JP7285220B2 - 連結したインターロイキン-12(il12)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子 - Google Patents

連結したインターロイキン-12(il12)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2017年5月18日に出願された米国仮特許出願第62/508,316号の優先権を主張するものである。本出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
インターロイキン-12(IL-12)は、自然免疫及び獲得免疫において重要な役割を果たす炎症促進性サイトカインである。Gately,MK et al.,Annu Rev Immunol.16:495-521(1998)。IL-12は、主として、p35及びp40というジスルフィド結合された2つのサブユニットからなる、70kDaのヘテロ二量体タンパク質として機能する。IL-12 p40ホモ二量体が存在するが、IL-12受容体に結合するアンタゴニストとして機能する以外には、生物学的応答を媒介するとは考えられていない(同書)。IL-12 p40サブユニット(NM_002187;P29460;IL-12B、ナチュラルキラー細胞刺激因子2、細胞傷害性リンパ球成熟因子2とも称される)の前駆体形態は、328アミノ酸長であるが、その成熟形態は、306アミノ酸長である。IL-12 p35サブユニット(NM_000882;P29459;IL-12A、ナチュラルキラー細胞刺激因子1、細胞傷害性リンパ球成熟因子1とも称される)の前駆体形態は、219アミノ酸長であり、成熟形態は、197アミノ酸長である(同書)。IL-12 p35及びp40サブユニットの遺伝子は、異なる染色体に存在し、互いに独立して制御される。Gately,MK et al.,Annu Rev Immunol.16:495-521(1998)。多数の異なる免疫細胞(例えば樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、及びB細胞)は、抗原刺激時にIL-12を産生する。活性なIL-12ヘテロ二量体は、タンパク質合成後に形成される(同書)。
IL-12タンパク質は、NK細胞及び細胞傷害性T細胞の両方を活性化するその能力に起因して、1994年以来、有望な抗がん治療薬として研究されている。Nastala,C.L.et al.,J Immunol 153:1697-1706(1994)を参照のこと。しかしながら、高い期待にもかかわらず、早期臨床研究では、満足のいく結果が得られなかった。Lasek W.et al.,Cancer Immunol Immunother 63:419-435,424(2014)。IL-12の反復投与は、ほとんどの患者において、獲得応答をもたらし、IL-12により誘導されるインターフェロンガンマ(IFNγ)の血中レベルを次第に減少させた(同書)。さらに、IL-12に誘導される抗がん活性は、大部分がIFNγの二次分泌によって媒介されることが認識されていたが、IL-12によるIFNγと他のサイトカイン(例えばTNF-α)またはケモカイン(IP-10もしくはMIG)との同時誘導は、重度の毒性を引き起こした(同書)。
負のフィードバック及び毒性に加えて、臨床環境におけるIL-12療法のわずかな有効性は、ヒトにおける強力な免疫抑制環境によって引き起こされる可能性がある(同書)。IFNγの毒性を最低限に抑え、IL-12の有効性を向上させるために、科学者たちは、様々なアプローチ、例えば様々な用量及び時間のプロトコルをIL-12療法に試した。Sacco,S.et al.,Blood 90:4473-4479(1997);Leonard,J.P.et al.,Blood 90:2541-2548(1997);Coughlin,C.M.et al.,Cancer Res.57:2460-2467(1997);Asselin-Paturel,C.et al.,Cancer 91:113-122(2001);及びSaudemont,A.et al.,Leukemia 16:1637-1644(2002)を参照のこと。それにもかかわらず、これらのアプローチは、患者の生存に有意な影響を及ぼさなかった。Kang,W.K.,et al.,Human Gene Therapy 12:671-684(2001)。
IL-12の膜アンカー型は、腫瘍細胞での発現のためにレトロウイルス及びアデノウイルスベクターを使用して、全身投与に関連する毒性を軽減する手段として研究されている。Pan,W-Y.et al.,Mol.Ther.20(5):927-937(2012)を参照のこと。しかし、基礎となるウイルスはがん遺伝子として作用することができ、該ウイルスベクターは免疫原性である可能性があるため、ウイルスベクターの使用は潜在的な健康上のリスクが存在する。
現在のところ、いくつかのIL-12臨床試験が、進行中である。これらの複数の臨床試験は、1996年のIL-12の初めてのヒト臨床試験から、20年近くも進行中であるが、FDAに承認されたIL-12製品は、依然として利用可能ではない。したがって、当技術分野において、IL-12を使用して腫瘍を処置するための向上した治療的アプローチに対する必要性が存在している。
Gately,MK et al.,Annu Rev Immunol.16:495-521(1998) Nastala,C.L.et al.,J Immunol 153:1697-1706(1994) Lasek W.et al.,Cancer Immunol Immunother 63:419-435,424(2014) Sacco,S.et al.,Blood 90:4473-4479(1997) Leonard,J.P.et al.,Blood 90:2541-2548(1997) Coughlin,C.M.et al.,Cancer Res.57:2460-2467(1997) Asselin-Paturel,C.et al.,Cancer 91:113-122(2001) Saudemont,A.et al.,Leukemia 16:1637-1644(2002) Kang,W.K.,et al.,Human Gene Therapy 12:671-684(2001) Pan,W-Y.et al.,Mol.Ther.20(5):927-937(2012)
本開示は、がんの処置に使用するための新規な連結したインターロイキン-12(IL-12)をコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)に関する。
IL-12には強力な抗腫瘍活性があることが示されているが、その臨床応用は、重度の全身毒性により制限されている。この制限に対処するためにいくつかの戦略が採用されており、それらは有望と考えられている。本開示は、mRNAによってコードされたIL-12ポリペプチドを細胞に送達することによりIL-12ポリペプチドを細胞膜にアンカーする戦略に少なくとも部分的に基づいており、これにより全身分布を減少させた連結したIL-12ポリペプチドを生成する。さらに、本開示は、mRNAによってコードされた連結したIL-12ポリペプチドが、細胞表面に実質的に連結したままであり(すなわち、mRNAによってコードされたIL-12ポリペプチドを発現する細胞によって実質的に放出されない)、これにより全身分布が減少するという発見に基づく。また、mRNAによってコードされた連結したIL-12ポリペプチドが、IL-12生物活性を保持することも発見した。具体的には、本明細書に記載のmRNAによってコードされた連結したIL-12ポリペプチドは、CD8+T細胞増殖及びIFNγ分泌の増加、ならびに処置済み及び未処置(すなわち、遠位)腫瘍の両方におけるin vivoでの腫瘍量(tumor burden)の減少により示されるように、抗腫瘍免疫応答を誘導することが示された。
したがって、一態様では、本開示は、(a)インターロイキン12 p40サブユニット(IL-12B)をコードする第1の核酸配列、(b)インターロイキン12 p35サブユニット(IL-12A)をコードする第2の核酸配列、及び(c)膜貫通ドメインをコードする核酸配列を含むオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを提供し、該第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、リンカー(「サブユニットリンカー」)をコードする核酸配列によって連結され、該膜貫通ドメインをコードする核酸配列は、リンカー(「膜貫通ドメインリンカー」)をコードする核酸配列によって第1または第2の核酸配列に連結される。
いくつかの実施形態では、第1の核酸配列は、サブユニットリンカーの5’末端に位置する。
いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインをコードする核酸配列は、膜貫通ドメインリンカーの3’末端に位置する。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、シグナルペプチドをコードする核酸配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドをコードする核酸配列は、第1の核酸配列の5’末端に位置する。
いくつかの実施形態では、IL-12Bは、配列番号48のアミノ酸23~328に対して、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一であるアミノ酸配列を有し、該アミノ酸配列はIL-12B活性を有する。
いくつかの実施形態では、IL-12Aは、配列番号48のアミノ酸336~532に対して、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一であるアミノ酸配列を有し、該アミノ酸配列はIL-12A活性を有する。
いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号48のアミノ酸1~22に対して、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む。
いくつかの実施形態では、サブユニットリンカーは、Gly/Serリンカーである。いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインリンカーは、Gly/Serリンカーである。いくつかの実施形態では、Gly/Serリンカーは、(GS)を含み、式中、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20であり、mは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20である。
いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは、I型膜貫通ドメインである。いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは、分化群8(CD8)膜貫通ドメインまたは血小板由来増殖因子受容体(PDGF-R)膜貫通ドメインである。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドはDNAである。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドはRNAである。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドはmRNAである。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学的に修飾された核酸塩基を含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学的に修飾された核酸塩基は、シュードウラシル(ψ)、N1-メチルシュードウラシル(m1ψ)、2-チオウラシル(s2U)、4’-チオウラシル、5-メチルシトシン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードウラシル、2-チオ-1-メチル-シュードウラシル、2-チオ-5-アザ-ウラシル、2-チオ-ジヒドロシュードウラシル、2-チオ-ジヒドロウラシル、2-チオ-シュードウラシル、4-メトキシ-2-チオ-シュードウラシル、4-メトキシ-シュードウラシル、4-チオ-1-メチル-シュードウラシル、4-チオ-シュードウラシル、5-アザ-ウラシル、ジヒドロシュードウラシル、5-メチルウラシル、5-メトキシウラシル、2’-O-メチルウラシル、1-メチル-シュードウラシル(m1ψ)、5-メトキシ-ウラシル(mo5U)、5-メチル-シトシン(m5C)、α-チオ-グアニン、α-チオ-アデニン、5-シアノウラシル、4’-チオウラシル、7-デアザ-アデニン、1-メチル-アデニン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデニン(m6A)、及び2,6-ジアミノプリン、(I)、1-メチル-イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7-デアザ-グアニン、7-シアノ-7-デアザ-グアニン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアニン(preQ1)、7-メチル-グアニン(m7G)、1-メチル-グアニン(m1G)、8-オキソ-グアニン、7-メチル-8-オキソ-グアニン、及びこれらの2つまたはそれ以上の組合せからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド中の核酸塩基は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%だけ化学的に修飾される。いくつかの実施形態では、化学的に修飾された核酸塩基は、ウラシル、アデニン、シトシン、グアニン、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、ウラシル、アデニン、シトシン、またはグアニンは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%だけ化学的に修飾される。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、miRNA結合部位を含む核酸配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位はmiR-122に結合する。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位はmiR-122-3pまたはmiR-122-5pに結合する。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは5’UTRをさらに含む。いくつかの実施形態では、5’UTRは、本開示の配列のいずれか1つに対して、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である核酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは3’UTRをさらに含む。いくつかの実施形態では、3’UTRは、本開示の配列のいずれか1つに対して、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は3’UTR内に位置する。
いくつかの実施形態では、5’UTRは5’末端キャップを含む。
いくつかの実施形態では、5’末端キャップは、Cap0、Cap1、ARCA、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、2-アジドグアノシン、Cap2、Cap4、5’メチルGキャップ、またはその類似体である。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドはポリA領域をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリA領域は、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、または少なくとも約90ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ポリA領域は、約10~約200ヌクレオチド長、約20~約180ヌクレオチド長、約30~約160ヌクレオチド長、約40~約140ヌクレオチド長、約50~約120ヌクレオチド長、約60~約100ヌクレオチド長、または約80~約90ヌクレオチド長を有する。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドはin vitroで転写されている(IVT)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドはキメラである。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは環状である。
いくつかの実施形態では、ORFは、IL-12B、IL-12A、またはその両方をコードする核酸配列に融合した1つまたは複数の異種ポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の異種ポリペプチドは、IL-12A、IL-12B、またはその両方の薬物動態学的特性を向上させる。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは一本鎖である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは二本鎖である。
いくつかの実施形態では、IL-12Bは、IL-12B活性を有するバリアント、誘導体または変異体である。いくつかの実施形態では、IL-12Aは、IL-12A活性を有するバリアント、誘導体または変異体である。別の態様では、本開示は、上記ポリヌクレオチドのいずれかを含むベクターを提供する。
別の態様では、本開示は、(i)上記ポリヌクレオチドまたはベクターのいずれか、及び(ii)送達剤を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、送達剤は脂質ナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、送達剤はリン脂質をさらに含む。いくつかの実施形態では、送達剤は構造脂質をさらに含む。いくつかの実施形態では、構造脂質はコレステロールである。いくつかの実施形態では、送達剤はPEG脂質をさらに含む。
いくつかの実施形態では、送達剤は第四級アミン化合物をさらに含む。別の態様では、本開示は、腫瘍のサイズの縮小、または腫瘍の成長の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、上記のポリヌクレオチド、ベクター、または組成物のいずれかを対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド、ベクター、または組成物は、皮下、静脈内、腹腔内、または腫瘍内投与される。
いくつかの実施形態では、投与は、がんを処置する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、対象に腫瘍内投与される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、腫瘍あたり約0.10μg~腫瘍あたり約1000mgの量で投与される。
いくつかの実施形態では、方法は、抗がん剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、抗がん剤は、(i)PD-1もしくはPD-L1に特異的に結合する抗体(それぞれ抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体)もしくはその抗原結合断片、または抗PD-1もしくは抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチド、(ii)CTLA-4に特異的に結合する抗体(抗CTLA-4抗体)もしくはその抗原結合断片、または抗CTLA-4抗体もしくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチド、または(iii)抗PD-1もしくは抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合断片、または抗PD-1もしくは抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチド、及び抗CTLA-4抗体もしくはその抗原結合断片、または抗CTLA-4抗体もしくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチド、を含む。
いくつかの実施形態では、投与は、腫瘍のサイズを縮小するか、腫瘍の成長を、(i)IL-12をコードするポリヌクレオチドの単独投与、(ii)抗PD-1もしくは抗PD-L1抗体の単独投与、または(iii)抗CTLA-4抗体の単独投与よりも、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4倍、少なくとも4.5倍、もしくは少なくとも5倍良好に阻害する。
いくつかの実施形態では、抗PD-1、抗PD-L1、もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドは、mRNAを含む。
いくつかの実施形態では、抗PD-1、抗PD-L1、もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドは、本明細書に開示される任意の化学的に修飾されたヌクレオシド及びこれらの組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドは、シュードウリジン、N1-メチルシュードウリジン、5-メチルシトシン、5-メトキシウリジン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、抗PD-1、抗PD-L1、もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片をコードするmRNAは、オープンリーディングフレームを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはデュルバルマブである。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、トレメリムマブまたはイピリムマブである。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインがI型内在性膜タンパク質に由来する膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。
いくつかの態様では、膜貫通ドメインは、分化群8(CD8)膜貫通ドメイン、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン、及び分化群80(CD80)膜貫通ドメインからなる群から選択される。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが分化群8(CD8)膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの態様では、膜貫通ドメインは、配列番号101に記載のアミノ酸配列を含むCD8膜貫通ドメインである。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの態様では、膜貫通ドメインは、PDGFR-β膜貫通ドメインを含むPDGFR膜貫通ドメインである、ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、PDGFR-β膜貫通ドメインは、配列番号102に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが分化群80(CD80)膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの態様では、膜貫通ドメインは、配列番号103に記載のアミノ酸配列を含むCD80膜貫通ドメインである。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。
いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、膜貫通ドメインと同じポリペプチドに由来する。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、膜貫通ドメインが由来するものとは異なるポリペプチドに由来する。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、PDGFR細胞内ドメイン、切断型PDGFR細胞内ドメイン、及びCD80細胞内ドメインからなる群から選択される。
いくつかの態様では、細胞内ドメインは、PDGFR-β細胞内ドメインを含むPDGFR細胞内ドメインである。いくつかの実施形態では、PDGFR-β細胞内ドメインは、配列番号226に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、切断型PDGFR細胞内ドメインは、E570またはG739で切断されたPDGFR-β細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、E570で切断された切断型PDGFR-β細胞内ドメインは、配列番号227に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、G739で切断された切断型PDGFR-β膜貫通は、配列番号228に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、細胞内ドメインは、CD80細胞内ドメインである。いくつかの態様では、CD80細胞内ドメインは、配列番号225に記載のアミノ酸配列を含む。
前述の態様のいずれかでは、膜ドメインは、PDGFR-β膜貫通ドメイン及びPDGFR-β細胞内ドメインを含む。前述の態様のいずれかでは、膜ドメインは、PDGFR-β膜貫通ドメイン、及びE570で切断された切断型PDGFR-β細胞内ドメインを含む。前述の態様のいずれかでは、膜ドメインは、PDGFR-β膜貫通ドメイン、及びG739で切断された切断型PDGFR-β細胞内ドメインを含む。前述の態様のいずれかでは、膜ドメインは、CD80膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメインを含む。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン及びPDGFR細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの態様では、PDGFR膜貫通ドメインはPDGFR-β膜貫通ドメインを含み、PDGFR細胞内ドメインはPDGFR-β細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、PDGFR膜貫通ドメインはPDGFR-β膜貫通ドメインを含み、PDGFR細胞内ドメインは切断型PDGFR-β細胞内ドメインを含む。いくつかの実施形態では、PDGFR-β膜貫通ドメインは配列番号102に記載のアミノ酸配列を含み、PDGFR-β細胞内ドメインは配列番号226に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、PDGFR-β膜貫通ドメインは配列番号102に記載のアミノ酸配列を含み、切断型PDGFR-β細胞内ドメインは配列番号227に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、PDGFR-β膜貫通ドメインは配列番号102に記載のアミノ酸配列を含み、切断型PDGFR-β細胞内ドメインは配列番号228に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが分化群80(CD80)膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの態様では、CD80膜貫通ドメインは配列番号103に記載のアミノ酸配列を含み、CD80細胞内ドメインは配列番号225に記載のアミノ酸配列を含む。
前述の態様のいずれかでは、膜ドメインは、ペプチドリンカーによってIL-12Aポリペプチドに作動可能に連結される。前述の態様のいずれかでは、膜ドメインは、ペプチドリンカーによってIL-12Bポリペプチドに作動可能に連結される。
いくつかの態様では、膜ドメインは、Gly/SerリンカーによってIL-12Aポリペプチドに作動可能に連結される。いくつかの態様では、膜ドメインは、Gly/SerリンカーによってIL-12Bポリペプチドに作動可能に連結される。
いくつかの態様では、Gly/Serリンカーは、(GS)を含み、式中、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20であり、mは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20である。いくつかの態様では、Gly/Serリンカーは、Gly/Serリンカーの3’末端にロイシン及びグルタミンをさらに含む。いくつかの態様では、リンカーは、配列番号229に記載のアミノ酸配列を含む。
前述の態様のいずれかでは、IL-12Bポリペプチドは、ペプチドリンカーによってIL-12Aポリペプチドに作動可能に連結される。いくつかの態様では、IL-12Bポリペプチドは、IL-12Aポリペプチドの5’末端、またはペプチドリンカーの5’末端に位置する。いくつかの態様では、IL-12Aポリペプチドは、IL-12Bポリペプチドの5’末端、またはペプチドリンカーの5’末端に位置する。いくつかの態様では、ペプチドリンカーはGly/Serリンカーを含む。いくつかの態様では、Gly/Serリンカーは、(GS)を含み、式中、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20であり、mは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20である。いくつかの態様では、Gly/Serリンカーは、(GS)を含み、式中、nは6であり、mは1である。
前述の態様のいずれかでは、ORFはシグナルペプチドをコードする。いくつかの態様では、シグナルペプチドはIL-12Bシグナルペプチドである。いくつかの態様では、IL-12Bシグナルペプチドは、配列番号48のアミノ酸1~22に記載のアミノ酸配列を含む。
前述の態様のいずれかでは、IL-12Bポリペプチドは、配列番号48のアミノ酸23~328に記載のアミノ酸配列を含む。前述の態様のいずれかでは、IL-12Aポリペプチドは、配列番号48のアミノ酸336~532に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、本開示は、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがリンカーを介してIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。
いくつかの態様では、本開示は、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがリンカーを介してIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインがI型内在性膜タンパク質に由来する膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。
いくつかの態様では、膜貫通ドメインは、分化群8(CD8)膜貫通ドメイン、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン、及び分化群80(CD80)膜貫通ドメインからなる群から選択される。
いくつかの態様では、本開示は、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがリンカーを介してIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが分化群8(CD8)膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの態様では、膜貫通ドメインは、配列番号101に記載のアミノ酸配列を含むCD8膜貫通ドメインである。
いくつかの態様では、本開示は、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがリンカーを介してIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの態様では、膜貫通ドメインは、PDGFR-β膜貫通ドメインを含むPDGFR膜貫通ドメインである。いくつかの実施形態では、PDGFR-β膜貫通ドメインは、配列番号102に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、本開示は、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがリンカーを介してIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが分化群80(CD80)膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの態様では、膜貫通ドメインは、配列番号103に記載のアミノ酸配列を含むCD8膜貫通ドメインである。
いくつかの態様では、本開示は、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがリンカーを介してIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン及びPDGFR細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの態様では、PDGFR膜貫通ドメインはPDGFR-β膜貫通ドメインを含み、PDGFR細胞内ドメインはPDGFR-β細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、PDGFR膜貫通ドメインはPDGFR-β膜貫通ドメインを含み、PDGFR細胞内ドメインは切断型PDGFR-β細胞内ドメインを含む。いくつかの実施形態では、PDGFR-β膜貫通ドメインは配列番号102に記載のアミノ酸配列を含み、PDGFR-β細胞内ドメインは配列番号226に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、PDGFR-β膜貫通ドメインは配列番号102に記載のアミノ酸配列を含み、切断型PDGFR-β細胞内ドメインは配列番号227に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、PDGFR-β膜貫通ドメインは配列番号102に記載のアミノ酸配列を含み、切断型PDGFR-β細胞内ドメインは配列番号228に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、本開示は、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがリンカーを介してIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが分化群80(CD80)膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの態様では、CD80膜貫通ドメインは配列番号103に記載のアミノ酸配列を含み、CD80細胞内ドメインは配列番号225に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、本開示は、5’UTR、オープンリーディングフレーム(ORF)、及び3’UTRを含むmRNAであって、該ORFが、5’から3’までをコードするヌクレオチド配列:5’-[IL-12B]-[L1]-[IL-12A]-[L2]-[MD]-3’を含み、ここでIL-12BはヒトIL-12 p40サブユニットポリペプチドであり、L1は第1のペプチドリンカーであり、IL-12AはヒトIL-12 p35サブユニットポリペプチドであり、L2は第2のペプチドリンカーであり、MDはI型内在性膜タンパク質由来の膜貫通ドメインを含む膜ドメインである、mRNAを提供する。いくつかの態様では、I型内在性膜タンパク質は、分化群8(CD8)膜貫通ドメイン、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン、及び分化群80(CD80)膜貫通ドメインからなる群から選択される。
いくつかの態様では、本開示は、5’UTR、オープンリーディングフレーム(ORF)、及び3’UTRを含むmRNAであって、該ORFが、5’から3’までをコードするヌクレオチド配列:5’-[IL-12B]-[L1]-[IL-12A]-[L2]-[MD]-3’を含み、ここでIL-12BはヒトIL-12 p40サブユニットポリペプチドであり、L1は第1のペプチドリンカーであり、IL-12AはヒトIL-12 p35サブユニットポリペプチドであり、L2は第2のペプチドリンカーであり、MDはI型内在性膜タンパク質由来の膜貫通ドメインを含む膜ドメインであり、該I型内在性膜タンパク質が、分化群8(CD8)膜貫通ドメイン、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン、及び分化群80(CD80)膜貫通ドメインからなる群から選択される、mRNAを提供する。
いくつかの態様では、本開示は、5’UTR、オープンリーディングフレーム(ORF)、及び3’UTRを含むmRNAであって、該ORFが、5’から3’までをコードするヌクレオチド配列:5’-[IL-12B]-[L1]-[IL-12A]-[L2]-[MD]-3’を含み、ここでIL-12BはヒトIL-12 p40サブユニットポリペプチドであり、L1は第1のペプチドリンカーであり、IL-12AはヒトIL-12 p35サブユニットポリペプチドであり、L2は第2のペプチドリンカーであり、MDはI型内在性膜タンパク質由来の膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含む膜ドメインである、mRNAを提供する。いくつかの態様では、I型内在性膜タンパク質は、分化群8(CD8)膜貫通ドメイン、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン、及び分化群80(CD80)膜貫通ドメインからなる群から選択される。
いくつかの態様では、本開示は、5’UTR、オープンリーディングフレーム(ORF)、及び3’UTRを含むmRNAであって、該ORFが、5’から3’までをコードするヌクレオチド配列:5’-[IL-12B]-[L1]-[IL-12A]-[L2]-[MD]-3’を含み、ここでIL-12BはヒトIL-12 p40サブユニットポリペプチドであり、L1は第1のペプチドリンカーであり、IL-12AはヒトIL-12 p35サブユニットポリペプチドであり、L2は第2のペプチドリンカーであり、MDはI型内在性膜タンパク質由来の膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含む膜ドメインであり、該I型内在性膜タンパク質が、分化群8(CD8)膜貫通ドメイン、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン、及び分化群80(CD80)膜貫通ドメインからなる群から選択される、mRNAを提供する。
いくつかの態様では、本開示は、5’UTR、オープンリーディングフレーム(ORF)、及び3’UTRを含むmRNAであって、該ORFが、5’から3’までをコードするヌクレオチド配列:5’-[IL-12B]-[L1]-[IL-12A]-[L2]-[MD]-3’を含み、ここでIL-12BはヒトIL-12 p40サブユニットポリペプチドであり、L1は第1のペプチドリンカーであり、IL-12AはヒトIL-12 p35サブユニットポリペプチドであり、L2は第2のペプチドリンカーであり、MDは分化因子群80(CD80)膜貫通ドメインを含む膜ドメインである、mRNAを提供する。いくつかの態様では、CD80膜貫通ドメインは、配列番号103に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、本開示は、5’UTR、オープンリーディングフレーム(ORF)、及び3’UTRを含むmRNAであって、該ORFが、5’から3’までをコードするヌクレオチド配列:5’-[IL-12B]-[L1]-[IL-12A]-[L2]-[MD]-3’を含み、ここでIL-12BはヒトIL-12 p40サブユニットポリペプチドであり、L1は第1のペプチドリンカーであり、IL-12AはヒトIL-12 p35サブユニットポリペプチドであり、L2は第2のペプチドリンカーであり、MDは分化因子群80(CD80)膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメインを含む膜ドメインである、mRNAを提供する。いくつかの態様では、CD80膜貫通ドメインは、配列番号103に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、CD80細胞内ドメインは、配列番号225に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、MDは、配列番号103に記載のアミノ酸配列を含むCD80膜貫通ドメイン、及び配列番号225に記載のアミノ酸配列を含むCD80細胞内ドメインを含む。
いくつかの態様では、本開示は、5’UTR、オープンリーディングフレーム(ORF)、及び3’UTRを含むmRNAであって、該ORFが、5’から3’までをコードするヌクレオチド配列:5’-[IL-12B]-[L1]-[IL-12A]-[L2]-[MD]-3’を含み、ここでIL-12BはヒトIL-12 p40サブユニットポリペプチドであり、L1は第1のペプチドリンカーであり、IL-12AはヒトIL-12 p35サブユニットポリペプチドであり、L2は第2のペプチドリンカーであり、MDはPDGFR膜貫通ドメインを含む膜ドメインである、mRNAを提供する。いくつかの態様では、PDGFR膜貫通ドメインはPDGFR-β膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様では、PDGFR-β膜貫通ドメインは、配列番号102に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、本開示は、5’UTR、オープンリーディングフレーム(ORF)、及び3’UTRを含むmRNAであって、該ORFが、5’から3’までをコードするヌクレオチド配列:5’-[IL-12B]-[L1]-[IL-12A]-[L2]-[MD]-3’を含み、ここでIL-12BはヒトIL-12 p40サブユニットポリペプチドであり、L1は第1のペプチドリンカーであり、IL-12AはヒトIL-12 p35サブユニットポリペプチドであり、L2は第2のペプチドリンカーであり、MDはPDGFR膜貫通ドメイン及びPDGFR細胞内ドメインを含む膜ドメインである、mRNAを提供する。いくつかの態様では、PDGFR膜貫通ドメインはPDGFR-β膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様では、PDGFR-β膜貫通ドメインは、配列番号102に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、PDGFR細胞内ドメインは、PDGFR-β細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、PDGFR-β細胞内ドメインは、配列番号226に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、PDGFR細胞内ドメインは、切断型PDGFR-β細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、切断型PDGFR-β細胞内ドメインは、E570で切断されており、配列番号227に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、切断型PDGFR-β細胞内ドメインは、G739で切断されており、配列番号228に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、MDは、配列番号102に記載のアミノ酸配列を含むPDGFR-β膜貫通ドメイン、及び配列番号226に記載のアミノ酸配列を含むPDGFR-β細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、MDは、配列番号102に記載のアミノ酸配列を含むPDGFR-β膜貫通ドメイン、及び配列番号227に記載のアミノ酸配列を含む切断型PDGFR-β細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、MDは、配列番号102に記載のアミノ酸配列を含むPDGFR-β膜貫通ドメイン、及び配列番号228に記載のアミノ酸配列を含む切断型PDGFR-β細胞内ドメインを含む。
前述の態様のいずれかでは、mRNAのORFはシグナルペプチドをコードする。いくつかの態様では、シグナルペプチドはIL-12Bシグナルペプチドである。いくつかの態様では、IL-12Bシグナルペプチドは、配列番号48のアミノ酸1~22に記載のアミノ酸配列を含む。
前述の態様のいずれかでは、mRNAのORFは、配列番号48のアミノ酸23~328に記載のアミノ酸配列を含むIL-12Bポリペプチドをコードする。
前述の態様のいずれかでは、mRNAのORFは、配列番号48のアミノ酸336~532に記載のアミノ酸配列を含むIL-12Bポリペプチドをコードする。
前述の態様のいずれかでは、第1のペプチドリンカー[L1]及び第2のペプチドリンカー[L2]は、それぞれGly/Serリンカーである。いくつかの態様では、[L1]は、配列番号214を含む。いくつかの態様では、[L2]は、(GS)を含み、式中、nは1~4、1、2、3または4であり、mは1~4、1、2、3または4である。いくつかの態様では、[L2]は、(GS)を含み、式中、mは1~4、1、2、3または4である。いくつかの態様では、[L2]は、配列番号229に記載のアミノ酸配列を含む。
前述の態様のいずれかでは、mRNAのORFは、配列番号273もしくは配列番号274に記載の配列、または配列番号273もしくは配列番号274に記載の配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む。
前述の態様のいずれかでは、mRNAのORFは、配列番号275~279のいずれか1つに記載の配列、または配列番号275~279のいずれか1つに記載の配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む。
前述の態様のいずれかでは、mRNAのORFは、配列番号281に記載の配列、または配列番号281に記載の配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む。
前述の態様のいずれかでは、mRNAのORFは、配列番号282に記載の配列、または配列番号282に記載の配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む。
前述の態様のいずれかでは、ポリヌクレオチドまたはmRNAの3’UTRは、マイクロRNA結合部位を含む。いくつかの態様では、マイクロRNA結合部位は、miR-122結合部位である。いくつかの態様では、miR-122結合部位は、miR-122-3pまたはmiR-122-5p結合部位である。いくつかの態様では、miR-122-5p結合部位は、配列番号54に記載の配列を含む。いくつかの態様では、3’UTRは、配列番号283に記載の配列を含む。
前述の態様のいずれかでは、ポリヌクレオチドまたはmRNAの5’UTRは、配列番号287に記載の配列を含む。
前述の態様のいずれかでは、ポリヌクレオチドまたはmRNAは、5’末端キャップ構造を含む。いくつかの態様では、5’末端キャップ構造は、Cap0、Cap1、ARCA、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、2-アジドグアノシン、Cap2、Cap4、5’メチルGキャップ、またはその類似体である。
前述の態様のいずれかでは、ポリヌクレオチドまたはmRNAは、3’ポリA尾部を含む。
前述の態様のいずれかでは、ポリヌクレオチドまたはmRNAは、少なくとも1つの化学的修飾を含む。いくつかの態様では、化学的修飾は、シュードウリジン、N1-メチルシュードウリジン、2-チオウリジン、4’-チオウリジン、5-メチルシトシン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン、2-チオ-1-メチル-シュードウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ジヒドロシュードウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-シュードウリジン、4-メトキシ-2-チオ-シュードウリジン、4-メトキシ-シュードウリジン、4-チオ-1-メチル-シュードウリジン、4-チオ-シュードウリジン、5-アザ-ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5-メチルウリジン、5-メチルウリジン、5-メトキシウリジン、及び2’-O-メチルウリジンからなる群から選択される。いくつかの態様では、化学的修飾は、シュードウリジンまたはシュードウリジン類似体からなる群から選択される。いくつかの態様では、化学的修飾は、N1-メチルシュードウリジンである。いくつかの態様では、mRNAは、N1-メチルシュードウリジンによって完全に修飾される。
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA、及び薬学的に許容可能な担体を含む組成物を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載のポリヌクレオチドまたはmRNAを含む脂質ナノ粒子を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子であって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが、膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、脂質ナノ粒子を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子であって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、脂質ナノ粒子を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子であって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが分化群8(CD8)膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、脂質ナノ粒子を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子であって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、脂質ナノ粒子を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子であって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが分化群80(CD80)膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、脂質ナノ粒子を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子であって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン及びPDGFR細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、脂質ナノ粒子を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子であって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが分化群80(CD80)膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、脂質ナノ粒子を提供する。
いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、約20~60%のイオン化可能アミノ脂質、5~25%のリン脂質、25~55%のステロール、及び0.5~15%のPEG修飾脂質のモル比を含む。いくつかの態様では、イオン化可能アミノ脂質は、例えば、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)、及びジ((Z)-ノン-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される。いくつかの態様では、イオン化可能アミノ脂質は式(I)の化合物を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物は化合物18である。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子であって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが分化群80(CD80)膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAであり、該脂質ナノ粒子が約20~60%のイオン化可能アミノ脂質、5~25%のリン脂質、25~55%のステロール、及び0.5~15%のPEG修飾脂質のモル比を含む、脂質ナノ粒子を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子であって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが分化群80(CD80)膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAであり、該脂質ナノ粒子が、約20~60%のイオン化可能アミノ脂質、5~25%のリン脂質、25~55%のステロール、及び0.5~15%のPEG修飾脂質のモル比を含み、該イオン化可能アミノ脂質が、化合物18である、脂質ナノ粒子を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の脂質ナノ粒子及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物を提供する。いくつかの態様では、薬学的に許容可能な担体は緩衝液を含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は腫瘍内送達のために製剤化される。
いくつかの態様では、本開示は、処置が第2の組成物と組み合わせたポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子、または薬学的組成物の投与を含み、第2の組成物が抗がん剤、またはチェックポイント阻害剤ポリペプチドなどの抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む、個体におけるがんの処置またはその進行の遅延に使用するための、本明細書に記載のポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子、または薬学的組成物を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子であって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが個体におけるがんの処置またはその進行の遅延に使用するための5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAであり、該処置が第2の組成物と組み合わせた脂質ナノ粒子の投与を含み、該第2の組成物が抗がん剤、またはチェックポイント阻害剤ポリペプチドなどの抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む、脂質ナノ粒子を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、医薬がポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子、または薬学的組成物、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含み、処置が抗がん剤、またはチェックポイント阻害剤ポリペプチドなどの抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む組成物と組み合わせた医薬の投与を含む、個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための医薬の製造における、本明細書に記載のポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子、または薬学的組成物の使用を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、膜ドメインが膜貫通ドメインを含み、ポリヌクレオチドが個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための医薬の製造において5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAであり、医薬が脂質ナノ粒子及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含み、処置が抗がん剤、またはチェックポイント阻害剤ポリペプチドなどの抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む組成物と組み合わせた医薬の投与を含む、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子の使用を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための、本明細書に記載のポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子、または薬学的組成物、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体、ならびにポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子、または薬学的組成物の投与に関する指示書を含む添付文書、を含む容器を含むキットを提供する。いくつかの態様では、添付文書は、個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための、抗がん剤、またはチェックポイント阻害剤ポリペプチドなどの抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む組成物と組み合わせた脂質ナノ粒子または薬学的組成物の投与に関する指示書をさらに含む。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子を含む容器を含むキットであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAであり、個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための、任意選択の薬学的に許容可能な担体、及び脂質ナノ粒子の投与に関する指示書を含む添付文書、を含む、キットを提供する。
いくつかの態様では、本開示は、個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための、ポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子、または本明細書に記載の薬学的組成物、及び医薬の単独投与に関する指示書、または抗がん剤、もしくはチェックポイント阻害剤ポリペプチドなどの抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む組成物と組み合わせた投与に関する指示書を含む添付文書、を含むキットを提供する。いくつかの態様では、キットは、個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための、第2の薬剤の投与前、投与中、または投与後に第1の薬剤を投与するための指示書を含む添付文書をさらに含む。
いくつかの態様では、本開示は、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子を含むキットであって、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAであり、ならびに個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための、医薬の単独投与に関する指示書、または抗がん剤、もしくはチェックポイント阻害剤ポリペプチドなどの抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む組成物と組み合わせた投与に関する指示書を含む添付文書、を含むキットを提供する。
前述の態様のいずれかでは、チェックポイント阻害剤ポリペプチドは、PD1、PD-L1、CTLA4、またはこれらの組合せを阻害する。いくつかの態様では、チェックポイント阻害剤ポリペプチドは、抗体である。いくつかの態様では、チェックポイント阻害剤ポリペプチドは、CTLA4に特異的に結合する抗CTLA4抗体またはその抗原結合断片、PD1に特異的に結合する抗PD1抗体またはその抗原結合断片、PD-L1に特異的に結合する抗PD-L1抗体またはその抗原結合断片、及びこれらの組合せから選択される抗体である。いくつかの態様では、チェックポイント阻害剤ポリペプチドは、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはデュルバルマブから選択される抗PD-L1抗体である。いくつかの態様では、チェックポイント阻害剤ポリペプチドは、トレメリムマブまたはイピリムマブから選択される抗CTLA-4抗体である。いくつかの態様では、チェックポイント阻害剤ポリペプチドは、ニボルマブまたはペンブロリズマブから選択される抗PD1抗体である。
いくつかの態様では、本開示は、腫瘍のサイズの縮小、または腫瘍の成長の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、有効量の本明細書に記載のポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子、または薬学的組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、腫瘍のサイズの縮小、または腫瘍の成長の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、腫瘍のサイズの縮小、または腫瘍の成長の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、腫瘍のサイズの縮小、または腫瘍の成長の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインがCD80膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、腫瘍のサイズの縮小、または腫瘍の成長の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインがPDGFR膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、腫瘍のサイズの縮小、または腫瘍の成長の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインがCD8膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、腫瘍のサイズの縮小、または腫瘍の成長の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインがPDGFR膜貫通ドメイン及びPDGFR細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、腫瘍のサイズの縮小、または腫瘍の成長の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインがCD80膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、抗腫瘍応答の誘導を、それを必要とする対象において行う方法であって、有効量の本明細書に記載のポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子、または薬学的組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、抗腫瘍応答の誘導を、それを必要とする対象において行う方法であって、任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、抗腫瘍応答の誘導を、それを必要とする対象において行う方法であって、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインが膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、抗腫瘍応答の誘導を、それを必要とする対象において行う方法であって、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインがPDGFR膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、抗腫瘍応答の誘導を、それを必要とする対象において行う方法であって、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインがCD80膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、抗腫瘍応答の誘導を、それを必要とする対象において行う方法であって、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインがCD8膜貫通ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、抗腫瘍応答の誘導を、それを必要とする対象において行う方法であって、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインがCD80膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、抗腫瘍応答の誘導を、それを必要とする対象において行う方法であって、リンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む有効量の脂質ナノ粒子を対象に投与することを含み、該ヒトIL-12ポリペプチドがIL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、該膜ドメインがPDGFR膜貫通ドメイン及びPDGFR細胞内ドメインを含み、該ポリヌクレオチドが5’非翻訳領域(UTR)、ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、方法を提供する。
前述の方法のいずれかでは、ポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子脂質、または薬学的組成物は、腫瘍内注射により投与される。
前述の方法のいずれかでは、抗腫瘍応答はT細胞応答を含む。いくつかの態様では、T細胞応答はCD8+T細胞を含む。
前述の態様のいずれかでは、方法は、抗がん剤、または抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチドを含む組成物の有効量を対象に投与することをさらに含む。
前述の態様のいずれかでは、方法は、チェックポイント阻害剤ポリペプチドまたはそれをコードするポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む第2の組成物を投与することをさらに含む。いくつかの態様では、チェックポイント阻害剤ポリペプチドは、PD1、PD-L1、CTLA4、またはこれらの組合せを阻害する。いくつかの態様では、チェックポイント阻害剤ポリペプチドは、抗体である。いくつかの態様では、チェックポイント阻害剤ポリペプチドは、CTLA4に特異的に結合する抗CTLA4抗体またはその抗原結合断片、PD1に特異的に結合する抗PD1抗体またはその抗原結合断片、PD-L1に特異的に結合する抗PD-L1抗体またはその抗原結合断片、及びこれらの組合せから選択される抗体である。いくつかの態様では、チェックポイント阻害剤ポリペプチドは、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはデュルバルマブから選択される抗PD-L1抗体である。いくつかの態様では、チェックポイント阻害剤ポリペプチドは、トレメリムマブまたはイピリムマブから選択される抗CTLA-4抗体である。いくつかの態様では、チェックポイント阻害剤ポリペプチドは、ニボルマブまたはペンブロリズマブから選択される抗PD1抗体である。
前述の態様のいずれかでは、チェックポイント阻害剤ポリペプチドを含む組成物は、静脈内注射により投与される。いくつかの態様では、チェックポイント阻害剤ポリペプチドを含む組成物は、2~3週間ごとに1回投与される。
前述の態様のいずれかでは、チェックポイント阻害剤ポリペプチドを含む第2の組成物は、ポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子または薬学的組成物の投与前、投与中、または投与後に投与される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
任意選択でリンカーを介して膜ドメインに作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、前記ヒトIL-12ポリペプチドが、IL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、前記膜ドメインが、膜貫通ドメインを含み、前記ポリヌクレオチドが、5’非翻訳領域(UTR)、前記ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、前記ポリヌクレオチド。
(項目2)
前記膜貫通ドメインが、I型内在性膜タンパク質に由来する膜貫通ドメインを含む、項目1に記載のポリヌクレオチド。
(項目3)
前記膜貫通ドメインが、分化群8(CD8)膜貫通ドメイン、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン、及び分化群80(CD80)膜貫通ドメインからなる群から選択される、項目1に記載のポリヌクレオチド。
(項目4)
前記膜貫通ドメインがPDGFR-β膜貫通ドメインを含むPDGFR膜貫通ドメインである、項目3に記載のポリヌクレオチド。
(項目5)
前記PDGFR-β膜貫通ドメインが配列番号102に記載のアミノ酸配列を含む、項目4に記載のポリヌクレオチド。
(項目6)
前記膜貫通ドメインが配列番号101に記載のアミノ酸配列を含むCD8膜貫通ドメインである、項目3に記載のポリヌクレオチド。
(項目7)
前記膜貫通ドメインが配列番号103に記載のアミノ酸配列を含むCD80膜貫通ドメインである、項目3に記載のポリヌクレオチド。
(項目8)
前記膜ドメインが細胞内ドメインを含む、項目1~7のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
(項目9)
前記細胞内ドメインが前記膜貫通ドメインと同じポリペプチドに由来する、項目8に記載のポリヌクレオチド。
(項目10)
前記細胞内ドメインが、前記膜貫通ドメインが由来するものとは異なるポリペプチドに由来する、項目8に記載のポリヌクレオチド。
(項目11)
前記細胞内ドメインが、PDGFR細胞内ドメイン、切断型PDGFR細胞内ドメイン、及びCD80細胞内ドメインからなる群から選択される、項目8に記載のポリヌクレオチド。
(項目12)
前記細胞内ドメインがPDGFR-β細胞内ドメインを含むPDGFR細胞内ドメインである、項目11に記載のポリヌクレオチド。
(項目13)
前記PDGFR-β細胞内ドメインが配列番号226に記載のアミノ酸配列を含む、項目12に記載のポリヌクレオチド。
(項目14)
前記細胞内ドメインがE570またはG739で切断されたPDGFR-β細胞内ドメインを含む切断型PDGFR細胞内ドメインである、項目8に記載のポリヌクレオチド。
(項目15)
E570で切断された前記切断型PDGFR-β細胞内ドメインが配列番号227に記載のアミノ酸配列を含む、項目14に記載のポリヌクレオチド。
(項目16)
G739で切断された前記切断型PDGFR-β膜貫通が配列番号228に記載のアミノ酸配列を含む、項目14に記載のポリヌクレオチド。
(項目17)
前記細胞内ドメインが配列番号225に記載のアミノ酸配列を含むCD80細胞内ドメインである、項目8に記載のポリヌクレオチド。
(項目18)
前記膜ドメインが、
(i)PDGFR-β膜貫通ドメイン及びPDGFR-β細胞内ドメイン、
(ii)PDGFR-β膜貫通ドメイン、及びE570で切断された切断型PDGFR-β細胞内ドメイン、
(iii)PDGFR-β膜貫通ドメイン、及びG739で切断された切断型PDGFR-β細胞内ドメイン、または
(iv)CD80膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメイン、
を含む、項目8~17のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
(項目19)
前記膜ドメインがペプチドリンカーによって前記IL-12Aポリペプチドに作動可能に連結された、項目1~18のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
(項目20)
前記膜ドメインがペプチドリンカーによって前記IL-12Bポリペプチドに作動可能に連結された、項目1~18のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
(項目21)
前記ペプチドリンカーがGly/Serリンカーを含む、項目19または20に記載のポリヌクレオチド。
(項目22)
前記Gly/Serリンカーが(G S) を含み、式中、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20であり、mは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20である、項目21に記載のポリヌクレオチド。
(項目23)
前記Gly/Serリンカーが前記Gly/Serリンカーの3’末端にロイシン及びグルタミンをさらに含む、項目21または22に記載のポリヌクレオチド。
(項目24)
前記ペプチドリンカーが配列番号229に記載のアミノ酸配列を含む、項目19または20に記載のポリヌクレオチド。
(項目25)
前記IL-12Bポリペプチドがペプチドリンカーによって前記IL-12Aポリペプチドに作動可能に連結された、先行項目のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
(項目26)
前記IL-12Bポリペプチドが前記IL-12Aポリペプチドの5’末端、または前記ペプチドリンカーの5’末端に位置した、先行項目のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
(項目27)
前記IL-12Aポリペプチドが前記IL-12Bポリペプチドの5’末端、または前記ペプチドリンカーの5’末端に位置した、項目1~25のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
(項目28)
前記ペプチドリンカーがGly/Serリンカーを含む、項目25~27のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
(項目29)
前記Gly/Serリンカーが(G S) を含み、式中、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20であり、mは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20である、項目28に記載のポリヌクレオチド。
(項目30)
前記Gly/Serリンカーが(G S) を含み、式中、nは6であり、mは1である、項目29に記載のポリヌクレオチド。
(項目31)
前記ORFがシグナルペプチドをコードする、先行項目のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
(項目32)
前記シグナルペプチドがIL-12Bシグナルペプチドである、項目31に記載のポリヌクレオチド。
(項目33)
前記IL-12Bポリペプチドが配列番号48のアミノ酸23~328に記載のアミノ酸配列を含む、先行項目のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
(項目34)
前記IL-12Aポリペプチドが配列番号48のアミノ酸336~532に記載のアミノ酸配列を含む、先行項目のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
(項目35)
前記IL-12Bシグナルペプチドが配列番号48のアミノ酸1~22に記載のアミノ酸配列を含む、項目32~34のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
(項目36)
5’UTR、オープンリーディングフレーム(ORF)、及び3’UTRを含むmRNAであって、前記ORFが、5’から3’までをコードするヌクレオチド配列:
5’-[IL-12B]-[L1]-[IL-12A]-[L2]-[MD]-3’を含み、ここで
IL-12BはヒトIL-12 p40サブユニットポリペプチドであり、
L1は第1のペプチドリンカーであり、
IL-12AはヒトIL-12 p35サブユニットポリペプチドであり、
L2は第2のペプチドリンカーであり、
MDはI型内在性膜タンパク質由来の膜貫通ドメインを含む膜ドメインである、
前記mRNA。
(項目37)
I型内在性膜タンパク質由来の前記膜貫通ドメインが、分化群8(CD8)膜貫通ドメイン、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン、及び分化群80(CD80)膜貫通ドメインからなる群から選択される、項目36に記載のmRNA。
(項目38)
前記膜ドメインが細胞内ドメインを含む、項目36または37に記載のmRNA。
(項目39)
前記細胞内ドメインが、PDGFR細胞内ドメイン、切断型PDGFR細胞内ドメイン、及びCD80細胞内ドメインからなる群から選択される、項目38に記載のmRNA。
(項目40)
I型内在性膜タンパク質由来の前記膜貫通ドメインがCD80膜貫通ドメインであり、任意選択で前記CD80膜貫通ドメインが配列番号103に記載のアミノ酸配列を含む、項目36~39のいずれか1項に記載のmRNA。
(項目41)
前記細胞内ドメインが配列番号225に記載のアミノ酸配列を含むCD80細胞内ドメインである、項目39または40に記載のmRNA。
(項目42)
I型内在性膜タンパク質の前記膜貫通ドメインがPDGFR膜貫通ドメインであり、任意選択で前記PDGFR膜貫通ドメインがPDGFR-β膜貫通ドメインを含む、項目36~39のいずれか1項に記載のmRNA。
(項目43)
前記PDGFR膜貫通ドメインが配列番号102に記載のアミノ酸配列を含むPDGFR-β膜貫通ドメインを含む、項目42に記載のmRNA。
(項目44)
前記細胞内ドメインがPDGFR-β細胞内ドメインを含むPDGFR細胞内ドメインである、項目39、40、42及び43のいずれか1項に記載のmRNA。
(項目45)
前記PDGFR-β細胞内ドメインが配列番号226に記載のアミノ酸配列を含む、項目44に記載のmRNA。
(項目46)
前記PDGFR細胞内ドメインが切断型PDGFR-β細胞内ドメインを含む、項目44に記載のmRNA。
(項目47)
前記切断型PDGFR-β細胞内ドメインが、E570で切断されており、配列番号227に記載のアミノ酸配列を含む、項目46に記載のmRNA。
(項目48)
前記切断型PDGFR-β細胞内ドメインが、G739で切断されており、配列番号228に記載のアミノ酸配列を含む、項目46に記載のmRNA。
(項目49)
前記ORFがシグナルペプチドをコードする、項目36~48のいずれか1項に記載のmRNA。
(項目50)
前記シグナルペプチドがIL-12Bシグナルペプチドである、項目49に記載のmRNA。
(項目51)
前記IL-12Bシグナルペプチドが配列番号48のアミノ酸1~22に記載のアミノ酸配列を含む、項目50に記載のmRNA。
(項目52)
前記IL-12Bポリペプチドが配列番号48のアミノ酸23~328に記載のアミノ酸配列を含む、項目36~51のいずれか1項に記載のmRNA。
(項目53)
前記IL-12Aポリペプチドが配列番号48のアミノ酸336~532に記載のアミノ酸配列を含む、項目36~52のいずれか1項に記載のmRNA。
(項目54)
前記第1のペプチドリンカー[L1]及び第2のペプチドリンカー[L2]が、それぞれGly/Serリンカーである、項目36~53のいずれか1項に記載のmRNA。
(項目55)
[L1]が配列番号214に記載のアミノ酸配列を含む、項目54に記載のmRNA。
(項目56)
[L2]が(G S) を含み、式中、nは1~4であり、mは1~4である、項目54または55に記載のmRNA。
(項目57)
[L2]が(G S) を含み、式中、mは1~4である、項目54または55に記載のmRNA。
(項目58)
[L2]が配列番号229に記載のアミノ酸配列を含む、項目57に記載のmRNA。
(項目59)
配列番号273もしくは配列番号274に記載の配列、または配列番号273もしくは配列番号274に記載の配列に対して、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む、項目36に記載のmRNA。
(項目60)
配列番号275~279のいずれか1つに記載の配列、または配列番号275~279のいずれか1つに記載の配列に対して、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む、項目36に記載のmRNA。
(項目61)
配列番号281に記載の配列、または配列番号280に記載の配列に対して、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む、項目36に記載のmRNA。
(項目62)
配列番号282に記載の配列、または配列番号282に記載の配列に対して、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む、項目36に記載のmRNA。
(項目63)
前記3’UTRがマイクロRNA結合部位を含む、先行項目のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目64)
前記マイクロRNA結合部位がmiR-122結合部位である、項目63に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目65)
前記miR-122結合部位がmiR-122-3pまたはmiR-122-5p結合部位である、項目64に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目66)
前記miR-122-5p結合部位が配列番号54に記載の配列を含む、項目65に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目67)
前記3’UTRが配列番号283に記載の配列を含む、項目63に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目68)
前記5’UTRが配列番号287に記載の配列を含む、先行項目のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目69)
前記ポリヌクレオチドが5’末端キャップ構造を含む、先行項目のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目70)
前記5’末端キャップ構造がCap0、Cap1、ARCA、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、2-アジドグアノシン、Cap2、Cap4、5’メチルGキャップ、またはその類似体である、項目69に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目71)
前記ポリヌクレオチドが3’ポリA尾部を含む、先行項目のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目72)
前記mRNAが少なくとも1つの化学的修飾を含む、先行項目のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目73)
前記化学的修飾が、シュードウリジン、N1-メチルシュードウリジン、2-チオウリジン、4’-チオウリジン、5-メチルシトシン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン、2-チオ-1-メチル-シュードウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ジヒドロシュードウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-シュードウリジン、4-メトキシ-2-チオ-シュードウリジン、4-メトキシ-シュードウリジン、4-チオ-1-メチル-シュードウリジン、4-チオ-シュードウリジン、5-アザ-ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5-メチルウリジン、5-メチルウリジン、5-メトキシウリジン、及び2’-O-メチルウリジンからなる群から選択される、項目72に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目74)
前記化学的修飾が、シュードウリジンまたはシュードウリジン類似体からなる群から選択される、項目72に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目75)
前記化学的修飾がN1-メチルシュードウリジンである、項目72に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目76)
前記mRNAが、N1-メチルシュードウリジンによって完全に修飾された、項目72に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA。
(項目77)
先行項目のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドまたはmRNA、及び薬学的に許容可能な担体を含む組成物。
(項目78)
項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドまたはmRNAを含む脂質ナノ粒子。
(項目79)
前記脂質ナノ粒子が、約20~60%のイオン化可能アミノ脂質、5~25%のリン脂質、25~55%のステロール、及び0.5~15%のPEG修飾脂質のモル比を含む、項目78に記載の脂質ナノ粒子。
(項目80)
前記イオン化可能アミノ脂質が、例えば、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)、及びジ((Z)-ノン-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される、項目79に記載の脂質ナノ粒子。
(項目81)
前記イオン化可能アミノ脂質が式(I)の化合物を含む、項目80に記載の脂質ナノ粒子。
(項目82)
前記式(I)の化合物が化合物18である、項目81に記載の脂質ナノ粒子。
(項目83)
項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物。
(項目84)
前記薬学的に許容可能な担体が緩衝液を含む、項目83に記載の薬学的組成物。
(項目85)
腫瘍内送達のために製剤化されている、項目83~84のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目86)
個体におけるがんの処置またはその進行の遅延に使用するための、項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドもしくはmRNA、項目77に記載の組成物、項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、または項目83~85のいずれか1項に記載の薬学的組成物であって、
前記処置が、第2の組成物と組合せた、前記ポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子、または薬学的組成物の投与を含み、
前記第2の組成物が、抗がん剤、またはチェックポイント阻害剤ポリペプチドなどの抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む、前記ポリヌクレオチドもしくはmRNA、組成物、脂質ナノ粒子、または薬学的組成物。
(項目87)
個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための医薬の製造における、項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドもしくはmRNA、項目77に記載の組成物、項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、または項目83~85のいずれか1項に記載の薬学的組成物、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体の使用であって、前記医薬が、前記ポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子、または薬学的組成物、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含み、前記処置が、抗がん剤、またはチェックポイント阻害剤ポリペプチドなどの抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む組成物と組合せた前記医薬の投与を含む、前記使用。
(項目88)
個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための、項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドもしくはmRNA、項目77に記載の組成物、項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、または項目83~85のいずれか1項に記載の薬学的組成物、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体、ならびに前記ポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子もしくは薬学的組成物の投与に関する指示書を含む添付文書、を含む容器を含むキット。
(項目89)
前記添付文書が、個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための、抗がん剤、またはチェックポイント阻害剤ポリペプチドなどの抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む組成物と組合せた前記脂質ナノ粒子または薬学的組成物の投与に関する指示書をさらに含む、項目88に記載のキット。
(項目90)
個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための、項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドもしくはmRNA、項目77に記載の組成物、項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、または項目83~85のいずれか1項に記載の薬学的組成物を含む医薬、ならびに前記医薬単独の投与に関する指示書、または抗がん剤、もしくはチェックポイント阻害剤ポリペプチドなどの抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む組成物と組合せた投与に関する指示書を含む添付文書、を含むキット。
(項目91)
前記キットが、個体におけるがんの処置またはその進行の遅延のための、前記第2の薬剤の投与前、投与中、または投与後に前記第1の薬剤を投与するための指示書を含む添付文書をさらに含む項目90に記載のキット。
(項目92)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドが、PD1、PD-L1、CTLA4、またはこれらの組合せを阻害する、項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドもしくはmRNA、項目77に記載の組成物、項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、または項目83~85のいずれか1項に記載の薬学的組成物、項目86~87に記載の使用、または項目88~91のいずれか1項に記載のキット。
(項目93)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドが抗体である、項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドもしくはmRNA、項目77に記載の組成物、項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、または項目83~85のいずれか1項に記載の薬学的組成物、項目86~87に記載の使用、または項目88~91のいずれか1項に記載のキット。
(項目94)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドが、CTLA4に特異的に結合する抗CTLA4抗体またはその抗原結合断片、PD1に特異的に結合する抗PD1抗体またはその抗原結合断片、PD-L1に特異的に結合する抗PD-L1抗体またはその抗原結合断片、及びこれらの組合せから選択される抗体である、項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドもしくはmRNA、項目77に記載の組成物、項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、または項目83~85のいずれか1項に記載の薬学的組成物、項目86~87に記載の使用、または項目88~91のいずれか1項に記載のキット。
(項目95)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドが、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはデュルバルマブから選択される抗PD-L1抗体である、項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドもしくはmRNA、項目77に記載の組成物、項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、または項目83~85のいずれか1項に記載の薬学的組成物、項目86~87に記載の使用、または項目88~91のいずれか1項に記載のキット。
(項目96)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドが、トレメリムマブまたはイピリムマブから選択される抗CTLA-4抗体である、項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドもしくはmRNA、項目77に記載の組成物、項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、または項目83~85のいずれか1項に記載の薬学的組成物、項目86~87に記載の使用、または項目88~91のいずれか1項に記載のキット。
(項目97)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドが、ニボルマブまたはペンブロリズマブから選択される抗PD1抗体である、項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドもしくはmRNA、項目77に記載の組成物、項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、または項目83~85のいずれか1項に記載の薬学的組成物、項目86~87に記載の使用、または項目88~91のいずれか1項に記載のキット。
(項目98)
腫瘍のサイズの縮小、または腫瘍の成長の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記対象に、有効量の、項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドもしくはmRNA、項目77に記載の組成物、項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、または項目83~85のいずれか1項に記載の薬学的組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目99)
抗腫瘍応答の誘導を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記対象に、有効量の、項目1~76のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドもしくはmRNA、項目77に記載の組成物、項目78~82のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子、または項目83~85のいずれか1項に記載の薬学的組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目100)
前記ポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子脂質、または薬学的組成物が腫瘍内注射により投与される、項目98~99のいずれか1項に記載の方法。
(項目101)
前記抗腫瘍応答がT細胞応答を含む、項目99~100のいずれか1項に記載の方法。
(項目102)
前記T細胞応答がCD8+T細胞を含む、項目101に記載の方法。
(項目103)
抗がん剤、または抗がん剤をコードするORFを含むポリヌクレオチドを含む組成物の有効量を前記対象に投与することをさらに含む、項目98~102のいずれか1項に記載の方法。
(項目104)
チェックポイント阻害剤ポリペプチドまたはそれをコードするポリヌクレオチド、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体を含む第2の組成物を投与することをさらに含む、項目98~102のいずれか1項に記載の方法。
(項目105)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドが、PD1、PD-L1、CTLA4、またはこれらの組合せを阻害する、項目104に記載の方法。
(項目106)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドが抗体である、項目105に記載の方法。
(項目107)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドが、CTLA4に特異的に結合する抗CTLA4抗体またはその抗原結合断片、PD1に特異的に結合する抗PD1抗体またはその抗原結合断片、PD-L1に特異的に結合する抗PD-L1抗体またはその抗原結合断片、及びこれらの組合せから選択される抗体である、項目106に記載の方法。
(項目108)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドが、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはデュルバルマブから選択される抗PD-L1抗体である、項目107に記載の方法。
(項目109)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドが、トレメリムマブまたはイピリムマブから選択される抗CTLA-4抗体である、項目107に記載の方法。
(項目110)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドが、ニボルマブまたはペンブロリズマブから選択される抗PD1抗体である、項目107に記載の方法。
(項目111)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドを含む前記組成物が静脈内注射により投与される、項目104~110のいずれか1項に記載の方法。
(項目112)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドを含む前記組成物が2~3週間ごとに1回投与される、項目111に記載の方法。
(項目113)
前記チェックポイント阻害剤ポリペプチドを含む前記第2の組成物が、前記ポリヌクレオチド、mRNA、組成物、脂質ナノ粒子または薬学的組成物の投与前、投与中、または投与後に投与される、項目104~112のいずれか1項に記載の方法。
IL-12ポリペプチド(「IL12」)と膜ドメイン(「MD」)との間にリンカーを有する(図1A及び1C)または有さない(図1B及び1D)連結したIL-12ポリペプチドの例示的構造を示す。「IL12」ポリペプチドは、IL-12A、IL-12B、またはIL-12AとIL-12Bの両方を含むポリペプチドを含む。「N」はポリペプチドのアミノ末端を示し、「C」はポリペプチドのカルボキシ末端を示す。 実施例で使用される、リンカーを介してIL-12Aサブユニットに連結したIL-12Bサブユニットを含む、連結したマウスIL-12ポリペプチドの構造を示す。図2Aは、V5タグを有する、リンカーを介してCD8膜貫通ドメインに連結したIL-12ポリペプチド(「mIL12-8TM」)を示す。図2Bは、V5タグを有する、リンカーを介してPGFRB膜貫通ドメインに連結したIL-12ポリペプチド(「mIL12-PTM」)を示す。図2Cは、リンカーを介してCD80膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインに連結したIL-12ポリペプチド(「mIL12-80TID」)を示す。図2Dは、V5タグを有する、リンカーなしでCD80膜貫通ドメインに連結したIL-12ポリペプチド(「mIL12-80TM」)を示す。図2Eは、リンカーなしでCD80膜貫通及び細胞内ドメインに連結され、赤血球凝集素(HA)タグ及びIgKシグナルペプチドを含むIL-12ポリペプチド(「IgK_mscIL12-80TID」)を示す。 mRNAを含まないトランスフェクション試薬への24時間の曝露後のHeLa細胞(「モック」)、または以下の構築物:分泌型マウスIL-12ポリペプチド(「mIL12AB」)、mIL12-8TM、mIL12-PTM、及びmIL12-80TMをコードするmRNAで個々の細胞培養ウェルにトランスフェクトされたHeLa細胞の上清または溶解液におけるIL-12のin vitro発現レベルを示すグラフである。IL-12の量をそれぞれの培養ウェルあたりのナノグラム単位(「ng/ウェル」)で図のy軸に示す。 様々な連結したIL-12ポリペプチド構築物に関連するin vitro生物活性を示す。図4A及び図4Cは、マウス脾臓CD8+T細胞の増殖レベルを相対発光量(「RLU」)でy軸に示す。図4B及び図4Dは、マウス脾臓CD8+T細胞によるインターフェロンガンマ(IFNγ)分泌の量をミリリットルあたりのナノグラム単位(「ng/ml」)でy軸に示す。図4~図4DのそれぞれのCD8+T細胞による増殖及び分泌は、図3の簡単な説明に記載の、「モック」トランスフェクトHeLa細胞、またはmIL12AB、mIL12-8TM、もしくはmIL12-80TMで個々の培養ウェルにトランスフェクトされたHeLa細胞との共培養で72時間後に測定された。組換えマウスIL-12(rmIL12)もまた「モック」培養のサブセットに添加した(「モック+rmIL12」)。図4~図4Dの各条件は、記載の構築物の1つでトランスフェクトされたHeLa細胞培養液の固定数のHeLa細胞(さらに同じHeLa細胞培養液の固定量の上清を含む)と培養した50,000個のCD8+T細胞を表す。 同上。 IL-12ポリペプチド構築物でトランスフェクトされたHeLa細胞のマウス脾臓CD8+T細胞でのin vitro IL-12タンパク質発現及び生物活性を示す。図5Aは、「モック」HeLa細胞、または様々な連結したマウスIL-12 mRNAによる個々の細胞培養ウェルでのトランスフェクションの24時間後のHeLa細胞、の上清または溶解液中のIL-12の量(ng/ウェル)を示す。図5Bは、「モック」またはトランスフェクトされたHeLa細胞及び上清との72時間の共培養後のマウス脾臓CD8+T細胞によるIFNγ分泌の量(ng/mL)を示す。 mIL12AB(「分泌型mIL-12」)またはmIL12-PTM(「連結したmIL-12」)で処理後の、MC38腫瘍を有するマウスのIL-12の血漿レベル(図6A)及びIFNγの血漿レベル(図6B)を示す。各グラフは、時単位で投与後の経時的な血漿濃度をミリリットルあたりのピコグラム(「pg/mL」)で示す。 マウスへのMC38腫瘍の移植後の経時(日数)的な体重変化の割合を示すグラフを提供する。縦線は、陰性対照(NST mRNA;左)、分泌型IL-12(mIL12AB;中央)、または連結したIL-12(mIL12-PTM;右)のいずれかで処置が開始された日を示す。 mOX40Lの非翻訳配列をコードする陰性対照mRNA(「陰性対照」)、または図2Bの簡単な説明に記載されるようなmIL12-PTM mRNA構築物のいずれかを用いた一次処置腫瘍及び二次未処置(すなわち遠位)腫瘍の両方におけるin vivo腫瘍効力を示す。図8Aは、実験で使用されたMC38両側腹部モデルの概略説明を示す。「5e5」は、5×10個のMC38細胞が、腫瘍を生成するために、一次(右)または二次(左)の側腹部に接種されたことを示す。右側腹部の腫瘍(一次腫瘍)はmRNAの1つの腫瘍内注射によって処置したが、左側腹部の腫瘍(二次腫瘍(すなわち、遠位腫瘍))は腫瘍内注射を受けなかった。一次腫瘍におけるmRNAの腫瘍内投与の効果は、一次腫瘍と二次腫瘍の両方の腫瘍体積を測定することにより決定した。図8B~8Eのy軸は、MC38による移植後のx軸に記載の日数での腫瘍体積を立方ミリメートル(mm)で示す。図8Bは、一次処置腫瘍に対する陰性対照mRNAの効果を示す。図8Cは、二次腫瘍に対する陰性対照mRNAの効果を示す。図8Dは、一次処置腫瘍に対するmIL12-PTMの効果を示す。図8Eは、二次腫瘍に対するmIL12-PTMの効果を示す。 同上。 実施例で使用される、リンカーを介してIL-12Aサブユニットに連結したIL-12Bサブユニットを含む、連結したヒトIL-12ポリペプチドの構造を示す。図9Aは、V5タグを有する、リンカーを介してCD8膜貫通ドメインに連結されたIL-12ポリペプチド(「hIL12-8TM」)を示す。図9Bは、リンカーを介してCD80膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインに連結されたIL-12ポリペプチド(「hIL12-80TID」)を示す。図9Cは、リンカーを介してPGFRB膜貫通ドメイン及び切断型細胞内ドメイン(E570tr)に連結されたIL-12ポリペプチド(「hIL12-PTIDE570」)を示す。図9Dは、リンカーを介してPGFRB膜貫通ドメイン及び切断型細胞内ドメイン(G739tr)に連結されたIL-12ポリペプチド(「hIL12-PTIDG739」)を示す。 IL-12ポリペプチド構築物でトランスフェクトされたHeLa細胞のヒト末梢血CD8+T細胞でのin vitro IL-12タンパク質発現及び生物活性を示す。図10Aは、「モック」HeLa細胞、またはトランスフェクションの24時間後の様々な連結したヒトIL-12 mRNAによる個々の細胞培養ウェルでのトランスフェクションの24時間後のHeLa細胞の、上清または溶解液中のIL-12の量(ng/ウェル)を示す。図10Bは、「モック」またはトランスフェクトされたHeLa細胞及び上清との72時間の共培養後のヒト末梢血CD8+T細胞によるIFNγ分泌の量(ng/mL)を示す。 4つの異なるmRNA配列によりコードされるhIL12-80TIDのin vitro IL-12タンパク質発現を示す。このグラフは、トランスフェクションの24時間後、「モック」HeLa細胞、または様々なmRNAで個々のウェルでトランスフェクトされたHeLa細胞の、上清(左)または溶解液(右)のIL-12の量(ng/ウェル)を示す。
本開示は、免疫応答を刺激する物質(例えば本明細書に開示されるIL-12ポリペプチド及び膜ドメインを含む連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNA)、すなわち免疫療法による疾患の予防または処置を含む、がんを処置するための新規なアプローチを提供する。
一態様では、本開示は、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)を使用して、がんを処置する方法に関する。本明細書に開示されるIL-12ポリペプチドは、IL-12A、IL-12B、またはIL-12A及びIL-12Bの両方を含む。別の態様では、本開示は、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)ならびに抗がん剤、例えば免疫チェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体を特徴とする組合せアプローチを使用してがんを処置する方法を提供する。いかなる理論によっても束縛されるものではないが、抗がん免疫応答のプライミングは、例えばT細胞及び/またはナチュラルキラー細胞の刺激時に、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)を、例えば腫瘍内に投与することによって、可能であると考えられる。したがって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、例えばポリヌクレオチド(例えばmRNA)の腫瘍内注射により、例えば腫瘍環境内において免疫系に第1の刺激シグナルを提供すると考えられる。IL-12はまた、T細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞からのインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び腫瘍壊死因子-アルファ(TNF-α)の産生を刺激し得る。本明細書に開示されるように、IL-12はまた、直接的またはIFN-γを通じて間接的に、腫瘍細胞におけるPD-L1の発現を増大させ得、これにより局所的腫瘍免疫が損なわれ得る。したがって、いくつかの態様では、本開示は、腫瘍を処置する方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)を、PD-L1とその受容体、すなわち、PD-1との間の相互作用を遮断する抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。他の態様では、本開示は、腫瘍を処置する方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)を、抗CTLA-4抗体と組み合わせて投与することを含む、方法を含む。さらなる態様では、本開示は、腫瘍を処置する方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)を、抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体及び抗CTLA-4抗体と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。本開示のいくつかの態様はまた、追加の薬剤、例えば抗体を含む。他の態様では、抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体は、ポリヌクレオチドの形態で投与され得る。同様に、抗CTLA-4抗体は、ポリヌクレオチドの形態で投与され得る。例示的な態様は、脂質ナノ粒子-(LNP-)封入型mRNAを用いた処置を特徴とする。例示的な態様は、カチオン性脂質に基づくLNPにおけるmRNAの腫瘍内投与を特徴とする。
1.がんを処置する方法
本開示の特定の態様は、それを必要とする対象において、腫瘍のサイズ、質量、及び/または体積を低減もしくは減少させるか、または腫瘍の成長を予防する方法であって、本明細書に開示される連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNA、またはポリヌクレオチドを含むベクターもしくは宿主細胞、または該ポリヌクレオチドによりコードされる連結したIL-12ポリペプチドを投与することを含む、方法を対象とする。
他の実施形態では、本開示は、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)を投与することにより、または本明細書に開示される任意の薬剤と組み合わせて該ポリヌクレオチドを投与することにより、抗腫瘍効果(例えばT細胞増殖の誘導、腫瘍におけるT細胞浸潤の誘導、メモリーT細胞応答の誘導、NK細胞の数の増加など)を促進する方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、それを必要とする対象においてT細胞を活性化し、それを必要とする対象においてT細胞増殖を誘導し、それを必要とする対象の腫瘍においてT細胞浸潤を誘導し、及び/またはそれを必要とする対象においてメモリーT細胞応答を誘導する方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを単独で、または第2の薬剤、例えばチェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体と組み合わせて対象に投与することを含む、方法を提供する。ある特定の実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)の、単独でまたは第2の薬剤と組み合わせた腫瘍内投与は、他の投与経路と比較して、抗腫瘍効果(例えば腫瘍におけるT細胞の浸潤)の有効性を増大させ得る。
IL-12などのサイトカインの投与は、処置対象の毒性と関連付けられてきた。例えばLeonard,J.P.et al.,Blood 90:2541-2548(1997)を参照のこと。他の実施形態では、本開示は、腫瘍のサイズの縮小、または腫瘍の成長の阻害を、それを必要とする対象において低下した毒性で行う方法であって、本明細書に開示される連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)を対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本投与は、非連結であるIL-12ポリペプチドをコードする参照ポリヌクレオチド(例えばmRNA)の投与と比較して、毒性の低下を示す。いくつかの実施形態では、毒性の低下は、全身毒性、敗血症様症候群(sepsis-like syndrome)、敗血症性ショック、悪液質、体重減少、筋萎縮、疲労、衰弱、著しい食欲不振、肝毒性、循環白血球の減少、血小板減少症、貧血、呼吸困難、口内炎、白血球減少、高ビリルビン血症、トランスアミナーゼの上昇、血小板減少症、臓器不全、呼吸不全、肝不全、腎不全、消化管出血、及びこれらの組合せからなる群から選択される毒性または毒性効果の低下である。
一実施形態では、対象の活性化T細胞は、対象において腫瘍のサイズを縮小するか、または腫瘍の成長を阻害する。T細胞の活性化は、当技術分野における用途、例えばT細胞増殖を測定すること;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)もしくは酵素結合免疫スポットアッセイ(ELISPOT)によってサイトカイン産生を測定すること;またはフローサイトメトリーなどの技法によるT細胞活性化と関連する細胞表面マーカー(例えばCD69、CD40L、CD137、CD25、CD71、CD26、CD27、CD28、CD30、CD154、及びCD134)の検出、を使用して測定することができる。
一実施形態では、対象におけるT細胞増殖は、対象における抗腫瘍免疫応答に指向される。別の態様では、対象におけるT細胞増殖は、対象において腫瘍のサイズを縮小もしくは低下させるか、または腫瘍の成長を阻害する。T細胞増殖は、当技術分野における用途、例えば細胞計数、生存性染色、光学濃度アッセイ、またはフローサイトメトリーなどの技法によるT細胞活性化と関連する細胞表面マーカー(例えばCD69、CD40L、CD137、CD25、CD71、CD26、CD27、CD28、CD30、CD154、及びCD134)の検出、を使用して測定することができる。
一実施形態では、対象の腫瘍におけるT細胞浸潤は、対象における抗腫瘍免疫応答に指向される。別の態様では、対象の腫瘍におけるT細胞浸潤は、対象において腫瘍のサイズを縮小もしくは低下させるか、または腫瘍の成長を阻害する。腫瘍におけるT細胞浸潤は、当技術分野における用途、例えば組織切片化及び細胞マーカーの染色、腫瘍部位における局所的サイトカイン産生の測定、またはフローサイトメトリーなどの技法によるT細胞表面マーカーの検出、を使用して測定することができる。
一実施形態では、対象におけるメモリーT細胞応答は、対象における抗腫瘍免疫応答に指向される。別の態様では、対象におけるメモリーT細胞応答は、対象において腫瘍のサイズを縮小もしくは低下させるか、または腫瘍の成長を阻害する。メモリーT細胞応答は、当技術分野における用途、例えばメモリーT細胞と関連するT細胞マーカーの測定、メモリー免疫応答と関連する局所的サイトカイン産生の測定、またはフローサイトメトリーなどの技法によるメモリーT細胞表面マーカーの検出、を使用して測定することができる。
ある特定の実施形態では、本発明の方法により活性化したT細胞は、CD4細胞、CD8細胞、CD62(L-セレクチン)細胞、CD69細胞、CD40L細胞、CD137細胞、CD25細胞、CD71細胞、CD26細胞、CD27細胞、CD28細胞、CD30細胞、CD45細胞、CD45RA細胞、CD45RO細胞、CD11b細胞、CD154細胞、CD134細胞、CXCR3細胞、CCR4細胞、CCR6細胞、CCR7細胞、CXCR5細胞、Crth2細胞、ガンマデルタT細胞、またはこれらの組合せである。いくつかの実施形態では、本発明の方法により活性化したT細胞は、Th細胞である。他の実施形態では、本発明の方法により活性化したT細胞は、Th細胞である。他の実施形態では、本発明の方法により活性化したT細胞は、細胞傷害性T細胞である。
いくつかの実施形態では、本発明の方法により誘導された浸潤T細胞は、CD4細胞、CD8細胞、CD62(L-セレクチン)細胞、CD69細胞、CD40L細胞、CD137細胞、CD25細胞、CD71細胞、CD26細胞、CD27細胞、CD28細胞、CD30細胞、CD45細胞、CD45RA細胞、CD45RO細胞、CD11b細胞、CD154細胞、CD134細胞、CXCR3細胞、CCR4細胞、CCR6細胞、CCR7細胞、CXCR5細胞、Crth2細胞、ガンマデルタT細胞、またはこれらの組合せである。いくつかの実施形態では、本発明の方法により誘導された浸潤T細胞は、Th細胞である。他の実施形態では、本発明の方法により誘導された浸潤T細胞は、Th細胞である。他の実施形態では、本発明の方法により誘導された浸潤T細胞は、細胞傷害性T細胞である。
いくつかの実施形態では、本発明の方法により誘導されたメモリーT細胞は、CD4細胞、CD8細胞、CD62(L-セレクチン)細胞、CD69細胞、CD40L細胞、CD137細胞、CD25細胞、CD71細胞、CD26細胞、CD27細胞、CD28細胞、CD30細胞、CD45細胞、CD45RA細胞、CD45RO細胞、CD11b細胞、CD154細胞、CD134細胞、CXCR3細胞、CCR4細胞、CCR6細胞、CCR7細胞、CXCR5細胞、Crth2細胞、ガンマデルタT細胞、またはこれらの組合せである。いくつかの実施形態では、本発明の方法により誘導されたメモリーT細胞は、Th細胞である。他の実施形態では、本発明の方法により誘導されたメモリーT細胞は、Th細胞である。他の実施形態では、本発明の方法により誘導されたメモリーT細胞は、細胞傷害性T細胞である。
ある特定の実施形態では、本開示は、腫瘍に対する獲得免疫応答、自然免疫応答、または獲得免疫応答及び自然免疫応答の両方を誘導する方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを単独で、または第2の薬剤、例えばチェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体、及び/または本明細書に開示される他の任意の薬剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、腫瘍に対する獲得免疫応答、自然免疫応答、または獲得免疫応答及び自然免疫応答の両方を誘導する方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを第2の薬剤、例えばチェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体、及び/または本明細書に開示される他の任意の薬剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗体またはその抗原結合部分、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体をコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)であり得る。いくつかの実施形態では、本開示は、腫瘍に対する獲得免疫応答、自然免疫応答、または獲得免疫応答及び自然免疫応答の両方を誘導する方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを投与することを含む、方法を提供する。
本開示は、ナチュラルキラー(NK)細胞数の増加を、それを必要とする対象において行う方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAを含むポリヌクレオチドを単独で、または第2の薬剤、例えばチェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体、及び/または本明細書に開示される他の任意の薬剤と組み合わせて投与することを含む、方法をさらに提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、ナチュラルキラー(NK)細胞数の増加を、それを必要とする対象において行う方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAを含むポリヌクレオチドを投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、ナチュラルキラー(NK)細胞数の増加を、それを必要とする対象において行う方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAを含むポリヌクレオチドを第2の薬剤、例えばチェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体、及び/または本明細書に開示される他の任意の薬剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。一態様では、対象におけるNK細胞数の増加は、対象における抗腫瘍免疫応答に指向される。別の態様では、対象におけるNK細胞数の増加は、対象において腫瘍のサイズを縮小もしくは低下させるか、または腫瘍の成長を阻害する。対象におけるNK細胞数の増加は、当技術分野における用途、例えばNK細胞表面マーカー(例えば、CD335/NKp46;CD336/NKp44;CD337/NPp30)または細胞内NK細胞マーカー(例えばパーフォリン;グランザイム;グラニュライシン)の検出、を使用して測定することができる。
ある特定の実施形態では、本開示はまた、腫瘍を有する対象におけるIFNγ発現を増大させる方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを単独で、または第2の薬剤、例えばチェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体、及び/または本明細書に開示される他の任意の薬剤と組み合わせて投与することを含む、方法を対象とする。いくつかの実施形態では、本開示は、腫瘍を有する対象におけるIFNγ発現を増大させる方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、腫瘍を有する対象におけるIFNγ発現を増大させる方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、第2の薬剤、例えばチェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体、及び/または本明細書に開示される他の任意の薬剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
他の実施形態はまた、腫瘍を有する対象におけるIFNγ、TNFα、IL-10、IL-13、IL-15/15R、IL-27、MIP-1β、MIP-1α、MCP-1、MCP-3、M-CSF、IL-4、IL-5、またはこれらの任意の組合せの発現を増大させる方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを、単独でまたは本明細書に開示される別の薬剤と組み合わせて投与することを含む、方法も含む。さらに他の実施形態では、本開示の方法には、GM-CSF、IL-18、IL-3、RANTES、IL-6、またはこれらの任意の組合せの発現を誘導する方法が含まれ得る。
連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、直接的または間接的に、腫瘍に投与するのに好適な薬学的組成物として製剤化され得る。「腫瘍」という用語は、本明細書において広義に使用され、生理学的機能を有さず、通常は急速な無制御な細胞増殖により生じる、組織のあらゆる異常な新たな成長を指す。本明細書において使用される場合「腫瘍」という用語は、良性腫瘍及び悪性腫瘍の両方に関する。
本開示のある特定の態様は、単回投与用量の、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを単独で、または本明細書に開示される任意の薬剤と組み合わせて腫瘍内投与する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、単回投与用量の、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを腫瘍内投与する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、単回投与用量の、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを単独で、または本明細書に開示される任意の薬剤と組み合わせて腫瘍内投与する方法を提供する。かかる実施形態において、連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAは、1回のみ投与され得、一方で他の薬剤は、その通常の投薬スケジュールにしたがって、定期的に投与され得る。ある特定の実施形態では、チェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体は、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAの投与の前に投与される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、脂質ナノ粒子、例えば本明細書に開示される化合物18ベースの脂質ナノ粒子において製剤化される。いかなる理論によっても束縛されるものではないが、いくつかの態様では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド及び/または本明細書に開示される脂質ナノ粒子製剤の腫瘍内送達は、抗腫瘍有効性を誘発し、腫瘍を処置するための投薬に十分な単回用量の投与を可能にする。IL-12によって誘導されるIFNγの潜在的毒性を考慮すると、本開示のポリヌクレオチドのこの単回投薬レジメンは、処置を必要とする対象にとって有益であり得る。
ある特定の実施形態では、本方法は、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAの単回用量を、第2の薬剤、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体と組み合わせて投与することを含み、その通常の(例えば承認されている)スケジュールにしたがって同様に単回投与で提供されてもよく、または複数回投与で提供されてもよい。他の実施形態では、方法は、任意選択でチェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体と組み合わせた、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAの2回以下の投与、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAの3回以下の投与、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAの4回以下の投与、または連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAの5回以下の投与を含む。
他の実施形態では、本方法は、アブスコパル効果、例えば連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAによる、腫瘍の局所的な処置、例えば腫瘍内送達が、処置された腫瘍の退縮だけでなく、局所的な処置の範囲外の腫瘍(「遠位腫瘍」)の退縮も引き起こす腫瘍の処置、をもたらし得る。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの投与(単独で、または抗PD-L1抗体、抗PD-1抗体、もしくは抗CTLA-4抗体と組み合わせて)は、腫瘍におけるエフェクター対サプレッサーT細胞比を増大させる。ある特定の実施形態では、エフェクター対サプレッサーT細胞比は、対象における(i)CD8+、CD4+、またはCD8+/CD4+T細胞の、(ii)Treg細胞に対する比によって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、エフェクター対サプレッサーT細胞比の増大は、CD8+T細胞の数の増大と相関する。いくつかの実施形態では、エフェクター対サプレッサーT細胞比の増大は、CD4+T細胞の数の増大と相関する。いくつかの実施形態では、エフェクター対サプレッサーT細胞比の増大は、CD8+/CD4+T細胞の数の増大と相関する。いくつかの実施形態では、エフェクター対サプレッサーT細胞比の増大は、Treg細胞の数の減少と相関する。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの投与(単独で、または抗PD-L1抗体、抗PD-1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体、またはそれをコードするポリヌクレオチドと組み合わせて)後のエフェクター対サプレッサーT細胞比、例えばCD8T細胞対Treg細胞比は、少なくとも約1.5:1、少なくとも約2:1、少なくとも約2.5:1、少なくとも約3:1、少なくとも約3.5:1、少なくとも約3.5:1、少なくとも約4:1、少なくとも約4.5:1、少なくとも約5:1、少なくとも約6:1、少なくとも約7:1、少なくとも約8:1、少なくとも約9:1、少なくとも約10:1、少なくとも約15:1、少なくとも約20:1、少なくとも約25:1、少なくとも約30:1、少なくとも約35:1、少なくとも約40:1、少なくとも約45:1、少なくとも約50:1、少なくとも約60:1、少なくとも約70:1、少なくとも約80:1、少なくとも約90:1、少なくとも約100:1、少なくとも約110:1、少なくとも約120:1、少なくとも約130:1、少なくとも約140:1、少なくとも約150:1、少なくとも約200:1、少なくとも約250:1、または少なくとも約500:1である。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの投与(単独で、または抗PD-L1抗体、抗PD-1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体、またはそれをコードするポリヌクレオチドと組み合わせて)後のエフェクター対サプレッサーT細胞比、例えばCD8T細胞対Treg細胞比は、少なくとも約1.5、少なくとも約2、少なくとも約2.5、少なくとも約3、少なくとも約3.5、少なくとも約3.5、少なくとも約4、少なくとも約4.5、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約110、少なくとも約120、少なくとも約130、少なくとも約140、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、または少なくとも約500である。
一実施形態では、腫瘍におけるエフェクター対サプレッサーT細胞比の増大は、対象における抗腫瘍免疫応答に指向される。別の態様では、腫瘍におけるエフェクター対サプレッサーT細胞比の増大は、対象において腫瘍のサイズを縮小もしくは低下させるか、または腫瘍の成長を阻害する。腫瘍におけるエフェクター対サプレッサーT細胞比は、当技術分野における用途を使用して、例えばIHC及び/またはフローサイトメトリーを含む当技術分野において公知の任意の方法を使用してCD8+、CD4+、またはCD8+/CD4+T細胞の、Treg細胞に対する比を測定することによって、測定することができる。
本明細書に開示される腫瘍内投与のための薬学的組成物を使用した、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの腫瘍への送達により、
(a)腫瘍におけるポリヌクレオチドの保持が増大し得る、
(b)腫瘍において発現されるポリペプチドのレベルが、腫瘍周囲組織において発現されるポリペプチドのレベルと比較して増大し得る、
(c)ポリヌクレオチドまたは発現される産物の、標的外組織(例えば腫瘍周囲組織または遠位位置、例えば肝臓組織)への漏出が減少し得る、または
(d)これらの任意の組合せ
があり得、ある特定の特性に関して観察される増大または減少は、対応する参照組成物(例えば式(I)の化合物が存在しないか、または別のイオン化可能アミノ脂質、例えばMC3によって置換されている、組成物)と比べたものである。
一実施形態では、漏出の減少は、非腫瘍組織、例えば腫瘍周囲組織、または別の組織もしくは器官、例えば肝臓組織におけるポリペプチド発現に対する、腫瘍におけるポリペプチド発現の比の減少として定量化することができる。
腫瘍への連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAの送達は、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを含む、例えばナノ粒子形態の、本明細書に開示される薬学的組成物を対象に投与することを含み、該薬学的組成物の投与は、腫瘍を組成物と接触させることを含む。
連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドがmRNAである事例では、腫瘍内の細胞を薬学的組成物と接触させると、翻訳可能なmRNAが、細胞内で翻訳されて、目的のポリペプチドが産生され得る。しかしながら、実質的に翻訳不可能なmRNAもまた、腫瘍に送達され得る。実質的に翻訳不可能なmRNAは、ワクチンとして有用であり得る、及び/または細胞の翻訳成分を隔離(sequester)して、細胞における他の種の発現を低減することができる。
本明細書に開示される薬学的組成物により、特異的送達を増大させることができる。本明細書において使用される場合、「特異的送達」という用語は、本明細書に開示される薬学的組成物(例えばナノ粒子形態)による、目的の標的組織(例えば腫瘍)への、標的外組織(例えば哺乳動物の肝臓)と比較してより多くの(例えば、少なくとも1.5倍多い、少なくとも2倍多い、少なくとも3倍多い、少なくとも4倍多い、少なくとも5倍多い、少なくとも6倍多い、少なくとも7倍多い、少なくとも8倍多い、少なくとも9倍多い、少なくとも10倍多い)、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAの、送達を意味する。
特定の組織へのナノ粒子の送達のレベルは、例えば、
(i)組織の重量に対する、組織内の連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAから発現されるタンパク質の量、
(ii)組織の重量に対する、組織内のポリヌクレオチド、例えばmRNAの量の比較、または
(iii)組織内の総タンパク質の量に対する、組織内の連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAから発現されるタンパク質の量の比較
を比較することによって測定することができる。
腫瘍または腫瘍内の特定のクラスの細胞への特異的な送達は、薬学的組成物を対象に投与したときに、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを含む薬学的組成物が、標的到達地(例えば標的組織)に、他の標的外到達地と比べて高い比率で送達されることを示す。
本開示はまた、本明細書に開示されるポリヌクレオチドを含む薬学的組成物(例えばナノ粒子形態)を腫瘍に投与する場合に、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを腫瘍内に送達するための方法を提供する。腫瘍内投与は、
(i)腫瘍における連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAの保持の増大、
(ii)腫瘍において発現されるポリペプチドのレベルの、腫瘍周囲組織において発現されるポリペプチドのレベルと比較した増大、
(iii)ポリヌクレオチド、例えばmRNAまたは発現される産物の標的外組織(例えば腫瘍周囲組織、または遠位位置、例えば肝臓組織)への漏出の減少、及び
(iv)これらの任意の組合せ
から選択される1つまたは複数の特性を示し得、ある特定の特性に関して観察される増大または減少は、対応する参照組成物(例えば式(I)の化合物が存在しないか、または別のイオン化可能アミノ脂質、例えばMC3によって置換されている、組成物)と比べたものである。
一実施形態では、漏出の減少は、非腫瘍組織、例えば腫瘍周囲組織、または別の組織もしくは器官、例えば肝臓組織におけるポリペプチド発現に対する、腫瘍におけるポリペプチド発現の比の減少として定量化することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物を使用することにより結果として生じる送達における別の向上は、他の脂質成分を使用して同じ治療剤または治療剤をコードするポリヌクレオチドを送達した場合に観察される免疫応答に対する、免疫応答の低減である。
したがって、本開示は、対象の腫瘍組織における治療剤(例えば薬学的組成物の一部として投与されるポリペプチド)の保持を増大させる方法であって、本明細書に開示される薬学的組成物を、腫瘍組織に腫瘍内投与することを含み、該腫瘍組織における治療剤の保持が、対応する参照組成物を投与した後の腫瘍組織における治療剤の保持と比較して増大する、方法を提供する。
対象の腫瘍組織におけるポリヌクレオチドの保持を増大させる方法であって、本明細書に開示される薬学的組成物を腫瘍組織に腫瘍内投与することを含み、腫瘍組織におけるポリヌクレオチドの保持が、対応する参照組成物を投与した後の腫瘍組織におけるポリヌクレオチドの保持と比較して増大する、方法もまた提供する。
対象の腫瘍組織において発現されるポリペプチドの保持を増大させる方法であって、本明細書に開示される薬学的組成物を、腫瘍組織に投与することを含み、該薬学的組成物が、発現されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、該腫瘍組織において発現されるポリペプチドの保持が、対応する参照組成物を投与した後の腫瘍組織におけるポリペプチドの保持と比較して増大する、方法もまた提供する。
本開示はまた、それを必要とする対象に腫瘍内投与されるポリヌクレオチドの発現漏出を減少させる方法であって、該ポリヌクレオチドを、本明細書に開示される薬学的組成物として腫瘍組織に腫瘍内投与することを含み、非腫瘍組織におけるポリペプチドの発現レベルが、対応する参照組成物を投与した後の非腫瘍組織におけるポリペプチドの発現レベルと比較して減少する、方法を提供する。
それを必要とする対象に腫瘍内投与される治療剤(例えば薬学的組成物の一部として投与されるポリペプチド)の発現漏出を減少させる方法であって、治療剤を、本明細書に開示される薬学的組成物として腫瘍組織に腫瘍内投与することを含み、非腫瘍組織における治療剤の量が、対応する参照組成物を投与した後の非腫瘍組織における治療薬の量と比較して減少する、方法もまた提供する。
対象の腫瘍において発現されるポリペプチドの発現漏出を減少させる方法であって、腫瘍組織に本明細書に開示される薬学的組成物を投与することを含み、該薬学的組成物が、発現されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、非腫瘍組織において発現されるポリペプチドの量が、対応する参照組成物を投与した後の非腫瘍組織において発現されるポリペプチドの量と比較して減少する、方法もまた提供する。
いくつかの実施形態では、非腫瘍組織は、腫瘍周囲組織である。他の実施形態では、非腫瘍組織は、肝臓組織である。
本開示はまた、薬学的組成物、例えば当技術分野において公知の脂質を含む薬学的組成物の腫瘍内投与によって引き起こされる免疫応答を、そのような組成物中の1つまたはすべての脂質を式(I)の化合物で置き換えることによって、低減または予防するための方法を提供する。例えば、MC3(または当技術分野において公知の他の脂質)を含む薬学的組成物における連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAの投与によって引き起こされる免疫応答は、MC3を、式(I)の化合物、例えば化合物18で置き換えることによって、予防(回避)または改善することができる。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを、本明細書に開示される薬学的組成物において投与した後に観察される免疫応答は、治療剤、または連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを、リン酸緩衝食塩水(PBS)または別の生理学的緩衝液(例えばリンゲル液、タイロード液、ハンクス平衡塩溶液など)において投与した場合に観察される免疫応答と比較して、上昇しない。
いくつかの実施形態では、治療剤、または連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを、本明細書に開示される薬学的組成物において投与した後に観察される免疫応答は、PBSまたは別の生理学的緩衝液を単独で投与した場合に観察される免疫応答と比較して、上昇しない。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物を対象に腫瘍内投与した場合に、免疫応答は観察されない。
したがって、本開示はまた、それを必要とする対象に、治療剤、または連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを送達する方法であって、対象に本明細書に開示される薬学的組成物を腫瘍内投与することを含み、該薬学的組成物の投与によって引き起こされる免疫応答が、
(i)PBS単独、もしくは別の生理学的緩衝液(例えばリンゲル液、タイロード溶液、ハンクス平衡塩溶液など)、
(ii)PBSまたは別の生理学的緩衝液における、治療剤、もしくは連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNA、または
(iii)対応する参照組成物、すなわち、式(I)の化合物が、別のイオン化可能アミノ脂質、例えばMC3で置換された、同じ薬学的組成物
の腫瘍内投与によって引き起こされる免疫応答と比較して上昇しない、方法を提供する。
ある特定の実施形態では、投与により、がんが処置される。
本開示のポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、腫瘍内、腸内、胃腸内、硬膜外、経口、経皮、硬膜外(硬膜上)、脳内(大脳内に)、側脳室内(脳室内に)、皮膚上(皮膚の上への適用)、皮内(皮膚そのものに)、皮下(皮膚の下に)、経鼻投与(鼻を通じて)、静脈内(静脈の中に)、腹腔内(腹膜に)、動脈内(動脈の中に)、筋肉内(筋肉の中に)、心臓内(心臓の中に)、骨内注入(骨髄の中に)、髄腔内(脊柱管に)、腹腔内(腹膜への注入もしくは注射)、膀胱内注入、硝子体内(眼を通じて)、海綿体注射(陰茎の基部に)、膣内投与、子宮内、羊膜外投与、経皮(全身分布のための正常皮膚を通じた拡散)、経粘膜(粘膜を通じた拡散)、吹送(吸引)、舌下、***下、浣腸、点眼(結膜上)、または点耳を含むがこれらに限定されない、利用可能な任意の経路で投与され得る。他の実施形態では、本開示のポリヌクレオチド、例えばmRNAは、非経口(例えば皮下、静脈内、腹腔内、腫瘍内、筋肉内、関節内、滑液嚢内(intra-synovial)、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病巣内、及び頭蓋内注射または注入技法を含む)、脳室内、経口、吸入スプレーにより、局所、直腸内、鼻腔内、頬側、膣内、または埋込み型リザーバーを介して、投与される。特定の実施形態では、ポリヌクレオチド、組成物、またはポリペプチドは、皮下、静脈内、腹腔内、腫瘍内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、皮内、病巣内、頭蓋内、脳室内、経口、吸入スプレーにより、局所、直腸内、鼻腔内、頬側、膣内、または埋込み型リザーバーを介して、投与される。1つの特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、腫瘍内投与される。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド、例えばmRNAは、ポンプを備えるデバイス、パッチ、薬物リザーバー、短ニードルデバイス、単一ニードルデバイス、多ニードルデバイス、マイクロニードルデバイス、ジェット式注射デバイス、弾道的粉末/粒子送達デバイス、カテーテル、ルーメン、凍結プローブ、カニューレ、マイクロカニューレ、または熱、RFエネルギー、電流を利用するデバイス、またはこれらの任意の組合せによって送達される。
本開示の他の態様は、ポリヌクレオチドを含有する細胞の、哺乳動物対象への移植に関する。細胞の、哺乳動物対象への投与は、当業者には公知であり、これには、局所的埋込み(例えば局所または皮下投与)、器官送達または全身注射(例えば静脈内注射または吸入)、及び薬学的に許容可能な担体における細胞の製剤化が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド、例えばmRNAは、腫瘍あたり約0.10μg~腫瘍あたり約1000mgの量で投与される。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド、例えばmRNA、薬学的組成物、または製剤の投与は、対象の細胞におけるIL-12の発現をもたらす。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド、例えばmRNA、薬学的組成物、または製剤の投与は、対象におけるIL-12活性の増大をもたらす。例えば、いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAを含む組成物または製剤を対象に投与する方法において使用され、該方法は、対象の少なくともいくつかの細胞においてIL-12活性の増大をもたらす。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAを含む組成物または製剤の対象への投与は、正常対象において予測される活性レベルの少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは100%またはそれより大きなレベルまで細胞対象におけるIL-12活性の増大をもたらす。
本開示の他の実施形態はまた、それを必要とする対象においてがんを処置する方法であって、対象に、連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAを含むポリヌクレオチドを、1つまたは複数の抗がん剤とともに投与すること(例えば腫瘍内、腹腔内、または静脈内に)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示の連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、それを必要とする対象において、腫瘍のサイズを縮小もしくは低下させるか、または腫瘍の成長を阻害するために使用することができる。
いくつかの実施形態では、腫瘍は、疾患、障害、及び/または状態と関連している。特定の実施形態では、疾患、障害、及び/または状態は、がんである。したがって、一態様では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)の投与により、がんが処置される。
「がん」は、身体における異常な細胞の無制御な成長により特徴付けられる様々な疾患の広範な群を指す。制御されない細胞***及び成長は、近傍の組織に侵入し、リンパ系または血流を通じて身体の遠位部分にも転移し得る、悪性腫瘍の形成をもたらす。「がん」または「がん組織」は、様々なステージの腫瘍を含み得る。ある特定の実施形態では、がんまたは腫瘍は、ステージ0であり、その場合、例えばがんまたは腫瘍は、発達の非常に初期にあり、転移はしていない。いくつかの実施形態では、がんまたは腫瘍は、ステージIであり、その場合、例えばがんまたは腫瘍は、比較的サイズが小さく、近傍の組織に拡がっておらず、転移はしていない。他の実施形態では、がんまたは腫瘍は、ステージIIまたはステージIIIであり、その場合、例えばがんまたは腫瘍は、ステージ0またはステージIよりも大きく、成長して近傍の組織に入っているが、リンパ節への可能性を除き転移はしていない。他の実施形態では、がんまたは腫瘍は、ステージIVであり、その場合、例えばがんまたは腫瘍は、転移している。ステージIVはまた、進行がんまたは転移がんとも称され得る。
いくつかの態様では、がんは、これらに限定されないが、副腎皮質癌、進行がん、肛門癌、再生不良性貧血、胆管癌、膀胱癌、骨癌、骨転移、脳腫瘍、脳の癌、乳癌、小児癌、原発不明がん、キャッスルマン病、子宮頸癌、結腸/直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイングファミリー腫瘍、眼癌、胆嚢癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質性腫瘍、妊娠性絨毛性疾患、ホジキン病、カポジ肉腫、腎細胞癌、喉頭癌及び下咽頭癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、肝臓癌、肝細胞癌(HCC)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺カルチノイド腫瘍、皮膚のリンパ腫、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、口腔及び口咽頭の癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、成人軟部組織における肉腫、基底及び扁平細胞皮膚癌、黒色腫、小腸癌、胃癌、精巣癌、咽頭癌、胸腺癌、甲状腺癌、子宮肉腫、膣癌、外陰部癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ウイルムス腫瘍、がんの処置によって引き起こされる二次がん、ならびにこれらの任意の組合せを含み得る。
いくつかの態様では、腫瘍は、固形腫瘍である。「固形腫瘍」としては、肉腫、黒色腫、癌腫、または他の固形腫瘍がんが挙げられるが、これらに限定されない。「肉腫」は、胚性結合組織のような物質からできた腫瘍を指し、通常、線維性物質または均質な物質に埋没した緊密に詰まった細胞から構成される。肉腫としては、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、アバメシー肉腫(Abemethy’s sarcoma)、脂肪肉腫(adipose sarcoma)、脂肪肉腫(liposarcoma)、包巣状軟部肉腫、エナメル上皮肉腫、ブドウ状肉腫、緑色肉腫(chloroma sarcoma)、絨毛癌、胎児性肉腫、ウイルムス腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球肉腫、ホジキン肉腫、特発性多発性色素性出血性肉腫、B細胞の免疫芽球性肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽球性肉腫、イエンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパー細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫肉腫(malignant mesenchymoma sarcoma)、傍骨性骨肉腫、網状赤血球肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢胞性肉腫、滑膜肉腫、または血管拡張性肉腫(telangiectaltic sarcoma)が挙げられるが、これらに限定されない。
「黒色腫」という用語は、皮膚及び他の器官のメラニン細胞系から生じる腫瘍を指す。黒色腫としては、例えば、末端黒子型黒色腫(acra-lentiginous melanoma)、無色素性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91黒色腫、ハーディングパッセー黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子型黒色腫、悪性黒色腫、転移性黒色腫、結節型黒色腫、爪下黒色腫(subungal melanoma)、または表在拡大型黒色腫が挙げられる。
「癌腫」という用語は、周囲組織に浸潤し、転移を生じる傾向にある上皮細胞からできた、悪性腫瘍の新たな成長を指す。例示的な癌腫としては、例えば、腺房癌、小葉癌、腺嚢胞癌(adenocystic carcinoma)、腺様嚢胞癌、腺腫様癌(carcinoma adenomatosum)、副腎皮質の癌腫、肺胞上皮癌、肺胞上皮細胞癌、基底細胞癌(basal cell carcinoma)、基底細胞癌(carcinoma basocellulare)、類基底細胞癌、基底扁平細胞癌、細気管支肺胞上皮癌、細気管支癌、気管支原性癌、脳様癌、胆管細胞癌、絨毛膜癌、膠様癌、面疱癌、体癌、篩状癌、鎧状癌、皮膚癌、円柱状癌、円柱細胞癌、管癌、硬性癌(carcinoma durum)、胎児性癌、脳様癌、類表皮癌、咽頭扁桃上皮癌(carcinoma epitheliale adenoides)、外方発育癌、潰瘍癌(carcinoma ex ulcere)、線維性癌、膠様癌(gelatiniform carcinoma)、膠様癌(gelatinous carcinoma)、巨細胞癌(giant cell carcinoma)、巨細胞癌(carcinoma gigantocellulare)、腺癌、顆粒膜細胞癌、毛母癌、血様癌(hematoid carcinoma)、肝細胞癌、ヒュルトレ細胞癌、ヒアリン癌(hyaline carcinoma)、副腎様癌(hypemephroid carcinoma)、乳児型胎児性癌(infantile embryonal carcinoma)、上皮内癌(carcinoma in situ)、表皮内癌、上皮内癌(intraepithelial carcinoma)、クロムペッヘル癌、クルチッキー細胞癌、大細胞癌、レンズ状癌(lenticular carcinoma)、レンズ状癌(carcinoma lenticulare)、脂肪腫性癌、リンパ上皮癌、髄様癌(carcinoma medullare)、髄様癌(medullary carcinoma)、黒色癌、軟性癌(carcinoma molle)、粘液癌(mucinous carcinoma)、粘液癌(carcinoma muciparum)、粘液細胞癌(carcinoma mucocellulare)、粘表皮癌、粘液癌(carcinoma mucosum)、粘液癌(mucous carcinoma)、粘液腫様癌(carcinoma myxomatodes)、鼻咽頭癌、燕麦細胞癌、骨化性癌、類骨癌、乳頭状癌、門脈周囲癌、前浸潤癌、有棘細胞癌、髄質様癌(pultaceous carcinoma)、腎臓の腎細胞癌、予備細胞癌、肉腫様癌、シュナイダー癌、硬性癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純癌、小細胞癌、ソラノイド癌(solanoid carcinoma)、球状細胞癌、紡錘細胞癌、海綿様癌、扁平上皮癌、扁平上皮細胞癌、紐状癌(string carcinoma)、毛細血管拡張性癌(carcinoma telangiectaticum)、毛細血管拡張性癌(carcinoma telangiectodes)、移行細胞癌、結節癌(carcinoma tuberosum)、結節癌(tuberous carcinoma)、疣贅癌、または絨毛癌(carcinoma viflosum)が挙げられる。
処置することができるさらなるがんは、例えば、白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、横紋筋肉腫、原発性血小板増加症、原発性マクログロブリン血症、小細胞肺腫瘍、原発性脳腫瘍、胃癌、結腸癌、悪性膵臓インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱癌、前悪性皮膚病変、精巣癌、リンパ腫、甲状腺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、神経内分泌癌、食道癌、泌尿生殖器管癌、悪性高カルシウム血症、子宮頸癌、子宮内膜癌、副腎皮質癌、前立腺癌、ミュラー管癌、卵巣癌、腹膜癌、卵管癌、または子宮体部漿液性腺癌が挙げられる。
2.併用療法
本開示は、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNA、または併用療法としての、すなわち、他の任意の抗がん剤との組合せでのその使用をさらに含む。
ある特定の実施形態では、本開示は、1つまたは複数の抗がん剤と組み合わせた連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNA、または対象に対して1つまたは複数の抗がん剤と組み合わせたポリヌクレオチドの使用に関する。一実施形態では、併用療法は、IL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAと、1つまたは複数の標準的な治療法との組合せであり得る。別の実施形態では、本開示の方法は、2つの追加の抗がん剤、3つの追加の薬剤、4つの追加の薬剤などを含む。追加の抗がん剤は、タンパク質、例えば抗体、またはポリヌクレオチド、例えばmRNAであり得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の抗がん剤は、mRNAである。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の抗がん剤は、腫瘍抗原をコードするポリヌクレオチドである。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の抗がん剤は、腫瘍抗原をコードするmRNAである。他の実施形態では、1つまたは複数の抗がん剤は、腫瘍抗原でも腫瘍抗原をコードするmRNAでもない。他の実施形態では、1つまたは複数の抗がん剤は、タンパク質、例えば抗体である。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の抗がん剤は、米国食品医薬品局によって承認された薬剤である。他の実施形態では、1つまたは複数の抗がん剤は、米国食品医薬品局によって事前承認された(pre-approved)薬剤である。
当業者であれば、本開示の代替実施形態には、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAと、他の任意の抗がん剤、例えば抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び/または抗CTLA-4抗体との併用療法が含まれることも認識するであろう。例えば、本開示は、(i)連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)と抗PD-1抗体もしくは抗PD-L1抗体を含むタンパク質、または(iii)連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)と抗CTLA-4抗体を含む第2のタンパク質、の併用療法を包含する。
他の実施形態では、追加の薬剤は、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAと一緒に製剤化されてもよく、または別個に製剤化され得る。さらに、別個に製剤化される場合であっても、追加の薬剤は、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAと同時または逐次的に投与することができる。一実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、第2の薬剤の前に投与される。別の実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、第2の薬剤の後に投与される。
ある特定の実施形態では、追加の薬剤、例えば本明細書に開示される任意の抗体もまた、腫瘍内投与される。他の実施形態では、第2の薬剤、例えば本明細書に開示される任意の抗体は、異なる経路を介して、例えば静脈内、皮下、腹腔内などで投与される。
いくつかの態様では、本方法または組成物の対象は、1つまたは複数の標準的な治癒療法による処置を受けている。他の態様では、本方法または組成物の対象は、1つまたは複数の標準的な治癒療法または抗がん療法に対して応答性ではなかった。一態様では、対象は、これまでに、IL-12タンパク質またはIL-12 DNA遺伝子療法により処置されている。別の態様では、対象は、本開示のポリヌクレオチドの前に、抗PD-1アンタゴニストで処置される。別の態様では、対象は、本開示のポリヌクレオチドの前に、PD-1に結合するモノクローナル抗体で処置されている。別の態様では、対象は、本方法または組成物のポリヌクレオチドの前に、抗PD-1モノクローナル抗体療法で処置されている。
近年、治療目的での免疫チェックポイント阻害剤の導入は、がんの処置に革命を起こした。チェックポイント阻害剤と、他の共刺激または阻害性分子との組合せを特徴とする治療法に、関心が持たれている。
T細胞の制御、すなわち活性化または阻害は、共刺激シグナルまたは共阻害シグナルによって媒介される。この相互作用は、リガンド/受容体の相互作用を介して発生する。T細胞は、OX40などの活性化受容体、及びプログラム死受容体1(PD-1)または細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)などの阻害性受容体(すなわち、免疫チェックポイント)の両方を無数に保有している(Mellman et al.2011 Nature.;480:480-489)。この免疫チェックポイントの活性化は、T細胞の脱活性化をもたらし、腫瘍細胞によりこれらの経路が奪われることは、腫瘍細胞の免疫逃避の成功に寄与する。
プログラム死受容体1/プログラム死リガンド1(PD-1/PDL-1)とPD-L2との間の相互作用を標的とするペンブロリズマブまたはニボルマブなどの免疫チェックポイント阻害剤は、近年、様々な悪性腫瘍の処置に関して承認されており、現在、黒色腫、頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)を含むがんに関して臨床試験で調査が行われている。これらの試験から得られるデータは、これらの患者集団において、好ましい安全性及び毒性プロファイルを備えた実質的な活性を示す。
例えば、チェックポイント阻害剤は、黒色腫の処置に関して臨床試験で試験されている。具体的には、第III相臨床試験では、それぞれCTLA-4及びPD-1免疫チェックポイントを標的とするイピリムマブ及びペンブロリズマブなどの治療法が、黒色腫を有する患者の3年生存率を約70%に引き上げ、全生存率(5年を上回る)を約30%に引き上げたことが明らかとなっている。
同様に、チェックポイント阻害剤は、頭頸部がんの処置に関して臨床試験で試験されている。前臨床研究では、HNSCC腫瘍の45~80%が、プログラム死リガンド1(PD-L1)を発現することが示されている(Zandberg et al.(2014)Oral Oncol.50:627-632)。現在のところ、HNSCCにおいて単剤療法としてまたは組合せレジメンで免疫チェックポイント阻害剤の有効性及び安全性を評価する臨床試験が、数十存在している。例えば、PD 1、PD-L1、及びCTLA-4阻害剤による臨床試験が、HNSCCにおいて試験されている。PD-1抗体ペンブロリズマブが、転移性/再発性(R/M)HNSCC患者において有効であり得るというデータが、第1b相、Keynote-012第I/II相試験で得られている(Cheng.ASCO 2015,口頭発表)。より最近では、無作為化CheckMate-141第III相臨床試験のデータが、提示された(Gillison.AACR 2016,口頭発表)。この研究では、白金抵抗性R/M HNSCC患者において2週間ごとに提供されるモノクローナルPD-1抗体ニボルマブの有効性が調査された。この研究は、この研究のニボルマブアームの優位性によって早期に終了した。
一態様では、対象は、本開示のポリヌクレオチドの前に、PD-1アンタゴニストで事前に処置されている。別の態様では、対象は、本開示のポリヌクレオチドの前に、PD-1に結合するモノクローナル抗体で処置されている。別の態様では、対象は、本方法または組成物のポリヌクレオチドの前に、抗PD-1モノクローナル抗体療法で処置されている。他の態様では、抗PD-1モノクローナル抗体療法は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、またはこれらの任意の組合せを含む。別の態様では、対象は、本開示のポリヌクレオチドの前に、PD-L1に結合するモノクローナル抗体で処置されている。別の態様では、対象は、本方法のポリヌクレオチドまたは組成物の前に、抗PD-L1モノクローナル抗体療法で処置されている。他の態様では、抗PD-L1モノクローナル抗体療法は、デュルバルマブ、アベルマブ、MEDI473、BMS-936559、アテゾリズマブ(aezolizumab)、またはこれらの任意の組合せを含む。
いくつかの態様では、対象は、本開示の組成物での処置の前に、CTLA-4アンタゴニストで処置されている。別の態様では、対象は、本開示の組成物の前に、CTLA-4に結合するモノクローナル抗体で事前に処置されている。別の態様では、対象は、本開示のポリヌクレオチドの前に、抗CTLA-4モノクローナル抗体で処置されている。他の態様では、抗CTLA-4抗体療法は、イピリムマブまたはトレメリムマブを含む。
いくつかの態様では、本開示は、それを必要とする対象におけるがんの処置方法及び/または免疫療法の方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)を、PD-L1アンタゴニスト、例えばPD-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分、例えば抗PD-L1モノクローナル抗体と組み合わせて対象に投与すること(例えば腫瘍内、腹腔内、または静脈内に)を含む、方法を対象とし、例えば、抗PD-L1モノクローナル抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、MEDI473、BMS-936559、アテゾリズマブ、またはこれらの任意の組合せを含む。
ある特定の実施形態では、本開示に有用な抗PD-L1抗体は、MSB0010718C(アベルマブとも称される;US2014/0341917を参照のこと)またはBMS-936559(以前の12A4またはMDX-1105)(例えば米国特許第7,943,743号、WO2013/173223を参照のこと)である。他の実施形態では、抗PD-L1抗体は、MPDL3280A(RG7446としても知られる)(例えば、Herbst et al.(2013)J Clin Oncol 31(suppl):3000.要約;米国特許第8,217,149号を参照のこと)、MEDI4736(デュルバルマブとも称される;Khleif(2013)In:Proceedings from the European Cancer Congress 2013;September 27-October 1,2013;Amsterdam,The Netherlandsである。
いくつかの態様では、本開示は、それを必要とする対象におけるがんの処置方法及び/または免疫療法の方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)を、PD-1アンタゴニスト、例えばPD-1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分、例えば抗PD-1モノクローナル抗体と組み合わせて対象に投与すること(例えば腫瘍内、腹腔内、または静脈内に)を含む、方法を対象とする。
一実施形態では、本開示に有用な抗PD-1抗体(またはその抗原結合部分)は、ペンブロリズマブである。ペンブロリズマブ(「Keytruda(登録商標)」、ランブロリズマブ、及びMK-3475としても知られる)は、ヒト細胞表面受容体PD-1(プログラム死-1またはプログラム細胞死-1)を対象とするヒト化モノクローナルIgG4抗体である。ペンブロリズマブは、例えば米国特許第8,900,587号に記載されており、http://www.cancer.gov/drugdictionary?cdrid=695789(最終アクセス:2014年12月14日)も参照されたい。ペンブロリズマブは、再発性または抵抗性黒色腫及び進行性NSCLCの処置に関して、FDAによって承認されている。
別の実施形態では、本開示に有用な抗PD-1抗体は、ニボルマブである。ニボルマブ(「Opdivo(登録商標)」としても知られ、以前は5C4、BMS-936558、MDX-1106、またはONO-4538と表記されていた)は、PD-1リガンド(PD-L1及びPD-L2)との相互作用を選択的に回避し、これにより抗腫瘍T細胞機能の下方制御を遮断する、完全ヒトIgG4(S228P)PD-1免疫チェックポイント阻害剤抗体である(米国特許第8,008,449号、Wang et al.,2014 Cancer Immunol Res.2(9):846-56)。ニボルマブは、腎細胞癌(腎腺癌または副腎腫)、黒色腫、及び非小細胞肺癌(NSCLC)を含む様々な進行性固形腫瘍において活性を示している(Topalian et al.,2012a;Topalian et al.,2014;Drake et al.,2013;WO 2013/173223。
他の実施形態では、抗PD-1抗体は、MEDI0680(以前のAMP-514)であり、これはPD-1受容体に対するモノクローナル抗体である。MEDI0680は、例えば、米国特許第8,609,089B2またはhttp://www.cancer.gov/drugdictionary?cdrid=756047(最終アクセス、2014年12月14日)に記載されている。
ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体はBGB-A317であり、これはヒト化モノクローナル抗体である。BGB-A317は、米国公開第2015/0079109号に記載されている。
ある特定の実施形態では、PD-1アンタゴニストはAMP-224であり、これはB7-DC Fc融合タンパク質である。AMP-224は、米国公開第2013/0017199号またはhttp://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-drug?cdrid=700595(最終アクセス、2015年7月8日)において考察されている。
他の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象におけるがんの処置方法及び/または免疫療法の方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)を、PD-1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分、例えば抗PD-1モノクローナル抗体とともに対象に投与すること(例えば腫瘍内、腹腔内、または静脈内に)を含む、方法を含み、例えば抗PD-1モノクローナル抗体は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、またはこれらの任意の組合せを含む。
他の態様では、本開示は、それを必要とする対象におけるがんの処置方法及び/または免疫療法の方法であって、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)を、CTLA-4アンタゴニスト、例えばCTLA-4に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分、例えば抗CTLA-4モノクローナル抗体と組み合わせて対象に投与すること(例えば腫瘍内、腹腔内、または静脈内に)を含む、方法を対象とし、例えば、抗CTLA-4モノクローナル抗体は、イピリムマブまたはトレメリムマブまたはこれらの任意の組合せを含む。
例示的な臨床抗CTLA-4抗体は、米国特許第6,984,720号に開示されているヒトmAb 10D1(現在ではイピリムマブとして知られ、YERVOY(登録商標)として販売されている)である。本方法に有用な別の抗CTLA-4抗体は、トレメリムマブ(CP-675,206としても知られる)である。トレメリムマブは、ヒトIgG2モノクローナル抗CTLA-4抗体である。トレメリムマブは、WO2012/122444、米国公開第2012/263677号、または国際公開第2007/113648号A2に記載されている。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物は、単一製剤で、(i)連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばmRNA、及び(ii)CTLA-4に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAを含む。
3.インターロイキン-12(IL-12)
IL-12(IL12とも示される)は、多面的サイトカインであり、その作用により、自然免疫と獲得免疫との間の相互接続が形成される。IL-12は、主として、p35及びp40というジスルフィド結合された2つのサブユニットからなる、70kDaのヘテロ二量体タンパク質として機能する。IL-12 p40サブユニット(NM_002187;P29460;IL-12B、ナチュラルキラー細胞刺激因子2、細胞傷害性リンパ球成熟因子2とも称される)の前駆体形態は、328アミノ酸長であるが、その成熟形態は、306アミノ酸長である。IL-12 p35サブユニット(NM_000882;P29459;IL-12A、ナチュラルキラー細胞刺激因子1、細胞傷害性リンパ球成熟因子1とも称される)の前駆体形態は、219アミノ酸長であり、成熟形態は、197アミノ酸長である(同書)。IL-12 p35及びp40サブユニットの遺伝子は、異なる染色体に存在し、互いに独立して制御される。Gately,MK et al.,Annu Rev Immunol.16:495-521(1998)。多数の異なる免疫細胞(例えば樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、及びB細胞)は、抗原刺激時にIL-12を産生する。活性なIL-12ヘテロ二量体は、タンパク質合成後に形成される(同書)。
IL-12は、4つのアルファヘリックスのバンドルから構成される。これは、2つの別個の遺伝子であるIL-12A(p35)及びIL-12B(p40)によりコードされるヘテロ二量体サイトカインである。活性なヘテロ二量体(「p70」と称される)及びp40のホモ二量体が、タンパク質合成後に形成される。
いくつかの実施形態では、本開示の連結したIL-12ポリペプチドは、IL-12Aを含む。いくつかの実施形態では、本開示の連結したIL-12ポリペプチドは、IL-12Bを含む。いくつかの実施形態では、本開示の連結したIL-12ポリペプチドは、IL-12A及びIL-12Bの両方を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の連結したIL-12ポリペプチドにおいて、IL-12Bは、IL-12Aに対してN末端に位置する。いくつかの実施形態では、本開示の連結したIL-12ポリペプチドにおいて、IL-12Aは、IL-12Bに対してN末端に位置する。「~に対してN末端に位置する」という語句は、ポリペプチドのN末端と関連する、ポリペプチドの、他のポリペプチドの配列に対する位置を示す。例えば、IL-12A「に対してN末端」にあるIL-12Bは、IL-12Bが、IL-12Aよりも連結したIL-12ポリペプチドのN末端の近くに位置することを意味する。
いくつかの実施形態では、本開示の連結したIL-12ポリペプチドは、IL-12B及びIL-12Aを含む単一のポリペプチド鎖を含み、これらは互いに直接融合されるか、またはリンカー(本明細書では「サブユニットリンカー」と呼ばれる)によって互いに連結される。リンカーの非限定的な例は、本明細書の他の箇所に開示される。
いくつかの実施形態では、本開示の連結したIL-12ポリペプチドは、バリアントであるか、機能性断片であるか、または野生型IL-12AもしくはIL-12B配列に対する置換、挿入及び/または付加、欠失、及び/または共有結合修飾を含有する、IL-12A及び/またはIL-12Bを含む。いくつかの実施形態では、配列タグ(エピトープタグ、例えばV5タグなど)またはアミノ酸は、例えば局在化のために、本開示のポリヌクレオチドによりコードされる配列に(例えばN末端またはC末端において)付加されてもよい。いくつかの実施形態では、本開示のポリペプチドのカルボキシ末端、アミノ末端、または内部領域に位置するアミノ酸残基を、任意選択で欠失させて、断片を得てもよい。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)によりコードされる連結したIL-12ポリペプチドは、IL-12A及び/またはIL-12B配列の置換バリアントを含み、このバリアントは、1つ、2つ、3つ、またはそれより多くの置換を含み得る。いくつかの実施形態では、置換バリアントは、1つまたは複数の保存的アミノ酸置換を含み得る。他の実施形態では、バリアントは、挿入バリアントである。他の実施形態では、バリアントは、欠失バリアントである。
当業者によって認識されるように、IL-12タンパク質断片、機能性タンパク質ドメイン、バリアント、及び相同タンパク質(オーソログ)もまた、本開示のIL-12ポリペプチドの範囲内にあると見なされる。本開示のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの非限定例は、配列番号1、3、45、48及び49に記載される。例えば、配列番号1、3、及び45は、ヒト野生型IL-12のアミノ酸配列を提供する。
4.膜ドメイン
本開示の連結したIL-12ポリペプチドは、IL-12ポリペプチドを細胞膜に連結する(すなわち、アンカーする)膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン)を含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドは、膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドは、膜貫通ドメイン、及び任意選択で細胞内ドメインを含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドは、膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、膜ドメインは、内在性膜タンパク質に由来する。
内在性膜タンパク質としては、例えば、疎水性α-ヘリックスまたはβ-バレル(すなわち、βシート)構造を有するドメインを含む、タンパク質を細胞表面に連結する1回または複数回膜貫通ドメインを含有する内在性ポリトピック型タンパク質を挙げることができる。I型内在性膜タンパク質のアミノ末端(すなわち、N末端)は、細胞外空間に位置する一方で、II型内在性膜タンパク質のカルボキシ末端(すなわち、C末端)は細胞内空間に位置する。
いくつかの実施形態では、本開示の連結したIL-12ポリペプチドは、内在性ポリトピック型タンパク質由来の膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態では、本開示の連結したIL-12ポリペプチドは、I型内在性膜タンパク質由来の膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドは、II型内在性膜タンパク質由来の膜貫通ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは、細胞内ドメイン(すなわち、細胞の細胞内空間に局在するドメイン、例えば細胞の細胞質に局在するドメイン)を含む。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、膜貫通ドメインから取り除かれる。いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは、細胞内ドメインのない膜ドメインを含む。
内在性膜タンパク質としては、例えば、細胞膜全体には及ばないが、細胞表面にタンパク質を連結する膜ドメインを含有する内在性モノトピック型タンパク質を挙げることができる。
いくつかの実施形態では、本開示の連結したIL-12ポリペプチドは、内在性モノトピック型タンパク質由来の膜ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、膜ドメインは、分化群(CD)タンパク質、CD8、CD80、CD4、受容体、血小板由来増殖因子受容体(PDGF-R)、インターロイキン-6受容体(IL-6R)、トランスフェリン受容体、腫瘍壊死因子(TNF)受容体、エリスロポエチン(EPO)受容体、T細胞受容体(TCR)、TCRβ鎖、Fc受容体、FcγRII、FcεRI、インターフェロン受容体、I型インターフェロン受容体、増殖因子、幹細胞因子(SCF)、TNF-α、B7-1、アシアロ糖タンパク質、c-erbB-2、ICAM-1、免疫グロブリン、IgG、IgM、ウイルス糖タンパク質、狂犬病ウイルス糖タンパク質、呼吸器合胞体ウイルス糖タンパク質G(RSVG)、水疱性口炎ウイルス糖タンパク質(VSVG)、ウイルス赤血球凝集素(HA)、インフルエンザHA、ワクシニアウイルスHA、またはこれらの任意の組合せ由来である。
いくつかの実施形態では、膜ドメインは、CD8膜貫通ドメイン、PDGF-R膜貫通ドメイン、CD80膜貫通ドメイン、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される。
例示的な膜貫通ドメインは、配列番号101~103に記載される。
一実施形態では、膜ドメインは、T細胞表面糖タンパク質CD8アルファ鎖(CD8AまたはTリンパ球分化抗原T8/Leu-2としても知られる)の膜貫通ドメイン、例えばUniProtKB-P01732の膜貫通型を含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、CD8膜貫通ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、配列番号101に記載のCD8膜貫通ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
別の実施形態では、膜ドメインは、血小板由来増殖因子受容体β(EC:2.7.10.1)(PDGF-R-β、PDGFR-β、β血小板由来増殖因子受容体、β型血小板由来増殖因子受容体、CD140抗原様ファミリーメンバーB、血小板由来増殖因子受容体1、PDGFR-1、またはCD140bとしても知られる)の膜貫通ドメイン、例えばUniProtKB-P09619の膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、PDGFR-β膜貫通ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、配列番号102に記載のPDGFR-β膜貫通ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
他の実施形態では、膜ドメインは、T-リンパ球活性化抗原CD80(活性化B7-1抗原、BB1、CTLA-4カウンター受容体B7.1、またはB7としても知られる)の膜貫通ドメイン、例えばUniProtKB-P33681の膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、CD80膜貫通ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、配列番号103に記載のCD80膜貫通ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドの膜ドメインは、配列番号101、配列番号102、配列番号103、またはこれらの任意の組合せに対して、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または約100%同一であるアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドの膜ドメインは、配列番号101、配列番号102、もしくは配列番号103のN末端に1つのアミノ酸、2つのアミノ酸、3つのアミノ酸、4つのアミノ酸、5つのアミノ酸、6つのアミノ酸、7つのアミノ酸、8つのアミノ酸、または9つのアミノ酸を含まない、及び/または、配列番号101、配列番号102、もしくは配列番号103のC末端に1つのアミノ酸、2つのアミノ酸、3つのアミノ酸、4つのアミノ酸、5つのアミノ酸、6つのアミノ酸、7つのアミノ酸、8つのアミノ酸、または9つのアミノ酸を含まない、配列番号101、配列番号102、もしくは配列番号103に記載のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドの膜ドメインは、1つのアミノ酸置換、2つのアミノ酸置換、3つのアミノ酸置換、4つのアミノ酸置換、5つのアミノ酸置換、6つのアミノ酸置換、7つのアミノ酸置換、8つのアミノ酸置換、または9つのアミノ酸置換を有する、配列番号101、配列番号102、配列番号103、またはそれらの任意の組合せを含み、該膜ドメインは、IL-12ポリペプチドを細胞膜に連結することができる。
いくつかの実施形態では、膜ドメインは、膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含む。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、細胞内で伝達シグナルとして作用することが知られている任意のオリゴペプチドまたはポリペプチドである。いくつかの実施形態では、膜ドメインは、連結したIL-12ポリペプチドを安定化する細胞内ドメインを含む。
本開示の方法及び組成物において有用な細胞内ドメインには、上記のように、少なくとも膜貫通ドメインが由来するポリペプチドのいずれかに由来するものが含まれる。例えば、好適な細胞内ドメインは、CD80、PDGFR、またはこれらの任意の組合せに由来する細胞内ドメインが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、膜ドメインは、血小板由来増殖因子受容体β(EC:2.7.10.1)(PDGF-R-β、PDGFR-β、β血小板由来増殖因子受容体、β型血小板由来増殖因子受容体、CD140抗原様ファミリーメンバーB、血小板由来増殖因子受容体1、PDGFR-1、またはCD140bとしても知られる)の細胞内ドメイン、例えばUniProtKB-P09619の細胞内ドメインを含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、PDGFR-β細胞内ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、配列番号226に記載のPDGFR-β細胞内ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、膜ドメインは、PDGFR-βの切断型細胞内ドメインを含む。いくつかの実施形態では、PDGFR-βの切断型細胞内ドメインは、野生型PDGFR-β細胞内ドメインと比較して連結したIL-12ポリペプチドを安定化する。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、切断型PDGFR-β細胞内ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、配列番号227に記載の切断型PDGFR-β細胞内ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、配列番号228に記載の切断型PDGFR-β細胞内ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
他の実施形態では、膜ドメインは、Tリンパ球活性化抗原CD80(活性化B7-1抗原、BB1、CTLA-4カウンター受容体B7.1、またはB7としても知られる)の細胞内ドメイン、例えばUniProtKB-P33681の細胞内ドメインを含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、CD80細胞内ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、連結したIL-12をコードするポリヌクレオチド、例えばmRNAは、配列番号225に記載のCD80細胞内ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の連結したIL-12ポリペプチドは、同じポリペプチドに由来する(すなわち、相同の)膜貫通ドメイン及び細胞内ドメイン含む膜ドメインを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の連結したIL-12ポリペプチドは、CD80膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメインを含む膜ドメインを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の連結したIL-12ポリペプチドは、PDGFR-β膜貫通ドメイン及びPDGFR-β細胞内ドメインを含む膜ドメインを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の連結したIL-12ポリペプチドは、異なるポリペプチドに由来する(すなわち、異種の)膜貫通ドメイン及び細胞内ドメイン含む膜ドメインを含む(例えば、CD80膜貫通ドメイン及びPDGFR-β細胞内ドメイン;CD8膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメイン;CD8膜貫通ドメイン及びPDGFR-β膜貫通ドメイン;またはPDGFR-β膜貫通ドメイン及びCD80細胞内ドメイン)。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドの膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)は、いずれかのIL-12アミノ酸配列(すなわち、連結したIL-12ポリペプチドに両方が存在する場合に、IL-12A、IL-12B、またはIL-12A及びIL-12Bの両方のいずれかのアミノ酸配列)に対してC末端に位置する。「~に対してC末端に位置する」という語句は、ポリペプチドのC末端と関連する、ポリペプチドの、他のポリペプチドの配列に対する位置を示す。いずれかのIL-12アミノ酸配列「に対してC末端」にある膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)は、膜ドメインが、いずれかのIL-12アミノ酸配列よりも連結したIL-12ポリペプチドのC末端の近くに位置することを意味する。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドの膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)は、I型内在性膜タンパク質に由来し、いずれかのIL-12アミノ酸配列に対してC末端に位置する。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドの膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)は、IL-12ポリペプチドに対してN末端に位置する。いずれかのIL-12アミノ酸配列「よりもN末端」にある膜ドメインは、膜ドメインが、いずれかのIL-12アミノ酸配列よりも連結したIL-12ポリペプチドのN末端の近くに位置することを意味する。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドの膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)は、II型内在性膜タンパク質に由来し、いずれかのIL-12アミノ酸配列に対してN末端に位置する。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドの膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)は、リンカーによってIL-12ポリペプチドに連結され、該リンカーは、該膜ドメインが膜貫通ドメイン、任意選択で細胞内ドメインである場合、本明細書において「膜ドメインリンカー」または「膜貫通ドメインリンカー」と呼ばれる。リンカーの非限定的な例は、本明細書の他の箇所に開示される。いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドの膜ドメインは、IL-12ポリペプチドに直接融合する。
5.ポリヌクレオチド及びオープンリーディングフレーム(ORF)
ある特定の態様では、本開示は、連結したIL-12ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)を提供する。
一態様では、本開示は、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列、及び膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)をコードする核酸配列、を含むポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)を提供し、該膜ドメインをコードする核酸配列は、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列に直接融合されるか、またはリンカー(膜ドメインリンカー)をコードする核酸配列によってIL-12ポリペプチドをコードする核酸配列に連結される。
いくつかの態様では、本開示は、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列、及び膜貫通ドメインをコードする核酸配列、を含むポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)を提供し、該膜貫通ドメインをコードする核酸配列は、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列に直接融合されるか、またはリンカー(膜ドメインリンカー)をコードする核酸配列によってIL-12ポリペプチドをコードする核酸配列に連結される。
いくつかの態様では、本開示は、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列、膜貫通ドメインをコードする核酸配列、及び細胞内ドメインをコードする核酸、を含むポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)を提供し、該膜貫通ドメインをコードする核酸配列は、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列に直接融合されるか、またはリンカー(膜ドメインリンカー)をコードする核酸配列によってIL-12ポリペプチドをコードする核酸配列に連結され、該細胞内ドメインをコードする核酸は、膜貫通ドメインをコードする核酸配列に直接融合されるか、またはリンカーをコードする核酸配列によって膜貫通ドメインをコードする核酸配列に連結される。
当業者は、コードされたキメラタンパク質内でドメインを直接融合することが可能であることを理解するであろう。そのため、リンカー配列を省いて(例えば、柔軟なリンカーコード配列の省略)、ドメインを直接融合することが可能である。例えば、本明細書には、膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)がインターロイキンドメインまたは鎖に直接融合している構築物が記載されている。しかしながら、本明細書に示されているように、このような構築物は、例えば、柔軟なリンカー配列を含んだ対応する構築物と比較して、インターロイキン活性の低下につながる恐れがある。
いくつかの実施形態では、IL-12ポリペプチドは、IL-12 p40サブユニット(IL-12B)、IL-12A p35サブユニット(IL-12A)、またはその両方を含む。
いくつかの実施形態では、膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)をコードする核酸配列は、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列の3’末端、または膜ドメインリンカーをコードする核酸配列の3’末端に位置する。
いくつかの実施形態では、膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)をコードする核酸配列は、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端、または膜ドメインリンカーをコードする核酸配列の5’末端に位置する。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、IL-12Bをコードする核酸配列、IL-12Aをコードする核酸配列、及び膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)をコードする核酸配列、を含むオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFは、IL-12B及びIL-12Aを連結するリンカー(サブユニットリンカー)をコードする核酸配列を任意選択で含む。
いくつかの実施形態では、IL-12Bをコードする核酸配列は、IL-12Aをコードする核酸配列の5’末端、またはサブユニットリンカーをコードする核酸配列の5’末端に位置する。
いくつかの実施形態では、IL-12Bをコードする核酸配列は、IL-12Aをコードする核酸配列の3’末端、またはサブユニットリンカーをコードする核酸配列の3’末端に位置する。
いくつかの実施形態では、膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)をコードする核酸配列は、IL-12Aをコードする核酸配列の3’末端または膜ドメインリンカーの3’末端に位置する。
いくつかの実施形態では、膜ドメイン(例えば、膜貫通ドメイン及び任意選択の細胞内ドメイン)をコードする核酸配列は、IL-12Bをコードする核酸配列の5’末端または膜ドメインリンカーの5’末端に位置する。
いくつかの実施形態では、IL-12ポリペプチドは、
(a)完全長IL-12Bポリペプチド(例えば、野生型IL-12Bと同じまたは本質的に同じ長さを有する)、
(b)IL-12B野生型よりも短い野生型IL-12Bポリペプチドの機能的断片(例えば、切断型(例えば、カルボキシ、アミノ末端、または内部領域の欠失)配列;ただし、IL-12B酵素活性は保持したままである)、
(c)それらのバリアント(例えば、1つまたは複数のアミノ酸が置換された完全長または切断型IL-12Bタンパク質、例えば、野生型IL-12Bポリペプチドに対してポリペプチドのIL-12B活性のすべてまたは大部分を保持するバリアント(例えば、V33I、V298F、または当技術分野において公知の他の任意の天然または人工バリアントなど)、ならびに
(d)(i)完全長IL-12B野生型、その機能的断片またはバリアント及び(ii)異種タンパク質、を含む融合タンパク質
から選択されるIL-12Bポリペプチド(すなわち、IL-12B)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12ポリペプチドは、
(a)完全長IL-12Aポリペプチド(例えば、野生型IL-12Aと同じまたは本質的に同じ長さを有する)、
(b)IL-12A野生型よりも短い野生型IL-12Aポリペプチドの機能的断片(例えば、切断型(例えば、カルボキシ、アミノ末端、または内部領域の欠失)配列;ただし、IL-12A酵素活性は保持したままである)、
(c)それらのバリアント(例えば、1つまたは複数のアミノ酸が置換された完全長または切断型IL-12Aタンパク質、例えば、wtIL-12Aポリペプチドに対してポリペプチドのIL-12A活性のすべてまたは大部分を保持するバリアント(当技術分野において公知の天然または人工バリアントなど)、ならびに
(d)(i)完全長IL-12A野生型、その機能的断片またはバリアント及び(ii)異種タンパク質、を含む融合タンパク質
から選択されるIL-12Aポリペプチド(すなわち、IL-12A)を含む。
いくつかの実施形態では、膜ドメインは、
(a)完全長膜ドメイン(例えば、野生型膜ドメインと同じまたは本質的に同じ長さを有する)、
(b)膜ドメイン野生型よりも短い野生型膜ドメインの機能的断片(例えば、切断型(例えば、カルボキシ、アミノ末端、または内部領域の欠失)配列;ただし、ポリペプチドを細胞膜に連結する膜ドメインの能力は保持したままである)、
(c)それらのバリアント(例えば、1つまたは複数のアミノ酸が置換された完全長または切断型膜ドメインタンパク質、例えば、ポリペプチドを細胞膜に連結する膜ドメインの能力を保持するバリアント(当技術分野で知られている天然または人工バリアントなど)、ならびに
(d)(i)完全長膜ドメイン野生型、その機能的断片またはバリアント及び(ii)異種タンパク質を含む融合タンパク質
から選択される。
ある特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、哺乳動物IL-12ポリペプチド及び/または膜ドメインをコードする核酸配列(例えば、哺乳動物IL-12A、哺乳動物IL-12B、または哺乳動物IL-12A及び哺乳動物IL-12Bの両方を含むポリペプチド)、例えば、その機能的断片またはバリアントを含むヒトIL-12ポリペプチド及び/または膜ドメイン(例えば、ヒトIL-12A、ヒトIL-12B、またはヒトIL-12A及びヒトIL-12Bの両方を含むポリペプチド)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、細胞内のIL-12B及び/またはIL-12Aタンパク質発現レベル及び/または検出可能なIL-12酵素活性レベルを、これらの細胞に導入される際に、本開示のポリヌクレオチドの投与前の細胞におけるIL-12B及び/またはIL-12Aタンパク質発現レベル及び/または検出可能なIL-12酵素活性レベルと比較して、例えば少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%増加させる。IL-12B及び/またはIL-12Aタンパク質発現レベル及び/またはIL-12酵素活性は、当技術分野において公知の方法にしたがって測定され得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、in vitroで細胞に導入される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、in vivoで細胞に導入される。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、野生型ヒトIL-12B及び/またはIL-12Aをコードするヌクレオチド配列(例えば、ヌクレオチド配列を含むORF)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、コドン最適化された核酸配列を含み、コドン最適化核酸配列のオープンリーディングフレーム(ORF)は、野生型IL-12A及び/またはIL-12B配列に由来する。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、ヒトIL-12B及び/またはIL-12Aの完全長配列を有するIL-12B及び/またはIL-12Aをコードするヌクレオチド配列を含む(すなわち、開始メチオニン及びシグナルペプチドを含む)。成熟したヒトIL-12B及び/またはIL-12Aでは、開始メチオニン及び/またはシグナルペプチドが除去され、それぞれ配列番号1及び配列番号3のアミノ酸残基を含む「成熟IL-12B」及び/または「成熟IL-12A」を得ることができる。配列番号1は配列番号48のアミノ酸23~328に対応し、配列番号3は配列番号48のアミノ酸336~532に対応する。ヒトIL-12B及び/またはIL-12Aの完全配列に関する本開示の教示は、開始メチオニン及び/またはシグナルペプチドを欠く成熟型のヒトIL-12B及び/またはIL-12Aにも適用可能である。したがって、いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、ヒトIL-12B及び/またはIL-12Aの成熟配列を有するIL-12B及び/またはIL-12Aをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12B及び/またはIL-12Aをコードするヌクレオチド配列を含む本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、配列最適化される。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、変異体IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドを含む連結したIL-12ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(例えば、ヌクレオチド配列を含むORF)を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-12B及び/またはIL-12A配列に少なくとも1つの点変異を含み、かつIL-12B及び/またはIL-12A酵素活性を保持するIL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むORFを含む。いくつかの実施形態では、変異体IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドは、対応する野生型IL-12B及び/またはIL-12A(すなわち、同じIL-12B及び/またはIL-12Aであるが、変異(複数可)がない)のIL-12B及び/またはIL-12A活性の、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%であるIL-12B及び/またはIL-12A活性を有する。いくつかの実施形態では、変異体IL-12B及び/またはIL-12AポリペプチドをコードするORFを含む本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、配列最適化される。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、IL-12B及び/またはIL-12A酵素活性を変化させない変異を有するIL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(例えばヌクレオチド配列を含むORF)を含む。そのような変異体IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドは、機能中立的(function-neutral)と呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、1つまたは複数の機能中立的点変異を含む変異体IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むORFを含む。
いくつかの実施形態では、変異体IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドは、対応する野生型IL-12B及び/またはIL-12Aよりも高いIL-12B及び/またはIL-12A酵素活性を有する。いくつかの実施形態では、変異体IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドは、対応する野生型IL-12B及び/またはIL-12A(すなわち、同じIL-12B及び/またはIL-12Aであるが、変異(複数可)がない)の活性よりも少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%高い、IL-12B及び/またはIL-12A活性を有する。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、機能的IL-12B及び/またはIL-12A断片(例えば、1つまたは複数の断片が、野生型IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドのポリペプチド部分配列に対応し、IL-12B及び/またはIL-12A酵素活性を保持する)をコードするヌクレオチド配列(例えばヌクレオチド配列を含むORF)を含む。いくつかの実施形態では、IL-12B及び/またはIL-12A断片は、対応する完全長IL-12B及び/またはIL-12AのIL-12活性の、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%であるIL-12B及び/またはIL-12A活性を有する。いくつかの実施形態では、機能的IL-12B及び/またはIL-12A断片をコードするヌクレオチド配列を含むORFを含む本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、配列最適化される。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、対応する完全長IL-12B及び/またはIL-12Aよりも高いIL-12B及び/またはIL-12A酵素活性を有するIL-12B及び/またはIL-12A断片をコードするヌクレオチド配列(例えばヌクレオチド配列を含むORF)を含む。したがって、いくつかの実施形態では、IL-12B及び/またはIL-12A断片は、対応する完全長IL-12B及び/またはIL-12AのIL-12B及び/またはIL-12A活性よりも少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%高い、IL-12B及び/またはIL-12A活性を有する。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、野生型IL-12B及び/またはIL-12Aよりも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%または25%短いIL-12B及び/またはIL-12A断片をコードするヌクレオチド配列(例えばヌクレオチド配列を含むORF)を含む。
他の実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、配列番号48のアミノ酸23~328に対して、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一であるアミノ酸配列を有する、IL-12Bをコードするヌクレオチド配列(例えばヌクレオチド配列を含むORF)を含み、該アミノ酸配列は、IL-12B活性を有する。
他の実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、配列番号48のアミノ酸336~532に対して、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一であるアミノ酸配列を有する、IL-12Aをコードするヌクレオチド配列(例えばヌクレオチド配列を含むORF)を含み、該アミノ酸配列は、IL-12A活性を有する。
他の実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、IL-12Bをコードするヌクレオチド配列(例えば、ヌクレオチド配列を含むORF)を含み、これは、(i)hIL12AB_001~hIL12AB_003(配列番号5~7)hIL12AB_005~hIL12AB_040(配列番号9~44)、もしくはhIL12AB_041(配列番号220)のヌクレオチド67~984に対して、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の配列同一性を有する、または(ii)hIL12AB_004(配列番号8)のヌクレオチド70~987に対して、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する。
他の実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、IL-12Aをコードするヌクレオチド配列(例えば、ヌクレオチド配列を含むORF)を含み、これは、(i)hIL12AB_001~hIL12AB_003(配列番号5~7)、hIL12AB_005~hIL12AB_040(配列番号9~44)、もしくはhIL12AB_041(配列番号220)のヌクレオチド1006~1596に対して、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の配列同一性を有する、または(ii)hIL12AB_004(配列番号4)のヌクレオチド1009~1599に対して、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、IL-12B-IL-12A融合ポリペプチド(例えば、野生型配列、機能性断片、またはそのバリアント)をコードするヌクレオチド配列(例えばORF)を含み、該ヌクレオチド配列は、配列番号5~44からなる群から選択される配列に対して、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、IL-12B-IL-12A融合ポリペプチド(例えば、野生型配列、機能性断片、またはそのバリアント)をコードするヌクレオチド配列(例えば、ヌクレオチド配列を含むORF)を含み、該ヌクレオチド配列は、配列番号5~44または220からなる群から選択される配列に対して、70%~100%、75%~100%、80%~100%、85%~100%、70%~95%、80%~95%、70%~85%、75%~90%、80%~95%、70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、90%~95%、または95%~100%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、IL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、配列番号6(hIL12AB_002)に対して、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性のヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、配列番号220(hIL12AB_041)に対して、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性のヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、約900~約100,000ヌクレオチド(例えば、900~1,000、900~1,100、900~1,200、900~1,300、900~1,400、900~1,500、1,000~1,100、1,000~1,100、1,000~1,200、1,000~1,300、1,000~1,400、1,000~1,500、1,083~1,200、1,083~1,400、1,083~1,600、1,083~1,800、1,083~2,000、1,083~3,000、1,083~5,000、1,083~7,000、1,083~10,000、1,083~25,000、1,083~50,000、1,083~70,000、または1,083~100,000)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、IL-12B-IL-12A融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(例えば、IL-12Bをコードするヌクレオチド配列及びIL-12Aをコードするヌクレオチドを含むORF;例えば、IL-12B及び/またはIL-12Aをコードする野生型配列、機能的断片、またはそのバリアント)を含み、該ヌクレオチド配列の長さは、少なくとも500ヌクレオチド長(例えば、少なくとも、または約500、600、700、80、900、1,000、1,050、1,083、1,100、1,200、1,300、1,400、1,500、1,600、1,700、1,800、1,900、2,000、2,100、2,200、2,300、2,400、2,500、2,600、2,700、2,800、2,900、3,000、3,100、3,200、3,300、3,400、3,500、3,600、3,700、3,800、3,900、4,000、4,100、4,200、4,300、4,400、4,500、4,600、4,700、4,800、4,900、5,000、5,100、5,200、5,300、5,400、5,500、5,600、5,700、5,800、5,900、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000より大きい、または100,000を含むそれ以下のヌクレオチド)である。
一実施形態では、IL-12Bをコードする核酸配列及びIL-12Aをコードする核酸配列は、互いに直接融合する。別の実施形態では、IL-12Bをコードする核酸配列及びIL-12Aをコードする核酸配列は、サブユニットリンカーをコードする核酸配列によって連結される。
一実施形態では、膜ドメインをコードする核酸配列は、IL-12A、IL-12B、またはIL-12A及びIL-12Bを含む、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列に直接融合する。別の実施形態では、膜ドメインをコードする核酸配列は、膜ドメインリンカーをコードする核酸配列により、IL-12A、IL-12B、またはIL-12A及びIL-12Bを含むIL-12ポリペプチドをコードする核酸配列に連結される。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、ノンコーディングである少なくとも1つの核酸配列、例えばmiRNA結合部位をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、一本鎖または二本鎖である。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、DNAまたはRNAである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、RNAである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、メッセンジャーRNA(mRNA)であるか、またはメッセンジャーRNA(mRNA)として機能する。いくつかの実施形態では、mRNAは、IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドをコードするヌクレオチド配列ならびに膜ドメインをコードする核酸配列を含み、翻訳されて、コードされた連結したIL-12ポリペプチドを、in vitro、in vivo、in situ、またはex vivoで産生することができる。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、IL-12B及び/またはIL-12Aをコードする配列最適化されたヌクレオチド配列(例えば、IL-12B及び/またはIL-12Aをコードする野生型配列、機能的断片、またはそのバリアント)及び/または膜ドメインをコードする配列最適化されたヌクレオチド配列を含み、該ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学的に修飾された核酸塩基、例えば5-メトキシウラシルを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、miRNA結合部位、例えばmiR-122に結合するmiRNA結合部位をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチドは、送達剤、例えば、式(I)を有する化合物とともに製剤化される。
本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)はまた、コードされるポリペプチドの、治療上関連する部位への輸送を促進する、追加のフィーチャをコードするヌクレオチド配列を含み得る。タンパク質輸送を補助する1つのそのようなフィーチャは、シグナル配列または標的化配列である。これらのシグナル配列によりコードされるペプチドは、標的化ペプチド、輸送ペプチド、及びシグナルペプチドを含む、様々な名称によって公知である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、本明細書に記載されるIL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列(例えば、ヌクレオチド配列を含むORF)を含む。
いくつかの実施形態では、「シグナル配列」または「シグナルペプチド」は、約9~200ヌクレオチド長(3~70アミノ酸)であり、任意選択で、それぞれコード領域またはポリペプチドの5’(またはN末端)に組み込まれた、それぞれポリヌクレオチドまたはポリペプチドである。一部のシグナルペプチドは、タンパク質が所望される部位に輸送された後に、例えばシグナルペプチダーゼによってタンパク質から切断される。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、該ヌクレオチド配列は、天然のシグナルペプチドをコードする5’核酸配列をさらに含む。別の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、該ヌクレオチド配列は、天然のシグナルペプチドをコードする核酸配列を欠く。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、該ヌクレオチド配列は、異種シグナルペプチドをコードする5’核酸配列をさらに含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、IL-12Bをコードするヌクレオチド配列の5’末端に位置するシグナルペプチドをコードする核酸配列をさらに含む。
いくつかの実施形態では、IL-12Bをコードするヌクレオチド配列は、シグナルペプチドをコードする核酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号48のアミノ酸1~22に対して、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む。
いくつかの態様では、本開示は、オープンリーディングフレーム(ORF)を含むmRNAであって、該ORFが、5’から3’までをコードするヌクレオチド配列:5’-[IL-12B]-[L1]-[IL-12A]-[L2]-[MD]-3’を含み、ここでIL-12BはヒトIL-12 p40サブユニットポリペプチドであり、L1は第1のペプチドリンカーであり、IL-12AはヒトIL-12 p35サブユニットポリペプチドであり、L2は第2のペプチドリンカーであり、MDは膜貫通ドメイン及び任意選択で細胞内ドメインを含む膜ドメインである、mRNAを提供する。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、IL-12B、IL-12A、及びCD8膜貫通ドメインをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFはIL-12B及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードし、該ORFはCD8膜貫通ドメイン及びIL-12Bを連結するリンカーを任意選択でコードする。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、IL-12B、IL-12A、及びCD8膜貫通ドメインをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFはIL-12B及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードし、該ORFはCD8膜貫通ドメイン及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードする。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、IL-12B、IL-12A、及びCD80膜貫通ドメインをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFはIL-12B及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードし、該ORFはCD80膜貫通ドメイン及びIL-12Bを連結するリンカーを任意選択でコードする。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、IL-12B、IL-12A、及びCD80膜貫通ドメインをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFは、IL-12B及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードし、該ORFは、CD80膜貫通ドメイン及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードする。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、IL-12B、IL-12A、及びPDGFR-β膜貫通ドメインをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFは、IL-12B及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードし、該ORFは、PDGFR-β膜貫通ドメイン及びIL-12Bを連結するリンカーを任意選択でコードする。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、IL-12B、IL-12A、及びPDGFR-β膜貫通ドメインをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFは、IL-12B及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードし、該ORFは、PDGFR-β膜貫通ドメイン及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードする。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、IL-12B、IL-12A、CD80膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFは、IL-12B及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードし、該ORFは、CD80膜貫通ドメイン及びIL-12Bを連結するリンカーを任意選択でコードする。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、IL-12B、IL-12A、CD80膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFは、IL-12B及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードし、該ORFは、CD80膜貫通ドメイン及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードする。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、IL-12B、IL-12A、PDGFR-β膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFは、IL-12B及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードし、該ORFは、CD80膜貫通ドメイン及びIL-12Bを連結するリンカーを任意選択でコードする。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、IL-12B、IL-12A、PDGFR-β膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFは、IL-12B及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードし、該ORFは、CD80膜貫通ドメイン及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードする。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、IL-12B、IL-12A、PDGFR-β膜貫通ドメイン及び切断型細胞内ドメインをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFは、IL-12B及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードし、該ORFは、CD80膜貫通ドメイン及びIL-12Bを連結するリンカーを任意選択でコードする。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、IL-12B、IL-12A、PDGFR-β膜貫通ドメイン及び切断型細胞内ドメインをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、該ORFは、IL-12B及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードし、該ORFは、CD80膜貫通ドメイン及びIL-12Aを連結するリンカーを任意選択でコードする。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、配列番号48に記載のアミノ酸配列を含むIL-12ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)、配列番号229に記載のアミノ酸配列を含むリンカー、及び配列番号101に記載のアミノ酸配列を含むCD8膜貫通ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、配列番号48に記載のアミノ酸配列を含むIL-12ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)、配列番号229に記載のアミノ酸配列を含むリンカー、及び配列番号103に記載のアミノ酸配列を含むCD80膜貫通ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、配列番号48に記載のアミノ酸配列を含むIL-12ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)、配列番号229に記載のアミノ酸配列を含むリンカー、及び配列番号102に記載のアミノ酸配列を含むPDGFR-β膜貫通ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、配列番号48に記載のアミノ酸配列を含むIL-12ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)、配列番号229に記載のアミノ酸配列を含むリンカー、配列番号103に記載のアミノ酸配列を含むCD80膜貫通ドメイン、及び配列番号225に記載のアミノ酸配列を含むCD80細胞内ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、配列番号48に記載のアミノ酸配列を含むIL-12ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)、配列番号229に記載のアミノ酸配列を含むリンカー、配列番号103に記載のアミノ酸配列を含むCD80膜貫通ドメイン、及び配列番号227に記載のアミノ酸配列を含む切断型PDGFR-β細胞内ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)は、配列番号48に記載のアミノ酸配列を含むIL-12ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)、配列番号229に記載のアミノ酸配列を含むリンカー、配列番号103に記載のアミノ酸配列を含むCD80膜貫通ドメイン、及び配列番号228に記載のアミノ酸配列を含む切断型PDGFR-β細胞内ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号221、配列番号376、及び配列番号377を含むオープンリーディングフレーム(ORF)を含むmRNAである。いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号287を含む5’UTR、配列番号221、配列番号376、及び配列番号377を含むオープンリーディングフレーム(ORF)、ならびに配列番号283を含む3’UTRを含むmRNAである。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号221、配列番号376、及び配列番号378を含むオープンリーディングフレーム(ORF)を含むmRNAである。いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号287を含む5’UTR、配列番号221、配列番号376、及び配列番号378を含むオープンリーディングフレーム(ORF)、ならびに配列番号283を含む3’UTRを含むmRNAである。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号221、配列番号376、及び配列番号250を含むオープンリーディングフレーム(ORF)を含むmRNAである。いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号287を含む5’UTR、配列番号221、配列番号376、及び配列番号250を含むオープンリーディングフレーム(ORF)、ならびに配列番号283を含む3’UTRを含むmRNAである。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号221、配列番号376、配列番号378、及び配列番号379を含むオープンリーディングフレーム(ORF)を含むmRNAである。いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号287を含む5’UTR、配列番号221、配列番号376、配列番号378、及び配列番号379を含むオープンリーディングフレーム(ORF)、ならびに配列番号283を含む3’UTRを含むmRNAである。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号221、配列番号376、配列番号250、及び配列番号251を含むオープンリーディングフレーム(ORF)を含むmRNAである。いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号287を含む5’UTR、配列番号221、配列番号376、配列番号250、及び配列番号325を含むオープンリーディングフレーム(ORF)、ならびに配列番号283を含む3’UTRを含むmRNAである。
いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号221、配列番号376、配列番号250、及び配列番号280を含むオープンリーディングフレーム(ORF)を含むmRNAである。いくつかの実施形態では、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号287を含む5’UTR、配列番号221、配列番号376、配列番号250、及び配列番号280を含むオープンリーディングフレーム(ORF)、ならびに配列番号283を含む3’UTRを含むmRNAである。
6.キメラタンパク質
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、1つまたは複数のポリペプチドをコードする2つ以上の核酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-12A及び/またはIL-12Bを含むIL-12ポリペプチドをコードする核酸配列、ならびに、その機能的断片またはバリアントを含む膜ドメイン(すなわち、IL-12A、IL-12B、または膜ドメインのいずれかまたはそのすべてが機能的断片またはバリアントであり得る)をコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-12Bをコードする核酸配列、IL-12Aをコードする核酸配列、及びその機能的断片またはバリアントを含む膜ドメイン(すなわち、IL-12A、IL-12B、または膜ドメインのいずれかまたはそのすべてが機能的断片またはバリアントであり得る)をコードする核酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、1つまたは複数の追加の目的のポリペプチドを発現する1つまたは複数の追加の核酸配列(例えば、IL-12に対して異種である1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の追加の核酸配列)を含み得る。一実施形態では、追加の目的のポリペプチドは、直接的に、またはリンカーによって、IL-12Bポリペプチドに融合することができる。別の実施形態では、追加の目的のポリペプチドは、直接的に、またはリンカーによって、IL-12Aポリペプチドに融合することができる。他の実施形態では、追加の目的のポリペプチドは、直接的に、またはリンカーによって、IL-12Bポリペプチド及びIL-12Aポリペプチド両方に融合することができる。他の実施形態では、第1の追加の目的のポリペプチドは、直接的に、またはリンカーによって、IL-12Aポリペプチドに融合され、第2の追加の目的のポリペプチドは、直接的に、またはリンカーによって、IL-12Bポリペプチドに融合される。いくつかの実施形態では、2つまたはそれ以上の追加の目的のポリペプチドを、遺伝的に融合することができる、すなわち、2つまたはそれ以上の追加の目的のポリペプチドを同じORFによってコードすることができる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、2つまたはそれ以上の追加の目的のポリペプチド間のリンカー(例えば、GSペプチドリンカーまたは当技術分野で公知の別のリンカー)をコードする核酸配列を含むことができる。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、IL-12Bポリペプチド、IL-12Aポリペプチド、IL-12B及びIL-12Aポリペプチドの両方をコードする核酸配列(例えば、1つまたは複数の核酸配列)、膜ドメインをコードする核酸配列、及び1つまたは複数の追加の目的のポリペプチドをコードする1つまたは複数の追加の核酸配列を含むことができる。
7.リンカー
一態様では、膜ドメインは、IL-12A、IL-12B、及び/またはIL-12A及びIL-12Bを含む本開示のIL-12ポリペプチドに直接融合し得るか、またはリンカー(膜ドメインが膜貫通ドメインである場合、本明細書では「膜ドメインリンカー」または「膜貫通ドメインリンカー」と呼ばれる)によってIL-12ポリペプチドに連結し得る。別の態様では、IL-12ポリペプチド中のIL-12B及びIL-12Aは、互いに直接融合し得るか、またはリンカー(本明細書では「サブユニットリンカー」と呼ばれる)によって互いに連結し得る。他の実施形態では、IL-12B及び/またはIL-12Aは、異種ポリペプチドに直接融合し得るか、またはリンカー(本明細書では「異種ポリペプチドリンカー」と呼ばれる)によって異種ポリペプチドに連結し得る。他の実施形態では、膜ドメインは、異種ポリペプチドに直接融合し得るか、または異種ポリペプチドリンカーによって異種ポリペプチドに連結し得る。好適なリンカーは、ポリペプチド(またはペプチド)部分または非ポリペプチド部分であり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、1アミノ酸~約200アミノ酸を含むペプチドリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、少なくとも39、または少なくとも40アミノ酸を含む。
理論によって束縛されるものではないが、機能的ドメイン(インターロイキン鎖、膜貫通ドメインなど)をコードする配列(例えばORF配列)の間にリンカーコード配列(特に、柔軟なリンカーコード配列)を組み込むことにより、ドメイン間のある一定の移動または相互作用をもたらし、これにより、本開示のmRNAコード化キメラ(例えば「連結した」)インターロイキンの機能性が向上すると考えられている。柔軟なリンカーは一般に、小さい、非極性(例えばGly)または極性(例えばSer)アミノ酸からなる。これらのアミノ酸のサイズが小さいと、柔軟性が得られ、接続された機能的ドメインの移動が可能になる。本開示のmRNA内の配列によりコードされる好ましい柔軟なリンカーは、主にGly及びSer残基のストレッチからなる配列(「GS」リンカー)を有する。例示的な柔軟なリンカーは、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)の配列を有する。コピー数「n」を調整することにより、このGSリンカーの長さを最適化して、機能的ドメインの適切な分離を実現、または必要なドメイン間相互作用を維持することができる。いくつかの実施形態では、膜ドメインリンカーは、細胞膜からの立体障害を防ぐのに十分な長さである。
いくつかの実施形態では、リンカーは、GS(Gly/Ser)リンカーであり得、例えば(GS)を含み、式中、nは1~100の整数であり、mは1~100の整数である。いくつかの実施形態では、Gly/Serリンカーは、(GS)(配列番号193)を含み、式中、nは1~20、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20であり、mは1~20、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20である。いくつかの実施形態では、GSリンカーは、(GGGGS)(配列番号194)を含み得、式中、oは1~5の整数である。いくつかの実施形態では、GSリンカーは、GGSGGGGSGG(配列番号195)、GGSGGGGG(配列番号196)、またはGSGSGSGS(配列番号197)を含み得る。いくつかの実施形態では、GSリンカーは、GGGGGGS(配列番号214)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示に好適なリンカーは、Glyリッチリンカーであり得、例えば(Gly)(配列番号198)を含み、式中、pは1~100、例えば1~40の整数である。いくつかの実施形態では、Glyリッチリンカーは、GGGGG(配列番号192)、GGGGGG(配列番号217)、GGGGGGG(配列番号218)またはGGGGGGGG(配列番号219)を含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示に好適なリンカーは、(EAAAK)(配列番号199)を含み得、式中、qは1~100、例えば1~20、例えば1~5の整数である。一実施形態では、本開示に好適なリンカーは、(EAAAK)を含み得る。
さらなる例示的なリンカーとして、これらに限定されないが、GGGGSLVPRGSGGGGS(配列番号200)、GSGSGS(配列番号201)、GGGGSLVPRGSGGGG(配列番号202)、GGSGGHMGSGG(配列番号203)、GGSGGSGGSGG(配列番号204)、GGSGG(配列番号205)、GSGSGSGS(配列番号206)、GGGSEGGGSEGGGSEGGG(配列番号207)、AAGAATAA(配列番号208)、GGSSG(配列番号209)、GSGGGTGGGSG(配列番号210)、GSGSGSGSGGSG(配列番号211)、GSGGSGSGGSGGSG(配列番号212)、及びGSGGSGGSGGSGGS(配列番号213)が挙げられる。
リンカーをコードするヌクレオチドは、本開示の配列を融合するように構築され得る。提供されるRNA配列に基づいて、当業者であれば、対応するDNA配列(例えば、ウラシルからチミンへの変換)を理解するであろう。同様に、提供されるDNA配列に基づいて、当業者であれば、対応するRNA配列(例えば、チミンからウラシルへの変換)を理解するであろう。
8.IL-12ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の配列最適化
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、配列最適化される。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、配列最適化された、IL-12ポリペプチド(すなわち、IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列、膜ドメインをコードするヌクレオチド配列、別の目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、5’-UTR、3’-UTR、miRNA、リンカーをコードするヌクレオチド配列(例えば、膜ドメインリンカー、サブユニットリンカー、及び/または異種ポリペプチドリンカー)、またはこれらの任意の組合せを含む。
配列最適化されたヌクレオチド配列(例えば、IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドをコードするコドン最適化されたmRNA配列)は、参照配列(例えば、IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチドをコードする野生型ヌクレオチド配列)に対して、少なくとも1つの同義核酸塩基置換を含む、配列である。
配列最適化されたヌクレオチド配列は、参照配列とは配列が部分的または完全に異なり得る。例えば、TCTコドンによって一様にコードされるポリセリンをコードする参照配列は、その核酸塩基の100%が置換される(それぞれのコドンに関して、1位のTがAによって置き換えられ、2位のCがGによって置き換えられ、3位のTがCによって置き換えられる)ことによって配列最適化され得、AGCコドンによって一様にコードされるであろうポリセリンをコードする配列が得られる。参照ポリセリン核酸配列と配列最適化されたポリセリン核酸配列との間のグローバルペアワイズアライメントから得られる配列同一性の百分率は、0%であろう。しかしながら、両方の配列から得られるタンパク質産物は、100%同一である。
一部の配列最適化(コドン最適化と称されることもある)方法は、当技術分野において公知であり(以下に、より詳細に考察される)、1つまたは複数の所望される結果を達成するのに有用であり得る。これらの結果としては、例えば、適正なフォールディングを確保するために、ある特定の組織標的及び/または宿主生物におけるコドン頻度を一致させること;mRNAの安定性を増大させるかもしくは二次構造を低減するようにG/C含量にバイアスをかけること;遺伝子の構築もしくは発現を損傷し得るタンデムリピートコドンもしくは塩基ラン(base run)を最小限に抑えること;転写及び翻訳制御領域をカスタマイズすること;タンパク質輸送配列を挿入もしくは除去すること;コードされるタンパク質に翻訳後修飾部位(例えば、グリコシル化部位)を除去/付加すること;タンパク質ドメインを付加、除去、もしくはその順序を入れ替えること;制限部位を挿入もしくは欠失すること;リボソーム結合部位及びmRNA分解部位を修飾すること;タンパク質の様々なドメインが適正にフォールディングするのを可能にするように翻訳速度を調整すること;及び/またはポリヌクレオチド内の問題のある二次構造を低減もしくは排除することを挙げることができる。配列最適化のツール、アルゴリズム、及びサービスは、当技術分野において公知であり、非限定的な例としては、GeneArt(Life Technologies)、DNA2.0(Menlo Park CA)によるサービス、及び/または専売的方法が挙げられる。
各アミノ酸のコドンの選択肢を、表1に示す。
Figure 0007285220000001
Figure 0007285220000002
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、その機能的断片もしくはバリアントを含むIL-12ポリペプチドをコードする配列最適化されたヌクレオチド配列、または機能的断片もしくはそのバリアントを含む膜ドメインをコードする配列最適化されたヌクレオチド配列を含み、該配列最適化されたヌクレオチド配列によりコードされるIL-12ポリペプチド及び/または膜ドメインは、向上した特性(例えば、配列最適化されていない参照ヌクレオチド配列によりコードされる、その機能的断片もしくはバリアントを含むIL-12ポリペプチド、またはその機能的断片もしくはバリアントを含む膜ドメインと比較して)、例えば、in vivo投与後の発現有効性に関して改善された特性を有する。そのような特性としては、核酸の安定性(例えば、mRNA安定性)の向上、標的組織における翻訳有効性の増大、発現される切断型タンパク質数の低減、発現されるタンパク質のフォールディングの改善またはミスフォールディングの予防、発現される産物の毒性の低減、発現される産物によって引き起こされる細胞死の低減、タンパク質凝集の増大及び/または減少が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、配列最適化されたヌクレオチド配列は、ヒト対象における発現のためにコドン最適化されており、当技術分野における1つまたは複数の問題を回避する構造的及び/または化学的フィーチャ、例えば、構造的及び機能的完全性を保持しながら核酸に基づく治療薬の製剤化及び送達を最適化すること、発現の閾値を克服すること、発現率を向上すること、半減期及び/またはタンパク質濃度、タンパク質局在化を最適化すること、ならびに免疫応答などの有害な生体応答及び/または分解経路を回避することに有用なフィーチャを有する。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ヌクレオチド配列(例えば、IL-12ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、膜ドメインをコードするヌクレオチド配列、追加の目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、5’-UTR、3’-UTR、マイクロRNA、リンカーをコードする核酸配列、またはこれらの任意の組合せ)を含み、以下を含む方法によって配列最適化されている:
(i)参照ヌクレオチド配列(例えば、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列及び/または膜ドメインをコードする核酸配列)における少なくとも1のコドンを代替的コドンで置換してウリジン含量を増減させ、ウリジン修飾配列を生成すること、
(ii)参照ヌクレオチド配列(例えば、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列及び/または膜ドメインをコードする核酸配列)における少なくとも1のコドンを同義コドンセット中のより高いコドン頻度を有する代替的コドンで置換すること、
(iii)参照ヌクレオチド配列(例えば、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列及び/または膜ドメインをコードする核酸配列)における少なくとも1のコドンを代替的コドンで置換してG/C含量を増大させること、または
(iv)これらの組合せ。
いくつかの実施形態では、配列最適化されたヌクレオチド配列(例えば、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列及び/または膜ドメインをコードする核酸配列)は、参照ヌクレオチド配列に対して、少なくとも1つの向上した特性を有する。
いくつかの実施形態では、配列最適化方法は、多重パラメーターのものであり、本明細書に開示される1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の方法及び/または当技術分野において公知の他の最適化方法を含む。
本開示のいくつかの実施形態において有益であると考えることができるフィーチャは、ポリヌクレオチドによってまたはその領域内にコードされ得、そのような領域は、IL-12ポリペプチドをコードする領域及び/または膜ドメインをコードする領域の上流(5’)、下流(3’)、またはその中にあり得る。これらの領域は、タンパク質コード領域またはオープンリーディングフレーム(ORF)の配列最適化の前及び/または後に、ポリヌクレオチドに組み込まれ得る。このようなフィーチャの例としては、非翻訳領域(UTR)、マイクロRNA配列、コザック配列、オリゴ(dT)配列、ポリ-A尾部、及び検出可能なタグが挙げられるがこれらに限定されず、XbaI認識を有し得るマルチクローニングサイトを含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、5’UTR、3’UTR、及び/またはmiRNAを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、2つまたはそれ以上の5’UTR及び/または3’UTRを含み、これらは同じ配列であっても異なる配列であってもよい。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、2つまたはそれ以上のmiRNAを含み、これらは同じ配列であっても異なる配列であってもよい。5’UTR、3’UTR、及び/またはmiRNAの任意の部分は、いずれも含まない場合も含め、配列最適化され得、独立して、配列最適化の前及び/または後に、1つまたは複数の異なる構造的または化学的修飾を含有し得る。
いくつかの実施形態では、最適化後に、ポリヌクレオチドは再構築され、プラスミド、ウイルス、コスミド、及び人工染色体などであるがこれらに限定されない、ベクターに形質転換される。例えば、最適化されたポリヌクレオチドは再構築され、化学的にコンピテントなE.coli、酵母、neurospora、maize、ショウジョウバエなどに形質転換され得、ここで、高コピー数のプラスミド様または染色体構造体が、本明細書に記載される方法によって生じる。
9.IL-12ポリペプチドをコードする配列最適化されたヌクレオチド配列
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に開示されるIL-12ポリペプチド(すなわち、IL-12B及び/またはIL-12Aポリペプチド)をコードする配列最適化されたヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-12Bをコードする核酸配列及び/またはIL-12Aポリペプチドをコードする核酸配列、ならびに膜ドメインをコードする核酸配列を含み、該核酸配列は配列最適化されている。
ヒトIL-12B及び/またはIL-12Aをコードする例示的な配列最適化されたヌクレオチド配列は、配列番号5~44、98~100、104~180、220及び221に記載される。いくつかの実施形態では、配列番号5~44、98~100、104~180、220及び221に記載の配列最適化されたIL-12B及び/またはIL-12A配列、それらの断片、及びバリアントは、本明細書に開示される方法を実施するために使用される。いくつかの実施形態では、配列番号5~44、98~100、104~180、220及び221に記載の配列最適化されたIL-12B及び/またはIL-12A配列、それらの断片、及びバリアントは、配列番号1~6に開示される野生型配列と組み合わされるか、またはその代替物である。提供されるRNA配列に基づいて、当業者であれば、対応するDNA配列(例えば、ウラシルからチミンへの変換)を理解するであろう。同様に、提供されるDNA配列に基づいて、当業者であれば、対応するRNA配列(例えば、チミンからウラシルへの変換)を理解するであろう。
本明細書に開示される配列最適化されたヌクレオチド配列は、対応する野生型ヌクレオチド酸配列及び他の公知の配列最適化されたヌクレオチド配列とは異なり、例えば、これらの配列最適化された核酸は固有の組成特徴を有する。
10.配列最適化の方法
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばIL-12A、IL-12B、またはIL-12A及びIL-12Bの両方を含むIL-12ポリペプチド(例えば、その野生型配列、機能的断片、またはバリアント)ならびに膜ドメインをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド)は、配列最適化される。配列最適化されたヌクレオチド配列(ヌクレオチド配列は、本明細書において「核酸」とも称される)は、参照配列(例えばIL-12A、IL-12B、もしくはIL-12A及びIL-12Bの両方を含むIL-12ポリペプチドまたは膜ドメインをコードする野生型配列)に対して少なくとも1つのコドン修飾を含む。したがって、配列最適化された核酸において、少なくとも1のコドンが、参照配列(例えば野生型配列)における対応するコドンとは異なる。
一般に、配列最適化された核酸は、参照配列におけるコドンを同義コドン(すなわち、同じアミノ酸をコードするコドン)で置換することを含む少なくとも1つのステップによって生成される。そのような置換は、例えばコドン置換マップ(すなわち、コドン最適化配列において各アミノ酸をコードするであろうコドンを提供する表)を適用することによって、または一連の規則(例えばグリシンが、中性アミノ酸の隣にある場合、グリシンは、ある特定のコドンによってコードされ得るが、極性アミノ酸の隣にある場合は、別のコドンによりコードされる)を適用することによって、実行され得る。コドン置換(すなわち、「コドン最適化」)に加えて、本明細書に開示される配列最適化方法は、有害なモチーフの除去(脱安定化モチーフ置換)など、厳密にはコドン最適化を対象とはしない追加の最適化ステップを含む。これらの配列最適化された核酸(例えばRNA、例えばmRNA)を含む組成物及び製剤は、機能的に活性なIL-12のin vivo発現を促進するために、それを必要とする対象に投与され得る。
細胞培養物における大型分子の組換え発現は、多くの制限(例えば乏しいタンパク質発現レベル、切断された発現産物をもたらす翻訳の停止、タンパク質のミスフォールディングなど)を伴う困難な作業であり得る。これらの制限は、機能的に活性なIL-12をコードするポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)またはそれを含む組成物もしくは製剤を、がんを患う患者に投与し、それにより、がんを処置するためのIL-12ポリペプチドの合成及び送達が内因的に生じるようにすることによって、低減または回避することができる。
in vitro発現系(例えば細胞培養物)からin vivo発現へ変更するには、治療剤をコードする核酸配列の再設計が必要である。必ずしもコードされるアミノ酸配列の変化を伴うことなく、異なるコドンを選択することによって、天然に存在する遺伝子配列を再設計することにより、多くの場合、タンパク質の発現レベルに劇的な増大をもたらすことが可能である(Gustafsson et al.,2004,Journal/Trends Biotechnol 22,346-53)。コドン適合性指標(CAI)、mRNA二次構造、cis制御配列、GC含量などの変数、及び多数の他の類似の変数は、タンパク質発現レベルといくらか相関することが示されている(Villalobos et al.,2006,“Journal/BMC Bioinformatics 7,285)。しかしながら、遺伝子コードの縮重に起因して、すべてが同じ治療剤をコードすることができる、多数の異なる核酸配列が存在する。それぞれのアミノ酸は、最大で6の同義コドンによってコードされ、これらのコドン間の選択肢が、遺伝子発現に影響を及ぼす。加えて、コドン使用頻度(すなわち、異なる生物が、ポリペプチド配列を発現するためにコドンを使用する頻度)は、生物間で異なる(例えばヒトまたはヒト化治療用抗体の組換え産生は、ハムスター細胞培養物において頻繁に生じる)。
いくつかの実施形態では、参照核酸配列は、コドンマップを適用することによって配列最適化することができる。当業者であれば、以下に開示されるコドンマップにおけるT塩基はDNAに存在し、一方で、T塩基は対応するRNAではU塩基によって置き換えられるであろうことを理解するであろう。例えば、DNA形態の本明細書に開示される配列最適化された核酸、例えばベクターまたはin-vitro翻訳(IVT)鋳型では、そのT塩基が、その対応する転写mRNAでは、U塩基として転写されるであろう。この点に関して、配列最適化されたDNA配列(Tを含む)及びそれらの対応するRNA配列(Uを含む)のいずれも、本開示の配列最適化された核酸と考えられる。当業者であれば、1つまたは複数の塩基を、非天然の塩基で置き換えることによって、同等のコドンマップを生成することができることも、理解するであろう。したがって、例えばTTCコドン(DNAマップ)は、UUCコドン(RNAマップ)に対応し、これは、ΨΨCコドン(Uがシュードウリジンで置き換えられているRNAマップ)に対応し得る。
一実施形態では、IL-12A、IL-12B、もしくはIL-12A及びIL-12Bの両方、及び/または膜ドメインをコードする参照配列は、ある特定のアミノ酸をコードするすべてのコドンを、コドンマップに提供される代替的コドンのうちの1つのみで置き換えることによって最適化することができる。例えば、最適化された配列におけるすべてのバリンは、GTGまたはGTCまたはGTTによりコードされるであろう。
本開示の配列最適化されたポリヌクレオチドは、1つもしくは複数のコドン最適化方法、またはそれらの組合せを使用して、生成することができる。核酸配列を配列最適化するために使用することができる配列最適化方法は、本明細書に詳細に記載されている。この方法の一覧は、包括的でも制限的でもない。
以下において考察される配列最適化方法のそれぞれについて記載される設計の原理及び規則は、例えば参照核酸配列の一部の領域に関する高G/C含量配列最適化、または他の領域に関するウリジン含量配列最適化、ならびに配列全体で二次構造を最小限に抑えるため、または有害なモチーフを排除するための標的化ヌクレオチド変異など、多数の異なる方式で組み合わせることができることが理解されよう。
配列最適化方法の可能な組合せの選択は、例えば、合成ポリヌクレオチドを産生するために使用される特定の化学的性質に依存し得る。そのような選択肢はまた、配列最適化された核酸、例えばIL-12を含む完全配列、機能的断片、または融合タンパク質などによりコードされるタンパク質の特徴にも依存し得る。いくつかの実施形態では、そのような選択肢は、配列最適化された核酸(例えば治療用合成mRNA)によって標的とされる特定の組織または細胞に依存し得る。
最適化方法の適用及び分析により得られる配列最適化方法または設計規則を組み合わせる機構は、単純な場合も複雑な場合もある。例えば、組合せは、次のものであり得る:
(i)逐次的:各配列最適化方法及び一連の設計規則を、配列全体の異なる部分配列に適用する(例えばコドン1~30位のウリジンを減らし、次いで配列の残りに関して高頻度のコドンを選択する);
(ii)階層的:複数の配列最適化方法または一連の設計規則を、階層的な決定論的様式で組み合わせる。例えば、最もGCリッチなコドンを使用し、それらのコドンの最も高頻度のものを選択することによって(共通の)結合を破壊する。
(iii)多因子/多重パラメーター:機械学習または他のモデリング技法を使用して、複数の重複する要件及び矛盾する可能性のある要件を最も良好に満たす単一の配列を設計する。このアプローチは、コンピュータを使用して、いくつかの数学的技法、例えば遺伝子アルゴリズムを適用することを必要とする。
最終的には、これらのアプローチのそれぞれにより特定の一連の規則を得ることができ、これは、多くの場合に、単一のコドン表、すなわち、標的タンパク質(すなわち、IL-12Aポリペプチド、IL-12Bポリペプチド、IL-12A及びIL-12Bポリペプチドの両方、及び/または膜ドメイン)における各アミノ酸のコドンの分類された一覧に要約され得、特定の規則または一連の規則が各アミノ酸位置について特定のコドンをどのように選択するかを示す。
a.コドン頻度-コドン使用頻度バイアス
当技術分野において公知の多数のコドン最適化方法は、参照核酸配列におけるコドンの、より高頻度を有するコドンとの置換に基づく。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸配列(例えば、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列及び/または膜ドメインをコードする核酸配列)は、非コドン最適化配列における使用頻度に対して、配列最適化された核酸における他の同義コドンと比べて、1つまたは複数のコドンの使用頻度において修飾の使用を含む方法を使用して最適化された配列であり得る。
本明細書において使用される場合、「コドン頻度」という用語は、コドン使用頻度バイアス、すなわちDNA/RNAをコードする際の同義コドンの発生頻度における差異を指す。一般に、コドンの選好性は、翻訳最適化のために、変異バイアスと自然選択との間のバランスを反映することが、認識されている。最適なコドンは、より早い翻訳速度及び高い正確性を達成するのに役立つ。これらの因子の結果として、翻訳選択は、高度に発現される遺伝子においてはより強力であることが予測される。バイオインフォマティクス及び計算生物学の分野において、多数の統計学的方法が、コドン使用頻度バイアスを分析するために提案され、使用されている。例えば、Comeron&Aguade(1998)J.Mol.Evol.47:268~74を参照のこと。「最適なコドンの頻度」(the‘frequency of optimal codons’)(Fop)(Ikemura(1981)J.Mol.Biol.151(3):389-409),the Relative Codon Adaptation(RCA)(Fox&Eril(2010)DNA Res.17(3):185-96)または「コドン適合性指標」(the‘Codon Adaptation Index’)(CAI)(Sharp&Li(1987)Nucleic Acids Res.15(3):1281-95)などの方法は、遺伝子発現レベルを予測するために使用され、一方で、「コドンの有効数」(the‘effective number of codons’)(Nc)及び情報理論によるシャノンエントロピーなどの方法は、コドン使用頻度の均等性を測定するために使用される。多変量の統計学的方法、例えば対応分析及び主成分分析は、遺伝子間のコドン使用頻度の変動性を分析するために広く使用される(Suzuki et al.(2008)DNA Res.15(6):357-65;Sandhu et al.,In Silico Biol.2008;8(2):187-92)。
本明細書に開示される核酸配列(例えば野生型核酸配列、変異体核酸配列、キメラ核酸配列など、例えばmRNAであり得る)は、参照核酸配列における少なくとも1のコドンを、同義コドンセット中のより高いまたはより低いコドン頻度を有する代替的コドンで置換することを含む方法を使用して、コドン最適化することができ、その結果として得られる配列最適化された核酸は、参照核酸配列と比べて、少なくとも1つの最適化された特性を有する。
いくつかの実施形態では、参照核酸配列中のコドンのうちの少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または100%は、代替的コドンで置換されており、各代替的コドンは、同義コドンセット中の置換コドンのコドン頻度より高いコドン頻度を有する。
いくつかの実施形態では、参照核酸配列における少なくとも1のコドンは、同義コドンセット中の置換コドンのコドン頻度よりも高いコドン頻度を有する代替的コドンで置換され、参照核酸配列における少なくとも1のコドンは、同義コドンセット中の置換コドンのコドン頻度よりも低いコドン頻度を有する代替的コドンで置換される。
いくつかの実施形態では、参照核酸配列中のコドンのうちの少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%は、代替的コドンで置換されており、各代替的コドンは、同義コドンセット中の置換コドンのコドン頻度より高いコドン頻度を有する。
いくつかの実施形態では、より高いコドン頻度を有する少なくとも1の代替的コドンは、同義コドンセット中で最も高いコドン頻度を有する。他の実施形態では、より高いコドン頻度を有するすべての代替的コドンは、同義コドンセット中で最も高いコドン頻度を有する。
いくつかの実施形態では、より低いコドン頻度を有する少なくとも1の代替的コドンは、同義コドンセット中で最も低いコドン頻度を有する。いくつかの実施形態では、より高いコドン頻度を有するすべての代替的コドンは、同義コドンセット中で最も高いコドン頻度を有する。
いくつかの特定の実施形態では、少なくとも1の代替的コドンは、同義コドンセット中で2番目に高い、3番目に高い、4番目に高い、5番目に高い、または6番目に高い頻度を有する。いくつかの特定の実施形態では、少なくとも1の代替的コドンは、同義コドンセット中で2番目に低い、3番目に低い、4番目に低い、5番目に低い、または6番目に低い頻度を有する。
コドン頻度に基づく最適化は、参照核酸配列に対して、上述のように全体的に適用されてもよく、または局所的に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、局所的に適用される場合、参照核酸配列の領域は、コドン頻度に基づいて、ある特定の部分配列におけるコドンのすべてまたはある特定の割合を、それらのそれぞれの同義コドンセット中でより高いまたは低い頻度を有するコドンで置換することで、修飾され得る。したがって、いくつかの実施形態では、参照核酸配列の部分配列中のコドンのうちの少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または100%は、代替的コドンで置換されており、各代替的コドンは、同義コドンセット中の置換コドンのコドン頻度より高いコドン頻度を有する。
いくつかの実施形態では、参照核酸配列の部分配列における少なくとも1のコドンは、同義コドンセット中の置換コドンのコドン頻度よりも高いコドン頻度を有する代替的コドンで置換され、参照核酸配列の部分配列における少なくとも1のコドンは、同義コドンセット中の置換コドンのコドン頻度よりも低いコドン頻度を有する代替的コドンで置換される。
いくつかの実施形態では、参照核酸配列の部分配列中のコドンのうちの少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%は、代替的コドンで置換されており、各代替的コドンは、同義コドンセット中の置換コドンのコドン頻度より高いコドン頻度を有する。
いくつかの実施形態では、参照核酸配列の部分配列において置換される、より高いコドン頻度を有する少なくとも1の代替的コドンは、同義コドンセット中で最も高いコドン頻度を有する。他の実施形態では、参照核酸配列の部分配列において置換される、より低いコドン頻度を有するすべての代替的コドンは、同義コドンセット中で最も低いコドン頻度を有する。
いくつかの実施形態では、参照核酸配列の部分配列において置換される、より低いコドン頻度を有する少なくとも1の代替的コドンは、同義コドンセット中で最も低いコドン頻度を有する。いくつかの実施形態では、参照核酸配列の部分配列において置換される、より高いコドン頻度を有するすべての代替的コドンは、同義コドンセット中で最も高いコドン頻度を有する。
特定の実施形態では、配列最適化された核酸は、特定の位置、例えば配列最適化された核酸の5’末端もしくは3’末端において、またはそれらの領域から所定の距離(例えば配列最適化された核酸の5’末端または3’末端から少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100コドン)内で、参照核酸配列の対応する部分配列における全体的なコドン頻度よりも高いかまたは低い全体的なコドン頻度を有する部分配列を含み得る。
いくつかの実施形態では、配列最適化された核酸は、全体的なコドン頻度が、参照核酸配列の対応する部分配列における全体的なコドン頻度よりも高いかまたは低い2つ以上の部分配列を含み得る。当業者であれば、全体的により高いかまたは低い全体的なコドン頻度を有する部分配列が、全体的なコドン頻度がより高いまたは低いか、部分配列の長さ、部分配列間の距離、部分配列の位置などに応じて、無数のパターンで構成され得ることを理解するであろう。
米国特許第US5082767号、同第US8126653号、同第US7561973号、同第US8401798号、米国公開第US20080046192号、同第US20080076161号、国際公開第WO2000018778号;Welch et al.(2009)PLoS ONE 4(9):e7002;Gustafsson et al.(2012)Protein Expression and Purification 83:37-46;Chung et al.(2012)BMC Systems Biology 6:134を参照のこと;これらのすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
b.脱安定化モチーフ置換
配列最適化に影響を及ぼすことができる様々なモチーフが存在し、それらは、様々な非排他的カテゴリー、例えば以下のものに分類される:
(i)一次配列に基づくモチーフ:単純なヌクレオチドの配置によって定義されるモチーフ。
(ii)構造的モチーフ:ある特定の二次構造を形成する傾向にあるヌクレオチドの配置によりコードされるモチーフ。
(iii)局所的モチーフ:1つの連続した部分配列でコードされるモチーフ。
(iv)分布型モチーフ:2つまたはそれ以上の分離した部分配列でコードされるモチーフ。
(v)有益モチーフ:ヌクレオチドの構造または機能を向上させるモチーフ。
(vi)不利益モチーフ:ヌクレオチドの構造または機能に対して有害な作用を有するモチーフ。
不利益モチーフのカテゴリーに適合する多数のモチーフが存在する。いくつかの例としては、例えば、比較的短い正確な配列である傾向にある制限酵素モチーフ、例えばXba1の制限部位モチーフ(TCTAGA(配列番号187))、EcoRIの制限部位モチーフ(GAATTC(配列番号188))、EcoRIIの制限部位モチーフ(CCWGG(配列番号189)、ここで、WはIUPAC不確定コードにしたがってAもしくはTを意味する)、またはHindIIIの制限部位モチーフ(AAGCTT(配列番号190));長く、コンセンサス配列(正確な配列ではなく)に基づく傾向にある酵素部位、例えばT7 RNAポリメラーゼにおけるもの(GnnnnWnCRnCTCnCnnWnD(配列番号191)、ここで、nは任意のヌクレオチドを意味し、RはAまたはGを意味し、WはAまたはTを意味し、DはAまたはGまたはTを意味するが、Cではない);構造的モチーフ、例えばGGGGリピート(Kim et al.(1991)Nature 351(6324):331-2);またはCUGトリプレット・リピートなどの他のモチーフ(Querido et al.(2014)J.Cell Sci.124:1703-1714)が挙げられる。
したがって、本明細書に開示される核酸配列は、参照核酸配列における少なくとも1つの脱安定化モチーフを置換すること、及びそのような不利益モチーフを除去するか、またはそれを利益モチーフで置き換えることを含む方法を使用して、配列最適化され得る。
いくつかの実施形態では、最適化プロセスは、参照核酸配列における利益モチーフ及び/または不利益モチーフを特定することを含み、そのようなモチーフは、例えば最適化プロセスの前または最中に、参照核酸配列において安定性の消失を引き起こし得る特定の部分配列である。例えば、最適化中の特定の塩基の置換により、制限酵素によって認識される部分配列(モチーフ)が生成され得る。したがって、最適化プロセスの間、不利益モチーフの出現を、配列最適化された配列と、不利益となることが公知のモチーフのライブラリーとの比較によりモニタリングすることができる。次いで、不利益モチーフの特定を、事後フィルターとして、すなわち参照核酸配列に導入され得る可能性を有するある特定の修飾が、実際に実施されるべきかどうかを決定するために、使用することができる。
いくつかの実施形態では、不利益モチーフの特定は本明細書に開示される配列最適化方法の適用前に使用することができる、すなわち、参照核酸配列におけるモチーフの特定及びそれらの代替的な核酸配列との置換えは、前処理ステップとして、例えばウリジン低減の前に、使用することができる。
他の実施形態では、不利益モチーフの特定及びそれらの除去は、本明細書に開示される配列最適化方法のうちの2つまたはそれ以上を含む多重パラメーターの核酸最適化方法に組み込まれる、追加の配列最適化技法として使用される。この様式で使用される場合、最適化プロセス中に特定された不利益モチーフは、例えば本来の設計原理(複数可)(例えば低U、高頻度など)に可能な限りの近似性を保つために、可能な限り少ない数の核酸塩基を置換することによって、除去されるであろう。
例えば米国公開第US20140228558号、同第US20050032730号、または同第US20140228558号を参照されたく、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
c.限定的コドンセット最適化
いくつかの特定の実施形態では、参照核酸配列の配列最適化は、限定的コドンセット、例えば本来の数よりも少ないコドンを使用して20の天然アミノ酸、20の天然アミノ酸のサブセット、または例えば非天然アミノ酸を含む拡大されたアミノ酸のセットをコードするコドンセットを使用して、行われ得る。
遺伝子コードは、すべての生物で高度に類似しており、単純な64エントリーの表で表すことができ、これによりタンパク質翻訳に関与する20の標準的なアミノ酸に加え、開始及び終止コドンがコードされる。遺伝子コードは、縮重している、すなわち、一般に、2つ以上のコドンにより、各アミノ酸が指定される。例えば、アミノ酸ロイシンは、UUA、UUG、CUU、CUC、CUA、またはCUGコドンによって指定され、一方で、アミノ酸セリンは、UCA、UCG、UCC、UCU、AGU、またはAGCコドンによって指定される(第1、第2、または第3の位置における違い)。天然の遺伝子コードは、天然に存在するアミノ酸をコードする62のコドンを含む。したがって、本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、20のアミノ酸をコードするための62よりも少ないコドンを含む最適化されたコドンセット(遺伝子コード)は、61、60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、または20のコドンを含み得る。
いくつかの実施形態では、限定的コドンセットは、20未満のコドンを含む。例えば、タンパク質が20種類未満のアミノ酸を含む場合、そのようなタンパク質は、20未満のコドンを含むコドンセットによってコードされ得る。したがって、いくつかの実施形態では、最適化コドンセットは、参照核酸配列によりコードされるタンパク質中に存在するアミノ酸の異なる種類と同じ数のコドンを含む。いくつかの実施形態では、最適化コドンセットは、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2またはさらに1のコドンを含む。
いくつかの実施形態では、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Tyr、及びValからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸、すなわち2以上のコドンにより天然にコードされるアミノ酸は、天然に存在する同義コドン数よりも少ないコドンによりコードされる。例えば、いくつかの実施形態では、Alaは、3、2、または1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Cysは、1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Aspは、1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Gluは、1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Pheは、1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Glyは、3コドン、2コドン、または1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Hisは、1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Ileは、2コドンまたは1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Lysは、1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Leuは、5コドン、4コドン、3コドン、2コドン、または1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Asnは、1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Proは、3コドン、2コドン、または1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Glnは、1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Argは、5コドン、4コドン、3コドン、2コドン、または1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Serは、5コドン、4コドン、3コドン、2コドン、または1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Thrは、3コドン、2コドン、または1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、Valは、3コドン、2コドン、または1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得、そして、Tyrは、1コドンによって配列最適化された核酸にコードされ得る。
いくつかの実施形態では、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Phe、Pro、Ser、Thr、Tyr、及びValからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸、すなわち2以上のコドンにより天然にコードされるアミノ酸は、限定的コドンセットの単一のコドンによりコードされる。
いくつかの特定の実施形態では、配列最適化された核酸はDNAであり、限定的コドンセットは20のコドンからなり、各コドンは、20のアミノ酸のうちの1つをコードする。いくつかの実施形態では、配列最適化された核酸はDNAであり、限定的コドンセットは、GCT、GCC、GCA、及びGCGからなる群から選択される少なくとも1のコドン、CGT、CGC、CGA、CGG、AGA、及びAGGからなる群から選択される少なくとも1のコドン、AATまたはACCから選択される少なくとも1のコドン、GATまたはGACから選択される少なくとも1のコドン、TGTまたはTGCから選択される少なくとも1のコドン、CAAまたはCAGから選択される少なくとも1のコドン、GAAまたはGAGから選択される少なくとも1のコドン、GGT、GGC、GGA、及びGGGからなる群から選択される少なくとも1のコドン、CATまたはCACから選択される少なくとも1のコドン、ATT、ATC、及びATAからなる群から選択される少なくとも1のコドン、TTA、TTG、CTT、CTC、CTA、及びCTGからなる群から選択される少なくとも1のコドン、AAAまたはAAGから選択される少なくとも1のコドン、ATGコドン、TTTまたはTTCから選択される少なくとも1のコドン、CCT、CCC、CCA、及びCCGからなる群から選択される少なくとも1のコドン、TCT、TCC、TCA、TCG、AGT、及びAGCからなる群から選択される少なくとも1のコドン、ACT、ACC、ACA、及びACGからなる群から選択される少なくとも1のコドン、TGGコドン、TATまたはTACから選択される少なくとも1のコドン、ならびにGTT、GTC、GTA、及びGTGからなる群から選択される少なくとも1のコドンを含む。
他の実施形態では、配列最適化された核酸はRNA(例えばmRNA)であり、限定的コドンセットは20コドンからなり、各コドンは、20のアミノ酸のうちの1つをコードする。いくつかの実施形態では、配列最適化された核酸はRNAであり、限定的コドンセットは、GCU、GCC、GCA、及びGCGからなる群から選択される少なくとも1のコドン、CGU、CGC、CGA、CGG、AGA、及びAGGからなる群から選択される少なくとも1のコドン、AAUまたはACCから選択される少なくとも1のコドン、GAUまたはGACから選択される少なくとも1のコドン、UGUまたはUGCから選択される少なくとも1のコドン、CAAまたはCAGから選択される少なくとも1のコドン、GAAまたはGAGから選択される少なくとも1のコドン、GGU、GGC、GGA、及びGGGからなる群から選択される少なくとも1のコドン、CAUまたはCACから選択される少なくとも1のコドン、AUU、AUC、及びAUAからなる群から選択される少なくとも1のコドン、UUA、UUG、CUU、CUC、CUA、及びCUGからなる群から選択される少なくとも1のコドン、AAAまたはAAGから選択される少なくとも1のコドン、AUGコドン、UUUまたはUUCから選択される少なくとも1のコドン、CCU、CCC、CCA、及びCCGからなる群から選択される少なくとも1のコドン、UCU、UCC、UCA、UCG、AGU、及びAGCからなる群から選択される少なくとも1のコドン、ACU、ACC、ACA、及びACGからなる群から選択される少なくとも1のコドン、UGGコドン、UAUまたはUACから選択される少なくとも1のコドン、ならびに、GUU、GUC、GUA、及びGUGからなる群から選択される少なくとも1のコドンを含む。
いくつかの特定の実施形態では、限定的コドンセットは、ある特定の組織または細胞への投与後の配列最適化された核酸(例えば合成mRNA)のin vivo発現に関して最適化されている。
いくつかの実施形態では、最適化されたコドンセット(例えば20のアミノ酸をコードする20コドンのセット)は、少なくとも以下の特性のうちの1つを満たす:
(a)最適化されたコドンセットは、元のもしくは天然のコドンセットよりも高い平均G/C含量を有する、または
(b)最適化されたコドンセットは、元のもしくは天然のコドンセットよりも低い平均U含量を有する、または
(c)最適化されたコドンセットは、最も高い頻度を有するコドンから構成されている、または
(d)最適化されたコドンセットは、最も低い頻度を有するコドンから構成されている、または
(e)これらの組合せ。
いくつかの特定の実施形態では、最適化されたコドンセットにおける少なくとも1のコドンは、同義コドンセット中で2番目に高い、3番目に高い、4番目に高い、5番目に高い、または6番目に高い頻度を有する。いくつかの特定の実施形態では、最適化されたコドンにおける少なくとも1のコドンは、同義コドンセット中で2番目に低い、3番目に低い、4番目に低い、5番目に低い、または6番目に低い頻度を有する。
本明細書において使用される場合、「天然のコドンセット」という用語は、参照核酸配列をコードするために元の生物によって天然に使用されるコドンセットを指す。本明細書において使用される場合、「元のコドンセット」という用語は、配列最適化の開始前に参照核酸配列をコードするために使用されるコドンセット、または配列最適化が反復的または再帰的に適用される場合には、新たな最適化反復の開始時に参照核酸配列の最適化バリアントをコードするために使用されるコドンセットを指す。
いくつかの実施形態では、コドンセット中のコドンの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、最も高い頻度を有するものである。他の実施形態では、コドンセット中のコドンの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、最も低い頻度を有するものである。
いくつかの実施形態では、コドンセット中のコドンの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、最も高いウリジン含量を有するものである。いくつかの実施形態では、コドンセット中のコドンの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、最も低いウリジン含量を有するものである。
いくつかの実施形態では、コドンセットの平均G/C含量(絶対的または相対的)は、元のコドンセットの平均G/C含量(絶対的または相対的)より5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%高い。いくつかの実施形態では、コドンセットの平均G/C含量(絶対的または相対的)は、元のコドンセットの平均G/C含量(絶対的または相対的)より5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%低い。
いくつかの実施形態では、コドンセットのウラシル含量(絶対的または相対的)は、元のコドンセットの平均ウラシル含量(絶対的または相対的)より5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%高い。いくつかの実施形態では、コドンセットのウラシル含量(絶対的または相対的)は、元のコドンセットの平均ウラシル含量(絶対的または相対的)より5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%低い。
米国出願公開第2011/0082055号及び国際公開第WO2000018778号もまた参照のこと。これらのいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
11.配列最適化された核酸の特性決定
本開示のいくつかの実施形態では、本明細書に開示される配列最適化された核酸を含むポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)を試験して、少なくとも1つの核酸配列特性(例えばヌクレアーゼに曝露した場合の安定性)または発現特性が、配列最適化されていない核酸に対して、向上しているかどうかを判定することができる。
本明細書において使用される場合、「発現特性」は、in vivo(例えば、それを必要とする対象に投与した後の合成mRNAの翻訳有効性)またはin vitro(例えばin vitroモデル系において試験した合成mRNAの翻訳有効性)のいずれかでの、核酸配列の特性を指す。発現特性としては、投与後にmRNAによって産生されるタンパク質の量、及び産生される可溶性またはその他の機能的タンパク質の量が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される配列最適化された核酸は、本明細書に開示される配列最適化された核酸配列(例えばRNA、例えばmRNA)によりコードされるタンパク質を発現する細胞の生存性によって評価することができる。
特定の実施形態では、最適化されていない参照核酸配列に対してコドン置換を含有する本明細書に開示される複数の配列最適化された核酸(例えばRNA、例えばmRNA)は、機能的に特性決定され、目的の特性、例えばin vitroモデル系での、または標的組織もしくは細胞においてin vivoでの、発現特性を測定することができる。
a.核酸配列の本質的な特性の最適化
本開示のいくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの所望の特性は、核酸配列の本質的な特性である。例えば、ヌクレオチド配列(例えばRNA、例えばmRNA)は、in vivoまたはin vitroでの安定性に関して配列最適化され得る。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、特定の標的組織または細胞における発現に関して配列最適化され得る。いくつかの実施形態では、核酸配列は、エンドヌクレアーゼ及びエクソヌクレアーゼによるその分解を予防することによって、その血漿半減期を増大させるように、配列最適化される。
他の実施形態では、核酸配列は、溶液中の加水分解に対するその耐性を増大させるように、例えば配列最適化された核酸または配列最適化された核酸を含む薬学的組成物を水性条件下において最小限の分解で保管することができる時間を延長するように、配列最適化される。
他の実施形態では、配列最適化された核酸は、乾燥保管条件において加水分解に対するその耐性を増大させるように、例えば配列最適化された核酸を凍結乾燥後に最小限の分解で保管することができる時間を延長するように、最適化され得る。
b.タンパク質発現に関して最適化された核酸配列
本開示のいくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの所望される特性は、本明細書に開示される配列最適化された配列によりコードされるIL-12Aポリペプチド、IL-12Bポリペプチド、またはIL-12A及びIL-12Bポリペプチドの両方、ならびに膜ドメインの発現レベルである。タンパク質の発現レベルは、1つまたは複数の発現系を使用して測定することができる。いくつかの実施形態では、発現は、細胞培養系、例えば、CHO細胞またはHEK293細胞において測定することができる。いくつかの実施形態では、発現は、生細胞の抽出物、例えばウサギ網状赤血球溶解液から調製されたin vitro発現系、または精製された個々の成分のアセンブリによって調製されたin vitro発現系を使用して測定することができる。他の実施形態では、タンパク質発現は、例えばマウス、ウサギ、サルなど、in vivo系において測定される。
いくつかの実施形態では、溶液形態におけるタンパク質発現が望ましい場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、参照配列は、溶液形態におけるタンパク質発現のレベルが最適化された、配列最適化された核酸配列が得られるように、配列最適化され得る。タンパク質発現のレベル及び他の特性、例えば可溶性、凝集のレベル、及び切断型産物の存在(すなわち、タンパク質分解、加水分解、または不完全な翻訳に起因する断片)は、当技術分野において公知の方法にしたがって、例えば電気泳動(例えば、天然またはSDS-PAGE)またはクロマトグラフィー方法(例えば、HPLC、サイズ排除クロマトグラフィーなど)を使用して、測定することができる。
c.標的組織または標的細胞の生存性の最適化
いくつかの実施形態では、核酸配列によりコードされる異種治療用タンパク質の発現は、標的組織または細胞において有害な作用、タンパク質収率の低下、または発現される産物の品質低下(例えば、タンパク質断片の存在または封入体における発現されたタンパク質の沈降に起因する)、または毒性の原因、を有し得る。
したがって、本開示のいくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸配列、例えばIL-12ポリペプチドをコードする核酸配列及び/または膜ドメインをコードする核酸配列の配列最適化を使用して、配列最適化された核酸によりコードされるタンパク質を発現する標的細胞の生存性を増大させることができる。
異種タンパク質発現はまた、自家移植または異種移植のために核酸配列でトランスフェクトされた細胞にとって有害であり得る。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸配列の配列最適化を使用して、配列最適化された核酸配列によりコードされるタンパク質を発現する標的細胞の生存性を増大させることができる。細胞または組織の生存性、毒性、及び他の生理学的反応における変化は、当技術分野において公知の方法にしたがって測定することができる。
d.免疫及び/または炎症性応答の低減
場合によっては、その機能的断片及びバリアントを含む本明細書に開示される連結したIL-12ポリペプチドをコードする配列最適化された核酸の投与は、免疫応答を誘発し得、この免疫応答は、(i)治療剤(例えば、連結したIL-12ポリペプチドをコードする核酸配列を含むmRNA)、または(ii)そのような治療剤の発現産物(例えばmRNAによりコードされる連結したIL-12ポリペプチド)、または(iv)これらの組合せ、によって引き起こされ得る。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸配列(例えばmRNA)の配列最適化を使用して、連結したIL-12ポリペプチドをコードする核酸の投与によって、またはそのような核酸によりコードされる連結したIL-12ポリペプチドの発現産物によって、誘発される免疫応答または炎症応答を減少することができる。
いくつかの態様では、炎症応答は、当技術分野において公知の方法、例えばELISAを使用して、1つまたは複数の炎症性サイトカインのレベルの増大を検出することによって測定することができる。「炎症性サイトカイン」という用語は、炎症応答の際に上昇するサイトカインを指す。炎症性サイトカインの例としては、インターロイキン-6(IL-6)、GROαとしても知られるCXCL1(ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド1、インターフェロン-γ(IFNγ)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターフェロンγ誘導タンパク質10(IP-10)、または顆粒球-コロニー刺激因子(G-CSF)が挙げられる。炎症性サイトカインという用語には、当技術分野において公知の炎症応答と関連する他のサイトカイン、例えばインターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-13(Il-13)、インターフェロンα(IFN-α)なども含まれる。
12.ポリヌクレオチドを修飾するための方法
本開示は、本明細書に記載されるポリヌクレオチド(例えばIL-12ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列及び膜ドメインをコードするヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド)を含む修飾されたポリヌクレオチドを含む。修飾されたポリヌクレオチドは、化学的に修飾され得る及び/または構造的に修飾され得る。本開示のポリヌクレオチドが化学的及び/または構造的に修飾された場合、該ポリヌクレオチドは「修飾されたポリヌクレオチド」と称され得る。
本開示は、連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)の修飾されたヌクレオシド及びヌクレオチドを提供する。「ヌクレオシド」は、糖分子(例えばペントースまたはリボース)またはその誘導体を、有機塩基(例えばプリンまたはピリミジン)またはその誘導体(本明細書において「核酸塩基」とも称される)と組み合わせて含有する化合物を指す。「ヌクレオチド」は、リン酸基を含むヌクレオシドを指す。修飾されたヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾されたまたは非天然のヌクレオシドを含むように、任意の有用な方法、例えば化学的、酵素的、または組換えなどによって合成することができる。ポリヌクレオチドは、連結したヌクレオシドの領域(複数可)を含み得る。そのような領域は、変動する骨格結合を有し得る。結合は標準的なホスホジエステル結合であり得、その場合、ポリヌクレオチドはヌクレオチドの領域を含むであろう。
本明細書に開示される修飾されたポリヌクレオチドは、様々な異なる修飾を含み得る。いくつかの実施形態では、修飾されたポリヌクレオチドは、1つ、2つ、またはそれ以上の(任意選択で異なる)ヌクレオシドまたはヌクレオチド修飾を含有する。いくつかの実施形態では、細胞に導入された修飾されたポリヌクレオチドは、未修飾のポリヌクレオチドと比較して、1つまたは複数の望ましい特性、例えば向上したタンパク質発現、低減された免疫原性、または細胞における低減された分解を呈し得る。
a.構造的修飾
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えば、IL-12ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列及び膜ドメインをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド)は、構造的に修飾される。本明細書において使用される場合、「構造的」修飾は、ヌクレオチド自体に対する有意な化学的修飾を伴うことなく、2つまたはそれ以上の連結したヌクレオシドが、ポリヌクレオチドにおいて、挿入、欠失、重複、反転、または無作為化されているものである。化学結合は構造的修飾を実行するために必要に応じて破壊及び再形成されるため、構造的修飾は化学的性質に関するものであり、したがって化学的修飾である。しかしながら、構造的修飾は、異なる配列のヌクレオチドをもたらす。例えば、ポリヌクレオチド「ATCG」は、「AT-5meC-G」に化学的に修飾され得る。同じポリヌクレオチドは、「ATCG」から「ATCCCG(配列番号215)」に構造的に修飾され得る。この場合、ジヌクレオチド「CC」が挿入されており、ポリヌクレオチドに対する構造的修飾をもたらす。
b.化学的修飾
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えば、IL-12ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列及び膜ドメインをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド)は、化学的に修飾される。本明細書において、ポリヌクレオチドに関して使用される場合、「化学的修飾」または状況に応じて「化学的に修飾される」という用語は、アデノシン(A)、グアノシン(G)、ウリジン(U)、チミジン(T)、またはシチジン(C)リボヌクレオシドまたはデオキシリボヌクレオシドに対する、その核酸塩基、糖、骨格、またはそれらの任意の組合せを含むがそれらに限定されない、それらの位置、パターン、割合、または集団のうちの1つまたは複数における、修飾を指す。一般的に、本明細書において、これらの用語は、天然に存在する5’末端mRNAキャップ部分におけるリボヌクレオチド修飾を指すことは意図されない。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えば、IL-12ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列及び膜ドメインをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド)は、同じヌクレオシド型のすべてもしくは一部の一様な化学修飾、または同じヌクレオシド型のすべてもしくはいずれかにおける同じ出発修飾の下方滴定によって得られる修飾の集団、またはすべてのウリジンが、ウリジン類似体、例えば5-メトキシウリジンによって置き換えられる場合、無作為な組込みを有するが同じヌクレオシド型のすべてもしくは一部のある測定された割合の化学的修飾を有し得る。別の実施形態では、ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチド全体を通じて同じヌクレオシド型の2つ、3つ、または4つの一様な化学的修飾を有し得る(例えば、すべてのウリジン及び/またはすべてのシチジンなどが、同じ様式で修飾される)。
修飾されたヌクレオチド塩基の対合は、標準的なアデノシン-チミン、アデノシン-ウラシル、またはグアノシン-シトシンの塩基対だけでなく、非標準的もしくは修飾された塩基を含むヌクレオチド及び/または修飾されたヌクレオチド間で形成される塩基対もまた包含し、水素結合ドナー及び水素結合アクセプターの配置は、非標準的な塩基と標準的な塩基との間、または2つの相補的な非標準的な塩基構造間の、水素結合を可能にする。そのような非標準的な塩基対合の1つの例は、修飾ヌクレオチドイノシンと、アデニン、シトシン、またはウラシルとの間の塩基対合である。塩基/糖またはリンカーの任意の組合せが、本開示のポリヌクレオチドに組み込まれ得る。
当業者であれば、別途示される場合を除き、本出願に記載されるポリヌクレオチド配列は、代表的なDNA配列において「T」が指定されるが、配列がRNAを表す場合には、「T」は「U」に置き換えられるであろうことを理解するであろう。
本開示の組成物において有用なポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)の修飾としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:2-メチルチオ-N6-(cis-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン;2-メチルチオ-N6-メチルアデノシン;2-メチルチオ-N6-トレオニルカルバモイルアデノシン;N6-グリシニルカルバモイルアデノシン;N6-イソペンテニルアデノシン;N6-メチルアデノシン;N6-トレオニルカルバモイルアデノシン;1,2’-O-ジメチルアデノシン;1-メチルアデノシン;2’-O-メチルアデノシン;2’-O-リボシルアデノシン(リン酸);2-メチルアデノシン;2-メチルチオ-N6イソペンテニルアデノシン;2-メチルチオ-N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン;2’-O-メチルアデノシン;2’-O-リボシルアデノシン(リン酸);イソペンテニルアデノシン;N6-(cis-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン;N6,2’-O-ジメチルアデノシン;N6,2’-O-ジメチルアデノシン;N6,N6,2’-O-トリメチルアデノシン;N6,N6-ジメチルアデノシン;N6-アセチルアデノシン;N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン;N6-メチル-N6-トレオニルカルバモイルアデノシン;2-メチルアデノシン;2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデノシン;7-デアザ-アデノシン;N1-メチル-アデノシン;N6,N6(ジメチル)アデニン;N6-cis-ヒドロキシ-イソペンテニル-アデノシン;α-チオ-アデノシン;2(アミノ)アデニン;2(アミノプロピル)アデニン;2(メチルチオ)N6(イソペンテニル)アデニン;2-(アルキル)アデニン;2-(アミノアルキル)アデニン;2-(アミノプロピル)アデニン;2-(ハロ)アデニン;2-(ハロ)アデニン;2-(プロピル)アデニン;2’-アミノ-2’-デオキシ-ATP;2’-アジド-2’-デオキシ-ATP;2’-デオキシ-2’-a-アミノアデノシンTP;2’-デオキシ-2’-a-アジドアデノシンTP;6(アルキル)アデニン;6(メチル)アデニン;6-(アルキル)アデニン;6-(メチル)アデニン;7(デアザ)アデニン;8(アルケニル)アデニン;8(アルキニル)アデニン;8(アミノ)アデニン;8(チオアルキル)アデニン;8-(アルケニル)アデニン;8-(アルキル)アデニン;8-(アルキニル)アデニン;8-(アミノ)アデニン;8-(ハロ)アデニン;8-(ヒドロキシル)アデニン;8-(チオアルキル)アデニン;8-(チオール)アデニン;8-アジド-アデノシン;アザアデニン;デアザアデニン;N6(メチル)アデニン;N6-(イソペンチル)アデニン;7-デアザ-8-アザ-アデノシン;7-メチルアデニン;1-デアザアデノシンTP;2’フルオロ-N6-Bz-デオキシアデノシンTP;2’-OMe-2-アミノ-ATP;2’O-メチル-N6-Bz-デオキシアデノシンTP;2’-a-エチニルアデノシンTP;2-アミノアデニン;2-アミノアデノシンTP;2-アミノ-ATP;2’-a-トリフルオロメチルアデノシンTP;2-アジドアデノシンTP;2’-b-エチニルアデノシンTP;2-ブロモアデノシンTP;2’-b-トリフルオロメチルアデノシンTP;2-クロロアデノシンTP;2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロアデノシンTP;2’-デオキシ-2’-a-メルカプトアデノシンTP;2’-デオキシ-2’-a-チオメトキシアデノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-アミノアデノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-アジドアデノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-ブロモアデノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-クロロアデノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-フルオロアデノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-ヨードアデノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-メルカプトアデノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-チオメトキシアデノシンTP;2-フルオロアデノシンTP;2-ヨードアデノシンTP;2-メルカプトアデノシンTP;2-メトキシ-アデニン;2-メチルチオ-アデニン;2-トリフルオロメチルアデノシンTP;3-デアザ-3-ブロモアデノシンTP;3-デアザ-3-クロロアデノシンTP;3-デアザ-3-フルオロアデノシンTP;3-デアザ-3-ヨードアデノシンTP;3-デアザアデノシンTP;4’-アジドアデノシンTP;4’-炭素環式アデノシンTP;4’-エチニルアデノシンTP;5’-ホモ-アデノシンTP;8-アザ-ATP;8-ブロモ-アデノシンTP;8-トリフルオロメチルアデノシンTP;9-デアザアデノシンTP;2-アミノプリン;7-デアザ-2,6-ジアミノプリン;7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン;7-デアザ-8-アザ-2-アミノプリン;2,6-ジアミノプリン;7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノプリン;2-チオシチジン;3-メチルシチジン;5-ホルミルシチジン;5-ヒドロキシメチルシチジン;5-メチルシチジン;N4-アセチルシチジン;2’-O-メチルシチジン;2’-O-メチルシチジン;5,2’-O-ジメチルシチジン;5-ホルミル-2’-O-メチルシチジン;リシジン;N4,2’-O-ジメチルシチジン;N4-アセチル-2’-O-メチルシチジン;N4-メチルシチジン;N4,N4-ジメチル-2’-OMe-シチジンTP;4-メチルシチジン;5-アザ-シチジン;シュード-イソ-シチジン;ピロロ-シチジン;α-チオ-シチジン;2-(チオ)シトシン;2’-アミノ-2’-デオキシ-CTP;2’-アジド-2’-デオキシ-CTP;2’-デオキシ-2’-a-アミノシチジンTP;2’-デオキシ-2’-a-アジドシチジンTP;3(デアザ)5(アザ)シトシン;3(メチル)シトシン;3-(アルキル)シトシン;3-(デアザ)5(アザ)シトシン;3-(メチル)シチジン;4,2’-O-ジメチルシチジン;5(ハロ)シトシン;5(メチル)シトシン;5(プロピニル)シトシン;5(トリフルオロメチル)シトシン;5-(アルキル)シトシン;5-(アルキニル)シトシン;5-(ハロ)シトシン;5-(プロピニル)シトシン;5-(トリフルオロメチル)シトシン;5-ブロモ-シチジン;5-ヨード-シチジン;5-プロピニルシトシン;6-(アゾ)シトシン;6-アザ-シチジン;アザシトシン;デアザシトシン;N4(アセチル)シトシン;1-メチル-1-デアザ-シュードイソシチジン;1-メチル-シュードイソシチジン;2-メトキシ-5-メチル-シチジン;2-メトキシ-シチジン;2-チオ-5-メチル-シチジン;4-メトキシ-1-メチル-シュードイソシチジン;4-メトキシ-シュードイソシチジン;4-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードイソシチジン;4-チオ-1-メチル-シュードイソシチジン;4-チオ-シュードイソシチジン;5-アザ-ゼブラリン;5-メチル-ゼブラリン;ピロロ-シュードイソシチジン;ゼブラリン;(E)-5-(2-ブロモ-ビニル)シチジンTP;2,2’-アンヒドロ-シチジンTP塩酸塩;2’フルオロ-N4-Bz-シチジンTP;2’フルオロ-N4-アセチル-シチジンTP;2’-O-メチル-N4-アセチル-シチジンTP;2’O-メチル-N4-Bz-シチジンTP;2’-a-エチニルシチジンTP;2’-a-トリフルオロメチルシチジンTP;2’-b-エチニルシチジンTP;2’-b-トリフルオロメチルシチジンTP;2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロシチジンTP;2’-デオキシ-2’-a-メルカプトシチジンTP;2’-デオキシ-2’-a-チオメトキシシチジンTP;2’-デオキシ-2’-b-アミノシチジンTP;2’-デオキシ-2’-b-アジドシチジンTP;2’-デオキシ-2’-b-ブロモシチジンTP;2’-デオキシ-2’-b-クロロシチジンTP;2’-デオキシ-2’-b-フルオロシチジンTP;2’-デオキシ-2’-b-ヨードシチジンTP;2’-デオキシ-2’-b-メルカプトシチジンTP;2’-デオキシ-2’-b-チオメトキシシチジンTP;2’-O-メチル-5-(1-プロピニル)シチジンTP;3’-エチニルシチジンTP;4’-アジドシチジンTP;4’-炭素環式シチジンTP;4’-エチニルシチジンTP;5-(1-プロピニル)アラ-シチジンTP;5-(2-クロロ-フェニル)-2-チオシチジンTP;5-(4-アミノ-フェニル)-2-チオシチジンTP;5-アミノアリル-CTP;5-シアノシチジンTP;5-エチニルアラ-シチジンTP;5-エチニルシチジンTP;5’-ホモ-シチジンTP;5-メトキシシチジンTP;5-トリフルオロメチル-シチジンTP;N4-アミノ-シチジンTP;N4-ベンゾイル-シチジンTP;シュードイソシチジン;7-メチルグアノシン;N2,2’-O-ジメチルグアノシン;N2-メチルグアノシン;ワイオシン;1,2’-O-ジメチルグアノシン;1-メチルグアノシン;2’-O-メチルグアノシン;2’-O-リボシルグアノシン(リン酸);2’-O-メチルグアノシン;2’-O-リボシルグアノシン(リン酸);7-アミノメチル-7-デアザグアノシン;7-シアノ-7-デアザグアノシン;アルカエオシン;メチルワイオシン;N2,7-ジメチルグアノシン;N2,N2,2’-O-トリメチルグアノシン;N2,N2,7-トリメチルグアノシン;N2,N2-ジメチルグアノシン;N2,7,2’-O-トリメチルグアノシン;6-チオ-グアノシン;7-デアザ-グアノシン;8-オキソ-グアノシン;N1-メチル-グアノシン;α-チオ-グアノシン;2(プロピル)グアニン;2-(アルキル)グアニン;2’-アミノ-2’-デオキシ-GTP;2’-アジド-2’-デオキシ-GTP;2’-デオキシ-2’-a-アミノグアノシンTP;2’-デオキシ-2’-a-アジドグアノシンTP;6(メチル)グアニン;6-(アルキル)グアニン;6-(メチル)グアニン;6-メチル-グアノシン;7(アルキル)グアニン;7(デアザ)グアニン;7(メチル)グアニン;7-(アルキル)グアニン;7-(デアザ)グアニン;7-(メチル)グアニン;8(アルキル)グアニン;8(アルキニル)グアニン;8(ハロ)グアニン;8(チオアルキル)グアニン;8-(アルケニル)グアニン;8-(アルキル)グアニン;8-(アルキニル)グアニン;8-(アミノ)グアニン;8-(ハロ)グアニン;8-(ヒドロキシル)グアニン;8-(チオアルキル)グアニン;8-(チオール)グアニン;アザグアニン;デアザグアニン;N(メチル)グアニン;N-(メチル)グアニン;1-メチル-6-チオ-グアノシン;6-メトキシ-グアノシン;6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン;6-チオ-7-デアザ-グアノシン;6-チオ-7-メチル-グアノシン;7-デアザ-8-アザ-グアノシン;7-メチル-8-オキソ-グアノシン;N2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシン;N2-メチル-6-チオ-グアノシン;1-Me-GTP;2’フルオロ-N2-イソブチル-グアノシンTP;2’O-メチル-N2-イソブチル-グアノシンTP;2’-a-エチニルグアノシンTP;2’-a-トリフルオロメチルグアノシンTP;2’-b-エチニルグアノシンTP;2’-b-トリフルオロメチルグアノシンTP;2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオログアノシンTP;2’-デオキシ-2’-a-メルカプトグアノシンTP;2’-デオキシ-2’-a-チオメトキシグアノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-アミノグアノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-アジドグアノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-ブロモグアノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-クロログアノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-フルオログアノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-ヨードグアノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-メルカプトグアノシンTP;2’-デオキシ-2’-b-チオメトキシグアノシンTP;4’-

アジドグアノシンTP;4’-炭素環式グアノシンTP;4’-エチニルグアノシンTP;5’-ホモ-グアノシンTP;8-ブロモ-グアノシンTP;9-デアザグアノシンTP;N2-イソブチル-グアノシンTP;1-メチルイノシン;イノシン;1,2’-O-ジメチルイノシン;2’-O-メチルイノシン;7-メチルイノシン;2’-O-メチルイノシン;エポキシクエオシン;ガラクトシル-クエオシン;マンノシルクエオシン;クエオシン;アリアミノ-チミジン;アザチミジン;デアザチミジン;デオキシ-チミジン;2’-O-メチルウリジン;2-チオウリジン;3-メチルウリジン;5-カルボキシメチルウリジン;5-ヒドロキシウリジン;5-メチルウリジン;5-タウリノメチル-2-チオウリジン;5-タウリノメチルウリジン;ジヒドロウリジン;シュードウリジン;(3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン;1-メチル-3-(3-アミノ-5-カルボキシプロピル)シュードウリジン;1-メチルシュードウリジン;1-メチル-シュードウリジン;2’-O-メチルウリジン;2’-O-メチルシュードウリジン;2’-O-メチルウリジン;2-チオ-2’-O-メチルウリジン;3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン;3,2’-O-ジメチルウリジン;3-メチル-シュード-ウリジンTP;4-チオウリジン;5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン;5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジンメチルエステル;5,2’-O-ジメチルウリジン;5,6-ジヒドロ-ウリジン;5-アミノメチル-2-チオウリジン;5-カルバモイルメチル-2’-O-メチルウリジン;5-カルバモイルメチルウリジン;5-カルボキシヒドロキシメチルウリジン;5-カルボキシヒドロキシメチルウリジンメチルエステル;5-カルボキシメチルアミノメチル-2’-O-メチルウリジン;5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン;5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン;5-カルボキシメチルアミノメチルウリジン;5-カルボキシメチルアミノメチルウリジン;5-カルバモイルメチルウリジンTP;5-メトキシカルボニルメチル-2’-O-メチルウリジン;5-メトキシカルボニルメチル-2-チオウリジン;5-メトキシカルボニルメチルウリジン;5-メチルウリジン、)、5-メトキシウリジン;5-メチル-2-チオウリジン;5-メチルアミノメチル-2-セレノウリジン;5-メチルアミノメチル-2-チオウリジン;5-メチルアミノメチルウリジン;5-メチルジヒドロウリジン;5-オキシ酢酸-ウリジンTP;5-オキシ酢酸-メチルエステル-ウリジンTP;N1-メチル-シュード-ウリジン;ウリジン5-オキシ酢酸;ウリジン5-オキシ酢酸メチルエステル;3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)-ウリジンTP;5-(イソ-ペンテニルアミノメチル)-2-チオウリジンTP;5-(イソ-ペンテニルアミノメチル)-2’-O-メチルウリジンTP;5-(イソ-ペンテニルアミノメチル)ウリジンTP;5-プロピニルウラシル;α-チオ-ウリジン;1(アミノアルキルアミノ-カルボニルエチレニル)-2(チオ)-シュードウラシル;1(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)-2,4-(ジチオ)シュードウラシル;1(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)-4(チオ)シュードウラシル;1(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)-シュードウラシル;1(アミノカルボニルエチレニル)-2(チオ)-シュードウラシル;1(アミノカルボニルエチレニル)-2,4-(ジチオ)シュードウラシル;1(アミノカルボニルエチレニル)-4(チオ)シュードウラシル;1(アミノカルボニルエチレニル)-シュードウラシル;1置換2(チオ)-シュードウラシル;1置換2,4-(ジチオ)シュードウラシル;1置換4(チオ)シュードウラシル;1置換シュードウラシル;1-(アミノアルキルアミノ-カルボニルエチレニル)-2-(チオ)-シュードウラシル;1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)シュードウリジンTP;1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)シュード-UTP;1-メチル-シュード-UTP;2(チオ)シュードウラシル;2’デオキシウリジン;2’フルオロウリジン;2-(チオ)ウラシル;2,4-(ジチオ)シュードウラシル;2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルオロ-グアノシン;2’-アミノ-2’-デオキシ-UTP;2’-アジド-2’-デオキシ-UTP;2’-アジド-デオキシウリジンTP;2’-O-メチルシュードウリジン;2’デオキシウリジン;2’フルオロウリジン;2’-デオキシ-2’-a-アミノウリジンTP;2’-デオキシ-2’-a-アジドウリジンTP;2-メチルシュードウリジン;3(3アミノ-3カルボキシプロピル)ウラシル;4(チオ)シュードウラシル;4-(チオ)シュードウラシル;4-(チオ)ウラシル;4-チオウラシル;5(1,3-ジアゾール-1-アルキル)ウラシル;5(2-アミノプロピル)ウラシル;5(アミノアルキル)ウラシル;5(ジメチルアミノアルキル)ウラシル;5(グアニジニウムアルキル)ウラシル;5(メトキシカルボニルメチル)-2-(チオ)ウラシル;5(メトキシカルボニル-メチル)ウラシル;5(メチル)2(チオ)ウラシル;5(メチル)2,4(ジチオ)ウラシル;5(メチル)4(チオ)ウラシル;5(メチルアミノメチル)-2(チオ)ウラシル;5(メチルアミノメチル)-2,4(ジチオ)ウラシル;5(メチルアミノメチル)-4(チオ)ウラシル;5(プロピニル)ウラシル;5(トリフルオロメチル)ウラシル;5-(2-アミノプロピル)ウラシル;5-(アルキル)-2-(チオ)シュードウラシル;5-(アルキル)-2,4(ジチオ)シュードウラシル;5-(アルキル)-4(チオ)シュードウラシル;5-(アルキル)シュードウラシル;5-(アルキル)ウラシル;5-(アルキニル)ウラシル;5-(アリルアミノ)ウラシル;5-(シアノアルキル)ウラシル;5-(ジアルキルアミノアルキル)ウラシル;5-(ジメチルアミノアルキル)ウラシル;5-(グアニジニウムアルキル)ウラシル;5-(ハロ)ウラシル;5-(1,3-ジアゾール-1-アルキル)ウラシル;5-(メトキシ)ウラシル;5-(メトキシカルボニルメチル)-2-(チオ)ウラシル;5-(メトキシカルボニル-メチル)ウラシル;5-(メチル)2(チオ)ウラシル;5-(メチル)2,4(ジチオ)ウラシル;5-(メチル)4(チオ)ウラシル;5-(メチル)-2-(チオ)シュードウラシル;5-(メチル)-2,4(ジチオ)シュードウラシル;5-(メチル)-4(チオ)シュードウラシル;5-(メチル)シュードウラシル;5-(メチルアミノメチル)-2(チオ)ウラシル;5-(メチルアミノメチル)-2,4(ジチオ)ウラシル;5-(メチルアミノメチル)-4-(チオ)ウラシル;5-(プロピニル)ウラシル;5-(トリフルオロメチル)ウラシル;5-アミノアリル-ウリジン;5-ブロモ-ウリジン;5-ヨード-ウリジン;5-ウラシル;6(アゾ)ウラシル;6-(アゾ)ウラシル;6-アザ-ウリジン;アリアミノ-ウラシル;アザウラシル;デアザウラシル;N3(メチル)ウラシル;シュード-UTP-1-2-エタン酸;シュードウラシル;4-チオ-シュード-UTP;1-カルボキシメチル-シュードウリジン;1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン;1-プロピニル-ウリジン;1-タウリノメチル-1-メチル-ウリジン;1-タウリノメチル-4-チオ-ウリジン;1-タウリノメチル-シュードウリジン;2-メトキシ-4-チオ-シュードウリジン;2-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン;2-チオ-1-メチル-シュードウリジン;2-チオ-5-アザ-ウリジン;2-チオ-ジヒドロシュードウリジン;2-チオ-ジヒドロウリジン;2-チオ-シュードウリジン;4-メトキシ-2-チオ-シュードウリジン;4-メトキシ-シュードウリジン;4-チオ-1-メチル-シュードウリジン;4-チオ-シュードウリジン;5-アザ-ウリジン;ジヒドロシュードウリジン;(±)1-(2-ヒドロキシプロピル)シュードウリジンTP;(2R)-1-(2-ヒドロキシプロピル)シュードウリジンTP;(2S)-1-(2-ヒドロキシプロピル)シュードウリジンTP;(E)-5-(2-ブロモ-ビニル)アラ-ウリジンTP;(E)-5-(2-ブロモ-ビニル)ウリジンTP;(Z)-5-(2-ブロモ-ビニル)アラ-ウリジンTP;(Z)-5-(2-ブロモ-ビニル)ウリジンTP;1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-シュード-UTP;1-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)シュードウリジンTP;1-(2,2-ジエトキシエチル)シュードウリジンTP;1-(2,4,6-トリメチルベンジル)シュードウリジンTP;1-(2,4,6-トリメチル-ベンジル)シュード-UTP;1-(2,4,6-トリメチル-フェニル)シュード-UTP;1-(2-アミノ-2-カルボキシエチル)シュード-UTP;1-(2-アミノ-エチル)シュード-UTP;1-(2-ヒドロキシエチル)シュードウリジンTP;1-(2-メトキシエチル)シュードウリジンTP;1-(3,4-ビス-トリフルオロメトキシベンジル)シュードウリジンTP;1-(3,4-ジメトキシベンジル)シュードウリジンTP;1-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)シュード-UTP;1-(3-アミノ-プロピル)シュード-UTP;1-(3-シクロプロピル-プロパ-2-イニル)シュードウリジンTP;1-(4-アミノ-4-カルボキシブチル)シュード-UTP;1-(4-アミノ-ベンジル)シュード-UTP;1-(4-アミノ-ブチル)シュード-UTP;1-(4-アミノ-フェニル)シュード-UTP;1-(4-アジドベンジル)シュードウリジンTP;1-(4-ブロモベンジル)シュードウリジンTP;1-(4-クロロベンジル)シュードウリジンTP;1-(4-フルオロベンジル)シュードウリジンTP;1-(4-ヨードベンジル)シュードウリジンTP;1-(4-メタンスルホニルベンジル)シュードウリジンTP;1-(4-メトキシベンジル)シュードウリジンTP;1-(4-メトキシ-ベンジル)シュード-UTP;1-(4-メトキシ-フェニル)シュード-UTP;1-(4-メチルベンジル)シュードウリジンTP;1-(4-メチル-ベンジル)シュード-UTP;1-(4-ニトロベンジル)シュードウリジンTP;1-(4-ニトロ-ベンジル)シュード-UTP;1(4-ニトロ-フェニル)シュード-UTP;1-(4-チオメトキシベンジル)シュードウリジンTP;1-(4-トリフルオロメトキシベンジル)シュードウリジンTP;1-(4-トリフルオロメチルベンジル)シュードウリジンTP;1-(5-アミノ-ペンチル)シュード-UTP;1-(6-アミノ-ヘキシル)シュード-UTP;1,6-ジメチル-シュード-UTP;1-[3-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-エトキシ)-プロピオニル]シュードウリジンTP;1-{3-[2-(2-アミノエトキシ)-エトキシ]-プロピオニル}シュードウリジンTP;1-アセチルシュードウリジンTP;1-アルキル-6-(1-プロピニル)-シュード-UTP;1-アルキル-6-(2-プロピニル)-シュード-UTP;1-アルキル-6-アリル-シュード-UTP;1-アルキル-6-エチニル-シュード-UTP;1-アルキル-6-ホモアリル-シュード-UTP;1-アルキル-6-ビニル-シュード-UTP;1-アリルシュードウリジンTP;1-アミノメチル-シュード-UTP;1-ベンゾイルシュードウリジンTP;1-ベンジルオキシメチルシュードウリジンTP;1-ベンジル-シュード-UTP;1-ビオチニル-PEG2-シュードウリジンTP;1-ビオチニルシュードウリジンTP;1-ブチル-シュード-UTP;1-シアノメチルシュードウ

リジンTP;1-シクロブチルメチル-シュード-UTP;1-シクロブチル-シュード-UTP;1-シクロヘプチルメチル-シュード-UTP;1-シクロヘプチル-シュード-UTP;1-シクロヘキシルメチル-シュード-UTP;1-シクロヘキシル-シュード-UTP;1-シクロオクチルメチル-シュード-UTP;1-シクロオクチル-シュード-UTP;1-シクロペンチルメチル-シュード-UTP;1-シクロペンチル-シュード-UTP;1-シクロプロピルメチル-シュード-UTP;1-シクロプロピル-シュード-UTP;1-エチル-シュード-UTP;1-ヘキシル-シュード-UTP;1-ホモアリルシュードウリジンTP;1-ヒドロキシメチルシュードウリジンTP;1-イソ-プロピル-シュード-UTP;1-Me-2-チオ-シュード-UTP;1-Me-4-チオ-シュード-UTP;1-Me-アルファ-チオ-シュード-UTP;1-メタンスルホニルメチルシュードウリジンTP;1-メトキシメチルシュードウリジンTP;1-メチル-6-(2,2,2-トリフルオロエチル)シュード-UTP;1-メチル-6-(4-モルホリノ)-シュード-UTP;1-メチル-6-(4-チオモルホリノ)-シュード-UTP;1-メチル-6-(置換フェニル)シュード-UTP;1-メチル-6-アミノ-シュード-UTP;1-メチル-6-アジド-シュード-UTP;1-メチル-6-ブロモ-シュード-UTP;1-メチル-6-ブチル-シュード-UTP;1-メチル-6-クロロ-シュード-UTP;1-メチル-6-シアノ-シュード-UTP;1-メチル-6-ジメチルアミノ-シュード-UTP;1-メチル-6-エトキシ-シュード-UTP;1-メチル-6-エチルカルボキシレート-シュード-UTP;1-メチル-6-エチル-シュード-UTP;1-メチル-6-フルオロ-シュード-UTP;1-メチル-6-ホルミル-シュード-UTP;1-メチル-6-ヒドロキシアミノ-シュード-UTP;1-メチル-6-ヒドロキシ-シュード-UTP;1-メチル-6-ヨード-シュード-UTP;1-メチル-6-イソ-プロピル-シュード-UTP;1-メチル-6-メトキシ-シュード-UTP;1-メチル-6-メチルアミノ-シュード-UTP;1-メチル-6-フェニル-シュード-UTP;1-メチル-6-プロピル-シュード-UTP;1-メチル-6-tert-ブチル-シュード-UTP;1-メチル-6-トリフルオロメトキシ-シュード-UTP;1-メチル-6-トリフルオロメチル-シュード-UTP;1-モルホリノメチルシュードウリジンTP;1-ペンチル-シュード-UTP;1-フェニル-シュード-UTP;1-ピバロイルシュードウリジンTP;1-プロパルギルシュードウリジンTP;1-プロピル-シュード-UTP;1-プロピニル-シュードウリジン;1-p-トリル-シュード-UTP;1-tert-ブチル-シュード-UTP;1-チオメトキシメチルシュードウリジンTP;1-チオモルホリノメチルシュードウリジンTP;1-トリフルオロアセチルシュードウリジンTP;1-トリフルオロメチル-シュード-UTP;1-ビニルシュードウリジンTP;2,2’-アンヒドロ-ウリジンTP;2’-ブロモ-デオキシウリジンTP;2’-F-5-メチル-2’-デオキシ-UTP;2’-OMe-5-Me-UTP;2’-OMe-シュード-UTP;2’-a-エチニルウリジンTP;2’-a-トリフルオロメチルウリジンTP;2’-b-エチニルウリジンTP;2’-b-トリフルオロメチルウリジンTP;2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロウリジンTP;2’-デオキシ-2’-a-メルカプトウリジンTP;2’-デオキシ-2’-a-チオメトキシウリジンTP;2’-デオキシ-2’-b-アミノウリジンTP;2’-デオキシ-2’-b-アジドウリジンTP;2’-デオキシ-2’-b-ブロモウリジンTP;2’-デオキシ-2’-b-クロロウリジンTP;2’-デオキシ-2’-b-フルオロウリジンTP;2’-デオキシ-2’-b-ヨードウリジンTP;2’-デオキシ-2’-b-メルカプトウリジンTP;2’-デオキシ-2’-b-チオメトキシウリジンTP;2-メトキシ-4-チオ-ウリジン;2-メトキシウリジン;2’-O-メチル-5-(1-プロピニル)ウリジンTP;3-アルキル-シュード-UTP;4’-アジドウリジンTP;4’-炭素環式ウリジンTP;4’-エチニルウリジンTP;5-(1-プロピニル)アラ-ウリジンTP;5-(2-フラニル)ウリジンTP;5-シアノウリジンTP;5-ジメチルアミノウリジンTP;5’-ホモ-ウリジンTP;5-ヨード-2’-フルオロ-デオキシウリジンTP;5-フェニルエチニルウリジンTP;5-トリジュウテロメチル-6-ジュウテロウリジンTP;5-トリフルオロメチル-ウリジンTP;5-ビニルアラウリジンTP;6-(2,2,2-トリフルオロエチル)-シュード-UTP;6-(4-モルホリノ)-シュード-UTP;6-(4-チオモルホリノ)-シュード-UTP;6-(置換-フェニル)-シュード-UTP;6-アミノ-シュード-UTP;6-アジド-シュード-UTP;6-ブロモ-シュード-UTP;6-ブチル-シュード-UTP;6-クロロ-シュード-UTP;6-シアノ-シュード-UTP;6-ジメチルアミノ-シュード-UTP;6-エトキシ-シュード-UTP;6-エチルカルボキシレート-シュード-UTP;6-エチル-シュード-UTP;6-フルオロ-シュード-UTP;6-ホルミル-シュード-UTP;6-ヒドロキシアミノ-シュード-UTP;6-ヒドロキシ-シュード-UTP;6-ヨード-シュード-UTP;6-イソ-プロピル-シュード-UTP;6-メトキシ-シュード-UTP;6-メチルアミノ-シュード-UTP;6-メチル-シュード-UTP;6-フェニル-シュード-UTP;6-フェニル-シュード-UTP;6-プロピル-シュード-UTP;6-tert-ブチル-シュード-UTP;6-トリフルオロメトキシ-シュード-UTP;6-トリフルオロメチル-シュード-UTP;アルファ-チオ-シュード-UTP;シュードウリジン1-(4-メチルベンゼンスルホン酸)TP;シュードウリジン1-(4-メチル安息香酸)TP;シュードウリジンTP1-[3-(2-エトキシ)]プロピオン酸;シュードウリジンTP1-[3-{2-(2-[2-(2-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ)-エトキシ}]プロピオン酸;シュードウリジンTP1-[3-{2-(2-[2-{2(2-エトキシ)-エトキシ}-エトキシ]-エトキシ)-エトキシ}]プロピオン酸;シュードウリジンTP1-[3-{2-(2-[2-エトキシ]-エトキシ)-エトキシ}]プロピオン酸;シュードウリジンTP1-[3-{2-(2-エトキシ)-エトキシ}]プロピオン酸;シュードウリジンTP1-メチルホスホン酸;シュードウリジンTP1-メチルホスホン酸ジエチルエステル;シュード-UTP-N1-3-プロピオン酸;シュード-UTP-N1-4-ブタン酸;シュード-UTP-N1-5-ペンタン酸;シュード-UTP-N1-6-ヘキサン酸;シュード-UTP-N1-7-ヘプタン酸;シュード-UTP-N1-メチル-p-安息香酸;シュード-UTP-N1-p-安息香酸;ワイブトシン;ヒドロキシワイブトシン;イソワイオシン;ペルオキシワイブトシン;不十分修飾(undermodified)ヒドロキシワイブトシン;4-デメチルワイオシン;2,6-(ジアミノ)プリン;1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル:1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェンチアジン-1-イル;1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル;1,3,5-(トリアザ)-2,6-(ジオキサ)-ナフタレン;2(アミノ)プリン;2,4,5-(トリメチル)フェニル;2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルオロ-シチジン;2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルオロ-アデニン;2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルオロ-ウリジン;2’-アミノ-2’-デオキシリボース;2-アミノ-6-クロロ-プリン;2-アザ-イノシニル;2’-アジド-2’-デオキシリボース;2’フルオロ-2’-デオキシリボース;2’-フルオロ修飾塩基;2’-O-メチル-リボース;2-オキソ-7-アミノピリドピリミジン-3-イル;2-オキソ-ピリドピリミジン-3-イル;2-ピリジノン;3ニトロピロール;3-(メチル)-7-(プロピニル)イソカルボスチリリル;3-(メチル)イソカルボスチリリル;4-(フルオロ)-6-(メチル)ベンゾイミダゾール;4-(メチル)ベンゾイミダゾール;4-(メチル)インドリル;4,6-(ジメチル)インドリル;5ニトロインドール;5置換ピリミジン;5-(メチル)イソカルボスチリリル;5-ニトロインドール;6-(アザ)ピリミジン;6-(アゾ)チミン;6-(メチル)-7-(アザ)インドリル;6-クロロ-プリン;6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル;7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェンチアジン-1-イル;7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル;7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル;7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェンチアジン-1-イル;7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル;7-(アザ)インドリル;7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)フェノキサジン-1-イル(phenoxazinl-yl);7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェンチアジン-1-イル;7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル;7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル;7-(グアニジニウムアルキル-ヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェンチアジン-1-イル;7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル;7-(プロピニル)イソカルボスチリリル;7-(プロピニル)イソカルボスチリリル、プロピニル-7-(アザ)インドリル;7-デアザ-イノシニル;7-置換1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル;7-置換1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル;9-(メチル)-イミジゾピリジニル;アミノインドリル;アントラセニル;ビス-オルト-(アミノアルキルヒドロキシ)-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル;ビス-オルト-置換-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル;ジフルオロトリル;ヒポキサンチン;イミジゾピリジニル;イノシニル;イソカルボスチリリル;イソグアニシン;N2-置換プリン;N6-メチル-2-アミノ-プリン;N6-置換プリン;N-アルキル化誘導体;ナフタレニル(napthalenyl);ニトロベンゾイミダゾリル;ニトロイミダゾリル;ニトロインダゾリル;ニトロピラゾリル;ヌブラリン;O6-置換プリン;O-アルキル化誘導体;オルト-(アミノアルキルヒドロキシ)-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル;オルト-置換-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル;オキソホルマイシンTP;パラ-(アミノアルキルヒドロキシ)-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル;パラ-置換-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル;ペンタセニル;フェナントラセニル;フェニル;プロピニル-7-(アザ)インドリル;ピ

レニル;ピリドピリミジン-3-イル;ピリドピリミジン-3-イル、2-オキソ-7-アミノ-ピリドピリミジン-3-イル;ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル;ピロロピリミジニル;ピロロピリジニル;スチルベンジル;置換1,2,4-トリアゾール;テトラセニル;ツベルシジン;キサンチン;キサントシン-5’-TP;2-チオ-ゼブラリン;5-アザ-2-チオ-ゼブラリン;7-デアザ-2-アミノ-プリン;ピリジン-4-オンリボヌクレオシド;2-アミノ-リボシド-TP;ホルマイシンA TP;ホルマイシンB TP;ピロロシンTP;2’-OH-アラ-アデノシンTP;2’-OH-アラ-シチジンTP;2’-OH-アラ-ウリジンTP;2’-OH-アラ-グアノシンTP;5-(2-カルボメトキシビニル)ウリジンTP;及びN6-(19-アミノ-ペンタオキサノナデシル)アデノシンTP。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、前述の修飾された核酸塩基のうちの少なくとも2つ(例えば2つ、3つ、4つ、またはそれ以上)の組合せを含む。
いくつかの実施形態では、mRNAは、少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドは、シュードウリジン(ψ)、N1-メチルシュードウリジン(m1ψ)、2-チオウリジン(s2U)、4’-チオウリジン、5-メチルシトシン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン、2-チオ-1-メチル-シュードウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ジヒドロシュードウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-シュードウリジン、4-メトキシ-2-チオ-シュードウリジン、4-メトキシ-シュードウリジン、4-チオ-1-メチル-シュードウリジン、4-チオ-シュードウリジン、5-アザ-ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5-メチルウリジン、5-メトキシウリジン、2’-O-メチルウリジン、1-メチル-シュードウリジン(m1ψ)、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)、5-メチル-シチジン(m5C)、α-チオ-グアノシン、α-チオ-アデノシン、5-シアノウリジン、4’-チオウリジン7-デアザ-アデニン、1-メチル-アデノシン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデノシン(m6A)、及び2,6-ジアミノプリン、(I)、1-メチル-イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7-デアザ-グアノシン、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン(preQ1)、7-メチル-グアノシン(m7G)、1-メチル-グアノシン(m1G)、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、2,8-ジメチルアデノシン、2-ゲラニルチオウリジン、2-リシジン、2-セレノウリジン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)-5,6-ジヒドロウリジン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)シュードウリジン、3-メチルシュードウリジン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)-2’-O-メチルウリジンメチルエステル、5-アミノメチル-2-ゲラニルチオウリジン、5-アミノメチル-2-セレノウリジン、5-アミノメチルウリジン、5-カルバモイルヒドロキシメチルウリジン、5-カルバモイルメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-ゲラニルチオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-セレノウリジン、5-シアノメチルウリジン、5-ヒドロキシシチジン、5-メチルアミノメチル-2-ゲラニルチオウリジン、7-アミノカルボキシプロピル-デメチルワイオシン、7-アミノカルボキシプロピルワイオシン、7-アミノカルボキシプロピルワイオシンメチルエステル、8-メチルアデノシン、N4,N4-ジメチルシチジン、N6-ホルミルアデノシン、N6-ヒドロキシメチルアデノシン、アグマチジン、環状N6-トレオニルカルバモイルアデノシン、グルタミル-クエオシン、メチル化不十分修飾ヒドロキシワイブトシン、N4,N4,2’-O-トリメチルシチジン、ゲラニル化5-メチルアミノメチル-2-チオウリジン、ゲラニル化5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、Q塩基、preQ0塩基、preQ1塩基、及びこれらの2つまたはそれ以上の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドは、シュードウリジン、N1-メチルシュードウリジン、5-メチルシトシン、5-メトキシウリジン、及びこれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、前述の修飾された核酸塩基のうちの少なくとも2つ(例えば2つ、3つ、4つ、またはそれ以上)の組合せを含む。
(i)塩基修飾
ある特定の実施形態では、化学的修飾は、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)の核酸塩基におけるものである。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学的に修飾された核酸塩基を含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学的に修飾された核酸塩基は、シュードウラシル(ψ)、N1-メチルシュードウラシル(m1ψ)、2-チオウラシル(s2U)、4’-チオウラシル、5-メチルシトシン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードウラシル、2-チオ-1-メチル-シュードウラシル、2-チオ-5-アザ-ウラシル、2-チオ-ジヒドロシュードウラシル、2-チオ-ジヒドロウラシル、2-チオ-シュードウラシル、4-メトキシ-2-チオ-シュードウラシル、4-メトキシ-シュードウラシル、4-チオ-1-メチル-シュードウラシル、4-チオ-シュードウラシル、5-アザ-ウラシル、ジヒドロシュードウラシル、5-メチルウラシル、5-メトキシウラシル、2’-O-メチルウラシル、1-メチル-シュードウラシル(m1ψ)、5-メトキシ-ウラシル(mo5U)、5-メチル-シトシン(m5C)、α-チオ-グアニン、α-チオ-アデニン、5-シアノウラシル、4’-チオウラシル、7-デアザ-アデニン、1-メチル-アデニン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデニン(m6A)、及び2,6-ジアミノプリン、(I)、1-メチル-イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7-デアザ-グアニン、7-シアノ-7-デアザ-グアニン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアニン(preQ1)、7-メチル-グアニン(m7G)、1-メチル-グアニン(m1G)、8-オキソ-グアニン、7-メチル-8-オキソ-グアニン、及びこれらの2つまたはそれ以上の組合せからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド中の核酸塩基は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%だけ化学的に修飾される。
いくつかの実施形態では、化学的に修飾された核酸塩基は、ウラシル、アデニン、シトシン、グアニン、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド中のウラシルは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%だけ化学的に修飾される。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド中のアデニンは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%だけ化学的に修飾される。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド中のシトシンは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%だけ化学的に修飾される。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド中のグアニンは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%だけ化学的に修飾される。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、修飾された核酸塩基の少なくとも2つ(例えば2つ、3つ、4つ、またはそれ以上)の組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)における修飾された核酸塩基は、1-メチル-シュードウリジン(m1ψ)、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)、5-メチル-シチジン(m5C)、シュードウリジン(ψ)、α-チオ-グアノシン、及びα-チオ-アデノシンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、前述の修飾された核酸塩基のうちの少なくとも2つ(例えば2つ、3つ、4つ、またはそれ以上)の組合せを含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、シュードウリジン(ψ)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、1-メチル-シュードウリジン(m1ψ)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、1-メチル-シュードウリジン(m1ψ)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、2-チオウリジン(s2U)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、2-チオウリジン及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、メトキシウリジン(mo5U)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、2’-O-メチルウリジンを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、2’-O-メチルウリジン及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、N6-メチル-アデノシン(m6A)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、N6-メチル-アデノシン(m6A)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばRNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、特定の修飾に関しては一様に修飾される(例えば完全に修飾される、配列全体を通じて修飾される)。例えば、ポリヌクレオチドは、5-メチル-シチジン(m5C)で一様に修飾され得、これは、mRNA配列におけるすべてのシトシン残基が、5-メチル-シチジン(m5C)で置き換えられることを意味する。同様に、ポリヌクレオチドは、配列に存在する任意の種類のヌクレオシド残基について、上記に記載されるもののうちのいずれかなど、修飾された残基との置換えによって、一様に修飾され得る。
いくつかの実施形態では、修飾された核酸塩基は、修飾されたシトシンである。修飾されたシトシンを有する核酸塩基及びヌクレオシドの例としては、N4-アセチル-シチジン(ac4C)、5-メチル-シチジン(m5C)、5-ハロ-シチジン(例えば5-ヨード-シチジン)、5-ヒドロキシメチル-シチジン(hm5C)、1-メチル-シュードイソシチジン、2-チオ-シチジン(s2C)、及び2-チオ-5-メチル-シチジンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾された核酸塩基は、修飾されたウリジンである。修飾されたウリジンを有する核酸塩基及びヌクレオシドの例としては、5-シアノウリジンまたは4’-チオウリジンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾された核酸塩基は、修飾されたアデニンである。修飾されたアデニンを有する核酸塩基及びヌクレオシドの例としては、7-デアザ-アデニン、1-メチル-アデノシン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデニン(m6A)、及び2,6-ジアミノプリンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾された核酸塩基は、修飾されたグアニンである。修飾されたグアニンを有する核酸塩基及びヌクレオシドの例としては、イノシン(I)、1-メチル-イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7-デアザ-グアノシン、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン(preQ1)、7-メチル-グアノシン(m7G)、1-メチル-グアノシン(m1G)、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、核酸配列、及び/またはORF中の核酸塩基、糖、骨格、またはこれらの任意の組み合わせは、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%だけ化学的に修飾される。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書の他の箇所に開示されるサブユニットリンカー、膜ドメインリンカー、及び異種ポリペプチドリンカーを含む、ヌクレオシド間に任意の有用なリンカーを含み得る。骨格修飾を含み、本開示の組成物において有用である、そのようなリンカーとしては以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:3’-アルキレンホスホネート、3’-アミノホスホロアミデート、アルケン含有骨格、アミノアルキルホスホロアミデート、アミノアルキルホスホトリエステル、ボラノホスフェート、-CH-O-N(CH)-CH-、-CH-N(CH)-N(CH)-CH-、-CH-NH-CH-、キラルホスホネート、キラルホスホロチオエート、ホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格、メチレン(メチルイミノ)、メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格、メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ骨格、モルホリノ結合、-N(CH)-CH-CH-、ヘテロ原子ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオシド、ホスフィネート、ホスホロアミデート、ホスホロジチオエート、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、ホスホロチオエート、ホスホトリエステル、PNA、シロキサン骨格、スルファメート骨格、スルフィドスルホキシド及びスルホン骨格、スルホネート及びスルホンアミド骨格、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、ならびにチオノホスホロアミデート。
(ii)糖修飾
ポリヌクレオチド(例えば本明細書に記載されるRNAまたはmRNA)に組み込むことができる修飾されたヌクレオシド及びヌクレオチド(例えばビルディングブロック分子)は、リボ核酸の糖に修飾され得る。例えば、2’ヒドロキシル基(OH)が、修飾され得るか、またはいくつかの異なる置換基で置き換えられ得る。2’位における例示的な置換基としては、H、ハロ、任意選択で置換されるC1~6アルキル;任意選択で置換されるC1~6アルコキシ;任意選択で置換されるC6~10アリールオキシ;任意選択で置換されるC3~8シクロアルキル;任意選択で置換されるC3~8シクロアルコキシ;任意選択で置換されるC6~10アリールオキシ;任意選択で置換されるC6~10アリール-C1~6アルコキシ;任意選択で置換されるC1~12(ヘテロシクリル)オキシ;糖(例えばリボース、ペントース、または本明細書に記載される任意のもの);ポリエチレングリコール(PEG)、-O(CHCHO)CHCHOR、式中Rは、Hまたは任意選択で置換されるアルキルであり、nは、0~20(例えば0~4、0~8、0~10、0~16、1~4、1~8、1~10、1~16、1~20、2~4、2~8、2~10、2~16、2~20、4~8、4~10、4~16、及び4~20)の整数である;2’-ヒドロキシルがC1~6アルキレンまたはC1~6ヘテロアルキレン架橋によって同じリボース糖の4’-炭素に結合されている「ロックド」核酸(LNA)であり、この例示的な架橋は、メチレン、プロピレン、エーテル、またはアミノ架橋を含む;本明細書に定義されるアミノアルキル;本明細書に定義されるアミノアルコキシ;本明細書に定義されるアミノ;及び本明細書に定義されるアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。
一般的に、RNAは、酸素を有する5員環である、糖基リボースを含む。例示的で非限定的な修飾されたヌクレオチドとしては、リボースにおける酸素の置換え(例えばS、Se、またはアルキレン、例えばメチレンまたはエチレンでの);二重結合の付加(例えばリボースをシクロペンテニルまたはシクロヘキセニルで置き換えるため);リボースの環縮小(例えばシクロブタンまたはオキセタンの4員環を形成するため);リボースの環拡大(例えばホスホロアミデート骨格も有する、例えばアンヒドロヘキシトール、アルトリトール、マンニトール、シクロヘキサニル、シクロヘキセニル、及びモルホリノのための、追加の炭素またはヘテロ原子を有する6または7員環を形成するため);多環式形態(例えばトリシクロ;及び「アンロックド」形態、例えばグリコール核酸(GNA)(例えばR-GNAまたはS-GNA、リボースがホスホジエステル結合に結合したグリコール単位によって置き換えられる)、トレオース核酸(TNA、リボースがα-L-トレオフラノシル-(3’→2’)で置き換えられる)、及びペプチド核酸(PNA、2-アミノ-エチル-グリシン結合が、リボース及びホスホジエステル骨格を置き換える)が挙げられる。糖基はまた、リボースにおける対応する炭素のものとは逆の立体化学構造を有する、1つまたは複数の炭素を含有し得る。したがって、ポリヌクレオチド分子は、例えばアラビノースを糖として含有するヌクレオチドを含み得る。そのような糖修飾は、国際特許公開第WO2013052523号及び同第WO2014093924号に教示されており、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(iii)修飾の組合せ
本開示のポリヌクレオチド(例えば、連結したIL-12ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド)は、糖、核酸塩基、及び/またはヌクレオシド間結合に対する修飾の組合せを含み得る。これらの組合せは、本明細書に記載される任意の1つまたは複数の修飾を含み得る。
修飾されたヌクレオチドの組合せを使用して、本開示のポリヌクレオチドを形成することができる。別途示されない限り、修飾されたヌクレオチドは、本開示のポリヌクレオチドの天然のヌクレオチドを、完全に置換してもよい。非限定的な例として、天然のヌクレオチドウリジンは、本明細書に記載される修飾されたヌクレオシドで置換され得る。別の非限定的な例では、天然のヌクレオチドウリジンは、本明細書に開示される修飾されたヌクレオシドのうちの少なくとも1つで、部分的に(例えば約0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99.9%)置換され得るかまたは置き換えられ得る。塩基/糖またはリンカーの任意の組合せが、本開示のポリヌクレオチドに組み込まれ得、そのような修飾は、国際特許公開第WO2013052523号及び同第WO2014093924号、ならびに米国公開第US20130115272号及び同第US20150307542号に教示されており、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
13.非翻訳領域(UTR)
非翻訳領域(UTR)は、翻訳されない、開始コドンの前(5’UTR)及び終止コドンの後(3’UTR)のポリヌクレオチドの核酸区画である。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばリボ核酸(RNA)、例えばメッセンジャーRNA(mRNA))はさらに、UTR(例えば5’UTRもしくはその機能的断片、3’UTRもしくはその機能的断片、またはこれらの組合せ)を含む。
UTRは、ポリヌクレオチドのコード領域に相同であっても異種であってもよい。いくつかの実施形態では、UTRは、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列に相同である。いくつかの実施形態では、UTRは、IL-12ポリペプチドをコードする核酸配列に対して異種である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、2つまたはそれ以上の5’UTRまたはその機能的断片を含み、これらのそれぞれは、同じかまたは異なるヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、2つまたはそれ以上の3’UTRまたはその機能的断片を含み、これらのそれぞれは、同じかまたは異なるヌクレオチド配列を有する。
いくつかの実施形態では、5’UTRもしくはその機能的断片、3’UTRもしくはその機能的断片、またはこれらの任意の組合せは、配列最適化される。
いくつかの実施形態では、5’UTRもしくはその機能的断片、3’UTRもしくはその機能的断片、またはこれらの任意の組合せは、少なくとも1つの化学的に修飾された核酸塩基、例えば、1メチルシュードウリジンまたは5-メトキシウラシルを含む。
UTRは、制御上の役割、例えば増大または減少した安定性、局在化、及び/または翻訳効率を提供するフィーチャを有し得る。UTRを含むポリヌクレオチドは、細胞、組織、または生物に投与することができ、1つまたは複数の制御上のフィーチャは、日常的な方法を使用して測定することができる。いくつかの実施形態では、5’UTRまたは3’UTRの機能的断片は、それぞれ完全長5’または3’UTRの1つまたは複数の制御上のフィーチャを含む。
天然の5’UTRは、翻訳開始において役割を果たすフィーチャを有する。それらは、リボソームが多数の遺伝子の翻訳を開始するプロセスに関与することが一般に公知である、コザック配列のようなものを特徴としている。コザック配列はコンセンサスCCR(A/G)CCAUGG(配列番号216)を有し、式中Rは、別の「G」が後に続く開始コドン(AUG)の3塩基上流にあるプリン(アデニンまたはグアニン)である。5’UTRはまた、伸長因子の結合に関与する二次構造を形成することも公知である。
特定の標的器官の豊富に発現される遺伝子において典型的に見出されるフィーチャを操作することによって、ポリヌクレオチドの安定性及びタンパク質産生を増強することができる。例えば、肝臓に発現されるmRNA、例えばアルブミン、血清アミロイドA、アポリポタンパク質A/B/E、トランスフェリン、アルファフェトプロテイン、エリスロポエチン、または第VIII因子の5’UTRの導入により、肝細胞株または肝臓におけるポリヌクレオチドの発現を増強することができる。同様に、その組織における発現を向上させるために他の組織特異的mRNAに由来する5’UTRを使用することが、筋肉(例えばMyoD、ミオシン、ミオグロビン、ミオゲニン、ハーキュリン)、内皮細胞(例えばTie-1、CD36)、骨髄系細胞(例えばC/EBP、AML1、G-CSF、GM-CSF、CD11b、MSR、Fr-1、i-NOS)、白血球(例えばCD45、CD18)、脂肪組織(例えばCD36、GLUT4、ACRP30、アディポネクチン)、及び肺上皮細胞(例えばSP-A/B/C/D)に可能である。
いくつかの実施形態では、UTRは、タンパク質が共通の機能、構造、フィーチャ、または特性を共有している転写物のファミリーから選択される。例えば、コードされるポリペプチドは、特定の細胞、組織において、または発達中の何らかの時点で、発現される、タンパク質のファミリーに属し得る(すなわち、少なくとも1つの機能、構造、フィーチャ、局在化、起源、または発現パターンを共有する)。遺伝子またはmRNAのいずれかに由来するUTRを、同じかまたは異なるタンパク質のファミリーの他の任意のUTRと交換して、新しいポリヌクレオチドを作製することができる。
いくつかの実施形態では、5’UTR及び3’UTRは、異種であり得る。いくつかの実施形態では、5’UTRは、3’UTRとは異なる種に由来し得る。いくつかの実施形態では、3’UTRは、5’UTRとは異なる種に由来し得る。
共有の国際特許出願第PCT/US2014/021522号(公開第WO/2014/164253号、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、本開示のポリヌクレオチドにおいて、ORFに隣接する領域として利用することができる例示的なUTRの一覧を提供する。
本出願の例示的なUTRとしては、グロビン、例えばα-またはβ-グロビン(例えばXenopus、マウス、ウサギ、またはヒトグロビン);強力なコザック翻訳開始シグナル;CYBA(例えば、ヒトシトクロムb-245αポリペプチド);アルブミン(例えば、ヒトアルブミン7);HSD17B4(水酸化ステロイド(17-β)デヒドロゲナーゼ);ウイルス(例えば、タバコエッチウイルス(TEV)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)、デングウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)(例えばCMV最初期1(IE1))、肝炎ウイルス(例えばB型肝炎ウイルス)、シンドビスウイルス、またはPAVオオムギ黄化萎縮ウイルス);熱ショックタンパク質(例えばhsp70);翻訳開始因子(例えばelF4G);グルコース輸送体(例えばhGLUT1(ヒトグルコース輸送体1));アクチン(例えばヒトαまたはβアクチン);GAPDH;チューブリン;ヒストン;クエン酸回路酵素;トポイソメラーゼ(例えば5’TOPモチーフ(オリゴピリミジントラクト)を欠くTOP遺伝子の5’UTR);リボソームタンパク質大型32(L32);リボソームタンパク質(例えばヒトまたはマウスリボソームタンパク質、例えばrps9など);ATPシンターゼ(例えばATP5A1またはミトコンドリアH-ATPシンターゼのβサブユニット);成長ホルモンe(例えばウシ(bGH)またはヒト(hGH));伸長因子(例えば伸長因子1α1(EEF1A1));マンガンスーパーオキシドジスムターゼ(MnSOD);筋細胞エンハンサー因子2A(MEF2A);β-F1-ATPase、クレアチンキナーゼ、ミオグロビン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF);コラーゲン(例えば、I型コラーゲンアルファ2(Col1A2)、I型コラーゲンアルファ1(Col1A1)、VI型コラーゲンアルファ2(Col6A2)、VI型コラーゲンアルファ1(Col6A1));リボフォリン(例えばリボフォリンI(RPNI));低比重リポタンパク質受容体関連タンパク質(例えばLRP1);カルジオトロフィン様サイトカイン因子(例えばNnt1);カルレティキュリン(Calr);プロコラーゲン-リジン、2-オキソグルタレート5-ジオキシゲナーゼ1(Plod1);及びヌクレオバインディン(例えばNucb1)の核酸配列に由来する1つまたは複数の5’UTR及び/または3’UTRが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、5’UTRは、β-グロビン5’UTR;強力なコザック翻訳開始シグナルを含有する5’UTR;シトクロムb-245αポリペプチド(CYBA)5’UTR;水酸化ステロイド(17-β)デヒドロゲナーゼ(HSD17B4)5’UTR;タバコエッチウイルス(TEV)5’UTR;ベネズエラウマ脳炎ウイルス(TEEV)5’UTR;非構造的タンパク質をコードする風疹ウイルス(RV)RNAの5’近位オープンリーディングフレーム;デングウイルス(DEN)5’UTR;熱ショックタンパク質70(Hsp70)5’UTR;eIF4G 5’UTR;GLUT1 5’UTR;これらの機能的断片及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、3’UTRは、β-グロビン3’UTR;CYBA 3’UTR;アルブミン3’UTR;成長ホルモン(GH)3’UTR;VEEV 3’UTR;B型肝炎ウイルス(HBV)3’UTR;α-グロビン3’UTR;DEN 3’UTR;PAVオオムギ黄化萎縮ウイルス(BYDV-PAV)3’UTR;伸長因子1 α1(EEF1A1)3’UTR;マンガンスーパーオキシドジスムターゼ(MnSOD)3’UTR;ミトコンドリアH(+)-ATPシンターゼのβサブユニット(β-mRNA)3’UTR;GLUT1 3’UTR;MEF2A 3’UTR;β-F1-ATPase 3’UTR;これらの機能的断片及びこれらの組合せからなる群から選択される。
任意の遺伝子またはmRNAに由来する野生型UTRが、本開示のポリヌクレオチドに組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、UTRは、例えばORFに対するUTRの配向または位置を変更することによって、または追加のヌクレオチドの包含、ヌクレオチドの欠失、ヌクレオチドの交換もしくは転位によって、野生型または天然のUTRに対して変化させて、バリアントUTRを産生することができる。いくつかの実施形態では、5’または3’UTRのバリアント、例えば野生型UTRの変異体、または1つもしくは複数のヌクレオチドがUTRの末端に付加されたかもしくはそこから除去されたバリアントが、利用され得る。
加えて、1つまたは複数の合成UTRを、1つまたは複数の非合成UTRと組合せて使用してもよい。例えば、Mandal及びRossi,Nat.Protoc.2013 8(3):568-82(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、ならびにwww.addgene.org/Derrick_Rossi/(最終アクセス2016年4月16日)で入手可能な配列を参照のこと。UTRまたはその部分は、それらが選択された転写物と同じ配向で配置されてもよく、または配向もしくは位置を変化させてもよい。それゆえ、5’及び/または3’UTRは、逆転されるか、短くされるか、延長されるか、または1つもしくは複数の他の5’UTRもしくは3’UTRと組み合わされてもよい。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、複数のUTR、例えば二重、三重、または四重の5’UTRまたは3’UTRを含む。例えば、二重UTRは、直列または実質的に直列のいずれかで、同じUTRの2つのコピーを含む。例えば、二重β-グロビン3’UTRを、使用することができる(US2010/0129877を参照されたく、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
ある特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に開示されるUTRのいずれかから選択される5’UTR及び/または3’UTRを含む。
いくつかの実施形態では、5’UTRは、配列番号55~63及び82~97からなる群から選択される配列を含む。
いくつかの実施形態では、3’UTRは、配列番号64~81からなる群から選択される配列を含む。
ある特定の実施形態では、本開示の5’UTR及び/または3’UTR配列は、本明細書に開示される5’UTR配列のいずれかを含む5’UTR配列及び/または本明細書に開示される3’UTR配列のいずれかを含む3’UTR配列、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される配列に少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは約100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
ある特定の実施形態では、3’UTR配列は、3’UTRの機能を破壊することなく、1または複数のmiRNA結合部位、例えばmiR-122結合部位、またはその中の他の任意の異種ヌクレオチド配列を含む。miRNA結合部位を含む3’UTR配列のいくつかの例を配列番号222~224に記載する。いくつかの実施形態では、3’UTR配列は、配列番号222~224からなる群から選択される配列に少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある特定の実施形態では、3’UTR配列は、配列番号222に少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある特定の実施形態では、3’UTR配列は、配列番号223に少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある特定の実施形態では、3’UTR配列は、配列番号224に少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
本開示のポリヌクレオチドは、フィーチャの組合せを含み得る。例えば、ORFには、強力なコザック翻訳開始シグナルを含む5’UTR及び/またはポリ-A尾部の鋳型付加のためのオリゴ(dT)配列を含む3’UTRが、隣接していてもよい。5’UTRは、同じ及び/または異なるUTRに由来する第1のポリヌクレオチド断片及び第2のポリヌクレオチド断片を含み得る(例えばUS2010/0293625を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
他の非UTR配列を、本開示のポリヌクレオチド内の領域または部分領域として使用してもよい。例えば、イントロンまたはイントロン配列の部分が、本開示のポリヌクレオチドに組み込まれ得る。イントロン配列の組込みにより、タンパク質の産生及びポリヌクレオチドの発現レベルを増大させることができる。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、UTRの代わりまたはそれに加えて、内部リボソーム進入部位(IRES)を含む(例えば、Yakubov et.,al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.2010 394(1):189-193を参照されたく、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、5’UTR配列の代わりにIRESを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、ORF及びウイルスキャプシド配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、合成5’UTRを、非合成3’UTRと組合せて含む。
いくつかの実施形態では、UTRはまた、少なくとも1つの翻訳エンハンサーポリヌクレオチド、1つの翻訳エンハンサーエレメント、または複数の翻訳エンハンサーエレメント(集合的に「TEE」、これはポリヌクレオチドから産生されるポリペプチドまたはタンパク質の量を増大させる核酸配列を指す)を含み得る。非限定的な例として、TEEとしては、US2009/0226470(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるもの、及び当技術分野において公知のその他のものを挙げることができる。非限定的な例として、TEEは、転写プロモーターと開始コドンとの間に位置してもよい。いくつかの実施形態では、5’UTRは、TEEを含む。
一態様では、TEEは、核酸の翻訳活性、例えば限定されないが、キャップ依存性またはキャップ非依存性翻訳を促進し得る、UTR内の保存されたエレメントである。
1つの非限定的な例では、TEEは、Gtxホメオドメインタンパク質の5’リーダーにおけるTEE配列を含む。Chappell et al.,PNAS 2004 101:9590-9594を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、TEEの1つまたは複数のコピーを含む。翻訳エンハンサーポリヌクレオチドにおけるTEEは、1つまたは複数の配列セグメント中に編成され得る。配列セグメントは、本明細書において提供されるTEEのうちの1つまたは複数を保有してよく、それぞれのTEEは、1つまたは複数のコピーで存在している。複数の配列セグメントが翻訳エンハンサーポリヌクレオチドに存在する場合、それらは、同種であっても異種であってもよい。したがって、翻訳エンハンサーポリヌクレオチドにおける複数の配列セグメントは、本明細書において提供される同一または異なる種類のTEE、同一または異なる数のそれぞれのTEEのコピー、及び/またはそれぞれの配列セグメント内で同一もしくは異なる編成のTEEを保有し得る。一実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、翻訳エンハンサーポリヌクレオチド配列を含む。TEE配列の非限定的な例は、米国公開第2014/0200261号に記載されており、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
14.機能的RNAエレメント
いくつかの実施形態では、本開示は、修飾(例えば、RNAエレメント)を含むポリヌクレオチドを提供し、該修飾は、所望の翻訳調節活性を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、5’非翻訳領域(UTR)、開始コドン、ポリペプチドをコードする全オープンリーディングフレーム、3’UTR、及び少なくとも1つの修飾を含むポリヌクレオチドを提供し、この少なくとも1つの修飾は、所望の翻訳調節活性、例えば、mRNA翻訳の翻訳忠実度を促進及び/または増強する修飾を提供する。いくつかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、シス作用調節活性である。いくつかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、開始コドンにおける、またはその近くの43S開始前複合体(PIC)またはリボソームの滞留時間の増大である。いくつかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、開始コドンにおける、または開始コドンからのポリペプチド合成の開始の増大である。いくつかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、完全オープンリーディングフレームから翻訳されたポリペプチドの量の増大である。いくつかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、PICまたはリボソームによる開始コドンの解読の忠実度の増大である。いくつかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、PICまたはリボソームによるリーキースキャニングの阻害または低減である。いくつかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、PICまたはリボソームによる開始コドンの解読速度の低下である。いくつかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、開始コドン以外のmRNA内の任意のコドンにおけるポリペプチド合成の開始の阻害または減少である。いくつかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、完全オープンリーディングフレーム以外のmRNA内の任意のオープンリーディングフレームから翻訳されたポリペプチドの量の阻害または減少である。いくつかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、異常な翻訳産物の産生の阻害または減少である。いくつかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、前述の翻訳調節活性のうちの1つまたは複数の組み合わせである。
したがって、本開示は、本明細書に記載の所望の翻訳調節活性を提供する、配列及び/またはRNA二次構造(複数可)を含むRNAエレメントを含むポリヌクレオチド、例えば、mRNAを提供する。いくつかの態様では、mRNAは、mRNA翻訳の翻訳忠実度を促進及び/または増強する、配列及び/またはRNA二次構造(複数可)を含むRNAエレメントを含む。いくつかの態様では、mRNAは、リーキースキャニングの阻害及び/または低減などの所望の翻訳調節活性を提供する、配列及び/またはRNA二次構造(複数可)を含むRNAエレメントを含む。いくつかの態様では、本開示は、リーキースキャニングを阻害及び/または低減し、それによりmRNAの翻訳忠実度を促進する、配列及び/またはRNA二次構造(複数)を含むRNAエレメントを含むmRNAを提供する。
いくつかの実施形態では、RNAエレメントは、天然及び/または修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、RNAエレメントは、本明細書に記載されるように所望の翻訳調節活性を提供する、連結ヌクレオチドの配列、またはその誘導体もしくは類似体を含む。いくつかの実施形態では、RNAエレメントは、安定なRNA二次構造を形成または折り畳む連結ヌクレオチドの配列、またはその誘導体もしくは類似体を含み、該RNA二次構造は、本明細書に記載の所望の翻訳調節活性を提供する。RNAエレメントは、そのエレメントの一次配列(例えば、GCリッチエレメント)に基づいて、そのエレメントによって形成されるRNA二次構造(例えば、ステムループ)によって、RNA分子内のエレメントの位置によって(例えば、mRNAの5’UTR内に位置する)、エレメント(例えば、「翻訳エンハンサーエレメント」)の生物学的機能及び/または活性によって、ならびにそれらの任意の組み合わせによって、同定されてもよく、及び/または特徴付けされてもよい。
いくつかの実施形態では、本開示は、リーキースキャニングを阻害するか、及び/またはmRNA翻訳の翻訳忠実度を促進する1つまたは複数の構造修飾を有するmRNAを提供し、該構造修飾の少なくとも1つはGCリッチRNAエレメントである。いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含むmRNAを提供し、この少なくとも1つの修飾は、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列に先行する、連結ヌクレオチドの配列、またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチRNAエレメントである。一実施形態では、GCリッチRNAエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列の約30、約25、約20、約15、約10、約5、約4、約3、約2、または約1ヌクレオチド(複数可)上流に位置する。別の実施形態では、GCリッチRNAエレメントは、コザックコンセンサス配列の15~30、15~20、15~25、10~15、または5~10ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、GCリッチRNAエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列に直接隣接して位置する。
いくつかの実施形態では、本開示は、任意の順序で連結された、3~30、5~25、10~20、15~20、約20、約15、約12、約10、約7、約6または約3ヌクレオチドの配列、それらの誘導体または類似体を含むGCリッチRNAエレメントを提供し、この配列組成は、70~80%シトシン、60~70%シトシン、50%~60%シトシン、40~50%シトシン、30~40%シトシン塩基である。いくつかの実施形態では、本開示は、任意の順序で連結された、3~30、5~25、10~20、15~20、約20、約15、約12、約10、約7、約6または約3ヌクレオチドの配列、それらの誘導体または類似体を含むGCリッチRNAエレメントを提供し、この配列組成は、約80%シトシン、約70%シトシン、約60%シトシン、約50%シトシン、約40%シトシン、または約30%シトシンである。
いくつかの実施形態では、本開示は、任意の順序で連結された、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4もしくは3ヌクレオチドの配列、またはそれらの誘導体もしくは類似体を含むGCリッチRNAエレメントを提供し、この配列組成は、70~80%シトシン、60~70%シトシン、50%~60%シトシン、40~50%シトシン、または30~40%シトシンである。いくつかの実施形態では、本開示は、任意の順序で連結された、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4もしくは3ヌクレオチドの配列、またはそれらの誘導体もしくは類似体を含むGCリッチRNAエレメントを提供し、この配列組成は、約80%シトシン、約70%シトシン、約60%シトシン、約50%シトシン、約40%シトシン、または約30%シトシンである。
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含むmRNAを提供し、この少なくとも1つの修飾は、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列に先行する、連結ヌクレオチドの配列、またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチRNAエレメントであり、このGCリッチRNAエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列の約30、約25、約20、約15、約10、約5、約4、約3、約2、または約1ヌクレオチド(複数可)上流に位置し、このGCリッチRNAエレメントは、任意の順序で連結された、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20ヌクレオチドの配列、またはそれらの誘導体もしくは類似体を含み、この配列組成は>50%シトシンである。いくつかの実施形態では、配列組成は、>55%シトシン、>60%シトシン、>65%シトシン、>70%シトシン、>75%シトシン、>80%シトシン、>85%シトシン、または>90%シトシンである。
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含むmRNAを提供し、この少なくとも1つの修飾は、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列に先行する、連結ヌクレオチドの配列、またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチRNAエレメントであり、このGCリッチRNAエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列の約30、約25、約20、約15、約10、約5、約4、約3、約2、または約1ヌクレオチド(複数可)上流に位置し、このGCリッチRNAエレメントは、約3~30、5~25、10~20、15~20または約20、約15、約12、約10、約6もしくは約3ヌクレオチドの配列、またはその誘導体もしくは類似体を含み、この配列は反復GCモチーフを含み、この反復GCモチーフは[CCG]nであり、式中、n=1~10、n=2~8、n=3~6、またはn=4~5である。いくつかの実施形態では、配列は、反復GCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=1、2、3、4または5である。いくつかの実施形態では、配列は、反復GCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=1、2または3である。いくつかの実施形態では、配列は、反復GCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=1である。いくつかの実施形態では、配列は、反復GCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=2である。いくつかの実施形態では、配列は、反復GCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=3である。いくつかの実施形態では、配列は、反復GCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=4(配列番号256)である。いくつかの実施形態では、配列は、反復GCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=5(配列番号257)である。
いくつかの実施形態では、GCリッチRNAエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列の約30、約25、約20、約15、約10、約5、約4、約3、約2、または約1ヌクレオチド(複数可)上流に位置する。別の実施形態では、GCリッチRNAエレメントは、コザックコンセンサス配列の約15~30、15~20、15~25、10~15、または5~10ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、GCリッチRNAエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列に直接隣接して位置する。
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含むmRNAを提供し、この少なくとも1つの修飾は、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列に先行する、配列番号258に記載の配列、またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチRNAエレメントである。いくつかの実施形態では、GCリッチエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列に直接隣接して及びその上流に位置する配列番号258に記載の配列を含む。いくつかの実施形態では、GCリッチエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10塩基上流に位置する配列番号258に記載の配列を含む。他の実施形態では、GCリッチエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列の1~3、3~5、5~7、7~9、9~12、または12~15塩基上流に位置する配列番号258に記載の配列を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含むmRNAを提供し、この少なくとも1つの修飾は、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列に先行する、配列番号259に記載の配列、またはそれらの誘導体もしくは類似体を含むGCリッチRNAエレメントである。いくつかの実施形態では、GCリッチエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列に直接隣接して及びその上流に位置する配列番号259に記載の配列を含む。いくつかの実施形態では、GCリッチエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10塩基上流に位置する配列番号259に記載の配列を含む。他の実施形態では、GCリッチエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列の1~3、3~5、5~7、7~9、9~12、または12~15塩基上流に位置する配列番号259に記載の配列を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含むmRNAを提供し、この少なくとも1つの修飾は、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列に先行する、配列番号260に記載の配列、またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチRNAエレメントである。いくつかの実施形態では、GCリッチエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列に直接隣接して及びその上流に位置する配列番号260に記載の配列を含む。いくつかの実施形態では、GCリッチエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10塩基上流に位置する配列番号260に記載の配列を含む。他の実施形態では、GCリッチエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列の1~3、3~5、5~7、7~9、9~12、または12~15塩基上流に位置する配列番号260に記載の配列を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含むmRNAを提供し、この少なくとも1つの修飾は、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列に先行する、配列番号258に記載の配列、またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチRNAエレメントであり、この5’UTRは、配列番号261に記載の配列を含む。
いくつかの実施形態では、GCリッチエレメントは、本明細書に記載の5’UTR配列中のコザックコンセンサス配列に直接隣接して及びその上流に位置する配列番号258に記載の配列を含む。いくつかの実施形態では、GCリッチエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10塩基上流に位置する配列番号258に記載の配列を含み、この5’UTRは、配列番号261に示す配列を含む。
他の実施形態では、GCリッチエレメントは、mRNAの5’UTR中のコザックコンセンサス配列の1~3、3~5、5~7、7~9、9~12、または12~15塩基上流に位置する配列番号258に記載の配列を含み、この5’UTRは、配列番号261に記載の配列を含む。
いくつかの実施形態では、5’UTRは、配列番号262に記載の配列を含む。
いくつかの実施形態では、5’UTRは、配列番号263に記載の配列を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含むmRNAを提供し、この少なくとも1つの修飾は、ヘアピンまたはステムループを形成する、ある順番で連結されたヌクレオチドの配列、またはその誘導体もしくは類似体を含む安定なRNA二次構造を含むGCリッチRNAエレメントである。一実施形態では、安定なRNA二次構造は、コザックコンセンサス配列の上流にある。別の実施形態では、安定なRNA二次構造は、コザックコンセンサス配列の約30、約25、約20、約15、約10、または約5ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、安定なRNA二次構造は、コザックコンセンサス配列の約20、約15、約10、または約5ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、安定なRNA二次構造は、コザックコンセンサス配列の約5、約4、約3、約2、約1ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、安定なRNA二次構造は、コザックコンセンサス配列の約15~30、約15~20、約15~25、約10~15、または約5~10ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、安定なRNA二次構造は、コザックコンセンサス配列の12~15ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、安定なRNA二次構造は、約-30kcal/mol、約-20~-30kcal/mol、約-20kcal/mol、約-10~-20kcal/mol、約-10kcal/mol、約-5~-10kcal/molのデルタGを有する。
別の実施形態では、修飾はポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームに作動可能に連結されており、該修飾及びオープンリーディングフレームは異種である。
別の実施形態では、GCリッチRNAエレメントの配列は、グアニン(G)及びシトシン(C)核酸塩基のみから構成される。
本明細書中に記載されるような所望の翻訳調節活性を提供するRNAエレメントは、リボソームプロファイリングのような公知の技術を用いて同定されそして特徴付けられ得る。リボソームプロファイリングは、mRNAに結合したPIC及び/またはリボソームの位置の決定を可能にする技術である(例えば、参照により本明細書に組み込まれるIngolia et al.,(2009)Science 324(5924):218~23を参照のこと)。この技術は、ヌクレアーゼ消化から、PIC及び/またはリボソームによって、mRNAの領域またはセグメントを保護することに基づいている。保護により、「フットプリント」と呼ばれる30bpのRNA断片が生成される。RNAフットプリントの配列及び頻度は、当該分野で公知の方法(例えば、RNA-seq)によって分析され得る。フットプリントは、リボソームのA部位にほぼ中心がある。PICまたはリボソームが、mRNAに沿った特定の場所または位置に滞留する場合、これらの位置に生じるフットプリントは比較的一般的であろう。PIC及び/またはリボソームが加工性の低下を示す位置でより多くのフットプリントが生成され、PIC及び/またはリボソームが加工性の増大を示す位置でより少ないフットプリントが生成されることが、研究により示されている(Gardin et al.,(2014)eLife 3:e03735)。いくつかの実施形態では、任意の1つまたは複数の本明細書に記載のRNAエレメントを含むポリヌクレオチドに沿った別々の位置または場所でのPICまたはリボソームの滞留時間または占有時間は、リボソームプロファイリングによって決定される。
15.マイクロRNA(miRNA)結合部位
センサー配列としては、例えば、マイクロRNA(miRNA)結合部位、転写因子結合部位、構造化mRNA配列及び/またはモチーフ、内因性核酸結合分子の偽受容体として作用するように操作された人工的結合部位、ならびにこれらの組合せが挙げられる。センサー配列の非限定的な例は、米国公開第2014/0200261号に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばリボ核酸(RNA)、例えばメッセンジャーRNA(mRNA))は、センサー配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、センサー配列は、miRNA結合部位である。
miRNAは、19~25ヌクレオチド長のノンコーディングRNAであり、ポリヌクレオチドに結合し、遺伝子発現を、安定性を低減させることまたはポリヌクレオチドの翻訳を阻害することのいずれかによって下方制御する。miRNA配列は、「シード」領域、すなわち、成熟miRNAの2~8位の領域内の配列を含む。miRNAシードは、成熟miRNAの2~8または2~7位を含み得る。いくつかの実施形態では、miRNAシードは、7ヌクレオチド(例えば、成熟miRNAのヌクレオチド2~8)を含み得、対応するmiRNA結合部位におけるシード相補的部位は、miRNA 1位に対向するアデノシン(A)が隣接している。いくつかの実施形態では、miRNAシードは、6ヌクレオチド(例えば成熟miRNAのヌクレオチド2~7)を含み得、対応するmiRNA結合部位におけるシード相補的部位は、miRNA 1位に対向するアデノシン(A)が隣接している。例えば、Grimson A,Farh KK,Johnston WK,Garrett-Engele P,Lim LP,Bartel DP;Mol Cell.2007 Jul 6;27(1):91-105を参照のこと。標的細胞または組織のmiRNAプロファイリングを行って、細胞または組織におけるmiRNAの存在または不在を判定することができる。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばリボ核酸(RNA)、例えばメッセンジャーRNA(mRNA))は、1つまたは複数のマイクロRNA標的配列、マイクロRNA配列、またはマイクロRNAシードを含む。そのような配列は、米国公開第US2005/0261218号及び米国公開第US2005/0059005号において教示されているものなど、任意の公知のマイクロRNAに対応し得、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書において使用される場合、「マイクロRNA(miRNAまたはmiR)結合部位」という用語は、miRNAと相互作用または会合または結合するのに十分な、miRNAのすべてまたは領域に対する相補性を有する、ポリヌクレオチド内、例えばDNA内、または5’UTR及び/または3’UTRを含めたRNA転写産物内の配列を指す。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、miRNA結合部位をさらに含む。例示的な実施形態では、ポリヌクレオチド(例えばリボ核酸(RNA)、例えばメッセンジャーRNA(mRNA))の5’UTR及び/または3’UTRは、miRNA結合部位を含む。
miRNAに対して十分な相補性を有するmiRNA結合部位とは、miRNAに媒介されるポリヌクレオチドの制御、例えばmiRNA媒介型の、ポリヌクレオチドの翻訳抑制または分解を促進するのに十分な程度の相補性を指す。本開示の例示的な態様では、miRNAに対して十分な相補性を有するmiRNA結合部位とは、miRNA媒介型ポリヌクレオチド分解、例えばmiRNA先導型RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)媒介型mRNA切断を促進するのに十分な程度の相補性を指す。miRNA結合部位は、例えば、19~25ヌクレオチドのmiRNA配列、19~23ヌクレオチドのmiRNA配列、または22ヌクレオチドのmiRNA配列に対して相補性を有し得る。miRNA結合部位は、miRNAの一部分にのみ、例えば天然に存在するmiRNA配列の全長の1、2、3、または4ヌクレオチド未満の一部分にのみ、相補的であってもよい。所望される制御がmRNA分解である場合には、十分または完全な相補性(例えば天然に存在するmiRNAの長さのすべてまたは有意な部分にわたる、十分な相補性または完全な相補性)が、好ましい。
いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、miRNAシード配列との相補性(例えば部分的または完全な相補性)を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、miRNAシード配列との完全な相補性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、miRNA配列との相補性(例えば部分的または完全な相補性)を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、miRNA配列との完全な相補性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、miRNA配列との完全な相補性を有するが、1つ、2つ、または3つのヌクレオチド置換、末端付加、及び/または短縮を除く。
いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAと同じ長さである。他の実施形態では、miRNA結合部位は、5’末端、3’末端、またはその両方において、対応するmiRNAよりも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヌクレオチド(複数可)短い。さらに他の実施形態では、マイクロRNA結合部位は、5’末端、3’末端、またはその両方において、対応するマイクロRNAよりも2ヌクレオチド短い。対応するmiRNAよりも短いmiRNA結合部位は、依然として、miRNA結合部位のうちの1つもしくは複数を組み込むmRNAを分解すること、またはmRNAの翻訳を予防することが可能である。
いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、ダイサーを含有する活性なRISCの一部である対応する成熟miRNAに結合する。別の実施形態では、miRNA結合部位がRISC内の対応するmiRNAに結合することにより、miRNA結合部位を含有するmRNAが分解されるか、またはmRNAが翻訳されるのが予防される。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、miRNAを含むRISC複合体が、miRNA結合部位を含むポリヌクレオチドを切断するように、miRNAに対して十分な相補性を有する。他の実施形態では、miRNA結合部位は、miRNAを含むRISC複合体が、miRNA結合部位を含むポリヌクレオチドに不安定性を誘導するように、不完全な相補性を有する。別の実施形態では、miRNA結合部位は、miRNAを含むRISC複合体が、miRNA結合部位を含むポリヌクレオチドの転写を抑制するように、不完全な相補性を有する。
いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAとは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個のミスマッチ(複数可)を有する。
いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、それぞれ、対応するmiRNAの少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、または少なくとも約21の連続したヌクレオチドに対して相補的な、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、または少なくとも約21の連続したヌクレオチドを有する。
本開示のポリヌクレオチドに1つまたは複数のmiRNA結合部位を操作することにより、該ポリヌクレオチドは、問題のmiRNAが利用可能である場合に、分解の標的となるか、翻訳が低減され得る。これにより、ポリヌクレオチドの送達時に標的外作用が低減され得る。例えば、本開示のポリヌクレオチドが、組織または細胞に送達されることを意図していなかったにもかかわらずそこに到達してしまった場合でも、miRNAの1つまたは複数の結合部位をポリヌクレオチドの5’UTR及び/または3’UTRに操作しておけば、組織または細胞において豊富なmiRNAにより、目的の遺伝子の発現を阻害することが可能である。
逆に、miRNA結合部位は、特定の組織におけるタンパク質発現を増大させるために、それらが天然に存在しているポリヌクレオチド配列から除去してもよい。例えば、特定のmiRNAの結合部位をポリヌクレオチドから除去して、そのmiRNAを含有する組織または細胞におけるタンパク質発現を向上させることができる。
一実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、細胞傷害性または細胞保護性mRNA治療薬を、正常細胞及び/またはがん性細胞などであるがこれらに限定されない特定の細胞に指向するために、5’UTR及び/または3’UTRに少なくとも1つのmiRNA結合部位を含み得る。別の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、細胞傷害性または細胞保護性mRNA治療薬を、正常細胞及び/またはがん性細胞などであるがこれらに限定されない特定の細胞に指向するために、5’-UTR及び/または3’-UTRに、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の多いmiRNA結合部位を含み得る。
複数の組織における発現の制御は、1つまたは複数のmiRNA結合部位の導入または除去を通じて達成することができる。miRNA結合部位を除去するかまたは挿入するかの決定は、疾患におけるmiRNA発現パターン及び/またはそれらのプロファイリングに基づいて行うことができる。miRNA、miRNA結合部位、ならびにそれらの発現パターン及び生物学における役割の特定が、報告されている(例えばBonauer et al.,Curr Drug Targets 2010 11:943-949;Anand and Cheresh Curr Opin Hematol 2011 18:171-176;Contreras and Rao Leukemia 2012 26:404-413(2011 Dec 20.doi:10.1038/leu.2011.356);Bartel Cell 2009 136:215-233;Landgraf et al,Cell,2007 129:1401-1414;Gentner and Naldini,Tissue Antigens.2012 80:393-403及びその中のすべての参考文献;これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
miRNA及びmiRNA結合部位は、米国公開第2014/0200261号、同第2005/0261218号、及び同第2005/0059005号に記載されている非限定的な例を含め、任意の公知の配列に対応し得、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
miRNAが、mRNAを制御し、それによってタンパク質の発現を制御することが公知である組織の例としては、肝臓(miR-122)、筋肉(miR-133、miR-206、miR-208)、内皮細胞(miR-17-92、miR-126)、ミエロイド細胞(miR-142-3p、miR-142-5p、miR-16、miR-21、miR-223、miR-24、miR-27)、脂肪組織(let-7、miR-30c)、心臓(miR-1d、miR-149)、腎臓(miR-192、miR-194、miR-204)、及び肺上皮細胞(let-7、miR-133、miR-126)が挙げられるがこれらに限定されない。
一部のマイクロRNA、例えばmiR-122は、正常組織において豊富であるが、がんまたは腫瘍組織においてははるかに低いレベルで存在する。したがって、マイクロRNA標的配列(すなわち、マイクロRNA結合部位)を、本開示のポリヌクレオチドに操作することにより、正常組織(マイクロRNAが豊富である場所)において分解または翻訳の低減のために有効に分子を標的とし、同時に、がんまたは腫瘍組織(マイクロRNAがはるかに低いレベルで存在する場所)において高いレベルの翻訳を提供することができる。これにより、本開示の方法及び組成物に、腫瘍標的化アプローチが提供される。
本開示に有用であり得るmiRNA結合部位のさらなる例として、免疫細胞特異的miRNAが挙げられ、これには、これらに限定されないが、hsa-let-7a-2-3p、hsa-let-7a-3p、hsa-7a-5p、hsa-let-7c、hsa-let-7e-3p、hsa-let-7e-5p、hsa-let-7g-3p、hsa-let-7g-5p、hsa-let-7i-3p、hsa-let-7i-5p、miR-10a-3p、miR-10a-5p、miR-1184、hsa-let-7f-1--3p、hsa-let-7f-2--5p、hsa-let-7f-5p、miR-125b-1-3p、miR-125b-2-3p、miR-125b-5p、miR-1279、miR-130a-3p、miR-130a-5p、miR-132-3p、miR-132-5p、miR-142-3p、miR-142-5p、miR-143-3p、miR-143-5p、miR-146a-3p、miR-146a-5p、miR-146b-3p、miR-146b-5p、miR-147a、miR-147b、miR-148a-5p、miR-148a-3p、miR-150-3p、miR-150-5p、miR-151b、miR-155-3p、miR-155-5p、miR-15a-3p、miR-15a-5p、miR-15b-5p、miR-15b-3p、miR-16-1-3p、miR-16-2-3p、miR-16-5p、miR-17-5p、miR-181a-3p、miR-181a-5p、miR-181a-2-3p、miR-182-3p、miR-182-5p、miR-197-3p,miR-197-5p、miR-21-5p、miR-21-3p、miR-214-3p、miR-214-5p、miR-223-3p、miR-223-5p、miR-221-3p、miR-221-5p、miR-23b-3p、miR-23b-5p、miR-24-1-5p、miR-24-2-5p、miR-24-3p、miR-26a-1-3p、miR-26a-2-3p、miR-26a-5p、miR-26b-3p、miR-26b-5p、miR-27a-3p、miR-27a-5p、miR-27b-3p,miR-27b-5p、miR-28-3p、miR-28-5p、miR-2909、miR-29a-3p、miR-29a-5p、miR-29b-1-5p、miR-29b-2-5p、miR-29c-3p、miR-29c-5p、miR-30e-3p、miR-30e-5p、miR-331-5p、miR-339-3p、miR-339-5p、miR-345-3p、miR-345-5p、miR-346、miR-34a-3p、miR-34a-5p、miR-363-3p、miR-363-5p、miR-372、miR-377-3p、miR-377-5p、miR-493-3p、miR-493-5p、miR-542、miR-548b-5p、miR548c-5p、miR-548i、miR-548j、miR-548n、miR-574-3p、miR-598、miR-718、miR-935、miR-99a-3p、miR-99a-5p、miR-99b-3p、及びmiR-99b-5pが挙げられる。さらに、新規のmiRNAは、マイクロアレイハイブリダイゼーション及びミクロトーム分析(例えばJima DD et al,Blood,2010,116:e118-e127;Vaz C et al.,BMC Genomics,2010,11,288、このそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。)によって免疫細胞において特定することができる。
肝臓において発現されることが公知であるmiRNAとして、miR-107、miR-122-3p、miR-122-5p、miR-1228-3p、miR-1228-5p、miR-1249、miR-129-5p、miR-1303、miR-151a-3p、miR-151a-5p、miR-152、miR-194-3p、miR-194-5p、miR-199a-3p、miR-199a-5p、miR-199b-3p、miR-199b-5p、miR-296-5p、miR-557、miR-581、miR-939-3p、及びmiR-939-5pが挙げられるが、これらに限定されない。任意の肝臓特異的miRNAからのmiRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドに導入され、またはそこから除去されて肝臓におけるポリヌクレオチドの発現を制御することができる。肝臓特異的miRNA結合部位は、単独で、または本開示のポリヌクレオチドの免疫細胞(例えばAPC)miRNA結合部位とさらに組合せて操作することができる。
肺において発現されることが公知であるmiRNAとして、let-7a-2-3p、let-7a-3p、let-7a-5p、miR-126-3p、miR-126-5p、miR-127-3p、miR-127-5p、miR-130a-3p、miR-130a-5p、miR-130b-3p、miR-130b-5p、miR-133a、miR-133b、miR-134、miR-18a-3p、miR-18a-5p、miR-18b-3p、miR-18b-5p、miR-24-1-5p、miR-24-2-5p、miR-24-3p、miR-296-3p、miR-296-5p、miR-32-3p、miR-337-3p、miR-337-5p、miR-381-3p、及びmiR-381-5pが挙げられるが、これらに限定されない。任意の肺特異的miRNAからのmiRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドに導入され、またはそこから除去されて肺におけるポリヌクレオチドの発現を制御することができる。肺特異的miRNA結合部位は、単独で、または本開示のポリヌクレオチドの免疫細胞(例えばAPC)miRNA結合部位とさらに組合せて操作することができる。
心臓において発現されることが公知であるmiRNAとして、miR-1、miR-133a、miR-133b、miR-149-3p、miR-149-5p、miR-186-3p、miR-186-5p、miR-208a、miR-208b、miR-210、miR-296-3p、miR-320、miR-451a、miR-451b、miR-499a-3p、miR-499a-5p、miR-499b-3p、miR-499b-5p、miR-744-3p、miR-744-5p、miR-92b-3p、及びmiR-92b-5pが挙げられるが、これらに限定されない。任意の心臓特異的マイクロRNAからのmiRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドに導入され、またはそこから除去されて心臓におけるポリヌクレオチドの発現を制御することができる。心臓特異的miRNA結合部位は、単独で、または本開示のポリヌクレオチドの免疫細胞(例えばAPC)miRNA結合部位とさらに組合せて操作することができる。
神経系において発現されることが公知であるmiRNAとして、これらに限定されないが、miR-124-5p、miR-125a-3p、miR-125a-5p、miR-125b-1-3p、miR-125b-2-3p、miR-125b-5p,miR-1271-3p、miR-1271-5p、miR-128、miR-132-5p、miR-135a-3p、miR-135a-5p、miR-135b-3p、miR-135b-5p、miR-137、miR-139-5p、miR-139-3p、miR-149-3p、miR-149-5p、miR-153、miR-181c-3p、miR-181c-5p、miR-183-3p、miR-183-5p、miR-190a、miR-190b、miR-212-3p、miR-212-5p、miR-219-1-3p、miR-219-2-3p、miR-23a-3p、miR-23a-5p、miR-30a-5p、miR-30b-3p、miR-30b-5p、miR-30c-1-3p、miR-30c-2-3p、miR-30c-5p、miR-30d-3p、miR-30d-5p、miR-329、miR-342-3p、miR-3665、miR-3666、miR-380-3p、miR-380-5p、miR-383、miR-410、miR-425-3p、miR-425-5p、miR-454-3p、miR-454-5p、miR-483、miR-510、miR-516a-3p、miR-548b-5p、miR-548c-5p、miR-571、miR-7-1-3p、miR-7-2-3p、miR-7-5p、miR-802、miR-922、miR-9-3p、及びmiR-9-5pが挙げられる。神経系において豊富なmiRNAとして、これらに限定されないが、miR-132-3p、miR-132-3p、miR-148b-3p、miR-148b-5p、miR-151a-3p、miR-151a-5p、miR-212-3p、miR-212-5p、miR-320b、miR-320e、miR-323a-3p、miR-323a-5p、miR-324-5p、miR-325、miR-326、miR-328、miR-922を含むニューロンにおいて特異的に発現されるもの、ならびにこれらに限定されないが、miR-1250、miR-219-1-3p、miR-219-2-3p、miR-219-5p、miR-23a-3p、miR-23a-5p、miR-3065-3p、miR-3065-5p、miR-30e-3p、miR-30e-5p、miR-32-5p、miR-338-5p、及びmiR-657を含むグリア細胞において特異的に発現されるものがさらに挙げられる。任意のCNS特異的miRNAからのmiRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドに導入され、またはそこから除去されて神経系におけるポリヌクレオチドの発現を制御することができる。神経系特異的miRNA結合部位は、単独で、または本開示のポリヌクレオチドの免疫細胞(例えばAPC)miRNA結合部位とさらに組合せて操作することができる。
膵臓において発現されることが公知であるmiRNAとして、miR-105-3p、miR-105-5p、miR-184、miR-195-3p、miR-195-5p、miR-196a-3p、miR-196a-5p、miR-214-3p、miR-214-5p、miR-216a-3p、miR-216a-5p、miR-30a-3p、miR-33a-3p、miR-33a-5p、miR-375、miR-7-1-3p、miR-7-2-3p、miR-493-3p、miR-493-5p、及びmiR-944が挙げられるが、これらに限定されない。任意の膵臓特異的miRNAからのmiRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドに導入され、またはそこから除去されて膵臓におけるポリヌクレオチドの発現を制御することができる。膵臓特異的miRNA結合部位は、単独で、または本開示のポリヌクレオチドの免疫細胞(例えばAPC)miRNA結合部位とさらに組合せて操作することができる。
腎臓において発現されることが公知であるmiRNAとして、miR-122-3p、miR-145-5p、miR-17-5p、miR-192-3p、miR-192-5p、miR-194-3p、miR-194-5p、miR-20a-3p、miR-20a-5p、miR-204-3p、miR-204-5p、miR-210、miR-216a-3p、miR-216a-5p、miR-296-3p、miR-30a-3p、miR-30a-5p、miR-30b-3p、miR-30b-5p、miR-30c-1-3p、miR-30c-2-3p、miR30c-5p、miR-324-3p、miR-335-3p、miR-335-5p、miR-363-3p、miR-363-5p、及びmiR-562が挙げられるが、これらに限定されない。任意の腎臓特異的miRNAからのmiRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドに導入され、またはそこから除去されて腎臓におけるポリヌクレオチドの発現を制御することができる。腎臓特異的miRNA結合部位は、単独で、または本開示のポリヌクレオチドの免疫細胞(例えばAPC)miRNA結合部位とさらに組合せて操作することができる。
筋肉において発現されることが公知であるmiRNAとして、let-7g-3p、let-7g-5p、miR-1、miR-1286、miR-133a、miR-133b、miR-140-3p、miR-143-3p、miR-143-5p、miR-145-3p、miR-145-5p、miR-188-3p、miR-188-5p、miR-206、miR-208a、miR-208b、miR-25-3p、及びmiR-25-5pが挙げられるが、これらに限定されない。任意の筋肉特異的miRNAからのmiRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドに導入され、またはそこから除去されて筋肉におけるポリヌクレオチドの発現を制御することができる。筋肉特異的miRNA結合部位は、単独で、または本開示のポリヌクレオチドの免疫細胞(例えばAPC)miRNA結合部位とさらに組合せて操作することができる。
miRNAは、また、異なる種類の細胞、例えばこれらに限定されないが、内皮細胞、上皮細胞、及び脂肪細胞において、示差的に発現される。
内皮細胞において発現されることが公知であるmiRNAとして、let-7b-3p、let-7b-5p、miR-100-3p、miR-100-5p、miR-101-3p、miR-101-5p、miR-126-3p、miR-126-5p、miR-1236-3p、miR-1236-5p、miR-130a-3p、miR-130a-5p、miR-17-5p、miR-17-3p、miR-18a-3p、miR-18a-5p、miR-19a-3p、miR-19a-5p、miR-19b-1-5p、miR-19b-2-5p、miR-19b-3p、miR-20a-3p、miR-20a-5p、miR-217、miR-210、miR-21-3p、miR-21-5p、miR-221-3p、miR-221-5p、miR-222-3p、miR-222-5p、miR-23a-3p、miR-23a-5p、miR-296-5p、miR-361-3p、miR-361-5p、miR-421、miR-424-3p、miR-424-5p、miR-513a-5p、miR-92a-1-5p、miR-92a-2-5p、miR-92a-3p、miR-92b-3p、及びmiR-92b-5pが挙げられるが、これらに限定されない。多数の新規なmiRNAが、ディープシークエンシング分析から内皮細胞において発見されている(例えば、Voellenkle C et al.,RNA,2012,18,472-484、その全体が参照として本明細書に組み込まれる)。任意の内皮細胞特異的miRNAからのmiRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドに導入され、またはそこから除去されて内皮細胞におけるポリヌクレオチドの発現を制御することができる。
上皮細胞において発現されることが公知であるmiRNAとして、呼吸線毛上皮細胞において特異的なlet-7b-3p、let-7b-5p、miR-1246、miR-200a-3p、miR-200a-5p、miR-200b-3p、miR-200b-5p、miR-200c-3p、miR-200c-5p、miR-338-3p、miR-429、miR-451a、miR-451b、miR-494、miR-802、及びmiR-34a、miR-34b-5p、miR-34c-5p、miR-449a、miR-449b-3p、miR-449b-5p、肺上皮細胞において特異的なlet-7ファミリー、miR-133a、miR-133b、miR-126、腎臓上皮細胞において特異的なmiR-382-3p、miR-382-5p、ならびに角膜上皮細胞において特異的なmiR-762が挙げられるが、これらに限定されない。任意の上皮細胞特異的miRNAからのmiRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドに導入され、またはそこから除去されて上皮細胞におけるポリヌクレオチドの発現を制御することができる。
加えて、広範なmiRNA群が、胚性幹細胞において豊富であり、幹細胞の自己複製ならびに神経細胞、心臓、造血細胞、皮膚細胞、骨形成細胞、及び筋細胞などの様々な細胞系統の発生及び/または分化を調節している(例えばKuppusamy KT et al.,Curr.Mol Med,2013,13(5),757-764;Vidigal JA and Ventura A,Semin Cancer Biol.2012,22(5-6),428-436;Goff LA et al.,PLoS One,2009,4:e7192;Morin RD et al.,Genome Res,2008,18,610-621;Yoo JK et al.,Stem Cells Dev.2012,21(11),2049-2057、これらのそれぞれは、その全体が参考として本明細書に組み込まれる)。胚性幹細胞において豊富なmiRNAとして、let-7a-2-3p、let-a-3p、let-7a-5p、let7d-3p、let-7d-5p、miR-103a-2-3p、miR-103a-5p、miR-106b-3p、miR-106b-5p、miR-1246、miR-1275、miR-138-1-3p、miR-138-2-3p、miR-138-5p、miR-154-3p、miR-154-5p、miR-200c-3p、miR-200c-5p、miR-290、miR-301a-3p、miR-301a-5p、miR-302a-3p、miR-302a-5p、miR-302b-3p、miR-302b-5p、miR-302c-3p、miR-302c-5p、miR-302d-3p、miR-302d-5p、miR-302e、miR-367-3p、miR-367-5p、miR-369-3p、miR-369-5p、miR-370、miR-371、miR-373、miR-380-5p、miR-423-3p、miR-423-5p、miR-486-5p、miR-520c-3p、miR-548e、miR-548f、miR-548g-3p、miR-548g-5p、miR-548i、miR-548k、miR-548l、miR-548m、miR-548n、miR-548o-3p、miR-548o-5p、miR-548p、miR-664a-3p、miR-664a-5p、miR-664b-3p、miR-664b-5p、miR-766-3p、miR-766-5p、miR-885-3p、miR-885-5p,miR-93-3p、miR-93-5p、miR-941,miR-96-3p、miR-96-5p、miR-99b-3p、及びmiR-99b-5pが挙げられるが、これらに限定されない。多くの予測される新規なmiRNAは、ヒト胚性幹細胞においてディープシークエンシングによって発見されている(例えばMorin RD et al.,Genome Res,2008,18,610-621;Goff LA et al.,PLoS One,2009,4:e7192;Bar M et al.,Stem cells,2008,26,2496-2505、このそれぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
一実施形態では、胚性幹細胞の発生及び/または分化を調節するため、変性状態(例えば変性疾患)における幹細胞の老化を阻害するため、または疾患状態における幹細胞(例えば、がん幹細胞)の老化及びアポトーシスを刺激するために、胚性幹細胞に特異的なmiRNAの結合部位が、本開示のポリヌクレオチドの3’UTRに含まれてもよく、またはそこから除去されてもよい。
miRNAはまた、血管新生など複雑な生物学的プロセスを制御し得る(例えばmiR-132)(Anand and Cheresh Curr Opin Hematol 2011 18:171-176)。本開示のポリヌクレオチドでは、そのようなプロセスに関与するmiRNA結合部位は、生物学的に関連する細胞型または関連する生物学的プロセスに対してポリヌクレオチドの発現を調整するために、除去または導入され得る。この文脈においては、本開示のポリヌクレオチドは、栄養要求性ポリヌクレオチドと定義される。
いくつかの実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、miRNA(例えばmiR-122)に対して完全に相補的であり、これによりmiRNA結合部位に融合したmRNAを分解する。他の実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAに対して完全に相補的ではない。ある特定の実施形態では、miRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、対応するmiRNA(例えばmiR-122)と同じ長さである。他の実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、5’末端、3’末端、またはその両方において、対応するマイクロRNA(例えば22ヌクレオチドを有するmiR-122)より1ヌクレオチド短い。さらに他の実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、5’末端、3’末端、またはその両方において、対応するマイクロRNA(例えばmiR-122)より2ヌクレオチド短い。さらに他の実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、5’末端、3’末端、またはその両方において、対応するマイクロRNA(例えばmiR-122)より3ヌクレオチド短い。いくつかの実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、5’末端、3’末端、またはその両方において、対応するマイクロRNA(例えばmiR-122)より4ヌクレオチド短い。他の実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、5’末端、3’末端、またはその両方において、対応するマイクロRNA(例えばmiR-122)より5ヌクレオチド短い。いくつかの実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、5’末端、3’末端、またはその両方において、対応するマイクロRNA(例えばmiR-122)より6ヌクレオチド短い。他の実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、5’末端または3’末端において、対応するマイクロRNA(例えばmiR-122)より7ヌクレオチド短い。他の実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、5’末端または3’末端において、対応するマイクロRNA(例えばmiR-122)より8ヌクレオチド短い。他の実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、5’末端または3’末端において、対応するマイクロRNA(例えばmiR-122)より9ヌクレオチド短い。他の実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、5’末端または3’末端において、対応するマイクロRNA(例えばmiR-122)より10ヌクレオチド短い。他の実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、5’末端または3’末端において、対応するマイクロRNA(例えばmiR-122)より11ヌクレオチド短い。他の実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、5’末端または3’末端において、対応するマイクロRNA(例えばmiR-122)より12ヌクレオチド短い。対応するmiRNAよりも短いmiRNA結合部位は、依然として、miRNA結合部位のうちの1つもしくは複数を組み込むmRNAを分解すること、またはmRNAの翻訳を予防することが可能である。
いくつかの実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、miRNA(例えばmiR-122)を含むRISC複合体が、マイクロRNA結合部位を含むポリヌクレオチドを切断するように、miRNA(例えばmiR-122)に対して十分な相補性を有する。他の実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、miRNA(例えばmiR-122)を含むRISC複合体が、マイクロRNA結合部位を含むポリヌクレオチドに不安定性を誘導するように、不完全な相補性を有する。別の実施形態では、マイクロRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、miRNA(例えばmiR-122)を含むRISC複合体が、マイクロRNA結合部位を含むポリヌクレオチドの転写を抑制するように、不完全な相補性を有する。一実施形態では、miRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、対応するmiRNA(例えばmiR-122)から1個のミスマッチを有する。別の実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAから2個のミスマッチを有する。他の実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAから3個のミスマッチを有する。他の実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAから4個のミスマッチを有する。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAから5個のミスマッチを有する。他の実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAから6個のミスマッチを有する。ある特定の実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAから7個のミスマッチを有する。他の実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAから8個のミスマッチを有する。他の実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAから9個のミスマッチを有する。他の実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAから10個のミスマッチを有する。他の実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAから11個のミスマッチを有する。他の実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAから12個のミスマッチを有する。
ある特定の実施形態では、miRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、対応するmiRNA(例えばmiR-122)の少なくとも約10の連続したヌクレオチドに相補的な少なくとも約10の連続したヌクレオチド、対応するmiRNAの少なくとも約11の連続したヌクレオチドに相補的な少なくとも約11の連続したヌクレオチド、対応するmiRNAの少なくとも約12の連続したヌクレオチドに相補的な少なくとも約12の連続したヌクレオチド、対応するmiRNAの少なくとも約13の連続したヌクレオチドに相補的な少なくとも約13の連続したヌクレオチド、または対応するmiRNAの少なくとも約14の連続したヌクレオチドに相補的な少なくとも約14の連続したヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAの少なくとも約15の連続したヌクレオチドに相補的な少なくとも約15の連続したヌクレオチド、対応するmiRNAの少なくとも約16の連続したヌクレオチドに相補的な少なくとも約16の連続したヌクレオチド、対応するmiRNAの少なくとも約17の連続したヌクレオチドに相補的な少なくとも約17の連続したヌクレオチド、対応するmiRNAの少なくとも約18の連続したヌクレオチドに相補的な少なくとも約18の連続したヌクレオチド、対応するmiRNAの少なくとも約19の連続したヌクレオチドに相補的な少なくとも約19の連続したヌクレオチド、対応するmiRNAの少なくとも約20の連続したヌクレオチドに相補的な少なくとも約20の連続したヌクレオチド、または対応するmiRNAの少なくとも約21の連続したヌクレオチドに相補的な少なくとも約21の連続したヌクレオチドを有する。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、少なくとも1のmiR122結合部位、少なくとも2のmiR122結合部位、少なくとも3のmiR122結合部位、少なくとも4のmiR122結合部位、または少なくとも5のmiR122結合部位を含む。一態様では、miRNA結合部位は、miR-122に結合するか、またはmiR-122に相補的である。別の態様では、miRNA結合部位は、miR-122-3pまたはmiR-122-5pに結合する。特定の態様では、miRNA結合部位は、配列番号52または54に少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含み、該miRNA結合部位はmiR-122に結合する。別の特定の態様では、miRNA結合部位は、配列番号54に少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含み、該miRNA結合部位はmiR-122に結合する(例えば、miRNA結合部位を含むmRNAなどのRISC媒介型ポリヌクレオチド切断を誘導するのに十分な強度を有する)。別の特定の態様では、miRNA結合部位は、配列番号54に記載のmiRNA結合部位と比較して、3未満の置換、2未満の置換、または1未満の置換を有し、該miR結合部位はmiR-122に結合する(例えば、miRNA結合部位を含むmRNAなどのRISC媒介型ポリヌクレオチド切断を誘導するのに十分な強度を有する)。
いくつかの実施形態では、miRNA結合部位(例えばmiR-122結合部位)は、ポリヌクレオチドの任意の位置(例えば3’UTR)において、本開示のポリヌクレオチドに挿入される;ポリヌクレオチドにおける挿入部位は、対応するmiRNA(例えばmiR122)の不存在下においては、ポリヌクレオチドのmiRNA結合部位の挿入が機能的IL-12ポリペプチドの翻訳または機能的膜ドメインの翻訳を妨害しない限り、ポリヌクレオチドのいずれの場所であってもよく;miRNA(例えばmiR-122)の存在下においては、ポリヌクレオチドのmiRNA結合部位の挿入及びmiRNA結合部位の対応するmiRNAへの結合は、ポリヌクレオチドを分解することまたはポリヌクレオチドの翻訳を予防することが可能である。一実施形態では、miRNA結合部位は、ポリヌクレオチドの3’UTRに挿入される。
ある特定の実施形態では、miRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドの終止コドンから少なくとも約30ヌクレオチド内の下流に挿入される。他の実施形態では、miRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドの終止コドンから少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約15ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約25ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約35ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約45ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約55ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約65ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約75ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチド、または少なくとも約100ヌクレオチド内の下流に挿入される。他の実施形態では、miRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドの終止コドンから約10ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約45ヌクレオチド~約65ヌクレオチド内の下流に挿入される。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、本明細書に開示されるIL-12ポリペプチドをコードする核酸配列中の終止コドンの下流に挿入される。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、本明細書に開示される膜ドメインをコードする核酸配列中の終止コドンの下流に挿入される。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、本明細書に開示される異種ポリペプチドをコードする核酸配列中の終止コドンの下流に挿入される。
いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、ポリヌクレオチドの任意の位置(例えば5’UTR及び/または3’UTR)において、本開示のポリヌクレオチドに挿入される。いくつかの実施形態では、5’UTRは、miRNA結合部位を含む。いくつかの実施形態では、3’UTRは、miRNA結合部位を含む。いくつかの実施形態では、5’UTR及び3’UTRは、miRNA結合部位を含む。ポリヌクレオチドにおける挿入部位は、ポリヌクレオチドのmiRNA結合部位の挿入が、対応するmiRNAの不存在下において、機能的ポリペプチドの翻訳を妨害しない限り、ポリヌクレオチドのいずれの場所であってもよく、miRNAの存在下においては、ポリヌクレオチドのmiRNA結合部位の挿入及び対応するmiRNAへのmiRNA結合部位の結合により、ポリヌクレオチドを分解することまたはポリヌクレオチドの翻訳を予防することが可能である。
いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、ORFを含む本開示のポリヌクレオチド中のORFの終止コドンから少なくとも約30ヌクレオチド内の下流に挿入される。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチド中のORFの終止コドンから少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約15ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約25ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約35ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約45ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約55ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約65ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約75ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチド、または少なくとも約100ヌクレオチド内の下流に挿入される。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチド中のORFの終止コドンから約10ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約45ヌクレオチド~約65ヌクレオチド内の下流に挿入される。
miRNA遺伝子制御は、周囲配列の種、配列の種類(例えば異種、相同、外因性、内因性、または人工的)、周囲配列における制御エレメント、及び/または周囲配列における構造エレメントなどであるがこれらに限定されない、miRNAの周囲の配列によって影響を受け得る。miRNAは、5’UTR及び/または3’UTRによって影響を受け得る。非限定的な例として、非ヒト3’UTRは、同じ配列型のヒト3’UTRと比較して、目的のポリペプチドの発現に対するmiRNA配列の制御効果を増大させ得る。
一実施形態では、5’UTRの他の制御エレメント及び/または構造エレメントは、miRNAに媒介される遺伝子制御に影響を及ぼし得る。制御エレメント及び/または構造エレメントの1つの例は、5’UTRにおける構造化IRES(内部リボソーム進入部位)であり、これはタンパク質の翻訳を開始するための翻訳伸長因子の結合に必要である。EIF4A2が、5’-UTRにおけるこの二次構造化エレメントに結合することが、miRNAに媒介される遺伝子発現には必要である(Meijer HA et al.,Science,2013,340,82-85、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。本開示のポリヌクレオチドは、マイクロRNAに媒介される遺伝子制御を増強するために、構造化5’UTRをさらに含み得る。
少なくとも1つのmiRNA結合部位が、本開示のポリヌクレオチドの3’UTRに操作され得る。この文脈においては、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、またはそれ以上のmiRNA結合部位が、本開示のポリヌクレオチドの3’UTRに操作されてもよい。例えば、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、2、または1のmiRNA結合部位が、本開示のポリヌクレオチドの3’UTRに操作されてもよい。一実施形態では、本開示のポリヌクレオチドに組み込まれるmiRNA結合部位は、同じであってもよく、または異なるmiRNA部位であってもよい。本開示のポリヌクレオチドに組み込まれる異なるmiRNA結合部位の組合せは、異なるmiRNA部位のうちのいずれかの1つより多くのコピーが組み込まれる組合せを含み得る。別の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドに組み込まれるmiRNA結合部位は、体内で同じ組織を標的としてもよく、または異なる組織を標的としてもよい。非限定的な例として、組織特異的、細胞型特異的、または疾患特異的なmiRNA結合部位を、本開示のポリヌクレオチドの3’-UTRに導入することを通じて、特定の細胞型(例えば肝細胞、ミエロイド細胞、内皮細胞、がん細胞など)における発現の程度を低減させることができる。
一実施形態では、miRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドの3’UTRの5’末端付近、3’UTRの5’末端と3’末端とのほぼ中間、及び/または3’UTRの3’末端付近に、操作されてもよい。非限定的な例として、miRNA結合部位は、3’UTRの5’末端付近及び3’UTRの5’末端と3’末端とのほぼ中間に、操作されてもよい。別の非限定的な例として、miRNA結合部位は、3’UTRの3’末端付近及び3’UTRの5’末端と3’末端とのほぼ中間に、操作されてもよい。さらに別の非限定的な例として、miRNA結合部位は、3’UTRの5’末端付近及び3’UTRの3’末端付近に、操作されてもよい。
別の実施形態では、3’UTRは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のmiRNA結合部位を含み得る。miRNA結合部位は、miRNA、miRNAシード配列、及び/またはシード配列に隣接するmiRNA配列に相補的であり得る。
一実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、対象の異なる組織または異なる細胞型において発現される1つより多くのmiRNA部位を含むように操作されてもよい。非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、対象の肝臓及び腎臓におけるポリヌクレオチドの発現を制御するために、miR-192及びmiR-122を含むように操作されてもよい。別の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、同じ組織に対する1つより多くのmiRNA部位を含むように操作されてもよい。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドと関連する治療域及び/または差次的発現を、miRNA結合部位により変化させることができる。例えば、死のシグナルを提供するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、がん細胞のmiRNAシグネチャーによって、がん細胞においてより高度に発現するように設計することができる。がん細胞が、特定のmiRNAをより低いレベルで発現する場合には、そのmiRNA(または複数のmiRNA)の結合部位をコードするポリヌクレオチドを、より高度に発現させることになる。それゆえ、死のシグナルを提供するポリペプチドは、がん細胞において、細胞死を誘発または誘導する。同じmiRNAをより高度な発現で保有する近傍の非がん細胞は、コードされる死のシグナルによって受ける影響は低いであろうが、これは、ポリヌクレオチドが3’UTRにおいてコードされる結合部位または「センサー」へのmiRNAの結合の作用に起因して、より低いレベルで発現されるためである。逆に、細胞生存または細胞保護のシグナルを、がんを含有する組織及び非がん性細胞に送達することもでき、その場合、miRNAは、がん細胞においてより高い発現を有し、その結果、がん細胞に対しては生存シグナルがより低くなり、正常な細胞に対しては生存シグナルがより高くなる。本明細書に記載されるmiRNA結合部位の使用に基づいて、異なるシグナルを有する複数のポリヌクレオチドを設計し、投与することができる。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドの発現は、少なくとも1つのセンサー配列をポリヌクレオチドに組み込み、投与のためにポリヌクレオチドを製剤化することによって、調節することができる。非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、miRNA結合部位を組み込み、ポリヌクレオチドを、本明細書に記載される脂質のうちのいずれかを含め、カチオン性脂質を含む脂質ナノ粒子に製剤化することによって、組織または細胞を標的とすることができる。
本開示のポリヌクレオチドは、異なる組織、細胞型、または生物学的条件におけるmiRNAの発現パターンに基づいて、特定の組織、細胞型、または生物学的条件における発現をより標的化するように操作することができる。組織特異的miRNA結合部位の導入を通じて、本開示のポリヌクレオチドは、組織もしくは細胞において、または生物学的条件の文脈で、タンパク質発現が最適となるように設計することができる。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、公知のmiRNAシード配列に100%の同一性を有するか、またはmiRNAシード配列に100%よりも低い同一性を有するかのいずれかである、miRNA結合部位を組み込むように設計することができる。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、公知のmiRNAシード配列に、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するmiNRA結合部位を組み込むように設計することができる。miRNAシード配列は、miRNA結合親和性を減少させ、したがってポリヌクレオチドの下方調節の低減をもたらすように、部分的に変異させてもよい。本質的には、miRNA結合部位とmiRNAシードとの間のマッチまたはミスマッチの程度は、タンパク質発現を調節するmiRNAの能力をより細かく調整するためのレオスタットとして作用し得る。加えて、miRNA結合部位の非シード領域における変異もまた、タンパク質発現を調節するmiRNAの能力に影響を及ぼし得る。
一実施形態では、miRNA配列は、ステムループのループに組み込まれ得る。
別の実施形態では、miRNAシード配列はステムループのループに組み込まれ得、miRNA結合部位はステムループの5’または3’ステムに組み込まれ得る。
一実施形態では、翻訳エンハンサーエレメント(TEE)は、ステムループのステムの5’末端に組み込まれ得、miRNAシードは、ステムループのステムに組み込まれ得る。別の実施形態では、TEEは、ステムループのステムの5’末端に組み込まれ得、miRNAシードは、ステムループのステムに組み込まれ得、miRNA結合部位は、ステムの3’末端またはステムループの後の配列に組み込まれ得る。miRNAシード及びmiRNA結合部位は、同じ及び/または異なるmiRNA配列に対するものであり得る。
一実施形態では、miRNA配列及び/またはTEE配列の組込みは、ステムループ領域の形状を変化させ、これにより翻訳が増加及び/または減少し得る。(例えば、Kedde et al.,“A Pumilio-induced RNA structure switch in p27-3’UTR controls miR-221 and miR-22 accessibility.”Nature Cell Biology.2010を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
一実施形態では、本開示のポリヌクレオチドの5’-UTRは、少なくとも1つのmiRNA配列を含み得る。miRNA配列は、19もしくは22ヌクレオチド配列及び/またはシードなしのmiRNA配列であり得るが、これらに限定されない。
一実施形態では、5’UTRにおけるmiRNA配列を使用して、本明細書に記載される本開示のポリヌクレオチドを安定させることができる。
別の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドの5’UTRにおけるmiRNA配列を使用して、翻訳開始の部位、例えば限定されないが、開始コドンのアクセス性を減少させることができる。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるMatsuda et al.,PLoS One.2010 11(5):e15057を参照されたく、これは、第1の開始コドン(AUG)へのアクセス性を減少させるために、開始コドンの周辺(AUGコドンのAを+1として、-4から+37)にアンチセンスロックド核酸(LNA)オリゴヌクレオチド及びエクソン-ジャンクション複合体(EJC)を使用していた。Matsudaは、LNAまたはEJCを用いて開始コドンの周辺の配列を変化させることによって、ポリヌクレオチドの効率、長さ、及び構造安定性が影響を受けることを示した。本開示のポリヌクレオチドは、翻訳開始の部位へのアクセス性を減少させるために、翻訳開始の部位の付近に、Matsudaらによって記載されているLNAまたはEJC配列ではなく、miRNA配列を含み得る。翻訳開始の部位は、miRNA配列の前、後、またはその内部であってもよい。非限定的な例として、翻訳開始の部位は、シード配列または結合部位などのmiRNA配列内に位置し得る。別の非限定的な例として、翻訳開始の部位は、例えばシード配列またはmir-122結合部位などのmiR-122配列内に位置してもよい。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、目的の組織または細胞におけるコードされるポリペプチドの発現を弱めるために、少なくとも1つのmiRNAを含み得る。非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、肝臓における目的のコードされるポリペプチドの発現を弱めるために、少なくとも1つのmiR-122結合部位を含み得る。別の非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、少なくとも1つのmiR-142-3p結合部位、miR-142-3pシード配列、シードを有さないmiR-142-3p結合部位、miR-142-5p結合部位、miR-142-5pシード配列、シードを有さないmiR-142-5p結合部位、miR-146結合部位、miR-146シード配列、及び/またはシード配列を有さないmiR-146結合部位を含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、免疫細胞においてmRNA治療薬を選択的に分解して、治療薬送達によって引き起こされる望ましくない免疫原性反応を抑制するために、3’UTRに少なくとも1つのmiRNA結合部位を含み得る。非限定的な例として、miRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドを、抗原提示細胞においてより不安定になるようにすることができる。これらのmiRNAの非限定的な例としては、mir-122-5pまたはmir-122-3pが挙げられる。
一実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、RNA結合タンパク質と相互作用し得るポリヌクレオチドの領域に、少なくとも1つのmiRNA配列を含む。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、(i)IL-12ポリペプチド(例えば野生型配列、その機能的断片、またはバリアント)をコードする配列最適化されたヌクレオチド配列、(ii)膜ドメインをコードする配列最適化されたヌクレオチド配列、及び(iii)miRNA結合部位(例えば、miR-122に結合するmiRNA結合部位)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、核酸塩基修飾配列及び本明細書に開示されるmiRNA結合部位、例えばmiR-122に結合するmiRNA結合部位、を含む。いくつかの実施形態では、miRNA結合部位を含む本開示のポリヌクレオチドは、送達剤、例えば式(I)を有する化合物とともに製剤化される。
16.3’UTR及びAUリッチエレメント
ある特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、3’UTRをさらに含む。
3’-UTRは、翻訳終止コドンのすぐ後にあり、転写後に遺伝子発現に影響を及ぼす制御性領域を含有することが多い、mRNAの区画である。3’-UTR内の制御性領域は、mRNAのポリアデニル化、転写効率、局在化、及び安定性に影響を及ぼし得る。一実施形態では、本開示に有用な3’-UTRは、制御性タンパク質またはマイクロRNAの結合部位を含む。
ある特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドに有用な3’UTRは、本出願に示されるものから選択される3’UTRを含む(例えば、配列番号222~224)。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドに有用な3’UTRは、配列番号283に記載の配列を含む3’UTRを含む。
ある特定の実施形態では、本開示に有用な3’UTR配列は、本明細書に列挙される3’UTR配列及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される配列に少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
17.5’キャップを有する領域
本開示はまた、5’キャップ及び本開示のポリヌクレオチドの両方を含む、ポリヌクレオチドを含む。
天然のmRNAの5’キャップ構造は、核外輸送に関与し、mRNAの安定性を増大させ、mRNAキャップ結合タンパク質(CBP)に結合するが、これは、CBPとポリ(A)結合タンパク質との会合により成熟な環状mRNA種を形成することを通じて、細胞におけるmRNAの安定性及び翻訳の適合性を担う。キャップは、さらに、mRNAスプライシングの間、5’近位のイントロンの除去を補助する。
内因性mRNA分子は、5’末端がキャッピングされ、mRNA分子の末端グアノシンキャップ残基と5’末端転写センスヌクレオチドとの間で5’-ppp-5’-三リン酸結合を生成し得る。この5’-グアニル酸キャップは、次にメチル化されて、N7-メチル-グアニル酸残基を生成し得る。mRNAの5’末端の末端及び/または末端前の転写ヌクレオチドのリボース糖もまた、場合により2’-O-メチル化され得る。グアニル酸キャップ構造の加水分解及び切断を通じた5’キャップ除去は、分解のために、核酸分子、例えばmRNA分子を標的としてもよい。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、キャップ部分を組み込む。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、キャップ除去を予防し、したがって、mRNA半減期を延長させる、非加水分解性キャップ構造を含む。キャップ構造の加水分解は、5’-ppp-5’ホスホロジエステル結合の切断を必要とするため、修飾されたヌクレオチドを、このキャッピング反応の際に使用してもよい。例えば、New England Biolabs(Ipswich,MA)から入手したワクシニアキャッピング酵素を、製造業者の指示にしたがってα-チオ-グアノシンヌクレオチドとともに使用して、5’-ppp-5’キャップにホスホロチオエート結合を作製してもよい。α-メチル-ホスホネート及びセレノ-ホスフェートヌクレオチドなど、追加の修飾されたグアノシンヌクレオチドを使用してもよい。
追加の修飾としては、糖環の2’-ヒドロキシル基におけるポリヌクレオチドの5’末端及び/または5’末端前のヌクレオチドのリボース糖の2’-O-メチル化(上述)が挙げられるが、これに限定されない。複数の異なる5’キャップ構造を使用して、mRNA分子としての機能を果たすポリヌクレオチドなどの核酸分子の5’キャップを生成してもよい。本明細書において、合成キャップ類似体、化学的キャップ、化学的キャップ類似体、または構造的もしくは機能的キャップ類似体とも称される、キャップ類似体は、キャップ機能は保持しているが、それらの化学構造が、天然の(すなわち、内因性、野生型、または生理学的)5’キャップとは異なる。キャップ類似体は、化学的(すなわち、非酵素的)または酵素的に合成され得る、及び/または本開示のポリヌクレオチドに連結され得る。
例えば、アンチリバースキャップ類似体(ARCA)キャップは、5’-5’-三リン酸基によって連結された2つのグアニンを含有し、一方のグアニンは、N7メチル基及び3’-O-メチル基を含有する(すなわち、N7,3’-O-ジメチル-グアノシン-5’-三リン酸-5’-グアノシン(mG-3’mppp-G、これは言い換えると3’O-Me-m7G(5’)ppp(5’)Gとも表記することができる)。他方の未修飾のグアニンの3’-O原子は、キャッピングされたポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドに連結されるようになる。N7-及び3’-O-メチル化グアニンは、キャッピングされたポリヌクレオチドの末端部分を提供する。
別の例示的なキャップはmCAPであり、これはARCAに類似であるが、グアノシンに2’-O-メチル基を有する(すなわち、N7,2’-O-ジメチル-グアノシン-5’-三リン酸-5’-グアノシン、mGm-ppp-G)。
いくつかの実施形態では、キャップは、ジヌクレオチドキャップ類似体である。非限定的な例として、ジヌクレオチドキャップ類似体は、異なるリン酸位置において、ボラノリン酸基またはホスホロセレノエート基で修飾されてもよく、例えば米国特許第US8,519,110号に記載されるジヌクレオチドキャップ類似体があり、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
別の実施形態では、キャップはキャップ類似体であり、当技術分野において公知及び/または本明細書に記載されるキャップ類似体のN7-(4-クロロフェノキシエチル)置換ジヌクレオチド形態である。キャップ類似体のN7-(4-クロロフェノキシエチル)置換ジヌクレオチド形態の非限定的な例としては、N7-(4-クロロフェノキシエチル)-G(5’)ppp(5’)G及びN7-(4-クロロフェノキシエチル)-m3’-OG(5’)ppp(5’)Gキャップ類似体が挙げられる(例えばKore et al.Bioorganic&Medicinal Chemistry 2013 21:4570-4574に記載されている様々なキャップ類似体及びキャップ類似体を合成する方法を参照されたく、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。別の実施形態では、本開示のキャップ類似体は、4-クロロ/ブロモフェノキシエチル類似体である。
キャップ類似体は、ポリヌクレオチドまたはその領域の同時のキャッピングを可能にするが、in vitro転写反応においては、転写物の最大20%が、キャッピングされないまま残り得る。これは、キャップ類似体と、内因性の細胞転写機構によって産生される核酸の内因性5’キャップ構造との構造上の相違と同様に、翻訳の適合性の低減及び細胞安定性の低減をもたらし得る。
本開示のポリヌクレオチドはまた、より真正な5’キャップ構造を生成するために、酵素を使用して、製造後に(IVTまたは化学合成に関係なく)キャッピングすることもできる。本明細書において使用される場合、「より真正な」という語句は、構造的または機能的に、内因性または野生型のフィーチャを厳密に反映または模倣した特徴を指す。すなわち、「より真正な」特徴は、従来技術の合成のフィーチャまたは類似体などと比較して、内因性、野生型、天然、もしくは生理学的な細胞機能及び/または構造をより良好に表しているか、または1つもしくは複数の点において対応する内因性、野生型、天然、もしくは生理学的なフィーチャよりも性能が優れている。本開示のより真正な5’キャップ構造の非限定的な例は、とりわけ、当技術分野において公知の合成5’キャップ構造(または野生型、天然、もしくは生理学的な5’キャップ構造)と比較して、キャップ結合タンパク質の結合の増強、半減期の増大、5’エンドヌクレアーゼに対する感受性の低減、及び/または5’キャップ除去の低減を有するものである。例えば、組換えワクシニアウイルスキャッピング酵素及び組換え2’-O-メチルトランスフェラーゼ酵素は、ポリヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドとグアニンキャップヌクレオチドとの間にカノニカル5’-5’-三リン酸結合を作製することができ、該キャップグアニンは、N7メチル化を含有し、mRNAの5’末端ヌクレオチドは、2’-O-メチルを含有する。そのような構造は、キャップ1構造と称される。このキャップは、例えば当技術分野において公知の他の5’キャップ類似体構造と比較して、より高い翻訳の適合性及び細胞の安定性、ならびに細胞の炎症促進性サイトカインの活性化の低減をもたらす。キャップ構造としては、7mG(5’)ppp(5’)N,pN2p(キャップ0)、7mG(5’)ppp(5’)NlmpNp(キャップ1)、及び7mG(5’)-ppp(5’)NlmpN2mp(キャップ2)が挙げられるが、これらに限定されない。
非限定的な例として、キメラポリヌクレオチドを製造後にキャッピングすることが、より効率的であり得るが、これは、キメラポリヌクレオチドのほぼ100%をキャッピングすることができるためである。これは、キャップ類似体を、in vitro転写反応の過程で、キメラポリヌクレオチドに連結させた場合の約80%とは対照的である。
本開示によると、5’末端キャップは、内因性キャップまたはキャップ類似体を含み得る。本開示によると、5’末端キャップは、グアニン類似体を含み得る。有用なグアニン類似体としては、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、及び2-アジド-グアノシンが挙げられるが、これらに限定されない。
18.ポリ-A尾部
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ポリ-A尾部をさらに含む。さらなる実施形態では、ポリ-A尾部の末端基は、安定化のために組み込まれ得る。他の実施形態では、ポリ-A尾部は、デス-3’ヒドロキシル尾部を含む。
RNAプロセシングの間に、長いアデニンヌクレオチドの鎖(ポリ-A尾部)が、安定性を増大させるために、ポリヌクレオチド、例えばmRNA分子に付加され得る。転写の直後に、転写物の3’末端が切断されて、3’ヒドロキシルが遊離し得る。次いで、ポリ-Aポリメラーゼが、アデニンヌクレオチドの鎖をRNAに付加する。ポリアデニル化と称されるこのプロセスにより、例えば、およそ80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、または250残基の長さを含め、およそ80~およそ250残基の長さであり得る、ポリ-A尾部が付加される。
ポリA尾部はまた、構築物が核外に輸送された後に付加されてもよい。
本開示によると、ポリA尾部の末端基は、安定化のために組み込まれ得る。本開示のポリヌクレオチドは、デス-3’ヒドロキシル尾部を含み得る。これらはまた、Junjie Liら(Current Biology,Vol.15,1501-1507,August 23,2005、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)によって教示される構造的部分または2’-Oメチル修飾を含み得る。
本開示のポリヌクレオチドは、ヒストンmRNAを含む、代替的なポリA尾部構造を有する転写物をコードするように設計されてもよい。Norburyによると、「末端ウリジル化もまた、ヒト複製依存性ヒストンmRNAにおいて検出されている。これらのmRNAの代謝回転は、染色体DNA複製の完了または阻害後の可能性として毒性であるヒストン蓄積の予防に重要であると考えられる。これらのmRNAは、3’ポリ(A)尾部の欠如によって区別され、その機能は、安定したステム-ループ構造及びその同族ステム-ループ結合タンパク質(SLBP)が代わりに担う;後者は、ポリアデニル化mRNAのPABPのものと同じ機能を行う」(Norbury,“Cytoplasmic RNA:a case of the tail wagging the dog,”Nature Reviews Molecular Cell Biology;AOP,published online 29 August 2013;doi:10.1038/nrm3645)、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
固有のポリ-A尾部の長さは、本開示のポリヌクレオチドにある特定の利点を提供する。一般的に、ポリ-A尾部の長さは、存在する場合、30ヌクレオチド長より長い。別の実施形態では、ポリ-A尾部は、35ヌクレオチド長より長い(例えば、少なくともまたは約35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,300、1,400、1,500、1,600、1,700、1,800、1,900、2,000、2,500、及び3,000ヌクレオチドより長い)。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドまたはその領域は、約30~約3,000ヌクレオチド(例えば30~50、30~100、30~250、30~500、30~750、30~1,000、30~1,500、30~2,000、30~2,500、50~100、50~250、50~500、50~750、50~1,000、50~1,500、50~2,000、50~2,500、50~3,000、100~500、100~750、100~1,000、100~1,500、100~2,000、100~2,500、100~3,000、500~750、500~1,000、500~1,500、500~2,000、500~2,500、500~3,000、1,000~1,500、1,000~2,000、1,000~2,500、1,000~3,000、1,500~2,000、1,500~2,500、1,500~3,000、2,000~3,000、2,000~2,500、及び2,500~3,000)を含む。
いくつかの実施形態では、ポリ-A尾部は、全体的なポリヌクレオチドの長さまたはポリヌクレオチドの特定の領域の長さに対して設計される。この設計は、コード領域の長さ、特定のフィーチャもしくは領域の長さに基づき得るか、またはポリヌクレオチドから発現される最終的な産物の長さに基づき得る。
この文脈においては、ポリ-A尾部は、ポリヌクレオチドまたはそのフィーチャよりも10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%長くてもよい。ポリ-A尾部はまた、それが属するポリヌクレオチドの画分として設計してもよい。この文脈においては、ポリ-A尾部は、構築物の全長、構築物の領域、または構築物の全長からポリ-A尾部を差し引いたものの10、20、30、40、50、60、70、80、または90%、またはそれ以上でもよい。さらに、ポリ-A結合タンパク質のためのポリヌクレオチドの結合部位の操作及びコンジュゲーションにより、発現を増強してもよい。
加えて、ポリ-A尾部の3’末端において修飾されたヌクレオチドを使用して、複数の異なるポリヌクレオチドを、PABP(ポリ-A結合タンパク質)を介して3’末端を通じて一緒に連結してもよい。トランスフェクション実験を、関連する細胞株において行うことができ、タンパク質産生を、ELISAによって、トランスフェクションの12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、及び7日後にアッセイすることができる。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ポリA-Gカルテット領域を含むように設計される。Gカルテットは、4つのグアニンヌクレオチドの環状水素結合アレイであり、DNA及びRNAの両方においてGリッチ配列によって形成することができる。本実施形態では、Gカルテットは、ポリ-A尾部の末端に組み込まれる。結果として得られるポリヌクレオチドを、様々な時点において、安定性、タンパク質産生、及び半減期を含む他のパラメーターについてアッセイする。ポリA-Gカルテットが、120ヌクレオチドのポリ-A尾部を単独で使用した場合に確認されるタンパク質産生の少なくとも75%に相当する、mRNAからのタンパク質産生をもたらすことが見出されている。
19.開始コドン領域
本開示はまた、開始コドン領域及び本明細書に記載のポリヌクレオチドの両方を含むポリヌクレオチドもまた含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、開始コドン領域に類似であるか、またはそれと同様の機能を果たす領域を有し得る。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの翻訳は、開始コドンAUGではないコドンで開始され得る。ポリヌクレオチドの翻訳は、ACG、AGG、AAG、CTG/CUG、GTG/GUG、ATA/AUA、ATT/AUU、TTG/UUGなどであるがこれらに限定されない代替的な開始コドンで開始され得る(Touriol et al.Biology of the Cell 95(2003)169-178及びMatsuda and Mauro PLoS ONE,2010 5:11を参照されたく、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
非限定的な例として、ポリヌクレオチドの翻訳は、代替的な開始コドンACGで開始される。別の非限定的な例として、ポリヌクレオチドの翻訳は、代替的な開始コドンCTGまたはCUGで開始される。さらに別の非限定的な例として、ポリヌクレオチドの翻訳は、代替的な開始コドンGTGまたはGUGで開始される。
翻訳を開始するコドン、例えば限定されないが、開始コドンまたは代替的な開始コドンに隣接するヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの翻訳効率、長さ、及び/または構造に影響を及ぼすことが公知である。(例えば、Matsuda and Mauro PLoS ONE,2010 5:11を参照されたく、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。翻訳を開始するコドンに隣接するヌクレオチドのいずれかのマスキングを使用して、ポリヌクレオチドの翻訳開始位置、翻訳効率、長さ、及び/または構造を変化させることができる。
いくつかの実施形態では、マスキングされた開始コドンまたは代替的な開始コドンにおける翻訳開始の確率を低減するようにコドンをマスキングまたは遮蔽するために、マスキング剤が、開始コドンまたは代替的な開始コドンの付近で使用され得る。マスキング剤の非限定的な例としては、アンチセンスロックド核酸(LNA)ポリヌクレオチド及びエクソン-ジャンクション複合体(EJC)が挙げられる(例えばマスキング剤LNAポリヌクレオチド及びEJCについて記載しているMatsuda及びMauro(PLoS ONE,2010 5:11)を参照されたく、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
別の実施形態では、翻訳が、代替的な開始コドンで開始される可能性を増大させるために、マスキング剤を使用して、ポリヌクレオチドの開始コドンをマスキングすることができる。いくつかの実施形態では、翻訳が、マスキングした開始コドンまたは代替的な開始コドンの下流の開始コドンまたは代替的な開始コドンで開始される機会を増大させるために、マスキング剤を使用して、第1の開始コドンまたは代替的な開始コドンをマスキングしてもよい。
いくつかの実施形態では、開始コドンまたは代替的な開始コドンは、miR結合部位の完璧な相補体内に位置し得る。miR結合部位の完璧な相補体は、マスキング剤と同様に、ポリヌクレオチドの翻訳、長さ、及び/または構造の調節を補助し得る。非限定的な例として、開始コドンまたは代替的な開始コドンは、miRNA結合部位の完璧な相補体の中央に位置し得る。開始コドンまたは代替的な開始コドンは、第1のヌクレオチド、第2のヌクレオチド、第3のヌクレオチド、第4のヌクレオチド、第5のヌクレオチド、第6のヌクレオチド、第7のヌクレオチド、第8のヌクレオチド、第9のヌクレオチド、第10のヌクレオチド、第11のヌクレオチド、第12のヌクレオチド、第13のヌクレオチド、第14のヌクレオチド、第15のヌクレオチド、第16のヌクレオチド、第17のヌクレオチド、第18のヌクレオチド、第19のヌクレオチド、第20のヌクレオチド、または第21のヌクレオチドの後に位置し得る。
別の実施形態では、ポリヌクレオチドの翻訳を、開始コドンではないコドンで開始させるために、ポリヌクレオチドの開始コドンは、ポリヌクレオチド配列から除去され得る。ポリヌクレオチドの翻訳は、除去された開始コドンの次のコドンまたは下流の開始コドンもしくは代替的な開始コドンで開始され得る。非限定的な実施例では、翻訳を、下流の開始コドンまたは代替的な開始コドンで開始させるために、開始コドンATGまたはAUGが、ポリヌクレオチド配列の最初の3つのヌクレオチドとして、除去される。開始コドンが除去されたポリヌクレオチド配列は、翻訳の開始、ポリヌクレオチドの長さ、及び/またはポリヌクレオチドの構造を調節するため、またはその調節を試みるために、下流の開始コドン及び/または代替的な開始コドンのための少なくとも1つのマスキング剤を、さらに含んでもよい。
20.終止コドン領域
本開示はまた、終止コドン領域及び本明細書に記載の核酸配列の両方を含む、ポリヌクレオチドも含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、3’非翻訳領域(UTR)の前に、少なくとも2の終止コドンを含み得る。終止コドンは、DNAの場合にはTGA、TAA、及びTAGから、またはRNAの場合にはUGA、UAA、及びUAGから選択され得る。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、DNAの場合の終止コドンTGA、またはRNAの場合の終止コドンUGA、及び1の追加の終止コドンを含む。さらなる実施形態では、追加の終止コドンは、TAAまたはUAAであり得る。別の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、3の連続した終止コドン、4の終止コドン、またはそれ以上の終止コドンを含む。
21.挿入及び置換
本開示はまた、挿入及び/または置換をさらに含む、本開示のポリヌクレオチドも含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの5’UTRは、同じ塩基のヌクレオシドの少なくとも1つの領域及び/またはストリングの挿入によって置き換えられ得る。ヌクレオチドの領域及び/またはストリングは、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、または少なくとも8ヌクレオチドを含み得るが、これらに限定されず、ヌクレオチドは天然及び/または非天然であり得る。非限定的な例として、ヌクレオチドの群は、5~8のアデニン、シトシン、チミン、本明細書に開示される他のヌクレオチドのうちのいずれかのストリング、及び/またはこれらの組合せを含み得る。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの5’UTRは、アデニン、シトシン、チミン、本明細書に開示される他のヌクレオチドのうちのいずれか、及び/またはそれらの組合せなどであるがこれらに限定されない、2つの異なる塩基のヌクレオチドの少なくとも2つの領域及び/またはストリングの挿入によって置き換えられ得る。例えば、5’UTRは、5~8のアデニン塩基を挿入し、続いて、5~8のシトシン塩基を挿入することによって、置き換えることができる。別の例では、5’UTRは、5~8のシトシン塩基を挿入し、続いて、5~8のアデニン塩基を挿入することによって、置き換えることができる。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、RNAポリメラーゼによって認識され得る転写開始部位の下流に、少なくとも1つの置換及び/または挿入を含み得る。非限定的な例として、少なくとも1つの置換及び/または挿入は、転写開始部位のすぐ下流の領域において(例えば、+1から+6であるがこれらに限定されない)少なくとも1つの核酸を置換することによって、転写開始部位の下流で生じ得る。転写開始部位のすぐ下流におけるヌクレオチドの領域に対する変更は、開始速度に影響を及ぼし得、見かけのヌクレオチド三リン酸(NTP)反応定数値を増大させ得、初期転写を硬化する転写複合体からの短い転写物の解離を増大させ得る(Brieba et al,Biochemistry(2002)41:5144-5149、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。少なくとも1つのヌクレオシドの修飾、置換、及び/または挿入は、配列のサイレント変異を引き起こし得るか、またはアミノ酸配列における変異を引き起こし得る。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、転写開始部位の下流に、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、または少なくとも13のグアニン塩基の置換を含み得る。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、転写開始部位のすぐ下流の領域に、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、または少なくとも6のグアニン塩基の置換を含み得る。非限定的な例として、その領域のヌクレオチドがGGGAGAである場合、グアニン塩基は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、または少なくとも4のアデニンヌクレオチドによって置換され得る。別の非限定的な例では、その領域のヌクレオチドがGGGAGAである場合、グアニン塩基は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、または少なくとも4のシトシン塩基によって置換され得る。別の非限定的な例では、その領域のヌクレオチドがGGGAGAである場合、グアニン塩基は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、または少なくとも4のチミン及び/または本明細書に記載されるヌクレオチドのうちのいずれかによって置換され得る。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、開始コドンの上流に、少なくとも1つの置換及び/または挿入を含み得る。明確にするために、当業者であれば、開始コドンはタンパク質コード領域の最初のコドンであり、一方で、転写開始部位は転写が開始される部位であることを理解するであろう。ポリヌクレオチドは、ヌクレオチド塩基の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または少なくとも8つの置換及び/または挿入を含み得るが、これらに限定されない。ヌクレオチド塩基は、開始コドンの上流にある1つ、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つの位置で、挿入または置換され得る。挿入及び/または置換されるヌクレオチドは、同じ塩基(例えば、すべてのAもしくはすべてのCもしくはすべてのTもしくはすべてのG)、2つの異なる塩基(例えば、A及びC、A及びT、もしくはC及びT)、3つの異なる塩基(例えば、A、C、及びT、もしくはA、C、及びT)、または少なくとも4つの異なる塩基であり得る。
非限定的な例として、ポリヌクレオチドにおけるコード領域の上流のグアニン塩基は、アデニン、シトシン、チミン、または本明細書に記載のヌクレオチドのうちのいずれかで置換され得る。別の非限定的な例では、ポリヌクレオチドにおけるグアニン塩基の置換は、転写開始部位の下流かつ開始コドンの前の領域に、1つのグアニン塩基が残るように設計され得る(Esvelt et al.Nature(2011)472(7344):499-503を参照されたく、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。非限定的な例として、少なくとも5のヌクレオチドが、転写開始部位の下流であるが、開始コドンの上流である1つの位置に挿入され得、この少なくとも5のヌクレオチドは、同じ塩基の種類であり得る。
22.連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAを含むポリヌクレオチド
ある特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチド、例えば、連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドは、5’末端から3’末端に、(i)上記に提供される5’キャップを含む、5’UTR、例えば上記に提供される配列、(ii)本明細書に開示されるIL-12ポリペプチドをコードする核酸配列、例えば、IL-12Bをコードする核酸配列、IL-12Aをコードする核酸配列、及び場合によりIL-12BとIL-12Aを接続する本明細書に開示されるリンカーをコードする核酸配列、例えば、本明細書に開示されるIL-12ポリペプチドをコードする配列最適化核酸配列、(iii)場合により、IL-12ポリペプチドを本明細書に開示される膜ドメインに接続する本明細書に開示されるリンカーをコードする核酸配列、(iv)本明細書に開示される膜ドメイン、例えば本明細書に開示される膜貫通ドメイン、例えばI型膜貫通ドメイン、例えばCD8、CD80、またはPDGF-R膜貫通ドメインをコードする核酸配列、(v)少なくとも1つの終止コドン、(vi)3’UTR、例えば上記に提供される配列、及び(vii)上記に提供されるポリ-A尾部を含む。
ある特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチド、例えば、連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドは、5’末端から3’末端に、(i)5’キャップを含む、5’UTR、例えば上記に提供される配列、(ii)本明細書に開示される膜ドメイン、例えば本明細書に開示される膜貫通ドメイン、例えばII型膜貫通ドメインをコードする核酸配列、(iii)場合により、本明細書に開示される膜ドメインを本明細書に開示されるIL-12ポリペプチドに接続する本明細書に開示されるリンカーをコードする核酸配列、(iv)本明細書に開示されるIL-12ポリペプチドをコードする核酸配列、例えば、IL-12Bをコードする核酸配列、IL-12Aをコードする核酸配列、及び場合によりIL-12BとIL-12Aを接続する本明細書に開示されるリンカーをコードする核酸配列、例えば、本明細書に開示されるIL-12ポリペプチドをコードする配列最適化核酸配列、(v)少なくとも1つの終止コドン、(vi)3’UTR、例えば上記に提供される配列、及び(vii)上記に提供されるポリ-A尾部を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、miRNA結合部位、例えばmiRNA-122に結合するmiRNA結合部位をさらに含む。いくつかの実施形態では、5’UTRは、miRNA結合部位を含む。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、野生型IL-12(例えばアイソフォーム1、2、3、または4)のタンパク質配列に、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一であるポリペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
23.ポリヌクレオチドを作製する方法
本開示はまた、本開示のポリヌクレオチドまたはその相補体を作製するための方法を提供する。
いくつかの態様では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、in vitro転写を使用して構築することができる。他の態様では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、オリゴヌクレオチド合成装置を使用して、化学合成によって構築することができる。
他の態様では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、宿主細胞を使用することによって、作製される。ある特定の態様では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、IVT、化学合成、宿主細胞発現、または当技術分野において公知の他の任意の方法の1つまたは複数の組合せによって、作製される。他の実施形態では、宿主細胞は、真核生物細胞、例えばin vitro哺乳動物細胞である。
天然に存在するヌクレオシド、天然に存在しないヌクレオシド、またはこれらの組合せは、候補ヌクレオチド配列に存在する天然に存在するヌクレオシドを完全または部分的に置き換えることができ、本明細書に開示される配列最適化されたヌクレオチド配列(例えばRNA、例えばmRNA)に組み込むことができる。結果として得られるポリヌクレオチド、例えばmRNAを、次いで、タンパク質を産生する及び/または治療転帰をもたらすそれらの能力について、試験してもよい。
a.in vitro転写/酵素的合成
本明細書に開示される本開示のポリヌクレオチドは、in vitro転写(IVT)系を使用して転写され得る。この系は、典型的に、転写緩衝液、ヌクレオチド三リン酸(NTP)、RNase阻害剤、及びポリメラーゼを含む。NTPは、天然及び非天然の(修飾された)NTPを含む、本明細書に記載されるものから選択され得るが、これらに限定されない。ポリメラーゼは、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、及び変異体ポリメラーゼ、例えば限定されないが、本明細書に開示されるポリヌクレオチドを組み込むことができるポリメラーゼから選択され得るが、これらに限定されない。米国公開第US20130259923号を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
任意の数のRNAポリメラーゼまたはバリアントを、本開示のポリヌクレオチドの合成に使用することができる。RNAポリメラーゼは、RNAポリメラーゼ配列のアミノ酸の挿入または欠失によって修飾され得る。非限定的な例として、RNAポリメラーゼは、未修飾のRNAポリメラーゼと比較して、2’-修飾ヌクレオチド三リン酸を組み込む能力の増大を呈するように修飾され得る(国際公開第WO2008078180号及び米国特許第8,101,385号を参照されたく、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
バリアントは、RNAポリメラーゼを進化させること、RNAポリメラーゼのアミノ酸及び/または核酸配列を最適化させること、及び/または当技術分野において公知の他の方法を使用することによって、得ることができる。非限定的な例として、T7 RNAポリメラーゼのバリアントは、Esveltら(Nature 472:499-503 (2011)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)によって設定された連続した指向型進化系(continuous directed evolution system)を使用して進化させることができ、ここでT7 RNAポリメラーゼのクローンは、93位のリジンのスレオニンとの置換(K93T)、I4M、A7T、E63V、V64D、A65E、D66Y、T76N、C125R、S128R、A136T、N165S、G175R、H176L、Y178H、F182L、L196F、G198V、D208Y、E222K、S228A、Q239R、T243N、G259D、M267I、G280C、H300R、D351A、A354S、E356D、L360P、A383V、Y385C、D388Y、S397R、M401T、N410S、K450R、P451T、G452V、E484A、H523L、H524N、G542V、E565K、K577E、K577M、N601S、S684Y、L699I、K713E、N748D、Q754R、E775K、A827V、D851N、またはL864Fなどがあるがこれらに限定されない、少なくとも1つの変異をコードし得る。別の非限定的な例として、T7 RNAポリメラーゼのバリアントは、米国公開第20100120024号及び同第20070117112号に記載されるように、少なくとも変異をコードし得、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。また、RNAポリメラーゼのバリアントとしては、置換バリアント、保存的アミノ酸置換、挿入バリアント、欠失バリアント、及び/または共有結合誘導体を挙げることができるが、これらに限定されない。
一態様では、ポリヌクレオチドは、野生型またはバリアントのRNAポリメラーゼによって認識されるように設計され得る。これを行う際、ポリヌクレオチドは、野生型または親キメラポリヌクレオチドに由来する配列変化の部位または領域を含有するように修飾され得る。
ポリヌクレオチドまたは核酸合成反応は、ポリメラーゼを利用する酵素的方法によって行うことができる。ポリメラーゼは、ポリヌクレオチドまたは核酸鎖において、ヌクレオチド間のホスホジエステル結合の形成を触媒する。現在公知のDNAポリメラーゼは、アミノ酸配列比較及び結晶構造分析に基づいて、様々なファミリーに分類され得る。DNAポリメラーゼI(pol I)またはAポリメラーゼのファミリーは、E.coliのクレノウ断片、Bacillus DNAポリメラーゼI、Thermus aquaticus(Taq)DNAポリメラーゼ、ならびにT7 RNA及びDNAポリメラーゼを含み、これらのファミリーの中で最も研究されている。別の大きなファミリーは、DNAポリメラーゼα(pol α)またはBポリメラーゼファミリーであり、すべての真核生物複製DNAポリメラーゼならびにファージT4及びRB69由来のポリメラーゼを含む。類似の触媒機構を用いるが、これらのポリメラーゼファミリーは、基質特異性、基質類似体組込み効率、プライマー伸長の程度及び速度、DNA合成の様式、エクソヌクレアーゼ活性、ならびに阻害剤に対する感度が異なる。
DNAポリメラーゼはまた、反応温度、pH、ならびに鋳型及びプライマーの濃度など、それらが必要とする最適な反応条件に基づいて選択される。しばしば、所望されるDNA断片のサイズ及び合成効率を達成するために、2つ以上のDNAポリメラーゼの組合せが用いられる。例えば、Chengらは、pHを増大させ、グリセロール及びジメチルスルホキシドを添加し、変性時間を減少させ、伸長時間を増大させ、クローニングされたインサート及びヒトゲノムDNAから長い標的を効果的に増幅するために、3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を有する二次耐熱性DNAポリメラーゼを利用する。(Cheng et al.,PNAS 91:5695-5699(1994)、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。バクテリオファージT3、T7、及びSP6に由来するRNAポリメラーゼは、生化学研究及び生物物理学研究のためのRNAを調製するために広く使用されている。RNAポリメラーゼ、キャッピング酵素、及びポリ-Aポリメラーゼは、同時係属中の国際公開第WO2014028429号に開示されており、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一態様では、本開示のポリヌクレオチドの合成において使用することができるRNAポリメラーゼは、Syn5 RNAポリメラーゼである。(Zhu et.al.Nucleic Acids Research 2013,doi:10.1093/nar/gkt1193を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。Syn5 RNAポリメラーゼは、近年、Zhuらによって、海洋性シアノファージSyn5から特徴付けられ、プロモーター配列も特定された(Zhu et.al.Nucleic Acids Research 2013を参照されたく、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。Zhuらは、Syn5 RNAポリメラーゼが、T7 RNAポリメラーゼと比較して、より広い範囲の温度及び塩分濃度において、RNA合成を触媒したことを見出した。加えて、プロモーターにおける開始ヌクレオチドの要件が、Syn5 RNAポリメラーゼでは、T7 RNAポリメラーゼと比較して低いストリンジェンシーであることが見出され、Syn5 RNAポリメラーゼがRNA合成に有望となった。
一態様では、Syn5 RNAポリメラーゼを、本明細書に記載されるポリヌクレオチドの合成に使用することができる。非限定的な例として、Syn5 RNAポリメラーゼは、正確な3’末端を必要とするポリヌクレオチドの合成において使用することができる。
一態様では、Syn5プロモーターは、ポリヌクレオチドの合成において使用することができる。非限定的な例として、Syn5プロモーターは、Zhuら(Nucleic Acids Research 2013)によって記載されている5’-ATTGGGCACCCGTAAGGG-3’(配列番号47)であり得る。
一態様では、Syn5 RNAポリメラーゼは、本明細書に記載される及び/または当技術分野において公知である、少なくとも1つの化学的修飾を含むポリヌクレオチドの合成において使用することができる(例えば、Zhu et al.Nucleic Acids Research 2013に記載されているシュード-UTP及び5Me-CTPの組込みを参照のこと)。
一態様では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、Zhuら(Nucleic Acids Research 2013)によって記載されている修正及び向上した精製手順を使用して精製されたSyn5 RNAポリメラーゼを使用して合成することができる。
遺伝子操作における様々なツールは、鋳型として作用する標的遺伝子の酵素的増幅に基づいている。目的の個々の遺伝子または特定の領域の配列の研究のため、及び他の研究上の必要性のために、ポリヌクレオチドまたは核酸の少量の試料から、標的遺伝子の複数のコピーを生成する必要がある。そのような方法は、本開示のポリヌクレオチドの製造において適用することができる。
例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、鎖置換増幅(SDA)、転写媒介性増幅(TMA)とも呼ばれる核酸配列ベース増幅(NASBA)、及び/またはローリングサークル増幅(RCA)は、本発明のポリヌクレオチドの1つまたは複数の領域の製造において利用することができる。
リガーゼによるポリヌクレオチドまたは核酸のアセンブリも、広く使用される。
b.化学的合成
標準的な方法を適用して、目的の単離されたポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド配列、例えば本開示のポリヌクレオチドを合成することができる。例えば、特定の単離されたポリペプチドをコードするコドン最適化されたヌクレオチド配列を含有する単一のDNAまたはRNAオリゴマーを、合成することができる。他の態様では、所望されるポリペプチドの部分をコードする複数の小さなオリゴヌクレオチドを合成し、次いで、それらをライゲーションすることができる。いくつかの態様では、個々のオリゴヌクレオチドは、典型的に、相補的アセンブリのための5’または3’オーバーハングを含有する。
本明細書に開示されるポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)は、当技術分野において公知の化学的合成方法及び可能な核酸塩基置換を使用して、化学的に合成することができる。例えば、国際公開第WO2014093924号、同第WO2013052523号、同第WO2013039857号、同第WO2012135805号、同第WO2013151671号、米国公開第US20130115272号、または米国特許第US8999380号もしくは同第US8710200号を参照されたく、これらのすべては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
c.連結したIL-12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの精製
本明細書に記載されるポリヌクレオチドの精製には、ポリヌクレオチドのクリーンアップ、品質保証、及び品質管理が含まれ得るが、これらに限定されない。クリーンアップは、当技術分野において公知の方法、例えば限定されないが、AGENCOURT(登録商標)ビーズ(Beckman Coulter Genomics,Danvers,MA)、ポリ-Tビーズ、LNA(商標)オリゴ-T捕捉プローブ(EXIQON(登録商標)Inc.,Vedbaek,Denmark)、またはHPLCに基づく精製方法、例えば限定されないが、強アニオン交換HPLC、弱アニオン交換HPLC、逆相HPLC(RP-HPLC)、及び疎水性相互作用HPLC(HIC-HPLC)によって、行うことができる。
「精製ポリヌクレオチド」など、ポリヌクレオチドに関連して使用される場合、「精製された」という用語は、少なくとも1つの混入物質から分離されたものを指す。本明細書において使用される場合、「混入物質」は、別の物質を、不適合、不純、または低品質にする任意の物質である。したがって、精製ポリヌクレオチド(例えばDNA及びRNA)は、それが本来見出されるものとは異なる形態もしくは環境、または処置もしくは精製方法に供される前に存在していたものとは異なる形態もしくは環境で、存在する。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドの精製は、不純物を除去し、これにより望ましくない免疫応答を低減または除去すること、例えばサイトカイン活性を低減することができる。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、カラムクロマトグラフィー(例えば強アニオン交換HPLC、弱アニオン交換HPLC、逆相HPLC(RP-HPLC)、及び疎水性相互作用HPLC(HIC-HPLC)、または(LCMS))を使用して、投与の前に精製される。
いくつかの実施形態では、カラムクロマトグラフィー(例えば強アニオン交換HPLC、弱アニオン交換HPLC、逆相HPLC(RP-HPLC、疎水性相互作用HPLC(HIC-HPLC)、または(LCMS))を使用して精製された本開示のポリヌクレオチドは、異なる精製方法によって精製された同じ本開示のポリヌクレオチドにより得られる発現レベルと比較して、コードされるIL-12タンパク質の発現の増大を提示する。
いくつかの実施形態では、カラムクロマトグラフィー(例えば強アニオン交換HPLC、弱アニオン交換HPLC、逆相HPLC(RP-HPLC)、疎水性相互作用HPLC(HIC-HPLC)、または(LCMS))精製ポリヌクレオチドは、当技術分野において公知の点変異のうちの1つまたは複数を含むIL-12ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、RP-HPLC精製ポリヌクレオチドの使用は、細胞においてIL-12タンパク質発現レベルを、これらの細胞に導入されたとき、RP-HPLC精製ポリヌクレオチドが細胞に導入される前、または非RP-HPLC精製ポリヌクレオチドが細胞に導入された後の細胞におけるIL-12タンパク質の発現レベルに対して、例えば10~100%、すなわち、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%だけ増大させる。
いくつかの実施形態では、RP-HPLC精製ポリヌクレオチドの使用は、細胞において機能的IL-12タンパク質発現レベルを、これらの細胞に導入されたとき、RP-HPLC精製ポリヌクレオチドが細胞に導入される前、または非RP-HPLC精製ポリヌクレオチドが細胞に導入された後の細胞におけるIL-12タンパク質の機能的発現レベルに対して、例えば10~100%、すなわち、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%だけ増大させる。
いくつかの実施形態では、RP-HPLC精製ポリヌクレオチドの使用は、細胞において検出可能なIL-12活性を、これらの細胞に導入されたとき、RP-HPLC精製ポリヌクレオチドが細胞に導入される前、または非RP-HPLC精製ポリヌクレオチドが細胞に導入された後の細胞における機能的IL-12の活性レベルに対して、例えば10~100%、すなわち、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%だけ増大させる。
いくつかの実施形態では、精製ポリヌクレオチドは、少なくとも約80%の純度、少なくとも約85%の純度、少なくとも約90%の純度、少なくとも約95%の純度、少なくとも約96%の純度、少なくとも約97%の純度、少なくとも約98%の純度、少なくとも約99%の純度、または約100%の純度である。
品質保証及び/または品質管理チェックは、例えば限定されないが、ゲル電気泳動、UV吸光度、または分析HPLCなどの方法を使用して実施することができる。別の実施形態では、ポリヌクレオチドは、逆転写酵素-PCRを含むがこれに限定されない方法により配列決定できる。
d.連結したIL-12ポリペプチドをコードする発現したポリヌクレオチドの定量化
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド、それらの発現産物、ならびに分解産物及び代謝産物は、当技術分野において公知の方法によって定量化することができる。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、エクソソームにおいて、または1つもしくは複数の体液に由来する場合に、定量化することができる。本明細書において使用される場合、「体液」には、末梢血、血清、血漿、腹水、尿、脳脊髄液(CSF)、喀痰、唾液、骨髄、滑液、房水、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、***、前立腺液、カウパー液または***前液、汗、***物、毛髪、涙液、嚢胞液、胸膜液及び腹膜液、心膜液、リンパ液、粥状液、乳糜液、胆汁、間質液、経血、膿汁、皮脂、嘔吐物、腟分泌物、粘膜分泌物、大便水、膵液、鼻腔からの洗浄液、気管支肺吸飲液、胞胚腔液、ならびに臍帯血が含まれる。あるいは、エクソソームは、肺、心臓、膵臓、胃、腸、膀胱、腎臓、卵巣、精巣、皮膚、結腸、***、前立腺、脳、食道、肝臓、及び胎盤からなる群から選択される器官から採取してもよい。
エクソソーム定量化方法では、2mL以下の試料を対象から得、エクソソームを、サイズ排除クロマトグラフィー、密度勾配遠心法、分画遠心分離、ナノ膜限外濾過、免疫吸着捕捉、親和性精製、マイクロ流体分離、またはこれらの組合せによって、単離する。分析において、ポリヌクレオチドのレベルまたは濃度は、投与された構築物の発現レベル、存在、不在、短縮、または変化であり得る。そのレベルを、1つもしくは複数の臨床表現型、またはヒト疾患バイオマーカーに関するアッセイと、相関させることが有利である。
アッセイは、構築物特異的プローブ、サイトメトリー、qRT-PCR、リアルタイムPCR、PCR、フローサイトメトリー、電気泳動、質量分析、またはこれらの組合せを使用して行うことができ、一方で、エクソソームは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)方法などの免疫組織化学法を使用して単離することができる。エクソソームはまた、サイズ排除クロマトグラフィー、密度勾配遠心法、分画遠心分離、ナノ膜限外濾過、免疫吸着捕捉、親和性精製、マイクロ流体分離、またはこれらの組合せによって単離してもよい。
これらの方法は、試験者に、残っているポリヌクレオチドまたは送達されたポリヌクレオチドのレベルを、リアルタイムでモニタリングする能力をもたらす。本開示のポリヌクレオチドは、構造的または化学的修飾に起因して内因性の形態とは異なるため、これが可能である。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、紫外可視分光法(UV/Vis)などであるがこれに限定されない方法を使用して、定量化することができる。UV/Vis分光計の非限定的な例は、NANODROP(登録商標)分光計(ThermoFisher,Waltham,MA)である。定量化されたポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが、適正なサイズであり得るかを判定し、ポリヌクレオチドの分解が生じていないことを調べるために、分析してもよい。ポリヌクレオチドの分解は、限定されないが、アガロースゲル電気泳動、HPLCに基づく精製方法、例えば限定されないが、強アニオン交換HPLC、弱アニオン交換HPLC、逆相HPLC(RP-HPLC)、及び疎水性相互作用HPLC(HIC-HPLC)、液体クロマトグラフィー-質量分析(LCMS)、キャピラリー電気泳動(CE)、及びキャピラリーゲル電気泳動(CGE)などの方法によって、調べることができる。
24.薬学的組成物及び製剤
本開示は、上述のポリヌクレオチドのうちのいずれかを含む、薬学的組成物及び製剤を提供する。いくつかの実施形態では、組成物または製剤は、送達剤をさらに含む。
いくつかの実施形態では、組成物または製剤は、本明細書に開示されるIL-12ポリペプチド及び本明細書に開示される膜ドメインを含む連結したIL-12ポリペプチドをコードする本明細書に開示される配列最適化核酸配列を含むポリヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、組成物または製剤は、IL-12ポリペプチドをコードする本明細書に開示される配列最適化核酸配列及び/または膜ドメインをコードする本明細書に開示される配列最適化核酸配列に対して有意な配列同一性を有する核酸配列(例えばORF)を含むポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、miRNA結合部位、例えばmiR-122に結合するmiRNA結合部位をさらに含む。
薬学的組成物または製剤は、任意選択で、1つまたは複数の追加の活性物質、例えば治療的及び/または予防的に活性な物質を含んでもよい。本開示の薬学的組成物または製剤は、滅菌及び/または発熱物質不含であり得る。医薬製剤の製剤化及び/または製造における一般的な考慮事項は、例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy 21st ed.,Lippincott Williams&Wilkins,2005(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に見出すことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、ヒト、ヒト患者、または対象に投与される。本開示の目的で、「活性成分」という語句は、一般に、本明細書に記載の送達されるポリヌクレオチドを指す。
本明細書に記載される製剤及び薬学的組成物は、薬理学の分野において公知であるかまたは今後開発される、任意の方法によって調製することができる。一般に、そのような調製方法は、活性成分を賦形剤及び/または1つもしくは複数の他の補助成分と会合させ、次いで、必要に応じて及び/または望ましい場合には、生成物を所望される単回または複数回投薬単位に分割、成形、及び/またはパッケージングするステップを含む。
本開示による薬学的組成物または製剤は、バルクで、単回の単位用量として、及び/または複数の単回単位用量として、調製、パッケージング、及び/または販売され得る。本明細書において使用される場合、「単位用量」とは、所定の量の活性成分を含む薬学的組成物の個別の量を指す。活性成分の量は、一般に、対象に投与されるであろう活性成分の投薬量、及び/またはそのような投薬量の便宜的な割合、例えばそのような投薬量の半分または3分の1などに等しい。
本開示による薬学的組成物中の活性成分、薬学的に許容可能な賦形剤、及び/または任意の追加の成分の相対的な量は、処置を受ける対象の同一性、サイズ、及び/または状態に応じて、さらには組成物を投与しようとする経路に応じて、変動し得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物及び製剤は、少なくとも1つの本開示のポリヌクレオチドを含有し得る。非限定的な例として、組成物または製剤は、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの本開示のポリヌクレオチドを含有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または製剤は、1つより多くの種類のポリヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、組成物または製剤は、線形形態及び環状形態のポリヌクレオチドを含み得る。別の実施形態では、組成物または製剤は、環状ポリヌクレオチド及びIVTポリヌクレオチドを含み得る。さらに別の実施形態では、組成物または製剤は、IVTポリヌクレオチド、キメラポリヌクレオチド、及び環状ポリヌクレオチドを含み得る。
本明細書において提供される薬学的組成物及び製剤の説明は、主として、ヒトへの投与に好適な薬学的組成物及び製剤を対象としているが、当業者であれば、そのような組成物が、一般に、他の任意の動物、例えば非ヒト動物、例えば非ヒト哺乳動物への投与に好適であることを理解するであろう。
本開示は、本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む、医薬製剤を提供する。本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、(1)安定性を増大させるため、(2)細胞のトランスフェクションを増大させるため、(3)持続放出もしくは遅延放出を可能にするため(例えばポリヌクレオチドのデポ製剤から)、(4)体内分布を変化させるため(例えばポリヌクレオチドの標的を特定の組織もしくは細胞型とするため)、(5)in vivoでコードされるタンパク質の翻訳を増大させるため、及び/または(6)in vivoでコードされるタンパク質の放出プロファイルを変化させるために、1つまたは複数の賦形剤を使用して、製剤化してもよい。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、送達剤(例えば、式(I)を有する化合物)をさらに含む。
薬学的に許容可能な賦形剤としては、本明細書において使用される場合、所望される特定の剤形に好適な、あらゆる溶媒、分散媒、または他の液体ビヒクル、分散もしくは懸濁補助剤、希釈剤、造粒剤及び/または分散剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、保存剤、結合剤、滑沢剤もしくは油、着色剤、甘味剤もしくは香味剤、安定剤、酸化防止剤、抗微生物剤もしくは抗真菌剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、緩衝液、キレート剤、凍結保護剤、及び/または増量剤が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的組成物を製剤化するための様々な賦形剤及び組成物を調製するための技法は、当技術分野において公知である(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,A.R.Gennaro(Lippincott,Williams&Wilkins,Baltimore,MD,2006を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。
例示的な希釈剤としては、炭酸カルシウムもしくは炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微晶質セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトールなど、及び/またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な造粒剤及び/または分散剤としては、デンプン、アルファ化デンプン、または微晶質デンプン、アルギン酸、グアーガム、寒天、ポリ(ビニル-ピロリドン)、(ピロビドン)、架橋型ポリ(ビニル-ピロリドン)(クロスポビドン)、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(VEEGUM(登録商標))、ラウリル硫酸ナトリウムなど、及び/またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な界面活性剤及び/または乳化剤としては、天然の乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、及びレシチン)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[TWEEN(登録商標)80]、ソルビタンモノパルミテート[SPAN(登録商標)40]、グリセリルモノオレエート、ポリオキシエチレンエステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、CREMOPHOR(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[BRIJ(登録商標)30])、PLUORINC(登録商標)F 68、POLOXAMER(登録商標)188など、及び/またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、モラセス、ラクトース、ラクチトール、マンニトール)、アミノ酸(例えば、グリシン)、天然及び合成のガム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど、ならびにこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
酸化は、mRNA、特に、液体mRNA製剤の、潜在的な分解経路である。酸化を予防するために、酸化防止剤を製剤に添加してもよい。例示的な酸化防止剤としては、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ベンジルアルコール、ブチルヒドロキシアニソール、m-クレゾール、メチオニン、ブチルヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸ナトリウムまたはカリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウムなど、ならびにこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的なキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸二ナトリウム、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸、エデト酸三ナトリウムなど、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な抗微生物剤または抗真菌剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウムまたはナトリウム、ソルビン酸カリウムまたはナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸など、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な保存剤としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、クエン酸、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)など、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド溶液のpHは、安定性を向上させるために、pH5~pH8に維持される。pHを調節するための例示的な緩衝液としては、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、ヒスチジン(もしくはヒスチジン-HCl)、リンゴ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど、及び/またはこれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。
例示的な滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、モルト、水添植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムまたはマグネシウムなど、及びこれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される薬学的組成物または製剤は、凍結する際に本明細書に記載されるポリヌクレオチドを安定化するための凍結保護剤を含有し得る。例示的な凍結保護剤としては、マンニトール、スクロース、トレハロース、ラクトース、グリセロール、デキストロースなど、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される薬学的組成物または製剤は、「薬学的に洗練された」固形物をもたらし、長期(例えば36ヶ月間)の保管期間の間、凍結乾燥されたポリヌクレオチドを安定させるために、凍結乾燥ポリヌクレオチド製剤中に増量剤を含有してもよい。本開示の例示的な増量剤としては、スクロース、トレハロース、マンニトール、グリシン、ラクトース、ラフィノース、及びこれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、送達剤をさらに含む。本開示の送達剤としては、リポソーム、脂質ナノ粒子、リピドイド、ポリマー、リポプレックス、微細小胞(microvesicles)、エクソソーム、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチドでトランスフェクトした細胞、ヒアルロニダーゼ、ナノ粒子模倣体、ナノチューブ、コンジュゲート、及びこれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。
25.送達剤
A.脂質化合物
本開示は、有利な特性を有する薬学的組成物を提供する。具体的には、本出願は、(a)本明細書にて開示される連結したIL-12ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、及び(b)送達剤を含む、薬学的組成物を提供する。
一実施形態では、本開示の送達剤は、脂質ナノ粒子である。別の実施形態では、送達剤は、式(I):
Figure 0007285220000003
を含む。
他の実施形態では、本開示の送達剤は、2016年9月16日に出願され、WO2017/2017/049245として公開された、国際出願第PCT/US2016/052352号に開示されている任意の1つまたは複数の化合物を含み、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書に開示される脂質化合物のアミン部分は、特定の条件下でプロトン化され得る。例えば、式(I)による脂質の中心アミン部分は、典型的には、アミノ部分のpKaより低いpHでプロトン化(すなわち、正に帯電)し、pKaより高いpHでは実質的に帯電しない。そのような脂質は、イオン化可能アミノ脂質と称され得る。
1つの特定の実施形態では、イオン化可能アミノ脂質は、式(I)の化合物である。
いくつかの実施形態では、イオン化可能アミノ脂質、例えば式(I)の化合物の量は、脂質組成物中、約1モル%~99モル%の範囲である。
一実施形態では、イオン化可能アミノ脂質、例えば式(I)の化合物の量は、脂質組成物中、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99モル%である。
一実施形態では、イオン化可能アミノ脂質、例えば式(I)の化合物の量は、脂質組成物中、約30モル%~約70モル%、約35モル%~約65モル%、約40モル%~約60モル%、及び約45モル%~約55モル%の範囲である。
1つの特定の実施形態では、式(I)の化合物の量は、脂質組成物中、約50モル%である。
式(I)の化合物に加えて、本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、追加の成分、例えばリン脂質、構造脂質、第四級アミン化合物、PEG脂質、及びこれらの任意の組合せを含み得る。
b.脂質組成物中の追加の成分
(i)リン脂質
本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、1つまたは複数のリン脂質、例えば、1つまたは複数の飽和または(ポリ)不飽和リン脂質またはそれらの組合せを含み得る。一般に、リン脂質は、リン脂質部分及び1つまたは複数の脂肪酸部分を含む。
リン脂質部分は、例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、2-リゾホスファチジルコリン、及びスフィンゴミエリンからなる非限定的な群から選択され得る。
脂肪酸部分は、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アルファ-リノール酸、エルカ酸、フィタン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサペンタエン酸、及びドコサヘキサンエン酸からなる非限定的な群から選択され得る。
特定のリン脂質は、膜への融合を促進し得る。例えば、カチオン性リン脂質は、膜(例えば、細胞膜または細胞内膜)の1つまたは複数の負に帯電したリン脂質と相互作用し得る。リン脂質の膜への融合は、脂質含有組成物(例えばLNP)の1つまたは複数の要素(例えば治療剤)が、膜を通過することを可能にし得、例えば1つまたは複数の要素の標的組織(例えば腫瘍組織)への送達を可能にし得る。
分岐化、酸化、環化、及びアルキンを含む修飾及び置換を有する天然の種を含む、非天然のリン脂質の種もまた、企図される。例えば、リン脂質は、1つまたは複数のアルキン(例えば1つまたは複数の二重結合が三重結合で置き換えられたアルケニル基)で官能化され得るかまたはそれに架橋し得る。適切な反応条件下において、アルキン基は、アジドに曝露されると、銅に触媒される環状付加を受け得る。そのような反応は、膜透過もしくは細胞認識を促進するためにナノ粒子組成物の脂質二重層を官能化すること、またはナノ粒子組成物を、有用な成分、例えば標的化もしくは画像化部分(例えば色素)にコンジュゲートすることに有用であり得る。
リン脂質としては、グリセロリン脂質、例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、及びホスファチジン酸が挙げられるが、これらに限定されない。リン脂質はまた、スフィンゴリン脂質、例えばスフィンゴミエリンも含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される腫瘍内送達のための薬学的組成物は、2つ以上のリン脂質を含んでもよい。2つ以上のリン脂質が使用される場合、そのようなリン脂質は、同じリン脂質クラス(例えばMSPC及びDSPC)、または異なるクラス(例えばMSPC及びMSPE)に属し得る。
リン脂質は、対称型または非対称型のものであり得る。本明細書において使用される場合、「対称リン脂質」という用語には、一致する脂肪酸部分を有するグリセロリン脂質、ならびに変動する脂肪酸部分及びスフィンゴシン骨格の炭化水素鎖が、同等の数の炭素原子を含む、スフィンゴ脂質が含まれる。本明細書において使用される場合、「非対称リン脂質」という用語には、リゾ脂質、異なる脂肪酸部分(例えば異なる数の炭素原子及び/または不飽和(例えば二重結合)を有する脂肪酸部分)を有するグリセロリン脂質、ならびに、変動する脂肪酸部分及びスフィンゴシン骨格の炭化水素鎖が類似しない数の炭素原子を含む(例えば変動する脂肪酸部分が、炭化水素鎖よりも少なくとも2個多い炭素原子を含むか、炭化水素鎖よりも少なくとも2個少ない炭素原子を含む)スフィンゴ脂質、が含まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、少なくとも1つの対称リン脂質を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、DLPC、DMPC、DOPC、DPPC、DSPC、DUPC、18:0 Diether PC、DLnPC、DAPC、DHAPC、DOPE、4ME 16:0 PE、DSPE、DLPE、DLnPE、DAPE、DHAPE、DOPG、及びこれらの任意の組合せからなる非限定的な群から選択される少なくとも1つの対称リン脂質を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、MPPC、MSPC、PMPC、PSPC、SMPC、SPPC、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの非対称リン脂質を含む。いくつかの実施形態では、非対称リン脂質は、1-ミリストイル-2-ステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(MSPC)である。特定の実施形態では、非対称リン脂質は、2017年4月13日に出願された国際出願第PCT/US17/27492号に開示されている1つまたは複数のリン脂質であり、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物は、1つもしくは複数の対称リン脂質、1つもしくは複数の非対称リン脂質、またはこれらの組合せを含有し得る。複数のリン脂質が存在する場合、それらは、等モル比または非等モル比で存在し得る。
一実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、脂質組成物中、約1モル%~約20モル%、約5モル%~約20モル%、約10モル%~約20モル%、約15モル%~約20モル%、約1モル%~約15モル%、約5モル%~約15モル%、約10モル%~約15モル%、約5モル%~約10モル%の範囲の総量のリン脂質(例えばMSPC)を含む。一実施形態では、リン脂質の量は、脂質組成物中、約8モル%~約15モル%である。一実施形態では、リン脂質(例えばMSPC)の量は、脂質組成物中、約10モル%である。
いくつかの態様では、特定のリン脂質(例えばMSPC)の量は、脂質組成物中、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20モル%である。
(ii)第四級アミン化合物
本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、1つまたは複数の第四級アミン化合物(例えばDOTAP)を含み得る。「第四級アミン化合物」という用語は、1つまたは複数の第四級アミン基(例えばトリアルキルアミノ基)を有し、永続的に正の電荷を有し、塩の形態で存在する、化合物を含んで使用される。例えば、1つまたは複数の第四級アミン基は、脂質またはポリマー(例えばPEG)で存在し得る。いくつかの実施形態では、第四級アミン化合物は、(1)第四級アミン基、ならびに(2)(i)直鎖もしくは分岐鎖で飽和もしくは不飽和の炭化水素鎖、及び(ii)任意選択で第四級アミン基と炭化水素鎖との間にエーテル、エステル、カルボニル、もしくはケタール結合を含む少なくとも1つの疎水性尾部基、を含む。いくつかの実施形態では、第四級アミン基は、トリメチルアンモニウム基であり得る。いくつかの実施形態では、第四級アミン化合物は、2つの同一な炭化水素鎖を含む。いくつかの実施形態では、第四級アミン化合物は、2つの異なる炭化水素鎖を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、少なくとも1つの第四級アミン化合物を含む。一実施形態では、第四級アミン化合物は、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTAP)である。
第四級アミン化合物は、US2013/0245107 A1、US2014/0363493 A1、US8,158,601、WO2015/123264 A1、及びWO2015/148247 A1に記載されているものなど、当技術分野において公知であり、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物中の第四級アミン化合物(例えばDOTAP)の量は、約0.01モル%~約20モル%の範囲である。
一実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物中の第四級アミン化合物(例えばDOTAP)の量は、約0.5モル%~約20モル%、約0.5モル%~約15モル%、約0.5モル%~約10モル%、約1モル%~約20モル%、約1モル%~約15モル%、約1モル%~約10モル%、約2モル%~約20モル%、約2モル%~約15モル%、約2モル%~約10モル%、約3モル%~約20モル%、約3モル%~約15モル%、約3モル%~約10モル%、約4モル%~約20モル%、約4モル%~約15モル%、約4モル%~約10モル%、約5モル%~約20モル%、約5モル%~約15モル%、約5モル%~約10モル%、約6モル%~約20モル%、約6モル%~約15モル%、約6モル%~約10モル%、約7モル%~約20モル%、約7モル%~約15モル%、約7モル%~約10モル%、約8モル%~約20モル%、約8モル%~約15モル%、約8モル%~約10モル%、約9モル%~約20モル%、約9モル%~約15モル%、約9モル%~約10mol%の範囲である。
一実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物中の第四級アミン化合物(例えばDOTAP)の量は、約5モル%~約10モル%の範囲である。
一実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物中の第四級アミン化合物(例えばDOTAP)の量は、約5モル%である。一実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物中の第四級アミン化合物(例えばDOTAP)の量は、約10モル%である。
いくつかの実施形態では、第四級アミン化合物(例えばDOTAP)の量は、本明細書に開示される脂質組成物中の少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、または20モル%である。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、式(I)の化合物を含む。一実施形態では、式(I)の化合物対第四級アミン化合物(例えばDOTA)のモル比は、約100:1~約2.5:1である。一実施形態では、式(I)の化合物対第四級アミン化合物(例えばDOTAP)のモル比は、約90:1、約80:1、約70:1、約60:1、約50:1、約40:1、約30:1、約20:1、約15:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、または約2.5:1である。一実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物中の式(I)の化合物対第四級アミン化合物(例えばDOTAP)のモル比は、約10:1である。
いくつかの態様では、本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、第四級アミン化合物を含まない。いくつかの態様では、本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、DOTAPを含まない。
(iii)構造脂質
本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、1つまたは複数の構造脂質を含み得る。本明細書において使用される場合、「構造脂質」という用語は、ステロールを指し、また、ステロール部分を含有する脂質を指す。いくつかの実施形態では、構造脂質は、コレステロール、フェコステロール、シトステロール、エルゴステロール、カンペステロール、スティグマステロール、ブラシカステロール、トマチジン、トマチン、ウルソール酸、アルファ-トコフェロール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、構造脂質はコレステロールである。
一実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物中の構造脂質(例えばステロール、例えばコレステロール)の量は、約20モル%~約60モル%、約25モル%~約55モル%、約30モル%~約50モル%、または約35モル%~約45モル%の範囲である。
一実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物中の構造脂質(例えばステロール、例えばコレステロール)の量は、約25モル%~約30モル%、約30モル%~約35モル%、または約35モル%~約40モル%の範囲である。
一実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物中の構造脂質(例えばステロール、例えばコレステロール)の量は、約23.5モル%、約28.5モル%、約33.5モル%、または約38.5モル%である。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物中の構造脂質(例えばステロール、例えばコレステロール)の量は、少なくとも約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60モル%である。
いくつかの態様では、開示される腫瘍内送達のための薬学的組成物の脂質組成物成分は、コレステロールを含まない。
(iv)ポリエチレングリコール(PEG)脂質
本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、1つまたは複数のポリエチレングリコール(PEG)脂質を含み得る。
本明細書において使用される場合、「PEG脂質」という用語は、ポリエチレングリコール(PEG)修飾脂質を指す。PEG脂質の非限定的な例としては、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジン酸、PEG-セラミドコンジュゲート(例えばPEG-CerC14またはPEG-CerC20)、PEG修飾ジアルキルアミン、及びPEG修飾1,2-ジアシルオキシプロパン-3-アミンが挙げられる。そのような脂質は、PEG化脂質とも称される。例えば、PEG脂質は、PEG-c-DOMG、PEG-DMG、PEG-DLPE、PEG-DMPE、PEG-DPPC、またはPEG-DSPE脂質であり得る。
いくつかの実施形態では、PEG脂質としては、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロールメトキシポリエチレングリコール(PEG-DMG)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[アミノ(ポリエチレングリコール)](PEG-DSPE)、PEG-ジステリルグリセロール(PEG-DSG)、PEG-ジパルメトレイル、PEG-ジオレイル、PEG-ジステアリル、PEG-ジアシルグリカミド(PEG-DAG)、PEG-ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(PEG-DPPE)、またはPEG-1,2-ジミリスチルオキシルプロピル-3-アミン(PEG-c-DMA)が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、PEG脂質は、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミン、PEG修飾ホスファチジン酸、PEG修飾セラミド、PEG修飾ジアルキルアミン、PEG修飾ジアシルグリセロール、PEG修飾ジアルキルグリセロール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、PEG脂質の脂質部分には、約C14~約C22、好ましくは約C14~約C16の長さを有するものが含まれる。いくつかの実施形態では、PEG部分、例えばmPEG-NHは、約1000、2000、5000、10,000、15,000、または20,000ダルトンのサイズを有する。一実施形態では、PEG脂質は、PEG2k-DMGである。
一実施形態では、本明細書に記載される脂質ナノ粒子は、非拡散性PEGであるPEG脂質を含み得る。非拡散性PEGの非限定的な例としては、PEG-DSG及びPEG-DSPEが挙げられる。
PEG脂質は、米国特許第8158601号及び国際公開第WO2015/130584号A2に記載されているものなど、当技術分野において公知であり、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物中のPEG脂質の量は、約0.1モル%~約5モル%、約0.5モル%~約5モル%、約1モル%~約5モル%、約1.5モル%~約5モル%、約2モル%~約5モル%モル%、約0.1モル%~約4モル%、約0.5モル%~約4モル%、約1モル%~約4モル%、約1.5モル%~約4モル%、約2モル%~約4モル%、約0.1モル%~約3モル%、約0.5モル%~約3モル%、約1モル%~約3モル%、約1.5モル%~約3モル%、約2モル%~約3モル%、約0.1モル%~約2モル%、約0.5モル%~約2モル%、約1モル%~約2モル%、約1.5モル%~約2モル%、約0.1モル%~約1.5モル%、約0.5モル%~約1.5モル%、または約1モル%~約1.5モル%の範囲である。
一実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物中のPEG脂質の量は、約1.5モル%である。
一実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物中のPEG脂質の量は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5モル%である。
いくつかの態様では、本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、PEG脂質を含まない。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物は、イオン化可能アミノ脂質、例えば式(I)の化合物、及び非対称リン脂質を含む。いくつかの実施形態では、脂質組成物は、化合物18及びMSPCを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物は、イオン化可能アミノ脂質、例えば式(I)の化合物、及び第四級アミン化合物を含む。いくつかの実施形態では、脂質組成物は、化合物18及びDOTAPを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される脂質組成物は、イオン化可能アミノ脂質、例えば式(I)の化合物、非対称リン脂質、及び第四級アミン化合物を含む。いくつかの実施形態では、脂質組成物は、化合物18、MSPC、及びDOTAPを含む。
一実施形態では、脂質組成物は、約50モル%の式(I)の化合物、約10モル%のDSPCまたはMSPC、約33.5モル%のコレステロール、約1.5モル%のPEG-DMG、及び約5モル%のDOTAPを含む。一実施形態では、脂質組成物は、約50モル%の式(I)の化合物、約10モル%のDSPCまたはMSPC、約28.5モル%のコレステロール、約1.5モル%のPEG-DMG、及び約10モル%のDOTAPを含む。
脂質ナノ粒子の成分は、所望の転帰に基づいてポリヌクレオチドの最適な送達のために適合させることができる。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、40~60モル%のイオン化可能アミノ脂質(例えば式(I)の化合物)、8~16モル%のリン脂質、30~45モル%のコレステロール、1~5モル%のPEG脂質、及び任意選択で1~15モル%の第四級アミン化合物を含み得る。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、45~65モル%のイオン化可能アミノ脂質(例えば式(I)の化合物)、5~10モル%のリン脂質、25~40モル%のコレステロール、0.5~5モル%のPEG脂質、及び任意選択で1~15モル%の第四級アミン化合物を含み得る。
核酸脂質粒子の非限定的な例は、米国特許公開第20140121263号に開示されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(v)他のイオン化可能アミノ脂質
本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、式(I)による脂質に加えて、1つまたは複数のイオン化可能脂質を含み得る。
イオン化可能脂質は、3-(ジドデシルアミノ)-N1,N1,4-トリドデシル-1-ピペラジンエタンアミン(KL10)、N1-[2-(ジドデシルアミノ)エチル]-N1,N4,N4-トリドデシル-1,4-ピペラジンジエタンアミン(KL22)、14,25-ジトリデシル-15,18,21,24-テトラアザ-オクタトリアコンタン(KL25)、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLin-DMA)、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノメチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-K-DMA)、ヘプタトリアコンタ-6,9,28,31-テトラエン-19-イル4-(ジメチルアミノ)ブタノエート(DLin-MC3-DMA)、2,2-ジリノレイル-4-(2-ジメチルアミノエチル)-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、1,2-ジオレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DODMA)、(13Z,165Z)-N,N-ジメチル-3-ノニドコサ-13-16-ジエン-1-アミン(L608)、2-({8-[(3β)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(オクチル-CLinDMA)、(2R)-2-({8-[(3β)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(オクチル-CLinDMA(2R))、及び(2S)-2-({8-[(3β)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(オクチル-CLinDMA(2S))からなる非限定群から選択され得る。これらに加え、イオン化可能アミノ脂質は、環状アミン基を含む脂質であってもよい。
イオン化可能脂質はまた、国際公開第WO2015/199952号A1に開示されている化合物であってもよく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(vi)他の脂質組成物成分
本明細書に開示される薬学的組成物の脂質組成物は、上述のものに加えて、1つまたは複数の成分を含み得る。例えば、脂質組成物は、1つまたは複数の透過性増強分子、炭水化物、ポリマー、表面改質剤(例えば界面活性剤)、または他の成分を含み得る。例えば、透過性増強分子は、米国特許出願公開第2005/0222064号に記載されている分子であってもよい。炭水化物は、単糖類(例えばグルコース)及び多糖類(例えばグリコーゲン、ならびにその誘導体及び類似体)を含み得る。脂質組成物は、pH7のクエン酸もしくはリン酸などであるがこれらに限定されない緩衝液、塩、及び/または糖を含み得る。塩及び/または糖は、等張性のために、本明細書に記載される製剤に含まれ得る。
ポリマーは、本明細書に開示される薬学的組成物(例えば脂質ナノ粒子の形態の薬学的組成物)を封入または部分的に封入するために、含まれ得る及び/または使用され得る。ポリマーは、生分解性及び/または生体適合性であり得る。ポリマーは、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルバメート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、及びポリアリレートから選択され得るが、これらに限定されない。
脂質組成物とポリヌクレオチドとの間の比の範囲は、約10:1~約60:1(重量/重量)であり得る。
いくつかの実施形態では、脂質組成物とポリヌクレオチドとの間の比は、約10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1、36:1、37:1、38:1、39:1、40:1、41:1、42:1、43:1、44:1、45:1、46:1、47:1、48:1、49:1、50:1、51:1、52:1、53:1、54:1、55:1、56:1、57:1、58:1、59:1または60:1(重量/重量)であり得る。いくつかの実施形態では、脂質組成物対治療剤をコードするポリヌクレオチドの重量/重量比は、約20:1または約15:1である。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物は、2つ以上のポリペプチドを含有し得る。例えば、本明細書に開示される薬学的組成物は、2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)を含有し得る。
一実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子は、5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、55:1、60:1、もしくは70:1、または、例えばこれらに限定されないが、5:1~約10:1、約5:1~約15:1、約5:1~約20:1、約5:1~約25:1、約5:1~約30:1、約5:1~約35:1、約5:1~約40:1、約5:1~約45:1、約5:1~約50:1、約5:1~約55:1、約5:1~約60:1、約5:1~約70:1、約10:1~約15:1、約10:1~約20:1、約10:1~約25:1、約10:1~約30:1、約10:1~約35:1、約10:1~約40:1、約10:1~約45:1、約10:1~約50:1、約10:1~約55:1、約10:1~約60:1、約10:1~約70:1、約15:1~約20:1、約15:1~約25:1,約15:1~約30:1、約15:1~約35:1、約15:1~約40:1、約15:1~約45:1、約15:1~約50:1、約15:1~約55:1、約15:1~約60:1または約15:1~約70:1のこれらの比の範囲もしくはいずれかの、脂質:ポリヌクレオチド重量比のポリヌクレオチド(例えばmRNA)を含み得る。
一実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子は、およそ0.1mg/ml~2mg/ml、例えばこれらに限定されないが、0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.7mg/ml、0.8mg/ml、0.9mg/ml、1.0mg/ml、1.1mg/ml、1.2mg/ml、1.3mg/ml、1.4mg/ml、1.5mg/ml、1.6mg/ml、1.7mg/ml、1.8mg/ml、1.9mg/ml、2.0mg/mlまたは2.0mg/mlより大きな濃度のポリヌクレオチドを含み得る。
一実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチド及び脂質ナノ粒子を含む製剤は、0.15mg/ml~2mg/mlの本明細書に記載されるポリヌクレオチド(例えばmRNA)を含み得る。いくつかの実施形態では、製剤は、10mMのクエン酸緩衝液をさらに含んでもよく、製剤は、追加で、10%重量/重量までのスクロース(例えば、少なくとも1%重量/重量、少なくとも2%重量/重量、少なくとも3%重量/重量、少なくとも4%重量/重量、少なくとも5%重量/重量、少なくとも6%重量/重量、少なくとも7%重量/重量、少なくとも8%重量/重量、少なくとも9%重量/重量または10%重量/重量)を含んでもよい。
(vii)ナノ粒子組成物
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される薬学的組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)として製剤化される。したがって、本開示はまた、(i)本明細書に記載される式(I)の化合物などの送達剤を含む脂質組成物、及び(ii)本開示のポリヌクレオチド、を含むナノ粒子組成物も提供する。そのようなナノ粒子組成物において、本明細書に開示される脂質組成物は、本開示のポリヌクレオチドを封入し得る。
ナノ粒子組成物は、典型的に、マイクロメートル単位またはそれよりも小さいサイズであり、脂質二重層を含み得る。ナノ粒子組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)、リポソーム(例えば脂質小胞)、及びリポプレックスを包含する。例えば、ナノ粒子組成物は、500nmまたはそれ以下の直径を有する脂質二重層を有するリポソームであり得る。
ナノ粒子組成物には、例えば、脂質ナノ粒子(LNP)、リポソーム、及びリポプレックスが含まれる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、1つまたは複数の脂質二重層を含む小胞である。ある特定の実施形態では、ナノ粒子組成物は、水溶性コンパートメントで分離された、2つまたはそれ以上の同心二重層を含む。脂質二重層は、互いに官能化及び/または架橋され得る。脂質二重層は、1つまたは複数のリガンド、タンパク質、またはチャネルを含み得る。
本開示のナノ粒子組成物は、式(I)による少なくとも1つの化合物を含む。ナノ粒子組成物はまた、様々な他の成分も含み得る。例えば、ナノ粒子組成物は、式(I)による脂質に加えて、1つまたは複数の他の脂質、例えば(i)少なくとも1つのリン脂質、(ii)少なくとも1つの第四級アミン化合物、(iii)少なくとも1つの構造脂質、(iv)少なくとも1つのPEG脂質、または(v)これらの任意の組合せを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、式(I)の化合物及びリン脂質(例えばDSPCまたはMSPC)を含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、式(I)の化合物、リン脂質(例えばDSPCまたはMSPC)、及び第四級アミン化合物(例えばDOTAP)を含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、式(I)の化合物及び第四級アミン化合物(例えばDOTAP)を含む。
一実施形態では、ナノ粒子組成物は、(1)約50モル%の式(I)の化合物;約10モル%のDSPCまたはMSPC;約33.5モル%のコレステロール;約1.5モル%のPEG-DMG(例えばPEG2k-DMG);約5モル%のDOTAPを含む脂質組成物;及び(2)ポリヌクレオチドを含む。
一実施形態では、ナノ粒子組成物は、(1)約50モル%の式(I)の化合物;約10モル%のDSPCまたはMSPC;約28.5モル%のコレステロール;約1.5モル%のPEG-DMG(例えばPEG2k-DMG);約10モル%のDOTAPを含む脂質組成物;及び(2)ポリヌクレオチドを含む。
一実施形態では、ナノ粒子組成物は、(1)約50モル%の式(I)の化合物;約10モル%のDSPCまたはMSPC;約23.5モル%のコレステロール;約1.5モル%のPEG-DMG(例えばPEG2k-DMG);約15モル%のDOTAPを含む脂質組成物;及び(2)ポリヌクレオチドを含む。
ナノ粒子組成物は、様々な方法によって特徴付けることができる。例えば、顕微鏡法(例えば、透過電子顕微鏡法または走査型電子顕微鏡)を使用して、ナノ粒子組成物の形態学及びサイズ分布を試験することができる。動的光散乱法または電位差測定(例えば、電位差滴定)を使用して、ゼータ電位を測定することができる。動的光散乱法はまた、粒子サイズを判定するためにも利用することができる。Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments Ltd,Malvern,Worcestershire,UK)などの機器もまた、ナノ粒子組成物の複数の特徴、例えば粒子サイズ、多分散指数、及びゼータ電位を測定するために使用され得る。
ナノ粒子のサイズは、炎症などであるがこれに限定されない生物学的反応に対抗するのに役立ち得るか、またはポリヌクレオチドの生物学的効果を増大させ得る。
本明細書において使用される場合、ナノ粒子組成物の文脈における「サイズ」または「平均サイズ」とは、ナノ粒子組成物の平均直径を指す。
一実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、約10~約100nm、例えばこれらに限定されないが、約10~約20nm、約10~約30nm、約10~約40nm、約10~約50nm、約10~約60nm、約10~約70nm、約10~約80nm、約10~約90nm、約20~約30nm、約20~約40nm、約20~約50nm、約20~約60nm、約20~約70nm、約20~約80nm、約20~約90nm、約20~約100nm、約30~約40nm、約30~約50nm、約30~約60nm、約30~約70nm、約30~約80nm、約30~約90nm、約30~約100nm、約40~約50nm、約40~約60nm、約40~約70nm、約40~約80nm、約40~約90nm、約40~約100nm、約50~約60nm、約50~約70nm、約50~約80nm、約50~約90nm、約50~約100nm、約60~約70nm、約60~約80nm、約60~約90nm、約60~約100nm、約70~約80nm、約70~約90nm、約70~約100nm、約80~約90nm、約80~約100nm、及び/または約90~約100nmの直径を有する脂質ナノ粒子中に製剤化される。
一実施形態では、ナノ粒子は、約10~500nmの直径を有する。一実施形態では、ナノ粒子は、100nmより大きい、150nmより大きい、200nmより大きい、250nmより大きい、300nmより大きい、350nmより大きい、400nmより大きい、450nmより大きい、500nmより大きい、550nmより大きい、600nmより大きい、650nmより大きい、700nmより大きい、750nmより大きい、800nmより大きい、850nmより大きい、900nmより大きい、950nmより大きい、または1000nmより大きい直径を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物の最大寸法は、1μmまたはそれ以下(例えば1μm、900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、175nm、150nm、125nm、100nm、75nm、50nm、またはそれ以下)である。
ナノ粒子組成物は、比較的に均質であり得る。多分散指数を使用して、ナノ粒子組成物の均質性、例えばナノ粒子組成物の粒径分布を示すことができる。低い多分散指数(例えば0.3未満)は、通常、狭い粒径分布を示す。ナノ粒子組成物は、約0~約0.25、例えば0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、または0.25の多分散指数を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるナノ粒子組成物の多分散指数は、約0.10~約0.20であり得る。
ナノ粒子組成物のゼータ電位を使用して、組成物の界面動電位を示すことができる。例えば、ゼータ電位は、ナノ粒子組成物の表面電荷を示し得る。正であっても負であっても比較的低い電荷を有するナノ粒子組成物が、一般的に望ましいが、これは、より高度に帯電した種は、望ましくなく、細胞、組織、及び体内の他の要素と、相互作用し得るためである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるナノ粒子組成物のゼータ電位は、約-10mV~約+20mV、約-10mV~約+15mV、約10mV~約+10mV、約-10mV~約+5mV、約-10mV~約0mV、約-10mV~約-5mV、約-5mV~約+20mV、約-5mV~約+15mV、約-5mV~約+10mV、約-5mV~約+5mV、約-5mV~約0mV、約0mV~約+20mV、約0mV~約+15mV、約0mV~約+10mV、約0mV~約+5mV、約+5mV~約+20mV、約+5mV~約+15mV、または約+5mV~約+10mVであり得る。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子のゼータ電位は、約0mV~約100mV、約0mV~約90mV、約0mV~約80mV、約0mV~約70mV、約0mV~約60mV、約0mV~約50mV、約0mV~約40mV、約0mV~約30mV、約0mV~約20mV、約0mV~約10mV、約10mV~約100mV、約10mV~約90mV、約10mV~約80mV、約10mV~約70mV、約10mV~約60mV、約10mV~約50mV、約10mV~約40mV、約10mV~約30mV、約10mV~約20mV、約20mV~約100mV、約20mV~約90mV、約20mV~約80mV、約20mV~約70mV、約20mV~約60mV、約20mV~約50mV、約20mV~約40mV、約20mV~約30mV、約30mV~約100mV、約30mV~約90mV、約30mV~約80mV、約30mV~約70mV、約30mV~約60mV、約30mV~約50mV、約30mV~約40mV、約40mV~約100mV、約40mV~約90mV、約40mV~約80mV、約40mV~約70mV、約40mV~約60mV、及び約40mV~約50mVであり得る。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子のゼータ電位は、約10mV~約50mV、約15mV~約45mV、約20mV~約40mV、及び約25mV~約35mVであり得る。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子のゼータ電位は、約10mV、約20mV、約30mV、約40mV、約50mV、約60mV、約70mV、約80mV、約90mV、及び約100mVであり得る。
ポリヌクレオチドの「封入効率」という用語は、提供された最初の量に対して、調製後にナノ粒子組成物に封入されるかまたはそれ以外の方法で会合される、ポリヌクレオチドの量を示す。本明細書において使用される場合、「封入」は、完全、実質的、または部分的な封止、閉じ込め、包囲、または内包を指し得る。
封入効率は、高いことが望ましい(例えば100%に近い)。封入効率は、例えば、ナノ粒子組成物を含有する溶液中のポリヌクレオチドの量を、1つまたは複数の有機溶媒または界面活性剤でナノ粒子組成物を破壊する前と後で、比較することにより測定することができる。
蛍光を使用して、溶液中の遊離ポリヌクレオチドの量を測定してもよい。本明細書に記載のナノ粒子組成物について、ポリヌクレオチドの封入効率は、少なくとも50%、例えば50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であり得る。いくつかの実施形態では、封入効率は、少なくとも80%であり得る。ある特定の実施形態では、封入効率は、少なくとも90%であり得る。
本明細書に開示される薬学的組成物中に存在するポリヌクレオチドの量は、複数の要因、例えばポリヌクレオチドのサイズ、所望される標的及び/または用途、またはナノ粒子組成物の他の特性、ならびにポリヌクレオチドの特性に依存し得る。
例えば、ナノ粒子組成物において有用なmRNAの量は、mRNAのサイズ(長さ、または分子量として表される)、配列、及び他の特徴に依存し得る。ナノ粒子組成物中のポリヌクレオチドの相対的な量はまた変動し得る。
本開示の脂質ナノ粒子組成物中に存在する脂質組成物及びポリヌクレオチドの相対的な量は、有効性及び耐容性を考慮して最適化することができる。mRNAをポリヌクレオチドとして含む組成物については、N:P比が有用な測定法としての機能を果たし得る。
ナノ粒子組成物のN:P比は発現及び耐容性の両方を調節するため、低いN:P比及び強い発現を有するナノ粒子組成物が望ましい。N:P比は、ナノ粒子組成物中の脂質対RNAの比に応じて変動する。
一般に、低いN:P比が、好ましい。1つまたは複数のRNA、脂質、及びそれらの量は、約2:1~約30:1、例えば2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、22:1、24:1、26:1、28:1、または30:1のN:P比を提供するように選択され得る。ある特定の実施形態では、N:P比は、約2:1~約8:1であり得る。他の実施形態では、N:P比は、約5:1~約8:1である。ある特定の実施形態では、N:P比は、5:1~6:1である。1つの特定の態様では、N:P比は、約5.67:1である。
ナノ粒子組成物を提供することに加えて、本開示はまた、ポリヌクレオチドを封入することを含む、脂質ナノ粒子を産生する方法も提供する。そのような方法は、本明細書に開示される薬学的組成物のうちのいずれかを使用し、当技術分野において公知の脂質ナノ粒子の産生方法にしたがって、脂質ナノ粒子を産生することを含む。例えばWang et al.(2015)“Delivery of oligonucleotides with lipid nanoparticles” Adv.Drug Deliv.Rev.87:68-80;Silva et al.(2015)“Delivery Systems for Biopharmaceuticals.Part I:Nanoparticles and Microparticles” Curr.Pharm.Technol.16:940-954;Naseri et al.(2015)“Solid Lipid Nanoparticles and Nanostructured Lipid Carriers:Structure,Preparation and Application”Adv.Pharm.Bull.5:305-13;Silva et al.(2015)“Lipid nanoparticles for the delivery of biopharmaceuticals” Curr.Pharm.Biotechnol.16:291-302、及びそれらに引用されている参考文献を参照のこと。
26.他の送達剤
a.リポソーム、リポプレックス、及び脂質ナノ粒子
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、送達剤、例えばリポソーム、リポプレックス、脂質ナノ粒子、またはこれらの任意の組合せを含む。本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、1つまたは複数のリポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子を使用して製剤化され得る。リポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子を使用して、タンパク質産生を対象とするポリヌクレオチドの有効性を向上させることができるが、これは、これらの製剤が、ポリヌクレオチドによる細胞のトランスフェクションを増大させ得る、及び/またはコードされるタンパク質の翻訳を増大させ得るためである。リポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子はまた、ポリヌクレオチドの安定性を増大させるためにも使用することができる。
リポソームは、主として脂質二重層から構成され得、医薬製剤の投与のための送達用ビヒクルとして使用され得る、人工的に調製された小胞である。リポソームは、様々なサイズのものであり得る。多ラメラ小胞(MLV)は、直径が数百ナノメートルであり得、狭い水溶性コンパートメントで分離された同心二重層系列を含有し得る。小単細胞小胞(SUV)は、直径が50nmよりも小さくあり得、大単ラメラ小胞(LUV)は、直径が50~500nmであり得る。リポソーム設計は、限定されないが、非健常組織へのリポソームの結合を向上させるため、またはエンドサイトーシスなどであるがこれに限定されない事象を活性化するために、オプソニンまたはリガンドを含み得る。リポソームは、医薬製剤の送達を向上させるために、低いかまたは高いpH値を含有してもよい。
リポソームの形態は、封止される医薬製剤及びリポソーム成分、脂質小胞が分散される媒体の性質、封止される物質の有効濃度及びその潜在的な毒性、小胞の適用及び/または送達中に付随する任意の追加のプロセス、目的の用途に最適な小胞のサイズ、多分散性、及び保管寿命、ならびに安全かつ効率的なリポソーム生成物のバッチごとの再現性及び拡張生成性などに依存し得る。
非限定的な例として、合成膜小胞などのリポソームは、米国公開第US20130177638号、同第US20130177637号、同第US20130177636号、同第US20130177635号、同第US20130177634号、同第US20130177633号、同第US20130183375号、同第US20130183373号、及び同第US20130183372号に記載されている方法、装置、及びデバイスによって調製することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、例えば国際公開第WO2012031046号、同第WO2012031043号、同第WO2012030901号、同第WO2012006378号、及び同第WO2013086526号、ならびに米国公開第US20130189351号、同第US20130195969号、及び同第US20130202684号に記載されているように、リポソームによって封入され得る、及び/またはこれは、水溶性コア内に収容され得、このコアが、次いでリポソームによって封入されてもよい。これらの参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、カチオン性の水中油型エマルジョンにおいて製剤化されてもよく、該エマルジョン粒子は、油性のコア及びカチオン性脂質を含み、これらが、ポリヌクレオチドと相互作用し、分子をエマルジョン粒子にアンカーすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、親水相が分散された連続した疎水相を含む、油中水型エマルジョンにおいて製剤化され得る。例示的なエマルジョンは、国際公開第WO2012006380号及び同第WO201087791号に記載されている方法によって作製することができ、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、脂質-ポリカチオン複合体において製剤化され得る。脂質-ポリカチオン複合体の形成は、例えば米国公開第US20120178702号に記載されている方法によって達成することができる。非限定的な例として、ポリカチオンは、ポリリジン、ポリオルニチン、及び/またはポリアルギニン、ならびに国際公開第WO2012013326号または米国公開第US20130142818号に記載されているカチオン性ペプチドなどであるが、これらに限定されない、カチオン性ペプチドまたはポリペプチドを含み得る。これらの参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、国際公開第WO2013123523号、同第WO2012170930号、同第WO2011127255号、及び同第WO2008103276号、ならびに米国公開第US20130171646号に記載されているものなどの脂質ナノ粒子(LNP)において製剤化され得、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
脂質ナノ粒子製剤は、典型的に、1つまたは複数の脂質を含む。いくつかの実施形態では、脂質は、カチオン性またはイオン化可能脂質である。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、リン脂質、構造脂質、第四級アミン化合物、及び粒子の凝集を低減することができる分子、例えばPEGまたはPEG修飾脂質を含む、他の成分をさらに含む。
カチオン性脂質及びイオン化可能脂質としては、例えば国際公開第WO2015199952号、同第WO2015130584号、同第WO2015011633号、及び同第WO2012040184号、同第WO2013126803号、同第WO2011153120号、同第WO2011149733号、同第WO2011090965号、同第WO2011043913号、同第WO2011022460号、同第WO2012061259号、同第WO2012054365号、同第WO2012044638号、同第WO2010080724号、同第WO201021865号、同第WO2008103276号、及び同第WO2013086373号、米国特許第7,893,302号、同第7,404,969号、同第8,283,333号、及び同第8,466,122号、ならびに米国公開第US20110224447号、同第US20120295832号、同第US20150315112号、同第US20100036115号、同第US20120202871号、同第US20130064894号、同第US20130129785号、同第US20130150625号、同第US20130178541号、同第US20130123338号、及び同第US20130225836号に記載されているものを挙げることができ、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、脂質組成物中のカチオン性脂質及びイオン化可能脂質の量は、約0.01モル%~約99モル%の範囲である。
例示的なイオン化可能脂質としては、本明細書に開示される化合物1~147のうちのいずれか1つ、DLin-MC3-DMA(MC3)、DLin-DMA、DLenDMA、DLin-D-DMA、DLin-K-DMA、DLin-M-C2-DMA、DLin-K-DMA、DLin-KC2-DMA、DLin-KC3-DMA、DLin-KC4-DMA、DLin-C2K-DMA、DLin-MP-DMA、DODMA、98N12-5、C12-200、DLin-C-DAP、DLin-DAC、DLinDAP、DLinAP、DLin-EG-DMA、DLin-2-DMAP、KL10、KL22、KL25、オクチル-CLinDMA、オクチル-CLinDMA(2R)、オクチル-CLinDMA(2S)、及びこれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。他の例示的なイオン化可能脂質としては、(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン(L608)、(20Z,23Z)-N,N-ジメチルノナコサ-20,23-ジエン-10-アミン、(17Z,20Z)-N,N-ジメチルヘキサコサ-17,20-ジエン-9-アミン、(16Z,19Z)-N5N-ジメチルペンタコサ-16,19-ジエン-8-アミン、(13Z,16Z)-N,N-ジメチルドコサ-13,16-ジエン-5-アミン、(12Z,15Z)-N,N-ジメチルヘニコサ-12,15-ジエン-4-アミン、(14Z,17Z)-N,N-ジメチルトリコサ-14,17-ジエン-6-アミン、(15Z,18Z)-N,N-ジメチルテトラコサ-15,18-ジエン-7-アミン、(18Z,21Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-18,21-ジエン-10-アミン、(15Z,18Z)-N,N-ジメチルテトラコサ-15,18-ジエン-5-アミン、(14Z,17Z)-N,N-ジメチルトリコサ-14,17-ジエン-4-アミン、(19Z,22Z)-N,N-ジメチルオクタコサ-19,22-ジエン-9-アミン、(18Z,21Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-18,21-ジエン-8-アミン、(17Z,20Z)-N,N-ジメチルヘキサコサ-17,20-ジエン-7-アミン、(16Z,19Z)-N,N-ジメチルペンタコサ-16,19-ジエン-6-アミン、(22Z,25Z)-N,N-ジメチルヘントリアコンタ-22,25-ジエン-10-アミン、(21Z,24Z)-N,N-ジメチルトリアコンタ-21,24-ジエン-9-アミン、(18Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-18-エン-10-アミン、(17Z)-N,N-ジメチルヘキサコサ-17-エン-9-アミン、(19Z,22Z)-N,N-ジメチルオクタコサ-19,22-ジエン-7-アミン、N,N-ジメチルヘプタコサン-10-アミン、(20Z,23Z)-N-エチル-N-メチルノナコサ-20,23-ジエン-10-アミン、1-[(11Z,14Z)-1-ノニルイコサ-11,14-ジエン-1-イル]ピロリジン、(20Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-20-エン-10-アミン、(15Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ(dimethyl eptacos)-15-エン-10-アミン、(14Z)-N,N-ジメチルノナコサ-14-エン-10-アミン、(17Z)-N,N-ジメチルノナコサ-17-エン-10-アミン、(24Z)-N,N-ジメチルトリトリアコンタ-24-エン-10-アミン、(20Z)-N,N-ジメチルノナコサ-20-エン-10-アミン、(22Z)-N,N-ジメチルヘントリアコンタ-22-エン-10-アミン、(16Z)-N,N-ジメチルペンタコサ-16-エン-8-アミン、(12Z,15Z)-N,N-ジメチル-2-ノニルヘニコサ-12,15-ジエン-1-アミン、N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]エプタデカン-8-アミン、1-[(1S,2R)-2-ヘキシルシクロプロピル]-N,N-ジメチルノナデカン-10-アミン、N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ノナデカン-10-アミン、N,N-ジメチル-21-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘニコサン-10-アミン、N,N-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-{[(1R,2R)-2-ペンチルシクロプロピル]メチル}シクロプロピル]ノナデカン-10-アミン、N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘキサデカン-8-アミン、N,N-ジメチル-[(1R,2S)-2-ウンデシルシクロプロピル]テトラデカン-5-アミン、N,N-ジメチル-3-{7-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘプチル}ドデカン-1-アミン、1-[(1R,2S)-2-ヘプチルシクロプロピル]-N,N-ジメチルオクタデカン-9-アミン、1-[(1S,2R)-2-デシルシクロプロピル]-N,N-ジメチルペンタデカン-6-アミン、N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ペンタデカン-8-アミン、R-N,N-ジメチル-1-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、S-N,N-ジメチル-1-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、1-{2-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-1-[(オクチルオキシ)メチル]エチル}ピロリジン、(2S)-N,N-ジメチル-1-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-3-[(5Z)-オクタ-5-エン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、1-{2-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-1-[(オクチルオキシ)メチル]エチル}アゼチジン、(2S)-1-(ヘキシルオキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、(2S)-1-(ヘプチルオキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、N,N-ジメチル-1-(ノニルオキシ)-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、N,N-ジメチル-1-[(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-イルオキシ]-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン;(2S)-N,N-ジメチル-1-[(6Z,9Z,12Z)-オクタデカ-6,9,12-トリエン-1-イルオキシ]-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、(2S)-1-[(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(ペンチルオキシ)プロパン-2-アミン、(2S)-1-(ヘキシルオキシ)-3-[(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、1-[(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、1-[(13Z,16Z)-ドコサ-13,16-ジエン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、(2S)-1-[(13Z,16Z)-ドコサ-13,16-ジエン-1-イルオキシ]-3-(ヘキシルオキシ)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(2S)-1-[(13Z)-ドコサ-13-エン-1-イルオキシ]-3-(ヘキシルオキシ)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、1-[(13Z)-ドコサ-13-エン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、1-[(9Z)-ヘキサデカ-9-エン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、(2R)-N,N-ジメチル-H(1-メチルオクチル)オキシ]-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、(2R)-1-[(3,7-ジメチルオクチル)オキシ]-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、N,N-ジメチル-1-(オクチルオキシ)-3-({8-[(1S,2S)-2-{[(1R,2R)-2-ペンチルシクロプロピル]メチル}シクロプロピル]オクチル}オキシ)プロパン-2-アミン、N,N-ジメチル-1-{[8-(2-オクチルシクロプロピル)オクチル]オキシ}-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、及び(11E,20Z,23Z)-N,N-ジメチルノナコサ-11,20,2-トリエン-10-アミン、及びこれらの任意の組合せが挙げられる。
リン脂質としては、グリセロリン脂質、例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、及びホスファチジン酸が挙げられるが、これらに限定されない。リン脂質はまた、スフィンゴリン脂質、例えばスフィンゴミエリンも含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は、DLPC、DMPC、DOPC、DPPC、DSPC、DUPC、18:0ジエーテルPC、DLnPC、DAPC、DHAPC、DOPE、4ME 16:0 PE、DSPE、DLPE、DLnPE、DAPE、DHAPE、DOPG、及びこれらの任意の組合せである。いくつかの実施形態では、リン脂質は、MPPC、MSPC、PMPC、PSPC、SMPC、SPPC、DHAPE、DOPG、及びこれらの任意の組合せである。いくつかの実施形態では、脂質組成物中のリン脂質(例えばDSPC及び/またはMSPC)の量は、約1モル%~約20モル%の範囲である。
構造脂質は、ステロール及びステロール部分を含有する脂質を含む。いくつかの実施形態では、構造脂質としては、コレステロール、フェコステロール、シトステロール、エルゴステロール、カンペステロール、スティグマステロール、ブラシカステロール、トマチジン、トマチン、ウルソール酸、アルファ-トコフェロール、及びこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、構造脂質はコレステロールである。いくつかの実施形態では、脂質組成物中の構造脂質(例えばコレステロール)の量は、約20モル%~約60モル%の範囲である。
本明細書に記載される第四級アミン化合物としては、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTAP)、N-[1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、1-[2-(オレオイルオキシ)エチル]-2-オレイル-3-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(DOTIM)、2,3-ジオレイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)、N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N-(1,2-ジミリスチルオキシプロパ-3-イル)-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)、N-(1,2-ジオレオイルオキシプロパ-3-イル)-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DORIE)、N,N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DLePC)、1,2-ジステアロイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DSTAP)、1,2-ジパルミトイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DPTAP)、1,2-ジリノレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DLTAP)、1,2-ジミリストイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DMTAP)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DSePC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DPePC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DMePC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DOePC)、1,2-ジ-(9Z-テトラデセノイル)-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(14:1 EPC)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(16:0-18:1 EPC)、及びこれらの任意の組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、脂質組成物中の第四級アミン化合物(例えばDOTAP)の量は、約0.01モル%~約20モル%の範囲である。
PEG修飾脂質としては、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジン酸、PEG-セラミドコンジュゲート(例えばPEG-CerC14またはPEG-CerC20)、PEG修飾ジアルキルアミン、及びPEG修飾1,2-ジアシルオキシプロパン-3-アミンが挙げられる。そのような脂質は、PEG化脂質とも称される。例えば、PEG脂質は、PEG-c-DOMG、PEG-DMG、PEG-DLPE、PEG DMPE、PEG-DPPC、またはPEG-DSPE脂質であり得る。いくつかの実施形態では、PEG脂質は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロールメトキシポリエチレングリコール(PEG-DMG)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[アミノ(ポリエチレングリコール)](PEG-DSPE)、PEG-ジステリルグリセロール(PEG-DSG)、PEG-ジパルメトレイル、PEG-ジオレイル、PEG-ジステアリル、PEG-ジアシルグリカミド(PEG-DAG)、PEG-ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(PEG-DPPE)、またはPEG-1,2-ジミリスチルオキシルプロピル-3-アミン(PEG-c-DMA)である。いくつかの実施形態では、PEG部分は、約1000、2000、5000、10,000、15,000、または20,000ダルトンのサイズを有する。いくつかの実施形態では、脂質組成物中のPEG脂質の量は、約0.1モル%~約5モル%の範囲である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるLNP製剤は、透過性増強分子をさらに含み得る。非限定的な透過性増強分子は、米国公開第US20050222064号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
LNP製剤は、ホスフェートコンジュゲートをさらに含有し得る。ホスフェートコンジュゲートは、in vivo循環時間を延長し得る、及び/またはナノ粒子の標的化送達を増大させ得る。ホスフェートコンジュゲートは、例えば国際公開第WO2013033438号または米国公開第US20130196948号に記載されている方法によって作製することができる。LNP製剤はまた、例えば米国公開第US20130059360号、同第US20130196948号、及び同第US20130072709号に記載されているポリマーコンジュゲート(例えば水溶性コンジュゲート)も含有し得る。これらの参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
LNP製剤は、対象における本開示のナノ粒子の送達を増強するために、コンジュゲートを含み得る。さらに、コンジュゲートは、対象におけるファゴサイトーシスによるナノ粒子のクリアランスを阻害し得る。いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、ヒト膜タンパク質CD47から設計された「自己」ペプチド(例えばRodriguez et al,Science 2013 339,971-975によって説明される「自己」粒子、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)であってもよい。Rodriguezらによって示されるように、自己ペプチドは、マクロファージ媒介型ナノ粒子クリアランスを遅延させ、これによりナノ粒子の送達が増強された。
LNP製剤は、炭水化物担体を含み得る。非限定的な例として、炭水化物担体としては、無水物修飾フィトグリコーゲンまたはグリコーゲン型の材料、フィトグリコーゲンコハク酸オクテニル、フィトグリコーゲンβ-デキストリン、無水物修飾フィトグリコーゲンβ-デキストリンを挙げることができるが、これらに限定されない(例えば国際公開第WO2012109121号、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
LNP製剤は、粒子の送達を向上させるために、界面活性剤またはポリマーでコーティングされ得る。いくつかの実施形態では、LNPは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国公開第US20130183244号に記載されているように、PEGコーティング及び/または中性表面電荷を有するコーティングなどであるがこれらに限定されない、親水性コーティングでコーティングされ得る。
LNP製剤は、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,241,670号または国際公開第WO2013110028号に記載されているように、脂質ナノ粒子が粘膜壁を貫入することができるように、粒子の表面特性を変化させるように操作してもよい。
粘液に浸透するように操作されたLNPは、ポリマー材料(すなわち、ポリマーコア)及び/またはポリマー-ビタミンコンジュゲート及び/またはトリ-ブロックコポリマーを含み得る。ポリマー材料としては、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルバメート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリ(スチレン)、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、及びポリアリレートを挙げることができるが、これらに限定されない。
粘液に浸透するように操作されたLNPはまた、表面改質剤、例えば限定されないが、ポリヌクレオチド、アニオン性タンパク質(例えばウシ血清アルブミン)、界面活性剤(例えばカチオン性界面活性剤、例えばジメチルジオクタデシル-アンモニウムブロミドなど)、糖または糖誘導体(例えばシクロデキストリン)、核酸、ポリマー(例えばヘパリン、ポリエチレングリコール、及びポロキサマー)、粘液溶解剤(例えばN-アセチルシステイン、ヨモギ、ブロメライン、パパイン、クサギ、アセチルシステイン、ブロムヘキシン、カルボシステイン、エプラジノン、メスナ、アンブロキソール、ソブレロール、ドミオドール、レトステイン、ステプロニン、チオプロニン、ゲルソリン、チモシンβ4ドルナーゼアルファ、ネルテネキシン、エルドステイン)、及びrhDNaseを含む様々なDNaseを含み得る。
いくつかの実施形態では、粘液浸透性LNPは、粘膜浸透を増強するコーティングを含む、低浸透圧製剤であり得る。製剤は、それが送達される上皮に対して低浸透圧であり得る。低浸透圧製剤の非限定的な例は、例えば国際公開第WO2013110028号に見出すことができ、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、限定することなく、ATUPLEXTM系、DACC系、DBTC系、ならびにSilence Therapeutics(London,United Kingdom)の他のsiRNA-リポプレックス技術、STEMGENT(登録商標)のSTEMFEC(商標)(Cambridge,MA)、及び核酸のポリエチレンイミン(PEI)もしくはプロタミンに基づく標的化及び非標的化送達など、リポプレックスとして製剤化される(Aleku et al.Cancer Res.2008 68:9788-9798;Strumberg et al.Int J Clin Pharmacol Ther 2012 50:76-78;Santel et al.,Gene Ther 2006 13:1222-1234;Santel et al.,Gene Ther 2006 13:1360-1370;Gutbier et al.,Pulm Pharmacol.Ther.2010 23:334-344;Kaufmann et al.Microvasc Res 2010 80:286-293Weide et al.J Immunother.2009 32:498-507;Weide et al.J Immunother.2008 31:180-188;Pascolo Expert Opin.Biol.Ther.4:1285-1294;Fotin-Mleczek et al.,2011 J.Immunother.34:1-15;Song et al.,Nature Biotechnol.2005,23:709-717;Peer et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2007 6;104:4095-4100;deFougerolles Hum Gene Ther.2008 19:125-132、これらのすべては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、固体脂質ナノ粒子(SLN)として製剤化され、これは10~1000nmの平均直径を有する球形であり得る。SLNは、親油性分子を可溶化することができ、界面活性剤及び/または乳化剤で安定化することができる、固体脂質コアマトリックスを有する。例示的なSLNは、国際公開第WO2013105101号に記載されるものであり得、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、制御放出及び/または標的化送達のために製剤化され得る。本明細書において使用される場合、「制御放出」は、治療的転帰を実現する特定の放出パターンに適合する、薬学的組成物または化合物の放出プロファイルを指す。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、制御放出及び/または標的化送達のために、本明細書に記載される及び/または当技術分野において公知の送達剤に封入され得る。本明細書において使用される場合、「封入する」という用語は、封止、包囲、または内包することを意味する。これは、本開示の化合物の製剤化に関連するため、封入は、実質的か、完全か、または部分的であってもよい。「実質的に封入される」という用語は、本開示の薬学的組成物または化合物のうちの少なくとも50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9、99.9%よりも多く、または99.999%よりも多くが、送達剤内に封止、包囲、または内包され得ることを意味する。「部分的封入」は、本開示の薬学的組成物または化合物のうちの10よりも少ない、10、20、30、40、50、またはそれ以下が、送達剤内に封止、包囲、または内包され得ることを意味する。
有利には、封入は、蛍光及び/または電子顕微鏡写真を使用して、本開示の薬学的組成物または化合物の脱出または活性を測定することによって、判定することができる。例えば、本開示の薬学的組成物または化合物のうちの少なくとも1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9、99.99、または99.99%よりも多くが、送達剤に封入される。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの制御放出製剤は、少なくとも1つの制御放出コーティング(例えばOPADRY(登録商標)、EUDRAGIT RL(登録商標)、EUDRAGIT RS(登録商標)、及びエチルセルロース水性分散液などのセルロース誘導体(AQUACOAT(登録商標)及びSURELEASE(登録商標)))を含み得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの制御放出製剤は、米国公開第US20130130348号に記載されているポリマー系、または米国特許第8,404,222号に記載されているPEG及び/またはPEG関連ポリマー誘導体を含み得、これらのそれぞれは参照によりその全体が組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、治療用ナノ粒子に封入され得、本明細書において、「治療用ナノ粒子ポリヌクレオチド」と称され得る。治療用ナノ粒子は、例えば国際公開第WO2010005740号、同第WO2010030763号、同第WO2010005721号、同第WO2010005723号、及び同第WO2012054923号、ならびに米国公開第US20110262491号、同第US20100104645号、同第US20100087337号、同第US20100068285号、同第US20110274759号、同第US20100068286号、同第US20120288541号、同第US20120140790号、同第US20130123351号、及び同第US20130230567号、ならびに米国特許第8,206,747号、同第8,293,276号、同第8,318,208号、及び同第8,318,211号に記載されている方法によって製剤化することができ、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子ポリヌクレオチドは、持続放出用に製剤化され得る。本明細書において使用される場合、「持続放出」は、特定の期間にわたる放出速度に適合する、薬学的組成物または化合物を指す。期間としては、数時間、数日間、数週間、数ヶ月、及び数年間が挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な例として、本明細書に記載されるポリヌクレオチドの持続放出ナノ粒子は、国際公開第WO2010075072号、ならびに米国公開第US20100216804号、同第US20110217377号、同第US20120201859号、及び同第US20130150295号に開示されているように製剤化することができ、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子ポリヌクレオチドは、国際公開第WO2008121949号、同第WO2010005726号、同第WO2010005725号、同第WO2011084521号、及び同第WO2011084518号、ならびに米国公開第US20100069426号、同第US20120004293号、及び同第US20100104655号に記載されているもののように、標的特異的となるように製剤化することができ、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
LNPは、マイクロ流体ミキサーまたはマイクロミキサーを使用して、調製することができる。例示的なマイクロ流体ミキサーとしては、Microinnova(Allerheiligen bei Wildon,Austria)によって製造されているものを含むがこれに限定されないスリット型インターデジタルマイクロミキサー、及び/またはスタガ型ヘリンボーンマイクロミキサー(SHM)を挙げることができるが、これらに限定されない(Zhigaltsevet al.,“Bottom-up design and synthesis of limit size lipid nanoparticle systems with aqueous and triglyceride cores using millisecond microfluidic mixing,”Langmuir 28:3633-40(2012);Belliveau et al.,“Microfluidic synthesis of highly potent limit-size lipid nanoparticles for in vivo delivery of siRNA,”Molecular Therapy-Nucleic Acids.1:e37(2012);Chen et al.,“Rapid discovery of potent siRNA-containing lipid nanoparticles enabled by controlled microfluidic formulation,”J.Am.Chem.Soc.134(16):6948-51(2012)を参照されたく、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。例示的なマイクロミキサーとしては、Institut fur Mikrotechnik Mainz GmbH、Mainz Germanyからのスリット型インターデジタル微細構造ミキサー(SIMM-V2)または標準的なスリット型インターデジタルマイクロミキサー(SSIMM)またはキャタピラー型(CPMM)または衝突型(IJMM)が挙げられる。いくつかの実施形態では、SHMを使用してLNPを作製する方法は、少なくとも2つの入力ストリームを混合することをさらに含み、この混合は、マイクロ構造に誘導されるカオス的移流(MICA)によって生じる。この方法によると、流体ストリームは、交互の流れを引き起こし、流体が互いにフォールディングされる、ヘリンボーンパターンで存在するチャネルを通って流れる。この方法はまた、表面の配向が流体サイクリング中に変化する、流体混合のための表面を含み得る。SHMを使用してLNPを生成する方法には、米国公開第US20040262223号及び同第US20120276209号に開示されているものが含まれ、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、マイクロ流体技術を使用して脂質ナノ粒子において製剤化され得る(Whitesides,George M.,“The Origins and the Future of Microfluidics,”Nature 442:368-373(2006)、及びAbraham et al.,“Chaotic Mixer for Microchannels,”Science 295:647-651(2002)を参照されたく、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、Harvard Apparatus(Holliston,MA)またはDolomite Microfluidics(Royston,UK)からのものなどであるがこれらに限定されない、マイクロミキサーチップを使用して、脂質ナノ粒子において製剤化され得る。マイクロミキサーチップは、分割及び再混合の機構を用いて、2つまたはそれ以上の流体ストリームの高速混合に使用することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、約1nm~約100nm、例えばこれらに限定されないが、約1nm~約20nm、約1nm~約30nm、約1nm~約40nm、約1nm~約50nm、約1nm~約60nm、約1nm~約70nm、約1nm~約80nm、約1nm~約90nm、約5nm~約100nm、約5nm~約10nm、約5nm~約20nm、約5nm~約30nm、約5nm~約40nm、約5nm~約50nm、約5nm~約60nm、約5nm~約70nm、約5nm~約80nm、約5nm~約90nm、約10~約20nm、約10~約30nm、約10~約40nm、約10~約50nm、約10~約60nm、約10~約70nm、約10~約80nm、約10~約90nm、約20~約30nm、約20~約40nm、約20~約50nm、約20~約60nm、約20~約70nm、約20~約80nm、約20~約90nm、約20~約100nm、約30~約40nm、約30~約50nm、約30~約60nm、約30~約70nm、約30~約80nm、約30~約90nm、約30~約100nm、約40~約50nm、約40~約60nm、約40~約70nm、約40~約80nm、約40~約90nm、約40~約100nm、約50~約60nm、約50~約70nm、約50~約80nm、約50~約90nm、約50~約100nm、約60~約70nm、約60~約80nm、約60~約90nm、約60~約100nm、約70~約80nm、約70~約90nm、約70~約100nm、約80~約90nm、約80~約100nm及び/または約90~約100nmの直径を有する脂質ナノ粒子中に製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約10~500nmの直径を有し得る。一実施形態では、脂質ナノ粒子は、100nmより大きい、150nmより大きい、200nmより大きい、250nmより大きい、300nmより大きい、350nmより大きい、400nmより大きい、450nmより大きい、500nmより大きい、550nmより大きい、600nmより大きい、650nmより大きい、700nmより大きい、750nmより大きい、800nmより大きい、850nmより大きい、900nmより大きい、950nmより大きい、または1000nmより大きい直径を有し得る。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、より小さなLNPを使用して送達することができる。そのような粒子は、0.1μm未満から最大100nm、例えばこれらに限定されないが、0.1μm未満、1.0μm未満、5μm未満、10μm未満、15um未満、20um未満、25um未満、30um未満、35um未満、40um未満、50um未満、55um未満、60um未満、65um未満、70um未満、75um未満、80um未満、85um未満、90um未満、95um未満、100um未満、125um未満、150um未満、175um未満、200um未満、225um未満、250um未満、275um未満、300um未満、325um未満、350um未満、375um未満、400um未満、425um未満、450um未満、475um未満、500um未満、525um未満、550um未満、575um未満、600um未満、625um未満、650um未満、675um未満、700um未満、725um未満、750um未満、775um未満、800um未満、825um未満、850um未満、875um未満、900um未満、925um未満、950um未満、または975um未満の直径を含み得る。
本明細書に記載されるナノ粒子及びマイクロ粒子は、マクロファージ及び/または免疫応答を調節するように、幾何形状を操作することができる。幾何形状を操作した粒子は、肺送達などであるがこれに限定されない、標的化送達のための本明細書に記載されるポリヌクレオチドを組み込むように、様々な形状、サイズ、及び/または表面電荷を有し得る(例えば、国際公開第WO2013082111号を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。幾何形状を操作した粒子の他の物理的フィーチャとしては、穿孔、傾斜アーム、非対称性及び表面の粗さ、細胞及び組織との相互作用を変化させ得る電荷を挙げることができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国公開第US20130172406号に記載されるものなどであるがこれに限定されない、ステルスナノ粒子または標的特異的ステルスナノ粒子である。ステルスまたは標的特異的ステルスナノ粒子は、2つまたはそれ以上のポリマーを含み得るポリマーマトリックス、例えば限定されないが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフメレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、ポリエステル、ポリ無水物、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリシアノアクリレート、またはこれらの組合せを含み得る。
b.リピドイド
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、送達剤、例えばリピドイドを含む。本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、リピドイドとともに製剤化され得る。これらのリピドイドを含有する複合体、ミセル、リポソーム、または粒子を調製することができ、それにより局所的及び/または全身的な投与経路を介したリピドイド製剤の注射後に、コードされるタンパク質の産生によって判断した場合に、ポリヌクレオチドの有効な送達を達成することができる。ポリヌクレオチドのリピドイド複合体は、静脈内、筋肉内、または皮下経路を含むがこれらに限定されない、様々な手段で投与され得る。
リピドイドの合成は、文献に記載されている(Mahon et al.,Bioconjug.Chem.2010 21:1448-1454;Schroeder et al.,J Intern Med.2010 267:9-21;Akinc et al.,Nat Biotechnol.2008 26:561-569;Love et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2010 107:1864-1869;Siegwart et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2011 108:12996-3001を参照されたく、これらのすべてはその全体が本明細書に組み込まれる)。
ペンタ[3-(1-ラウリルアミノプロピオニル)]-トリエチレンテトラミン塩酸塩(TETA-5LAP;98N12-5としても知られる、Murugaiah et al.,Analytical Biochemistry,401:61(2010)を参照のこと)、C12-200(誘導体及びバリアントを含む)、及びMD1を含むがこれらに限定されない、異なるリピドイドを用いた製剤を、in vivo活性に関して試験することができる。リピドイド「98N12-5」は、Akinc et al.,Mol Ther.2009 17:872-879によって開示されている。リピドイド「C12-200」は、Love et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2010 107:1864-1869及びLiu and Huang,Molecular Therapy.2010 669-670によって開示されている。これらの参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、アミノアルコールリピドイドにおいて製剤化され得る。アミノアルコールリピドイドは、米国特許第8,450,298号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている方法によって調製することができる。
リピドイド製剤は、ポリヌクレオチドに加えて、3つもしくは4つ、またはそれ以上の成分を含む粒子を含み得る。リピドイド、及びリピドイドを含むポリヌクレオチド製剤は、国際公開第WO2015051214号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
c.ヒアルロニダーゼ
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチド及び注射(例えば筋肉内または皮下注射)のためのヒアルロニダーゼ。ヒアルロニダーゼは、間質バリアの構成要素であるヒアルロナンの加水分解を触媒する。ヒアルロニダーゼは、ヒアルロナンの粘度を低下させ、それにより組織透過性を増大させる(Frost,Expert Opin.Drug Deliv.(2007)4:427-440)。あるいは、ヒアルロニダーゼを使用して、筋肉内、腫瘍内、または皮下に投与されるポリヌクレオチドに曝露される細胞の数を増大させることができる。
d.ナノ粒子模倣体
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、ナノ粒子模倣体に封入される及び/または吸収される。ナノ粒子模倣体は、病原体、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫、プリオン、及び細胞などであるがこれらに限定されない送達機能生物または粒子を模倣し得る。非限定的な例として、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、ウイルスの送達機能を模倣し得る非ビリオン粒子に封入され得る(例えば国際公開第WO2012006376号、ならびに米国公開第US20130171241号及び同第US20130195968号を参照されたく、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
e.ナノチューブ
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、ロゼットナノチューブ、リンカーを伴うツイン塩基を有するロゼットナノチューブ、カーボンナノチューブ、及び/または単層カーボンナノチューブなどであるがこれらに限定されない、少なくとも1つのナノチューブに付着またはそうでなければ結合した(例えば静電力、イオン、共有結合、及び/または他の力を通じて)、本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。ポリヌクレオチドを含むナノチューブ及びナノチューブ製剤は、例えば国際公開第WO2014152211号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
f.自己組織化ナノ粒子または自己組織化巨大分子
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、送達のための自己組織化ナノ粒子または両親媒性巨大分子(AM)での本明細書に記載のポリヌクレオチドを含む。AMは、アルキル化糖骨格がポリ(エチレングリコール)に共有結合した、生体適合性の両親媒性ポリマーを含む。水溶液中において、AMは、自己組織化してミセルを形成する。核酸自己組織化ナノ粒子は、国際出願第PCT/US2014/027077号に記載され、AM及びAMを形成する方法は、米国公開第US20130217753号に記載されており、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
g.無機ナノ粒子、半導電性ナノ粒子及び金属ナノ粒子
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、無機ナノ粒子、または半導電性材料もしくは金属材料を含む水分散性ナノ粒子での本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。無機ナノ粒子は、限定されないが、水膨張性であるクレイ物質を含み得る。水分散性ナノ粒子は、疎水性ナノ粒子または親水性ナノ粒子であり得る。非限定的な例として、無機、半導電性、及び金属ナノ粒子は、例えば米国特許第5,585,108号及び同第8,257,745号、ならびに米国公開第US20120228565号、同第US20120265001号、及び同第US20120283503号に記載されており、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
h.外科用シーラント:ゲル及びヒドロゲル
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、外科用シーラントでの本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。ゲル及びヒドロゲルなどの外科用シーラントは、国際出願第PCT/US2014/027077号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
i.懸濁製剤
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、懸濁液での本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、懸濁液は、ポリヌクレオチド、水非混和性油デポ剤、界面活性剤及び/または共界面活性剤、及び/または共溶媒を含む。懸濁液は、まず、ポリヌクレオチドの水溶液、及び1つまたは複数の界面活性剤を含む油系相を調製し、次いで2つの相(水相及び油系相)を混合することによって形成することができる。
懸濁液製剤のための例示的な油としては、ゴマ油及びミグリオール(飽和ココナッツ油及びパーム核油由来のカプリル及びカプリン脂肪酸のエステル、ならびにグリセリンまたはプロピレングリコールを含む)、トウモロコシ油、ダイズ油、ピーナッツ油、ビーズワックス、及び/またはパームシード油を挙げることができるが、これらに限定されない。例示的な界面活性剤としては、クレモホール、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール、transcutol、Capmul(登録商標)、labrasol、ミリスチン酸イソプロピル、及び/またはSpan 80を挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、懸濁液は、エタノール、グリセロール、及び/またはプロピレングリコールを含むがこれらに限定されない共溶媒を含み得る。
いくつかの実施形態では、懸濁液は、水非混和性デポ剤からの拡散による周囲環境へのポリヌクレオチドの放出を調節し、続いて周囲環境(例えば水性環境)への再可溶化をもたらし得る。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、注射するとエマルジョンが自発的に形成され(例えば水相に送達されたときに)、それにより油相から水相へのポリヌクレオチドの放出のための高い表面積対体積の比がもたらされ得るように製剤化され得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、ナノエマルジョンにおいて製剤化され、これは液体疎水性コアが、脂質または界面活性剤の層で包囲またはコーティングされたものを含み得る。例示的なナノエマルジョン及びそれらの調製は、例えば米国特許第8,496,945号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
j.カチオン及びアニオン
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、ならびにカチオンまたはアニオン、例えばZn2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、及びこれらの組合せを含む。例示的な製剤は、例えば米国特許第6,265,389号及び同第6,555,525号に記載されているように、金属カチオンと複合体を形成したポリマー及びポリヌクレオチドを含み得、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、カチオン性ナノ粒子は、二価及び一価カチオンの組合せを含有し得る。カチオン性ナノ粒子またはカチオン性ナノ粒子を含む1つもしくは複数のデポ剤におけるポリヌクレオチドの送達は、長時間作用性デポ剤として作用すること及び/またはヌクレアーゼによる分解の速度を低減することによって、ポリヌクレオチドのバイオアベイラビリティを向上させることができる。
k.成形ナノ粒子及びマイクロ粒子
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、様々なサイズ、形状、及び化学的性質の成形ナノ粒子での本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。例えば、ナノ粒子及び/またはマイクロ粒子は、LIQUIDA TECHNOLOGIES(登録商標)(Morrisville,NC)によるPRINT(登録商標)技術を使用して、作製することができる(例えば国際公開第WO2007024323号、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、マイクロ粒子において製剤化される。マイクロ粒子は、ポリヌクレオチドのコア、ならびにポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、及びポリ無水物を含むがこれらに限定されない生体適合性及び/または生分解性ポリマーの外皮を含有し得る。マイクロ粒子は、ポリヌクレオチドを吸着するための吸着表面を有し得る。マイクロ粒子は、少なくとも1ミクロン~少なくとも100ミクロン(例えば、少なくとも1ミクロン、少なくとも10ミクロン、少なくとも20ミクロン、少なくとも30ミクロン、少なくとも50ミクロン、少なくとも75ミクロン、少なくとも95ミクロン、及び少なくとも100ミクロン)の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、マイクロ粒子及びポリヌクレオチドを含むマイクロエマルジョンである。例示的なマイクロ粒子、マイクロエマルジョン、及びそれらの調製物は、例えば米国特許第8,460,709号、同第8,309,139号、及び同第8,206,749号、米国公開第US20130129830号、同第US2013195923号、及び同第US20130195898号、ならびに国際公開第WO2013075068号に記載されており、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
l.ナノジャケット及びナノリポソーム
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、Keystone Nano(State College,PA)によるナノジャケット及びナノリポソームでの本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。ナノジャケットは、カルシウム、リン酸を含む体内で天然に見出される材料から作製され、少量のケイ酸もさらに含み得る。ナノジャケットは、5~50nmの範囲のサイズを有し得る。
ナノリポソームは、体内に天然に存在する脂質などであるがこれに限定されない脂質から作製される。ナノリポソームは、60~80nmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチドは、セラミドナノリポソームなどであるがこれに限定されない、ナノリポソームにおいて製剤化される。
m.細胞またはミニ細胞
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、ex vivoで細胞にトランスフェクトされ、続いて対象に移植される、本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。本明細書に開示されるポリヌクレオチドの細胞に基づく製剤を使用して、細胞トランスフェクション(例えば細胞担体において)を確実にする、ポリヌクレオチドの体内分布を変化させる(例えば細胞担体の標的を特定の組織または細胞型に定めることによって)、及び/またはコードされるタンパク質の翻訳を増大させることができる。
例示的な細胞としては、赤血球、ウイロソーム、及びエレクトロポレーション細胞が挙げられるが、これらに限定されない(例えばGodfrin et al.,Expert Opin Biol Ther.2012 12:127-133;Fang et al.,Expert Opin Biol Ther.2012 12:385-389;Hu et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2011 108:10980-10985;Lund et al.,Pharm Res.2010 27:400-420;Huckriede et al.,J Liposome Res.2007;17:39-47;Cusi,Hum Vaccin.2006 2:1-7;de Jonge et al.,Gene Ther.2006 13:400-411を参照されたく、これらのすべては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
ウイルス媒介及び非ウイルス媒介技法を含む様々な方法が、当技術分野において公知であり、核酸の細胞への導入に好適である。典型的な非ウイルス媒介技法の例としては、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム媒介移入、ヌクレオフェクション、ソノポレーション、熱ショック、マグネトフェクション、リポソーム媒介移入、マイクロインジェクション、マイクロ発射媒介移入(ナノ粒子)、カチオン性ポリマー媒介移入(DEAE-デキストラン、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール(PEG)など)、または細胞融合が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、それぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO2011085231号及び同第WO2013116656号、ならびに米国公開第20110171248号に記載されている方法によって合成される、合成ウイルス様粒子(VLP)において送達することができる。
ソノポレーション、すなわち細胞超音波処理の技法は、細胞の原形質膜の透過性を修飾するために、音(例えば超音波周波数)を使用することである。ソノポレーション法は、in vivoで核酸を送達することが公知である(Yoon and Park,Expert Opin Drug Deliv.2010 7:321-330;Postema and Gilja,Curr Pharm Biotechnol.2007 8:355-361;Newman and Bettinger,Gene Ther.2007 14:465-475;米国公開第US20100196983号及び同第US20100009424号、これらのすべては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、エレクトロポレーションによって送達され得る。エレクトロポレーション技法は、in vivo及び臨床で核酸を送達することが公知である(Andre et al.,Curr Gene Ther.2010 10:267-280;Chiarella et al.,Curr Gene Ther.2010 10:281-286;Hojman,Curr Gene Ther.2010 10:128-138、すべて参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。エレクトロポレーションデバイスは、これらに限定されないが、BTX(登録商標)Instruments(Holliston,MA)(例えばAgilePulse In vivo System)及びInovio(Blue Bell,PA)(例えばInovio SP-5P筋肉内送達デバイスまたはCELLECTRA(登録商標)3000皮内送達デバイス)を含め、世界中で多くの企業によって販売されている。
いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞、細菌細胞、植物細胞、微生物細胞、藻類細胞、及び真菌細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト、マウス、ラット、ヤギ、ウマ、ウサギ、ハムスター、またはウシの細胞などであるがこれらに限定されない、哺乳動物細胞である。さらなる実施形態では、細胞は、HeLa、NS0、SP2/0、KEK 293T、Vero、Caco、Caco-2、MDCK、COS-1、COS-7、K562、Jurkat、CHO-K1、DG44、CHOK1SV、CHO-S、Huvec、CV-1、Huh-7、NIH3T3、HEK293、293、A549、HepG2、IMR-90、MCF-7、U-20S、Per.C6、SF9、SF21、またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を含むがこれらに限定されない、樹立細胞株に由来し得る。
ある特定の実施形態では、細胞は、Chrysosporium細胞、Aspergillus細胞、Trichoderma細胞、Dictyostelium細胞、Candida細胞、Saccharomyces細胞、Schizosaccharomyces細胞、及びPenicillium細胞などであるがこれらに限定されない、真菌細胞である。
ある特定の実施形態では、細胞は、E.coli、B.subtilis、またはBL21細胞などであるがこれらに限定されない、細菌細胞である。本開示の方法によってトランスフェクトされる初代細胞及び二次細胞は、様々な組織から得ることができ、培養物中に維持することができるすべての細胞型を含むがこれらに限定されない。初代細胞及び二次細胞としては、線維芽細胞、ケラチノサイト、上皮細胞(例えば乳腺上皮細胞、腸上皮細胞)、内皮細胞、グリア細胞、神経細胞、血液の形成要素(例えばリンパ球、骨髄細胞)、筋肉細胞、及びこれらの体細胞型の前駆体が挙げられるが、これらに限定されない。初代細胞はまた、同じ種のドナーから、または別の種(例えばマウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、トリ、ヒツジ、ヤギ、ウマ)から得ることもできる。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、細菌性ミニ細胞での本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。非限定的な例として、細菌性ミニ細胞は、国際公開第WO2013088250号または米国公開第US20130177499号に記載されたものであり得、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
n.半固体組成物
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、半固体またはペースト様組成物を形成するために、疎水性マトリックスでの本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。非限定的な例として、半固体またはペースト様組成物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO201307604号に記載されている方法によって作製することができる。
o.エクソソーム
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、少なくとも1つのポリヌクレオチドをロードし、細胞、組織、及び/または生物に送達することができる、エクソソームでの本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。非限定的な例として、ポリヌクレオチドは、国際公開第WO2013084000号に記載されているようにエクソソームにロードすることができ、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
p.絹に基づく送達
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、絹に基づく送達のために製剤化された本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。絹に基づく送達系は、絹フィブロイン溶液を本明細書に記載されるポリヌクレオチドと接触させることによって形成することができる。非限定的な例として、持続放出型絹に基づく送達系及びそのような系を作製する方法は、米国公開第US20130177611号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
q.アミノ酸脂質
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、アミノ酸脂質を用いた製剤である、本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。アミノ酸脂質は、アミノ酸残基及び1つまたは複数の親油性尾部を含む、親油性化合物である。アミノ酸脂質及びアミノ酸脂質を作製する方法の非限定的な例は、米国特許第8,501,824号に記載されている。アミノ酸脂質製剤は、ポリヌクレオチドに結合しそれを放出する、アミノ酸脂質を含む放出可能な形態で、ポリヌクレオチドを送達することができる。非限定的な例として、本明細書に記載されるポリヌクレオチドの放出は、例えば、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,098,032号、同第6,897,196号、同第6,426,086号、同第7,138,382号、同第5,563,250号、及び同第5,505,931号に記載されるように、酸不安定性リンカーによってもたらされ得る。
r.微細小胞
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、微細小胞製剤での本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。例示的な微細小胞としては、米国公開第US20130209544号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げられる。いくつかの実施形態では、微細小胞は、国際公開第WO2013119602号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているARRDC1媒介型微細小胞(ARMM)である。
s.高分子電解質間複合体
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、高分子電解質間複合体での本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。高分子電解質間複合体は、電荷動的ポリマー(charge-dynamic polymer)が、1つまたは複数のアニオン性分子と複合体を形成する場合に形成される。電荷動的ポリマー及び高分子電解質間複合体の非限定的な例、及び高分子電解質間複合体を作製する方法は、米国特許第8,524,368号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
t.結晶性ポリマー系
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、結晶性ポリマー系での本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。結晶性ポリマー系は、結晶性部分及び/または結晶性部分を含む末端単位を有するポリマーである。例示的なポリマーは、米国特許第8,524,259号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
u.ポリマー、生分解性ナノ粒子、及びコア-シェルナノ粒子
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、ならびに天然及び/または合成のポリマーを含む。ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(l-リジン)(PLL)、PLLにグラフトされたPEG、カチオン性リポポリマー、生分解性カチオン性リポポリマー、ポリエチレンイミン(PEI)、架橋分岐鎖ポリ(アルキレンイミン)、ポリアミン誘導体、修飾されたポロキサマー、弾性生分解性ポリマー、生分解性コポリマー、生分解性ポリエステルコポリマー、生分解性ポリエステルコポリマー、多重ブロックコポリマー、ポリ[α-(4-アミノブチル)-L-グリコール酸)(PAGA)、生分解性架橋型カチオン性多重ブロックコポリマー、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフメレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリジン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L-ラクチド-co-L-リジン)、ポリ(4-ヒドロキシ-L-プロリンエステル)、アミン含有ポリマー、デキストランポリマー、デキストランポリマー誘導体、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的なポリマーとしては、MIRUS(登録商標)Bio(Madison,WI)及びRoche Madison(Madison,WI)のDYNAMIC POLYCONJUGATE(登録商標)(Arrowhead Research Corp.,Pasadena,CA)製剤、PHASERX(商標)ポリマー製剤、例えば限定されないが、SMARTT POLYMER TECHNOLOGY(商標)(PHASERX(登録商標),Seattle,WA)、DMRI/DOPE、ポロキサマー、Vical(San Diego,CA)のVAXFECTIN(登録商標)アジュバント、キトサン、Calando Pharmaceuticals(Pasadena,CA)のシクロデキストリン、デンドリマー、ならびにポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)ポリマー、RONDEL(商標)(RNAi/オリゴヌクレオチドナノ粒子送達)ポリマー(Arrowhead Research Corporation,Pasadena,CA)、及びpH応答性コ-ブロックポリマー、例えばPHASERX(登録商標)(Seattle,WA)が挙げられる。
ポリマー製剤により、ポリヌクレオチドの持続放出または遅延放出(例えば筋肉内または皮下注射後の)が可能となる。ポリヌクレオチドの放出プロファイルの変化により、例えば、長期間にわたって、コードされるタンパク質の翻訳をもたらすことができる。また、ポリマー製剤を使用して、ポリヌクレオチドの安定性を増大させることもできる。持続放出製剤としては、PLGAマイクロスフェア、エチレン酢酸ビニル(EVAc)、ポロキサマー、GELSITE(登録商標)(Nanotherapeutics,Inc.Alachua,FL)、HYLENEX(登録商標)(Halozyme Therapeutics,San Diego,CA)、外科用シーラント、例えばフィブリノーゲンポリマー(Ethicon Inc.Cornelia,GA)、TISSELL(登録商標)(Baxter International,Inc.Deerfield,IL)、PEG系シーラント、及びCOSEAL(登録商標)(Baxter International,Inc.Deerfield,IL)を挙げることができるが、これらに限定されない。
非限定的な例として、修飾されたmRNAは、調整可能な放出速度(例えば数日間及び数週間)を有するPLGAマイクロスフェアを調製し、封入プロセスの間、修飾されたmRNAの完全性を維持しながら、修飾されたmRNAをPLGAマイクロスフェアに封入することによって、PLGAマイクロスフェアにおいて製剤化され得る。EVAcは、前臨床の持続放出型インプラント用途(例えば、徐放性製品、緑内障のためのピロカルピン眼用インサートであるOcusertまたは持続放出プロゲステロン子宮内避妊器具であるprogestasert;経皮送達系であるTestoderm、Duragesic、及びSelegiline;カテーテル)において広く使用されている非生分解性の生体適合性ポリマーである。ポロキサマーF-407 NFは、5℃よりも低い温度では低粘度であり、15℃よりも高い温度では固形ゲルを形成する、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンの親水性の非イオン性界面活性剤トリブロックコポリマーである。
非限定的な例として、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、米国特許第6,177,274号に記載されているように、PLLがグラフトされたPEGのポリマー化合物とともに製剤化され得る。別の非限定的な例として、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、PLGA-PEGブロックコポリマー(例えば米国公開第US20120004293号、ならびに米国特許第8,236,330号及び同第8,246,968号を参照のこと)、またはPLGA-PEG-PLGAブロックコポリマー(例えば米国特許第6,004,573号を参照のこと)などのブロックコポリマーとともに製剤化されてもよい。これらの参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、ポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリ(アミドアミン)デンドリマー、ポリ(アミン-co-エステル)、またはこれらの組合せなどであるがこれらに限定されない、少なくとも1つのアミン含有ポリマーとともに製剤化され得る。例示的なポリアミンポリマー及び送達剤としてのそれらの使用は、例えば米国特許第8,460,696号、同第8,236,280号に記載されており、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、例えば、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,696,038号、同第6,517,869号、同第6,267,987号、同第6,217,912号、同第6,652,886号、同第8,057,821号、及び同第8,444,992号、米国公開第US20030073619号、同第US20040142474号、同第US20100004315号、同第US2012009145号、及び同第US20130195920号、ならびに国際公開第WO2006063249号及び同第WO2013086322号に記載されているように、生分解性カチオン性リポポリマー、生分解性ポリマー、または生分解性コポリマー、生分解性ポリエステルコポリマー、生分解性ポリエステルポリマー、線形生分解性コポリマー、PAGA、生分解性架橋型カチオン性マルチブロックコポリマー、またはこれらの組合せにおいて製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、米国公開第US20130184453号に記載されているように、少なくとも1つのシクロデキストリンポリマーにおいて、またはそれとともに、製剤化され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、国際公開第WO2013106072号、同第WO2013106073号、及び同第WO2013106086号に記載されているように、少なくとも1つの架橋型カチオン結合ポリマーにおいて、またはそれとともに、製剤化され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、米国公開第US20130231287号に記載されているように、少なくともPEG化アルブミンポリマーにおいて、またはそれとともに、製剤化され得る。これらの参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチドは、ポリマー、脂質、及び/または他の生分解性薬剤、例えば限定されないが、リン酸カルシウムの組合せを使用して、ナノ粒子として製剤化され得る。成分は、送達用のナノ粒子の微調整を可能にするために、コア-シェル、ハイブリッド、及び/または積層(layer-by-layer)構造で、組み合わせてもよい(Wang et al.,Nat Mater.2006 5:791-796;Fuller et al.,Biomaterials.2008 29:1526-1532;DeKoker et al.,Adv Drug Deliv Rev.2011 63:748-761;Endres et al.,Biomaterials.2011 32:7721-7731;Su et al.,Mol Pharm.2011 Jun 6;8(3):774-87、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。非限定的な例として、ナノ粒子は、複数のポリマー、例えば限定されないが、親水性-疎水性ポリマー(例えばPEG-PLGA)、疎水性ポリマー(例えばPEG)、及び/または親水性ポリマー(国際公開第WO20120225129号、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を含み得る。
コア-シェルナノ粒子の使用は、さらにカチオン性架橋型ナノゲルコア及び様々なシェルを合成するための高スループットのアプローチに焦点を当てている(Siegwart et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2011 108:12996-13001、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。ポリマーナノ粒子の複合体形成、送達、及び内部移行は、ナノ粒子のコア成分及びシェル成分の両方における化学組成を変化させることによって、正確に調節することができる。例えば、コア-シェルナノ粒子は、コレステロールをナノ粒子に共有結合した後、siRNAをマウスの肝細胞に効率的に送達することができる。
いくつかの実施形態では、中間のPLGA層及び外側のPEGを含有する中性脂質層を含む、中空脂質コアを、本明細書に記載されるポリヌクレオチドの送達に使用することができる。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、本明細書に開示されるポリヌクレオチドのコア、及びコアにあるポリヌクレオチドを保護するために使用されるポリマーシェルを含み得る。ポリマーシェルは、本明細書に記載されるポリマーのいずれかであってよく、当技術分野において公知であり、ポリマーシェルを使用して、コアにあるポリヌクレオチドを保護することができる。
本明細書に記載されるポリヌクレオチドとともに使用するためのコア-シェルナノ粒子は、米国特許第8,313,777号または国際公開第WO2013124867号に記載されており、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
v.ペプチド及びタンパク質
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、ポリヌクレオチドによる細胞のトランスフェクションを増大させるため、及び/またはポリヌクレオチドの生体分布を変化させるため(例えば特定の組織もしくは細胞型を標的とすることによって)、及び/またはコードされるタンパク質の翻訳を増大させるために、ペプチド及び/またはタンパク質を用いて製剤化された本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む(例えば国際公開第WO2012110636号及び同第WO2013123298号)。いくつかの実施形態では、ペプチドは、米国公開第US20130129726号、同第US20130137644号、及び同第US20130164219号に記載されているものであり得る。これらの参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
w.コンジュゲート
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、担体もしくは標的化基に共有結合しているか、または一緒になって融合タンパク質を産生する2つのコード領域(例えば標的化基及び治療用タンパク質またはペプチドを有する)をコンジュゲートとして含む、本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。コンジュゲートは、ナノ粒子を、組織もしくは生物におけるニューロンに選択的に指向させるか、または血液脳関門を越えるのを補助する、ペプチドであり得る。
コンジュゲートは、天然に存在する物質、例えばタンパク質(例えばヒト血清アルブミン(HSA)、低比重リポタンパク質(LDL)、高比重リポタンパク質(HDL)、またはグロブリン);炭水化物(例えばデキストラン、プルラン、キチン、キトサン、イヌリン、シクロデキストリン、またはヒアルロン酸);または脂質を含む。リガンドはまた、組換えまたは合成分子、例えば合成ポリマー、例えば合成ポリアミノ酸、オリゴヌクレオチド(例えばアプタマー)であってもよい。ポリアミノ酸の例としては、ポリリジン(PLL)、ポリL-アスパラギン酸、ポリL-グルタミン酸、スチレン-無水マレイン酸コポリマー、ポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)コポリマー、ジビニルエーテル-無水マレイン酸コポリマー、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドコポリマー(HMPA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン、ポリ(2-エチルアクリル酸)、N-イソプロピルアクリルアミドポリマー、またはポリホスファジンが挙げられる。ポリアミンの例としては、ポリエチレンイミン、ポリリジン(PLL)、スペルミン、スペルミジン、ポリアミン、シュードペプチド-ポリアミン、ペプチド模倣体ポリアミン、デンドリマーポリアミン、アルギニン、アミジン、プロタミン、カチオン性脂質、カチオン性ポルフィリン、ポリアミンの四級塩、またはアルファヘリックスペプチドが挙げられる。
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、本明細書に開示されるポリヌクレオチドの担体としての機能を果たし得る。コンジュゲートは、カチオン性ポリマー、例えば限定されないが、ポリ(エチレングリコール)にグラフトされ得るポリアミン、ポリリジン、ポリアルキレンイミン、及びポリエチレンイミンを含み得る。例示的なコンジュゲート及びそれらの調製物は、米国特許第6,586,524号及び米国公開第US20130211249号に記載されており、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
コンジュゲートはまた、標的化基、例えば細胞または組織標的化剤、例えばレクチン、糖タンパク質、脂質、またはタンパク質、例えば特定の細胞型、例えば腎臓細胞に結合する抗体を含み得る。標的化基は、チロトロピン、メラノトロピン、レクチン、糖タンパク質、界面活性プロテインA、ムチン炭水化物、多価ラクトース、多価ガラクトース、N-アセチル-ガラクトサミン、N-アセチル-グルコサミン多価マンノース、多価フコース、グリコシル化ポリアミノ酸、多価ガラクトース、トランスフェリン、ビスホスホネート、ポリグルタメート、ポリアスパルテート、脂質、コレステロール、ステロイド、胆汁酸、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、RGDペプチド、RGDペプチド模倣体、またはアプタマーであり得る。
標的化基は、タンパク質、例えば糖タンパク質、またはペプチド、例えばコリガンドに対して特異的親和性を有する分子、または抗体、例えばがん細胞、内皮細胞、または骨細胞などの特定の細胞型に結合する抗体であり得る。標的化基はまた、ホルモン及びホルモン受容体も含み得る。これらはまた、非ペプチド種、例えば脂質、レクチン、炭水化物、ビタミン、補因子、多価ラクトース、多価ガラクトース、N-アセチル-ガラクトサミン、N-アセチル-グルコサミン多価マンノース、多価フルクトース、またはアプタマーを含み得る。リガンドは、例えば、リポ多糖、またはp38 MAPキナーゼの活性化因子であり得る。
標的化基は、特定の受容体を標的とすることができる任意のリガンドであり得る。例としては、これらに限定されないが、葉酸、GalNAc、ガラクトース、マンノース、マンノース-6P、アプタマー、インテグリン受容体リガンド、ケモカイン受容体リガンド、トランスフェリン、ビオチン、セロトニン受容体リガンド、PSMA、エンドセリン、GCPII、ソマトスタチン、LDL、及びHDLリガンドが挙げられる。特定の実施形態では、標的化基は、アプタマーである。アプタマーは、未修飾であってもよく、または本明細書に開示される修飾のうちの任意の組合せを有してもよい。非限定的な例として、標的化基は、例えば米国公開第US2013021661012号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているように、血液-中枢神経系関門を越えた標的化送達のための、グルタチオン受容体(GR)結合性コンジュゲートであり得る。
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは相乗的な生体分子-ポリマーコンジュゲートであってもよく、これは、より優れた治療的有効性を提供するための長時間作用性連続放出系を含む。相乗的な生体分子-ポリマーコンジュゲートは、米国公開第US20130195799号に記載されているものであってもよい。いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、国際特許公開第WO2012040524号に記載されているアプタマーコンジュゲートであってもよい。いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、米国特許第8,507,653号に記載されているアミン含有ポリマーコンジュゲートであってもよい。これらの参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、SMARTT POLYMER TECHNOLOGY(登録商標)(PHASERX(登録商標),Inc.Seattle,WA)にコンジュゲートされ得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、シグナル配列または標的化配列も含み得る、細胞貫入性ポリペプチドに共有結合でコンジュゲートされる。コンジュゲートは、増大した安定性及び/または増大した細胞トランスフェクション、及び/または変化した生体分布(例えば、特定の組織もしくは細胞型を標的とする)を有するように設計され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、送達を増強する薬剤にコンジュゲートされ得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、モノマーまたはポリマー、例えば国際公開第WO2011062965号に記載されている、標的化モノマー、または標的化ブロックを有するポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、例えば米国特許第6,835,393号及び同第7,374,778号に記載されているように、ポリヌクレオチドに共有結合された輸送剤であり得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、米国特許第7,737,108号及び同第8,003,129号に記載されているものなど、膜壁輸送増強剤であってもよい。これらの参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
x.小器官
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、長期間持続する治療製剤において目的のコードされるポリペプチドを発現することができる小器官において本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。例示的な小器官及び製剤は、国際公開第WO2014152211号に記載される(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
y.シュードビリオン
いくつかの実施形態では、本開示の組成物または製剤は、シュードビリオン(例えばAura Biosciences,Cambridge,MAによって開発されたシュードビリオン)において本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドを送達するために使用されるシュードビリオンは、ウイルス、例えば限定されないが、例として、米国公開第US20130012450号、同第US20130012566号、同第US21030012426号、及び同第US20120207840号、ならびに国際公開第WO2013009717号に記載されているヘルペス及びパピローマウイルスに由来し得、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
シュードビリオンは、米国公開第US20120015899号及び同第US20130177587号、ならびに国際公開第WO2010047839号、同第WO2013116656号、同第WO2013106525号、及び同第WO2013122262号に記載されている方法によって調製される、ウイルス様粒子(VLP)であり得る。一態様では、VLPは、バクテリオファージMS、Qβ、R17、fr、GA、Sp、MI、I、MXI、NL95、AP205、f2、PP7、ならびに植物ウイルスであるカブクリンクルウイルス(TCV)、トマトブッシースタントウイルス(TBSV)、インゲンマメ南部モザイクウイルス(SBMV)、ならびにソラマメモットルウイルス、ブロムモザイクウイルス、カシア黄輪点ウイルス(Cassia yellow blotch virus)、ササゲクロロティックモットルウイルス(CCMV)、メランドリウム黄斑点ウイルス(Melandrium yellow fleck virus)、及びスプリングビューティ潜伏ウイルス(spring beauty latent virus)を含むブロモウイルス属のメンバーであり得る。別の態様では、VLPは、米国公開第US20130177587号及び米国特許第8,506,967号に記載されているように、インフルエンザウイルスに由来し得る。一態様では、VLPは、国際公開第WO2013116656号に記載されているものなど、粒子の脂質膜または外側にアンカーした、B7-1及び/またはB7-2分子を含み得る。一態様では、VLPは、国際公開第WO2012049366号に記載されているVLPなど、ノロウイルス、ロタウイルス、組換えVP6タンパク質、または二重層VP2/VP6に由来し得る。これらの参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、シュードビリオンは、国際公開第WO2010120266号及び米国公開第US20120171290号に記載されているヒトパピローマウイルス様粒子であってもよい。いくつかの実施形態では、ウイルス様粒子(VLP)は、自己組織化粒子であってもよい。一態様では、シュードビリオンは、米国公開第US20130116408号及び同第US20130115247号、ならびに国際公開第WO2013119877号に記載されている、ビリオン由来のナノ粒子であってもよい。参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されるポリヌクレオチドの製剤及びそれを製剤化するための方法の非限定的な例はまた、国際公開第WO2013090648号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に提供されている。
27.使用のための組成物及び製剤
本開示のある特定の態様は、上記に開示されているポリヌクレオチドのうちのいずれかを含む、組成物または製剤を対象とする。
いくつかの実施形態では、組成物または製剤は、(i)本明細書に開示されるIL-12ポリペプチドをコードする配列最適化されたヌクレオチド配列及び/または本明細書に開示される膜ドメインをコードする配列最適化されたヌクレオチド配列(例えば、IL-12ポリペプチド及び/または膜ドメインの野生型配列、機能的断片、またはそのバリアント)を含むポリヌクレオチド(例えばRNA、例えばmRNA)であって、該ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学的に修飾された核酸塩基を含み、該ポリヌクレオチドは、例えばmiR-122に結合するmiRNA結合部位(例えばmiR-122-3pまたはmiR-122-5p結合部位)をさらに含む該ポリヌクレオチド、ならびに(ii)式(I)を有する化合物を含む送達剤を含む。
いくつかの実施形態では、上述のポリヌクレオチド、組成物、または製剤は、IL-12関連疾患、障害、または状態、例えばがん、を処置及び/または予防するために使用される。
28.投与の形態
上述の本開示のポリヌクレオチド、薬学的組成物、及び製剤は、治療的に有効な転帰をもたらす任意の経路によって投与され得る。これらとしては、腸内(腸に)、胃腸内(gastroenteral)、硬膜外(硬膜に)、経口(口を経由する)、経皮、硬膜上、脳内(大脳に)、側脳室内(脳室内に)、皮膚上(皮膚の上への適用)、皮内(皮膚そのものに)、皮下(皮膚の下に)、鼻内投与(鼻を通じて)、静脈内(静脈の中に)、静脈内ボーラス、静脈内点滴、動脈内(動脈の中に)、筋肉内(筋肉の中に)、心臓内(心臓の中に)、骨内注入(骨髄の中に)、髄腔内(脊柱管に)、腹腔内(腹膜への注入もしくは注射)、膀胱内注入、硝子体内(眼を通じて)、空洞内注射(病理学的腔に)、腔内(陰茎の基底部に)、膣内投与、子宮内、羊膜外投与、経皮(全身分布のための正常皮膚を通じた拡散)、経粘膜(粘膜を通じた拡散)、経膣、吹送(吸引)、舌下、***下、浣腸、点眼(結膜上)、点耳、耳介(耳にもしくは耳を経由する)、バッカル(頬への)、結膜、皮膚、歯科的(1つまたは複数の歯に)、電気浸透、子宮頸管内、洞内、気管内、体外、血液透析、浸潤、間質内、腹腔内、羊膜内、関節内、胆管内、気管支内、嚢内、軟骨内(軟骨内部)、尾内(馬尾内部)、大槽内(小脳延髄槽(cisterna magna cerebellomedularis)内部)、角膜内(角膜内部)、歯冠内、冠内(冠動脈内)、海綿体内(陰茎の海綿体の膨張性空隙内)、椎間板内(椎間板内部)、導管内(腺導管内部)、十二指腸内(十二指腸内部)、硬膜内(硬膜内部もしくはその下に)、表皮内(表皮へ)、食道内(食道へ)、胃内(胃内部)、歯肉内(歯肉内部)、回腸内(小腸遠位部内部)、病巣内(局在化した病変部の内部もしくはそこへの直接的な導入)、管腔内(管腔内部)、リンパ管内(リンパ内部)、髄内(骨髄腔内部)、髄膜内(髄膜内部)、眼内(眼内部)、卵巣内(卵巣内部)、心膜内(心膜内部)、胸膜内(胸膜内部)、前立腺内(前立腺内部)、肺内(肺もしくはその気管支内部)、副鼻腔内(鼻腔もしくは眼窩周囲洞内部)、脊髄内(脊柱内部)、滑液嚢内(関節の滑液腔内部)、腱内(腱内部)、精巣内(精巣内部)、髄腔内(脳脊髄軸の任意のレベルにおける脳脊髄液内部)、胸郭内(胸郭内部)、小管内(器官の細管内部)、腫瘍内(腫瘍内部)、鼓室内(中耳内部)、血管内(1つまたは複数の血管内部)、脳室内(脳室内部)、イオン注入(可溶性塩イオンが身体の組織に移動する電流を用いて)、洗浄(開放創もしくは体腔を浸漬するかもしくは洗い流すため)、喉頭(喉頭に直接的に)、経鼻胃(鼻を通じて胃内に)、密封包帯法(領域を密封する包帯剤によって被覆する局所投与経路)、眼部(外眼部に)、口咽頭(口及び咽頭に直接的に)、非経口、経皮、関節周囲、硬膜外、神経周囲、歯周、直腸、呼吸器(局所的もしくは全身的な効果のための経口もしくは経鼻吸入により気道内部へ)、球後(脳橋背後もしくは眼球背後)、心筋内(心筋に入る)、軟部組織、クモ膜下、結膜下、粘膜下、局所、経胎盤(胎盤を通じてもしくはそれを越えて)、経気管(気管壁を通じて)、経鼓膜(鼓室を越えてもしくはそれを通じて)、尿管(尿管へ)、尿道(尿道へ)、膣、仙骨ブロック、診断、神経ブロック、胆管灌流、心臓灌流、フォトフェレーシス、または脊髄が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、組成物は、血液脳関門、血管関門、または他の上皮関門を越えることを可能にする様式で投与され得る。いくつかの実施形態では、ある投与経路のための製剤は、少なくとも1つの不活性成分を含み得る。
本開示のポリヌクレオチドは、裸で細胞に送達され得る。本明細書において使用される場合、「裸で」とは、トランスフェクションを促進する薬剤なしで、ポリヌクレオチドを送達することを指す。例えば、細胞に送達されるポリヌクレオチドは、修飾を含有しない場合がある。裸のポリヌクレオチドは、当技術分野において公知であり、本明細書に記載されている投与経路を使用して、細胞に送達することができる。
本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載される方法を使用して、製剤化され得る。製剤は、修飾されていてもよく、及び/または未修飾であってもよい、ポリヌクレオチドを含有し得る。製剤は、限定されないが、細胞貫入剤、薬学的に許容可能な担体、送達剤、生体浸食性または生体適合性ポリマー、溶媒、及び持続放出送達デポ剤をさらに含み得る。製剤化されたポリヌクレオチドは、当技術分野において公知であり、本明細書に記載される投与経路を使用して、細胞に送達することができる。
組成物はまた、直接的含浸もしくは浸漬、カテーテルを介して、ゲル剤、粉末剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、及び/または滴下薬によって、組成物をコーティングまたは含浸させた繊維材料もしくは生分解性材料などの物質を使用して、などを含むがこれらに限定されない、当技術分野のいくつかの手段のうちのいずれかで、器官または組織に直接的に送達するために、製剤化され得る。
本開示は、非経口及び注射による投与に好適な形態での、本開示のポリヌクレオチドの送達を包含する。非経口投与のための液体剤形としては、薬学的に許容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、及び/またはエリキシルが挙げられるが、これらに限定されない。活性成分に加えて、液体剤形は、当技術分野において広く使用されている不活性希釈剤、例えば例として、水または他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含み得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤、及び/または芳香剤などのアジュバントを含み得る。ある特定の実施形態では、非経口投与のために、組成物は、可溶化剤、例えばCREMOPHOR(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、及び/またはこれらの組合せと混合される。
非経口投与のための薬学的組成物は、少なくとも1つの不活性成分を含み得る。使用される不活性成分のいずれかが、米国食品医薬品局(FDA)に認可されていてもよく、どれも認可されていなくてもよい。非経口投与のための薬学的組成物において使用するための不活性成分の限定的な一覧には、塩酸、マンニトール、窒素、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、及び水酸化ナトリウムが含まれる。
注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性懸濁液または油性懸濁液は、好適な分散剤、湿潤剤、及び/または懸濁化剤を使用して、公知の技術によって製剤化され得る。滅菌注射用調製物は、非毒性の非経口で許容可能な希釈剤及び/または溶媒中の滅菌注射用溶液、懸濁液、及び/またはエマルジョン、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液であり得る。許容可能なビヒクル及び溶媒の中でも、水、リンガー溶液、U.S.P.及び等張塩化ナトリウム溶液を用いることができる。滅菌の固定油が、通常、溶媒または懸濁媒体として用いられる。この目的で、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性固定油が用いられ得る。脂肪酸、例えばオレイン酸は、注射剤の調製物において使用することができる。滅菌製剤はまた、局所麻酔薬、保存剤、及び緩衝剤などのアジュバントも含み得る。
注射用製剤は、例えば細菌保持フィルターを通した濾過によって滅菌してもよく、及び/または使用前に滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体中に溶解もしくは分散させることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌してもよい。
注射用製剤は、組織、器官、及び/または対象の領域への直接注射のためのものであり得る。非限定的な例として、組織、器官、及び/または対象に、虚血性領域への心筋内注射によって製剤を直接的に注射してもよい。(例えばZangi et al.Nature Biotechnology 2013を参照されたく、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
活性成分の効果を延長させるために、皮下または筋肉内注射からの活性成分の吸収を遅延させることが望ましい場合が多い。これは、水溶性が低い結晶質または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成することができる。そのため、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、溶解速度は、結晶のサイズ及び結晶形に依存し得る。あるいは、非経口で投与される薬物形態の吸収の遅延は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。注射用デポ剤形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマーにおいて薬物のマイクロカプセルマトリクスを形成することによって作製される。薬物対ポリマーの比、及び用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度を調節することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポ注射製剤は、薬物を身体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルジョンに封止することによって調製される。
29.キット及びデバイス
a.キット
本開示は、本開示の特許請求されるヌクレオチドを都合良く、及び/または効率的に使用するための様々なキットを提供する。典型的には、キットは、使用者が対象(複数可)の複数の処置を実施する、及び/または複数の実験を実施するのを可能にするための十分な量及び/または数の成分を含むであろう。
一態様では、本開示は、本開示の分子(ポリヌクレオチド)を含むキットを提供する。
このキットは、翻訳可能領域を含む第1のポリヌクレオチドを含むタンパク質産生のためのものであってもよい。キットは、製剤組成物を形成するためのパッケージング及び指示書及び/または送達剤をさらに含んでもよい。送達剤は、生理食塩水、緩衝液、リピドイドまたは本明細書に開示される任意の送達剤を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、緩衝液は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸及び/またはEDTAを含んでもよい。別の実施形態では、緩衝液としては、限定されるものではないが、生理食塩水、2mMカルシウムを含む生理食塩水、5%スクロース、2mMカルシウムを含む5%スクロース、5%マンニトール、2mMカルシウムを含む5%マンニトール、乳酸リンゲル液、塩化ナトリウム、2mMカルシウム及びマンノースを含む塩化ナトリウムを挙げることができる(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国公開第20120258046号を参照のこと)。さらなる実施形態では、緩衝液は、沈降させるか、または凍結乾燥させることができる。各成分の量を、一貫した、再現可能な、より高い濃度の生理食塩水または単純な緩衝液製剤を可能にするために変化させることができる。また、一定期間にわたって、及び/または様々な条件下で、緩衝液中の修飾されたRNAの安定性を増大させるために、成分を変化させてもよい。一態様では、本開示は、標的細胞中に導入された場合に翻訳可能領域によりコードされる所望の量のタンパク質を生成するのに有効な量で提供される、翻訳可能領域を含むポリヌクレオチド;細胞の自然免疫応答を実質的に阻害するのに有効な量で提供される、阻害核酸を含む第2のポリヌクレオチド;ならびにパッケージング及び指示書を含む、タンパク質産生のためのキットを提供する。
一態様では、本開示は、ポリヌクレオチドが細胞ヌクレアーゼによる分解の低減を呈する、翻訳可能領域を含むポリヌクレオチド、ならびにパッケージング及び指示書を含む、タンパク質産生のためのキットを提供する。
一態様では、本開示は、ポリヌクレオチドが細胞ヌクレアーゼによる分解の低減を呈する、翻訳可能領域を含むポリヌクレオチド、及び第1の核酸の翻訳可能領域の翻訳に好適な哺乳動物細胞を含む、タンパク質産生のためのキットを提供する。
b.デバイス
本開示は、目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを組み込んでもよいデバイスを提供する。これらのデバイスは、安定な製剤中に、ヒト患者などの、それを必要とする対象に即時に送達することができる製剤中でポリヌクレオチドを合成するための試薬を含有する。
投与のためのデバイスを用いて、本明細書に教示される単回、複数回または分割投薬レジメンにしたがって本開示のポリヌクレオチドを送達することができる。そのようなデバイスは、例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる国際出願公開第WO2013151666号に教示されている。
細胞、器官及び組織への複数回投与のための当技術分野で公知の方法及びデバイスは、本開示の実施形態として本明細書に開示される方法及び組成物と一緒に使用するために企図される。これらは、例えば、複数の針、例えば管腔またはカテーテルを用いるハイブリッドデバイス、ならびに熱、電流または放射線により駆動される機構を利用するデバイスを有する方法及びデバイスが挙げられる。
本開示によると、これらの複数回投与デバイスを利用して、本明細書で企図される単回、複数回、または分割用量を送達することができる。そのようなデバイスは、例えばその内容全体が参照により本明細書に組み込まれる国際出願公開第WO2013151666号に教示される。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、3つの異なる、任意選択で、隣接する箇所に、同時に、または60分間以内に、少なくとも3つの針を介して、皮下的または筋肉内的に投与される(例えば同時に、または60分間以内に、4、5、6、7、8、9、または10箇所への投与)。
c.カテーテル及び/または管腔を利用する方法及びデバイス
カテーテル及び管腔を使用する方法及びデバイスを用いて、単回、複数回、または分割投薬スケジュールで本開示のポリヌクレオチドを投与することができる。そのような方法及びデバイスは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる国際特許公開第WO2013151666号に記載される。
d.電流を利用する方法及びデバイス
電流を利用する方法及びデバイスを用いて、本明細書に教示される単回、複数回、または分割投薬レジメンにしたがって本開示のポリヌクレオチドを送達することができる。そのような方法及びデバイスは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる国際特許公開第WO2013151666号に記載される。
30.定義
本開示をより容易に理解することができるようにするために、ある特定の用語を最初に定義する。本出願で使用される場合、別途、本明細書に明示的に提供されない場合を除いて、以下の用語はそれぞれ、以下に記載される意味を有するものとする。さらなる定義は、本出願を通して記載される。
本開示は、群のちょうど1つのメンバーが、所与の生成物またはプロセスの中に存在する、その中で用いられる、またはさもなければそれと関連する実施形態を含む。本開示は、群のメンバーの1つより多く、または全部が、所与の生成物またはプロセスの中に存在する、その中で用いられる、またはさもなければそれと関連する実施形態を含む。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上、別段の明確な指示がない限り、複数形の指示対象を含む。用語「a」(または「an」)、及び用語「1つまたは複数」と「少なくとも1つ」は、本明細書では互換的に使用することができる。ある特定の態様では、用語「a」または「an」は、「単一」を意味する。他の態様では、用語「a」または「an」は、「2つまたはそれ以上の」または「複数」を含む。
さらに、本明細書で使用される場合、「及び/または」は、他のものを含む、または含まない、2つの特定のフィーチャまたは成分のそれぞれの特定の開示とみなされるべきである。したがって、本明細書で「A及び/またはB」などの語句で使用される場合の用語「及び/または」は、「A及びB」、「AまたはB」「A」(のみ)、及び「B」(のみ)を含むことが意図される。同様に、「A、B、及び/またはC」などの語句で使用される場合の用語「及び/または」は、以下の態様:A、B及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(のみ);B(のみ);ならびにC(のみ)のそれぞれを包含することが意図される。
別段の定義のない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が関連する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。例えば、the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei-Show,2nd ed.,2002,CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press;及びthe Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressは、当業者に、本開示で使用される多くの用語の一般的な辞書を提供する。
態様が、用語「含む(comprising)」と共に本明細書に記載される場合はどこでも、「からなる(consisting of)」及び/または「本質的にからなる(consisting essentially of)」に関して記載される別の同様の態様も提供される。
単位、接頭辞、及び記号は、その国際単位系(SI)承認形態で記載される。数値範囲は、その範囲を規定する数字を包含する。値の範囲が記載される場合、その範囲の記載される上限と下限の間の、それぞれの介在する整数値、及びそのそれぞれの分数も、そのような値の間のそれぞれの部分的範囲と共に具体的に開示されると理解されるべきである。任意の範囲の上限及び下限は、その範囲に独立に含まれてもよく、またはそれから除外されてもよく、いずれかの限界、いずれでもない限界、または両方の限界が含まれる場合のそれぞれの範囲も、本開示に包含される。ある値が明示的に記載される場合、記載される値とほぼ同じ数量または量である値も、本開示の範囲内にあることが理解されるべきである。組合せが開示される場合、その組合せの要素のそれぞれの部分的組合せも、具体的に開示され、本開示の範囲内にある。逆に、異なる要素または要素群が個別に開示される場合、その組合せも開示される。ある開示の任意の要素が、複数の代替物を有すると開示される場合、それぞれの代替物が、単独で、または他の代替物との任意の組合せで除外されるその開示の例も、本明細書に開示される;ある開示の1つより多い要素は、そのような除外を有してもよく、そのような除外を有する要素のすべての組合せが本明細書に開示される。
ヌクレオチドは、その一般的に是認される1文字コードによって記載される。別途指示されない限り、核酸は、左から右に、5’から3’の方向に書かれる。核酸塩基は、本明細書では、IUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨されるその一般的に公知の1文字記号によって記載される。したがって、Aはアデニンを表し、Cはシトシンを表し、Gはグアニンを表し、Tはチミンを表し、Uはウラシルを表す。
アミノ酸は、本明細書では、その一般的に公知の3文字記号によって、またはIUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionにより推奨される1文字記号によって記載される。別途指示されない限り、アミノ酸配列は、左から右に、アミノからカルボキシの方向に書かれる。
約:本明細書及び特許請求の範囲を通して数値と共に使用される用語「約」は、当業者に良く知られた、許容可能な、正確性の区間を指す。一般に、そのような正確性の区間は、±10%である。
範囲が与えられる場合、端点が含まれる。さらに、別途指示されない限り、または文脈及び当業者の理解から別途明らかでない限り、範囲として示される値は、文脈で別途明確に記述されない限り、その範囲の下限の10分の1単位までの、本開示の異なる実施形態における任意の特定の値または記述される範囲内の部分範囲とみなすことができる。
組合せでの投与:本明細書において使用される場合、用語「組合せでの投与」または「組合せ投与」は、2つまたはそれ以上の薬剤が、同時に、または患者に対する各薬剤の効果の重複が存在してもよいような間隔の中で対象に投与されることを意味する。いくつかの実施形態では、それらは互いに約60、30、15、10、5、または1分以内に投与される。いくつかの実施形態では、薬剤の投与は、組合せ(例えば相乗的)効果が達成されるように、一緒に十分に近い間隔で行われる。
アミノ酸置換:用語「アミノ酸置換」とは、親配列または参照配列(例えば野生型IL-12配列)中に存在するアミノ酸残基を、別のアミノ酸残基で置き換えることを指す。あるアミノ酸を、例えば化学的ペプチド合成により、または当技術分野で公知の組換え方法により、親配列または参照配列(例えば野生型IL-12ポリペプチド配列)中で置換することができる。したがって、「X位での置換」に対する参照は、X位に存在するアミノ酸の、代替的なアミノ酸残基による置換を指す。いくつかの態様では、置換パターンを、スキーマAnY(式中、Aはn位に自然に、または元々存在するアミノ酸に対応する1文字コードであり、Yは置換アミノ酸残基である)にしたがって記載することができる。他の態様では、置換パターンを、スキーマAn(YZ)(式中、AはX位に自然に、または元々存在するアミノ酸を置換するアミノ酸残基に対応する1文字コードであり、Y及びZは代替的な置換アミノ酸残基である)にしたがって記載することができる。
本開示の文脈では、置換(アミノ酸置換を指す場合であっても)は、核酸レベルで行われる、すなわち、あるアミノ酸残基の、代替的なアミノ酸残基による置換は、第1のアミノ酸をコードするコドンを、第2のアミノ酸をコードするコドンで置換することによって行われる。
動物:本明細書において使用される場合、用語「動物」とは、動物界の任意のメンバーを指す。いくつかの実施形態では、「動物」とは、任意の発達段階にあるヒトを指す。いくつかの実施形態では、「動物」とは、任意の発達段階にある非ヒト動物を指す。ある特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えばげっ歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、畜牛、霊長類、またはブタ)である。いくつかの実施形態では、動物としては、限定されるものではないが、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、及び蠕虫が挙げられる。いくつかの実施形態では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作された動物、またはクローンである。
およそ:本明細書において使用される場合、目的の1つまたは複数の値に適用される用語「およそ」とは、記述される参照値と類似する値を指す。ある特定の実施形態では、用語「およそ」は、別途記述しない限り、または別途文脈から明らかでない限り、記述される参照値のいずれかの方向(その値を超えるまたはその値未満)に25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ以下の範囲内にある値の範囲を指す(そのような数が可能な値の100%を超える場合を除く)。
と関連する:疾患に関して本明細書で使用される場合、用語「と関連する」は、問題の症状、測定値、特徴、または状態が、その疾患の診断、発症、存在、または進行に関連することを意味する。関連は、必須ではないが、疾患に原因として関連していてもよい。例えば、がん患者の生活の質の低下を引き起こす症状、後遺症、または任意の効果は、がんと関連すると考えられ、本開示のいくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドを、それを必要とする対象に投与することによって処置、改善、または予防することができる。
2つまたはそれ以上の部分に関して使用される場合、用語「と会合する」、「コンジュゲートする」、「連結する(linked)」、「付着する」、及び「連結する(tethered)」は、2つまたはそれ以上の部分に関して使用される場合、その部分が、直接的に、または連結剤として働く1つもしくは複数の追加の部分を介して、互いに物理的に会合、または接続されて、構造が使用される条件下、例えば生理的条件下で、部分が物理的に会合したままとなるように十分に安定な構造を形成することを意味する。「会合」は、厳密に直接的な共有化学結合によるものである必要はない。それはまた、「会合した」実体が物理的に会合したままであるような十分に安定な接続性に基づくイオンもしくは水素結合またはハイブリダイゼーションも示唆し得る。
二官能性:本明細書において使用される場合、用語「二官能性」とは、少なくとも2つの機能を行うことができる、または維持する任意の物質、分子または部分を指す。この機能は、同じ転帰または異なる転帰に影響してもよい。機能をもたらす構造は、同じであっても、または異なっていてもよい。例えば、本開示の二官能性の修飾されたRNAは、IL-12ペプチドをコードし得る(第1の機能)が、該コードRNAを含むヌクレオシドは、それ自身、RNAの半減期を延長することができる(第2の機能)。この例では、タンパク質欠損に罹患している対象への二官能性の修飾されたRNAの送達は、疾患または状態を改善または処置し得るペプチドまたはタンパク質分子を生成するだけでなく、長期間にわたって対象中に存在する修飾されたRNA集団を維持し得る。他の態様では、二官能性の修飾されたmRNAは、例えばIL-12ペプチドをコードするRNA(第1の機能)、及び第1のタンパク質に融合されるか、または第1のタンパク質と同時発現される第2のタンパク質をコードするRNA、を含むキメラ分子であってもよい。
生体適合性:本明細書において使用される場合、用語「生体適合性」は、免疫系による傷害、毒性または拒絶のリスクが小さいか、またはリスクがなく、生細胞、組織、器官、または系と適合することを意味する。
生分解性:本明細書において使用される場合、用語「生分解性」は、生物の作用によって無害な生成物に破壊できることを意味する。
生物活性:本明細書において使用される場合、語句「生物活性」とは、生物系及び/または生物において活性を有する任意の物質の特徴を指す。例えば、生物に投与された場合、その生物に対する生物学的効果を有する物質は、生物活性であると考えられる。特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの一部が生物活性であるか、または生物学的に関連すると考えられる活性を模倣する場合でも、生物活性であると考えることができる。
キメラ:本明細書において使用される場合、「キメラ」は2つまたはそれ以上の、一致しない、または異種である部分または領域を有する実体である。例えば、キメラ分子は、IL-12Bポリペプチド、IL-12Aポリペプチド、またはIL-12BとIL-12Aポリペプチドの両方を含む第1の部分と、膜ドメインを含む第2の部分(例えば第1の部分に遺伝的に融合または連結される)とを含んでもよい。キメラは、第2の治療用タンパク質(例えば、異なる酵素活性を有するタンパク質、抗原結合部分、またはIL-12の血漿半減期を延長することができる部分、例えば抗体のFc領域)をさらに含む、本明細書に開示される連結したIL-12ポリペプチドも含むことができる。
配列最適化:用語「配列最適化」とは、参照核酸配列中の核酸塩基が代替的な核酸塩基と置き換えられ、特性が向上した(例えばタンパク質発現が改善された、または免疫原性が減少した)核酸配列をもたらすプロセスまたは一連のプロセスを指す。
一般に、配列最適化における目標は、参照ヌクレオチド配列によりコードされる同じポリペプチド配列をコードする同義のヌクレオチド配列を生成することである。したがって、参照ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドに関して、コドン最適化されたヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド中にはアミノ酸置換(コドン最適化の結果として)はない。
コドン置換:配列最適化の文脈における用語「コドン置換」または「コドン置き換え」とは、参照核酸配列中に存在するコドンを別のコドンと置き換えることを指す。コドンを、参照核酸配列中で、例えば、当技術分野で公知の化学的ペプチド合成により、または組換え方法により置換することができる。したがって、核酸配列(例えばmRNA)中、または核酸配列(例えばmRNA)のある特定の領域もしくは部分配列内の、ある特定の位置での「置換」または「置き換え」に対する参照は、そのような位置または領域でのコドンの、代替的コドンとの置換を指す。
本明細書において使用される場合、用語「コード領域」及び「コードする領域」及びその文法的なバリアントは、発現時に、ポリペプチドまたはタンパク質をもたらすポリヌクレオチド中のオープンリーディングフレーム(ORF)を指す。
化合物:本明細書において使用される場合、用語「化合物」は、記載される構造のすべての立体異性体及び同位体を含むことを意味する。本明細書において使用される場合、用語「立体異性体」は、化合物の任意の幾何異性体(例えばcis-及びtrans-異性体)、鏡像異性体、またはジアステレオマーを意味する。本開示は、立体異性的に純粋な形態(例えば幾何異性的に純粋な、鏡像異性的に純粋な、またはジアステレオマー的に純粋な)及び鏡像異性体と立体異性体の混合物、例えばラセミ体を含む、本明細書に記載の化合物のあらゆる立体異性体を包含する。化合物の鏡像異性体と立体異性体の混合物、及びそれらを、その成分である鏡像異性体または立体異性体に分解する手段は周知である。「同位体」とは、同じ原子番号を有するが、核中の中性子数が異なる結果、異なる質量数を有する原子を指す。例えば、水素の同位体としては、三重水素及び重水素が挙げられる。さらに、本開示の化合物、塩、または複合体を、日常的な方法により、溶媒または水分子と組み合わせて調製して、溶媒和物及び水和物を形成させることができる。
接触させること:本明細書において使用される場合、用語「接触」は、2つまたはそれ以上の実体の間の物理的接続を確立することを意味する。例えば、哺乳動物細胞とナノ粒子組成物との接触は、哺乳動物細胞とナノ粒子とに、物理的接続を共有させることを意味する。in vivoとex vivoの両方において細胞を外部的実体と接触させる方法は、生物分野で周知である。例えば、ナノ粒子組成物と、哺乳動物内に配置された哺乳動物細胞との接触を、様々な投与経路(例えば静脈内、筋肉内、皮内、及び皮下)により実施することができ、様々な量のナノ粒子組成物を含んでもよい。さらに、1つより多い哺乳動物細胞を、ナノ粒子組成物によって接触させることができる。
保存的アミノ酸置換:「保存的アミノ酸置換」は、タンパク質配列中のアミノ酸残基が、類似する側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられるものである。類似する側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義されており、塩基性側鎖(例えばリジン、アルギニン、またはヒスチジン)、酸性側鎖(例えばアスパラギン酸またはグルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、またはシステイン)、非極性側鎖(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、またはトリプトファン)、β分枝側鎖(例えばスレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、またはヒスチジン)を含む。したがって、ポリペプチド中のアミノ酸が同じ側鎖ファミリーに由来する別のアミノ酸で置き換えられる場合、アミノ酸置換は保存的であると考えられる。別の態様では、一続きのアミノ酸を、側鎖ファミリーメンバーの順序及び/または組成において異なる構造的に類似する一続きのもので保存的に置き換えることができる。
非保存的アミノ酸置換:非保存的アミノ酸置換としては、(i)電気陽性側鎖を有する残基(例えばArg、HisもしくはLys)が、電気陰性残基(例えばGluもしくはAsp)に置換される、もしくはそれにより置換されるもの、(ii)親水性残基(例えばSerもしくはThr)が、疎水性残基(例えばAla、Leu、Ile、PheもしくはVal)に置換される、もしくはそれにより置換されるもの、(iii)システインもしくはプロリンが、他の任意の残基に置換される、もしくはそれにより置換されるもの、または(iv)嵩高い疎水性もしくは芳香族側鎖を有する残基(例えばVal、His、IleもしくはTrp)が、より小さい側鎖(例えばAlaもしくはSer)を有するもの、もしくは側鎖を有さないもの(例えばGly)に置換される、もしくはそれにより置換されるものが挙げられる。
当業者であれば、他のアミノ酸置換を容易に同定することができる。例えば、アミノ酸アラニンについては、D-アラニン、グリシン、β-アラニン、L-システイン及びD-システインのいずれか1つから置換を取ることができる。リジンについては、置き換えは、D-リジン、アルギニン、D-アルギニン、ホモ-アルギニン、メチオニン、D-メチオニン、オルニチン、またはD-オルニチンのいずれか1つであってもよい。一般的に、単離されたポリペプチドの特性の変化を誘導すると予想することができる機能的に重要な領域における置換は、(i)極性残基、例えばセリンもしくはスレオニンが、疎水性残基、例えばロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、もしくはアラニンに(もしくは、それらにより)置換されるもの;(ii)システイン残基が、他の任意の残基に(もしくは、それらにより)置換されるもの;(iii)電気陽性側鎖を有する残基、例えばリジン、アルギニンもしくはヒスチジンが、電気陰性側鎖を有する残基、例えばグルタミン酸もしくはアスパラギン酸に(もしくは、それらにより)置換されるもの;または(iv)嵩高い側鎖を有する残基、例えばフェニルアラニンが、そのような側鎖を有さないもの、例えばグリシンに(もしくは、それらにより)置換されるものである。前述の非保存的置換のうちの1つがタンパク質の機能的特性を変化させることができる可能性もまた、タンパク質の機能的に重要な領域に関する置換の位置と相関する:したがって、一部の非保存的置換は生物学的特性に対する効果が小さいか、または効果がない。
保存された:本明細書において使用される場合、用語「保存された」とは、比較される2つまたはそれ以上の配列の同じ位置で変化しないまま存在するものである、それぞれ、ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列のヌクレオチドまたはアミノ酸残基を指す。相対的に保存されたヌクレオチドまたはアミノ酸は、配列中の他の場所に出現するヌクレオチドまたはアミノ酸よりもより関連する配列間で保存されたものである。
いくつかの実施形態では、2つまたはそれ以上の配列は、それらが互いに100%同一である場合、「完全に保存された」と言われる。いくつかの実施形態では、2つまたはそれ以上の配列は、それらが互いに少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である場合、「高度に保存された」と言われる。いくつかの実施形態では、2つまたはそれ以上の配列は、それらが互いに約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%同一、約98%同一、または約99%同一である場合、「高度に保存された」と言われる。いくつかの実施形態では、2つまたはそれ以上の配列は、それらが互いに少なくとも30%同一、少なくとも40%同一、少なくとも50%同一、少なくとも60%同一、少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である場合、「保存された」と言われる。いくつかの実施形態では、2つまたはそれ以上の配列は、それらが互いに約30%同一、約40%同一、約50%同一、約60%同一、約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%同一、約98%同一、または約99%同一である場合、「保存された」と言われる。配列の保存は、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチドの全長に適用してもよいか、またはその一部、領域もしくはフィーチャに適用してもよい。
制御放出:本明細書において使用される場合、用語「制御放出」とは、治療的転帰をもたらす特定の放出パターンに従う薬学的組成物または化合物の放出プロファイルを指す。
環状または環化:本明細書において使用される場合、本明細書で使用される場合、用語「環状」とは、連続ループの存在を指す。環状分子は、丸形(circular)である必要はなく、サブユニットの非破壊鎖を形成するためにただ接合されていればよい。本開示の操作されたRNAまたはmRNAなどの環状分子は、単一ユニットもしくはマルチマーであってもよく、または複雑な、もしくはより高次の構造の1つもしくは複数の成分を含んでもよい。
細胞毒性:本明細書において使用される場合、「細胞毒性」とは、細胞(例えば哺乳動物細胞(例えばヒト細胞))、細菌、ウイルス、真菌、原生動物、寄生虫、プリオン、またはその組合せを死滅させること、またはそれに対する傷害、毒性、もしくは殺傷効果を引き起こすことを指す。
送達:本明細書において使用される場合、用語「送達」は、目的地に実体を提供することを意味する。例えば、対象へのポリヌクレオチドの送達は、ポリヌクレオチドを含むナノ粒子組成物を対象に投与すること(例えば静脈内、筋肉内、皮内、または皮下経路による)を含んでもよい。哺乳動物または哺乳動物細胞へのナノ粒子組成物の投与は、1つまたは複数の細胞と、ナノ粒子組成物とを接触させることを含んでもよい。
送達剤:本明細書において使用される場合、「送達剤」とは、少なくとも部分的に、ポリヌクレオチドの標的細胞へのin vivo、in vitro、またはex vivoでの送達を容易にする任意の物質を指す。
不安定化:本明細書において使用される場合、用語「不安定」、「不安定化する」または「不安定化領域」は、出発型、野生型または天然型の同じ領域または分子よりも安定でない領域または分子を意味する。
ジアステレオマー:本明細書において使用される場合、用語「ジアステレオマー」は、互いの鏡像ではなく、互いに重ね合わせることができない立体異性体を意味する。
消化:本明細書において使用される場合、用語「消化する」とは、より小さい小片または成分にばらばらになることを意味する。ポリペプチドまたはタンパク質を指す場合、消化はペプチドの生成をもたらす。
遠位:本明細書において使用される場合、用語「遠位」は、中心から遠くにあること、または目的の点もしくは領域から遠くにあることを意味する。
ドメイン:本明細書において使用される場合、ポリペプチドを指す場合、用語「ドメイン」とは、1つまたは複数の同定可能な構造的または機能的な特徴または特性(例えば、タンパク質間相互作用のための部位として働く、結合能力)を有するポリペプチドのモチーフを指す。
投薬レジメン:本明細書において使用される場合、「投薬レジメン」または「投薬レジメン」は、処置、予防、または緩和ケアの投与スケジュールまたは医師により決定されたレジメンである。
有効量:本明細書において使用される場合、薬剤の用語「有効量」は、有益な、または所望の結果、例えば臨床結果をもたらすのに十分な量であり、したがって「有効量」は、それが適用される状況に依存する。例えば、タンパク質欠損(例えばIL-12欠損)を処置する薬剤を投与する状況では、薬剤の有効量は、例えば、薬剤の投与なしに観察される症状の重症度と比較して、IL-12欠損と関連する症状を改善する、低減する、除去する、または予防するのに十分なPBGFを発現するmRNAの量である。用語「有効量」は、「有効用量」、「治療有効量」または「治療有効用量」と互換的に使用することができる。
鏡像異性体:本明細書において使用される場合、用語「鏡像異性体」とは、少なくとも80%(すなわち、一方の鏡像異性体の少なくとも90%及び他方の鏡像異性体の多くても10%)、少なくとも90%、または少なくとも98%の光学純度または鏡像異性過剰(当技術分野で標準的な方法によって決定される)を有する、本開示の化合物のそれぞれ個々の光学的に活性な形態を意味する。
封入する:本明細書において使用される場合、「封入する」という用語は、封止、包囲、または内包することを意味する。
封入効率:本明細書において使用される場合、「封入効率」とは、ナノ粒子組成物の調製において使用されるポリヌクレオチドの初期総量と比較して、ナノ粒子組成物の一部になるポリヌクレオチドの量を指す。例えば、組成物に最初に提供される合計100mgのポリヌクレオチドのうち、97mgのポリヌクレオチドがナノ粒子組成物中に封入される場合、封入効率は97%として与えることができる。本明細書において使用される場合、「封入」は、完全、実質的、または部分的な封止、閉じ込め、包囲、または内包を指し得る。
コードタンパク質切断シグナル:本明細書において使用される場合、「コードタンパク質切断シグナル」とは、タンパク質切断シグナルをコードするヌクレオチド配列を指す。
操作された:本明細書において使用される場合、本開示の実施形態は、それらが構造的なものであっても、化学的なものであっても、出発点、野生型または天然分子から変化するフィーチャまたは特性を有するように設計される場合、「操作される」。
増強された送達:本明細書において使用される場合、用語「増強された送達」は、目的の標的組織(例えばMC3、KC2、またはDLinDMA)への対照ナノ粒子によるポリヌクレオチドの送達のレベルと比較して、目的の標的組織(例えば哺乳動物の肝臓)へのナノ粒子によるより多くの(例えば少なくとも1.5倍多い、少なくとも2倍多い、少なくとも3倍多い、少なくとも4倍多い、少なくとも5倍多い、少なくとも6倍多い、少なくとも7倍多い、少なくとも8倍多い、少なくとも9倍多い、少なくとも10倍多い)ポリヌクレオチドの送達を意味する。特定の組織へのナノ粒子の送達のレベルを、組織中で生成されるタンパク質の量を該組織の重量と比較すること、組織中のポリヌクレオチドの量を該組織の重量と比較すること、組織中で生成されるタンパク質の量を該組織中の総タンパク質の量と比較すること、または組織中のポリヌクレオチドの量を該組織中の総ポリヌクレオチドの量と比較することによって測定することができる。標的組織へのナノ粒子の増強された送達は、処置される対象において決定される必要はなく、動物モデル(例えばラットモデル)などの代用物において決定することができることが理解されるであろう。
エクソソーム:本明細書において使用される場合、「エクソソーム」は、哺乳動物細胞により分泌される小胞、またはRNA分解に関与する複合体である。
発現:本明細書において使用される場合、核酸配列の「発現」とは、以下の事象:(1)DNA配列からのmRNA鋳型の生成(例えば転写による);(2)mRNA転写物のプロセシング(例えばスプライシング、編集、5’キャップ形成、及び/または3’末端プロセシングによる);(3)ポリペプチドまたはタンパク質へのmRNAの翻訳;ならびに(4)ポリペプチドまたはタンパク質の翻訳後修飾、のうちの1つまたは複数を指す。
ex vivo:本明細書において使用される場合、用語「ex vivo」とは、生物(例えば動物、植物、もしくは微生物またはその細胞もしくは組織)の外部で起こる事象を指す。ex vivoでの事象は、天然の(例えばin vivo)環境から最小限に変化した環境中で起こってもよい。
フィーチャ:本明細書において使用される場合、「フィーチャ」とは、特徴、特性、または独特の要素を指す。ポリペプチドを指す場合、「フィーチャ」は、ある分子の異なるアミノ酸配列に基づく成分と定義される。本開示のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのフィーチャは、表面発現、局所的コンフォメーション形状、折り畳み、ループ、ハーフループ、ドメイン、ハーフドメイン、部位、末端またはその任意の組合せを含む。
製剤:本明細書において使用される場合、「製剤」は、少なくともポリヌクレオチドと、担体、賦形剤、及び送達剤の1つまたは複数とを含む。
断片:本明細書で使用される「断片」とは、一部分を指す。例えば、タンパク質の断片は、培養細胞から単離された完全長タンパク質を消化することによって得られるポリペプチドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、断片は、N末端、及び/またはC末端、及び/または内部部分配列が欠失した、完全長タンパク質(例えばIL-12及び/または膜ドメイン)の部分配列である。本開示のいくつかの好ましい態様では、本開示のタンパク質の断片は、機能的断片である。
機能的:本明細書において使用される場合、「機能的」生物分子は、それが特徴付けられる特性及び/または活性を呈する形態にある生物分子である。したがって、本開示のポリヌクレオチドの機能的断片は、機能的IL-12及び/または膜ドメイン断片を発現することができるポリヌクレオチドである。本明細書において使用される場合、IL-12の機能的断片とは、断片が、対応する完全長タンパク質の生物活性の少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%を保持する、野生型IL-12の断片(すなわち、任意のその天然のアイソフォームの断片)、またはその変異体もしくはバリアントを指す。本明細書において使用される場合、膜ドメインの機能的断片は、野生型膜ドメインの断片、またはその変異体もしくはバリアントであり、該断片は、IL-12ポリペプチドを細胞膜に連結することができる。
ヘルパー脂質:本明細書において使用される場合、用語「ヘルパー脂質」とは、脂質部分(脂質層、例えば脂質二重層への挿入のため)及び極性部分(脂質層の表面での生理的溶液との相互作用のため)を含む化合物または分子を指す。典型的には、ヘルパー脂質は、リン脂質である。ヘルパー脂質の機能は、アミノ脂質を「補完」し、二重層の融合原性(fusogenicity)を増大させること、及び/または例えば細胞に送達される核酸の、エンドソーム脱出を容易にするのを助けることである。ヘルパー脂質はまた、LNPの表面にとって重要な構造成分であると考えられる。
相同性:本明細書において使用される場合、用語「相同性」とは、ポリマー分子間、例えば核酸分子(例えばDNA分子及び/またはRNA分子)間、及び/またはポリペプチド分子間の全体的な関係性を指す。一般的に、用語「相同性」は、2つの分子間の進化的関係を意味する。したがって、相同である2つの分子は、共通の進化的祖先を有する。本開示の文脈では、相同性という用語は、同一性と類似性の両方を包含する。
いくつかの実施形態では、ポリマー分子は、分子中のモノマーの少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%が同一である(正確に同じモノマー)または類似する(保存的置換)場合、互いに「相同」であると考えられる。用語「相同」は、少なくとも2つの配列(ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列)間の比較を必ず指す。
同一性:本明細書において使用される場合、用語「同一性」とは、ポリマー分子間、例えばポリヌクレオチド分子(例えばDNA分子及び/またはRNA分子)間、及び/またはポリペプチド分子間の全体的なモノマー保存を指す。2つのポリヌクレオチド配列の同一性パーセントの算出を、例えば、最適比較目的で2つの配列を整列させることによって実行することができる(例えば、最適なアライメントのために第1及び第2の核酸配列の一方または両方にギャップを導入し、非同一の配列を比較目的で無視することができる)。ある特定の実施形態では、比較目的で整列される配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%である。次いで、対応するヌクレオチド位置のヌクレオチドを比較する。第1の配列中の位置が第2の配列中の対応する位置と同じヌクレオチドで占められる場合、その分子はその位置で同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアライメントのために導入する必要があるギャップの数、各ギャップの長さ、を考慮に入れた配列によって共有される同一の位置の数の関数である。配列の比較及び2つの配列間の同一性パーセントの決定を、数的アルゴリズムを使用して達成することができる。DNA及びRNAを比較する場合、チミン(T)及びウラシル(U)を同等に考えることができる。
好適なソフトウェアプログラムは、様々なソースから入手可能であり、タンパク質とヌクレオチド配列の両方のアライメントのためのものである。配列同一性パーセントを決定するための1つの好適なプログラムは、米国立生物工学情報センターのBLASTウェブサイト(blast.ncbi.nlm.nih.gov)から入手可能なプログラムのBLASTスイートの一部であるbl2seqである。bl2seqは、BLASTNまたはBLASTPアルゴリズムのいずれかを使用して2つの配列間の比較を実行する。BLASTNは、核酸配列を比較するために使用されるが、BLASTPはアミノ酸配列を比較するために使用される。他の好適なプログラムは、バイオインフォマティクスプログラムのEMBOSSパッケージの一部であり、www.ebi.ac.uk/Tools/psaで欧州バイオインフォマティクス研究所(EBI)から入手可能でもある、例えばNeedle、Stretcher、Water、またはMatcherである。
例えば、MAFFT、Clustal(ClustalW、ClustalXまたはClustal Omega)、MUSCLEなどの当技術分野で公知の方法を使用して、配列アライメントを行うことができる。
ポリヌクレオチドまたはポリペプチド参照配列と整列する単一のポリヌクレオチドまたはポリペプチド標的配列内の異なる領域は、それぞれ、それ自身の配列同一性パーセントを有してもよい。配列同一性パーセント値は、小数第2位で四捨五入されることに留意されたい。例えば、80.11、80.12、80.13、及び80.14は、80.1に四捨五入されるが、80.15、80.16、80.17、80.18、及び80.19は80.2に四捨五入される。また、長さの値は常に整数であることにも留意されたい。
ある特定の態様では、第2のアミノ酸配列(または核酸配列)に対する第1のアミノ酸配列(または核酸配列)の同一性百分率「%ID」は、%ID=100×(Y/Z)(式中、Yは第1及び第2の配列のアライメント(目視または特定の配列アライメントプログラムによって整列される)において同一の一致としてスコア化されるアミノ酸残基(または核酸塩基)の数であり、Zは第2の配列中の残基の総数である)として算出される。第1の配列の長さが第2の配列よりも長い場合、第2の配列に対する第1の配列の同一性パーセントは、第1の配列に対する第2の配列の同一性パーセントよりも高いであろう。
当業者であれば、配列同一性パーセントの算出のための配列アライメントの作成は、一次配列データによって専ら駆動されるバイナリー配列間比較に限定されないことを理解する。また、配列データを、構造データ(例えば結晶学的タンパク質構造)、機能データ(例えば変異の位置)、または系統発生データなどの、異種ソースに由来するデータと統合することによって、配列アライメントを作成することができることも理解される。異種データを統合して、複数の配列アライメントを作成する好適なプログラムは、www.tcoffee.orgで入手可能であり、あるいは、例えばEBIから入手可能なT-Coffeeである。また、配列同一性パーセントを算出するために使用される最終的なアライメントを、自動的に、または手動でキュレートすることができることも理解されるであろう。
免疫応答:用語「免疫応答」とは、例えば、侵入する病原体、病原体に感染した細胞もしくは組織、がん性細胞、または自己免疫もしくは病理学的炎症の場合は正常なヒト細胞もしくは組織、に対する選択的損傷、その破壊、またはそのヒト体内からの除去をもたらす、リンパ球、抗原提示細胞、貪食細胞、顆粒球、及び上記細胞または肝臓によって生成される可溶性高分子(抗体、サイトカイン、及び補体を含む)の作用を指す。場合によっては、脂質成分と封入された治療剤とを含むナノ粒子の投与は、(i)封入された治療剤(例えばmRNA)、(ii)そのような封入された治療剤の発現産物(例えばmRNAによりコードされるポリペプチド)、(iii)ナノ粒子の脂質成分、または(iv)その組合せ、により引き起こされ得る、免疫応答を誘発することができる。
炎症応答:「炎症応答」とは、特異的及び非特異的防御系を含む免疫応答を指す。特異的防御系反応は、抗原に対する特異的免疫系反応である。特異的防御系反応の例としては、抗体応答が挙げられる。非特異的防御系反応は、一般的には免疫記憶を行うことができない白血球、例えばマクロファージ、好酸球及び好中球により媒介される炎症応答である。いくつかの態様では、免疫応答は、炎症性サイトカインレベルの上昇をもたらす、炎症性サイトカインの分泌を含む。
炎症性サイトカイン:用語「炎症性サイトカイン」とは、炎症応答において上昇するサイトカインを指す。炎症性サイトカインの例としては、インターロイキン-6(IL-6)、GROαとしても知られるCXCL1(ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド1、インターフェロン-γ(IFNγ)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターフェロンγ誘導タンパク質10(IP-10)、または顆粒球-コロニー刺激因子(G-CSF)が挙げられる。炎症性サイトカインという用語は、当技術分野で公知の炎症応答と関連する他のサイトカイン、例えばインターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-12(IL-12)、インターロイキン-13(IL-13)、インターフェロンα(IFN-α)なども含む。
in vitro:本明細書において使用される場合、用語「in vitro」とは、生物(例えば動物、植物、または微生物)の中よりもむしろ、人工的な環境、例えば試験管または反応容器、細胞培養、ペトリ皿などの中で起こる事象を指す。
in vivo:本明細書において使用される場合、用語「in vivo」とは、生物(例えば動物、植物、もしくは微生物またはその細胞もしくは組織)の中で起こる事象を指す。
挿入及び欠失バリアント:「挿入バリアント」は、ポリペプチドを指す場合、天然または出発配列中の特定の位置のアミノ酸に直接隣接して挿入される1つまたは複数のアミノ酸を有するものである。アミノ酸に「直接隣接」とは、アミノ酸のアルファ-カルボキシまたはアルファ-アミノ官能基のいずれかに接続されることを意味する。「欠失バリアント」は、ポリペプチドに関する場合、天然または出発アミノ酸配列中の1つまたは複数のアミノ酸が除去されたものである。通常は、欠失バリアントは、分子の特定の領域中の1つまたは複数のアミノ酸が欠失しているであろう。
インタクト:本明細書において使用される場合、ポリペプチドの文脈では、用語「インタクト」は、例えば野生型アミノ酸を変異させること、または置換することではなく、野生型タンパク質に対応するアミノ酸を保持することを意味する。逆に、核酸の文脈では、用語「インタクト」は、例えば野生型核酸塩基を変異させること、または置換することではなく、野生型核酸に対応する核酸塩基を保持することを意味する。
細胞内ドメイン:本明細書において使用される場合、用語「細胞内ドメイン」、「IC」、及び「ICD」は、細胞内に位置するポリペプチドの領域を指す。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、細胞にシグナルを伝達する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)によりコードされる連結したIL-12ポリペプチドは、細胞にシグナルを伝達する細胞内ドメインを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)によりコードされる連結したIL-12ポリペプチドは、細胞にシグナルを伝達しない細胞内ドメインを含む。
イオン化可能アミノ脂質:用語「イオン化可能アミノ脂質」は、1、2、3、またはそれ以上の脂肪酸または脂肪アルキル鎖と、pH滴定可能アミノ頭部基(例えばアルキルアミノまたはジアルキルアミノ頭部基)を有する脂質を含む。イオン化可能アミノ脂質は、典型的には、アミノ頭部基のpKaを下回るpHでプロトン化(すなわち、正に帯電)され、pKaより上のpHでは実質的に帯電しない。そのようなイオン化可能アミノ脂質としては、限定されるものではないが、DLin-MC3-DMA(MC3)及び(13Z,165Z)-N,N-ジメチル-3-ノニドコサ-13-16-ジエン-1-アミン(L608)が挙げられる。
単離された:本明細書において使用される場合、用語「単離された」とは、それが会合した成分の少なくとも一部から分離された物質または実体を指す(自然においても、または実験設定においても)。単離された物質(例えばポリヌクレオチドまたはポリペプチド)は、それらが単離された物質を参照して変化する純度レベルを有してもよい。単離された物質及び/または実体を、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、またはそれ以上のそれらが最初に会合していた他の成分から分離することができる。いくつかの実施形態では、単離された物質は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%を超えて、または約99%を超えて純粋である。本明細書において使用される場合、物質が、他の成分を実質的に含まない場合、それは「純粋」である。
実質的に単離された:「実質的に単離された」とは、化合物が形成または検出された環境から、それが実質的に分離されることを意味する。部分的分離は、例えば、本開示の化合物中で富化された組成物を含んでもよい。実質的な分離は、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%の本開示の化合物、またはその塩を含有する組成物を含んでもよい。
「単離された」ポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチド、細胞、または本明細書に開示される任意の組成物は、自然には見出されない形態にあるポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチド、細胞、または組成物である。単離されたポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチド、または組成物は、それらがもはや自然に見出される形態にない程度まで精製されたものを含む。いくつかの態様では、単離されたポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチド、または組成物は、実質的に純粋である。
異性体:本明細書において使用される場合、用語「異性体」は、本開示の任意の化合物の任意の互変異性体、立体異性体、鏡像異性体、またはジアステレオマーを意味する。本開示の化合物は、1つまたは複数のキラル中心及び/または二重結合を有してもよく、したがって、二重結合異性体(すなわち、幾何E/Z異性体)またはジアステレオマー(例えば鏡像異性体(すなわち、(+)もしくは(-))またはcis/trans異性体)などの立体異性体として存在してもよいことが認識されている。本開示によれば、本明細書に記載の化学構造、したがって、本開示の化合物は、すべての対応する立体異性体、すなわち、立体異性的に純粋な形態(例えば幾何異性的に純粋な、鏡像異性的に純粋な、またはジアステレオマー的に純粋な)と、鏡像異性体と立体異性体の混合物、例えばラセミ体、との両方を包含する。本開示の化合物の鏡像異性体と立体異性体の混合物は、典型的には、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩複合体としての化合物の結晶化、またはキラル溶媒中での化合物の結晶化などの周知の方法によって、その成分である鏡像異性体または立体異性体に分解することができる。鏡像異性体と立体異性体とを、周知の非対称性合成方法により、立体異性的または鏡像異性的に純粋な中間体、試薬、及び触媒から取得することもできる。
リンカー:本明細書において使用される場合、「リンカー」(本明細書で呼ばれるような、膜リンカー、サブユニットリンカー、及び異種ポリペプチドリンカーを含む)とは、原子、例えば10~1,000個の原子の群を指し、限定されるものではないが、炭素、アミノ、アルキルアミノ、酸素、硫黄、スルホキシド、スルホニル、カルボニル、及びイミンなどの原子または基から構成され得る。リンカーを、第1の末端で核酸塩基または糖部分上の修飾されたヌクレオシドまたはヌクレオチドに、そして第2の末端でペイロード、例えば検出可能剤または治療剤に付着させることができる。リンカーは、核酸配列への組込みを妨げないような十分な長さのものであってもよい。リンカーを、ポリヌクレオチドマルチマー(例えば、2つもしくはそれ以上のキメラポリヌクレオチド分子またはIVTポリヌクレオチドの連結により)またはポリヌクレオチドコンジュゲートを形成するため、ならびに本明細書に記載のペイロードを投与するためなどの、任意の有用な目的のために使用することができる。リンカーに組み込むことができる化学基の例としては、限定されるものではないが、それぞれ、本明細書に記載のように、任意選択で置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、エーテル、チオエーテル、エステル、アルキレン、ヘテロアルキレン、アリール、またはヘテロシクリルが挙げられる。リンカーの例としては、限定されるものではないが、不飽和アルカン、ポリエチレングリコール(例えばエチレンまたはプロピレングリコールモノマー単位、例えばジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、またはテトラエチレングリコール)、及びデキストランポリマー及びその誘導体が挙げられる。他の例としては、限定されるものではないが、例えば、還元剤または光分解を使用して切断することができるジスルフィド結合(-S-S-)またはアゾ結合(-N=N-)などのリンカー内の切断可能部分が挙げられる。選択的に切断可能な結合の非限定的な例としては、例えばトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、もしくは他の還元剤の使用、及び/または光分解により切断することができるアミド結合、ならびに例えば酸または塩基加水分解により切断することができるエステル結合が挙げられる。
投与方法:本明細書において使用される場合、「投与方法」は、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、または対象に組成物を送達する他の方法を含んでもよい。投与方法を、身体の特定の領域または系への送達を標的化する(例えば特異的に送達する)ように選択することができる。
修飾された:本明細書で使用される場合、「修飾された」とは、本開示の分子の状態または構造の変化を指す。化学的、構造的、及び機能的などの多くの方法で分子を修飾することができる。いくつかの実施形態では、本開示のmRNA分子は、例えばそれが天然のリボヌクレオチド、A、U、G及びCに関する場合、非天然ヌクレオシド及び/またはヌクレオチドの導入によって修飾される。キャップ構造などの非標準ヌクレオチドは、A、C、G、Uリボヌクレオチドの化学構造とは異なるが、「修飾された」とは考えられない。
粘液:本明細書において使用される場合、「粘液」とは、粘性であり、ムチン糖タンパク質を含む天然物質を指す。
ナノ粒子組成物:本明細書において使用される場合、「ナノ粒子組成物」は、1つまたは複数の脂質を含む組成物である。ナノ粒子組成物は、典型的に、マイクロメートル単位またはそれ以下のサイズであり、脂質二重層を含み得る。ナノ粒子組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)、リポソーム(例えば脂質小胞)、及びリポプレックスを包含する。例えば、ナノ粒子組成物は、500nmまたはそれ以下の直径を有する脂質二重層を有するリポソームであり得る。
天然に存在する:本明細書において使用される場合、「天然に存在する」とは、人工的な補助なしで自然に存在することを意味する。
非ヒト脊椎動物:本明細書において使用される場合、「非ヒト脊椎動物」は、野生種及び家畜種を含む、ホモ・サピエンス以外のすべての脊椎動物を含む。非ヒト脊椎動物の例としては、限定されるものではないが、アルパカ、バンテン、バイソン、ラクダ、ネコ、畜牛、シカ、イヌ、ロバ、ガヤル、ヤギ、モルモット、ウマ、ラマ、ラバ、ブタ、ウサギ、トナカイ、ヒツジ、水牛、及びヤクなどの哺乳動物が挙げられる。
核酸配列:用語「核酸配列」、「ヌクレオチド配列」または「ポリヌクレオチド配列」は、互換的に使用され、連続する核酸配列を指す。配列は、一本鎖または二本鎖DNAまたはRNA、例えばmRNAであってもよい。
用語「核酸」は、その最も広い意味で、ヌクレオチドのポリマーを含む任意の化合物及び/または物質を含む。これらのポリマーは、ポリヌクレオチドと呼ばれることが多い。例示的な本開示の核酸またはポリヌクレオチドとしては、限定されるものではないが、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(β-D-リボ構成を有するLNA、α-L-リボ構成を有するα-LNA(LNAのジアステレオマー)、2’-アミノ官能基を有する2’-アミノ-LNA、及び2’-アミノ官能基を有する2’-アミノ-α-LNAを含む、LNA)、エチレン核酸(ENA)、シクロヘキセニル核酸(CeNA)、またはそのハイブリッドもしくは組合せが挙げられる。
語句「コードするヌクレオチド配列」とは、ポリペプチドをコードする、核酸(例えばmRNAまたはDNA分子)コード配列を指す。コード配列は、核酸が投与される個体または哺乳動物の細胞中での発現を指示することができるプロモーター及びポリアデニル化シグナルを含む制御エレメントに作動可能に連結された開始及び終結シグナルをさらに含んでもよい。コード配列は、シグナルペプチドをコードする配列をさらに含んでもよい。
標的外:本明細書において使用される場合、「標的外」とは、任意の1つまたは複数の標的、遺伝子、または細胞転写物に対する任意の意図されない効果を指す。
オープンリーディングフレーム:本明細書において使用される場合、「オープンリーディングフレーム」または「ORF」とは、所与のリーディングフレーム中に終止コドンを含有しない配列を指す。
作動可能に連結された:本明細書において使用される場合、語句「作動可能に連結された」とは、2つまたはそれ以上の分子、構築物、転写物、実体、部分などの間の機能的接続を指す。
任意選択で置換された:本明細書における語句の形態「任意選択で置換されたX」(例えば任意選択で置換されたアルキル)は、「X(式中、Xは任意選択で置換される)」と等価であることが意図される(例えば「アルキル(式中、該アルキルは任意選択で置換される)」)。フィーチャ「X」(例えばアルキル)自体が任意選択であることを意味することを意図するものではない。
部分:本明細書において使用される場合、ポリヌクレオチドの「部分」または「領域」は、ポリヌクレオチドの完全長未満であるポリヌクレオチドの任意の一部と定義される。
患者:本明細書において使用される場合、「患者」とは、処置を求めることができる、もしくは処置の必要があり得る、処置を必要とする、処置を受けている、処置を受けるであろう対象、または特定の疾患もしくは状態に関する訓練された専門家によるケアの下にある対象を指す。
薬学的に許容可能な:語句「薬学的に許容可能な」とは、本明細書において用いられ、適切な医学的判断の範囲内にあり、過剰の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症なしにヒト及び動物の組織との接触における使用にとって好適であり、合理的な利益/リスク比に見合った、化合物、材料、組成物、及び/または剤形を指す。
薬学的に許容可能な賦形剤:語句「薬学的に許容可能な賦形剤」は、本明細書において使用される場合、患者において実質的に非毒性的及び非炎症性である特性を有する、本明細書に記載される化合物以外の任意の成分(例えば、活性化合物を懸濁または溶解することができるビヒクル)を指す。賦形剤は、例えば、抗接着剤、抗酸化剤、結合剤、コーティング剤、圧縮補助剤、崩壊剤、色素(色)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、フィルム形成剤またはフィルムコーティング、香味料、香料、流動促進剤(流動増強剤)、滑沢剤、保存剤、印刷用インク、吸着剤、懸濁剤または分散剤、甘味料、及び水和水を含んでもよい。例示的な賦形剤としては、限定されるものではないが、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファデンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、及びキシリトールが挙げられる。
薬学的に許容可能な塩:本開示はまた、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容可能な塩も含む。本明細書において使用される場合、「薬学的に許容可能な塩」とは、親化合物が、存在する酸または塩基部分をその塩形態に変換することにより(例えば、遊離塩基基を好適な有機酸と反応させることにより)修飾された、開示される化合物の誘導体を指す。薬学的に許容可能な塩の例としては、限定されるものではないが、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などが挙げられる。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、酢酸、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、ならびに限定されるものではないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどの、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、及びアミンカチオンが挙げられる。本開示の薬学的に許容可能な塩としては、例えば非毒性無機または有機酸から形成される親化合物の従来の非毒性塩が挙げられる。本開示の薬学的に許容可能な塩を、従来の化学的方法により塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般的に、水中もしくは有機溶媒中、またはその2つの混合物中で、これらの化合物の遊離酸または塩基形態と、化学量論量の適切な塩基もしくは酸とを反応させることにより、そのような塩を調製することができる;一般的には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水溶媒が使用される。好適な塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418,Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,P.H.Stahl and C.G.Wermuth(eds.),Wiley-VCH,2008、及びBerge et al.,Journal of Pharmaceutical Science,66,1-19(1977)に見出され、それぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
薬学的に許容可能な溶媒和物:本明細書において使用される場合、用語「薬学的に許容可能な溶媒和物」は、好適な溶媒の分子が結晶格子中に組み込まれた本開示の化合物を意味する。好適な溶媒は、投与される投与量で生理的に許容される。例えば、有機溶媒、水、またはその混合物を含む、溶液からの結晶化、再結晶化、または沈殿により、溶媒和物を調製することができる。好適な溶媒の例は、エタノール、水(例えば、一水和物、二水和物、及び三水和物)、N-メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMEU)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2-(1H)-ピリミジノン(DMPU)、アセトニトリル(ACN)、プロピレングリコール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、2-ピロリドン、安息香酸ベンジルなどである。水が溶媒である場合、溶媒和物は、「水和物」と呼ばれる。
薬物動態:本明細書において使用される場合、「薬物動態」とは、生体に投与された物質の運命の決定に関わる場合の、ある分子または化合物の任意の1つまたは複数の特性を指す。薬物動態は、吸収、分布、代謝及び***の程度及び速度を含むいくつかの領域に分類される。これは一般的にはADMEと呼ばれ、(A)吸収は、血液循環に入る物質のプロセスであり、(D)分布は、体液及び体組織にわたる物質の分散または散布であり、(M)代謝(または生体内変換)は、親化合物の娘代謝物への不可逆的変換であり、ならびに(E)排出(または除去)とは、身体からの物質の除去を指す。稀な事例では、いくつかの薬物は、体組織に不可逆的に蓄積する。
物理化学的:本明細書において使用される場合、「物理化学的」とは、物理及び/または化学特性を意味する、またはそれと関連する。
ポリヌクレオチド:本明細書において使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」とは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、その類似体、またはその混合物を含む任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指す。この用語は、分子の一次構造を指す。したがって、この用語は、三本鎖、二本鎖及び一本鎖デオキシリボ核酸(「DNA」)、ならびに三本鎖、二本鎖及び一本鎖リボ核酸(「RNA」)を含む。それは、例えば、アルキル化により、及び/またはキャッピングにより修飾された形態、ならびに修飾されていない型のポリヌクレオチドも含む。より詳細には、用語「ポリヌクレオチド」は、スプライスされていても、スプライスされていなくても、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含有する)、tRNA、rRNA、hRNA、siRNA及びmRNAを含むポリリボヌクレオチド(D-リボースを含有する)、プリンまたはピリミジン塩基のNまたはC-グリコシドである他の任意の型のポリヌクレオチド、ならびに非ヌクレオチド性(normucleotidic)骨格を含有する他のポリマー、例えば、ポリアミド(例えば、ペプチド核酸「PNA」)及びポリモルホリノポリマー、ならびにポリマーがDNA及びRNAにおいて見出されるような塩基対形成及び塩基スタッキングを可能にする構成で核酸塩基を含有するという条件で他の合成配列特異的核酸ポリマー、を含む。特定の態様では、ポリヌクレオチドはmRNAを含む。他の態様では、mRNAは合成mRNAである。いくつかの態様では、合成mRNAは、少なくとも1つの非天然核酸塩基を含む。いくつかの態様では、ある特定のクラスの全核酸塩基が、非天然核酸塩基で置き換えられている(例えば、本明細書に開示されるポリヌクレオチド中のすべてのウリジンを、非天然核酸塩基、例えば5-メトキシウリジンで置き換えることができる)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチド(例えば、合成RNAまたは合成DNA)は、天然核酸塩基のみ、すなわち、合成DNAの場合、A(アデノシン)、G(グアノシン)、C(シチジン)、及びT(チミジン)、または合成RNAの場合、A、C、G及びU(ウリジン)を含む。
当業者であれば、本明細書に開示されるコドンマップにおけるT塩基はDNA中に存在し、一方で、T塩基は対応するRNA中ではU塩基によって置き換えられるであろうことを理解するであろう。例えば、DNA形態、例えば、ベクターまたはin vitro翻訳(IVT)鋳型中の本明細書に開示されるコドンヌクレオチド配列は、対応する転写されるmRNA中ではU塩基として転写されるそのT塩基を有するであろう。この点に関して、コドン最適化されたDNA配列(Tを含む)と、その対応するmRNA配列(Uを含む)は両方とも、本開示のコドン最適化されたヌクレオチド配列と考えられる。当業者であれば、1つまたは複数の塩基を、非天然の塩基で置き換えることによって、同等のコドンマップを生成することができることも、理解するであろう。したがって、例えば、TTCコドン(DNAマップ)は、UUCコドン(RNAマップ)に対応し、順に、ΨΨCコドン(Uがシュードウリジンで置き換えられたRNAマップ)に対応する。
標準的なA-T及びG-C塩基対は、チミジンのN3-H及びC4-オキシと、アデノシンの、それぞれ、N1及びC6-NH2との間、ならびにシチジンのC2-オキシ、N3及びC4-NH2と、グアノシンの、それぞれ、C2-NH2、N’-H及びC6-オキシとの間の、水素結合の形成を可能にする条件下で形成する。したがって、例えば、グアノシン(2-アミノ-6-オキシ-9-β-D-リボフラノシル-プリン)を修飾して、イソグアノシン(2-オキシ-6-アミノ-9-β-D-リボフラノシル-プリン)を形成させることができる。そのような修飾は、もはやシトシンと標準的な塩基対を効率的に形成しないヌクレオシド塩基をもたらす。しかしながら、イソシトシン(1-β-D-リボフラノシル-2-アミノ-4-オキシ-ピリミジン-)を形成するシトシン(1-β-D-リボフラノシル-2-オキシ-4-アミノ-ピリミジン)の修飾は、グアノシンと効率的に塩基対形成しないが、イソグアノシンとは塩基対を形成する修飾されたヌクレオチドをもたらす(Collinsらの米国特許第5,681,702号)。イソシトシンは、Sigma Chemical Co.(St.Louis,Mo.)から入手可能であり、イソシチジンは、Switzer et al.(1993)Biochemistry 32:10489-10496及びそこに引用された参考文献によって記載された方法により調製することができ、2’-デオキシ-5-メチル-イソシチジンは、Tor et al.,1993,J.Am.Chem.Soc.115:4461-4467及びそこに引用された参考文献の方法により調製することができ、ならびにイソグアニンヌクレオチドは、Switzer et al.,1993,上掲及びMantsch et al.,1993,Biochem.14:5593-5601により記載された方法を使用して、またはCollinsらの米国特許第5,780,610号に記載の方法により調製することができる。2,6-ジアミノピリミジン及びその相補体(1-メチルピラゾロ-[4,3]ピリミジン-5,7-(4H,6H)-ジオン)の合成のために、他の非天然塩基対を、Piccirilli et al.,1990,Nature 343:33-37に記載の方法により合成することができる。Leach et al.(1992)J.Am.Chem.Soc.114:3675-3683及びSwitzer et al.,上掲、に記載のものなどの、ユニークな塩基対を形成する他のそのような修飾されたヌクレオチド単位は公知である。
ポリペプチド:用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、本明細書では互換的に使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは、修飾されたアミノ酸を含んでもよい。この用語はまた、自然に、または介入、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または標識化成分とのコンジュゲーションなどの他の任意の操作もしくは修飾により修飾されたアミノ酸ポリマーも包含する。また、例えば、アミノ酸(例えば、ホモシステイン、オルニチン、p-アセチルフェニルアラニン、D-アミノ酸、及びクレアチンなどの非天然アミノ酸を含む)の1つまたは複数の類似体、ならびに当技術分野で公知の他の修飾を含有するポリペプチドも定義に含まれる。
本明細書において使用される場合、用語は、任意のサイズ、構造、または機能のタンパク質、ポリペプチド、及びペプチドを指す。ポリペプチドは、コードされたポリヌクレオチド産物、天然に存在するポリペプチド、合成ポリペプチド、相同体、オルトログ、パラログ、断片ならびに前述の他の等価物、バリアント、及び類似体を含む。ポリペプチドは、モノマーであってもよく、またはダイマー、トリマーもしくはテトラマーなどの多分子複合体であってもよい。それらはまた、単鎖または多鎖ポリペプチドを含んでもよい。最も一般的には、ジスルフィド連結が多鎖ポリペプチド中に見出される。ポリペプチドという用語はまた、1つまたは複数のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の人工化学類似体であるアミノ酸ポリマーにも適用することができる。いくつかの実施形態では、「ペプチド」は、50アミノ酸長以下であってもよく、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸長であってもよい。
ポリペプチドバリアント:本明細書において使用される場合、用語「ポリペプチドバリアント」とは、天然または参照配列とはそのアミノ酸配列において異なる分子を指す。アミノ酸配列バリアントは、天然または参照配列と比較して、アミノ酸配列内のある特定の位置に置換、欠失、及び/または挿入を有してもよい。通常、バリアントは、天然または参照配列に対して少なくとも約50%の同一性、少なくとも約60%の同一性、少なくとも約70%の同一性、少なくとも約80%の同一性、少なくとも約90%の同一性、少なくとも約95%の同一性、少なくとも約99%の同一性を有するであろう。いくつかの実施形態では、それらは、天然または参照配列と少なくとも約80%、または少なくとも約90%同一であろう。
単位薬物あたりのポリペプチド(PUD):本明細書において使用される場合、PUDまたは単位薬物あたりの生成物は、体液中での測定値で除算した、通常はpmol/mL、mmol/mLなどの濃度で定義される、体液または組織中で測定される生成物(ポリペプチドなど)の1日あたりの総量、通常、1mg、pg、kgなどの細分された部分と定義される。
予防すること:本明細書において使用される場合、用語「予防すること」とは、感染、疾患、障害及び/または状態の発症を部分的もしくは完全に遅延させること;特定の感染、疾患、障害、及び/または状態の1つもしくは複数の症状、フィーチャ、もしくは臨床兆候の発症を部分的もしくは完全に遅延させること;特定の感染、疾患、障害、及び/または状態の1つもしくは複数の症状、フィーチャ、もしくは兆候の発症を部分的もしくは完全に遅延させること;感染、特定の疾患、障害及び/または状態からの進行を部分的もしくは完全に遅延させること;及び/または感染、疾患、障害、及び/または状態と関連する病状を発症するリスクを低下させることを指す。
増殖する:本明細書において使用される場合、用語「増殖する」とは、成長する、拡張する、もしくは増大する、または急速な成長、拡張もしくは増大を引き起こすことを意味する。「増殖性」とは、増殖する能力を有することを意味する。「抗増殖性」とは、増殖特性に対抗する、または増殖特性にとって不適切な特性を有することを意味する。
予防薬:本明細書において使用される場合、「予防薬」とは、疾患の拡散を予防するために使用される治療薬または作用の経過を指す。
予防:本明細書において使用される場合、「予防」とは、健康を維持し、疾患の拡散を予防するために取られる手段を指す。「免疫予防」とは、疾患の拡散を予防するための能動または受動免疫を生成するための手段を指す。
タンパク質切断部位:本明細書において使用される場合、「タンパク質切断部位」とは、アミノ酸鎖の調節された切断を、化学的、酵素的、または光化学的手段によって達成することができる部位を指す。
タンパク質切断シグナル:本明細書において使用される場合、「タンパク質切断シグナル」とは、切断のためにポリペプチドを標識する、またはマークする少なくとも1つのアミノ酸を指す。
目的のタンパク質:本明細書において使用される場合、用語「目的のタンパク質」または「所望のタンパク質」は、本明細書で提供されるもの、ならびにその断片、変異体、バリアント、及び変形を含む。
近位:本明細書において使用される場合、用語「近位」とは、中心または目的の地点もしくは領域により近い位置にあることを意味する。
シュードウリジン:本明細書において使用される場合、シュードウリジン(ψ)とは、ヌクレオシドウリジンのC-グリコシド異性体を指す。「シュードウリジン類似体」は、シュードウリジンの任意の修飾体、バリアント、アイソフォームまたは誘導体である。例えば、シュードウリジン類似体としては、限定されるものではないが、1-カルボキシメチル-シュードウリジン、1-プロピニル-シュードウリジン、1-タウリノメチル-シュードウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-シュードウリジン、1-メチルシュードウリジン(mψ)、1-メチル-4-チオ-シュードウリジン(mψ)、4-チオ-1-メチル-シュードウリジン、3-メチル-シュードウリジン(mψ)、2-チオ-1-メチル-シュードウリジン、1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン、ジヒドロシュードウリジン、2-チオ-ジヒドロシュードウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-シュードウリジン、4-メトキシ-2-チオ-シュードウリジン、N1-メチル-シュードウリジン、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)シュードウリジン(acpψ)、及び2’-O-メチル-シュードウリジン(ψm)が挙げられる。
精製された:本明細書において使用される場合、「精製する」、「精製された」、「精製」は、望ましくない成分、材料汚染、混合物または不完全性から実質的に純粋にする、または清澄化することを意味する。
参照核酸配列:用語「参照核酸配列」または「参照核酸」または「参照ヌクレオチド配列」または「参照配列」とは、配列最適化することができる出発核酸配列(例えばRNA、例えばmRNA配列)を指す。いくつかの実施形態では、参照核酸配列は、野生型核酸配列、その断片またはバリアントである。いくつかの実施形態では、参照核酸配列は、予め配列最適化された核酸配列である。
塩:いくつかの態様では、本明細書に開示される腫瘍内送達のための薬学的組成物は、その脂質構成成分のいくつかの塩を含む。用語「塩」は、任意のアニオン性及びカチオン性複合体を含む。アニオンの非限定的な例としては、無機及び有機アニオン、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、シュウ酸塩(例えば、ヘミオキサレート)、リン酸塩、ホスホン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、窒化物、亜硫酸水素塩、硫化物、亜硫酸塩、重硫酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、アクリル酸塩、ポリアクリル酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、イタコン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、チグリン酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩、ポリメタクリル酸塩、過塩素酸塩、塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、臭素酸塩、次亜臭素酸塩、ヨウ素酸塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、ヒ酸塩、亜ヒ酸塩、クロム酸塩、重クロム酸塩、シアン化物、シアン酸塩、チオシアン酸塩、水酸化物、過酸化物、過マンガン酸塩、及びその混合物が挙げられる。
試料:本明細書において使用される場合、用語「試料」または「生体試料」とは、その組織、細胞、または構成部分のサブセット(例えば、限定されるものではないが、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、羊水、羊膜帯血(amniotic cord blood)、尿、膣液、及び***を含む体液)を指す。試料は、全生物または限定されるものではないが、例えば、血漿、血清、髄液、リンパ液、皮膚、呼吸器、腸管、及び腎尿路生殖器の外部切片、涙、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、器官の、その組織、細胞もしくは構成部分のサブセット、またはその画分もしくは一部から調製されたホモジネート、溶解物または抽出物をさらに含んでもよい。試料はさらに、タンパク質または核酸分子などの細胞成分を含有してもよい、栄養ブロスまたはゲルなどの培地を指す。
シグナル配列:本明細書において使用される場合、語句「シグナル配列」、「シグナルペプチド」及び「輸送ペプチド」は、互換的に使用され、タンパク質の、ある特定の細胞小器官、細胞区画への輸送もしくは局在化、または細胞外輸送を指令することができる配列を指す。この用語は、シグナル配列ポリペプチドと、シグナル配列をコードする核酸配列との両方を包含する。したがって、核酸の文脈におけるシグナル配列に対する参照は、実際には、シグナル配列ポリペプチドをコードする核酸配列を指す。
シグナル伝達経路:「シグナル伝達経路」とは、細胞のある部分から細胞の別の部分へのシグナルの伝達において役割を果たす様々なシグナル伝達分子間の生化学的関係を指す。本明細書において使用される場合、語句「細胞表面受容体」は、例えば、シグナルを受信し、細胞の形質膜を越えたそのようなシグナルの伝達を行うことができる分子及び分子の複合体を含む。
類似性:本明細書において使用される場合、用語「類似性」とは、ポリマー分子間、例えば、ポリヌクレオチド分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間及び/またはポリペプチド分子間の全体的な関係性を指す。ポリマー分子の互いに対する類似性パーセントの算出を、類似性パーセントの算出が当技術分野で理解されるように保存的置換を考慮に入れることを除いて、同一性パーセントの算出と同じ様式で実行することができる。
単回単位用量:本明細書において使用される場合、「単回単位用量」は、1用量/1回/単一経路/単一接触点、すなわち、1回の投与事象で投与される任意の治療薬の用量である。
分割用量:本明細書において使用される場合、「分割用量」は、単回単位用量または1日あたりの総量の、2つまたはそれ以上の用量への分割である。
特異的送達:本明細書において使用される場合、用語「特異的送達」、「特異的に送達する」または「特異的に送達すること」は、標的外組織(例えば、哺乳動物脾臓)と比較して、目的の標的組織(例えば、哺乳動物肝臓)へのナノ粒子によるポリヌクレオチドのより多くの(例えば、少なくとも1.5倍多い、少なくとも2倍多い、少なくとも3倍多い、少なくとも4倍多い、少なくとも5倍多い、少なくとも6倍多い、少なくとも7倍多い、少なくとも8倍多い、少なくとも9倍多い、少なくとも10倍多い)送達を意味する。特定の組織へのナノ粒子の送達のレベルを、組織中で生成されるタンパク質の量を該組織の重量と比較すること、組織中のポリヌクレオチドの量を該組織の重量と比較すること、組織中で生成されるタンパク質の量を該組織中の総タンパク質の量と比較すること、または組織中のポリヌクレオチドの量を該組織中の総ポリヌクレオチドの量と比較することによって測定することができる。例えば、腎血管標的については、ポリヌクレオチドの全身投与後に肝臓または脾臓に送達される場合と比較して組織1gあたり1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、15倍、または20倍多くのポリヌクレオチドが腎臓に送達される場合、ポリヌクレオチドは、肝臓及び脾臓と比較して哺乳動物腎臓に特異的に提供される。標的組織に特異的に送達するナノ粒子の能力は、処置される対象において決定する必要はなく、それを動物モデル(例えば、ラットモデル)などの代用物において決定してもよいことが理解されるであろう。
安定:本明細書において使用される場合、「安定」とは、反応混合物から有用な純度までの単離に耐えるのに十分に強固であり、場合によっては有効な治療剤への製剤化を可能にする化合物を指す。
安定化された:本明細書において使用される場合、用語「安定化する」、「安定化された」、「安定化された領域」は、安定にすること、または安定になることを意味する。
立体異性体:本明細書において使用される場合、用語「立体異性体」とは、化合物が有し得るすべての可能な異なる異性体ならびにコンフォメーション形態(例えば、本明細書に記載の任意の式の化合物)、特に、基本分子構造のすべての可能な立体化学的及びコンフォメーション的異性体形態、すべてのジアステレオマー、鏡像異性体及び/または配座異性体を指す。本開示のいくつかの化合物は、異なる互変異性形態で存在してもよく、後者はすべて、本開示の範囲内に含まれる。
対象:「対象」または「個体」または「動物」または「患者」または「哺乳動物」は、診断、予後診断、または療法が望まれる任意の対象、特に哺乳動物対象を意味する。哺乳動物対象としては、限定されるものではないが、ヒト、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、畜牛、乳牛などの家庭用動物、農業用動物、動物園の動物、スポーツ用の動物、ペット動物;類人猿、サル、オランウータン、及びチンパンジーなどの霊長類;イヌ及びオオカミなどのイヌ科動物;ネコ、ライオン、及びトラなどのネコ科動物;ウマ、ロバ、及びシマウマなどのウマ科動物;クマ、乳牛、ブタ、及びヒツジなどの食用動物;シカ及びキリンなどの有蹄動物;マウス、ラット、ハムスター及びモルモットなどのげっ歯類などが挙げられる。ある特定の実施形態では、哺乳動物は、ヒト対象である。他の実施形態では、対象は、ヒト患者である。特定の実施形態では、対象は、処置を必要とするヒト患者である。
実質的に:本明細書において使用される場合、用語「実質的に」とは、目的の特徴もしくは特性の全部の、または全部に近い範囲もしくは程度を呈する質的状態を指す。生物分野の当業者であれば、生物学的及び化学的特徴は稀に、あるとすれば、完了に向かう、及び/または完全性に進行するか、または絶対的な結果を達成もしくは回避することを理解するであろう。用語「実質的に」は、したがって、多くの生物学的及び化学的特徴において固有の完全性の潜在的な欠如を捕捉するために本明細書で使用される。
実質的に等しい:本明細書において使用される場合、それが用量間の倍数差に関する場合、この用語はプラス/マイナス2%を意味する。
実質的に同時:本明細書において使用される場合、そしてそれが複数の用量に関する場合、この用語は2秒以内を意味する。
罹患している:疾患、障害、及び/または状態に「罹患している」個体は、疾患、障害、及び/または状態と診断されたか、またはその1つもしくは複数の症状を示す。
罹りやすい:疾患、障害、及び/または状態に「罹りやすい」個体は、疾患、障害、及び/または状態と診断されていない、及び/またはその症状を呈していなくてもよいが、疾患またはその症状を発症する傾向を持つ。いくつかの実施形態では、疾患、障害、及び/または状態(例えば、がん)に罹りやすい個体を、以下の1つまたは複数:(1)疾患、障害、及び/または状態の発生と関連する遺伝子変異;(2)疾患、障害、及び/または状態の発生と関連する遺伝的多型;(3)疾患、障害、及び/または状態と関連するタンパク質及び/または核酸の発現及び/または活性の増大及び/または減少;(4)疾患、障害、及び/または状態の発生と関連する習慣及び/または生活様式;(5)疾患、障害、及び/または状態の家族歴;ならびに(6)疾患、障害、及び/または状態の発生と関連する微生物への曝露及び/またはその微生物による感染によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、疾患、障害、及び/または状態に罹りやすい個体は、疾患、障害、及び/または状態を発症するであろう。いくつかの実施形態では、疾患、障害、及び/または状態に罹りやすい個体は、疾患、障害、及び/または状態を発症しないであろう。
持続放出:本明細書において使用される場合、用語「持続放出」とは、特定の期間にわたってある放出速度に従う薬学的組成物または化合物の放出プロファイルを指す。
合成:用語「合成」とは、人の手によって生成、調製、及び/または製造されることを意味する。本開示のポリヌクレオチドまたは他の分子の合成は、化学的または酵素的であってもよい。
標的細胞:本明細書において使用される場合、「標的細胞」とは、目的の任意の1つまたは複数の細胞を指す。この細胞を、in vitro、in vivo、in situ、または生物の組織もしくは器官中に見出すことができる。生物は、動物、例えば、哺乳動物、ヒト、対象または患者であってもよい。
標的組織:本明細書において使用される場合、「標的組織」とは、ポリヌクレオチドの送達が所望の生物学的及び/または薬理学的効果をもたらす目的の任意の1つまたは複数の組織型を指す。目的の標的組織の例としては、特定の組織、器官、及びその系または群が挙げられる。特定用途では、標的組織は、腎臓、肺、脾臓、血管中の血管内皮(例えば、冠動脈内もしくは大腿骨内)、または腫瘍組織(例えば、腫瘍内注射による)であってもよい。「標的外組織」とは、コードされたタンパク質の発現が、所望の生物学的及び/または薬理学的効果をもたらさない任意の1つまたは複数の組織型を指す。特定用途では、標的外組織は肝臓及び脾臓を含んでもよい。
標的外組織における治療剤の存在は、(i)拡散による、もしくは血流を介する、末梢組織もしくは遠位標的外組織(例えば、肝臓)への投与部位からのポリヌクレオチドの漏出(例えば、ある特定の組織においてポリペプチドを発現するように意図されたポリヌクレオチドは肝臓に到達し、そのポリペプチドは肝臓中で発現されるであろう);または(ii)拡散による、もしくは血流を介する、末梢組織もしくは遠位標的外組織(例えば、肝臓)へのそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの投与後のポリペプチドの漏出(例えば、ポリヌクレオチドは標的組織においてポリペプチドを発現し、ポリペプチドは末梢組織に拡散するであろう)の結果であり得る。
標的化配列:本明細書において使用される場合、語句「標的化配列」とは、タンパク質またはポリペプチドの輸送または局在化を指示することができる配列を指す。
末端:本明細書において使用される場合、用語「末端(termini)」または「末端(terminus)」は、ポリペプチドを指す場合、ペプチドまたはポリペプチドの先端を指す。そのような先端は、ペプチドまたはポリペプチドの最初または最後の部位に限定されないだけでなく、末端領域にさらなるアミノ酸を含んでもよい。本開示のポリペプチドに基づく分子を、N末端(遊離アミノ基(NH)を有するアミノ酸で終結する)と、C末端(遊離カルボキシル基(COOH)を有するアミノ酸で終結する)との両方を有するものとして特徴付けることができる。本開示のタンパク質は、場合によっては、ジスルフィド結合または非共有力によって一緒になった複数のポリペプチド鎖(マルチマー、オリゴマー)から構成される。これらの種類のタンパク質は、複数のN及びC末端を有する。あるいは、ポリペプチドの末端を、それらが、場合によっては、有機コンジュゲートなどの非ポリペプチドに基づく部分から始まる、またはそれで終わるように修飾することができる。
治療剤:用語「治療剤」とは、対象に投与された場合、治療、診断、及び/または予防効果を有する、及び/または所望の生物学的及び/または薬理学的効果を惹起する薬剤を指す。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAは、治療剤であり得る。
治療有効量:本明細書において使用される場合、用語「治療有効量」は、感染、疾患、障害、及び/または状態に罹患している、または罹りやすい対象に投与した場合、感染、疾患、障害、及び/または状態を処置する、その症状を向上させる、それを診断する、それを予防する、及び/またはその発症を遅延させるのに十分なものである、送達される薬剤(例えば、核酸、薬物、治療剤、診断剤、予防剤など)の量を意味する。
治療有効転帰:本明細書において使用される場合、用語「治療有効転帰」は、感染、疾患、障害、及び/または状態に罹患している、または罹りやすい対象において、感染、疾患、障害、及び/または状態を処置する、その症状を向上させる、それを診断する、それを予防する、及び/またはその発症を遅延させるのに十分なものである転帰を意味する。
1日あたりの総量:本明細書において使用される場合、「1日あたりの総量」は、24時間以内に与えられる、または処方される量である。1日あたりの総量を、単回単位用量または分割用量として投与することができる。
膜貫通ドメイン:本明細書において使用される場合、用語「膜貫通ドメイン」、「TM」、及び「TMD」は、細胞の形質膜を越えたポリペプチドの領域を指す。
転写因子:本明細書において使用される場合、用語「転写因子」とは、例えば、転写の活性化または抑制により、DNAのRNAへの転写を制御するDNA結合タンパク質を指す。いくつかの転写因子は転写のみの制御を行うが、他のものは他のタンパク質と協調して作用する。いくつかの転写因子は、ある特定の条件下で転写を活性化することと、抑制することの両方を行うことができる。一般に、転写因子は、特定の標的配列、または標的遺伝子の制御領域中の特定のコンセンサス配列と高度に類似する配列に結合する。転写因子は、単独、または他の分子との複合体を形成した標的遺伝子の転写を制御してもよい。
転写:本明細書において使用される場合、用語「転写」とは、外因性核酸を細胞中に導入するための方法を指す。トランスフェクションの方法としては、限定されるものではないが、化学的方法、物理的処理及びカチオン性脂質または混合物が挙げられる。
転写開始部位:本明細書において使用される場合、用語「転写開始部位」は、RNAポリメラーゼによる転写が開始され、転写物の最初のヌクレオチドに対応するDNA分子のセンス鎖にある特定のヌクレオチドを指す。転写開始部位は、通常、転写を開始するDNAの領域であるプロモーターの下流に位置する。例えば、T7 RNAポリメラーゼは、プロモーター配列
Figure 0007285220000004
の下線付きGで転写を開始する。次に、ポリメラーゼは、反対のDNA鎖をテンプレートとして使用して転写する。いくつかの実施形態では、T7 RNAポリメラーゼの転写開始部位は、「T7開始部位」と呼ばれる。転写物の最初の塩基はGになる。T7 RNAポリメラーゼによって作られたDNA接触は、結合中及びその後の転写開始中にマッピングされている。RNAポリメラーゼ単独では、-21~-3の領域の19塩基を保護する。トリヌクレオチドr(GGG)の合成は、RNAポリメラーゼによって保護される配列の長さを延長し、複合体を安定化する。ヘキサヌクレオチドmRNAの形成、r(GGGAGA)は保護領域をさらに拡張し、複合体を安定化し、転写効率の向上をもたらす(Ikeda and Richardson(1986)Proc Natl Acad Sci 83:3614-3618)。配列GGGAGAは、「T7リーダー配列」と呼ばれる。したがって、いくつかの実施形態では、本開示により提供されるmRNAは、5’UTRの5’末端にT7リーダー配列を含む5’UTRを含む。いくつかの実施形態では、本開示のmRNAは、5’UTRの5’末端に配列GGGAGAを含むT7リーダー配列を含む5’UTRを含む。いくつかの実施形態では、本開示のmRNAは、5’UTRの5’末端に配列GGGAAAを含むT7リーダー配列を含む5’UTRを含む。いくつかの実施形態では、mRNAは、T7リーダー配列を含まない5’UTRを含む。
トランスフェクション:本明細書において使用される場合、「トランスフェクション」とは、ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドが発現される(例えば、mRNA)、またはポリペプチドが細胞機能を調節する(例えば、siRNA、miRNA)細胞中へのポリヌクレオチドの導入を指す。本明細書において使用される場合、核酸配列の「発現」とは、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)のポリペプチドもしくはタンパク質への翻訳及び/またはポリペプチドもしくはタンパク質の翻訳後修飾を指す。
処置すること、処置、療法:本明細書において使用される場合、用語「処置すること」または「処置」または「療法」とは、疾患、例えば、急性間欠性ポルフィリン症の1つまたは複数の症状またはフィーチャを部分的または完全に軽減する、改善する、向上させる、緩和する、その発症を遅延させる、その進行を阻害する、その重症度を低下させる、及び/またはその発生を低減させることを指す。例えば、急性間欠性ポルフィリン症を「処置すること」は、疾患と関連する症状を軽減すること、患者の生存期間を延長すること(生存率を増大させること)、疾患の重症度を低下させること、疾患の発症を予防または遅延させることなどを指すことができる。疾患、障害、及び/または状態と関連する病状を発症するリスクを低下させる目的で、疾患、障害、及び/または状態の徴候を呈しない対象、及び/または疾患、障害、及び/または状態の初期徴候のみを呈する対象に、処置を行うことができる。
I型内在性膜タンパク質:本明細書において使用される場合、用語「I型内在性膜タンパク質」は、細胞外空間にアミノ末端を持ち、1つのαヘリックス膜貫通ドメインを含む、内在性膜タンパク質(すなわち、脂質二重層を越える少なくとも1つの膜貫通ドメインを有するタンパク質)を指す。
非修飾:本明細書において使用される場合、「非修飾」とは、いくつかの方法で変化される前の任意の物質、化合物または分子を指す。非修飾は、常にではないが、野生型または天然形態の生体分子を指してもよい。分子は、一連の修飾を受けてもよく、それにより、それぞれの修飾される分子は、その後の修飾のための「非修飾」出発分子として機能することができる。
ウラシル:ウラシルは、RNAの核酸中の4つの核酸塩基のうちの1つであり、文字Uで表される。ウラシルを、β-N-グリコシド結合によりリボース環、またはより具体的には、リボフラノースに結合させて、ヌクレオシドウリジンを得ることができる。ヌクレオシドウリジンはまた、一般的には、その核酸塩基の1文字コードにしたがって、すなわち、Uと略される。したがって、本開示の文脈では、ポリヌクレオチド配列中のモノマーがUである場合、そのようなUは、「ウラシル」または「ウリジン」として互換的に指定される。
ウリジン含量:用語「ウリジン含量」または「ウラシル含量」は、互換的であり、ある特定の核酸配列中に存在するウラシルまたはウリジンの量を指す。ウリジン含量またはウラシル含量を、絶対値(配列中のウリジンもしくはウラシルの総数)または相対値(核酸配列中の核酸塩基の総数に対するウリジンもしくはウラシルの百分率)として表すことができる。
ウリジン修飾配列:用語「ウリジン修飾配列」とは、候補核酸配列のウリジン含量及び/またはウリジンパターンに関して、異なる全体的もしくは部分的ウリジン含量(より高いか、もしくはより低いウリジン含量)を有するか、または異なるウリジンパターン(例えば、勾配分布もしくはクラスタリング)を有する配列最適化された核酸(例えば、合成mRNA配列)を指す。本開示の文脈では、用語「ウリジン修飾配列」及び「ウラシル修飾配列」は、等価であり、互換的であると考えられる。
「高ウリジンコドン」は、2つまたは3つのウリジンを含むコドンと定義され、「低ウリジンコドン」は1つのウリジンを含むコドンと定義され、「無ウリジンコドン」は、ウリジンを含まないコドンである。いくつかの実施形態では、ウリジン修飾配列は、高ウリジンコドンの低ウリジンコドンによる置換、高ウリジンコドンの無ウリジンコドンによる置換、低ウリジンコドンの高ウリジンコドンによる置換、低ウリジンコドンの無ウリジンコドンによる置換、無ウリジンコドンの低ウリジンコドンによる置換、無ウリジンコドンの高ウリジンコドンによる置換、及びその組合せを含む。いくつかの実施形態では、高ウリジンコドンを、別の高ウリジンコドンで置き換えることができる。いくつかの実施形態では、低ウリジンコドンを、別の低ウリジンコドンで置き換えることができる。いくつかの実施形態では、無ウリジンコドンを、別の無ウリジンコドンで置き換えることができる。ウリジン修飾配列を、ウリジン富化またはウリジン希薄化することができる。
ウリジン富化:本明細書において使用される場合、用語「ウリジン富化」及び文法的バリアントは、対応する候補核酸配列のウリジン含量に関して、配列最適化された核酸(例えば、合成mRNA配列)中のウリジン含量(絶対値または百分率値として表される)の増大を指す。ウリジン富化は、候補核酸配列中のコドンを、低ウリジン核酸塩基を含有する同義コドンで置換することによって実施することができる。ウリジン富化は、全体的(すなわち、候補核酸配列の全長に対して)または部分的(すなわち、候補核酸配列の部分配列もしくは領域に対して)であってもよい。
ウリジン希薄化:本明細書において使用される場合、用語「ウリジン希薄化」及び文法的バリアントは、対応する候補核酸配列のウリジン含量に関して、配列最適化された核酸(例えば、合成mRNA配列)中のウリジン含量(絶対値または百分率値として表される)の減少を指す。ウリジン希薄化は、候補核酸配列中のコドンを、低ウリジン核酸塩基を含有する同義コドンで置換することによって実施することができる。ウリジン希薄化は、全体的(すなわち、候補核酸配列の全長に対して)または部分的(すなわち、候補核酸配列の部分配列もしくは領域に対して)であってもよい。
バリアント:本開示で使用されるバリアントという用語は、天然または出発配列(例えば、野生型配列)中の少なくとも1のアミノ酸残基が除去され、同じ位置のその場所に異なるアミノ酸が挿入された天然バリアント(例えば、多型、アイソフォームなど)と、人工バリアントの両方を指す。これらのバリアントを、「置換バリアント」と記載することができる。置換は、分子中のただ1つのアミノ酸が置換されている場合、単一であってもよく、または2つもしくはそれ以上のアミノ酸が同じ分子中で置換されている場合、置換は複数であってもよい。アミノ酸が挿入または欠失される場合、得られるバリアントは、それぞれ、「挿入バリアント」または「欠失バリアント」である。
用語「発明」及び「開示」は、例えば、語句「本発明」または「本開示」を記載するか、またはそれにおいて使用される場合、互換的に使用することができる。
31.他の実施形態
E1.(a)インターロイキン-12 p40サブユニット(IL-12B)をコードする第1の核酸配列、(b)インターロイキン-12 p35サブユニット(IL-12A)をコードする第2の核酸配列、及び(c)膜貫通ドメインをコードする核酸配列を含むオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドであって、
前記第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、リンカー(「サブユニットリンカー」)をコードする核酸配列によって連結され、前記膜貫通ドメインをコードする前記核酸配列は、リンカー(「膜貫通ドメインリンカー」)をコードする核酸配列によって前記第1または第2の核酸配列に連結される、前記ポリヌクレオチド。
E2.前記第1の核酸配列が前記サブユニットリンカーの5’末端に位置する、実施形態1に記載のポリヌクレオチド。
E3.前記膜貫通ドメインをコードする前記核酸配列が前記膜貫通ドメインリンカーの3’末端に位置する、実施形態2に記載のポリヌクレオチド。
E4.前記ポリヌクレオチドがシグナルペプチドをコードする核酸配列をさらに含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E5.前記シグナルペプチドをコードする前記核酸配列が前記第1の核酸配列の5’末端に位置する、実施形態4に記載のポリヌクレオチド。
E6.前記IL12Bが、配列番号48のアミノ酸23~328に対して、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一であるアミノ酸配列を有し、前記アミノ酸配列は、IL12B活性を有する、実施形態1~5のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E7.前記IL12Aが、配列番号48のアミノ酸336~532に対して、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一であるアミノ酸配列を有し、前記アミノ酸配列は、IL12A活性を有する、実施形態1~6のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E8.前記シグナルペプチドが、配列番号48のアミノ酸1~22に対して、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む、実施形態4~7のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E9.前記サブユニットリンカーがGly/Serリンカーである、実施形態1~8のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E10.前記膜貫通ドメインリンカーがGly/Serリンカーである、実施形態1~9のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E11.前記Gly/Serリンカーが(GS)を含み、式中、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20であり、mは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20である、実施形態9または実施形態10に記載のポリヌクレオチド。
E12.前記膜貫通ドメインがI型膜貫通ドメインである、実施形態1~11のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E13.前記膜貫通ドメインが、分化群8(CD8)膜貫通ドメインまたは血小板由来増殖因子受容体(PDGF-R)膜貫通ドメインである、実施形態1~12のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E14.前記ポリヌクレオチドがDNAである、実施形態1~13のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E15.前記ポリヌクレオチドがRNAである、実施形態1~13のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E16.前記ポリヌクレオチドがmRNAである、実施形態15に記載のポリヌクレオチド。
E17.前記ポリヌクレオチドが少なくとも1つの化学的に修飾された核酸塩基を含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E18.前記少なくとも1つの化学的に修飾された核酸塩基が、シュードウラシル(ψ)、N1-メチルシュードウラシル(m1ψ)、2-チオウラシル(s2U)、4’-チオウラシル、5-メチルシトシン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードウラシル、2-チオ-1-メチル-シュードウラシル、2-チオ-5-アザ-ウラシル、2-チオ-ジヒドロシュードウラシル、2-チオ-ジヒドロウラシル、2-チオ-シュードウラシル、4-メトキシ-2-チオ-シュードウラシル、4-メトキシ-シュードウラシル、4-チオ-1-メチル-シュードウラシル、4-チオ-シュードウラシル、5-アザ-ウラシル、ジヒドロシュードウラシル、5-メチルウラシル、5-メトキシウラシル、2’-O-メチルウラシル、1-メチル-シュードウラシル(m1ψ)、5-メトキシ-ウラシル(mo5U)、5-メチル-シトシン(m5C)、α-チオ-グアニン、α-チオ-アデニン、5-シアノウラシル、4’-チオウラシル、7-デアザ-アデニン、1-メチル-アデニン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデニン(m6A)、及び2,6-ジアミノプリン、(I)、1-メチル-イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7-デアザ-グアニン、7-シアノ-7-デアザ-グアニン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアニン(preQ1)、7-メチル-グアニン(m7G)、1-メチル-グアニン(m1G)、8-オキソ-グアニン、7-メチル-8-オキソ-グアニン、及びこれらの2つまたはそれ以上の組合せからなる群から選択される、実施形態17に記載のポリヌクレオチド。
E19.前記ポリヌクレオチド中の前記核酸塩基が、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%だけ化学的に修飾されている、実施形態17または18に記載のポリヌクレオチド。
E20.前記化学的に修飾された核酸塩基が、ウラシル、アデニン、シトシン、グアニン、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される、実施形態17~19のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E21.前記ウラシル、アデニン、シトシン、またはグアニンは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%だけ化学的に修飾される、実施形態17~20のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E22.前記ポリヌクレオチドがmiRNA結合部位を含む核酸配列をさらに含む、実施形態1~21のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E23.前記miRNA結合部位がmiR-122に結合する、実施形態22に記載のポリヌクレオチド。
E24.前記miRNA結合部位がmiR-122-3pまたはmiR-122-5pに結合する、実施形態22または23に記載のポリヌクレオチド。
E25.前記ポリヌクレオチドが5’UTRをさらに含む、実施形態1~24のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E26.前記5’UTRが本開示の配列のいずれか1つに対して、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である核酸配列を含む、実施形態25に記載のポリヌクレオチド。
E27.3’UTRをさらに含む、実施形態1~26のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E28.前記3’UTRが本開示の配列のいずれか1つに対して、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である核酸配列を含む、実施形態27に記載のポリヌクレオチド。
E29.前記miRNA結合部位が前記3’UTR内に位置する、実施形態27または28のポリヌクレオチド。
E30.前記5’UTRが5’末端キャップを含む、実施形態25~29のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E31.前記5’末端キャップがCap0、Cap1、ARCA、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、2-アジドグアノシン、Cap2、Cap4、5’メチルGキャップ、またはその類似体である、実施形態30に記載のポリヌクレオチド。
E32.前記ポリヌクレオチドがポリA領域をさらに含む、実施形態1~31のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E33.前記ポリA領域が、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、または少なくとも約90ヌクレオチド長である、実施形態32に記載のポリヌクレオチド。
E34.前記ポリA領域が、約10~約200ヌクレオチド長、約20~約180ヌクレオチド長、約30~約160ヌクレオチド長、約40~約140ヌクレオチド長、約50~約120ヌクレオチド長、約60~約100ヌクレオチド長、または約80~約90ヌクレオチド長を有する、実施形態32に記載のポリヌクレオチド。
E35.前記ポリヌクレオチドがin vitroで転写されている(IVT)、実施形態1~34のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E36.前記ポリヌクレオチドがキメラである、実施形態1~34のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E37.前記ポリヌクレオチドが環状である、実施形態1~34のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E38.前記ORFが、前記IL12B、前記IL12A、またはその両方をコードする核酸配列に融合した1つまたは複数の異種ポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸配列をさらに含む、実施形態1~37のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E39.前記1つまたは複数の異種ポリペプチドが、前記IL12A、前記IL12B、またはその両方の薬物動態学的特性を向上させる、実施形態38に記載のポリヌクレオチド。
E40.一本鎖である、実施形態1~39のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E41.二本鎖である、実施形態1~39のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E42.前記IL12Bが、IL12B活性を有するバリアント、誘導体、または変異体である、実施形態1~41のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E43.前記IL12Aが、IL12A活性を有するバリアント、誘導体、または変異体である、実施形態1~41のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド。
E44.実施形態1~43のいずれか1つのポリヌクレオチドを含むベクター。
E45.(i)実施形態1~44のいずれか1つのポリヌクレオチドまたは実施形態44に記載のベクター、及び(ii)送達剤、を含む組成物。
E46.前記送達剤が脂質ナノ粒子を含む、実施形態45に記載の組成物。
E47.前記脂質ナノ粒子が式(I)の化合物を含む、実施形態46に記載の組成物。
E48.前記送達剤がリン脂質をさらに含む、実施形態45~47のいずれか1つに記載の組成物。
E49.前記送達剤が構造脂質をさらに含む、実施形態45~48のいずれか1つに記載の組成物。
E50.前記構造脂質がコレステロールである、実施形態49に記載の組成物。
E51.前記送達剤がPEG脂質をさらに含む、実施形態45~50のいずれか1つに記載の組成物。
E52.前記送達剤が第四級アミン化合物をさらに含む、実施形態45~51のいずれか1つに記載の組成物。
E53.腫瘍のサイズの縮小または腫瘍の成長の阻害をそれを必要とする対象において行う方法であって、実施形態1~43のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド、実施形態44に記載のベクター、または実施形態45~52のいずれか1つに記載の組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
E54.前記ポリヌクレオチド、ベクター、または組成物が、皮下、静脈内、腹腔内、または腫瘍内に投与される、実施形態53に記載の方法。
E55.前記投与により、がんが処置される、実施形態53または54に記載の方法。
E56.前記ポリヌクレオチドが対象に腫瘍内投与される、実施形態53~55のいずれか1つに記載の方法。
E57.前記ポリヌクレオチドが腫瘍あたり約0.10μg~腫瘍あたり約1000mgの量で投与される、実施形態56に記載の方法。
E58.抗がん剤を投与することをさらに含む、実施形態53~57のいずれか1つに記載の方法。
E59.前記抗がん剤が、(i)PD-1もしくはPD-L1に特異的に結合する抗体(それぞれ抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体)もしくはその抗原結合断片、または前記抗PD-1もしくは抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチド、(ii)CTLA-4に特異的に結合する抗体(抗CTLA-4抗体)もしくはその抗原結合断片、または前記抗CTLA-4抗体もしくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチド、または(iii)抗PD-1もしくは抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合断片、または前記抗PD-1もしくは抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチド、及び抗CTLA-4抗体もしくはその抗原結合断片、または前記抗CTLA-4抗体もしくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチド、を含む、実施形態58に記載の方法。
E60.前記投与が、腫瘍のサイズを縮小するか、腫瘍の成長を、(i)IL12をコードするポリヌクレオチドの単独投与、(ii)前記抗PD-1もしくは抗PD-L1抗体の単独投与、または(iii)前記抗CTLA-4抗体の単独投与よりも、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4倍、少なくとも4.5倍、または少なくとも5倍良好に阻害する、実施形態58または59に記載の方法。
E61.前記抗PD-1、抗PD-L1、もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片をコードする前記ポリヌクレオチドが、mRNAを含む、実施形態59または60に記載の方法。
E62.前記抗PD-1、抗PD-L1、もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片をコードする前記ポリヌクレオチドが、少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドを含む、実施形態59~61のいずれか1つに記載の方法。
E63.前記少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドが、セクション13に列挙されたもののいずれか、及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態62に記載の方法。
E64.前記少なくとも1つの化学的に修飾されたヌクレオシドが、シュードウリジン、N1-メチルシュードウリジン、5-メチルシトシン、5-メトキシウリジン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態63に記載の方法。
E65.前記抗PD-1、抗PD-L1、もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片をコードするmRNAが、オープンリーディングフレームを含む、実施形態62~64のいずれか1つに記載の方法。
E66.前記抗PD-L1抗体が、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはデュルバルマブである、実施形態59~65のいずれか1つに記載の方法。
E67.前記抗CTLA-4抗体が、トレメリムマブまたはイピリムマブである、実施形態59~66のいずれか1つに記載の方法。
32.等価物及び範囲
当業者であれば、単なる日常的な実験を使用して、本明細書に記載の本開示による特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または確認することができるであろう。本開示の範囲は、上記の説明に限定されることを意図するものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲に記載の通りである。
特許請求の範囲では、「a」、「an」及び「the」などの冠詞は、特にそれとは反対の指示がない限り、または別途文脈から明らかでない限り、1つまたは1つより多いことを意味し得る。群の1つまたは複数のメンバーの間に「または」を含む特許請求の範囲または説明は、群のメンバーの1つ、1つより多く、または全部が、特にそれとは反対の指示がない限り、または別途文脈から明らかでない限り、所与の生成物またはプロセスの中に存在する、その中で用いられる、またはさもなければそれと関連する場合に満たされると考えられる。本開示は、群のちょうど1つのメンバーが、所与の生成物またはプロセスの中に存在する、その中で用いられる、またはさもなければそれと関連する実施形態を含む。本開示は、群のメンバーの1つより多く、または全部が、所与の生成物またはプロセスの中に存在する、その中で用いられる、またはさもなければそれと関連する実施形態を含む。
また、用語「含む(comprising)」は、オープンであることが意図され、追加の要素またはステップの含有を許可するがそれを必要としないことにも注意する。用語「含む(comprising)」が本明細書で使用される場合、したがって、用語「からなる(consisting of)」も包含され、開示される。
範囲が与えられる場合、端点が含まれる。さらに、別途指示されない限り、または文脈及び当業者の理解から別途明らかでない限り、範囲として示される値は、文脈で別途明確に記述されない限り、その範囲の下限の10分の1単位までの、本開示の異なる実施形態における任意の特定の値または記述される範囲内の部分範囲とみなすことができることが理解されるべきである。
加えて、先行技術の範囲内にある本開示の任意の特定の実施形態は、任意の1つまたは複数の特許請求の範囲から明示的に除外され得ることが理解されるべきである。そのような実施形態は、当業者には公知であるとみなされるため、除外が本明細書に明示的に記載されていない場合であっても、それらは除外され得る。本開示の組成物の任意の特定の実施形態(例えば、任意の核酸またはそれによりコードされるタンパク質;任意の製造方法;任意の使用方法など)は、先行技術の存在と関連するにしても、しないにしても、任意の理由から、任意の1つまたは複数の特許請求の範囲から除外され得る。
すべての引用された出典、例えば、本明細書で引用される参考文献、刊行物、データベース、データベースエントリー、及び技術は、引用中に明示的に記述されていない場合であっても、参照により本出願に組み込まれる。引用された出典と本出願の記述が矛盾する場合、本出願における記述が優先するものとする。
セクション及び表の見出しは限定を意図するものではない。本開示は、特許請求の範囲に記載される本開示の範囲を制限しない、以下の実施例でさらに説明される。
実施例1
連結したIL-12 mRNAのin vitro発現
mRNAによりコードされる例示的な連結したIL-12ポリペプチドのin vitro発現を評価した。連結したIL-12ポリペプチドの例示的な概略図を図1A~1Dに示す。
A.mRNAの調製
連結したIL-12ポリペプチド(マウスIL-12)及び3’UTRのmiRNA結合部位(miR-122)をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを調製した。ポリヌクレオチド配列は、リンカーによってマウスCD8膜貫通ドメインに接続されたマウスIL-12ポリペプチドをコードするmIL12-8TM(配列番号185)(図2A参照)、リンカーによってマウスPGFRB膜貫通ドメインに接続されたマウスIL-12ポリペプチドをコードするmIL12-PTM(配列番号183)(図2Bを参照)、及びリンカーなしでマウスCD-80膜貫通ドメインに融合したマウスIL-12ポリペプチドをコードするmIL12-80TM(配列番号181)(図2Dを参照)であった。ポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列は、それぞれ配列番号186、184及び182に示される。mRNAオープンリーディングフレーム配列は、それぞれ配列番号270、269及び268に示される。
分泌型IL-12ポリペプチド(マウスIL-12)及びその3’UTRのmiRNA結合部位(miR-122)(mIL12AB;配列番号267)をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドも調製した。
B.連結したIL-12 mRNAの発現
HeLa細胞をトランスフェクションの1日前に6ウェルプレート(BD Biosciences,San Jose,USA)に播種した。次に、mIL12AB、mIL12-8TM、mIL12-PTM、またはmIL12-80TM mRNAを含むmRNAを、ウェルあたり150μLのOPTI-MEM中、2μgのmRNA及び4μLのLipofectamine 2000を使用してHeLa細胞に個別にトランスフェクトし、インキュベートした。mRNAを含まないトランスフェクション試薬に曝露したHeLa細胞は、陰性対照(すなわち「モック」)として機能した。4時間後にトランスフェクション培地を除去し、残りのインキュベーション期間は新鮮な増殖培地に交換した。24時間後、上清を各ウェルから採取し、各ウェルの細胞を一定量の溶解緩衝液を使用して溶解した。次いで、各ウェルの上清及び溶解液中のIL-12の量(ng/ウェル)を標準的なELISAアッセイにより定量化した。
C.結果
図3は、IL-12ポリペプチドと膜貫通ドメインとの間にリンカーを含む連結したIL-12(mIL12-8TM及びmIL12-PTMによりコードされる)が、溶解液で高度に発現し、上清で低レベル検出できることを示す。膜貫通ドメインがリンカーなしでIL-12ポリペプチドに融合された連結したmIL-12(mIL12-80TMによりコードされる)は、リンカーを含む連結したIL-12と比較して溶解液での発現が低下したことを示した。
連結したIL-12とは対照的に、図3は、分泌されたmIL-12(mIL12ABによりコードされる)が、上清で高度に発現し、溶解液では検出されなかったことを示す。
実施例2
CD8+T細胞増殖及びインターフェロンガンマ(IFNγ)のin vitro誘導
連結したIL-12による分泌
mRNAによりコードされた例示的な連結したIL-12ポリペプチドのin vitro生物活性を評価した。具体的には、実施例1に記載された構築物を利用した。
A.培養液の準備
EasySep(商標)マウスCD8+T細胞単離キット(STEMCELL(商標)Technologies Inc.,Vancouver,British Columbia,Canada)を製造元のプロトコルに従って使用してC57Bl/6マウスの脾臓からCD8+T細胞を分離し、標準条件下で培養した。
HeLa細胞培養液を実施例1に記載のように調製し、個々の培養液をmIL12AB、mIL12-8TM、mIL12-PTM、またはmIL12-80TM mRNAでトランスフェクトした。mRNAを含まないトランスフェクション試薬に曝露したHeLa細胞は、陰性対照(「モック」)として機能した。HeLa細胞は、50μg/mLのマイトマイシンC(Abcam,Cambridge,MA)により37℃で20分間処理することにより成長を停止させ、T細胞を含む培養液を採取して播種する前に、増殖培地で最大4回洗浄した。
生物活性を評価するために、50,000個のCD8+T細胞を、25,000個のDynabeads(商標)マウスT-Activator CD3/CD28ビーズ(ThermoFisher Scientific,Waltham,MA)、及び記載の構築物の1つでトランスフェクトされたHeLa細胞培養液の固定数のマイトマイシンC処置HeLa細胞(さらにHeLa細胞培養液の固定量の上清を含む)と培養した。組換えマウスIL-12(rmIL12)もまた陰性対照培養液のサブセットに添加した(「モック+rmIL12」)。培養72時間後、各培養液におけるCD8+T細胞の増殖を、CellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存アッセイキット(Promega Corporation,Madison,WI)を製造元の指示に従って使用して測定し、同じ培養液によって分泌されたIFNγの量を標準的なELISAアッセイによって測定した。
B.結果
図4A及び4Bは、IL-12ポリペプチドと膜貫通ドメインとの間にリンカーを欠く連結したIL-12(mIL12-80TMによりコードされる)と比較して、IL-12ポリペプチド及び膜貫通ドメインとの間にリンカーを含む連結したIL-12(mIL12-8TM及びmIL12-PTMによりコードされる)は、72時間の培養で、より高レベルのCD8+T細胞増殖及びIFNγ分泌を誘導したことを示す。
同じ培養液を作成する別のアッセイを実施し(mIL12-80TMでトランスフェクトしたHeLa細胞を含む培養液を除く)、CD8+T細胞の増殖及びIFNγの分泌を分析した。図4C及び4Dはそのアッセイの結果を示し、IL-12ポリペプチドと膜貫通ドメインとの間にリンカーを含む連結したIL-12(mIL12-8TM及びmIL12-PTMによりコードされる)が、分泌型IL-12(mIL12ABでエンコード)と同様に、CD8+T細胞の増殖及びIFNγの分泌を誘導したことを示す。
実施例3
連結したIL-12 mRNAの、in vitro発現及びCD8+T細胞の増殖及びインターフェロンガンマ(IFNγ)分泌の誘導
mRNAによりコードされた例示的な連結したIL-12ポリペプチドのin vitro発現及び生物活性を評価した。実施例1に記載の構築物を、連結したIL-12ポリペプチドをコードする追加の構築物とともに利用した。
A.mRNAの調製
実施例1に記載の構築物に加えて、以下の構築物:リンカーによってマウスCD8膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインに接続されたマウスIL-12ポリペプチドをコードするmIL12-80TID(配列番号236)(図2C参照)、ならびにWen-Yu Pan et al.,Mol Therap,Vol.20(5):927-937,May 2012に記載の構築物をコードするIgK_mscIL12-80TID(配列番号238)(図2Eを参照)を調製した。ポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列は、それぞれ配列番号237及び239に示される。mRNAオープンリーディングフレーム配列は、それぞれ配列番号271及び272に示される。
B.連結したIL-12 mRNAの発現
HeLa細胞をトランスフェクションの1日前に6ウェルプレート(BD Biosciences,San Jose,USA)に細胞播種した。次に、mIL12AB、mIL12-8TM、mIL12-PTM、mIL12-80TM、mIL12-80TID、またはIgK_mscIL12-80TID mRNAを含むmRNAを、ウェルあたり150μLのOPTI-MEM中、2μgのmRNA及び4μLのLipofectamine 2000を使用してHeLa細胞に個別にトランスフェクトし、インキュベートした。mRNAを含まないトランスフェクション試薬に曝露したHeLa細胞は、陰性対照(すなわち「モック」)として機能した。4時間後にトランスフェクション培地を除去し、残りのインキュベーション期間は新鮮な増殖培地に交換した。24時間後、上清を各ウェルから採取し、各ウェルの細胞を一定量の溶解緩衝液を使用して溶解した。次いで、各ウェルの上清及び溶解液中のIL-12の量(ng/ウェル)を標準的なELISAアッセイにより定量化した。
C.培養液の準備
EasySep(商標)マウスCD8+T細胞単離キット(STEMCELL(商標)Technologies Inc.,Vancouver,British Columbia,Canada)を製造元のプロトコルに従って使用して、C57Bl/6マウスの脾臓からCD8+T細胞を分離し、標準条件下で培養した。
HeLa細胞培養液を実施例1に記載のように調製し、個々の培養液をmIL12AB、mIL12-8TM、mIL12-PTM、mIL12-80TM、mIL12-80TID、またはIgK_mscIL12-80TID mRNAでトランスフェクトした。mRNAを含まないトランスフェクション試薬に曝露したHeLa細胞は、陰性対照(「モック」)として機能した。HeLa細胞は、50μg/mLのマイトマイシンC(Abcam,Cambridge,MA)により37℃で20分間処理することにより成長を停止させ、T細胞を含む培養液を採取して播種する前に、増殖培地で最大4回洗浄した。
生物活性を評価するために、50,000個のCD8+T細胞を、25,000個のDynabeads(商標)マウスT-Activator CD3/CD28ビーズ(ThermoFisher Scientific,Waltham,MA)、及び記載の構築物の1つでトランスフェクトされたHeLa細胞培養液の固定数のマイトマイシンC処置HeLa細胞(さらにHeLa細胞培養液の固定量の上清を含む)と培養した。組換えマウスIL-12(rmIL12)もまた陰性対照培養液のサブセットに添加した(「モック+rmIL12」)。培養72時間後、各培養液で分泌されたIFNγの量を標準的なELISAアッセイで測定した。
D.結果
図5Aは、上清または溶解液におけるIL-12の発現を示し、連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAでトランスフェクトした細胞の溶解液において、より多くのIL-12発現が観察された。図5Bは、連結したIL-12ポリペプチドによるIFNγ分泌の誘導が組換えIL-12タンパク質による誘導と類似しており、それによりmRNA構築物によりコードされるポリペプチドの生物活性が確認されることを示している。特に、IL-12ポリペプチドと膜貫通ドメインとの間にリンカーを含む連結したIL-12ポリペプチドをコードする構築物は、Wen-Yu Panらによって以前に記載されたものなどのリンカーを欠く構築物及びmIL12-80TMと比較して、タンパク質発現及びIFNγ分泌の増加を示した。
実施例4
連結したIL-12 mRNAのin vivo効果
mRNAによりコードされる例示的な連結したIL-12ポリペプチドのin vivo効果を評価した。
A.mRNAの調製
上記実施例に記載のmIL12-PTM(「連結したmIL-12」)またはmIL12(「分泌型mIL-12」)をコードするmRNAは、イオン化可能なアミノ脂質として化合物18を含む、PEG-DMG脂質ナノ粒子(LNP)に製剤化した。米国特許公開第2010/0324120号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照のこと。mRNAの翻訳を妨げる複数の終止コドン(すなわち、OX40Lをコードする配列を翻訳不可)とともに、マウスOX40L及び3’UTRのmiRNA結合部位(miR-122)をコードするヌクレオチド配列を含む陰性対照mRNA(「NST-OX40L」)を調製した。
B.マウス腫瘍モデル
MC38結腸腺癌腫瘍は、5×10個のMC38腫瘍細胞を接種することにより、C57BL/6マウスの皮下に定着させた。腫瘍の平均サイズが約100mmに達すると、各動物は、PEG-DMG脂質ナノ粒子に製剤化した単回腫瘍内投与量(5.0μg/用量)のmIL12-PTM mRNA(N=20)、mIL12 mRNA(N=20)、またはNST-OX40L(陰性対照)mRNA(N=20)のいずれかで処置した。
IL-12及びIFNγの血漿レベルは、Luminexビーズベースのマルチアナライトイムノアッセイ(ThermoFisher Scientific,Waltham,MA)を使用して体重とともに経時的に測定した。
C.結果
図6A及び6Bは、それぞれIL-12及びIFNγの血漿レベルを示す。以下の表2及び3ではさらに、血漿レベルが分泌:連結比とともに提供される。これらの結果は、連結したIL-12ポリペプチドでのIL-12及びIFNγの全身レベルが低いことを示しており、これは忍容性における利点を示す。
Figure 0007285220000005
Figure 0007285220000006
図7は、NST-OX40L(陰性対照)、mIL12(分泌型IL-12)またはmIL12-PTM(連結したIL-12)を与えられたマウスの体重変化の割合(%)を示す。これらの結果は、連結したIL-12が、分泌型IL-12と比較して体重に与える影響が少ないことを示す。
実施例5
両腫瘍モデルにおける処置腫瘍及び遠位腫瘍に対する連結したIL-12 mRNAのin vivo抗腫瘍効果
mRNAによりコードされる例示的な連結したIL-12ポリペプチドのin vivo抗腫瘍効果を評価した。
A.mRNAの調製
mIL12-PTM mRNAは、実施例4に従って調製した。mRNAの翻訳を妨げる複数の終止コドン(すなわち、OX40Lをコードする配列を翻訳不可)とともに、マウスOX40L及び3’UTRのmiRNA結合部位(miR-122)をコードするヌクレオチド配列を含む陰性対照mRNA(「NST-OX40L」)を調製した。
B.マウス両腫瘍モデル
MC38結腸腺癌腫瘍は、図8Aに示すように右(一次)及び左(二次)の両側腹部で5×10個のMC38腫瘍細胞を接種することにより、C57BL/6マウスの皮下に定着させた。Rosenberg et al.,Science 233(4770):1318-21(1986)も参照のこと。
腫瘍の平均サイズが約100mmに達すると、各動物の右側腹部の一次腫瘍は、実施例1に従って調整したPEG-DMG脂質ナノ粒子(LNP)に製剤化した単回腫瘍内投与量(5.0μg/用量)のmIL12-PTM mRNA(N=20)、またはNST-OX40L(陰性対照)mRNA(N=20)のいずれかで処置した。各動物の左側腹部の二次腫瘍は処置しなかった。
各動物の一次腫瘍及び二次腫瘍の腫瘍体積は、図8B~8Eのx軸に示された指定の時点で手動キャリパーを使用して測定した。腫瘍体積は立方ミリメートルで記録した。
C.結果
一次腫瘍へのNST-OX40L陰性対照mRNAの腫瘍内注射は、腫瘍体積に影響を及ぼさなかった(図8Bを参照)。一次腫瘍への陰性対照mRNAの注射も、同じ動物の未処置の二次腫瘍の腫瘍体積に影響を及ぼさなかった(図8Cを参照)。
対照的に、一次腫瘍へのIL12-PTM mRNAの腫瘍内注射により、4匹の動物の一次腫瘍では完全奏功(測定可能な腫瘍体積なし)が、2匹の動物の一次腫瘍では部分奏功(腫瘍体積60mm未満)が誘発された(図8Dを参照)。そして、IL12-PTM mRNAを4匹の動物の一次腫瘍に注射した後、これらの動物の未処置の二次腫瘍で完全奏功(測定可能な腫瘍体積なし)が観察された(図8E参照)。この結果は、連結したIL-12 mRNAによる処置が、未処置の腫瘍に対してアブスコパル効果を生み出すことができることを示す。
実施例6
連結したヒトIL-12 mRNAの、in vitro発現及びCD8+T細胞の増殖及びインターフェロンガンマ(IFNγ)分泌の誘導
mRNAによりコードされた例示的な連結したヒトIL-12ポリペプチドのin vitro発現及び生物活性を評価した。
A.mRNAの調製
連結したIL-12ポリペプチド(ヒトIL-12)及び3’UTRのmiRNA結合部位(miR-122)をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを調製した。ポリヌクレオチド配列は、リンカーによってV5タグを有するヒトCD8膜貫通ドメインに接続されたヒトIL-12ポリペプチドをコードするhIL12-8TM(配列番号240)(図9A参照);リンカーによってヒトCD80膜貫通及び細胞内ドメインに接続されたヒトIL-12ポリペプチドをコードするhIL12-80TID(配列番号244~248)(図9B参照);リンカーによってヒトPGFRB膜貫通ドメイン及び切断型細胞内ドメイン(E570tr、配列番号227に記載のアミノ酸配列を参照)に接続されたヒトIL-12ポリペプチドをコードするhIL12-PTID570(配列番号252)(図9Cを参照);ならびにリンカーによってヒトPGFRB膜貫通ドメイン及び切断型細胞内ドメイン(G739tr、配列番号228に記載のアミノ酸配列を参照)に接続されたヒトIL-12ポリペプチドをコードするhIL12-PTID739(配列番号254)(図9Dを参照)であった。ポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列は、それぞれ配列番号241、249、253及び255に示されている。mRNAオープンリーディングフレーム配列は、それぞれ配列番号273、275~279、281及び282に示されている。各mRNAは、配列番号287に記載の配列を有する5’UTR及び配列番号283に記載の配列を有する3’UTRを含んだ。
分泌型IL-12ポリペプチド(ヒトIL-12)及びその3’UTRのmiRNA結合部位(miR-122)(hIL12AB_041;ORFは配列番号221に記載)をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドも調製した。表4は、配列番号48の相関するアミノ酸番号、配列番号5~44のヌクレオチド番号、及び5’UTR、IL-12Bシグナルペプチド、成熟IL-12A及びIL-12Bペプチド、ならびにリンカーを提供する。
Figure 0007285220000007
B.連結したIL-12 mRNAの発現
HeLa細胞をトランスフェクションの1日前に6ウェルプレート(BD Biosciences,San Jose,USA)に播種した。次に、hIL12AB_041、hIL12-8TM、hIL12-PTID739、hIL12-PTID570、またはhIL12-80TID mRNAを含むmRNAを、ウェルあたり150μLのOPTI-MEM中、2μgのmRNA及び4μLのLipofectamine 2000を使用してHeLa細胞に個別にトランスフェクトし、インキュベートした。mRNAを含まないトランスフェクション試薬に曝露したHeLa細胞は、陰性対照(すなわち「モック」)として機能した。4時間後にトランスフェクション培地を除去し、残りのインキュベーション期間は新鮮な増殖培地に交換した。24時間後、上清を各ウェルから採取し、各ウェルの細胞を一定量の溶解緩衝液を使用して溶解した。次いで、各ウェルの上清及び溶解液中のIL-12の量(ng/ウェル)を標準的なELISAアッセイにより定量化した。
C.培養液の準備
末梢血単核細胞は、製造元のプロトコルに従って、Lymphoprep(商標)(STEMCELL(商標)Technologies Inc.,Vancouver,British Columbia,Canada)及びSepMate(商標)-50チューブ(STEMCELL(商標)Technologies Inc.,Vancouver,British Columbia,Canada)による密度勾配遠心分離により、ヒト全血から調製した。次いで、EasySep(商標)ヒトCD8+T細胞単離キット(STEMCELL(商標)Technologies Inc.,Vancouver,British Columbia,Canada)を製造元のプロトコルに従って使用して、CD8+T細胞を単離した。
HeLa細胞培養液を実施例1に記載のように調製し、個々の培養液をhIL12AB_002、hIL12-8TM、hIL12-PTID739、hIL12-PTID570、またはhIL12-80TID mRNAでトランスフェクトした。mRNAを含まないトランスフェクション試薬に曝露したHeLa細胞は、陰性対照(「モック」)として機能した。HeLa細胞は、50μg/mLのマイトマイシンC(Abcam,Cambridge,MA)により37℃で20分間処理することにより成長を停止させ、T細胞を含む培養液を採取して播種する前に、増殖培地で最大4回洗浄した。
生物活性を評価するために、75,000個のヒト末梢血CD8+T細胞を、25,000個のDynabeads(商標)ヒトT-Activator CD3/CD28ビーズ(ThermoFisher Scientific,Waltham,MA)、及び記載の構築物の1つでトランスフェクトされたHeLa細胞培養液の固定数のマイトマイシンC処置HeLa細胞(さらにHeLa細胞培養液の固定量の上清を含む)と培養した。組換えヒトIL-12(rhIL12)もまた陰性対照培養液のサブセットに添加した(「モック+rhIL12」)。培養48時間後、各培養液で分泌されたIFNγの量を標準的なELISAアッセイで測定した。
D.結果
図10Aは、上清または溶解液におけるIL-12の発現を示し、連結したIL-12ポリペプチドをコードするmRNAでトランスフェクトした細胞の溶解液において、より多くのIL-12発現が観察された。図10Bは、連結したIL-12ポリペプチドによるIFNγ分泌の誘導が組換えIL-12タンパク質による誘導と類似しており、それによりmRNA構築物によりコードされるポリペプチドの生物活性が確認されることを示している。連結構築物は、分泌型構築物に匹敵する生物活性を示すが、上清ではIL-12発現がほとんど検出できないことを示す。この結果は、これらの構築物が分泌型IL-12よりもin vivoでの全身曝露がはるかに低く、忍容性の利点をもたらす可能性があることを示唆している。
さらに、図11は、4つの異なるmRNA配列(配列番号276、277、278及び279)によりコードされるhIL12-80TIDの発現を示す。これらの結果は、同じアミノ酸配列をコードするために使用されるmRNAに関係なく、溶解液では同等のIL-12発現を示し、上清では最小限の発現を示した。
他の実施形態
使用されてきた単語は、限定よりもむしろ説明の単語であり、そのより広い態様における本開示の真の範囲及び趣旨から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲の権限の中で変更を加えることができることが理解されるべきである。
本開示は、いくつかの記載された実施形態に関してある程度の長さで、また、ある程度詳細に説明されてきたが、それは、任意のそのような詳細もしくは実施形態または任意の特定の実施形態に限定されるべきであることを意図するものではなく、先行技術を考慮してそのような特許請求の範囲の最も広い可能な解釈を提供するため、したがって、本開示の意図される範囲を有効に包含するために、添付の特許請求の範囲を参照して解釈されるべきである。
本明細書に記載されるすべての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が優先するものとする。加えて、セクションの見出し、材料、方法、及び実施例は、例示に過ぎず、限定を意図するものではない。
概要及び要約のセクションではなく、詳細な説明のセクションは、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されることが理解されるべきである。概要及び要約のセクションは、本発明者(複数可)によって企図される、1つまたは複数であるが、すべてではない、本開示の例示的実施形態を記載してもよく、したがって、いかなる意味でも本開示及び添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
本開示を、特定の機能及びその関係の実施を例示する機能的な構成要素を用いて上記で説明してきた。これらの機能的な構成要素の境界は、説明の利便性のために本明細書で適宜定義されている。特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、別の境界を定義することができる。
特定の実施形態の前述の説明は、したがって、他者が、当技術分野の技術の範囲内にある知識を適用することによって、過度の実験なしに、本開示の一般的概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を容易に改変する、及び/または様々な用途に適合させることができる、本開示の一般的性質を完全に示すであろう。したがって、そのような適合化及び改変は、本明細書に提示された教示及び指針に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書における表現または用語は、説明のためのものであり、限定のためのものではないことが理解されるべきであり、本明細書の用語または表現は教示及び指針の観点から当業者によって解釈されるべきである。
本開示の幅及び範囲は、上記の例示的実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びその等価物によってのみ定義されるべきである。

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Claims (16)

  1. 膜ドメインにリンカーを介して作動可能に連結されたヒトインターロイキン-12(IL-12)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを含む脂質ナノ粒子(LNP)であって、前記ヒトIL-12ポリペプチドが、IL-12 p35サブユニット(IL-12A)ポリペプチドに作動可能に連結されたIL-12 p40サブユニット(IL-12B)ポリペプチドを含み、前記膜ドメインが、分化群8(CD8)膜貫通ドメイン、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン、及び分化群80(CD80)膜貫通ドメインのうちから選択される膜貫通ドメインを含み、前記ポリヌクレオチドが、5’非翻訳領域(UTR)、前記ORF、及び3’UTRを含むmRNAである、前記LNP。
  2. 前記膜ドメインが細胞内ドメインを含む、請求項1に記載のLNP。
  3. 前記膜ドメインがペプチドリンカーによって前記IL-12Aポリペプチドに作動可能に連結されているか、または
    前記膜ドメインがペプチドリンカーによって前記IL-12Bポリペプチドに作動可能に連結された、
    請求項1または2に記載のLNP。
  4. 前記IL-12Bポリペプチドがペプチドリンカーによって前記IL-12Aポリペプチドに作動可能に連結され、
    必要に応じて、前記IL-12Bポリペプチドが前記IL-12Aポリペプチドの5’末端、または前記ペプチドリンカーの5’末端に位置し、または
    必要に応じて、前記IL-12Aポリペプチドが前記IL-12Bポリペプチドの5’末端、または前記ペプチドリンカーの5’末端に位置した、
    請求項1~のいずれか1項に記載のLNP。
  5. 5’UTR、オープンリーディングフレーム(ORF)、及び3’UTRを含むmRNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)であって、前記ORFが、5’から3’までをコードするヌクレオチド配列:
    5’-[IL-12B]-[L1]-[IL-12A]-[L2]-[MD]-3’を含み、ここで
    IL-12BはヒトIL-12 p40サブユニットポリペプチドであり、
    L1は第1のペプチドリンカーであり、
    IL-12AはヒトIL-12 p35サブユニットポリペプチドであり、
    L2は第2のペプチドリンカーであり、
    MDはI型内在性膜タンパク質由来の膜貫通ドメインを含む膜ドメインであり、
    型内在性膜タンパク質由来の前記膜貫通ドメインが、分化群8(CD8)膜貫通ドメイン、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)膜貫通ドメイン、及び分化群80(CD80)膜貫通ドメインからなる群から選択される、
    前記LNP。
  6. 前記膜ドメインが細胞内ドメインを含む、請求項に記載のLNP。
  7. 前記mRNAが、配列番号273もしくは配列番号274に記載の配列、または配列番号273もしくは配列番号274に記載の配列に対して、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含むか、または
    配列番号275~279のいずれか1つに記載の配列、または配列番号275~279のいずれか1つに記載の配列に対して、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含むか、または
    配列番号281に記載の配列、または配列番号280に記載の配列に対して、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含むか、または
    配列番号282に記載の配列、または配列番号282に記載の配列に対して、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む、
    請求項に記載のLNP。
  8. 前記3’UTRがマイクロRNA結合部位を含み、
    必要に応じて、前記マイクロRNA結合部位がmiR-122結合部位であり、
    必要に応じて、前記miR-122結合部位がmiR-122-3pまたはmiR-122-5p結合部位である、請求項1~のいずれか1項に記載のLNP。
  9. 前記mRNAが5’末端キャップ構造を含む、請求項1~のいずれか1項に記載のLNP。
  10. 前記mRNAが少なくとも1つの化学的修飾を含み、
    必要に応じて、前記化学的修飾が、シュードウリジン、N1-メチルシュードウリジン、2-チオウリジン、4’-チオウリジン、5-メチルシトシン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン、2-チオ-1-メチル-シュードウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ジヒドロシュードウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-シュードウリジン、4-メトキシ-2-チオ-シュードウリジン、4-メトキシ-シュードウリジン、4-チオ-1-メチル-シュードウリジン、4-チオ-シュードウリジン、5-アザ-ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5-メチルウリジン、5-メチルウリジン、5-メトキシウリジン、及び2’-O-メチルウリジンからなる群から選択されるか、または
    必要に応じて、前記化学的修飾が、シュードウリジンまたはシュードウリジン類似体からなる群から選択されるか、または
    必要に応じて、前記化学的修飾がN1-メチルシュードウリジンであるか、または
    必要に応じて、前記mRNAが、N1-メチルシュードウリジンによって完全に修飾された、
    請求項1~のいずれか1項に記載のLNP。
  11. イオン化可能アミノ脂質、リン脂質、ステロール、及びPEG修飾脂質を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のLNP。
  12. 前記LNPが、約20~60%のイオン化可能アミノ脂質、5~25%のリン脂質、25~55%のステロール、及び0.5~15%のPEG修飾脂質のモル比を含み、
    必要に応じて、前記イオン化可能アミノ脂質が、例えば、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)、及びジ((Z)-ノン-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択され、
    必要に応じて、前記イオン化可能アミノ脂質が式(I)の化合物を含み、
    必要に応じて、前記式(I)の化合物が化合物18である、
    請求項1~11のいずれか1項に記載のLNP。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載のLNP、及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物であって、必要に応じて、前記薬学的に許容可能な担体が緩衝液を含む、薬学的組成物。
  14. 個体におけるがんの処置またはその進行を遅延する方法において使用するための、請求項1~12のいずれか1項に記載のLNP、及び任意選択の薬学的に許容可能な担体、ならびに前記LNPの投与に関する指示書を含む添付文書、を含む容器を含むキット。
  15. 腫瘍のサイズの縮小、または腫瘍の成長の阻害を、それを必要とする対象において行う方法において使用するため、または抗腫瘍応答の誘導を、それを必要とする対象において行う方法において使用するための、請求項1~12のいずれか1項に記載のLNPを含む組成物であって、必要に応じて、前記組成物が腫瘍内注射により投与される、組成物。
  16. 前記使用が、第2の組成物と組み合わせて前記組成物を投与することを含み、前記第2の組成物は抗がん剤を含み、必要に応じて、前記抗がん剤はmRNAである、請求項15に記載の組成物。
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