JP7274958B2 - 吸収性物品、及び吸収性物品用の包装体 - Google Patents

吸収性物品、及び吸収性物品用の包装体 Download PDF

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Description

本発明は、吸収性物品、及び吸収性物品用の包装体に関する。
近年、乳幼児又は被介護者がいる家庭や各種施設において、使い捨ておむつ等の吸収性物品が必需品となっている。使い捨ておむつ等の吸収性物品は、複数枚を一体に収納した包装体としてドラッグストアやスーパーマーケット等において、店頭に陳列され、販売されている。
当該包装体としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品を多数、例えば数十枚折り畳んだ状態で重ねて、或いは更に数段に積み上げて略直方体に集積し、これらを包装袋に収納したものが一般的である。当該包装体としては、包装袋にミシン目を付し、これを切り裂いて吸収性物品を取り出す開口部とするものが知られている。当該包装体内に収納される折り畳んだ状態の使い捨ておむつは、例えば、ウエスト端縁を包装体の頂部側に向けて多数並列させ、圧縮して収納される。
特開2016-216127号公報
包装体から使い捨ておむつ等の吸収性物品を取り出す際、例えば使い捨ておむつの交換の際、作業者は、交換に使用する所望の枚数(例えば、1枚)の使い捨ておむつを選択的に包装体から取り出す。この際、作業者は、ミシン目を切り裂いて形成された開口部から包装体内に手を差し入れ、使い捨ておむつのウエスト端縁を掴み、包装体外に取り出す。この際、作業者は、一般的に包装体は不透明であるため、包装体内の使い捨ておむつを視認せず、指先の感覚で所望の枚数の使い捨ておむつを選択し取り出す場合が多い。そのため、作業者は、意図せず隣接する複数の使い捨ておむつをも掴み、使用しない他の使い捨ておむつをも包装体外に同時に取り出すことがある。
この場合、作業者は、意図せず取り出した他の使い捨ておむつを包装体内に戻す必要が生じるため、取り出し作業の効率が悪化する。また、作業者が意図せず包装体外に使い捨ておむつを取り出し後戻すと、当該使い捨ておむつの汚染を招き衛生面から好ましくない。また、包装体内の使い捨ておむつの整列性が乱れ、次の交換時における使い捨ておむつの取り出し性が更に悪化する虞がある。
本発明は上記課題を解決し、使い捨ておむつ等の吸収性物品を包装体から取り出す際の作業者の負担を軽減することが可能な吸収性物品及びその包装体を提供するものである。
上記の課題を解決するために、一つの実施形態によると、肌対向面側に配された表面シート、非肌対向面側に配された裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を具備し、着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及びそれらの間に位置する股下部を有する吸収性物品であって、背側部の非肌対向面は、少なくとも一部に表面粗さSMDR1が8μm以上20μm以下である第1領域を有する吸収性物品が提供される。
他の一つの実施形態によると、胴部と、胴部の天面を覆う頂部とを備えて、上記吸収性物品を収納する包装体であって、胴部には、複数の当該吸収性物品を圧縮して収納され、当該吸収性物品は、それぞれ当該吸収性物品を長手方向における中心線で肌対向面を内側にして折り畳んだ状態で、当該吸収性物品の長手方向における一対の端を頂部側に向け、かつ第1領域を同一方向に向けて並列して収納されている、吸収性物品用の包装体が提供される。
本発明によれば、使い捨ておむつ等の吸収性物品を包装体から取り出す際の作業者の負担を軽減することが可能な吸収性物品及びその包装体を提供できる。
本発明の一実施形態である使い捨ておむつを一部破断して示す平面図である。 図1に示す使い捨ておむつを一部拡大して示す平面図である。 図1に示す使い捨ておむつの第1領域の一部を拡大して示す断面図である。 図1に示す複数枚の使い捨ておむつが折り畳まれた状態で包装体に収納される状態を一部破断して示す斜視図である。 図4に示す包装体に収納された使い捨ておむつを示す斜視図である。 他の実施形態に係る使い捨ておむつを一部拡大して示す平面図である。
以下、本実施形態に係る吸収性物品を展開型の使い捨ておむつの例にして、図1~5に基づき詳細に説明する。
本実施形態の使い捨ておむつ1(以下、おむつ1とも称する)は、図1に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性又は撥水性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に配された吸収体4を備えている。
図1は、おむつ1の肌対向面Iを図示している。本明細書において、「肌対向面I」とは、おむつ1を着用した着用者の肌側を向くおむつ1の面であり、「非肌対向面O」とは、着用者の肌側とは反対側(着衣側)を向くおむつ1の面である。おむつ1は、幅方向における中心線CL1に対して左右対称に形成されている。以下の説明では、左右対称な部分については、主に、右側について説明する。
おむつ1は、いわゆる展開型のおむつであり、長手方向の一方の端縁11から他方の端縁12に向かって順に、ファスニングテープ5,5を有する背側部A、股下部B、及びファスニングテープ5,5を止着するランディングテープ6を有する腹側部Cを備えている。背側部A、股下部B及び腹側部Cは、使い捨ておむつ1を長手方向に三等分する部位である。ファスニングテープ5,5は、背側部Aの左右両側縁部に設けられ、ランディングテープ6は、腹側部Cの非肌対向面COに設けられている。おむつ1の着用時には、通常、背側部Aを着用者の背中側に位置させ、腹側部Cを着用者の腹側に位置させる。股下部Bは、着用者の股間に配される。
表面シート2は、吸収体4よりも幅の大きい矩形状の平面視形状を有しており、裏面シート3の幅方向の中央部に配されている。表面シート2は、おむつ1の長手方向の全長に亘って配されている。裏面シート3は、おむつ1の外形形状に一致する砂時計状の外形を有している。
おむつ1の長手方向両側それぞれには、弾性部材71を有する立体ギャザー形成用シート72が、表面シート2の両側部を覆うように配されている。立体ギャザー形成用シート72は、おむつ1の幅方向においては、図1に示す直線72aより外方、おむつ1の長手方向においては、図1に示す直線72b、72cより外方が、その下に配されたシート材(表面シート2又は裏面シート3)に接着剤を介して接合されている。他方、直線72a、直線72b及び直線72cに囲まれた部分は、その下に配されたシート材に固定されておらず、該シート材から離間して起立し、立体ギャザー7,7を形成する。
おむつ1の股下部Bにおける、吸収体4の長手方向の両側縁41,41それぞれの外方には、一対のレッグ部弾性部材8,8が配されている。レッグ部弾性部材8,8は、伸長状態で、裏面シート3と立体ギャザー形成用シート72との間に固定されており、脚廻りに配されるレッグ部にレッグギャザーを形成する。
おむつ1における背側部Aの非肌対向面AOは、少なくとも一部に表面粗さSMDR1が8μm以上20μm以下である第1領域R1を有している(以下、第1領域R1の表面粗さSMDを表面粗さSMDR1と称する)。表面粗さSMDR1が8μm未満だと、取り出し作業の際、作業者が指先の感覚で第1領域R1を認識することができない虞がある。一方、表面粗さSMDR1が20μmを超えると、当該おむつ1の着用者に背側部Aのごわつきなどの違和感を与える虞がある。第1領域R1の表面粗さSMDR1は、好ましくは10μm以上20μm以下、より好ましくは12μm以上20μm以下である。表面粗さSMDR1の測定方法について、詳しくは後述する。
第1領域R1は、例えば、背側部Aにおけるウエストフラップ部Dの一部の領域である。ここで、ウエストフラップ部Dは、図1に示すように、おむつ1の長手方向における、ウエスト端縁11と吸収体4の端縁42の位置との間の領域である。ウエスト端縁11とは、おむつ1の長手方向の両端に存する端縁11,12のうちの一方であり、背側部A側の端縁である。吸収体4の端縁42は、吸収体4の長手方向の両端縁のうち、背側部A側のウエスト端縁11に近い方の端縁である。吸収体4の端縁42の位置には、図2に示すように、吸収体4の前記端縁42をおむつ1の幅方向と平行に延長した延長線42aの位置も含まれる。
第1領域R1は、例えばウエストフラップ部Dの一部の領域であって、おむつ1の幅方向における一方の折り畳み線X1の位置と他方の折り畳み線X2の位置との間(図2中にGで示す範囲)に配置されている。第1領域R1は、例えば、おむつ1の幅方向において、吸収体4の幅と同一の幅を有している。一方の折り畳み線X1の位置及び他方の折り畳み線X2の位置とは、図1に示すように、おむつ1の幅方向における、吸収体4の両側縁41,41それぞれの位置と、該各側縁41の外方に位置するレッグ部弾性部材8の位置P8との間(図2中に符号Fで示す範囲)である。おむつ1の左右両側にそれぞれ複数本のレッグ部弾性部材8が配されている場合には、おむつ1の左右それぞれにおいて、おむつ1の幅方向の最も外側に位置するレッグ部弾性部材8a,8aの位置P8,P8とする。
第1領域R1には、図1,図2に示すように、ウエスト端縁11から長手方向に沿って、股下部Bへ向かって延びる複数のタック部13が形成されている。第1領域R1の各タック部13は、図3に示すように、おむつ1の一部14が背側部Aの非肌対向面AO側に向けて凸に折り畳まれ、その折り畳まれた一部14の相対向面(面15,15)同士が接着剤16を介して接合されて形成されている。複数のタック部13は、例えば、おむつ1の幅方向において等間隔に配置されている。折り畳まれてタック部13を形成する、おむつ1の一部14は、上述したウエストフラップ部Dの一部であり、上述した表面シート2及び裏面シート3が積層された構成の積層体10からなる。
各タック部13は、図3に示すようにウエストフラップ部Dの平坦面から直立し、高さhを有し、おむつ1の幅方向において間隔dで配置され、第1領域R1の表面粗さSMDR1が上述する所定の範囲になるように形成されている。タック部13は、図1,図2に示すように、上述する第1領域R1が配置される範囲の全域に配置されている。すなわち、各タック部13は、おむつ1の長手方向において、ウエスト端縁11から、吸収体4の端縁42まで延びている。
本明細書における表面粗さSMD(表面粗さの標準偏差SMDとも称される)は、以下の書籍に記載の方法に従い、表面試験機を用いて測定される。表面試験機としては、カトーテック株式会社製の表面試験機(製品名:KES-FB4-AUTAO)を使用する。川端季雄著、「風合い評価の標準化と解析」、第2版、社団法人日本繊維機会学会 風合い計量と規格化研究委員会、昭和55年7月10日発行。なお、本実施形態において、上述する第1領域R1の表面粗さSMDR1は、おむつ1の幅方向に沿って測定した値である。
<表面粗さのSMDの測定法>
10cm×20cm(第1領域R1に対応する位置の背側部Aを含む)の試験片を準備し、平滑な金属平面の試験台に取りつける。接触子を9.8cN(誤差±0.49cN以内)で試験片に圧着する。試験片を0.1cm/secの一定速度で水平に2cm移動させる。試験片には19.6cN/cmの一軸張力が与えられる。接触子は、0.5mm系のピアノ線を幅5mmでU字状に曲げたものからなり、9.8cNで試験片を圧着する。接触子は、ばねで圧着される。ばねの定数は24.5cN/mm(誤差±0.98cN/mm以内)とし、共振周波数は表面接触から離れた状態で30Hz以上とする。表面粗さの平均偏差の測定値はSMD値で表される。この測定をMD及びCDともに行い、下記式(1)から平均値を出し、これを表面粗さSMDとする。
表面粗さSMD={(SMDMD +SMDCD )/2}1/2…(1)
おむつ1における各部の形成材料について説明すると、表面シート2、裏面シート3、吸収体4、立体ギャザー形成用シート72等としては、従来の使い捨ておむつにおいて、それぞれの材料として従来用いられている各種の材料等を、特に制限なく用いることができる。表面シート2としては、例えば、各種製法による不織布や、開孔フィルム、これらの積層体等を用いることができる。表面シート2としては、例えば特開2004-174234号公報に記載の内部に中空を有する複数の凸部が形成されている複合シートを用いることができる。吸収体4としては、例えば、パルプ繊維等からなる繊維集合体(不織布でも良い)又はこれに高吸水性ポリマーを保持させたものを、ティッシュペーパーや透水性の不織布で被覆してなるもの等を用いることができる。また、裏面シート3としては、例えば、透湿性又は非透湿性の樹脂フィルムやこれに不織布を一体化させた積層体等を用いることができる。立体ギャザー形成用シート72としては、撥水性の不織布(サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンボンドーメルトブローンースパンボンド不織布、スパンボンドーメルトブローンーメルトブローンースパンボンド不織布等)や、樹脂フィルムと不織布との積層体等を用いることができる。
次に、上述した使い捨ておむつ1を使用した際の作用効果について説明する。
図5に示すように、図1に示すおむつ1は、2つの折り畳み線X1,X2で肌対向面Iを内側にして折り畳み後、股下部Bのおむつ1の長手方向における中心線CL2で肌対向面Iを内側にして折り畳んだ状態で包装体に収納される。折り畳まれた状態のおむつ1において、ウエスト端縁11,12が互いに同一方向を向いて重なり合い、背側部Aの肌対向面AI及び腹側部Cの肌対向面CI同士が対向している。折り畳まれたおむつ1は、平坦な形状を有し、その片面は2つの折り畳み線X1,X2の内側であって、ウエスト端縁11から背側部Aの非肌対向面AO及び股下部Bの非肌対向面BOの中心線CL2までの領域から構成されている。一方、その他方の面は、2つの折り畳み線X1,X2の内側であって、ウエスト端縁12から腹側部Cの非肌対向面CO及び股下部Bの非肌対向面BOの中心線CL2までの領域から構成されている。
図4に示すように、包装体PKGは、複数の折り畳んだ状態のおむつ1を集積して収納した状態で略直方体状を有している。包装体PKGは、例えば、可撓性を有する樹脂フィルムを基材とする複合フィルムから形成されている。包装体PKGは、複数のおむつ1を収納する胴部と、胴部の天面を覆う頂部とを備えている。胴部は、有底中空直方体状を有し、底面91と、互いに対向する正面92及び背面93と、互いに対向する第1側面94及び第2側面95を有している。頂部は、屋根型状を構成する一対の傾斜面部96,96、及び把手部97を有している。把手部97は、傾斜面部96,96の接合部から上方に延びている。把手部97の中央部には、手を挿入可能な把手部97の長手方向に延びる開口98が形成されている。傾斜面部96,96の一方には、例えばU字状のミシン目からなる開封線99が設けられている。開封線99は、例えば、当該線に沿って、切り裂いて包装体PKG内のおむつ1を取り出すための開口部を形成することができる。
複数のおむつ1は、図5に示すように、包装体PKGの胴部において、それぞれ背側部Aの非肌対向面AOを第1側面94側に向け、ウエスト端縁11,12を上側(包装体PKGの頂部側)に向け、股下部Bを下側(包装体PKGの底面91側)に向けて収納されている。包装体PKG内に収納されるおむつ1は、可撓性を有する包装体PKGによって圧縮されて収納されている。包装体PKG内に収納されるおむつ1は、隣接するおむつ1の背側部Aの非肌対向面AOと、腹側部Cの非肌対向面COとが互いに当接している。
包装体PKGから使い捨ておむつ1を取り出す際、作業者は、まず開封線99を切り裂き開口部を形成する。次に、作業者は、開口部から包装体PKG内に手を差し入れ、おむつ1のウエスト端縁11,12を掴み、包装体PKG外に取り出す。ここで、上述するように、本実施形態に係るおむつ1の背側部Aの非肌対向面AOの少なくとも一部は表面粗さSMDR1が8μm以上20μm以下の第1領域R1を有している。おむつ1が第1領域R1を有するため、1枚のおむつ1の第1領域R1と、当該おむつ1に隣接するおむつ1の腹側部Cの非肌対向面COとの間(図5の符号P)に隙間が生じ、作業者の手が入り易くなる。また、作業者が、1枚の使い捨ておむつ1の第1領域R1を指先の感覚から区別して取り出すことが可能になる。その結果、第1領域R1の表面粗さSMDR1を好適に定めることによって、包装体PKGから所望の枚数(例えば、1枚)の使い捨ておむつ1のみを選択的に取り出すことが容易になり、取り出し作業の効率を改善できる。
なお、上述する使い捨ておむつ1の取り出し作業の効率を改善する効果は、おむつ1が包装体PKGに収納されている場合に限定されない。例えば、おむつ1は、図5に示すように家庭等でウエスト端縁11,12を上側に向けて並列された状態でストッカーに収納され得る。このような場合でも、おむつ1の構成によれば、ストッカーからの取り出し作業を改善する効果が期待できる。
おむつ1では、第1領域R1の表面粗さSMDR1が、背側部Aの肌対向面AIの表面粗さSMDよりも大きいことが好ましい(以下、背側部Aの肌対向面AIの表面粗さSMDを表面粗さSMDAIと称する)。このような構成では、おむつ1の取り出し作業の際、作業者の手が1つのおむつ1の背側部Aの肌対向面AI及び腹側部Cの肌対向面CIの間よりも、隣接する2枚のおむつ1の間に入りやすいため、更に取り出し作業の効率を改善できる。表面粗さSMDR1は、表面粗さSMDAIに対して、より好ましくは1μm以上大きく、更に好ましくは2μm以上大きい。表面粗さSMDR1とSMDAIの差が大きいと、作業者が、1枚の使い捨ておむつ1の第1領域R1及び背側部Aの肌対向面AIを指先の感覚から区別して取り出すことが更に容易になる。ここで、表面粗さSMDAIは、図5に示すように、おむつ1を長手方向における中心線CL2で肌対向面Iを内側にして折り畳んだ状態で第1領域R1に対向する位置で測定した値を比較する。また、表面粗さSMDR1,SMDAIは、互いに同一方向に沿って測定された値で比較され、例えばおむつ1の幅方向に沿って測定した値で比較する。
おむつ1では、第1領域R1の表面粗さSMDR1が、腹側部Cの非肌対向面COの表面粗さSMDCOよりも大きいことが好ましい(以下、腹側部Cの非肌対向面COの表面粗さSMDを表面粗さSMDCOと称する)。このような構成では、おむつ1の取り出し作業の際、作業者の手が隣接する2枚のおむつ1の間に更に入りやすくなるため、更に取り出し作業の効率を改善できる。表面粗さSMDR1は、表面粗さSMDCOに対して、より好ましくは5μm以上大きく、更に好ましくは8μm以上大きい。表面粗さSMDR1とSMDCOの差が大きいと、作業者が、1枚の使い捨ておむつ1の第1領域R1及び腹側部Cの非肌対向面COを指先の感覚から区別して取り出すことが更に容易になる。ここで、表面粗さSMDCOは、図5に示すように、おむつ1を長手方向における中心線CL2で肌対向面Iを内側にして折り畳んだ状態で第1領域R1に対向する位置で測定した値を比較する。また、表面粗さSMDR1,SMDCOは、互いに同一方向に沿って測定された値で比較され、例えばおむつ1の幅方向に沿って測定した値で比較する。
おむつ1では、第1領域R1において、複数の襞(例えば、タック部13)が形成される場合、平均襞間隔に対する第1領域R1の厚さの比(すなわち、第1領域R1の厚さ/平均襞間隔)が好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.6以上である。このような構成では、第1領域R1の厚さに対する平均襞間隔が適切であるため、おむつ1の取り出し作業の際、作業者の手が隣接する2枚のおむつ1の間に更に入りやすくなるため、更に取り出し作業の効率を改善できる。
ここで、第1領域R1の厚さ及び平均襞間隔の測定方向としては以下の方法で測定するものとする。
<第1領域R1の厚さの測定>
3cm×9cmの試験片(第1領域R1に対応する位置の背側部Aの一部)を準備し、平滑な金属平面の試験台に取りつける。第1領域R1の厚さは、圧縮試験機を用いて、直径1.5cmの平滑な金属表面からなる圧縮子によって、測定する領域に0.5g/cmの荷重をかけて測定する。第1領域R1の厚さが位置によって異なる場合は、各位置の値の平均値として算出する。圧縮試験機としては、カトーテック株式会社製の圧縮試験機(製品名:KES-FB3)を使用できる。
<平均襞間隔の測定>
3cm×3cmの試験片(第1領域R1に対応する位置の背側部Aの一部)を準備し、平滑で平面のアクリル板に試験片の肌対向面I側を貼り付ける。次に、スタンプ台(例えば、三菱鉛筆株式会社製、ユニ(登録商標)、赤色インク、未使用品)のインク保持部上に、アクリル板に固定した試験片を非肌対向面AOを向けて載置する。次に、アクリル板を介して、インク保持部に向けて試験片を1.2kPaで加圧して試験片の非肌対向面AOにインクを付着する。次に、白紙上に、当該測定片をインク付着面を下に向けて載置する。次に、アクリル板を介して、白紙に向けて試験片を1.2kPaで加圧して試験片のインク付着面のインクを白紙に転写する。ここで、白紙上のインク転写領域間の距離が、平均襞間隔である。平均襞間隔は、インク転写領域である襞の延在方向に対して直交する方向で測定される。平均襞間隔は、試験片の全面に対して長手方向に等間隔に合計15点の襞間隔を測定して、その平均値として算出する。
おむつ1では、第1領域R1において複数のタック部13が形成される場合、図3に示すタック部の高さhは、0.5mm以上、5mm以下であることが好ましい。高さhが0.5mm未満だと、表面粗さSMDR1を上記範囲内にすることが困難になる虞がある。一方、高さhが5mmを超えると、当該おむつ1の着用者に背側部Aのごわつきなどの違和感を与える虞がある。また、図3に示すタック部の間隔dは、2mm以上、10mm以下であることが好ましい。間隔dが2mm未満だと表面粗さSMDR1を当該おむつ1の着用者に背側部Aのごわつきなどの違和感を与える虞がある。一方、間隔dが10mmを超えると、表面粗さSMDR1を上記範囲内にすることが困難になる虞がある。なお、第1領域R1における各タック部13の高さh及び間隔dは一定である必要はなく、第1領域R1の表面粗さSMDR1が上述する所定の範囲になれば、互いに異なっていてよい。
おむつ1では、第1領域R1は、好ましくは少なくともウエストフラップ部D内に配置され、より好ましくは少なくともウエスト端縁を含み、ウエスト端縁11から股下部B側に向けて1.5cm~5cmの領域に配置される。なお第1領域R1は、ウエストフラップ部Dに形成される必要はなく、背側部Aの非肌対向面AOの他の領域に形成されてもよい。例えば、第1領域R1は、背側部Aの非肌対向面AOの吸収体4に重畳する領域まで配置されていてもよく、背側部Aの非肌対向面AOの全面に配置されていてもよい。また、第1領域R1は、上述する取り出し性改善の効果を得るため、好ましくは幅2cm、長さ1.5cm以上の面積を有する領域であり、より好ましくは幅2.5cm、長さ2.5cm以上の面積を有する領域である。ここで、タック部13は、表面シート2及び裏面シート3からなる積層体10が折り畳まれて形成される例を示して説明したがこれに限定されない。例えば、第1領域R1は、表面シート2は平坦のままであって、裏面シート3のみでタック部を形成し、それらを貼り合わせたような積層体からなるものであってもよい。
おむつ1では、タック部13は、好ましくは吸収体4の幅内(図2中にEで示す範囲)に形成され、それぞれおむつ1の長手方向に沿って延びるように形成される。このような構成では、上述する取り出し性の改善の効果が得られ、かつ吸収体4の長手方向の端部(端縁42近傍)の、着用者の肌に対するフィット性を向上させることができる。
なお、タック部13は、おむつ1の長手方向に沿って延びるものに限定されず、例えばおむつ1の幅方向に沿って延びるもの、又はおむつ1の長手方向に対して斜めに延びるものであってもよい。このような構成では、表面粗さSMDR1は、それぞれタック部13の延在する方向に直交する方向に沿って測定される。また、タック部13は、ウエスト端縁11から、一定距離離隔して形成されていてもよい。
第1領域R1は、表面粗さSMDR1が上述する範囲内になるように形成されていればよく、上述する複数のタック部13が設けられる構成でなくてもよい。例えば、おむつ1における第1領域R1は、糸ゴムによって形成されるギャザーである伸縮部と、上述するタック部とを組みあわせて表面粗さSMDR1が達成されてもよい。当該伸縮部は、例えばウエストフラップ部Dを形成する積層体10において、表面シート2と裏面シート3との間におむつ1の幅方向に沿って、複数の糸ゴムを伸張させて接着し、その糸ゴムの伸縮力によって形成されるギャザーである。
なお、第1領域R1が上述するタック部13を含む構成である場合、包装体PKG内でおむつ1が圧縮されている場合でも、上述する取り出し性改善の効果が顕著に得られるため好ましい。包装体PKG内でのおむつ1は、圧縮されて収納されるため、糸ゴムギャザーのみからなる伸縮部は、当該圧縮力によって包装体で潰れ、平坦化される虞がある。一方、第1領域R1がタック部13を含む構成である場合、タック部13は、糸ゴムギャザーからなる伸縮部と比較して、適度な高さや硬さを有するため、包装体PKG内に圧縮収納された状態でも、当該形状が潰され難く、作業者が指先の感覚で所望の枚数のおむつ1を容易に認識でき、作業者の手が差し込まれる隙間を容易に維持することができる。また、第1領域R1に糸ゴムギャザーからなる伸縮部を設ける場合、一般的に第1領域R1の表面粗さSMDR1と背側部Aの肌対向面AIの表面粗さSMDAIの値が同一となるため、これらの面を作業者が指先の間隔から区別することが困難になる虞がある。
包装体PKGでは、おむつ1を取り出すための開口部は、好ましくは頂部に設けられる。包装体PKGの開口部が頂部に設けられる場合、包装体PKG内に差し込まれる作業者の手がウエスト端縁11,12側からおむつ1に触れるため、上述する取り出し性改善の効果が容易に得られ好ましい。なお、当該開口部は、図4に示す例のように開封線99を切り裂くことによって形成されるものに限定されず、他の公知の吸収性物品用の包装体の取り出し口であってよく、例えば頂部の一部を切り欠き等のガイドに従って切り離して形成されるもの等であってもよい。
なお、包装体PKGにおいて、開口部が頂部に設けられず、例えば胴部の第1側面94等に設けられる場合でも、包装体PKGは可撓性を有する樹脂からなるため作業者が開封線99を無視して包装体PKGの頂部を切り裂き、取り出し口である開口部を形成する場合も多い。そのため、おむつ1が収納される包装体の態様にかかわらず、上述する取り出し性改善の効果を得ることが期待できる。
以上、本発明の使い捨ておむつの一実施形態を示して本発明を説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変形可能である。
他の実施形態に係る使い捨ておむつ1´では、図6に示すように複数の第1領域R1(例えば、2つの第1領域R1´,R1´を有してもよい。おむつ1´は、以下に示すウエストフラップ部D以外の構成はおむつ1と同一である。例えば、各第1領域R1´,R1´は、上述する第1領域R1が配置されていた領域内において、おむつ1の幅方向における中心線CL1に対して左右対称に、中心線CL1に沿う中央領域を除き幅方向に間隔を置いて配置される2つの矩形状の領域である。第1領域R1´は、その面積、配置、形成されるタック部の本数等を除き、第1領域R1と同一の構成を有する。第1領域R1´,R1´間の領域は、表面粗さSMDR2が8μm未満である第2領域R2である。第2領域R2は、例えば、複数のタック部13が形成されない矩形状の領域である。
このような構成によれば、複数のおむつ1´を図4,5のように集積した場合、第2領域R2に対応する位置で、隣接するおむつ1´との間に隙間が生じる。このような構成では、おむつ1´の取り出し作業の際、作業者の手を第2領域R2に対応する位置に差し入れることができ、隣接する2枚のおむつ1の間に作業者の手が更に入りやすくなるため、更に取り出し作業の効率を改善できる。
第1領域R1´の表面粗さSMDR1に対する、第2領域R2の表面粗さSMDの差は、好ましくは3μm以上、より好ましくは6μm以上である(以下、第2領域R2の表面粗さSMDを表面粗さSMDR2と称する)。このような構成では、表面粗さSMDR1と表面粗さSMDR2との差が大きいと、第2領域R2に対応する位置で隣接するおむつ1との隙間が拡大するため、更に上述する取り出し作業の効率を改善できる。ここで、表面粗さSMDR1,SMDR2は、おむつ1´の長手方向における同一位置で比較する。また、表面粗さSMDR1,SMDR2は、互いに同一方向に沿って測定された値で比較され、例えばおむつ1´の幅方向に沿って測定した値で比較する。
第2領域R2の幅方向における幅W2は、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上である。第1領域R1の幅W1は、取り出し作業の際、作業者の手が第2領域R2に容易に入るような隙間を確保するため、第2領域R2の幅W2よりも大きいことが好ましい。第1領域の幅W1は、それぞれ第2領域R2の幅W2に対して、好ましくは115%以上、より好ましくは130%以上である。このような構成では、おむつ1の取り出し作業の際、作業者の手を第2領域R2に対応する位置に差し入れることが更に容易になるため、更に取り出し作業の効率を改善できる。
なお、複数の第1領域R1´は図6に示すような2つの例に限定されず、3つ以上であってもよい。例えば、3つの第1領域R1´が図1において第1領域R1が配置されていた領域内で、おむつ1の幅方向において間隔をおいて3つ配置され、それらの間に2つの第2領域R2が配置される構成であってもよい。
なお、ウエストフラップ部Dが、表面シートが円形状の複数の開孔を有し、裏面シートと接着剤で接合される積層体からなる構成である場合、図3に示すように、別途の接着剤16を用いず、当該開孔から露出する接着剤を用いて、相対向面15,15同士を接着することで上述するタック部を形成することができる。
なお、上記実施形態では展開型のおむつとして記載したが、吸収性物品はいわゆるパンツ型のおむつ等他の吸収性物品であってもよい。
<実施例及び比較例>
以下、本発明の吸収性物品の実施例及び比較例について説明する。
実施例1~3,比較例1~3に係る測定サンプルとして、それぞれ以下の展開型使い捨ておむつを作製した。
<実施例1>
実施例1に係る測定サンプルとなる使い捨ておむつは、ウエストフラップ部D以外は図1に示す使い捨ておむつと同様に作製した。表面シートは、特開2004-174234号公報の表面シートと同様に作製した。具体的には、表面シートとして、凸凹状に変形された第1シートと、第2シートを部分的に熱融着させて作製した。第1シート及び第2シートとして、エアスルー法により作成された坪量18g/mの不織布を使用した。一方、裏面シートとしては、坪量15g/mのスパンボンド不織布を使用した。ウエストフラップ部Dにおいて、上記表面シートと、上記裏面シートとを接着剤によって貼り合わせて積層体を作製した。
実施例1に係る測定サンプルでは、図6のように、ウエストフラップ部Dにおいて、左右対称に幅3cm、長さ3cmの2つの矩形状の第1領域R1´,R1´において、複数のタック部を形成した。また、当該第1領域R1´,R1´のそれらの間の幅2cm、長さ3cmの矩形状の第2領域R2にはタックを形成しなかった。実施例1では、第1領域R1´,R1´に対応する領域内において2mmの幅、長さ30mmで幅方向に6mmの間隔を置いて3本の接着剤を塗布した。次に、当該接着剤を塗布した領域で、非肌対向面側が凸になるようにそれぞれ折り曲げ、積層体の相対向面同士を接着剤で貼り付け、3本のタック部を形成した。タック部は、それぞれ、高さhが2mm、長さが30mmであり、測定サンプルの幅方向に4mmの間隔dを置いて配置されるように形成した。
<実施例2>
実施例2の測定サンプルとなる使い捨ておむつは、2つの第1領域R1´,R1´に形成するタック部の形状を除き、実施例1の測定サンプルと同様に作製した。実施例2では、第1領域R1´,R1´に対応する領域内において2mmの幅、長さ30mmで幅方向に10mmの間隔を置いて3本の接着剤を塗布した。次に、当該接着剤を塗布した領域で、非肌対向面側が凸になるようにそれぞれ折り曲げ、積層体の相対向面同士を接着剤で貼り付け、3本のタック部を形成した。タック部は、それぞれ、高さhが2mm、長さが30mmであり、測定サンプルの幅方向に6mmの間隔dを置いて配置されるように形成した。
<実施例3>
実施例3の測定サンプルとなる使い捨ておむつは、2つの第1領域R1´,R1´に形成するタック部の形状を除き、実施例1の測定サンプルと同様に作製した。実施例3では、第1領域R1´,R1´に対応する領域内において1mmの幅、長さ30mmで幅方向に10mmの間隔を置いて3本の接着剤を塗布した。次に、当該接着剤を塗布した領域で、非肌対向面側が凸になるようにそれぞれ折り曲げ、積層体の相対向面同士を接着剤で貼り付け、3本のタック部を形成した。タック部は、それぞれ、高さhが2mm、長さが30mmであり、測定サンプルの幅方向に8mmの間隔dを置いて配置されるように形成した。
<比較例1>
比較例1の測定サンプルとなる使い捨ておむつは、2つの第1領域R1´,R1´に形成するタック部の形状を除き、実施例1の測定サンプルと同様に作製した。比較例1では、第1領域R1´,R1´に対応する領域内において1mmの幅、長さ30mmで幅方向に15mmの間隔を置いて2本の接着剤を塗布した。次に、当該接着剤を塗布した領域で、非肌対向面側が凸になるようにそれぞれ折り曲げ、積層体の相対向面同士を接着剤で貼り付け、2本のタック部を形成した。タック部は、それぞれ、高さhが1mm、長さが30mmであり、測定サンプルの幅方向に13mmの間隔dを置いて配置されるように形成した。
<比較例2>
比較例2の測定サンプルとなる使い捨ておむつは、2つの第1領域R1´,R1´に形成するタック部に代えて糸ゴムギャザーを形成することを除き、実施例1の測定サンプルと同様に作製した。比較例2では、第1領域R1´,R1´に対応する領域内において、測定サンプルの幅方向に沿って、長手方向に一定間隔を置いて表面シート及び裏面シート間に5本の糸ゴムを伸張した状態で接着することでギャザーを形成した。
<比較例3>
比較例3の測定サンプルとなる使い捨ておむつは、2つの第1領域R1´,R1´にタック部を形成しないことを除き、実施例1の測定サンプルと同様に作製した。
<各表面粗さSMDの測定>
実施例1~3及び比較例1~3に係る測定サンプルを使用して、第1領域R1´の表面粗さSMDR1、第2領域R2の表面粗さSMDR2、背側部Aの肌対向面AIの表面粗さSMDAI、及び腹側部Cの非肌対向面COの表面粗さSMDCOを、上記表面粗さSMDの測定方法に従って、それぞれ測定サンプルの幅方向に沿って測定した。また、その測定値から、各表面粗さの差(SMDR1-SMDAI、SMDR1-SMDCO、及びSMDR1-SMDR2)を算出した。ここで、表面粗さSMDR1,SMDR2は、互いに測定サンプルの長手方向における同一位置で測定される。また、表面粗さSMDAI,SMDCOは、それぞれ測定サンプルを図5に示すように折り畳んだ際に第1領域R1と対向する領域について測定した。これら結果を下記表1に示した。
<第1領域の厚さ/平均襞間隔の測定>
実施例1~3及び比較例1~3に係る測定サンプルを使用して、第1領域R1´の第1領域の厚さ/平均襞間隔の値を上記測定方法に従って測定した。これら結果を下記表1に示した。
<おむつの取り出し性の評価>
実施例1~3及び比較例1~3に係る測定サンプルを使用して、5名のパネルによって、包装体からのおむつの取り出しを行ってもらい、おむつを取り出す際の作業者の負担(取り出し性)の評価を行った。この評価は、図4に示すような包装体に対して、図5に示すように各測定サンプル20枚を収納して行った。包装体は、収納した測定サンプル20枚に対して、おむつが並列する方向に30kgfの荷重がかかる寸法で作製した。
各パネルは、包装体の頂部に設けられた取り出し口から、20枚の使い捨ておむつの中央の位置にある1枚のおむつのウエスト端縁の中央部を掴んで、包装体の外部に取り出す。使い捨ておむつの取り出し性は、上記取り出し作業の際、5名のパネルが、取り出し性がとてもよい(おむつ1枚をスムーズに取り出せる)と感じた場合は「2」、取り出し性がやや良いと感じた場合は「1」、取り出し性がどちらともいえないと感じた場合は「0」、取り出し性がやや良くないと感じた場合は「-1」、取り出し性は良くないと感じた場合は「-2」という5段階の数値で評価して、その数値を平均した値である。その結果を下記表1に示した。
Figure 0007274958000001
実施例1~3に係る測定サンプルでは、第1領域R1´の表面粗さSMDR1を0.8μm以上20μm以下としたため、包装体からの取り出し性評価の結果が1.4~1.6になり良好であった。この結果から、実施例1~3に係る測定サンプルでは、作業者が包装体から使い捨ておむつをスムーズに1枚取り出すことができ、おむつの取り出し作業の作業性を改善できたとわかる。また、実施例1~3に係る測定サンプルでは、表面粗さSMDR1が表面粗さSMDAIよりも大きく(すなわち、SMDR1-SMDAIが正の値)、表面粗さSMDR1が表面粗さSMDCOよりも大きい(すなわち、SMDR1-SMDCOが正の値)。そのため、測定サンプルでは、使い捨ておむつの取り出し時に、作業者の手が隣接する2枚のおむつの間に入りやすく更に作業性が改善された。また、実施例1~3に係る測定サンプルでは、第1領域の厚さ/平均襞間隔が0.4以上の適切な値であるため、使い捨ておむつの取り出し時に、作業者の手が隣接する2枚のおむつの間に入りやすく更に作業性が改善された。
実施例1~3及び比較例1~3の結果によって、本実施形態に係る使い捨ておむつでは、包装体からの取り出し作業性が改善されることが示された。
なお、本発明の実施形態について、具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく種々の変更が可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]肌対向面側に配された表面シート、非肌対向面側に配された裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を具備し、
着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及びそれらの間に位置する股下部を有する吸収性物品であって、
前記背側部の前記非肌対向面は、少なくとも一部に表面粗さSMDR1が8μm以上20μm以下である第1領域を有する吸収性物品。
[2]当該吸収性物品を長手方向における中心線で前記肌対向面を内側にして折り畳んだ状態において、前記第1領域に対向する位置の前記背側部の前記肌対向面の表面粗さSMDAIが、前記第1領域の表面粗さSMDR1よりも小さい[1]の吸収性物品。
[3]当該吸収性物品を長手方向における中心線で前記肌対向面を内側にして折り畳んだ状態において、前記第1領域に対向する位置の前記腹側部の前記非肌対向面の表面粗さSMDCOが、前記第1領域の表面粗さSMDR1よりも小さい[1]又は[2]の吸収性物品。
[4]前記背側部はファスニングテープを有し、前記腹側部の非肌対向面には前記ファスニングテープを止着するランディングテープを有することを特徴とする[1]~[3]のいずれかの吸収性物品。
[5]前記第1領域は、当該吸収性物品の幅方向において一対の折り畳み線の内側であって、当該吸収性物品の長手方向において、前記背側部側の前記長手方向における端から吸収体の前記背側部側の端までの位置に配置される、[1]~[4]のいずれかの吸収性物品。
[6]前記背側部の前記非肌対向面は前記第1領域を複数有し、当該複数の前記第1領域間には表面粗さSMDR2が8μm未満の第2領域を有する、[1]~[5]のいずれかの吸収性物品。
[7]前記第1領域には、前記背側部側の当該吸収性物品の長手方向における端から、前記股下部方向に向かって伸びる複数のタック部が形成され、
前記第1領域の表面粗さSMDR1は、当該吸収性物品の前記幅方向に沿って測定した値である、[1]~[6]のいずれかの吸収性物品。
[8]前記第1領域において、平均襞間隔に対する、前記第1領域の厚さの比が0.4以上である、[1]~[7]のいずれかの吸収性物品。
[9]胴部と、前記胴部の天面を覆う頂部とを備えて、[1]~[8]のいずれかの吸収性物品を収納する包装体であって、
前記胴部には、複数の当該吸収性物品を圧縮して収納され、当該吸収性物品は、それぞれ当該吸収性物品を長手方向における中心線で前記肌対向面を内側にして折り畳んだ状態で、当該吸収性物品の長手方向における一対の端を前記頂部側に向け、かつ前記第1領域を同一方向に向けて並列して収納されている、吸収性物品用の包装体。
[10]前記頂部には、当該包装体内の前記吸収性物品を取り出すための開口部が形成される、吸収性物品用の包装体。
1 使い捨ておむつ
11,12 ウエスト端縁
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
42 吸収体の端縁
5 ファスニングテープ
6 ランディングテープ
7 立体ギャザー
8 レッグ部弾性部材
A 背側部
B 股下部
C 腹側部
R1 第1領域
R2 第2領域
PKG 包装体

Claims (9)

  1. 肌対向面側に配された表面シート、非肌対向面側に配された裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を具備し、
    着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及びそれらの間に位置する股下部を有する吸収性物品であって、
    前記背側部の前記非肌対向面は、少なくとも一部に表面粗さSMDR1が8μm以上20μm以下である第1領域を有し、
    前記第1領域は、当該吸収性物品の幅方向において一対の折り畳み線の内側であって、当該吸収性物品の長手方向において、前記背側部側の前記長手方向における端から吸収体の前記背側部側の端までの位置に配置される、吸収性物品。
  2. 当該吸収性物品を長手方向における中心線で前記肌対向面を内側にして折り畳んだ状態において、前記第1領域に対向する位置の前記背側部の前記肌対向面の表面粗さSMDAIが、前記第1領域の表面粗さSMDR1よりも小さい請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 当該吸収性物品を長手方向における中心線で前記肌対向面を内側にして折り畳んだ状態において、前記第1領域に対向する位置の前記腹側部の前記非肌対向面の表面粗さSMDCOが、前記第1領域の表面粗さSMDR1よりも小さい請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記背側部はファスニングテープを有し、前記腹側部の非肌対向面には前記ファスニングテープを止着するランディングテープを有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記背側部の前記非肌対向面は前記第1領域を複数有し、当該複数の前記第1領域間には表面粗さSMDR2が8μm未満の第2領域を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記第1領域には、前記背側部側の当該吸収性物品の長手方向における端から、前記股下部方向に向かって伸びる複数のタック部が形成され、
    前記第1領域の表面粗さSMDR1は、当該吸収性物品の方向に沿って測定した値である、請求項1~のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記第1領域において、平均襞間隔に対する、前記第1領域の厚さの比が0.4以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  8. 胴部と、前記胴部の天面を覆う頂部とを備えて、請求項1~のいずれか1項に記載の吸収性物品を収納する包装体であって、
    前記胴部には、複数の当該吸収性物品を圧縮して収納され、当該吸収性物品は、それぞれ当該吸収性物品を長手方向における中心線で前記肌対向面を内側にして折り畳んだ状態で、当該吸収性物品の長手方向における一対の端を前記頂部側に向け、かつ前記第1領域を同一方向に向けて並列して収納されている、吸収性物品用の包装体。
  9. 前記頂部には、当該包装体内の前記吸収性物品を取り出すための開口部が形成される、請求項8に記載の吸収性物品用の包装体。
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