JP2020129726A - 弾性波共振器およびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサ - Google Patents

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Abstract

【課題】温度特性および強度を向上させること。【解決手段】石英よりヤング率が大きい単結晶または多結晶である支持基板と、前記支持基板上に設けられたアモルファスである石英基板と、前記石英基板上に設けられたタンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムを主成分とする単結晶である圧電基板と、前記支持基板と前記石英基板との間に設けられ、前記支持基板と接し前記支持基板の構成元素を主成分とする第1アモルファス層と、前記石英基板と前記圧電基板との間に設けられ、前記圧電基板と接し前記圧電基板の構成元素を主成分とする第2アモルファス層と、前記圧電基板上に設けられた一対の櫛型電極と、を備える弾性波共振器。【選択図】図1

Description

本発明は、弾性波共振器およびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサに関し、例えば一対の櫛型電極を有する弾性波共振器およびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサに関する。
スマートフォン等の通信機器に用いられる弾性波共振器として、弾性表面波共振器が知られている。弾性表面波共振器を形成する圧電基板を支持基板に接合することが知られている。圧電基板と支持基板との間に酸化シリコン膜を設けることが知られている(例えば特許文献1および2)。
特開2015−115870号公報 国際公開第2017/043427号
特許文献1および2において、圧電基板と支持基板との間の設けられた酸化シリコン膜は支持基板上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法または真空蒸着法により形成された膜である。このような酸化シリコン膜は結晶構造が不安定であり、弾性波共振器の温度特性を向上させる効果は十分ではない。また、支持基板の強度を高めることが求められる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、温度特性および強度を向上させることを目的とする。
本発明は、石英よりヤング率が大きい単結晶または多結晶である支持基板と、前記支持基板上に設けられたアモルファスである石英基板と、前記石英基板上に設けられたタンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムを主成分とする単結晶である圧電基板と、前記支持基板と前記石英基板との間に設けられ、前記支持基板と接し前記支持基板の構成元素を主成分とする第1アモルファス層と、前記石英基板と前記圧電基板との間に設けられ、前記圧電基板と接し前記圧電基板の構成元素を主成分とする第2アモルファス層と、前記圧電基板上に設けられた一対の櫛型電極と、を備える弾性波共振器である。
上記構成において、前記支持基板は、サファイア基板、アルミナ基板、シリコン基板または炭化シリコン基板である構成とすることができる。
上記構成において、前記石英基板は前記圧電基板より厚く、前記支持基板は前記石英基板より厚い構成とすることができる。
上記構成において、前記石英基板と前記第2アモルファス層との間に設けられ、前記石英基板と接し、前記石英基板より薄い酸化アルミニウム層を備える構成とすることができる。
上記構成において、前記酸化アルミニウム層の厚さは100nm以下である構成とすることができる。
上記構成において、前記酸化アルミニウム層と前記第2アモルファス層との間に設けられ、前記酸化アルミニウム層および前記第2アモルファス層とに接し、アルミニウムと酸素を主成分とする第3アモルファス層を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記第1アモルファス層の厚さおよび前記第2アモルファス層の厚さは10nm以下である構成とすることができる。
本発明は、石英よりヤング率が大きい単結晶または多結晶である支持基板上にアモルファスである石英基板を接合する工程と、前記石英基板の前記支持基板と反対の面にタンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムを主成分とする単結晶である圧電基板を接合する工程と、前記圧電基板の前記石英基板と反対の面に一対の櫛型電極を形成する工程と、を含む弾性波共振器の製造方法である。
上記構成において、前記石英基板の前記支持基板と反対の面に前記石英基板より薄い酸化アルミニウム層を形成する工程を含み、前記圧電基板を接合する工程は、前記酸化アルミニウム層の前記石英基板と反対の面に前記圧電基板を接合する工程を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記酸化アルミニウム層の前記石英基板と反対の面に前記圧電基板を接合する工程は、前記酸化アルミニウム層および前記圧電基板の表面を活性化させ、前記活性化した前記酸化アルミニウム層および前記圧電基板の表面を常温接合する工程を含む構成とすることができる。
本発明は、上記弾性波共振器を含むフィルタである。
本発明は、上記フィルタを含むマルチプレクサである。
本発明によれば、温度特性および強度を向上させることができる。
図1(a)は、実施例1における弾性波共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。 図2(a)から図2(c)は、実施例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図(その1)である。 図3(a)から図3(c)は、実施例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図(その2)である。 図4(a)から図4(d)は、実施例1における基板の接合方法を示す模式図である。 図5は、実施例1に係る弾性波共振器の断面図である。 図6(a)から図6(c)は、実施例2に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。 図7は、実施例2に係る弾性波共振器の断面図である。 図8は、酸化アルミニウム層の厚さT3に対する接合強度を示す図である。 図9(a)は、実施例3に係るフィルタの回路図、図9(b)は、実施例3の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。
以下、図面を参照し本発明の実施例について説明する。
図1(a)は、実施例1における弾性波共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。電極指の配列方向をX方向、電極指の延伸方向をY方向、支持基板および圧電基板の積層方向をZ方向とする。X方向、Y方向およびZ方向は、圧電基板の結晶方位のX軸方向およびY軸方向とは必ずしも対応しない。圧電基板が回転YカットX伝搬基板の場合、X方向は結晶方位のX軸方向となる。
図1(a)および図1(b)に示すように、圧電基板12の下に石英基板11が設けられている。石英基板11の下に支持基板10が設けられている。支持基板10、石英基板11および圧電基板12の厚さをそれぞれT0、T1およびT2とする。
圧電基板12上に弾性波共振器20が設けられている。弾性波共振器20はIDT22および反射器24を有する。反射器24はIDT(Inter Digital Transducer)22のX方向の両側に設けられている。IDT22および反射器24は、圧電基板12上の金属膜14により形成される。
IDT22は、対向する一対の櫛型電極18を備える。櫛型電極18は、複数の電極指15と、複数の電極指15が接続されたバスバー16と、を備える。一対の櫛型電極18の電極指15が交差する領域が交差領域25である。交差領域25の長さが開口長である。一対の櫛型電極18は、交差領域25の少なくとも一部において電極指15がほぼ互い違いとなるように、対向して設けられている。交差領域25において複数の電極指15が励振する弾性波は、主にX方向に伝搬する。一対の櫛型電極18のうち一方の櫛型電極の電極指15のピッチがほぼ弾性波の波長λとなる。弾性波の波長λはほぼ電極指15の2本分のピッチとなる。反射器24は、IDT22の電極指15が励振した弾性波(弾性表面波)を反射する。これにより弾性波はIDT22の交差領域25内に閉じ込められる。
圧電基板12は、単結晶タンタル酸リチウム(LiTaO)基板または単結晶ニオブ酸リチウム(LiNbO)基板であり、例えば回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板または回転YカットX伝搬ニオブ酸リチウム基板である。石英基板11は、酸化シリコン(SiO)を主成分とするアモルファス酸化シリコン基板である。
支持基板10は、石英基板11よりヤング率および熱伝導率が大きな基板である、例えばサファイア基板、アルミナ基板、シリコン基板および炭化シリコン基板である。サファイア基板は単結晶酸化アルミニウム(Al)基板である。アルミナ基板は多結晶酸化アルミニウム(Al)基板である。シリコン基板は単結晶または多結晶シリコン(Si)基板である。炭化シリコン基板は単結晶または多結晶炭化シリコン(SiC)基板である。
金属膜14は、例えばAl(アルミニウム)、Cu(銅)またはMo(モリブデン)を主成分とする膜であり、例えばAl膜、Cu膜またはMo膜である。電極指15と圧電基板12との間にTi(チタン)膜またはCr(クロム)膜等の密着膜が設けられていてもよい。密着膜は電極指15より薄い。電極指15を覆うように絶縁膜が設けられていてもよい。絶縁膜は保護膜または温度補償層として機能する。
厚さT0は例えば50μmから500μmである。厚さT1は、例えば1μmから100μmである。厚さT2は例えば0.5μmから20μmであり、例えば弾性波の波長λ以下である。弾性波の波長λは例えば1μmから6μmである。2本の電極指15を1対としたときの対数は例えば20対から300対である。IDT22のデュティ比は、電極指15の太さ/電極指15のピッチであり、例えば30%から80%である。IDT22の開口長は例えば10λから50λである。
[実施例1の製造方法]
図2(a)から図3(c)は、実施例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。図2(a)に示すように、支持基板10の上面および石英基板11の下面にイオン54を照射する。これにより、支持基板10の上面および石英基板11の下面が活性化する。
図2(b)に示すように、支持基板10の上面と石英基板11の下面とを常温にて接合する。図2(c)に示すように、石英基板11の上面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用い平坦化する。これにより、石英基板11の厚さがT1となる。
図3(a)に示すように、石英基板11の上面および圧電基板12の下面にイオン54を照射する。これにより、石英基板11の上面および圧電基板12の下面が活性化する。
図3(b)に示すように、石英基板11の上面と圧電基板12の下面とを常温にて接合する。図3(c)に示すように、圧電基板12の上面を例えばCMP法を用い平坦化する。これにより、圧電基板12の厚さがT2となる。その後、圧電基板12上に金属膜14を形成することで、図1(a)および図1(b)の弾性波共振器が製造できる。石英基板11の上面と圧電基板12の下面を常温接合し、石英基板11を薄膜化した後、支持基板10の上面と石英基板11の下面とを常温接合してもよい。
図2(a)および図2(b)並びに図3(a)および図3(b)の常温接合について、石英基板11上に圧電基板12を接合する場合を例に説明する。図4(a)から図4(d)は、実施例1における基板の接合方法を示す模式図である。
図4(a)に示すように、石英基板11はアモルファスであり、原子50aを有する。石英基板11の上面に自然酸化膜11cが形成されている。自然酸化膜11cは原子50aと酸素とから構成される。
図4(b)に示すように、圧電基板12は単結晶基板であり、圧電基板12を構成する元素の原子52aが規則的に配列されている。圧電基板12の下面に自然酸化膜12cが形成されている。自然酸化膜12cは原子52aと酸素とから構成される。
図4(a)および図4(b)に示すように、真空中において、石英基板11の上面および圧電基板12の下面にイオン54等を照射する。イオン54は例えばAr(アルゴン)イオン等の不活性元素(例えば希ガス元素)のイオンである。イオン54等をイオンビーム、中性化したビームまたはプラズマとして、照射する。これにより、石英基板11の上面および圧電基板12の下面が活性化される。Arイオンを用いる場合、例えばArイオンの電流を25mAから200mAとし、Arイオンの照射時間を30秒から120秒程度とする。
図4(c)に示すように、石英基板11の上面にアモルファス層11bが形成される。アモルファス層11bは石英基板11の構成元素の原子50aとイオン54とを含む。圧電基板12の下面にアモルファス層12aが形成される。アモルファス層12aは圧電基板12の構成元素の原子52aとイオン54とを含む。アモルファス層11bおよび12aの表面には未結合の結合手が形成される(すなわち活性化される)。
図4(d)に示すように、真空を維持した状態で、アモルファス層11bと12aとを張り合わせると、未結合手同士が結合し、強固な結合となる。これにより、石英基板11と圧電基板12が接合される。このような接合は常温(例えば100℃以下かつ−20℃以上、好ましくは80℃以下かつ0℃以上)で行われるため熱応力を抑制できる。常温で接合されたか否かは、残留応力の温度依存性により確かめることができる。すなわち、接合された温度において、残留応力が最も小さくなる。
石英基板11と圧電基板12とを接合すると、石英基板11と圧電基板12との間にアモルファス層11bと12aからなるアモルファス層32が形成される。
図5は、実施例1に係る弾性波共振器の断面図である。図5では常温接合において形成されるアモルファス層を図示している。図5に示すように、支持基板10と石英基板11との間にアモルファス層30が設けられている。アモルファス層30は支持基板10に接するアモルファス層10aと石英基板11に接するアモルファス層11aを備えている。アモルファス層10aと11aとは接している。石英基板11と圧電基板12との間にアモルファス層32が設けられている。アモルファス層32は石英基板11に接するアモルファス層11bと圧電基板12に接するアモルファス層12aを備えている。アモルファス層11bと12aとは接している。
アモルファス層30において、アモルファス層10aは、支持基板10の構成元素を主成分とし、表面活性化のための元素(例えばAr)を含む。支持基板10がサファイア基板のとき、アモルファス層10aはAl(アルミニウム)およびO(酸素)を主成分とし、表面活性化のための元素を含む。アモルファス層11aは、SiおよびOを主成分とし、表面活性化のための元素を含む。アモルファス層10aは、支持基板10の構成元素のうち石英基板11の構成元素以外の元素をほとんど含まない。例えばアモルファス層10aはSiをほとんど含まない。アモルファス層11aは、支持基板10の構成元素のうち石英基板11の構成元素以外の元素をほとんど含まない。例えばアモルファス層11aはAlをほとんど含まない。
アモルファス層32において、アモルファス層11bは、SiおよびOを主成分とし、表面活性化のための元素を含む。アモルファス層12aは、圧電基板12の構成元素を主成分とし、表面活性化のための元素を含む。圧電基板12がタンタル酸リチウム基板のとき、アモルファス層12aは、Ta(タンタル)、Li(リチウム)および酸素を主成分とし、表面活性化のための元素を含む。アモルファス層11bは、石英基板11の構成元素のうち圧電基板12の構成元素以外の元素をほとんど含まない。例えばアモルファス層11bはTaおよびLiをほとんど含まない。アモルファス層12aは、圧電基板12の構成元素のうち石英基板11の構成元素以外の元素をほとんど含まない。例えばアモルファス層12aはSiをほとんど含まない。
アモルファス層10a、11a、11bおよび12aの厚さは、0nmより大きいことが好ましく、0.5nm以上がより好ましい。これにより、支持基板10と石英基板11との接合性および石英基板11と圧電基板12との接合性を向上させることができる。アモルファス層10a、11a、11bおよび12aの厚さは、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下がより好ましい。これにより、弾性波共振器の特性の劣化を抑制できる。
支持基板10、石英基板11、圧電基板12、アモルファス層10a、11a、11bおよび12aは、TEM(Transmission Electron Microscope)法を用い観察することができる。アモルファス層11aおよび11bは石英基板11と同じ構成元素でかつアモルファスなため、TEMにより観察が難しい場合もある。
圧電基板12をタンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムを主成分とする単結晶基板とすると、線膨張係数が大きい。これにより、温度により電極指15のピッチが変化し、共振周波数等の温度係数が大きくなる。そこで、圧電基板12を線膨張係数が小さい基板に接合する。
表1は、タンタル酸リチウム基板と各種基板の線膨張係数、熱伝導率およびヤング率を示す表である。
Figure 2020129726
表1に示すように、タンタル酸リチウム基板のX軸方向の線膨張係数は16.1ppm/℃である。タンタル酸リチウム基板を接合する基板の線膨張係数は0に近い方がよい。この観点から石英基板が好ましい。しかし、石英基板は熱伝導率およびヤング率が小さい。このため、放熱性が悪くなる。また、強度が低く、熱応力等により変形する可能性または割れる可能性がある。一方、サファイア基板、アルミナ基板、シリコン基板および炭化シリコン基板は熱伝導率およびヤング率が高く、放熱性および強度が高い。しかしながら、線膨張係数が石英基板より大きく、共振周波数の温度係数が大きくなる。
そこで、圧電基板12を石英基板11上に接合し、石英基板11をヤング率の大きい支持基板10に接合する。
石英基板11は、石英または水晶を溶融させた後固化して形成する。このような石英ガラス基板はアモルファス(非晶質)であり、表1のように線膨張係数が小さい。一方、CVD法、スパッタリング法または真空蒸着法を用い支持基板10の上面または圧電基板12の下面に成膜した酸化シリコン膜は表1のような理想的な石英とはならない。例えば、このように成膜した酸化シリコン膜はアモルファスと多結晶とを含む膜となる場合がある。また、酸素とシンリコンとの組成比が2:1からずれる場合もある。さらに、意図しない元素が含まれる場合もある。さらに、酸化シリコン膜を圧電基板12の線膨張係数を補償するほど厚く形成することが難しい。
実施例1によれば、図2(b)のように石英よりヤング率が大きい単結晶または多結晶である支持基板10上にアモルファスである石英基板11を接合する。図3(b)のように、石英基板11の支持基板10と反対の面にタンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムを主成分とする単結晶である圧電基板12を接合する。図1(b)のように圧電基板12の石英基板11と反対の面に一対の櫛型電極18を形成する。これにより、弾性波共振器の周波数温度係数を小さくし、かつ基板の強度を高くすることができる。
支持基板10の熱伝導率を石英の熱伝導率より大きくすることで、放熱性を向上させることができる。支持基板10として、サファイア基板、アルミナ基板、シリコン基板または炭化シリコン基板を用いると、基板の強度および放熱性を向上させることができる。
支持基板10と石英基板11とを表面を活性化させ常温接合すると、図5のように支持基板10と石英基板11との間に支持基板10および石英基板11と接するアモルファス層30が形成される。アモルファス層30は支持基板10と接し支持基板10の構成元素を主成分とするアモルファス層10a(第1アモルファス層)を含む。石英基板11と圧電基板12とを表面を活性化させ常温接合すると、石英基板11と圧電基板12との間に圧電基板12と接するアモルファス層32が形成される。アモルファス層32は、圧電基板12と接し圧電基板12の構成元素を主成分とするアモルファス層12a(第2アモルファス層)を含む。
なお、主成分とするとは、実施例1および2の効果を奏する程度に含むことを意味し、意図的または意図せずに添加される不純物を含み、例えば構成元素の50原子%または80原子%以上含むことである。
圧電基板12の線膨張係数を補償するため、石英基板11の厚さT1は圧電基板12の厚さT2より厚いことが好ましく、T2の2倍以上がより好ましい。また、厚さT1は1μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。石英基板11が厚くなると強度および放熱性が低下する。よって、石英基板11の厚さT1は圧電基板12の厚さT2の10倍以下が好ましく5倍以下がより好ましい。厚さT1は100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
基板の強度および放熱性の向上の観点から支持基板10の厚さT0は石英基板11の厚さT1より厚いことが好ましくT1の2倍以上がより好ましい。また、厚さT0は50μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましい。スプリアスおよび損失を抑制するため、圧電基板12の厚さT2は、弾性波の波長λの10倍以下が好ましく、λ以下が好ましい。
図6(a)から図6(c)は、実施例2に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。図6(a)に示すように、実施例1の図2(c)の後に、石英基板11の上面に酸化アルミニウム層13を形成する。酸化アルミニウム層13は例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い形成する。このように形成された酸化アルミニウム層13は多結晶および/またはアモルファスである。図6(b)に示すように、酸化アルミニウム層13の上面および圧電基板12の下面にイオン54を照射する。これにより、酸化アルミニウム層13の上面および圧電基板12の下面が活性化する。
図6(c)に示すように、酸化アルミニウム層13の上面と圧電基板12の下面とを常温にて接合する。圧電基板12の上面を例えばCMP法を用い平坦化する。圧電基板12上に金属膜14からなるIDT22および反射器24を形成する。酸化アルミニウム層13の厚さはT3である。その他の製造方法は実施例1と同じであり説明を省略する。
図7は、実施例2に係る弾性波共振器の断面図である。図7では常温接合において形成されるアモルファス層を図示している。図7に示すように、酸化アルミニウム層13と圧電基板12との間にアモルファス層34が設けられている。アモルファス層34は酸化アルミニウム層13に接するアモルファス層13aと圧電基板12に接するアモルファス層12aを備えている。アモルファス層13aと12aとは接している。
アモルファス層34において、アモルファス層13aは、AlおよびOを主成分とし、表面活性化のための元素を含む。アモルファス層12aは、圧電基板12の構成元素を主成分とし、Arを含む。圧電基板12がタンタル酸リチウム基板のとき、アモルファス層12aは、Ta、Liおよび酸素を主成分とし、表面活性化のための元素を含む。アモルファス層13aは、酸化アルミニウム層13の構成元素のうち圧電基板12の構成元素以外の元素をほとんど含まない。例えばアモルファス層13aはTaおよびLiをほとんど含まない。アモルファス層12aは、圧電基板12の構成元素のうち酸化アルミニウム層13の構成元素以外の元素をほとんど含まない。例えばアモルファス層12aはAlをほとんど含まない。アモルファス層30の構成は実施例1と同じである。
アモルファス層10a、11a、13aおよび12aの厚さは、0nmより大きいことが好ましく、0.5nm以上がより好ましい。これにより、支持基板10と石英基板11との接合性および酸化アルミニウム層13と圧電基板12との接合性を向上させることができる。アモルファス層10a、11a、13aおよび12aの厚さは、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下がより好ましい。これにより、弾性波共振器の特性の劣化を抑制できる。
石英基板11上に圧電基板12(42°回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板)を接合し、石英基板11と圧電基板12との間の接合強度を測定した。実施例1のように、石英基板11上に圧電基板12を直接接合するサンプルと、石英基板11上に酸化アルミニウム層13をスパッタリング法を用い形成し、酸化アルミニウム層13と圧電基板12とを接合するサンプルを作製した。接合方法は図4(a)から図4(d)において説明した方法である。
図8は、酸化アルミニウム層の厚さT3に対する接合強度を示す図である。図8に示すように、酸化アルミニウム層13を設けずに石英基板11と圧電基板12とを常温接合すると接合強度は約0.5J/mである。石英基板11上の酸化アルミニウム層13を形成した後、酸化アルミニウム層13と圧電基板12とを常温接合すると接合強度は1J/m以上となる。酸化アルミニウム層13の厚さT3が厚くなると接合強度が小さくなる。これは、酸化アルミニウム層13が厚くなると、酸化アルミニウム層13の上面の平坦性が悪くなるためと考えられる。
実施例2によれば、石英基板11の支持基板10と反対の面に石英基板11より薄い酸化アルミニウム層13を形成する。酸化アルミニウム層13の石英基板11と反対の面に圧電基板12を接合する。これにより、接合強度を向上できる。酸化アルミニウム層13と圧電基板12を接合する工程は、酸化アルミニウム層13および圧電基板12の表面を活性化させ、活性化した酸化アルミニウム層13および圧電基板12の表面を常温接合する工程を含む。これにより、接合強度を向上できる。
酸化アルミニウム層13と圧電基板12とを常温接合すると、アモルファス層34はアルミニウムと酸素を主成分とするアモルファス層13a(第3アモルファス層)を含む。アモルファス層13aは、酸化アルミニウム層13とアモルファス層12aとの間に設けられ、酸化アルミニウム層13およびアモルファス層12aと接する。
酸化アルミニウム層13の厚さT3は100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。酸化アルミニウム層13の厚さT3は1nm以上が好ましく5nm以上がより好ましい。これにより、接合強度を向上できる。
図9(a)は、実施例3に係るフィルタの回路図である。図9(a)に示すように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の直列共振器S1からS3が直列に接続されている。入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の並列共振器P1およびP2が並列に接続されている。1または複数の直列共振器S1からS3および1または複数の並列共振器P1およびP2の少なくとも1つに実施例1または2の弾性波共振器を用いることができる。ラダー型フィルタの共振器の個数等は適宜設定できる。フィルタは、多重モード型フィルタでもよい。
[実施例3の変形例1]
図9(b)は、実施例3の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。図9(b)に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例3のフィルタとすることができる。
マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したがトリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 支持基板
10a、11a、11b、12a、13a アモルファス層
11 石英基板
12 圧電基板
13 酸化アルミニウム層
15 電極指
18 櫛型電極
20 弾性波共振器
22 IDT

Claims (12)

  1. 石英よりヤング率が大きい単結晶または多結晶である支持基板と、
    前記支持基板上に設けられたアモルファスである石英基板と、
    前記石英基板上に設けられたタンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムを主成分とする単結晶である圧電基板と、
    前記支持基板と前記石英基板との間に設けられ、前記支持基板と接し前記支持基板の構成元素を主成分とする第1アモルファス層と、
    前記石英基板と前記圧電基板との間に設けられ、前記圧電基板と接し前記圧電基板の構成元素を主成分とする第2アモルファス層と、
    前記圧電基板上に設けられた一対の櫛型電極と、
    を備える弾性波共振器。
  2. 前記支持基板は、サファイア基板、アルミナ基板、シリコン基板または炭化シリコン基板である請求項1に記載の弾性波共振器。
  3. 前記石英基板は前記圧電基板より厚く、前記支持基板は前記石英基板より厚い請求項1または2に記載の弾性波共振器。
  4. 前記石英基板と前記第2アモルファス層との間に設けられ、前記石英基板と接し、前記石英基板より薄い酸化アルミニウム層を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の弾性波共振器。
  5. 前記酸化アルミニウム層の厚さは100nm以下である請求項4に記載の弾性波共振器。
  6. 前記酸化アルミニウム層と前記第2アモルファス層との間に設けられ、前記酸化アルミニウム層および前記第2アモルファス層とに接し、アルミニウムと酸素を主成分とする第3アモルファス層を含む請求項4または5に記載の弾性波共振器。
  7. 前記第1アモルファス層の厚さおよび前記第2アモルファス層の厚さは10nm以下である請求項1から6のいずれか一項に記載の弾性波共振器。
  8. 石英よりヤング率が大きい単結晶または多結晶である支持基板上にアモルファスである石英基板を接合する工程と、
    前記石英基板の前記支持基板と反対の面にタンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムを主成分とする単結晶である圧電基板を接合する工程と、
    前記圧電基板の前記石英基板と反対の面に一対の櫛型電極を形成する工程と、
    を含む弾性波共振器の製造方法。
  9. 前記石英基板の前記支持基板と反対の面に前記石英基板より薄い酸化アルミニウム層を形成する工程を含み、
    前記圧電基板を接合する工程は、前記酸化アルミニウム層の前記石英基板と反対の面に前記圧電基板を接合する工程を含む請求項8に記載の弾性波共振器の製造方法。
  10. 前記酸化アルミニウム層の前記石英基板と反対の面に前記圧電基板を接合する工程は、前記酸化アルミニウム層および前記圧電基板の表面を活性化させ、前記活性化した前記酸化アルミニウム層および前記圧電基板の表面を常温接合する工程を含む請求項9に記載の弾性波共振器の製造方法。
  11. 請求項1から7のいずれか一項に記載の弾性波共振器を含むフィルタ。
  12. 請求項11に記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
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