JP7284632B2 - 車両用エネルギー吸収部材 - Google Patents

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Description

この発明は、車両用エネルギー吸収部材およびその製造方法に関する。
従来、車両のバンパリインフォースメントと車両の骨格部材(サイドメンバ等)との間に配置されており、車両の衝突時の衝撃を吸収する車両用エネルギー吸収部材が知られている。たとえば、特開2007-261557号公報(以下、「特許文献1」という。)には、筒体と、底部と、を備える車両の衝撃吸収装置が開示されている。筒体は、当該筒体の軸方向の一端部から他端部に向かうにしたがって次第にその径が小さくなる円錐状に形成されている。この筒体には、当該筒体の一端部から他端部に向かってらせん状に延びる段部が形成されている。底部は、筒体の他端部(小径端部)に接続されている。
特開2007-261557号公報
特許文献1に記載される車両の衝撃吸収装置の筒体は、円錐状であるため、スピニング加工によって比較的容易に形成することが可能である。一方で、車両用エネルギー吸収部材においては、一般に、衝撃エネルギーの吸収量が大きいことが望ましい。
本発明の目的は、スピニング加工による形成が可能でかつ衝撃エネルギーの吸収量を高めることが可能な車両用エネルギー吸収部材およびその製造方法を提供することである。
この発明に従った車両用エネルギー吸収部材は、バンパリインフォースメントと車両の骨格部材との間に配置される車両用エネルギー吸収部材である。この車両用エネルギー吸収部材は、筒状に形成されており、軸方向に圧縮するように塑性変形することによって衝撃エネルギーを吸収するエネルギー吸収部を備える。前記エネルギー吸収部の外周面は、円筒状に形成されており、前記エネルギー吸収部の内周面は、前記エネルギー吸収部の軸方向に沿って延びる形状を有する稜線を形成する稜線形成部を有する。
本車両用エネルギー吸収部材では、エネルギー吸収部の外周面が円筒状に形成されており、かつ、エネルギー吸収部の内周面が稜線形成部を有しているため、その稜線形成部に対応する外周面を有する回転軸部を用いたスピニング加工により、エネルギー吸収部を比較的容易に形成することが可能である。さらに、エネルギー吸収部の内周面には、当該エネルギー吸収部の軸方向と平行に延びる稜線が形成されているため、エネルギー吸収部の軸方向における圧縮荷重、すなわち、衝撃エネルギーの吸収量が高まる。
また、前記稜線形成部は、前記エネルギー吸収部の周方向に沿って並ぶように配置された複数の凸部を有し、前記複数の凸部の各凸部は、角部を有していてもよい。
この態様では、エネルギー吸収部の衝撃エネルギーの吸収量が有効に高まる。
さらに、前記稜線形成部は、前記各凸部間に介在する複数の介在部をさらに有していてもよい。この場合において、前記複数の介在部の各介在部は、前記エネルギー吸収部の外周面と同心円の円弧状に形成されていてもよい。
この態様では、複数の凸部と複数の介在部とによって、エネルギー吸収部の内周面に凹凸のビードが形成されるため、エネルギー吸収部の衝撃エネルギーの吸収量がさらに高まる。
また、前記エネルギー吸収部の内周面は、前記稜線形成部を構成する多角筒状に形成されていてもよい。
この態様においても、エネルギー吸収部の衝撃エネルギーの吸収量が有効に高まる。
この場合において、前記エネルギー吸収部の軸方向と直交する平面での前記エネルギー吸収部の断面の内形は、凸多角形であってもよいし、凹多角形であってもよい。
また、前記車両用エネルギー吸収部材は、前記エネルギー吸収部を支持する支持部をさらに備えていてもよい。この場合において、前記支持部は、前記エネルギー吸収部の一端部に接続されており、前記エネルギー吸収部の軸方向に沿って前記エネルギー吸収部から離間するにしたがって次第に拡径する形状を有することが好ましい。
このようにすれば、車両用エネルギー吸収部材に衝撃エネルギーが作用した際に、エネルギー吸収部がその基端部(車両の骨格部材に接続される側の端部)で折れることが抑制される。
さらに、前記支持部は、前記エネルギー吸収部の厚さよりも大きな厚さを有することが好ましい。
このようにすれば、上記の効果がより確実に達成される。
また、前記車両用エネルギー吸収部材は、前記エネルギー吸収部の他端部に接続されており、前記バンパリインフォースメントに接続される第1フランジ部と、前記支持部に接続されており、前記車両の骨格部材に接続される第2フランジ部と、をさらに備えることが好ましい。
このようにすれば、バンパリインフォースメントおよび車両の骨格部材への車両用エネルギー吸収部材の取付けが容易になる。
また、前記エネルギー吸収部の外周面のうち、前記エネルギー吸収部の前記他端部と、前記エネルギー吸収部の前記他端部と前記一端部との間に位置する中間部と、の間の範囲に、前記エネルギー吸収部の軸周りにらせん状に延びる形状を有する溝部が形成されていることが好ましい。
このようにすれば、エネルギー吸収部に衝撃エネルギーが作用した際に、エネルギー吸収部が当該エネルギー吸収部の他端部(バンパリインフォースメント側の端部)から一端部に向かって圧縮するように変形することが有効に達成される。
この発明に従った車両用エネルギー吸収部材の製造方法は、バンパリインフォースメントと車両の骨格部材との間に配置される車両用エネルギー吸収部材の製造方法である。この製造方法は、多角柱状の外周面を有する回転軸部の周囲に筒体を配置し、前記回転軸部とともに前記筒体を前記回転軸部の中心軸周りに回転させた状態において、押付け部によって前記筒体の外周面を前記回転軸部に押し付けながら、当該押付け部を前記回転軸部の外周面と平行な方向に沿って移動させることにより、前記回転軸部の外周面の形状に対応する多角筒状の内周面と前記押付け部によって規定される外径を有する円筒状の外周面とを有するエネルギー吸収部を形成する工程を含む。
本製造方法では、多角柱状の外周面を有する回転軸部を用いたスピニング加工により、衝撃エネルギーの吸収量の大きなエネルギー吸収部を備える車両用エネルギー吸収部材が簡単に形成される。
また、前記車両用エネルギー吸収部材の製造方法において、前記エネルギー吸収部を形成する工程後、前記エネルギー吸収部の一方側の端部から、前記エネルギー吸収部の前記一方側の端部と他方側の端部との間に位置する中間部に向かって、前記押付け部を前記エネルギー吸収部の外周面に押付けながら前記エネルギー吸収部の外周面に沿って移動させることにより、前記エネルギー吸収部の外周面のうち前記一方側の端部と前記中間部との間の範囲に、前記エネルギー吸収部の軸周りにらせん状に延びる形状を有する溝部を形成する工程をさらに含むことが好ましい。
このようにすれば、エネルギー吸収部に衝撃エネルギーが作用した際に、エネルギー吸収部の一方側の端部(バンパリインフォースメント側の端部)から他方側の端部に向かって圧縮するように有効に変形するエネルギー吸収部が形成される。
以上に説明したように、この発明によれば、スピニング加工による形成が可能でかつ衝撃エネルギーの吸収量を高めることが可能な車両用エネルギー吸収部材およびその製造方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態の車両用エネルギー吸収部材の斜視図である。 図1に示されるII-II線での断面図である。 図1に示されるIII-III線での断面図である。 図1に示される車両用エネルギー吸収部材の製造工程を概略的に示す図である。 図1に示される車両用エネルギー吸収部材の製造工程を概略的に示す図である。 本発明の第2実施形態の車両用エネルギー吸収部材のエネルギー吸収部の斜視図である。 図6に示されるVII-VII線での断面図である。 第2実施形態のエネルギー吸収部の変形例の断面図である。 実施例1のエネルギー吸収部の断面図である。 比較例のエネルギー吸収部の断面図である。 試験方法を概略的に示す図である。 実施例および比較例の解析結果を示すグラフである。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の車両用エネルギー吸収部材の斜視図である。車両用エネルギー吸収部材1は、バンパリインフォースメント(図示略)とサイドメンバ等の車両の骨格部材(図示略)との間に配置される。車両用エネルギー吸収部材1は、バンパリインフォースメントに作用した衝撃エネルギーが車両の骨格部材に伝わるのを抑制するための部材である。具体的に、車両用エネルギー吸収部材1は、圧縮するように塑性変形しながらバンパリインフォースメントに作用した衝撃エネルギーを吸収する。
図1に示されるように、車両用エネルギー吸収部材1は、エネルギー吸収部10と、支持部20と、第1フランジ部30と、第2フランジ部40と、を有している。本実施形態では、車両用エネルギー吸収部材1は、アルミニウムにより形成されている。
エネルギー吸収部10は、筒状に形成されている。エネルギー吸収部10は、当該エネルギー吸収部10の軸方向に圧縮するように塑性変形しながら衝撃エネルギーを吸収する。図2は、図1に示されるII-II線での断面図である。図1および図2に示されるように、エネルギー吸収部10の外周面10aは、円筒状に形成されており、エネルギー吸収部10の内周面10bは、稜線形成部12を有している。稜線形成部12は、エネルギー吸収部10の軸方向と平行に延びる形状を有する稜線を形成する部位である。エネルギー吸収部10の内周面10bの少なくとも一部の領域は、稜線形成部12を構成する多角筒状に形成されている。本実施形態では、エネルギー吸収部10の内周面10bの全領域が多角筒状に形成されている。すなわち、エネルギー吸収部10は、円筒状の外周面10aと、多角筒状の内周面10bと、を有している。換言すれば、エネルギー吸収部10の一端から他端に至る全域にわたって、エネルギー吸収部10の軸方向と直交する平面での当該エネルギー吸収部10の断面の外形は、一定の径を有する円形であり、内形は、多角形(本実施形態では10角形)である。ただし、エネルギー吸収部10は、その一端から他端に向かうにしたがって次第に拡径する形状に形成されてもよい。本実施形態では、エネルギー吸収部10の軸方向と直交する平面での当該エネルギー吸収部10の断面の内形は、いわゆる凸多角形に形成されている。なお、凸多角形は、全ての内角が180度未満の多角形である。
図1に示されるように、エネルギー吸収部10の外周面10aには、当該エネルギー吸収部10の軸周りに延びるらせん状の溝部11が形成されている。溝部11は、エネルギー吸収部10の前側(図1の左側)の端部から後側の端部に向かって延びている。より詳細には、溝部11は、エネルギー吸収部10の前側の端部と、エネルギー吸収部10の前側の端部と後側の端部との間に位置する中間部と、の間の範囲にのみ形成されている。なお、この溝部11は、省略されてもよい。本明細書では、エネルギー吸収部10の外周面10aのうち溝部11が形成された部位および溝部11が形成されていない部位の双方を「円筒状の外周面」と定義する。
支持部20は、エネルギー吸収部10を支持する部位である。支持部20は、エネルギー吸収部10の一端部(車両の骨格部材に接続される側の端部)に接続されている。支持部20は、エネルギー吸収部10の軸方向に沿ってエネルギー吸収部10から離間するにしたがって次第に拡径する形状を有している。図3は、図1に示されるIII-III線での断面図である。図3に示されるように、支持部20の厚さt2は、エネルギー吸収部10の厚さt1よりも大きい。支持部20の厚さt2は、支持部20の一端から他端に至る全域にわたって一定である。なお、エネルギー吸収部10の厚さt1は、図2に示されるように、エネルギー吸収部10の中で最も厚い部位(エネルギー吸収部10の内周面10bに形成された互いに隣接する稜線同士を結ぶ部位の中央部)の厚さを意味する。
第1フランジ部30は、エネルギー吸収部10の他端部(バンパリインフォースメントに接続される側の端部)に接続されている。第1フランジ部30は、エネルギー吸収部10の他端部からエネルギー吸収部10の径方向の外向きに張り出す形状を有している。第1フランジ部30には、ボルトBを挿通するためのボルト挿通孔30hが設けられている。
第2フランジ部40は、支持部20の端部に接続されている。第2フランジ部40は、支持部20の端部から支持部20の径方向の外向きに張り出す形状を有している。第2フランジ部40には、ボルトを挿通するためのボルト挿通孔40hが設けられている。
次に、図4および図5を参照しながら、車両用エネルギー吸収部材1の製造方法について説明する。図4および図5は、図1に示される車両用エネルギー吸収部材の製造工程を概略的に示す図である。この製造方法は、エネルギー吸収部形成工程と、支持部形成工程と、第1フランジ部形成工程と、第2フランジ部形成工程と、を含んでいる。
エネルギー吸収部形成工程では、スピニング加工によってエネルギー吸収部10が形成される。具体的に、この工程では、まず、図4に示されるように、多角柱状の外周面を有する回転軸部200の周囲に、アルミニウムからなる筒体100を配置する。そして、回転軸部200とともに筒体100を回転軸部200の中心軸周りに回転させた状態において、図5に示されるように、押付け部(本実施形態ではローラ)300によって筒体100の外周面を回転軸部200に押し付けながら、当該押付け部300を回転軸部200の外周面と平行な方向(回転軸部200の中心軸と平行な方向)に沿って移動させる。これにより、回転軸部200の外周面の形状が筒体100の内周面の一部に転写されるとともに、筒体100の外周面の一部が押付け部300によって規定される外径を有する円筒状に加工される。このようにして、筒体100の一部に、多角筒状の内周面10bと円筒状の外周面10aとを有するエネルギー吸収部10が形成される。
その後、エネルギー吸収部10の外周面10aの一部に溝部11が形成される。具体的に、この工程では、エネルギー吸収部10の一方側の端部から、エネルギー吸収部10の一方側の端部と他方側の端部との間に位置する中間部に向かって、押付け部300をエネルギー吸収部10の外周面10aに押付けながらエネルギー吸収部10の外周面に沿って移動させることにより、エネルギー吸収部10の外周面10aのうち前記一方側の端部と前記中間部との間の範囲に、エネルギー吸収部10の軸周りにらせん状に延びる形状を有する溝部11を形成する。
支持部形成工程では、エネルギー吸収部形成工程と同様に、スピニング加工により筒体100の一部に支持部20が形成される。回転軸部200には、支持部20を形成するための支持部形成部(図示略)が同軸上に接続されており、支持部形成部は、支持部20の内周面に対応する形状の外周面を有している。この支持部形成部の外周面は、円錐状であっても多角錐状であってもよい。この工程では、支持部20の厚さt2がエネルギー吸収部10の厚さt1よりも大きくなるように押付け部300を移動させる。
第1フランジ部形成工程および第2フランジ部形成工程においても、エネルギー吸収部形成工程と同様に、スピニング加工により、筒体100のうちエネルギー吸収部10の一方の端部(支持部20が接続された側とは反対側の端部)に円板状の第1フランジ要素が形成され、筒体100のうち支持部20の端部に円板状の第2フランジ要素が形成される。その後、第1フランジ要素をプレス等することによって第1フランジ部30が形成され、第2フランジ要素をプレス等することによって第2フランジ部40が形成される。なお、第1フランジ要素と第2フランジ要素とは、エネルギー吸収部10と同様に、縮管加工により形成されてもよいし、拡管加工により形成されてもよい。
以上のようにして、複数の部材を溶接等によって接合することなく、単一の部材である筒体100から車両用エネルギー吸収部材1が形成される。
以上に説明したように、本実施形態の車両用エネルギー吸収部材1では、エネルギー吸収部10の外周面10aが円筒状に形成されており、かつ、エネルギー吸収部10の内周面10bが多角筒状に形成されているため、多角柱状の外周面を有する回転軸部200を用いたスピニング加工により、エネルギー吸収部10を比較的容易に形成することが可能である。さらに、エネルギー吸収部10の内周面10bには、エネルギー吸収部10の軸方向と平行に延びる複数の稜線が形成されているため、エネルギー吸収部10の軸方向における圧縮荷重、すなわち、衝撃エネルギーの吸収量が高まる。
また、車両用エネルギー吸収部材1は、支持部20を備えているため、車両用エネルギー吸収部材1に衝撃エネルギーが作用した際に、エネルギー吸収部10がその基端部(車両の骨格部材に接続される側の端部)で折れることが抑制される。
さらに、支持部20は、エネルギー吸収部10の厚さt1よりも大きな厚さt2を有するため、上記の効果がより確実に達成される。
また、車両用エネルギー吸収部材1は、第1フランジ部30と第2フランジ部40とを備えているため、バンパリインフォースメントおよび車両の骨格部材への車両用エネルギー吸収部材1の取付けが容易になる。
加えて、エネルギー吸収部10の外周面10aには、らせん状に延びる形状を有する溝部11が形成されているため、エネルギー吸収部10に衝撃エネルギーが作用した際に、エネルギー吸収部10が当該エネルギー吸収部10の他端部(バンパリインフォースメント側の端部)から一端部に向かって圧縮するように変形することが有効に達成される。
(第2実施形態)
次に、図6及び図7を参照しながら、本発明の第2実施形態の車両用エネルギー吸収部材1について説明する。図6は、本発明の第2実施形態の車両用エネルギー吸収部材のエネルギー吸収部の斜視図である。図7は、図6に示されるVII-VII線での断面図である。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
本実施形態では、エネルギー吸収部10の内周面10bの形状が第1実施形態におけるそれと異なっている。このため、以下では、内周面10bについて説明する。
本実施形態では、内周面10bの稜線形成部12は、複数の(本実施形態では16個の)凸部13と、複数の(本実施形態では16個の)介在部14と、を有している。
複数の凸部13は、エネルギー吸収部10の周方向に沿って並ぶように配置されている。互いに隣接する凸部13間の寸法は、一定である。すなわち、複数の凸部13は、エネルギー吸収部10の周方向に沿って等間隔に並ぶように配置されている。ただし、互いに隣接する凸部13間の寸法は、異なっていてもよい。各凸部13は、角部を有している。この角部が稜線を形成している。図7に示されるように、各凸部13は、前記周方向に互いに対向する対向部13aと、一対の対向部13a同士を連結する連結部13bと、を有している。なお、連結部13bが省略され、一対の対向部13aのうち径方向における内側の端部同士が接続されてもよい。
各介在部14は、各凸部13間に介在している。具体的に、各介在部14は、径方向における対向部13aの外端部同士を接続している。各介在部14は、エネルギー吸収部10の外周面10aと同心円の円弧状に形成されている。ただし、図8に示されるように、介在部14は、平坦に形成されてもよい。すなわち、エネルギー吸収部10の軸方向と直交する平面での当該エネルギー吸収部10の断面の内形は、いわゆる凹多角形に形成されてもよい。なお、凹多角形は、少なくとも1つの凹角(180度以上360度未満の内角)を有する多角形である。また、複数の介在部14の少なくとも一つが省略され、周方向に互いに対向する対向部13a同士が直接接続されてもよい。
以上に説明した本実施形態においても、内周面10bに対応する形状の外周面を有する回転軸部200を用いたスピニング加工により、エネルギー吸収部10を比較的容易に形成することが可能であり、さらに、エネルギー吸収部10の内周面10bには複数の稜線が形成されているため、エネルギー吸収部10の衝撃エネルギーの吸収量が高まる。
ここで、図9~図12を参照しながら、本実施形態の実施例およびその比較例における圧縮荷重についての解析結果について説明する。図9は、実施例1のエネルギー吸収部の断面図である。図10は、比較例のエネルギー吸収部の断面図である。図11は、試験方法を概略的に示す図である。図12は、実施例および比較例の解析結果を示すグラフである。
実施例1は、第1実施形態のエネルギー吸収部10の実施例である。図9に示されるように、実施例1のエネルギー吸収部10は、円筒状の外周面10aと六角筒状の内周面10bとを有している。このエネルギー吸収部10の外径は、45mmであり、断面積は、281mmである。
実施例2も、第1実施形態のエネルギー吸収部10の実施例である。実施例2のエネルギー吸収部10は、図2に示されるエネルギー吸収部10であり、円筒状の外周面10aと十角筒状の内周面10bとを有している。このエネルギー吸収部10の外径は、45mmであり、断面積は、281mmである。
実施例3は、第2実施形態のエネルギー吸収部10の実施例である。実施例3のエネルギー吸収部10は、図7に示されるエネルギー吸収部10であり、円筒状の外周面10aと、16個の凸部13及び16個の介在部14を有する内周面10bと、を有している。対向部13aの長さ(凸部13の深さ)は、1.7mmであり、連結部13bの長さは、3.5mmである。周方向における介在部14の長さは、4.6mmであり、介在部14と対向部13aとの境界部と外周面10aとの間の部位の厚さ(径方向の長さ)は、1.3mmである。このエネルギー吸収部10の外径は、45mmであり、断面積は、281mmである。
図10に示されるように、比較例のエネルギー吸収部50は、円筒状に形成されている。このエネルギー吸収部50の外径は、45mmであり、内径は、40.8mであり、断面積は、281mmである。比較例のエネルギー吸収部50の断面積は、実施例1~3のエネルギー吸収部10の断面積と同じである。つまり、比較例のエネルギー吸収部50の重量は、実施例1~3のエネルギー吸収部10の重量と同じである。
これら実施例および比較例のエネルギー吸収部に対し、図11に示されるように、板材400によってエネルギー吸収部の軸方向に荷重を作用させた。図12は、板材400のストロークと荷重との関係を示している。
図12に示されるように、実施例1及び2のエネルギー吸収部10の荷重の方が比較例のそれよりも大きかった。つまり、エネルギー吸収部10の内周面を多角筒状に形成することにより、実施例1及び2のエネルギー吸収部10の重量と同じ重量を有する比較例のエネルギー吸収部50に対し、衝撃エネルギーの吸収量が高まることが確認された。換言すれば、比較例のエネルギー吸収部50の衝撃エネルギーの吸収量と同じ衝撃エネルギーの吸収量は、比較例のエネルギー吸収部50よりも軽量の実施例のエネルギー吸収部10で実現することが可能であるといえる。
さらに、実施例3のエネルギー吸収部10の荷重は、実施例1及び2のそれと比べても大幅に大きかった。具体的には、図12において矢印AR1で示されるように、最大荷重が上昇しており、さらに、矢印AR2で示されるように、荷重落差(ストロークが大きくなるにしたがって最大荷重から減少する荷重の大きさ)が小さくなった。つまり、エネルギー吸収部10の内周面10bに、凸部13と介在部14とによる凹凸のビードを形成することにより、衝撃エネルギーの吸収量が大幅に高まることが確認された。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、エネルギー吸収部10の軸方向と直交する平面での当該エネルギー吸収部10の断面の内形は、エネルギー吸収部10の軸方向と平行に延びる複数の稜線が形成されるのであれば、10角形等の多角形に限られず、前記内形の一部が多角形とは異なる形状(円弧状など)に形成されてもよい。例えば、前記内形は、3本以上の線分を含んで閉断面を構成するものであってもよい。
また、第1フランジ部30および第2フランジ部40の少なくとも一方は、省略されてもよい。この場合、省略された箇所は、溶接等により接合される。
また、らせん状の溝部11は、エネルギー吸収部10の前側の端部から後側の端部に至る全域にわたって設けられてもよい。また、この溝部11のピッチは、エネルギー吸収部10の前側の端部から後側の端部に向かうにしたがって変更されてもよい。例えば、エネルギー吸収部10の前側の端部の近傍における溝部11のピッチは、その他の領域に形成される溝部11のピッチよりも小さく設定されてもよい。
1 車両用エネルギー吸収部材、10 エネルギー吸収部、10a 外周面、10b 内周面、11 溝部、12 稜線形成部、13 凸部、13a 対向部、13b 連結部、14 介在部、20 支持部、30 第1フランジ部、40 第2フランジ部、100 筒体、200 軸部、300 押付け部、400 板材。

Claims (4)

  1. バンパリインフォースメントと車両の骨格部材との間に配置される車両用エネルギー吸収部材であって、
    筒状に形成されており、軸方向に圧縮するように塑性変形することによって衝撃エネルギーを吸収するエネルギー吸収部を備え、
    前記エネルギー吸収部の外周面は、円筒状に形成されており、
    前記エネルギー吸収部の内周面は、前記エネルギー吸収部の軸方向と平行に延びる形状を有する稜線を形成する稜線形成部を有し、
    前記エネルギー吸収部の内周面は、前記エネルギー吸収部の一端から他端に至る全域にわたって、前記稜線形成部を構成する多角筒状に形成されており、
    前記エネルギー吸収部の軸方向と直交する平面での前記エネルギー吸収部の断面の内形は、凸多角形であり、
    前記エネルギー吸収部の外周面には、前記エネルギー吸収部の軸周りにらせん状に延びる形状を有する溝部が形成されており、
    前記溝部は、前記エネルギー吸収部の他端部と、前記エネルギー吸収部の他端部と前記エネルギー吸収部の一端部との間に位置する中間部と、の間の範囲で、かつ、前記エネルギー吸収部の厚さ方向に前記稜線形成部と重なる範囲に形成されており、
    前記エネルギー吸収部の前記他端部側に形成された前記溝部のピッチは、その他の領域に形成された前記溝部のピッチよりも小さく設定されている、車両用エネルギー吸収部材。
  2. 前記エネルギー吸収部を支持する支持部をさらに備え、
    前記支持部は、前記エネルギー吸収部の一端部に接続されており、前記エネルギー吸収部の軸方向に沿って前記エネルギー吸収部から離間するにしたがって次第に拡径する形状を有する、請求項に記載の車両用エネルギー吸収部材。
  3. 前記支持部は、前記エネルギー吸収部の厚さよりも大きな厚さを有する、請求項に記載の車両用エネルギー吸収部材。
  4. 前記エネルギー吸収部の他端部に接続されており、前記バンパリインフォースメントに接続される第1フランジ部と、
    前記支持部に接続されており、前記車両の骨格部材に接続される第2フランジ部と、をさらに備える、請求項またはに記載の車両用エネルギー吸収部材。
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