JP7278463B1 - タングステンターゲットおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パーティクルの発生原因であるポアの生成を抑え、そのサイズと分布を高精度に制御したタングステンターゲット及びその製造方法を提供する。【解決手段】 タングステン粉末の焼結体で形成されたタングステンターゲットであって、相対密度が99%以上であり、0.15mm2の観察領域において、0.01μm2以上0.2μm2未満の大きさのポアが20個以下であり、0.2μm2以上1.8μm2未満の大きさのポアが5個以下であり、1.8μm2以上の大きさのポアが1個以下であるタングステンターゲット。【選択図】 なし

Description

本発明は、タングステン粉末の焼結体で形成されたタングステンターゲットおよびその製造方法に関する。
近年、半導体装置の製造分野においては、配線材料あるいは電極材料として、耐熱性および低抵抗特性を有するタングステンが広く用いられている。タングステン膜は、一般的にスパッタリング法で形成されている。タングステン膜のスパッタリングは、プラズマ放電により生成されたアルゴンイオンをタングステンターゲットに衝突させることで、ターゲット表面からタングステン原子を叩き出し、ターゲットに対向して配置された基板上にタングステン原子を堆積させる。このとき、ターゲット表面から発生したパーティクルが基板上に付着し歩留りを低下させることがプロセス上の大きな問題として知られている。このため、タングステンターゲットにおいても、パーティクル発生が極めて少なく、結晶粒が微細かつ均一で、相対密度の高いタングステンターゲットが不可欠となっている。
例えば特許文献1には、パーティクルの発生を防止するために、タングステン粉末に微量のモリブデンを添加したタングステンターゲットの製造方法が記載されている。この方法により、95%以上の相対密度と、10μm以上300μm以下の平均粒径とを有するターゲットが得られるとしている。
また、特許文献2には、金属製のカプセルにタングステン粉末を充填後、常温プレスにて該粉末を加圧し、その後、真空中にてカプセリングし、続いて該カプセルを熱間等方加圧焼結(HIP)処理する、スパッタリングターゲットの製造方法が記載されている。この方法により、20μm以上100μm以下の平均粒径と、99%以上の相対密度と、10質量ppm以上15質量ppm以下の酸素含有量とを有するタングステンターゲットが得られるとしている。
しかしながら、従来のタングステンターゲットの製造方法においては、結晶粒径のばらつきが大きく、数十μm以下の微細かつ均一な平均粒径に抑えることができない。このため、スパッタ時のパーティクルの抑制効果が十分ではなく、歩留まりが低下する。
そこで、平均粒径を数十μm以下に抑えることができるタングステンターゲットの製造方法として、70%以上、90%以下の相対密度と、100質量ppm以上、500質量ppm以下の酸素含有量とを有するタングステン粉末の予備成形体を作製する工程を含み、 上記予備成形体は、1700℃以上1850℃以下の温度で熱間等方圧プレス法により焼結されるタングステンターゲットの製造方法が提案されている(特許文献3参照)。
特開2001-295036号公報 特開2003-193225号公報 WO2012/042791
しかしながら、タングステンを用いた配線等の微細化が進むと、タングステンターゲットから発生するパーティクルが歩留まりに大きく影響を与えることになるので、パーティクルの発生をさらに抑制することが要望されている。また、CANを用いた熱間等方圧プレス法は工程が非常に煩雑であり、生産性が低いため、現実的には利用することが難しい。さらに、結晶粒径が細かくなりすぎてしまい、成膜速度の低下を招く虞がある。
そこで、タングステンターゲットをスパッタリングして成膜する際のパーティクルの要因を研究した結果、上述した製造方法で製造したターゲットは、焼結体の相対密度が100%弱まで達するが、どうしてもポアが存在し、また、その大きさ、分布状態が制御されていないため、パーティクル発生が抑制できず、歩留まり低下の原因となることを知見した。
よって、歩留まりを向上させるためには、パーティクルの発生が限りなく少ないタングステンターゲットが必要であり、そのタングステンターゲットを得ることができる製造方法が必要となる。
本発明は、このような事情に鑑み、パーティクルの発生原因であるポアの生成を抑え、そのサイズと分布を高精度に制御したタングステンターゲット及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、タングステン粉末の焼結体で形成されたタングステンターゲットであって、相対密度が99%以上であり、0.15mmの観察領域において、0.01μm以上0.2μm未満の大きさのポアが20個以下であり、0.2μm以上1.8μm未満の大きさのポアが5個以下であり、1.8μm以上の大きさのポアが1個以下であるタングステンターゲットにある。
本発明の第2の態様は、ビッカース硬度が355以上375以下である第1の態様のタングステンターゲットにある。
本発明の第3の態様は、ビッカース硬度の標準偏差3σとビッカース硬度の平均値との比が0.07以下である第2の態様のタングステンターゲットにある。
本発明の第4の態様は、円相当径で計算した平均粒径が150μm以下である第1~3の態様のタングステンターゲットにある。
本発明の第5の態様は、円相当径で計算した粒径の標準偏差3σと平均粒径との比が1.5以下である第4の態様のタングステンターゲットにある。
本発明の第6の態様は、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以下、メディアン径D50が2.8μm以下のタングステン粉末を用いて、1400℃以上1500℃以下の温度でホットプレスし、その後、1800℃以上1850℃以下で熱間等方圧プレス法により焼結するタングステンターゲットの製造方法にある。
本発明の第7の態様は、前記レーザー回折・散乱法で得られるタングステン粉末の平均粒径とD90との比が2.5以下である第6の態様のタングステンターゲットの製造方法にある。
本発明の第8の態様は、前記レーザー回折・散乱法で得られるタングステン粉末の平均粒径とD95との比が3.0以下である第6又は7の態様のタングステンターゲットの製造方法にある。
本発明の実施例、比較例の0.01~0.2μmのポアの数とパーティクル数との関係を示す図である。 本発明の実施例、比較例の0.2~1.8μmのポアの数とパーティクル数との関係を示す図である。 本発明の実施例、比較例の1.8μm以上のポアの数とパーティクル数との関係を示す図である。
本発明のタングステンターゲットは、タングステンの純度が5N(99.999質量%)以上であり、タングステンに含有される不純物の炭素及び酸素がそれぞれ30質量ppm以下であり、かつ平均粒径が150μm以下のものである。
(純度)
比抵抗の低いタングステン膜を形成するには、タングステン膜に含まれる不純物を抑える必要があり、そのためタングステンターゲットの高純度化が不可欠である。具体的には99.999質量%(5N) 以上の純度を有することが必要である。
(ガス成分)
タングステンターゲット中に含まれる炭素及び酸素などのガス成分は、タングステン膜の比抵抗に悪影響を及ぼす。これらのガス成分は、成膜時にタングステン膜に取り込まれるため、その含有量が多くなるにつれ、タングステン膜の比抵抗が増加する傾向にある。そのため、タングステンターゲットに含まれる炭素は、20質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以下であることがより好ましい。また、酸素は30質量ppm以下であることが好ましく、20質量ppm以下であることがより好ましい。
(結晶粒径)
本発明のタングステンターゲットは、円相当径で計算した結晶粒径の平均値が10μm以上、150μm以下、より好ましくは30μm以上、100μm以下のものである。
このような結晶粒径の平均値(平均粒径)とするのは、以下の理由による。
タングステンターゲットの平均粒径が小さいほど、ターゲット表面に存在する各結晶粒の方位差に起因するエロージョン量の差を小さくすることができるため、凹凸に起因する異常放電回数が少なくなり、成膜中のパーティクル発生を抑制することができる。
一方、平均粒径が小さくなりすぎると、成膜レートが遅くなりすぎてしまうため、生産性が低下してしまう。
また、円相当径で計算した粒径の標準偏差の3倍(3σ)と平均粒径との比は1.5以下である。この比は標準偏差3σを平均粒径で除して求めたものである。
この比が1.5以下が好ましいのは、以下の理由による。
結晶粒径のばらつきとポアの個数、サイズは相関があり、結晶粒径のばらつきが小さいほどターゲット中のポアの数が少なく、そのサイズが小さくなるため、上記範囲であれば成膜中のパーティクル発生を抑制することができる。
(相対密度)
タングステンターゲットの相対密度は、99%以上とすることが好ましい。ターゲットの相対密度が99%以上であれば、ターゲット中に含まれるガス成分が少ないため、膜を形成した際に、膜の比抵抗の上昇を抑えることができる。また、ターゲットの相対密度が高いほど、ポアの数が少なくなるため、ターゲット表面の凹凸に起因する異常放電回数が少なくなり、成膜中のパーティクル発生を抑制することができる。
(ビッカース硬度)
タングステンターゲットのビッカース硬度の平均値は、355以上375以下であるのが好ましい。
ビッカース硬度の平均値が上記範囲であることが好ましいのは、以下の理由による。
ビッカース硬度の平均値とターゲット中のポアの個数、大きさには相関があり、ビッカース硬度の平均値が高いほどターゲット中のポアの数が少なく、そのサイズが小さいため、成膜中のパーティクル発生を抑制することができる。
一方で、硬度の平均値が非常に大きい場合、適切な熱処理条件が施されておらず、ターゲットの内部ひずみが取り除けていない可能性が高い。この内部ひずみが起点となり、ターゲット加工時やスパッタリングによる成膜時の熱応力によって割れてしまう可能性がある。
また、ビッカース硬度の標準偏差の3倍(3σ)とビッカース硬度の平均値との比は、0.07である。計算方法は標準偏差3σをビッカース硬度の平均値で除して求めた。
ビッカース硬度の標準偏差の3倍(3σ)とビッカース硬度の平均値との比が上述した範囲が好ましいのは、以下の理由による。
ビッカース硬度のばらつきとポアの個数、サイズは相関があり、ビッカース硬度のばらつきが小さいほどターゲット中のポアの数が少なく、そのサイズが小さくなるため、成膜中のパーティクル発生を抑制することができる。
(ポア)
本発明のタングステンターゲットは、0.15mmの観察領域において、0.01μm以上0.2μm未満の大きさのポアが20個以下であり、0.2μm以上1.8μm未満の大きさのポアが5個以下であり、1.8μm以上の大きさのポアが1個以下である。
本発明の大きさと存在数が上述した範囲とした理由は以下の通りである。
ポアの大きさと存在数を制御することによって、ポアに電界が集中し、局所的な溶解と飛散によって発生するパーティクルを抑制することができ、歩留まりを向上することができる。また、パーティクルの発生数がターゲットのライフエンドまで連続して少ないため、安定した生産を実現できる。
このように粗大なポアが極めて少なく、タングステンターゲットの面方向と厚み方向でポアの局在化が抑えられたタングステンターゲットは、今まで実現されていなかったが、上述したような相対密度、硬度及び結晶粒径の特性を有することで、実現されるものである。また、粗大なポアが極めて少なく、タングステンターゲットの面方向と厚み方向でポアの局在化が抑えられた本発明のタングステンターゲットは、後述する製造方法によって実現されるものである。
以上説明した本発明のタングステンターゲットは、上述したように、ポアが小さく且つ少ないものであるので、このタングステンターゲットを用いることでパーティクルの発生量を大幅に低減でき、高品質なタングステン膜を安定して成膜することが可能となる。
本発明のタングステンターゲットを製造する一実施形態に係るタングステンターゲットの製造方法を説明する。
本発明のタングステンターゲットは、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以下、D50が2.8μm以下のタングステン粉末を用いて、1400℃以上1500℃以下の温度でホットプレスし(HP工程)、その後、1800℃以上1850℃以下で熱間等方圧プレス法により焼結する(HIP工程)ことで製造することができる。
本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、平均粒径が3μm以下、好ましくは、2.8μm以下で、D50が2.8μm以下、好ましくは2.5μm以下のタングステン粉末を用いるのが第1のポイントとなる。
原料粉末の酸素含有量は、タングステンターゲットの酸素含有量に影響を及ぼすため、原料粉末の酸素含有量は例えば1000質量ppm以下とされる。
また、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、レーザー回折・散乱法で得られるD90を平均粒径で除した値が2.5以下、好ましくは2.3以下のタングステン粉末を用いるのが第2のポイントとなる。
また、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、レーザー回折・散乱法で得られるD95を平均粒径で除した値が3以下、好ましくは2.8以下のタングステン粉末を用いるのが第3のポイントとなる。
このように、粒度分布の範囲が極めて狭い、すなわち、平均粒径からの粒度のばらつきが小さいタングステン粉末を用いることにより、ポアが極めて小さく、且つ少ないタングステンターゲットを実現することができる。本発明では、このような粒度分布が狭い特徴を、レーザー回折・散乱法で得られるD90を平均粒径で除した値やレーザー回折・散乱法で得られるD95を平均粒径で除した値が所定値以下であるとして規定した。なお、この範囲を外れる粒度分布が広い粉末は、本発明の効果を奏することができない。
本発明のスパッタリングターゲットは、上述したタングステン粉末を1400℃以上1500℃以下の温度でホットプレスし、その後、1800℃以上1850℃以下で熱間等方圧プレス法により焼結することで製造することができる。
高真空領域での真空ホットプレスにより、脱ガスと焼結を促進し、タングステンターゲットに含まれる酸素の量を低減させながら高密度焼結体を得ることができる。タングステン粉末の酸素含有量が多い場合、タングステンターゲット中の酸化物の数が多くなり、パーティクルの発生頻度が増加する。また、厚い表面酸化膜によって焼結が阻害され、高密度焼結体を得ることができない。
また、上述したとおり、タングステンターゲット中に含まれる炭素及び酸素などのガス成分は、タングステン膜の比抵抗に悪影響を及ぼすので、タングステンターゲット中の炭素含有量は、20質量ppm以下が好ましく、より好ましくは10質量ppm以下である。また、酸素含有量は30質量ppm以下が好ましく、より好ましくは20質量ppm以下である。
酸素濃度に関しては、上述したとおり、真空ホットプレスにより達成できる。
一方、炭素濃度に関しては、ホットプレスの際、ホットプレス装置を構成するグラファイト製の部材からタングステン焼結体に炭素が拡散し、炭素含有量増加の原因となる。そのため、ホットプレス温度は低いほど好ましく、1500℃以下であれば安定して20質量ppm以下、好適には10質量ppm以下を達成できる。
HP工程では、95%以上の相対密度を有する焼結体が作製される。このような特性を有する焼結体を作製するためのHP温度は1400℃以上1500℃以下であることが好ましい。HP温度が低すぎるとHIP処理が可能な密度まで上がらず、高すぎると急激な粒成長によって粗大なポアが局所的に形成されるため好ましくない。HPによる圧力は低すぎるとHIP処理が可能な密度まで上がらない。高すぎるとHP装置の消耗が激しくなる。例えば、HP処理時の圧力は39.2MPa(400kg/cm)以上44.1MPa(450kg/cm)以下である。本工程におけるHPの保持時間は、600分以上1200分以下である。HPの保持時間が短すぎるとHIP処理が可能な密度まで上がらず、長すぎても生産性の低下を招く。本発明において、粉末粒径と粒度分布を制御し、HP温度を1400℃以上1500℃以下、HPの保持時間を600分以上1200分以下とすることが肝要である。これにより、焼結体中のポアの粗大化を抑え、微細なポアを焼結体中に均一に分散させることができる。
HP処理を行った焼結体について、焼結体中のポアを減少させ、高密度化させるために熱間等方圧プレス法(HIP)が適用される。
HIP温度は、1800℃以上1850℃以下である。HIP温度が1800℃未満の場合、処理温度が低いため、量産に適した処理時間内で99%以上の高い相対密度を得ることが難しい。また、HIP温度が1850℃を超えると、処理温度が高いため、結晶粒の急激な粗大化を招き、粗大なポアが局所的に形成されるため好ましくない。圧力は特に限定されず、例えば100以上200MPa以下とされ、本実施形態では176.4MPa(1800kg/cm)である。
以上の製造方法によれば、本願発明の特徴を有するタングステンターゲットを得ることができる。特に、タングステンターゲット中におけるポアの数を少なく、そのサイズを小さくし、その局在化を抑制することができる。したがって、本実施形態のスパッタリングターゲットを用いることで、成膜時におけるパーティクル発生を少なくすることが可能となり、高品質なタングステン膜を安定して形成することが可能となる。
スパッタリングターゲット中におけるポアの存在は、原料粉末の大きさとその粒度分布、焼結体の相対密度、ターゲットの結晶粒径の大きさと分布、硬度の大きさと分布に強い相関を有しており、原料粉末の大きさが細かく、その粒度分布の範囲が狭いほど、焼結体の相対密度が高いほど、結晶粒径のばらつき、硬度のばらつきが小さいほど、ポアの発生は極めて低減し、その大きさが非常に小さくなる。
一方、結晶粒径が微細であっても、ばらつきが大きいと、粗大なポアの生成が抑えられない。本発明は、原料粉末の大きさと粒度分布、ホットプレス条件、熱間等方圧プレス条件の最適化によって、焼結体の相対密度を高め、結晶粒径のばらつき、硬度のばらつきを抑制した結果、粗大なポアが非常に少なく、ポアの局在化がほとんどない本発明のタングステンターゲットを製造できることを見いだした。
すなわち、本実施形態のタングステンターゲットの製造方法において、原料粉末は、1400℃以上1500℃以下の温度でホットプレスし、その後、1800℃以上1850℃以下で熱間等方圧プレス法により焼結する。
上記タングステンターゲットの製造方法によれば、ポアが小さく且つ少ないスパッタリングターゲットを得ることができる。例えば、上記製造方法によれば、0.15mmの観察領域において、0.01μm以上0.2μm未満の大きさのポアが20個以下であり、0.2μm以上1.8μm未満の大きさのポアが5個以下であり、1.8μm以上の大きさのポアが1個以下であるタングステンターゲットを安定して製造することができる。
本発明のタングステンターゲットの製造方法では、相対密度が99%以上であり、ビッカース硬度が355以上375以下 、ビッカース硬度の標準偏差3σとビッカース硬度の平均値の比が0.07以下 、平均粒径が150μm以下、平均粒径の標準偏差3σと平均粒径との比が1.5以下であるタングステンターゲットを効率的に安定して製造することができる。
これにより、ポアが小さく且つ少ないタングステンターゲットを製造することができ、このタングステンターゲットを用いることでパーティクルの発生量を大幅に低減でき、高品質なタングステン膜を安定して成膜することが可能となる。
以上のように作製された焼結体は、加工工程において所定のターゲット形状に加工される。加工方法は特に限定されないが、典型的には、研削、切削等の機械加工法が適用される。加工サイズおよび形状は、ターゲットの仕様に応じて定まり、例えば円形、矩形状に加工される。加工された焼結体は、バッキングプレートに接合されることで、スパッタリングカソードが構成される。
以下、実施例、比較例を参照して本発明を説明する。
なお、タングステン粉末の平均粒径および粒度分布は、マイクロトラックベル社製粒度分布測定装置「LS13320」を用いて求めた。
(実施例1-5)
表1に示すように、純度5N、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以下、メディアン径D50が2.8μm以下、D90を平均粒径で除した値が2.5以下、D95を平均粒径で除した値が3以下のタングステン粉末を、表1に示す温度、1400℃以上1500℃以下の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1800℃以上1850℃以下の温度でHIPすることでタングステン焼結体を得た。得られたタングステン焼結体を旋盤による研削加工によって所定のターゲット形状(直径440mm、厚み6mm)に仕上げた。
(比較例1)
表1に示すように、純度5N、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以上、メディアン径D50が2.8μm以上、D90を平均粒径で除した値が2.5以上、D95を平均粒径で除した値が3以上のタングステン粉末を、表1に示す温度、1750℃の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1750℃の温度でHIPすることでタングステン焼結体を得た。得られたタングステン焼結体を旋盤による研削加工によって所定のターゲット形状(直径440mm、厚み6mm)に仕上げた。
(比較例2)
表1に示すように、純度5N、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以上、メディアン径D50が2.8μm以上、D90を平均粒径で除した値が2.5以上、D95を平均粒径で除した値が3以上のタングステン粉末を、表1に示す温度、1750℃の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1850℃の温度でHIPすることでタングステン焼結体を得た。得られたタングステン焼結体を旋盤による研削加工によって所定のターゲット形状(直径440mm、厚み6mm)に仕上げた。
(比較例3)
表1に示すように、純度5N、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以上、メディアン径D50が2.8μm以上、D90を平均粒径で除した値が2.5以上、D95を平均粒径で除した値が3以上のタングステン粉末を、表1に示す温度、1650℃の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1900℃の温度でHIPすることでタングステン焼結体を得た。得られたタングステン焼結体を旋盤による研削加工によって所定のターゲット形状(直径440mm、厚み6mm)に仕上げた。
(比較例4)
表1に示すように、純度5N、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以上、メディアン径D50が2.8μm以上、D90を平均粒径で除した値が2.5以上、D95を平均粒径で除した値が3以上のタングステン粉末を、表1に示す温度、1500℃の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1850℃の温度でHIPすることでタングステン焼結体を得た。得られたタングステン焼結体を旋盤による研削加工によって所定のターゲット形状(直径440mm、厚み6mm)に仕上げた。
(比較例5)
表1に示すように、純度5N、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以上、メディアン径D50が2.8μm以上、D90を平均粒径で除した値が2.5以下、D95を平均粒径で除した値が3以上のタングステン粉末を、表1に示す温度、1500℃の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1850℃の温度でHIPすることでタングステン焼結体を得た。得られたタングステン焼結体を旋盤による研削加工によって所定のターゲット形状(直径440mm、厚み6mm)に仕上げた。
(比較例6)
表1に示すように、純度5N、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以上、メディアン径D50が2.8μm以下、D90を平均粒径で除した値が2.5以下、D95を平均粒径で除した値が3以上のタングステン粉末を、表1に示す温度、1650℃の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1850℃の温度でHIPすることでタングステン焼結体を得た。得られたタングステン焼結体を旋盤による研削加工によって所定のターゲット形状(直径440mm、厚み6mm)に仕上げた。
(比較例7)
表1に示すように、純度5N、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以上、メディアン径D50が2.8μm以下、D90を平均粒径で除した値が2.5以下、D95を平均粒径で除した値が3以上のタングステン粉末を、表1に示す温度、1450℃の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1850℃の温度でHIPすることでタングステン焼結体を得た。得られたタングステン焼結体を旋盤による研削加工によって所定のターゲット形状(直径440mm、厚み6mm)に仕上げた。
(比較例8)
表1に示すように、純度5N、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以上、メディアン径D50が2.8μm以下、D90を平均粒径で除した値が2.5以下、D95を平均粒径で除した値が3以下のタングステン粉末を、表1に示す温度、1650℃の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1850℃の温度でHIPすることでタングステン焼結体を得た。得られたタングステン焼結体を旋盤による研削加工によって所定のターゲット形状(直径440mm、厚み6mm)に仕上げた。
(比較例9)
表1に示すように、純度5N、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以上、メディアン径D50が2.8μm以下、D90を平均粒径で除した値が2.5以下、D95を平均粒径で除した値が3以下のタングステン粉末を、表1に示す温度、1450℃の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1850℃の温度でHIPすることでタングステン焼結体を得た。得られたタングステン焼結体を旋盤による研削加工によって所定のターゲット形状(直径440mm、厚み6mm)に仕上げた。
(比較例10)
表1に示すように、純度5N、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以下、メディアン径D50が2.8μm以下、D90を平均粒径で除した値が2.5以下、D95を平均粒径で除した値が3以下のタングステン粉末を、表1に示す温度、1650℃の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1850℃の温度でHIPすることでタングステン焼結体を得た。得られたタングステン焼結体を旋盤による研削加工によって所定のターゲット形状(直径440mm、厚み6mm)に仕上げた。
(比較例11)
表1に示すように、純度5N、レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以下、メディアン径D50が2.8μm以下、D90を平均粒径で除した値が2.5以下、D95を平均粒径で除した値が3以下のタングステン粉末を、表1に示す温度、1450℃の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1750℃の温度でHIPすることでタングステン焼結体を得た。得られたタングステン焼結体を旋盤による研削加工によって所定のターゲット形状(直径440mm、厚み6mm)に仕上げた。
得られたターゲットについて、相対密度、ビッカース硬度、結晶粒径、酸素含有量、炭素含有量、ポアの測定を下記の手順に従い行った。結果は、表2、表3に示す。
(相対密度)
得られたタングステンターゲットの中心部、端部、中心部と端部を結んだ直線の半分の位置から、それぞれ10×10×6mmtのサンプルを採取し、それぞれのサンプルについて、その断面を研磨し、エッチング後、アルキメデス法を用いて、比重を算出し、タングステンの理論密度(19.3g/cm)を用いて算出した。各サンプルの相対密度を足し、サンプル数で除して得られた値を本発明にかかるタングステンターゲットの相対密度とした。
(ビッカース硬度)
得られたタングステンターゲットの中心部、端部、中心部と端部を結んだ直線の半分の位置から、それぞれ10×10×6mmtのサンプルを採取し、それぞれのサンプルについて、その断面を研磨後、ミツトヨ社製ビッカース硬度測定器「HM-200」によって、荷重:1kg、荷重時間:15秒、ターゲットの深さ方向に1mm間隔、3回ずつの硬度測定を行い、得られた値について平均値を算出した。それぞれのサンプルについて算出した平均値を足し、サンプル数で除した値を本発明に係るタングステンターゲットの硬度とした。さらに、タングステンターゲットの標準偏差は、それぞれのサンプルから求めた標準偏差を足し、サンプル数で除して得られた値を本発明に係る標準偏差とした。
(結晶粒径)
得られたタングステンターゲットの中心部、端部、中心部と端部を結んだ直線の半分の位置から、それぞれ10×10×6mmtのサンプルを採取し、それぞれのサンプルについて、その断面を研磨、エッチング後、キーエンス社製光学顕微鏡「デジタルマイクロスコープVHX-6000」を用いて、ターゲットの深さ方向に1mm間隔で撮影した画像について、画像解析ソフト「Image-j」を用いて円相当径を求め、平均値を算出した。それぞれの試験片について算出した平均値を足し、サンプル数で除した値を本発明にかかるタングステンターゲットの平均粒径とした。さらに、タングステンターゲットの標準偏差は、それぞれのサンプルから求めた標準偏差を足し、サンプル数で除して得られた値を本発明に係る標準偏差とした。
(酸素含有量)
タングステン焼結体をターゲット形状に加工する際、分析サンプルを採取して、成形体の酸素含有量を測定した。酸素含有量の分析には、LECO社製分析装置「TC-600」を使用した。
(炭素含有量)
タングステン焼結体をターゲット形状に加工する際、分析サンプルを採取して、成形体の炭素含有量を測定した。炭素含有量の分析には、堀場製作所社製分析装置「EMIA-320V」を使用した。
(ポア)
得られたスパッタリングターゲットの中心部、端部、中心部と端部を結んだ直線の半分の位置から、それぞれ10×10×6mmtのサンプルを採取し、それぞれのサンプルについて、その断面を研磨後、日立ハイテクノロジーズ社製電子顕微鏡「TM4000Plus」を用いて、ターゲットの深さ方向に1mm間隔で、2枚ずつSEM画像を撮影した。撮影したSEM画像について、画像解析ソフト「Image-j」を用いてポアの面積を求め、各サンプルにおけるポアの大きさと数を算出した。それぞれのサンプルについて求めたポアの大きさと個数を足し、サンプル数で除した値を本発明に係るタングステンターゲットのポアの大きさと個数とした。
また、得られた実施例、比較例のターゲットを用いて以下の通り成膜し、膜の比抵抗を以下の通り測定するとともに、パーティクルを以下の通り評価した。
実施例1~5および比較例1~11の結果を表3に、また、所定の大きさのポアの数とパーティクルの数との関係を図1~図3に示した。なお、比抵抗は11μΩ・cm以下を○、11μΩ・cmを超えたものを×とした。比抵抗が11μΩ・cm以下であれば、低抵抗なLSI配線を成膜できるので、消費電力の低いデバイスを実現することができる。
(比抵抗測定)
得られたタングステンターゲットをアルミニウム合金製バッキングプレートにIn系ロウ材でボンディングし、スパッタリングカソードを構成した。そのスパッタリングカソードをアルバック社製スパッタリング装置「ENTRON/エントロン(登録商標)」に組付け、直径300mmの半導体ウェーハ上に厚み40nmのタングステン薄膜を形成した。スパッタ条件は、到達圧力:1×10-5Pa、放電方式:DC、電力:4kW、ガス原料:Ar、ガス流量:150sccm、成膜温度:200℃、スパッタ時間:17秒、ターゲットとウェーハの距離:60mmとした。
ウェーハ上のタングステン薄膜の9点について、TECHNORAYS社製「S-MAT2300」を用いて膜厚を測定すると共に、KLATencor社製「OmniMap RS100」を用いてシート抵抗を測定して、薄膜の比抵抗(μΩ・cm)を算出し、その平均値をタングステン薄膜の比抵抗とした。
(パーティクルの測定)
比抵抗測定に供した厚み40nmのタングステン薄膜について、TOPCON社製表面検査装置「WM-10」を用いて、直径300mmの半導体ウェーハ上のタングステン薄膜の表面を検査し、0.1μm以上の大きさのパーティクルの個数を測定した。
Figure 0007278463000001
Figure 0007278463000002
Figure 0007278463000003
実施例1~5に示すように、平均粒径が3μm以下、メディアン径D50が2.8μm以下、D90を平均粒径で除した値が2.5以下、D95を平均粒径で除した値が3以下のタングステン粉末を、1400℃以上1500℃以下の温度でホットプレスし、その後、表1に示す1800℃以上1850℃以下の温度でHIPすることで、相対密度が99%以上であり、0.15mmの観察領域において、0.01μm以上0.2μm未満の大きさのポアが20個以下であり、0.2μm以上1.8μm未満の大きさのポアが5個以下であり、1.8μm以上の大きさのポアが1個以下であるタングステンターゲットを得ることができる。このようなタングステンターゲットを用いることで、パーティクルの発生を抑制することができ、高品質なタングステン薄膜を安定して製膜することが可能になる。
また、実施例1~5では、ホットプレス温度が1500℃以下と低いので、ターゲットの炭素含有量が十分に低く、比抵抗が11μΩ・cm以下と十分に低い薄膜を成膜することができる。
比較例1では、実施例と比較してタングステン粉末の粒径が大きく、粒度分布が広く、HP温度が高く、HIP温度が低いため、0.01μm以上0.2μm未満のポアの数が多く、0.2μm以上1.8μm未満のポアの数が多かった。このため、パーティクルの発生頻度が高く、安定した生産を実現することが難しいことが確認された。
また、ホットプレス温度が高いので、ターゲットの炭素含有量が十分に低くならず、比抵抗が11μΩ・cm以下の薄膜を成膜することができなかった。
比較例2では、実施例と比較してタングステン粉末の粒径が大きく、粒度分布が広く、HP温度が高いため、0.01μm以上0.2μm未満のポアの数が多く、0.2μm以上1.8μm未満のポアの数が多かった。このため、パーティクルの発生頻度が高く、安定した生産を実現することが難しいことが確認された。
また、ホットプレス温度が高いので、ターゲットの炭素含有量が十分に低くならず、比抵抗が11μΩ・cm以下の薄膜を成膜することができなかった。
比較例3では、実施例と比較してタングステン粉末の粒径が大きく、粒度分布が広く、HP温度が高く、HIP温度が高いため、0.2μm以上1.8μm未満のポアの数が多かった。このため、パーティクルの発生頻度が高く、安定した生産を実現することが難しいことが確認された。
また、ホットプレス温度が高いので、ターゲットの炭素含有量が十分に低くならず、比抵抗が11μΩ・cm以下の薄膜を成膜することができなかった。
比較例4では、実施例と比較してタングステン粉末の粒径が大きく、粒度分布が広いため、0.01μm以上0.2μm未満のポアの数が多く、0.2μm以上1.8μm未満のポアの数が多かった。このため、パーティクルの発生頻度が高く、安定した生産を実現することが難しいことが確認された。
なお、ホットプレス温度が1500℃以下と低いので、ターゲットの炭素含有量が低く、比抵抗が11μΩ・cm以下と十分に低い薄膜を成膜することができた。
比較例5では、実施例と比較してタングステン粉末の粒径が大きく、粒度分布が広いため、0.2μm以上1.8μm未満のポアの数が多かった。このため、パーティクルの発生頻度が高く、安定した生産を実現することが難しいことが確認された。
なお、ホットプレス温度が1500℃以下と低いので、ターゲットの炭素含有量が低く、比抵抗が11μΩ・cm以下と十分に低い薄膜を成膜することができた。
比較例6では、実施例と比較してタングステン粉末の粒径が大きく、粒度分布が広く、HP温度が高いため、0.01μm以上0.2μm未満のポアの数が多く、0.2μm以上1.8μm未満のポアの数が多く、1.8μm以上のポアの数が多かった。このため、パーティクルの発生頻度が高く、安定した生産を実現することが難しいことが確認された。
また、ホットプレス温度が高いので、ターゲットの炭素含有量が十分に低くならず、比抵抗が11μΩ・cm以下の薄膜を成膜することができなかった。
比較例7では、実施例と比較してタングステン粉末の粒径が大きく、粒度分布が広いため、0.01μm以上0.2μm未満のポアの数が多く、0.2μm以上1.8μm未満のポアの数が多かった。このため、パーティクルの発生頻度が高く、安定した生産を実現することが難しいことが確認された。
なお、ホットプレス温度が1500℃以下と低いので、ターゲットの炭素含有量が低く、比抵抗が11μΩ・cm以下と十分に低い薄膜を成膜することができた。
比較例8では、実施例と比較してタングステン粉末の粒径が大きく、HP温度が高いため、0.01μm以上0.2μm未満のポアの数が多かった。このため、パーティクルの発生頻度が高く、安定した生産を実現することが難しいことが確認された。
なお、ホットプレス温度が高いので、ターゲットの炭素含有量が十分に低くならず、比抵抗が11μΩ・cm以下の薄膜を成膜することができなかった。
比較例9では、実施例と比較してタングステン粉末の粒径が大きいため、0.01μm以上0.2μm未満のポアの数が多かった。このため、パーティクルの発生頻度が高く、安定した生産を実現することが難しいことが確認された。
なお、ホットプレス温度が1500℃以下と低いので、ターゲットの炭素含有量が低く、比抵抗が11μΩ・cm以下と十分に低い薄膜を成膜することができた。
比較例10では、実施例と比較してHP温度が高いため、1.8μm以上のポアの数が多かった。このため、パーティクルの発生頻度が高く、安定した生産を実現することが難しいことが確認された。
また、ホットプレス温度が高いので、ターゲットの炭素含有量が十分に低くならず、比抵抗が11μΩ・cm以下の薄膜を成膜することができなかった。
比較例11では、実施例と比較してHIP温度が低いため、0.01μm以上0.2μm未満のポアの数が多く、1.8μm以上のポアの数が多かった。このため、パーティクルの発生頻度が高く、安定した生産を実現することが難しいことが確認された。
なお、ホットプレス温度が1500℃以下と低いので、ターゲットの炭素含有量が低く、比抵抗が11μΩ・cm以下と十分に低い薄膜を成膜することができた。

Claims (9)

  1. タングステン粉末の焼結体で形成されたタングステンターゲットであって、
    相対密度が99%以上であり、
    円相当径で計算した結晶粒径の平均値が30μm以上、100μm以下のものであり、
    0.15mmの観察領域において、0.01μm以上0.2μm未満の大きさのポアが20個以下であり、0.2μm以上1.8μm未満の大きさのポアが5個以下であり、1.8μm以上の大きさのポアが1個以下であるタングステンターゲット。
  2. ビッカース硬度が355以上375以下である請求項1記載のタングステンターゲット。
  3. ビッカース硬度の標準偏差3σとビッカース硬度の平均値との比が0.07以下である請求項2記載のタングステンターゲット。
  4. 前記タングステンターゲットに含まれる炭素は20質量ppm以下であり、酸素は30質量ppm以下である請求項1~3の何れか一項記載のタングステンターゲット。
  5. 円相当径で計算した結晶粒径の標準偏差3σと平均粒径との比が1.5以下である請求項1~3の何れか一項記載のタングステンターゲット。
  6. レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径が3μm以下、メディアン径D50が2.8μm以下のタングステン粉末を用いて、ホットプレス温度を1400℃以上1500℃以下とし、600分以上1200分以下の保持時間でホットプレスし、
    その後、1800℃以上1850℃以下で熱間等方圧プレス法により焼結するタングステンターゲットの製造方法。
  7. 前記レーザー回折・散乱法で得られるタングステン粉末の平均粒径とD90との比が2.5以下である請求項6記載のタングステンターゲットの製造方法。
  8. 前記レーザー回折・散乱法で得られるタングステン粉末の平均粒径とD95との比が3.0以下である請求項7記載のタングステンターゲットの製造方法。
  9. 製造されたタングステンターゲットに含まれる炭素は20質量ppm以下であり、酸素は30質量ppm以下である請求項6~8の何れか一項記載のタングステンターゲットの製造方法。
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