JP7279432B2 - 複合基板、電子デバイス、複合基板の製造方法及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

複合基板、電子デバイス、複合基板の製造方法及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複合基板及びその複合基板を用いた電子デバイス並びに複合基板及び電子デバイスの製造方法に関する。
表面弾性波素子(いわゆるSAWフィルタ)は、例えば、携帯電話などの通信機器におけるバンドパスフィルタとして利用されている。表面弾性波素子を形成するための圧電基板には、高音速で電気機械結合係数が大きいことが要求されるため、これらの要求特性を満たすことができるニオブ酸リチウム(LiNbO:以下LN)やタンタル酸リチウム(LiTaO:以下LT)が主に用いられている。しかしながら、LNやLTは熱膨張係数が大きく、温度変化による熱膨張・収縮量が大きい。この温度変化による熱膨張・収縮挙動を抑制するために、特許文献1においては、支持基板として熱膨張係数が比較的小さいサイアロン焼結体を用いた複合基板が提案されている。
国際公開第2018/056210号
特許文献1に記載の複合基板においては、支持基板に比較的小さい熱膨張係数を有するサイアロン焼結体を用いることによって、温度変化による熱膨張・収縮挙動をある程度抑制することはできる。しかしながら、支持基板に用いるサイアロン焼結体において熱膨張・収縮が生じるため、複合基板の熱膨張・収縮挙動を完全に抑制することはできない。そのため、圧電基板と支持基板との間に歪が生じる。その残留歪がデバイスの周波数特性に影響を及ぼし、周波数が不安定となるおそれがある。そのため、バンドパスフィルタの中心周波数が変動し、例えばバンドパスフィルタを本来通すべき周波数の信号が減衰する等して、フィルタ特性すなわち特定の周波数信号の分離特性が劣化する。
本発明の目的は、電子デバイスに用いた場合に、温度変化に対するフィルタ特性の安定性を高めることができる、複合基板及び上記複合基板を用いた電子デバイス並びに上記複合基板の製造方法及び上記電子デバイスの製造方法を提供することにある。
本発明の複合基板は、電子デバイスに用いられる複合基板であって、支持基板と、支持基板上に設けられている圧電基板とを備え、支持基板が、α-クリストバライト及び/またはトリジマイトを析出してなる結晶化ガラスにより構成されていることを特徴とする。
支持基板の30℃以上、380℃以下の範囲における平均熱膨張係数が120×10-7/℃以上、150×10-7/℃以下であることが好ましい。
支持基板が、質量%で、SiO 60%~85%、Al 0.1%~7%、LiO 7%~15%、NaO 0.1%~7%、KO 1%~7%、NaO+KO 2%~14%、B 0%~7%、及びP 0.1%~5%を含有する組成の結晶化ガラスにより構成されていることが好ましい。
支持基板におけるα-クリストバライト及び/またはトリジマイトの析出量が50質量%以上であることが好ましい。
支持基板の面と圧電基板の面とが直接的に接合されていることが好ましい。また、支持基板と圧電基板との間に接合層がさらに備えられており、接合層は金属を含み、その厚みが20nm以下であってもよい。
圧電基板がニオブ酸リチウム結晶基板またはタンタル酸リチウム結晶基板であり、圧電基板の厚みが20μm以下であることが好ましい。
支持基板の圧電基板に接合されている面及び圧電基板の支持基板に接合されている面の算術平均粗さRaがそれぞれ10nm以下であることが好ましい。
本発明の電子デバイスは、上記複合基板と、圧電基板上に設けられている櫛形電極とを備え、圧電基板に弾性表面波を生成可能に構成されたことを特徴とする。
本発明の複合基板の製造方法は、上記複合基板の製造方法であって、支持基板を用意する工程と、支持基板に圧電基板を接合する工程とを備え、α-クリストバライト及び/またはトリジマイトを析出してなる結晶化ガラスを支持基板に用いることを特徴とする。
支持基板に圧電基板を接合する工程において、支持基板と圧電基板とをオプティカルコンタクトにより接合することが好ましい。
支持基板に圧電基板を接合する工程の後に、圧電基板を研磨し、複合基板を薄板化する工程がさらに備えられていることが好ましい。
本発明の電子デバイスの製造方法は、上記複合基板の圧電基板上に櫛形電極を設ける工程を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電子デバイスに用いた場合に、温度変化に対するフィルタ特性の安定性を高めることができる、複合基板及び上記複合基板を用いた電子デバイス並びに上記複合基板の製造方法及び上記電子デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る複合基板の正面断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る複合基板の正面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る電子デバイスの模式的斜視図である。
(複合基板)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合基板の正面断面図である。図1に示す本実施形態の複合基板1は、例えば、表面弾性波素子などの電子デバイスに用いられる。複合基板1は、支持基板2と、支持基板2上に設けられている圧電基板3とを備える。支持基板2は、対向し合う第1の主面2a及び第2の主面2bを有する。圧電基板3は、対向し合う第3の主面3a及び第4の主面3bを有する。支持基板2の第1の主面2aが圧電基板3に接合されている面である。圧電基板3の第3の主面3aが支持基板2に接合されている面である。
支持基板2の第1の主面2aと圧電基板3の第3の主面3aとは直接接合されている。本明細書において直接接合とは、樹脂等からなる接着剤層を介さない接合をいう。接合に際し接合面同士の間に金属層などの接合層が形成される場合も、直接接合に含む。もっとも、直接接合は、接合層を介さずに、接合面同士が直接的に接合されている場合も含む。図1に示すように、本実施形態の複合基板1は、支持基板2と圧電基板3との間において接合層を有しない。支持基板2の第1の主面2aと圧電基板3の第3の主面3aとは直接的に接合されている。
圧電基板3は、特に限定されないが、例えば、ニオブ酸リチウム結晶基板またはタンタル酸リチウム結晶基板である。
支持基板2は、α-クリストバライト及び/またはトリジマイトを析出してなる結晶化ガラスにより構成されている。本実施形態の支持基板2の30℃以上、380℃以下における平均熱膨張係数は120×10-7/℃以上、150×10-7/℃以下である。
支持基板2におけるα-クリストバライト及び/またはトリジマイトの析出量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。α-クリストバライト及び/またはトリジマイトの析出量が少なすぎると、熱膨張係数を小さくする効果が得られ難い。一方、α-クリストバライト及び/またはトリジマイトの析出量の上限は特に限定されないが、現実的には99質量%以下である。なお、α-クリストバライト及びトリジマイトの双方を含有する場合は、合量で上記範囲を満たすことが好ましい。また、熱膨張係数等特性に影響しない範囲であれば、α-クリストバライト、トリジマイト以外の結晶性シリカ及びそのシリカ化合物、例えばα-石英やリチウムダイシリケートが析出していてもよい。
支持基板2は、α-クリストバライト及び/またはトリジマイトを析出可能なものであれば特に限定されない。例えば、支持基板2は、質量%で、SiO 60%~85%、Al 0.1%~7%、LiO 7%~15%、NaO 0.1%~7%、KO 1%~7%、NaO+KO 2%~14%、B0%~7%、及びP 0.1%~5%を含有する組成である結晶化ガラスにより構成されていることが好ましい。以下に、上記ガラス組成範囲が好ましい理由を説明する。
SiOはガラス骨格を形成するとともに、主結晶の構成成分にもなる。SiOの含有量は、好ましくは65%~85%、より好ましくは70%~85%である。SiOの含有量が少なすぎると、熱膨張係数が高くなったり、化学的耐久性が低下したりする傾向がある。一方、SiOの含有量が多すぎると、溶融性が低下したり、ガラス融液の粘度が大きくなり、清澄になり難かったり、成形が困難となったりする傾向がある。
LiOは主結晶の構成成分であり、結晶性および熱膨張係数に大きな影響を与える成分である。LiOの含有量は、好ましくは7%~12%、より好ましくは7%~10%である。LiOの含有量が少なすぎると、結晶化度が低くなり、熱膨張係数が高くなりすぎることがある。一方、LiOの含有量が多すぎると、結晶化度が高くなり、屈伏点が高くなりすぎることがある。
NaOは、粘度を低下させ、溶融性及び成形性を向上させるための成分である。NaOの含有量は、好ましくは0.1%~6%、より好ましくは0.1%~5%である。NaOの含有量が少なすぎる場合は、屈伏点が高くなりすぎることがあり、多すぎる場合は結晶化し難くなる。
Oは、粘度を低下させ、溶融性及び成形性を向上させるための成分である。KOの含有量は、好ましくは1%~6%、より好ましくは1%~5%である。KOの含有量が少なすぎる場合は、屈伏点が高くなりすぎることがあり、多すぎる場合は結晶化し難くなる。
NaOとKOとの合量が2%より少ない場合は、屈伏点が高くなりすぎることがあり、14%より多い場合は結晶化し難くなる。
はガラス化を安定させる成分である。Pの含有量は、好ましくは0.1%~4%、より好ましくは0.1%~3%である。Pの含有量が少なすぎると、不均質な結晶が析出してクラックが発生し易くなり、多すぎる場合は、ガラスが分相するとともに失透し易くなる。
Alはガラス化を安定させる成分である。Alの含有量は、好ましくは0.1%~6%、より好ましくは0.1%~5%である。Alの含有量が少なすぎると、ガラスが分相し易くなり、多すぎると、粘性が高くなりガラスの溶融が困難となる。
はガラス化を安定させる成分である。Bの含有量は、好ましくは0%~6%、より好ましくは0%~5%である。Bの含有量が多すぎると、結晶化物にクラックが発生し易くなる。
上記成分以外にも、ZnO、MgO、CaO、B、SrO、BaO、ZrO、TiO、SnO、Sb等を本発明の効果を損なわない範囲で合量5%まで含有させることができる。
本実施形態の特徴は、複合基板1における支持基板2が、α-クリストバライト及び/またはトリジマイトを析出してなる結晶化ガラスにより構成されていることにある。これにより、支持基板2の熱膨張係数を圧電基板3の熱膨張係数に効果的に近づけることができる。よって、支持基板2が温度変化により熱膨張・収縮しても、圧電基板3も同程度熱膨張・収縮するため、支持基板2と圧電基板3との間に歪が残留し難い。従って、表面弾性波などを利用する電子デバイスに本実施形態の複合基板1を用いることにより、温度変化に対するフィルタ特性の安定性を高めることができる。
支持基板2の平均熱膨張係数が、30℃以上、380℃以下において120×10-7/℃以上、150×10-7/℃以下であり、圧電基板3がニオブ酸リチウム結晶基板またはタンタル酸リチウム結晶基板であることが好ましい。これにより、圧電基板3の熱膨張係数と支持基板2の熱膨張係数とをほぼ同じとすることができる。よって、支持基板2と圧電基板3との間に、温度変化による残留歪がほぼ生じない。従って、温度変化に対する電子デバイスのフィルタ特性の安定性をより一層高めることができる。
支持基板2と圧電基板3とは、直接接合されていることが好ましい。それによって、支持基板2及び圧電基板3の互いの拘束力を効果的に高めることができる。従って、温度変化に対する電子デバイスのフィルタ特性の安定性をより一層確実に高めることができる。
複合基板1の平面視における寸法は、φ50mm以上、φ400mm以下であることが好ましく、φ100mm以上、φ400mm以下であることがより好ましく、φ100mm以上、φ300mm以下であることがさらに好ましい。複合基板1及びこれを用いる電子デバイスが小型である場合には、電子デバイス内に熱が蓄積し易いため、温度変化が大きくなり易い。本実施形態の複合基板1は、温度変化に対するフィルタ特性の安定性を高めることができるため、小型の電子デバイスに用いられる場合に、特に好適である。あるいは、集積化された電子デバイスにおいても電子デバイス内に熱が蓄積し易いため、このような電子デバイスに用いる基板としても、複合基板1が好適である。
圧電基板3の厚みは、20μm以下であることが好ましい。それによって、複合基板1を用いた電子デバイスにおいて、良好なデバイス特性を発揮させることができる。圧電基板3の厚みは、1μm以上であることが好ましい。この場合には、圧電基板3が破損し難い。
(変形例)
図2は、第1の実施形態の変形例に係る複合基板の正面断面図である。図2に示すように、複合基板11は、支持基板2と圧電基板3との間に設けられている接合層14を備える。接合層14は、特に限定されないが、例えば、Ti層などの金属を含む層である。接合層14は、金属と支持基板2及び/または圧電基板3の構成成分が混合されてなる層であってもよい。また、接合層14は、単一金属により構成されてもよいし、合金により構成されてもよい。接合層14の厚みは20nm以下であることが好ましい。この場合には、接合層14が、支持基板2と圧電基板3との間の残留歪量に影響を及ぼし難い。よって、第1の実施形態と同様に、温度変化に対するフィルタ特性の安定性を高めることができる。
(電子デバイス)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る電子デバイスの模式的斜視図である。電子デバイス20は、第1の実施形態の複合基板1と、複合基板1上に設けられている第1の櫛形電極25A及び第2の櫛形電極25Bとを備える。第1の櫛形電極25Aには入力端子26Aが接続されている。第2の櫛形電極25Bには出力端子26Bが接続されている。
電子デバイス20は弾性波装置である。電子デバイス20においては、入力端子26Aから入力された信号が第1の櫛形電極25Aに印加されることにより、弾性波が励振される。弾性波は圧電基板3を伝搬し、第2の櫛形電極25Bにより信号に変換され、該信号が出力端子26Bから取り出される。これにより、入力端子26Aから入力した信号がフィルタリングされる。もっとも、電子デバイス20の回路構成は上記に限定されない。電子デバイス20は、櫛形電極を少なくとも1つ有していればよい。
電子デバイス20は、第1の実施形態の複合基板1を有するため、温度変化に対するフィルタ特性の安定性を高めることができる。
以下に、本発明に係る複合基板の製造方法の一例を図1を用いて説明する。
(複合基板の製造方法)
図1に示す支持基板2は、ガラス原料を所定の割合で調合された原料バッチを溶融した後、所定の形状に成形し、所定の温度条件で結晶化することにより作製される。
ガラスバッチの溶融温度は、生産性や均質性の観点から1300℃~1600℃程度が好ましい。また、結晶化条件としては、400℃~600℃において0.5時間~3時間熱処理して結晶核を生成させた後(結晶核生成段階)、さらに700℃~900℃で0.5時間~5時間熱処理を行い、主結晶を析出させる(結晶成長段階)ことが好ましい。
一方、圧電基板3を用意する。次に、支持基板2の第1の主面2a及び圧電基板3の第3の主面3aを平坦化及び平滑化する。具体的には、上記各面を、研磨等により算術平均粗さRa(以下Ra):10nm以下とすることが好ましい。本明細書におけるRaは、JIS B 0601:2013に基づく。研磨等により上記各面を、Total Thickness Variation(以下TTV):1.5μm以下とすることが好ましい。それによって、後の工程において、支持基板2と圧電基板3とを直接接合によって好適に接合することができ、接合強度をより確実に高めることができる。上記各面のRaの下限は、例えば、0.05nm以上である。上記各面のTTVの下限は、例えば、0.5μm以上である。これらの場合には、平坦化及び平滑化の工程における研磨時間等の過度の増加を招かずして、支持基板2と圧電基板3とを好適に接合することができる。なお、複合基板1の製造方法は、支持基板2の第1の主面2a及び圧電基板3の第3の主面3aを平坦化及び平滑化する工程を必ずしも有しなくともよい。
次に、支持基板2の第1の主面2a及び圧電基板3の第3の主面3aを活性化させる。この活性化は、例えば、上記面への不活性ガス(アルゴンなど)の中性原子ビームの照射の他、プラズマやイオンビームの照射等により行う。これらの照射には、例えばイオンガンやFAB(Fast Atom Beam)ガンなどを用いて行うことができる。FABガンはイオンガンに比べて1粒子当たりのエネルギーが大きく、常温接合の妨げとなるような基板表面の酸化膜や吸着層を除去する能力が高い。よって、支持基板2及び圧電基板3を接合させるそれぞれの表面における分子の状態として、他の物質に結合されていない結合の手が配置された状態とし易い。従って、上記表面の活性化においては、FABガンを用いることが好ましい。上記活性化を行うことにより、後の工程において、圧電基板3と支持基板2とを常温において直接接合によって好適に接合することができ、接合強度をより確実に高めることができる。なお、複合基板1の製造方法は、圧電基板3及び支持基板2のそれぞれの面を活性化させる工程を必ずしも有しなくともよい。なお、本発明において常温とは、例えば5~50℃の温度域を指す。
次に、支持基板2の第1の主面2aと圧電基板3の第3の主面3aとを直接接合によって接合する。具体的には、支持基板2の第1の主面2aと圧電基板3の第3の主面3aとを向かい合わせにした状態において、両基板を押圧する。用いる接合手法としては、オプティカルコンタクトが好ましい。接合においてオプティカルコンタクトを用いた場合、支持基板2の第1の主面2aと圧電基板3の第3の主面3aとは直接的に接合される。あるいは、例えば、常温で接合することができるADB:原子拡散接合、またはSAB:表面活性化接合を用いてもよい。
支持基板2及び圧電基板3の接合界面のうち、実際に接合している面積の割合が80%以上であることが好ましく、さらに好ましくは90%以上である。このように接合面積割合が大きいと、支持基板2と圧電基板3とが強固に接合された良好な複合基板となる。
支持基板2と圧電基板3とを接合した後に、圧電基板3側を研磨することにより、圧電基板3を薄板化することが好ましい。具体的には、研磨により、圧電基板3の厚みを20μm以下にすることが好ましい。それによって、複合基板1を用いた電子デバイスにおいて、良好なデバイス特性を発揮させることができる。なお、上記の方法によって接合することにより、接合強度をより確実に高めることができるため、研磨時の振動等によっても支持基板2から圧電基板3が剥離し難い。
このようにして作製した複合基板1においては、支持基板2の第1の主面2aと圧電基板3の第3の主面3aとが直接接合されているため、接着剤層を介して接合されている場合に比べて、支持基板2及び圧電基板3の互いの拘束力が強い。それによって、外部の温度変化による支持基板2及び圧電基板3の熱膨張・収縮挙動をより確実に互いに近づけることができる。これにより、支持基板2と圧電基板3との間に歪が残留し難く、周波数温度特性に優れたデバイス設計に寄与することができる。よって、フィルタ特性が安定した電子デバイスを提供することができる。もっとも、接合に際し、支持基板2と圧電基板3との間に図2に示した接合層14を形成してもよい。例えば、接合においてADBを用いた場合には、支持基板2と圧電基板3との間に接合層が形成される。
なお、支持基板2と圧電基板3との間に接合層14を設ける場合、上述の平坦化及び平滑化する工程の後であり、かつ、上述の活性化工程または常温接合工程の前に、接合面に金属薄膜を形成する。具体的には、支持基板2及び圧電基板3のうち少なくとも一方に、例えばTi等からなる金属薄膜を形成する工程を備える。金属薄膜は、支持基板2及び圧電基板3の双方の接合面に形成されてもよいし、支持基板2または圧電基板3の一方の接合面に形成されてもよい。
(実施例)
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)支持基板の作製
質量%で、SiO 79%、Al 4%、LiO 9%、NaO 4%、KO 2%、P 2%の組成を有するガラスとなるように、原料粉末を調合し、均一に混合した。得られた原料バッチを1360℃で均質になるまで溶融し、溶融ガラスとした。次に、溶融ガラスを板状に成形し、500℃で保持された徐冷炉内にて3時間アニール処理を行った。次に、板状に成形した溶融ガラスを室温まで冷却することにより板状結晶性ガラスを得た。
次に、板状結晶性ガラスに対して、室温から500℃まで60℃/時間の速度で昇温し、0.5時間保持して核形成を行った後、さらに850℃まで40℃/時間の速度で昇温し、1時間保持して結晶化させた。その後、室温まで60℃/時間で降温し、板状結晶化ガラスを得た。析出結晶を分析したところ、主結晶としてα-クリストバライト及びトリジマイトが析出していることが確認された。得られた板状結晶化ガラスについて、TMAを用いて熱膨張係数を測定した結果、30℃~380℃の温度範囲における、平均熱膨張係数は138×10-7/℃であった。
次に、板状結晶化ガラスをφ100mmの円板状に切断加工し、該板状結晶化ガラスの表面を研磨により鏡面状とした。板状結晶化ガラスの厚みは0.2mmとした。板状結晶化ガラスの鏡面状とした面を原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した。結果、Ra:3nm、TTV:1.2μmであった。以上により、支持基板を得た。
(2)複合基板の作製及び評価
(1)において作製した支持基板に、φ100mm、厚み0.2mmの、圧電基板としてのニオブ酸リチウム結晶基板(LN基板)をオプティカルコンタクトにより直接接合することにより、複合基板を得た。支持基板とLN基板との接合界面には気泡はほぼ観察されず、良好に接合されていた。さらに、走査型電子顕微鏡(SEM)にて複合基板の断面を観察した。結果、接合界面には隙間がなく、支持基板とLN基板とが強固に接合していることが確認できた。
得られた複合基板の界面の残留歪を歪計にて確認した。複合基板を電気炉内に設置し、10℃/分の速度で300℃まで昇温し、300℃で1時間保持した後、室温まで10℃/分の速度で降温した。電気炉に予め設置した石英ガラス製の窓から複合基板の界面を観察し、温度変化における接合部の歪量をセナルモン法にて測定した。結果、全温度範囲において、接合部の歪量は±2MPa以内の範囲内であった。このように、十分小さな残留歪量であることが確認できた。ここでいう+とは圧電基板側に圧縮応力が加わる場合の歪量を示し、-とは圧電基板側に引張応力が加わる場合の歪量を示す。
従来のサイアロン支持基板と比較して、圧電基板の熱膨張係数との差が極めて小さい熱膨張係数である結晶化ガラスにより構成されている支持基板を用いることにより、圧電基板と支持基板との接合部の残留歪を生じ難くすることができる。よって、実施例1の複合基板を電子デバイスに用いることにより、良好な周波数温度特性(TCF)を長期にわたり安定して得ることができる。従って、長期にわたり電子デバイスのフィルタ特性を安定化することができる。
1…複合基板
2…支持基板
2a…第1の主面
2b…第2の主面
3…圧電基板
3a…第3の主面
3b…第4の主面
11…複合基板
14…接合層
20…電子デバイス
25A…第1の櫛形電極
25B…第2の櫛形電極
26A…入力端子
26B…出力端子

Claims (12)

  1. 電子デバイスに用いられる複合基板であって、
    支持基板と、
    前記支持基板上に設けられている圧電基板と、
    を備え、
    前記支持基板が、質量%で、SiO 60%~85%、Al 0.1%~7%、Li O 7%~15%、Na O 0.1%~7%、K O 1%~7%、Na O+K O 2%~14%、B 0%~7%、及びP 0.1%~5%を含有し、α-クリストバライト及び/またはトリジマイトを析出してなる結晶化ガラスにより構成されていることを特徴とする、複合基板。
  2. 前記支持基板の30℃以上、380℃以下の範囲における平均熱膨張係数が120×10-7/℃以上、150×10-7/℃以下である、請求項1に記載の複合基板。
  3. 前記支持基板におけるα-クリストバライト及び/またはトリジマイトの析出量が50質量%以上である、請求項1または2に記載の複合基板。
  4. 前記支持基板の面と前記圧電基板の面とが直接的に接合されている、請求項1~のいずれか一項に記載の複合基板。
  5. 前記支持基板と前記圧電基板との間に接合層をさらに備え、
    前記接合層は金属を含み、その厚みが20nm以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の複合基板。
  6. 前記圧電基板がニオブ酸リチウム結晶基板またはタンタル酸リチウム結晶基板であり、
    前記圧電基板の厚みが20μm以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の複合
    基板。
  7. 前記支持基板の前記圧電基板に接合されている面及び前記圧電基板の前記支持基板に接合されている面の算術平均粗さRaがそれぞれ10nm以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の複合基板。
  8. 請求項1~のいずれか一項に記載の複合基板と、
    前記圧電基板上に設けられている櫛形電極と、
    を備え、
    前記圧電基板に弾性表面波を生成可能に構成された、電子デバイス。
  9. 請求項1~のいずれか一項に記載の複合基板の製造方法であって、
    前記支持基板を用意する工程と、
    前記支持基板に前記圧電基板を接合する工程と、
    を備え、
    α-クリストバライト及び/またはトリジマイトを析出してなる結晶化ガラスを前記支持基板に用いることを特徴とする、複合基板の製造方法。
  10. 前記支持基板に前記圧電基板を接合する工程において、前記支持基板と前記圧電基板とをオプティカルコンタクトにより接合する、請求項に記載の複合基板の製造方法。
  11. 前記支持基板に前記圧電基板を接合する工程の後に、前記圧電基板を研磨し、前記複合基板を薄板化する工程をさらに備える、請求項または10に記載の複合基板の製造方法。
  12. 請求項1~のいずれか一項に記載の複合基板の前記圧電基板上に櫛形電極を設ける工程を備える、電子デバイスの製造方法。
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