JP7282451B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
特許文献1および特許文献2には、モータを有する動力伝達装置が開示されている。
特開2013-221566号公報 特開2016-89860号公報
特許文献1の動力伝達装置は、回転伝達に関与する3つの回転軸が並列に並んでおり、縦方向(重力方向)にサイズアップしやすい(以下、3軸タイプと呼ぶこととする)。
特許文献2の動力伝達装置は、モータのロータが中空軸となっており、この中空軸の内部をドライブシャフトが貫通している。そのため、3軸タイプと比較して縦方向のサイズダウンが可能となるが、大きなカウンタギアを配置しているため、縦方向にサイズアップしてしまう(以下、2軸タイプと呼ぶこととする)。
この種の動力伝達装置では、モータを効率的に冷却できるようにすることが求められている。
本発明は、
モータと、
前記モータの下流に接続されたカウンタギアと、
前記カウンタギアの下流に接続された差動装置と、
前記モータ、前記カウンタギア及び前記差動装置を収容するケース部材と、を有し、
前記モータ、前記カウンタギア、前記差動装置は、前記モータの回転軸方向に沿ってこの順番で並んでおり、
前記カウンタギアは、中空軸部を有し、
前記中空軸部は、前記差動装置の外径側に配置されていると共に、前記差動装置側の一端部が前記ケース部材の第1の支持部で支持され、前記モータ側の他端部が前記ケース部材の第2の支持部で支持されており、
前記第1の支持部には、前記ケース部材の内部空間と、前記中空軸部の内部空間とを連通する連通路が設けられており、
前記第2の支持部には、前記モータの外周において前記回転軸方向に延在する潤滑油路が開口しており、
前記差動装置の回転によって掻き上げられた潤滑油の一部は、前記連通路から前記中空軸部内に流入し、前記潤滑油路を経由して、前記モータへ供給される構成の動力伝達装置とした。
本発明によれば、カウンタギアを利用して、モータに潤滑油が供給されるので、モータ冷却を促進することができる。
本実施形態にかかる動力伝達装置を説明する図である。 動力伝達装置のカウンタギア周りの拡大図である。 動力伝達装置1におけるモータの冷却構造を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態にかかる動力伝達装置1を説明する図である。
図2は、動力伝達装置1のカウンタギア5周りの拡大図である。
図1に示すように動力伝達装置1は、モータ2と、モータ2の出力回転を減速して差動装置6に入力するカウンタギア5(減速ギア)と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、を有している。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、カウンタギア5と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の出力回転は、カウンタギア5で減速されて差動装置6に入力された後、ドライブシャフト8(8A、8B)を介して、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。図1では、ドライブシャフト8Aが、動力伝達装置1を搭載した車両の左輪に回転伝達可能に接続されていると共に、ドライブシャフト8Bが、右輪に回転伝達可能に接続されている。
ここで、カウンタギア5は、モータ2の下流に接続されており、差動装置6は、カウンタギア5の下流に接続されており、ドライブシャフト8(8A、8B)は、差動装置6の下流に接続されている。
本実施形態では、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12と、外側ケース13と、内側ケース14で、動力伝達装置1の本体ケース9を構成している。
そして、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12で、モータ2のケース(第1ケース部材)を構成している。
外側ケース13と内側ケース14で、カウンタギア5と差動装置6を収容するケース(第2ケース部材)を構成している。
モータハウジング10の内径側で、外側カバー11と内側カバー12との間に形成される空間Saは、モータ2を収容するモータ室となっている。
外側ケース13と内側ケース14の間に形成される空間Sbは、カウンタギア5と差動装置6を収容するギア室となっている。
モータ2は、円筒状のモータシャフト20と、モータシャフト20に外挿された円筒状のロータコア21と、ロータコア21の外周を所定間隔で囲むステータコア25とを、有している。
モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bの挿通孔200を有する筒状部材であり、モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bに外挿されている。
モータシャフト20の挿通孔200は、長手方向の一端20a側の連結部201と、他端20b側の被支持部202が、回転軸X方向における連結部201と被支持部202との間の中間領域203よりも大きい内径で形成されている。
連結部201の内周および被支持部202の内周は、ドライブシャフト8Bに外挿されたニードルベアリングNB、NBで支持されている。
この状態において、モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bに対して相対回転可能に設けられている。
モータシャフト20では、一端20aから他端20b側に離れた位置の外周に、ベアリングB1が外挿されて固定されている。
図2に示すように、ベアリングB1は、モータシャフト20の外周に設けた段部205により、ロータコア21側(図中、右側)への移動が規制されている。
ベアリングB1の外周は、内側カバー12の内径側に位置するモータ支持部121で支持されている。この状態においてベアリングB1は、モータ支持部121の内周に設けた段部121aで、ロータコア21とは反対側(図中、左側)への移動が規制されている。
そのため、モータシャフト20では、ロータコア21から見て一端20a側に離れた位置の外周が、ベアリングB1を介して、内側カバー12の円筒状のモータ支持部121で回転可能に支持されている。
図1に示すように、モータシャフト20では、他端20b側の被支持部202の外周に、ベアリングB1が外挿されて固定されている。
モータシャフト20の他端20b側は、ベアリングB1を介して、外側カバー11の円筒状のモータ支持部111で回転可能に支持されている。
ロータコア21の外周を所定間隔で囲むモータハウジング10では、回転軸X方向の一端10aと他端10bに、シールリングS、Sが設けられている。モータハウジング10の一端10aは、当該一端10aに設けたシールリングSにより、内側カバー12の環状の接合部120に隙間なく接合されている。
モータハウジング10の他端10bは、当該他端10bに設けたシールリングSにより、外側カバー11の環状の接合部110に隙間なく接合されている。
この状態において、内側カバー12側のモータ支持部121は、後記するコイルエンド253aの内径側で、ロータコア21の一端部21aに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置される。
そして、外側カバー11側のモータ支持部111は、後記するコイルエンド253bの内径側で、ロータコア21の他端部21bに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置される。
モータハウジング10の内側では、外側カバー11側のモータ支持部111と、内側カバー12側のモータ支持部121との間に、ロータコア21が配置されている。
ロータコア21は、複数の珪素鋼板を積層して形成したものであり、珪素鋼板の各々は、モータシャフト20との相対回転が規制された状態で、モータシャフト20に外挿されている。
モータシャフト20の回転軸X方向から見て、珪素鋼板はリング状を成しており、珪素鋼板の外周側では、図示しないN極とS極の磁石が、回転軸X周りの周方向に交互に設けられている。
回転軸X方向におけるロータコア21の一端部21aは、モータシャフト20の大径部204で位置決めされている。ロータコア21の他端部21bは、モータシャフト20に圧入されたストッパ23で位置決めされている。
ステータコア25は、複数の電磁鋼板を積層して形成したものであり、電磁鋼板の各々は、モータハウジング10に固定されたリング状のヨーク部251と、ヨーク部251の内周からロータコア21側に突出するティース部252を、有している。
本実施形態では、巻線253を、複数のティース部252に跨がって分布巻きした構成のステータコア25を採用しており、ステータコア25は、回転軸X方向に突出するコイルエンド253a、253bの分だけ、ロータコア21よりも回転軸X方向の長さが長くなっている。
なお、ロータコア21側に突出する複数のティース部252の各々に、巻線を集中巻きした構成のステータコアを採用しても良い。
図2に示すように、モータシャフト20の一端20a側は、内側カバー12のモータ支持部121と、内側ケース14の円筒状の支持部141を、差動装置6側(図中、左側)に貫通している。
モータシャフト20の一端20a側の連結部201は、内側カバー12と外側ケース13との間に形成された空間Scを貫通して、外側ケース13と内側ケース14とを接合して形成した空間Sb(ギア室)内に位置している。
空間Sb内には、カウンタギア5と差動装置6が収容されていると共に、カウンタギア5と差動装置6を潤滑するための潤滑油OL(オイル)が貯留されている。
潤滑油OLは、動力伝達装置1の非駆動時に、重力方向における回転軸Xの下側に及ぶ高さ位置まで貯留されている。
内側ケース14の円筒状の支持部141の内周には、ベアリングB3が固定されており、モータシャフト20の一端20a側の外周は、ベアリングB3を介して、支持部141に支持されている。
モータシャフト20の一端20aは、後記する差動装置6の円筒状の支持部601の先端601aに、回転軸X方向の隙間をあけて対向している。
モータシャフト20では、一端20a側の連結部201の外周に、伝達ギア26がスプライン嵌合している。伝達ギア26は、モータシャフト20の一端20aに螺合したナットNにより、回転軸X方向の位置決めがされている。
伝達ギア26の外周には、カウンタギア5の大径歯車52が、回転伝達可能に噛合している。
カウンタギア5において大径歯車52は、円筒状の中空軸部51の外周にスプライン嵌合している。
中空軸部51の長手方向の一端部51aと他端部51bには、ベアリングB4が外挿されている。中空軸部51の一端部51aに外挿されたベアリングB4は、外側ケース13の円筒状の第2支持部135に挿入されている。中空軸部51の一端部51aは、ベアリングB4を介して、外側ケース13の第2支持部135で回転可能に支持されている。
中空軸部51の他端部51bに外挿されたベアリングB4は、内側ケース14の円筒状の第2支持部145に挿入されている。中空軸部51の他端部51bは、ベアリングB4を介して、内側ケース14の第2支持部145で回転可能に支持されている。
この状態において、カウンタギア5の中空軸部51は、回転軸Xに平行な軸線X1に沿って設けられている。
カウンタギア5の中空軸部51は、モータ2の出力回転が大径歯車52を介して入力されると、軸線X1回りに回転する。
中空軸部51では、大径歯車52から見て一端部51a側(図中、左側)に隣接して、パークギア53が設けられている。
図2に示すように、中空軸部51では、パークギア53から見て一端部51a側(図中、左側)に離れた位置に、小径歯車部511が設けられている。小径歯車部511は、中空軸部51と一体に形成されていると共に、大径歯車52の外径R1よりも小さい外径R2で形成されている(図1参照:R1>R2)。
小径歯車部511は、差動装置6のデフケース60に固定されたファイナルギアFGに回転伝達可能に噛合している。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転が、モータシャフト20と一体に回転する伝達ギア26と、伝達ギア26に噛合した大径歯車52とを介して、カウンタギア5に入力される。
カウンタギア5では、大径歯車52とパークギア53が中空軸部51の外周にスプライン嵌合していると共に、小径歯車部511が中空軸部51と一体に形成されている。
そのため、モータ2の出力回転が、大径歯車52を介してカウンタギア5に入力されると、パークギア53と小径歯車部511とが、大径歯車52と共に軸線X1回りに回転する。
そうすると、小径歯車部511が回転伝達可能に噛合するファイナルギアFGが、デフケース60に固定されているので、カウンタギア5の軸線X1回りの回転に連動して、デフケース60が回転軸X回りに回転する。
ここで、カウンタギア5では、小径歯車部511の外径R2が大径歯車52の外径R1よりも小さくなっている(図1参照)。
そして、カウンタギア5では、大径歯車52が、モータ2の出力回転の入力部となっており、小径歯車部511が、入力された回転の出力部となっている。
そうすると、カウンタギア5に入力された回転は、大きく減速されたのちに、デフケース60に出力される。
図2に示すように、デフケース60は、シャフト61と、かさ歯車62A、62Bと、サイドギア63A、63Bとを、内部に収納する中空状に形成されている。
デフケース60では、回転軸X方向(図中、左右方向)の両側部に、筒状の支持部601、602が設けられている。支持部601、602は、シャフト61から離れる方向に、回転軸Xに沿って延出している。
デフケース60の支持部602には、ベアリングB2が外挿されている。支持部602に外挿されたベアリングB2は、外側ケース13のリング状の第1支持部131で保持されており、デフケース60の支持部602は、ベアリングB2を介して、外側ケース13で回転可能に支持されている。
支持部602には、外側ケース13の開口部130を貫通したドライブシャフト8Aが、回転軸X方向から挿入されており、ドライブシャフト8Aは、支持部602で回転可能に支持されている。
開口部130の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Aの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Aの外周と開口部130の内周との隙間が封止されている。
デフケース60の支持部601には、ベアリングB2が外挿されている。支持部601に外挿されたベアリングB2は、支持部材15のリング状の支持部151で保持されている。
支持部材15は、支持部151の外周から、モータ2側(図中、右側)に延びる筒状部152と、筒状部152の先端側の開口を全周に亘って囲むフランジ部153とを有している。支持部材15のフランジ部153は、当該フランジ部153を貫通したボルトBにより、内側ケース14の支持部141に固定されている。
デフケース60の支持部601は、ベアリングB2を介して、支持部材15で回転可能に支持されている。本実施形態では、支持部材15が内側ケース14に固定されている。そのため、デフケース60の支持部601は、ベアリングB2と支持部材15を介して、固定側部材である内側ケース14で支持されている。
図1に示すように、デフケース60の支持部601には、外側カバー11の開口部114を貫通したドライブシャフト8Bが、回転軸X方向から挿入されている。
ドライブシャフト8Bは、モータ2のモータシャフト20と、カウンタギア5の大径歯車52の内径側と、伝達ギア26の内径側を、回転軸X方向に横切って設けられており、ドライブシャフト8Bの先端側が、支持部601で回転可能に支持されている。
外側カバー11の開口部114の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Bの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Bの外周と開口部114の内周との隙間が封止されている。
図2に示すように、デフケース60の内部では、ドライブシャフト8(8A、8B)の先端部の外周に、サイドギア63A、63Bがスプライン嵌合しており、サイドギア63A、63Bとドライブシャフト8(8A、8B)とが、回転軸X周りに一体回転可能に連結されている。
デフケース60には、回転軸Xに直交する方向に貫通した軸孔60a、60bが、回転軸Xを挟んで対称となる位置に設けられている。
軸孔60a、60bは、回転軸Xに直交する軸線Y上に位置しており、軸孔60a、60bには、シャフト61が挿入されている。
シャフト61は、ピンPでデフケース60に固定されており、シャフト61は、軸線Y周りの自転が禁止されている。
シャフト61は、デフケース60内において、サイドギア63A、63Bの間に位置しており、軸線Yに沿って配置されている。
デフケース60内においてシャフト61には、かさ歯車62A、62Bが外挿して回転可能に支持されている。
かさ歯車62A、62Bは、シャフト61の長手方向(軸線Y方向)で間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bは、互いの歯部を対向させた状態で配置されている。
シャフト61においてかさ歯車62A、62Bは、当該かさ歯車62A、62Bの軸心を、シャフト61の軸心と一致させて設けられている。
デフケース60内において、回転軸X方向におけるかさ歯車62A、62Bの両側には、サイドギア63A、63Bが位置している。
サイドギア63A、63Bは、互いの歯部を対向させた状態で、回転軸X方向に間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bとサイドギア63A、63Bとは、互いの歯部を噛合させた状態で組み付けられている。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達系路上に、ギア列(カウンタギア5、ファイナルギアFG)と差動装置6(かさ歯車62A、62B、サイドギア63A、63B)が設けられている。
動力伝達装置1の駆動時には、モータ2において発熱すると共に、ギア列(カウンタギア5)と差動装置6では、ギア同士が互いに噛合する部分(ギアの噛み合い部分)で発熱が生じる。
そのため、カウンタギア5と差動装置6を収容する第2ケース部材(外側ケース13、内側ケース14)の内部には、冷却用の媒体(潤滑油OL)が所定高さまで貯留されている。
そして、差動装置6が回転軸X回りに回転する際に、第2ケース部材内の潤滑油OLが、デフケース60により掻き上げられて、掻き上げられた潤滑油OLが、ギアの噛み合い部分に供給される。これにより、ギアの噛み合い部分で発生した熱を、掻き上げた潤滑油OLとの熱交換により回収して、ギアの噛み合い部分を冷却するようにしている。
さらに、本実施形態では、モータ2を収容する第1ケース部材(モータハウジング10、外側カバー11、内側カバー12)のモータハウジング10に、第2ケース部材内で掻き上げられた潤滑油OLの一部が通流する潤滑油路101が設けられている。
そして、潤滑油路101を通流する潤滑油OLを、モータ2の外周側から第1ケース部材内に供給することで、モータ2の駆動時に発生した熱を、潤滑油OLとの熱交換により回収して、モータ2を冷却するようにしている。
以下、モータ2を冷却するための構成を具体的に説明する。
図3は、動力伝達装置1におけるモータの冷却構造を説明する図である。図3の(a)は、動力伝達装置1のモータ2周りを拡大する図である。図3の(b)は、冷却用の潤滑油OLの流れを説明する図である。
図3の(a)に示すように、モータハウジング10の外周部では、潤滑油OLが通流する潤滑油路101が、モータハウジング10の径方向の厚みを利用して設けられている。
潤滑油路101は、回転軸Xに対して平行に設けられている。潤滑油路101は、
モータハウジング10の一端10aから他端10bの近傍まで及んで形成されている。
潤滑油路101では、後記する軸内油路510を介して供給される潤滑油OLが、モータハウジング10の一端10aから他端10b側に向けて通流する。
なお、以下の説明においては、回転軸X方向における潤滑油路101の位置を説明する便宜上、モータハウジング10の一端10a側に位置する潤滑油路101の領域を「手前側」、他端10b側に位置する潤滑油路101の領域を「奥側」とも標記する。
モータハウジング10の内部には、モータ2のロータコア21の外周を所定間隔で囲むステータコア25が設けられている。
ステータコア25では、リング状のヨーク部251の他端251bに、ステータコア25をモータハウジング10に固定するためのブラケット254が設けられている。
ブラケット254は、モータハウジング10の内周10cに沿ってステータコア25から離れる方向に延びる環状部254aと、環状部254aのステータコア25とは反対側の端部から外径側に伸びる連結部254bと、を有している。
ブラケット254は、連結部254bを貫通したボルトBにより、モータハウジング10の他端10bに固定されている。
この状態において、ヨーク部251は、モータハウジング10の内周10cとの間に隙間CLを確保した状態で、長手方向の一端251aを、モータハウジング10の内周のストッパ10dに回転軸X方向から圧接させている。
本実施形態では、ヨーク部251の外周251cと、モータハウジング10の内周10cとの間に、回転軸X方向の全長に亘って隙間CLが形成されている。
この隙間CLは、ヨーク部251の一端251a側がストッパ10dで閉じられていると共に、他端251b側が開口している。
図3の(b)に示すように、モータハウジング10には、潤滑油路101と、隙間CLとを連通させる油孔102(102a、102b、102c)が設けられている。
油孔102(102a、102b、102c)の各々は、それぞれ同じ内径で形成されている。
本実施形態では、潤滑油路101の奥側から、より多くの潤滑油OLが排出されるようにするために、奥側の油孔102aが他の油孔102b、102cよりも多くなるように設定している。
具体的には、一例として、油孔102aの数が最も多い4つであり、手前側の油孔102bと、手前側と奥側の間の中間領域の油孔102cが、それぞれ2つである。
さらに、奥側の油孔102aは、隣接する他の油孔102aとの間に間隔Daを設けられており、手前側の油孔102bは、隣接する他の油孔102bとの間に間隔Dbを設けられている。そして、中間領域の油孔102cは、隣接する油孔102a、102b、102cとの間に間隔Dcをあけて設けられている。
間隔Da、Db、Dcは、Da<Db<Dcとなるように設定されている。
そのため、ヨーク部251の外周251cと、モータハウジング10の内周10cとの間の隙間CLでは、潤滑油路101の奥側(油孔102aが設けられた領域)からの潤滑油OLの供給量が最も多くなる。そして、潤滑油路101の手前側(油孔102bが設けられた領域)からの潤滑油OLの供給量が次に多くなり、中間領域(油孔102cが設けられた領域)からの潤滑油OLの供給量が最も少なくなる。
ここで、油孔102が、軸線X1方向に等間隔で設けられていると、潤滑油路101の奥側に向かうにつれて、隙間CLに排出される潤滑油OLの量が少なくなる。そうすると、軸線X1方向における奥側において、モータ2の冷却が、手前側よりも不十分になる可能性がある。
ここで、ヨーク部251の外周251cと、モータハウジング10の内周10cとの間の隙間CLは、ヨーク部251の他端251b側で開口している。そのため、潤滑油路101の手前側から隙間CLに排出された潤滑油OLは、隙間CL内をヨーク部251の他端251b側(図中、右側)に向けて移動する。この潤滑油OLの移動の過程で、モータ2が冷却される。
本実施形態では、上記のような潤滑油OLの供給配分となるように、上記した間隔Da、Db、Dcを設定することで、モータ2が回転軸X方向により均等に冷却されるようにしている。
潤滑油路101には、モータハウジング10の一端10a側から、潤滑油OLが供給される。
図3の(a)に示すように、モータハウジング10の一端10aには、潤滑油路101を囲むボス部103が設けられている。ボス部103は、モータハウジング10における内側カバー12との接合部100から、カウンタギア5側(図中、左側)に突出している。
内側カバー12では、内側ケース14の第2支持部145との接合部120に、貫通孔120aが形成されている。貫通孔120aは、内側カバー12の接合部120を内側ケース14の第2支持部145に接合した際に、カウンタギア5の回転軸(軸線X1)と同心となる位置に設けられている。
潤滑油路101を囲むボス部103は、接合部120の貫通孔120aを軸線X1方向に貫通している。ボス部103の先端103aには、潤滑油路101を囲むシールリングSが設けられている。ボス部103は、先端103aに設けたシールリングSを、第2支持部145の開口145aを囲む凹部146に軸線X1方向から接触させている。
本実施形態では、モータハウジング10と内側カバー12と内側ケース14とを回転軸X方向で組み付けると、モータハウジング10内の潤滑油路101が、カウンタギア5の回転軸(軸線X1)の延長上に配置される。この状態において、潤滑油路101は、軸線X1と同心に配置されると共に、カウンタギア5の中空軸部51に開口を向けて配置される。
図2に示すように、カウンタギア5の中空軸部51には、軸内油路510が設けられている。軸内油路510は、中空軸部51の長手方向(軸線X1方向)の全長に亘って形成されている。
前記したように、中空軸部51の一端部51aは、ベアリングB4を介して外側ケース13の第2支持部135で支持されており、他端部51bは、ベアリングB4を介して、内側ケース14の第2支持部145で回転可能に支持されている。
軸内油路510の一端510aは、中空軸部51の一端部51a側で、第2支持部135で囲まれた空間S1に開口している。そして、軸内油路510の他端510bは、中空軸部51の他端部51b側で、第2支持部145で囲まれた空間S2に開口している。
外側ケース13では、第2支持部135の外周部から、軸線X1の径方向外側に延びる傾斜壁部136を有している。
図2に示すように、傾斜壁部136は、重力方向上側に延びていると共に、外径側(重力方向上側)に向かうにつれて内側ケース14に近づく方向(図中、右方向)に傾斜している。
傾斜壁部136と第2支持部135との接続部には、軸線X1を所定間隔で囲む環状壁139が設けられている。
環状壁139は、ベアリングB4を挿入可能な開口径で形成されている。環状壁139は、傾斜壁部136と第2支持部135との接続部から、モータ2側(図中、右側)に突出している。そのため、傾斜壁部136の内径側(軸線X1側)には、環状壁139が位置している。
第2支持部135には、環状壁139の外径側に開口する油路134が設けられている。
油路134は、第2支持部135内をモータ2から離れる方向(図中、左方向)に延びる第1油路134aと、第1油路134aと、第2支持部135の内側の空間S1とを連通させる第2油路134bと、から構成される。
外側ケース13では、傾斜壁部136の外径側の端部が、外周壁部137に接続されている。
外周壁部137は、カウンタギア5の外径側で軸線X1を所定間隔で囲むように設けられている。外周壁部137は、軸線X1に対して平行に設けられており、外周壁部137の内側ケース14側の端部には、内側ケース14の接合部148との接合部138が設けられている。
外側ケース13の接合部138は、内側ケース14の接合部148に回転軸X方向から接合している。内側ケース14は、接合部148からモータ2側(図中、右側)に延びる外周壁部147を有している。外周壁部147は、外側ケース13の外周壁部147の延長上で、軸線X1に対して平行に設けられている。外周壁部147もまた、カウンタギア5の外径側で軸線X1を所定間隔で囲むように設けられている。
かかる構成の動力伝達装置1の作用を説明する。
図1に示すように、動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、カウンタギア5と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の駆動により、ロータコア21が回転軸X回りに回転すると、ロータコア21と一体に回転するモータシャフト20を介して、カウンタギア5に回転が入力される。
カウンタギア5では、モータシャフト20の伝達ギア26に噛合する大径歯車52が、モータ2の出力回転の入力部となっており、デフケース60のファイナルギアFGに噛合する小径歯車部511が、入力された回転の出力部となっている。
ここで、カウンタギア5では、小径歯車部511の外径R2が大径歯車52の外径R1よりも小さくなっている(図1参照)。
そのため、カウンタギア5に入力された回転は、大きく減速されたのちに、小径歯車部511が噛合するファイナルギアFGを介して、デフケース60(差動装置6)に出力される。
そして、デフケース60が入力された回転で回転軸X回りに回転することにより、ドライブシャフト8(8A、8B)が回転軸X回りに回転する。これにより、モータ2の出力回転が、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
ここで、前記したように、カウンタギア5と差動装置6を収容する第2ケース部材(外側ケース13、内側ケース14)の内部には、冷却用の媒体(潤滑油OL)が所定高さまで貯留されている。
そして、動力伝達装置1の時には、第2ケース部材内の潤滑油OLが、回転軸X回りに回転する差動装置6(デフケース60)により掻き上げられる。
差動装置6(デフケース60)により掻き上げられてカウンタギア5側に供給された潤滑油OLの一部は、カウンタギア5の外周を囲む外周壁部137、147に到達する。
前記したように外周壁部137、147は、動力伝達装置1の車両への搭載状態を基準とした重力方向で、上側に位置している。そのため、外周壁部137、147に到達した潤滑油OLは、自重により、第2ケース部材(外側ケース13、内側ケース14)内を差動装置6側の下方に向けて移動、または落下する。
図2に示すように、外周壁部137、147に到達した潤滑油OLの一部は、外側ケース13の傾斜壁部136の内周を伝って軸線X1側の下方に移動する。
傾斜壁部136と第2支持部135との接続部には、モータ2側(図中、右側)に突出した環状壁139が設けられており、環状壁139の外径側には、油路134が開口している。
そのため、傾斜壁部136の内周を伝って軸線X1側の下方に移動した潤滑油OLは、油路134を通って、第2支持部135の内側の空間S1内に流入する。
空間S1には、カウンタギア5の軸内油路510が開口している。そのため、空間S1に流入した潤滑油OLは、軸内油路510を一端510aから他端510b側に向けて移動する。
軸内油路510の他端510bは、カウンタギア5の中空軸部51の他端部51bを支持する第2支持部15内の空間S2に開口しており、この空間S2には、モータハウジング10側の潤滑油路101が開口している。
そのため、軸内油路510を一端510aから他端510b側に向けて移動した潤滑油OLは、軸内油路510の延長上に位置する潤滑油路101に流入する。
潤滑油路101では、モータ2のヨーク部251の外径側の領域に油孔102(102a、102b、102c)が設けられている。
油孔102は、モータハウジング10の内周とヨーク部251の外周との間の隙間CLと、潤滑油路101とを連通させている。
そのため、潤滑油路101に流入した潤滑油OLが、油孔102を通って隙間CLに供給されて、発熱しているモータ2をヨーク部251の外周側から冷却する。
これにより、回転軸X回りに回転する差動装置6(デフケース60)が掻き上げた潤滑油OLの一部を、モータ2の外周側に供給して、モータ2の冷却に活用できる。
ここで、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12とで、発明にかかるケース部材を構成する。
外側ケース13の油路134と、中空軸部51の軸内油路510と、モータハウジング10の潤滑油路101と、モータハウジング10の内周10cとヨーク部251の外周251cとの隙間CLと、潤滑油路101と隙間CLとを連通させる油孔102で、動力伝達装置1におけるモータの冷却構造を構成している。
以上の通り、本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(1)動力伝達装置1は、
モータ2と、
モータ2の下流に接続されたカウンタギア5と、
モータ2を収容する第1ケース部材(モータハウジング10、外側カバー11、内側カバー12)と、を有する。
カウンタギア5は、中空軸部51を有すると共に、中空軸部51の内部に、回転軸(軸線X1)方向に貫通する軸内油路510が設けられている。
第1ケース部材では、モータ2の外周を囲むモータハウジング10に、モータ2の外周において回転軸X方向に延在する潤滑油路101が設けられている。
潤滑油路101は、モータ2のステータコア25(ヨーク部251)の外径側を回転軸X方向に横切って設けられている。
モータハウジング10には、潤滑油路101とモータハウジング10の内周10cとを連通させる油孔102が設けられている。
潤滑油OLが、中空軸部51内の軸内油路510と潤滑油路101と油孔102とを介して、モータ2の外周に供給されて、モータ2を冷却する。
このように構成すると、回転軸X方向に延在する潤滑油路101により、モータ2のステータコア25の所望の位置に潤滑油OLを供給できる設計が可能となる。
これにより、ステータコア25の特に高温になりやすい箇所に向けて、油孔102を設けることで、高温になりやすい箇所を効率的に潤滑(冷却)できる。
潤滑油路101は、長手方向を軸線X1方向に沿わせた向きで設けられている。そして、潤滑油路101と、中空軸部51内の軸内油路510は、軸線X1上で直列に配置されている。
このように配置された軸内油路510と潤滑油路101を介して、潤滑油OLがモータ2側に供給されるようにすると、軸内油路510と潤滑油路101の内部に、潤滑油OLが常に滞留する状態を作り出すことができる。
これにより、外側ケース13と内側ケース14との間の空間Sb(ギア室)に貯留される潤滑油OLの量が、軸内油路510と潤滑油路101の内部に滞留した分だけ少なくなる。すなわち、軸内油路510と潤滑油路101の両方を、潤滑油OLのキャッチタンクとして用いることができる。
そうすると、軸内油路510と潤滑油路101の内部に滞留した潤滑油OLの量に応じて、空間Sb(ギア室)内の潤滑油OLの高さ(油面レベル)が低くなる。
これにより、回転軸X回りに回転する差動装置6(デフケース60)で撹拌される潤滑油OLの量が少なくなる。
そうすると、動力伝達装置1を搭載した車両の走行時のデフケース60の撹拌抵抗を下げることができるので、モータ2に対する負荷が低減されて電費の向上が期待できる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(2)モータハウジング10(第1ケース部材)には、潤滑油路101と、モータハウジング10の内周10cとを連通させる油孔102a(奥側油孔)が設けられている。
潤滑油路101において油孔102aは、潤滑油路101における潤滑油OLの通流方向の下流側の領域(カウンタギア5側から見て奥側の領域)に設けられている。
油孔102aからモータハウジング10内に排出される潤滑油OLは、カウンタギア5側から見て奥側に位置するモータ2のステータコア25の奥側端部に供給されて、奥側端部を冷却する。
カウンタギア5は、潤滑油路101における潤滑油の通流方向で、潤滑油路101よりも上流側(手前側)に位置している。
カウンタギア5側から見てモータ2の奥側の領域は、潤滑油路101における潤滑油OLの通流方向の下流側に位置している。そのため、モータ2の奥側の領域は、潤滑油OLが供給され難い位置にあり、冷却され難い領域である。
上記のように、潤滑油路101における潤滑油OLの通流方向の下流側の領域(カウンタギア5側から見て奥側の領域)に油孔102aを設けることで、冷却され難いモータ2の奥側の領域に、潤滑油OLを積極的に供給できる。これにより、冷却され難いモータ2の奥側の領域の冷却効率を高めることができる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(3)モータハウジング10(第1ケース部材)には、潤滑油路101と、モータハウジング10の内周10cとを連通させる油孔102b(手前側油孔)が設けられている。
潤滑油路101において油孔102bは、潤滑油路101における潤滑油OLの通流方向の上流側の領域(カウンタギア5側から見て手前側の領域)に設けられている。
油孔102bからモータハウジング10内に排出される潤滑油OLは、カウンタギア5側から見て手前側に位置するモータ2のステータコア25の手前側端部に供給されて、手前側端部を冷却する。
カウンタギア5側から見てモータ2の手前側の領域は、潤滑油路101における潤滑油OLの通流方向の上流側に位置している。上記のように構成すると、モータ2の手前側の領域に潤滑油OLを供給できる。これにより、モータ2の手前側の領域の冷却効率を高めることができる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(4)モータ2のステータコア25(ヨーク部251)と、モータハウジング10(第1ケース部材)との間に、回転軸Xの径方向の隙間CL(クリアランス)が設けられている。
油孔102(102a、102b、102c)から排出される潤滑油OLは、ヨーク部251の外周251cと、モータハウジング10の内周10cとの間の隙間CLに供給されて、ステータコア25(ヨーク部251)を外径側から冷却する。
モータ2のステータコア25を、モータハウジング10(第1ケース部材)の内周に圧入するのではなく、ステータコア25と、モータハウジング10との間に隙間CLを設けることで、ステータコア25からモータハウジング10側への熱伝導を低減できる。
さらに、隙間CL(クリアランス)に潤滑油OLを供給することで、ステータコア25の外周を通過する潤滑油OLで、ステータコア25を冷却できるので、モータ2の冷却効率が向上する。
加えて、隙間CL(クリアランス)に潤滑油OLを供給して、隙間CL内を潤滑油OLで満たすことで、モータ2の振動に対するダンピング効果を与えることにつながるので好ましい。
特に、モータハウジング10の内周10cと、モータ2のステータコア25(ヨーク部251)との隙間CLは、カウンタギア5側から見て手前側の領域が閉じられていると共に奥側の領域が開口している。
そのため、油孔102bから隙間CLに排出された潤滑油OLは、カウンタギア5側から見て手前側の領域から奥側の領域に移動したのちに、隙間CLから排出される。
これにより、油孔102bから隙間CLに排出された潤滑油OLが、カウンタギア5側から見て手前側の領域から奥側の領域に移動する過程で、モータ2を冷却する。
油孔102a、102bを併用することで、冷却され難いモータ2の奥側の領域の冷却効率を確保しつつ、モータ2の全体を冷却できる。
ここで、本明細書における用語「下流に接続」とは、上流に配置された部品から下流に配置された部品へと動力が伝達される接続関係にあることを意味する。
例えば、モータ2の下流に接続されたカウンタギア5という場合は、モータ2からカウンタギア5へと動力が伝達されることを意味する。
また、本明細書における用語「直接接続」とは、他の減速機構、増速機構、変速機構などの減速比が変換される部材を介さずに部材同士が動力伝達可能に接続されていることを意味する。
前記した実施形態では、潤滑油路101の奥側から、より多くの潤滑油OLが排出されるようにするために、以下のようにした。
(a)油孔102(102a、102b、102c)の各々を、それぞれ同じ内径で形成すると共に、奥側の油孔102aの数を、他の油孔102b、102cよりも多くした。
この構成に代えて、潤滑油路101の奥側に位置する油孔102程、内径が大きくなるようにして、より多くの潤滑油OLが潤滑油路101の奥側から排出されるようにしても良い。
前記した実施形態では、回転軸X回りに回転するデフケース60が掻き上げられた潤滑油が、軸内油路510に導かれて、軸内油路510から潤滑油路101に供給される場合を例示した。
例えば、動力伝達装置1が、オイルポンプOPを搭載している場合には、以下のような構成としても良い。
・外側ケース13内に、オイルポンプOPと、外側ケース13の第2支持部135で囲まれた空間S1とを連通させる油路を設ける。
・オイルポンプOPが吐出する潤滑油OLを、軸内油路510を介して潤滑油路101に供給して、モータ2を冷却する。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、これら実施形態に示した態様のみに限定されるものではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
1 動力伝達装置
10 モータハウジング
100 接合部
101 潤滑油路
102(102a、102b、102c) 油孔
103 ボス部
10c 内周
10d ストッパ
11 外側カバー
110 接合部
111 モータ支持部
114 開口部
12 内側カバー
120 接合部
120a 貫通孔
121 モータ支持部
13 外側ケース
130 開口部
131 第1支持部
134 油路
134a 第1油路
134b 第2油路
135 第2支持部
136 傾斜壁部
137 外周壁部
138 接合部
139 環状壁
14 内側ケース
141 支持部
145 第2支持部
145a 開口
146 凹部
147 外周壁部
148 接合部
15 支持部材
151 支持部
152 筒状部
153 フランジ部
2 モータ
20 モータシャフト
200 挿通孔
201 連結部
202 被支持部
203 中間領域
204 大径部
21 ロータコア
25 ステータコア
251 ヨーク部
251c 外周
252 ティース部
253 巻線
253a、253b コイルエンド
254 ブラケット
26 伝達ギア
5 カウンタギア
51 中空軸部
510 軸内油路
511 小径歯車部
52 大径歯車
6 差動装置
60 デフケース
601、602 支持部
61 シャフト
62A、62B かさ歯車
63A、63B サイドギア
8(8A、8B) ドライブシャフト
9 本体ケース
B ボルト
B1、B2、B3、B4 ベアリング
CL 隙間
FG ファイナルギア
N ナット
NB ニードルベアリング
OL 潤滑油
P ピン
RS リップシール
S シールリング
Sa 空間(モータ室)
Sb 空間(ギア室)
X 回転軸
X1、Y 軸線

Claims (4)

  1. モータと、
    前記モータの下流に接続されたカウンタギアと、
    前記カウンタギアの下流に接続された差動装置と、
    前記モータ、前記カウンタギア及び前記差動装置を収容するケース部材と、を有し、
    前記モータ、前記カウンタギア、前記差動装置は、前記モータの回転軸方向に沿ってこの順番で並んでおり、
    前記カウンタギアは、中空軸部を有し、
    前記中空軸部は、前記差動装置の外径側に配置されていると共に、前記差動装置側の一端部が前記ケース部材の第1の支持部で支持され、前記モータ側の他端部が前記ケース部材の第2の支持部で支持されており、
    前記第1の支持部には、前記ケース部材の内部空間と、前記中空軸部の内部空間とを連通する連通路が設けられており、
    前記第2の支持部には、前記モータの外周において前記回転軸方向に延在する潤滑油路が開口しており、
    前記差動装置の回転によって掻き上げられた潤滑油の一部は、前記連通路から前記中空軸部内に流入し、前記潤滑油路を経由して、前記モータへ供給されることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1において、
    前記カウンタギア側から見た奥側に位置する前記モータのステータの奥側端部に、前記潤滑油路を介して潤滑油を供給する奥側油孔が前記ケース部材に設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記カウンタギア側から見た手前側に位置する前記モータのステータの手前側端部に、前記潤滑油路を介して潤滑油を供給する手前側油孔が前記ケース部材に設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記モータのステータと前記ケース部材とは径方向にクリアランスを有し、
    前記潤滑油路を介して前記クリアランスに潤滑油を供給する油孔が前記ケース部材に設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
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