(18)とを備え、
冷却液は、水を含む液状の基材と、基材に相溶するオルト珪酸エステルとを含み、イオン性防錆剤を含まない。
これによれば、冷却液にオルト珪酸エステルが含まれることで、冷却液は防錆の機能を有する。このため、冷却液に、イオン性防錆剤が含まれなくてもよい。イオン防錆剤を含まないので、この冷却液は、イオン性防錆剤を含む場合と比較して、導電率が低く、高い電気絶縁性を有する。
さらに、この冷却液の基材には、上記した従来の冷却液よりも熱伝達性が高い水が含まれる。このため、この冷却液の熱伝達性を上記した従来の冷却液よりも高くすることができる。従来の冷却液よりも熱伝達性が高い冷却液を用いることで、従来の冷却システムと比較して、冷却システムの構成部品の小型化が可能である。よって、冷却システムの全体の小型化が可能である。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
図1に示す冷却システム10は、電動車両に搭載される。電動車両は、走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る。電動車両としては、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、電動2輪等が挙げられる。電動車両の車輪数や車両用途は限定されない。電動車両には、車載機器としての走行用電動モータ、電池2およびインバータ等が搭載されている。
図1に示す冷却システム10は、電動車両に搭載される。電動車両は、走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る。電動車両としては、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、電動2輪等が挙げられる。電動車両の車輪数や車両用途は限定されない。電動車両には、車載機器としての走行用電動モータ、電池2およびインバータ等が搭載されている。
走行用電動モータは、電池2から供給された電力を車両走行用の動力に変換するとともに、減速時に車両の動力を電力に変換するモータジェネレータである。走行用電動モータは、動力と電力との変換に伴い発熱する。
電池2は、走行用電動モータに電力を供給する車両走行用の電池である。電池2は、車両減速時に走行用電動モータから供給される電力を充電する。電池2は、車両停車時に外部電源(すなわち、商用電源)から供給される電力の充電が可能である。電池2は、充放電に伴い発熱する。
インバータは、電池2から走行用電動モータへ供給される電力を直流から交流へ変換する電力変換装置である。また、インバータは、走行用電動モータから電池2へ充電される電力を交流から直流へ変換する。インバータは、電力の変換に伴い発熱する。
冷却システム10は、冷却対象物である電池2と、電池2を冷却する冷却液12と、冷却液12が流れる冷却回路14とを備える。
冷却液12は、電池2から受けた熱を輸送する。冷却液12は、水を含む液状の基材と、オルト珪酸エステルとを含み、イオン性防錆剤を含まない。
基材は、冷却液12のベースとなる材料である。液状の基材とは、使用状態で液体の状態であることを意味する。基材は、水の他に凝固点降下剤を含む。水が用いられるのは、水は熱容量が大きく、安価であり、粘性が低いからである。凝固点降下剤が用いられるのは、環境温度が氷点下であっても液体の状態を確保するためである。凝固点降下剤は、水に溶解し、水の凝固点を降下させる。凝固点降下剤としては、有機アルコール、例えば、アルキレングリコールまたはその誘導体が用いられる。アルキレングリコールとしては、例えば、モノエチレングリコール、モノプロピレングリコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、グリセリンが単独または混合物として用いられる。凝固点降下剤としては、有機アルコールに限らず、無機塩等が用いられてもよい。
オルト珪酸エステルは、基材に相溶する。オルト珪酸エステルは、冷却液12に防錆の機能を持たせるための化合物である。
オルト珪酸エステルとしては、一般式(I)で示される化合物が用いられる。
一般式(I)において、置換基R1~R4は、同じ又は異なり、かつ、炭素数1~20のアルキル置換基、炭素数2~20のアルケニル置換基、炭素数1~20のヒドロキシアルキル置換基、置換又は非置換の炭素数6~12のアリール置換基及び/又は式-(CH2-CH2-O)n-R5のグリコールエーテル-置換基を表す。R5は、水素又は炭素数1~5のアルキルを表す。nは、1~5の数を表す。
オルト珪酸エステルの典型的な例は、純粋なテトラアルコキシシラン、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n-プロポキシ)シラン、テトラ(イソプロポキシ)シラン、テトラ(n-ブトキシ)シラン、テトラ(t-ブトキシ)シラン、テトラ(2-エチルブトキシ)シラン、又はテトラ(2-エチルヘキソキシ)シラン、並びにさらにテトラフェノキシシラン、テトラ(2-メチルフェノキシ)シラン、テトラビニルオキシシラン、テトラアリルオキシシラン、テトラ(2-ヒドロキシエトキシ)シラン、テトラ(2-エトキシエトキシ)シラン、テトラ(2-ブトキシエトキシ)シラン、テトラ(1-メトキシ-2-プロポキシ)シラン、テトラ(2-メトキシエトキシ)シラン又はテトラ[2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]シランである。
オルト珪酸エステルとしては、一般式(I)において、置換基R1~R4は、同じであり、かつ、炭素数1~4のアルキル置換基又は式-(CH2-CH2-O)n-R5のグリコールエーテル置換基を表し、R5は水素、メチル又はエチルを表し、nは1、2又は3の数を表す化合物が用いられることが好ましい。
オルト珪酸エステルは、冷却液12の全体に対するケイ素の濃度が1~10000質量ppmとなるように、冷却液12に含まれる。このケイ素の濃度は、1質量ppm以上2000質量ppm以下であることが好ましい。また、このケイ素の濃度は、2000質量ppmより高く10000質量ppm以下であることが好ましい。上記のオルトケイ酸エステルは、市販されているか又は1当量のテトラメトキシシランを、4当量の相応する長鎖アルコール又はフェノールで簡単にエステル交換し、メタノールを留去することにより製造可能である。
冷却液12にイオン性防錆剤が含まれないため、冷却液12の導電率は、冷却液12にイオン性防錆剤が含まれる場合と比較して低い。冷却液12の導電率は、50μS/cm以下であり、好ましくは、1μS/cm以上5μS/cm以下である。参考として、水を含む液状の基材と、イオン性防錆剤と、を含む冷却液としては、車両用エンジンの冷却に用いられるエンジン冷却水がある。エンジン冷却水の導電率は、4000μS/cm以上である。このように、防錆のためにイオン性防錆剤を含む冷却液は、導電率が高く、電気絶縁性を有していない。
なお、冷却液12には、オルト珪酸エステルに加えて、防錆剤としてのアゾール誘導体が含まれていてもよい。
冷却回路14は、冷却器16と、放熱器18と、ポンプ20と、ホース22とを含む。
冷却器16は、電池2と冷却液12との熱交換によって、電池2から冷却液12へ熱移動させて、電池2を冷却する。図2に示すように、冷却器16は、冷却液12が流れる流路を内部に形成する流路形成部材17等を有する。流路形成部材17は、伝熱部材である。冷却器16は、流路形成部材17を介した冷却液12と電池2との熱交換によって、電池2を冷却する。このように、冷却器16は、電池2を冷却液12で間接的に冷却する。
放熱器18は、車両の外部の空気との熱交換によって、冷却液12を放熱させる熱交換器である。図示しない送風機の作動によって、放熱器18に空気が供給される。ポンプ20は、冷却液12を送る流体機械である。ホース22は、冷却液12が流れる流路を形成する流路形成部材である。冷却器16と、放熱器18と、ポンプ20とは、ホース22によって接続されている。これによって、冷却液12が循環して流れる冷却回路14が形成されている。
ポンプ20が作動することによって、冷却器16と放熱器18との間を冷却液12が循環する。このとき、冷却器16で、冷却液12は電池2から熱を受ける。放熱器18で、冷却液12は熱を車両の外部の空気へ放出する。これにより、電池2が冷却される。
以上の説明の通り、本実施形態の冷却システム10は、冷却液12と、放熱器18とを備える。冷却液12は、水を含む液状の基材と、オルト珪酸エステルとを含み、イオン性防錆剤を含まない。
冷却液12にオルト珪酸エステルが含まれることで、冷却液12は防錆の機能を有する。このため、冷却液12に、イオン性防錆剤が含まれなくてもよい。イオン防錆剤を含まないので、この冷却液12は、イオン防錆剤を含む冷却液と比較して、導電率が低く、高い電気絶縁性を有する。
さらに、この冷却液12の基材には、上記した従来の冷却液よりも熱伝達性が高い水が含まれる。このため、この冷却液12の熱伝達性を上記した従来の冷却液よりも高くすることができる。
ここで、表1に、本実施形態の冷却液12、従来の冷却液であるシリコーンオイル、フッ素系不活性液体のそれぞれの熱伝導率を示す。
表1中の第1実施形態の冷却液12は、基材として、水とエチレングリコールとを含む。この冷却液12は、オルト珪酸エステルとして、テトラエトキシシランを含む。水とエチレングリコールとの質量比は1:1である。また、表1中のシリコーンオイルは、信越シリコーン社のKF-96シリーズのシリコーンオイルである。表1中のフッ素系不活性液体は、3M社のNovec7000シリーズの高機能性液体である。表1中の熱伝導率は、いずれも25℃のときの値である。
表1に示すように、本実施形態の冷却液12の熱伝導率は、0.4W/mKであり、従来の冷却液の熱伝導率である0.1W/mKおよび0.07W/mKよりも高い。これは、水を含む基材の熱伝導率が0.1W/mKよりも高いからである。
熱伝導率と熱伝達率との間には、熱伝導率が高いほど、熱伝達率が高いという関係がある。したがって、本実施形態の冷却液12の熱伝達率は、従来の冷却液の熱伝達率よりも高い。すなわち、本実施形態の冷却液12の熱伝達性は、従来の冷却液の熱伝達性よりも高い。
本実施形態の冷却システム10によれば、従来の冷却液よりも熱伝達性が高い冷却液12を用いることで、従来の冷却システムと比較して、冷却器16、放熱器18のそれぞれの小型化が可能である。よって、冷却システム10の全体の小型化が可能である。
(第2実施形態)
本実施形態では、冷却回路14は、第1実施形態の冷却器16に替えて、図3に示す冷却器24を含む。この冷却器24は、電池2を冷却液12で直接冷却する。具体的には、冷却器24は、冷却液12を貯留する容器26を有する。電池2は、容器26の内部の冷却液12に浸漬されている。冷却器24は、電池2と冷却液12との熱交換によって、電池2から冷却液12へ直に熱移動させて、電池2を冷却する。
本実施形態では、冷却回路14は、第1実施形態の冷却器16に替えて、図3に示す冷却器24を含む。この冷却器24は、電池2を冷却液12で直接冷却する。具体的には、冷却器24は、冷却液12を貯留する容器26を有する。電池2は、容器26の内部の冷却液12に浸漬されている。冷却器24は、電池2と冷却液12との熱交換によって、電池2から冷却液12へ直に熱移動させて、電池2を冷却する。
冷却システム10の他の構成は、第1実施形態と同じである。本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
図4に示すように、本実施形態では、電池2は、導電部材30を有する。導電部材30には、導電部材30の表面を覆う電気絶縁性の被覆層32が形成されている。すなわち、電池2は、被覆層32を有する。被覆層32は、有機化合物、無機化合物またはこれらの混合物で構成される。
図4に示すように、本実施形態では、電池2は、導電部材30を有する。導電部材30には、導電部材30の表面を覆う電気絶縁性の被覆層32が形成されている。すなわち、電池2は、被覆層32を有する。被覆層32は、有機化合物、無機化合物またはこれらの混合物で構成される。
導電部材30としては、電池2の電極、ケース等が挙げられる。例えば、導電部材30が電池2の電極である場合、電極の表面に被覆層32が形成される。また、例えば、導電部材30が電池2の外形をなすケースである場合、ケースの表面全域に被覆層32が形成される。このように、電池2の一部または全部の表面に、被覆層32が形成される。
本実施形態によれば、何らかの理由によって冷却液12の導電率が上昇し、かつ、冷却液12が電池2に触れた場合であっても、電池2に液絡が生じることを回避することができる。
(他の実施形態)
(1)上記した各実施形態では、電池2が冷却対象物である。しかしながら、モータジェネレータ、インバータ、車両に搭載されるコンピュータ等の電気が流れる他の車載機器が冷却対象物であってもよい。また、電気が流れるものであれば、車両に搭載されていないものが冷却対象物であってもよい。このような冷却対象物としては、例えば、電動車両の電池を充電する定置用の充電ステーションが備えるインバータ等の電気機器が挙げられる。また、定置用の大型計算機が挙げられる。
(1)上記した各実施形態では、電池2が冷却対象物である。しかしながら、モータジェネレータ、インバータ、車両に搭載されるコンピュータ等の電気が流れる他の車載機器が冷却対象物であってもよい。また、電気が流れるものであれば、車両に搭載されていないものが冷却対象物であってもよい。このような冷却対象物としては、例えば、電動車両の電池を充電する定置用の充電ステーションが備えるインバータ等の電気機器が挙げられる。また、定置用の大型計算機が挙げられる。
(2)上記した各実施形態では、冷却液12にイオン性防錆剤が含まれない。しかしながら、冷却液12が電気絶縁性を有していれば、冷却液12にイオン性防錆剤が含まれていてもよい。イオン性防錆剤としては、例えば、亜硝酸塩、モリブデン酸塩、クロム酸塩、ホスホン酸塩、リン酸塩、セバシン酸、トリアゾール系化合物などが挙げられる。ここでいう「冷却液12が電気絶縁性を有する」とは、冷却液12の導電率が500μS/cm以下であることを意味する。この導電率は、室温、例えば、25℃での測定値である。本発明者の実験結果によれば、冷却液の導電率が500μS/cm以下であることにより、冷却対象物に液絡が生じることを抑制することができる。液絡を抑制するためには、冷却液12の導電率は、100μS/cm以下であることが好ましく、10μS/cm以下であることがより好ましい。
この場合においても、冷却液にオルト珪酸エステルが含まれることで、冷却液は防錆の機能を有する。このため、防錆のためにイオン性防錆剤が含まれる冷却液(例えば、エンジン冷却水)と比較して、冷却液に含まれるイオン性防錆剤を少なくすることができる。すなわち、防錆のためにイオン性防錆剤が含まれる冷却液と比較して、冷却液の導電率を低くすることができる。これにより、冷却液に電気絶縁性を持たせることができる。
(3)本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能であり、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、電気が流れる冷却対象物を冷却する冷却システムは、冷却対象物を冷却する冷却液と、冷却液の熱を放出させる放熱器とを備える、冷却液は、水を含む液状の基材と、基材に相溶するオルト珪酸エステルとを含み、電気絶縁性を有する。
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、電気が流れる冷却対象物を冷却する冷却システムは、冷却対象物を冷却する冷却液と、冷却液の熱を放出させる放熱器とを備える、冷却液は、水を含む液状の基材と、基材に相溶するオルト珪酸エステルとを含み、電気絶縁性を有する。
また、第2の観点によれば、電気が流れる冷却対象物を冷却する冷却システムは、冷却対象物を冷却する冷却液と、冷却液の熱を放出させる放熱器とを備える。冷却液は、水を含む液状の基材と、基材に相溶するオルト珪酸エステルとを含み、イオン性防錆剤を含まない。
また、第3の観点によれば、冷却液の導電率は、500μS/cm以下である。このように、冷却液は、導電率が500μS/cm以下である電気絶縁性を有する。これにより、冷却対象物に液絡が生じることを抑制することができる。
また、第4の観点によれば、冷却システムは、冷却器をさらに備える。冷却器は、冷却液が流れる流路を形成する流路形成部材を有する。冷却器は、流路形成部材を介した冷却液と冷却対象物との熱交換によって冷却対象物を冷却する。
第1~第3の観点において、第4の観点の構成を採用することができる。これによれば、従来の冷却液よりも熱伝達性が高い冷却液を用いることで、従来の冷却システムと比較して、冷却器の小型化が可能である。よって、冷却システムの小型化が可能である。
また、第5の観点によれば、冷却システムは、冷却対象物をさらに備える。冷却対象物は、導電部材と、導電部材の表面を覆う電気絶縁性の被覆層とを有する。これによれば、何らかの理由によって冷却液の導電率が上昇した場合でも、冷却対象物に液絡が生じることを回避することができる。
12 冷却液
14 冷却回路
16 冷却器
17 流路形成部材
18 放熱器
14 冷却回路
16 冷却器
17 流路形成部材
18 放熱器
Claims (5)
- 電気が流れる冷却対象物(2)を冷却する冷却システムであって、
前記冷却対象物を冷却する冷却液(12)と、
前記冷却液の熱を放出させる放熱器(18)とを備え、
前記冷却液は、水を含む液状の基材と、前記基材に相溶するオルト珪酸エステルとを含み、電気絶縁性を有する、冷却システム。 - 電気が流れる冷却対象物(2)を冷却する冷却システムであって、
前記冷却対象物を冷却する冷却液(12)と、
前記冷却液の熱を放出させる放熱器(18)とを備え、
前記冷却液は、水を含む液状の基材と、前記基材に相溶するオルト珪酸エステルとを含み、イオン性防錆剤を含まない、冷却システム。 - 前記冷却液の導電率は、500μS/cm以下である、請求項1または2に記載の冷却システム。
- 前記冷却液が流れる流路を形成する流路形成部材(17)を有し、前記流路形成部材を介した前記冷却液と前記冷却対象物との熱交換によって前記冷却対象物を冷却する冷却器(16)をさらに備える、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷却システム。
- 前記冷却対象物をさらに備え、
前記冷却対象物は、導電部材(30)と、前記導電部材の表面を覆う電気絶縁性の被覆層(32)とを有する、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の冷却システム。
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PCT/JP2019/049402 WO2020137703A1 (ja) | 2018-12-26 | 2019-12-17 | 冷却システム |
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JP2001164244A (ja) | 1999-09-28 | 2001-06-19 | Toyota Motor Corp | 冷却液、冷却液の封入方法および冷却システム |
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