JP7277610B2 - 試料構造測定装置及び試料構造測定方法 - Google Patents

試料構造測定装置及び試料構造測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、試料構造測定装置及び試料構造測定方法に関する。
干渉を用いて試料の屈折率分布を測定する装置が、特許文献1に開示されている。この装置では、複数の干渉縞と逆ラドン変換が用いられている。
図20は、試料を示す図である。試料S1は、無色透明な球である。球の直径は20μmである。試料S1の大きさは、1つの細胞の大きさとほぼ等しい。よって、試料S1を1つの細胞と見なして説明する。
細胞の内部は均質で、細胞の周囲は液体で満たされているとする。図20では、球の内部は屈折率が1.36の媒質で満たされ、球の周囲は屈折率が1.33の水で満たされている。
光源(不図示)から射出された光は、測定光Lmと参照光Lrefに分かれる。測定光Lmと参照光Lrefは、平面波である。測定光Lmの波長と参照光Lrefの波長は、0.633μmである。測定光Lmは測定光路を進行し、参照光Lrefは参照光路を進行する。
試料S1は、測定光路に配置されている。試料S1には、測定光Lmが照射される。試料S1から、測定光Lm’が射出される。測定光Lm’は、参照光Lrefと共に光検出器Dに入射する。光検出器Dの受光面に、干渉縞が形成される。
測定光Lmは、直径が20μmの円よりも広い範囲に照射されている。そのため、測定光Lmは、試料S1が存在する場所と、試料S1が存在しない場所に照射される。この場合、干渉縞には、第1の干渉縞と第2の干渉縞とが含まれる。
第1の干渉縞は、試料を通過する測定光によって形成される干渉縞である。第2の干渉縞は、試料を通過しない測定光によって形成される干渉縞である。
図21は、位相を示す図である。図21(a)と図21(b)は、平面波の位相を示す図である。図21(c)と図21(d)は、ラッピングされた位相を示す図である。図21(e)と図21(f)は、アンラッピングされた位相を示す図である。図21(b)、図21(d)、及び図21(f)は、拡大図である。
ラッピングされた位相は、ラッピングを行った電場の位相である。アンラッピングされた位相は、アンラッピングを行った電場の位相である。ラッピングとアンラッピングについては、後述する。
上述のように、測定光Lmは、試料S1が存在する場所と、試料S1が存在しない場所に照射される。そのため、測定光Lm’には、領域A1からの光と領域A2からの光とが含まれる。
領域A1には、球が存在している。領域A2には、球が存在していない。よって、図21(a)と図21(b)に示すように、領域A1からの光では位相の遅れが生じ、領域A2からの光では位相の遅れは生じない。
位相の遅れは、概ね光軸方向の光路長を積算することで算出することができる。球では、周辺から中心に向かって、厚みが大きくなる。すなわち、周辺から中心に向かって、光路長が長くなる。よって、図21(a)と図21(b)に示すように、位相の遅れは、周辺から中心に向かって大きくなる。
位相の遅れの最大値Δmaxは、以下の式で表わされる。
Δmax=2π×d×Δn/λ
ここで、
dは、試料の厚みのなかで最大となる厚み、
試料の厚みは、光軸と平行な方向における厚み、
Δnは、領域A1の屈折率と領域A2の屈折率との差、
λは、試料に照射される光の波長、
である。
試料S1では、d=20μm、Δn=0.03、λ=0.633μmなので、Δmax=6.0である。
光検出器Dでは、干渉縞が検出される。干渉縞には、平面波の位相情報が含まれている。よって、平面波の位相情報は、干渉縞から算出することができる。ただし、干渉縞から算出された位相は、電場の位相である。
場合によっては、検出された電場の位相で、位相の置き換えが生じる。位相の置き換えは、電場の位相が-πよりも小さい場合と、電場の位相が+πよりも大きい場合に生じる。いずれの場合も、電場の位相は、-πから+πまでの範囲の位相に置き換えられる。この位相の置き換えを、ここでは、ラッピングという。
試料S1では、電場の位相のなかで+πよりも大きい領域の位相は、ラッピングされる。その結果、図21(c)、図21(d)に示すように、+πよりも大きい位相は、-πから+πまでの間の位相に置き換えられる。
上述のように、複数の干渉縞と逆ラドン変換を用いることで、試料の屈折率分布を算出することができる。干渉縞から電場の位相が得られるので、電場の位相と逆ラドン変換を用いることで、試料の形状、試料の大きさ、及び試料における屈折率分布を算出することができる。
干渉縞から得られた電場の位相がラッピングされていない場合、得られた電場の位相をそのまま用いることができる。一方、干渉縞から得られた電場の位相がラッピングされている場合、得られた電場の位相をそのまま用いることはできない。
図21(c)と図21(d)に示すように、ラッピングされた位相では、位相が途切れている。そのため、ラッピングされた位相を用いると、試料S1の形状と試料S1の大きさを正確に算出することができない。
そこで、アンラッピング、すなわち、位相の接続を行う。アンラッピングでは、隣り合う2つのピクセルを用いて計算が行われる。具体的には、一方のピクセルにおける位相に対して、他方のピクセルにおける位相がπ以下となるように、計算が行われる。
アンラッピングを行うことで、途切れた位相を滑らかにつなぎ合わせることができる。その結果、図21(e)と図21(f)に示すように、アンラッピングされた位相では、位相は滑らかに繋がっている。
図21(a)と図21(e)との比較、又は図21(b)と図21(f)との比較から分かるように、アンラッピングされた位相は、平面波の位相と一致している。よって、アンラッピングされた位相を用いることで、試料S1の形状と試料S1の大きさを正確に算出することができる。
また、逆ラドン変換では、光検出器に入射する測定光が平行光である場合に、試料の屈折率分布を正しく得ることができる。試料S1の内部は均質なので、平行光が光検出器Dに入射する。また、試料S1の形状と試料S1の大きさは、正確に算出されている。よって、逆ラドン変換を用いることで、試料S1の屈折率分布を正確に算出することができる。
試料S1の大きさは、1つの細胞の大きさとほぼ同じである。上述のように、アンラッピングされた位相を用いることで、試料S1の形状と試料S1の大きさを正確に算出することができる。そのため、1つの細胞では、アンラッピングされた位相を用いることで、細胞の形状と細胞の大きさを正確に算出することができる。
また、逆ラドン変換を用いることで、試料S1の屈折率分布を正確に算出することができる。そのため、細胞の内部が均質と見なせる場合、逆ラドン変換を用いることで、細胞の屈折率分布を正確に算出することができる。
ただし、核を有する細胞では、核の屈折率は細胞質の屈折率と異なるため、細胞の内部は均質ではない。この場合、測定光は、細胞で屈折、回折、又は散乱される。その結果、収束光又は発散光が光検出器に入射する。
上述のように、逆ラドン変換では、光検出器に入射する測定光が平行光である場合に、屈折率分布を正確に算出することができる。そのため、光検出器に入射する測定光が収束光又は発散光だと、屈折率分布を正確に算出することができない。すなわち、細胞の内部が均質でない場合、逆ラドン変換を用いても、細胞の屈折率分布を正確に算出することができない。
試料の屈折率分布を測定する装置が、非特許文献1に開示されている。この装置では、屈折率分布の最適化が行われる。
この装置でも、複数の干渉縞と逆ラドン変換が用いられる。よって、試料が1つの細胞であっても、細胞の形状と細胞の大きさを正確に算出することができる。ただし、上述のように、細胞の内部が均質でない場合、逆ラドン変換を用いるだけでは、細胞の屈折率分布を正確に算出することができない。
そこで、この装置では、試料の屈折率分布を正確に算出するために、屈折率分布の最適化が行われる。最適化では、逆ラドン変換で算出された屈折率分布が、初期値に設定される。
また、最適化では、コスト関数が用いられる。コスト関数は、測定光の測定値とシミュレーションによる推定値との差又は比で表わされる。
測定光の測定値は、試料の光学像から算出される。よって、測定光の測定値には、試料の屈折率分布の情報が間接的に含まれている。シミュレーションによる推定値は、モデル試料の屈折率分布に基づいて算出される。
モデル試料における屈折率分布を変化させると、コスト関数の値が変化する。コスト関数に差分が用いられている場合、コスト関数の値が小さくなるにつれて、モデル試料における屈折率分布が、試料の屈折率分布に近づく。
コスト関数の値が閾値以下になると、モデル試料における屈折率分布は、試料の屈折率分布と一致するか、又は、試料の屈折率分布と略一致する。その結果、試料の屈折率分布を正確に算出することができる。すなわち、試料が1つの細胞であって、細胞の内部が均質でなくても、細胞の屈折率分布を正確に算出することができる。
特開平11-230833号公報
ULUGBEK S. KAMILOV ET AL,"Learning approach to optical tomography", Optica, June 2015, Vol. 2, No. 6, 517-522
図22は、試料を示す図である。試料S2は、無色透明な球である。球の直径は500μmである。試料S2の大きさは、複数の細胞の集合体の大きさとほぼ等しい。よって試料S2を、複数の細胞の集合体と見なして説明する。
集合体の内部は均質で、集合体の周囲は液体で満たされているとする。図22では、球の内部は屈折率が1.36の媒質で満たされ、球の周囲は屈折率が1.33の水で満たされている。
試料S2は、測定光路に配置されている。試料S2には、測定光Lmが照射される。試料S2から、測定光Lm’が射出される。測定光Lm’は、参照光Lrefと共に光検出器Dに入射する。光検出器Dの受光面に、干渉縞が形成される。
測定光Lmは、直径が500μmの円よりも広い範囲に照射されている。よって、測定光Lmは、試料S2が存在する場所と、試料S2が存在しない場所に照射される。
図23は、位相を示す図である。図23(a)と図23(b)は、平面波の位相を示す図である。図23(c)と図23(d)は、ラッピングされた位相を示す図である。図23(e)と図23(f)は、アンラッピングされた位相を示す図である。図23(b)、図23(d)、及び図23(f)は、拡大図である。
測定光Lmは、試料S2が存在する場所と、試料S2が存在しない場所に照射される。そのため、光検出器Dに入射する測定光Lmには、領域A1からの光と領域A2からの光とが含まれる。
領域A1には、球が存在している。領域A2には、球が存在していない。よって、図23(a)と図23(b)に示すように、領域A1からの光では位相の遅れが生じ、領域A2からの光では位相の遅れは生じない。
試料S2では、d=500μm、Δn=0.03、λ=0.633μmなので、Δmax=148.8である。
試料S2では、πに対応する電場の位相は、3.0である。そのため、電場の位相では、3.0よりも大きい領域の位相は、ラッピングされる。その結果、図23(c)、図23(d)に示すように、3.0よりも大きい位相は、-πから+πまでの間の位相に置き換えられる。
領域A1と領域A2との境界では、位相が大きく変化する。試料S2の直径は、試料S1の直径よりも大きい。そのため、試料S2では、試料S1に比べて、領域A1と領域A2との境界で位相が非常に大きく変化する。
この場合、アンラッピングを行っても、途切れた位相を滑らかにつなぎ合わせることができない。その結果、図23(e)と図23(f)に示すように、アンラッピングされた位相では、位相は滑らかに繋がっていない。
図23(a)と図23(e)との比較、又は図23(b)と図23(f)との比較から分かるように、アンラッピングされた位相は、平面波の位相と一致していない。よって、アンラッピングされた位相を用いても、試料S2の形状と試料S2の大きさを正確に算出することができない。
試料S2の内部は均質なので、平行光が光検出器Dに入射する。しかしながら、試料S2の形状と試料S2の大きさを正確に算出されていない。そのため、逆ラドン変換を用いても、試料S2の屈折率分布を正確に算出することができない。
試料S2の大きさは、試料S1の大きさよりも大きい。上述のように、試料S1の大きさは、1つの細胞の大きさとほぼ同じである。よって、試料S2の大きさは、複数の細胞の集合体の大きさ、例えば、スフェロイドの大きさとほぼ同じである。
上述のように、試料S2では、アンラッピングされた位相を用いても、試料S2の形状と試料S2の大きさを正確に算出することができない。そのため、スフェロイドでは、アンラッピングされた位相を用いても、スフェロイドの形状とスフェロイドの大きさを、正確に算出することができない。
スフェロイドは、複数の細胞の集合体である。各細胞が核を有する場合、スフェロイドは、複数の核を有する。核の屈折率は、細胞質の屈折率と異なる。このように、スフェロイドは、屈折率が異なる微小領域を複数有している。
そのため、スフェロイドの内部は均質ではない。この場合、測定光は、スフェロイドで屈折、回折、又は散乱される。その結果、収束光又は発散光が光検出器に入射する。
上述のように、光検出器に入射する測定光が収束光又は発散光だと、屈折率分布を正確に算出することができない。よって、スフェロイドの屈折率分布の算出では、逆ラドン変換を用いて屈折率分布を算出し、算出された屈折率分布を初期値に設定し、屈折率分布の最適化が行われる。
最適化では、シミュレーションによる推定値が用いられる。シミュレーションによる推定値の算出では、モデル試料が用いられる。推定値を算出するためには、モデル試料の形状とモデル試料の大きさが正確に算出されていることが必要である。
しかしながら、上述のように、スフェロイドの形状とスフェロイドの大きさを正確に算出することができない。そのため、モデル試料の形状とモデル試料の大きさを、正確に設定することができない。
更に、モデル試料の形状とモデル試料の大きさを設定できないので、屈折率分布の最適化を行うことができない。そのため、スフェロイドの屈折率分布を正確に算出することができない。
図24は、試料を示す図である。試料S3は、フォトニッククリスタルファイバー(以下、「PCF」という)である。PCFは、円柱部材と、貫通孔と、を有する。
PCFでは、貫通孔が複数、円柱部材の内部に形成されている。貫通孔は円筒形で、円柱部材の母線に沿って形成されている。PCFの外径は230μmで、媒質の屈折率は1.47である。貫通孔と円柱部材の周囲は、屈折率が1.44の液体で満たされている。
試料S3は、測定光路に配置されている。試料S3には、測定光Lmが照射される。試料S3から、測定光Lm’が射出される。測定光Lm’は、参照光Lrefと共に光検出器Dに入射する。光検出器Dの受光面に、干渉縞が形成される。
測定光Lmは、直径が230μmの円よりも広い範囲に照射されている。よって、測定光Lmは、試料S3が存在する場所と、試料S3が存在しない場所に照射される。
図25は、位相を示す図である。図25(a)は、ラッピングされた位相を示す図である。図25(b)は、アンラッピングされた位相を示す図である。
試料S3では、d=230μm、Δn=0.03、λ=1.550μmなので、Δmax=27.9である。
試料S3が存在する場所と試料S3が存在しない場所との境界では、位相が大きく変化する。試料S3の直径は、試料S1の直径よりも大きい。そのため、試料S3では、試料S1に比べて、試料S3が存在する場所と試料S3が存在しない場所との境界で、位相が非常に大きく変化する。
この場合、アンラッピングを行っても、途切れた位相を滑らかにつなぎ合わせることができない。その結果、図25(b)に示すように、アンラッピングされた位相では、位相は滑らかに繋がっていない。
平面波の位相は図示されていないが、アンラッピングされた位相は、平面波の位相と一致していない。よって、アンラッピングされた位相を用いても、試料S3の形状と試料S3の大きさを正確に算出することができない。
試料S3では、貫通孔の屈折率は、円柱部材の屈折率と異なる。よって、試料S3は、屈折率が異なる微小領域を複数有している。そのため、試料S3の内部は均質ではない。
この場合、測定光は、試料S3で屈折、回折、又は散乱される。その結果、収束光又は発散光が光検出器に入射する。
上述のように、光検出器に入射する測定光が収束光又は発散光だと、屈折率分布を正確に算出することができない。よって、試料S3の屈折率分布の算出では、逆ラドン変換を用いて屈折率分布を算出し、算出された屈折率分布を初期値に設定し、屈折率分布の最適化が行われる。
最適化では、シミュレーションによる推定値が用いられる。シミュレーションによる推定値の算出では、モデル試料が用いられる。推定値を算出するためには、モデル試料の形状とモデル試料の大きさが正確に算出されていることが必要である。
しかしながら、上述のように、試料S3の形状と試料S3の大きさを正確に算出することができない。そのため、モデル試料の形状とモデル試料の大きさを、正確に設定することができない。
更に、モデル試料の形状とモデル試料の大きさを設定できないので、屈折率分布の最適化を行うことができない。そのため、試料S3の屈折率分布を正確に算出することができない。
このように、試料S3では、試料S3の形状、試料S3の大きさ、及び試料S3の屈折率分布を正確に算出することができない。そのため、PCFの形状、PCFの大きさ、及びPCFの屈折率分布を正確に算出することができない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、試料の形状、試料の大きさ、及び試料と周囲の屈折率差に左右されずに、試料の屈折率分布を正確に測定することができる試料構造測定装置及び試料構造測定方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る試料構造測定装置は、
光源と、
光源からの光を、試料を通過する測定光路と参照光路に分岐する光路分岐部と、
測定光路の光と参照光路の光とを合流させる光路合流部と、
複数の画素を有し、光路合流部から入射した光を検出して、入射した光の位相データを出力する光検出器と、
プロセッサと、を備え、
第1領域は試料が存在する領域で、第2領域は試料が存在しない領域であり、
プロセッサは、
位相データを、第1領域の位相データと、第2領域の位相データと、に分割し、第1領域の位相データに基づいて推定試料構造の初期構造を設定し、
推定試料構造を透過したシミュレーションされた光と試料を透過した測定光とを用いて推定試料構造を最適化することを特徴とする。
また、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る試料構造測定方法は、
光源からの光を、試料を通過する測定光路と参照光路に分岐し、
光合流部により、測定光路の光と参照光路の光とを合流させ、
複数の画素を有する光検出器により、光路合流部から入射した光を検出して、入射した光の位相データを出力し、
第1領域は試料が存在する領域で、第2領域は試料が存在しない領域であり、
位相データを、第1領域の位相データと、第2領域の位相データと、に分割し、第1領域の位相データに基づいて推定試料構造の初期構造を設定し、
推定試料構造を透過したシミュレーションされた光と試料を透過した測定光との差または比を含むコスト関数を用いて推定試料構造を最適化することを特徴とする。
本発明によれば、試料の形状、試料の大きさ、及び試料と周囲の屈折率差に左右されずに、試料の屈折率分布を正確に測定することができる試料構造測定装置及び試料構造測定方法を提供することができる。
本実施形態の試料構造測定装置を示す図である。 干渉縞とラッピングされた位相を示す図である。 第1の算出方法のフローチャートである。 ステップS10におけるフローチャートである。 1次元の位相データと評価値を示す図である。 第1領域と第2領域を示す図である。 測定画像と推定画像を示す図である。 ラッピングされた1次元の位相データを示す図である。 本実施形態の試料構造測定装置を示す図である。 本実施形態の試料構造測定装置を示す図である。 本実施形態の試料構造測定装置を示す図である。 第2の算出方法のフローチャートである。 照射状態、平面データ、投影の様子、及び立体データを示す図である。 照射状態と構造データの更新を示す図である。 正しい形状と、シミュレーションによる形状を示す図である。 第2の算出方法で算出された推定試料構造を示す図である。 第3の算出方法のフローチャートである。 推定試料構造と拘束領域を示す図である。 本実施形態の試料構造測定装置を示す図である。 試料を示す図である。 位相を示す図である。 試料を示す図である。 位相を示す図である。 試料を示す図である。 位相を示す図である。
実施例の説明に先立ち、本発明のある態様にかかる実施形態の作用効果を説明する。なお、本実施形態の作用効果を具体的に説明するに際しては、具体的な例を示して説明することになる。しかし、後述する実施例の場合と同様に、それらの例示される態様はあくまでも本発明に含まれる態様のうちの一部に過ぎず、その態様には数多くのバリエーションが存在する。したがって、本発明は例示される態様に限定されるものではない。
本実施形態の試料構造測定装置は、光源と、光源からの光を、試料を通過する測定光路と参照光路に分岐する光路分岐部と、測定光路の光と参照光路の光とを合流させる光路合流部と、複数の画素を有し、光路合流部から入射した光を検出して、入射した光の位相データを出力する光検出器と、プロセッサと、を備え、第1領域は試料が存在する領域で、第2領域は試料が存在しない領域であり、プロセッサは、位相データを、第1領域の位相データと、第2領域の位相データと、に分割し、第1領域の位相データに基づいて推定試料構造の初期構造を設定し、推定試料構造を透過したシミュレーションされた光と試料を透過した測定光とを用いて推定試料構造を最適化することを特徴とする。
図1は、本実施形態の試料構造測定装置を示す図である。試料構造測定装置1は、レーザ2と、ビームスプリッタ3と、ビームスプリッタ4と、CCD5と、プロセッサ6と、を有する。
試料構造測定装置1では、ミラー7と、ミラー8と、が用いられている。また、必要に応じて、レンズ10と、遮光板11と、を用いることができる。
レーザ2は、光源である。ビームスプリッタ3は、光路分岐部である。ビームスプリッタ4は、光路合流部である。CCD5は、光検出器である。光検出器として、CMOSを用いても良い。
ビームスプリッタ3は、光学膜が形成された光学面3aを有する。ビームスプリッタ4は、光学膜が形成された光学面4aを有する。光学膜によって、入射した光から、透過側に進む光と反射側に進む光とが生成される。
レーザ2からCCD5までの間に、測定光路OPmと、参照光路OPrと、が形成されている。測定光路OPmと参照光路OPrは、ビームスプリッタ3によって形成される。
ビームスプリッタ3の反射側に、測定光路OPmが位置している。測定光路OPmには、ミラー7が配置されている。測定光路OPmは、ミラー7によって、折り曲げられている。折り曲げられた後の測定光路OPmに、CCD5が配置されている。
ビームスプリッタ3の透過側に、参照光路OPrが位置している。参照光路OPrには、ミラー8が配置されている。参照光路OPrは、ミラー8によって、折り曲げられている。折り曲げられた後の参照光路OPrは、測定光路OPmと交差している。
測定光路OPmと参照光路OPrが交差する位置に、ビームスプリッタ4が配置されている。ビームスプリッタ4の透過側に、測定光路OPmが位置している。
参照光路OPrは、ビームスプリッタ4によって、折り曲げられている。ビームスプリッタ4の反射側に、参照光路OPrが位置している。折り曲げられた後の参照光路OPrは、測定光路OPmと重なる。
レーザ2から射出されたレーザ光は、ビームスプリッタ3に入射する。光学面3aで、ビームスプリッタ3に入射した光から、測定光路OPmを進行する光(以下、「測定光Lm」という)と、参照光路OPrを進行する光(以下、「参照光Lref」という)と、が生じる。
測定光路OPmには、試料9が位置している。試料9は、例えば、ステージ(不図示)によって保持されている。測定光Lmは、試料9よりも広い範囲に照射される。測定光Lmの照射によって、試料9から測定光Lm’が射出される。測定光Lm’は、ミラー7で反射された後、ビームスプリッタ4を透過し、CCD5に入射する。
参照光路OPrには、何も配置されていない。参照光Lrefは、ミラー8で反射された後、ビームスプリッタ4で反射され、CCD5に入射する。
CCD5では、測定光Lm’と参照光Lrefによって、CCD5の撮像面に干渉縞が形成される。干渉縞はCCD5によって撮像される。その結果、干渉縞の画像を取得することができる。
試料構造測定装置1では、測定光路の数は1つである。また、照射光の照射方向は、変えることができない。よって、1つの干渉縞の画像が取得される。干渉縞の画像を用いた処理が、プロセッサ6で行われる。
プロセッサ6には、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。プロセッサの数は1つに限られない。複数のプロセッサが用いられても良い。
また、プロセッサ6は、メモリと共に使用されても良い。メモリは、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリであっても良いし、レジスタであっても良いし、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)等の磁気記憶装置であっても良いし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であっても良い。
例えば、メモリは、プロセッサ6で読み取りが可能な命令を格納している。メモリに格納された命令がプロセッサ6により実行されることで、予め決められた手順に従って処理が実行される。
プロセッサ6では、位相データが、第1領域の位相データと、第2領域の位相データと、に分割され、第1領域の位相データに基づいて推定試料構造の初期構造が設定され、推定試料構造を透過したシミュレーションされた光と試料を透過した測定光とを用いて推定試料構造が最適化される。詳細な処理については、後述する。
プロセッサ6は、例えば、初期構造算出部12と、最適化部13と、を有する。プロセッサ6における処理は、初期構造算出部12と最適化部13で行うことができる。初期構造算出部12と最適化部13については、後述する。
試料構造測定装置1では、レンズ10と遮光板11が用いられるようにしても良い。レンズ10と遮光板11を用いることで、試料9の光学像を形成することができる。光学像の形成では、試料9からCCD5までの間の測定光路OPmにレンズ10が挿入され、ビームスプリッタ3からビームスプリッタ4までの間の参照光路OPrに遮光板11が挿入される。
このようにすることで、測定光Lm’だけが、CCD5に入射する。測定光Lm’によって、CCD5の撮像面に光学像が形成される。光学像は、CCD5によって撮像される。その結果、光学像の画像を取得することができる。
プロセッサ6における処理について説明する。試料構造測定装置1では、干渉縞の画像が取得されるので、干渉縞の画像から電場の位相を算出することができる。
図2は、干渉縞とラッピングされた位相を示す図である。図2(a)は、干渉縞を示す図である。図2(b)は、ラッピングされた位相を示す図である。
試料9は球である。図2(a)に示すように、干渉縞20は、干渉縞21と、干渉縞22と、に分かれる。
干渉縞21は、試料9を通過する測定光に基づいて形成される。よって、干渉縞21は、第1領域における干渉縞である。干渉縞22は、試料9を通過しない測定光に基づいて形成される。よって、干渉縞22は、第2領域における干渉縞である。
上述のように、測定光Lmは、試料9よりも広い範囲に照射される。そのため、干渉縞20では、干渉縞21の外側に、干渉縞22が位置している。すなわち、干渉縞20では、第1領域の外側に、第2領域が位置している。
干渉縞20はCCD5で撮像される。その結果、2次元の離散的なデータが得られる。2次元の離散的なデータから、電場の位相が算出される。よって、電場の位相も、2次元の離散的なデータで表される。
図2(b)には、X方向のラッピングされた位相が示されている。ラッピングされた位相30(以下、「位相30」という)は、図2(a)の矢印で示す位置における位相である。
図2(b)に示すように、位相30は、位相31と、位相32と、に分かれる。
位相31は、試料9が存在している部分の位相である。よって、位相31は、第1領域における位相である。位相32は、試料9が存在していない部分の位相である。よって、位相32は、第2領域における位相である。
干渉縞20では、第1領域の外側に、第2領域が位置している。よって、位相30でも、第1領域の外側に、第2領域が位置している。
第1領域と第2領域の境界線は、試料9の形状を表している。また、第1領域の大きさは、試料9の大きさを表している。よって、第1領域の形状と第1領域の大きさから、試料9の形状と試料9の大きさを算出することができる。
試料構造測定装置1では、第1領域の形状の算出と第1領域の大きさの算出に、ラッピングされた位相だけが用いられる。すなわち、試料構造測定装置1では、アンラッピングされた位相は用いられていない。
アンラッピングされた位相を用いる方法では、試料の形状の算出と試料の大きさの算出の可否は、試料の大きさに左右される。これに対して、ラッピングされた位相を用いる方法では、試料の形状の算出と試料の大きさの算出の可否は、試料の大きさに左右されない。そのため、試料構造測定装置1では、試料の大きさに左右されずに、試料の形状と試料の大きさを算出することができる。
試料構造測定装置1では、逆ラドン変換は用いられていない。そこで、試料構造測定装置1では、屈折率分布の最適化を行う。屈折率分布の最適化では、推定試料構造が用いられる。屈折率分布の最適化を行うことで、推定試料構造の屈折率分布を算出することができる。
推定試料構造は、第1領域に含まれる構造と、第2領域に含まれる構造と、を有する。推定試料構造の屈折率分布が算出されると、第1領域の屈折率分布が算出される。算出された屈折率分布から、試料9の屈折率分布が得られる。
屈折率分布の算出方法について説明する。図3は、第1の算出方法のフローチャートである。図4は、ステップS10におけるフローチャートである。
第1の算出方法では、1つの干渉縞の画像が用いられる。上述のように、試料構造測定装置1では、1つの干渉縞の画像が取得される。よって、第1の算出方法は、試料構造測定装置1で用いることができる。
第1の算出方法は、ステップS10と、ステップS20と、ステップS30と、ステップS40と、ステップS50と、を有する。
ステップS10では、位相データから、第1領域と第2領域を設定する。
図4に示すように、ステップS10は、ステップS100と、ステップS110と、ステップS120と、ステップS130と、ステップS140と、ステップS150と、を有する。
位相データは、ラッピングされた位相のデータである。ステップS10を実行することにより、位相データは、第1領域の位相データと、第2領域の位相データと、に分割される。
位相データは、例えば、図2(a)に示す干渉縞20から算出される。この場合、位相データは、2次元の離散的なデータで表される。X方向のデータ数をNxとし、Y方向におけるデータ数をNyとする。X方向とY方向は、図2(a)に示すX方向とY方向と同じである。
Nxは1つの列におけるデータの数と見なすことができる。この場合、Nyは、Y方向における列の数を表している。ステップS10では、各列について、第1領域と、第2領域と、が設定される。以下、1つの列の位相データを、「位相データL」という。
位相データLにおける第1領域と第2領域の設定には、第1領域が設定できる場合と、第1領域が設定できない場合と、が含まれる。第1領域が設定できる場合、位相データLは、第1領域の位相データと、第2領域の位相データと、に分割することができる。第1領域が設定できない場合、位相データLは第2領域の位相データだけになる。
ステップS100では、データ数Nxとデータ数Nyが設定される。
ステップS110では、変数nの値に1を設定する。
変数nは、Y方向における位相データLの序数を表している。n=1の場合、1番目の位相データLが、ステップS130とステップS140で用いられる。
ステップS120では、X1(n)の値とX2(n)の値を初期化する。初期化では、X1(n)の値とX2(n)の値にゼロが設定される。
第1領域の外側に第2領域が位置している場合、第1領域と第2領域との境界の数は、最大で2つになる。2つの境界のうちの一方を第1境界、他方を第2境界とする。X1(n)は、第1境界に関する情報が格納される。X2(n)には、第2境界に関する情報が格納される。
図5は、1次元の位相データと評価値を示す図である。図5(a)は、ラッピングされた1次元の位相データを示す図である。図5(b)は、評価値を示す図である。
上述のように、ステップS10を実行することにより、位相データは、第1領域の位相データと、第2領域の位相データと、に分割される。位相データを分割するためには、位相データLの各々について、第1境界P1の位置と第2境界P2の位置を算出する必要がある。
第1境界P1の位置の算出は、ステップS130で行われる。第2境界P2の位置の算出は、ステップS140で行われる。
ステップS130では、第1境界の位置を算出する。
ステップS130は、ステップS131と、ステップS132と、ステップS133と、ステップS134と、ステップS135と、ステップS136と、ステップS137と、ステップS138と、を有する。
ステップS131では、変数iの値に1を設定する。
図5(a)に示すように、第1境界P1の位置は、Nx番目のデータの位置よりも、1番目のデータの位置に近い。第1境界P1の位置の算出では、1番目のデータから始めると良い。
本実施形態の試料構造測定装置では、位相データは、評価値と閾値とを比較することにより分割され、評価値の算出では、1列の位相データが用いられ、評価値は、隣接する2つの位相の差分に基づいて算出されることが好ましい。
ステップS132では、2つの位相の差分を算出する。
第1境界P1の位置の算出と第2境界P2の位置の算出では、評価値と閾値とが比較される。評価値の算出では、1列の位相データが用いられる。1列の位相データは、位相データLである。評価値は、2つの位相の差分に基づいて算出される。
2つの位相の差分の算出では、図5(a)に示すように、隣接する2つの位相を用いることができる。
この場合、差分d(i)は、以下の式(1)で表される。
d(i)=φ(i+1)-φ(i) (1)
ここで、
φ(i)は、i番目の位相
φ(i+1)は、i+1番目の位相、
である。
ステップS133では、評価値を計算する。
評価値T(i)は、以下の式(2)で表される。
T(i)=d(i)×λ/p (2)
ここで、
λは、波長、
pは、試料面における画素の大きさ、
である。
試料面における画素の大きさは、光検出器の画素を試料面での画素に換算したときの大きさである。
ステップS134では、評価値と閾値との比較を行う。
図5(b)に示すように、評価値T(i)は、プラスの値とマイナスの値を有する。よって、評価値T(i)の絶対値を用いて、閾値との比較を行う。
閾値には、例えば、5πを設定することができる。閾値には、下限値と上限値を設定することができる。好ましい下限値は、0、又は、0.2πである。好ましい上限値は、5π、又はπである。
判断結果がYESの場合は、ステップS135が実行される。判断結果がNOの場合は、ステップS136が実行される。
評価値T(i)の算出方法は、差分に限定されない。例えば、位相φ(i)を微分して評価値T(i)を算出しても良い。位相φ(i)の微分値を評価値T(i)として用いる場合は、評価値T(i)と閾値との比較において、差分d(i)の比較に用いられる閾値とは異なる閾値を用いる。
(判断結果がYESの場合:評価値>閾値)
ステップS135では、X1(n)の値にiの値を設定する。
第2領域には、試料が存在しない。第2領域では、隣り合う2つの位相の差分は非常に小さい。一方、第1領域には、試料が存在する。そのため、第1領域と第2領域との境界で、隣り合う2つの位相の差分が最初に大きくなる。
評価値T(i)は、隣り合う2つの位相の差分の情報を含んでいる。よって、評価値と閾値とを比較することで、第1領域と第2領域との境界を算出することができる。
上述のように、第1境界P1の位置は、Nx番目のデータの位置よりも、1番目のデータの位置に近い。評価値の算出は、1番目のデータから始まる。よって、図5(b)に示すように、X1(n)に格納された値は、第1境界P1の位置を表している。
(判断結果がNOの場合:評価値≦閾値)
ステップS136では、変数iの値に1を加算する。
ステップS137では、変数iの値がデータ数Nxと一致したか否かを判断する。
判断結果がYESの場合は、ステップS138が実行される。判断結果がNOの場合は、ステップS132に戻る。
(判断結果がYESの場合:i=Nx)
ステップS138では、X1(n)の値とX2(n)の値にゼロを設定する。
評価値と閾値との比較は、第1境界の位置が算出されるか、又は、位相データLの全ての位相が用いられるまで行われる。
第1境界の位置が算出されたとき、変数iの値はデータ数Nxよりも小さい。よって、変数iの値とデータ数Nxとの一致は、位相データLの全ての位相を用いたにもかかわらず、第1境界の位置が算出できなかったことを意味する。
位相データLの全ての位相を用いても第1境界の位置が算出できない場合、第2境界の位置も算出できない。よって、X1(n)の値とX2(n)の値にゼロに設定される。これは、位相データLにおいて、第1領域が設定できないことを意味している。この場合、位相データLは、第2領域の位相データだけになる。
ステップS138が終わると、ステップS150に進む。
(判断結果がNOの場合:i≠Nx)
ステップS132に戻る。
変数iの値とデータ数Nxとの不一致は、位相データLの全ての位相を用いて評価値と閾値との比較が行われていないことを意味する。
ステップS136で、変数iの値が1つ増えている。そのため、別の隣り合う2つの位相を用いて、ステップS132、ステップS133、及びステップS134が実行される。
ステップS130が終わると、ステップ140が実行される。
ステップS140では、第2境界の位置を算出する。
ステップS140は、ステップS141と、ステップS142と、ステップS143と、ステップS144と、ステップS145と、ステップS146と、を有する。
ステップS141では、変数iの値にデータ数Nxを設定する。
図5(a)に示すように、第2境界P2の位置は、1番目のデータの位置よりも、Nx番目のデータの位置に近い。第2境界P2の位置の算出では、Nx番目のデータから始めると良い。
ステップS142では、2つの位相の差分を算出する。
差分d(i)は、以下の式(3)で表される。
d(i)=φ(i)-φ(i-1) (3)
ここで、
φ(i)は、i番目の位相
φ(i-1)は、i-1番目の位相、
である。
ステップS143では、評価値を計算する。
評価値T(i)は、上述の式(2)で表される。
ステップS144では、評価値と閾値との比較を行う。
上述のように、評価値T(i)は、プラスの値とマイナスの値を有する。よって、評価値T(i)の絶対値が用いて、閾値との比較を行う。
閾値には、例えば、5πを設定することができる。閾値には、下限値と上限値を設定することができる。好ましい下限値は、0、又は、0.2πである。好ましい上限値は、5π、又はπである。
判断結果がYESの場合は、ステップS145が実行される。判断結果がNOの場合は、ステップS146が実行される。
(判断結果がYESの場合:評価値>閾値)
ステップS145では、X2(n)の値にiの値を設定する。
上述のように、第2境界P2の位置は、1番目のデータの位置よりも、Nx番目のデータの位置に近い。評価値の算出は、Nx番目のデータから始まる。よって、図5(b)に示すように、X2(n)に格納された値は、第2境界P2の位置を表している。
(判断結果がNOの場合:評価値≦閾値)
ステップS146では、変数iの値から1を減算する。
ステップS146が終ると、ステップS142に戻る。ステップS146で、変数iの値が1つ減っている。そのため、別の隣り合う2つの画素について、ステップS142、ステップS143、及びステップS144が実行される。
ステップS145が終わると、位相データLにおいて、2つの境界の位置が算出される。その結果、位相データLにおいて、第1領域と第2領域とが設定される。
上述のように、第1境界の位置が算出できない場合、ステップS140は実行されない。よって、ステップS140では、必ず第2境界の位置が算出される。
第1領域の設定と第2領域の設定は、全て位相データLにおいて行わなければならない。
ステップS150では、変数nの値がデータ数Nyと一致したか否かを判断する。
判断結果がNOの場合は、ステップS151が実行される。判断結果がYESの場合は、ステップS20が実行される。
(判断結果がYESの場合:n=Ny)
ステップS20を実行する。
(判断結果がNOの場合:n≠Ny)
ステップS151では、変数nの値に1を加算する。
ステップS151が終ると、ステップS120に戻る。ステップS151で、変数nの値が1つ増えている。そのため、別の位相データLについて、ステップS130とステップS140が実行される。
ステップS130とステップS140は、全ての位相データLについて、第1境界の位置と第2境界の位置が算出されるまで、繰り返し行われる。
第1領域の形状と第1領域の大きさは、試料が存在する領域の形状と試料が存在する領域の大きさを表している。よって、位相データを第1領域の位相データと第2領域の位相データとに分割することで、試料が存在する領域の形状と試料が存在する領域の大きさを算出することができる。
上述のように、プロセッサ6では、第1領域の位相データに基づいて推定試料構造の初期構造が設定される。初期構造は、第1領域の形状、第1領域の大きさ、第2領域の形状、第2領域の大きさ、第1領域の屈折率分布、及び第2領域の屈折率分布を含むことができる。
この場合、第1領域の位相データに基づく初期構造の設定では、第1領域の形状の設定、第1領域の大きさの設定、第2領域の形状の設定、及び第2領域の大きさの設定が行われる。第1領域の屈折率分布の設定と第2領域の屈折率分布の設定は、別途行われる。
ステップS20では、第1領域を、推定試料構造における試料領域と推定する。
屈折率分布の最適化では、屈折率分布の推定が行われる。屈折率分布の推定は、シミュレーションによって行われる。シミュレーションは推定試料構造を用いて行われるので、推定試料構造の形状と推定試料構造の大きさが必要である。
図6は、第1領域と第2領域を示す図である。図6(a)は、2つの領域を2次元で表示した図である。図6(b)は、2つの領域を3次元で表示した図である。
ステップS10の実行により、各位相データLで、第1境界の位置と第2境界の位置が算出される。算出された各位置から、2次元構造を求めることできる。図6(a)に示すように、2次元構造40は、第1領域41と、第2領域42と、を有する。
試料9は球なので、推定試料構造は3次元構造で表わされる。推定試料構造を3次元構造で表すためには、第1領域41の3次元構造と、第2領域42の3次元構造と、が必要である。
2次元構造40は、第1領域41と、第2領域42と、を有する。よって、第1領域41の3次元構造と、第2領域42の3次元構造は、2次元構造40をX軸の周りに回転させることで得られる。
第1領域41の3次元構造と、第2領域42の3次元構造から、推定試料構造の3次元構造が求まる。図6(b)に示すように、推定試料構造43は、第1領域41と、第2領域42と、を有する。
第1領域41の形状と第1領域41の大きさは、試料の形状と試料の大きさを表している。よって、第1領域41を、推定試料構造における試料領域と推定すれば良い。
ステップS30では、試料領域の内部の屈折率値、所定の屈折率値設定する。
屈折率分布の推定を行うためには、試料領域の屈折率分布が必要である。試料領域は、第1領域と見なすことができる。ステップS10では、第1領域の形状と第1領域の大きさは算出することはできるが、第1領域の屈折率分布を算出することができない。そのため、試料領域の屈折率分布は別の方法で設定する必要がある。
第1の算出方法では、試料領域の内部の屈折率値、所定の屈折率値設定する。所定の屈折率値には、例えば、1を設定することができる。この設定により、推定試料構造の初期構造が設定される。
試料領域の外側は第2領域に該当する。第2領域には、試料9が存在していない。よって、試料領域の外側の屈折率値には、例えば、ゼロを設定すれば良い。
ステップS40では、屈折率分布の最適化を行う。
ステップS40は、ステップS400と、ステップS410と、ステップS420と、ステップS430と、ステップS440と、ステップS450と、を有する。
最適化では、例えば、コスト関数が用いられる。コスト関数は、測定光の測定値とシミュレーションによる推定値との差、又は、測定光の測定値とシミュレーションによる推定値と比で表わされる。推定値は、推定試料構造を透過した光を用いて算出される。推定試料構造を透過する光は、シミュレーションによる光である。
図7は、測定画像と推定画像を示す図である。図7(a)は、測定画像の取得の様子を示す図である。図7(b)と図7(c)は、推定画像の取得の様子を示す図である。
測定光の測定値(以下、「測定値」という)は、測定画像から算出される。図7(a)に示すように、測定画像の取得では、試料9と測定光学系50が用いられる。図1に示す試料構造測定装置1において、測定光路OPmにレンズ10を位置させることで、測定光学系50を形成することができる。
図7(a)において、位置Zfoは、測定光学系50の焦点の位置を示している。位置Zsは、試料9の像側面の位置を示している。
測定光学系50では、位置Zfoにおける試料9の光学像が、結像面IMに形成される。図7(a)では、位置ZsからΔZ離れた試料9の内部が、位置Zfoと一致している。
結像面IMには、CCD5が配置されている。試料9の光学像は、CCD5によって撮像される。その結果、試料9の光学像の画像(以下、「測定画像Imea」という)を取得できる。測定画像Imeaから、測定値が算出される。
シミュレーションによる推定値(以下、「推定値」という)は、推定試料構造43の光学像の画像(以下、「推定画像Iest」という)から算出される。図7(b)に示す推定試料構造43では、試料領域だけが図示されている。
図7(c)には測定光学系50が図示されている。推定画像Iestの算出はシミュレーションで行われるので、測定光学系50は物理的に存在しない。そのため、推定画像Iestの算出では、測定光学系50の瞳関数が用いられる。
推定画像Iestは、結像面IMにおける推定試料構造43の光強度で表わされる。よって、結像面IMにおける推定試料構造43の光強度を算出する必要がある。
ステップS400では、結像面における光強度を算出する。
ステップS400は、ステップS401と、ステップS402と、ステップS403と、ステップS404と、ステップS405と、を有する。
結像面における光強度の算出は、波面の順伝搬に基づいて行う。順伝搬では、図7(b)と図7(c)に示すように、波面は推定試料構造43から結像面IMに向かって伝搬する。
ステップS401では、推定試料構造へ入射する波面を算出する。
位置Zinは、試料領域41の物体側面の位置である。よって、位置Zinにおける波面Uinを算出する。波面Uinには、試料9に照射される測定光Lmの波面と同じ波面を用いることができる。
ステップS402では、推定試料構造から射出する波面を算出する。
位置Zoutは、試料領域41の像側面の位置である。よって、位置Zoutにおける波面Uoutを算出する。波面Uoutは、例えば、ビーム伝搬方法を用いて、波面Uinから算出することができる。
ステップS403では、所定の取得位置における波面を算出する。
所定の取得位置は、測定画像が取得されたときの試料側の位置である。
推定画像Iestは、測定画像Imeaと同じ条件で算出される。測定画像Imeaは、位置ZsからΔZ離れた試料9の内部の光学像から取得されている。よって、推定画像Iest算出では、位置ZsからΔZ離れた位置における波面が必要である。
図7(b)では、位置Zoutが位置Zsに対応している。位置ZoutからΔZ離れた位置は、位置Zpである。よって、位置Zpにおける波面Upが算出できれば良い。
位置Zpは、位置ZoutからΔZ離れている。よって、波面Uoutを波面Upとして用いることはできない。波面Upは、例えば、ビーム伝搬方法を用いて、波面Uoutから算出することができる。
ステップS404では、結像面における波面を算出する。
波面Upは、測定光学系50を通過して、結像面IMに到達する。結像面IMにおける波面Uimgは、波面Upと測定光学系50の瞳関数から算出することができる。
ステップS405では、結像面における光強度を算出する。
波面Uimgは、光の振幅を表している。光強度は、振幅の二乗で表わされる。よって、波面Uimgを二乗することで、試料領域41の光強度を算出することができる。その結果、推定画像Iestを取得できる。推定画像Iestから、推定値が算出される。
光強度の代わりに、振幅と位相を用いても良い。振幅と位相は、電場を用いて表される。よって、振幅と位相を用いる場合、測定と推定値には、電場から算出された値が用いられる。測定に基づく電場Emesと、推定に基づく電場Eestは、以下の式で表される。
Emes=Ames×exp(i×Pmes)
Eest=Aest×exp(i×Pest)
ここで、
Pmesは、測定に基づく位相、
Amesは、測定に基づく振幅、
Pestは、推定に基づく位相、
Aestは、推定に基づく振幅、
である。
測定に基づく電場Emesの取得では、例えば図1に示す試料構造測定装置において、ミラー7をわずかにチルトさせるか、又はミラー8をわずかにチルトさせれば良い。このようにすると、測定光Lm’と参照光Lrefは非平行な状態で、CCD5に入射する。
CCD5では、測定光Lm’と参照光Lrefによって、CCD5の撮像面に干渉縞が形成される。干渉縞はCCD5によって撮像される。その結果、干渉縞の画像を取得することができる。
干渉縞は、測定光Lm’と参照光Lrefが非平行な状態で取得されている。よって、この干渉縞を解析することで、測定に基づく位相と、測定に基づく振幅と、を得ることができ。その結果、測定に基づく電場Emesが得られる。推定に基づく電場Eestは、シミュレーションで得ることができる。
ステップS410では、コスト関数の値を算出する。
測定画像Imeaから、測定値が算出される。推定画像Iestから、推定値が算出される。コスト関数は、測定値と推定値との差、又は測定値と推定値との比で表わすことができる。
ステップS420では、コスト関数の値と閾値との比較を行う。
コスト関数が測定値と推定値との差で表されている場合、測定値と推定値との差が、コスト関数の値として算出される。コスト関数の値は、閾値と比較される。判断結果がNOの場合は、ステップS430が実行される。判断結果がYESの場合差は、ステップS50が実行される。
(判断結果がNOの場合:コスト関数の値≧閾値の場合)
ステップS430では、勾配を算出する。
ステップS430は、ステップS431と、ステップS432と、を有する。
勾配の算出は、波面の逆伝搬に基づいて行う。逆伝搬では、波面は位置Zoutから位置Zinに向かって伝搬する。
ステップS431では、補正後の波面を算出する。
補正後の波面U’pの算出では、測定画像Imeaと推定画像Iestが用いられる。波面U’pは、位置Zpにおける波面である。
図7(c)に示すように、推定画像Iestは、波面Uimgに基づいて算出される。また、波面Uimgは、波面Upに基づいて算出される。
波面Upの算出には、ステップS30で設定した所定の屈折率値が用いられている。所定の屈折率値は、推定された屈折率値である。ステップS430の1回目の実行時、所定の屈折率値は、試料9の屈折率値と異なる。
所定の屈折率値と試料9の屈折率値との差が大きくなるほど、推定画像Iestと測定画像Imeaとの差も大きくなる。よって、推定画像Iestと測定画像Imeaとの差は、所定の屈折率値と試料9の屈折率値との差を反映していると見なすことができる。
そこで、推定画像Iest(r)と測定画像Imea(r)とを用いて、波面Upを補正する。その結果、補正後の波面、すなわち、波面U’pが得られる。
波面U’pは、例えば、以下の式(4)で表される。
U’p=Up×(Imea/Iest) (4)
ステップS432では、勾配を算出する。
勾配の算出は、波面の逆伝搬に基づいて行うことができる。
波面の逆伝搬では、位置Zoutから位置Zinに向かう波面が算出される。よって、勾配を算出するためには、位置Zoutにおける補正後の波面(以下「波面U’out」という)が必要である。
波面U’pは波面Upを補正した波面なので、波面U’pは位置Zpにおける波面である。図7(c)では、見易さのために、波面U’pは、位置Zpからずれた位置に図示されている。また、図7(b)では、波面U’outは、位置Zoutからずれた位置に図示されている。
図7(b)と図7(c)に示すように、位置Zoutは、位置ZpからΔZだけ離れている。よって、波面U’pを波面U’outとして用いることはできない。波面U’outは、例えば、ビーム伝搬方法を用いて、波面U’pから算出することができる。
波面U’outが算出されると、波面の逆伝搬に基づいて、波面の算出が行われる。波面の逆伝搬では、推定試料構造42の内部を伝搬する波面が算出される。波面の算出では、波面UoutとU’outとが用いられる。
波面U’pは、波面Upと異なる。よって、波面U’outも、波面Uoutと異なる。波面U’outと波面Uoutを用いることで、勾配を算出することができる。勾配には、新たな屈折率値に関する情報が含まれている。
ステップS440では、試料領域の内部の屈折率分布を更新する。
ステップS430の1回目の実行時、勾配には、所定の屈折率分布と試料9の屈折率分布との差に関する情報が含まれている。よって、所定の屈折率分布に勾配を加えることで、更新された屈折率分布が得られる。
更新された屈折率分布は、所定の屈折率分布に比べて、試料9の屈折率分布により近い。よって、更新された屈折率分布を用いて、試料領域41の内部の屈折率分布を更新することができる。
ステップS450では、TV正則化を行う。
TV正則化を行うことで、ノイズ除去やぼけ画像の修正を行うことができる。
ステップS450が終わると、ステップS40に戻る。試料領域41の内部の屈折率分布には、更新された屈折率分布が設定されている。更新された屈折率分布を用いて、ステップS40が実行される。
ステップS40が繰り返し実行されることで、更新された屈折率分布は、徐々に、試料9の屈折率分布に近づく。すなわち、コスト関数の値が小さくなる。やがて、コスト関数の値は閾値よりも小さくなる。
(判断結果がYESの場合:コスト関数の値<閾値)
ステップS50では、推定試料構造43の屈折率分布を算出する。
得られた屈折率分布は、試料9の屈折率分布と同一か、又は、略同一である。ステップS50で得られた屈折率分布を用いることで、再構成された推定試料を得ることができる。
再構成された推定試料構造は、例えば、表示装置に出力することができる。
上述のように、ステップS50で得られた屈折率分布は、試料9の屈折率分布と同一か、又は、略同一である。よって、再構成された推定試料構造は、試料9の構造と同一か、又は、略同一と見なすことができる。
第1の算出方法では、位相データを用いて、第1領域の形状と第1領域の大きさを算出している。この位相データは、ラッピングされた位相のデータである。よって、試料の大きさに関係なく、試料の屈折率分布を正確に測定することができる。
試料構造測定装置1では、測定光路の数は1つである。また、照射光の照射方向は、変えることができない。この場合、1つの方向から見たときの干渉縞の画像が取得される。そのため、第1領域の形状と第1領域の大きさは、試料9を1つの方向から見たときの情報に基づいて算出される。
よって、試料の形状が、例えば、球に近い形状か又は立方体に近い形状であると分かっている場合、第1領域の形状と第1領域の大きさを、より正確に算出することができる。また、試料の大きさに関係なく、試料の屈折率分布を正確に測定することができる。
本実施形態の試料構造測定装置では、位相データは、評価値と閾値とを比較することにより分割され、評価値の算出では、1列の位相データが用いられ、評価値は、最初の位相と他の位相との差分、又は、最後の位相と他の位相との差分に基づいて算出されることが好ましい。
図8は、ラッピングされた1次元の位相データを示す図である。
2つの位相の差分の算出では、図8に示すように、最初の位相と他の位相、又は、最後の位相と他の位相を用いることができる。
この場合、差分d(i)は、式(1)の代わりに以下の式(1’)が用いられ、式(3)の代わりに以下の式(3’)が用いられる。
d(i)=φ(i)-φ(1) (1’)
ここで、
φ(1)は、1番目の位相
φ(i)は、i番目の位相
である。
d(i)=φ(i)-φ(Nx) (3’)
ここで、
φ(i)は、i番目の位相
φ(Nx)は、Nx番目の位相、
である。
式(1’)と式(3’)を用いる場合、閾値には、例えば、0.8πを設定することができる。閾値には、下限値と上限値を設定することができる。好ましい下限値は、0、又は、0.1πである。好ましい上限値は、0.8π、又は0.5πである。
1つの列におけるデータの数は、Nxである。よって、最初の位相は、位相データLにおいて、1番目に位置する位相である。また、最後の位相は、位相データLにおいてNx番目に位置する位相である。
本実施形態の試料構造測定装置では、測定光路を複数有していても良い。
試料構造測定装置における測定光路の数は、1つに限られない。試料構造測定装置における測定光路の数は、例えば、2つにすることができる。
図9は、本実施形態の試料構造測定装置を示す図である。図1と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
試料構造測定装置60は、ビームスプリッタ61と、ミラー62と、ビームスプリッタ63と、レンズ64と、を有する。
ビームスプリッタ61は、レーザ2とビームスプリッタ3との間に配置されている。ビームスプリッタ63は、ミラー8とビームスプリッタ4の間に配置されている。
ビームスプリッタ61は、光学膜が形成された光学面61aを有する。ビームスプリッタ63は、光学膜が形成された光学面63aを有する。光学膜によって、入射した光から、透過側に進む光と反射側に進む光とが生成される。
レーザ2からCCD5までの間に、測定光路OPm2が形成されている。測定光路OPm2は、ビームスプリッタ61によって形成される。
ビームスプリッタ61の反射側に、測定光路OPm2が位置している。測定光路OPm2には、ミラー62が配置されている。
測定光路OPm2は、ミラー62によって、折り曲げられている。折り曲げられた後の測定光路OPm2は、測定光路OPm及び参照光路OPrと交差している。
測定光路OPm2と参照光路OPrが交差する位置に、ビームスプリッタ63が配置されている。ビームスプリッタ63の透過側に、参照光路OPrが位置している。
測定光路OPm2は、ビームスプリッタ63によって、折り曲げられている。ビームスプリッタ63の反射側に、測定光路OPm2が位置している。折り曲げられた後の測定光路OPm2は、参照光路OPrと重なる。
測定光路OPm2と参照光路OPrは、ビームスプリッタ4によって、折り曲げられている。ビームスプリッタ4の反射側に、測定光路OPm、測定光路OPm2及び参照光路OPrが位置している。
レーザ2から射出されたレーザ光は、ビームスプリッタ61に入射する。ビームスプリッタ61に入射した光は、光学面61aで、測定光路OPm2を進行する光(以下、「測定光Lm2」という)と、測定光Lm及び参照光Lrefに、分岐される。
測定光路OPm2には、試料9が位置している。測定光Lm2は、試料9よりも広い範囲に照射される。測定光Lm2の照射によって、試料9から測定光Lm2’が射出される。測定光Lm2’は、ビームスプリッタ63で反射された後、ビームスプリッタ4で反射され、CCD5に入射する。
測定光Lm2’が遮光されている場合、CCD5では、測定光Lm’と参照光Lrefによって、撮像面に干渉縞(以下、「第1の干渉縞」という)が形成される。また、測定光Lm’が遮光されている場合、CCD5では、測定光Lm2’と参照光Lrefによって、撮像面に干渉縞(以下、「第2の干渉縞」という)が形成される。干渉縞はCCD5によって撮像される。その結果、干渉縞の画像を取得することができる。
試料構造測定装置60では、レンズ64が用いられるようにしても良い。この場合、試料構造測定装置60では、試料9の光学像が形成される。光学像の形成では、試料9からCCD5までの間の測定光路OPm2にレンズ64が挿入され、ビームスプリッタ61からビームスプリッタ3までの間の光路に遮光板11が挿入される。
このようにすることで、測定光Lm2’だけが、CCD5に入射する。測定光Lm2’によって、CCD5の撮像面に光学像が形成される。光学像は、CCD5によって撮像される。その結果、光学像の画像を取得することができる。
試料構造測定装置60では、第1の干渉縞の画像と第2干渉縞の画像を取得することができる。この場合、第1干渉縞の画像と第2干渉縞の画像の各々から、電場の位相を算出することができる。
電場の位相から、位相データが得られる。この位相データは、ラッピングされた位相のデータである。よって、第1の算出方法を用いて、推定試料構造の屈折率分布を算出することができる。
試料構造測定装置60では、第1の算出方法が用いられる。上述のように、第1の算出方法では、位相データを用いて、第1領域の形状と第1領域の大きさを算出している。よって、試料の大きさに関係なく、試料の屈折率分布を正確に測定することができる。
試料構造測定装置60では、測定光路の数は2つである。また、各測定光路では、照射光の照射方向は変えることができない。この場合、2つの方向から見たときの干渉縞の画像が取得される。そのため、第1領域の形状と第1領域の大きさは、試料9を2つの方向から見たときの情報に基づいて算出される。
その結果、第1領域の形状と第1領域の大きさを、より正確に算出することができる。また、試料の大きさに関係なく、試料の屈折率分布を、より正確に測定することができる。
本実施形態の試料構造測定装置は、試料を測定光路と交差する軸に対して回転させる試料回転部を有し、プロセッサは、試料回転部により測定光路と試料との角度を変えて、複数の回転角度にそれぞれ対応する複数の位相データを取得し、所定の領域を試料領域と推定し、所定の領域は、複数の位相データのそれぞれを第1領域の位相データと第2領域の位相データとに分割し、複数の回転角度のそれぞれの角度で測定光を試料に入射させたときに、第1領域の位相データをそれぞれの角度における測定光の進行方向に投影した領域が重なる領域であることが好ましい。
試料構造測定装置が複数の測定光路を備えることで、第1領域の形状と第1領域の大きさを、より正確に算出することができる。ただし、測定光路を無数に設けることは、物理的に困難である。
そこで、測定光路の数は1つにしておき、測定光路と試料を相対的に回転させる。このようにすることで、測定光路を無数に設けた場合と同じ効果を得ることができる。
図10は、本実施形態の試料構造測定装置を示す図である。図1と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
試料構造測定装置70は、本体71と、試料回転部72と、を有する。本体71は、測定ユニット73を有する。測定ユニット73は、レーザ2と、ビームスプリッタ3と、ビームスプリッタ4と、CCD5と、ミラー7と、ミラー8と、を有する。
試料回転部72は、駆動部74と、保持部材75と、を有する。保持部材75に、試料9が保持されている。
試料回転部72では、軸Yを中心として試料9の回転が行われる。軸Yは、光軸AXと交差する軸である。試料回転部72によって、試料9と測定ユニット73とを、相対的に回転させることができる。
試料構造測定装置70では、測定ユニット73は固定され、試料9が軸Yの周りを回転する。試料9を回転させることで、異なる方向から試料9に測定光Lmが照射される。よって、測定光Lmの照射方向が異なる干渉縞の数を増やすことができる。
その結果、第1領域の形状と第1領域の大きさを、より正確に算出することができる。また、試料の大きさに関係なく、試料の屈折率分布を、より正確に測定することができる。
図11は、本実施形態の試料構造測定装置を示す図である。図10と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
試料構造測定装置80は、本体81と、本体回転部82と、を有する。本体81は、測定ユニット73を有する。測定ユニット73は、レーザ2と、ビームスプリッタ3と、ビームスプリッタ4と、CCD5と、ミラー7と、ミラー8と、を有する。
本体回転部82では、軸Yを中心として測定ユニット73の回転が行われる。軸Yは、光軸AXと交差する軸である。本体回転部82によって、試料9と測定ユニット73とを、相対的に回転させることができる。
試料構造測定装置80では、試料9は固定され、測定ユニット73が軸Yの周りを回転する。測定ユニット73を回転させることで、異なる方向から試料9に測定光Lmが照射される。これにより、測定光Lmの照射方向が異なる干渉縞の数を増やすことができる。
屈折率分布の算出方法について説明する。試料構造測定装置80を用いて測定を行うものとする。
試料構造測定装置80では、測定ユニット73を試料9に対して回転させることで、測定が行われる。測定ユニット73を移動させながら測定を行うことで、異なる照射角度で、測定を行うことができる。
図12は、第2の算出方法のフローチャートである。第1の算出方法と同じステップについては説明を省略する。
第2の算出方法では、複数の干渉縞の画像が用いられる。上述のように、試料構造測定装置70と試料構造測定装置80では、複数の干渉縞の画像が取得される。よって、第2の算出方法は、試料構造測定装置70試料構造測定装置80で用いることができる。
第2の算出方法は、ステップS500と、ステップS510と、ステップS520と、ステップS530と、ステップS20と、ステップS30と、ステップS40と、ステップS50と、を有する。
ステップS500では、測定回数Nmを入力する。
図13は、照射状態、平面データ、投影の様子、及び立体データを示す図である。図13(a)は、第1の照射状態を示す図である。図13(b)は、第2の照射状態を示す図である。図13(c)は、第3の照射状態を示す図である。図13(d)は、第4の照射状態を示す図である。
試料構造測定装置80では、各照射状態で、測定光Lmが試料9に照射される。照射角度は各状態で異なる。
第1の照射状態の照射角度を0°とする。第2の照射状態の照射角度は45°、第3の照射状態の照射角度は90°、第4の照射状態の照射角度は135°である。
各照射状態で、CCD5の受光面に干渉縞が形成される。試料9は球なので、図2(a)に示す干渉縞が、各照射状態で形成される。
ステップS510では、変数nの値に1を設定する。
ステップS520では、構造データS(x,y,z)に初期値を設定する。
構造データS(x,y,z)は、最終的に、推定試料構造を表すデータとして用いられる。後述のように、構造データS(x,y,z)は更新される。更新によって、構造データS(x,y,z)は、推定試料構造のデータと一致するか、又は、略一致する。
推定試料構造は不明なので、構造データS(x,y,z)には初期値を設定する。初期値には、例えば、1を用いることができる。
ステップS530では、推定試料構造を求める。
ステップS530は、ステップS10と、ステップS531と、ステップS532と、ステップS533と、ステップS534と、を有する。
ステップS10では、位相データから、第1領域と第2領域を設定する。
各照射状態では、干渉縞20が形成される。第1の算出方法で説明したように、干渉縞20から、2次元構造40が求まる。2次元構造40は、第1領域41と、第2領域42と、を有する。
ステップS531では、第1データP1(x,y)を生成する。
図13(e)は、第1の照射状態での第1データを示す図である。図13(f)は、第2の照射状態での第1データを示す図である。図13(g)は、第3の照射状態での第1データを示す図である。図13(h)は、第4の照射状態での第1データを示す図である。
第1データP1(x,y)は、2次元構造40に基づいて生成することができる。2次元構造40において、第1領域41の値に1を設定し、第2領域42の値にゼロを設定することで、第1データP1(x,y)が得られる。
ステップS532では、第2データP2(x,y,z)を生成する。
図13(i)は、第1の照射状態での積層方向を示す図である。図13(j)は、第2の照射状態での積層方向を示す図である。図13(k)は、第3の照射状態での積層方向を示す図である。図13(l)は、第4の照射状態での積層方向を示す図である。
試料9は球なので、推定試料構造は3次元構造で表わされる。3次元構造を求めるためには、第1領域41の3次元構造と、第2領域42の3次元構造と、が必要である。
第1データP1(x,y)では、第1領域41と第2領域42は、2次元構造で表されている。第1領域41の3次元構造と、第2領域42の3次元構造は、第1データP1(x,y)を、測定光Lmの照射方向と同じ方向に積層することで得られる。
図13(m)は第1の照射状態での第2データを示す図、図13(n)は第2の照射状態での第2データを示す図、図13(o)は第3の照射状態での第2データを示す図、図13(p)は第4の照射状態での第2データを示す図である。
第1領域41の3次元構造と第2領域42の3次元構造から、第2データP2(x,y,z)が得られる。
ステップS533では、構造データS(x,y,z)を更新する。
図14は、照射状態と構造データの更新を示す図である。図14(a)、図14(b)、図14(c)は、1回目の更新を示す図である。
図14(a)は、第1の照射状態を示す図である。図14(b)は、3次元の構造データの更新を示す図である。図14(c)は、2次元の構造データの更新を示す図である。
図14(c)では、第1領域の形状を見やすくするために、2次元の構造データを示している。2次元の構造データは、3次元の構造データの断面を示している。
構造データS(x,y,z)は、最終的に、推定試料構造を表すデータとして用いられる。そのため、構造データS(x,y,z)は、推定試料構造のデータと一致しているか、又は略一致している必要がある。
ステップS520で、構造データS(x,y,z)に初期値が設定されている。そのため、初期値が設定された構造データS(x,y,z)の構造は、推定試料構造と一致していない。
1回目の更新では、初期値が設定された構造データS(x,y,z)を、第1の照射状態での第2データP2(x,y,z)を用いて更新する。
構造データS(x,y,z)の更新は、以下の式(5)で表される。
S(x,y,z)=P2(x,y,z)×S(x,y,z) (5)
初期値が設定された構造データS(x,y,z)では、全ての領域に1が設定されている。第2データP2(x,y,z)では、第1領域41の値に1が設定され、第2領域42の値にゼロが設定されている。
更新を行うと、1と1が重なる領域と、1とゼロが重なる領域と、が生じる。更新後の構造データS(x,y,z)では、1と1が重なる領域が第1領域として得られる。
ステップS534では、変数nの値が測定回数Nmと一致したか否かを判断する。
判断結果がYESの場合は、ステップS20が実行される。判断結果がNOの場合は、ステップS530に戻る。
(判断結果がYESの場合:n=Nm)
ステップS20、ステップS30、ステップS40、及びステップS50が実行される。各ステップについては、第1の算出方法で説明したので、ここでの説明は省略する。
(判断結果がNOの場合:i≠Nx)
ステップS530に戻る。
図14(d)、図14(e)、図14(f)は、2回目の更新を示す図である。図14(d)は、第2の照射状態を示す図である。図14(e)は、3次元の構造データの更新を示す図である。図14(f)は、2次元の構造データの更新を示す図である。
1回目に更新された構造データS(x,y,z)の構造は、推定試料構造と一致していない。2回目の更新では、1回目に更新された構造データS(x,y,z)を、第2の照射状態での第2データP2(x,y,z)を用いて更新する。
1回目に更新された構造データS(x,y,z)では、一部の領域に1が設定されている。第2の照射状態での第2データP2(x,y,z)では、第1領域41の値に1が設定され、第2領域42の値にゼロが設定されている。
更新を行うと、1と1が重なる領域と、1とゼロが重なる領域と、が生じる。更新後の構造データS(x,y,z)では、1と1が重なる領域が第1領域として得られる。
図14(e)では、見易さのために、構造データS(x,y,z)では、第2領域は図示されていない。また、1と1が重なる領域だけを図示することは難しいため、1とゼロが重なる領域も図示されている。図14(h)と図14(k)でも、同様である。
図14(g)、図14(h)、図14(i)は、3回目の更新を示す図である。図14(g)は、第3の照射状態を示す図である。図14(h)は、3次元の構造データの更新を示す図である。図14(i)は、2次元の構造データの更新を示す図である。
2回目に更新された構造データS(x,y,z)の構造は、推定試料構造と一致していない。3回目の更新では、2回目に更新された構造データS(x,y,z)を、第3の照射状態での第2データP2(x,y,z)を用いて更新する。
図14(j)、図14(k)、図14(l)は、4回目の更新を示す図である。図14(j)は、第4の照射状態を示す図である。図14(k)は、3次元の構造データの更新を示す図である。図14(l)は、2次元の構造データの更新を示す図である。
3回目に更新された構造データS(x,y,z)の構造は、推定試料構造と一致していない。4回目の更新では、3回目に更新された構造データS(x,y,z)を、第4の照射状態での第2データP2(x,y,z)を用いて更新する。
試料9は球なので、断面の形状は円である。2次元の構造データで比較すると、初期値が設定された構造データS(x,z)と、4つの更新後の構造データS(x,z)から、更新が行われるごとに、第1領域の形状が円に近づいていることが分かる。
ステップS530が終わると、推定試料構造における第1領域が確定する。よって、ステップS20で、第1領域を推定試料構造における試料領域と推定することができる。
ステップS20が終わると、ステップS30、ステップS40、及びステップS50が実行される。その結果、推定試料構造の屈折率分布が算出される。
第2の算出方法では、位相データを用いて、第1領域の形状と第1領域の大きさを算出している。この位相データは、ラッピングされた位相のデータである。よって、試料の大きさに関係なく、試料の屈折率分布を正確に測定することができる。
図15は、正しい形状と、シミュレーションによる形状を示す図である。図15(a)、図15(b)、図15(c)は、正しい形状を示す図である。図15(d)、図15(e)、図15(f)は、逆ラドン変換で算出された形状を示す図である。図15(g)、図15(h)、図15(i)は、第2の算出方法で算出された形状を示す図である。
アンラッピングされた位相を用いる場合、形状を正しく算出することができない。これに対して、第2の算出方法では、ラッピングされた位相のデータを用いている。よって、正しい形状に近い形状を算出することができる。
図16は、第2の算出方法で算出された推定試料構造を示す図である。図16(a)は、最適化回数が10回のときの図である。図16(b)は、最適化回数が100回のときの図である。図16(c)は、最適化回数が200回のときの図である。図16(d)は、最適化回数が500回のときの図である。
図16(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、最適化回数が多くなるほど、推定試料構造を正確に算出することができる。
試料は、PCFである。PCFの外形は円筒である。図2(a)に示すように、試料が球の場合、干渉縞の模様は、X方向とY方向の両方で変化する。これに対して、試料が円筒の場合、干渉縞の模様は、X方向では変化するが、Y方向では変化しない。
この場合、例えば、図13(e)における第1データはP1(x)で表すことができ、図13(m)における第2データはP2(x,z)で表すことができる。P2(x,z)は、2次元の構造データである。
例えば、図14(c)には、2次元の構造データの更新が示されている。試料が円筒の場合、図14(c)、(f)、(i)、(l)に示すように、S(x,z)とP2(x,z)を用いて、構造データを更新すればよい。そして、最終的に得られた構造データS(x,z)をY方向に積み重ねることで、3次元の構造データが得ることができる。
以上のように、1つの方向で干渉縞の模様が変化しない試料の場合、2次元の構造データを用いて、第1領域の形状と第1領域の大きさを算出することができる。
試料構造測定装置70と試料構造測定装置80では、測定光路の数は1つである。しかしながら、試料9と測定ユニット73とを、相対的に回転させることができる。すなわち、照射光の照射方向を変えることができる。この場合、複数の方向から見たときの干渉縞の画像が取得される。そのため、第1領域の形状と第1領域の大きさは、試料9を複数の方向から見たときの情報に基づいて算出される。
その結果、試料の形状がどのような形状であっても、第1領域の形状と第1領域の大きさを、より正確に算出することができる。また、試料の形状や試料の大きさに関係なく、試料の屈折率分布を、より正確に測定することができる。
本実施形態の試料構造測定装置では、プロセッサは、第1領域の位相データに基づいて試料領域を設定し、試料領域の外側に拘束領域を設定し、拘束領域の推定試料構造を計算しないことが好ましい。
図17は、第3の算出方法のフローチャートである。第2の算出方法と同じステップについては説明を省略する。
第3の算出方法では、試料領域の外側に拘束領域が設定されている。第3の算出方法は、第2の算出方法におけるステップに加えて、ステップS600と、ステップS610と、を有する。
ステップS600では、試料領域の外側に拘束領域を設定する。
図18は、推定試料構造と拘束領域を示す図である。図18(a)は、拘束条件の設定がないときの推定試料構造を示す図である。図18(b)は、拘束領域を示す図である。図18(c)は、拘束条件の設定があるときの推定試料構造を示す図である。
試料がPCFの場合について説明する。PCFは、均質な溶液中に配置されているものとする。
屈折率分布の最適化を行うと、不要な屈折率分布が算出される場合がある。不要な屈折率分布は、本来は存在しない屈折率分布である。
図18(a)に示すように、推定試料構造90は、試料領域91と、外側領域92と、を有する。外側領域92は、試料領域91の外側に位置している。推定試料構造90では、第1の算出方法又は第2の算出方法を用いて屈折率分布が算出されている。
試料領域91は第1領域であって、PCFを表している。外側領域92は第2領域であって、溶液で満たされた領域を表している。
溶液で満たされた領域では、どの場所でも屈折率は同じである。よって、屈折率分布を算出すると、第2領域における屈折率は、どの場所でも同じになるはずである。すなわち、本来、外側領域92では明るさの変化は生じない。
しかしながら、図18(a)に示すように、実際には、外側領域92では明るさの変化が生じている。すなわち、第1の算出方法と第2の算出方法では、不要な屈折率分布が算出されている。
不要な屈折率分布は、拘束条件を設定することで、算出されないようにすることができる。拘束条件の設定では、拘束データを用いる。
図18(b)に示すように、拘束データ93は、拘束領域94と、非拘束領域95と、を有する。拘束データ93は、画像として扱うことができる。拘束領域94では、画素の値にゼロが設定されている。非拘束領域95では、画素の値に1が設定されている。
図18(b)では、試料領域91の外縁が破線で示されている。非拘束領域95は、境界96が試料領域91の外側に位置するように、設定されている。境界96は、拘束領域94と非拘束領域95との境界である。
ステップS610では、拘束条件に基づいて計算を行う。
推定試料構造90は、画像として扱うことができる。各画素の値は、第2の算出方法で得られた屈折率の値を表している。上述のように、拘束データ93も、画像として扱うことができる。よって、拘束条件に基づく計算では、各画素について、推定試料構造90の値と拘束データ93の値との積を求める。
拘束条件に基づいて計算した結果を、図18(c)に示す。推定試料構造97は、試料領域91と、外側領域98と、を有する。外側領域98は、第1外側領域98aと、第2外側領域98bと、を有する。第1外側領域98aは、拘束領域94と同じ領域である。
拘束領域94では、値にゼロが設定されている。よって、図18(c)に示すように、推定試料構造97では、第1外側領域98aに不要な屈折率分布は存在していない。
第2外側領域98bの幅は、自由に決めることができる。第2外側領域98bの幅を狭くするほど、不要な屈折率分布が算出される領域を少なくすることができる。
第3の算出方法では、不要な屈折率分布が算出されない。よって、本実施形態の試料構造測定装置では、試料の大きさに関係なく、試料の屈折率分布を正確に測定することができる。
上述の説明では、各画素について、推定試料構造90の値と拘束データ93の値との積を求めている。そのため、拘束領域94と第1外側領域98aについても、積を求める計算が行われている。ただし、拘束領域94では、画素の値にゼロが設定されている。よって、拘束領域の推定試料構造は計算されていない、と見なすことができる。
本実施形態の試料構造測定装置では、一の位相データの中に第1領域が一つ存在することが好ましい。
本実施形態の試料構造測定装置では、試料と光路合流部との間に、拡大光学系が配置されていることが好ましい。
図19は、本実施形態の試料構造測定装置を示す図である。図10と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
試料構造測定装置100は、拡大光学系101を有する。拡大光学系101は、試料9とビームスプリッタ4との間に配置されている。測定光の光束径は、拡大光学系101で拡大される。
拡大光学系によって、拡大された試料9の一部の干渉縞が得られる。よって、試料の屈折率分布を正確に、より細かく測定することができる。
本実施形態の試料構造測定装置では、プロセッサは、第1領域の位相データに基づいて試料領域を設定し、試料領域の内部の屈折率を所定の屈折率値としたものを推定試料構造の初期構造と設定することが好ましい。
上述のように、プロセッサ6は、初期構造算出部12を有する。初期構造算出部12で、ステップS20とステップS30を実行することができる。
ステップS10では、位相データは、第1領域の位相データと、第2領域の位相データと、に分割される。その結果、位相データから、第1領域と第2領域を設定することができる。
第1領域が設定されることで、ステップS20で、第1領域の位相データに基づいて試料領域を設定することができる。試料領域が設定されることで、ステップS30で、試料領域の内部の屈折率所定の屈折率値設定することができる。その結果、推定試料構造の初期構造を設定することができる。
本実施形態の試料構造測定装置では、プロセッサは、推定試料構造を透過したシミュレーションされた光と試料を透過した測定光との差又は比を含むコスト関数を用いて推定試料構造を最適化することが好ましい。
上述のように、プロセッサ6は、最適化部13を有する。最適化部13で、ステップS40を実行することができる。
ステップS20とステップS30で、推定試料構造の初期構造が設定される。初期構造が設定されることで、ステップS40で、推定試料構造を最適化することができる。最適化では、推定試料構造を透過したシミュレーションされた光(以下、「シミュレーション光」という)と、試料を透過した測定光と、が用いられる。
また、最適化では、コスト関数が用いられる。コスト関数は、シミュレーション光と測定光との差、又は、シミュレーション光と測定光との比で表される。
本実施形態の試料構造測定方法は、光源からの光を、試料を通過する測定光路と参照光路に分岐し、測定光路の光と参照光路の光とを合流させ、複数の画素を有する光検出器により、光路合流部から入射した光を検出して、入射した光の位相データを出力し、第1領域は試料が存在する領域で、第2領域は試料が存在しない領域であり、位相データを、第1領域の位相データと、第2領域の位相データと、に分割し、第1領域の位相データに基づいて推定試料構造の初期構造を設定し、推定試料構造を透過したシミュレーションされた光と試料を透過した測定光との差または比を含むコスト関数を用いて前記推定試料構造を最適化することを特徴とする。
本発明は、試料の形状、試料の大きさ、及び試料と周囲の屈折率差に左右されずに、試料の屈折率分布を正確に測定することができる試料構造測定装置及び試料構造測定方法に適している。
1 試料構造測定装置
2 レーザ
3、4 ビームスプリッタ
3a、4a 光学面
5 CCD
6 プロセッサ
7、8 ミラー
9 試料
10 レンズ
11 遮光板
12 初期構造算出部
13 最適化部
20 干渉縞
21、22 干渉縞
30、31、32 位相
40 2次元構造
41 第1領域
42 第2領域
43 推定試料構造
50 測定光学系
60 試料構造測定装置
61、63ビームスプリッタ
62 ミラー
64 レンズ
61a、63a 光学面
70、80 試料構造測定装置
71、81 本体
72 試料回転部
73 測定ユニット
74 駆動部
75 保持部材
82 本体回転部
90、97 推定試料構造
91 試料領域
92、98 外側領域
98a 第1外側領域
98b 第2外側領域
93 拘束データ
94 拘束領域
95 非拘束領域
96 境界
100 試料構造測定装置
101 拡大光学系
S1、S2、S3 試料
m、Lm’、Lm2、Lm2’ 測定光
ref 参照光
D 光検出器
A1、A2 領域
OPm、OPm2 測定光路
OPr 参照光路
IM 結像面
AX 光軸
P1 第1境界
P2 第2境界
mea 測定画像
est 推定画像

Claims (9)

  1. 光源と、
    前記光源からの光を、試料を通過する測定光路の光と参照光路の光に分岐する光路分岐部と、
    前記測定光路の光と前記参照光路の光とを合流させる光路合流部と、
    複数の画素を有し、前記光路合流部から入射した光を検出して、前記入射した光の位相データを出力する光検出器と、
    プロセッサと、を備え、
    第1領域は試料が存在する領域で、第2領域は試料が存在しない領域であり、
    前記プロセッサは、
    前記位相データを、前記第1領域の位相データと、前記第2領域の位相データと、に分割し、前記第1領域の位相データに基づいて推定試料構造の初期構造を設定し、
    前記推定試料構造を透過したシミュレーションされた光と前記試料を透過した測定光とを用いて前記推定試料構造を最適化することを特徴とする試料構造測定装置。
  2. 前記位相データは、評価値と閾値とを比較することにより分割され、
    前記評価値の算出では、1列の位相データが用いられ、
    前記評価値は、隣接する2つの位相の差分に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の試料構造測定装置。
  3. 前記位相データは、評価値と閾値とを比較することにより分割され、
    前記評価値の算出では、1列の位相データが用いられ、
    前記評価値は、最初の位相と他の位相との差分、又は、最後の位相と他の位相との差分に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の試料構造測定装置。
  4. 前記試料を前記測定光路と交差する軸に対して回転させる試料回転部を有し、
    前記プロセッサは、
    前記試料回転部により前記測定光路と前記試料との角度を変えて、複数の回転角度にそれぞれ対応する複数の位相データを取得し、
    定の領域を試料領域と推定し、
    前記所定の領域は、前記複数の位相データのそれぞれを前記第1領域の位相データと前記第2領域の位相データとに分割し、前記複数の回転角度のそれぞれの角度で測定光を前記試料に入射させたときに、前記第1領域の位相データを前記それぞれの角度における前記測定光の進行方向に投影した領域が重なる領域であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の試料構造測定装置。
  5. 前記プロセッサは、前記第1領域の位相データに基づいて試料領域を設定し、前記試料領域の外側に拘束領域を設定し、前記拘束領域の前記推定試料構造を計算しないことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の試料構造測定装置。
  6. 一の前記位相データの中に前記第1領域が一つ存在することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の試料構造測定装置。
  7. 前記プロセッサは、前記第1領域の位相データに基づいて試料領域を設定し、前記試料領域の内部の屈折率を所定の屈折率値としたものを前記推定試料構造の初期構造と設定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の試料構造測定装置。
  8. 前記プロセッサは、前記推定試料構造を透過したシミュレーションされた光と前記試料を透過した測定光との差又は比を含むコスト関数を用いて前記推定試料構造を最適化することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に試料構造測定装置。
  9. 光源からの光を、試料を通過する測定光路の光と参照光路の光に分岐し、
    光路合流部により、前記測定光路の光と前記参照光路の光とを合流させ、
    複数の画素を有する光検出器により、前記光路合流部から入射した光を検出して、前記入射した光の位相データを出力し、
    第1領域は試料が存在する領域で、第2領域は試料が存在しない領域であり、
    前記位相データを、前記第1領域の位相データと、前記第2領域の位相データと、に分割し、前記第1領域の位相データに基づいて推定試料構造の初期構造を設定し、
    前記推定試料構造を透過したシミュレーションされた光と前記試料を透過した測定光との差又は比を含むコスト関数を用いて前記推定試料構造を最適化する試料構造測定方法。
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