JP7282100B2 - ポリビニルアルコールフィルム及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリビニルアルコール(A)、ノニオン系界面活性剤(B)及びアニオン系界面活性剤(C)を含有するポリビニルアルコールフィルム及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法に関する。
ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記することがある)フィルムは、透明性、光学特性、機械的強度、水溶性などに関するユニークな性質を利用して様々な用途に使用されている。特に、その優れた光学特性を利用して、液晶ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である偏光板を構成する偏光フィルムの製造原料(原反フィルム)としてPVAフィルムが使用されており、その用途が拡大している。LCD用偏光板には高い光学性能が求められ、その構成要素である偏光フィルムに対しても高い光学性能が要求される。
偏光板は、一般的に、原反のPVAフィルムに染色、一軸延伸、および必要に応じてホウ素化合物等による固定処理等を施して偏光フィルムを製造した後、当該偏光フィルムの表面に三酢酸セルロース(TAC)フィルムなどの保護膜を貼り合わせることによって製造される。そして、原反のPVAフィルムは、一般的に、キャスト製膜法等のPVAを含む製膜原液を乾燥させる方法によって製造される。
これまでにPVAフィルムやその製造方法に関する多くの技術が知られている。特許文献1には、界面活性剤として鎖数が2のポリオキシエチレンラウリルアミンを含むPVA樹脂水溶液を調製し、前記PVA樹脂水溶液を30~120秒の接触時間でドラム型ロールと接触させてキャスト法により製膜し、前記PVA水溶液中の水分の蒸発速度を15~30重量%/分とすることにより、水分率5重量%以下のPVAフィルムを得たことが記載されている。これによれば、搬送性能に優れ、光学欠点のないPVAフィルムを得ることができるとされている。
また、特許文献2には、PVA樹脂、硫酸エステル塩型アニオン系界面活性剤(a)としてドデシル硫酸ナトリウム、エーテル型ノニオン系界面活性剤(b)としてポリオキシエチレンドデシルエーテル、及び含窒素型ノニオン系界面活性剤(c)としてラウリン酸ジエタノールアミドを含むPVAフィルムが記載されている。これによれば、光学的スジや光学的色ムラ等のない優れた光学特性を有し、かつ耐ブロッキング性に優れた効果を発揮できるとされている。
更に、特許文献3には、PVA樹脂、エーテル型ノニオン系界面活性剤(a)としてポリオキシエチレンドデシルエーテル、及び二種類の含窒素型ノニオン系界面活性剤(b)としてポリオキシエチレンドデシルアミンとラウリン酸ジエタノールアミドを含有するPVAフィルムが記載されている。これによれば、光学的スジ等のない優れた光学特性を有し、かつ耐ブロッキング性に優れた効果を発揮できるとされている。
特開2011-245872号公報 特開2005-206809号公報 特開2005-206810号公報
しかしながら、特許文献1~3で得られるPVAフィルムでは、活性剤凝集物が形成され、Haze(ヘイズ)が悪化することになり、改善が求められていた。また、特許文献2、3のように、ノニオン系界面活性剤として3級アミド型のラウリン酸ジエタノールアミドを用いた場合には、その耐加水分解性(耐熱性)が低いことにより配合量を多大にする必要があり、経済性の観点から改善の余地があった。また、3級アミド型のノニオン系界面活性剤を多量に配合すると、その分解物が滞留しやすく製膜工程中の汚れが発生しやすくなり、生産性の観点からも改善の余地があった。
そこで、本願発明者らが鋭意検討したところ、2級アミド型のノニオン系界面活性剤は、3級アミド型のノニオン系界面活性剤と比較して耐熱性が優れることが見出された。すなわち、PVAフィルム製造時における経済性及び生産性の観点からは、2級アミド型のノニオン系界面活性剤を用いることが好ましいということである。しかしながら、2級アミド型のノニオン系界面活性剤を単独で用いた場合には、得られるPVAフィルムにおいて、活性剤凝集物の個数が多く、ヘイズの値が高く、光学欠陥が発生することを本願発明者らは確認している。したがって、本発明は、耐熱性の高い2級アミド型のノニオン系界面活性剤を用いた場合であっても、活性剤凝集物の個数が少なく、ヘイズの値が低く、光学欠陥が少なく、延伸倍率が高く、偏光フィルムに加工した際の偏光性能も良好なPVAフィルム、及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題は、ポリビニルアルコール(A)、ノニオン系界面活性剤(B)及びアニオン系界面活性剤(C)を含有するポリビニルアルコールフィルムであって、
ノニオン系界面活性剤(B)が下記式(I)で示される2級アミド型の脂肪族アルカノールアミドであり、
ノニオン系界面活性剤(B)の含有量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して0.01~0.12質量部であり、
アニオン系界面活性剤(C)の含有量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して0.01~0.24質量部であるポリビニルアルコールフィルムを提供することによって解決される。
Figure 0007282100000001
[式(I)中、Rは炭素数8~18のアルキル基であり、ポリオキシエチレン鎖数(n)が2~10である。]
このとき、ノニオン系界面活性剤(B)とアニオン系界面活性剤(C)の合計含有量(B+C)が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して、0.05~0.24質量部であることが好ましい。
また、ノニオン系界面活性剤(B)とアニオン系界面活性剤(C)の含有質量比率(B:C)が20:80~80:20であることが好ましい。
フィルム幅が1.5m以上であることが好ましい。フィルムの長さが3000m以上であることも好ましい。フィルム厚みが10~70μmであることも好ましい。
上記課題は、上記ポリビニルアルコールフィルムを染色する工程及び延伸する工程を有する偏光フィルムの製造方法を提供することによっても解決される。
上記課題は、ポリビニルアルコール(A)、ノニオン系界面活性剤(B)及びアニオン系界面活性剤(C)を含有するポリビニルアルコールフィルムの製造方法であって、
ポリビニルアルコール(A)、ノニオン系界面活性剤(B)及びアニオン系界面活性剤(C)を配合して製膜原液を調製する工程と、
当該製膜原液を用いて製膜する工程とを有し、
ノニオン系界面活性剤(B)が下記式(I)で示される2級アミド型の脂肪族アルカノールアミドであり、
前記製膜原液におけるノニオン系界面活性剤(B)の配合量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して0.01~0.12質量部であり、
前記製膜原液におけるアニオン系界面活性剤(C)の配合量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して0.01~0.24質量部である製造方法を提供することによっても解決される。
Figure 0007282100000002
[式(I)中、Rは炭素数8~18のアルキル基であり、ポリオキシエチレン鎖数(n)が2~10である。]
本発明のPVAフィルムは、活性剤凝集物の個数が少なく、ヘイズの値が低く、光学欠陥が少なく、延伸倍率が高い。したがって、当該PVAフィルムを原反として用いることによって、光学性能が良好な偏光フィルムが得られる。また、ノニオン系界面活性剤(B)が耐熱性の高い2級アミド型であることにより、PVAフィルム製造時における経済性及び生産性が優れている。
本発明のPVAフィルムは、ポリビニルアルコール(A)(以下、PVA(A)と略記することがある)、下記式(I)で示されるノニオン系界面活性剤(B)及びアニオン系界面活性剤(C)を含有する。
Figure 0007282100000003
[式(I)中、Rは炭素数8~18のアルキル基であり、ポリオキシエチレン鎖数(n)が2~10である。]
本発明のPVAフィルムにおいては、PVA(A)に対して上記式(I)で示されるノニオン系界面活性剤(B)と、アニオン系界面活性剤(C)を所定の含有量で併用することが重要である。本発明者らは、PVA(A)に対して上記式(I)で示されるノニオン系界面活性剤(B)を単独で使用した場合、活性剤凝集物の個数が多く、ヘイズの値が高く、光学欠陥が発生することを確認している。また本発明者らは、PVA(A)に対してアニオン系界面活性剤(C)を単独で使用した場合、表面張力を低減させる能力が不十分であり工程通過性が悪くなるとともに、PVAフィルムに光学欠陥が発生することを確認している。
本発明では、PVA(A)に対して上記式(I)で示されるノニオン系界面活性剤(B)と、アニオン系界面活性剤(C)を所定の含有量で併用することによって、活性剤凝集物の個数が少なく、ヘイズの値が低く、光学欠陥が少なく、延伸倍率が高く、偏光フィルムに加工した際の偏光性能も良好なPVAフィルムを得ることができる。また、ノニオン系界面活性剤(B)が耐熱性の高い2級アミド型であることにより、PVAフィルム製造時における経済性及び生産性が優れている。
本発明で用いられるノニオン系界面活性剤(B)は上記式(I)で示される2級アミド型の脂肪族アルカノールアミドである。本発明者らが検討した結果、2級アミド型の脂肪族アルカノールアミドは、耐熱性に優れていることがわかった。したがって、2級アミド型の脂肪族アルカノールアミドをノニオン系界面活性剤(B)として用いることにより、活性剤凝集物の個数が少なくヘイズの値が低く膜面品質の高いPVAフィルムを連続的に生産することができる。かかる観点から、ノニオン系界面活性剤(B)として、上記式(I)で示される2級アミド型の脂肪族アルカノールアミドを用いるメリットが大きい。
[PVA(A)]
PVA(A)としては、ビニルエステルを重合して得られるビニルエステル系重合体をけん化することにより製造されたものを使用することができる。ビニルエステルとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等を挙げることができる。これらは1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよいが前者が好ましい。入手性、コスト、PVA(A)の生産性などの観点からビニルエステルとして酢酸ビニルが好ましい。
ビニルエステルと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、エチレン;プロピレン、1-ブテン、イソブテン等の炭素数3~30のオレフィン;アクリル酸またはその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸i-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸i-ブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸2-エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸またはその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸i-プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸i-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸2-エチルへキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N-メチロールアクリルアミドまたはその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N-メチロールメタクリルアミドまたはその誘導体等のメタクリルアミド誘導体;N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン等のN-ビニルアミド;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、i-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、i-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;イタコン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどを挙げることができる。これらの他のモノマーは1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。中でも、他のモノマーとして、エチレンおよび炭素数3~30のオレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。
前記ビニルエステル系重合体に占める上記他のモノマーに由来する構造単位の割合に特に制限はないが、ビニルエステル系重合体を構成する全構造単位のモル数に基づいて、15モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
PVA(A)の重合度に必ずしも制限はないが、重合度が下がるにつれてフィルム強度が低下する傾向があることから200以上であることが好ましく、より好適には300以上、更に好適には400以上、特に好適には500以上である。また、重合度が高すぎるとPVA(A)の水溶液あるいは溶融したPVA(A)の粘度が高くなり、製膜が難しくなる傾向があることから、10,000以下であることが好ましく、より好適には9,000以下、更に好適には8,000以下、特に好適には7,000以下である。ここでPVA(A)の重合度とは、JIS K6726-1994の記載に準じて測定される平均重合度を意味し、PVA(A)を再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から次式により求められる。
重合度 = ([η]×10/8.29)(1/0.62)
PVA(A)のけん化度に特に制限はなく、例えば60モル%以上のPVA(A)を使用することができるが、偏光フィルム等の光学フィルム製造用の原反フィルムとして使用する観点から、PVA(A)のけん化度は95モル%以上であることが好ましく、98モル%以上であることがより好ましく、99モル%以上であることが更に好ましい。ここでPVA(A)のけん化度とは、PVA(A)が有する、けん化によってビニルアルコール単位に変換され得る構造単位(典型的にはビニルエステル系モノマー単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対して当該ビニルアルコール単位のモル数が占める割合(モル%)を意味する。PVA(A)のけん化度は、JIS K6726-1994の記載に準じて測定することができる。
PVA(A)は、1種のPVAを単独で用いてもよいし、重合度、けん化度、変性度などが異なる2種以上のPVAを併用してもよい。但し、PVAフィルムが、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性官能基を有するPVA;酸無水物基を有するPVA;アミノ基等の塩基性官能基を有するPVA;これらの中和物など、架橋反応を促進させる官能基を有するPVAを含有すると、PVA分子間の架橋反応によって当該PVAフィルムの二次加工性が低下することがある。したがって、光学フィルム製造用の原反フィルムのように、優れた二次加工性が求められる場合においては、PVA(A)における、酸性官能基を有するPVA、酸無水物基を有するPVA、塩基性官能基を有するPVAおよびこれらの中和物の含有量はそれぞれ0.1質量%以下であることが好ましく、いずれも含有しないことがより好ましい。
前記PVAフィルムにおけるPVA(A)の含有率は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが更に好ましい。
[ノニオン系界面活性剤(B)]
本発明においては、ノニオン系界面活性剤(B)が下記式(I)で示される2級アミド型の脂肪族アルカノールアミドであることが重要である。
Figure 0007282100000004
[式(I)中、Rは炭素数8~18のアルキル基であり、ポリオキシエチレン鎖数(n)が2~10である。]
上記式(I)中、Rは炭素数8~18のアルキル基である。前記アルキル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよいが、直鎖であることが好ましい。Rの炭素数(アルキル鎖長)が8未満の場合、PVAフィルムに光学欠陥が多数発生する。Rの炭素数(アルキル鎖長)は9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。一方、Rの炭素数(アルキル鎖長)が18を超える場合、PVAフィルムにおいて活性剤凝集物の個数が多くなる、ヘイズの値が高くなる、という問題が発生する。Rの炭素数(アルキル鎖長)は15以下であることが好ましく、13以下であることがより好ましい。
上記式(I)中、ポリオキシエチレン鎖数(n)は2~10である。ポリオキシエチレン鎖数(n)をこの範囲とすることにより、後述するアニオン系界面活性剤(C)と併用した際に、PVAフィルムにおいて活性剤凝集物の形成が抑制される。ポリオキシエチレン鎖数(n)が2未満の場合、PVAフィルムにおいて活性剤凝集物の個数が多くなる、ヘイズの値が高くなる、という問題が発生する。ポリオキシエチレン鎖数(n)は4以上であることが好ましい。一方、ポリオキシエチレン鎖数(n)が10を超える場合、PVAフィルムに光学欠陥が多数発生する。ポリオキシエチレン鎖数(n)は、8以下であることが好ましい。
上記式(I)で示されるノニオン系界面活性剤(B)の含有量は、PVA(A)100質量部に対して0.01~0.12質量部である。ノニオン系界面活性剤(B)の含有量が0.01質量部未満の場合、表面張力を低減させる能力が不十分であり工程通過性が悪くなるとともにPVAフィルムに光学欠陥が多数発生する。ノニオン系界面活性剤(B)の含有量は0.02質量部以上であることが好ましい。一方、ノニオン系界面活性剤(B)の含有量が0.12質量部を超える場合、PVAフィルムにおいて活性剤凝集物の個数が多くなる、ヘイズの値が高くなる、という問題が発生する。ノニオン系界面活性剤(B)の含有量は、0.1質量部以下であることが好ましく、0.08質量部以下であることがより好ましく、0.06質量部以下であることが更に好ましい。本発明で用いられるノニオン系界面活性剤(B)は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アニオン系界面活性剤(C)の含有量は、PVA(A)100質量部に対して0.01~0.24質量部である。アニオン系界面活性剤(C)の含有量が0.01質量部未満の場合、活性剤凝集物の個数が多くなる、ヘイズの値が高くなる、という問題が発生する。また、限界延伸倍率が低下する。アニオン系界面活性剤(C)の含有量は、0.02質量部以上であることが好ましく、0.03質量部以上であることがより好ましい。一方、アニオン系界面活性剤(C)の含有量が0.24質量部を超える場合、活性剤凝集物の個数が多くなるだけでなく、PVAフィルムに気泡が混入するという問題が発生するおそれがある。アニオン系界面活性剤(C)の含有量は、0.18質量部以下であることが好ましく、0.16質量部以下であることがより好ましく、0.14質量部以下であることが更に好ましく、0.12質量部以下であることが特に好ましい。
アニオン系界面活性剤(C)としては特に限定されないが、硫酸エステル塩型及びスルホン酸塩型からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記硫酸エステル塩型としては、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、アルキル硫酸アンモニウム、アルキル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。前記アルキルとしては、炭素数8~20のアルキルが好ましく、炭素数10~16のアルキルがより好ましい。
前記スルホン酸塩型としては、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸カリウム、アルキルスルホン酸アンモニウム、アルキルスルホン酸トリエタノールアミン、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸二ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸二ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム等が挙げられる。前記アルキルとしては、炭素数8~20のアルキルが好ましく、炭素数10~16のアルキルがより好ましい。
上記の界面活性剤は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、表面張力を低減させる能力と工程通過性の観点から、アニオン系界面活性剤(C)が硫酸エステル塩型であることが好ましい。
本発明において、上記式(I)で示されるノニオン系界面活性剤(B)と、アニオン系界面活性剤(C)の合計含有量(B+C)が、PVA(A)100質量部に対して、0.05~0.24質量部であることが好ましい。合計含有量(B+C)が0.05質量部未満の場合、表面張力を低減させる能力が不十分であり工程通過性が悪くなるとともに、PVAフィルムに光学欠陥が多数発生するおそれがある。合計含有量(B+C)は、0.06質量部以上であることがより好ましい。一方、合計含有量(B+C)が0.24質量部を超える場合、PVAフィルムの活性剤凝集物の個数が多くなる、ヘイズの値が高くなる、という問題が発生するおそれがある。合計含有量(B+C)は、0.22質量部以下であることがより好ましく、0.2質量部以下であることが更に好ましく、0.15質量部以下であることが特に好ましい。
本発明において、上記式(I)で示されるノニオン系界面活性剤(B)と、アニオン系界面活性剤(C)との含有質量比率(B:C)が20:80~80:20であることが好ましい。含有質量比率(B:C)が、20:80未満の場合、PVAフィルムに光学欠陥が多数発生するおそれがある。含有質量比率(B:C)は、25:75以上であることがより好ましく、30:70以上であることが更に好ましい。一方、含有質量比率(B:C)が、80:20を超える場合、PVAフィルムの活性剤凝集物の個数が多くなる、ヘイズの値が高くなる、という問題が発生するおそれがある。また、限界延伸倍率が低下するおそれがある。含有質量比率(B:C)は、75:25以下であることがより好ましく、70:30以下であることが更に好ましい。
[PVAフィルム]
PVAフィルムに柔軟性を付与させることができる観点から、本発明のPVAフィルムは可塑剤を含有することが好ましい。好ましい可塑剤としては多価アルコールが挙げられ、具体的には、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。これらは1種の可塑剤のみを用いてもよいし、2種以上の可塑剤を併用してもよい。中でも、PVA(A)との相溶性や入手性などの観点から、エチレングリコールまたはグリセリンが好ましい。
可塑剤の含有量は、PVA(A)100質量部に対して1~30質量部の範囲内であることが好ましい。可塑剤の含有量が1質量部以上であると衝撃強度などの機械的物性や二次加工時の工程通過性に問題が生じ難い。一方、可塑剤の含有量が30質量部以下であるとフィルムが適度に柔軟になり、取り扱い性が向上する。
本発明のPVAフィルムは、PVA、界面活性剤および可塑剤以外の他の成分を、必要に応じて更に含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば、水分、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、充填剤(無機物粒子・デンプン等)、防腐剤、防黴剤、上記した成分以外の他の高分子化合物などが挙げられる。PVAフィルム中の他の成分の含有量は10質量%以下が好ましい。
本発明のPVAフィルムの幅に特に制限はない。近年幅広の偏光フィルムが求められていることから、当該幅は1.5m以上であることが好ましい。また、PVAフィルムの幅があまりに広すぎると、PVAフィルムを製膜するための製膜装置の製造費用が増加したり、更には、実用化されている製造装置で光学フィルムを製造する場合において均一に延伸することが困難になったりすることがあることから、通常、PVAフィルムの幅は7.5m以下である。
本発明のPVAフィルムの形状は特に制限されないが、より均一なPVAフィルムを連続して円滑に製造することができる点や、光学フィルム等を製造する際に連続して使用する点などから、長尺のフィルムであることが好ましい。長尺のフィルムの長さ(流れ方向の長さ)は特に制限されず、適宜設定することができる。フィルムの長さは、3000m以上であることが好ましい。一方、フィルムの長さは、30000m以下であることが好ましい。長尺のフィルムはコアに巻き取るなどしてフィルムロールとすることが好ましい。
本発明のPVAフィルムの厚みは特に制限されず、適宜設定することができる。偏光フィルム等の光学フィルム製造用の原反フィルムとして使用する観点から、フィルムの厚みは、10~70μmであることが好ましい。なお、PVAフィルムの厚みは、任意の10ヶ所において測定された値の平均値として求めることができる。
本発明のPVAフィルムのヘイズ及び活性剤凝集物の個数は、下記の実施例に記載の方法により測定される。かかるヘイズの値は、0.5以下であることが好ましく、0.4以下であることがより好ましい。また、かかる活性剤凝集物の個数は、550個以下であることが好ましく、420個以下であることがより好ましく、300個以下であることが更に好ましい。
本発明のPVAフィルムの製造方法は特に限定されないが、好適な製造方法は、ポリビニルアルコール(A)、ノニオン系界面活性剤(B)及びアニオン系界面活性剤(C)を含有するポリビニルアルコールフィルムの製造方法であって、ポリビニルアルコール(A)、ノニオン系界面活性剤(B)及びアニオン系界面活性剤(C)を配合して製膜原液を調製する工程と、当該製膜原液を用いて製膜する工程とを有し、ノニオン系界面活性剤(B)が上記式(I)で示される2級アミド型の脂肪族アルカノールアミドであり、前記製膜原液におけるノニオン系界面活性剤(B)の配合量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して0.01~0.12質量部であり、前記製膜原液におけるアニオン系界面活性剤(C)の配合量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して0.01~0.24質量部である。
製膜原液を調製する工程において、液体媒体をさらに配合することもできる。このときの液体媒体としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどを挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。そのうちでも、環境に与える負荷が小さいことや回収性の点から水が好ましい。
本発明のPVAフィルムの製造方法において、例えば、PVA(A)、上記式(I)で示されるノニオン系界面活性剤(B)、アニオン系界面活性剤(C)、液体媒体、および必要に応じて更に上記した可塑剤やその他の成分を含有する製膜原液を用いて、流延製膜法や溶融押出製膜法など公知の方法を採用することができる。なお、製膜原液は、PVA(A)が液体媒体に溶解してなるものであってもよいし、PVA(A)が溶融したものであってもよい。
製膜原液の揮発分率(製膜時に揮発や蒸発によって除去される液体媒体などの揮発性成分の製膜原液中における含有割合)は製膜方法、製膜条件等によっても異なるが、50~90質量%の範囲内であることが好ましく、55~80質量%の範囲内であることがより好ましい。製膜原液の揮発分率が50質量%以上であることにより、製膜原液の粘度が高くなりすぎず製膜が容易になる。一方、製膜原液の揮発分率が90質量%以下であることにより、製膜原液の粘度が低くなりすぎず得られるPVAフィルムの厚み均一性が向上する。
製膜原液におけるノニオン系界面活性剤(B)の配合量は、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して0.01~0.12質量部であることが好ましい。ノニオン系界面活性剤(B)の配合量が0.01質量部未満の場合、表面張力を低減させる能力が不十分であり工程通過性が悪くなるとともに得られるPVAフィルムに光学欠陥が多数発生する。ノニオン系界面活性剤(B)の配合量は0.02質量部以上であることがより好ましい。一方、ノニオン系界面活性剤(B)の配合量が0.12質量部を超える場合、得られるPVAフィルムにおいて活性剤凝集物の個数が多くなる、ヘイズの値が高くなる、という問題が発生する。ノニオン系界面活性剤(B)の配合量は、0.1質量部以下であることがより好ましく、0.08質量部以下であることがさらに好ましく、0.06質量部以下であることが特に好ましい。本発明で用いられるノニオン系界面活性剤(B)は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記製膜原液におけるアニオン系界面活性剤(C)の配合量は、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して0.01~0.24質量部であることが好ましい。アニオン系界面活性剤(C)の配合量が0.01質量部未満の場合、得られるPVAフィルムにおいて活性剤凝集物の個数が多くなる、ヘイズの値が高くなる、という問題が発生する。また、得られるPVAフィルムの限界延伸倍率が低下する。アニオン系界面活性剤(C)の配合量は、0.02質量部以上であることがより好ましく、0.03質量部以上であることがさらに好ましい。一方、アニオン系界面活性剤(C)の配合量が0.24質量部を超える場合、得られるPVAフィルムにおいて活性剤凝集物の個数が多くなるだけでなく、PVAフィルムに気泡が混入するという問題が発生するおそれがある。アニオン系界面活性剤(C)の配合量は、0.18質量部以下であることがより好ましく、0.16質量部以下であることがさらに好ましく、0.14質量部以下であることが特に好ましく、0.12質量部以下であることが最も好ましい。
次に製膜する工程について説明する。上記の製膜原液を用いて、流延製膜法や溶融押出製膜法によって本発明のPVAフィルムが好適に製造される。このときの具体的な製造方法に特に制限はなく、例えば、当該製膜原液をドラムやベルト等の支持体上に膜状に流延または吐出し、当該支持体上で乾燥させることにより得ることができる。得られたフィルムに対し、必要に応じて、乾燥ロールや熱風乾燥装置により更に乾燥したり、熱処理装置により熱処理を施したり、調湿装置により調湿したりしてもよい。製造されたPVAフィルムは、コアに巻き取るなどしてフィルムロールとすることが好ましい。また、製造されたPVAフィルムの幅方向の両端部を切り取ってもよい。
本発明のPVAフィルムは、偏光フィルム、位相差フィルム、特殊集光フィルム等を製造するための原反フィルムとして好適に使用することができる。本発明により、光透過性が高くて品質が高いPVAフィルムを得ることができる。したがって、光学用PVAフィルムであることが本発明の好適な実施態様である。
前記PVAフィルムを染色する工程と延伸する工程とを有する偏光フィルムの製造方法が本発明の好適な実施態様である。当該製造方法が更に固定処理工程、乾燥処理工程、熱処理工程等を有していてもよい。染色と延伸の順序は特に限定されず、延伸処理の前に染色処理を行ってもよいし、延伸処理と同時に染色処理を行ってもよいし、または延伸処理の後に染色処理を行ってもよい。また、延伸、染色などの工程は複数回繰り返してもよい。特に延伸を2段以上に分けると均一な延伸を行いやすくなるため好ましい。
PVAフィルムの染色に用いる染料としては、ヨウ素または二色性有機染料(例えば、DirectBlack 17、19、154;DirectBrown 44、106、195、210、223;DirectRed 2、23、28、31、37、39、79、81、240、242、247;DirectBlue 1、15、22、78、90、98、151、168、202、236、249、270;DirectViolet 9、12、51、98;DirectGreen 1、85;DirectYellow 8、12、44、86、87;DirectOrange 26、39、106、107などの二色性染料)などを使用することができる。これらの染料は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。染色は、通常、上記染料を含有する溶液中にPVAフィルムを浸漬することにより行うことができるが、その処理条件や処理方法は特に制限されるものではない。
PVAフィルムを延伸する方法として、一軸延伸方法および二軸延伸方法が挙げられ、前者が好ましい。PVAフィルムを流れ方向(MD)等に延伸する一軸延伸は、湿式延伸法または乾熱延伸法のいずれで行ってもよいが、得られる偏光フィルムの性能および品質の安定性の観点から湿式延伸法が好ましい。湿式延伸法としては、PVAフィルムを、純水、添加剤や水溶性の有機溶媒等の各種成分を含む水溶液、または各種成分が分散した水分散液中で延伸する方法が挙げられる。湿式延伸法による一軸延伸方法の具体例としては、ホウ酸を含む温水中で一軸延伸する方法、前記染料を含有する溶液中や後述する固定処理浴中で一軸延伸する方法などが挙げられる。また、吸水後のPVAフィルムを用いて空気中で一軸延伸してもよいし、その他の方法で一軸延伸してもよい。
一軸延伸する際の延伸温度は特に限定されないが、湿式延伸する場合は好ましくは20~90℃、より好ましくは25~70℃、更に好ましくは30~65℃の範囲内の温度が採用され、乾熱延伸する場合は好ましくは50~180℃の範囲内の温度が採用される。
一軸延伸処理の延伸倍率(多段で一軸延伸を行う場合は合計の延伸倍率)は、偏光性能の点からフィルムが切断する直前までできるだけ延伸することが好ましく、具体的には4倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましく、5.5倍以上であることが更に好ましい。延伸倍率の上限はフィルムが破断しない限り特に制限はないが、均一な延伸を行うためには8.0倍以下であることが好ましい。
偏光フィルムの製造にあたっては、一軸延伸されたPVAフィルムへの染料の吸着を強固にするために、固定処理を行うことが好ましい。固定処理としては、一般的なホウ酸および/またはホウ素化合物を添加した処理浴中にPVAフィルムを浸漬する方法等を採用することができる。その際に、必要に応じて処理浴中にヨウ素化合物を添加してもよい。
一軸延伸処理、または一軸延伸処理と固定処理を行ったPVAフィルムを次いで乾燥処理や熱処理を行うことが好ましい。乾燥処理や熱処理の温度は30~150℃が好ましく、特に50~140℃であることが好ましい。温度が低すぎると、得られる偏光フィルムの寸法安定性が低下しやすくなる。一方、温度が高すぎると染料の分解などに伴う偏光性能の低下が発生しやすくなる。
上記のようにして得られた偏光フィルムの両面または片面に、光学的に透明で、かつ機械的強度を有する保護膜を貼り合わせて偏光板にすることができる。その場合の保護膜としては、三酢酸セルロース(TAC)フィルム、酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルムなどが使用される。また、保護膜を貼り合わせるための接着剤としては、PVA系接着剤やウレタン系接着剤などが一般に使用されており、そのうちでもPVA系接着剤が好ましく用いられる。
上記のようにして得られた偏光板は、アクリル系などの粘着剤を被覆した後、ガラス基板に貼り合わせて液晶ディスプレイ装置の部品として使用することができる。偏光板をガラス基板に貼り合わせる際に、位相差フィルム、視野角向上フィルム、輝度向上フィルムなどを同時に貼り合わせてもよい。
以下に、本発明を実施例等により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[ノニオン系界面活性剤(B)の耐熱性]
測定対象となるPVAフィルムロールの表層側から10mの領域を切り出し、更に任意の位置からMD100mm×TD100mm(厚み60μm)のサンプル片を採取した。採取したサンプルを以下の条件で前処理した。
(前処理条件)
1.サンプル0.3gを50mlサンプル管に精秤する。
2.HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)を15ml加え、50℃で攪拌溶解する。
3.溶解後室温まで冷却し、メタノール60ml中(室温、攪拌下)に滴下して再沈する。
4.綿栓でろ過し、沈殿物を除く。
5.ろ液をエバポレーター(40℃)で濃縮する。
6.濃縮後メタノールで2mlにメスアップして、分析サンプルとした。
(ノニオン系界面活性剤の定量)
前処理したサンプルをHPLCで定量し、ノニオン系界面活性剤(B)の保持率(フィルム中のノニオン系界面活性剤の含有量/フィルム製造時に配合したノニオン系界面活性剤の配合量)を求めた。HPLCは以下の条件で実施した。
(ノニオン系界面活性剤のHPLC測定条件)
・装置:LC-20A1(株式会社島津製作所製)
・移動相:0.1%ギ酸水溶液とメタノールの混合液
・グラジエントの時間と移動相のメタノール濃度:
Figure 0007282100000005
・流量:1ml/min
・カラム:TSKgel ODS-80Ts(4.6×150mm、5μm、東ソー)
・温度:40℃
・注入量:20μL
・検出器:ELSD(Gain50、Gas40、Neb36℃、D.Tube45℃)
(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムのHPLC測定条件)
・装置:AQUITY UPLC(Waters)
・移動相:5mM IPC-DBAA水溶液とメタノールの混合液
・グラジエントの時間と移動相のメタノール濃度:
Figure 0007282100000006
・流量:1ml/min
・カラム:TSKgel ODS-80-Ts(4.6×150mm、5μm、東ソー)
・温度:40℃
・注入量:20μL
・検出器:ELSD(Gain100、gas40、Neb12℃、D.Tube45℃)
(アルキルスルホン酸ナトリウムのHPLC測定条件)
・装置:AQUITY UPLC(Waters)
・移動相:100mM酢酸アンモニウム水溶液とアセトニトリルの混合液、20:80
・流量:1ml/min
・カラム:Acclaim Surfactant Plus(4.6×150mm、5μm、Thermo)
・温度:30℃
・注入量:20μL
・検出器:ELSD(Gain100、gas40、Neb12℃、D.Tube45℃)
[PVAフィルムの品質]
(ヘイズの測定方法)
測定対象となるPVAフィルムロールの表層側から10mの領域を切り出し、更に任意の位置からMD50mm×TD50mmの正方形(厚み60μm)のサンプル片を3枚採取した。採取したサンプルをスガ試験機株式会社製のヘーズメーター「HZ-2」を用いて、JIS K7136に準じて、前記PVAフィルムの中央部のヘイズを各3回測定し、その平均値を求めた。
(活性剤凝集物の個数測定方法)
測定対象となるPVAフィルムロールの表層側から10mの領域を切り出し、更に任意の位置からMD50mm×TD50mm(厚み60μm)のサンプル片を採取した。採取したサンプルをキーエンス株式会社製のマイクロスコープVHX6000(倍率は1000倍)を用いてフィルム厚み方向に約1μm間隔の位置の画像を撮影し、撮影した画像に映る活性剤凝集物の個数を数えた。
(光学欠陥の評価方法)
PVAフィルム上の製膜時の流れ方向(MD方向)に平行に存在するスジ状の欠点と鮫肌状の欠点を目視で観察して評価した。具体的には以下の実施例、比較例で得られたPVAフィルムから切り出したサンプル片をMD方向が垂直になるように吊り下げ、その背後に30Wの直管状蛍光灯を垂直に置いて点灯し、スジ状の欠点について、以下の基準で評価した。
A:スジ状と鮫肌状の欠陥が全くなく製品に最も適したレベル。
B:スジ状または鮫肌状の欠陥が所々あるが製品として使用可能なレベル。
C:スジ状または鮫肌状の欠陥が多数あり製品に適さないレベル。
(限界延伸倍率の測定)
測定対象となるPVAフィルムロールからMD100mm×TD50mmのサイズにサンプルを採取し、サンプルの中央部に長さ50mmの標線を記入した。標線を記入したサンプル4枚を延伸治具に取り付け、当該サンプルを温度30℃の水中に1分間浸漬している間に元の長さの2.0倍に長さ方向(MD)に一軸延伸(1段目延伸)した。次いで当該サンプルを、ヨウ素を0.02~0.05質量%およびヨウ化カリウムを1.0質量%の濃度で含有する温度32℃の染色浴に2分間浸漬している間に元の長さの2.5倍まで長さ方向(MD)に一軸延伸(2段目延伸)した。
次いで当該サンプルを、ホウ酸を2.6質量%の濃度で含有する温度32℃の架橋浴に2分間浸漬している間に元の長さの3.6倍まで長さ方向(MD)に一軸延伸(3段目延伸)した。さらに当該サンプルを、ホウ酸を2.8質量%およびヨウ化カリウムを5.0質量%の濃度で含有する温度57℃の延伸浴に浸漬している間に一軸延伸(4段目延伸)し、4枚のうち2枚が切断した時点で延伸浴から取り出した。切断していない2枚のサンプルの標線間距離長さを測定し、延伸後の標線間距離長さを延伸前の標線間距離長さ(50mm)で除し、これを延伸温度57℃における限界延伸倍率とした。
[偏光フィルムの偏光性能]
(a)偏光フィルムの作製
実施例、比較例で得られたPVAフィルムを上記「限界延伸倍率の測定」と同じ方法で限界延伸倍率まで延伸を行い、切断していない2枚のサンプルを60℃で1分間乾燥して、偏光フィルムとした。このとき、染色浴のヨウ素濃度は0.02~0.05%の範囲で変更して、ヨウ素量が異なる偏光フィルムを10枚作製し、以下の方法で光透過性Tsと偏光度Vを求めた。
(b)透過率Tsの測定
実施例または比較例で得られたPVAフィルムを用いて作製された偏光フィルムからMD20mm×TD20mmの正方形のサンプルを2枚採取し、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製「V7100」)を用いて、JIS Z8722:2009(物体色の測定方法)に準拠し、C光源、2°視野の可視光領域の視感度補正を行い、1枚のサンプルについて、長さ方向に対して45°傾けた場合の光の透過率と-45°傾けた場合の光の透過率を測定して、それらの平均値Ts1(%)を求めた。もう1枚のサンプルについても同様にして、45°傾けた場合の光の透過率と-45°傾けた場合の光の透過率を測定して、それらの平均値Ts2(%)を求めた。下記式(1)によりTs1とTs2を平均し、偏光フィルムの透過率Ts(%)とした。
Ts=(Ts1+Ts2)/2…(1)
(c)偏光度Vの測定
上記透過率Tsの測定で採取した2枚のサンプルを、その長さ方向が平行になるように重ねた場合の光の透過率T∥(%)、および、長さ方向が直交するように重ねた場合の光の透過率T⊥(%)を、上記「(b)透過率Tsの測定」の場合と同様にして測定し、下記式(2)により偏光度V(%)を求めた。
V = {(T∥-T⊥)/(T∥+T⊥)}1/2×100…(2)
(d)光透過性の算出
作製した偏光フィルムの透過率Tsの値に対して、偏光度Vの値をプロットし、近似式を求めた。そして、偏光度Vが99.995%であるときの透過率Tsを近似式から算出し、光透過性の指標とした。
実施例1
PVA(A)として重合度2400、けん化度99.9モル%のPVA(酢酸ビニルの単独重合体のけん化物)のチップを用いた。当該PVAのチップ100質量部を35℃の蒸留水2500質量部に浸漬させた後、遠心脱水を行い、揮発分率60質量%のPVA含水チップを得た。
当該PVA含水チップ250質量部(PVAは100質量部)に対して、蒸留水25質量部、グリセリン12質量部、ノニオン系界面活性剤(B)0.03質量部、アニオン系界面活性剤(C)0.04質量部を混合した後、得られた混合物を二軸押出機で加熱溶融(最高温度130℃)して製膜原液とした。このとき用いたノニオン系界面活性剤(B)は、上記式(I)におけるR(アルキル基)の炭素数が12であり、上記式(I)におけるポリオキシエチレン鎖数(n)が6である2級アミド型の脂肪族アルカノールアミドであった。また、アニオン系界面活性剤(C)はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ポリオキシエチレン鎖数が3、アルキル鎖の炭素数が12)であった。
この製膜原液を熱交換器で100℃に冷却した後、180cm幅のコートハンガーダイから表面温度が90℃であるドラム上に押出製膜して、さらに熱風乾燥装置を用いて乾燥し、次いで、製膜時のネックインにより厚くなったフィルムの両端部を切り取ることにより、膜厚60μm、幅165cmのPVAフィルムを連続的に製造した。製造されたPVAフィルムのうちの長さ4000m分を円筒状のコアに巻き取ってフィルムロールとした。得られたPVAフィルムについて上記した方法によりノニオン系界面活性剤(B)の耐熱性、光学欠陥、ヘイズ、活性剤凝集物の個数、限界延伸倍率、及び偏光フィルムの偏光性能を評価した。結果を表3に示す。
実施例2~9、比較例1~5
ノニオン系界面活性剤(B)、アニオン系界面活性剤(C)の種類及び使用量を表3に示されるとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にしてPVAフィルムを製造してそれを評価した。実施例8及び9では、アニオン系界面活性剤(C)としてアルキル鎖の炭素数が15のアルキルスルホン酸ナトリウムを使用した。比較例5では、ノニオン系界面活性剤(B)として3級アミド型のラウリン酸ジエタノールアミドを使用した。結果を表3に示す。
表3に示す通り、実施例1~9のPVAフィルムは、活性剤凝集物の個数が少なく、ヘイズの値も低かった。実施例7と実施例8のPVAフィルムは、光学欠陥が所々あるが製品として使用可能なレベルであった。また、実施例1~9のPVAフィルムは、限界延伸倍率が高いため切れにくく、偏光性能にも優れていた。一方、上記式(I)で示すノニオン系界面活性剤(B)を使用しなかった比較例1のPVAフィルムは光学欠陥が多数発生した。アニオン系界面活性剤(C)を使用しなかった比較例2のPVAフィルムと、上記式(I)で示すノニオン系界面活性剤(B)の含有量が多い比較例3のPVAフィルムと、アニオン系界面活性剤(C)の添加量が多い比較例4のPVAフィルムは、活性剤凝集物の個数が多くヘイズの値も高かった。また、比較例2~比較例4のPVAフィルムは、限界延伸倍率も低く切れやすいフィルムであり、偏光性能も良好ではなかった。ノニオン系界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミドを使用した比較例5では、ノニオン系界面活性剤の耐熱性が低く、活性剤凝集物の個数が多く、ヘイズの値も高かった。また、比較例5のPVAフィルムは、限界延伸倍率も低く切れやすいフィルムであり、偏光性能も良好ではなかった。
Figure 0007282100000007

Claims (8)

  1. ポリビニルアルコール(A)、ノニオン系界面活性剤(B)及びアニオン系界面活性剤(C)を含有するポリビニルアルコールフィルムであって、
    ノニオン系界面活性剤(B)が下記式(I)で示される2級アミド型の脂肪族アルカノールアミドであり、
    ノニオン系界面活性剤(B)の含有量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して0.01~0.12質量部であり、
    アニオン系界面活性剤(C)の含有量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して0.01~0.24質量部であるポリビニルアルコールフィルム。
    Figure 0007282100000008
    [式(I)中、Rは炭素数8~18のアルキル基であり、ポリオキシエチレン鎖数(n)が2~10である。]
  2. ノニオン系界面活性剤(B)とアニオン系界面活性剤(C)の合計含有量(B+C)が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して、0.05~0.24質量部である、請求項1に記載のポリビニルアルコールフィルム。
  3. ノニオン系界面活性剤(B)とアニオン系界面活性剤(C)の含有質量比率(B:C)が20:80~80:20である、請求項1または2に記載のポリビニルアルコールフィルム。
  4. フィルム幅が1.5m以上である、請求項1~3のいずれかに記載のポリビニルアルコールフィルム。
  5. フィルムの長さが3000m以上である、請求項1~4のいずれかに記載のポリビニルアルコールフィルム。
  6. フィルム厚みが10~70μmである、請求項1~5のいずれかに記載のポリビニルアルコールフィルム。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載のポリビニルアルコールフィルムを染色する工程及び延伸する工程を有する、偏光フィルムの製造方法。
  8. ポリビニルアルコール(A)、ノニオン系界面活性剤(B)及びアニオン系界面活性剤(C)を含有するポリビニルアルコールフィルムの製造方法であって、
    ポリビニルアルコール(A)、ノニオン系界面活性剤(B)及びアニオン系界面活性剤(C)を配合して製膜原液を調製する工程と、
    当該製膜原液を用いて製膜する工程とを有し、
    ノニオン系界面活性剤(B)が下記式(I)で示される2級アミド型の脂肪族アルカノールアミドであり、
    前記製膜原液におけるノニオン系界面活性剤(B)の配合量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して0.01~0.12質量部であり、
    前記製膜原液におけるアニオン系界面活性剤(C)の配合量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して0.01~0.24質量部である製造方法。
    Figure 0007282100000009
    [式(I)中、Rは炭素数8~18のアルキル基であり、ポリオキシエチレン鎖数(n)が2~10である。]
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