JP7284106B2 - 車両用シートクッション体および車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートクッション体および車両用シートに関し、より詳細には、車両用シートの軟質性パッドの表面に設けた長溝にハーネスを配策する際、長溝の位置が容易に視認可能であるとともに、長溝へのハーネスの組付方法が簡便でありながら、ハーネスの長溝内への安定保持が可能な車両用シートクッション体および車両用シートに関する。
従来から、車両用シートの車両用シートクッション体を構成するシートクッションにおいて、電装品等とスイッチ等との間に介設されるハーネスを取り回すことが行われている。
たとえば、特許文献1は、このようなハーネスの配策について、パッドに切り込みを設け、そこに、ハーネスを組み付ける点を開示する。
より詳細には、発泡体からなるパッドと、パッドを支持するパン型構造のフレームとを有する車両用シートのシートクッションであって、パッドには、電装品等とスイッチ等との間に介設されるハーネスを押し込んで組みつける切り込みを形成している。
このような構成により、パッド に形成した切り込みにハーネスを押し込んで組みつけることができることとなり、ハーネスを固定するためのバンドやクリップを廃止することができることとなり、ハーネスのコスト低減およびハーネスの取り回しの簡略化を図ることができる。しかも、電装品等とコネクタとを結線するのみでハーネスの取り回しが可能となる。また、この場合、連続して形成された切り込みにハーネスを埋め込むようにしているので、ハーネスの取り回し長さを短かくできる。
しかしながら、このようなパッドに切り込みを設けたタイプには、以下のような技術的問題点が存する。
第1に、ハーネスの組付作業性が悪い点である。より詳細には、パッドに単純に切り込みを設けた場合、切り込み位置の視認性が悪く、作業効率が低いとともに、切り込み位置の視認性を良くするために、切り込みを断面が単純U字状の長溝にした場合、ハーネスの径が小さい場合には、ハーネスが溝内から脱落することがあり、組付性が劣化する。
第2に、ハーネスの安定保持性が悪い点である。安定保持性を確保するためには、切り込みの深さがある程度必要であり、パッドの加工コストおよびハーネスの組付作業性にも悪影響を与える。
特開2010-89640号
以上の技術的課題に鑑み、本願発明の目的は、車両用シートの軟質性パッドの表面に設けた長溝にハーネスを配策する際、長溝の位置が容易に視認可能であるとともに、長溝へのハーネスの組付方法が簡便でありながら、ハーネスの長溝内への安定保持が可能である車両用シートクッション体および車両用シートを提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明の車両用シートクッション体は、
ハーネスが配策される軟質性パッドを有する車両用シートクッション体であって、
該軟質性パッドの表面には、内部にハーネスが配策される長溝が形成され、
該長溝には、少なくともその一部に、ハーネス保持部が形成され、
該ハーネス保持部は、該長溝の延び方向に交差する断面が、前記軟質性パッドの表面に向かって幅狭となり、該軟質性パッドの表面に形成される溝開口部が最小幅となるように構成され、
前記ハーネス保持部の、前記長溝の対向側面の少なくとも一方を構成する部分は、前記溝開口部に向かって他方の対向側面に近づく張出部を構成し、それにより、ハーネスを前記溝開口部を通じて前記長溝内に押し込むことにより、ハーネスは、前記長溝内に保持される、構成としている。
以上の構成を有する車両用シートクッション体によれば、車両用シートクッション体の軟質性パッドの表面に設けた長溝にハーネスを配策する際、軟質性パッドの表面に線状に延びる溝開口部により、長溝の位置が視認可能であるとともに、ハーネス保持部が、その長溝の延び方向に交差する断面が、軟質性パッドの表面に向かって幅狭となり、溝開口部が最小幅となるように構成されていることから、ハーネス保持部の、長溝の対向側面の少なくとも一方を構成する部分は、溝開口部に向かって他方の対向側面に近づく張出部を構成し、それにより、ハーネスを溝開口部を通じて長溝内に押し込むことにより、ハーネスは、長溝内に保持され、車両用シートクッション体の軟質性パッドの表面に設けた長溝にハーネスを配策する際、長溝の位置が視認可能であるとともに、長溝へのハーネスの組付方法が簡便でありながら、ハーネスの長溝内での安定保持が可能である。
また、前記ハーネス保持部の前記長溝の延び方向長さ、および/または前記溝開口部の幅、および/または前記長溝の溝深さLは、ハーネスの径に応じて、設定されるのがよい。
さらに、前記溝深さLは、ハーネスの径の2倍以下であるのがよい。
さらにまた、前記張出部は、ハーネスを前記溝開口部を通じて前記長溝内に押し込む際前記長溝の溝底部へ引き込み変形可能なように、前記溝開口部の幅と前記長溝の最大幅との差が設定され、それにより、ハーネスは、前記長溝内で該張出部により挟み込み支持されるのでもよい。
以上の構成を有する車両用シートクッション体によれば、車両用シートクッション体の軟質性パッドの表面に設けた長溝にハーネスを配策する際、軟質性パッドの表面に線状に延びる溝開口部により、長溝の位置が視認可能であるとともに、ハーネス保持部が、その長溝の延び方向に交差する断面が、軟質性パッドの表面に向かって幅狭となり、溝開口部が最小幅となるように構成され、軟質性パッド部の、長溝の対向側面それぞれを構成する部分は、溝底部へ引き込み変形可能な張出部を構成し、張出部は、長溝の溝底部へ引き込み変形可能なように、溝開口部の幅と長溝の最大幅との差が設定され、それにより、ハーネスを溝開口部を通じて長溝内に押し込む際、溝開口部の縁近傍の軟質性パッドの表面部が、軟質性パッドのハーネスに対する押し付け部を形成することになり、長溝の溝深さLを深くしなくても、ハーネスは、長溝内への単純な押し込みにより、溝開口部の幅が拡大するとしても、長溝内で両張出部により挟み込み支持され、車両用シートクッション体の軟質性パッドの表面に設けた長溝にハーネスを配策する際、長溝の位置が容易に視認可能であるとともに、長溝へのハーネスの組付方法が簡便でありながら、ハーネスの長溝内への安定保持が可能である。
さらに、前記ハーネスを前記長溝内に押し込む際に前記軟質性パッドの表面とハーネスの外周面との間に生じる摩擦力に応じて、前記長溝の前記断面形状が決定されるのでもよい。
また、前記断面形状は、前記溝開口部に向かって先細の略U字状であり、溝底部がハーネスの外周の一部に沿った形状とされるのがよい。
さらにまた、前記ハーネス保持部は、前記長溝の両縁において、前記長溝の延び方向に互い違いに設けられるのがよい。
加えて、前記ハーネス保持部は、前記長溝の両縁において、互いに対向して設けられるのでもよい。
また、前記長溝は、前記軟質性パッドの縁から縁まで連続状に延び、前記ハーネス保持部は、前記長溝の延び方向に互いに所定間隔を設けて、複数設置されるのでもよい。
さらに、シートクッションと、該シートクッションの後端に下端が連結されたシートバックとを有する車両用シートであって、該シートクッションおよび/または該シートバックが、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の車両用シートクッション体である車両用シートであってもよい。
以下、本発明の実施形態に係る車両用シートについて、ハーネスHが配策される車両用シートクッション体の具体例として、自動車のシートバック110を取り上げ、図1ないし図6を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両用シート10は、運転席用あるいは助手席用であり、乗員が着座するシートクッション100と、シートクッション100の後端部に下端部が回動可能に連結されたシートバック110とを備えている。シートクッション100は、スライド機構(図示せず)によって車両の車体フロア(図示せず)に連結され、これにより、シートクッション100及びシートバック110がスライド機構によってシート前後方向にスライド可能になっている。シートクッション100内には、シートクッション100の骨格を構成するシートクッションフレーム( 図示省略) が設けられている。シートクッションフレームのシート上方側に、ウレタン等の発泡材で構成されたシートクッションパッド120が設けられており、シートクッションパッド120は、布製や皮革製のシートクッション表皮130によって覆われている。
シートクッション100の後端部には、乗員の背部を支えるシートバック110が起立した状態で配置されている。シートバック110内には、シートバック110の骨格を構成するシートバックフレーム160 が設けられており、シートバックフレーム160の下端部が、従来周知のリクライニング機構170を介してシートクッションフレームに連結され、シートバックフレーム160のシート前方側に、ウレタン等の発泡材で構成されたシートバックパッド140が設けられており、シートバックパッド140は、布製や皮革製のシートバック表皮150によって覆われている。シートバック110 の上端にはヘッドレスト190が取り付けられている。
シートバックパッド140は、例えば、ポリウレタン製である軟質性パッドが例示される。ポリウレタンの原材料等は公知のものが制限なく適用でき、クッションパッドとしての機能を発揮するために、弾力性等を考慮して選択され、それにより、後に説明するように、ハーネスHをシートバックパッド140の表面に形成する長溝16に組付ける際に、シートバックパッド140を変形して、長溝16の溝開口部20の幅を広げることが可能となる。また、クッションパッドの成形性がよく、また、金型からの離型に際し、引っかかり等の問題が生じない観点から、材料を選択するのでもよい。
シートクッション100 は左右両側にサイドフレーム180を有しており、サイドフレーム180の後端部に、シートバック110 内のシートバックフレーム160がリクライニング機構170を介してリクライニング可能に支持されている。
以上の構成の車両用シート10によれば、乗員は、前方( 図1でF方向)を向いた状態でシートクッション100に腰掛け、シートバック110 に背中から上体を預けて着座するようになっている。
図2に示すように、車両用シート10の背面にはハーネスH が配設されている。より詳細には、ハーネスHは、シートバック110の背面部において、車両フロアに向かって下方に配設されている。ハーネスHは、複数の電気配線をまとめて、コルゲートチューブで覆い、カプラを端部に取り付けたもので、振動モーターM等電装品に電力を供給するワイヤー線である。
より詳細には、図2に示すように、シートバックパッド140の背面側の所定位置に、運転手の居眠り防止用の振動モーターMが設置され、振動モーターMの発生する振動が運転手に伝えられ、運転手の運転中の居眠りを事前に防止できるようにしている。振動モーターMは、従来既知であり、詳しい説明は省略するが、後に説明するハーネスHを介して電源(たとえば、バッテリー)に接続されている。振動モーターMの振動により、振動モーターMに接続されているワイヤ状のハーネスH自体も振動することから、後に詳細に説明するように、シートバックフレーム160の共振防止、異音発生防止の観点から、ハーネスHは、振動モーターMと同様に、金属製シートフレームに直接固定されずに、シートバックパッド140の長溝16内に組付けられている。
図2ないし図4に示すように、シートバックパッド140の表面14には、内部にハーネスHが配策される長溝16が形成される。
長溝16には、少なくともその一部に、ハーネス保持部18が形成され、ハーネス保持部18は、長溝16の延び方向に交差する断面が、シートバックパッド140の表面14に向かって幅狭となり、シートバックパッド140の表面14に形成される溝開口部20が最小幅となるように構成される。
長溝16は、シートバックパッド140の背面において、振動モーターMから下方にシートバックパッド140の縁28まで連続状に延び、ハーネス保持部18は、長溝16の延び方向に互いに所定間隔dを設けて、複数設置される。なお、変形例として、長溝16は、シートバックパッド140の一方の縁から他方の縁まで横断するように延在するのでもよい。
所定間隔dは、ハーネスHの長溝16内への安定保持の観点から定めればよく、たとえば、長溝16の曲率の小さい部分は、間隔を狭めて配置し、曲率の大きい、あるいは直線部には、間隔を広げて配置してもよい。
図3(A)に示すように、ハーネス保持部18、長溝16の両縁において、互いに対向して設けられるのでもよいし、図3(B)に示すように、ハーネス保持部18は、長溝16の両縁において、長溝16の延び方向に互い違いに設けられるのでもよい。
断面形状は、溝開口部20に向かって先細の略U字状であり、溝底部26部がハーネスHの外周の一部に沿った形状とされる。
ハーネス保持部18の、長溝16の対向側面22の少なくとも一方を構成する部分は、溝開口部20に向かって他方の対向側面22に近づく張出部24を構成し、それにより、ハーネスHを溝開口部20を通じて長溝16内に押し込むことにより、ハーネスHは、長溝16内に保持される。
ハーネス保持部18の長溝16の延び方向長さ、および/または溝開口部20の幅W、および/または長溝16の溝深さLは、ハーネスHの径Dに応じて、設定される。
特に、溝深さLは、ハーネスHの径Dの2倍以下である。
たとえば、外装材を含むハーネスHの径は、φ7.0ミリないしφ10.0ミリで、溝開口部20の幅は、2ミリ、溝深さLは、15ミリである。
本発明のシートバックパッドの製造方法は以下の工程を少なくとも備える。
発泡原料(例えば、ポリウレタンフォーム原液組成物)を金型内に注入し、発泡・硬化させた後、型セットを解除し、成形物(シートバックパッド140) を型から取り出し、得られたシートバックパッド140 の表面に、振動モーターMを位置決めして仮固定し、ハーネスHを長溝16内に組付ける。
特に、シートバックパッドを成形する際、ハーネス保持部18を成形するのに、いわゆる捨て樹脂200を利用すればよい。より詳細には、ハーネス保持部18の長溝16の延び方向に交差する断面が溝開口部20に向かって幅狭であることから、金型のみを用いてハーネス保持部18を成形すると脱型の際、ハーネス保持部18の張出部24がちぎれ、金型側に残る可能性があることから、脱型時の作業性を確保するのに、捨て樹脂200を用いる。
捨て樹脂200は、図6に示すように、成形部210がハーネス保持部18と相補形状に成形され、裏面220に磁石(図示せず)が設けられ、金型に密着可能とされている。捨て樹脂200を金型に磁石により貼り付けて、パッド材料であるウレタンを発泡させ、ウレタン発泡後は、捨て樹脂200を金型から取り外し、その後に、成形されたパッドを脱型することにより、前述のようなハーネス保持部18の張出部24がちぎれ、金型側に残る可能性を排除することが可能であり、捨て樹脂200は脱型後に廃棄するのでもよい。
このような捨て樹脂200を利用することにより、ハーネス保持部18の長溝16の延び方向に交差する断面が溝開口部20に向かって幅狭となる度合いが高い場合であっても、上述の技術的問題点を回避することが可能である。
以上の構成を有する車両用シート10によれば、車両用シート10のシートバックパッド140の表面14に設けた長溝16にハーネスHを配策する際、シートバックパッド140の表面14に線状に延びる溝開口部20により、長溝16の位置が視認可能である(図4(A))とともに、ハーネス保持部18が、その長溝16の延び方向に交差する断面が、シートバックパッド140の表面14に向かって幅狭となり、溝開口部20が最小幅となるように構成されていることから、ハーネス保持部18の、長溝16の対向側面22の少なくとも一方を構成する部分は、溝開口部20に向かって他方の対向側面22に近づく張出部24を構成し、それにより、ハーネスHを溝開口部20を通じて長溝16内に押し込むことにより、ハーネスHは、張出部24により溝開口部20からの抜けが防止されて長溝16内に保持され、車両用シート10のシートバックパッド140の表面14に設けた長溝16にハーネスHを配策する際、長溝16の位置が容易に視認可能であるとともに、長溝16へのハーネスHの組付方法が簡便でありながら、ハーネスHの長溝16内への安定保持が可能である。
特に、複線を束ねた大径のハーネスHの場合、シートバックパッド140を変形して、溝開口部20を広げて、ハーネスHを長溝16内に収容することにより(図4(B))、張出部24を溝底部26の方に巻き込まずに、張出部24がそのまま維持される状態となるので、長溝16の溝底部26にハーネスHをあてがった状態で、ハーネスHの上方には、張出部24が張り出すので、張出部24によりハーネスHの長溝16からの抜けを防止して、長溝16内への安定保持が可能である(図4(C))。
以下に、本発明の第2実施形態について、図5を参照しながら説明する。以下の説明において、第1実施形態と同様な構成要素については、同様な参照番号を付することによりその説明は省略し、以下では、本実施形態の特徴部分について詳細に説明する。
本発明の第2実施形態の特徴は、ハーネス保持部18にあり、第1実施形態においては、ハーネスHを長溝16に組付ける際、ハーネス保持部18が形成する張出部24が、ハーネスHの溝開口部20からの抜けを防止する機能を奏するのに対して、本実施形態においては、張出部24が、長溝16内でハーネスHを挟み込み支持することにより、ハーネスHを長溝16内に安定保持する点にある。
より詳細には、ハーネスHを長溝16内に押し込む際にシートバックパッド140の表面14とハーネスHの外周面との間に生じる摩擦力に応じて、長溝16の断面形状が決定される。
より具体的には、ハーネスHのまわりを覆う表皮材の材質により定まる摩擦係数、及び張出部24によるハーネスHの挟み込み力により、ハーネスHに作用する摩擦力が影響されるところ、これらの影響因子を考慮して、ハーネスHの長溝16内への安定保持の観点から、長溝16の断面形状を定めればよく、たとえば、摩擦係数が高い場合には、張出部24の張出の度合いを小さくし、摩擦係数が低い場合には、張出部24の張出の度合いを大きくするのでもよい。
張出部24は、長溝16の溝底部26へ引き込み変形可能なように、溝開口部20の幅Wと長溝16の最大幅Wmaxとの差が設定され、それにより、ハーネスHを溝開口部20を通じて長溝16内に押し込む際、ハーネスHは、長溝16内で張出部24により挟み込み支持される。
以上の構成を有する車両用シート10によれば、車両用シート10のシートバックパッド140の表面14に設けた長溝16にハーネスHを配策する際、シートバックパッド140の表面14に線状に延びる溝開口部20により、長溝16の位置が視認可能である(図5(A))とともに、ハーネス保持部18が、その長溝16の延び方向に交差する断面が、シートバックパッド140の表面14に向かって幅狭となり、溝開口部20が最小幅となるように構成されていることから、シートバックパッド140の、長溝16の対向側面22それぞれを構成する部分は、溝底部26へ引き込み変形可能な張出部24を構成し(図5(B))、張出部24は、長溝16の溝底部26へ引き込み変形可能なように、溝開口部22の幅と長溝16の最大幅Wmaxとの差が設定され、それにより、ハーネスHを溝開口部20を通じて長溝16内に押し込む際、溝開口部20の縁28近傍のシートバックパッド140の表面部が、シートバックパッド140のハーネスHに対する押し付け部を形成することになり、長溝16の溝深さLを深くしなくても、ハーネスHは、長溝16内への単純な押し込みにより、溝開口部20の幅が拡大するとしても、長溝16内で両張出部24により挟み込み支持され(図5(C))、車両用シート10のシートバックパッド140の表面14に設けた長溝16にハーネスHを配策する際、長溝16の位置が容易な視認可能であるとともに、長溝16へのハーネスHの組付方法が簡便でありながら、ハーネスHの長溝16内への安定保持が可能である。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態において、車両用シートクッション体の具体例として自動車のシートバック110を取り上げ、シートバック110の背面に設置される振動モーターMに接続されるハーネスHを対象に説明したが、これに限定されることなく、自動車のシートクッション100に設置される電装品に接続されるハーネスHに適用してもよく、場合により、シートバック110およびシートクッション100に跨るように配策されるハーネスHに適用してもよい。
たとえば、本実施形態において、具体例として自動車の運転座席のシートバック110に設置される振動モーターMに接続されるハーネスHを対象に説明したが、これに限定されることなく、運転座席に設置される他の電装品、たとえば、シートバック110に内蔵されているリクライニング用のモータやランバーサポート、あるいはヒータ、センサーに接続されるハーネスHでもよく、また、自動車の運転座席のクッションシートに設けられる電装品に接続されるハーネスHでもよく、さらには、バック自動車の後部座席、場合により、3人用シート、さらには、電車、バス等の車両用シート10、飛行機、船等の乗物用シート等に利用されるものであっても良い。
たとえば、本実施形態において、シートバックパッド140の表面に設けられる、ハーネスHが組付けられる長溝16として、シートバックパッド140の一方の縁から他方の縁まで連続的に延びるものと説明したが、これに限定されることなく、シートバックパッド140の一方の縁から他方の縁まで延びるものでなくてもよく、また、長溝16が不連続状に、互いに間隔を隔てて複数設けられ、各長溝16において、ハーネス保持部18が設けられ、ハーネスHが長溝16内に組付けられる部分と、シートバックパッド140の表面に露出する部分とがあってもよい。
たとえば、本実施形態において、ハーネスHが長溝16の溝底に当たるまで長溝16内に押し込むものとして説明したが、これに限定されることなく、特に、張出部24がハーネスHを挟み込み支持する場合には、ハーネスHの長溝16への安定保持が可能である限り、必ずしも、ハーネスHが長溝16の溝底に当たるまで長溝16内に押し込む必要はない。
本発明の第1実施形態に係る車両用シートの全体側面図である。 同車両用シートの後方からの斜視図である。 図2におけるA部詳細部分図である。 図3の線B-Bに沿う断面であり、第1実施形態の長溝16にハーネスHを組付ける状況を示す概略部分図である。 第2実施形態の長溝16にハーネスHを組付ける状況を示す、図4と同様な、別の概略部分図である。 本実施形態のパッドを成形する際に用いる捨て樹脂の概略図である。
H ハーネス
W 溝開口部の幅
D ハーネスの径
L 溝深さ
S ハーネスの外周面
M 振動モーター
10 車両用シート
12 シートバックパッド
14 シートバックパッドの表面
16 長溝
18 ハーネス保持部
20 溝開口部
22 対向側面
24 張出部
26 溝底部
28 縁
100 シートクッション
110 シートバック
120 シートクッションパッド
130 シートクッション表皮
140 シートバックパッド
150 シートバック表皮
160 リクライニング軸
170 サイドフレーム
180 ヘッドレスト
200 捨て樹脂
210 成形部
220 裏面



Claims (10)

  1. ハーネスが配策される軟質性パッドを有する車両用シートクッション体であって、
    該軟質性パッドの表面には、内部にハーネスが配策される長溝が形成され、
    該長溝には、少なくともその一部に、ハーネス保持部が形成され、
    該ハーネス保持部は、該長溝の延び方向に交差する断面が、前記軟質性パッドの表面に向かって幅狭となり、該軟質性パッドの表面に形成される溝開口部が最小幅となるように、前記溝開口部に向かって先細の略U字状であり、前記長溝の溝底部がハーネスの外周の一部に沿った形状とされ、
    前記ハーネス保持部の、前記長溝の対向側面のそれぞれを構成する部分は、前記溝開口部に向かって他方の対向側面に近づく一対の張出部を構成し、
    前記一対の張出部それぞれは、ハーネスを前記溝開口部を通じて前記長溝内に挿入する際、前記対向側面同士が略平行となるように、前記溝開口部を押し広げる向きに変形可能である、ことを特徴とする車両用シートクッション体。
  2. ハーネスが配策される軟質性パッドを有する車両用シートクッション体であって、
    該軟質性パッドの表面には、内部にハーネスが配策される長溝が形成され、
    該長溝には、少なくともその一部に、ハーネス保持部が形成され、
    該ハーネス保持部は、該長溝の延び方向に交差する断面が、前記軟質性パッドの表面に向かって幅狭となり、該軟質性パッドの表面に形成される溝開口部が最小幅となるように構成され、
    前記ハーネス保持部の、前記長溝の対向側面のそれぞれを構成する部分は、前記溝開口部に向かって他方の対向側面に近づく一対の張出部を構成し、
    前記一対の張出部それぞれは、ハーネスを前記溝開口部を通じて前記長溝内に押し込む際、前記長溝の溝底部へ引き込み変形可能なように、前記溝開口部の幅と前記長溝の最大幅との差が設定され、それにより、ハーネスは、前記長溝内で該一対の張出部により挟み込み支持される、ことを特徴とする車両用シートクッション体。
  3. 前記ハーネス保持部の前記長溝の延び方向長さ、および/または前記溝開口部の幅、および/または前記長溝の溝深さは、ハーネスの径に応じて、設定される、請求項1または請求項2に記載の車両用シートクッション体。
  4. 前記溝深さは、ハーネスの径の2倍以下である、請求項3に記載の車両用シートクッション体。
  5. 前記ハーネスを前記長溝内に押し込む際に前記軟質性パッドの表面とハーネスの外周面との間に生じる摩擦力に応じて、前記長溝の前記断面形状が決定される、請求項2に記載の車両用シートクッション体。
  6. 前記断面形状は、前記溝開口部に向かって先細の略U字状であり、前記長溝の溝底部がハーネスの外周の一部に沿った形状とされる、請求項2に記載の車両用シートクッション体。
  7. 前記長溝は、前記軟質性パッドの縁から縁まで連続状に延び、前記ハーネス保持部は、前記長溝の延び方向に互いに所定間隔を設けて、複数設置される、請求項1に記載の車両用シートクッション体。
  8. 前記ハーネス保持部は、前記長溝の両縁において、前記長溝の延び方向に互い違いに設けられる、請求項7に記載の車両用シートクッション体。
  9. 前記ハーネス保持部は、前記長溝の両縁において、互いに対向して設けられる、請求項8に記載の車両用シートクッション体。
  10. シートクッションと、該シートクッションの後端に下端が連結されたシートバックとを有する車両用シートであって、該シートクッションおよび/または該シートバックが、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の車両用シートクッション体である車両用シート。


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