以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1~図24は、本開示による一実施の形態を説明するための図である。このうち図1及び図2は、液体充填済み容器組合体5および容器組合体10を示す斜視図または縦断面図である。容器組合体10は、外装容器20と、外装容器20内に収容された液体収納容器30と、を有している。液体充填済み容器組合体5は、容器組合体10と、容器組合体10の液体収納容器30内に保持された液体Lと、を有している。液体Lは、上述したように、業薬品、医薬品や化粧品原料等の液体とすることができる。
なお、本明細書で用いる「液体」とは、流動性を有した流動性物を意味しており、何らかの物質が溶媒中に分散した懸濁液も含む。すなわち、「液体」は、固体や気体との状態の相違を表す意味に限られることなく、液体収納容器30内に注入可能および液体収納容器30から注出可能な程度の流動性を有した物体を意味している。
この容器組合体10では、使用済みの液体収納容器30を外装容器20から取り出し、新たな液体収納容器30を外装容器20内にセットすることで、外装容器20を再使用して用いることができる。液体収納容器30は、保管及び運搬等される際、折り畳まれて小型化した状態で取り扱われる。液体収納容器30は、折り畳まれることで占有面積を低減することができ、取り扱い性を向上させることができる。その一方で、液体収納容器30は、外装容器20内に配置された状態において、外装容器20の内面ISに沿って大きく膨らむことを要求される。液体Lを充填される液体収納容器30の内容積が大きいことは、容器組合体10の収容容積が大きいことを意味する。そして、本実施の形態では、液体収納容器30の外装容器20内に配置される袋本体40の折り畳み方を工夫することで、外装容器20内で膨らまされた袋本体40に期待した内容積を安定して付与し得るようになっている。以下、このような一実施の形態について説明する。
まず、容器組合体10の構成について説明する。上述のように、容器組合体10は、外装容器20及び液体収納容器30を有している。このうち外装容器20について説明する。外装容器20は、例えば、アルミニウム、鋼鉄、ステンレス等の金属、超高分子量高密度ポリエチレン等の樹脂、ファイバーボード等の複合素材を用いて作製され、或る程度の剛性を有している。外装容器20として、例えば、ペール缶やドラム缶と呼ばれる容器を用いることができる。外装容器20としては、本体と本体に対して取り外し可能な天面部とを有する容器を用いてもよいし、天面部が固定され天面部の注出入用開口を塞ぐ蓋が設けられた容器を用いてもよい。
図示された例において、外装容器20は、ドラム缶と呼ばれる鋼鉄製の容器として、構成されている。この外装容器20は、開口部25及び補助開口部27が形成された天面部21と、天面部21に対向した底面部22と、天面部21及び底面部22の間に位置する側面部23と、を有している。側面部23は、円筒状に形成されている。したがって、外装容器20は、円柱状の内容積を有している。外装容器20の内面ISは、円柱の外表面と同様となっている。開口部25は、通常の用途において、外装容器20内に内容物を注入する際や外装容器20内から内容物を注出する際に利用される。一方、補助開口部27は、開口部25を介した内容物の注出入にともなって、通気を行うための通気口として機能し得る。ただし、補助開口部27を外装容器20から省略してもよい。
図示された例において、開口部25及び補助開口部27は、天面部21の中心C20から偏心して配置されている。言い換えると、開口部25及び補助開口部27は、天面部21の中心C20、すなわち円板上の天面部21の中心C20から径方向にずれて位置している。図示された例において、開口部25及び補助開口部27は、中心C20を中心とした点対称な位置に配置されている。
一例として、図2に示された外装容器20の縦方向daに沿った長さH20、すなわち外装容器20の高さH20を、280mm以上950mm以下とすることができる。とりわけ、大型の容器として、外装容器20の高さH20を、860mm以上950mm以下とすることができる。同様に、図2に示された外装容器20の横方向dbに沿った長さW20、すなわち外装容器20の幅W20又は直径を、230mm以上620mm以下とすることができる。とりわけ、大型の容器として、外装容器20の幅W20を、560mm以上620mm以下とすることができる。
また、開口部25の最大内幅は、収容物の出し入れを容易にする観点から、40mm以上であることが好ましく、50mm以上であることが好ましい。開口部25の最大内幅は、収容物の密閉や外装容器20の剛性の観点から、75mm以下が好ましく、65mm以下であることがより好ましい。一方、補助開口部27の最大内幅は、10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることが好ましい。補助開口部27の最大内幅は40mm以下が好ましく、30mm以下であることがより好ましい。なお、開口部25の最大内幅は、典型的には、円筒状に形成された開口部25に内径に相当する。同様に、補助開口部27の最大内幅は、典型的には、円筒状に形成された補助開口部27に内径に相当する。
さらに、大型の外装容器20の取り扱い性を改善する観点から、開口部25及び補助開口部27は、天面部21の中心C20から、160mm以上240mm以下の距離だけ離れていることが好ましく、180mm以上220mm以下の距離だけ離れていることがより好ましい。また、開口部25及び補助開口部27は、天面部21の中心C20から、外装容器20の幅Wの50%以上85%以下の距離だけ離れていることが好ましく、外装容器20の幅Wの60%以上75%以下の距離だけ離れていることがより好ましい。
また、図1に示すように、天面部21には、筒状部26が設けられている。筒状部26は、円筒状の部材として形成されている。筒状部26は、天面部21から外方、とりわけ鉛直方向における上方に突出している。この筒状部26の中空空間を介して、外装容器20の内部が外部と通じている。したがって、筒状部26の内部空間によって、開口部25が形成されている。
図3に示された筒状部26は、外螺子26a及び内螺子26bを有している。外螺子26aは、筒状部26の外周面に形成されている。外螺子26aは開口部25を塞ぐための図示しない蓋体の螺子と噛み合うことで、この蓋体を外装容器20に固定することができる。内螺子26bは、筒状部26の内周面に形成されている。とりわけ図示された例において、内螺子26bは、筒状部26の全長に亘って形成されている。したがって、内螺子26bを形成する螺子溝は、上端側だけでなく、上端および下端の両端において開口している。
ただし、図示された例に限られず、筒状部26は、外螺子26a及び内螺子26bの一方のみを有するようにしてもよいし、外螺子26a及び内螺子26bの両方とも有していなくてもよい。
なお、本明細書中において容器組合体10や外装容器20等に用いる「上」及び「下」の用語は、特に指示がない場合、底面部22が水平な面上に位置するようにして容器組合体10や外装容器20を載置した状態を基準とした「上」及び「下」を意味する。したがって、天面部21は鉛直方向における上方に位置し、底面部22は鉛直方向における下方に位置している。また、本明細書中において容器組合体10や外装容器20等に用いる「縦」及び「横」の用語も、特に指示がない場合、底面部22が水平な面上に位置するようにして容器組合体10や外装容器20を載置した状態を基準として判断する。
次に、液体収納容器30について説明する。図4に示すように、液体収納容器30は、折り畳み可能な袋本体40と、袋本体40に取り付けられた注出入口50と、を有している。
典型的には、袋本体40は、樹脂製フィルムを含むフィルム部材41を用いて作製され、柔軟性を有している。このようなフィルム部材41は、収容物の充填量に応じて容易に変形することができる。このような袋本体40は、安価で取り扱い性に優れるといった利点を有している。また、フィルム部材41に含まれる層に応じて、遮光性、耐候性、バリア性等の種々の特性を袋本体40に付与することもできる。
具体的な構成として、袋本体40は、対向して配置された二つのフィルム部材41を有している。二枚のフィルム部材41の間には、注出入口50が設けられている。二枚のフィルム部材41は、重ね合わされ、シール部45a,45b,45c,45dを例えばその周縁部に有している。シール部45a,45b,45c,45dは、対向する一対のフィルム部材41を接合した部分である。シール部45a,45b,45c,45dの一具体例として、対向する一対のフィルム部材41を熱溶着してなるヒートシール部とすることができる。
図示された例において、袋本体40は、展開した状態において、言い換えると広げた状態において、矩形形状に形成されている。図4に示すように、袋本体40は、第1方向d1に延びる一対の辺と、第2方向d2に延びる一対の辺を有している。袋本体40は、注出入口50が設けられた上縁部40aと、上縁部40aに対向する下縁部40bと、上縁部40a及び下縁部40bを連結する側縁部40c,40dと、を有している。上縁部40a及び下縁部40bは、第2方向d2に延びている。第1側縁部40c及び第2側縁部40dは、第1方向d1に延びている。第1方向d1と第2方向d2は垂直な関係にある。
また図示された例において、二つのフィルム部材41は、上縁部40a又はその近傍に位置し上縁部40aに沿って延びる上縁シール部45aと、下縁部40b又はその近傍に位置し下縁部40bに沿って延びる下縁シール部45bと、第1側縁部40c又はその近傍に位置し第1側縁部40cに沿って延びる第1側縁シール部45cと、第2側縁部40d又はその近傍に位置し第2側縁部40d沿って延びる第2側縁シール部45dと、を含んでいる。上縁シール部45a、下縁シール部45b、第1側縁シール部45c及び第2側縁シール部45dに囲まれた領域に、液体を収容する空間が形成される。
一例として、各フィルム部材41は、外フィルム材42及び内フィルム材43を有している。図5に示すように、二枚のフィルム部材41は、内フィルム材43が互いに対面し接触するようにして、配置されている。また、図5に示された例において、外フィルム材42は、多層フィルムとして構成され、互いに接合された外側層42a及び内側層42bを有している。一具体例として、外側層42aとして未延伸ナイロン(厚さ20μm)を用い、内側層42bとして直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ40μm)を用いることができる。また、内フィルム材43として直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ70μm)を用いることができる。この具体例では、外フィルム材42が未延伸ナイロン20aを含むため、外フィルム材42としてはその伸長度を増加させることができ、例えば外フィルム材42は300%~500%の伸長度を付与することができる。外フィルム材42が高い伸長度をもつと、袋本体40を全体として軟質とすることができる。したがって、後述のように外装容器20内に袋本体40を挿入し、この袋本体40内に窒素ガスを供給して袋本体40を外装容器内で膨らませる際、円滑に袋本体40を膨らませることができる。
図示された例として、図4に示されたシート状に展開した際における袋本体40の第1方向d1に沿った長さH40、すなわち袋本体40の高さH40を、500mm以上1500mm以下とすることができる。とりわけ、大型の容器として、シート状に展開した際における袋本体40の高さH40を、1340mm以上1500mm以下とすることができる。同様に、図4に示されたシート状に展開した際における袋本体40の第2方向d1に沿った長さW40、すなわち袋本体40の幅W40を、400mm以上950mm以下とすることができる。とりわけ、大型の容器として、シート状に展開した際における袋本体40の幅W40を、850mm以上950mm以下とすることができる。すなわち、シート状に展開した袋本体40は、外装容器20の平面視の大きさよりも格段に大きくなっている。
なお、袋本体40は、以上の構成に限られない。例えば、袋本体40は、折り返した一つのフィルム部材41の互いに向き合う部分(例えば、外周辺の3辺)を接合することで、構成されてもよい。袋本体40をなすフィルム部材41の層構成も特に限定されない。各フィルム部材41は単一のフィルム材を有するようにしてもよいし、三以上のフィルム材を有するようにしてもよい。
上述したように、袋本体40には、注出入口50が取り付けられている。図3及び図6に示すように、注出入口50は、袋本体40に取り付けられた取付部51と、袋本体40から突出した口部52と、を有している。取付部51は、一対のフィルム部材41の間に配置されている。図3及び図6に示すように、取付部51は、シール部、とりわけ上縁シール部45aにおいて、一対のフィルム部材41の間に配置され、各フィルム部材41と接合されている。これにより、注出入口50が袋本体40に固定されている。注出入口50は、中央に貫通孔を有した筒状の部材として構成されている。
図3及び図6に示すように、注出入口50の中空内部には、内螺子50bが形成されている。この内螺子50bは、例えば、注出入口50の開口を封鎖するための蓋部材の螺子、外装容器20に取り付けられた液体収納容器30を膨らませるための装置(図示せず)の螺子、液体充填済み容器組合体5から液体Lを注出する装置(図示せず)の螺子と噛み合うようになっている。すなわち、注出入口50の内螺子50bは、蓋部材や外部の装置を固定するための螺子として機能する。
図3及び図6に示すように、取付部51は、円筒状の取付部本体51aと、取付部本体51aの両側に設けられた一対の延長部51bとを有している。すなわち、延長部51bは、取付部本体51a本体から袋本体40の幅方向に延び出している。そして、延長部51bは、注出入口50の開口方向、言い換えると注出入口50の軸線方向、更に言い換えると第1方向d1に直線状に延びている。注出入口50を取付部51において二つのフィルム部材41の間に熱溶着させる際、第2方向d2における取付部51とフィルム部材41との間に隙間が形成されやすい。この隙間は、袋本体40の内部に収容した液体の漏れの原因となり得る。この隙間の発生を防止するため、取付部51の第1方向d1の端となる部分に厚みの薄い延長部51bを設け、延長部51bにフィルム部材41を接合させている。
図3及び図6に示すように、口部52は、取付部51よりも拡径している。口部52は、その外周面に、外螺子50aを有している。この外螺子50aは、外装容器20の内螺子26bと噛み合う。とりわけ図示された例において、外螺子50aは、拡径した口部52の全長に亘って形成されている。したがって、外螺子50aを形成する螺子溝は、上端側だけでなく、上端および下端の両端において開口している。
更に図6に示すように、口部52の取付部51とは反対側となる端面、すなわち口部52の上端面には、或る一つの円周上に等間隔をあけて配置された複数の凹部52aが設けられている。図示された例において、八つの凹部52aが設けられている。また、口部52には、対向する位置に設けられた一対の切欠部52bが設けられている。
更に、注出入口50は、袋本体40の向きを表示する表示部52cを有している。一例として、表示部52cは、袋本体40の第2方向d2や、第2方向d2における第1側縁部40cの側又は第2側縁部40dの側を示すようにしてもよい。図6に示された表示部52cは、口部52の取付部51とは反対側となる端面、すなわち口部52の上端面に、設けられている。表示部52cは、太線として示されている。太線としての表示部52cは、当該太線に直交する方向が袋本体40の第2方向d2を示し、さらに、太線が設けられている側が第2方向d2における第1側縁部40cの側を示している。
図4に示すように、注出入口50は、シート状に展開された袋本体40において第2方向d2に直線状に延びる上縁部40aに設けられている。注出入口50は、この上縁部40aの中心C40から第1側縁部40cの側にずれた位置に配置されている。つまり、注出入口50は、上縁部40aの中心C40から偏心して配置されている。
次に、図7~図12を主として参照しながら、袋本体40の折り畳み方法について説明する。
以下に説明する折り畳み方法では、第1方向d1に延びる軸線を中心として、一回以上、袋本体40が折り曲げられる。この第1方向d1に延びる軸線を中心とした一回以上の折り畳みにおいて、袋本体40は、注出入口50が設けられている側の部分に対して、注出入口50が設けられていない側の部分が一方の向きのみに折り曲げられる。そして、最終的に得られた液体収納容器30において、袋本体40のうちの注出入口50が取り付けられている部分は、折り畳まれた袋本体40のうちの最も外部に位置するようになる。このように袋本体40が折り畳まれた液体収納容器30は、後述するように外装容器20内で袋本体40を膨らませた際に、液体収納容器の期待した内容積を安定して確保することができる。
なお、上述の説明において第1方向d1及び第2方向d2を展開された袋本体40の縁部の長手方向と関連において説明したが、以下の折り畳みの説明では、注出入口50が設けられている袋本体40の一方の部分PXが、第1方向d1及び第2方向d2の両方に並行な平面に広がった状態において、この一方の部分PXに対して注出入口50が設けられていない他方の側の部分PYが相対的に折り畳まれていくものとして、第1方向d1及び第2方向d2を取り扱う。
まず、図7に示すように、第1方向d1に延びる折曲軸線A11を中心として、注出入口50が設けられている一方の側の部分PXに対して、注出入口50が設けられていない他方の側の部分PYが、一方の側へ折り曲げられる。図示された例では、図7Aに示された第1方向d1に沿った上縁部40aの側からの観察において、注出入口50が設けられている一方の側の部分PXに対して、注出入口50が設けられていない他方の側の部分PYは、時計回り方向に折り曲げられる。図示された例において、折曲軸線A11は、シート状に展開した袋本体40における第2側縁部40dから、第1側縁部40cの側へ、袋本体40の幅W40の三分の一の長さだけ離間して位置する。
同様に、第1方向d1に延びる折曲軸線A12を中心として、二回目の折り曲げを行う。二回目の折り曲げの中心となる折曲軸線A12は、図示された例において、シート状に展開した袋本体40における第2側縁部40dから、第1側縁部40cの側へ、袋本体40の幅W40の三分の二の長さだけ離間して位置する。折曲軸線A12を中心として、注出入口50が設けられている一方の側の部分PXに対して、注出入口50が設けられていない他方の側の部分PYを、一方の側へ折り曲げる。すなわち、図7Bに示すように、第1方向d1に沿った上縁部40aの側からの観察において、注出入口50が設けられている一方の側の部分PXに対して、注出入口50が設けられていない他方の側の部分PYは、時計回り方向に折り曲げられる。
なお、二つの折曲軸線A11,A12の第2方向d2に沿った位置は、上述した例に特に限定されるものではない。ただし、袋本体40を外装容器20内で広く膨らませる観点からは、袋本体40の折り曲げ回数を少なくすることが好ましい。少ない折り曲げ回数で袋本体40を小さく折り畳むには、上述した例は好ましい。
以上に説明した折曲軸線A11及び折曲軸線A12を中心とした二回の一方の側への折り曲げにより、液体収納容器30は、図8に示された第1方向d1に細長い状態となる。すなわち、液体収納容器30は、第2方向d2への寸法を小型化される。
次に、図9に示すように、第2方向d2に延びる折曲軸線を中心として、注出入口50が設けられている一方の側の部分PXに対して、注出入口50が設けられていない他方の側の部分PYが、折り曲げられる。なお、図8及び図9では、注出入口50が取り付けられている袋本体40の幅方向に沿った部分、言い換えると第1側縁部40cを含んだ袋本体40の幅方向に沿った部分が、紙面の最も手前に位置している。
図9に示された例において、袋本体40は、第2方向d2に延びる二つの折曲軸線A21,A22を中心として二回折り曲げられる。ただし、折曲軸線A21を中心とした折り曲げと、折曲軸線A22を中心とした折り曲げは、互いに逆向きとなる。すなわち、折曲軸線A21を中心として、注出入口50が設けられている一方の側の部分PXに対して、注出入口50が設けられていない他方の側の部分PYが、一方の側へ折り曲げられる。一方、折曲軸線A22を中心として、注出入口50が設けられている一方の側の部分PXに対して、注出入口50が設けられていない他方の側の部分PYが、他方の側へ折り曲げられる。図示された例では、第2方向d2に沿って第1側縁部40cの側からの観察において、注出入口50が設けられている一方の側の部分PXに対して、注出入口50が設けられていない他方の側の部分PYは、折曲軸線A21を中心として時計回り方向に折り曲げられる。また、第2方向d2に沿って第1側縁部40cの側からの観察において、注出入口50が設けられている一方の側の部分PXに対して、注出入口50が設けられていない他方の側の部分PYは、折曲軸線A22を中心として反時計回り方向に折り曲げられる。
なお、二つの折曲軸線A21,A22の第1方向d1に沿った位置は、特に限定されるものではない。袋本体40を外装容器20内で広く膨らませる際に、袋本体40が外装容器20の内面ISに接触することを防止する観点からは、二つの折曲軸線A21,A22の間の長さ、折曲軸線A22から下縁部40bまでの長さが短く設定されていることが好ましい。この観点から、折曲軸線A21は、下縁部40bから上縁部40aの側へ向けて、袋本体40の高さH40の三分の一の長さ以上三分の二の長さ未満だけ離間して位置していることが好ましい。また、折曲軸線A22は、下縁部40bから上縁部40aの側へ向けて、袋本体40の高さH40の三分の一の長さ未満だけ離間して位置していることが好ましい。図示された例では、折曲軸線A21が、袋本体40の第1方向d1における中央に位置し、折曲軸線A22が、下縁部40bから上縁部40aの側へ向けて、袋本体40の高さH40の四分の一の長さだけ離間して位置している。したがって、図9に示された折り畳みが終了した状態で、袋本体40の平面形状は、展開した状態の略六分の一まで広さとなっている。
次に、図10及び図11に示すように、再び第1方向d1に延びる折曲軸線A13を中心として、袋本体40を折り曲げる。図10及び図11に示すように、第1方向d1に延びる折曲軸線A13を中心とした袋本体40の折り曲げは、図7~図7Bを参照して説明した折曲軸線A11,A12を中心とした袋本体40の折り曲げと同一の向きとなっている。つまり、第1方向d1に沿って上縁部40aの側からの観察において、注出入口50が設けられている一方の側の部分PXに対して、注出入口50が設けられていない他方の側の部分PYは、折曲軸線A13を中心として時計回り方向に折り曲げられる。
折曲軸線A13の第2方向d2に沿った位置は、特に限定されるものではない。ただし、液体収納容器30の小型化の観点から、図10に示された袋本体40の折り曲げは、袋本体40の第1方向d1に沿った寸法を半分とするものであることが好ましい。図示された例において、折曲軸線A13は、第1側縁部40cから第2側縁部40dの側へ向けて、袋本体40の幅W40の六分の一の長さだけ離間して位置している。
また、図10に示された袋本体40の折り曲げは、注出入口50が取り付けられた袋本体40の第2方向d2に沿った部分が、折り曲げの外側となるようにして、実施されている。この結果、図11に示された袋本体40を折り畳んだ後の液体収納容器30において、袋本体40のうちの注出入口50が取り付けられている部分は、折り畳まれた袋本体40のうちの最も外部に位置するようになる。すなわち、図4に示された袋本体40において、袋本体40が取り付けられている平面領域部分が、図11に示された袋本体40を折り畳んだ後の液体収納容器30において、最も外部に現れている。図示された例において、注出入口50は、袋本体40の上縁部40aのうちの、第1側縁部40cと、袋本体40の幅W40の六分の一の長さだけ第1側縁部40cから離間した位置と、の間に位置している。したがって、図11に示された状態において、注出入口50が取り付けられた袋本体40の第2方向d2に沿った部分は、第1側縁部40cを含んでいる。
なお、上述したように、大型の外装容器20の取り扱い性を改善する観点から、開口部25及び補助開口部27は、天面部21の中心C20から偏心していることが好ましい。具体的には、開口部25及び補助開口部27は、外装容器20の幅Wの50%以上85%以下の距離だけ離れていることが好ましく、外装容器20の幅Wの60%以上75%以下の距離だけ離れていることがより好ましく、更にこのような外装容器20に対しては、注出入口50を、袋本体40の上縁部40aのうちの、第1側縁部40cと、袋本体40の幅W40の七分の一以上五分の一以下の長さだけ第1側縁部40cから離間した位置と、の間に配置することが好ましい。このような例によれば、外装容器20内において袋本体40を大きく広げて、液体収納容器30の内部容積を大きく確保することが可能となる。
以上のように袋本体40が折り畳まれ、液体収納容器30が小型化される。
次に、図12に示すように、折り畳まれた袋本体40に対して仮止め部材32が取り付けられる。仮止め部材32は、袋本体40を折り畳まれた状態に維持するように、取り付けられる。図12に示された例において、仮止め部材32は、布、紙、樹脂性フィルム等を用いて作製された帯状の部材である。仮止め部材32は、その長手方向における両端に位置する接合領域32aにおいて、袋本体40に接合している。図示された例において、仮止め部材32は一つだけ設けられている。
仮止め部材32が袋本体40に接合する位置は、図11及び図12に示された折り畳みが完了した状態で、最後の折り畳みが行われた折曲軸線A13から幅方向(第2方向d2)において離間する側の縁部となっている。また、仮止め部材32が袋本体40に接合する第1方向d1における位置は、第2方向d2に延びる折曲軸線A21,A22で折り曲げられた部分を含む領域内となっている。したがって、仮止め部材32は、袋本体40の厚みの厚くなっている部分、すなわち、最後の折曲軸線A13による折り曲げを戻して展開しようとする力がより強く生じる部分に取り付けられている。このような仮止め部材32によれば、袋本体40を折り畳んだ状態に安定して維持することができ、液体収納容器30の小型化を保つことができる。
なお、仮止め部材32と袋本体40との間の接合力は、帯状の仮止め部材32自体が一対の接合領域32aの間で切断する力よりも強くなっていることが好ましい。より正確に表現すると、袋本体40を外装容器20内で膨らませる際、仮止め部材32と袋本体40との接合が剥がれるよりも先に、帯状の仮止め部材32が一対の接合領域32aの間で破断することが好ましい。また、仮止め部材32の特定位置での破断を誘導するため、仮止め部材32が一対の接合領域32aの間となる位置に、切欠、孔、ミシン目や、幅が狭くなった幅狭部、厚みが薄くなった薄厚部等の弱め部が、形成されるようにしてもよい。弱め部を設けることによって、仮止め部材32と袋本体40との接合が剥がれるよりも先に、仮止め部材32が特定の位置にて破断することを促進することができる。
以上のようにして、折り畳まれた袋本体40と、袋本体40に取り付けられた注出入口50と、を含む液体収納容器30が得られる。得られた液体収納容器30は、袋本体40を折り畳むことによって小型化している。したがって、この液体収納容器30は、搬送や保管等の取り扱い性に優れる。
液体収納容器30は、外装容器20の内部に取り付けられて、用いられる。好ましい一使用態様として、液体収納容器30は使い捨て容器として使用され、その一方で、外装容器20は、使用済みの液体収納容器30を取り外した後に、新しい液体収納容器30を取り付けられることで、繰り返し使用される。このような使用態様は、比較的に安価な液体収納容器30を使い捨てにする一方で、比較的高価でしかも廃棄するにもコストと手間が必要となる外装容器20を繰り返し使用することができ、費用および取り扱い作業性の面で優れる。
さらに、液体収納容器30を使い捨てにすることで、容器の洗浄作業を不要とすることができる。とりわけ容器組合体10で保持する液体が特殊な液体である場合、洗浄液も特殊な洗浄液を用いる必要が生じ、さらに使用後の洗浄液の廃棄にも適切な処理が必要となる。すなわち、使い捨ての液体収納容器30を用いることで、外装容器20で直接液体を保持することと比較して、外装容器20の洗浄作業、洗浄液の手配及び管理、使用済み洗浄液の処理等の手間を省略することができる。したがって、本実施の形態による液体充填済み容器組合体5、容器組合体10、液体収納容器30は、産業廃棄物としての処理が必要となる、工業薬品、医薬品や化粧品原料等の液体に対して、好適である。
次に、液体収納容器30の外装容器20への取り付け方法について説明する。
まず、図13に示すように、袋本体40が折り畳まれた液体収納容器30を、注出入口50が取り付けられている側とは反対側から、外装容器20の開口部25に挿入する。このとき、必要に応じて、液体収納容器30を図12に示された状態からさらに細く折り畳んでもよい。図13に示された例において、袋本体40は、第1方向d1に延びる軸線を中心としてさらに巻くようにして又は折り曲げられ、この結果、縦方向daに更に細長い形状を有するようになっている。なお、このような折り曲げ等は、仮止め部材32を用いていないので、液体収納容器30を外装容器20に挿入した後に自然に復元され得る。
なお、上述したように、外装容器20の開口部25は、内面に内螺子26bが設けられた筒状部26によって構成されている。そして、外装容器20を構成する材料は、典型的には鋼鉄であるように、柔軟性を有した袋本体40よりも格段に硬くなっている。したがって、外装容器20の筒状部26内を通過させて袋本体40を外装容器20内に押し込む際、袋本体40が筒状部26との接触によって損傷することも想定され得る。このような不具合を回避するため、図13A及び図13Bに示すように、開口部25(筒状部26)よりも軟質の材料で形成された保護治具60を用いてもよい。
図13Aに点線で示すように、保護治具60は、筒状部26にかぶせて用いられる。保護治具60は、筒状部26内に挿入可能な保護筒状部61と、保護筒状部61の上端に設けられた保護鍔部62と、を有している。筒状部26に保護治具60を被せることによって、筒状部26の内壁および上端面を覆うことができる。より具体的には、保護筒状部61が、筒状部26の内面を覆い、保護鍔部62が、筒状部26の上端面に覆う。そして、袋本体40は、保護筒状部61の中空内部を通過して、外装容器20内に配置される。このとき、袋本体40は、筒状部26に接触することなく、比較的柔軟な樹脂材料で形成された保護治具60にしか接触しない。これにより、外装容器20内への挿入時における袋本体40の損傷の可能性を格段に抑制することができる。
なお、袋本体40を外装容器20内に挿入した後に、保護治具60を除去しなければならない。このとき、液体収納容器30は、保護治具60の中空部を通過している。そこで、図13Bに示すように、保護治具60は、二つの保護治具部品60Aに分割可能となっている。保護治具60を分割可能にすることで、注出入口50が保護治具60の中空部を通過することなく、保護治具60を液体収納容器30の周囲から取り外すことができる。
液体収納容器30の袋本体40が外装容器20の内部に挿入された後、液体収納容器30の注出入口50を外装容器20の注出入口50に取り付ける。具体的には、図示された例において、注出入口50の拡径した口部52に形成された外螺子50aを、外装容器20の筒状部26の内螺子26bに噛み合わせることで、液体収納容器30を外装容器20に装着する。
なお、上述した例において、注出入口50の外螺子50a及び外装容器20の内螺子26bに端部は設けられていない。したがって、外装容器20の筒状部26に対して注出入口50を回転させ続けると、注出入口50と筒状部26との噛み合いが解除されて、液体収納容器30が外装容器20の内部に落下してしまう。すなわち、第2方向d20の筒状部26に対する注出入口50の回転量を規制する必要がある。
図13Cに示された例において、取り付け治具65を用いて、注出入口50を外装容器20の筒状部26に対して回転させている。取り付け治具65は、円筒状に形成された円筒基部66と、円筒基部66から拡径した位置決め部67と、を有している。図13Cに示すように、円筒基部66は、筒状部26内に挿入可能な外形状を有している。図6に示すように、注出入口50の口部52の上端面には、円周方向に等間隔をあけて複数の凹部52aが形成されている。図13Cに示すように、円筒基部66の下端面には、この凹部52a内に挿入可能な複数のピン部66aが設けられている。図13Cに示された例では、取り付け治具65は、円筒基部66の下端面が注出入口50の口部52の上端面に対面するようにして配置されている。そして。複数のピン部66aが対応する凹部52a内に挿入されている。したがって、取り付け治具65を外装容器20の筒状部26に対して回転させると、注出入口50が取り付け治具65に同期して筒状部26に対して回転する。取り付け治具65は、図13Cに示すように、位置決め部67が筒状部26の上端面に接触するまで、筒状部26に対して回転することができる。そして、取り付け治具65を操作する作業者は、取り付け治具65の位置決め部67が筒状部26に接触したことを感知することができ、接触を感知したところで、取り付け治具65の回転を停止させ取り付け治具65を注出入口50から取り外す。これにより、液体収納容器30が外装容器20内に落下することを防止しながら、液体収納容器30の注出入口50を外装容器20の筒状部26に十分に安定するように取り付けることができる。
なお、図示を省略したが、取り付け治具65は、注出入口50の口部52に設けられた切欠部52b(図6参照)と筒状部26との間のすき間に挿入可能な凸部を有していてもよい。この凸部と切欠部52bとの結合により、取り付け治具65に回転にともなって、注出入口50をより確実に回転させることが可能となる。
また、図示された例において、取り付け治具65は、鍔部として形成された位置決め部67が外装容器20の筒状部26の上端面に接触することで、注出入口50が適切な位置に配置されたことを報知するようにしたが、この例に限られない。位置決め部67は、鍔部以外の構成を有するようにしてもよいし、筒状部26の上端面以外の部位に接触することで注出入口50が適切な位置へ到達したことを報知するようにしてもよい。
ところで、図示された例において、外装容器20の開口部25は、天面部21の中心C20からずらして配置され、液体収納容器30の注出入口50も、袋本体40の第2方向d2における中心C40からずらして配置されている。したがって、液体収納容器30を外装容器20に対して取り付ける際、外装容器20に対して、液体収納容器30の向きを調整することが好ましい。向きを調整することにより、袋本体40を過剰に大きく形成することを回避することができ、材料費の観点から好ましい。また、袋本体40を膨らませる際に、袋本体40の外装容器20の内面ISへの接触を抑制することができ、これにより、袋本体40が外装容器20内の適切な位置で大きく膨らむことが可能となる。
図示された例において、注出入口50は、袋本体40の向きを表示する表示部52cを有している。したがって、表示部52cを利用して、液体収納容器30の向きを外装容器20に対して調整することができる。
具体的には、図14に示すように、袋本体40の注出入口50が設けられた上縁部40aの注出入口50に近接する側となる第1端部40a1が、開口部25と開口部25に最も近接する外装容器20の側面部23上の近接位置APとを結ぶ方向において、開口部25と近接位置APとの間に位置するよう、液体収納容器30を外装容器20に対して位置決めする。すなわち、図示された例において、上縁部40aの注出入口50に近接する側の第1端部40a1が、開口部25を通過する天面部21の直径方向において、近接位置APの側に位置するよう調整する。このような位置決めにより、袋本体40を外装容器20内で大きく膨らませることができる。
加えて、注出入口50が取り付けられている部分での袋本体40の上縁部40aの長手方向が、開口部25を通過する天面部21の最大幅となる方向に沿うように配置することが好ましい。図示された例において、天面部21は円形状となっている。したがって、図14及び図17に示すように、注出入口50が取り付けられている部分での袋本体40の上縁部40aの長手方向が、開口部25を通過する天面部21の直径方向に沿うように、液体収納容器30を外装容器20に対して位置決めする。このとき、上縁部40aの注出入口50に近接する側の第1端部40a1は、開口部25と近接位置APとの間に位置させることができる。このような位置決めにより、袋本体40を外装容器20内でより大きく膨らませることができる。
以上のようにして液体収納容器30の袋本体40を外装容器20内に配置し且つ注出入口50を外装容器20に固定した後、外装容器20内で袋本体40を膨らませる。このとき、外装容器20内の気体を排出するため、補助開口部27を開いていても良い。
具体的には、図示しない膨らませ装置を注出入口50に接続させる。膨らませ装置は、液体収納容器30の内部に気体、例えば不活性ガス、典型的には窒素ガスを吐出するノズルを有している。ノズルに設けられた螺子を注出入口50の内螺子50bに噛み合わせることで、膨らませ装置を注出入口50に接続させる。膨らませ装置によって液体収納容器30内に気体を供給することで、袋本体40は外装容器20内で膨らむ。
液体収納容器30への気体の供給が開始すると、まず、注出入口50が取り付けられている袋本体40の部分が膨らむ。液体収納容器30には、最後に行った折曲軸線A13を中心とした折り曲げを元に戻して広がろうとする力が働くようになる。その一方で、図14に示すように、袋本体40は仮止め部材32によって折り畳んだ状態に維持されている。液体収納容器30への気体供給が継続することで、最終的に、仮止め部材32が破断する。仮止め部材32が破断することで、まず、図15に示すように、折曲軸線A13を中心として二つ折りされていた袋本体40が広がる。このとき、外装容器20に固定された注出入口50が設けられている一方の部分PXに対して、注出入口50が設けられていない他方の部分PYは、開口部25に最も近接する外装容器20の側面部23上の近接位置APから離間する方向に移動する。したがって、袋本体40と外装容器20の内面ISとの接触を効果的に回避することができる。外装容器20の内面ISとの接触を回避することで、外装容器20との摩擦によって袋本体40の移動が妨げられることを効果的に防止することができ、結果として、袋本体40を外装容器20内で大きく広げることが可能となる。
なお、図示された例において、仮止め部材32は一つだけ設けられている。したがって、唯一の仮止め部材32が破断することで、袋本体40が展開を開始する。この場合、袋本体40が外装容器20内で膨らむ態様は、概ね一定となる。したがって、外装容器20内で膨らんだ液体収納容器30の容積にばらつきが生じるといった不具合を効果的に回避することができる。
その一方で、図25に示すように、袋本体140を折り畳まれた状態に維持するための仮止め部材132A,132Bが複数設けられている場合には、いずれの仮止め部材132A,132Bが最初に破断するかによって、袋本体140が膨らむ態様は異なる。図25に示された例において、袋本体140は蛇腹状に折り畳まれている。そして、第1の仮止め部材132Aが先に破断した場合には、袋本体140は矢印AR1のように広がる。一方、第2の仮止め部材132Bが先に破断した場合には、袋本体140は矢印AR2のように広がる。すなわち、第1の仮止め部材132A及び第2の仮止め部材132Bのいずれが先に破断するかによって袋本体140の展開態様が変化する。展開態様が変化すると、展開時における袋本体140と外装容器120の内面ISとの接触態様が変化し、外装容器120内で膨らんだ袋本体140の容積にばらつきが生じる可能性がある。
なお、このような不具合を考慮すると、上述したように、袋本体40を外装容器20内で膨らませる際、仮止め部材32と袋本体40との接合が剥がれるよりも先に、帯状の仮止め部材32が一対の接合領域32aの間で破断することがより好ましい。とりわけ、帯状の仮止め部材32の一定の位置で破断することが更に好ましい。帯状の仮止め部材32の破断位置を一定とするには、上述したように、切欠、孔、ミシン目や、幅が狭くなった幅狭部、厚みが薄くなった薄厚部等の弱め部を設けることで、仮止め部材32の特定位置での破断を誘導することが有効である。
その後、液体収納容器30への気体供給が継続すると、図16に示すように、第2方向d2に延びる折曲軸線A21を中心とした折り曲げを広げようとする力が袋本体40に働く。さらに、折曲軸線A21を中心とした折り曲げが或る程度広がって、折曲軸線A21と折曲軸線A22との間の領域に気体が供給されるようになると、第2方向d2に延びる折曲軸線A22を中心とした折り曲げを広げようとする力が袋本体40に働く。
ここで、折曲軸線A21を中心とした折り曲げと、折曲軸線A22を中心とした折り曲げは、逆向きとなっている。したがって、袋本体40の下縁部40bが、外装容器20内において縦方向daにおける下側を向くようにして、袋本体40は縦方向daに広がることができる。これにより、袋本体40の下縁部40bが、外装容器20の側面部23の内面ISと接触して大きな摩擦力を生じさせることを効果的に防止することができる。液体収納容器30への気体供給が継続すると、袋本体40の下縁部40bが外装容器20の底面部22に接触する。さらに、液体収納容器30へ気体が供給されると、袋本体40は、天面部21に拘束されながら底面部22に当接することにより、縦方向daにおいて適切な位置に移動するようになる。このように、袋本体40の縦方向daにおける位置が調節されることで、最終的に、外装容器20内で膨らんだ袋本体40が十分大きな容積を有するようになる。
なお、折曲軸線A21を中心とした折り曲げと、折曲軸線A22を中心とした折り曲げが、同じ向きとなっている場合、図26に示すように、折曲軸線A22と下縁部140bとの間となる袋本体140の部分が、外装容器120の内面に大面積で接触し得る。とりわけ、折曲軸線A22と下縁部140bとの間となる袋本体140の部分は、下縁部140bが縦方向daにおける上側を向いた状態で外装容器120の内面ISに接触する可能性があり、このとき、大きな摩擦力が袋本体140と外装容器120との間に生じることが予想される。したがって、袋本体140が外装容器120内で大きく膨らむことを阻害される可能性がある。
その後、液体収納容器30への気体供給が継続すると、図17に示すように、折曲軸線A12を中心とした折り曲げを広げようとする力が袋本体40に働く。さらに、折曲軸線A12を中心とした折り曲げが或る程度広がって、折曲軸線A12と折曲軸線A11との間の領域に気体が供給されると、折曲軸線A11を中心とした折り曲げを広げようとする力が袋本体40に働く。
ここで、折曲軸線A11を中心とした折り曲げと、折曲軸線A12を中心とした折り曲げと、折曲軸線A13を中心とした折り曲げは、同一の向きとなっている。更に、折曲軸線A12を中心とした折り曲げと、折曲軸線A13を中心とした折り曲げは、既に曲げが戻された折り曲げ軸線A13を中心とした折り曲げとも、同一の向きとなっている。したがって、図17に示すように、折曲軸線A12を中心とした展開動作および折曲軸線A11を中心とした展開動作において、注出入口50が設けられている袋本体40の部分PXに対して、注出入口50が設けられていない袋本体40の部分PYが揺動動作する向きは、上述した折曲軸線A12を中心とした展開動作と同一の向きとなる。すなわち、袋本体40は、第1方向d1に延びる複数の折曲軸線を中心とした同一の向き揺動動作が、注出入口50に近接する側から順に実施されていく。したがって、袋本体40は、外装容器20内において、第2方向d2における寸法を次第に安定して大きくしていくことができる。また、袋本体40は、第2方向d2に広がることにともなって、一対のフィルム部材41間の厚みも増していくことから、袋本体40と外装容器20の内面ISとの接触を効果的に抑制することができる。結果として、袋本体40は、外装容器20の内面ISに沿うようにして大きく膨らむことができる。これにより、容器組合体10に十分な容積を確保することができる。
一般的なドラム缶では、外装容器20の開口部25が、その天面部21の中心から偏心して設けられる。この外装容器20との組み合わせにおいて、液体収納容器30の注出入口50も、袋本体40の上縁部40aの中心C40からずらして配置されていることが好ましい。このような液体収納容器30の袋本体40は、注出入口50から遠く離れた位置まで広がることになる。したがって、液体収納容器の内容積が意図せず小さくなるといった不具合は注出入口が偏心配置された液体収納容器においてより顕著となっていたが、上述してきた本実施の形態は、注出入口が偏心配置された液体収納容器に対して好適といえる。
なお、第1方向d1に延びる折曲軸線での袋本体140折り曲げが一方の向きだけで無い場合には、図27に示すように、袋本体140を膨らませる際に、袋本体140が開口部125を通過する直径方向に広がらない。袋本体140は、外装容器120の内面ISに沿うようして広がる。したがって、袋本体140と外装容器120の内面ISとの接触に起因して、袋本体140が外装容器120内で大きく膨らむことを阻害される可能性がある。
以上のようにして、液体収納容器30の折り畳まれた袋本体40を、外装容器20の開口部25を介して外装容器20内に配置する工程と、外装容器20内で袋本体40を展開する工程と、を経て、容器組合体10が得られる。さらに、外装容器20内の液体収納容器30に液体を充填する工程を経ることで、液体充填済み容器組合体5が得られる。
以上に説明してきた一実施の形態において、液体収納容器30は、第1方向d1に延びる折曲軸線A11,A12,A13を中心として一回以上折り曲げられて折り畳まれた袋本体40と、折り畳まれた袋本体40の最外部に位置する部分に取り付けられた注出入口50と、を有している。袋本体40は、折曲軸線A11,A12,A13を中心として注出入口50が設けられている側の部分PXに対して注出入口50が設けられていない側の部分PYが一方の向きのみに折り曲げられている。このような液体収納容器30を外装容器20内で展開して容器組合体10を製造する際、注出入口50が設けられている部分PXを基準として、その他の部分PYは、第1方向d1に沿った折曲軸線A11,A12,A13を中心として他方の向きに回転または揺動することで、袋本体40が広がる。したがって、外装容器20の限られた内部空間において、袋本体40を円滑に広げることができる。とりわけ、注出入口50が取り付けられる開口部25が中心から周縁部近傍にずらして配置された外装容器20の内部空間において、袋本体40の幅方向d1が外装容器20の径方向や外装容器20の対角方向等の横方向に延びるように、当該袋本体40を容易に広げることが可能となる。また、袋本体40を広げる際に、袋本体40と外装容器20の内面ISとの接触を効果的に抑制することもできる。この結果、外装容器20内において袋本体40を大きく広げて、液体収納容器30の内部容積を大きく確保することが可能となる。
なお、袋本体140が、第1方向d1に延びる折曲軸線を中心として一方の向き及び他方の向きの両方に折り曲げられている場合、例えば蛇腹折りされている場合には、図27を参照して説明したように、袋本体140の幅方向が外装容器120の径方向や外装容器120の対角方向に延びるようにしようとすると、袋本体140は展開中に外装容器120の内壁に接触し易くなる。
上述した一実施の形態の一具体例において、袋本体40は、第1方向d1と非平行な第2方向d2に延びる折曲軸線A21,A22を中心として折り曲げられ、次に第1方向d1に延びる折曲軸線A13を中心として一回以上折り曲げられている。このように、袋本体40を、第1方向d1と非平行な第2方向d2に延びる軸線を中心として折り曲げることによって、液体収納容器30を小型化することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、袋本体40は、第1方向d1に延びる折曲軸線A11,A12を中心として一回以上折り曲げられ、次に第1方向d1と非平行な第2方向d2に延びる折曲軸線A21,A22を中心として折り曲げられ、その後に第1方向d1に延びる折曲軸線A13を中心として一回折り曲げられている。すなわち、袋本体40を、第1方向d1に延びる折曲軸線を中心とした折り曲げを第2方向に延びる折曲軸線を中心とした折り曲げの前後に行っている。このように折り畳まれた袋本体40を展開する際、袋本体40が第1方向d1と直交する方向(図示された例では横方向db)に急激に広がることを防止することができる。したがって、袋本体40の展開中に、袋本体40が外装容器20の側面部23と大面積で接触することを効果的に抑制することができる。この結果、外装容器20内において袋本体40を大きく広げて、液体収納容器30の内部容積を大きく確保することが可能となる。
上述した一実施の形態の一具体例において、第2方向d2に延びる折曲軸線A21,A22を中心として折り曲げられる際、第2方向d2に延びる対応する折曲軸線A21,A22を中心として互いに逆向きとなるよう二回折り曲げられる。すなわち、袋本体40を展開する際、袋本体40が、外装容器20の側面部23に大面積で接触することを回避しながら、第2方向d2に直交する方向(図示された例では縦方向da)に広がることできる。これにより、外装容器20内において袋本体40を大きく広げることができる。しかも、この袋本体40の第2方向d2に直交する方向(図示された例では縦方向da)への展開は、袋本体40が第1方向d1に直交する方向(図示された例では横方向db)に広がりきる前に実施される。したがって、第2方向d2に直交する方向(図示された例では縦方向da)における袋本体40の位置を適切な位置に調節することができる。これにより、外装容器20内において袋本体40を大きく広げることができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、液体収納容器30は、折り畳まれた袋本体40の二つの位置に固定される仮止め部材32を一つだけ有している。すなわち、折り畳まれた袋本体40の二つの位置のみが仮止め部材32によって連結されている。したがって、この単一の仮止め部材32による仮止めが解除されることによって、袋本体40は展開可能となる。複数の仮止め部材が設けられている場合には、各仮止め部材による仮止めが解除される順番に応じて、袋本体40の展開態様が変化する。すなわち、外装容器20内での袋本体40の展開態様が一定ではなく、この展開態様に応じて外装容器20内における袋本体40の内部容積にばらつきが生じることが想定される。したがって、単一の仮止め部材32による仮止めを解除して袋本体40の展開を開始させることにより、袋本体40の展開態様が安定して、外装容器20内における袋本体40の内部容積を安定させることもできる。
上述した一実施の形態の一具体例において、注出入口50は、袋本体40の向きを表示する表示部52cを有している。偏心配置された注出入口50を有する液体収納容器30と、偏心配置された開口部25を有する外装容器20に対して位置決めすることができる。これにより、外装容器20内において袋本体40を大きく広げることができる。
以上に説明してきた一実施の形態において、容器組合体10の製造方法は、本実施の形態による液体収納容器30の折り畳まれた袋本体40を、外装容器20の開口部25を介して外装容器20内に配置する工程と、外装容器20内で袋本体40を展開する工程と、を含んでいる。このような製造方法によれば、内部容積が十分に大きな容器組合体10を得ることができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、容器組合体10の製造方法は、液体収納容器30の注出入口50に設けられた外螺子50aを外装容器20の開口部25に設けられた内螺子26bに噛み合わせ、液体収納容器30を外装容器20に固定する工程を含んでいる。すなわち、液体収納容器30の注出入口50に設けられた外螺子50aを外装容器20の開口部25に設けられた内螺子26bに噛み合わせることで、液体収納容器30を外装容器20に固定している。この例によれば、簡易な構成を利用した簡易な作業により、液体収納容器30を外装容器20に対して安定して固定することができる。これにより、液体収納容器30を外装容器20内において安定して広げることができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、容器組合体10の製造方法の固定する工程において、液体収納容器30の注出入口50に取り付けた取り付け治具65が外装容器20に接触するまで、注出入口50の外螺子50aを開口部25の内螺子26bに噛み合わせることで、液体収納容器を外装容器に固定している。この例によれば、ドラム缶と一般的に呼ばれる外装容器20のように、外装容器20の開口部25に形成された内螺子26bに端部が設けられていない場合にも、注出入口50を回転し過ぎて液体収納容器30が外装容器20内に落下してしまうといった不具合を効果的に回避することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、袋本体40の注出入口50が設けられた上縁部40aの注出入口50に近接する側となる第1端部40a1が、開口部25と開口部25に最も近接する外装容器20の側面部23上の近接位置APとを結ぶ方向において、開口部25と近接位置APとの間に位置するよう、液体収納容器30を外装容器20に対して配置する。この例によれば、袋本体40を広げる際に、袋本体40と外装容器20の内面ISとの接触を効果的に抑制することもできる。この結果、外装容器20内において袋本体40を大きく広げることが可能となる。
一実施の形態を具体例に基づいて説明してきたが、具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
上述した袋本体40の折り畳み方法は例示に過ぎず、種々の変更が可能である。例えば、上述した一具体例では、まず第1方向d1に延びる軸線A11,A12で袋本体40を折り曲げ、次に第2方向d2に延びる軸線A21,A22で袋本体40を折り曲げ、最後に第1方向d1に延びる軸線A13で袋本体40を折り曲げた。しかしながら、この例に限られない。例えば図18~図21に示すように、まず第2方向d2に延びる軸線A21,A22で袋本体40を折り曲げ、次に第1方向d1に延びる軸線A11,A12,A13で袋本体40を折り曲げるようにしてもよい。
また、軸線A11,A12を中心とした折り曲げは、最初に折り曲げられた部分を中心として、その周囲に袋本体40の残りの部分を巻き取られるようにして実施され、その一方で、軸線A13を中心とした折り曲げは、半分に折り畳むことで実施される例を示したが、この例に限られない。例えば、第1方向d1に延びる軸線A11を中心とした折り曲げにより、袋本体40を半分に折り曲げ、次に、第1方向d1に延びる軸線A12を中心とした折り曲げにより、さらに袋本体40を半分に折り曲げるようにしてもよい。この例において、第1方向d1に延びる軸線A13を中心とした折り曲げにより更に袋本体40を半分に折り曲げることで、第2方向d2の沿った袋本体40の寸法を折り畳む前の八分の一にすることができる。
さらに、図22に示すように、最初に折り曲げられた部分を中心として、その周囲に袋本体40の残りの部分を順に巻き取るようにして、第1方向d1に延びる五つの軸線A11,A12,A13,A14,A15で折り曲げいくようにしてもよい。なお、図22に示された例において、軸線A11~15を中心として袋本体40を折り曲げる前に、まず図18に示すように、まず第2方向d2に延びる軸線A21,A22を中心として袋本体40を折り曲げるようにしてもよい。
これらの変形例においても、液体収納容器30は、第1方向d1に延びる折曲軸線A11,A12,A13を中心として一回以上折り曲げられて折り畳まれた袋本体40と、折り畳まれた袋本体40の最外部に位置して露出した部分に取り付けられた注出入口50と、を有している。また、袋本体40は、第1方向d1に延びる折曲軸線A11,A12,A13を中心として注出入口50が設けられている側の部分PXに対して注出入口50が設けられていない側の部分PYが一方の向きにのみ折り曲げられている。したがって、上述した一実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、第1方向d1に延びる折曲軸線を中心として袋本体40を折り曲げることに代えて、図23に示すように、第1方向d1に延びる軸線を中心として袋本体40を巻くようにしてもよい。上述した具体例と同様に、図23に示された例においても、注出入口50は、折り畳まれた袋本体40の最外部に位置する部分に取り付けられている。図23に示された例において、第1方向d1に延びる軸線を中心として袋本体40を巻く前に、まずは図18に示すように、まず第2方向d2に延びる軸線A21,A22を中心として袋本体40を折り曲げるようにしてもよい。さらに他の例として、図23に示された例において、第1方向d1に延びる軸線を中心として袋本体40を巻く前に、図7~図9に示すように、まず第1方向d1に延びる軸線A11,A12で袋本体40を折り曲げ、次に第2方向d2に延びる軸線A21,A22で袋本体40を折り曲げるようにしてもよい。すなわち、第1軸線に沿った軸線を中心とする折り曲げと巻きとの両方を行うようにしてもよい。この例においても、注出入口50が設けられている側の部分PXに対して注出入口50が設けられていない側の部分PYが一方の向きにのみ折り曲げられる及び巻かれることで、上述した一実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、液体収納容器30の構成についても適宜変更が可能である。例えば、図4に示された袋本体40は、上縁シール部45aと、下縁シール部45bと、第1側縁シール部45cと、第2側縁シール部45dと、を有する例を示したが、これに限られない。例えば、上縁シール部45a、下縁シール部45b、第1側縁シール部45c及び第2側縁シール部45dの少なくともいずれかが、二重に形成されていてもよい。また、図24に示すように、袋本体40は、矩形形状の少なくとも一つの角部分を形成する二つの辺(縁部)の間を延びてフィルム部材41の対向する部分を接合する線状のシール部45eを有していても良い。図24に示す例において、矩形形状の一つの角部分に対応して、つまり角部分の近傍に、注出入口50が取り付けられ、他の三つの角部分をそれぞれ形成する二つの辺の間を延びてフィルム部材の互いに対向する部分を接合する線状のシール部45eが形成されている。この例において、袋本体40は、線状シール部45eを設けられた角部において、膨張することを規制される。したがって、外装容器20内で袋本体40を展開する際に、角部が膨張して外装容器20の内面ISに接触し、袋本体40の縦方向daへの移動を規制することを防止することができる。これにより、外装容器20内において縦方向daにおける適切な位置へ袋本体40を誘導することができ、外装容器20内において袋本体40を大きく広げることができる。