JP7278496B1 - 冷凍サイクル状態予測装置、冷凍サイクル制御装置、及び冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
Description
着霜は、熱交換の効率を低下させる。このため、冷凍サイクル装置は、一般に、着霜量が多くなると除霜運転を行う。
図1は、実施の形態1に係る冷凍サイクル制御装置3を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。
図1に示されるとおり冷凍サイクル装置は、操作部1と、測定部2と、冷凍サイクル制御装置3と、制御部4と、を含む。
図1に示されるとおり冷凍サイクル制御装置3は、冷凍サイクル状態予測装置5と、操作量演算部6と、が含まれる。実施の形態1に係る冷凍サイクル制御装置3において、冷凍サイクル状態予測装置5は、モデル記憶部10を含む予測部9を備える。実施の形態1に係る冷凍サイクル制御装置3において、操作量演算部6は、評価部7と、最適化計算部8と、を備える。
冷凍サイクル装置を構成する操作部1は、冷凍サイクル制御装置3へ操作情報を送る構成要素である。ここで操作情報とは、後述する「操作量」を算出するための情報を意味する。
操作情報は、具体的には、運転開始信号、運転停止信号、運転モード(通常モード、省エネモード、おやすみモード、除霜モード、等のモード)、設定温度、設定風量、等の情報である。
冷凍サイクル装置を構成する測定部2は、冷凍サイクル制御装置3へ測定量を送る構成要素である。ここで測定量とは、測定により得られる冷凍サイクル装置の内部及び外部の状態を意味する。冷凍サイクル装置の状態には、例えば、着霜量、霜層厚さ、霜層密度、霜層表面温度、及び熱交換器表面温度、が含まれる。測定量は、観測可能な場合における上記に例示した内部の状態を測定した値のほか、室内温度、室外温度、蒸発温度、蒸発圧力、蒸発器ファン風量、蒸発器ファン回転数、蒸発器ファン電流値、蒸発器吸入空気の乾球温度、蒸発器吸入空気の湿度、凝縮器吸入空気の乾球温度、等の量である。
測定量の測定手段は、具体的には、温度センサ、圧力センサ、風量センサ、湿度センサ、温湿度センサ、等のセンサでよい。
測定量が霜層厚さである場合、測定方法は、カメラにより取得した画像から解析する、という方法でもよい。
測定量が室外温度又は室外湿度である場合、測定方法は、気象庁が発表する情報をインターネット通信等の手段により取得する、という方法でもよい。
冷凍サイクル装置を構成する冷凍サイクル制御装置3は、操作部1から送られる操作情報と、測定部2から送られる測定量と、に基づいて、操作量を算出する構成要素である。
操作量は、具体的には、圧縮機周波数、膨張弁開度、蒸発器ファン風量、凝縮器ファン風量、等の量である。
冷凍サイクル制御装置3の詳細な処理内容は、後述の説明により明らかとなる。
冷凍サイクル装置を構成する制御部4は、冷凍サイクル制御装置3から送られる操作量に基づいて、図示しない冷凍サイクル装置のアクチュエータを制御する構成要素である。
ここでアクチュエータは、具体的には、圧縮機、膨張弁、蒸発器ファン、凝縮器ファン、等の冷凍サイクル装置の要素である。
冷凍サイクル制御装置3を構成する冷凍サイクル状態予測装置5は、後述の操作量演算部6から送られる暫定操作量列に基づいて、将来時刻における状態の予測値を算出する構成要素である。ここで暫定操作量列は、現時刻(時刻k)において、1サンプリング時刻先(時刻k+1)からmサンプリング時刻先の将来時刻(時刻k+m)までの、各時刻(時刻k+1,…,時刻k+m)における操作量の暫定値を時系列に並べたデータ列である。暫定値は、現時刻(時刻k)において、本式に決定せず、しばらくそれと定めた臨時の値であり、実際の操作量がこれと一致するとは限らない。暫定操作量列の要素数(m)は、あらかじめ定められているパラメータである。
冷凍サイクル状態予測装置5が予測値を算出する状態は、現代制御理論における状態方程式、状態ベクトル、等における状態と同義である。本開示技術が想定する状態は、具体的には、着霜量、霜層厚さ、霜層密度、霜層表面温度、熱交換器表面温度、等の状態である。着霜量、霜層厚さ、霜層密度、霜層表面温度、及び熱交換器表面温度は、いずれも着霜に関係する状態であることから、本明細書では、「着霜関連状態」と称する。
冷凍サイクル状態予測装置5で算出された状態の予測値は、再び操作量演算部6へ送られる。すなわち冷凍サイクル制御装置3には、図1に示されるように、冷凍サイクル状態予測装置5と操作量演算部6とにより、ループが形成されている。
予測部9は、実際に状態の予測値を算出する構成要素である。より詳細に言えば予測部9は、入力された暫定操作量列に基づいて、未来における状態の予測値を算出する。予測部9は、例えば、モデル記憶部10に学習済み人工知能を格納するものであってよい。学習済みの人工知能は、具体的には学習済みの数理モデル(「学習モデル」とも称される)により実現されてよい。人工知能の学習は、例えば、勾配ブースティング木、線形回帰、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、k近似法、等のアルゴリズムが利用されてよい。学習に用いられる学習データセットは、冷凍サイクル装置を実際に運転して得られる実データのほか、シミュレーションにより得られるシミュレーションデータ、又は実データとシミュレーションデータとを組み合わせたデータでよい。
一般に、冷凍サイクル装置の多様な運転シナリオに対してリアルタイムのシミュレーションを行う場合、スーパーコンピュータといったシミュレーションに適した大規模な計算資源が必要となる。本開示技術に係る冷凍サイクル状態予測装置5は、学習モデルを備えることにより、一般的なPC等の小規模な計算資源で予測部9の機能を実現することができる。
冷凍サイクル制御装置3を構成する操作量演算部6は、演算により暫定操作量列を求める構成要素である。操作量演算部6で求められる暫定操作量列は、制約条件を満たすよう、それぞれの時刻の値が決められる。
本開示技術が想定する制約条件の典型的な例は、「着霜量が、あらかじめ定められた閾値を超えないこと」である。この場合、冷凍サイクル状態予測装置5が予測値を算出する状態は、着霜量となる。制約条件と状態との組は、冷凍サイクル装置に要求される仕様に応じて、適宜、決められてよい。なお、冷凍サイクル状態予測装置5が予測値を算出する状態は、着霜量に限定されない。冷凍サイクル状態予測装置5が予測値を算出する状態は、他の着霜関連状態であってよい。
評価部7は、操作量演算部6が行う暫定操作量列の演算において、用いられる評価関数の値(以降、「評価値」と称する)を算出するための構成要素である。操作量演算部6で用いられる評価関数は、現代制御理論で用いられる評価関数と同義であり、エネルギー関数のようなスカラ関数である。暫定操作量列は、評価関数を最小にするよう、求められる。操作量演算部6で用いられる評価関数は、例えば、冷凍サイクル装置の能力(冷房能力、又は暖房能力)の項が含まれていてもよい。操作量演算部6で用いられる評価関数は、消費エネルギー又はCOP(Coefficient of Performance)に関する項が含まれると好ましい。評価関数において、消費エネルギーに関する項は、消費エネルギーが増えるほど評価関数の値も増える、というものである。操作量演算部6で用いられる評価関数は、設定温度と実際の室内温度との差(誤差)に関する項が含まれると好ましい。評価関数に含まれる各項は、重み係数が乗算され、アナログの場合は時間で積分され、デジタルの場合は各時刻での総和が計算される。
評価関数は、さらに、前述の制約条件を、ペナルティ項、又はバリア項として含むとよい。
最適化計算部8は、条件付き最小化問題を解くにあたり、例えば、ランダムサーチ、グリッドサーチ、Nelder-Mead法、CMA-ES(Covariance Matrix Adaptation Evolution Strategy)、ベイズ最適化(Bayesian Optimization)等のブラックボックス関数最適化手法、のアルゴリズムが用いられてよい。また、最適化計算部8は、条件付き最小化問題を解くにあたり、例えば、逐次二次計画法(Sequential Quadratic Programming、SQP)等の勾配法、のアルゴリズムが用いられてよい。
操作量演算部6は、必ずしも厳密に条件付き最小化問題を解く必要はない。操作量演算部6は、所定のルールに基づいて生成されたあらかじめ用意された暫定操作量列の候補について、それぞれの評価値を比較し、最も評価値が小さかったものを選択する、というものでもよい。
図2は、実施の形態1に係る冷凍サイクル制御装置3の処理内容を示すフローチャートである。図2には、冷凍サイクル制御装置3が実施する処理ステップとして、ステップS1からステップS6までが示されている。
一般に、評価関数が極値(極大値又は極小値)となるパラメータの値を、数値的に、最急降下法等の勾配を利用した反復演算により求める場合、反復演算の終了条件は、勾配の絶対値が十分に小さく、予め用意された閾値(ε)以下になることである。また、反復演算において解が収束しない等の現象に対応するため、反復の回数が予め用意された閾値(kmax)を超える場合、強制的に演算処理を終了することも一般的に行われる。ステップS5における最適化計算部8も、このような閾値(ε、kmax)を用いて、終了条件が満たされてるか否かを判断してよい。
ステップS5において、終了条件が満たされていないと判断された場合(NOの場合)、処理工程はステップS2へと進められる。ステップS5において、終了条件が満たされていると判断された場合(YESの場合)、処理工程はステップS6へと進められる。
実施の形態2に係る冷凍サイクル装置は、本開示技術に係る冷凍サイクル装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態2では、実施の形態1で用いられた符号と同じものが使われる。実施の形態2では、実施の形態1と重複する説明が、適宜、省略される。
一般に、システム(特に線形時不変システム)の動的挙動は、状態についての微分方程式(一般に、「状態方程式」と称される)によって表される。そして、状態方程式の解を数値的に求めるときに、積分演算が用いられる。初期状態(x(0))が既知であり、未来のすべての時刻における状態の時間微分値(dx(t)/dt)がわかれば、未来の任意の時刻における状態の値(x(t))は、単純に積分演算によって求めることができる。
本開示技術に係る冷凍サイクル装置の動的挙動も、状態方程式により表される、と考えられる。
実施の形態2で追加された構成要素の積分演算部11は、予測部9が予測した未来のすべての時刻における状態の時間微分値(状態の時間微分値を、以降、「状態量時間微分値」と称する)に対し積分演算を実施し、未来の任意の時刻における状態の値を算出する構成要素である。
なお、積分演算部11が行う積分演算は、厳密に言えば、連続時間ではなく離散時間を前提とした処理である。
また、実際の冷凍サイクル装置は、線形時不変システムではない。そこで、非線形システムに対しては、一般に、平衡状態まわりの線形化(「平衡点まわりの線形化」とも称される)が行われ、近似の線形時不変システムが用いられる。
実施の形態2に係る予測部9が有する数理モデルは、初期状態(x(0))を既知とし、冷凍サイクル装置へ入力される操作量の時系列データから、未来のすべての時刻における状態量時間微分値を出力するよう、学習されてもよい。
実施の形態3に係る冷凍サイクル装置は、本開示技術に係る冷凍サイクル装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態3では、既出の実施の形態で用いられた符号と同じものが使われる。実施の形態3では、既出の実施の形態と重複する説明が、適宜、省略される。
一般に、状態に基づいて操作量を決める制御器を設計する場合、制御器が用いる状態がすべて観測できることが望ましい。しかし、環境上又はハードウエア上の制限によりセンサを設置できない、等の理由により、状態を観測できない場合がある。このような状況に対応すべく、一般に、状態の推定を行う状態推定器(「オブザーバ」とも称される)が知られている。
冷凍サイクル装置の技術分野においても、環境上又はハードウエア上の制限により、一部の状態(例えば、霜層厚さ)が観測できない、といった状況が生じ得る。
実施の形態2で追加された構成要素の推定部12は、観測できない状態を推定する構成要素である。
観測できない状態が霜層厚さの場合、推定部12は、例えば、特開2011-127853号公報に開示された方法を利用して、霜層厚さを直接観測するセンサを用いることなく、霜層厚さを推定するようにしてもよい。
図5に示されるとおり、ステップS10は、ステップS1の後に実施される。ステップS10が実施された後は、ステップS2が実施される。
実施の形態4に係る冷凍サイクル装置は、実施の形態3に係る冷凍サイクル装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態4では、既出の実施の形態で用いられた符号と同じものが使われる。実施の形態4では、既出の実施の形態と重複する説明が、適宜、省略される。
実施の形態5に係る冷凍サイクル装置は、実施の形態4に係る冷凍サイクル装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態5では、既出の実施の形態で用いられた符号と同じものが使われる。実施の形態5では、既出の実施の形態と重複する説明が、適宜、省略される。
実施の形態6に係る冷凍サイクル装置は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態6では、既出の実施の形態で用いられた符号と同じものが使われる。実施の形態6では、既出の実施の形態と重複する説明が、適宜、省略される。
実施の形態6に係る冷凍サイクル装置は、各冷媒系統における着霜関連状態を観測し、除霜運転の実行期間をどう計画するか、という計画問題を課題とする。
ここで、ペナルティ項を表すVpの下付添え字のpは、Penaltyの頭文字に由来する。
式(1)においてkswitch(t)は、冷媒系統の除霜運転モードが重なるときに1をとり、その他のときに0をとる、スウィッチの役割を果たす関数である。
式(1)においてWは各冷媒系統に対する重みを表した重み係数行列である。上付添え字のTは、転置の操作を表す。重み行列のWは、対角成分以外の成分は0をとる対角行列であってよい。
式(1)においてni(t)は、i番目の冷媒系統が除霜運転モードのときに1をとり、通常運転モードのときに0をとる、関数である。
実施の形態6に係る冷凍サイクル制御装置3は、アクチュエータの能力が不十分で着霜関連状態の少なくとも1つが閾値を超えてしまった冷媒系統に対し、通常運転を行う条件(以降、「通常運転条件」と称する)を満たさないと判断し、除霜運転モードに切り替える制御を行う。
実施の形態7に係る冷凍サイクル装置は、実施の形態6に係る冷凍サイクル装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態7では、既出の実施の形態で用いられた符号と同じものが使われる。実施の形態7では、既出の実施の形態と重複する説明が、適宜、省略される。
実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置3の処理ステップは、図9に示された順序(シーケンス)で実施される。実施の形態7におけるステップS1及びステップS3は、実施の形態1に示されたステップS1及びステップS3(図2参照)と同じ内容である。
ステップS12の段階で操作量演算部6は、暫定的に、全ての時刻において、全ての冷媒系統が、通常運転モードである、という暫定操作量列を生成する。
図10に示されるグラフにおいて、横軸に記載されているt1_1は、冷媒系統1において着霜量が上限値に到達すると予測される時刻を表している。t2_1は冷媒系統2について、t3_1は冷媒系統3について、それぞれ着霜量が上限値に到達すると予測される時刻を表している。
図10に示されるグラフにおいて、横軸に記載されているtTは、冷凍サイクル制御装置3が想定する最も将来の時刻を表す。
図10に示されるグラフの右上部に記載されている「Rd」は、着霜量が着霜量上限値(Fn)を超えないと推定された冷媒系統の集合を表す。図10には、冷媒系統1、冷媒系統2、及び冷媒系統3が、Rdの集合に含まれる状況が例示されている。
Rdが空集合であれば、処理ステップは終了する。Rdが空集合でなければ、処理ステップはステップS24へと進められる。
除霜運転が実施されるべき期間を決定するのに際し、操作量演算部6は、各冷媒系統が除霜運転を継続する時間長を予め把握している必要がある。図10におけるグラフの横軸に登場する「td_1」は、両矢印の線分により、冷媒系統1が除霜運転を継続する時間長を表している。同様にして、「td_2」は冷媒系統2が除霜運転を継続する時間長を、「td_3」は冷媒系統3が除霜運転を継続する時間長を、それぞれ表している。
操作量演算部6は、除霜運転が実施されるべき期間の決定を、Rdに含まれる冷媒系統のうち、着霜量が着霜量上限値(Fn)を超える時刻が最も遅いもの、から行う。例えば、図10に示された事例では、Rdに含まれる冷媒系統のうち、着霜量が着霜量上限値(Fn)を超える時刻が最も遅いものは、冷媒系統3である。操作量演算部6は、まず冷媒系統3について、除霜運転開始時刻(図10における「t3_2」、下付添え字の「3」は冷媒系統3を、下付添え字の「_2」は除霜運転開始時刻であることを、それぞれ表す)を、着霜量が上限値に到達すると予測される時刻(図10における「t3_1」)とした場合、除霜運転がなされる冷媒系統が重ならないか、確認する。図10に示されたとおり、冷媒系統3については、除霜運転開始時刻(t3_2)を着霜量が上限値に到達すると予測される時刻(t3_1)としても除霜運転がなされる冷媒系統が重ならないため、操作量演算部6は、除霜運転が実施されるべき期間を、t3_1からt3_1+td_3まで、と決定する。
図10に示された事例では、操作量演算部6は、tdにt3_2を、すなわち直前のステップS24で決定した冷媒系統3についての除霜運転開始時刻(t3_2)を、代入する。このように除霜運転可能時刻(td)とは、「この時刻までだったら、除霜運転を行っても、除霜運転がなされる冷媒系統が重ならないよ」ということを示すものである。
冷媒系統3は、除霜運転開始時刻(t3_2)から除霜運転がなされるため、もはや集合Rdに属さなくなる。図10に示された事例では、操作量演算部6は、ステップS25において、Rdから冷媒系統3を削除する。
図11に示されるとおり、ステップS25の後、処理ステップは、再度ステップ23へ進められる。
そこで操作量演算部6は、除霜運転がなされる冷媒系統が重ならないよう、冷媒系統2の除霜運転開始時刻(t2_2)を、着霜量が上限値に到達すると予測される時刻(t2_1)よりも、少し早める。操作量演算部6は、例えば以下の数式に基づいて、除霜運転開始時刻を決定する。
図10に示された事例では、操作量演算部6は、冷媒系統2についての除霜運転開始時刻のt2_2を、td-td_2と決定する。
Claims (3)
- 冷凍サイクル装置を構成する冷凍サイクル制御装置であって、
前記冷凍サイクル装置は、同一の室内で冷媒系統の異なる複数台の室内機を有するものであるか、又は、冷媒系統の異なる複数の熱交換器を持つ室内機を有するものであり、
制約条件を満たすよう、演算により暫定操作量列を算出する操作量演算部と、
入力された前記暫定操作量列に基づいて、未来における前記冷凍サイクル装置の状態の予測値を算出する予測部を含む冷凍サイクル状態予測装置と、を備え、
前記操作量演算部は、前記暫定操作量列の算出に用いる評価関数の値を計算する評価部と、前記評価関数の値を最小にする前記暫定操作量列の解を求める最適化計算部と、を含み、
前記評価関数は、Wを各冷媒系統に対する重み行列としたときに、以下の数式に示すペナルティ項(Vp)
を含むものである、
冷凍サイクル制御装置。 - 冷凍サイクル装置を構成する冷凍サイクル制御装置であって、
前記冷凍サイクル装置は、同一の室内で冷媒系統の異なる複数台の室内機を有するものであるか、又は、冷媒系統の異なる複数の熱交換器を持つ室内機を有するものであり、
制約条件を満たすよう、演算により暫定操作量列を算出する操作量演算部と、
入力された前記暫定操作量列に基づいて、未来における前記冷凍サイクル装置の状態の予測値を算出する予測部を含む冷凍サイクル状態予測装置と、を備え、
前記操作量演算部は、
(a)暫定的に、全ての時刻において、全ての冷媒系統が、通常運転モードである、という前記暫定操作量列を生成するステップと、
(b)除霜運転可能時刻(td)を初期化するステップと、
(c)着霜量が着霜量上限値(Fn)を超えないと推定された冷媒系統の集合Rdが空集合となっているか否かを確認し、空集合であれば処理ステップを終了し、空集合でなければステップ(d)へと進むステップと、
(d)ステップ(c)に係る前記集合Rdに含まれる冷媒系統のうち、着霜量が着霜量上限値(Fn)を超える時刻が最も遅いものから除霜運転が実施されるべき期間を決定し、
(e)前記除霜運転可能時刻(td)と前記集合Rdとを更新し、ステップ(c)へと進むステップと、
を実施する、
冷凍サイクル制御装置。 - 請求項1又は2に記載の冷凍サイクル制御装置を備える、
冷凍サイクル装置。
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