JP7281381B2 - 低誘電材用樹脂積層体 - Google Patents

低誘電材用樹脂積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP7281381B2
JP7281381B2 JP2019183812A JP2019183812A JP7281381B2 JP 7281381 B2 JP7281381 B2 JP 7281381B2 JP 2019183812 A JP2019183812 A JP 2019183812A JP 2019183812 A JP2019183812 A JP 2019183812A JP 7281381 B2 JP7281381 B2 JP 7281381B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
film
laminate
circuit board
styrene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019183812A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021059038A (ja
Inventor
壮弘 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP2019183812A priority Critical patent/JP7281381B2/ja
Priority to TW109134183A priority patent/TW202120332A/zh
Priority to PCT/JP2020/037053 priority patent/WO2021065968A1/ja
Publication of JP2021059038A publication Critical patent/JP2021059038A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7281381B2 publication Critical patent/JP7281381B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/30Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising vinyl (co)polymers; comprising acrylic (co)polymers
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、低誘電材用樹脂積層体及びその製造方法に関する。
シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂(以下、SPSともいう。)は、機械的強度、耐熱性、電気特性、吸水寸法安定性、及び耐薬品性等の優れた性能を有する。そのため、SPSは、電気・電子機器材料、車載・電装部品、家電製品、各種機械部品、産業用資材等の様々な用途に使用される樹脂として非常に有用である。
更に、SPSはスチレンモノマーを重合して得られる炭化水素樹脂であり、誘電損失が少なく、絶縁性も有するため、前記用途の中でも電気・電子機器材料として使用することが検討されている。
たとえば、特許文献1には、冷媒により劣化を生じないフィルムを得ることを目的として、引張弾性率、ヒンジ特性、フィルム厚み及びヘイズがそれぞれ特定の値を有する電気絶縁用ポリスチレン系フィルムが開示されている。
また、SPSを用いた積層体の例として、特許文献2には、熱可塑性樹脂を含む樹脂層と、その上に積層されたシンジオタクチックポリスチレン系樹脂を含む樹脂層と、更にその上に第一、第二の金属層を有し、金属層間のピール強度が特定の値を有する電子回路基板用積層体が開示されている。更に特許文献3には、プリント基板の製造工程におけるしわの抑制を目的として、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂を主成分とし、熱処理前後のフィルムの熱収縮率が一定の範囲である二軸配向フィルムと軟質フィルムを積層したフレキシブルプリント基板製造用積層体が開示されている。
特開2000-164038号公報 特開2015-2334号公報 特開2011-088387号公報
近年、電子機器の小型化や、機械の精密化に伴い、電子・電気部品の小型化や薄型化が要求されている。そのため、これらの部品に用いられる樹脂、たとえば、電子回路基板や、筐体等に用いられる良電波透過性樹脂板にはより高い靭性と優れた誘電特性が求められている。
更に、最近ではレーダー用のカバーとして高い電波透過性を要求されるミリ波レドームに用いる樹脂についても、従来の樹脂より高い耐衝撃性と優れた誘電特性が必要とされている。
したがって、本発明は、誘電損失が小さく、高い靭性を有する、電子部品、特に回路基板、ミリ波レドーム用樹脂板、良電波透過性樹脂板に適した低誘電材用樹脂積層体を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、SPS層と、より低軟化点のスチレン樹脂層を一定以上積層することによって得られる積層体が前記課題を解決することを見出した。すなわち、本発明は以下の[1]~[15]に関する。
[1]
シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む樹脂層(S)と軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含む樹脂層(M)が交互に合計3層以上積層され、最外層が樹脂層(S)である、低誘電材用樹脂積層体。
[2]
樹脂層(S)が配向フィルムからなる、[1]に記載の低誘電材用樹脂積層体。
[3]
樹脂層(S)が二軸延伸フィルムからなる、[1]又は[2]に記載の低誘電材用樹脂積層体。
[4]
スチレン系樹脂(S1)の重量平均分子量が、150,000~250,000である、[1]~[3]のいずれかに1つに記載の低誘電材用樹脂積層体。
[5]
樹脂(M1)が、スチレン系樹脂である、[1]~[4]のいずれかに1つに記載の低誘電材用樹脂積層体。
[6]
樹脂(M1)が、パラメチルスチレンを共重合成分とするスチレン系樹脂である、[1]~[5]のいずれかに1つに記載の低誘電材用樹脂積層体。
[7]
樹脂(M1)の重量平均分子量が、150,000~250,000である、[1]~[6]のいずれかに1つに記載の低誘電材用樹脂積層体。
[8]
樹脂(M1)の共重合成分中、パラメチルスチレン成分が3~15モル%である、[6]又は[7]に記載の低誘電材用樹脂積層体。
[9]
[1]~[6]のいずれかに1つに記載の低誘電材用樹脂積層体を含む電子回路基板。
[10]
シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む配向フィルム(SF)と軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含むフィルム(MF)を交互に、かつ最外層が樹脂層(S)となるように、合計3層以上積層し、プレスして一体化する工程を有する、低誘電材用樹脂積層体の製造方法。
[11]
前記工程において、配向フィルム(SF)が二軸延伸フィルムである、[10]に記載の低誘電材用樹脂積層体の製造方法。
[12]
前記工程において、250~268℃でプレスして一体化する、[10]又は[11]に記載の低誘電材用樹脂積層体の製造方法。
[13]
前記工程において、真空プレス法によって、プレスして一体化する、[10]~[12]のいずれか1つに記載の低誘電材用樹脂積層体の製造方法。
[14]
前記真空プレス法のプレス圧力が0.5~5.0MPaであり、プレス保持時間が1~60分である、[13]に記載の低誘電材用樹脂積層体の製造方法。
[15]
[10]~[14]のいずれかに1つに記載の製造方法で得られた低誘電材用樹脂積層体を含む電子回路基板。
本発明によれば、誘電損失が小さく、高い靭性を有する、電子部品、特に回路基板、ミリ波レドーム用樹脂板、良電波透過性樹脂板に適した低誘電材用樹脂積層体及びその製造方法を提供することができる。
本発明の低誘電材用樹脂積層体の一実施形態を示す説明図である。
本発明の低誘電材用樹脂積層体は、シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む樹脂層(S)と軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含む樹脂層(M)が交互に合計3層以上積層され、最外層が樹脂層(S)である。
以下、各項目について詳細に説明する。
[低誘電材用樹脂積層体]
本発明の低誘電材用樹脂積層体は、シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む樹脂層(S)と軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含む樹脂層(M)が交互に合計3層以上積層され、最外層が樹脂層(S)である。
本発明の一実施形態である3層の場合を図1に示す。本発明の低誘電材用樹脂積層体1は、軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含む樹脂層2(樹脂層(M)に相当)の両側を、シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む樹脂層3(樹脂層(S)に相当)で挟み、最外層がいずれも樹脂層3となる。
本発明の積層体において、樹脂層は交互に積層され、最外層が樹脂層(S)である。すなわち、3層の場合はS/M/S、5層の場合はS/M/S/M/Sとなり、7層の場合はS/M/S/M/S/M/Sとなる。
積層数は3層以上であり、5層以上が好ましく、7層以上がより好ましく、9層以上が更に好ましく、15層以上がより更に好ましい。上限値は、39層以下が好ましく、35層以下がより好ましく、29層以下が更に好ましい。積層数を3層以上とすることで、本積層体に衝撃力が加わった際に、SPS層間に存在する低軟化点の比較的柔軟な樹脂層が衝撃力を分散、緩和し、靭性を高めているものと考えられる。
<樹脂層(S)>
樹脂層(S)にはシンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む。
樹脂層(S)において、シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上がより更に好ましく、95質量%以上がより更に好ましく、99質量%以上がより更に好ましく、100質量%であってもよい。
(シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1))
樹脂層(S)を構成するシンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)は、ラセミダイアッド(r)で75モル%以上、好ましくは85モル%以上、ラセミペンタッド(rrrr)で30モル%以上、好ましくは50モル%以上のシンジオタクティシティを有する。
タクティシティは、隣り合うスチレン単位におけるフェニル環が、重合体ブロックの主鎖によって形成される平面に対して交互に配置されている割合のことを意味する。シンジオタクティシティは、核磁気共鳴法(13C-NMR法)により定量できる。ダイアッドは連続した2つのモノマーユニット、ペンタッドは5つのモノマーユニットでのシンジオタクティシティを示す。
スチレン系樹脂(S1)としては、ポリスチレン、又はスチレンを主成分とする共重合体等が挙げられ、ポリスチレン(スチレンホモポリマー)が好ましい。
スチレン系樹脂(S1)にスチレンを主成分とする共重合体を用いる場合、スチレン成分は90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、99モル%以上が更に好ましい。
スチレン系樹脂(S1)の重量平均分子量は、100,000~300,000が好ましく、150,000~250,000がより好ましく、200,000~250,000が更に好ましい。重量平均分子量は、単分散ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィーで求められる。具体的には、実施例に記載した測定方法によって求められる。
スチレン系樹脂(S1)の軟化点は、260℃より大きいことが好ましく、261℃以上がより好ましく、262℃以上が更に好ましく、263~267℃がより更に好ましい。軟化点はJIS K7206:2016に準拠して測定することができ、具体的には実施例に示す方法で測定することができる。
スチレン系樹脂(S1)の融点は、265℃以上が好ましく、267℃以上がより好ましく、269℃以上がさらにより好ましい。また、275℃以下が好ましく、273℃以下がより好ましい。
樹脂(S1)の誘電正接(tanδ)は、0.00030以下が好ましく、0.00025以下がより好ましい。誘電正接(tanδ)は、実施例に記載された樹脂積層体の誘電正接の測定方法と同様の測定方法によって得ることができる。誘電正接(tanδ)の値が小さいほど、誘電損失が小さく、誘電特性に優れる。本発明の樹脂積層体は、絶縁性に優れるSPSフィルムが積層されているため、誘電正接(tanδ)が低く、特に回路基板、ミリ波レドーム用樹脂板、良電波透過性樹脂板等の電子材料に適した積層体を得ることができるものと考えられる。
(樹脂層(S)の特性等)
樹脂層(S)の厚さは、2~100μmが好ましい。なかでも、回路基板の用途に用いる場合には、10~80μmが好ましく、15~60μmがより好ましく、20~50μmがより更に好ましい。樹脂層(S)の厚さが前記の範囲であれば、特にフィルム成形時に、十分に配向させることができ、積層体としたときに優れた靭性を得ることができる。
樹脂層(S)は、配向フィルムからなることが好ましい。本明細書において配向フィルムとは、フィルム面内の結晶部における広角X線回折(WAXD)により算出された配向係数がThrough方向で-0.1000以上0.0100以下、Edge方向で-0.5000以上-0.1000未満、End方向で-0.5000以上-0.1000未満であるものである。End方向とはフィルム長手方向に平行な方向からのX線入射であり、Edge方向とはこれと直角のしかも厚み方向にも直角なX線入射であり、Through方向とはフィルム面に対して垂直なX線入射である。配向係数が上記範囲であれば、回路基板用、ミリ波レドーム用、良電波透過性樹脂板用などの用途に用いる樹脂積層体に必要な十分な衝撃強度を得ることができる。
配向係数は以下のように算出することができる。
まず、広角X線回折測定においては、X線発生装置(理学電気社製、ultraX 18HF)を用いて50KV、250mAの出力でCuKα線(波長=1.5418Å)の単色光を5分間照射し、イメージングプレート型二次元検出器により回折像を得た。この時、試料と検出器の間の距離(カメラ長)は105mmに調整した。
作製した配向フィルムを厚さが1mm以上になるように方向を揃えて積層し、測定試料として準備した。測定試料の向きを調整し、X線の入射方向を変えることで、前述したThrough方向、Edge方向、End方向の回折像をそれぞれ得た。
結晶配向係数の算出にあたっては、得られた回折像の赤道方向の強度プロフィールから、α型結晶の(110)面に帰属される回折角2θ=6.7degの回折ピークを使用した。
配向軸に対する面法線ベクトルの結晶配向係数fは、式(F1)に基づいて算出する。
Figure 0007281381000001
上式(F1)におけるcosφは式(F2)で、<cos2φ>は式(F3)で、それぞれ求めることができる。
Figure 0007281381000002
Figure 0007281381000003

ここで、φはX線回折測定における方位角であり、θは赤道方向の回折角2θの1/2、δは回折像上の子午線から回折ピーク位置までの傾き角を示す。
また、I(φ)は(110)面の角度φにおける回折強度である。
樹脂層(S)にシンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む場合、樹脂層(S)の配向係数は、Through方向で-0.0500以上0.0050以下、Edge方向で-0.4800以上-0.1200以下、End方向で-0.4800以上-0.1200以下であるものが好ましい。なお、配向係数を上述した範囲にする手段としては、フィルム製造時の延伸倍率や延伸温度、延伸後の熱固定温度を調整することで実現できる。
さらに、樹脂層(S)は、二軸延伸フィルムからなることがより好ましい。二軸延伸フィルムは後述の本発明の積層体の製造方法に記載の方法で得られるものが好ましい。樹脂層(S)に二軸延伸フィルムを用いた場合、樹脂層(S)は、長手方向(MD)と幅方向(TD)の両方向に延伸されているため、樹脂の分子が面と平行に(MD、TD方向)に配向しており、積層体とした場合、その面に衝撃を受けた際の靭性に優れる。
<樹脂層(M)>
樹脂層(M)には、軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含む。
樹脂層(M)において、軟化点が260℃以下の樹脂(M1)は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、99質量%以上がより更に好ましく、100質量%であってもよい。
(軟化点が260℃以下の樹脂(M1))
樹脂(M1)の軟化点は、260℃以下であり、255℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、240℃以下が更に好ましい。軟化点は、JIS K7206:2016によって測定することができ、具体的には実施例に示す方法で測定することができる。
樹脂(M1)としては、スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂が好ましく、スチレン系樹脂がより好ましい。
樹脂(M1)に用いられる樹脂が、スチレン系樹脂であることによって、樹脂層(M)と樹脂層(S)の親和性が高まり、各層が剥離しにくく、本発明の積層体の靭性が向上するものと考えられる。
樹脂(M1)に用いられるスチレン系樹脂の立体規則性(タクティシティ)としては、シンジオタクチック、アイソタクチック、アタクチックのいずれでもよいが、シンジオタクチック、アタクチックが好ましく、シンジオタクチックがより好ましい。
樹脂(M1)に用いられるスチレン系樹脂の立体規則性が、シンジオタクチックである場合、融点は、265℃以下であり、262℃以下が好ましく、259℃以下がより好ましく、256℃以下が更に好ましい。
樹脂(M1)に用いられるスチレン系樹脂の具体例としては、ポリスチレン、ポリ(炭化水素置換スチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体若しくは混合物、又はこれらを主たる共重合成分とする共重合体が好ましく、ポリスチレン、ポリ(炭化水素置換スチレン)、スチレンを主たる共重合成分とする共重合体が好ましく、スチレンを主たる共重合成分とする共重合体(以下、スチレン系共重合体、ともいう。)がより好ましい。
スチレン系共重合体の共重合成分として用いられるスチレン以外のモノマーは、ビニル基を有し、スチレンと共重合できるモノマーであればよく、スチレン系モノマー、オレフィンモノマー、ジエンモノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエンモノマー、極性ビニルモノマーが挙げられ、スチレン系モノマーが好ましい。
スチレン系モノマーとしては、炭化水素置換スチレン、ハロゲン化スチレン、ハロゲン化アルキルスチレン、アルコキシスチレン、ビニル安息香酸エステルが挙げられ、なかでも炭化水素置換スチレンが好ましい。
前記スチレン系共重合体に含まれる炭化水素置換スチレンとしては、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、tert-ブチルスチレン、(フェニル)スチレン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられ、メチルスチレン、エチルスチレン、ジビニルベンゼンが好ましく、メチルスチレンがより好ましい。
ハロゲン化スチレンとしては、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン等が挙げられる。
ハロゲン化アルキルスチレンとしては、クロロメチルスチレン等が挙げられる。
アルコキシスチレンとしては、メトキシスチレン、エトキシスチレン等が挙げられる。
オレフィンモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等が挙げられる。ジエンモノマーとしては、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。極性ビニルモノマーとしては、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等が挙げられる。
スチレン系共重合体の具体例としては、スチレンとパラメチルスチレンとの共重合体、スチレンとp-tert-ブチルスチレンとの共重合体、スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体等を挙げることができ、なかでもスチレンとパラメチルスチレンとの共重合体が好ましい。すなわち、樹脂(M1)は、スチレン系樹脂のなかでも、パラメチルスチレンを共重合成分とするスチレン系樹脂であることがより好ましい。
樹脂(M1)が、パラメチルスチレンを共重合成分とするスチレン系樹脂である場合、共重合成分中、パラメチルスチレン成分は、3~15モル%が好ましく、4~12モル%がより好ましく、5~10モル%が更に好ましい。
樹脂(M1)の重量平均分子量は、100,000~300,000が好ましく、150,000~250,000がより好ましく、150,000~200,000が更に好ましい。重量平均分子量は、単分散ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィーで求められる。
樹脂(M1)の誘電正接(tanδ)は、0.00030以下が好ましく、0.00020以下がより好ましい。誘電正接(tanδ)は、実施例に記載された樹脂積層体の誘電正接の測定方法と同様の測定方法によって得ることができる。
(樹脂(M)の特性等)
樹脂層(M)の厚さは、2~100μmが好ましい。なかでも、回路基板の用途に用いる場合には、10~80μmが好ましく、15~60μmがより好ましく、20~50μmがより更に好ましい。樹脂層(M)の厚さが前記の範囲であると、樹脂積層体としたときに各層同士の十分な接着性と優れた衝撃強度を両立させることができる。
樹脂層(M)は、配向フィルムであってもなくてもよい。
<低誘電材用樹脂積層体の特性等>
本発明の樹脂積層体の厚さは、0.01~3.0mmが好ましく、0.02~3.0mmがより好ましく、0.03~3.0mmが更に好ましい。
なかでも、回路基板の用途に用いる場合には、0.03~1.5mmが好ましく、0.10~1.0mmがより好ましく、0.2~0.9mmが更に好ましい。また、ミリ波レドーム用樹脂板、良電波透過性樹脂板の用途に用いる場合には、0.9~3.0mmが好ましく、0.9~2.5mmがより好ましい。
本発明の樹脂積層体の誘電正接(tanδ)は、0.00030以下が好ましく、0.00025以下がより好ましい。誘電正接(tanδ)は実施例に記載の測定方法によって得られる値である。誘電正接(tanδ)の値が小さいほど、誘電損失が小さく、誘電特性に優れる。本発明の樹脂積層体は、絶縁性に優れるSPSフィルムが積層されているため、誘電正接(tanδ)が低く、特に回路基板、ミリ波レドーム用樹脂板、良電波透過性樹脂板等の電子材料に適した積層体を得ることができるものと考えられる。
本発明の樹脂積層体の衝撃強度は、厚さを0.9mmとした場合、0.1J以上が好ましく、0.6J以上がより好ましく、0.8J以上が更に好ましい。ここでの衝撃強度は、実施例に記載の測定方法によって得られる値である。
本発明の樹脂積層体は、強度にも優れるSPSフィルムと、軟化点の低いより柔軟な樹脂が密着して構成されているため、衝撃強度に優れるものと考えられる。更に好適なSPSフィルムは配向フィルムであり、強度が高く、特に二軸延伸フィルムである場合には、ポリスチレン分子の配向性がより高く、更に強度が高まるものと考えられる。
[低誘電材用樹脂積層体の製造方法]
本発明の低誘電材用樹脂積層体の製造方法は、シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む配向フィルム(SF)と軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含むフィルム(MF)を交互に、かつ最外層がフィルム(SF)となるように、合計3層以上積層し、プレスして一体化する工程を有する。
このようにして得られた樹脂積層体が、優れた靭性と低い誘電損失を備える理由は定かではないが、次のように考えられる。
配向したSPSフィルムは耐衝撃性に優れる一方で、配向させるために比較的薄いフィルムになる。そのSPSフィルムを軟化点が比較的低い樹脂を融着させることにより、SPSフィルムの分子配向性を損なうことなく、適度な厚さに成形することができる。さらに前記の軟化点の低い樹脂をスチレン系樹脂にすることで、小さな誘電損失と優れた靭性を両立する積層体となり、特に回路基板、ミリ波レドーム用樹脂板、良電波透過性樹脂板等の電子材料に適した積層体を得ることができるものと考えられる。
<配向フィルム(SF)>
本製造方法において、各樹脂層(S)に用いられるフィルムは、配向フィルム(SF)を用いる。
配向フィルム(SF)に用いる樹脂は、前記(シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1))に記載したSPSを用いることが好ましく、好適な範囲も前記樹脂(S1)の説明に記載したものと同様である。すなわち、ポリスチレン(スチレンホモポリマー)が好ましい。
配向フィルム(SF)は、フィルム面内の結晶部における広角X線回折(WAXD)により算出された配向係数がThrough方向で-0.1000以上0.0100以下、Edge方向で-0.5000以上-0.1000未満、End方向で-0.5000以上-0.1000未満であるものであり、Through方向で-0.0500以上0.0050以下、Edge方向で-0.4800以上-0.1200以下、End方向で-0.4800以上-0.1200以下であるものが好ましい。配向係数が上記範囲であれば、回路基板用、ミリ波レドーム用、良電波透過性樹脂板用などの用途に用いる樹脂積層体に必要な十分な衝撃強度を得ることができる。
配向フィルムは、樹脂(S1)を押出機にて溶融押出し、キャストロールにて冷却固化し、延伸機にて延伸を行い、必要に応じて得られたフィルムを熱処理して、得られる延伸フィルムであることが好ましい。なかでも、二軸延伸することで得られる、二軸延伸フィルムがより好ましい。
以下に二軸延伸フィルムである場合の配向フィルム(SF)の製造について説明する。
押出機に投入する前に、樹脂(S1)は、予め乾燥させておくことが好ましい。60~150℃、10~180分の条件で、ペレット状の樹脂(S1)を乾燥させることがより好ましい。
押出機は、単軸押出機又は二軸押出機を用いることができ、真空ベント付き押出機を用いることが樹脂の乾燥を促進する点で好ましい。また、押出変動を抑えるため、ギヤポンプを設置することが好ましく、異物混入を避けるため、ギヤポンプの後にポリマーフィルタを設けることがより好ましい。
ポリマーフィルタとしては、リーフディスクタイプ、キャンドルタイプが挙げられる。
ポリマーフィルタの濾過材としては、焼結金属タイプが好ましい。捕集粒径としては、1~100μmが好ましい。
押出機での押出温度は、290~330℃が好ましい。押出機のヒーターから、ポリマーライン、ギヤポンプ、ポリマーフィルタ、Tダイスまで押出温度に調整することが好ましい。
キャストロールの冷却媒体は、油又は水が好ましく、冷却温度は50~95℃が好ましく、60~90℃がより好ましい。
前記押出機のTダイスより溶融押出された樹脂(S1)をキャストロールに密着させるため、エアーチャンバー方式、静電印加方式あるいはそれらを組み合わせて用いることが好ましい。
このようにキャストロール上に溶融した樹脂を密着させ、急冷することにより、延伸工程にて安定して連続したキャストフィルムを得ることができる。
キャストロールの引速は1~30m/分が好ましく、3~15m/分がより好ましい。
次に二軸延伸を行うが、本発明に用いられる配向フィルム(SF)を得る場合、同時二軸延伸方式、縦延伸後に横延伸を行う逐次二軸延伸方式のいずれでもよいが、同時二軸延伸方式が好ましい。
同時二軸延伸方式は、長手方向(MD)、幅方向(TD)を同時に延伸するため、MDとTDで物性に偏りが生じにくい。たとえば、MDとTDで配向性に偏りが少ないため、衝撃を受けた際の靭性にも方向による優劣の差が小さい積層体が得られる。
同時二軸延伸方式としては、パンタグラフ方式を用いることが好ましい。
逐次二軸延伸方式には、ロール式縦延伸機及びテンター式横延伸機を用いることが好ましい。
延伸温度において、予熱温度は90~150℃が好ましく、100~140℃がより好ましく、105~120℃がより好ましい。
延伸温度は90~150℃が好ましく、100~140℃がより好ましく、105~120℃がより好ましい。
熱固定温度は180~265℃が好ましく、200~260℃がより好ましく、200~250℃がより好ましい。
パンタグラフ方式の二軸延伸機を用いる場合、予熱温度は予熱ゾーン、延伸温度は延伸ゾーン、熱固定温度は熱固定ゾーンに設定する。
延伸倍率は、縦は2.5~4.0が好ましく、横は2.5~4.0が好ましい。
前記熱固定ゾーンでは、フィルムの後収縮を抑えるために、縦0.5~10%、横0.5~10%の弛緩率を設けることが好ましい。
前記熱固定ゾーンにおいて、延伸後のフィルムを熱処理(アニール)することが好ましく、このようにして、二軸延伸フィルム(SF)が得られる。
得られる二軸延伸フィルム(SF)の厚さは、2~100μmが好ましい。なかでも、回路基板の用途に用いる場合には、10~80μmが好ましく、15~60μmがより好ましく、20~50μmがより更に好ましい。二軸延伸フィルム(SF)の厚さが前記の範囲であれば、特にフィルム成形時に、十分に配向させることができ、積層体としたときに優れた靭性を得ることができる。
逐次二軸延伸方式でロール式縦延伸機を用いる場合、ロール温度は98~105℃が好ましい。ロール温度を調節する媒体は、油又は加圧水が好ましい。縦延伸は引速の異なる2本のロールで行うが、2本のロール間のフィルムを加熱する補助ヒーターを設けることが好ましい。補助ヒーターとしては、遠赤外線ヒーターを用いることが好ましい。延伸倍率は、縦は2.5~4.0が好ましい。
逐次二軸延伸方式でテンター式横延伸機を用いる場合、延伸温度において、予熱温度は90~150℃が好ましく、100~140℃がより好ましく、105~120℃がより好ましい。
延伸温度は90~150℃が好ましく、100~140℃がより好ましく、105~120℃がより好ましい。
熱固定温度は180~265℃が好ましく、200~260℃がより好ましく、200~250℃がより好ましい。
延伸倍率は、横は2.5~4.0が好ましい。
前記熱固定ゾーンでは、フィルムの後収縮を抑えるために、0.5~10%の弛緩率を設けることが好ましい。
前記熱固定ゾーンにおいて、延伸後のフィルムを熱処理(アニール)することが好ましく、このようにして、二軸延伸フィルム(SF)が得られる。
得られる二軸延伸フィルム(SF)の厚さは、2~100μmが好ましい。なかでも、回路基板の用途に用いる場合には、10~80μmが好ましく、15~60μmがより好ましく、20~50μmがより更に好ましい。二軸延伸フィルム(SF)の厚さが前記の範囲であれば、特にフィルム成形時に、十分に配向させることができ、積層体としたときに優れた靭性を得ることができる。
<フィルム(MF)>
本製造方法において、フィルム(MF)は、得られる積層体の樹脂層(M)を形成する。フィルム(MF)は、キャストフィルム、配向フィルム、延伸フィルムであってもよいが、配向フィルム、延伸フィルムが好ましく、なかでも二軸延伸フィルムがより好ましい。
フィルム(MF)は、軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含む。樹脂(M1)としては、ポリフェニレンエーテル樹脂やスチレン系樹脂等が挙げられ、中でも、スチレン系樹脂を含むことが好ましく、好適な範囲も前記樹脂(M1)の説明に記載したものと同様である。すなわち、パラメチルスチレンを共重合成分とするスチレン系樹脂が好ましく、共重合体成分中、パラメチルスチレン成分は、3~15モル%がより好ましく、立体規則性(タクティシティ)は、シンジオタクチックであるものが更に好ましい。
フィルム(MF)の製造方法には、溶融押出成型法、溶液流延法、カレンダー法等が挙げられ、溶融押出成型法が好ましく、溶融押出後に延伸を行うことがより好ましく、延伸は二軸延伸法であることが更に好ましい。好ましい二軸延伸法によるフィルムの製造方法は、前記二軸延伸フィルム(SF)と同様である。
具体的には、二軸延伸フィルムは、樹脂(M1)を押出機にて溶融押出し、キャストロールにて冷却固化し、延伸機にて二軸延伸を行い、必要に応じて得られたフィルムを熱処理して、得られる。
押出機に投入する前に、樹脂(M1)は、予め乾燥させておくことが好ましい。60~150℃、10~180分の条件で、ペレット状の樹脂(M1)を乾燥させることがより好ましい。
押出機は、単軸押出機又は二軸押出機を用いることができ、真空ベント付き押出機を用いることが樹脂の乾燥を促進する点で好ましい。また、押出変動を抑えるため、ギヤポンプを設置することが好ましく、異物混入を避けるため、ギヤポンプの後にポリマーフィルタを設けることがより好ましい。
ポリマーフィルタとしては、リーフディスクタイプ、キャンドルタイプが挙げられる。
ポリマーフィルタの濾過材としては、焼結金属タイプが好ましい。捕集粒径としては、1~100μmが好ましい。
押出機での押出温度は、270~330℃が好ましい。押出機のヒーターから、ポリマーライン、ギヤポンプ、ポリマーフィルタ、Tダイスまで押出温度に調整することが好ましい。
キャストロールの冷却媒体は、油又は水が好ましく、冷却温度は50~95℃が好ましく、60~90℃がより好ましい。
前記押出機のTダイスより溶融押出された樹脂(M1)をキャストロールに密着させるため、エアーチャンバー方式、静電印加方式あるいはそれらを組み合わせて用いることが好ましい。
このようにキャストロール上に溶融した樹脂を密着させ、急冷することにより、延伸工程にて安定して連続したフィルムを得ることができる。
キャストロールの引速は1~30m/分が好ましく、3~15m/分がより好ましい。
次に二軸延伸を行うが、本発明に用いられるフィルム(MF)は、同時二軸延伸方式、縦延伸後に横延伸を行う逐次二軸延伸方式のいずれでもよいが、同時二軸延伸方式が好ましい。
同時二軸延伸方式は、長手方向(MD)、幅方向(TD)を同時に延伸するため、MDとTDで物性に偏りが生じにくい。たとえば、MDとTDで配向性に偏りがないため、衝撃を受けた際の靭性にも方向による優劣がない積層体が得られる。
同時二軸延伸方式としては、パンタグラフ方式を用いることが好ましい。
逐次二軸延伸方式には、ロール式縦延伸機及びテンター式横延伸機を用いることが好ましい。
延伸温度において、予熱温度は90~150℃が好ましく、100~140℃がより好ましく、110~130℃がより好ましい。
延伸温度は90~150℃が好ましく、100~140℃がより好ましく、110~130℃がより好ましい。
熱固定温度は180~250℃が好ましく、180~240℃がより好ましく、180~220℃がより好ましい。
パンタグラフ方式の二軸延伸機を用いる場合、予熱温度は予熱ゾーン、延伸温度は延伸ゾーン、熱固定温度は熱固定ゾーンに設定する。
延伸倍率は、縦は2.5~4.0が好ましく、横は2.5~4.0が好ましい。
前記熱固定ゾーンでは、フィルムの後収縮を抑えるために、縦0.5~10%、横0.5~10%の弛緩率を設けることが好ましい。
前記熱固定ゾーンにおいて、延伸後のフィルムを熱処理(アニール)することが好ましく、このようにして、フィルム(MF)が得られる。このようにして得られたフィルムは、二軸延伸フィルムである。
得られる二軸延伸フィルム(MF)の厚さは、2~100μmが好ましい。なかでも、回路基板の用途に用いる場合には、10~80μmが好ましく、15~60μmがより好ましく、20~50μmがより更に好ましい。二軸延伸フィルム(MF)の厚さが前記の範囲であると、樹脂積層体としたときに各層同士の十分な接着性と優れた衝撃強度を両立させることができる。
逐次二軸延伸方式でロール式縦延伸機を用いる場合、ロール温度は98~105℃が好ましい。ロール温度を調節する媒体は、油又は加圧水が好ましい。縦延伸は引速の異なる2本のロールで行うが、2本のロール間のフィルムを加熱する補助ヒーターを設けることが好ましい。補助ヒーターとしては、遠赤外線ヒーターを用いることが好ましい。延伸倍率は、縦は2.5~4.0が好ましい。
逐次二軸延伸方式でテンター式横延伸機を用いる場合、延伸温度において、予熱温度は90~150℃が好ましく、100~140℃がより好ましく、110~130℃がより好ましい。
延伸温度は90~150℃が好ましく、100~140℃がより好ましく、110~130℃がより好ましい。
熱固定温度は180~250℃が好ましく、180~240℃がより好ましく、180~220℃がより好ましい。
延伸倍率は、横は2.5~4.0が好ましい。
前記熱固定ゾーンでは、フィルムの後収縮を抑えるために、0.5~10%の弛緩率を設けることが好ましい。
前記熱固定ゾーンにおいて、延伸後のフィルムを熱処理(アニール)することが好ましく、このようにして、フィルム(MF)が得られる。
得られるフィルム(MF)の厚さは、2~100μmが好ましい。なかでも、回路基板の用途に用いる場合には、10~80μmが好ましく、15~60μmがより好ましく、20~50μmがより更に好ましい。フィルム(MF)の厚さが前記の範囲であると、樹脂積層体としたときに各層同士の十分な接着性と優れた衝撃強度を両立させることができる。
<積層・プレス一体化工程>
本製造方法において、フィルム(SF)とフィルム(MF)を交互に、かつ最外層がフィルム(SF)となるように、合計3層以上積層し、プレスして一体化する。
積層工程では、フィルム(SF)とフィルム(MF)を交互に、かつ最外層がフィルム(SF)となるように、合計3層以上積層する。
本工程おける積層数は3層以上であり、5層以上が好ましく、7層以上がより好ましく、9層以上が更に好ましく、15層以上がより更に好ましい。上限値は、39層以下が好ましく、35層以下がより好ましく、29層以下が更に好ましい。積層数を3層以上とすることで、本積層体に衝撃力が加わった際に、SPS層間に存在する低軟化点の比較的柔軟なスチレン系樹脂層が衝撃力を分散、緩和し、靭性を高めているものと考えられる。
プレス一体化工程では、250~268℃でプレスして一体化することが好ましく、255~265℃がより好ましく、257~263℃が更に好ましい。250~268℃でプレスすることで、SPS層の分子配向状態を維持したままで、各樹脂層を密着させることができる。
本工程において、用いるプレス方法に制限はないが、真空プレス法によって、プレスして一体化することが好ましい。また、本工程では、真空プレス機を用いることが好ましい。真空プレス法を用いた場合のプレス条件としては、真空度は-0.05MPa以下が好ましく、プレス温度は250~268℃が好ましく、プレス圧力は0.5~5.0MPaが好ましく、1.0~4.0MPaがより好ましく、1.5~3.0MPaが更に好ましい。また、プレス保持時間は1~60分が好ましく、1~30分がより好ましく、1~10分が更に好ましい。
このようにして、積層されたフィルムを一体化することで、樹脂積層体を得ることが好ましい。
<低誘電材用樹脂積層体の特性等>
本発明の製造方法で得られた樹脂積層体の構造及び特性は、前記[低誘電材用樹脂積層体]の項に記載したものが好ましく、以下の通りである。
すなわち、本発明の製造方法で得られた好適な樹脂積層体は、シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む樹脂層(S)と軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含む樹脂層(M)が交互に合計3層以上積層され、最外層が樹脂層(S)である。
図1に示すように本発明の低誘電材用樹脂積層体1が3層の場合、軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含む樹脂層2(樹脂層(M)に相当)の両側を、シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む樹脂層3(樹脂層(S)に相当)で挟み、最外層がいずれも樹脂層3となることが好ましい。
積層体において、樹脂層は交互に積層され、最外層が樹脂層(S)であることが好ましい。すなわち、3層の場合はS/M/S、5層の場合はS/M/S/M/Sとなり、7層の場合はS/M/S/M/S/M/Sとなる。
積層数は3層以上であり、5層以上が好ましく、7層以上がより好ましく、9層以上が更に好ましく、15層以上がより更に好ましい。上限値は、39層以下が好ましく、35層以下がより好ましく、29層以下が更に好ましい。積層数を3層以上とすることで、本積層体に衝撃力が加わった際に、SPS層間に存在する低軟化点の比較的柔軟なスチレン系樹脂層が衝撃力を分散、緩和し、靭性を高めることができると考えられる。
また、本発明の製造方法で得られた樹脂積層体の厚さは、0.01~3.0mmが好ましく、0.02~3.0mmがより好ましく、0.03~3.0mmが更に好ましい。
なかでも、回路基板の用途に用いる場合には、0.03~1.5mmが好ましく、0.10~1.0mmがより好ましく、0.2~0.9mmが更に好ましい。また、ミリ波レドーム用樹脂板、良電波透過性樹脂板の用途に用いる場合には、0.9~3.0mmが好ましく、0.9~2.5mmがより好ましい。
本発明の製造方法で得られた樹脂積層体の誘電損失は、0.00030以下が好ましく、0.00025以下がより好ましい。誘電損失は実施例に記載の測定方法によって得られた値である。積層体全体が絶縁性に優れるスチレン系樹脂からなるため、誘電損失が低く、特に回路基板等の電子材料に適した積層体を得ることができるものと考えられる。
本発明の製造方法で得られた樹脂積層体の衝撃強度は、厚さを0.9mmとした場合、0.1J以上が好ましく、0.6J以上がより好ましく、0.8J以上が更に好ましい。ここでの衝撃強度は、実施例に記載の測定方法によって得られる値である。
本発明の製造方法で得られた樹脂積層体は、強度にも優れるSPSフィルムと、軟化点の低いより柔軟な樹脂が密着して構成されているため、衝撃強度に優れるものと考えられる。更に好適なSPSフィルムは二軸延伸フィルムであり、ポリスチレン分子の配向性が高く、より強度が高まっているものと考えられる。
[低誘電材用樹脂積層体を含む電子回路基板、及び樹脂板]
本発明の電子回路基板は、前記低誘電材用樹脂積層体を含む。
また、本発明の第二の態様の電子回路基板は、前記製造方法で得られた低誘電材用樹脂積層体を含む。
更に、本発明の樹脂積層体あるいは本発明の製造方法で得られた樹脂積層体は、ミリ波レドーム用樹脂板、良電波透過性樹脂板として用いてもよく、光導波路回路板、アレイアンテナ、MIMOアンテナ、アレイアンテナ電極電気工学変調器などにも利用することができる。
本発明の樹脂積層体あるいは本発明の製造方法で得られた樹脂積層体を電子回路基板として用いる場合、電子回路基板の全体の厚さは0.05~2.0mmが好ましく、0.4~1.6mmがより好ましい。
また、本発明の電子回路基板は、電子回路用基板の片面あるいは両面に金属層を積層させ、金属層をパターニングすることにより製造される。パターニングは、フォトリソ法により金属層をエッチングすることにより行うことが好ましい。無電解メッキ法、電解メッキ法、蒸着法、トリアジンを使用した金属密着法を用いることもできる。本発明の樹脂積層体に置換または無置換のポリアニリンを含むポリアニリン層を積層させ、ポリアニリン層に無電解メッキ等でメタライジングすることもできる。この方法は樹脂積層体と金属層の密着性に優れ、かつ極めて平滑な金属層が得られる。そのため、この方法は伝送損失の小さい電子回路基板を得ることができることから好ましく用いることができる。
なお、本発明の樹脂積層体あるいは本発明の製造方法で得られた樹脂積層体をミリ波レドーム用樹脂板、良電波透過性樹脂板として用いる場合、該樹脂板の全体の厚さは1.0~7.0mmが好ましく、1.5~5.0mmがより好ましく、2.0~2.5mmが更に好ましい。
本発明の樹脂積層体をミリ波レドーム用樹脂板、良電波透過性樹脂板として用いる場合、必要に応じてコート材等をさらに積層させることもできる。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
(1)樹脂の重量平均分子量
ゲル浸透クロマトグラフィー(ゲルパーミエイションクロマトグラフィ、略称「GPC」)測定法により測定した。
測定条件は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC-8321GPC/HT)、東ソー株式会社製GPCカラム(GMHHR-H(S)HT)を用い、溶離液として1,2,4-トリクロロベンゼンを用い、145℃で測定した。
標準ポリスチレンの検量線を用いて、ポリスチレン換算分子量として算出した。
(2)樹脂の軟化点
軟化点(ビカット軟化点)は、JIS K7206:2016に準拠して測定を行った。
測定条件は、東洋精機製作所株式会社製の3M-2を用い、A120法、試験荷重10N及び昇温速度120℃/h、試験開始温度を50℃、最大侵入量1mmとして、3回測定を行い、その平均を求めた。
測定用サンプルは、次のように作製した。
深さ3mmの型枠に、樹脂のパウダーを充填して密閉し、真空にすると同時に、昇温、加圧(真空度:-0.1MPa以下、プレス圧:2MPa)した。SPS(重量平均分子量230,000)は280℃まで昇温して5分保持した後、自然冷却して250℃になった時点で、常圧に戻し、プレス圧力を開放し、サンプルを型枠から取り出した後、常温まで自然冷却した。パラメチルスチレン共重合SPS(重量平均分子量180,000)は260℃まで昇温して5分保持した後、自然冷却して230℃になった時点で、常圧に戻し、プレス圧力を開放し、冷却して、サンプルを型枠から取り出した後、常温まで自然冷却した。
SPSのサンプル及びパラメチルスチレン共重合SPSのサンプルは、150℃、10分アニールした。アニール後、それぞれ略3mm角に裁断し、測定用サンプルとした。
(3)衝撃強度
実施例及び比較例の樹脂積層体の衝撃強度を下記の条件で測定した。
試験方法:JIS K5600-5-3に準拠
試験装置:デュポン衝撃試験機(テスター産業株式会社製)
試験片:65mmφ
撃ち型及び受け台半径:12.7mm
試験環境:23℃、相対湿度50%
判定方法:JIS K7211-1準拠
(4)誘電正接(tanδ)
実施例及び比較例の樹脂積層体の誘電正接(tanδ)を、JIS K6911-1995に準拠して下記の条件で測定した。
誘電正接(tanδ)の値が小さいものほど、誘電損失が小さく、誘電特性に優れる。
LCRメータ:HP4284A(ヒューレットパッカード社製、電極:HP16451B、印加電圧範囲:42V)
測定周波数:1MHz
試験サイズ:60mmφ
(5)配向係数f
広角X線回折測定においては、X線発生装置(理学電気社製、ultraX 18HF)を用いて50KV、250mAの出力でCuKα線(波長=1.5418Å)の単色光を5分間照射し、イメージングプレート型二次元検出器により回折像を得た。この時、試料と検出器の間の距離(カメラ長)は105mmに調整した。
作製した配向フィルムを厚さが1mm以上になるように方向を揃えて積層し、測定試料として準備した。測定試料の向きを調整し、X線の入射方向を変えることで、Through方向、Edge方向、End方向の回折像をそれぞれ得た。
結晶配向係数の算出にあたっては、得られた回折像の赤道方向の強度プロフィールから、α型結晶の(110)面に帰属される回折角2θ=6.7degの回折ピークを使用した。
配向軸に対する面法線ベクトルの結晶配向係数f(配向係数f)は、式(F1)に基づいて算出した。
Figure 0007281381000004
上式(F1)におけるcosφは式(F2)で、<cos2φ>は式(F3)で、それぞれ求めることができる。
Figure 0007281381000005
Figure 0007281381000006

ここで、φはX線回折測定における方位角であり、θは赤道方向の回折角2θの1/2、δは回折像上の子午線から回折ピーク位置までの傾き角を示す。
また、I(φ)は(110)面の角度φにおける回折強度である。
実施例1(低誘電材用樹脂積層体の製造)
(1)二軸延伸SPSフィルム(SF)の製造
重量平均分子量230,000のSPS(シンジオタクチックポリスチレン、スチレンホモポリマー、軟化点265℃、融点271℃)ペレットを、単軸押出機にて300℃で溶融し、Tダイスより押出し、80℃のキャストロールにて引速6m/分で冷却した。得られたキャストフィルムの厚みは541μmであった。その後、得られたキャストフィルムにパンタグラフ方式の二軸延伸機を用いて同時二軸延伸を行い、延伸後のフィルムを熱処理(アニール)して、厚さ50μmの二軸延伸SPSフィルム(SF)を得た。なお、二軸延伸機の条件は、予熱ゾーンと延伸ゾーンを120℃、熱固定ゾーンを200℃に設定し、延伸ゾーンの延伸倍率をMD(長手方向)、TD(幅方向)ともに3.5倍、熱固定ゾーンの弛緩率をMD(長手方向)、TD(幅方向)ともに6%とした。
得られた二軸延伸SPSフィルム(SF)の配向係数は、Through方向で0.0004、Edge方向で-0.3048、End方向で-0.2758であった。
(2)厚み25μmの二軸延伸パラメチルスチレン共重合SPSフィルム(MF)の製造
重量平均分子量180,000のパラメチルスチレンランダム共重合SPS(パラメチルスチレン成分8モル%、軟化点236℃、融点250℃)ペレットを、単軸押出機にて290℃で溶融し、Tダイスより押出し、80℃のキャストロールにて引速6m/分で冷却した。得られたキャストフィルムの厚みは271μmであった。その後、得られたキャストフィルムにパンタグラフ方式の二軸延伸機を用いて同時二軸延伸を行い、延伸後のフィルムを熱処理(アニール)して、厚さ25μmの二軸延伸パラメチルスチレン共重合SPSフィルム(二軸延伸PMS/SPSフィルム)(MF)を得た。なお、二軸延伸機の条件は、(1)二軸延伸SPSフィルム(SF)の製造と同様にした。
(3)樹脂積層体の製造
(1)で得られたフィルム(SF)及び(2)で得られたフィルム(MF)を最外層がSFとなるように交互に計27枚重ね、真空プレス機にて真空度-0.1MPa以下、プレス圧力1.8MPa、260℃の条件で3分プレスし、その後230℃に冷却、大気圧に戻し、樹脂積層体を得た。樹脂積層板の厚さは0.9mmであった。衝撃強度と誘電正接(tanδ)の値を表1に示す。
比較例1
(1)で得られたフィルム(SF)を計20枚重ね、真空プレス機にて真空度-0.1MPa以下、プレス圧力1.5MPa、280℃の条件で3分プレスし、その後230℃に冷却、大気圧に戻し、樹脂積層体を得た。樹脂積層板の厚さは0.9mmであった。衝撃強度と誘電正接(tanδ)の値を表1に示す。
比較例2
(4)厚み50μmの二軸延伸パラメチルスチレン共重合SPSフィルム(MF)の製造
押出機で使用する樹脂の吐出量を調整する以外は、(2)と同様の条件で溶融押出を行い、厚み541μmのキャストフィルムを得た。得られたキャストフィルムに、パンタグラフ方式の二軸延伸機を用いて同時二軸延伸を行い、延伸後のフィルムを熱処理(アニール)して、厚さ50μmの二軸延伸パラメチルスチレン共重合SPSフィルム(二軸延伸PMS/SPSフィルム)(MF)を得た。なお、二軸延伸機の条件は、(1)二軸延伸SPSフィルム(SF)の製造と同様にした。
(4)で得られたフィルム(MF)を計20枚重ね、真空プレス機にて真空度-0.1MPa以下、プレス圧力1.5MPa、260℃の条件で3分プレスし、その後230℃に冷却、大気圧に戻し、樹脂積層体を得た。樹脂積層板の厚さは0.9mmであった。衝撃強度と誘電正接(tanδ)の値を表1に示す。
比較例3(樹脂成型体の製造)
(1)二軸延伸SPSフィルム(SF)の製造で用いた重量平均分子量230,000のSPSペレットとスチレン系エラストマー(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロックコポリマー、SEBS)を80/20(質量/質量)の割合となるように混合し、二軸押出機にてペレタイズして、混合樹脂のペレットを得た。そのペレットをディスクミルで粉砕し、平均粒径500μmの樹脂パウダーとした。樹脂パウダーを型枠に敷き、真空プレス機にて真空度-0.1MPa以下、プレス圧力1.5MPa、290℃の条件で3分プレスし、その後230℃に冷却、大気圧に戻し、樹脂成型体を得た。樹脂成形体の厚みは0.9mmであった。衝撃強度と誘電正接(tanδ)の値を表1に示す。
Figure 0007281381000007
実施例1の低誘電材用樹脂積層体は、誘電損失が小さく、高い靭性を有しているのに対して、比較例1及び2の積層体は衝撃強度が低く、靭性に乏しいものであった。また、エラストマーを配合した樹脂成型体である比較例3は、衝撃強度には優れるものの、誘電損失は大きいものであった。
1 低誘電材用樹脂積層体
2 軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含む樹脂層(樹脂層(M))
3 シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む樹脂層(樹脂層(S))

Claims (13)

  1. シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む樹脂層(S)と軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含み、アイソタクチックポリプロピレンを含まない樹脂層(M)が交互に合計3層以上積層され、最外層が樹脂層(S)であり、
    樹脂(M1)が、パラメチルスチレンを共重合成分とするスチレン系樹脂である、低誘電材用樹脂積層体を含む電子回路基板
  2. 樹脂層(S)が配向フィルムからなる、請求項1に記載の低誘電材用樹脂積層体を含む電子回路基板
  3. 樹脂層(S)が二軸延伸フィルムからなる、請求項1又は2に記載の低誘電材用樹脂積層体を含む電子回路基板
  4. スチレン系樹脂(S1)の重量平均分子量が、150,000~250,000である、請求項1~3のいずれか1つに記載の低誘電材用樹脂積層体を含む電子回路基板
  5. 樹脂(M1)に用いられるスチレン系樹脂の立体規則性が、シンジオタクチックである、請求項1~4のいずれか1つに記載の低誘電材用樹脂積層体を含む電子回路基板。
  6. 樹脂(M1)の重量平均分子量が、150,000~250,000である、請求項1~のいずれかに1つに記載の低誘電材用樹脂積層体を含む電子回路基板
  7. 樹脂(M1)の共重合成分中、パラメチルスチレン成分が3~15モル%である、請求項1~6のいずれかに記載の低誘電材用樹脂積層体を含む電子回路基板
  8. シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂(S1)を含む配向フィルム(SF)と軟化点が260℃以下の樹脂(M1)を含み、アイソタクチックポリプロピレンを含まないフィルム(MF)を交互に、かつ最外層がフィルム(SF)となるように、合計3層以上積層し、プレスして一体化する工程を有し、樹脂(M1)が、パラメチルスチレンを共重合成分とするスチレン系樹脂である請求項1~7のいずれかに記載の低誘電材用樹脂積層体を含む電子回路基板の製造方法。
  9. 前記工程において、配向フィルム(SF)が二軸延伸フィルムである、請求項に記載の電子回路基板の製造方法。
  10. 前記工程において、250~268℃でプレスして一体化する、請求項又はに記載の電子回路基板の製造方法。
  11. 前記工程において、真空プレス法によって、プレスして一体化する、請求項10のいずれか1つに記載の電子回路基板の製造方法。
  12. 前記真空プレス法のプレス圧力が0.5~5.0MPaであり、プレス保持時間が1~60分である、請求項11に記載の電子回路基板の製造方法。
  13. 請求項12のいずれかに1つに記載の製造方法で得られた電子回路基板。
JP2019183812A 2019-10-04 2019-10-04 低誘電材用樹脂積層体 Active JP7281381B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019183812A JP7281381B2 (ja) 2019-10-04 2019-10-04 低誘電材用樹脂積層体
TW109134183A TW202120332A (zh) 2019-10-04 2020-09-30 低介電材用樹脂積層體
PCT/JP2020/037053 WO2021065968A1 (ja) 2019-10-04 2020-09-30 低誘電材用樹脂積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019183812A JP7281381B2 (ja) 2019-10-04 2019-10-04 低誘電材用樹脂積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021059038A JP2021059038A (ja) 2021-04-15
JP7281381B2 true JP7281381B2 (ja) 2023-05-25

Family

ID=75336991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019183812A Active JP7281381B2 (ja) 2019-10-04 2019-10-04 低誘電材用樹脂積層体

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7281381B2 (ja)
TW (1) TW202120332A (ja)
WO (1) WO2021065968A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002086635A (ja) 2000-09-08 2002-03-26 Idemitsu Petrochem Co Ltd スチレン系樹脂積層体の製造方法
JP2011088387A (ja) 2009-10-23 2011-05-06 Idemitsu Kosan Co Ltd フレキシブルプリント基盤製造用積層体
JP2014019017A (ja) 2012-07-17 2014-02-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd 離型フィルム
JP2016030419A (ja) 2014-07-30 2016-03-07 住友ベークライト株式会社 離型フィルム

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6040061A (en) * 1992-10-01 2000-03-21 3M Innovative Properties Company Tear resistant multilayer films based on sebacic acid copolyesters and articles incorporating such films
US5610455A (en) * 1995-06-29 1997-03-11 Minnesota Mining And Manufacturing Company Electret containing syndiotactic vinyl aromatic polymer

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002086635A (ja) 2000-09-08 2002-03-26 Idemitsu Petrochem Co Ltd スチレン系樹脂積層体の製造方法
JP2011088387A (ja) 2009-10-23 2011-05-06 Idemitsu Kosan Co Ltd フレキシブルプリント基盤製造用積層体
JP2014019017A (ja) 2012-07-17 2014-02-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd 離型フィルム
JP2016030419A (ja) 2014-07-30 2016-03-07 住友ベークライト株式会社 離型フィルム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
プラスチック成形加工データブック(第2版),日本,日本工業新聞社,2002年01月28日,p.2-p.3

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021059038A (ja) 2021-04-15
TW202120332A (zh) 2021-06-01
WO2021065968A1 (ja) 2021-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101366906B1 (ko) 열가소성 액정 폴리머 필름으로 피복한 배선판의 제조 방법
JP6304470B1 (ja) 二軸延伸ポリプロピレンフィルム、コンデンサ用金属化フィルム、及び、コンデンサ
TW201323199A (zh) 熱塑性液晶聚合物薄膜及使用其之積層體及電路基板
KR102097222B1 (ko) 수지 조성물, 이를 이용한 금속 적층체와 인쇄회로기판 및 상기 금속 적층체의 제조방법
CN110139738B (zh) 双轴拉伸聚丙烯薄膜、金属化薄膜和电容器
US20240182614A1 (en) Resin composition, prepreg, resin-coated film, resin-coated metal foil, metal-clad laminate, and wiring board
WO2015178365A1 (ja) 離形フィルム
TWI687465B (zh) 液晶聚合物薄膜及液晶聚合物與聚醯亞胺的複合膜及其製法
JP7281381B2 (ja) 低誘電材用樹脂積層体
KR20230032878A (ko) 액정 폴리머 필름, 적층체
WO2022014582A1 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付きフィルム、樹脂付き金属箔、金属張積層板、及び配線板
CN107001661B (zh) 取向膜
CN112477336B (zh) 一种液晶高分子膜及其制作方法
JP2000506305A (ja) 整調可能な誘電特性を具有する熱可塑性エラストマー基板材料およびその積層品
JP2007323918A (ja) シールドフラットケーブルおよびその製造方法
KR20210047870A (ko) 금속층 일체형 폴리프로필렌 필름, 필름 콘덴서, 및 금속층 일체형 폴리프로필렌 필름의 제조 방법
JPH10265592A (ja) プリント配線板用プリプレグの製造方法
CN112566364B (zh) 无胶粘层热塑性液晶聚合物高频基板及其制备方法和应用
JP6519187B2 (ja) 多層伝送線路板
CN111801373A (zh) 双轴拉伸聚丙烯薄膜、金属化薄膜、薄膜电容器及薄膜卷
WO2023157369A1 (ja) 積層体、及び該積層体を有する金属張積層板
JP3152002B2 (ja) 樹脂含浸繊維シート
JP2022070515A (ja) 電子回路基板用積層体
WO2022220248A1 (ja) 金属化ポリプロピレンフィルム
US20220380558A1 (en) Liquid crystal polymer composite, liquid crystal polymer composite film, and metal-clad laminate including same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220927

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20221111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230515

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7281381

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150